説明

画像データ管理方法、画像データ管理装置、画像データ管理システム、プログラム、及び記録媒体

【課題】対象物特定情報を表示するIDを利用し、効率よく、対象物画像データをグループ化して管理する。
【解決手段】デジタルカメラを用い、対象物及びIDを撮影すると、その撮影時の時間情報が、それぞれ対象物画像データ及びID画像データに付帯データとして記録される。画像データ管理装置は、ID画像データを対象物画像データから識別する。ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する対象物画像データをグループ化する。さらに、識別されたID画像データにおいて文字認識処理を行い、IDに表示された、対象物に関連した対象物特定情報を、文字の形でデータ化する。この対象物特定情報を、ID画像データと同じグループにグループ化された各対象物画像データに付加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラによって撮影された対象物画像データ及びID画像データを管理する画像データ管理方法、並びにその方法に用いるための画像データ管理装置、画像データ管理システム、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラで撮影した人体の皮膚画像などの医療用画像データを管理する際、各画像データに対し、その画像に関する患者情報をマニュアルで入力する必要があり、作業効率が非常に悪かった。そこで、診察券などの患者ごとに発券されるIDを利用し、カードリーダーを用いることにより、マニュアル操作を省略するデジタル画像データの管理システムが考案された(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−19046明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、画像データにするための対象物に関連する対象物特定情報を表示するIDを利用し、効率よく対象物画像データをグループ化して管理する画像データ管理方法、並びにその方法に用いるための画像データ管理装置、画像データ管理システム、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的としてなされた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の画像データ管理方法は、デジタルカメラによって、画像データにするための対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDが撮影され、該対象物及び該IDの撮影時の時間情報が、それぞれ該対象物画像データ及び該ID画像データに付帯データとして記録された、対象物画像データ及びID画像データを画像データ管理装置に管理させる画像データ管理方法であって、前記画像データ管理装置が、該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶し、該ID画像データを該対象物画像データから識別し、該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化する。さらに、識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行い、得られた前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各対象物画像データに付加してもよい。
【0005】
上記画像データ管理方法において、前記対象物が疾患患者であってもよく、前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであってもよい。また、前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であってもよい。また、前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであってもよい。これらの場合、前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせてもよい。
【0006】
本発明の画像データ管理装置は、デジタルカメラによって、画像データにするための対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDが撮影され、該対象物及び該IDの撮影時の時間情報が、それぞれ該対象物画像データ及び該ID画像データに付帯データとして記録された、対象物画像データ及びID画像データを管理する画像データ管理装置であって、該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶し、該ID画像データを該対象物画像データから識別し、該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化する。さらに、識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行い、得られた前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各画像データに付加してもよい。
【0007】
上記画像データ管理装置に対し、前記対象物が疾患患者であってもよく、前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであってもよい。また、前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であってもよい。また、前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであってもよい。これらの場合、上記画像データ管理装置は、前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせてもよい。
【0008】
