説明

画像再生装置及びプログラム

【課題】画像から検出される特定領域の再生表示内容の設定を簡便に行う。
【解決手段】撮像装置100であって、表示パネル1aの画像表示領域における、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡を特定する操作軌跡特定部3と、表示画像から操作軌跡特定部により特定された操作軌跡と重なる特定領域を検出する特定領域検出部4aと、特定領域と重なる操作軌跡を構成する複数の操作点を操作入力部の所定操作に基づいて順次入力指示する速度を基準として、当該特定領域の表示倍率を設定する再生表示内容設定部4bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を再生表示する画像再生装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示画面にタッチパネルを搭載した画像再生装置が知られており、タッチパネルに対する所定の描画操作に基づいて、当該所定の描画操作の軌跡や方向や速度などに応じた演出効果を画像に付与して表示画面に表示するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の技術は、例えば、タッチパネルに対して所定の円が描かれた後、当該所定の円から外に向かう直線が描かれると、所定の円の内側の画像部分を表示領域に設定するとともに、その表示領域を直線が描かれた方向に描かれた速さで移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−260691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1にあっては、移動させる表示領域を拡大させることも可能であるが、タッチパネルに対して表示領域として所定の小さな円を描いた後、当該小さな円の外側に大きな円を描く必要があり、移動させる表示領域の指定と移動後(拡大後)の表示領域の大きさの指定を別個に行う必要があった。
特に、例えば、スライドショー再生に際して、表示領域の指定と当該表示領域の移動後の大きさの指定操作を何度も行うことは煩雑である。
【0005】
そこで、本願発明の課題は、画像内の特定領域の再生表示内容の設定を簡便に行うことができる画像再生装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の画像再生装置は、
画像を表示する表示手段と、この表示手段の画像表示領域における、ユーザによる操作入力手段の所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡を特定する特定手段と、前記表示手段に表示された画像から前記特定手段により特定された前記操作軌跡と重なる特定領域を検出する検出手段と、この検出手段により検出される特定領域と重なる前記操作軌跡を構成する前記複数の操作点を前記操作入力手段の所定操作に基づいて順次入力指示する速度を操作指示速度と呼んだ場合、当該操作指示速度を基準として前記特定領域の表示倍率を設定する設定手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、本発明のプログラムは、
画像を表示する表示手段を備える画像再生装置のコンピュータを、前記表示手段の画像表示領域における、ユーザによる操作入力手段の所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡を特定する特定手段、前記表示手段に表示された画像から前記特定手段により特定された前記操作軌跡と重なる特定領域を検出する検出手段、この検出手段により検出される特定領域と重なる前記操作軌跡を構成する前記複数の操作点を前記操作入力手段の所定操作に基づいて順次入力指示する速度を操作指示速度と呼んだ場合、当該操作指示速度を基準として前記特定領域の表示倍率を設定する設定手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像から検出される特定領域の再生表示内容の設定を簡便に行うことができ、この結果、使い勝手の良いスライドショー再生の実現を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明を適用した一実施形態の画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像表示装置による画像再生処理に係る表示内容設定用テーブルの一例を模式的に示す図である。
【図3】図2の画像再生処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図2の画像再生処理に係る画像及び操作軌跡の一例を模式的に示す図である。
【図5】図2の画像再生処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の画像表示装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0011】
本実施形態の画像表示装置100は、表示パネル1aの画像表示領域における、ユーザによるタッチパネル2aの所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡Lを特定する。そして、画像表示装置100は、表示画像から操作軌跡Lと重なる顔領域を検出し、この顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点をタッチパネル2aの所定操作に基づいて順次入力指示する速度を基準として、当該顔領域の表示倍率を設定する。
