画像処理装置,機器情報配信システム,プログラム,および記録媒体
【課題】各画像処理装置への機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行えるようにし、その利用者の作業負担を軽減する。
【解決手段】画像処理装置1200のCPU1304は、コマンドシートの画像情報をスキャナ1202で読み取った際に、その画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,認証パス情報,ログイン情報を抽出し、その抽出したログイン情報が登録された情報と一致した場合に、抽出したコマンドによる一連の処理(機器情報の設定作業)を行い、抽出した認証パス情報によって認証の要否を判断し、認証が不要な場合に上記バーコードを抽出した宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信し、その配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合、その実行結果と当該画像処理装置1200で行ったコマンド処理の実行結果とをマージし、その結果をオペレーションパネル1310上に表示する。
【解決手段】画像処理装置1200のCPU1304は、コマンドシートの画像情報をスキャナ1202で読み取った際に、その画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,認証パス情報,ログイン情報を抽出し、その抽出したログイン情報が登録された情報と一致した場合に、抽出したコマンドによる一連の処理(機器情報の設定作業)を行い、抽出した認証パス情報によって認証の要否を判断し、認証が不要な場合に上記バーコードを抽出した宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信し、その配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合、その実行結果と当該画像処理装置1200で行ったコマンド処理の実行結果とをマージし、その結果をオペレーションパネル1310上に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像読取装置(例えばスキャナ)や画像形成装置(例えばデジタル複写機,デジタル複合機)等の画像処理装置、その画像処理装置を複数台備えた機器情報配信システム、上記画像処理装置を制御するコンピュータに必要な機能(この発明に関わる機能)を実現させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、例えばデジタル複合機(以下「MFP」という)を利用するのに際して、その機能の増加に伴って設定すべき項目が増加し、更に機能の複雑化により特殊な知識が必要とされる傾向がある。
そのため、複数台のMFPを利用する場合、サーバを導入して、その各MFPを一括で管理するといったことがあるが、サーバを導入する程の台数ではない場合、導入コストをかけたくないという利用者も存在する。
【0003】
また、サーバ1台では、何か不具合が生じて動作しなくなった場合には、機能しなくなるといったことも考えられる。そこで、代替用のサーバを構築することも考えられるが、更に導入コストが高くなる。
さらに、サーバを複数人で管理する場合、主で管理を行っている管理者は操作できるが、副で管理を行っている管理者はマニュアルを参照しながら行わないと、サーバを操作できないといった場合もある。
【0004】
このような問題を解消するために、機器情報配信機能と呼ばれるサービスが存在する。機器情報配信機能とは、機器情報が設定済みのMFPから、その機器情報を機器情報の設定を行いたいMFPに対して送信することにより、そのMFPの機器情報の設定を行う機能である。この機能により、MFP1台ずつにユーザが手入力で機器情報を設定する必要がなく、あるMFPに設定された機器情報をその他のMFPに反映させることが可能である。また、ある1台のMFPが定期的に自己の機器情報の一部であるアドレス帳情報等を他のMFPに配信することにより、複数のMFPで常に最新の機器情報を持つこともできる。
【0005】
例えば、特許文献1には、ネットワーク環境下でMFPを取り扱う上で、必要となる環境情報をネットワーク環境下の他のMFP(デバイス)に問い合わせ、獲得した環境情報を元に設定を行い、更に受信した環境情報を受信した側で設定値を反映するかどうかを選択できるようにした技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−323680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の機器情報配信機能では、コマンドは機器(デバイス)内部で電子情報として保持されていた。また、何を設定するか、その項目は予め決められており、コマンドの処理内容を変更することはできなかった。
しかしながら、コマンドが電子情報として管理されていると、一見有形ではないので盗まれにくく安全と思われるが、セキュリティレベルが低く、管理がなされない状態にあるとかえって盗まれる可能性があり、盗まれたことにも気づきにくい傾向がある。また、電子情報として残りの作業(処理)を管理しておくと、後で実施しようと思っていても忘れてしまうといったことが起こり易い。さらに、機器を管理する上では、ある設定に依存せず予め決められていた項目の設定しかできないのでは、その項目以外の項目については、それぞれの機器に対して手入力で作業を行う必要があり不便である。
【0007】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、各画像処理装置への機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行えるようにし、その利用者の作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下の(1)〜(12)に示す画像処理装置、その画像処理装置を含む機器情報配信システム、上記画像処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0009】
(1)他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、原稿としてのコマンドシートの画像情報が上記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、上記デコード手段によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断手段と、該認証要否判断手段によって認証が不要と判断された場合に、上記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記デコード手段によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信手段とを設けたものである。
