説明

画像処理装置及びその制御方法並びにプログラム

【課題】受信したUI設定データに含まれる機能を実行できない画像処理装置において、当該機能を他の画像処理装置で代行させることにより実行させることができ、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】他の画像処理装置からUI設定データを受信し、受信したUI画面設定データに含まれる機能を実行可能かどうかを判定し、その機能が実行可能でないと判定すると、当該機能を実行可能な画像処理装置を検索し(S1001)、その検索された画像処理装置に、その機能を代行させるよう設定を変更する(S1006)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された複数の画像処理装置間でUI設定データを送受信する画像処理システムと画像処理装置及びその制御方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やファクシミリ装置などの画像処理装置は、各装置がそれぞれ単体で各種機能を提供することが一般的であった。これに対してネットワークを介して接続可能な多機能処理装置(MFP)が登場し、これらMFP同士を接続して画像処理システムを構築することが知られている。例えば、一方のMFPのスキャナ機能によって原稿を読み取って得た画像データを、他方のMFPのFAX機能を用いて送信させることにより、FAX機能を持たない装置を操作してのFAX送信が可能になった。また、MFPがネットワークに接続するようになり、ネットワークを介して、例えばユーザ固有のUI設定データを種々のMFPで利用可能になった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−17862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、UI設定データを受信して利用する場合、受信した装置自身が実行可能な機能のみ利用可能となるものであった。そのため、複数の装置を連携させれば実現可能な機能があっても、それを利用できなかった。
【0005】
本発明は上記従来技術の問題点を解決することにある。
【0006】
本願発明の目的は、他の装置から受信したUI設定データに自装置で実行できない機能が含まれていた場合、他の画像処理装置により、その機能を代行させることにより、その受信したUI設定データに基づく機能を使用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明の一態様に係る画像処理装置は以下のような構成を備える。即ち、
ネットワークを介して複数の画像処理装置と接続可能で画像処理を実行する画像処理装置であって、
前記ネットワークを介して他の画像処理装置からUI設定データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信したUI設定データに含まれる機能を実行できるかどうか判定する判定手段と、
前記判定手段により前記機能が実行できないと判定された場合、前記ネットワーク上の当該機能を実行できる画像処理装置を検索する検索手段と、
前記受信手段で受信したUI設定データを、前記検索手段により検索された画像処理装置に前記機能を代行させるための設定に変更する変更手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、受信したUI設定データに含まれる機能を実行できない画像処理装置において、当該機能を他の画像処理装置で代行させることにより実行させることができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を説明する図である。
【図2】本実施形態に係る画像処理装置のソフトウェア構成を説明するブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置を含む画像処理システムの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る画像処理装置の操作部に表示されるインタフェース画面の一例を示す図である。
【図5】本実施形態1に係る操作画面のカスタマイズの一例を説明する図である。
【図6】本実施形態1に係る画像処理装置においてカスタマイズされたファクシミリ機能と、それを他の画像処理装置に配信する例を示す図である。
【図7】本実施形態1に係る画像処理装置においてカスタマイズされたコピー機能と、それを他の画像処理装置に配信する例を示す図である。
【図8】本実施形態1に係る画像処理システムにおいて、第1の画像処理装置から第2の画像処理装置に対してカスタマイズUI画面設定データを送信する処理を説明するフローチャートである。
【図9】本実施形態1に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置による処理を説明するフローチャートである。
【図10】本実施形態1に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置が、そのUI画面に表示される機能を実行できない場合の処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態2に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置が、そのUI画面に表示される機能を実行できない場合の処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態3に係る画像処理システムにおいて、機能を代替できる画像処理装置を検索するときのUI画面の表示例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態3に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置が、そのUI画面に表示される機能を実行できない場合の処理を説明するフローチャートである。
