説明

画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラム

【課題】操作性を向上することのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置は、基本機能の項目と応用機能の項目とを含む通常表示を操作パネルに表示し、通常表示で表示した項目の設定を受け付ける。画像形成装置は、基本機能の項目を拡大した拡大表示を操作パネルに表示する。画像形成装置は、通常表示から拡大表示に操作パネルの表示を変更する場合において、設定を受け付けた項目が応用機能であるときは、応用機能が設定されていることを通知する(S25)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関し、より特定的には、表示部を備えた画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなどがある。画像形成装置の中には、表示部と入力部を有する操作パネルを含んでいるものが多い。
【0003】
画像形成装置、特にMFPは、近年多機能化が進んでおり、操作パネルの一画面に表示する必要のある情報や設定項目などが増加している。そのため、操作パネル内の入力キーや文字のフォントが小さくなっている。その結果、所望の機能を探すのに時間がかかり易くなっている。
【0004】
そこで、簡単に画像形成装置およびそのシステムを操作したいユーザや、小さい文字を読むことが困難なユーザの使用を想定して、操作パネルにおいては、通常表示(標準表示、標準画面)の設定に加えて拡大表示の設定が可能である。通常表示では、基本機能および応用機能の両方の設定を受け付け、各設定項目が小さいフォントで表示される。これに対して拡大表示では、基本機能の設定のみを受け付け、基本機能がシンプルにまとめられて大きいフォントで表示される。
【0005】
このように、画像形成装置のユーザとしては、多機能な操作をしたいユーザと、簡単に操作を行うことを望むユーザが混在している。オフィス環境などでは、通常表示と拡大表示とが併用されており、通常表示をデフォルトとし、通常表示と拡大表示との切替が操作パネルでのキー操作により可能となっている。できる限り簡単に画像形成装置およびそのシステムを操作したいユーザは、拡大表示を選択することが多い。
【0006】
画像処理装置の操作パネルの表示に関する従来の技術は、たとえば下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1の画像処理装置は、コピー処理後に、現在の設定が初期設定と異なるかどうかを判断し、異なっていた場合には操作画面上において現在の色とは異なる色で自動的に強調表示をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−58545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、従来の画像形成装置では、拡大表示をする場合には、表示する設定項目を基本機能のみにシンプルにまとめ、応用機能の設定項目の表示を省くことにより、画面が見やすくなるようにしている。一方で、拡大表示においては、応用機能で設定した内容を確認することができず、操作性が悪かった。その結果、拡大表示を利用しているユーザが応用機能を使う場合に不具合が生じやすかった。
【0009】
たとえば、ユーザが通常表示から応用機能を設定して、かつその他の機能を拡大表示から設定する場合、ユーザは通常表示から応用機能を設定した後で、拡大表示へ移動し、その他の機能の設定を行う必要があった。この場合ユーザは、通常表示において応用機能を設定した後で、たとえば「標準表示/拡大表示」キーを押すことにより通常表示から拡大表示に移動する必要があり、操作が煩雑になっていた。
【0010】
また、たとえばユーザが不用意に組合せ禁止となるような機能の組合せを設定した場合、画像形成装置は、拡大表示で設定および表示が可能な機能(設定値)のみを引き継ぎ、それ以外の機能の設定を自動的にリセットしていた。その結果、ユーザは応用機能の設定が解除されたことを認識することができず、ユーザーの混乱を招き、利便性を損なっていた。具体的には、組み合わせ禁止となるような機能の組合せ(たとえば、「ブック連写」と用紙設定の「自動用紙」との組合せ)を設定した場合、応用機能(「ブック連写」)の設定が解除される。しかし、拡大表示では応用機能の設定の内容が把握できないため、ユーザは応用機能の設定が解除されたことを認識できない。
【0011】
また、ユーザが不用意に組合せ禁止となるような機能の組合せを設定した場合、通常表示の画面へ戻ってユーザに対して設定変更を促す(後優先とはしない)方法も考えられる。しかしながら、拡大表示では通常表示で設定した機能が確認できないため、たとえば「標準表示/拡大表示」キーを押して通常表示へ画面移動した上で、設定されている応用機能を探す必要があり、操作が煩雑になっていた。