【0010】
(2)(1)の画像処理装置において、画像情報を印刷媒体に印刷して出力する印刷手段と、認証を不要とする認証パス情報を生成する認証パス情報生成手段と、外部操作によって入力された上記コマンド,上記宛先情報,および上記認証パス情報生成手段によって生成された認証パス情報をバーコードに変換するエンコード手段と、該エンコード手段によって変換されたバーコードを上記印刷手段によって印刷媒体に印刷させ、コマンドシートとして出力させるコマンドシート出力制御手段とを設けたものである。
【0011】
(3)(1)又は(2)の画像処理装置である他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、上記他の画像処理装置からの上記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を上記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたものである。
【0012】
(4)(2)の画像処理装置において、上記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合に、該コマンド処理の実行結果と上記コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果とをマージするコマンド処理実行結果マージ手段と、該コマンド処理実行結果マージ手段によるマージ結果を当該画像処理装置の利用者に通知するマージ結果通知手段とを設けたものである。
【0013】
(5)(3)の画像処理装置において、上記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理のWebサービスが存在しなかった場合に、実行できないサービスがあった旨を当該画像処理装置の利用者に通知する実行不可サービス通知手段を設けたものである。
(6)(3)の画像処理装置において、上記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目が存在しなかった場合に、設定できない旨を当該画像処理装置の利用者に通知する設定不可通知手段を設けたものである。
【0014】
(7)(4)の画像処理装置において、上記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、該配信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定するコマンド処理実行不可判定手段を設け、上記エンコード手段に、上記コマンド処理実行不可判定手段によってコマンド処理を実行できなかったと判定された場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を備えたものである。
【0015】
(8)(4)の画像処理装置において、上記エンコード手段に、上記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から受信した対応するコマンド処理の実行結果がコマンド処理の失敗を示すものであった場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を備えたものである。
【0016】
(9)(2)又は(4)の画像処理装置において、上記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を当該画像処理装置の利用者に通知するデコード結果通知手段と、外部操作によって上記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を修正するコマンド修正手段と、外部操作によって上記コマンド処理実行手段および上記バーコード配信手段による処理を許可する処理許可手段とを設け、上記エンコード手段に、上記コマンド修正手段によって修正されたコマンド,上記デコード手段によって抽出された宛先情報,認証パス情報をバーコードに変換する手段を備えたものである。
【0017】
(10)(1)又は(2)の画像処理装置を複数台備えた機器情報配信システムであって、上記複数台の画像処理装置にそれぞれ、他の画像処理装置からの上記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を上記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたものである。
【0018】
(11)他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、原稿としてのコマンドシートの画像情報が上記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード機能と、該デコード機能によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行機能と、上記デコード機能によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断機能と、該認証要否判断機能によって認証が不要と判断された場合に、上記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記デコード機能によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信機能とを実現させるためのプログラムである。
(12)(11)のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、画像処理装置が、原稿としてのコマンドシートの画像情報が画像読取手段によって読み取られた場合に、その画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出し、その抽出したコマンドによる処理(機器情報の設定作業)を実行し、上記抽出した認証パス情報に基づいて認証の要否を判断して、認証が不要な場合に画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記抽出した宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信することにより、各画像処理装置へのコマンドによる機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行え、その利用者の作業負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態である機器情報配信システムの構成例を示す図である。
