説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】カメラによって撮影されたもののプライバシーを保護しつつ、カメラが正しく動作しているか否かの確認を容易に行うことが可能な技術を提供する。
【解決手段】画像処理装置200Aは、カメラ100によって出力された画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した圧縮画像情報を出力する画像圧縮部210と、カメラ100によって出力された画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力する画像解析部220と、画像圧縮部210によって出力された圧縮画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する出力切替部230Aと、出力切替部230Aによって出力された出力情報を他装置に出力する出力部240と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関するものである。より詳細には、カメラで撮影された画像やその画像を処理した結果を出力する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラによって撮影された画像によって監視を行う技術は、カメラによって人が撮影された場合などに、撮影された人のプライバシーを保護する上において問題が発生する場合があった。そこで、撮影された画像における撮影された人の顔の位置を認識して、顔の位置にマスク処理を施したり、マスク領域を設定したりすることで、撮影された人などのプライバシーを保護する技術が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2などを参照)。
【0003】
また、撮影された画像を処理することによって撮影された人の状態を認識して、その認識結果を文字情報として出力する技術や、認識結果に応じて文字情報とカメラによって取得された画像情報とを同時に出力する技術などが開示されている(例えば、特許文献3などを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−197837号公報
【特許文献2】特開2008−097379号公報
【特許文献3】特開2009−088789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、特許文献1に開示された技術によれば、撮影された画像において顔の位置を誤認識した場合などにプライバシーが完全に保護されないことがあるという問題があった。また、例えば、特許文献1や特許文献2に開示された技術によれば、カメラの設置場所や設置角度などを変更するたびにマスク領域を手動によって設定する必要があるために、マスク領域を設定するために多くの手間を要するという問題があった。さらに、特許文献1や特許文献2に開示された技術によれば、カメラの設置角度を変更するたびにマスク領域が無効となり、プライバシーが保護されなくなるといった問題もあった。
【0006】
また、特許文献3に開示された技術によれば、撮影された人のプライバシーの保護は容易であるが、文字情報のみが出力されるだけでは、カメラが正しく動作しているか否かを確認するのが困難であるという問題があった。カメラが正しく動作している場合とは、例えば、撮影されるべき場所が正常に撮影されている場合のことである。また、認識結果に応じて撮影された画像を文字情報と同時に出力すると誤認識してしまった場合などには、プライバシーが保護されるべき人が撮影された画像を誤って出力してしまうなどといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、カメラによって撮影されたもののプライバシーを保護しつつ、カメラが正しく動作しているか否かの確認を容易に行うことが可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、カメラによって出力された画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した圧縮画像情報を出力する画像圧縮部と、カメラによって出力された画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力する画像解析部と、画像圧縮部によって出力された圧縮画像情報と画像解析部によって出力された解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する出力切替部と、出力切替部によって出力された出力情報を他装置に出力する出力部と、を備えることを特徴とする、画像処理装置が提供される。
【0009】
出力切替部は、ユーザからの選択を受け付け、受け付けた選択に従って圧縮画像情報と解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力することとしてもよい。
【0010】
出力切替部は、出力情報として圧縮画像情報を出力する場合には画像解析部に画像情報の解析を行わせず、出力情報として解析情報を出力する場合には画像圧縮部に画像情報の圧縮を行わせないこととしてもよい。
【0011】
出力切替部は、ユーザに対する認証処理を行い、認証処理が成功した場合にユーザからの選択を受け付けることとしてもよい。
【0012】
画像解析部は、画像に存在する人物を検出し、検出した人物の画像内における位置を指定するための人物位置情報を取得する人物検出部を備え、人物検出部によって取得された人物位置情報を解析結果として出力することとしてもよい。
【0013】
画像解析部は、画像に存在する人物の顔を検出し、検出した顔の画像内における位置を指定するための顔位置情報を取得する顔検出部を備え、顔検出部によって取得された顔位置情報を解析結果として出力することとしてもよい。
【0014】
画像解析部は、画像に存在する人物の顔を検出し、検出した顔の画像内における位置を指定するための顔位置情報を取得する顔検出部と、顔検出部によって取得された顔位置情報によって指定される位置にある顔を解析することによって、人物の属性を示す属性情報を取得する属性解析部と、を備え、属性解析部によって取得された属性情報を解析情報として出力することとしてもよい。
【0015】
画像解析部は、画像に存在する人物を検出し、検出した人物の画像内における位置を指定するための人物位置情報を取得する人物検出部と、人物検出部によって取得された人物位置情報によって指定される位置にある人物を解析することによって人物の動作を示す動作情報を取得する動作解析部と、を備え、動作解析部によって取得された動作情報を解析情報として出力することとしてもよい。
【0016】
画像解析部は、画像情報が取得された時刻または画像情報が解析された時刻を示す時刻情報を取得し、取得した時刻情報をさらに出力することとしてもよい。
【0017】
