説明

画像処理方法、画像処理装置、集積回路およびプログラム

【課題】入力画像を適切に高解像度化することができる画像処理方法を提供する。
【解決手段】画像処理方法は、入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定ステップS1002と、そのエッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定されたエッジ方向に応じて決定する領域決定ステップS1003と、決定された形状の使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索ステップS1005と、入力画像に高周波成分が含まれるように、その入力画像に対して類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、出力画像を生成する画像生成ステップS1005〜S1007とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力画像を用いて、該入力画像より解像度が高い出力画像を生成する画像処理方法、画像処理装置、集積回路およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高解像度ディスプレイにおいて、表示対象の画像の解像度が不足している場合には、ディスプレイの解像度に合うように、表示対象の画像を拡大する必要がある。
【0003】
画像の高解像度化手法は古くから提案されてきたが、実用化のためには処理量の制限があり、単純な補間拡大と強調処理の組合せにより対応してきた。そのため、ボケたり、エッジのジャギが目立つといった画質劣化が生じる問題があった。
【0004】
近年、ハードウェアの高性能化により画像拡大に多くの処理量を割くことが可能となった。そこで、複雑な処理による高品位な解像度変換が可能な「超解像技術」に注目が集まっている。
【0005】
超解像技術を用いた画像処理方法の中で、高解像度画像と低解像度画像の対応関係の事例を学習したデータベースを用いる方式は学習方式と呼ばれる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−018398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の画像処理方法では、入力画像を適切に高解像度化することができないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、入力画像を適切に高解像度化する画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る画像処理方法は、入力画像を用いて、前記入力画像より解像度が高い出力画像を生成する画像処理方法であって、前記入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定ステップと、前記エッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定された前記エッジ方向に応じて決定する領域決定ステップと、決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索ステップと、前記入力画像に高周波成分が含まれるように、前記入力画像に対して前記類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、前記出力画像を生成する画像生成ステップとを含む。
【0010】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、またはコンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、およびコンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の画像処理方法では、入力画像を適切に高解像度化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、学習方式の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、学習方式の画像処理装置によって行われる画像処理のフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1に係る学習データベースに格納されているデータを示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1に係る学習画像生成装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置によって行われる画像処理のフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1に係る画像処理方法を説明するための説明図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1に係る、複数のブロックから構成される仮拡大画像を示す図である。
【図9A】図9Aは、本発明の実施の形態1に係る水平方向Sobelフィルタを示す図である。
【図9B】図9Bは、本発明の実施の形態1に係る垂直方向Sobelフィルタを示す図である。
【図10A】図10Aは、本発明の実施の形態1に係る、垂直方向エッジの場合の使用領域を示す図である。
【図10B】図10Bは、本発明の実施の形態1に係る、水平方向エッジの場合の使用領域を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態1に係る学習データ検索部による処理を説明するための説明図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置によって行われる画像処理のフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施の形態2に係る位置合わせ処理を説明するための図である。
【図15A】図15Aは、本発明の実施の形態3に係るフレキシブルディスク本体の物理フォーマットの例を示す図である。
【図15B】図15Bは、本発明の実施の形態3に係るフレキシブルディスクの正面の外観、その断面構造、およびフレキシブルディスク本体の正面の外観を示す図である。
【図15C】図15Cは、本発明の実施の形態3に係るフレキシブルディスク本体にプログラムを記録してそのプログラムを再生するための構成を示す図である。
【図16】図16は、本発明の実施の形態4に係るテレビジョン受像機の構成を示す図である。
【図17】図17は、本発明の他の態様に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、上記特許文献1の画像処理方法に関して、学習方式の画像処理装置の一例をあげ、その一例に対して問題が生じることを見出した。
【0014】
図1は、一例としてあげられる上記学習方式の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、画像処理装置600は、学習データベース610と、画像拡大部605と、探索ベクトル生成部620と、学習データ検索部630と、加算部680とを備える。
【0016】
画像処理装置600は、インデックスベクトルと該インデックスベクトルに対応する高周波成分データ631とが対応づけて格納された学習データベース610を用いて、低解像度の入力画像601を高解像度の出力画像602に変換する。インデックスベクトルは、低周波成分の画像である。
【0017】
学習データベース610には、複数のインデックスベクトルと、当該複数のインデックスベクトルにそれぞれ対応する複数の高周波成分データ631とが格納されている。インデックスベクトルおよび高周波成分データ631は、ブロック形状の画像である。
【0018】
図2は、画像処理装置600によって行われる画像処理のフローチャートである。
【0019】
ステップS4001では、画像拡大部605が、入力画像601を拡大して仮拡大画像606を生成する。
【0020】
以下の処理は、拡大された入力画像601である仮拡大画像606内の処理対象ブロック毎に行われる。
【0021】
ステップS4002では、探索ベクトル生成部620が、処理対象ブロックと同一形状の領域であって、その処理対象ブロックを含む領域内の中周波成分データおよび高周波成分データを仮拡大画像606から抽出することによって、探索ベクトル621を生成する。すなわち、探索ベクトル621は、処理対象ブロックにおける中周波成分データと、その処理対象ブロックに隣接する隣接ブロックの一部の領域における高周波成分データとから構成されたブロック形状の画像である。
【0022】
ステップS4003では、学習データ検索部630が、学習データベース610に格納されている複数のインデックスベクトルのうち、探索ベクトル621と最も類似度の高いインデックスベクトルに対応する高周波成分データ631を1つ選択する。
【0023】
ステップS4004では、加算部680が、選択した高周波成分データ631を仮拡大画像606の処理対象ブロックに加算する。このようなステップS4002〜S4004の処理がブロックごとに繰り返されることによって、高解像度の出力画像602が生成される。
【0024】
ここで、上記一例としてあげられた学習方式の画像処理装置および画像処理方法では、処理対象ブロックに対して、その処理対象ブロックと同一形状の領域から探索ベクトル621が算出される。つまり、この処理対象ブロックが正方形の場合には、正方形の領域から探索ベクトル621が算出される。したがって、このような場合には、正方形の対角線と一辺の長さの比がルート2:1であるため、その領域の水平方向または垂直方向の辺は対角線よりも短く、その領域に含まれる、水平方向または垂直方向のエッジの特徴は、対角線に沿う斜め方向のエッジの特徴に比べて少ない傾向にある。つまり、その領域内における対角線の方向に沿ったエッジの特徴を十分に捉えることができても、水平方向あるいは垂直方向に沿ったエッジの特徴を十分に捉えることができない。
【0025】
そのため、上記一例としてあげられた学習方式の画像処理装置および画像処理方法では、水平方向あるいは垂直方向のエッジを含む領域の特徴と類似する適切なインデックスベクトルを検索することができず、その領域に含まれるブロックの画像を十分に高解像度化することができない。その結果、ブロックごとの超解像効果(高解像度化の精度)が、そのブロックに対応する上述の領域に含まれるエッジの方向によって不均一となってしまう。