この機器情報配信システムは、機器情報配信機能を有する画像形成装置1200と、機器情報受信機能を有する画像形成装置2000,2100とを備えている。それらは、ネットワーク3000を介して相互に通信可能に接続され、ネットワークシステムを構成している。ネットワーク3000としては、有線に限らず、無線のネットワーク、例えば無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)で構成されていても良い。
なお、機器情報配信機能を有する画像形成装置1200が機器情報受信機能を有する場合もあり、機器情報受信機能を有する画像形成装置2000又は2100が機器情報配信機能を有する場合もある。
【0021】
図2は、図1の画像形成装置1200のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、画像形成装置2000又は2100のハードウェア構成も同様なので、その図示および説明は省略する。
この画像形成装置1200は、オペレーションパネル(操作部)1310,ファクス制御部1530,およびエンジン部1350とコントローラ1300のASIC(Application Specific Integrated Circuit)1301とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バス1320等によって接続した構成となる。
【0022】
コントローラ1300は、ASIC1301にRAM1302,HDD(ハードディスク装置)1303等を接続するとともに、このASIC1301とCPU1304とをCPUチップセットのNB(north bridge)1305を介して接続している。このようにNB1305を介して接続する理由は、CPU1304自体のインタフェース(以下「I/F」ともいう)が公開されていないためである。
【0023】
ここで、このASIC1301とNB1305は、単にPCIを介して接続されているのではなく、AGP(Accelerated Graphics Port)1308を介して接続されている。このようにAGP1308を介して接続することとした理由は、この画像形成装置1200が後述する図3のプラットフォーム1220やアプリケーションソフトウェア(以下単に「アプリケーション」又は「アプリ」ともいう)1230を形成する複数のプロセスを実行制御する関係上、これらの低速のPCIを接続したのでは、パフォーマンスが低下するためである。
【0024】
CPU1304は、画像形成装置1200(以下「機器」ともいう)全体の制御を行うものであり、図3のOS1221上でプラットフォーム1220を形成するシステム制御サービス1222,システムリソース管理部1223,エンジン制御サービス1224,メモリ制御サービス1225,操作部制御サービス1226,ファクス(FAX)制御サービス1227,ネットワーク制御サービス1228をそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション1230を形成するプリンタアプリ1211,コピーアプリ1212,ファクスアプリ1213,スキャナアプリ1214,WEBアプリ1215,マーキングアプリ1216を起動して実行させ、装置の制御を行うことにより、この発明に関わる機能を実現することができる。
【0025】
すなわち、この発明に関わるデコード手段,コマンド処理実行手段,認証要否判断手段,バーコード配信手段,認証パス情報生成手段,エンコード手段,コマンドシート出力制御手段,コマンド処理実行結果送信手段,コマンド処理実行結果マージ手段,マージ結果通知手段,実行不可サービス通知手段,設定不可通知手段,コマンド処理実行不可判定手段,デコード結果通知手段,コマンド修正手段,および処理許可手段としての機能を実現することができる。
【0026】
NB1305は、CPU1304とRAM1306,シリアルバス1307,ASIC1301,LANポート1308とを接続するためのブリッジである。
RAM1306は、画像形成装置1200の描画用メモリ(画像メモリ)等として用いるシステムメモリである。
シリアルバス1307は、NB1305とPCIバス1309,周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。
【0027】
RAM1302は、コピー用画像バッファや符号バッファとして用いるローカルメモリである。
ASIC1301は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。
LANポート1308は、LAN(ネットワーク)を介して他の画像形成装置と通信するためのLANケーブルを接続するためのI/F(通信手段)である。
【0028】
HDD1303は、画像データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積を行うためのストレージである。
オペレーションパネル1310は、操作者(機器の利用者)による入力操作(外部操作)の受け付けおよび操作者に向けた表示を行う操作部である。
【0029】
したがって、ASIC1301には、RAM1302を接続するためのRAMインタフェースと、HDD1303を接続するためのハードディスクインタフェースとが設けられ、これらの記憶部に対して画像データの入出力を行う場合には、入出力先がRAMインタフェース又はハードディスクインタフェースに切り替えられる。
AGP1308は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、RAM1306(システムメモリ)に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にする。
【0030】
図3は、図1の画像形成装置1200のソフトウェア(機能)構成例を示すブロック図である。なお、画像形成装置2000又は2100のソフトウェア構成も略同様なので、その図示および説明は省略する。また、以下に示すソフトウェア(プログラム)による処理は、実際にはCPU1304がプログラムに従って動作することによって実行するが、説明の都合上、プログラムが処理を実行するものとする。以後も、プログラムが何らかの処理を行うものとして説明を行う場合には、同様とする。
【0031】
この画像形成装置1200は、図1のエンジン部1350を構成する印刷手段であるプロッタ1201および画像読取手段であるスキャナ1202や、その他のハードウェアリソース1203(ファクシミリ装置等)を備えると共に、プラットフォーム1220とアプリケーション1230とから構成されるソフトウェア群1210、および起動部1240を備えている。
【0032】
起動部1240は、画像形成装置1200の電源投入時に先ず始めに実行され、プラットフォーム1220やアプリケーション1230を起動する。
プラットフォーム1220は、アプリケーション1230からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源の獲得要求を発生させる以下に示すコントロールサービス1250と、1または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービス1250からの獲得要求を調停するシステムリソース管理部1223と、OS1221とを有する。
