画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法
【課題】印刷ミスを軽減することができる画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法を提供する。
【解決手段】生成した仕上がりデータ402(画像データ404と、選択された機能に応じた機能表示データ406と印刷可能領域を示す印刷可能領域データ405との少なくともいずれか一方と、で構成される)を表示部に表示し、表示されている仕上がりデータ402を構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付け、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って仕上がりデータ402を構成する各データを移動させる。そして、データ移動があった場合には、データ移動後の仕上がりデータ402を表示部に表示させる。これにより、思い通りの仕上がり状態を得ることができるので、印刷ミスを軽減することができる。
【解決手段】生成した仕上がりデータ402(画像データ404と、選択された機能に応じた機能表示データ406と印刷可能領域を示す印刷可能領域データ405との少なくともいずれか一方と、で構成される)を表示部に表示し、表示されている仕上がりデータ402を構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付け、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って仕上がりデータ402を構成する各データを移動させる。そして、データ移動があった場合には、データ移動後の仕上がりデータ402を表示部に表示させる。これにより、思い通りの仕上がり状態を得ることができるので、印刷ミスを軽減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原稿画像を読み取るスキャナ、スキャナで読み取った原稿画像を印刷する複写機、外部から入力された画像データを印刷するプリンタやファクシミリ装置、あるいは、これらの機能を兼ね備えたいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機が用いられている。
【0003】
この種の複合機にあっては、余白サイズなどの各種画像処理に関する設定、スタンプ押印処理、ステープル処理あるいはパンチ孔あけ処理といった仕上げ処理に関する設定など、様々な機能に関する設定をユーザは行うことができる。
【0004】
しかしながら、従来の複合機では、このような仕上げ機能を設定して印刷を開始すると、印刷結果を得るまで仕上がり状態を確認できない。例えば、パンチ孔をあけた仕上がり状態において、パンチ孔の位置と出力画像とが重なっていたとしても、実際に印刷してみるまで結果を知ることができないため、印刷ミスとなり、用紙を無駄に使用してしまうという問題が生じる。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、実際の印刷に先だって、プレスキャンした原稿イメージに対して仕上げ機能などの各種機能による処理を施した仕上がり結果のプレビュー画像を表示し、必要に応じて印刷の設定を変更することができる画像処理装置が特許文献1で提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−67347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示されている技術によれば、表示されているプレビュー画像に対する設定変更の指示を直接行うことはできない。すなわち、前述したようにパンチ孔の位置と原稿イメージとが重なっているような場合において、原稿イメージがパンチ孔に重ならないように位置調整を行いたいと思っていても、表示されている画像を指などで直接操作して位置調整ができないため、思い通りの仕上がり状態を得られないという不都合がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷ミスを軽減することができる画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明の画像処理装置は、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2にかかる発明の画像処理装置は、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成手段と、前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、を備える。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2記載の画像処理装置において、データ移動後の前記仕上がりデータに従って前記画像データの印刷位置を調整する印刷位置調整手段を、更に備える。
【0012】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該画像データを移動させる。
【0013】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記印刷可能領域データと前記機能表示データとを連動させて移動させる。
【0014】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記機能表示データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる。
【0015】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と逆方向に前記画像データを移動させる。
【0016】
また、請求項8にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該機能表示データを移動させる。
【0017】
また、請求項9にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる。
【0018】
また、請求項10にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる。
【0019】
また、請求項11にかかる発明は、請求項2ないし10のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータ生成手段は、前記仕上がりデータを構成する前記各データに対応するタグを表示するための入力用データを更に追加する。
【0020】
また、請求項12にかかる発明は、請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置において、前記データ移動指定手段により前記仕上がりデータを構成する前記各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けている際に、移動量および移動方向を指定されている当該データ近傍を拡大表示する拡大表示領域を別に設けて表示する。
【0021】
また、請求項13にかかる発明は、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記機能表示データは、パンチ穿孔の機能を表すデータである。
【0022】
また、請求項14にかかる発明は、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記機能表示データは、ステープル留めの機能を表すデータである。
【0023】
また、請求項15にかかる発明は、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記機能表示データは、スタンプの機能を表すデータである。
【0024】
また、請求項16にかかる発明のプログラムは、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成機能と、前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示機能と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定機能と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動機能と、をコンピュータに実行させる。
【0025】
また、請求項17にかかる発明の画像処理装置における仕上がりデータ移動方法は、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成工程と、前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示工程と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定工程と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動工程と、を含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、生成した仕上がりデータ(画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される)を表示部に表示し、表示されている仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付け、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って仕上がりデータを構成する各データを移動させる。そして、データ移動があった場合には、データ移動後の仕上がりデータを表示部に表示させることにより、入力した画像データに対する仕上がり状態を表示部に表示させ、表示部に表示されている仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を直接受け付けることによって、思い通りの仕上がり状態を得ることができるので、印刷ミスを軽減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態は画像処理装置として、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能及び入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機を適用した例である。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる複合機10の機能ブロック図である。図1に示す複合機10は、スキャナ11、ADF(オート・ドキュメント・フィーダ)111、スキャナコントローラ112、画像記憶部12、画像処理部13、プリンタ14、プリンタコントローラ142、仕上げ処理部141、操作表示部15、操作表示制御部151、システム制御部16、および通信制御部17を備える。また、複合機10は、通信制御部17を介してネットワーク18と接続されている。そして、複合機10は、原稿19の画像を読み取って画像処理を施した後、印刷物20として出力する。
【0030】
システム制御部16は、各構成部と接続されていて、複合機10全体の制御を行うものである。例えば、選択されている用紙サイズに対して適切な走査領域情報をスキャナ11に提供するなどの制御である。このシステム制御部16は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成されており、CPUがROMに格納されたプログラムに基づいてRAMのワーク領域を利用しながら動作することにより、各種処理が実行される。
【0031】
なお、複合機10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。この場合、システム制御部16のCPUが上記記憶媒体からプログラムを読み出して主記憶装置(図示せず)上にロードすることで、複合機10に各種の機能を実現させる。また、プログラムを、インターネット等のネットワーク18に接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。または、プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供若しくは配布するようにしても良い。
【0032】
通信制御部17は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)やインターネットなどのネットワーク18と接続され、通信プロトコルに従ってネットワークに接続された他の機器との間で画像データや制御データ等のやり取りを行うものである。
【0033】
スキャナコントローラ112は、システム制御部16の命令を受け、スキャナ11を制御する。
【0034】