【0012】
なお、特許文献1の技術では、現在の設定が初期設定と異なる場合に操作画面上において強調表示をするにすぎず、操作性に関する上記の問題を解決することはできなかった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、操作性を向上することのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一の局面に従う画像処理装置は、表示部を備えた画像処理装置であって、画像処理に関して設定可能な項目を表示部に表示する第1の表示手段と、第1の表示手段にて表示した項目の設定を受け付ける設定受付手段と、第1の表示手段にて表示した項目の一部を拡大して表示部に表示する第2の表示手段と、第1の表示手段にて表示した状態から第2の表示手段にて表示した状態に表示部の表示を変更する場合において、設定受付手段にて設定を受け付けた項目が第2の表示手段にて表示する項目に含まれないときは、設定受付手段にて設定を受け付けた項目であって、第2の表示手段にて表示する項目に含まれない項目が存在することを通知する通知手段とを備える。
【0015】
上記画像処理装置において好ましくは、通知手段は、設定受付手段にて設定を受け付けた項目であって、第2の表示手段にて表示する項目に含まれない項目が存在することを示す標識を表示部に表示する。
【0016】
上記画像処理装置において好ましくは、通知手段は標識を点滅させる。
【0017】
上記画像処理装置において好ましくは、通知手段は標識の少なくとも一部をポップアップする。
【0018】
上記画像処理装置において好ましくは、通知手段は、標識の色を、第2の表示手段にて表示した項目の色とは異なる色とする。
【0019】
上記画像処理装置において好ましくは、通知手段が標識を表示している場合に、標識の選択を受け付ける表示選択手段と、表示選択手段にて標識の選択を受け付けた場合に、設定受付手段にて設定を受け付けた項目であって、第2の表示手段にて表示する項目に含まれない項目を、画像処理に関して設定可能な項目の中で優先的に表示部に表示する設定項目表示手段とをさらに備える。
【0020】
上記画像処理装置において好ましくは、標識の表示態様に関する指示を受け付ける態様受付手段をさらに備え、通知手段は、態様受付手段にて受け付けた態様で表示する。
【0021】
本発明の他の局面に従う画像形成装置は、上記のいずれかの画像処理装置と、画像処理装置にて設定された条件で画像形成を行う画像形成手段とを備える。
【0022】
本発明のさらに他の局面に従う画像処理装置の制御方法は、表示部を備えた画像処理装置の制御方法であって、画像処理に関して設定可能な項目を表示部に表示する第1の表示ステップと、第1の表示ステップにて表示した項目の設定を受け付ける設定受付ステップと、第1の表示ステップにて表示した項目の一部を拡大して表示部に表示する第2の表示ステップと、第1の表示ステップにて表示した状態から第2の表示ステップにて表示した状態に表示部の表示を変更する場合において、設定受付ステップにて設定を受け付けた項目が第2の表示手段にて表示する項目に含まれないときは、設定受付ステップにて設定を受け付けた項目であって、第2の表示ステップにて表示する項目に含まれない項目が存在することを通知する通知ステップとを備える。
【0023】
本発明のさらに他の局面に従う画像処理装置の制御プログラムは、表示部を備えた画像処理装置の制御プログラムであって、画像処理に関して設定可能な項目を表示部に表示する第1の表示ステップと、第1の表示ステップにて表示した項目の設定を受け付ける設定受付ステップと、第1の表示ステップにて表示した項目の一部を拡大して表示部に表示する第2の表示ステップと、第1の表示ステップにて表示した状態から第2の表示ステップにて表示した状態に表示部の表示を変更する場合において、設定受付ステップにて設定を受け付けた項目が第2の表示手段にて表示する項目に含まれないときは、設定受付ステップにて設定を受け付けた項目であって、第2の表示ステップにて表示する項目に含まれない項目が存在することを通知する通知ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、操作性を向上することのできる画像処理装置、画像形成装置、画像処理装置の制御方法、および画像処理装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態における操作パネルの構成を模式的に示す図である。
【図3】図2の操作パネルに表示される通常表示の画面を模式的に示す図である。
【図4】図2の操作パネルに表示される拡大表示の画面を模式的に示す図である。
【図5】応用機能設定の際の操作パネルの表示を模式的に示す図である。
【図6】応用機能設定後の通常表示の画面を模式的に示す図である。