具体的には、画像表示装置100は、例えば、卓上に設置されるデジタルフォトフレーム等であり、図1に示すように、表示部1と、操作入力部2と、操作軌跡特定部3と、画像処理部4と、メモリ5と、画像記録部6と、中央制御部7とを備えている。
【0012】
表示部1は、表示パネル1aと、表示制御部1bとを具備している。
表示パネル1aは、画像(例えば、画像P1等;図4参照)を表示する表示手段を構成している。また、表示パネル1aとしては、例えば、液晶表示パネルや有機EL表示パネルなどが挙げられるが、一例であってこれらに限られるものではない。
表示制御部1bは、画像記録部6から読み出され画像処理部4により復号された画像データを表示パネル1aの表示画面に表示させる。
【0013】
また、表示制御部1bは、画像再生処理(後述)にて、画像処理部4の特定領域検出部4a(後述)により顔領域(例えば、顔領域f1、f2、f3等;図5(a)〜図5(c)参照)が順次検出されると、これら複数の顔領域を検出順に表示パネル1aの表示画面に表示させる。このとき、表示制御部1bは、各顔領域を再生表示内容設定部4b(後述)により設定された各顔領域の再生表示内容に従った表示態様で表示させる。即ち、表示制御部1bは、特定領域検出部4aにより順次検出された顔領域を、再生表示内容設定部4bの表示倍率設定部4d(後述)により設定された当該顔領域の表示倍率に従って拡大させる。また、表示制御部1bは、特定領域検出部4aにより順次検出された顔領域を、表示時間設定部4e(後述)により設定された当該顔領域の表示時間で表示パネル1aの表示画面に表示させる。
【0014】
操作入力部2は、例えば、数値、文字等を入力するためのデータ入力キーや、データの選択、送り操作等を行うための上下左右移動キーや各種機能キー等によって構成される操作部を有し、これらの操作部の操作に応じて所定の操作信号を中央制御部7に出力する。
【0015】
また、操作入力部2は、表示部1の表示パネル1aと一体となって設けられたタッチパネル2aを有している。
タッチパネル2aは、表示パネル1aの画像表示領域をなす表示画面に直接的若しくは間接的に接触するユーザの指(手)やタッチペン等の接触位置を検出する(図4参照)。即ち、タッチパネル2aは、例えば、表示画面上或いは当該表示画面よりも内側に設けられ、抵抗膜方式、超音波表面弾性波方式、静電容量方式等の各種方式により、表示画面上における接触位置のXY座標を検出する。そして、タッチパネル2aは、接触位置のXY座標に係る位置信号を中央制御部7に出力する。
なお、タッチパネル2aによる表示画面上における接触位置の検出精度は、適宜任意に変更可能であり、例えば、厳密に一の画素を接触位置としても良いし、一の画素を中心とする所定範囲内の複数の画素を接触位置としても良い。
【0016】
操作軌跡特定部3は、ユーザによる操作入力部2の所定の描画操作に基づいて入力された操作軌跡L(図4参照)を特定する。
即ち、操作軌跡特定部3は、操作入力部2のタッチパネル2aにより連続して検出された接触位置のXY座標に係る位置信号が中央制御部7から出力されて入力されると、当該タッチパネル2aの接触位置の各々を表示パネル1aの画像表示領域における操作点の各々として特定する。そして、軌跡特定部は、特定された複数の操作点どうしを結線することで、ユーザによる描画操作に対応する操作軌跡L(図4参照)を特定する。
なお、図4にあっては、表示パネル1aの画像表示領域上に操作軌跡Lの一例を模式的に表しているが、当該操作軌跡Lを視認可能に表示するか否かは適宜任意に変更可能である。
ここで、操作軌跡特定部3は、表示パネル1aの画像表示領域における、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡Lを特定する特定手段を構成している。
【0017】
画像処理部4は、画像記録部6から読み出された表示画像の静止画像データや動画像データを対応する所定の符号化方式(例えば、JPEG形式、モーションJPEG形式、MPEG形式など)に従って復号して、表示制御部1bに出力する。
また、画像処理部4は、画像再生処理にて、スライドショー再生に係る顔領域の検出や、当該顔領域の再生表示内容の設定等を行う。具体的には、画像処理部4は、特定領域検出部4aと、再生表示内容設定部4bとを具備している。
【0018】
特定領域検出部4aは、表示パネル1aに表示された画像(例えば、画像P1等)から特定領域(例えば、人の顔領域など)を検出する。
即ち、特定領域検出部4aは、表示画像の静止画像データに対して、例えば、顔検出処理などの所定の画像認識技術を利用して、操作軌跡特定部3により特定された操作軌跡Lと重なる特定領域を検出する。具体的には、特定領域検出部4aは、表示画像内で操作軌跡特定部3により特定された操作軌跡Lと重なる部分を基準(例えば、中心)とした顔画像の探索領域を設定し、当該探索領域内で所定の顔検出用情報と最も近似性の高い部分を顔領域として検出する。
また、特定領域検出部4aは、ユーザによる一連の描画操作に応じて操作軌跡特定部3により特定される操作軌跡Lが長くなるにつれて、当該操作軌跡Lと順次重なる顔領域を表示画像内から順次検出していく。例えば、特定領域検出部4aは、表示画像内の顔領域として、顔領域f1、顔領域f2、顔領域f3、…と順次検出していく(図5(a)〜図5(c)参照)。
ここで、特定領域検出部4aによる処理対象となる表示画像の画像データは、例えば、画像記録部6から読み出された記録用の高解像度の画像データであっても良いし、処理速度の高速化等を図る上で、特定領域の検出用に生成された、記録用の画像データよりも低解像度の画像データであっても良い。