【0026】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、あらゆる方向のエッジに対しても同等な超解像効果を得ることによって、入力画像を適切に高解像度化することができる画像処理方法および画像処理装置等を提供することである。
【0027】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る画像処理方法は、入力画像を用いて、前記入力画像より解像度が高い出力画像を生成する画像処理方法であって、前記入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定ステップと、前記エッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定された前記エッジ方向に応じて決定する領域決定ステップと、決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索ステップと、前記入力画像に高周波成分が含まれるように、前記入力画像に対して前記類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、前記出力画像を生成する画像生成ステップとを含む。
【0028】
これにより、使用領域の形状が固定されておらず、エッジ方向に応じた使用領域の形状が決定されるため、どのような方向のエッジでも、そのエッジの特徴を十分に含む使用領域内の画像を用いることができる。また、そのように決定された形状の使用領域内の画像を用いて、類似画像の検索および解像度変換処理が行われるため、あらゆる方向のエッジに対しても同等な超解像効果を得ることができる。その結果、ブロックごとの超解像効果が不均一になってしまうことを抑えることができ、入力画像を適切に高解像度化することができる。
【0029】
例えば、前記領域決定ステップでは、特定された前記エッジ方向に垂直な方向の前記使用領域の幅である第1の幅が、前記エッジ方向の前記使用領域の幅である第2の幅よりも長い形状を、前記使用領域の形状として決定してもよい。
【0030】
入力画像において、エッジ方向に垂直な方向には、エッジ方向よりも多くの画像の特徴が含まれているため、エッジ方向に垂直な方向の第1の幅が、エッジ方向の第2の幅よりも長い形状が使用領域の形状として決定されることによって、あらゆる方向のエッジに対しても高精度の超解像効果を得ることができる。
【0031】
また、例えば、前記方向特定ステップでは、前記入力画像を構成するブロックごとに、当該ブロック内のエッジに対するエッジ方向を特定し、前記領域決定ステップでは、前記ブロックごとに、当該ブロックに対して特定され前記エッジ方向に応じて、当該ブロックに対する使用領域の形状を決定し、前記画像検索ステップでは、前記ブロックごとに、当該ブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索し、前記画像生成ステップでは、前記ブロックごとに、当該ブロックに対して検索された前記類似画像を用いた解像度変換処理を当該ブロックに対して行うことによって、前記出力画像を生成してもよい。
【0032】
これにより、ブロックごとに同等な超解像効果を得ることができる。
【0033】
また、例えば、前記領域決定ステップでは、前記ブロックごとに、当該ブロックに対して特定された前記エッジ方向に垂直な方向の当該ブロックの幅よりも前記第1の幅が長く、且つ、当該ブロックに対して特定された前記エッジ方向の当該ブロックの幅よりも前記第2の幅が短い形状を、当該ブロックに対する前記使用領域の形状として決定してもよい。具体的には、前記領域決定ステップでは、前記ブロックに対応する前記使用領域に含まれる画素の数が、当該ブロックに含まれる画素の数と等しくなるように、または、当該ブロックに含まれる画素の数よりも少なくなるように、前記使用領域の形状を決定する。
【0034】
これにより、使用領域は、その使用領域に対応するブロックと同じサイズか、そのブロックよりも小さいため、ブロック内の画像に類似する類似画像を検索する場合よりも、検索処理の負担を軽減することができる。
【0035】
また、例えば、前記画像検索ステップでは、複数の検索用画像と、前記複数の検索用画像のそれぞれに関連付けられた、検索用画像よりも高周波成分を多く含む適用画像とを保持するデータベースを用い、前記データベースに保持される前記複数の検索用画像から、処理対象のブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する画像を有する検索用画像を、前記類似画像として検索し、前記画像生成ステップでは、検索された前記類似画像を用い、前記データベースにおいて当該類似画像に関連付けられた適用画像を選択し、選択された前記適用画像を前記処理対象のブロックに加算することによって、前記処理対象のブロックに対して前記解像度変換処理を行ってもよい。
【0036】
これにより、使用領域内の画像に類似する検索用画像に関連付けてデータベースに保持されている適用画像(学習高周波画像)が処理対象のブロックに加算されることによって、その処理対象のブロックに対する解像度変換処理が行われるため、そのデータベースにおける関連付けを適切にしておくことによって、処理対象のブロックを簡単に高解像度化することができる。
【0037】
また、例えば、前記画像検索ステップでは、処理対象のブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する画像を有する複数の検索用画像を、前記データベースから、複数の類似画像として検索し、前記画像生成ステップでは、検索された前記複数の類似画像を用い、前記データベースにおいて前記複数の類似画像のそれぞれに関連付けられた適用画像を選択し、選択された複数の適用画像を合成することによって合成画像を生成し、前記合成画像を前記処理対象のブロックに加算することによって、前記処理対象のブロックに対して前記解像度変換処理を行ってもよい。
【0038】
これにより、複数の適用画像が合成された後に、処理対象のブロックに加算されるため、出力画像に含まれるノイズを低減することができる。
【0039】
また、例えば、前記データベースには、前記ブロックよりも大きいサイズの適用画像が、前記複数の検索用画像のそれぞれに関連付けられて保持され、前記画像生成ステップでは、前記処理対象のブロックよりも大きいサイズの前記合成画像の中心が、前記処理対象のブロックの中心に一致するように、前記合成画像を、前記処理対象のブロックと、前記処理対象のブロックの周辺にある少なくとも1つのブロックの一部分とに加算してもよい。
【0040】
これにより、適用画像および合成画像が処理対象のブロックよりも大きく、合成画像の中心と処理対象のブロックの中心とが一致するように加算が行われるため、ブロック間の歪を軽減することができる。
【0041】
また、例えば、前記画像処理方法は、さらに、前記入力画像を拡大する拡大ステップを含み、前記方向特定ステップ、前記領域決定ステップ、前記画像検索ステップ、および前記画像生成ステップでは、拡大された前記入力画像を構成するブロックごとに、当該ブロックに対する処理を実行してもよい。
【0042】
これにより、入力画像をより適切に高解像度化することができる。
【0043】
また、例えば、前記画像処理方法は、さらに、拡大された前記入力画像を構成するブロックごとに、低周波成分を除く周波数成分を中周波成分として当該ブロックから抽出する抽出ステップを含み、前記画像検索ステップでは、前記ブロックごとに、当該ブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の中周波成分の画像に類似する画像を有する検索用画像を、前記類似画像として検索してもよい。
【0044】
これにより、入力画像のブロックに含まれる中周波成分の画像が検索に用いられるため、データベース内の検索用画像を中周波成分のみからなる画像とし、その検索用画像に関連付けられる適用画像を高周波成分からなる画像とすることができ、検索用画像に低周波成分が含まれないため、互いに関連付けられる検索用画像と適用画像との相関を高めることができる。その結果、入力画像を適切に高解像度化することができる。
【0045】
また、例えば、前記画像検索ステップでは、ピクチャとして構成される前記入力画像を含む動画像のうちの、前記入力画像以外の他のピクチャと、決定された形状の前記使用領域内の画像との位置合わせを行うことによって、処理対象のブロックに対する前記類似画像を検索し、前記画像生成ステップでは、検索された前記類似画像を用い、前記他のピクチャ内において前記類似画像の少なくも一部を含む参照ブロックを取得し、前記処理対象のブロックの画素を、前記参照ブロックの画素を用いて補間することによって、前記処理対象のブロックに対して前記解像度変換処理を行ってもよい。
【0046】
なお、処理対象のブロックに対する類似画像の検索は、他のピクチャと使用領域内の画像との小数画素精度の位置合わせによって、つまり、小数画素精度の動き検出および動き補償によって行われる。これにより、動画像に対して適切な高解像度化を図ることができる。
【0047】
以下、本発明の1つまたは複数の態様に係る画像処理方法および画像処理装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0048】
なお、以下で説明する各実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の各実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の各実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0049】
(実施の形態1)
図3は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置100の構成を示すブロック図である。この画像処理装置100は、入力画像を適切に高解像度化する装置であって、外部から受信する入力画像101を用いて、その入力画像101より解像度が高い出力画像102を生成する。入力画像101は、動画像および静止画像のいずれであってもよい。