【図7】応用機能設定後の拡大表示の画面を模式的に示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態における操作パネルの表示処理を示すフローチャートの前半部分である。
【図9】本発明の一実施の形態における操作パネルの表示処理を示すフローチャートの後半部分である。
【図10】操作パネルに表示される確認画面の1ページ目を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0027】
本実施の形態においては、画像形成装置が画像処理装置を備えている場合について説明する。この画像形成装置は、たとえば電子写真方式や静電記録方式などによって画像形成を行うものであり、本実施の形態においては、スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、およびサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)が画像形成装置である場合について説明する。なお、画像形成装置はMFPの他、ファクシミリ装置、複写機、またはプリンタなどであってもよい。
【0028】
[MFPの構成]
図1は、本発明の一実施の形態におけるMFPの構成を示すブロック図である。
【0029】
図1を参照して、MFP1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、ネットワーク接続部15と、プリント処理部16と、画像処理部17と、操作パネル18と、画像形成部19と、スキャナ部20とを備えている。
【0030】
CPU11は、スキャンジョブ、コピージョブ、メール送信ジョブ、およびプリントジョブなどの各種ジョブについて、MFP1全体の制御を行なう。またCPU11は、ROM12に記憶された制御プログラムを実行する。CPU11は、所定の処理を行なうことにより、RAM12、ROM13のデータの読み込みや、RAM12、ROM13へのデータの書き込みを行なう。
【0031】
ROM12は、CPU11のメインメモリである。RAM12は、CPU11が制御プログラムを実行するときに必要なデータを記憶するためなどに用いられる。
【0032】
RAM13は、CPU11がプログラムを動作する為に必要なデータや画像データを一時的に記憶する。
【0033】
HDD14は、ネットワーク接続部15を介して外部から送られたプリントデータなどのデータや、スキャナ部20で読み取った画像データなどを記憶する記憶装置である。またHDD14は、コピー機能やスキャン機能の予め決められた設定などを記憶(記録)する。
【0034】
ネットワーク接続部15は、CPU11からの指示に従って、TCP/IPなどの通信プロトコルによって、LANなどを介して外部機器との通信を行なう。
【0035】
プリント処理部16は、原稿画像の印刷処理を行う。
【0036】
画像処理部17は、画像データの文字幅の調整やコントラストや配色の変換を行う。
【0037】
操作パネル18は、ユーザからMFP1の操作を受け付けたり、ユーザへの各種情報の表示を行ったりするユーザインタフェースである。
【0038】
画像形成部19は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。画像形成部19は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙(記録媒体)にカラー画像を形成可能に構成される。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラおよび加圧ローラを有する。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行なう。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ローラ、およびそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、MFP1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙をMFP1の筐体から排紙トレイなどに排出する。
【0039】
スキャナ部20は、原稿の画像を読み取って電子データである画像データに変換する。
【0040】
[操作パネルの構成および画面表示]
続いて、本実施の形態のMFPにおける操作パネルの構成および画面表示について説明する。
【0041】
図2は、本発明の一実施の形態における操作パネルの構成を模式的に示す図である。
【0042】