【0033】
コントロールサービス1250は、複数のサービスモジュールにより形成され、具体的にはシステム制御サービス1222,エンジン制御サービス1224,メモリ制御サービス1225,操作部制御サービス1226,ファクス制御サービス1227,ネットワーク制御サービス1228がある。
なお、プラットフォーム1220は、予め定義された関数によりアプリケーション1230からの処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)1229を有する。
【0034】
OS1221は、UNIX(登録商標)等のオペレーティング・システムであり、プラットフォーム1220およびアプリケーション1230の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。オープンソースのUNIX(登録商標)を用いることにより、プログラムの安全性を確保できるとともに、ネットワーク対応可能となり、ソースコードの入手も容易になる。さらに、OS,TCP/IPのロイヤリティが不要であり、アウトソーシングも容易となる。
【0035】
システムリソース管理部1223は、システム制御サービス1222と共にシステムの制御およびリソース管理を行うものであり、スキャナ1202やプロッタ1201等のエンジン部1350(図2),メモリ(図2のRAM1302,1306),HDDファイル(図2のHDD1303),およびネットワークI/F(図2のLANポート1308)等のハードウェア資源を利用する上位層からの要求に従って調停を行い、実行制御する。
【0036】
具体的には、このシステムリソース管理部1223は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるかどうか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えばプロッタ1201(プリンタエンジン)による紙搬送と作像動作,メモリ確保,ファイル生成等)を直接実施するようにしても良い。
【0037】
システム制御サービス1222は、アプリ管理(機能1),操作部制御(機能2),システム画面表示(ジョブリスト画面,カウンタ表示画面等)(機能3),LED表示(機能4),リソース管理(機能5),割り込みアプリ制御(機能6)等の複数の機能を実現するための制御を行う。具体的には、以下の通りである。
アプリ管理(機能1)では、アプリの登録と、その情報を他のアプリに通知する処理を行う。
操作部制御(機能2)では、アプリの操作部使用権の排他制御を行う。
【0038】
システム画面表示(機能3)では、操作部使用権を持つアプリからの要求に応じて、エンジン部の状態に対応する警告画面の表示を行う。
LED表示(機能4)では、警告LED,アプリキー等のシステムLEDの表示制御を行う。
リソース管理(機能5)では、アプリ(ECS)がジョブを実行するにあたって、排他しなければならないエンジンリソース(スキャナ1202やステープル等)の排他制御のためのサービスを行う。
割り込みアプリ制御(機能6)では、特定のアプリを優先動作させるための制御およびサービスを行う。
【0039】
エンジン制御サービス1224は、プロッタ1201,スキャナ1202,その他ハードウェアリソース1203等のエンジン部1350をエンジンI/F1204経由で制御するものであり、画像読み込みと印刷動作,状態通知,ジャムリカバリ等を行う。
メモリ制御サービス1225は、メモリ制御を行うものであり、具体的には、画像メモリ(図1のRAM1306)の取得および開放、HDD(ハードディスク装置)1303の利用、画像データの圧縮および拡張等を行う。
【0040】
操作部制御サービス1226は、オペレータと本体制御部間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)1310を制御するモジュールであり、オペレータのキー操作イベントを本体制御部に通知する処理、各アプリがGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を構築するためのライブラリ関数を提供する処理、構築されたGUI情報をアプリ別に管理する処理、オペレーションパネル1310上への表示反映処理等を行う。
【0041】
ファクス制御サービス1227は、システムコントローラの各アプリ(アプリケーション1230)からPSTN/ISDN網を使ったファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読取、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPI(Application Program Interface)を提供する。
ネットワーク制御サービス1228は、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのモジュール群であり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。
【0042】
この実施形態において、ネットワーク制御サービス1228は、複数のプロトコルのうちhttpd(Hypertext Transfer Protocol Daemon)によって、インタネットを介して接続されるネットワーク機器とデータ通信をHTTP(Hypertext Transfer Protocol)で制御し、HTTPリクエストヘッダで指定されるWebサービスを関数コールによって起動し、そのWebサービスによる処理結果をHTTPレスポンスで該ネットワーク機器へ通知する。例えば、XML(Extensible Markup Language)によって記述されたメッセージに従って処理を行う。
【0043】
アプリケーション1230は、ページ記述言語(PDL),PCL,およびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ1211と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ1212と、ファクシミリ用アプリケーションであるファクスアプリ1213と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ1214と、ネットファイル用アプリケーションであるWEBアプリ1215と、マーキング用アプリケーションであるマーキングアプリ1216とを有する。
【0044】
この各アプリケーション1211〜1216は、プラットフォーム1220上の各プロセスを利用して動作実行し得るため、画面制御,キー操作制御,およびジョブ生成等を行う画面表示制御プログラムがその主体となる。なお、ネットワーク制御サービス1228により接続されたネットワークを介して新たなアプリケーションをダウンロードし、搭載することもできる。また、各アプリケーションはアプリケーション毎に追加または削除することができる。
