説明

画像処理装置および画像形成装置

【課題】斜線画像を細線化した場合であっても、その画像が途切れたり消えたりすることを無くす。
【解決手段】パターンマッチング部1013は、コントローラ1001によって出力された600dpiのラスタイメージを画素毎に検査し、これらの画素とその周辺の画素の組み合わせが一致するパターンを、パターン記憶部10130に記憶されたパターンから抽出して、その画素を、抽出したパターンに対応するラスタイメージで置き換えてから、画像メモリ1030に出力する。このようにして、パターンマッチングされたラスタイメージに対し、細線化処理部1014は、Hilditchの細線化アルゴリズムに基づく細線化処理を施す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体の特性のために静電潜像の境界部分がボケることがある。このため、記録材の表面に形成した線画像の幅が太くなり、例えば5ポイント以下の小さな文字は潰れて識字できなくなるおそれがある。静電潜像のボケを改善する方法としては、露光時のビーム径の小径化や感光体膜圧の薄膜化などが一般的に知られているが、これらのほかに、画像データを制御することにより細線や文字の潰れを改善する技術が開発されている。特許文献1には、注目画素を中心とした5画素×5画素のウィンドウ内に含まれる各画素を検査することにより、エッジと呼ばれる画像の境界部分を検出して細線化を行う技術が開示されている。また、特許文献2には、画像データが、段差部を有しない直線パターン条件を満たすか否かを判定して、線幅調整処理を施す画像処理装置が開示されている。
【0003】
ここで、図11(a)は、電子写真方式の画像形成装置によるプリンタにおいて一般的な、ラスタライズ解像度が画像形成装置の解像度よりも低い場合における細線化処理の流れを示したフロー図である。この図及び以下の説明では、解像度の指標として「dpi」という単位を用いる。これは、dot/inch、つまり長さ1インチあたりの画素数を意味している。
画像形成装置は、まず、ページ記述言語(以下、PDL:Page Description Languageという)で記述された画像データを600dpiのラスタイメージに変換するラスタライズを行い(ステップSc01)、次いで、これを解像度変換により2400dpiのラスタイメージに変換する(ステップSc02)。ここで、この解像度変換とは、単純にラスタイメージの解像度を高くするものであり、これにより、画像形成時の解像度に合わせたラスタイメージを得ることができる。600dpiのラスタイメージを構成する最小単位である1画素は、2400dpiのラスタイメージに変換されると、4画素×4画素、すなわち16画素で表されることになる。このようにして、得られた2400dpiのラスタイメージは、細線化処理により細線化されてから(ステップSc03)、画像形成処理がなされる(ステップSc04)。これにより、細線化されたラスタイメージに応じた2400dpiの画像が用紙などの記録材の表面に形成される。
【0004】
ここで、細線化処理について説明する。細線化処理とは、ラスタイメージを画素毎に検査し、当該画素を含む複数の画素からなる画素群が所定の条件を満たしている場合に、当該画素を背景画素、つまり異なる色の画素に置き換えることで、画像の細線化を行う処理である。細線化処理には周知の方法が種々あるが、その例として、収縮アルゴリズムと、Hilditchの細線化アルゴリズムについて説明する。
図12(a)は、細線化処理に用いるウィンドウを示した図である。図に示すウィンドウは、中心の注目画素Pの周囲を、周辺画素P〜Pが取り囲んでいる3画素×3画素(3行3列)のウィンドウである。ここで、細線化処理に用いるウィンドウを構成する画素群の一辺の画素数を「ウィンドウサイズw」とすると、このウィンドウのウィンドウサイズwは「3」である。収縮アルゴリズムやHilditchの細線化アルゴリズムは、周辺画素P〜Pと注目画素Pとの関係を検査して、この関係が所定の条件に合致する場合に、注目画素Pを削除候補、つまり異なる色の画素への置換候補とする。
図12(b)は、ラスタイメージに対する走査を示す図である。図に示す格子は、ラスタイメージを構成する各画素を表している。細線化処理において、ラスタイメージに含まれる各画素を図に示す矢線Rsに沿って1画素ずつ注目画素として順に検査する。すなわち、注目画素を主走査方向(図における左から右へ向けての方向であり、「行」の方向)に検査し、右端まで検査したら左端に戻り、走査線を副走査方向(図における上から下へ向けての方向であり、「列」の方向)に1画素分、移動させて、また注目画素を主走査方向に検査する。このような検査を経て決定した削除候補の画素は、その後の削除処理により、まとめて背景色の画素、例えば白画素に置き換えられる。
図12(c)は、収縮アルゴリズムにおける削除候補の決定方法を示した図である。収縮アルゴリズムにおいては、注目画素Pが黒色の画素(以下、黒画素という)であり、かつ、周辺画素P〜Pのうち、一つでも白色の画素(以下、白画素という)がある場合には、注目画素Pは、削除候補画素となる。例えば、図12(c)の左図に示すように、注目画素Pの左上、すなわち周辺画素Pが白画素の場合には、同右図に示すように、注目画素Pは削除候補画素となり、削除処理を経た後に、白画素に置き換えられる。
【0005】
図13は、収縮アルゴリズムを用いた細線化処理における画像の線幅の変化を示した図である。図13(a)〜(f)の各図において、実線で示す格子は2400dpiのときの1画素を示しており、太線で示す格子は600dpiのときの1画素を示している。600dpiのラスタイメージを、2400dpiに解像度変換すると、4画素×4画素が画像の最小単位となるラスタイメージに変換される。ここで、ラスタイメージの最小単位の画像の一辺を、そのラスタイメージの解像度における画素数で示した数値を「エッジサイズe」とすると、600dpiを2400dpiに解像度変換した画像のエッジサイズeは「4」である。