【0019】
なお、特定領域として、人の顔領域を例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能であり、例えば、物体、植物、動物などの主要領域であっても良い。
また、画像認識技術として、例えば、エッジ検出処理、特徴抽出処理等を適用しても良く、色や明るさの変化の連続性から特定領域の輪郭を抽出するようにしても良いし、予め特定領域の種類(例えば、人の顔領域や主要領域など)を特定しておき当該特定領域の特徴情報と比較判定して輪郭を抽出するようにしても良い。なお、顔検出処理やエッジ検出処理や特徴抽出処理は、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
このように、特定領域検出部4aは、表示パネル1aに表示された画像から操作軌跡特定部3により特定された操作軌跡Lと重なる顔領域(特定領域)を検出する検出手段を構成している。
【0020】
再生表示内容設定部4bは、顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点を操作入力部2の所定操作に基づいて順次入力指示する速度vを基準として、表示画像(例えば、画像P1等)から検出された顔領域(例えば、顔領域f1、f2、f3等)の再生表示内容を設定する。具体的には、再生表示内容設定部4bは、操作指示速度算出部4cと、表示倍率設定部4dと、表示時間設定部4eとを具備している。
【0021】
操作指示速度算出部4cは、操作軌跡Lを構成する複数の操作点を操作入力部2の所定操作に基づいて順次入力指示する速度v(以下、「複数の操作点の操作指示速度v」と言う。)を算出する。
ここで、複数の操作点の操作指示速度vとは、ユーザによる操作入力部2の所定操作によって、表示パネル1aの画像表示領域にて表示画像の一の特定領域(例えば、顔領域)と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点を順次入力指示する速度のことである。即ち、操作入力部2のタッチパネル2aに対するユーザの接触操作(描画操作)によって操作軌跡Lを入力する場合、ユーザによるタッチパネル2aの接触操作に基づいて、表示パネル1aの画像表示領域に表示された表示画像の一の顔領域(特定領域)上をユーザの指やタッチペン等が通過する。これにより、当該一の顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点が順次入力指示されていき、これら複数の操作点を順次入力指示する速度が複数の操作点の操作指示速度vとなる。
そして、操作指示速度算出部4cは、例えば、表示画像の一の顔領域(特定領域)と重なる操作軌跡Lの距離(例えば、ピクセル数)を、一の顔領域に対して当該操作軌跡Lを構成する最初の操作点が重なり始めてから最後の操作点との重なりが終了するまでの時間で除算することにより、複数の操作点の操作指示速度vを算出する。
なお、上記した複数の操作点の操作指示速度vの算出方法は、一例であってこれに限られるものではなく、例えば、用いられる演算式等は適宜任意に変更可能である。
【0022】
表示倍率設定部4dは、表示画像(例えば、画像P1等)から検出された顔領域の表示倍率を設定する。
即ち、表示倍率設定部4dは、操作指示速度算出部4cにより算出された顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点の操作指示速度vを基準として、当該顔領域の表示制御部1bによるスライドショー再生の際の表示倍率を設定する。具体的には、表示倍率設定部4dは、表示内容設定用テーブルT(図2参照)を用いて、顔領域の指示に係る複数の操作点をタッチパネル2aの接触操作に基づいて順次入力指示する操作指示速度v(ユーザの指やタッチペンの操作指示速度v)に反比例させるように当該顔領域の表示倍率を設定する。つまり、表示倍率設定部4dは、複数の操作点の操作指示速度vが速いほど当該顔領域の表示倍率が相対的に小さくなるように設定する。その一方で、表示倍率設定部4dは、複数の操作点の操作指示速度vが遅いほど当該顔領域の表示倍率が相対的に大きくなるように設定する。例えば、表示倍率設定部4dは、表示内容設定用テーブルTを参照して、顔領域(例えば、顔領域f3;図5(c)参照)の操作指示速度v(例えば、「v2≦v<v1」など)に応じて当該顔領域の表示倍率(例えば、「2倍」など)を設定する。
また、表示倍率設定部4dは、特定領域検出部4aにより顔領域(特定領域)が順次検出された場合には、これら複数の顔領域の各々の操作指示速度vに応じて各顔領域の表示倍率を順次設定する。なお、この場合における顔領域の表示倍率の設定順は、特定領域検出部4aによる顔領域の検出順と同じでも異なっていても構わない。
【0023】
また、顔領域(特定領域)の表示倍率とは、表示画像(原画像)から検出された特定領域を当該特定領域の原画像における寸法に対して拡大する倍率のことである。なお、当該表示倍率は、「0」以上であれば任意な値をとることができ、例えば、「1倍(原画像の特定領域と当倍率)」に満たなくても良い。
ここで、表示倍率設定部4dは、顔領域(特定領域)と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点を操作入力部2の所定操作に基づいて順次入力指示する速度vを操作指示速度v)と呼んだ場合、当該操作指示速度vを基準として顔領域の表示倍率を設定する設定手段を構成している。