また、本発明の別の観点によれば、カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、カメラによって出力された画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した圧縮画像情報を出力する画像圧縮部と、カメラによって出力された画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力する画像解析部と、画像圧縮部によって出力された圧縮画像情報と画像解析部によって出力された解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した合成情報を出力する画像合成部と、画像圧縮部によって出力された圧縮画像情報と画像解析部によって出力された解析情報と画像合成部によって出力された合成情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する出力切替部と、出力切替部によって出力された出力情報を他装置に出力する出力部と、を備えることを特徴とする、画像処理装置が提供される。
【0018】
出力切替部は、出力情報として圧縮画像情報を出力する場合には画像解析部に画像情報の解析を行わせないとともに画像合成部に圧縮画像情報と解析情報との合成を行わせず、出力情報として解析情報を出力する場合には画像圧縮部に画像情報の圧縮を行わせないとともに画像合成部に圧縮画像情報と解析情報との合成を行わせないこととしてもよい。
【0019】
また、本発明の別の観点によれば、カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、カメラによって出力された画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力する画像解析部と、カメラによって出力された画像情報と画像解析部によって出力された解析情報とのうちのいずれか一つを出力する出力切替部と、出力切替部によって画像情報が出力された場合に、出力された画像情報を他装置に出力する画像出力部と、出力切替部によって解析情報が出力された場合に、出力された解析情報を他装置に出力する解析情報出力部と、を備えることを特徴とする、画像処理装置が提供される。
【0020】
また、本発明の別の観点によれば、カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、カメラによって出力された画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力する画像解析部と、カメラによって出力された画像情報と画像解析部によって出力された解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した合成情報を出力する画像合成部と、カメラによって出力された画像情報と画像解析部によって出力された解析情報と画像合成部によって出力された合成情報とのうちのいずれか一つを出力する出力切替部と、出力切替部によって画像情報が出力された場合に、出力された画像情報を他装置に出力する画像出力部と、出力切替部によって解析情報が出力された場合に、出力された解析情報を他装置に出力する解析情報出力部と、を備え、画像出力部および解析情報出力部のうちのいずれか一つは、出力切替部によって合成情報が出力された場合に、出力された合成情報を他装置に出力することとしてもよい。
【0021】
出力切替部は、合成情報の情報量に応じて、画像出力部および解析情報出力部のうちのいずれによって合成情報を他装置に出力するかを選択することとしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によれば、カメラによって撮影されたもののプライバシーを保護しつつ、カメラが正しく動作しているか否かの確認を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図2】画像圧縮部によって出力される圧縮画像情報の一例を示す図である。
【図3】画像解析部によって出力される解析情報の一例を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図6】画像合成部によって出力される合成情報の第一の例を示す図である。
【図7】画像合成部によって出力される合成情報の第二の例を示す図である。
【図8】画像合成部によって出力される合成情報のデータ構造例を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図11】第3実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第4実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。
【図13】第4実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
<第1本実施形態>
[構成の説明]
図1は、第1本実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。図1を参照して第1実施形態に係る画像処理装置の機能構成について説明する。図1に示すように、カメラ100は、画像処理装置200Aに接続されており、撮影によって画像情報を取得して画像処理装置200Aに出力する機能を有する。
【0026】
画像処理装置200Aは、カメラ100が取得して出力した画像情報を処理するものであり、図1に示すように、画像圧縮部210と、画像解析部220と、出力切替部230Aと、出力部240とを備えるものである。
【0027】
画像圧縮部210は、カメラ100によって出力された画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得する機能を有するものである。また、画像圧縮部210は、取得した圧縮画像情報を出力する機能を有するものである。画像圧縮部210は、圧縮方法として、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)2、MPEG4、JPEG(Joint Photographic Experts Group)、Motion−JPEG、画像間引きなどといった、既存の画像圧縮方法を使用することができる。画像圧縮部210は、出力部240が準拠する規格に適合する圧縮形式によって画像情報を圧縮し、圧縮することによって取得された圧縮画像情報を出力する。
【0028】
画像解析部220は、カメラ100によって出力された画像情報を解析することによって解析情報を取得する機能を有するものである。また、画像解析部220は、取得した解析情報を出力する機能を有するものである。画像解析部220が行う解析は特に限定されるものではないが、例えば、画像解析部220は、人物検出部221を備えることとしてもよい。人物検出部221は、画像に存在する人物を検出し、検出した人物の画像内における位置を指定するための人物位置情報(人物の座標情報)を取得するものである。