【0050】
図3に示すように、画像処理装置100は、学習データベース110と、画像拡大部120と、エッジ方向算出部130と、領域算出部140と、特徴データ抽出部150と、学習データ検索部160と、合成部170と、加算部180とを備える。
【0051】
まず、学習データベース110について説明する。
【0052】
図4は、学習データベース110に格納されているデータを示す図である。
【0053】
図4に示すように、学習データベース110は、学習高周波画像P11[1],P11[2],・・・,P11[K]と、学習中周波画像P12[1],P12[2],・・・,P12[K]とを格納する。Kは2以上の整数である。
【0054】
以下においては、学習高周波画像P11[1],P11[2],・・・,P11[K]の各々を、単に、学習高周波画像P11ともいう。また、以下においては、学習中周波画像P12[1],P12[2],・・・,P12[K]の各々を、単に、学習中周波画像P12ともいう。なお、学習中周波画像P12は検索用画像であり、学習高周波画像は適用画像である。
【0055】
学習データベース110は、学習高周波画像P11と、学習中周波画像P12とが対応づけられた学習画像群を複数組格納する。具体的には、学習データベース110は、学習画像群P10[1],P10[2],・・・,P10[K]を格納する。言い換えれば、この学習データベース110は、複数の検索用画像(学習中周波画像P12)と、その複数の検索用画像のそれぞれに関連付けられた、検索用画像よりも高周波成分を多く含む適用画像(学習高周波画像P11)とを保持する。
【0056】
以下においては、学習画像群P10[1],P10[2],・・・,P10[K]の各々を、単に、学習画像群P10ともいう。K組の学習画像群P10の各々は、互いに異なる。各学習画像群P10は、同一の画像内の同一のブロックから生成された学習高周波画像P11および学習中周波画像P12が対応づけられた学習画像群である。
【0057】
次に、学習高周波画像P11および学習中周波画像P12の生成方法について説明する。学習高周波画像P11および学習中周波画像P12は、以下の学習画像生成装置50により生成される。
【0058】
図5は、学習画像生成装置50の構成を示すブロック図である。図5には、説明のために、画像処理装置100に含まれる学習データベース110を示す。学習画像生成装置50は、事前に、例えば、デジタルカメラによる撮影により得られた複数の学習画像P1の各々を用いて、複数の学習高周波画像P11および学習中周波画像P12を生成する。学習画像生成装置50は、一例として、数百枚の学習画像P1を処理する。
【0059】
図5に示すように、学習画像生成装置50は、ローパスフィルタ部51と、1/N縮小部52と、N倍拡大部53と、ハイパスフィルタ部54と、高周波成分抽出部55とを備える。
【0060】
高周波成分抽出部55は、学習画像P1と、N倍拡大部53から送信される後述の学習低周波画像P4との差分を、学習画像P1の高周波成分として抽出し、当該高周波成分の画像を固定サイズのブロック単位で分割する。そして、高周波成分抽出部55は、分割された各ブロックを、学習高周波画像P11として、学習データベース110に格納する。
【0061】
なお、高周波成分抽出部55は、線形フィルタ操作などを用いて学習画像P1の高周波成分を抽出してもよい。
【0062】
また、ローパスフィルタ部51は、線形フィルタ操作などを用いて学習画像P1の低周波成分を学習低周波画像P2として抽出する。
【0063】
1/N縮小部52は、学習低周波画像P2を水平方向および垂直方向にそれぞれN分の1に縮小することにより学習低解像度画像P3を生成する。
【0064】
N倍拡大部53は、学習低解像度画像P3を水平方向および垂直方向にそれぞれN倍に拡大することにより学習低周波画像P4を生成する。N倍拡大部53は、学習低周波画像P4を、ハイパスフィルタ部54および高周波成分抽出部55へ送信する。
【0065】
ハイパスフィルタ部54は、線形フィルタ操作などを用いて学習低周波画像P4の高周波成分を抽出し、当該高周波成分の画像を固定サイズのブロック単位で分割する。そして、ハイパスフィルタ部54は、分割された各ブロックを、学習中周波画像P12として、学習データベース110に格納する。
【0066】
なお、学習画像生成装置50は、1/N縮小部52およびN倍拡大部53を使用せずに、ローパスフィルタ部51およびハイパスフィルタ部54のみの処理により、学習中周波画像P12を生成してもよい。
【0067】
学習高周波画像P11のサイズは、学習中周波画像P12のサイズと同じである。学習高周波画像P11および学習中周波画像P12の各々のサイズは、一例として、横18画素×縦18画素のサイズである。
【0068】
なお、ハイパスフィルタ部54および高周波成分抽出部55は、同一の学習画像P1内の同一の座標(位置)のブロックに対応する学習高周波画像P11および学習中周波画像P12を対応づけた学習画像群P10を、図4のように、学習データベース110に格納する。
【0069】
学習画像群P10を学習データベース110に格納するための上記処理が、処理対象となる複数の学習画像P1全てに対し行われることにより、K組の学習画像群P10が、学習データベース110に格納される。Kは、一例として、10万であるとする。すなわち、学習データベース110には、一例として、10万組の学習画像群P10が格納されているとする。
【0070】
なお、各学習画像群P10に対応する学習高周波画像P11および学習中周波画像P12は、同一の学習画像P1内の同一の座標(位置)のブロックに対応する画像である。
【0071】
上記処理により、学習データベース110には、非常に多くの種類の学習画像群P10が格納される。
【0072】
学習高周波画像P11は、後述の合成画像171および高解像度な出力画像を生成するための学習データである。つまり、学習データベース110は、学習画像P1の高周波成分から得られた第1学習データ(学習高周波画像P11)と、前記学習画像P1の少なくとも低周波成分から得られた第2学習データ(学習中周波画像P12)とが対応づけられた学習データ群をK組格納する。
【0073】
画像拡大部120は、入力画像101を拡大することによって仮拡大画像121を生成する。入力画像101は、解像度変換処理の対象となる画像である。入力画像101のサイズは、一例として、横1920画素×縦1080画素のサイズである。なお、入力画像101のサイズは、横1920画素×縦1080画素のサイズに限定されず、例えば、横1440画素×縦1080画素のサイズであってもよい。
【0074】
エッジ方向算出部130は、詳細は後述するが、拡大された入力画像101(仮拡大画像121)から水平特徴データおよび垂直特徴データを抽出し、その水平特徴データおよび垂直特徴データに基づき、エッジ方向131を算出する。エッジ方向131は、エッジに沿う方向であって、エッジの角度を示す。具体的には、エッジ方向131は、仮拡大画像121内の処理対象とされるブロック(以下、処理対象ブロックという)に含まれる大きな輝度変化を示す画素の配列方向に対して垂直な角度を表す。つまり、エッジ方向算出部130は、拡大された入力画像101である仮拡大画像121を構成するブロックごとに、そのブロックに含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する。
【0075】
領域算出部140は、詳細は後述するが、エッジ方向131に基づき、学習中周波画像P12との類似度を算出するための領域特徴データ151を抽出するために使用する仮拡大画像121内の使用領域を算出する。つまり、領域算出部140は、上述のブロックごとに、そのブロック内のエッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、そのブロックに対して特定されたエッジ方向に応じて決定する。
【0076】
特徴データ抽出部150は、使用領域から領域特徴データ151を抽出する。この領域特徴データ151は中周波成分の画像である。つまり、特徴データ抽出部150は、拡大された入力画像101である仮拡大画像121を構成するブロックごとに、低周波成分を除く周波数成分を領域特徴データ151としてそのブロックから抽出する。
【0077】
学習データ検索部160は、詳細は後述するが、領域特徴データ151と、学習データベース110に格納されるK個の学習中周波画像P12の各々との類似度を算出する。そして、学習データ検索部160は、算出した類似度に基づいて、複数の学習中周波画像P12にそれぞれ対応する複数の学習高周波画像P11を選択する。つまり、学習データ検索部160は、学習データベース110を用い、その学習データベース110に保持されるK個の検索用画像(学習中周波画像P12)から、処理対象のブロックに対して決定された形状の使用領域内の画像に類似する画像を有する複数の検索用画像をそれぞれ類似画像として検索する。そして、学習データベース110は、検索された複数の類似画像を用い、学習データベース110においてその複数の類似画像(学習中周波画像P12)のそれぞれに関連付けられた適用画像(学習高周波画像P11)を選択する。
【0078】
合成部170は、詳細は後述するが、選択された複数の学習高周波画像P11を用いて、合成画像171を生成する。つまり、合成部170は、選択された複数の適用画像(学習高周波画像P11)を合成することによって合成画像171を生成する。
【0079】
加算部180は、詳細は後述するが、仮拡大画像121にブロック単位で合成画像171を加算することにより、出力画像102を生成する。つまり、加算部180は、合成画像171を処理対象のブロックに加算することによって、その処理対象のブロックに対して解像度変換処理を行う。加算部180は、このような加算をブロックごとに行うことによって、出力画像102を生成する。
【0080】
なお、図1および図2に示される画像処理装置および画像処理方法では、処理対象ブロックと同一形状の領域から抽出した特徴データ(検索ベクトル)を用いて、1つの高周波成分データを選択する。一方、本実施の形態では、エッジの方向に応じて、エッジの特徴を捉えやすい形状の領域から抽出した領域特徴データを用いて、複数の学習高周波画像P11を選択する。
【0081】
次に、画像処理装置100が行う画像処理の方法について、図6〜図11を用いて具体的に説明する。
【0082】