図2を参照して、操作パネル18は、各種設定項目やメッセージなどを表示し、かつユーザから各種設定を受け付けるタッチパネル31と、通常表示と拡大表示との間で表示を切り替える(表示モードを変更する)指示を受け付ける拡大表示キー32と、MFP1のコピー機能を利用する際に押下されるコピーキー33と、各機能のジョブの実行を受け付けるスタートキー34と、各種数値の入力を受け付けるテンキー35とを主に含んでいる。
【0043】
図3は、図2の操作パネルに表示される通常表示の画面を模式的に示す図である。なお図3の画面は、MFPのコピー機能の設定画面である。この画面は、たとえばコピーキー33が押下された場合や、主電源がオンされた場合(但し、MFPの初期設定がコピー機能の入力を受け付ける状態になっている場合)に表示される。
【0044】
図3を参照して、通常表示では、コピーに関する基本機能および応用機能の両方の設定をユーザから受け付け可能であり、各設定項目が小さいフォントで表示される。通常表示では、「基本設定」タブ41と、「原稿指定」タブ42と、「画像/濃度指定」タブ43と、「応用設定」タブ44とが表示される。タブ41〜44はコピーに関して設定可能な項目である。操作パネル18は、タブ41〜44の各々から、コピーに関する各種機能の設定を受付可能である。
【0045】
「基本設定」タブ41は、基本機能の設定を受け付けるタブである。「原稿指定」タブ42は、原稿のセット方向や原稿のとじしろの位置などの設定を受け付けるタブである。「画質/濃度」タブ43は、原稿の画質やプリントの濃度などの設定を受け付けるタブである。「応用設定」タブ44は、応用機能の設定を受け付けるタブである。
【0046】
図3では「基本設定」タブ41が押下(選択)されている。「基本設定」タブ41が押下された場合、操作パネル18は、基本機能として設定可能な項目として、「カラー設定」ボタン52と、「用紙設定」ボタン53と、「倍率設定」ボタン54と、「両面/ページ集約」ボタン55と、「仕上り」ボタン56と、「連続読込み設定」ボタン57と、「回転しない」ボタン58とをタッチパネル31に表示する。操作パネル18は、ボタン52〜58の各々から具体的な基本機能の設定を受付可能である。
【0047】
「カラー設定」ボタン52は、カラーでプリントするかモノクロでプリントするかの設定を受け付けるボタンである。「用紙設定」ボタン53は、用紙サイズの設定を受け付けるボタンである。「倍率設定」ボタン54は、拡大または縮小コピーを行う際の倍率の設定を受け付けるボタンである。「両面/ページ集約」ボタン55は、複数の原稿を1ページにまとめる設定を受け付けるボタンである。「仕上り」ボタン56は、プリント後の用紙の後処理の設定を受け付けるボタンである。「連続読込み設定」ボタン57は、全ての原稿を読み込んでからプリントする設定を受け付けるボタンである。「回転しない」ボタン58は、原稿の方向と用紙の方向とが異なる場合などに、用紙に合わせて原稿の画像を回転しない設定を受け付けるボタンである。
【0048】
タッチパネル31の左側には「設定内容」ボタン51が表示される。「設定内容」ボタン51が押下された場合には、操作パネル18は、現在設定されている項目(有効にされている機能)の概要を示すイメージとともに、確認画面に移行するための「詳細確認」ボタン60(図5)を表示する。
【0049】
図4は、図2の操作パネルに表示される拡大表示の画面を模式的に示す図である。なお図4の画面は、たとえば図3に示す通常表示の画面が操作パネル18に表示されている場合において、拡大表示キー32(図2)が押下されたときに表示される画面である。
【0050】
図4を参照して、拡大表示では、コピーに関して設定可能な項目の一部のみが、拡大して(通常表示よりも大きいフォントで)表示される。拡大表示では、簡単に画像形成装置またはそのシステムを操作したいユーザのために、基本機能をシンプルにまとめて(簡略化して)表示し、応用機能を省いた見やすい画面とされている。拡大表示の詳細について以下に説明する。
【0051】
操作パネル18のタッチパネル31には、「基本設定」タブ41と、「原稿設定」タブ45とが表示される。タブ41および45はコピーに関して設定可能な項目である。操作パネル18は、タブ41および45の各々から、コピーに関する各種機能の設定を受付可能である。
【0052】
図4では「基本設定」タブ41が選択されている。「基本設定」タブ41が押下された場合、操作パネル18は、「用紙設定」ボタン53と、「倍率設定」ボタン54と、「両面/ページ集約」ボタン55と、「仕上り」ボタン56と、「回転しない」ボタン58と、「濃度/下地」ボタン59とをタッチパネル31に表示する。「濃度/下地」ボタン59は、プリントする画像の濃度や下地の設定を受け付けるボタンである。なおボタン59は、通常表示において「画質/濃度」タブ43(図3)を押下した場合に表示されるボタンである。
【0053】
一方、拡大表示で表示される項目に、図3に示す通常表示における「応用設定」タブ44は含まれない。従って操作パネル18は、拡大表示からは応用機能の設定を受け付けない。
【0054】