【0029】
画像解析部220が人物検出部221を備える場合には、画像解析部220は、人物検出部221によって取得された人物位置情報を解析結果として出力する。人物検出部221が人物を検出するための手法は特に限定されるものではないが、人物検出部221が人物を検出するための手法としては、例えば、特開平8−221668号公報に記載された手法を使用することができる。人物検出部221によって取得された人物位置情報は、例えば、人物を含む矩形領域の左上、右下のそれぞれの画像内における位置を示す位置情報であるが、これに限定されるものではない。
【0030】
例えば、画像解析部220は、顔検出部222を備えることとしてもよい。顔検出部222は、画像に存在する人物の顔を検出し、検出した顔の画像内における位置を指定するための顔位置情報(顔の座標情報)を取得するものである。画像解析部220が顔検出部222を備える場合には、画像解析部220は、顔検出部222によって取得された顔位置情報を解析結果として出力する。顔検出部222が顔を検出するための手法は特に限定されるものではないが、顔検出部222が顔を検出するための手法としては、例えば、画像解析部220が人物検出部221を備えている場合には、人物検出部221によって検出された人物から顔領域を切り出す手法を使用することができる。
【0031】
また、例えば、P.Viola and M.Jones, “Rapid object Detection using a Boosted Cascade of Simple Featuers, “ Proc.of IEEE Conf.CVPR,1,pp.511−518,2001.に記載されている手法を使用することができる。顔検出部222によって取得された顔位置情報は、例えば、顔を含む矩形領域の左上、右下のそれぞれの画像内における位置を示す位置情報であるが、これに限定されるものではない。
【0032】
例えば、画像解析部220は、人物検出部221の他に属性解析部223を備えることとしてもよい。属性解析部223は、顔検出部222によって取得された顔位置情報によって指定される位置にある顔を解析することによって、人物の属性を示す属性情報を取得するものである。属性情報は、性別や、年齢、人種などといった、その人物に関連する情報であり、特に限定されるものではない。画像解析部220が属性解析部223を備える場合には、画像解析部220は、属性解析部223によって取得された属性情報を解析結果として出力する。属性解析部223が顔を解析するための手法は特に限定されるものではないが、属性解析部223が顔を解析するための手法としては、例えば、細井聖、瀧川えりな、川出雅人、「ガボールウェーブレット変換とサポートベクタマシンによる性別・年代推定システム」、第8回画像センシングシンポジウム講演論文集、p.243−246に記載された手法を使用することができる。また、属性解析部223が顔を解析するための手法としては、細井聖、瀧川えりな、川出雅人、「顔画像による人種推定技術」、信学技報PRMU2003−143、P.19−24に記載された手法を使用することができる。
【0033】
画像解析部220は、人物検出部221の他に動作解析部224を備えることとしてもよい。動作解析部224は、人物検出部221によって取得された人物位置情報によって指定される位置にある人物を解析することによって人物の動作を示す動作情報を取得するものである。動作情報は、例えば、人物の動作を示す「立っている」「座っている」「手を上げている」などといったテキスト情報などであるが特に限定されるものではない。画像解析部220は、動作解析部224によって取得された動作情報を解析情報として出力する。動作解析部224が人物を解析するための手法は特に限定されるものではないが、動作解析部224が人物を解析するための手法としては、例えば、特開平11−296673号公報に記載された手法を使用することができる。
【0034】
画像解析部220は、画像情報が取得された時刻または画像情報が解析された時刻を示す時刻情報を取得し、取得した時刻情報をさらに出力することとしてもよい。画像解析部220は、例えば、画像情報にカメラ100によって画像情報が取得された時刻を示す時刻情報が付加されている場合には時刻情報を取得し、取得した時刻情報をさらに出力することができる。また、画像解析部220は、例えば、自身が時刻情報(例えば、現在の時刻を示す時刻情報)を管理している場合には自身が管理する時刻情報を取得し、取得した時刻情報を画像情報が解析された時刻を示す時刻情報としてさらに出力することができる。
【0035】
出力切替部230Aは、画像圧縮部210によって出力された圧縮画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する機能を有するものである。また、出力切替部230Aは、ユーザからの選択を受け付け、受け付けた選択に従って圧縮画像情報と解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力することとしてもよい。出力切替部230Aは、例えば、ハードウェアとしてのディップスイッチによって構成され、ディップスイッチによってユーザからの選択を受け付けることが可能であってもよいし、ネットワークを介してユーザからの選択を受け付けることが可能であってもよい。加えて、出力切替部230Aは、画像圧縮部210によって出力された圧縮画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する場合、出力しない構成部の機能を動作させないようにする機能を持ち合わせてもよい。つまり、出力切替部230Aは、圧縮画像情報を出力することを選択すれば、画像解析部220に処理(例えば、画像情報の解析)を行わせないようにし、一方、画像解析部220の処理を行うという選択をすれば、画像圧縮部210に処理(例えば、画像情報の圧縮)を行わせない。この機能の効果は、例えば、画像圧縮部210と画像解析部220とによる処理を同じCPUで実行する場合に顕著に現れる。つまり、画像圧縮部210と画像解析部220とを同じCPUで同時に動作させればどちらの処理も遅くなる。しかし、ここで提案したようにどちらか一方のみを選択することで、選択されなかった処理をストップし、CPUへの負荷を減らすことで、選択された処理をより高速に行うことが可能となる。
【0036】
ユーザによる選択は、無条件に行えるものであるとしてもよいが、所定の制限の下に行われることとしてもよい。そのようにすれば、限定された者のみが選択を行うことができるため、撮影される人物のプライバシーをより厳重に保護することができ、画像処理装置200Aの操作に対するセキュリティを向上させることができる。このような制限を設けるには、例えば、ディップスイッチを画像処理装置200Aの内部に取り付けることによって、画像処理装置200Aの外部からディップスイッチを操作しづらい状態にすることとしてもよい。また、ユーザに対する認証処理を行い、認証処理が成功した場合にネットワークを介してユーザからの選択を受け付けることとしてもよい。認証処理としては、例えば、ユーザに対してパスワードの入力を行わせ、入力されたパスワードによって行うものなどを使用することができるが、特に限定されるものではない。