図6は、実施の形態1に係る画像処理装置100によって行われる画像処理のフローチャートである。ここでは、入力画像101は静止画像であるとして説明する。
【0083】
画像処理装置100は、学習データベース110に格納された画像を用いて、入力画像101を高解像度な出力画像102に変換する。
【0084】
ステップS1001では、画像拡大部120が、図7に示すように、入力画像101を、水平方向および垂直方向にそれぞれN(Nは1より大きい実数)倍に拡大することにより、仮拡大画像121を生成する。なお、入力画像101の拡大の処理には、例えばバイキュービック法が用いられる。本実施の形態では、入力画像101は、一例として、水平方向および垂直方向にそれぞれ2倍に拡大されるとする。
【0085】
すなわち、ステップS1001は、前記入力画像101を拡大することによって、拡大画像(仮拡大画像121)を生成する拡大ステップである。
【0086】
なお、入力画像101の拡大の処理は、バイキュービック法に限定されず、例えば、スプライン補間法などの画素補間手法であってもよい。また、入力画像101の水平方向および垂直方向の拡大率は互いに異なってもよい。例えば、720×480画素のサイズの入力画像を、1920×1080画素のサイズの画像に拡大する場合、当該入力画像の水平方向の拡大率と、当該入力画像の垂直方向の拡大率とは異なる。
【0087】
なお、画像の拡大処理は、画像のサイズを入力画像101より大きくすることに限定されるものでない。例えば、Nが1以下で入力画像101が処理されても良い。
【0088】
図8に示すように、画像拡大部120は、仮拡大画像121を複数のブロックNBに分割する。複数のブロックNBはm行n列の行列を構成する。以下においては、仮拡大画像121内のm行n列にあるブロックNBを、ブロックNB[mn]とも表記する。例えば、仮拡大画像121内の1行2列にあるブロックNBは、ブロックNB[12]と表記される。
【0089】
ブロックNBのサイズは、学習高周波画像P11および学習中周波画像P12のサイズより小さい。ブロックNBのサイズは、一例として、横12画素×縦12画素のサイズである。
【0090】
なお、ブロックNBのサイズは、学習高周波画像P11および学習中周波画像P12のサイズより小さいことに限定されない。ブロックNBのサイズは、学習高周波画像P11および学習中周波画像P12のサイズと同じであってもよい。
【0091】
図6に示すステップS1002〜S1007の処理は、仮拡大画像121内の各ブロックNB毎に行われる。処理対象ブロックは、ステップS1002〜S1007の処理が行われる毎に、異なるブロックNBに変更される。
【0092】
ステップS1002は方向特定ステップであって、このステップS1002では、エッジ方向算出部130が、処理対象ブロックに含まれるエッジの方向(エッジ方向)を検出する。具体的には、エッジ方向算出部130は、処理対象ブロックNBに対し、水平方向ハイパスフィルタおよび垂直方向ハイパスフィルタをかけることにより、水平特徴データF4および垂直特徴データF5をそれぞれ抽出する。次に、エッジ方向算出部130は、水平特徴データF4と垂直特徴データF5を用いてエッジ方向131を、以下の式1より算出する。
【0093】
エッジ方向131=arctan(F5/F4) ・・・(式1)
【0094】
ただし、エッジ方向算出部130は、F5とF4の差分絶対値が設定されたしきい値以下になった場合はエッジ方向131=不定値とする。
【0095】
例えば図9Aおよび図9Bに示すように、上述の水平方向ハイパスフィルタおよび垂直方向ハイパスフィルタにはそれぞれ、(一次微分)水平方向Sobelフィルタと(一次微分)垂直方向Sobelフィルタとが用いられるが、これに限定されるものではない。
【0096】
なお、エッジ方向算出部130は、水平特徴データF4と垂直特徴データF5との差分値と、しきい値Thとの関係により、以下の式2のように、エッジ方向131を3値データとして算出しても良い。
【0097】
(F4−F5)>Thの時、
エッジ方向131=90°
(F4−F5)<−Thの時、
エッジ方向131=0° ・・・(式2)
−Th≦(F4−F5)≦Thの時、
エッジ方向131=不定値
【0098】
なお、上記のエッジ方向131の算出方法は実施の典型例であり、これに限定されるものではない。
【0099】
ステップS1003は領域決定ステップであって、このステップS1003では、領域算出部140が、エッジ方向131に基づいて、学習データベース110の検索を行うために使用する仮拡大画像121内の使用領域を算出する。
【0100】
図10Aは、垂直方向のエッジ方向131に対して算出される使用領域を示す図である。また、図10Bは、水平方向のエッジ方向131に対して算出される使用領域を示す図である。
【0101】
具体的には、領域算出部140は、図10Aおよび図10Bに示すように、エッジ方向131に垂直な方向に対して長い辺を取ると同時に、エッジ方向131に水平な方向に対して短い辺を取る長方形となる使用領域122を算出する。つまり、領域算出部140は、ステップS1002で特定されたエッジ方向に垂直な方向の使用領域122の幅である第1の幅が、そのエッジ方向の使用領域122の幅である第2の幅よりも長い形状を、使用領域122の形状として決定する。このように、入力画像101において、エッジ方向に垂直な方向には、エッジ方向よりも多くの画像の特徴が含まれているため、第1の幅が第2の幅よりも長い形状が使用領域122の形状として決定されることによって、あらゆる方向のエッジに対しても高精度の超解像効果を得ることができる。
【0102】
また、領域算出部140は、ブロックごとに、そのブロックに対して特定されたエッジ方向に垂直な方向のそのブロックの幅よりも第1の幅が長く、且つ、そのブロックに対して特定されたエッジ方向のそのブロックの幅よりも第2の幅が短い形状を、そのブロックに対する使用領域122の形状として決定する。具体的には、領域算出部140は、そのブロックに対応する使用領域122に含まれる画素の数が、そのブロックに含まれる画素の数と等しくなるように、または、そのブロックに含まれる画素の数よりも少なくなるように、使用領域122の形状を決定する。これにより、使用領域122は、その使用領域122に対応するブロックと同じサイズか、そのブロックよりも小さいため、ブロック内の画像に類似する学習中周波画像P12(類似画像)を検索する場合よりも、検索処理の負担を軽減することができる。
【0103】
また、エッジ方向131が不定値の場合、領域算出部140は、処理対象ブロックと同一の領域、または処理対象ブロックと異なる大きさであって処理対象ブロックと同一形状の領域を、使用領域として算出する。
【0104】
さらに、領域算出部140は、算出または決定された使用領域122を特定するための情報である領域座標情報141を特徴データ抽出部150に出力する。この領域座標情報141は、例えば使用領域122の座標、形状およびサイズなどを示す。
【0105】
なお、上記の使用領域122は長方形ブロックに限定されるものではない。例えば、楕円形であってもよい。また、上記の使用領域の算出は実施の典型例であり、これに限定されるものではない。
【0106】
ステップS1004は抽出ステップであって、このステップS1004では、特徴データ抽出部150が、領域座標情報141によって特定される仮拡大画像121内の使用領域122から領域特徴データを抽出する。具体的には、特徴データ抽出部150は、線形フィルタ操作などを用いて、その使用領域122に対してハイパスフィルタをかけることによって、その使用領域122内の中周波成分の画像を領域特徴データ151としてその使用領域122から抽出する。すなわち、領域特徴データ151は、使用領域122の各周波数成分のうち、ハイパスフィルタを通過した中周波成分の画像である。つまり、領域特徴データ151は、使用領域122の低周波成分が削除された画像であって、使用領域122の中周波成分の画像である。この場合、領域特徴データ151は複数の画素値を示す。
【0107】
なお、領域特徴データ151に対応する中周波成分の周波数帯域の少なくとも一部は、学習中周波画像P12に対応する周波数成分の周波数帯域と重複する。また、領域特徴データ151は、学習データベース110に対する検索に使用するデータである。
【0108】
なお、ステップS1004で処理される使用領域122は、仮拡大画像121内の領域に限定されない。例えば、ステップS1004で処理される使用領域は、入力画像101の処理対象ブロックであっても良い。
【0109】
また、領域特徴データ151は、ハイパスフィルタを用いて得られたデータに限定されない。領域特徴データ151は、例えば、使用領域122における、輝度、色差、またはRGB値等であってもよい。また、領域特徴データ151は、例えば、使用領域122から得られるモーメント(平均、分散、尖度、または歪度)であってもよい。
【0110】
また、領域特徴データ151は、例えば、同時生起行列から得られる特徴量(均質性、異質性、コントラスト、平均、標準偏差、角2次モーメント、またはエントロピー)であってもよい。また、領域特徴データ151は、例えば、主成分分析における主要成分、独立成分分析における主要成分等であってもよい。
【0111】
なお、上記の領域特徴データ151は実施の典型例であり、これに限定されるものではない。
【0112】
ステップS1005は画像検索ステップと画像生成ステップの一部の処理を含む。このステップS1005では、学習データ検索部160が、領域特徴データ151と、学習データベース110に格納されるK個の学習中周波画像P12の各々との類似度を算出する。学習データ検索部160は、学習中周波画像P12のうち、領域特徴データ151(使用領域122)と同一形状かつ同一面積となる領域のみを使用して、その領域特徴データ151と学習中周波画像P12との類似度を算出する。
【0113】
図11は、学習データ検索部160による処理を説明するための説明図である。
【0114】
図10Aに示すように、処理対象ブロックNB[nm]のエッジ方向131が90°(垂直方向)の場合、使用領域122は水平方向に長辺をとる長方形となる。ここで、長方形の使用領域122内の画素数は、18画素×8画素(=144画素)であり、処理対象ブロックNB[nm]内の画素数である12画素×12画素(=144画素)と同じである。この場合、学習データ検索部160は、図11に示すように、学習中周波画像P12のうち、使用領域122と同一形状かつ同一面積である比較対象領域161を、領域特徴データ151との類似度の算出に使用する。なお、比較対象領域161の重心と学習中周波画像P12の重心は一致する。