【0024】
表示時間設定部4eは、表示画像(例えば、画像P1等)から検出された顔領域の表示時間を設定する。
即ち、表示時間設定部4eは、操作指示速度算出部4cにより算出された顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点の操作指示速度vを基準として、当該顔領域の表示制御部1bによるスライドショー再生の際の表示時間を設定する。具体的には、表示時間設定部4eは、表示内容設定用テーブルT(図2参照)を用いて、顔領域の指示に係る複数の操作点をタッチパネル2aの接触操作に基づいて順次入力指示する操作指示速度v(ユーザの指やタッチペンの操作指示速度v)に正比例させるように当該顔領域の表示時間を設定する。つまり、表示時間設定部4eは、複数の操作点の操作指示速度vが速いほど当該顔領域の表示時間が相対的に短くなるように設定する。その一方で、表示時間設定部4eは、複数の操作点の操作指示速度vが遅いほど当該顔領域の表示時間が相対的に長くなるように設定する。例えば、表示時間設定部4eは、表示内容設定用テーブルTを参照して、顔領域(例えば、顔領域f3;図5(c)参照)の操作指示速度v(例えば、「v2≦v<v1」など)に応じて当該顔領域の表示時間(例えば、「2秒」など)を設定する。
また、表示時間設定部4eは、特定領域検出部4aにより顔領域(特定領域)が順次検出された場合には、これら複数の顔領域の各々の操作指示速度vに応じて各顔領域の表示時間を順次設定する。なお、この場合における顔領域の表示時間の設定順は、特定領域検出部4aによる顔領域の検出順と同じでも異なっていても構わない。
【0025】
また、顔領域(特定領域)の表示時間とは、特定領域が表示画面に表示されてから当該表示が終了するまでの時間のことである。なお、顔領域の表示のON/OFFを切り替える際に切替エフェクト(例えば、フェードイン、フェードアウト、ワイプ等)を適用する場合には、当該切替エフェクトを実行中の時間を含ませるようにしても良いし除いても良い。
ここで、表示時間設定部4eは、顔領域(特定領域)と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点を操作入力部2の所定操作に基づいて順次入力指示する速度v(複数の操作点の操作指示速度v)を基準として、表示制御部1bによる当該顔領域の表示時間を設定する設定手段として機能する。
【0026】
表示内容設定用テーブルTは、図2に示すように、顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点を操作入力部2の所定操作に基づいて順次入力指示する速度vである顔領域の操作指示速度vと、当該顔領域の表示倍率と、当該顔領域の表示時間とを対応付けて記憶するものである。ここで、顔領域の操作指示速度vと当該顔領域の表示倍率とは反比例の関係を有し、また、顔領域の操作指示速度vと当該顔領域の表示時間とは正比例の関係を有している。
具体的には、例えば、速度v1以上の速度である顔領域の操作指示速度v(「v1≦v」)と、顔領域の表示倍率「1倍」と、当該顔領域の表示時間「1秒」とがそれぞれ対応付けられている。また、例えば、速度v1よりも遅く速度v2以上の速度である顔領域の操作指示速度v(「v2≦v<v1」)と、顔領域の表示倍率「2倍」と、当該顔領域の表示時間「2秒」とがそれぞれ対応付けられている。また、例えば、速度v2よりも遅く速度v3以上の速度である顔領域の操作指示速度v(「v3≦v<v2」)と、顔領域の表示倍率「3倍」と、当該顔領域の表示時間「3秒」とがそれぞれ対応付けられている。同様に、速度v3よりも遅い顔領域の操作指示速度vについても、当該速度が「0」となるまでそれぞれ対応付けて記憶されているが、図示は省略する。
なお、表示内容設定用テーブルTにおける顔領域の操作指示速度vと、当該顔領域の表示倍率と、当該顔領域の表示時間との対応関係は、一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0027】
メモリ5は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、画像処理部4や中央制御部7等によって処理されるデータ等を一時的に記憶する。
【0028】
画像記録部6は、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されている。また、画像記録部6は、表示部1に表示される静止画像や動画像を記憶するものであり、所定の符号化方式で符号化された静止画像データや複数の画像フレームからなる動画像データを記録する。
【0029】
中央制御部7は、画像表示装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部7は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、画像表示装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0030】
次に、画像表示装置100による画像再生処理について、図3、図4並びに図5(a)〜図5(c)を参照して説明する。
図3は、画像再生処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、以下の説明にあっては、表示画像内に特定領域としての顔領域が含まれている画像P1を用いるものとする。
【0031】