Webアプリ1215は、GET METHOD又はPOST METHOD、PUT METHOD、DELETE METHOD、HEAD METHODによるHTTPリクエストを処理して、HTMLを含むHTTPレスポンスを送信するWebサーバとWebサービスアプリケーションインタフェースを備える。
【0045】
マーキングアプリ1216は、オペレーションパネル(操作部)1310から入力されたWebサービスコマンド群やコマンド配信対象の画像形成装置の宛先情報(IPアドレス)等をバーコードに埋め込み変換することや、スキャナアプリ1214によってスキャンされて原稿としてのコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードからそのコマンドシートの作成時に埋め込まれた情報(コマンド等)を抽出してWebサービスのコマンド処理を実行する機能を備える。
このように、画像形成装置1200は、各アプリで共通的に必要となる処理をプラットフォーム1220で一元的に処理する。
【0046】
図4は図1の画像形成装置1200のWebサーバ機能を実現可能なソフトウェア構成例を示すブロック図であり、図3に示したソフトウェアのうちの一部を省略し、Webサーバ機能等を実現するためのソフトウェアを追加している。なお、説明の便宜上、Webサービス提供処理部として、後述するコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部40とサービス一覧取得サービス提供処理部50の2つしか示していないが、更に多くのWebサービス提供処理部を有する構成とすることもできる。また、画像形成装置2000又は2100の機能構成も略同様なので、その図示および説明は省略する。
【0047】
画像形成装置1200は、Webサーバを備えており、主に、Webサービス提供処理部としてコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部40,サービス一覧取得サービス提供処理部50,他Webサービス提供処理部60と、HTTPリクエストとHTTPレスポンスとによるメッセージ交換を制御するWebサーバ10と、HTTPリクエストを生成して送信するWebクライアント20と、マーキングアプリ1216と、オペレーションパネル1310と、プロッタ1201と、スキャナ1202と、アドレス帳等の永続情報を格納するHDD1303とを有する。
【0048】
コマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部40は、コマンドシートの生成を制御するコマンドシート生成制御部41と、コマンドシートの実行を制御するコマンドシート実行制御部42と、認証処理を行わずにWebサービスを実行できる情報を生成する認証パス生成部44と、認証処理をパスするかどうかを判断する認証パス判断部43と、ネットワーク上の画像形成装置を検知するネットワーク機器検知部45とを有する。
マーキングアプリ1216は、実行させたい一連の処理とその付加情報を一つのバーコードにエンコード(変換)するバーコードエンコーダ71と、それによってエンコードされたバーコードをデコードするバーコードデコーダ72とを有する。
【0049】
Webサーバ10は、HTTPに従った通信制御を行うhttpd17と、そのhttpd17が受け取ったHTTPリクエストを処理するHTTPリクエスト処理部13と、HTTPリクエストに応じて適切なWebサービス提供部に処理を振り分けるディスパッチャ12と、全Webサービス提供部から共通に利用されるHTTPリクエストのボディのXML文書を読み取るXMLパーサ11と、HTTPレスポンスのボディにXML文書を書き出すXMLシリアライザ14と、通信の暗号化を行うためのモジュールであるSSLモジュール15と、HTTPレスポンスを生成するHTTPレスポンス生成部16とを有する。
Webクライアント20は、HTTPリクエストを生成するHTTPリクエスト生成部21を有する。
【0050】
図5は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の通信シーケンスを示す図である。
ここでは、利用者1000がオペレーションパネル1310上で画像形成装置1200に対する入力操作を行い、画像形成装置2000および画像形成装置2100に対して同様の機器情報配信を行うためのコマンドシートを作成するシーケンスについて説明する。
【0051】
まず、ステップS5000にて、利用者1000はオペレーションパネル1310上の入力操作によって画像形成装置1200にコマンド化したい作業(処理)項目,機器情報(コマンド等)配信対象の画像形成装置の宛先,および実行可能な利用者(ユーザ)を順番に選択することにより、対応するコマンド,宛先情報,および利用者情報が入力される。この場合の入力画面(設定画面)は、図6に示す通りである。また、利用者1000が入力した情報の一例は、図7に示す通りである。
【0052】
次に、ステップS5001にて、画像形成装置1200では、図4のコマンドシート生成制御部41の命令を受けて認証パス生成部44において認証を不要とする認証パス情報を生成する。
次に、ステップS5002にて、画像形成装置1200が、内部(例えばHDD1303)に保持している公開鍵と機器の証明書を画像形成装置2000へ送信する。このとき、画像形成装置1200は、公開鍵により暗号化された情報を復号化するための秘密鍵を保持している。
【0053】
次に、ステップS5003にて、画像形成装置2000は、内部に保持している共通鍵を公開鍵で暗号化し、画像形成装置1200へ返信する。公開鍵で暗号化されている共通鍵を受信した画像形成装置1200は、秘密鍵で復号化し、画像形成装置2000の共通鍵を取得する。
次に、ステップS5004にて、画像形成装置1200はステップS5003で取得した共通鍵で認証パス情報を暗号化し、画像形成装置2000へ送信する。共通鍵で暗号化されている認証パス情報を受信した画像形成装置2000は、共通鍵で復号化し、認証パス情報を内部に格納する。
【0054】
次に、ステップS5005にて、画像形成装置2000は認証パス情報を受信成功したこと(OK)を画像形成装置1200へ通知する。
次に、ステップS5006にて、画像形成装置1200は、内部に保持している公開鍵と機器の証明書を画像形成装置2100へ送信する。
次に、ステップS5007にて、画像形成装置2100は、内部に保持している共通鍵を公開鍵で暗号化し、画像形成装置1200へ返信する。公開鍵で暗号化されている共通鍵を受信した画像形成装置1200は、秘密鍵で復号化し、画像形成装置2100の共通鍵を取得する。
【0055】