【0115】
学習データ検索部160は、例えば、領域特徴データ151が示す複数の画素値と、各学習中周波画像P12の比較対象領域161が示す複数の画素値との差分絶対値和(マンハッタン距離)によって類似度を算出する。当該差分絶対値和が小さい程、領域特徴データ151と学習中周波画像P12との類似度は高くなる。なお、類似度は、差分二乗和(ユークリッド距離)を用いて算出されてもよい。
【0116】
そして、学習データ検索部160は、算出した複数の類似度に基づいて、領域特徴データ151に対して類似度が高い上位L(2以上の整数)個の学習中周波画像P12を選択する。Lは、2≦L≦Kの関係式を満たす整数である。Lは、予め定められた定数である。本実施の形態において、Lは、一例として“32”であるとする。
【0117】
選択されたL個の学習中周波画像P12は、領域特徴データ151と最も類似度が高い学習中周波画像P12を含む。言い換えれば、選択されたL個の学習中周波画像P12にそれぞれ対応するL個の類似度は、ステップS1005において算出された全ての類似度のうち、値が大きい方から数えた場合における上位L個の類似度である。
【0118】
このように、学習データ検索部160は、ステップS1005に含まれる画像検索ステップにおいて、処理対象ブロックに対して決定された形状の使用領域122内の画像に類似する画像を有する複数の学習中周波画像P12(検索用画像)を、学習データベース110から、複数の類似画像として検索する。
【0119】
そして、学習データ検索部160は、学習データベース110に格納されるK個の学習高周波画像P11のうち、選択したL個の学習中周波画像P12にそれぞれ対応するL個の学習高周波画像P11を選択する。言い換えれば、学習データ検索部160は、学習データベース110において、K個の学習高周波画像P11のうち、仮拡大画像121内の処理対象ブロックの特徴を示す領域特徴データと類似するL個の学習中周波画像P12にそれぞれ対応するL個の学習高周波画像P11を選択する。つまり、学習データ検索部160は、ステップS1005に含まれる画像生成ステップの一部の処理として、検索された複数の学習中周波画像P12(類似画像)を用い、学習データベース110においてその複数の学習中周波画像P12(類似画像)のそれぞれに関連付けられた学習高周波画像P11(適用画像)を選択する。
【0120】
そして、学習データ検索部160は、選択したL個の学習高周波画像P11を、合成部170へ送信する。
【0121】
すなわち、ステップS1005では、学習データ検索部160が、前記領域特徴データ151と、前記K個の学習中周波画像P12の各々との類似度を算出し、前記領域特徴データ151に対して類似度が高い上位L個の学習中周波画像P12にそれぞれ対応する前記L個の学習高周波画像P11を選択する。
【0122】
なお、本発明は、ハイパスフィルタを用いて抽出された高周波成分を示す学習高周波画像P11に限定されず、その代わりに、学習画像P1の輝度、色差、あるいはRGB値等を用いてもよい。
【0123】
なお、本発明は、ローパスフィルタおよびハイパスフィルタを用いて抽出された中周波成分を示す学習中周波画像P12に限定されず、その代わりに、例えば、学習画像P1の輝度、色差、あるいはRGB値等を用いてもよく、学習画像P1から得られるモーメント(平均、分散、尖度、または歪度)を用いてもよい。あるいは、学習中周波画像P12の代わりに、例えば、同時生起行列から得られる特徴量(均質性、異質性、コントラスト、平均、標準偏差、角2次モーメント、またはエントロピー)を用いてもよく、主成分分析における主要成分、または独立成分分析における主要成分等を用いてもよい。
【0124】
ステップS1006は画像生成ステップの一部の処理を含む。このステップS1006では、合成部170が、選択された前記L個の学習高周波画像P11(適用画像)を合成することにより合成画像171を生成する。
【0125】
ステップS1007は画像生成ステップの一部の処理を含む。このステップS1007では、図7に示すように、加算部180が、合成画像171を、仮拡大画像121内における、該合成画像171に対応するブロックNB(処理対象ブロック)に加算する。これにより、処理対象ブロックに対して解像度変換処理が行われる。合成画像171は、処理対象ブロックよりも高精細な画像である。
【0126】
以下に、一例を挙げて、合成画像171の加算処理について詳細に説明する。例えば、処理対象ブロックが、図8の仮拡大画像121のブロックNB[11]であるとする。合成部170は、合成画像171の中心位置が、ブロックNB[11]の中心位置と一致するように、ブロックNB[11]を構成する各画素の画素値に対し、合成画像171を構成する各画素の画素値を加算する。
【0127】
以上のステップS1002〜S1007の処理が、仮拡大画像121内の全てのブロックNBに対して行われる。これにより、出力画像102が生成される。すなわち、ステップS1007の処理が繰り返し行われることで、加算部180は、該合成画像171を仮拡大画像121に加算することにより、出力画像102を生成する。つまり、加算部180は、該合成画像171を用いて前記出力画像102を生成する。
【0128】
また、ステップS1007の処理が繰り返されることにより、図8のように、各合成画像171は、仮拡大画像121内の各隣り合う複数のブロックNBに加算される。このとき、合成画像171はブロックNBのサイズよりも大きいため、互いに隣り合うブロックNBの境界付近にあるブロックNBの画素に対しては、2つの合成画像171の画素が重複して加算される。ここで、各隣り合う複数のブロックNBは、例えば、ブロックNB[11],NB[12],NB[21],NB[22]である。つまり、本実施の形態では、学習データベース110には、ブロックNBよりも大きいサイズの学習高周波画像P11(適用画像)が、複数の学習中周波画像P12(検索用画像)のそれぞれに関連付けられて保持されている。そのため、画像生成ステップでは、加算部180は、処理対象ブロックNBよりも大きいサイズの合成画像171の中心が、処理対象ブロックNBの中心に一致するように、合成画像171を、処理対象ブロックNBと、処理対象ブロックNBの周辺にある少なくとも1つのブロックNBの一部分とに加算する。これにより、出力画像102におけるブロック間の歪を軽減することができる。
【0129】
以上説明した画像処理は、処理対象の入力画像101が静止画像である場合の処理である。入力画像101が動画像である場合は、動画像を構成する1フレーム毎に上記の画像処理が繰り返し行われる。
【0130】
これにより、実施の形態1に係る画像処理装置100は、膨大な処理量の追加を行うことなく、あらゆる方向のエッジにおいても高解像度な出力画像102を生成することができる。
【0131】
このように、本実施の形態では、使用領域122の形状が固定されておらず、エッジ方向に応じた使用領域122の形状が決定されるため、どのような方向のエッジでも、そのエッジの特徴を十分に含む使用領域122内の画像を用いることができる。また、そのように決定された形状の使用領域122内の画像を用いて、類似画像の検索および解像度変換処理が行われるため、あらゆる方向のエッジに対しても同等な超解像効果を得ることができる。その結果、ブロックごとの超解像効果が不均一になってしまうことを抑えることができ、入力画像101を適切に高解像度化することができる。
【0132】
なお、本実施の形態では、選択された複数の学習高周波画像P11を合成することによって合成画像171を生成し、その合成画像171を処理対象ブロックに加算したが、合成画像171を生成することなく、選択された1枚の学習高周波画像P11を処理対象ブロックに加算してもよい。つまり、学習データ検索部160は、ステップS1005に含まれる画像検索ステップにおいて、学習データベース110を用い、その学習データベース110に保持される複数の学習中周波画像P12(検索用画像)から、処理対象ブロックに対して決定された形状の使用領域122内の画像に類似する画像を有する学習中周波画像P12を、類似画像として検索する。そして、ステップS1005〜S1007の画像生成ステップにおいて、学習データ検索部160は、検索された類似画像を用い、学習データベース110においてその類似画像に関連付けられた学習高周波画像P11(適用画像)を選択する。さらに、その画像生成ステップにおいて、加算部180は、選択されたその学習高周波画像P11(適用画像)を処理対象ブロックに加算することによって、処理対象ブロックに対して解像度変換処理を行う。
【0133】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置について説明する。
【0134】
図12は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置500の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る画像処理装置500は、学習データベース110を用いることなく、画像の動きを利用した超解像技術によって、つまり、小数画素精度の位置合わせおよび画素補間を行うことによって、入力画像101より解像度が高い出力画像102を生成する。
【0135】
画像処理装置500は、例えば、図示しない外部デコーダから、復号済みの動画像MV10を受信する。動画像MV10は、例えば、H.264/AVC規格に従った復号により得られた動画像である。なお、動画像MV10は、H.264/AVC規格に限定されず、例えば、MPEG−2規格に従った復号により得られた動画像であってもよい。
【0136】
動画像MV10は、一例として、1つのGOP(Group Of Pictures)に対応する動画像であるとする。動画像MV10は複数のピクチャから構成される。画像処理装置500は、動画像MV10を構成するQ(2以上の整数)枚のピクチャのうち、例えば、表示順で先頭のピクチャを、入力画像101として受信する。本実施の形態において、入力画像101は、静止画像である。本実施の形態では、Qは、一例として、10であるとする。
【0137】