スキャナ11は、スキャナコントローラ112に制御され、原稿19のイメージをデジタル画像データに変換する。なお、ADF111は、セットされた複数ページの原稿をスキャナ11の読取位置に1枚ずつ順に繰り出すことができるので、このADF111を用いることにより、スキャナ11は複数ページの原稿を連続して自動的に読み込みを行うことができる。また、ADF111は、用紙の片面に印刷された片面原稿だけでなく、両面に印刷された両面原稿を反転させてスキャナ11に送り出すことができるので、スキャナ11に両面原稿を読み込ませることが可能である。
【0035】
画像記憶部12は、システム制御部16の命令を受け、スキャナ11で読み取った画像データや、ネットワーク18を介して外部から入力された画像データ等を一時的に保存しておくバッファメモリである。本実施の形態の複合機10は、自身の備えるスキャナ11から読み取った画像データ及び、ネットワーク18を介するなどして外部から入力された画像データのいずれをも処理して画像形成することができる。
【0036】
画像処理部13は、スキャナ11から送られて画像記憶部12に一時的に保存された多値データに対して、システム制御部16の命令を受け、γ補正やMTF補正処理等を施した後、スライス処理やディザ処理のような階調処理を施して2値(または多値)化処理を施す。また、画像処理部13は、ユーザが設定した機能に対応した各種の画像処理(拡大/縮小、濃度/色の調整など)、画像領域編集処理(領域削除、領域移動、領域反転など)やレイアウト加工処理(両面印刷/片面印刷、集約印刷、余白サイズの調整など)を行う。
【0037】
画像処理部13は、座標情報取得部131と画面情報生成部132とを備える。座標情報取得部131は、画像記憶部12に格納された入力画像に関する座標情報を取得する。画面情報生成部132は、入力した画像データ及び当該画像データに対する各種の項目入力に基づく設定処理に従って、後述する表示パネル15bに表示する各種設定処理を施した後の仕上がりデータである仕上がり予想画像情報を生成する。ここで、画面情報生成部132が生成する情報を仕上がり予想画像情報と称するのは、以下に述べるように、印刷する仕上がりデータおよび仕上がりデータに関連する設定画面のメニュー項目の入力画面のための情報を生成するので、その2つをまとめて仕上がり予想画像情報と称する。
【0038】
プリンタコントローラ142は、システム制御部16の命令を受けてプリンタ14を制御する。
【0039】
プリンタ14は、プリンタコントローラ142に制御され、画像処理部13で処理された画像データに基づいて光ビームを偏向走査させ、感光体上に形成した静電潜像にトナーを使って現像し、生成されたトナー画像を転写紙に転写して、定着処理を行う電子写真技術を用いたプリンタである。なお、プリンタ14の印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、様々な方式を用いることができる。
【0040】
このプリンタ14は、仕上げ処理部141を搭載している。仕上げ処理部141は、自動設定あるいはユーザによる設定を受け付けて、印刷処理が施された印刷物20を部数やページ単位で仕分けを行うソート処理、印刷媒体に対して所定のスタンプを押印するスタンプ処理、複数枚の印刷媒体を揃えてステープルで綴じるステープル処理、あるいは、複数枚の印刷媒体をバインダーやファイルに綴じるためのパンチ孔をあけるパンチ孔処理といった仕上げ処理を行う。
【0041】
操作表示制御部151は、システム制御部16の命令を受けて操作表示部15の入出力を制御する。例えば、操作表示制御部151は、画像処理部13によって処理されたデータを、操作表示部15が備えているタッチパネル15aおよび表示部である表示パネル15bに出力制御する。より具体的には、操作表示制御部151は、生成された仕上がり予想画像情報に従って、表示パネル15bに仕上がりデータを表示させる。また、操作表示制御部151は、タッチパネル15aからの入力制御を行う。なお、表示パネル15bとタッチパネル15aは図面上別々に記載されているが、ここでは一体的に構成する。
【0042】
タッチパネル15aは、パネル上に、電気的あるいは磁気的にポインタの接触する位置を検出する。タッチパネル15aに対する指定手段(図示せず)としては、人間の指先、スタイラスペン、その他の接触入力具(以下ポインタと記す)が適用可能である。すなわち、ユーザは、タッチパネル15aに対してこのようなポインタを介して接触することによって、印刷設定を含む各種項目を入力する。
【0043】
なお、本実施の形態においては、タッチパネル15aに対する接触入力を例に挙げて説明するが、必ずしも接触入力のみが本発明の実施の形態ではない。例えば、操作表示部15は、タッチパネル15aの他に操作者による物理的なキーの押下を受付けて入力を行うハードキーを備え、印刷実行などの指示を与えるようにしても良い。また、表示パネル15bは、複合機10が備える専有の表示装置を用いても良い。
【0044】
操作表示部15は、操作表示制御部151に制御され、タッチパネル15aを介して設定内容の入力を受け付け、仕上がりデータや画面の仕上げを設定する設定内容のメニュー項目を表示パネル15bに表示する。
【0045】
また、操作表示部15は、複合機10で実行したい機能を設定画面のメニュー項目として表示し、表示されたメニュー項目の中からユーザによる設定入力を受け付けるためのものである。すなわち、操作表示制御部151は、項目の選択が可能な領域に対してポインタがタッチパネル15aに接触すると、押圧された部分の座標が検出され、選択可能領域における接触であることが検出されると、該当する項目が選択されたものとして受け付ける。例えば、操作表示部15は、原稿の状態に応じたスキャナ11における読み取り条件の設定、読み取った画像データを加工する画像処理部13における設定、プリンタ14における印刷条件の設定、あるいは、印刷後の印刷物に対してソート、ステープル、パンチ孔などの仕上げ処理を行う仕上げ処理部141などの設定を受け付けるものである。
【0046】
システム制御部16は、操作表示制御部151を介して上述したような各種設定を受け付けると、画像記憶部12に記憶されている元画像データに対して画像処理部13で要求された設定処理を反映させて仕上がりデータ(プレビュー画像)を作成し、操作表示部15に送って表示させる(仕上がりデータ生成手段16a、仕上がりデータ表示手段16b)。
【0047】
図2は、複合機10が画像データを入力して生成した仕上がりデータの一例を示す模式図である。タッチパネル15aの表示領域401の内部に、仕上がりデータ402および設定処理項目403が表示される。操作者が、表示パネル15bに表示された仕上がりデータを見ながらポインタで接触することによって、タッチパネル15aは、表示された仕上がりデータ上の印刷物の仕上がり状態における空間的位置である位置情報の入力を受け付ける。このような場合において、座標情報取得部131は、タッチパネル15aによって受け付けられた位置情報を解析し、ポインタの接触する画像上での座標情報を取得する。
【0048】
このような構成により、複合機10は、実際の印刷に先だって、仕上がりデータ(プレビュー画像)を複合機10の操作表示部15が備えている表示パネル15bに表示し、目視でその仕上がりデータを確認した後に実際の印刷を行うことができる。
【0049】
ところで、仕上がりデータ402は、画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406の3要素から構成される。画像データ404は、スキャナ11から読み取った画像データと、または、ネットワーク18を介するなどして外部から入力された画像データとのいずれかの画像データである。なお、本実施の形態においては、画像データ404を黒枠で囲んで図示しているが、この黒枠は説明のために敢えて図示しているものであって、実際の画像データ404には存在しない場合が多い。印刷可能領域データ405は、印刷可能な範囲を表示するためのデータである。機能表示データ406は、設定処理項目403において選択された項目(例えばパンチ孔あけ)を表す画像を操作表示部15上に表示するためのデータである。図2に示す例では、印刷可能領域データ405が網掛けの矩形で示され、画像データ404に対する用紙との位置関係を把握することができるようになっている。また、図2によれば設定処理項目403において項目「パンチ」が選択されているが、その仕上がり状態を示すために機能表示データ406として“黒丸(●)2つ”を上端に表示することにより、パンチ孔が上部に2か所に空いた仕上がりであることが示されている。
【0050】
なお、パンチ孔の位置(例えば上端にあけるか、左端にあけるか)の選択は、「パンチ」項目を押下した時に関連メニュー項目を表示させて選択する、などといったよく知られた方法を用いればよいため、本実施の形態においてはその説明は省略する。
【0051】
ここで、図3は操作表示制御部151において記憶する仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。また、図4はデータの位置を説明する説明図である。
【0052】
図3のKIND_ID欄は、仕上がりデータの属性を示しており、PRINT_AREA、INPUT_IMAGE、FUNC_DISPはそれぞれ印刷可能領域データ405、画像データ404、機能表示データ406である。図3のITEM_ID欄は、機能表示データ406の項目の属性を示す。例えば、図2に示すように、上部2か所にパンチ孔をあける項目の属性は、PUNCH_TOPである。図3のDATA欄は、仕上がりデータや項目に対応して表示させるための具体的なデータファイル名である。
【0053】
また、それぞれの仕上がりデータの表示位置は、図3のAREA欄に示されている。図4に示すように、AREA欄の表示位置は、X軸,Y軸による直交座標系の座標(x,y)にDATA欄データの左上隅を指定することによって規定される。図4に示す例では、PUNCH_TOPに対するデータpic0004を表示している。データpic0004は、透明な矩形(図4では説明のために点線で囲んである)の内部に“黒丸(●)2つ”を描画した図形となっており、座標(x,y)はこの矩形データに対する左上隅が対応する。なお、図中で#から始まる値は変数であり、他の構成ブロックから得られる値である。
【0054】
したがって、図2に示す仕上がりデータ402を表示する場合、操作表示制御部151は、図3に示した画像データ構造を参照して仕上がりデータ402を構成する各データ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)を次のように表示することになる。
印刷可能領域データ405:PRINT_AREAのDATA欄、AREA欄からpic0001(図2の印刷可能領域データ405)を、座標(50,10)に配置する。この座標系は、操作表示部15における表示領域401(図2では黒い外枠)の左上隅を原点とする。
画像データ404:INPUT_IMAGEのDATA欄の#INPUTにより、スキャナ11から読み取った画像データと、または、ネットワーク18を介するなどして外部から入力された画像データとのいずれかの画像データを選択用紙のサイズに対応させ、座標(50,17)に配置する。
機能表示データ406:「パンチ」項目が選択されたことにより、FUNC_DISPのITEM_ID PUNCH_TOPに対するDATA欄、AREA欄を参照し、pic0004(図2の機能表示データ406)を座標(95,15)に配置する。
【0055】
なお、本実施の形態においては、説明を簡単にするため、AREA欄には表示位置の座標だけを持ち、データを加工することなくそのまま配置するようにしているが、画像の領域情報である横幅w、縦幅hを追加し、(x,y,w,h)のように情報を持つことも可能である。このような領域情報を持ち、さらに画像領域に対する処理ステップを追加することにより、例えば、対象データを拡大/縮小した後で表示することも可能である。
【0056】
以上のような構成とすることにより、図2に示す仕上がりデータ402の場合、画像データ404に対して機能表示データ406である“黒丸(●)2つ”のパンチ孔が重なることがわかるので、不都合が生じていることを印刷前に確認できる。
【0057】
そこで、本実施の形態においては、機能表示データ406と画像データ404とが重なるような問題の解決を図り、上述したような不都合を解消する。
【0058】
次に、システム制御部16のCPUがROMに格納されたプログラムに基づいて動作することにより実現される特徴的な処理であるデータ移動処理について説明する。概略的には、本実施の形態においては、画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406のいずれかのデータを、表示パネル15bに表示された各データ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)を、タッチパネル15aを介して直接触って移動(ドラッグ)することにより、各データの移動を実現することができる。
【0059】