[応用機能の設定方法]
続いて、本実施の形態のMFPにおける応用機能の設定方法と操作パネルの表示について説明する。
【0055】
図5は、応用機能設定の際の操作パネルの表示を模式的に示す図である。図5では、応用機能としてブック連写を設定する場合について示すが、応用機能として設定される項目は任意である。
【0056】
図5を参照して、通常表示の画面において「応用設定」タブ44が押下されると、操作パネル18は、(a)に示すように「ページ編集」、「画像編集」、「連写/リピート」、「とじしろ」、「画像の収め方」、「小冊子」、「消去」、「スタンプページ印字」、および「ボックス保存」などの各種ボタン61〜68をタッチパネル31に表示する。操作パネル18は、ボタン61〜68の各々から具体的な応用機能の設定を受付可能である。
【0057】
これらのボタンの中から「連写/リピート」ボタン63が押下されると、操作パネル18は、(b)に示すように、「ブック連写」ボタン69と、「リピート」ボタン70とをタッチパネル31に表示する。これらのボタンの中から「ブック連写」ボタン69が押下されると、MFP1はブック連写機能の設定を有効にする。なお、ブック連写とは、本などの綴じた原稿の見開きページを片面ずつ別々の用紙にコピーする機能である。「閉じる」ボタン71が押下された場合には、操作パネル18は通常表示に戻る。
【0058】
[応用機能設定後の操作パネルの表示]
続いて、本実施の形態のMFPにおける応用機能設定後の操作パネルの表示について説明する。
【0059】
図6は、応用機能設定後の通常表示の画面を模式的に示す図である。
【0060】
図6を参照して、応用機能(ここではブック連写機能)が設定された後で通常表示(基本画面、基本設定画面)に戻った場合、操作パネル18は、「応用設定」タブ44にたとえば緑色の枠91を表示する。このように、応用機能が設定されている場合に、MFP1は「応用設定」タブ44の表示状態を変更することで、応用機能が設定されていることをユーザに通知する。なお、「基本設定」タブ41、「原稿指定」タブ42、または「原稿画質」タブ43などで現在設定されている機能がある場合には、そのタブにも枠が表示されてもよい。
【0061】
図7は、応用機能設定後の拡大表示の画面を模式的に示す図である。
【0062】
図7を参照して、図6に示す通常表示の状態で拡大表示キー32(図2)が押下されると、操作パネル18は、通常表示から拡大表示に変更されたことを検知する。そして操作パネル18は、通常表示で設定された機能と、拡大表示で設定可能な項目(拡大表示で表示される項目)とを比較し、通常表示で設定された機能が拡大表示で設定可能な項目に含まれない場合には、そのことを通知する。具体的には、現在設定されている機能の中に応用機能が含まれている場合には、操作パネル18は、(a)に示すように、そのことを示す「応用設定中」ボタン46(標識の一例)を拡大表示の画面に表示する。
【0063】
「応用設定中」ボタン46を表示する場合には、ボタン46を点滅させてもよいし、ボタン46の少なくとも一部をポップアップしてもよいし、ボタン46の色を、タブ41および45の色とは異なる色としてもよい。さらに、「応用設定中」ボタン46の表示態様に関する指示を操作パネル18などを通じてユーザから受け付け、受け付けた態様で「応用設定中」ボタン46を表示してもよい。
【0064】
このように「応用設定中」ボタン46を表示することで、現在設定されている機能の中に応用機能(ここでは「ブック分割」)が含まれていることを、ユーザに通知することができる。通知方法は上記以外のものであってもよい。
【0065】
なお、応用機能が設定されている場合以外にも、「原稿指定」タブ42や「画像/濃度指定」タブ43から設定された項目がある場合において、その設定項目が拡大表示に含まれないときには、「応用設定中」ボタン46が表示されてもよい。
【0066】
拡大表示の画面に「応用設定中」ボタン46が表示されている場合において、「応用設定中」ボタン46が押下(選択)されたときには、操作パネル18は、現在設定されている応用機能を表示する確認画面に移行する。
【0067】
ここで、確認画面は複数の画面より構成されている。コピーに関して設定可能な項目は多く、1つの画面に表示できないためである。コピーに関して設定可能な項目は、たとえばカテゴリごとに分けて確認画面の各ページに表示される。確認画面のページ番号は、たとえば設定頻度の高い機能が小さい番号となるように付される。たとえば、「基本設定」タブ41から設定可能な項目→「原稿指定」タブ42から設定可能な項目→・・・→「応用設定」タブ44から設定可能な項目という順でページ番号が付される。この場合、応用機能に関する項目は後のほうになる(大きなページ番号となる)。
【0068】