本発明の画像データ管理システムは、画像データにするための対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDと、該対象物及び該IDを撮影するデジタルカメラと、該対象物画像データ及び該ID画像データを管理する画像データ管理装置と、を備えた画像データ管理システムであって、前記デジタルカメラが、対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDを撮影し、該対象物及び該IDの撮影時の時間情報を、それぞれ該対象物画像データ及び該ID画像データに付帯データとして記録し、前記画像データ管理装置が、該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶し、該ID画像データを該対象物画像データから識別し、該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化する。前記画像データ管理装置が、さらに、識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行い、得られた前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各画像データに付加してもよい。
【0009】
上記画像データ管理システムに対し、前記対象物が疾患患者であってもよく、前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであってもよい。また、前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であってもよい。また、前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであってもよい。これらの場合、上記画像データ管理装置は、前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせてもよい。
【0010】
本発明のプログラムは、デジタルカメラによって、画像データにするための対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDが撮影され、該対象物及び該IDの撮影時の時間情報が、それぞれ付帯データとして記録された、対象物画像データ及びID画像データをコンピュータに管理させる画像データ管理プログラムであって、前記コンピュータに、該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶する工程と、該ID画像データを該対象物画像データから識別する工程と、該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化する工程と、を実行させる。前記コンピュータに、さらに識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行う工程と、前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各画像データに付加する工程と、を実行させてもよい。
【0011】
上記プログラムに対し、前記対象物が疾患患者であってもよく、前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであってもよい。また、前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であってもよい。また、前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであってもよい。上記プログラムは、前記コンピュータに、さらに、前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせることを実行させてもよい。
【0012】
本発明の記録媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によって、画像データにするための対象物に関連する対象物特定情報を表示するIDを利用し、効率よく対象物画像データをグループ化して管理する画像データ管理方法、並びにその方法に用いるための画像データ管理装置、画像データ管理システム、プログラム、及び記録媒体を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施の形態を、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明の目的、特徴、利点、及びそのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば、容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をそれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
【0015】
==画像データ管理システムと、それを用いた画像データ管理方法==
本発明の画像データ管理システムは、画像データにするための対象物に関連する対象物特定情報を表示する対象物個別のIDと、対象物及びIDを撮影するデジタルカメラと、対象物画像データ及びID画像データを管理する画像データ管理装置とを備えている。このシステムを用い、図1のフローチャートに示すように、画像データ管理を行う。以下、その方法について説明する。
【0016】
まず、デジタルカメラを用い、対象物及びIDを撮影する(S11)と、その撮影時の時間情報が、それぞれ対象物画像データ及びID画像データに付帯データとして記録される(S12)。これらの画像データを画像データ管理装置に移動して記憶させる(S13)。このように、IDに表示された対象物特定情報をデータ化するために、IDを画像データとして認識することにより、対象物を撮影するときにIDを撮影するだけで済む。従って、カードリーダーのような機器が必要でなくなり、デジタルカメラに関しては、Exif情報を画像に埋め込むことができればカメラの機種を問わないため、効率よく対象物特定情報をデータ化できるようになる。
【0017】
これらの画像データを記憶した画像データ管理装置は、インストールされた画像データ管理プログラムを用いて、以下の管理方法を行う。まず、ID画像データを対象物画像データから識別する(S14)。この方法は、ID画像データ及び対象物画像データの画像によって、適宜選択すればよい。次に、IDを撮影した前後で撮影された対象物画像データをグループ化するために、ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する対象物画像データをグループ化する(S15)。このような方法により、対象物を撮影する前後、あるいは撮影の途中でIDを撮影しておくだけで、一つの対象物を撮影した複数の画像データごとに、効率よくグループ分けすることができる。