【0037】
以上に説明したように出力切替部230Aを管理することによって、画像圧縮部210から出力された圧縮画像情報と画像解析部220から出力された解析情報とのいずれか一つを画像処理装置200Aから出力するように切り替えることができる。このような構成によって、撮影された人物のプライバシーの保護の確実性を増すことができる。また、例えば、カメラ100を設置する場合に、カメラ100を適切な位置および向きに設置する場合には、圧縮画像情報を出力するように出力切替部230Aを切り替えることとすればよい。そのようにすれば、カメラ設置者は、カメラ100によって撮影された画像を見ながら適切な位置および向きにカメラ100を設置することができる。そして、設置が完了した後には、解析情報を出力するように出力切替部230Aを切り替えることとすればよい。そのようにすれば、撮影された人物のプライバシーの保護の確実性を増すことができる。その他にも、警察からの要請があった場合などといった、特殊な条件下においては圧縮画像情報を出力するように出力切替部230Aを切り替えることとし、出力切替部230Aによって出力された圧縮画像情報を監視または記録することとしてもよい。
【0038】
出力部240は、出力切替部230Aによって出力された出力情報を他装置に出力する機能を有するものである。出力部240が準拠する規格としては、画像処理装置200Aに接続される各装置に合わせたものを適宜使用することができる。出力部240としては、例えば、LAN(Local Area Network)コネクタ、USB(Universal Serial Bus)コネクタ、SD(Secure Digital)カードコネクタ、メモリスティックコネクタ、無線通信装置などを使用することができ、画像処理装置200Aに接続される各装置に適したものであればその規格は限定されるものではない。
【0039】
図2は、画像圧縮部によって出力される圧縮画像情報の一例を示す図である。図2を参照して、画像圧縮部210によって出力される圧縮画像情報の一例について説明する。カメラ100によって取得された画像情報が画像圧縮部210によって圧縮されると、図2に示すような圧縮画像情報310が生成される。画像圧縮部210は、圧縮画像情報を出力切替部230Aに出力する。
【0040】
図3は、画像解析部によって出力される解析情報の一例を示す図である。図3を参照して、画像解析部220によって出力される解析情報の一例について説明する。カメラ100によって取得された解析情報が画像解析部220によって解析されると、図3に示すような解析情報が生成される。図3では、解析情報の一例として、カメラ100によって撮影された日や、撮影された時間、画像における顔の位置を示す顔座標、撮影された人物の性別、年齢などが示されている。画像解析部220は、解析情報を出力切替部230Aに出力する。
【0041】
[動作の説明]
図4は、第1実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図4を参照して、第1実施形態に係る画像処理装置200Aによって実行される処理の流れについて説明する。
【0042】
画像処理装置200Aは、カメラ100から画像情報を取得する(ステップS101)。画像圧縮部210は、カメラ100から取得した画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した圧縮画像情報を出力切替部230Aに出力する(ステップS102)。画像解析部220は、カメラ100から取得した画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力切替部230Aに出力する(ステップS103)。
【0043】
出力切替部230Aは、圧縮画像情報を出力対象としている場合には(ステップS104で「Yes」)、出力部240に圧縮画像情報を出力し(ステップS105)、ステップS107に進む。出力切替部230Aは、圧縮画像情報を出力対象としていない場合(解析情報を出力対象としている場合)には(ステップS104で「No」)、出力部240に解析情報を出力し(ステップS106)、ステップS107に進む。出力部240は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS107)。
【0044】
[効果の説明]
第1実施形態によれば、ユーザは、出力切替部230Aによって出力対象を選択することができる。これにより、圧縮画像情報を出力し、解析情報を出力しない間にはカメラが正しく動作しているか否かの確認を容易に行うことができ、解析情報を出力し、圧縮画像情報を出力しない間にはカメラによって撮影されたもののプライバシーを保護することが可能となる。また、出力切替部230Aによって出力対象を選択する場合、選択されなかった構成部の処理をストップさせる機能を備えることで、処理の高速化、効率化をもたらし、最終的にはシステム全体のコスト削減につながる。
【0045】
<第2本実施形態>
[構成の説明]
図5は、第2本実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。図5を参照して、第2実施形態に係る画像処理装置の機能構成について説明する。図5に示すように、第2実施形態に係る画像処理装置200Bは、画像合成部250Aをさらに備える点、出力切替部230Bが第1実施形態における出力切替部230Aと異なる点において第1実施形態と異なるものである。
【0046】
画像合成部250Aは、画像圧縮部210によって出力された圧縮画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した合成情報を出力する機能を有するものである。圧縮画像情報と解析情報とを合成する手法については後述するが、特に限定されるものではない。
【0047】
出力切替部230Bは、画像圧縮部210によって出力された圧縮画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報と画像合成部250Aによって出力された合成情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する機能を有するものである。また、出力切替部230Bは、ユーザからの選択を受け付け、受け付けた選択に従って圧縮画像情報と解析情報と合成情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力することとしてもよい。出力切替部230Bでは、画像合成部250Aによって出力された合成情報を出力するとき以外は、第1の実施形態と同様に、出力されない構成部の処理をストップするようにしてもよい。つまり、出力切替部230Bは、圧縮画像情報を出力することを選択すれば、画像解析部220に処理(例えば、画像情報の解析)を行わせないとともに画像合成部250Aに処理(例えば、画像情報と合成画像との合成)を行わせないようにし、一方、画像解析部220の処理を行うという選択をすれば、画像圧縮部210に処理(例えば、画像情報の圧縮)を行わせないとともに画像合成部250Aに処理(例えば、画像情報と合成画像との合成)を行わせない。それ以外の出力切替部230Bの機能については、出力切替部230Aと同様の手法によって実現することが可能であるので、出力切替部230Bに関する詳細な説明は省略する。