【図14】機能を代替したときのUI画面の表示例を示す図である。
【図15】画像処理装置303が、そのUI画面に表示される機能を送信元の画像処理装置の機能で代行する場合に機能選択ボタンを変更する処理を説明するフローチャートである。
【図16】画像処理装置303が、UI画面に表示される機能を実行できない場合に自装置の登録機能で代行する場合に機能選択ボタンを変更する処理を説明するフローチャートである。
【図17】機能を代替したときのUI画面の他の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成を説明する図である。
【0012】
この画像処理装置はネットワークに接続可能で、スキャナ、ファクシミリ、プリンタ、複写機、及びストレージとして使用可能な多機能処理装置(MFP)である。画像形成部102は、電子写真法等によりシート(記録媒体)に画像を形成(印刷)する。受信部103は、ネットワークなどを介して外部機器からデータを受信する。また送信部104は、ネットワークを介して外部機器にデータを送信する。フィニッシング部105は、画像形成部102で印刷されたシートにステイプルや製本等の後処理を行う。尚、このフィニッシング部105は、この画像処理装置とは別体の装置で構成されていても良い。スキャナ部106は、原稿を読み取って、その原稿の画像データを生成する。操作部(UI)107は、表示部を含むタッチパネル部とキー入力部を有し、ユーザの操作により各機能の指示操作を受付ける。中央処理装置(以下、CPU)108は、この画像処理装置の各部を制御する。記憶装置109は、CPU108により実行されるプログラムや、画像データなどの各種データを記憶する。制御部110は、CPU108や記憶装置109を有し、この画像処理装置全体の動作を制御し、後述する各種機能を提供している。なお、画像処理装置が全ての機能を備える必要はなく、一部の機能のみを有するものであってもよい。
【0013】
図2は、本実施形態に係る画像処理装置のソフトウェア構成を説明するブロック図である。このソフトウェアはCPU108により実行される。
【0014】
この画像処理装置は、機能の全てを制御管理するオペレーティングシステム201(OS)上で動作する。このOS201上で実行するアプリケーションには、操作部107への表示制御を行うアプリケーションの画面制御202と、他の機器とユーザインタフェース(UI)設定のやり取りを行う連携機能203のアプリケーションがある。画面制御202は、ユーザの好みに応じてUIをカスタマイズできるUI編集204と、カスタマイズした画面を表示するUI表示205と、カスタマイズした画面設定と機能を関連付けるUI制御206を有している。連携機能203は、カスタマイズしたUIを他の機器に配信するUI配信207と、他の機器からカスタマイズしたUIを受信するUI受信208と、受信したUIを、この画像処理装置に合わせて変換するUI置換209を有している。
【0015】
図3は、本発明の実施形態に係る画像処理装置を含む画像処理システムの構成を示す図である。
【0016】
画像処理装置301は、ネットワーク302を介して画像処理装置303,305と接続されている。304は、画像処理装置301でカスタマイズされた画面設定を示している。画像処理装置301は、この画面設定304を、例えば画像処理装置303に配信し、画像処理装置303は、この配信された画面設定に基づく画面を表示する。尚、これら画像処理装置301,305は、前述の図1及び図2で説明した画像処理装置と同じ構成を有しているが、画像処理装置303はファクシミリ通信機能、或は画像処理機能や印刷機能を有していないとする。
【0017】
図4は、本発明の実施形態1に係る画像処理装置の操作部に表示されるインタフェース画面の一例を示す図である。
【0018】
図4に示す操作画面例は、この画像処理装置が保持する機能一覧や機能選択ボタン402と、機能登録ボタン403等の複数のボタンを有している。機能選択ボタン402は、この画像処理装置が保持する機能一覧、又はユーザ所望の機能動作プログラムを機能選択ボタンに割当て、それを表示する。図4では機能選択ボタン402として、ファクシミリ機能(Fax)、複写機能(Copy),送信機能(Send)、スキャン機能(Scan)が示されている。この操作画面上でユーザが所望の機能選択ボタン402を押下することで、そのボタンに対応した機能動作プログラムが実行されて、その機能を利用できる。
【0019】
図5は、本実施形態1に係る画像処理装置301による操作画面のカスタマイズの一例を説明する図である。
【0020】
ここでは図4に示す機能選択ボタン402に、ユーザが所望する機能選択ボタンを登録する。この機能登録画面501は、図4の機能登録ボタン403を押下することにより操作部107の表示部に表示される。この機能登録画面501では、ユーザが選択できるように各処理工程と処理候補502が表示される。ユーザは、所望の機能項目にタッチして処理を選択することにより、所望の機能選択ボタンを作成できる。
【0021】