【0018】
さらに、識別されたID画像データにおいて文字認識処理を行い(S16)、IDに表示された、対象物に関連した対象物特定情報を、文字の形でデータ化する。この対象物特定情報を、ID画像データと同じグループにグループ化された各対象物画像データに付加する(S17)ことによって、各対象物画像データとその対象物に関連した対象物特定情報を効率よく関連づけることができる。このような方法により、各対象物画像データを個別に取り出しても、その対象物に関連した対象物特定情報を得ることができ、各対象物画像データを、IDなしに扱うことができる。
【0019】
このように、本発明の画像データ管理方法によれば、デジタルカメラで撮影した個々の対象物画像データに対し、文字で表示された対象物特定情報を関連付けて管理することが容易にできるようになる。
【0020】
==疾患患者の患部画像データの管理への応用==
上述したように、本発明は、デジタルカメラによって撮影された対象物画像データ及びID画像データを管理する画像データ管理方法に関する発明であるが、以下、病院における疾患患者の患部画像データの管理方法を典型的な例として、図2に示すようなフローチャートを用い、本発明を説明する。しかし、本発明の用途は、ここで説明する例に限定されないことは言うまでもない。
【0021】
ここで、典型的な対象物は疾患患者であるが、疾患患者とは、病院で画像を必要とする検査をする人のことであり、必ずしも、何らかの疾患に罹患している必要はない。ここでは、対象物として皮膚疾患に罹患した患者を例にとって説明する。IDとは、例えば、患者個別に作製されている診察券、カルテ、または腕まきのような装着物、または診察室に備え付けのコンピュータのモニター等、患者を区別し、特定できる患者特定情報(対象物特定情報。例えば、患者のID番号や患者を特定するバーコードなど。)が表示されているものであれば何でもよいが、便利さの点で、診察券が好ましい。この診察券には、患者に関連する患者特定情報として、患者のID番号の他、氏名、生年月日、年令、性別などが表示されていてもよい。患者及び診察券を撮影するデジタルカメラは、撮影時の時間情報を画像データに付加する機能を有するカメラであれば、どんな機種でもよく、例えば、Exif情報を挿入できるJPEGまたはTIFF画像を撮影できるカメラが考えられる。このデジタルカメラは、十分な解像度を得るために、200万画素以上であることが好ましい。このデジタルカメラで撮影した画像データを管理するための画像データ管理装置は、典型的にはパーソナルコンピュータである。
【0022】
このシステムを用い、患者の画像データの管理を以下のように行う。まず、医師が、デジタルカメラを用い、患者の皮膚写真(対象物画像データ)を撮影する(S21)。複数の皮膚写真を撮影する際、疾患患者の診察券の写真(ID画像データ)も皮膚写真とは別に撮影しておく(S21)。診察券の写真を撮るのは、皮膚写真を撮る前後でも、撮っている途中でも構わない。この時、デジタルカメラによって、患者の皮膚及び診察券の撮影時の時間情報が、それぞれ皮膚写真データ及びID写真データに付帯データとして記録される(S22)。
【0023】
このようにして撮影された皮膚写真及び診察券写真を、画像データ管理装置に記憶させる(S23)。この時、デジタルカメラと画像データ管理装置をUSBなどで直接接続してデータを移動させてもよく、USBメモリ、SDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの持ち運び可能なメモリを用いてデータを移動させてもよい。
【0024】
以下、画像データ管理装置における画像データ管理は、画像データ管理装置にインストールされた画像データ管理プログラムを用いて行う。即ち、この画像データ管理プログラムは、以下の動作をコンピュータに行わせるように構築されている。画像データ管理プログラムは、記憶した画像データを、モニタ上で画像データ表にして示す。そのインターフェイスの一例を図3に示す。
【0025】
まず、画像データ装置は、記憶した診察券写真を皮膚写真から識別する(S24)。これはオペレータが命令しても、自動で行ってもよい。この場合、皮膚は一様な色をしていることが多く、診察券には磁気部分が存在していることが多いので、例えば、診察券の縁や黒い磁気部分を認識することにより診察券を皮膚写真から識別すればよいが、識別方法はこれに限らず、場合に応じて適当なものを選択すればよい。この時、画像データ装置は、これらの識別結果を画像データ表で示す。例えば、表中の診察券写真を示す行に、図3のように○を付けても良いし、また、行全体に色をつけて示してもよい。
【0026】
オペレータは、この診察券写真が撮影された時間の、例えば前後10分間に撮影された皮膚写真を、皮膚写真に付随した時間情報を指標にしてグループ化することができる(S25)。このグループ化も、オペレータが適宜時間を設定して命令してもよく、また予め時間を設定することにより、その設定時間内に撮影された皮膚写真を自動的にグループ化するようにしてもよい。この時、画像データ装置は、図3の画像データ表のように、診察券写真を示す行の下に、グループ化した皮膚写真を示す行を連続して並べることにより、そのグループを示すことができる。また、図3に示すように、各グループにはグループ番号を付与することもできる。
【0027】
このグループ化を撮影時の時間情報で行うのは、実際の診察において、各患者の写真は連続して撮影されることが多く、次の患者の写真を撮影するまでに時間が空くためであり、時間情報でグループ化することにより、患者ごとの写真を、その診察券を元にしてグループ化することができるからである。
【0028】
しかし、たまたま二人の患者の写真を続けて撮影する必要がある場合もあるかもしれない。そのような場合のため、セパレータ画像を設定できるようにしてもよい。例えば、デジタルカメラのレンズにキャップをはめて撮影することにより、真っ暗な画像を撮影することができる。真っ暗な画像をセパレータ画像と設定し、短い時間間隔で次の患者の写真を撮影する場合に、次の患者の撮影前に、レンズにキャップをはめて撮影し、次の患者の画像の前にセパレータ画像を挿入することにより、セパレータ画像を挟む2群の画像に関して、撮影時の時間情報に関係なく、異なるグループとしてグループ化することができる。
【0029】