「応用設定中」ボタン46が押下(選択)された場合に、操作パネル18は(b)に示すように、1ページ目の確認画面を最初に表示するのではなく、ブック連写機能が含まれる5ページ目の確認画面を最初に表示することが好ましい。これによりユーザは、設定されている応用機能を容易に確認することができる。
【0069】
なお、図6に示す通常表示の画面において、「詳細確認」ボタン60が押下された場合にも、操作パネル18は(b)に示す確認画面を表示してもよい。
【0070】
確認画面は、確認画面の総ページ数および現在表示中のページを表示するページ表示92を含んでいる。ページ表示92からは、確認画面が9つのページより構成されており、現在表示しているのは5ページ目の確認画面であることが分かる。「前画面」ボタン72または「次画面」ボタン73が押下されると、操作パネル18は表示する確認画面を前のページまたは次のページに切り替える。
【0071】
5ページ目の確認画面では、「OHP合紙」ボタン74と、「カバーシート」ボタン75と、「インターシート」ボタン76と、「差込みページ」ボタン77と、「章分け」ボタン78と、「リピート」ボタン79と、「ブック連写」ボタン80とが表示される。これらのボタン74〜80のうち、現在設定が有効になっているブック連写機能に関するボタンであるボタン80には、たとえば緑色の枠91が表示され、ブック連写機能が設定されていることが通知される。ボタン80が押下された場合には、操作パネル18は、ブック連写機能に関する現在の設定内容の詳細を表示する。この場合、操作パネル18は、ブック連写機能の設定の変更を受け付けてもよい。また操作パネル18は、確認画面において他のボタン74〜79が押下された場合には、そのボタンに対応する機能の設定を新たに受け付けてもよい。
【0072】
[操作パネルの表示処理に関するフローチャート]
続いて、MFPのCPUが実行する操作パネルの表示処理に関するフローチャートを説明する。
【0073】
図8および図9は、本発明の一実施の形態における操作パネルの表示処理を示すフローチャートである。
【0074】
図8を参照して、コピーキー33が押下された場合や、MFP1の主電源がオンされた場合に、CPU11は、操作パネル18に通常表示を表示する(S1)。この通常表示には、設定可能な項目として基本機能および応用機能の項目(タブ)が含まれている。次にCPU11は、たとえば枠を表示するなどの方法で、現在設定されている機能が有効であることを、通常表示の画面に表示する(S3)。続いてCPU11は、通常表示から基本機能または応用機能の設定を受け付けたか否かを判別する(S5)。
【0075】
ステップS5において機能の設定を受け付けた場合(S5でYES)、CPU11は、たとえば枠を表示するなどの方法で、その機能が有効であることを通常表示の画面に表示し(S7)、ステップS9へ進む。一方、ステップS5において機能の設定を受け付けない場合(S5でNO)、CPU11はステップS9の処理へ進む。
【0076】
ステップS9においてCPU11は、ジョブの実行を受け付けたか否かを判別する(S9)。ステップS9においてジョブの実行を受け付けたと判別した場合(S9でYES)、CPU11は、現在設定されている機能(条件)でコピージョブを実行し(S51)、ステップS1へ戻る。
【0077】
ステップS9においてジョブの実行を受け付けないと判別した場合(S9でNO)、CPU11は、通常表示から拡大表示への切替を受け付けたか否かを判別する(S11)。ステップS11において拡大表示への切替を受け付けないと判別した場合(S11でNO)、CPU11はステップS5へ進む。
【0078】
ステップS11において拡大表示への切替を受け付けた場合(S11でYES)、CPU11は、操作パネル18に拡大表示を表示する(S13)。この拡大表示には、設定可能な項目として基本機能の項目が含まれているが、応用機能の項目は含まれていない。次にCPU11は、たとえば枠を表示するなどの方法で、現在設定されている基本機能が有効であることを表示し(S15)、図9のステップS21へ進む。
【0079】
図9を参照して、ステップS21においてCPU11は、現在設定されている機能が拡大表示で表示される項目に含まれるか否か(つまり応用機能が現在設定されているか否か)を判別する(S21)。
【0080】
ステップS21において、応用機能が設定されていると判別した場合(S21でYES)、CPU11は、「応用設定中」ボタン46の表示態様の選択を受け付け(S23)、選択された表示態様で、拡大表示の画面に「応用設定中」ボタン46を表示し(S25)、ステップS27の処理へ進む。ステップS21において、応用機能が設定されていないと判別した場合(S21でNO)、CPU11はステップS27の処理へ進む。
【0081】
ステップS27においてCPU11は、拡大表示から基本機能の設定を受け付けたか否かを判別する(S27)。ステップS27において基本機能の設定を受け付けたと判別した場合(S27でYES)、CPU11は、たとえば枠を表示するなどの方法で、その基本機能が有効であることを拡大表示の画面に表示し(S29)、ステップS31の処理へ進む。一方、ステップS27において基本機能の設定を受け付けないと判別した場合(S27でNO)、CPU11はステップS31の処理へ進む。