図5は、本実施形態1に係る画像処理装置301におけるファクシミリ機能選択ボタンのカスタマイズの例を示している。510は、送信する画像データを入力する入力先を指定する。511は、その入力した画像データに対して画像処理を行う画像処理装置を指定する。512は、こうして画像処理を実行した画像データを出力する出力処理を実行する画像処理装置を指定する。
【0022】
本実施形態1では、画像データの入力処理には、他の画像処理装置のスキャナにより読み込んだ画像データ、或はこの画像処理装置の記憶装置109に記憶している画像データを指定することができる。また出力処理として、プリント、ファックス送信、他の画像処理装置へ転送、また或は記憶装置109への格納等を設定できる。
【0023】
図6は、本実施形態1に係る画像処理装置301においてカスタマイズされたファクシミリ機能と、それを他の画像処理装置303に配信する例を示す図である。
【0024】
610は、画像処理装置301で設定されたファックス機能を示している。ここではファクシミリ送信を行う場合に、画像データを読み込むスキャナ部601と、取り込んだ画像データを処理する画像処理部602と、ファックス部603が指定されている。
【0025】
こうして画像処理装置301で登録されたファックス機能をカスタマイズUI画面設定データに登録する。そして、そのカスタマイズUI画面設定データを、画像処理装置301から、ファックス送信機能を有していない画像処理装置303に配信する。611が、こうして画像処理装置303に配信されたデータを示している。
【0026】
この場合、画像処理装置303は、画像データを読み込むスキャナ部、取り込んだ画像データを処理する画像処理部を有している。しかしファックス部603に該当する機能を有していないため、その機能を、ネットワークに接続されている他の画像処理装置の機能を利用して代替するための機能代替処理を実行する。
【0027】
具体的には、カスタマイズUI画面設定データに適応するために、ファックス出力機能を有している他の画像処理装置をネットワーク302で検索する。そして該当する装置があれば、カスタマイズUI画面設定データ上にあるファックス部603に対応する処理を、その装置の機能を利用したリモートファックス機能604に置換(変更)する。
【0028】
図7は、本実施形態1に係る画像処理装置301においてカスタマイズされたコピー機能と、それを他の画像処理装置303に配信する他の例を示す図である。
【0029】
画像処理装置301でコピーを行う場合は、画像データを読み込むスキャナ部601と、その取り込んだ画像データを処理する画像処理部602と、画像形成部701を指定することでコピー機能を実現できる。このコピー機能をカスタマイズUI画面設定データに登録し、そのカスタマイズUI画面設定データを、例えば印刷機能と画像処理機能を有していない画像処理装置303に配信する。この場合、画像処理装置303は、画像データを処理する画像処理機能と、その画像データを印刷する機能を有していないとする。このため、それら機能をネットワーク302に接続されている他の画像処理装置の機能を利用して代替するための機能代替処理を実行する。
【0030】
具体的には、カスタマイズUI画面設定データに適応するために、印刷機能と画像処理機能を有している他の画像処理装置をネットワーク302上で検索する。該当する装置があれば、カスタマイズUI画面設定データ上にある画像処理部602と画像形成部701に対応する処理を、その画像処理装置の画像処理機能703とプリント機能704で代替処理するように設定する。
【0031】
図8は、本実施形態1に係る画像処理システムにおいて、第1の画像処理装置から第2の画像処理装置に対してカスタマイズUI画面設定データを送信する処理を説明するフローチャートである。ここでは、第1の画像処理装置に相当する画像処理装置301から第2の画像処理装置に相当する画像処理装置303にUI配信を行う例で説明する。尚、この処理を実行するプログラムは、各画像処理装置の記憶装置109に記憶されており、各画像処理装置のCPU108の制御の下に実行される。
【0032】
まず画像処理装置301では、ステップS801で、カスタマイズUI画面設定データの送信先(ここでは画像処理装置303)を設定する。これによりステップS802で、その設定した画像処理装置303に対して、受信可能かどうかを確認するための送信先確認通メッセージを送信する。これに対してステップS803で、画像処理装置303から受信可能かどうかを示すメッセージを受信する。ここでは受信可能であることを示す受信可能通知を受信するものとする。これにより画像処理装置301は、カスタマイズUI画面設定データを送信するために情報配信モードとなり配信準備を始める(ステップS804)。
【0033】
一方、画像処理装置303は、ステップS805で、受信準備を始める。そして受信準備が完了すると、画像処理装置303から画像処理装置301に開始可能通知メッセージを送信する(ステップS806)。これによりステップS807で、画像処理装置301は画像処理装置303に対してカスタマイズUI画面設定データを送信する。こうしてカスタマイズUI画面設定データの送信が完了すると、ステップS808で画像処理装置301から画像処理装置303に対して送信終了通知を送信する。そして、画像処理装置303がカスタマイズUI画面設定データの受信を終了すると、ステップS809で、受信終了通知を画像処理装置301に送信する。
【0034】
この処理により、画像処理装置301でカスタマイズされたUI画面設定データを他の画像処理装置に送信して、その第2の画像処理装置のUI画面として表示することができる。