図5は、データ移動処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、データ移動処理は、移動動作の開始信号として、タッチパネル15aに指などのポインタが触れたことを示す接触信号(マウスのButtonPressと等価)を操作表示部15から受け取ると(ステップS1のYes:データ移動指定手段16c)、座標情報取得部131を介してポインタの接触する画像上での座標情報を取得して、移動対象の仕上がりデータ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)の特定を行う(ステップS2)。
【0060】
その後、タッチパネル15aから指などのポインタが離れることにより(ButtonRelease信号取得時)、移動動作の終了を受け付けた場合には(ステップS3のYes:データ移動指定手段16c)、移動対象の仕上がりデータ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)構造の書き換えを移動対象の種別に従って行ない(ステップS4:データ移動手段16d)、移動対象の仕上がりデータを表示パネル15bに再描画して(ステップS5:仕上がりデータ表示手段16b)、処理を終了する。仕上がりデータ構造の書き換えは、画面情報生成部132で行われる。
【0061】
まず、画像データ404を移動させる場合について説明する。画像データ404を移動させる場合は、ポインタでタッチパネル15aを介して画像データ404部分に触れたまま移動したい方向に移動し、所望の位置まで移動したら移動動作を終了する。移動動作は、タッチパネル15aに対する接触動作をやめるか、タッチパネル15aに接触したまま移動動作を中断することによって終了できる。画面情報生成部132は、移動動作が終了した時点の座標で、図3のINPUT_IMAGEのAREA欄を書き換える。その後、書き換えられた新しい座標に基づいて画像データ404を表示パネル15bに再描画する。
【0062】
図6は、画像データ404をパンチ孔と重ならなくなるまで下方に移動した後の状態である。この時、仕上がりデータの構造は図7に示すようになり、INPUT_IMAGEのAREA欄が書き換わっていることがわかる。
【0063】
次に、印刷可能領域データ405を移動させる場合について説明する。印刷可能領域データ405を移動させる場合についても、ポインタでタッチパネル15aを介して印刷可能領域データ405部分に触れたたまま移動したい方向に移動し、所望の位置まで移動したら移動動作を終了する。画面情報生成部132は、移動動作が終了した時点の座標で、図3のPRINT_AREAのAREA欄を書き換える。同時に、FUNC_DISPのAREA欄も印刷可能領域データ405の移動量を加えて書き換える。その後、書き換えられた新しい座標に基づいて印刷可能領域データ405と機能表示データ406とを表示パネル15bに再描画する。つまり、印刷可能領域データ405と機能表示データ406との両データは、双方の位置関係を保ったまま連動して移動処理が行われる。
【0064】
図8は、印刷可能領域データ405をパンチ孔と重ならなくなるまで上方に移動した後の状態である。図8の状態によれば、図6と比較すると仕上がりデータ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)が上方に移動していることがわかる。この時、仕上がりデータの構造は図9に示すようになり、PRINT_AREAとFUNC_DISPのAREA欄が書き換わっていることがわかる。
【0065】
一方で、機能表示データ406を移動させた場合についても、同様に、印刷可能領域データ405との位置関係を保ったまま連動して移動処理が行われ、移動後の状態は図8、図9と同じ結果になる。機能表示データ406を移動することによって、「パンチ孔をずらしたい」という使用者の直感的な要望を満たすことができるので、使い勝手が向上する。
【0066】
また、印刷可能領域データ405との位置関係を保ったまま連動して移動することができるので、用紙に対するパンチ孔穿孔位置やステープリング位置がハードウェア的に固定されているような従来の仕上げ処理部141でもハードウェアの変更を行う必要がなくなり、製作コストを抑えることができる。
【0067】
ここで、機能表示データ406を移動するときの変形例について説明する。上述した例では、機能表示データ406を移動させた場合においては、画像データ404は移動させずにそのままの位置に置いていた。しかしながら、変形例として、機能表示データ406を移動させた場合に、機能表示データ406の移動動作方向とは逆向きに、画像データ404を移動量だけ移動して再描画するようにしても良い。すなわち、この変形例では、機能表示データ406に接触して上方に移動動作を行い、その後移動動作を終了すると、機能表示データ406が指示された移動量だけ画像データ404が下方に移動することになる。移動後の状態は、図6,図7と同じ結果になる。このような表示を行うことにより、機能表示データ406(パンチ孔)の位置に指先がかかって重なり具合がわからなくなるといったことがなくなり、前述の効果に加えて仕上がり状態を確認しやすくなる。
【0068】
このようなデータ移動後の仕上がりデータは画像処理部13にフィードバックされ、画像処理部13は、画像記憶部12に記憶されている元画像データの印刷位置をデータ移動後の仕上がりデータに従って調整する。ここに、印刷位置調整手段が実現されている。
【0069】
このように本実施の形態によれば、生成した仕上がりデータ402(画像データ404と、選択された機能に応じた機能表示データ406と印刷可能領域を示す印刷可能領域データ405との少なくともいずれか一方と、で構成される)を表示パネル15bに表示し、表示されている仕上がりデータ402を構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付け、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って仕上がりデータ402を構成する各データを移動させる。そして、データ移動があった場合には、データ移動後の仕上がりデータ402を表示パネル15bに表示させる。これにより、入力した画像データ404に対する仕上がりデータ402を表示パネル15bに表示させ、表示パネル15bに表示されている仕上がりデータ402を構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を直接受け付けることによって、思い通りの仕上がり状態を得ることができるので、印刷ミスを軽減することができる。
【0070】
なお、機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けた場合には、受け付けた移動方向と同方向に当該機能表示データを移動させることも可能である。また、印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けた場合には、受け付けた移動方向と同方向に画像データと印刷可能領域データとを連動させて移動させることも可能である。さらに、画像データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けた場合には、受け付けた移動方向と同方向に画像データと印刷可能領域データとを連動させて移動させることも可能である。ただし、これらの場合、機能表示データ406にかかる設定処理項目403において選択された項目を実行する仕上げ処理部141において、仕上げ処理(例えば、スタンプ処理、ステープル処理、あるいは、パンチ孔処理など)を行う位置を移動可能な構成になっていることが条件とされる。
【0071】
また、本実施の形態においては、機能表示データ406として「パンチ」が選択された場合の“黒丸(●)2つ”のパンチ孔の例について説明したが、「ステープル留め」を実行する「ステープル」や「スタンプ押印」を実行する「スタンプ」が選択された場合の機能表示データ406についても適用可能であることは明らかである。
【0072】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図10に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0073】
本実施の形態においては、図10に示すように、各仕上がりデータに対応するタグ500を表示するための入力用データを機能表示データ406に付加し、このタグ500に接触して移動動作を行うようにしたものである。
【0074】
このように本実施の形態によれば、機能表示データ406にタグ500を付与することによって、タッチパネル15aを介してパンチ孔をポインタで直接指示して移動するよりも移動状況を確認しやすくなる。
【0075】
なお、タグ500の付与は機能表示データ406に限らず、画像データ404、印刷可能領域データ405にも適用可能であり、同様の移動動作が実現できることはいうまでもない。
【0076】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図11に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0077】
本実施の形態においては、図11に示すように、移動を行っている際に、機能表示データ406近傍を拡大表示する拡大表示領域Xを別に設けて表示するようにしたものである。図11は、機能表示データ406である“黒丸2つ”のパンチ孔のうち右側のパンチ孔を、タッチパネル15aを介してポインタで指示して移動動作を行った時の表示例を示すものである。すなわち、拡大表示領域Xには、タッチパネル15aを介してポインタで指示した領域の近傍が拡大表示される。したがって、もし機能表示データ406である“黒丸2つ”のパンチ孔のうち左側のパンチ孔を指示した場合は、拡大表示領域Xには、左側のパンチ孔近傍が表示される。
【0078】
このように本実施の形態によれば、機能表示データ406に接触しながら移動動作を行う場合であって、移動の様子が別の拡大表示領域Xに拡大されて表示されるので、仕上がり状態を確認しやすくなる。
【0079】
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態ないし第3の実施の形態においては、本発明の画像処理装置(画像処理装置10)として、MFPと称される複合機を適用したが、これに限るものではない。例えば、プリンタ装置などの画像形成装置をパーソナルコンピュータに接続するとともに、このパーソナルコンピュータのHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に所定のプログラムをインストールし、このプログラムに従ってパーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit )を動作させることによっても、前述したような各種の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
図12は、本発明の第4の実施の形態にかかるプリントシステム200の概略構成例を示すブロック図である。図12に示すプリントシステム200は、印刷データ及び当該印刷データを印刷するための印刷条件を含む印刷ジョブを送出するパーソナルコンピュータ201と、印刷データを印刷するプリンタ装置202とが、ケーブル203を介して接続されて構築されている。
【0081】
パーソナルコンピュータ201は、作成した文書に対応した印刷データ及びこの文書印刷するために設定した印刷条件データ(用紙方向、両面、集約、製本、ステープル、パンチ、拡大/縮小等)を印刷ジョブとしてプリンタ装置202に送出する。
【0082】
プリンタ装置202は、パーソナルコンピュータ201から送出される印刷ジョブに従って印刷データの印刷を行う。具体的には、プリンタ装置202は、印刷ジョブに含まれる印刷条件データ(用紙方向、両面、集約、製本、ステープル、パンチ、拡大/縮小等)に従って、印刷ジョブに含まれる印刷データを紙などのメディアに印刷する。
【0083】
以下、パーソナルコンピュータ201およびプリンタ装置202の具体的な構成を順に説明する。
【0084】
図13は、パーソナルコンピュータ201の概略構成を示すブロック図である。図13において、パーソナルコンピュータ201は、データを入力するための入力部211と、表示部212と、データ通信をおこなうための通信部213と、装置全体の制御を司るCPU214と、CPU214のワークエリアとして使用されるRAM215と、記録媒体217のデータのリード/ライトを行う記録媒体アクセス装置216と、CPU214を動作させるための各種プログラム等を記憶した記録媒体217とから構成されている。
【0085】
入力部211は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示部212の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライスパット等からなり、操作者がCPU214に操作指示を与えたり、データを入力するためのユーザインターフェイスである。
【0086】