【0006】
例えば図13(a)は、600dpiで1画素分の幅を有する縦線画像が解像度変換によって、2400dpiのラスタイメージに変換されたときの様子を表している。縦線画像とは、図12(b)で説明した副走査方向に平行な方向に延びる画像のことである。また、以下の説明において、横線画像とは図12(b)で説明した主走査方向に平行な方向に延びる画像のことであり、斜線画像とは図12(b)で説明した主走査方向および副走査方向のいずれにも平行でない方向に延びる画像のことである。
図13(a)の場合、解像度変換によって得られた画像は、図に示すように2400dpiで4画素分の線幅を有する縦線画像となる。この縦線画像に対し、上述の収縮アルゴリズムを1回施すと、図13(b)に示すように2400dpiにおける2画素分の線幅の縦線画像に細線化される。同様に図13(c)は、600dpiで1画素分の幅を有する横線画像であるが、この横線画像を2400dpiに解像度変換して1回の収縮アルゴリズムを施すことにより、図13(d)に示すように2400dpiにおける2画素分の横線画像に細線化される。さらに、これら図13(b)および図13(d)に示した2画素分の縦線画像または横線画像に対して、もう1回収縮アルゴリズムを施すと、全ての画素が白画素になり、画像が消えてしまう。
【0007】
また、図13(e)は、600dpiで1画素分の幅を有する斜線画像である。この斜線画像に対し、2400dpiへの解像度変換を経てから上述の収縮アルゴリズムを1回施すと、図13(f)に示すように、2画素×2画素の点が離散して斜めに並んだ画像となる。すなわち、上述の斜線画像は、1回の収縮アルゴリズムによって、途切れてしまうことが分かる。そして、図13(f)に示す画像に対してさらにもう1回収縮アルゴリズムを施すと、全ての画素が白画素になり、画像が消えてしまう。
【0008】
次に、Hilditchの細線化アルゴリズムについて簡単に説明する。
Hilditchの細線化アルゴリズムとは、図12(a)に示した3画素×3画素のウィンドウにおける注目画素Pが、周辺画素P〜Pとの関係において、以下の6つの条件を満たす場合に、注目画素Pを削除候補とするアルゴリズムである。
<条件1>注目画素Pが図形要素であること(例えば背景の白画素に対して色が異なる黒画素であること)。
<条件2>注目画素Pが、境界点であること。
<条件3>注目画素Pが、端点でないこと。
<条件4>注目画素Pが、孤立点でないこと。
<条件5>注目画素Pを削除しても、周辺画素の連結性が保存されること。
<条件6>注目画素Pが、幅2画素の線を構成している場合であって、これを削除しても、その線の片側だけが削除されること。
【0009】
図14は、Hilditchの細線化アルゴリズムによって、細線化を施した画像を示す図である。前掲の図13(a)の縦線画像に対してHilditchの細線化アルゴリズムを一回施すと、収縮アルゴリズムと同様に、図13(b)のような縦線画像に細線化されるが、この図13(b)の縦線画像をさらに、Hilditchの細線化アルゴリズムによって細線化すると、図14(a)に示すような縦線画像となる。すなわち、縦線画像に関しては、Hilditchの細線化アルゴリズムを二回施しても、その縦線画像は途切れることなく、消えることもない。同様に、図13(c)の横線画像も、Hilditchの細線化アルゴリズムにより図13(d)に示すような横線画像に細線化され、さらに細線化を施しても、図14(b)に示すような横線画像となるので、横線画像は途切れることなく、消えることもない。
【0010】
一方、図13(e)に示す斜線画像に対して、Hilditchの細線化アルゴリズムを一回施すと、図14(c)に示すように途切れる。この画像に対し、さらに細線化を施すと図14(d)となり、斜線画像の途切れる間隔はさらに広がる。このように、600dpiのラスタイメージを2400dpiのラスタイメージに単純に解像度変換してからHilditchの細線化アルゴリズムに基づいて細線化すると、縦線画像および横線画像については画像を途切れさせることなく細線化を行うことができるものの、斜線画像については、一回の細線化処理によって画像が途切れてしまう。
【0011】
以上に説明したように、600dpiでラスタライズしたラスタイメージを2400dpiに解像度変換してから、ウィンドウサイズw=3で細線化を行う場合にあっては、収縮アルゴリズムを施すと画像が消える場合がある。また、Hilditchの細線化アルゴリズムを施した場合であっても、斜線画像が途切れる場合がある。
【0012】
また、図11(b)は、前述した特許文献2に記載のパターンマッチング処理の流れを示すフロー図である。ここでは、図11(a)の解像度変換および細線化処理に替えて、パターンマッチングを行っている(ステップSd01)。このパターンマッチングでは、注目画素とその周辺に配置されている周辺画素との関係を、予め定めたパターンと比較して、一致するパターンがある場合には、そのパターンに対応した画素で注目画素を置き換えて細線化を行う。このとき、縦線画像および横線画像に関しては、ラスタイメージの特徴により、比較的少ないパターン数で、それぞれを細線化することができるが、斜線画像については、その斜線の傾きのバリエーションに応じて極めて膨大な数のパターンを用意しなければならないため、一般的には細線化を行うことができないと考えられる。そのため、特許文献2によっては、斜線画像を含む小さな文字などが潰れることを防止することができない。
【特許文献1】特開2005−341249号公報