【0035】
図9は、本実施形態1に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置による処理を説明するフローチャートである。ここでは、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置303が、自装置で、そのカスタマイズUI画面設定データに含まれる機能を実行できるかを判定し、そうでない場合に他の画像処理装置の機能を利用するように設定するものである。尚、この処理を実行するプログラムは、画像処理装置303の記憶装置109に記憶されており、CPU108の制御の下に実行される。
【0036】
先ずステップS901で、カスタマイズUI画面設定データを正常に受信できたかどうかを判定する。ここで正常に受信できたと判定するとステップS902に進むが、そうでないときは、このカスタマイズUI画面設定データを使用しないように設定して処理を終了する。ステップS902では、受信したカスタマイズUI画面設定データに含まれる機能と、この画像処理装置303が有している機能とを比較し、そのUI画面設定データに含まれる機能を、画像処理装置303単体で実行できるかどうかを判定する。画像処理装置303単体で実行できると判定するとステップS904に進むが、画像処理装置303単体で実行できないと判定するとステップS903に進む。ステップS903では、その不足している機能を、他の画像処理装置の機能で代替する(リモート化する)ように設定する。そしてステップS904で、受信したカスタマイズUI画面設定データに含まれる機能を、この画像処理装置303で利用できるように機能調整を行う。
【0037】
図10は、本実施形態1に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置303が、そのUI画面に表示される機能を実行できない場合の処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムは、各画像処理装置の記憶装置109に記憶されており、各画像処理装置のCPU108の制御の下に実行される。
【0038】
この処理は図9のステップS903のリモート化設定処理により起動される。先ずステップS1001で、受信したカスタマイズUI画面設定データの配布元である画像処理装置301に、画像処理装置303が有していない機能の調査を依頼する。ステップS1002で、画像処理装置301に調査依頼メッセージを送信する。これにより画像処理装置301はステップS1003で、画像処理装置301が有しているその要求された機能を、ネットワーク302を介して画像処理装置303が利用できるか否かを判定する。そしてステップS1004で、その結果を画像処理装置303に返信する。
【0039】
画像処理装置303はステップS1005で、その結果を受信し、画像処理装置303が有していない機能を、画像処理装置301の機能により代替(リモート化)できるかどうかを判断する。ここでリモート化が可能であると判定するとステップS1006に進み、その機能を画像処理装置301の機能で代替するように設定して登録する。即ち、画像処理装置303の機能動作プログラムを起動し、処理を実行する設定を、画像処理装置301に当該機能に対応する処理を実行させるための設定に変更して設定する。この設定には、画像処理装置301を特定する情報(IPアドレス、装置名など)、実行すべき機能を特定する情報が含まれる。ここで設定された機能に対応するボタンが押下されると、画像処理装置303の機能動作プログラムを起動し、当該機能を実行させるのに代え、画像処理装置301に該当機能の実行を依頼する。例えば、画像処理装置303のスキャナ部で原稿を読み取って得た画像データを、画像処理装置301のファクシミリ機能でファクシミリ送信させる。このとき、ファクシミリ送信先を指定する画面は画像処理装置303が画像処理装置301から取得する。一方、ステップS1005で、リモート化が不可能であると判定するとステップS1007に進み、UI画面で、その機能の選択ボタンをユーザが選択できないようにマスクする。
【0040】
以上説明したように本実施形態1によれば、ある画像処理装置(第1の画像処理装置)で作成したUI設定画面を他の画像処理装置(第2の画像処理装置)に送信して、その送信先の画像処理装置のUI画面として表示することができる。このとき第2の画像処理装置で実行できない機能がそのUI画面に含まれていると、その機能を有している他の画像処理装置と連携することにより、その機能を代行させることができる。これにより見かけ上、UI設定画面を表示している画像処理装置が、他の画像処理装置から受信したUI画面に表示している機能を実行できるようになる。
【0041】
[実施形態2]
上述の実施形態1では、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置303が、そのUI画面に表示される機能を実行できないとき、その送信元である画像処理装置301の機能を利用していた。これは送信元の画像処理装置301が当該機能を有している可能性が高いためである。
【0042】