【0082】
ステップS31においてCPU11は、「応用設定中」ボタン46が表示されている場合に、このボタン46が押下されたか否かを判別する(S31)。ステップS31においてボタン46が押下されたと判別した場合(ステップS31でYES)、現在設定されている応用機能が含まれる確認画面を表示する(S33)。そしてCPU11は、現在設定されている応用機能の変更があればそれを受け付け(S35)、ステップS37の処理へ進む。ステップS31においてボタン46が押下されないと判別した場合(ステップS31でNO)、CPU11はステップS37の処理へ進む。
【0083】
ステップS37においてCPU11は、ジョブの実行を受け付けたか否かを判別する(S37)。ステップS37においてジョブの実行を受け付けたと判別した場合(S37でYES)、CPU11は、現在設定されている機能でコピージョブを実行し(S39)、図8に示すステップS1の処理へ戻る。
【0084】
ステップS37においてジョブの実行を受け付けないと判別した場合(S37でNO)、CPU11は、通常表示への切替を受け付けたか否かを判別する(S41)。ステップS41において通常表示への切替を受け付けたと判別した場合(S41でYES)、CPU11は図1に示すステップS1の処理へ進む。ステップS41において通常表示への切替を受け付けないと判別した場合(S41でNO)、CPU11はステップS27の処理へ進む。
【0085】
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、拡大表示の画面内で、通常表示から設定された応用機能を確認することができるので、操作パネルで拡大表示する場合の操作性を改善することができ、MFPの操作性を向上することができる。
【0086】
また、拡大表示で「応用設定中」ボタンが表示されている場合において、このボタンが押下されたときは、現在設定されている応用機能の確認画面が優先的に表示されるので、設定されている応用機能を確認することが容易になり、MFPの操作性を向上することができる。
【0087】
ここで、拡大表示で「応用設定中」ボタンが表示されない従来のMFPを想定する。このMFPにおいて、現在設定されている応用機能をユーザが確認する場合には、ユーザは通常表示に画面を切り替えて「設定内容」ボタン51(図3)を押下し、表示された「詳細確認」ボタン60(図5)を押下することによって確認画面を表示する。従来、最初に表示される確認画面は、図10に示すように、機能の設定状況にかかわらず1ページ目である。ページ表示92からは、確認画面が9つの画面より構成されており、現在表示している画面は1ページ目の確認画面であることが分かる。
【0088】
図10のように確認画面の1ページ目が表示されると、ユーザは「次画面」ボタン73を計4回押下し、ブック連写機能が含まれる5ページ目の確認画面(図7(b))まで移動しなければならない。上述の実施の形態によれば、このような応用機能の設定の確認の煩雑さを解消することができる。
【0089】
[その他]
表示部に表示する項目は、画像処理に関して設定可能な項目であればよく、コピーに関する設定項目の他、プリント機能、スキャン機能(画像読取機能)、メール送信機能、ファイル送信機能、またはファクシミリ機能などに関する設定可能な項目であってもよい。
【0090】
上述の実施の形態においては、「応用設定中」ボタンが押下される場合に確認画面に移行する場合について示したが、確認画面への移行を受けつけず、拡大表示において応用機能が設定されていることを単に通知してもよい。
【0091】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行なっても、ハードウェア回路を用いて行なってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピュータにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0092】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0093】
1 MFP
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 HDD
15 ネットワーク接続部
16 プリント処理部
17 画像処理部
18 操作パネル
19 画像形成部
20 スキャナ部
31 タッチパネル
32 拡大表示キー
33 コピーキー
34 スタートキー
35 テンキー
41〜45 タブ
46,51〜80 ボタン
91 枠