【0048】
図6は、画像合成部によって出力される合成情報の第一の例を示す図である。図6を参照して、画像合成部によって出力される合成情報の第一の例について説明する。
【0049】
図6に示すように、画像合成部250Aは、例えば、画像圧縮部210によって出力された圧縮画像情報310の上に画像解析部220によって解析された顔領域枠320や性別年齢情報330を重ねることによって、圧縮画像情報と解析情報とを合成してもよい。この場合には、画像合成部250Aは、圧縮画像情報の上に解析情報を上書きすることによって圧縮画像情報と解析情報とを合成し、合成した結果を1つの画像情報として出力する。
【0050】
図7は、画像合成部によって出力される合成情報の第二の例を示す図である。図7を参照して、画像合成部によって出力される合成情報の第二の例について説明する。
【0051】
図7に示すように、画像合成部250Aは、例えば、画像圧縮部210によって出力された圧縮画像情報310と、画像解析部220によって解析された時間や年齢、性別とを並べることによって、圧縮画像情報と解析情報とを合成してもよい。このような場合には、画像合成部250Aは、例えば、所定のフォーマット(例えば、図8参照)のバイナリデータとして合成情報を出力し、ソフトウェアなどによってバイナリデータに基づいて、図7に示したような表示データを作成することとすればよい。
【0052】
図8は、画像合成部によって出力される合成情報のデータ構造例を示す図である。図8を参照して、画像合成部によって出力される合成情報のデータ構造例について説明する。
【0053】
画像合成部250Aは、図8に示すようなフォーマットのバイナリデータとして合成情報を出力することとしてもよい。フォーマットの中には、ヘッダー部、画像データ部、時間データ部、年齢データ部、性別データ部などが含まれているが、どのようなデータ部を含むものであってもよい。
【0054】
[動作の説明]
図9は、第2実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図9を参照して、第2実施形態に係る画像処理装置200Bによって実行される処理の流れについて説明する。
【0055】
画像処理装置200Bは、カメラ100から画像情報を取得する(ステップS201)。画像圧縮部210は、カメラ100から取得した画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した圧縮画像情報を出力切替部230Bに出力する(ステップS202)。画像解析部220は、カメラ100から取得した画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力切替部230Bに出力する(ステップS203)。画像合成部250Aは、圧縮画像情報と解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した合成情報を出力切替部230Bに出力する(ステップS204)。
【0056】
出力切替部230Bは、圧縮画像情報を出力対象としている場合には(ステップS205で「Yes」)、出力部240に圧縮画像情報を出力し(ステップS206)、ステップS210に進む。出力切替部230Bは、圧縮画像情報を出力対象としていない場合(解析情報または合成情報を出力対象としている場合)には(ステップS205で「No」)、ステップS207に進む。
【0057】
出力切替部230Bは、解析情報を出力対象としている場合には(ステップS207で「Yes」)、出力部240に解析情報を出力し(ステップS208)、ステップS210に進む。出力切替部230Bは、解析情報を出力対象としていない場合(合成情報を出力対象としている場合)には(ステップS207で「No」)、出力部240に合成情報を出力し(ステップS209)、ステップS210に進む。出力部240は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS210)。
【0058】
[効果の説明]
第2実施形態によれば、画像処理装置200Bは、画像合成部250Aをさらに備えることによって、圧縮画像情報と解析情報とを合成した合成情報を出力することが可能となる。これにより、圧縮画像情報と解析情報とを同時に参照することができるようになるので、例えば、カメラ100が正しく動作しているのにも関わらず圧縮画像情報と解析情報とがマッチしない場合には、画像解析部220が正常に動作していないことを検出することができる。カメラ100が正しく動作している状況下において圧縮画像情報と解析情報との一致度を調べることで、画像解析部220の動作に対する精度評価や画像解析部220の動作による効果を容易に測定することができる。
【0059】
また、例えば、画像解析部220が正常に動作しているのにも関わらず圧縮画像情報と解析情報とがマッチしない場合には、カメラ100が正しく動作していないことを検出することができる。さらに、画像解析部220が正常に動作している状況下において圧縮画像情報と解析情報との一致度を調べることで、カメラ100の設置を容易に、かつ、精密に行うことができる。
【0060】
<第3本実施形態>
[構成の説明]
図10は、第3本実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。図10を参照して、第3実施形態に係る画像処理装置の機能構成について説明する。図10に示すように、第3実施形態に係る画像処理装置200Cは、画像圧縮部210を備えていない点、出力部240の代わりに、解析情報出力部270および画像出力部280を備える点、出力切替部230Cが第1実施形態における出力切替部230Aと異なる点において第1実施形態と異なるものである。
【0061】
第1実施形態では、画像処理装置200Aが画像圧縮部210を備えることにより、出力部240は、画像解析部220から出力される解析情報と画像圧縮部210から出力される圧縮画像情報とを同じ規格のコネクタ(例えば、LANコネクタなど)などによって出力することが可能である。第3実施形態では、画像処理装置200Cは、画像圧縮部210を備えていないために、画像情報を圧縮せずに他装置に出力する必要がある。したがって、解析情報を他装置に出力する解析情報出力部270と画像情報を他装置に出力する画像出力部280とを画像処理装置200Cに設けることとする。