次に、ステップS5008にて、画像形成装置1200はステップS5006で取得した共通鍵で認証パス情報を暗号化し、画像形成装置2100へ送信する。共通鍵で暗号化されている認証パス情報を受信した画像形成装置2100は、共通鍵で復号化し、認証パス情報を内部に格納する。
次に、ステップS5009にて、画像形成装置2100は認証パス情報を受信成功したことを画像形成装置1200へ通知する。
【0056】
次に、ステップS5010にて、画像形成装置1200は、利用者1000によって入力されたコマンド,宛先情報,および利用者情報に加え、自機内で生成された認証パス情報を、図4のコマンドシート生成制御部41の命令を受けてバーコードエンコーダ71にてバーコードに変換する。
次に、ステップS5011にて、画像形成装置1200は、図4のコマンドシート生成制御部41の命令を受けてプロッタ1201にてバーコードを用紙等の印刷媒体に印刷し、その印刷結果をコマンドシートとして出力する。コマンドシートの概観は、図8に示す通りである。
【0057】
図9は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の通信シーケンスを示す図である。
ここでは、利用者1000が図3の画像形成装置1200のスキャナアプリ1214を利用してコマンドシートをスキャンし、画像形成装置2000および画像形成装置2100に対して同様の機器情報配信を実行するシーケンスについて説明する。
まず、ステップS5050にて、利用者1000は画像形成装置1200のオペレーションパネル1310の初期画面上でログイン情報(実行権限を与えるログインID)としてのユーザ名とパスワードを入力してログイン処理を行わせる。初期画面の表示例は、図10に示す通りである。
【0058】
そして、入力されたログイン情報が画像形成装置1200に登録されている(例えばHDD1303に記憶されている)情報と合致していれば、その後の処理を継続し、登録されている情報と合致しない場合には認証失敗として、再度入力を求める。
その後の処理の継続により、ステップS5051にて、利用者1000は、原稿としてのコマンドシートを画像形成装置1200のスキャナ1202にセットし、オペレーションパネル1310上の入力操作により、スキャナ1202にコマンドシートをスキャンさせ、その画像情報(バーコードを含む)を読み取らせる。このとき、図3のスキャナアプリ1214は、スキャンして読み取った画像情報がコマンドシートの画像情報であることを用紙印刷フォーマットから検知し、図4のコマンドシート実行制御部42に対して実行を命令する。
【0059】
次に、ステップS5052にて、図4のコマンドシート実行制御部42から命令を受けてバーコードデコーダ72で先にコマンドシートから読み取った画像情報中のバーコードのデコードを実行し、そのコマンドシートの作成時に埋め込まれた情報(コマンド,宛先情報,認証パス情報,利用者情報)を抽出する。そして、抽出した利用者情報(ログイン情報)が画像形成装置1200に登録されている情報と合致している場合にのみ、その後の処理を継続する。
【0060】
そして、その後の処理の継続により、ステップS5053にて、図4のコマンドシート実行制御部42から命令を受けて抽出したコマンドによる一連の処理(コマンド処理)を実行する。
なお、そのコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目(コマンドによって実行すべき処理のWebサービス、あるいはそのコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目)が存在しなかった場合には、実行できないサービスがあった旨又は設定できない旨を示すエラー情報を利用者1000へ通知し、抽出したコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0061】
また、抽出したコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目が存在しなかった場合のエラー情報の通知方法としては、オペレーションパネル1310に対応する通知画面を表示する他、予め指定されている管理者の使用端末(パーソナルコンピュータ,携帯電話,又は携帯端末等)に対して対応するメールを送ったり、あるいはプロッタ1201に対応する印刷を行わせたりする方法が考えられる。
【0062】
次に、ステップS5054にて、抽出したコマンドによる一連の処理の実行開始時(開始前でもよい)にそのコマンドの内容(デコード結果)をオペレーションパネル1310上に表示させることにより、利用者1000に通知し、抽出したコマンドの内容について利用者1000に確認を行わせる。抽出したコマンドによる一連の処理の実行時のコマンド確認・編集画面の表示例は、図11に示す通りである。
【0063】
ここで、もし、処理を実行するコマンドの内容が意図しているものと異なっている場合には、この画面上で追加又は削除を指示することにより、コマンド内容の修正(編集)を行わせることも可能である。また、修正したコマンド内容から再度コマンドシートを出力することができる。この場合、修正したコマンドと共に、先に抽出した宛先情報および認証パス情報を再びバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0064】
次に、ステップS5055にて、利用者1000から(実際にはオペレーションパネル1310から利用者1000の操作によって)OKが返されたら、抽出したコマンドによる一連の処理の続行を許可し、その処理を続行する。利用者1000からNGが返されたら、処理を中断する。
【0065】
次に、ステップS5056にて、先に抽出した認証パス情報に基づいて認証の要否を判断し、認証が不要な場合に、図4のコマンドシート実行制御部42が先に抽出した宛先情報が示す画像形成装置2000のコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部に対して、先にコマンドシートから読み取った画像情報中のバーコードを送信(配信)する。このとき、デコードしたコマンドではなくバーコードのまま送信するのは、認証パス情報をコマンドと一括で送信する必要があり、通信途中で盗聴され、認証パス情報を悪用されることを防ぐためである。
【0066】
なお、バーコードの送信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、その送信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定し、そのコマンド処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換して別のコマンドシートを出力することができる。この場合、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0067】
次に、ステップS5057にて、画像形成装置2000は画像形成装置1200から受信したバーコードをコマンド実行制御部で受け、バーコードデコーダに命令してデコードを行わせる。