逆に、1人の患者でも、長い間隔時間を挟んで写真を撮影する必要があるかもしれない。そうした場合、撮影ごとに診察券の写真を撮影してもよいが、別法として、コネクタ画像を設定できるようにしてもよい。例えば、白い壁に向かって写真を撮ることにより、照度の高い画像を撮影することができる。そのような白い画像をコネクタ画像と設定し、長い時間間隔で同じ患者の写真を撮影する場合に、2回目の撮影前に、白い壁に向かって撮影し、2回目の撮影の画像の前にコネクタ画像を挿入することにより、コネクタ画像を挟む2群の画像に関して、撮影時の時間情報に関係なく、同じグループとしてグループ化することができる。
【0030】
さらに、撮影した診察券に対し、OCRと同様の原理を用いて、文字認識処理を行い、診察券に表示された個別の患者情報を得ることができる(S26)。例えば、患者のID番号の他、氏名、生年月日、年令、性別等の患者情報が表示されていれば、それらを読みとって、各画像データに付加し、画像データ表に記入する(S27)。患者情報がバーコードのように暗号化されている場合は、それを解読した後で、その情報を画像データ表に記入する。これにより、各患者の画像と、患者の診察券に表示された患者情報とを関連づけることができるようになり、各画像を個々に扱っても、患者情報を直ちに認知することができる。
【0031】
画像データ表は、ここに示したものに限らず、目的に応じて適切に変えることができる。例えば、この表内に、画像データのサムネイルを設けてもよく、画像データにリンクしてもよい。
【0032】
また、患者の皮膚画像データ及び診察券画像データを、その患者の電子カルテに書き込むか、リンクさせてもよい。これにより、患者の皮膚画像データを、外来と入院棟などの離れた場所であっても、容易に共有することができるようになる。例えば、寝たきりの入院患者に対し、看護師が床ずれなどの皮膚の状態の写真を撮るような場合、入院棟で撮影された写真を、病院全体で共有している電子カルテに書き込めば、病院のどこからでも、その写真を見ることができる。さらに、リモートアクセスを用いれば、病院外から画像を得ることも容易になる。
【0033】
なお、上記方法をコンピュータに実行させるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。
【0034】
==画像管理方法のさらなる応用==
この方法では、対象物画像データを管理するために、IDを読むためのカードリーダーを必要とせず、対象物をデジタルカメラで撮影するときにIDも一緒に撮影するだけでよい。従って、IDリーダーの無いような場所で、対象物の画像を得ても、同じ管理体系に入れることができる。
【0035】
例えば、上記のように、対象物が疾患患者であり、患者の医療データを管理する際、皮膚画像を撮影するのは病院内でなくてもよく、往診で撮影した画像も、病院内で撮影した画像と共に一括して効率よく管理できる。また、患者自身が患部とともに診察券を撮影し、それらの画像をインターネットを利用して病院に送ることにより、病院で管理されている画像と共に一括して効率よく管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施の形態における画像管理方法のフローチャートを示す図である。
【図2】本発明の一実施例における疾患患者の患部画像データの管理方法のフローチャートを示す図である。
【図3】本発明の一実施例における患部画像データ管理プログラムのインターフェイスの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルカメラによって、画像データにするための対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDが撮影され、該対象物及び該IDの撮影時の時間情報が、それぞれ該対象物画像データ及び該ID画像データに付帯データとして記録された、対象物画像データ及びID画像データを画像データ管理装置に管理させる画像データ管理方法であって、
前記画像データ管理装置が、
該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶し、
該ID画像データを該対象物画像データから識別し、
該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化することを特徴とする画像データ管理方法。
【請求項2】
識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行い、得られた前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各対象物画像データに付加することを特徴とする請求項1に記載の画像データ管理方法。
【請求項3】
前記対象物が疾患患者であることを特徴とする請求項2に記載の画像データ管理方法。
【請求項4】
前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであることを特徴とする請求項3に記載の画像データ管理方法。
【請求項5】
前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であることを特徴とする請求項3または4に記載の画像データ管理方法。
【請求項6】
前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項5に記載の画像データ管理方法。
【請求項7】
前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の画像データ管理方法。
【請求項8】
デジタルカメラによって、画像データにするための対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDが撮影され、該対象物及び該IDの撮影時の時間情報が、それぞれ該対象物画像データ及び該ID画像データに付帯データとして記録された、対象物画像データ及びID画像データを管理する画像データ管理装置であって、
該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶し、該ID画像データを該対象物画像データから識別し、該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化することを特徴とする画像データ管理装置。
【請求項9】