【特許文献2】特許3384115号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、斜線画像を細線化した場合であっても、その画像が途切れたり消えたりする可能性を小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明に係る画像処理装置の第1の構成は、ラスタイメージに基づき所定の解像度で像を形成する像形成手段に対し、当該ラスタイメージを出力する画像処理装置であって、前記所定の解像度よりも低い第1解像度のラスタイメージを生成するラスタイメージ生成手段と、前記第1解像度における複数の画素の配置パターンと、前記所定の解像度である第2解像度のラスタイメージとの対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、前記ラスタイメージ生成手段により生成された前記第1解像度のラスタイメージの各画素及びその周辺の画素の配置パターンと、前記対応関係記憶手段に記憶されている配置パターンとを照合し、前記第1解像度のラスタイメージを、当該ラスタイメージに一致する配置パターンに対応付けられた前記第2解像度のラスタイメージに置換するパターン置換手段と、前記パターン置換手段によって得られた前記第2解像度のラスタイメージを画素毎に検査し、当該画素及びその周辺の画素からなる画素群が所定の条件を満たしている場合には、当該画素を異なる色の画素に置換して画像の細線化を行う細線化手段と、前記細線化手段による細線化がなされたラスタイメージを前記像形成手段に出力する出力手段とを具備し、前記パターン置換手段によって得られる前記第2解像度のラスタイメージにおいて最小単位となる画像の一辺の画素数が、前記細線化手段が細線化を行うときの前記画素群の一辺の画素数よりも少ないことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る画像処理装置の第2の構成は、ラスタイメージに基づき所定の解像度で像を形成する像形成手段に対し、当該ラスタイメージを出力する画像処理装置であって、前記所定の解像度よりも低い第1解像度のラスタイメージを生成するラスタイメージ生成手段と、前記ラスタイメージ生成手段によって生成された前記第1解像度のラスタイメージを、前記所定の解像度である第2解像度のラスタイメージに変換する解像度変換手段と、前記解像度変換手段によって得られた前記第2解像度のラスタイメージを画素毎に検査し、当該画素及びその周辺の画素からなる画素群が所定の条件を満たしている場合には、当該画素を異なる色の画素に置換して画像の細線化を行う細線化手段と、前記細線化手段による細線化がなされたラスタイメージを前記像形成手段に出力する出力手段とを具備し、前記第1解像度は、前記第2解像度の半分以上で且つ前記第2解像度よりも低いことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る画像処理装置の第3の構成は、上述の第1の構成または第2の構成において、前記細線化手段が細線化を行うときの前記画素群は、検査される画素と当該画素を中心として周囲を取り囲む周辺画素とからなる、3行3列の画素群であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る画像形成装置は、上述の画像処理装置と、前記画像処理装置から出力されたラスタイメージに基づき前記所定の解像度で像を形成する像形成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の構成または第2の構成に係る画像処理装置によれば、本構成を有しない場合と比較して、斜線画像を細線化した場合であっても、その画像が途切れたり消えたりする可能性を小さくすることができる。
また、本発明の第3の構成に係る画像処理装置よれば、細線化処理が最小のウィンドウサイズである3行3列で実現できるので、細線化処理の負荷を抑制することができる。
また、本発明の画像形成装置によれば、本構成を有しない場合と比較して、斜線画像を細線化した場合であっても、その画像が途切れたり消えたりする可能性を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
[A.第一実施形態]
[A−1.構成]
図1は、本発明の第一実施形態に係る画像形成装置1の構造を示す図である。
同図に示すように、画像形成装置1は、用紙収容部12と、画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、定着部15を備えている。これらの各構成は、後述する制御部1020によって制御され、像形成手段として機能する。この像形成手段が形成する像の解像度は、例えば2400dpiである。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。用紙収容部12は、A3やA4などの所定サイズにカットされた用紙を収容する。用紙収容部12に収容されている用紙は、ピックアップローラなどにより1枚ずつ取り出され、用紙搬送路を経由して転写部14へと搬送される。
【0020】