【0062】
出力切替部230Cは、カメラ100によって出力された画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報とのうちのいずれか一つを出力する機能を有するものである。また、出力切替部230Cは、ユーザからの選択を受け付け、受け付けた選択に従って画像情報と解析情報のうちのいずれか一つを出力情報として出力することとしてもよい。また、出力切替部230Cは、画像情報を出力する場合は、画像解析部220の処理を中止することも可能である。出力切替部230Cは、出力切替部230Aと同様の手法によって実現することが可能であるので、出力切替部230Cに関する詳細な説明は省略する。
【0063】
解析情報出力部270は、出力切替部230Cによって解析情報が出力された場合に、出力された解析情報を他装置に出力する機能を有するものである。解析情報出力部270は、例えば、第1実施形態における出力部240と同様の規格によって構成される。すなわち、解析情報出力部270としては、例えば、LANコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタ、メモリスティックコネクタ、無線通信装置などを使用することができる。
【0064】
画像出力部280は、出力切替部230Cによって画像情報が出力された場合に、出力された画像情報を他装置に出力する機能を有するものである。画像出力部280は、圧縮されていない画像情報を出力する必要があるため、画像出力部280としては、例えば、D−sub15ピンコネクタ、BNCコネクタなどの映像出力コネクタを使用することができる。
【0065】
[動作の説明]
図11は、第3実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図11を参照して、第3実施形態に係る画像処理装置200Cによって実行される処理の流れについて説明する。
【0066】
画像処理装置200Cは、カメラ100から画像情報を取得する(ステップS301)。画像解析部220は、カメラ100から取得した画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力切替部230Cに出力する(ステップS302)。
【0067】
出力切替部230Cは、画像情報を出力対象としている場合には(ステップS303で「Yes」)、画像出力部280に画像情報を出力し(ステップS304)、画像出力部280は、出力切替部230Cから入力された画像情報を他装置に出力する(ステップS305)。
【0068】
出力切替部230Cは、画像情報を出力対象としていない場合(解析情報を出力対象としている場合)には(ステップS303で「No」)、解析情報出力部270に解析情報を出力し(ステップS306)、解析情報出力部270は、出力切替部230Cから入力された解析情報を他装置に出力する(ステップS307)。
【0069】
[効果の説明]
第3実施形態に係る画像処理装置200Cは、第1実施形態に係る画像処理装置200Aと同様に、画像情報と解析情報とのいずれか一つを他装置に出力することができる。したがって、第3実施形態は第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、第3実施形態に係る画像処理装置200Cは、画像圧縮部210を備えない点において、第1実施形態に係る画像処理装置200Aと比較して製造コストを低減することができる。
【0070】
<第4本実施形態>
[構成の説明]
図12は、第4本実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す図である。図12を参照して、第4実施形態に係る画像処理装置の機能構成について説明する。図12に示すように、第4実施形態に係る画像処理装置200Dは、画像合成部250Bを備える点、出力切替部230Dが第3実施形態における出力切替部230Cと異なる点において第3実施形態と異なるものである。
【0071】
第4実施形態に係る画像合成部250Bは、第2実施形態に係る画像合成部250Aと同様の機能を有するものである。しかし、画像合成部250Bは、カメラ100によって出力された画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した合成情報を出力する点において、画像合成部250Aと異なるものである。したがって、第4実施形態では、合成情報は、圧縮されていない画像情報と解析情報とが合成されたものであるために、第2実施形態と比較して、情報量が大きくなる可能性がある。したがって、画像合成部250Bは、画像圧縮部210で使用される圧縮方式と同様の、あるいは、簡易な圧縮機能を備えることとしてもよい。画像合成部250Bは、例えば、画像を間引く、縮小するなどの簡単な画像加工処理を行い、画像サイズを小さくしてから出力切替部230Dに出力することとしてもよい。
【0072】
画像合成部250Bは、カメラ100によって出力された画像情報と画像解析部220によって出力された解析情報と画像合成部250Bによって出力された合成情報とのうちのいずれか一つを出力する機能を有するものである。第3実施形態と同様に、出力切替部230Dは、カメラ100から取得した画像情報を画像出力部280に出力し、画像解析部220から出力された解析情報を解析情報出力部270に出力する。ただし、出力切替部230Dは、画像合成部250Bから出力される合成情報については、合成情報の情報量に応じて出力先を変更するのが好ましい。例えば、合成情報全体に占める割合として解析情報よりも画像情報が大きい場合には、合成情報の情報量が大きいことが予想されるために、出力切替部230Dは、合成情報を画像出力部280に出力するのが適切である。また、合成情報全体に占める割合として解析情報よりも画像情報が小さい場合には、合成情報の情報量が小さいことが予想されるために、出力切替部230Dは、合成情報を解析情報出力部270に出力するのが適切である。
【0073】
したがって、出力切替部230Dは、合成情報の情報量に応じて、画像出力部280および解析情報出力部270のうちのいずれによって合成情報を他装置に出力するかを自身で選択することとすればよい。また、ユーザの選択を受け付けて、受け付けた選択に応じて画像出力部280および解析情報出力部270のうちのいずれによって合成情報を他装置に出力するかを選択することとしてもよい。また、出力切替部230Dは、画像情報のみを出力する場合は画像解析部220の処理を中止することも可能である。
【0074】
[動作の説明]
図13は、第4実施形態に係る画像処理装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図13を参照して、第4実施形態に係る画像処理装置200Dによって実行される処理の流れについて説明する。
【0075】