次に、ステップS5058にて、画像形成装置2000はデコードによって抽出したコマンドによる一連の処理を実行する。
【0068】
なお、そのコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目が存在しなかった場合には、実行できないサービスがあった旨又は設定できない旨を示すエラー情報を利用者1000へ通知し、抽出したコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。あるいは、上記エラー情報を画像形成装置1200へ送信する。エラー情報を受信した画像形成装置1200は、そのエラー情報を利用者1000へ通知し、対応するコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0069】
次に、ステップS5059にて、画像形成装置2000は抽出したコマンドによる一連の処理(コマンド処理)の実行結果を画像形成装置1200へ返信する。そのコマンド処理の実行結果を画像形成装置2000が返信する際のHTTP通信例は、図12に示す通りである。
次に、ステップS5060にて、図4のコマンドシート実行制御部42が先に抽出した他の宛先情報が示す画像形成装置2100のコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部に対して、先にコマンドシートから読み取った画像情報中のバーコードを送信する。
【0070】
次に、ステップS5061にて、画像形成装置2100は画像形成装置1200から受信したバーコードをコマンド実行制御部で受け、バーコードデコーダに命令してデコードを行わせる。
次に、ステップS5062にて、画像形成装置2100はデコードによって抽出したコマンドによる一連の処理を実行する。
【0071】
なお、そのコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目が存在しなかった場合には、実行できないサービスがあった旨又は設定できない旨を示すエラー情報を利用者1000へ通知し、抽出したコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。あるいは、上記エラー情報を画像形成装置1200へ送信する。エラー情報を受信した画像形成装置1200は、そのエラー情報を利用者1000へ通知し、対応するコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0072】
次に、ステップS5063にて、画像形成装置2100は抽出したコマンドによる一連の処理(コマンド処理)の実行結果を画像形成装置1200へ返信する。コマンド処理の実行結果を画像形成装置2100が返信する際のHTTP通信例は、図13に示す通りである。
次に、ステップS5064にて、画像形成装置1200は自身と画像形成装置2000と画像形成装置2100の各コマンドによる一連の処理の実行結果をマージする。
次に、ステップS5065にて、画像形成装置1200はオペレーションパネル1310上に各コマンドによる一連の処理の実行結果の内容を表示させることにより、利用者1000へ通知する。オペレーションパネル1310上の各コマンドによる一連の処理の実行結果の表示例は、図14に示す通りである。なお、各コマンドによる一連の処理の実行結果の内容を記録媒体に印刷することにより、利用者1000へ通知するようにしてもよい。
【0073】
図6は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の設定画面を用いた設定作業の操作手順を説明するための図である。
この設定画面(Webサービスのサービス一覧画面)による入力手順は、コマンド化したい作業項目の選択、コマンド配信対象の画像形成装置の宛先(コマンド配信先)の選択、実行権限を与えるログインID(ユーザ)の選択の順になる。なお、作業項目の全リストは、図4のサービス一覧取得サービス提供処理部50によって取得され、コマンド配信対象のネットワーク上の画像形成装置の宛先は図4のネットワーク機器検知部45より検知され、実行権限を与えるログインIDの選択リストは、例えば図1のHDD1303のアドレス帳から読み出される。
【0074】
図7は、コマンドシートのバーコードに埋め込まれる情報の一例を示す図である。
認証パス情報は、図4の認証パス生成部44によって生成されるランダムな文字列からなるものである。その認証パス情報以外の情報は、コマンドシート作成時に利用者1000によって選択される情報である。
図8は、コマンドシートの概観例を示す図である。
コマンドシート上部の表には、利用者1000がどの内容のコマンドシートであるか判断するための情報が記載されている。コマンドシート下部には、2次元バーコードが印刷される。このバーコードの中には、図7に示した情報が埋め込まれている。
【0075】
図10は、図1の画像形成装置1200にログインする時のオペレーションパネル1310の初期画面を用いた入力作業の操作手順を説明するための図である。
利用者1000が、オペレーションパネル1310上の操作によってユーザ名とパスワードをログイン情報として入力し、「ログインボタン」を押下することにより、画像形成装置1200にログイン処理を実行させる。ログイン情報が画像形成装置1200に登録されている情報と合致していれば、その後の処理を継続されるが、登録されている情報と合致しない場合には認証失敗とされ、再度入力を求められる。
【0076】
図11は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の利用者への実行処理内容の確認(コマンド確認)・編集画面の一例を示す図である。
このコマンド確認・編集画面には、コマンドシート作成時に選択されたコマンド(処理)の内容の一覧が表示される。利用者1000は、実行されるコマンドの内容(処理される内容)に間違いがなければ、「YES」ボタンを押下して処理を続行させ、間違いがあれば「NO」ボタンを押下して処理を中断させる。
【0077】
図12は、図1の画像形成装置2000からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
このコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスのボディ部に、XML形式の一種であるAtom Syndication FormatのEntry文書形式でレスポンスが返される。
【0078】
図13は、図1の画像形成装置2100からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
このコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスのボディ部に、XML形式の一種であるAtom Syndication FormatのEntry文書形式でレスポンスが返される。