画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kは、それぞれ、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、一次転写ロール及びクリーニング部材を備えており、対応する色のトナー(色材)を用いて画像データに応じたトナー像を形成し、転写部14の中間転写ベルト141に重ねて転写する。転写部14は、中間転写ベルト141と、二次転写ロール142と、中間転写ベルト141を挟んで二次転写ロール142と対向する対向ロール143とを備えており、画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kによって形成されたトナー像を用紙に転写する転写手段である。中間転写ベルト141は、図示せぬ駆動ロールによって図中のA方向に周回させられており、画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kによってトナー像が重ねて転写されると、そのトナー像を二次転写ロール142及び対向ロール143の位置へと搬送する。二次転写ロール142は、中間転写ベルト141との電位差によって、中間転写ベルト141上のトナー像を用紙収容部12から搬送されてきた用紙に転写させる。中間転写ベルト141からトナー像を転写された用紙は、定着部15へ搬送される。
【0021】
定着部15は、加熱ロール151と加圧ロール152とを備え、二次転写ロール142から搬送されてきた用紙を加熱ロール151及び加圧ロール152の間に挟み込み、その用紙に熱と圧力とを加えて、トナー像を用紙に定着させる。加熱ロール151は、その内部にハロゲンランプなどの熱源を有し、用紙表面の温度を約90度に加熱する。加圧ロール152は、加熱ロール151に押し当てられており、加熱ロール151と加圧ロール152との間を通る用紙に圧力を加える。また、加熱ロール151の表面近傍には、金属や樹脂などで形成された剥離部材153が設けられている。加熱ロール151と加圧ロール152によって熱と圧力とが加えられることで定着工程を経た用紙は、この剥離部材153によって加熱ロール151から剥離され、用紙搬送路を形成する2つのガイド154によって排紙口19へと誘導される。
以上が画像形成装置1の構造である。
【0022】
図2は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、コントローラ1000、画像処理部1010、制御部1020、画像メモリ1030、操作部1040、表示部1050、画像形成部1060を備えている。画像形成装置1は、パーソナルコンピュータなどの外部PC2と有線や無線などにより通信可能に接続されており、外部PC2からPDLで記述された画像データ(以下、PDLデータという)を受信する。コントローラ1000は、外部PC2から受信したPDLデータに基づいてラスタライズを行って1200dpiのラスタイメージを生成し、そのラスタイメージを画像処理部1010へ出力する。すなわち、コントローラ1000は、ラスタイメージ生成手段である。画像処理部1010の解像度変換部1012は、コントローラ1000によって出力される1200dpiのラスタイメージを2400dpiのラスタイメージに解像度変換して画像メモリ1030に出力する。
【0023】
画像メモリ1030は解像度変換部1012が出力した2400dpiのラスタイメージを記憶する。画像処理部1010の細線化処理部1014は、画像メモリ1030に記憶された2400dpiのラスタイメージに対し、上述したウィンドウサイズw=3のウィンドウを用いてHilditchの細線化アルゴリズムに基づく細線化処理を行う。なお、ここでは、コントローラ1000が出力するラスタイメージの解像度(以下、第1解像度という)は1200dpiであり、細線化処理部1014が細線化処理を行うラスタイメージの解像度(以下、第2解像度という)である2400dpiの半分であるが、第1解像度は、第2解像度よりも低ければ、第2解像度の半分より高くてもよい。
制御部1020は、CPU(Central Processing Unit)などであり、画像形成装置1の各部を制御する。表示部1050は、例えば液晶ディスプレイ装置であり、制御部1020から与えられるデータに基づいて利用者との対話画面や各種の情報を表示する。操作部1040はボタンやスイッチなどを備えており、利用者による操作を受け付けてその操作内容に応じた信号を制御部1020に供給する。画像形成部1060は、上述した用紙収容部12と、画像形成ユニット13Y,13M,13C,13Kと、転写部14と、定着部15などを含み、制御部1020によって画像メモリ1030から読み出され転送されたラスタイメージに基づいて画像形成処理を行い、記録材(例えば用紙など)の表面に画像を形成する。
【0024】
[A−2.動作]
次に、第一実施形態の画像形成装置1の動作と、画像形成装置1によって奏される効果について説明する。
図3は、この画像形成装置1の処理の流れを示すフロー図である。まず、画像形成装置1のコントローラ1000は、外部PC2からPDLデータを受け取ると、ラスタライズを行って、像形成手段の解像度2400dpiの半分以上で且つその解像度よりも低い解像度、ここではちょうど半分の1200dpiのラスタイメージを生成する(ステップSa01)。これにより得られた1200dpiのラスタイメージは、画像形成装置1の画像処理部1010に送られ、解像度変換部1012によって、像形成手段の解像度である2400dpiのラスタイメージに変換される(ステップSa02)。そして、このラスタイメージは、画像処理部1010の細線化処理部1014によって、細線化処理が施され(ステップSa03)、画像メモリ1030に記憶された後、制御部1020の制御の下、画像形成部1060に送られて画像形成処理が行われる(ステップSa04)。
【0025】
ここで、コントローラ1000によって得られる1200dpiでラスタライズされたラスタイメージと、これよりも低解像度である600dpiでラスタライズされたラスタイメージの違いについて説明する。
図4(a)は、まず、600dpiで1画素分の幅を有する斜線を600dpiでラスタライズし、次に、2400dpiに解像度変換した場合のラスタイメージを示す図である。この図において、太線の格子は600dpiの画素を示し、実線の格子は2400dpiの画素を示している。600dpiからその4倍の2400dpiへと解像度変換しているため、図4(a)に示すように、このラスタイメージのエッジサイズeは「4」である。