図3に示すように、先ず、ユーザによる操作入力部2の所定操作に基づいて、画像記録部6に記録されている複数の画像の中で表示対象となる所望の画像P1(図4参照)が選択して指定されると、画像処理部4は、当該画像P1の画像データを画像記録部6から読み出す(ステップS1)。そして、画像処理部4は、読み出された画像データを対応する所定の符号化方式(例えば、JPEG形式)に従って復号して表示制御部1bに出力する。
表示制御部1bは、画像処理部4により復号された画像データに基づいて、当該画像データに係る画像P1を表示パネル1aの表示画面に表示させる(ステップS2)。
【0032】
次に、中央制御部7は、所定期間内に、ユーザによる表示パネル1aの画像表示領域における操作点の入力指示があるか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、中央制御部7は、表示パネル1aの表示画面に対するユーザの指(手)やタッチペン等の接触がタッチパネル2aにより検出されることで当該タッチパネル2aから出力された接触位置のXY座標に係る位置信号が入力されたか否かに応じて、ユーザによる操作点の入力があるか否かを判定する。
ここで、ユーザによる操作点の入力がないと判定されると(ステップS3;NO)、中央制御部7は、処理をステップS3に戻し、上記の判定処理を所定のタイミングで繰り返し実行する(ステップS3)。
【0033】
一方、ステップS3にて、ユーザによる操作点の入力があると判定されると(ステップS3;YES)、操作軌跡特定部3は、複数の操作点からユーザによる描画操作に対応する操作軌跡Lを特定する(ステップS4;図4参照)。具体的には、操作軌跡特定部3は、中央制御部7から出力され入力されたタッチパネル2aの接触位置のXY座標に係る位置信号に基づいて、当該タッチパネル2aの接触位置の各々を表示パネル1aの画像表示領域における操作点の各々として特定し、これら複数の操作点どうしを結線してユーザによる描画操作に対応する操作軌跡Lを特定する。
【0034】
続けて、画像処理部4は、操作軌跡特定部3により操作軌跡Lが特定されたか否かを判定する(ステップS5)。
ここで、操作軌跡特定部3により操作軌跡Lが特定されていないと判定されると(ステップS5;NO)、中央制御部7は、処理をステップS3に戻す。即ち、表示パネル1aの表示画面に対してユーザの指(手)やタッチペン等がある一点のみに接触した状態であり、タッチパネル2aに対する接触位置(操作点)が複数検出されていないために操作軌跡Lを特定することができない状態であるので、中央制御部7は、ステップS3にて、表示パネル1aの画像表示領域における次の操作点の入力指示を受け付ける。
【0035】
そして、ステップS5にて、操作軌跡特定部3により操作軌跡Lが特定されたと判定されると(ステップS5;YES)、特定領域検出部4aは、表示パネル1aに表示されている画像P1から、顔検出処理などの所定の画像認識技術を利用して操作軌跡Lと重なる顔領域を検出する(ステップS6)。具体的には、特定領域検出部4aは、表示されている画像P1内で操作軌跡Lと重なる部分を基準とした顔画像の探索領域を設定した後、当該探索領域内で所定の顔検出用情報と最も近似性の高い部分を顔領域として検出する。
【0036】
なお、顔領域の検出処理にあっては、操作軌跡Lの特定後、当該操作軌跡Lと重なる顔領域を表示画像P1から検出するようにしたが、これに限られるものではなく、予め表示画像P1に対する顔検出処理を行って当該表示画像P1内の顔領域を全て検出しておき、操作軌跡Lの特定後には、当該操作軌跡Lと重なる顔領域のみを特定するようにしても良い。
【0037】
続けて、画像処理部4は、特定領域検出部4aにより顔領域が検出されたか否かを判定する(ステップS7)。
ここで、特定領域検出部4aにより顔領域が検出されていないと判定されると(ステップS7;NO)、中央制御部7は、処理をステップS6に戻し、上記のように、特定領域検出部4aは、表示パネル1aに表示されている画像P1から操作軌跡Lと重なる顔領域を検出する(ステップS6)。
一方、ステップS7にて、特定領域検出部4aにより顔領域が検出されたと判定されると(ステップS7;YES)、再生表示内容設定部4bの操作指示速度算出部4cは、検出された顔領域に係る複数の操作点、即ち、顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点をタッチパネル2aの接触操作に基づいて順次入力指示する操作指示速度vを所定の演算式に従って算出する(ステップS8)。
【0038】
次に、再生表示内容設定部4bの表示倍率設定部4dは、表示内容設定用テーブルTを参照して、操作指示速度算出部4cにより算出された顔領域(例えば、顔領域f1など)に係る複数の操作点の操作指示速度v(例えば、「v3≦v<v2」など)に応じて当該顔領域の表示倍率(例えば、「3倍」など)を設定する(ステップS9)。また、顔領域の表示倍率の設定とともに、表示時間設定部4eは、表示内容設定用テーブルTを参照して、操作指示速度算出部4cにより算出された顔領域に係る複数の操作点の操作指示速度vに応じて当該顔領域の表示時間(例えば、「3秒」など)を設定する。
【0039】
続けて、中央制御部7は、所定期間内に、ユーザによる表示パネル1aの画像表示領域における操作点の入力指示があるか否かを判定する(ステップS10)。ここでの判定処理は、ステップS3における判定処理と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