詳細は後述するが、本実施の形態では、低解像度な入力画像101のブロックごとに、そのブロックに対する使用領域と、予め定められた定数であるL枚の低解像度な参照画像とを位置合わせして、その位置合わせの結果に基づいて補間画素値を推定し、出力画像102を生成する。なお、L枚の低解像度な参照画像のそれぞれは、入力画像101とは異なる、上述のQ枚のピクチャに含まれるピクチャである。
【0138】
図12に示すように、画像処理装置500は、エッジ方向算出部130と、領域算出部140と、位置合わせ処理部520と、高解像度画像生成部530とを備える。
【0139】
エッジ方向算出部130は、入力画像101を構成するブロックごとに、実施の形態1と同様の方法でエッジ方向131を算出する。領域算出部140は、入力画像101を構成するブロックごとに、そのブロックに対して算出されたエッジ方向131に応じて、そのブロックに対する使用領域122を算出する。そして、領域算出部140は、その使用領域122を特定するための情報である領域座標情報141を出力する。
【0140】
位置合わせ処理部520は、例えば、図示しない外部デコーダから、Q枚のピクチャから構成される動画像MV10を受信する。位置合わせ処理部520は、詳細は後述するが、位置合わせ処理を行う。位置合わせ処理部520は、処理対象ブロックに対して算出された使用領域122と、L枚の参照画像との位置合わせを行う。つまり、位置合わせ処理部520は、ピクチャとして構成される入力画像101を含む動画像MV10のうちの、入力画像101以外の他のピクチャと、決定された形状の使用領域122内の画像との位置合わせを行うことによって、処理対象のブロックに対する類似画像を検索する。なお、その位置合わせは、例えば小数画素精度で行われる。
【0141】
図13は、実施の形態2に係る画像処理装置500によって行われる画像処理のフローチャートである。
【0142】
入力画像101は、複数のブロックに分割される。以下においては、入力画像101を構成する複数のブロックのうち、処理対象となるブロックを、処理対象ブロックPBともいう。処理対象ブロックPBのサイズは、一例として、横8画素×縦8画素のサイズである。
【0143】
ステップS1002では、実施の形態1と同様、エッジ方向算出部130が、処理対象ブロックPBに含まれるエッジの方向であるエッジ方向131を算出する。そして、エッジ方向算出部130は、算出したエッジ方向131を領域算出部140へ送信する。
【0144】
ステップS1003では、実施の形態1と同様、領域算出部140が、処理対象ブロックPBのエッジ方向131に基づいて、その処理対象ブロックPBに対する入力画像101内の使用領域122を算出する。そして、領域算出部140は、その使用領域122を特定するための情報である領域座標情報141を位置合わせ処理部520へ送信する。
【0145】
ステップS3003は本実施の形態における画像検索ステップであって、このステップS3003では、位置合わせ処理が行われる。位置合わせ処理では、位置合わせ処理部520が、領域座標情報141によって特定される前記入力画像101内の使用領域122と、L枚の参照画像のそれぞれとの位置合わせを行う。
【0146】
具体的には、まず、位置合わせ処理部520が、Q枚のピクチャのうち、例えば、表示順で2〜(L+1)番目までのピクチャを参照画像とする。ここで、L=4であるとして、説明する。
【0147】
図14は、位置合わせ処理を説明するための図である。
【0148】
図14では、一例として、ピクチャPC[1],PC[2],PC[3],PC[4],PC[5]が示される。ピクチャPC[1]〜PC[5]は、それぞれ、1〜5番目までのピクチャに対応する。
【0149】
ピクチャPC[1]は入力画像101である。ピクチャPC[1]には、処理対象ブロックPBと、処理対象ブロックPBに対して算出された使用領域122とが示される。ピクチャPC[2],PC[3],PC[4],PC[5]は参照画像である。使用領域122の画像に類似する類似画像122a〜122dが位置合わせ処理によって各参照画像から検索される。各参照画像内のブロックRB[n(整数)]は、類似画像122a〜122dのそれぞれに対応する参照ブロックである。
【0150】
位置合わせ処理では、位置合わせ処理部520が、処理対象ブロックPBとピクチャPC[2],PC[3],PC[4],PC[5]との位置合わせを行う。例えば、位置合わせ処理部520は、各参照画像に対して小数画素の画素値を算出することで、各参照画像の画素を補間する。そして、位置合わせ処理部520は、使用領域122の画像に類似する類似画像122a〜122dを小数画素精度で各参照画像から検出(検索)する。例えば、使用領域122の各画素値と、類似画像の各画素値との差分絶対値和が最小となるように、その類似画像を検出する。さらに、位置合わせ処理部520は、使用領域122と、類似画像122a〜122bのそれぞれとの間の位置のずれを位置ずれ量(動きベクトル)521として小数画素精度で検出する。そして、位置合わせ処理部520は、参照画像ごとに、その参照画像に対して検出された位置ずれ量521を高解像度画像生成部530に出力するとともに、その参照画像も参照データ522として高解像度画像生成部530に出力する。
【0151】
ステップS3004は本実施の形態における画像生成ステップであって、このステップS3004では、画素補間処理が行われる。画素補間処理では、高解像度画像生成部530が、参照画像ごとに、その参照画像に対して検出された位置ずれ量521だけ処理対象ブロックPBからずれた位置にある参照ブロックRBを参照データ522(参照画像)から抽出または取得する。そして、高解像度画像生成部530は、処理対象ブロックPBの画素を、それらの参照画像から抽出された参照ブロックRB[2]〜RB[5]の画素を用いて補間することによって、処理対象ブロックPBに対して解像度変換処理を行う。
【0152】
以上のステップS1002、S1003、S3003およびS3004の処理が、入力画像101内の全てのブロックに対して行われる。これにより、出力画像102が生成される。すなわち、ステップS3004の処理が繰り返し行われることで、高解像度画像生成部530は、入力画像101よりも解像度が高い出力画像102を生成する。
【0153】
なお、入力画像101内の全てのブロックに限定されず、入力画像101内の指定されたブロックに対して、ステップS1002、S1003、S3003およびS3004の処理が行われてもよい。
【0154】
このように、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、使用領域122の形状が固定されておらず、エッジ方向に応じた使用領域122の形状が決定されるため、あらゆる方向のエッジに対しても同等な超解像効果を得ることができる。その結果、ブロックごとの超解像効果が不均一になってしまうことを抑えることができ、入力画像101を適切に高解像度化することができる。また、本実施の形態では、処理対象ブロックPBに対する類似画像の検索が、他のピクチャと使用領域122内の画像との小数画素精度の位置合わせによって、つまり、小数画素精度の動き検出および動き補償によって行われるため、動画像に対して適切な高解像度化を図ることができる。
【0155】
(実施の形態3)
さらに、前記各実施の形態で示した画像処理方法を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録するようにすることにより、前記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
【0156】
図15A〜図15Cは、前記各実施の形態の画像処理方法を、フレキシブルディスク等の記録媒体に記録されたプログラムを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合の説明図である。
【0157】
図15Bは、フレキシブルディスクの正面の外観、その断面構造、およびフレキシブルディスク本体の正面の外観を示す図である。図15Aは、記録媒体本体であるフレキシブルディスク本体の物理フォーマットの例を示す図である。フレキシブルディスク本体FDはケースF内に内蔵され、該フレキシブルディスク本体FDの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、前記プログラムを格納したフレキシブルディスク本体FDでは、前記フレキシブルディスク本体FD上に割り当てられた領域に、前記プログラムが記録されている。
【0158】
また、図15Cは、フレキシブルディスク本体FDに前記プログラムを記録してそのプログラムを再生するための構成を示す図である。画像処理方法を実現する前記プログラムをフレキシブルディスク本体FDに記録する場合は、コンピュータシステムCsから前記プログラムをフレキシブルディスクドライブFDDを介して書き込む。また、フレキシブルディスク本体FD内のプログラムにより画像処理方法をコンピュータシステム中に構築する場合は、フレキシブルディスクドライブFDDによりプログラムをフレキシブルディスク本体FDから読み出し、コンピュータシステムCsに転送する。
【0159】
なお、前記説明では、記録媒体としてフレキシブルディスクを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、IC(Integrated Circuit)カードまたはROM(Read Only Memory)カセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
【0160】
(実施の形態4)
図16は、本発明の実施の形態4における、上記各実施の形態の画像処理装置および画像処理方法を用いたテレビジョン受像機800の構成を示す図である。
【0161】
本実施の形態のテレビジョン受像機800は、放送受信装置801と、入力選択装置802と、画像処理装置803と、パネル駆動装置804と、ディスプレイパネル805とを備える。図16において、各装置801から804はディスプレイパネル805の外部に配置されているが、ディスプレイパネル805の内部に配置されていてもよい。
【0162】
画像処理装置803は、上記実施の形態1または2の画像処理装置100と同一の機能および構成を有する。
【0163】
放送受信装置801は、外部アンテナ(図示せず)から出力されるアンテナ出力信号821から放送電波を受信し、当該放送電波を復調することによって得られる映像信号を放送映像信号822として出力する。
【0164】