一方、図4(b)は、まず、600dpiで1画素分の幅を有する斜線を1200dpiでラスタライズし、次に、2400dpiに解像度変換した場合のラスタイメージを示す図である。図4(b)において斜線で示す部分は、図4(a)のラスタイメージと異なる部分であり、黒画素を示している。ここでは、1200dpiからその2倍の2400dpiへと解像度変換しているため、このラスタイメージのエッジサイズeは図4(b)に示すように「2」である。このように、細線化処理に用いる解像度(2400dpi)の半分よりも小さい解像度(600dpi)にラスタライズしてから、細線化処理に用いる解像度(2400dpi)に解像度変換すると、エッジサイズe=4となるのに対し、細線化処理を行うラスタイメージの解像度の半分(1200dpi)の解像度でラスタライズしてから、細線化処理に用いる解像度(2400dpi)に解像度変換をすると、エッジサイズe=2となる。第一実施形態の画像形成装置1の細線化処理においては、ウィンドウサイズw=3のウィンドウで細線化を行うから、ウィンドウサイズw>エッジサイズeの関係となる。
【0026】
ここで、ウィンドウサイズw>エッジサイズeという関係にする理由と、ラスタライズの解像度を、細線化処理を行うラスタイメージの解像度の半分以上にしている理由について説明する。
まず、ウィンドウサイズw>エッジサイズeという関係にする理由は以下のとおりである。
図4(c)は、エッジサイズe=4の斜線画像を表している。この斜線画像の1画素は600dpiにおける1画素であるから、2400dpiに解像度変換されると、4画素×4画素、すなわち16画素になる。この2400dpiのラスタイメージに対してウィンドウサイズw=3のウィンドウで、例えば主走査方向及び副走査方向のそれぞれと45°の角度をなす斜線画像に対して細線化処理を行うと、図4(c)に示す太枠にウィンドウがある場合には、注目画素の上にある3つの画素全てが白画素になるので、注目画素が斜線画像の一部であることがわからなくなる。すなわち、検査する注目画素の位置によっては、ウィンドウ内の黒画素が斜線画像の一部をなすのか縦線画像または横線画像の一部をなすのかを区別することが出来ない場合がある。そうすると、細線化処理部1014は、ウィンドウの中心にある注目画素をどの方向に細線化するべきかを特定することができない。
【0027】
一方、図4(d)は、エッジサイズe=2の斜線画像を表している。この斜線画像の1画素は1200dpiにおける1画素であるから、2400dpiに解像度変換されると、2画素×2画素、すなわち4画素になる。この2400dpiのラスタイメージに対してウィンドウサイズw=3のウィンドウで、例えば主走査方向及び副走査方向のそれぞれと45°の角度をなす斜線画像に対して細線化処理を行うと、図4(d)に示す太枠、すなわち、上述の図4(c)と同じ位置にあるウィンドウにおいて、注目画素の左上の画素は黒画素であるから、このウィンドウ内の黒画素が斜線画像の一部をなすものであることを明確にすることが出来る。そして、図4(c)においては、ウィンドウの注目画素は横線画像を構成する画素と区別がつかないため、横線画像の場合と同様の方向に細線化されるが、図4(d)においては、このようなことがなく、適切な方向に細線化される。このように、ウィンドウサイズw>エッジサイズeの関係にあると、ウィンドウで検査される黒画素を細線化する方向を適切に特定することができる。
【0028】
次に、ラスタライズの解像度を、細線化処理を行うラスタイメージの解像度の半分以上にしている理由について説明する。
図4(e)は、画素の頂点Grのみで互いに接する黒画素を示した図である。なお、ここでいう画素の頂点とは、ラスタイメージを格子に対応させた場合における格子の交点をいう。このようにその頂点のみで互いに接する黒画素が存在すると、細線化処理において、図に示すように、図中左上の4つ黒画素は矢線T1方向へ、図中右下の黒画素は矢線T2方向へ細線化されることとなり、頂点Grに接している黒画素が細線化によって白画素に置換されやすくなるため、斜線画像は頂点Grの位置で途切れる可能性が高くなる。
ある解像度において、主走査方向及び副走査方向のそれぞれと45°の角度をなす斜線画像を表現する場合、表現できる限界の線幅は、その解像度における1画素分の幅までである。例えば、600dpiでラスタライズすると、600dpiにおいて1画素分の幅を有する斜線画像は、図4(e)に示すように、画素の頂点のみで互いに接する黒画素で構成されることになる。一方、同じ幅(600dpiにおいて1画素分の幅)の斜線画像を1200dpiでラスタライズすれば、黒画素は画素の頂点のみではなく、その辺でも互いに接する。したがって、これを細線化した場合にあっても、斜線画像は途切れる可能性が低くなる。
このように、ラスタライズの解像度を、細線化処理を行うラスタイメージの解像度の半分以上にすると、同じ線幅の斜線画像に対する細線化処理において、その斜線画像が途切れる可能性を低減させることができる。
【0029】
図5は、第一実施形態の画像形成装置1による細線化の結果を示す図である。