識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行い、得られた前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各画像データに付加することを特徴とする請求項7に記載の画像データ管理装置。
【請求項10】
前記対象物が疾患患者であることを特徴とする請求項9に記載の画像データ管理装置。
【請求項11】
前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであることを特徴とする請求項10に記載の画像データ管理装置。
【請求項12】
前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であることを特徴とする請求項10または11に記載の画像データ管理装置。
【請求項13】
前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項12に記載の画像データ管理装置。
【請求項14】
前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせることを特徴とする請求項10〜13のいずれかに記載の画像データ管理装置。
【請求項15】
画像データにするための対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDと、
該対象物及び該IDを撮影するデジタルカメラと、
該対象物画像データ及び該ID画像データを管理する画像データ管理装置と、
を備えた画像データ管理システムであって、
前記デジタルカメラが、
対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDを撮影し、
該対象物及び該IDの撮影時の時間情報を、それぞれ該対象物画像データ及び該ID画像データに付帯データとして記録し、
前記画像データ管理装置が、
該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶し、
該ID画像データを該対象物画像データから識別し、
該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化する
ことを特徴とする画像データ管理システム。
【請求項16】
前記画像データ管理装置が、さらに
識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行い、得られた前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各画像データに付加する
ことを特徴とする請求項15に記載の画像データ管理システム。
【請求項17】
前記対象物が疾患患者であることを特徴とする請求項16に記載の画像データ管理システム。
【請求項18】
前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであることを特徴とする請求項17に記載の画像データ管理システム。
【請求項19】
前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であることを特徴とする請求項17または18に記載の画像データ管理システム。
【請求項20】
前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項19に記載の画像データ管理システム。
【請求項21】
前記画像データ管理装置が、さらに、
前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせることを特徴とする請求項17〜20のいずれかに記載の画像データ管理システム。
【請求項22】
デジタルカメラによって、画像データにするための対象物及び該対象物に関連する対象物特定情報を表示する該対象物個別のIDが撮影され、該対象物及び該IDの撮影時の時間情報が、それぞれ付帯データとして記録された、対象物画像データ及びID画像データをコンピュータに管理させる画像データ管理プログラムであって、前記コンピュータに、
該対象物画像データ及び該ID画像データを記憶する工程と、
該ID画像データを該対象物画像データから識別する工程と、
該ID画像データの付帯データとして記録された時間情報が示す撮影時を中心に、所定の時間範囲内にある撮影時の時間情報を付帯データとして有する該対象物画像データをグループ化する工程と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項23】
前記コンピュータに、さらに
識別された前記ID画像データにおいて文字認識処理を行う工程と、
前記IDに表示された前記対象物特定情報を、該ID画像データと同じグループにグループ化された各画像データに付加する工程と、
を実行させるための請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記対象物が疾患患者であることを特徴とする請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記対象物画像データが、前記疾患患者の皮膚画像データであることを特徴とする請求項24に記載のプログラム。
【請求項26】
前記IDが前記疾患患者の診察券またはカルテ、またはモニター画面であることを特徴とする請求項24または25に記載のプログラム。
【請求項27】
前記対象物特定情報が、該疾患患者のID番号、氏名、年令、生年月日、及び性別のうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項26に記載のプログラム。
【請求項28】
前記コンピュータに、さらに、
前記対象物画像データ及び前記ID画像データを、前記疾患患者の電子カルテに書き込むか、またはリンクさせることを実行させることを特徴とする請求項24〜27のいずれかに記載のプログラム。
【請求項29】
請求項22〜28のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−318251(P2006−318251A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−140911(P2005−140911)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【Fターム(参考)】