入力選択装置802は、DVD(Digital Versatile Disc)或いはBD(Blu−ray Disc)レコーダ、またはDVD或いはBDプレイヤなどの外部映像機器から出力された外部映像信号820と、放送映像信号822とのうちのいずれか一方の映像信号を、ユーザーによる選択に従って選択する。そして、入力選択装置802は、選択した映像信号を入力映像信号823として出力する。
【0165】
画像処理装置803は、入力映像信号823がインターレース信号の場合は、当該入力映像信号823をプログレッシブ信号に変換する。つまり、画像処理装置803は、入力映像信号823にI/P変換を施す。さらに、画像処理装置803は、入力映像信号823に対してコントラストを改善する画質改善処理を施してもよい。
【0166】
また、画像処理装置803は、上述の実施の形態1または2の画像処理方法にしたがった画像処理を入力映像信号823に施す。そして、画像処理装置803は、その結果を画質改善映像信号824として出力する。
【0167】
パネル駆動装置804は、画質改善映像信号824を、ディスプレイパネル805を駆動するための専用信号に変換し、専用信号をパネル駆動用映像信号825として出力する。
【0168】
ディスプレイパネル805は、パネル駆動用映像信号825に従って電気信号を光信号に変換し、変換した光信号により所望の映像を表示する。
【0169】
このように、上記各実施の形態の画像処理装置または画像処理方法をテレビジョン受像機800に用いることが可能である。そして、当該テレビジョン受像機800は、上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。なお、上記各実施の形態の画像処理装置または画像処理方法は、テレビジョン受像機に限らず、レコーダ機器、プレイヤ機器および携帯機器などの様々なデジタル映像機器に用いることが可能であり、いずれの場合も上記各実施の形態で説明した効果を得ることができる。
【0170】
ここで、レコーダ機器とは、例えば、DVDレコーダ、BDレコーダ、またはハードディスクレコーダ等である。プレイヤ機器とは、例えば、DVDプレイヤまたはBDプレイヤ等である。携帯機器とは、例えば携帯電話またはPDA(Personal Digital Assistant)等である。
【0171】
以上、本発明の1つまたは複数の態様に係る画像処理装置および画像処理方法について、上記各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではない。
【0172】
例えば、本発明に係る画像処理装置は、図17に示すように、上記実施の形態1および2の概括的または包括的な構成を他の態様として有していてもよい。
【0173】
図17は、本発明の他の態様に係る画像処理装置900の機能構成を示すブロック図である。
【0174】
画像処理装置900は、入力画像を用いて、その入力画像より解像度が高い出力画像を生成する装置であって、方向特定部910と、領域決定部920と、画像検索部925と、画像生成部930とを備える。
【0175】
方向特定部910は、上述の入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する。なお、この方向特定部910は、実施の形態1または2のエッジ方向算出部130に相当する。
【0176】
領域決定部920は、そのエッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、方向特定部910によって特定されたエッジ方向に応じて決定する。なお、この領域決定部920は、実施の形態1または2の領域算出部140に相当する。
【0177】
画像検索部925は、領域決定部920によって決定された形状の使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する。なお、この画像検索部925は、実施の形態1の学習データ検索部160に含まれる一部の機能ブロックによって実現される。つまり、使用領域122の領域特徴データ151と類似する学習中周波画像P12を学習データベース110から検索する、学習データ検索部160の一部の機能ブロックが、その画像検索部925に相当する。または、この画像検索部925は、実施の形態2の位置合わせ処理部520の一部の機能ブロックによって実現される。つまり、使用領域122の画像と類似する類似画像を位置合わせ処理によって複数の参照画像から検索する、位置合わせ処理部520の一部の機能ブロックが、その画像検索部925に相当する。
【0178】
画像生成部930は、入力画像に高周波成分が含まれるように、その入力画像に対して類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、上述の出力画像を生成する。なお、この画像生成部930は、実施の形態1の学習データベース110、学習データ検索部160の一部の機能ブロック、合成部170および加算部180を含む機能ブロックによって実現される。また、この画像生成部930は、実施の形態2の高解像度画像生成部530によって実現される。
【0179】
また、この画像処理装置900に対応する画像処理方法は、方向特定部910、領域決定部920、画像検索部925および画像生成部930のそれぞれによる処理をステップとして含む。
【0180】
なお、画像処理装置900に含まれる、方向特定部910、領域決定部920、画像検索部925および画像生成部930の全てまたは一部は、LSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)等のハードウエアで構成されてもよい。また、方向特定部910、領域決定部920、画像検索部925および画像生成部930の全てまたは一部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより実行されるプログラムのモジュールであってもよい。また、画像処理装置900は集積回路として構成されてもよい。
【0181】
また、例えば、学習データベース110に格納される、学習高周波画像P11のサイズと、その学習高周波画像P11に対応する学習中周波画像P12のサイズとは異なっていてもよい。また、この場合、例えば、実施の形態1における学習高周波画像P11の探索(選択)は、仮拡大画像121の代わりに入力画像101を用いて行われてもよい。
【0182】
また、例えば、上記各実施の形態における画像処理装置を備える光ディスク記録装置、動画像送信装置、デジタルテレビ放送送出装置、Webサーバ、通信装置、または携帯情報端末等は、本発明に含まれるのは言うまでもない。これと同様に、上記各実施の形態における画像処理装置を備える動画像受信装置、動画像記録装置、静止画記録装置、デジタルテレビ放送受信装置、通信装置、または携帯情報端末等も、本発明に含まれるのは言うまでもない。ここで、動画像記録装置とは例えばカムコーダやWebなどであり、静止画記録装置とは例えばデジタルスチルカメラなどである。
【0183】
また、上記各実施の形態で用いた全ての数値は、本発明を具体的に説明するための一例の数値である。すなわち、本発明は、上記実施の形態で用いた各数値に制限されない。
【0184】
また、本発明に係る画像処理方法は、図6における全てのステップを必ずしも含む必要はない。すなわち、本発明に係る画像処理方法は、本発明の効果を実現できる最小限のステップのみを含めばよい。
【0185】
また、上記各実施の形態において実行される画像処理方法の各ステップの順序は、本発明を具体的に説明するための一例であり、上記以外の順序であってもよい。また、画像処理方法におけるステップの一部と、他のステップとは、互いに独立して並列に実行されてもよい。例えば、図6のステップS1002,S1003の処理と、ステップS1004,S1005の処理とは、互いに独立して並列に実行されてもよい。
【0186】
なお、画像処理装置100,500の各機能パッチ(構成要素)の全てまたは一部は典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。
【0187】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0188】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサーで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用しても良い。
【0189】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能パッチの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0190】
また、各機能パッチ(構成要素)のうち、検索対象となるデータを格納する部だけ1チップ化せずに別構成としても良い。
【0191】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。ここで、上記各実施の形態の画像処理装置などを実現するソフトウェアは、次のようなプログラムである。
【0192】
すなわち、このプログラムは、コンピュータに、入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定ステップと、エッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定された前記エッジ方向に応じて決定する領域決定ステップと、決定された形状の使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索ステップと、入力画像に高周波成分が含まれるように、入力画像に対して類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、出力画像を生成する画像生成ステップとを実行させる。
【0193】
以上、本発明の一つまたは複数の態様に係る画像処理装置および画像処理方法について、各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0194】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0195】
本発明に係る画像処理方法および画像処理装置は、より精細感の高い高解像度画像を生成することができ、例えばカムコーダやデジタルスチルカメラなどに有用である。