図5(a)は、600dpiでラスタライズした斜線画像のラスタイメージを示す図である。図5(b)は、第一実施形態の画像形成装置1により1200dpiでラスタライズした斜線画像のラスタイメージを示す図である。そして、図5(c)は、図5(b)のラスタイメージに対し、Hilditchの細線化アルゴリズムに基づく細線化処理を一回施したラスタイメージを示す図であり、図5(d)は、さらに図5(c)に対して、この細線化処理を施したラスタイメージを示す図である。このように、第一実施形態の画像形成装置1は、Hilditchの細線化アルゴリズムに基づく細線化を行っても、斜線画像が途切れないことがわかる。これは、上述したように、細線化処理においてウィンドウサイズw>エッジサイズeの関係があるので、第一実施形態の画像形成装置1は、ウィンドウで検査される黒画素を細線化する方向を特定することができ、これに対して適切な細線化を施すことができるからである。また、図4(b)において斜線で示す部分があることにより、画素の頂点のみで互いに接する黒画素が存在しなくなっているから、斜線画像に対して細線化を行っても、斜線が途切れる可能性を低くすることができるからである。
また、第一実施形態の画像形成装置1は、像形成手段の解像度である第2解像度(2400dpi)よりも低い第1解像度(1200dpi)でラスタライズするので、第2解像度でラスタライズするような画像形成装置に比べると、コントローラ1000が取り扱うデータのデータ量が少なくてすむ。したがって、コントローラ1000のラスタライズ処理の負荷が小さくなり、同じ時間でラスタライズ可能なデータの量が増えるため、第2解像度でラスタライズするような画像形成装置に比べて、より多いPDLデータを迅速にラスタライズすることが可能となる。
【0030】
[B.第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る画像形成装置1を説明する。以下、第一実施形態と共通する構成については、共通の符号を付し、説明を省略する。
[B−1.構成]
図6は、第二実施形態における画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
第二実施形態の画像形成装置1は、第一実施形態のコントローラ1000に替えて、コントローラ1001を、画像処理部1010に替えて、画像処理部1011をそれぞれ備えている。コントローラ1001は、第一実施形態のコントローラ1000と同じくラスタイメージ生成手段ではあるが、外部PC2から受け取ったPDLデータに基づいて生成するラスタイメージの解像度が600dpiである点において、コントローラ1000と異なっている。画像処理部1011は、第一実施形態の解像度変換部1012に替えて、パターンマッチング部1013を備えている。パターンマッチング部1013は、パターン記憶部10130を有している。このパターン記憶部10130は、予め定めた複数の画素の配置パターンと、像形成手段の解像度である2400dpiのラスタイメージとの対応関係を記憶する対応関係記憶手段である。このパターン記憶部10130が記憶するラスタイメージの最小単位は、2400dpiの1画素である。そして、パターンマッチング部1013は、上述した600dpiのラスタイメージを画素毎に検査し、これらの画素とその周辺の画素の組み合わせが一致するパターンを、上述したパターン記憶部10130に記憶されたパターンから抽出して、その画素を、抽出したパターンに対応するラスタイメージで置き換えてから、画像メモリ1030に出力する。すなわち、パターンマッチング部1013は、ラスタイメージ生成手段であるコントローラ1001により生成された第1解像度のラスタイメージの各画素及びその周辺の画素の配置パターンと、対応関係記憶手段に記憶されている配置パターンとを照合し、第1解像度のラスタイメージを、当該ラスタイメージに一致する配置パターンに対応付けられた第2解像度のラスタイメージに置換するパターン置換手段である。
【0031】
[B−2.動作]
次に、第二実施形態における画像形成装置1の動作について説明する。
図7は、第二実施形態における画像形成装置1の処理の流れを示すフロー図である。第二実施形態の画像形成装置1は、第一実施形態のラスタライズ(ステップSa01)に替えて、上述したように、600dpiでラスタライズを行う(ステップSb01)。また、第二実施形態の画像形成装置1は、第一実施形態の解像度変換(ステップSa02)に替えて、パターンマッチングを行う(ステップSb02)。
【0032】
ここで、パターンマッチングについて説明する。上述のパターンマッチング部1013は、コントローラ1001によって出力された600dpiのラスタイメージを受け取る。そして、パターンマッチング部1013は、このラスタイメージを画素毎に検査し、これらの画素とその周辺の画素の組み合わせが一致するパターンを、パターン記憶部10130に記憶されたパターンから抽出して、その画素を、抽出したパターンに対応するラスタイメージで置き換えてから、画像メモリ1030に出力する。
【0033】
図8(a)は、この600dpiのラスタイメージの一例を示す図である。この図に示すように、600dpiの1画素分の幅を有する斜線画像は、コントローラ1001によって黒画素同士が互いの頂点のみで接するラスタイメージに変換されている。一方、図8(c)は、パターンマッチング部1013のパターン記憶部10130が記憶するパターンの一例を示す図である。また、図8(d)は、図8(c)に示すパターンとパターン記憶部10130において、対応付けて記憶されている2400dpiのラスタイメージである。この図8(c)の格子は600dpiの画素を示しており、中心が注目画素で、0は白画素、1は黒画素、Xは白画素であっても黒画素であってもよい画素を示している。パターンマッチング部1013は、上述のラスタイメージに含まれる各画素を検査して、検査した画素を中心とする3画素×3画素が図8(c)に示すようなパターンと一致すると、その画素を図8(d)に示す2400dpiにおける4画素×4画素のラスタイメージに置き換える。
【0034】