表示部212は、CRTやLCD等により構成され、CPU214から入力される表示データに応じた表示が行われる。通信部213は、外部とデータ通信するためのものであり、例えば、ケーブル203を介してプリンタ装置202等とデータ通信を行うためのものである。
【0087】
CPU214は、記録媒体217に格納されているプログラムに従って、装置全体を制御する中央制御ユニットであり、このCPU214には、入力部211、表示部212、通信部213、RAM215、記録媒体アクセス装置216が接続されており、データ通信、メモリへのアクセスによるアプリケーションプログラムの読み出しや各種データのリード/ライト、データ/コマンド入力、表示等を制御する。また、CPU214は、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データを印刷ジョブとして通信部213を介して、プリンタ装置202に送出する。
【0088】
RAM215は、指定されたプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリと、表示部212の表示画面に表示する表示データを一時的に格納する表示メモリとを備えている。
【0089】
上記記録媒体217は、CPU214が実行可能なOSプログラム217a(例えば、WINDOWS(登録商標)等)、文書作成用アプリケーションプログラム217b、プリンタ装置202に対応したプリンタドライバ217c等の各種プログラムやデータを格納する。記録媒体17としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOやPCカード等の光学的・磁気的・電気的な記録媒体から成る。上記各種プログラムは、CPU214が読み取り可能なデータ形態で記録媒体217に格納されている。また、上記各種プログラムは、予め記録媒体に記録されている場合や通信回線を介してダウンロードされて記録媒体に格納される場合等がある。また、上記各種プログラムは通信回線を介して配信可能である。
【0090】
図14は、プリンタ装置202の概略構成を示すブロック図である。図14に示すように、プリンタ装置202は、データ通信をおこなう通信部221と、プリンタ装置202の全体の制御を司るCPU222と、CPU222を動作させる各種制御プログラムを格納したROM223と、各種制御プログラムのワークエリアおよびパーソナルコンピュータ201等から入力される印刷ジョブの印字データおよび印刷条件データを一時的格納するRAM224と、印字データを転写紙に印字するためのプリンタエンジン225と、印字データが印字された紙をステープルするためのステープル部226と、印字データが印字された転写紙にパンチ穴を空けるためのパンチ部227とから構成されている。つまり、プリンタ装置202は、両面機能、パンチ機能、ステープル機能等を備えている。
【0091】
通信部221は、外部とデータ通信を行うためのものであり、例えば、パーソナルコンピュータ201とデータ通信を行うものである。
【0092】
CPU222は、ROM223に格納されている各種制御プログラムに従って装置全体を制御する中央制御ユニットである。このCPU222には、通信部221と、ROM223と、RAM224と、プリンタエンジン225と、ステープル部226と、パンチ部227が接続されており,データ通信やプリンタ動作等を制御する。
【0093】
ROM223は、CPU221を動作させるための各種制御プログラムやその処理に使用されるパラメータ等を記憶している。RAM224は、指定された制御プログラム、処理結果及び受信した印刷データ等を格納するワークメモリを備えている。
【0094】
プリンタエンジン225は、電子写真方式のプリンタエンジンで構成されており、印字データを転写紙に印字するユニットである。なお、プリンタ装置202の印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、様々な方式を用いることができる。
【0095】
次に、パーソナルコンピュータ201のプリンタドライバ217cについて説明する。プリンタドライバ217cは、特定のプログラムに対して他のプログラムが、プリンタ装置202のハードウェアや内部“言語”に煩わされることなく操作できるように設計されたソフトウエアプログラムであり、プリンタ装置202を制御するためのもので、出力データの処理等をおこなうためのものである。
【0096】
パーソナルコンピュータ201のCPU214は、プリンタドライバ217cに従って、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データに基づく仕上がり予想図の生成・表示、文書作成アプリケーション217bで作成した印刷データのプリンタ装置202への転送等を行う。
【0097】
パーソナルコンピュータ201は、プリンタドライバ217cに従ってCPU214が動作することにより、図15に示すように、画像記憶部12、画像処理部13、操作表示制御部151およびシステム制御部16を備える。
【0098】
このように、プリンタドライバ217cに従ってCPU214が動作することにより、パーソナルコンピュータ201は、図1に示した画像処理装置1と同等なシステム構成を備えることになり、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態で説明したような各種の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0099】
図16は、プリンタドライバ217cによる表示画面の一例を示す正面図である。図16に示す画面は、文書作成アプリケーション217bの表示画面やOSプログラム217aの起動画面等で、プリンタドライバ217cの起動が選択された場合に表示される画面である。図14に示す画面においては、基本条件設定画面、編集条件設定画面、仕上げ条件設定画面等に加えて、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データに基づく仕上がりデータ(プレビュー画像)の生成・表示を行なうプレビュー表示領域401(画像処理装置1の表示領域401と同様のもの)が選択可能になっている。
【0100】
なお、本実施の形態においては、プリンタドライバ217cに従ってパーソナルコンピュータ201のCPU214を動作させることによって、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データに基づく仕上がり予想図の生成・表示を行なうプレビュー表示領域401を表示させるようにしたが、これに限るものではなく、文書作成アプリケーション217bやOSプログラム217aに従ってパーソナルコンピュータ201のCPU214を動作させることによって、プレビュー表示領域401を表示させるようにしても良い。
【0101】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる複合機の機能ブロック図である。
【図2】仕上がりデータの一例を示す模式図である。
【図3】仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。
【図4】データの位置を説明する説明図である。
【図5】データ移動処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】画像データをパンチ孔と重ならなくなるまで下方に移動した後の状態を示す模式図である。
【図7】画像データをパンチ孔と重ならなくなるまで下方に移動した後の状態の仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。
【図8】印刷可能領域データをパンチ孔と重ならなくなるまで上方に移動した後の状態を示す模式図である。
【図9】印刷可能領域データをパンチ孔と重ならなくなるまで上方に移動した後の状態の仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかる仕上がりデータの一例を示す模式図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態にかかる仕上がりデータの一例を示す模式図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態にかかるプリントシステムの概略構成例を示すブロック図である。
【図13】パーソナルコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図14】プリンタ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図15】パーソナルコンピュータの要部を示すブロック図である。
【図16】プリンタドライバによる表示画面の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0103】
10 画像処理装置
15b 表示部
16a 仕上がりデータ生成手段
16b 仕上がりデータ表示手段
16c データ移動指定手段
16d データ移動手段
402 仕上がりデータ
404 画像データ
405 印刷可能領域データ
406 機能表示データ
500 タグ
X 拡大表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、原稿画像を読み取るスキャナ、スキャナで読み取った原稿画像を印刷する複写機、外部から入力された画像データを印刷するプリンタやファクシミリ装置、あるいは、これらの機能を兼ね備えたいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機が用いられている。
【0003】
この種の複合機にあっては、余白サイズなどの各種画像処理に関する設定、スタンプ押印処理、ステープル処理あるいはパンチ孔あけ処理といった仕上げ処理に関する設定など、様々な機能に関する設定をユーザは行うことができる。
【0004】
しかしながら、従来の複合機では、このような仕上げ機能を設定して印刷を開始すると、印刷結果を得るまで仕上がり状態を確認できない。例えば、パンチ孔をあけた仕上がり状態において、パンチ孔の位置と出力画像とが重なっていたとしても、実際に印刷してみるまで結果を知ることができないため、印刷ミスとなり、用紙を無駄に使用してしまうという問題が生じる。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、実際の印刷に先だって、プレスキャンした原稿イメージに対して仕上げ機能などの各種機能による処理を施した仕上がり結果のプレビュー画像を表示し、必要に応じて印刷の設定を変更することができる画像処理装置が特許文献1で提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−67347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に開示されている技術によれば、表示されているプレビュー画像に対する設定変更の指示を直接行うことはできない。すなわち、前述したようにパンチ孔の位置と原稿イメージとが重なっているような場合において、原稿イメージがパンチ孔に重ならないように位置調整を行いたいと思っていても、表示されている画像を指などで直接操作して位置調整ができないため、思い通りの仕上がり状態を得られないという不都合がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷ミスを軽減することができる画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明の画像処理装置は、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2にかかる発明の画像処理装置は、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成手段と、前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、を備える。
【0011】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2記載の画像処理装置において、データ移動後の前記仕上がりデータに従って前記画像データの印刷位置を調整する印刷位置調整手段を、更に備える。
【0012】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該画像データを移動させる。
【0013】
また、請求項5にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記印刷可能領域データと前記機能表示データとを連動させて移動させる。
【0014】
また、請求項6にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記機能表示データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる。
【0015】