92 ページ表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備えた画像処理装置であって、
画像処理に関して設定可能な項目を前記表示部に表示する第1の表示手段と、
前記第1の表示手段にて表示した項目の設定を受け付ける設定受付手段と、
前記第1の表示手段にて表示した項目の一部を拡大して前記表示部に表示する第2の表示手段と、
前記第1の表示手段にて表示した状態から前記第2の表示手段にて表示した状態に前記表示部の表示を変更する場合において、前記設定受付手段にて設定を受け付けた項目が前記第2の表示手段にて表示する項目に含まれないときは、前記設定受付手段にて設定を受け付けた項目であって、前記第2の表示手段にて表示する項目に含まれない項目が存在することを通知する通知手段とを備えた、画像処理装置。
【請求項2】
前記通知手段は、前記設定受付手段にて設定を受け付けた項目であって、前記第2の表示手段にて表示する項目に含まれない項目が存在することを示す標識を前記表示部に表示する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記通知手段は前記標識を点滅させる、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記通知手段は前記標識の少なくとも一部をポップアップする、請求項2または3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記通知手段は、前記標識の色を、前記第2の表示手段にて表示した項目の色とは異なる色とする、請求項2〜4のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記通知手段が前記標識を表示している場合に、前記標識の選択を受け付ける表示選択手段と、
前記表示選択手段にて前記標識の選択を受け付けた場合に、前記設定受付手段にて設定を受け付けた項目であって、前記第2の表示手段にて表示する項目に含まれない項目を、画像処理に関して設定可能な項目の中で優先的に前記表示部に表示する設定項目表示手段とをさらに備えた、請求項2〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記標識の表示態様に関する指示を受け付ける態様受付手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記態様受付手段にて受け付けた態様で表示する、請求項2〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置にて設定された条件で画像形成を行う画像形成手段とを備えた、画像形成装置。
【請求項9】
表示部を備えた画像処理装置の制御方法であって、
画像処理に関して設定可能な項目を前記表示部に表示する第1の表示ステップと、
前記第1の表示ステップにて表示した項目の設定を受け付ける設定受付ステップと、
前記第1の表示ステップにて表示した項目の一部を拡大して前記表示部に表示する第2の表示ステップと、
前記第1の表示ステップにて表示した状態から前記第2の表示ステップにて表示した状態に前記表示部の表示を変更する場合において、前記設定受付ステップにて設定を受け付けた項目が前記第2の表示手段にて表示する項目に含まれないときは、前記設定受付ステップにて設定を受け付けた項目であって、前記第2の表示ステップにて表示する項目に含まれない項目が存在することを通知する通知ステップとを備えた、画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
表示部を備えた画像処理装置の制御プログラムであって、
画像処理に関して設定可能な項目を前記表示部に表示する第1の表示ステップと、
前記第1の表示ステップにて表示した項目の設定を受け付ける設定受付ステップと、
前記第1の表示ステップにて表示した項目の一部を拡大して前記表示部に表示する第2の表示ステップと、
前記第1の表示ステップにて表示した状態から前記第2の表示ステップにて表示した状態に前記表示部の表示を変更する場合において、前記設定受付ステップにて設定を受け付けた項目が前記第2の表示手段にて表示する項目に含まれないときは、前記設定受付ステップにて設定を受け付けた項目であって、前記第2の表示ステップにて表示する項目に含まれない項目が存在することを通知する通知ステップとをコンピュータに実行させる、画像処理装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−191405(P2012−191405A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52769(P2011−52769)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】