このようにして、パターンマッチング部1013によるパターンマッチングがなされることにより、図8(a)のラスタイメージは、図8(b)に示すようなラスタイメージへと変換される。この図8(b)において斜線で示した部分は、図8(a)のラスタイメージと異なる部分であり、黒画素を示している。図8(a)のラスタイメージは、その全ての画素がパターンマッチング部1013によって2400dpiのラスタイメージに置き換えられているため、図8(b)に示すラスタイメージの最小単位は2400dpiの1画素である。したがって、図8(b)に示すラスタイメージのエッジサイズeは「1」である。そして、第二実施形態の画像形成装置1の細線化処理においては、ウィンドウサイズw=3のウィンドウで細線化を行うから、ウィンドウサイズw>エッジサイズeの関係にある。
【0035】
図9は、第二実施形態の画像形成装置1による細線化の結果を示す図である。図9(a)は、コントローラ1001によって600dpiのラスタライズが施された斜線画像のラスタイメージを示す図である。図9(b)は、上述したパターンマッチング部1013によるパターンマッチングがなされた後のラスタイメージを示す図である。そして、図9(c)は、図9(b)のラスタイメージに対し、Hilditchの細線化アルゴリズムに基づく細線化処理を一回施したラスタイメージを示す図であり、図9(d)は、さらに図9(c)に対して、この細線化処理を施したラスタイメージを示す図である。このように、第二実施形態の画像形成装置1は、図9(a)のラスタイメージをパターンマッチングによって、図9(b)のラスタイメージに変換した後に細線化処理を行うため、斜線画像が途切れないことがわかる。これは、第一実施形態と同様、第二実施形態の画像形成装置1においても、細線化処理においてウィンドウサイズw>エッジサイズeの関係があるからである。また、図8(b)において斜線で示した部分があることにより、画素の頂点のみで互いに接する黒画素が存在しなくなっているからである。
【0036】
このように、本発明の第一実施形態および第二実施形態の画像形成装置1は、細線化処理前のラスタイメージのエッジサイズeを2以下にするため、最小のウィンドウサイズw=3で細線化処理をしても、細線化を適切に行うことができる。また、画素の頂点のみで互いに接する黒画素を減らすことができるので、細線化後の斜線画像が途切れる可能性を減らすことができる。また、ウィンドウサイズwとして最小である「3」を用いることができるため、処理規模を小さくすることができ、画像処理装置の負荷を抑えることができる。また、画像の細線化とパターンマッチングとを分離して行い、パターンマッチングによる細線化を行っていないため、細線化のために膨大なパターンを作成する必要がない。また、コントローラは、受け取ったPDLデータを、細線化処理前の解像度よりも小さい解像度にラスタライズするため、コントローラの負荷を抑えることができ、外部装置からのPDLデータの受信を迅速に行うことができる。
【0037】
図10は、上記の第一実施形態の画像形成装置1により形成した画像の線幅を計測した結果を示す図である。ここでは、600dpiにおいて1画素分の幅を有する画像を、種々の方法で記録材の表面に形成して、その線幅を測定した。600dpiで1画素分の幅とは、1インチを25.4mmとすると、約42μmに相当する。オフセット印刷では、この線幅の実測結果は62μmであったのに対し、細線化処理を施さない電子写真方式の場合には、95μmであった。すなわち、細線化処理を施さない電子写真方式で、600dpiで1画素分の幅を有する線を印刷すると、本来の幅の倍以上の幅に印刷されることが分かる。一方、本実施形態の細線化処理を施した電子写真方式の場合には、この線幅の実測結果は71μmであった。すなわち、本実施形態の細線化処理を施すことによって、電子写真方式であっても、オフセット印刷とほぼ同等の画像を形成することができる。
【0038】
[C.変形例]
上述した実施形態を次の例のように変形してもよい。また、これらの変形例を適宜組み合わせてもよい。
(1)上述した実施形態では、コントローラ1000またはコントローラ1001は、外部PC2から受け取ったPDLデータをラスタライズしていたが、これらのコントローラは、外部PC2以外からPDLデータを受け取ってもよい。例えば、原画像を読み取ってPDLデータを出力する画像読取装置からPDLデータを受け取ってもよい。
【0039】
(2)また、上述した実施形態では、コントローラ1000またはコントローラ1001は、PDLデータを受け取っていたが、これらのコントローラが受け取るデータはPDLデータでなくてもよい。すなわち、第一実施形態のコントローラ1000においては、細線化処理に用いる解像度よりも小さい解像度のラスタイメージを生成するのであれば、入力するデータはPDLデータでなくてもよく、また、第二実施形態のコントローラ1001においては、パターンマッチングに用いる解像度と同じ解像度のラスタイメージを出力するのであれば、入力するデータはPDLデータでなくてもよい。例えば、コントローラは、入力されたデータを自動的に検知して、PDLデータであれば上述したラスタライズを行い、ラスタイメージであれば、必要に応じて解像度変換を行って、所定の解像度のラスタイメージを生成して出力すればよい。
【0040】
(3)また、上述した実施形態では、画像形成装置1は、細線化処理において、Hilditchの細線化アルゴリズムを用いていたが、他の細線化アルゴリズムを用いてもよい。例えば、上述した収縮アルゴリズムを用いてもよい。細線化処理に収縮アルゴリズムを用いても、第一実施形態の場合には、第1解像度は、第2解像度の半分の解像度と同じか、それよりも高い解像度であり、第二実施形態の場合には、パターンマッチング部1013によって出力されたラスタイメージのエッジサイズeは、ウィンドウサイズwよりも小さいので、細線化処理部1014は、検査する黒画素に対して適切な細線化を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第一実施形態に係る画像形成装置の構造的構成を示す図である。