ここで、ユーザによる操作点の入力があると判定されると(ステップS3;YES)、中央制御部7は、処理をステップS4に戻し、操作軌跡特定部3は、複数の操作点からユーザによる描画操作に対応する操作軌跡Lを特定する(ステップS4)。
つまり、表示パネル1aの表示画面に対して接触するユーザの指(手)やタッチペン等が所定方向に移動して描画操作を行っている状態であることから、ステップS4以降の処理を順次行っていく。そして、ステップS7にて、新たな顔領域(例えば、顔領域f2や顔領域f3など)が検出された場合には、上記と同様に、ステップS8にて、操作指示速度算出部4cは、検出された顔領域に係る複数の操作点の操作指示速度vを所定の演算式に従って算出する。その後、上記と同様に、ステップS9にて、表示倍率設定部4dは、表示内容設定用テーブルTを参照して、操作指示速度算出部4cにより算出された顔領域(例えば、顔領域f2など)に係る複数の操作点の操作指示速度v(例えば、「v1≦v」など)に応じて当該顔領域の表示倍率(例えば、「1倍」など)を設定する。また、顔領域の表示倍率の設定とともに、表示時間設定部4eは、表示内容設定用テーブルTを参照して、操作指示速度算出部4cにより算出された顔領域に係る複数の操作点の操作指示速度vに応じて当該顔領域の表示時間(例えば、「1秒」など)を設定する。
【0040】
一方、ステップS10にて、ユーザによる操作点の入力がないと判定されると(ステップS3;NO)、表示制御部1bは、表示パネル1aの表示画面に表示されている画像P1の表示を停止するとともに、特定領域検出部4aにより検出された顔領域を所定の表示態様でスライドショー再生させる。即ち、表示制御部1bは、特定領域検出部4aにより順次検出された顔領域を、当該顔領域の検出順(例えば、顔領域f1、顔領域f2、顔領域f3の順)に、再生表示内容設定部4bの表示倍率設定部4dにより設定された当該顔領域の表示倍率に従って拡大させるとともに、表示時間設定部4eにより設定された当該顔領域の表示時間で表示パネル1aの表示画面に再生表示させる(ステップS11)。
これにより、画像再生処理を終了する。
【0041】
以上のように、本実施形態の画像表示装置100によれば、操作軌跡特定部3が、ユーザによるタッチパネル2aの所定操作に基づいて連続して検出された複数の接触位置の各々を、表示パネル1aの画像表示領域における複数の操作点の各々として結ぶことで操作軌跡Lを特定する。そして、特定領域検出部4aが、表示パネル1aの表示画面に表示されている画像から、ユーザによるタッチパネル2aの所定操作に基づいて描画された操作軌跡Lと重なる特定領域(例えば、顔領域)を検出する。そして、再生表示内容設定部4bが、検出された特定領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点をタッチパネル2aの所定操作に基づいて順次入力指示する操作指示速度vを基準として当該特定領域の表示倍率や表示時間などの再生表示内容を設定する。従って、ユーザがタッチパネル2aを所定の速度で操作するだけで、当該タッチパネル2aの操作速度に応じて、画像から検出される特定領域の再生表示内容の設定を簡便に行うことができる。
具体的には、複数の操作点の操作指示速度vを基準として、画像再生の際の顔領域の表示倍率を設定し、より具体的には、顔領域の表示倍率を当該顔領域の指示に係る複数の操作点の操作指示速度vに反比例させるように設定する。従って、ユーザによってタッチパネル2aがゆっくりと指示操作された顔領域(例えば、顔領域f1;図5(a)参照)は比較的大きく拡大表示させることができる。その一方で、ユーザによってタッチパネル2aが素早く指示操作された顔領域(例えば、顔領域f2;図5(b)参照)は比較的小さく拡大表示させることができる。さらに、複数の操作点の操作指示速度vを基準として、画像再生の際の顔領域の表示時間を設定し、より具体的には、顔領域の表示時間を当該顔領域の指示に係る複数の操作点の操作指示速度vに正比例させるように設定する。従って、ユーザによってタッチパネル2aがゆっくりと指示操作された顔領域(例えば、顔領域f1;図5(a)参照)は、図2の表示内容設定用テーブルTに示すように、比較的長い時間表示させることができる。その一方で、ユーザによってタッチパネル2aが素早く指示操作された顔領域(例えば、顔領域f2;図5(b)参照)は、図2の表示内容設定用テーブルTに示すように、比較的短い時間表示させることができる。
これにより、ユーザによるタッチパネル2aの直感的な操作を顔領域の再生表示内容に反映させることができ、当該タッチパネル2aの操作速度(複数の操作点の操作指示速度v)を変化させることにより、顔領域の再生表示態様を変化に富んだ多彩なものとすることができる。
【0042】
さらに、ユーザによるタッチパネル2aの所定操作に基づいて描画される操作軌跡Lが長くなるにつれて、当該操作軌跡Lと順次重なる顔領域を表示画像内から順次検出していき、順次検出された顔領域を当該顔領域の表示倍率や表示時間等の再生表示内容に従って検出順に表示させることができるので、ユーザがタッチパネル2aを所定操作するだけで画像内の複数の顔領域の再生表示内容を設定していくことができ、これら複数の顔領域の再生表示内容の設定が簡便で、さらに当該顔領域の再生表示態様が変化に富んだ使い勝手の良いスライドショー再生を実現することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、操作入力部2のタッチパネル2aを用いて操作軌跡Lを入力指示するようにしたが、操作軌跡Lの入力指示方法は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、操作入力部2の上下左右移動キー(図示略)を用いて、画像表示領域に表示されている操作軌跡Lの描画用の所定のアイコン(例えば、ポインタ等)をXY平面にて移動させることで操作軌跡Lを入力指示するようにしても良い。