【符号の説明】
【0196】
50 学習画像生成装置
100,600,500,900 画像処理装置
101 入力画像
102,602 出力画像
110,610 学習データベース
120,605 画像拡大部
121,606 仮拡大画像
122 使用領域
130 エッジ方向算出部
131 エッジ方向
140 領域算出部
141 領域座標情報
150 特徴データ抽出部
151 領域特徴データ
160,630 学習データ検索部
170 合成部
171 合成画像
180,680 加算部
620 探索ベクトル生成部
621 探索ベクトル
631 高周波成分データ
800 テレビジョン受像機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像を用いて、前記入力画像より解像度が高い出力画像を生成する画像処理方法であって、
前記入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定ステップと、
前記エッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定された前記エッジ方向に応じて決定する領域決定ステップと、
決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索ステップと、
前記入力画像に高周波成分が含まれるように、前記入力画像に対して前記類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、前記出力画像を生成する画像生成ステップと
を含む画像処理方法。
【請求項2】
前記領域決定ステップでは、
特定された前記エッジ方向に垂直な方向の前記使用領域の幅である第1の幅が、前記エッジ方向の前記使用領域の幅である第2の幅よりも長い形状を、前記使用領域の形状として決定する
請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記方向特定ステップでは、
前記入力画像を構成するブロックごとに、当該ブロック内のエッジに対するエッジ方向を特定し、
前記領域決定ステップでは、
前記ブロックごとに、当該ブロックに対して特定され前記エッジ方向に応じて、当該ブロックに対する使用領域の形状を決定し、
前記画像検索ステップでは、
前記ブロックごとに、当該ブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索し、
前記画像生成ステップでは、
前記ブロックごとに、当該ブロックに対して検索された前記類似画像を用いた解像度変換処理を当該ブロックに対して行うことによって、前記出力画像を生成する
請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記領域決定ステップでは、
前記ブロックごとに、当該ブロックに対して特定された前記エッジ方向に垂直な方向の当該ブロックの幅よりも前記第1の幅が長く、且つ、当該ブロックに対して特定された前記エッジ方向の当該ブロックの幅よりも前記第2の幅が短い形状を、当該ブロックに対する前記使用領域の形状として決定する
請求項3に記載の画像処理方法。
【請求項5】
前記領域決定ステップでは、
前記ブロックに対応する前記使用領域に含まれる画素の数が、当該ブロックに含まれる画素の数と等しくなるように、または、当該ブロックに含まれる画素の数よりも少なくなるように、前記使用領域の形状を決定する
請求項4に記載の画像処理方法。
【請求項6】
前記画像検索ステップでは、
複数の検索用画像と、前記複数の検索用画像のそれぞれに関連付けられた、検索用画像よりも高周波成分を多く含む適用画像とを保持するデータベースを用い、
前記データベースに保持される前記複数の検索用画像から、処理対象のブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する画像を有する検索用画像を、前記類似画像として検索し、
前記画像生成ステップでは、
検索された前記類似画像を用い、前記データベースにおいて当該類似画像に関連付けられた適用画像を選択し、選択された前記適用画像を前記処理対象のブロックに加算することによって、前記処理対象のブロックに対して前記解像度変換処理を行う
請求項3〜5の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記画像検索ステップでは、
処理対象のブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する画像を有する複数の検索用画像を、前記データベースから、複数の類似画像として検索し、
前記画像生成ステップでは、
検索された前記複数の類似画像を用い、前記データベースにおいて前記複数の類似画像のそれぞれに関連付けられた適用画像を選択し、選択された複数の適用画像を合成することによって合成画像を生成し、前記合成画像を前記処理対象のブロックに加算することによって、前記処理対象のブロックに対して前記解像度変換処理を行う
請求項6に記載の画像処理方法。
【請求項8】
前記データベースには、前記ブロックよりも大きいサイズの適用画像が、前記複数の検索用画像のそれぞれに関連付けられて保持され、
前記画像生成ステップでは、
前記処理対象のブロックよりも大きいサイズの前記合成画像の中心が、前記処理対象のブロックの中心に一致するように、前記合成画像を、前記処理対象のブロックと、前記処理対象のブロックの周辺にある少なくとも1つのブロックの一部分とに加算する
請求項7に記載の画像処理方法。
【請求項9】
前記画像処理方法は、さらに、
前記入力画像を拡大する拡大ステップを含み、
前記方向特定ステップ、前記領域決定ステップ、前記画像検索ステップ、および前記画像生成ステップでは、
拡大された前記入力画像を構成するブロックごとに、当該ブロックに対する処理を実行する
請求項6〜8の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項10】
前記画像処理方法は、さらに、
拡大された前記入力画像を構成するブロックごとに、低周波成分を除く周波数成分を中周波成分として当該ブロックから抽出する抽出ステップを含み、
前記画像検索ステップでは、
前記ブロックごとに、当該ブロックに対して決定された形状の前記使用領域内の中周波成分の画像に類似する画像を有する検索用画像を、前記類似画像として検索する
請求項9に記載の画像処理方法。
【請求項11】
前記画像検索ステップでは、
ピクチャとして構成される前記入力画像を含む動画像のうちの、前記入力画像以外の他のピクチャと、決定された形状の前記使用領域内の画像との位置合わせを行うことによって、処理対象のブロックに対する前記類似画像を検索し、
前記画像生成ステップでは、
検索された前記類似画像を用い、前記他のピクチャ内において前記類似画像の少なくも一部を含む参照ブロックを取得し、前記処理対象のブロックの画素を、前記参照ブロックの画素を用いて補間することによって、前記処理対象のブロックに対して前記解像度変換処理を行う
請求項3〜5の何れか1項に記載の画像処理方法。
【請求項12】
入力画像を用いて、前記入力画像より解像度が高い出力画像を生成する画像処理装置であって、
前記入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定部と、
前記エッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定された前記エッジ方向に応じて決定する領域決定部と、
決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索部と、
前記入力画像に高周波成分が含まれるように、前記入力画像に対して前記類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、前記出力画像を生成する画像生成部と
を備える画像処理装置。
【請求項13】
入力画像を用いて、前記入力画像より解像度が高い出力画像を生成する集積回路であって、
前記入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定部と、
前記エッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定された前記エッジ方向に応じて決定する領域決定部と、
決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索部と、
前記入力画像に高周波成分が含まれるように、前記入力画像に対して前記類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、前記出力画像を生成する画像生成部と
を備える集積回路。
【請求項14】
入力画像を用いて、前記入力画像より解像度が高い出力画像を生成するためのプログラムであって、
前記入力画像に含まれるエッジに沿った方向であるエッジ方向を特定する方向特定ステップと、
前記エッジの少なくとも一部を含む領域である使用領域の形状を、特定された前記エッジ方向に応じて決定する領域決定ステップと、
決定された形状の前記使用領域内の画像に類似する類似画像を検索する画像検索ステップと、
前記入力画像に高周波成分が含まれるように、前記入力画像に対して前記類似画像を用いた解像度変換処理を行うことによって、前記出力画像を生成する画像生成ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17】
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【図10A】
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【図10B】
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【公開番号】特開2012−234532(P2012−234532A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−95948(P2012−95948)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU−RAY DISC
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】