画像処理装置200Dは、カメラ100から画像情報を取得する(ステップS401)。画像解析部220は、カメラ100から取得した画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した解析情報を出力切替部230Dに出力する(ステップS402)。画像合成部250Bは、圧縮画像情報と解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した合成情報を出力切替部230Dに出力する(ステップS403)。
【0076】
出力切替部230Dは、画像情報を出力対象としている場合には(ステップS404で「Yes」)、ステップS405に進む。出力切替部230Dは、画像出力部280を介して出力する場合には(ステップS405で「Yes」)、画像出力部280に画像情報を出力し(ステップS406)、画像出力部280は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS407)。出力切替部230Dは、画像出力部280を介して出力しない場合(解析情報出力部270を介して出力する場合)には(ステップS405で「No」)、解析情報出力部270に画像情報を出力し(ステップS408)、解析情報出力部270は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS409)。
【0077】
出力切替部230Dは、解析情報を出力対象としている場合には(ステップS404で「No」)、ステップS410に進む。出力切替部230Dは、画像出力部280を介して出力する場合には(ステップS411で「Yes」)、画像出力部280に解析情報を出力し(ステップS412)、画像出力部280は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS413)。出力切替部230Dは、画像出力部280を介して出力しない場合(解析情報出力部270を介して出力する場合)には(ステップS411で「No」)、解析情報出力部270に解析情報を出力し(ステップS414)、解析情報出力部270は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS415)。
【0078】
出力切替部230Dは、解析情報を出力対象としない場合(合成情報を出力対象とする場合)には(ステップS410で「No」)、ステップS416に進む。出力切替部230Dは、画像出力部280を介して出力する場合には(ステップS416で「Yes」)、画像出力部280に合成情報を出力し(ステップS417)、画像出力部280は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS418)。出力切替部230Dは、画像出力部280を介して出力しない場合(解析情報出力部270を介して出力する場合)には(ステップS416で「No」)、解析情報出力部270に合成情報を出力し(ステップS419)、解析情報出力部270は、自身に入力された情報を他装置に出力する(ステップS420)。
【0079】
[効果の説明]
第4実施形態に係る画像処理装置200Dは、画像圧縮部210を備えていないために、第3実施形態に係る画像処理装置200Cが奏する効果と同様の効果を奏することができる。また、第4実施形態に係る画像処理装置200Dは、画像合成部250Bを備えるために、第2実施形態に係る画像処理装置200Bが奏する効果と同様の効果を奏することができる。
【0080】
[変形例]
上記では、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0081】
例えば、第1実施形態から第4実施形態までにおいては、画像解析部220において画像を解析することによって人物を検出し、検出した人物に関する情報を取得することとした。しかし、画像解析部220は、画像を解析することによって自動車、動物、一般物体などを検出し、検出したそれぞれに関する情報を取得することとしてもよい。
【0082】
また、画像圧縮部210、出力部240、解析情報出力部270、画像出力部280が準拠する規格については、特に限定されるものではなく、そのときの技術や状況に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 カメラ
200A,200B,200C,200D 画像処理装置
210 画像圧縮部
220 画像解析部
221 人物検出部
222 顔検出部
223 属性解析部
224 動作解析部
230A,230B,230C,230D 出力切替部
240 出力部
250A,250B 画像合成部
270 解析情報出力部
280 画像出力部
310 圧縮画像情報
320 顔領域枠
330 性別年齢情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、
前記カメラによって出力された前記画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した前記圧縮画像情報を出力する画像圧縮部と、
前記カメラによって出力された前記画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した前記解析情報を出力する画像解析部と、
前記画像圧縮部によって出力された前記圧縮画像情報と前記画像解析部によって出力された前記解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する出力切替部と、
前記出力切替部によって出力された前記出力情報を他装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置。
【請求項2】
前記出力切替部は、
ユーザからの選択を受け付け、受け付けた前記選択に従って前記圧縮画像情報と前記解析情報とのうちのいずれか一つを前記出力情報として出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記出力切替部は、
前記出力情報として前記圧縮画像情報を出力する場合には前記画像解析部に前記画像情報の解析を行わせず、前記出力情報として前記解析情報を出力する場合には前記画像圧縮部に前記画像情報の圧縮を行わせない、
ことを特徴とする、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記出力切替部は、
前記ユーザに対する認証処理を行い、前記認証処理が成功した場合に前記ユーザからの前記選択を受け付ける、
ことを特徴とする、請求項2または請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像解析部は、
前記画像に存在する人物を検出し、検出した前記人物の前記画像内における位置を指定するための人物位置情報を取得する人物検出部を備え、
前記人物検出部によって取得された前記人物位置情報を前記解析結果として出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記画像解析部は、