これに対して本実施形態2では、送信元である画像処理装置301の機能を利用できない場合は、予め画像処理装置303に登録されている機能の中に、該当する機能があるかどうかを判定する。即ち、既にネットワーク上の他の画像処理装置と連携させて当該機能の処理を実行するための設定が登録されているか判定する。そして、あると判定されると、その機能を利用する。これにより、送信元の画像処理装置以外を利用した連携処理により当該機能の利用が可能になる。尚、本実施形態2に係る画像処理システム、画像処理装置の構成は前述の実施形態1の場合と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0043】
図11は、本発明の実施形態2に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置303が、そのUI画面に表示される機能を実行できない場合の処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムは、各画像処理装置の記憶装置109に記憶されており、各画像処理装置のCPU108の制御の下に実行される。尚、図11では、図10と共通する部分は同じ記号で示し、それらの処理の説明を省略する。
【0044】
ステップS1005で、画像処理装置301の機能によりリモート化ができないと判定するとステップS1101に進む。ステップS1101では、画像処理装置303に登録されている機能を検索する。そしてステップS1102で、その検索結果を判定し、該当する機能が登録されているとステップS1006に進み、その登録されている機能をリモート機能として、受信したUI画面設定データの設定から変更して登録する。この場合、複数の候補の機能が検索された場合は、ユーザが最適なものを選択して登録するようにしても良い。また、位置情報などの情報によって優先度をつけて登録してもよい。また複数の装置を登録するようにし、当該機能の利用の際に選択するようにしてもよい。一方、ステップS1102で、該当する機能が登録されていないと判断するとステップS1007に進み、そのUI画面の該当する機能選択ボタンをユーザが選択できないようにマスクする等の作業を行う。
【0045】
以上説明したように本実施形態2によれば、ある画像処理装置(第1の画像処理装置)で作成したUI設定画面を他の画像処理装置(第2の画像処理装置)に送信して、その送信先の画像処理装置のUI画面として表示することができる。このとき、第2の画像処理装置で実行できない機能がそのUI画面に含まれていると、その機能を、その第2の画像処理装置に登録されている機能により、その機能を代行させることができる。これにより見かけ上、UI設定画面を表示している画像処理装置が、他の画像処理装置から受信したUI画面に表示している機能を実行できるようになる。
【0046】
[実施形態3]
本発明の実施の形態3では、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置303が、そのUI画面に表示される機能を実行できないとき、ネットワーク302に接続されている他の画像処理装置の検索を実行する。そして、その機能を有している画像処理装置が見つかれば、その画像処理装置の機能により、画像処理装置303が実行できない機能を代替させる。尚、本実施形態3に係る画像処理システム、画像処理装置の構成は前述の実施形態1の場合と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0047】
図12は、本発明の実施形態3に係る画像処理システムにおいて、機能を代替できる画像処理装置を検索するときのUI画面の表示例を示す図である。
【0048】
カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置303は、そのUI画面に含まれている、ある機能を実行できない場合、その機能を有している画像処理装置305をネットワーク上で検索する。そして画像処理装置305が、その機能を有していると、その機能を画像処理装置303の機能として割当てる。ここではネットワークの構成を表示し、検索対象の画像処理装置をこの画面上をタッチすることにより指示することができる。
【0049】
図13は、本発明の実施形態3に係る画像処理システムにおいて、カスタマイズUI画面設定データを受信した画像処理装置303が、そのUI画面に表示される機能を実行できない場合の処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムは、各画像処理装置の記憶装置109に記憶されており、各画像処理装置のCPU108の制御の下に実行される。尚、図13では、図10と共通する部分は同じ記号で示し、それらの処理の説明を省略する。
【0050】
ステップS1005で、リモート化ができないと判定するとステップS1301に進む。ステップS1301では、ネットワーク302上に存在する、前記機能を有している画像処理装置の検索を開始する。そしてステップS1302で、画像処理装置303は、代替機能調査依頼メッセージをネットワーク302上に送信する。この代替機能調査依頼メッセージを受信した画像処理装置305は、画像処理装置305が有している機能を他の画像処理装置により利用できる代替機能を有しているか否かを判定する(ステップS1303)。そしてステップS1304で、その判定結果を画像処理装置303に応答する。
【0051】
これにより画像処理装置303は、ステップS1305で、その判定結果を判断する。ここで画像処理装置305が該当する機能を有していて、その機能を利用できると判定するとステップS1006に進み、画像処理装置305のその機能をリモート機能として、受信したUI画面設定データの設定から変更して登録する。尚、このとき複数の候補が検索された場合は、例えば、ユーザが最適なものを選択し登録する。一方、ステップS1305で、該当する機能をリモート機能として利用できないとき、或はその機能を代行できる画像処理装置が存在しないときはステップS1007に進む。ステップS1007では、その機能に対応する機能選択ボタンをユーザに選択できないように、そのボタンをマスク(選択不能)する(ステップS1007)。