また、請求項7にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と逆方向に前記画像データを移動させる。
【0016】
また、請求項8にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該機能表示データを移動させる。
【0017】
また、請求項9にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる。
【0018】
また、請求項10にかかる発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる。
【0019】
また、請求項11にかかる発明は、請求項2ないし10のいずれか一記載の画像処理装置において、前記仕上がりデータ生成手段は、前記仕上がりデータを構成する前記各データに対応するタグを表示するための入力用データを更に追加する。
【0020】
また、請求項12にかかる発明は、請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置において、前記データ移動指定手段により前記仕上がりデータを構成する前記各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けている際に、移動量および移動方向を指定されている当該データ近傍を拡大表示する拡大表示領域を別に設けて表示する。
【0021】
また、請求項13にかかる発明は、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記機能表示データは、パンチ穿孔の機能を表すデータである。
【0022】
また、請求項14にかかる発明は、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記機能表示データは、ステープル留めの機能を表すデータである。
【0023】
また、請求項15にかかる発明は、請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置において、前記機能表示データは、スタンプの機能を表すデータである。
【0024】
また、請求項16にかかる発明のプログラムは、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成機能と、前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示機能と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定機能と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動機能と、をコンピュータに実行させる。
【0025】
また、請求項17にかかる発明の画像処理装置における仕上がりデータ移動方法は、画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成工程と、前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示工程と、前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定工程と、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動工程と、を含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、生成した仕上がりデータ(画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される)を表示部に表示し、表示されている仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付け、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って仕上がりデータを構成する各データを移動させる。そして、データ移動があった場合には、データ移動後の仕上がりデータを表示部に表示させることにより、入力した画像データに対する仕上がり状態を表示部に表示させ、表示部に表示されている仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を直接受け付けることによって、思い通りの仕上がり状態を得ることができるので、印刷ミスを軽減することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、プログラムおよび画像処理装置における仕上がりデータ移動方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図9に基づいて説明する。本実施の形態は画像処理装置として、コピー機能、ファクシミリ(FAX)機能、プリント機能、スキャナ機能及び入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿画像やプリンタあるいはFAX機能により入力された画像)を配信する機能等を複合したいわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と称される複合機を適用した例である。
【0029】
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる複合機10の機能ブロック図である。図1に示す複合機10は、スキャナ11、ADF(オート・ドキュメント・フィーダ)111、スキャナコントローラ112、画像記憶部12、画像処理部13、プリンタ14、プリンタコントローラ142、仕上げ処理部141、操作表示部15、操作表示制御部151、システム制御部16、および通信制御部17を備える。また、複合機10は、通信制御部17を介してネットワーク18と接続されている。そして、複合機10は、原稿19の画像を読み取って画像処理を施した後、印刷物20として出力する。
【0030】
システム制御部16は、各構成部と接続されていて、複合機10全体の制御を行うものである。例えば、選択されている用紙サイズに対して適切な走査領域情報をスキャナ11に提供するなどの制御である。このシステム制御部16は、不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成されており、CPUがROMに格納されたプログラムに基づいてRAMのワーク領域を利用しながら動作することにより、各種処理が実行される。
【0031】
なお、複合機10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されてもよい。この場合、システム制御部16のCPUが上記記憶媒体からプログラムを読み出して主記憶装置(図示せず)上にロードすることで、複合機10に各種の機能を実現させる。また、プログラムを、インターネット等のネットワーク18に接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしても良い。または、プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供若しくは配布するようにしても良い。
【0032】
通信制御部17は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)やインターネットなどのネットワーク18と接続され、通信プロトコルに従ってネットワークに接続された他の機器との間で画像データや制御データ等のやり取りを行うものである。
【0033】
スキャナコントローラ112は、システム制御部16の命令を受け、スキャナ11を制御する。
【0034】
スキャナ11は、スキャナコントローラ112に制御され、原稿19のイメージをデジタル画像データに変換する。なお、ADF111は、セットされた複数ページの原稿をスキャナ11の読取位置に1枚ずつ順に繰り出すことができるので、このADF111を用いることにより、スキャナ11は複数ページの原稿を連続して自動的に読み込みを行うことができる。また、ADF111は、用紙の片面に印刷された片面原稿だけでなく、両面に印刷された両面原稿を反転させてスキャナ11に送り出すことができるので、スキャナ11に両面原稿を読み込ませることが可能である。
【0035】
画像記憶部12は、システム制御部16の命令を受け、スキャナ11で読み取った画像データや、ネットワーク18を介して外部から入力された画像データ等を一時的に保存しておくバッファメモリである。本実施の形態の複合機10は、自身の備えるスキャナ11から読み取った画像データ及び、ネットワーク18を介するなどして外部から入力された画像データのいずれをも処理して画像形成することができる。
【0036】
画像処理部13は、スキャナ11から送られて画像記憶部12に一時的に保存された多値データに対して、システム制御部16の命令を受け、γ補正やMTF補正処理等を施した後、スライス処理やディザ処理のような階調処理を施して2値(または多値)化処理を施す。また、画像処理部13は、ユーザが設定した機能に対応した各種の画像処理(拡大/縮小、濃度/色の調整など)、画像領域編集処理(領域削除、領域移動、領域反転など)やレイアウト加工処理(両面印刷/片面印刷、集約印刷、余白サイズの調整など)を行う。
【0037】
画像処理部13は、座標情報取得部131と画面情報生成部132とを備える。座標情報取得部131は、画像記憶部12に格納された入力画像に関する座標情報を取得する。画面情報生成部132は、入力した画像データ及び当該画像データに対する各種の項目入力に基づく設定処理に従って、後述する表示パネル15bに表示する各種設定処理を施した後の仕上がりデータである仕上がり予想画像情報を生成する。ここで、画面情報生成部132が生成する情報を仕上がり予想画像情報と称するのは、以下に述べるように、印刷する仕上がりデータおよび仕上がりデータに関連する設定画面のメニュー項目の入力画面のための情報を生成するので、その2つをまとめて仕上がり予想画像情報と称する。
【0038】
プリンタコントローラ142は、システム制御部16の命令を受けてプリンタ14を制御する。
【0039】
プリンタ14は、プリンタコントローラ142に制御され、画像処理部13で処理された画像データに基づいて光ビームを偏向走査させ、感光体上に形成した静電潜像にトナーを使って現像し、生成されたトナー画像を転写紙に転写して、定着処理を行う電子写真技術を用いたプリンタである。なお、プリンタ14の印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、様々な方式を用いることができる。
【0040】
このプリンタ14は、仕上げ処理部141を搭載している。仕上げ処理部141は、自動設定あるいはユーザによる設定を受け付けて、印刷処理が施された印刷物20を部数やページ単位で仕分けを行うソート処理、印刷媒体に対して所定のスタンプを押印するスタンプ処理、複数枚の印刷媒体を揃えてステープルで綴じるステープル処理、あるいは、複数枚の印刷媒体をバインダーやファイルに綴じるためのパンチ孔をあけるパンチ孔処理といった仕上げ処理を行う。
【0041】
操作表示制御部151は、システム制御部16の命令を受けて操作表示部15の入出力を制御する。例えば、操作表示制御部151は、画像処理部13によって処理されたデータを、操作表示部15が備えているタッチパネル15aおよび表示部である表示パネル15bに出力制御する。より具体的には、操作表示制御部151は、生成された仕上がり予想画像情報に従って、表示パネル15bに仕上がりデータを表示させる。また、操作表示制御部151は、タッチパネル15aからの入力制御を行う。なお、表示パネル15bとタッチパネル15aは図面上別々に記載されているが、ここでは一体的に構成する。
【0042】
タッチパネル15aは、パネル上に、電気的あるいは磁気的にポインタの接触する位置を検出する。タッチパネル15aに対する指定手段(図示せず)としては、人間の指先、スタイラスペン、その他の接触入力具(以下ポインタと記す)が適用可能である。すなわち、ユーザは、タッチパネル15aに対してこのようなポインタを介して接触することによって、印刷設定を含む各種項目を入力する。
【0043】
なお、本実施の形態においては、タッチパネル15aに対する接触入力を例に挙げて説明するが、必ずしも接触入力のみが本発明の実施の形態ではない。例えば、操作表示部15は、タッチパネル15aの他に操作者による物理的なキーの押下を受付けて入力を行うハードキーを備え、印刷実行などの指示を与えるようにしても良い。また、表示パネル15bは、複合機10が備える専有の表示装置を用いても良い。
【0044】
操作表示部15は、操作表示制御部151に制御され、タッチパネル15aを介して設定内容の入力を受け付け、仕上がりデータや画面の仕上げを設定する設定内容のメニュー項目を表示パネル15bに表示する。
【0045】