ここで、ユーザによる上下左右移動キーの所定操作に基づいて、表示パネル1aの画像表示領域に表示されている操作軌跡Lの描画用の所定のアイコンを、当該画像表示領域に表示された表示画像の一の顔領域(特定領域)上を移動させる。これにより、当該一の顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点が順次入力指示されていき、これら複数の操作点を順次入力指示する速度が複数の操作点の操作指示速度vとなる。
【0044】
また、上記実施形態にあっては、顔領域の再生表示内容として、顔領域の表示倍率及び表示時間を例示したが、これら顔領域の表示倍率や表示時間は再生表示内容の一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。例えば、顔領域の再生表示内容として、顔領域の表示のON/OFFを切り替える際の切替エフェクト(例えば、フェードイン、フェードアウト、ワイプ等)や、顔領域の色調(例えば、カラー、モノクロ、セピア等)や、BGM(Back Ground Music)などを設定するようにしても良い。
さらに、顔領域の表示倍率とともに当該顔領域の表示時間を設定するようにしたが、必ずしも顔領域の表示時間を設定する必要はない。
【0045】
また、上記実施形態にあっては、顔領域の表示倍率や表示時間等の再生表示内容の設定を、顔領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点の操作指示速度vを基準として行うようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、表示パネル1aの画像表示領域内の各操作軌跡L自体の形状や、全ての操作軌跡Lを結んだ全体形状を顔領域の再生表示内容に反映させるようにしても良い。即ち、各操作軌跡L自体の二次元形状や全ての操作軌跡Lを結んだ二次元形状をジェスチャコマンドとし、当該ジェスチャコマンドと対応付けられた特定の再生表示態様で顔領域を再生表示させるようにしても良い。
【0046】
さらに、上記実施形態にあっては、顔領域の表示倍率や表示時間の設定は、表示内容設定用テーブルTを用いて行うようにしたが、設定方法はこれに限られるものではなく、例えば、画像処理部4の演算処理回路を用いた所定の演算により行っても良い。
また、表示倍率設定部4dは、顔領域(特定領域)の表示倍率を、複数の操作点の操作指示速度vに反比例させるように設定するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、複数の操作点の操作指示速度vに正比例させるように設定しても良い。
さらに、表示時間設定部4eは、顔領域(特定領域)の表示時間を、顔領域の操作指示速度vに正比例させるように設定するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、複数の操作点の操作指示速度vに反比例させるように設定しても良い。
【0047】
また、上記実施形態にあっては、画像再生処理にて、顔領域の表示倍率や表示時間等の再生表示内容の設定後、設定された再生表示内容に従って当該顔領域を再生表示させるようにしたが、顔領域の再生表示内容の設定後に必ずしも再生表示させる必要はない。
即ち、例えば、検出された顔領域に係る画像データ並びに当該顔領域の再生表示内容を指示するデータを、例えば、画像表示装置100本体に対して着脱自在な記録媒体等の所定の記憶手段に記憶するようにしても良く、これにより、記憶されたデータを利用することで、例えば、顔領域を後日に再生表示したり、当該画像表示装置100とは異なる表示装置(図示略)を用いて顔領域を再生表示することなどを実現することができる。
【0048】
さらに、上記実施形態における画像再生処理にて、ステップS3やS10にて、所定期間経過前に入力指示された操作点が前回最後に指示された操作点から所定間隔以上離れた場合には、ユーザによるタッチパネル2aの一回目の描画操作が終了し、二回目の描画操作が開始されたと判断するようにしても良い。かかる場合には、一回目の描画操作と二回目の描画操作の各々に基づいて、それぞれ検出された顔領域に係る画像データ並びに当該顔領域の再生表示内容を指示するデータを一回目と二回目とで個別にファイル管理することで、一回目の描画操作に基づいて検出された顔領域と二回目の描画操作に基づいて検出された顔領域との再生表示タイミングを異ならせるようにしても良い。
一方、上記とは反対に、ステップS3やS10にて、所定期間経過前に入力指示された操作点が前回最後に指示された操作点から所定間隔以上離れた場合であっても、ユーザによるタッチパネル2aの一連の描画操作であると判断するようにしても良い。例えば、表示パネル1aの画像表示領域の縁部に表示された顔領域を指定する場合には、タッチパネル2aの外縁部からユーザの指やタッチペンなどが外に飛び出してしまう虞もあり、かかる場合には、ユーザの指やタッチペンなどがタッチパネル2aの外縁部から飛び出した位置とタッチパネル2aの検知範囲内に戻ってくる位置とが大きくずれてしまう。このような場合にも、ユーザによるタッチパネル2aの描画操作は一連のものであると判断することで、当該描画操作に基づいて検出された全ての顔領域をスライドショー再生することができる。
【0049】