【0052】
以上説明したようにように本実施形態3によれば、ある画像処理装置(第1の画像処理装置)で作成したUI設定画面を他の画像処理装置(第2の画像処理装置)に送信して、その送信先の画像処理装置のUI画面として表示することができる。このとき、第2の画像処理装置で実行できない機能がそのUI画面に含まれていると、その機能を、ネットワークに接続されている他の画像処理装置の機能により、その機能を代行させることができる。これにより見かけ上、UI設定画面を表示している画像処理装置が、他の画像処理装置から受信したUI画面に表示している機能を実行できるようになる。
【0053】
尚、以上の実施形態1〜3では、UI画面設定データを受信し、それに従って画面を表示するものであったが、これに限るものではない。例えば、画像処理装置が備えるハードキーに対する機能の割り当てを、同様に受信したUI用の設定データに従って設定する際に、自装置がその機能を実行できない場合に、他の装置に機能を代行させるような設定とするようにしてもよい。この場合、各ハードキーにどのような割り当てが行われているかは、別途ユーザに通知する仕組みを入れるようにする(例えば、割り当ての内容を印刷する)。
【0054】
[機能代替時の表示例]
図14は、以上の実施形態1〜3のいずれかにおいて、他の画像処理装置により機能を代替させるよう設定したときのUI画面の表示例を示す図である。
【0055】
受信したUI画面設定データに基づく画面を表示する場合、画像処理装置303が実行できない機能があれば前述のように他の装置の機能で代用する。この場合、UI画面の機能選択ボタン402に代用マーク1401を付して表示する。そして、この機能選択ボタン402は、通常の機能選択ボタンと同様に利用できる。ここでは、ファクシミリ機能(Fax)が、他の装置の機能で代替されることが識別可能に表示されている。
【0056】
図15は、画像処理装置303が、操作部107のUI画面に表示される機能を送信元の画像処理装置の機能で代行する場合に機能選択ボタンを変更する処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムは、各画像処理装置の記憶装置109に記憶されており、各画像処理装置のCPU108の制御の下に実行される。尚、図15では、図10と共通する部分は同じ記号で示し、それらの処理の説明を省略する。
【0057】
ステップS1005で、画像処理装置301によるリモート化が可能であると判断するとステップS1006に進み、画像処理装置301の、該当する機能をリモート機能に変更して設定する。このとき複数の候補が検索された場合は、ユーザが最適なものを選択し登録する。また、位置情報などの情報によって優先度をつけて登録してもよい。また複数の装置を登録するようにし、当該機能の利用の際に選択するようにしてもよい。そしてステップS1501に進み、リモート化が設定されたことをユーザに通知するために、リモート化した機能の機能選択ボタンの更新作業をする。具体的には、図14に示すように、該当する機能の選択ボタンに代用マーク1401を付して、その機能が代行されていることを識別可能に表示する。
【0058】
尚、前述の実施形態2,3のように、画像処理装置303に登録されている機能により代行するとき、或はネットワーク上の他の画像処理装置により機能の代行するときも同様に、代用マーク1401を付して表示する。このとき、どの装置により代行させるかも表示可能にしてもよい。
【0059】
図16は、実施形態2のように画像処理装置303が、UI画面に表示される機能を実行できない場合に自装置に既に登録されている機能で代行する場合に機能選択ボタンを変更する処理を説明するフローチャートである。尚、この処理を実行するプログラムは、各画像処理装置の記憶装置109に記憶されており、各画像処理装置のCPU108の制御の下に実行される。尚、図16では、図10と共通する部分は同じ記号で示し、それらの処理の説明を省略する。
【0060】
ステップS1005で、画像処理装置301との間でリモート化が不可能と判断するとステップS1101に進み、画像処理装置303に登録済の機能を検索する。そしてステップS1305で、もし該当する機能があると判定するとステップS1006に進み、リモート機能として変更して設定する。また複数の候補が検索された場合は、例えば、ユーザが最適なものを選択し登録する。そしてステップS1601に進み、代替機能設定がされたことをユーザに通知するために、機能選択ボタンの更新作業をする。ステップS1305で、該当する機能が無いと判断するとステップS1007に進み、その機能を選択する機能選択ボタンをユーザが選択できないようにマスクする。具体的には、図14に示すように、該当する機能の選択ボタンに代用マーク1401を付して表示する。
【0061】
尚、実施形態3のように、自装置単独で該当する機能を実行できない場合に、代行可能なネットワーク上の他の画像処理装置を検索し、検索された装置に代行させるよう変更して設定する場合も、上記と同様の手順で表示を変更する。
【0062】
図17は、機能を代替したときのUI画面の他の表示例を示す図である。
【0063】