また、操作表示部15は、複合機10で実行したい機能を設定画面のメニュー項目として表示し、表示されたメニュー項目の中からユーザによる設定入力を受け付けるためのものである。すなわち、操作表示制御部151は、項目の選択が可能な領域に対してポインタがタッチパネル15aに接触すると、押圧された部分の座標が検出され、選択可能領域における接触であることが検出されると、該当する項目が選択されたものとして受け付ける。例えば、操作表示部15は、原稿の状態に応じたスキャナ11における読み取り条件の設定、読み取った画像データを加工する画像処理部13における設定、プリンタ14における印刷条件の設定、あるいは、印刷後の印刷物に対してソート、ステープル、パンチ孔などの仕上げ処理を行う仕上げ処理部141などの設定を受け付けるものである。
【0046】
システム制御部16は、操作表示制御部151を介して上述したような各種設定を受け付けると、画像記憶部12に記憶されている元画像データに対して画像処理部13で要求された設定処理を反映させて仕上がりデータ(プレビュー画像)を作成し、操作表示部15に送って表示させる(仕上がりデータ生成手段16a、仕上がりデータ表示手段16b)。
【0047】
図2は、複合機10が画像データを入力して生成した仕上がりデータの一例を示す模式図である。タッチパネル15aの表示領域401の内部に、仕上がりデータ402および設定処理項目403が表示される。操作者が、表示パネル15bに表示された仕上がりデータを見ながらポインタで接触することによって、タッチパネル15aは、表示された仕上がりデータ上の印刷物の仕上がり状態における空間的位置である位置情報の入力を受け付ける。このような場合において、座標情報取得部131は、タッチパネル15aによって受け付けられた位置情報を解析し、ポインタの接触する画像上での座標情報を取得する。
【0048】
このような構成により、複合機10は、実際の印刷に先だって、仕上がりデータ(プレビュー画像)を複合機10の操作表示部15が備えている表示パネル15bに表示し、目視でその仕上がりデータを確認した後に実際の印刷を行うことができる。
【0049】
ところで、仕上がりデータ402は、画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406の3要素から構成される。画像データ404は、スキャナ11から読み取った画像データと、または、ネットワーク18を介するなどして外部から入力された画像データとのいずれかの画像データである。なお、本実施の形態においては、画像データ404を黒枠で囲んで図示しているが、この黒枠は説明のために敢えて図示しているものであって、実際の画像データ404には存在しない場合が多い。印刷可能領域データ405は、印刷可能な範囲を表示するためのデータである。機能表示データ406は、設定処理項目403において選択された項目(例えばパンチ孔あけ)を表す画像を操作表示部15上に表示するためのデータである。図2に示す例では、印刷可能領域データ405が網掛けの矩形で示され、画像データ404に対する用紙との位置関係を把握することができるようになっている。また、図2によれば設定処理項目403において項目「パンチ」が選択されているが、その仕上がり状態を示すために機能表示データ406として“黒丸(●)2つ”を上端に表示することにより、パンチ孔が上部に2か所に空いた仕上がりであることが示されている。
【0050】
なお、パンチ孔の位置(例えば上端にあけるか、左端にあけるか)の選択は、「パンチ」項目を押下した時に関連メニュー項目を表示させて選択する、などといったよく知られた方法を用いればよいため、本実施の形態においてはその説明は省略する。
【0051】
ここで、図3は操作表示制御部151において記憶する仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。また、図4はデータの位置を説明する説明図である。
【0052】
図3のKIND_ID欄は、仕上がりデータの属性を示しており、PRINT_AREA、INPUT_IMAGE、FUNC_DISPはそれぞれ印刷可能領域データ405、画像データ404、機能表示データ406である。図3のITEM_ID欄は、機能表示データ406の項目の属性を示す。例えば、図2に示すように、上部2か所にパンチ孔をあける項目の属性は、PUNCH_TOPである。図3のDATA欄は、仕上がりデータや項目に対応して表示させるための具体的なデータファイル名である。
【0053】
また、それぞれの仕上がりデータの表示位置は、図3のAREA欄に示されている。図4に示すように、AREA欄の表示位置は、X軸,Y軸による直交座標系の座標(x,y)にDATA欄データの左上隅を指定することによって規定される。図4に示す例では、PUNCH_TOPに対するデータpic0004を表示している。データpic0004は、透明な矩形(図4では説明のために点線で囲んである)の内部に“黒丸(●)2つ”を描画した図形となっており、座標(x,y)はこの矩形データに対する左上隅が対応する。なお、図中で#から始まる値は変数であり、他の構成ブロックから得られる値である。
【0054】
したがって、図2に示す仕上がりデータ402を表示する場合、操作表示制御部151は、図3に示した画像データ構造を参照して仕上がりデータ402を構成する各データ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)を次のように表示することになる。
印刷可能領域データ405:PRINT_AREAのDATA欄、AREA欄からpic0001(図2の印刷可能領域データ405)を、座標(50,10)に配置する。この座標系は、操作表示部15における表示領域401(図2では黒い外枠)の左上隅を原点とする。
画像データ404:INPUT_IMAGEのDATA欄の#INPUTにより、スキャナ11から読み取った画像データと、または、ネットワーク18を介するなどして外部から入力された画像データとのいずれかの画像データを選択用紙のサイズに対応させ、座標(50,17)に配置する。
機能表示データ406:「パンチ」項目が選択されたことにより、FUNC_DISPのITEM_ID PUNCH_TOPに対するDATA欄、AREA欄を参照し、pic0004(図2の機能表示データ406)を座標(95,15)に配置する。
【0055】
なお、本実施の形態においては、説明を簡単にするため、AREA欄には表示位置の座標だけを持ち、データを加工することなくそのまま配置するようにしているが、画像の領域情報である横幅w、縦幅hを追加し、(x,y,w,h)のように情報を持つことも可能である。このような領域情報を持ち、さらに画像領域に対する処理ステップを追加することにより、例えば、対象データを拡大/縮小した後で表示することも可能である。
【0056】
以上のような構成とすることにより、図2に示す仕上がりデータ402の場合、画像データ404に対して機能表示データ406である“黒丸(●)2つ”のパンチ孔が重なることがわかるので、不都合が生じていることを印刷前に確認できる。
【0057】
そこで、本実施の形態においては、機能表示データ406と画像データ404とが重なるような問題の解決を図り、上述したような不都合を解消する。
【0058】
次に、システム制御部16のCPUがROMに格納されたプログラムに基づいて動作することにより実現される特徴的な処理であるデータ移動処理について説明する。概略的には、本実施の形態においては、画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406のいずれかのデータを、表示パネル15bに表示された各データ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)を、タッチパネル15aを介して直接触って移動(ドラッグ)することにより、各データの移動を実現することができる。
【0059】
図5は、データ移動処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、データ移動処理は、移動動作の開始信号として、タッチパネル15aに指などのポインタが触れたことを示す接触信号(マウスのButtonPressと等価)を操作表示部15から受け取ると(ステップS1のYes:データ移動指定手段16c)、座標情報取得部131を介してポインタの接触する画像上での座標情報を取得して、移動対象の仕上がりデータ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)の特定を行う(ステップS2)。
【0060】
その後、タッチパネル15aから指などのポインタが離れることにより(ButtonRelease信号取得時)、移動動作の終了を受け付けた場合には(ステップS3のYes:データ移動指定手段16c)、移動対象の仕上がりデータ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)構造の書き換えを移動対象の種別に従って行ない(ステップS4:データ移動手段16d)、移動対象の仕上がりデータを表示パネル15bに再描画して(ステップS5:仕上がりデータ表示手段16b)、処理を終了する。仕上がりデータ構造の書き換えは、画面情報生成部132で行われる。
【0061】
まず、画像データ404を移動させる場合について説明する。画像データ404を移動させる場合は、ポインタでタッチパネル15aを介して画像データ404部分に触れたまま移動したい方向に移動し、所望の位置まで移動したら移動動作を終了する。移動動作は、タッチパネル15aに対する接触動作をやめるか、タッチパネル15aに接触したまま移動動作を中断することによって終了できる。画面情報生成部132は、移動動作が終了した時点の座標で、図3のINPUT_IMAGEのAREA欄を書き換える。その後、書き換えられた新しい座標に基づいて画像データ404を表示パネル15bに再描画する。
【0062】
図6は、画像データ404をパンチ孔と重ならなくなるまで下方に移動した後の状態である。この時、仕上がりデータの構造は図7に示すようになり、INPUT_IMAGEのAREA欄が書き換わっていることがわかる。
【0063】
次に、印刷可能領域データ405を移動させる場合について説明する。印刷可能領域データ405を移動させる場合についても、ポインタでタッチパネル15aを介して印刷可能領域データ405部分に触れたたまま移動したい方向に移動し、所望の位置まで移動したら移動動作を終了する。画面情報生成部132は、移動動作が終了した時点の座標で、図3のPRINT_AREAのAREA欄を書き換える。同時に、FUNC_DISPのAREA欄も印刷可能領域データ405の移動量を加えて書き換える。その後、書き換えられた新しい座標に基づいて印刷可能領域データ405と機能表示データ406とを表示パネル15bに再描画する。つまり、印刷可能領域データ405と機能表示データ406との両データは、双方の位置関係を保ったまま連動して移動処理が行われる。
【0064】
図8は、印刷可能領域データ405をパンチ孔と重ならなくなるまで上方に移動した後の状態である。図8の状態によれば、図6と比較すると仕上がりデータ(画像データ404、印刷可能領域データ405、機能表示データ406)が上方に移動していることがわかる。この時、仕上がりデータの構造は図9に示すようになり、PRINT_AREAとFUNC_DISPのAREA欄が書き換わっていることがわかる。
【0065】
一方で、機能表示データ406を移動させた場合についても、同様に、印刷可能領域データ405との位置関係を保ったまま連動して移動処理が行われ、移動後の状態は図8、図9と同じ結果になる。機能表示データ406を移動することによって、「パンチ孔をずらしたい」という使用者の直感的な要望を満たすことができるので、使い勝手が向上する。
【0066】
また、印刷可能領域データ405との位置関係を保ったまま連動して移動することができるので、用紙に対するパンチ孔穿孔位置やステープリング位置がハードウェア的に固定されているような従来の仕上げ処理部141でもハードウェアの変更を行う必要がなくなり、製作コストを抑えることができる。
【0067】
ここで、機能表示データ406を移動するときの変形例について説明する。上述した例では、機能表示データ406を移動させた場合においては、画像データ404は移動させずにそのままの位置に置いていた。しかしながら、変形例として、機能表示データ406を移動させた場合に、機能表示データ406の移動動作方向とは逆向きに、画像データ404を移動量だけ移動して再描画するようにしても良い。すなわち、この変形例では、機能表示データ406に接触して上方に移動動作を行い、その後移動動作を終了すると、機能表示データ406が指示された移動量だけ画像データ404が下方に移動することになる。移動後の状態は、図6,図7と同じ結果になる。このような表示を行うことにより、機能表示データ406(パンチ孔)の位置に指先がかかって重なり具合がわからなくなるといったことがなくなり、前述の効果に加えて仕上がり状態を確認しやすくなる。
【0068】
このようなデータ移動後の仕上がりデータは画像処理部13にフィードバックされ、画像処理部13は、画像記憶部12に記憶されている元画像データの印刷位置をデータ移動後の仕上がりデータに従って調整する。ここに、印刷位置調整手段が実現されている。
【0069】