前記画像に存在する人物の顔を検出し、検出した前記顔の前記画像内における位置を指定するための顔位置情報を取得する顔検出部を備え、
前記顔検出部によって取得された前記顔位置情報を前記解析結果として出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記画像解析部は、
前記画像に存在する人物の顔を検出し、検出した前記顔の前記画像内における位置を指定するための顔位置情報を取得する顔検出部と、
前記顔検出部によって取得された前記顔位置情報によって指定される位置にある前記顔を解析することによって、前記人物の属性を示す属性情報を取得する属性解析部と、を備え、
前記属性解析部によって取得された前記属性情報を前記解析情報として出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記画像解析部は、
前記画像に存在する人物を検出し、検出した前記人物の前記画像内における位置を指定するための人物位置情報を取得する人物検出部と、
前記人物検出部によって取得された前記人物位置情報によって指定される位置にある前記人物を解析することによって前記人物の動作を示す動作情報を取得する動作解析部と、を備え、
前記動作解析部によって取得された前記動作情報を前記解析情報として出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像解析部は、
前記画像情報が取得された時刻または画像情報が解析された時刻を示す時刻情報を取得し、取得した前記時刻情報をさらに出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、
前記カメラによって出力された前記画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した前記圧縮画像情報を出力する画像圧縮部と、
前記カメラによって出力された前記画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した前記解析情報を出力する画像解析部と、
前記画像圧縮部によって出力された前記圧縮画像情報と前記画像解析部によって出力された前記解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した前記合成情報を出力する画像合成部と、
前記画像圧縮部によって出力された前記圧縮画像情報と前記画像解析部によって出力された前記解析情報と前記画像合成部によって出力された前記合成情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力する出力切替部と、
前記出力切替部によって出力された前記出力情報を他装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置。
【請求項11】
前記出力切替部は、
前記出力情報として前記圧縮画像情報を出力する場合には前記画像解析部に前記画像情報の解析を行わせないとともに前記画像合成部に前記圧縮画像情報と前記解析情報との合成を行わせず、前記出力情報として前記解析情報を出力する場合には前記画像圧縮部に前記画像情報の圧縮を行わせないとともに前記画像合成部に前記圧縮画像情報と前記解析情報との合成を行わせない、
ことを特徴とする、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、
前記カメラによって出力された前記画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した前記解析情報を出力する画像解析部と、
前記カメラによって出力された前記画像情報と前記画像解析部によって出力された前記解析情報とのうちのいずれか一つを出力する出力切替部と、
前記出力切替部によって前記画像情報が出力された場合に、出力された前記画像情報を前記他装置に出力する画像出力部と、
前記出力切替部によって前記解析情報が出力された場合に、出力された前記解析情報を前記他装置に出力する解析情報出力部と、
を備えることを特徴とする、画像処理装置。
【請求項13】
カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置において、
前記カメラによって出力された前記画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した前記解析情報を出力する画像解析部と、
前記カメラによって出力された前記画像情報と前記画像解析部によって出力された前記解析情報とを合成することによって合成情報を取得し、取得した前記合成情報を出力する画像合成部と、
前記カメラによって出力された前記画像情報と前記画像解析部によって出力された前記解析情報と前記画像合成部によって出力された前記合成情報とのうちのいずれか一つを出力する出力切替部と、
前記出力切替部によって前記画像情報が出力された場合に、出力された前記画像情報を前記他装置に出力する画像出力部と、
前記出力切替部によって前記解析情報が出力された場合に、出力された前記解析情報を前記他装置に出力する解析情報出力部と、
を備え、
前記画像出力部および前記解析情報出力部のうちのいずれか一つは、
前記出力切替部によって前記合成情報が出力された場合に、出力された前記合成情報を前記他装置に出力する、
ことを特徴とする、画像処理装置。
【請求項14】
前記出力切替部は、
前記合成情報の情報量に応じて、前記画像出力部および前記解析情報出力部のうちのいずれによって前記合成情報を前記他装置に出力するかを選択する、
ことを特徴とする、請求項13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
カメラによって取得されて出力された画像情報を処理する画像処理装置による画像処理方法において、
前記カメラによって出力された前記画像情報を圧縮することによって圧縮画像情報を取得し、取得した前記圧縮画像情報を出力するステップと、
前記カメラによって出力された前記画像情報を解析することによって解析情報を取得し、取得した前記解析情報を出力するステップと、
前記画像圧縮部によって出力された前記圧縮画像情報と前記画像解析部によって出力された前記解析情報とのうちのいずれか一つを出力情報として出力するステップと、
前記出力切替部によって出力された前記出力情報を他装置に出力するステップと、
を含むことを特徴とする、画像処理方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−77811(P2011−77811A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−227050(P2009−227050)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】