ここでは受信したUI画面設定データを適応した場合、画像処理装置303が有していない機能を、他の装置が有する機能で代用するよう変更して設定する。この場合、それを示す代替マーク1701を付した機能選択ボタン402を表示する。ユーザがこれを押下することで、その機能を選択することができる。
【0064】
尚、以上の実施形態では、UI用の設定データを、画像処理装置同士で直接送受信するものとして説明したが、これには限らない。即ち、UI設定データを保持するサーバを設け、このサーバから画像処理装置が受信して使用するようにしてもよい。また、可搬記憶装置にUI設定データを記憶しておき、これから画像処理装置がUI設定データを読み出して使用するようにしてもよい。
【0065】
(他の実施形態)
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムを読み出して実行することによっても達成され得る。その場合、プログラムの機能を有していれば、形態は、プログラムである必要はない。
【0066】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明のクレームでは、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0067】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。その場合、ダウンロードされるのは、本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明のクレームに含まれるものである。
【0068】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される形態以外の形態でも実現可能である。例えば、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0069】
更に、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれるようにしてもよい。この場合、その後で、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して複数の画像処理装置と接続可能で画像処理を実行する画像処理装置であって、
前記ネットワークを介して他の画像処理装置からUI設定データを受信する受信手段と、
前記受信手段で受信したUI設定データに含まれる機能を実行できるかどうか判定する判定手段と、
前記判定手段により前記機能が実行できないと判定された場合、前記ネットワーク上の当該機能を実行できる画像処理装置を検索する検索手段と、
前記受信手段で受信したUI設定データを、前記検索手段により検索された画像処理装置に前記機能を代行させるための設定に変更する変更手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記変更手段は、前記UI設定データの送信元の画像処理装置により前記機能を代行させるための設定に変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記UI設定データは、当該UI設定データの送信元の画像処理装置でカスタマイズされたデータであることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記変更手段により他の画像処理装置に機能を代行させるための設定に変更した場合、前記UI設定データに従って表示される画面に、当該機能が他の画像処理装置で代行されることを識別可能に表示する表示制御手段を、更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記判定手段により前記機能が実行できないと判定され、かつ前記検索手段による検索で当該機能を実行できる他の画像処理装置が見つからなかった場合、当該機能を選択不能にする手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記検索手段により前記判定手段により実行できないと判定された機能を実行できる画像処理装置が複数、検索された場合、当該複数の画像処理装置から前記機能を代行させる画像処理装置を選択する選択手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
ネットワークを介して複数の画像処理装置と接続可能で、画像処理を実行する画像処理装置の制御方法であって、
前記ネットワークを介して他の画像処理装置からUI設定データを受信する受信工程と、
前記受信工程で受信したUI設定データに含まれる機能を実行できるかどうか判定する判定工程と、
前記判定工程で前記機能が実行できないと判定された場合、前記ネットワーク上の当該機能を実行できる画像処理装置を検索する検索工程と、
前記受信工程で受信したUI設定データを、前記検索工程で検索された画像処理装置に前記機能を代行させるための設定に変更する変更工程と、
を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法の各工程を、コンピュータにより実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−193311(P2010−193311A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37054(P2009−37054)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】