このように本実施の形態によれば、生成した仕上がりデータ402(画像データ404と、選択された機能に応じた機能表示データ406と印刷可能領域を示す印刷可能領域データ405との少なくともいずれか一方と、で構成される)を表示パネル15bに表示し、表示されている仕上がりデータ402を構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付け、受け付けた移動量および移動方向の指定に従って仕上がりデータ402を構成する各データを移動させる。そして、データ移動があった場合には、データ移動後の仕上がりデータ402を表示パネル15bに表示させる。これにより、入力した画像データ404に対する仕上がりデータ402を表示パネル15bに表示させ、表示パネル15bに表示されている仕上がりデータ402を構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を直接受け付けることによって、思い通りの仕上がり状態を得ることができるので、印刷ミスを軽減することができる。
【0070】
なお、機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けた場合には、受け付けた移動方向と同方向に当該機能表示データを移動させることも可能である。また、印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けた場合には、受け付けた移動方向と同方向に画像データと印刷可能領域データとを連動させて移動させることも可能である。さらに、画像データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けた場合には、受け付けた移動方向と同方向に画像データと印刷可能領域データとを連動させて移動させることも可能である。ただし、これらの場合、機能表示データ406にかかる設定処理項目403において選択された項目を実行する仕上げ処理部141において、仕上げ処理(例えば、スタンプ処理、ステープル処理、あるいは、パンチ孔処理など)を行う位置を移動可能な構成になっていることが条件とされる。
【0071】
また、本実施の形態においては、機能表示データ406として「パンチ」が選択された場合の“黒丸(●)2つ”のパンチ孔の例について説明したが、「ステープル留め」を実行する「ステープル」や「スタンプ押印」を実行する「スタンプ」が選択された場合の機能表示データ406についても適用可能であることは明らかである。
【0072】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図10に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0073】
本実施の形態においては、図10に示すように、各仕上がりデータに対応するタグ500を表示するための入力用データを機能表示データ406に付加し、このタグ500に接触して移動動作を行うようにしたものである。
【0074】
このように本実施の形態によれば、機能表示データ406にタグ500を付与することによって、タッチパネル15aを介してパンチ孔をポインタで直接指示して移動するよりも移動状況を確認しやすくなる。
【0075】
なお、タグ500の付与は機能表示データ406に限らず、画像データ404、印刷可能領域データ405にも適用可能であり、同様の移動動作が実現できることはいうまでもない。
【0076】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態を図11に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同じ部分は同じ符号で示し説明も省略する。
【0077】
本実施の形態においては、図11に示すように、移動を行っている際に、機能表示データ406近傍を拡大表示する拡大表示領域Xを別に設けて表示するようにしたものである。図11は、機能表示データ406である“黒丸2つ”のパンチ孔のうち右側のパンチ孔を、タッチパネル15aを介してポインタで指示して移動動作を行った時の表示例を示すものである。すなわち、拡大表示領域Xには、タッチパネル15aを介してポインタで指示した領域の近傍が拡大表示される。したがって、もし機能表示データ406である“黒丸2つ”のパンチ孔のうち左側のパンチ孔を指示した場合は、拡大表示領域Xには、左側のパンチ孔近傍が表示される。
【0078】
このように本実施の形態によれば、機能表示データ406に接触しながら移動動作を行う場合であって、移動の様子が別の拡大表示領域Xに拡大されて表示されるので、仕上がり状態を確認しやすくなる。
【0079】
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態ないし第3の実施の形態においては、本発明の画像処理装置(画像処理装置10)として、MFPと称される複合機を適用したが、これに限るものではない。例えば、プリンタ装置などの画像形成装置をパーソナルコンピュータに接続するとともに、このパーソナルコンピュータのHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に所定のプログラムをインストールし、このプログラムに従ってパーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit )を動作させることによっても、前述したような各種の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0080】
図12は、本発明の第4の実施の形態にかかるプリントシステム200の概略構成例を示すブロック図である。図12に示すプリントシステム200は、印刷データ及び当該印刷データを印刷するための印刷条件を含む印刷ジョブを送出するパーソナルコンピュータ201と、印刷データを印刷するプリンタ装置202とが、ケーブル203を介して接続されて構築されている。
【0081】
パーソナルコンピュータ201は、作成した文書に対応した印刷データ及びこの文書印刷するために設定した印刷条件データ(用紙方向、両面、集約、製本、ステープル、パンチ、拡大/縮小等)を印刷ジョブとしてプリンタ装置202に送出する。
【0082】
プリンタ装置202は、パーソナルコンピュータ201から送出される印刷ジョブに従って印刷データの印刷を行う。具体的には、プリンタ装置202は、印刷ジョブに含まれる印刷条件データ(用紙方向、両面、集約、製本、ステープル、パンチ、拡大/縮小等)に従って、印刷ジョブに含まれる印刷データを紙などのメディアに印刷する。
【0083】
以下、パーソナルコンピュータ201およびプリンタ装置202の具体的な構成を順に説明する。
【0084】
図13は、パーソナルコンピュータ201の概略構成を示すブロック図である。図13において、パーソナルコンピュータ201は、データを入力するための入力部211と、表示部212と、データ通信をおこなうための通信部213と、装置全体の制御を司るCPU214と、CPU214のワークエリアとして使用されるRAM215と、記録媒体217のデータのリード/ライトを行う記録媒体アクセス装置216と、CPU214を動作させるための各種プログラム等を記憶した記録媒体217とから構成されている。
【0085】
入力部211は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボード、表示部212の表示画面上でキーの選択等を行うためのマウスやスライスパット等からなり、操作者がCPU214に操作指示を与えたり、データを入力するためのユーザインターフェイスである。
【0086】
表示部212は、CRTやLCD等により構成され、CPU214から入力される表示データに応じた表示が行われる。通信部213は、外部とデータ通信するためのものであり、例えば、ケーブル203を介してプリンタ装置202等とデータ通信を行うためのものである。
【0087】
CPU214は、記録媒体217に格納されているプログラムに従って、装置全体を制御する中央制御ユニットであり、このCPU214には、入力部211、表示部212、通信部213、RAM215、記録媒体アクセス装置216が接続されており、データ通信、メモリへのアクセスによるアプリケーションプログラムの読み出しや各種データのリード/ライト、データ/コマンド入力、表示等を制御する。また、CPU214は、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データを印刷ジョブとして通信部213を介して、プリンタ装置202に送出する。
【0088】
RAM215は、指定されたプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果等を格納するワークメモリと、表示部212の表示画面に表示する表示データを一時的に格納する表示メモリとを備えている。
【0089】
上記記録媒体217は、CPU214が実行可能なOSプログラム217a(例えば、WINDOWS(登録商標)等)、文書作成用アプリケーションプログラム217b、プリンタ装置202に対応したプリンタドライバ217c等の各種プログラムやデータを格納する。記録媒体17としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOやPCカード等の光学的・磁気的・電気的な記録媒体から成る。上記各種プログラムは、CPU214が読み取り可能なデータ形態で記録媒体217に格納されている。また、上記各種プログラムは、予め記録媒体に記録されている場合や通信回線を介してダウンロードされて記録媒体に格納される場合等がある。また、上記各種プログラムは通信回線を介して配信可能である。
【0090】
図14は、プリンタ装置202の概略構成を示すブロック図である。図14に示すように、プリンタ装置202は、データ通信をおこなう通信部221と、プリンタ装置202の全体の制御を司るCPU222と、CPU222を動作させる各種制御プログラムを格納したROM223と、各種制御プログラムのワークエリアおよびパーソナルコンピュータ201等から入力される印刷ジョブの印字データおよび印刷条件データを一時的格納するRAM224と、印字データを転写紙に印字するためのプリンタエンジン225と、印字データが印字された紙をステープルするためのステープル部226と、印字データが印字された転写紙にパンチ穴を空けるためのパンチ部227とから構成されている。つまり、プリンタ装置202は、両面機能、パンチ機能、ステープル機能等を備えている。
【0091】
通信部221は、外部とデータ通信を行うためのものであり、例えば、パーソナルコンピュータ201とデータ通信を行うものである。
【0092】
CPU222は、ROM223に格納されている各種制御プログラムに従って装置全体を制御する中央制御ユニットである。このCPU222には、通信部221と、ROM223と、RAM224と、プリンタエンジン225と、ステープル部226と、パンチ部227が接続されており,データ通信やプリンタ動作等を制御する。
【0093】
ROM223は、CPU221を動作させるための各種制御プログラムやその処理に使用されるパラメータ等を記憶している。RAM224は、指定された制御プログラム、処理結果及び受信した印刷データ等を格納するワークメモリを備えている。
【0094】
プリンタエンジン225は、電子写真方式のプリンタエンジンで構成されており、印字データを転写紙に印字するユニットである。なお、プリンタ装置202の印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、様々な方式を用いることができる。
【0095】
次に、パーソナルコンピュータ201のプリンタドライバ217cについて説明する。プリンタドライバ217cは、特定のプログラムに対して他のプログラムが、プリンタ装置202のハードウェアや内部“言語”に煩わされることなく操作できるように設計されたソフトウエアプログラムであり、プリンタ装置202を制御するためのもので、出力データの処理等をおこなうためのものである。
【0096】
パーソナルコンピュータ201のCPU214は、プリンタドライバ217cに従って、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データに基づく仕上がり予想図の生成・表示、文書作成アプリケーション217bで作成した印刷データのプリンタ装置202への転送等を行う。
【0097】
パーソナルコンピュータ201は、プリンタドライバ217cに従ってCPU214が動作することにより、図15に示すように、画像記憶部12、画像処理部13、操作表示制御部151およびシステム制御部16を備える。
【0098】
このように、プリンタドライバ217cに従ってCPU214が動作することにより、パーソナルコンピュータ201は、図1に示した画像処理装置1と同等なシステム構成を備えることになり、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態で説明したような各種の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0099】