さらに、画像表示装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。また、画像再生装置として、所定位置に設置される画像表示装置100を例示したが、これに限られるものではなく、例えば、表示部1を備えた撮像装置などの本発明に係る所定の画像処理を実行可能なものであれば如何なる構成であっても良い。
【0050】
加えて、上記実施形態にあっては、特定手段、検出手段、設定手段としての機能を、中央制御部7の制御下にて、操作軌跡特定部3、画像処理部4の特定領域検出部4a、再生表示内容設定部4bが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部7のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、特定処理ルーチン、検出処理ルーチン、設定処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、特定処理ルーチンにより中央制御部7のCPUを、表示手段の画像表示領域における、ユーザによる操作入力手段の所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡Lを特定する特定手段として機能させるようにしても良い。また、検出処理ルーチンにより中央制御部7のCPUを、表示手段に表示された画像から特定手段により特定された操作軌跡Lと重なる特定領域を検出する検出手段として機能させるようにしても良い。また、設定処理ルーチンにより中央制御部7のCPUを、検出手段により検出される特定領域と重なる操作軌跡Lを構成する複数の操作点を操作入力手段の所定操作に基づいて順次入力指示する速度vを操作指示速度vと呼んだ場合、当該操作指示速度vを基準として特定領域の表示倍率を設定する設定手段として機能させるようにしても良い。
【0051】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型画像記録部を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0052】
100 撮像装置
1 表示部
1a 表示パネル
2 操作入力部
2a タッチパネル
3 操作軌跡特定部
4 画像処理部
4a 特定領域検出部
4d 表示倍率設定部
4e 表示時間設定部
7 中央制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、
この表示手段の画像表示領域における、ユーザによる操作入力手段の所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡を特定する特定手段と、
前記表示手段に表示された画像から前記特定手段により特定された前記操作軌跡と重なる特定領域を検出する検出手段と、
この検出手段により検出される特定領域と重なる前記操作軌跡を構成する前記複数の操作点を前記操作入力手段の所定操作に基づいて順次入力指示する速度を操作指示速度と呼んだ場合、当該操作指示速度を基準として前記特定領域の表示倍率を設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
前記設定手段は、
前記複数の操作点の前記操作指示速度に反比例させるように前記特定領域の表示倍率を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
前記設定手段は、更に、
前記複数の操作点の前記操作指示速度を基準として前記特定領域の表示時間を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
前記設定手段は、
前記複数の操作点の前記操作指示速度に正比例させるように前記特定領域の表示時間を設定することを特徴とする請求項3に記載の画像再生装置。
【請求項5】
前記操作入力手段は、
前記表示手段の表示領域に接触する接触位置を検出するタッチパネルを有し、
前記特定手段は、
前記タッチパネルにより連続して検出された複数の接触位置の各々を前記複数の操作点の各々として結んで前記操作軌跡を特定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項6】
前記検出手段は、
前記特定領域として、前記表示手段に表示された画像から顔領域を検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の画像再生装置。
【請求項7】
画像を表示する表示手段を備える画像再生装置のコンピュータを、
前記表示手段の画像表示領域における、ユーザによる操作入力手段の所定操作に基づいて入力指示された複数の操作点を結んでなる操作軌跡を特定する特定手段、
前記表示手段に表示された画像から前記特定手段により特定された前記操作軌跡と重なる特定領域を検出する検出手段、
この検出手段により検出される特定領域と重なる前記操作軌跡を構成する前記複数の操作点を前記操作入力手段の所定操作に基づいて順次入力指示する速度を操作指示速度と呼んだ場合、当該操作指示速度を基準として前記特定領域の表示倍率を設定する設定手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−188315(P2011−188315A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−52458(P2010−52458)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】