【図2】第一実施形態に係る画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】第一実施形態に係る画像形成装置の処理の流れを示すフロー図である。
【図4】600dpiで1画素分の幅を有する斜線画像をラスタライズしたラスタイメージを示す図である。
【図5】第一実施形態の画像形成装置による細線化の結果を示す図である。
【図6】第二実施形態における画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】第二実施形態における画像形成装置の処理の流れを示すフロー図である。
【図8】第二実施形態における600dpiのラスタイメージの一例と、これに対して施すパターンマッチングを説明するための図である。
【図9】第二実施形態の画像形成装置による細線化の結果を示す図である。
【図10】本発明の画像形成装置により形成した画像を実測した結果を示す図である。
【図11】従来技術において、一般的な細線化処理またはパターンマッチング処理の流れを示したフロー図である。
【図12】細線化処理に用いるウィンドウおよび細線化処理の方法を説明するための図である。
【図13】600dpiで1画素分の幅を有する縦線画像、横線画像、斜線画像を、収縮アルゴリズムによって細線化した結果を示す図である。
【図14】600dpiで1画素分の幅を有する縦線画像、横線画像、斜線画像を、Hilditchの細線化アルゴリズムによって細線化した結果を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…画像形成装置、1000,1001…コントローラ、1010,1011…画像処理部、1012…解像度変換部、1013…パターンマッチング部、10130…パターン記憶部、1014…細線化処理部、1020…制御部、1030…画像メモリ、1040…操作部、1050…表示部、1060…画像形成部、12…用紙収容部、14…転写部、141…中間転写ベルト、142…二次転写ロール、143…対向ロール、15…定着部、151…加熱ロール、152…加圧ロール、153…剥離部材、154…ガイド、19…排紙口、2…外部PC。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラスタイメージに基づき所定の解像度で像を形成する像形成手段に対し、当該ラスタイメージを出力する画像処理装置であって、
前記所定の解像度よりも低い第1解像度のラスタイメージを生成するラスタイメージ生成手段と、
前記第1解像度における複数の画素の配置パターンと、前記所定の解像度である第2解像度のラスタイメージとの対応関係を記憶する対応関係記憶手段と、
前記ラスタイメージ生成手段により生成された前記第1解像度のラスタイメージの各画素及びその周辺の画素の配置パターンと、前記対応関係記憶手段に記憶されている配置パターンとを照合し、前記第1解像度のラスタイメージを、当該ラスタイメージに一致する配置パターンに対応付けられた前記第2解像度のラスタイメージに置換するパターン置換手段と、
前記パターン置換手段によって得られた前記第2解像度のラスタイメージを画素毎に検査し、当該画素及びその周辺の画素からなる画素群が所定の条件を満たしている場合には、当該画素を異なる色の画素に置換して画像の細線化を行う細線化手段と、
前記細線化手段による細線化がなされたラスタイメージを前記像形成手段に出力する出力手段と
を具備し、
前記パターン置換手段によって得られる前記第2解像度のラスタイメージにおいて最小単位となる画像の一辺の画素数が、前記細線化手段が細線化を行うときの前記画素群の一辺の画素数よりも少ない
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
ラスタイメージに基づき所定の解像度で像を形成する像形成手段に対し、当該ラスタイメージを出力する画像処理装置であって、
前記所定の解像度よりも低い第1解像度のラスタイメージを生成するラスタイメージ生成手段と、
前記ラスタイメージ生成手段によって生成された前記第1解像度のラスタイメージを、前記所定の解像度である第2解像度のラスタイメージに変換する解像度変換手段と、
前記解像度変換手段によって得られた前記第2解像度のラスタイメージを画素毎に検査し、当該画素及びその周辺の画素からなる画素群が所定の条件を満たしている場合には、当該画素を異なる色の画素に置換して画像の細線化を行う細線化手段と、
前記細線化手段による細線化がなされたラスタイメージを前記像形成手段に出力する出力手段と
を具備し、
前記第1解像度は、前記第2解像度の半分以上で且つ前記第2解像度よりも低い
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記細線化手段が細線化を行うときの前記画素群は、検査される画素と当該画素を中心として周囲を取り囲む周辺画素とからなる、3行3列の画素群である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置と、
前記画像処理装置から出力されたラスタイメージに基づき前記所定の解像度で像を形成する像形成手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−211376(P2009−211376A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53324(P2008−53324)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】