図16は、プリンタドライバ217cによる表示画面の一例を示す正面図である。図16に示す画面は、文書作成アプリケーション217bの表示画面やOSプログラム217aの起動画面等で、プリンタドライバ217cの起動が選択された場合に表示される画面である。図14に示す画面においては、基本条件設定画面、編集条件設定画面、仕上げ条件設定画面等に加えて、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データに基づく仕上がりデータ(プレビュー画像)の生成・表示を行なうプレビュー表示領域401(画像処理装置1の表示領域401と同様のもの)が選択可能になっている。
【0100】
なお、本実施の形態においては、プリンタドライバ217cに従ってパーソナルコンピュータ201のCPU214を動作させることによって、入力部211から入力された印刷データ及び当該印刷データの印刷条件データに基づく仕上がり予想図の生成・表示を行なうプレビュー表示領域401を表示させるようにしたが、これに限るものではなく、文書作成アプリケーション217bやOSプログラム217aに従ってパーソナルコンピュータ201のCPU214を動作させることによって、プレビュー表示領域401を表示させるようにしても良い。
【0101】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる複合機の機能ブロック図である。
【図2】仕上がりデータの一例を示す模式図である。
【図3】仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。
【図4】データの位置を説明する説明図である。
【図5】データ移動処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】画像データをパンチ孔と重ならなくなるまで下方に移動した後の状態を示す模式図である。
【図7】画像データをパンチ孔と重ならなくなるまで下方に移動した後の状態の仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。
【図8】印刷可能領域データをパンチ孔と重ならなくなるまで上方に移動した後の状態を示す模式図である。
【図9】印刷可能領域データをパンチ孔と重ならなくなるまで上方に移動した後の状態の仕上がりデータのデータ構造を示す模式図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかる仕上がりデータの一例を示す模式図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態にかかる仕上がりデータの一例を示す模式図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態にかかるプリントシステムの概略構成例を示すブロック図である。
【図13】パーソナルコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図14】プリンタ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図15】パーソナルコンピュータの要部を示すブロック図である。
【図16】プリンタドライバによる表示画面の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0103】
10 画像処理装置
15b 表示部
16a 仕上がりデータ生成手段
16b 仕上がりデータ表示手段
16c データ移動指定手段
16d データ移動手段
402 仕上がりデータ
404 画像データ
405 印刷可能領域データ
406 機能表示データ
500 タグ
X 拡大表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成手段と、
前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
データ移動後の前記仕上がりデータに従って前記画像データの印刷位置を調整する印刷位置調整手段を、
更に備えることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該画像データを移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記印刷可能領域データと前記機能表示データとを連動させて移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記機能表示データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と逆方向に前記画像データを移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該機能表示データを移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記仕上がりデータ生成手段は、前記仕上がりデータを構成する前記各データに対応するタグを表示するための入力用データを更に追加する、
ことを特徴とする請求項2ないし10のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記データ移動指定手段により前記仕上がりデータを構成する前記各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けている際に、移動量および移動方向を指定されている当該データ近傍を拡大表示する拡大表示領域を別に設けて表示する、
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記機能表示データは、パンチ穿孔の機能を表すデータである、
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記機能表示データは、ステープル留めの機能を表すデータである、
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記機能表示データは、スタンプの機能を表すデータである、
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項16】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成機能と、
前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示機能と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定機能と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成工程と、
前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示工程と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定工程と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動工程と、
を含むことを特徴とする画像処理装置における仕上がりデータ移動方法。
【請求項1】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成手段と、
前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示手段と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定手段と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
データ移動後の前記仕上がりデータに従って前記画像データの印刷位置を調整する印刷位置調整手段を、
更に備えることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該画像データを移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記印刷可能領域データと前記機能表示データとを連動させて移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記仕上がりデータが前記画像データと前記機能表示データと前記印刷可能領域データとで構成されている場合であって、前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記機能表示データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と逆方向に前記画像データを移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記仕上がりデータを構成する前記機能表示データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動手段は、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に当該機能表示データを移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記仕上がりデータを構成する前記印刷可能領域データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記仕上がりデータを構成する前記画像データに対する移動量および移動方向の指定を前記データ移動指定手段で受け付けた場合には、前記データ移動指定手段で受け付けた移動方向と同方向に前記画像データと前記印刷可能領域データとを連動させて移動させる、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記仕上がりデータ生成手段は、前記仕上がりデータを構成する前記各データに対応するタグを表示するための入力用データを更に追加する、
ことを特徴とする請求項2ないし10のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記データ移動指定手段により前記仕上がりデータを構成する前記各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けている際に、移動量および移動方向を指定されている当該データ近傍を拡大表示する拡大表示領域を別に設けて表示する、
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記機能表示データは、パンチ穿孔の機能を表すデータである、
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記機能表示データは、ステープル留めの機能を表すデータである、
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記機能表示データは、スタンプの機能を表すデータである、
ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一記載の画像処理装置。
【請求項16】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成機能と、
前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示機能と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定機能と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項17】
画像データと、選択された機能に応じた機能表示データと印刷可能領域を示す印刷可能領域データとの少なくともいずれか一方と、で構成される仕上がりデータを生成する仕上がりデータ生成工程と、
前記仕上がりデータを表示部に表示する仕上がりデータ表示工程と、
前記表示部に表示されている前記仕上がりデータを構成する各データに対する移動量および移動方向の指定を受け付けるデータ移動指定工程と、
受け付けた移動量および移動方向の指定に従って前記仕上がりデータを構成する各データを移動させ、データ移動後の前記仕上がりデータを生成するデータ移動工程と、
を含むことを特徴とする画像処理装置における仕上がりデータ移動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−160922(P2007−160922A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205328(P2006−205328)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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