【0079】
図14は、図1の画像形成装置1200のオペレーションパネル1310上に表示されたコマンド処理の実行結果の表示例を示す図である。
各画像形成装置1200,2000,2100毎に表で各コマンド処理の実行結果の内容とその結果(OK又はNG)が表示される。また、NGの処理に関しては、失敗理由がポップアップ表示される。
【0080】
この実施形態の各画像形成装置によれば、以下の(1)〜(7)に示す作用効果を得ることができる。
(1)原稿としてのコマンドシートの画像情報をスキャナによって読み取った場合に、その画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,認証パス情報,およびログイン情報(実行権限を与えるログインID)を抽出し、その抽出したログイン情報が予め登録された情報と一致した場合にのみ、上記抽出したコマンドによる一連の処理(機器情報の設定作業)を実行し、上記抽出した認証パス情報に基づいて認証の要否を判断して、認証が不要な場合にスキャナによってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記抽出した宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信し、その配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合に、そのコマンド処理の実行結果と当該画像処理装置で行ったコマンド処理の実行結果とをマージし、そのマージ結果を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、各画像処理装置へのコマンドによる機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行え、その利用者の作業負担を軽減することができる。
【0081】
すなわち、従来の予め決められたコマンドに含まれない項目について個々の画像形成装置に手入力で設定を行う必要がなく、またコマンドシートという有形の印刷紙媒体で管理されることにより、盗まれたことや後で実施しようとしていたことに気づきやすくなり、コマンドシートの宛先情報が示すどの画像形成装置からでもコマンドシートをスキャンさせるだけで複雑な操作を全て実行することにより、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者の作業負担を軽減することができる。
【0082】
(2)外部操作によってコマンド,宛先情報,ログイン情報を入力すると共に認証パス情報を生成し、そのコマンド,宛先情報,ログイン情報,および認証パス情報をバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、コマンドシートとして出力することにより、一斉に同様のコマンドの配信を各画像形成装置に対して行うことが可能になり、認証パス情報による処理時間の高速化ならびにログイン情報の入力によるコマンドシートの不正使用を防止できる。
【0083】
(3)抽出したコマンドによって実行すべき処理のWebサービスが存在しなかった場合に、実行できないサービスがあった旨を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、各画像形成装置毎にコマンドによる処理を実行できないWebサービスがあることを利用者が知ることができる。
(4)抽出したコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目が存在しなかった場合に、設定できない旨を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、各画像形成装置毎に設定項目が存在せず設定を行うことができないことを利用者が知ることができる。
【0084】
(5)バーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、その配信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定し、そのコマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、別のコマンドシートとして出力することにより、後でそのコマンドシートの画像情報を読み取ることで、残りの設定作業を実行することができる。また、コマンドシートとして有形にしておくことで、後で設定作業を実行することを忘れ難くすることができる。
【0085】
(6)バーコードの配信先から受信した対応するコマンド処理の実行結果がコマンド処理の失敗を示すものであった場合に、そのコマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、別のコマンドシートとして出力することにより、後でそのコマンドシートの画像情報を読み取ることで、残りの設定作業を実行することができ、利用者は一から全ての設定作業をやり直すことなく失敗した分の作業だけ実行することができる。
【0086】
(7)抽出したコマンドの内容を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、そのコマンドの内容をその利用者が確認でき、そのコマンドの内容に間違い等があった場合に、抽出したコマンドの内容を修正することができる。そして、その修正したコマンドと先に抽出した宛先情報および認証パス情報とをバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、別のコマンドシートとして出力することができる。
【0087】
以上、この発明をスキャナ(画像読取手段)およびプロッタ(印刷手段)を備えたMFP(画像形成装置)に適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、画像読取手段および印刷手段を備えたデジタル複写機やファクシミリ装置等の他の画像形成装置にも適用可能である。また、コマンドシートを出力する機能が必要なければ、スキャナ装置等の画像読取装置や、その機能(画像読取手段)を備えた他の画像処理装置にもこの発明を適用可能である。
【0088】
〔この発明に関わるプログラム〕
このプログラムは、画像処理装置を制御するCPU(コンピュータ)に、この発明に関わる機能であるデコード手段,コマンド処理実行手段,認証要否判断手段,バーコード配信手段,認証パス情報生成手段,エンコード手段,コマンドシート出力制御手段,コマンド処理実行結果送信手段,コマンド処理実行結果マージ手段,マージ結果通知手段,実行不可サービス通知手段,設定不可通知手段,コマンド処理実行不可判定手段,デコード結果通知手段,コマンド修正手段,および処理許可手段としての機能を実現させるためのプログラムであり、このようなプログラムをCPUに実行させることにより、上述したような効果を得ることができる。
【0089】
このようなプログラムは、はじめから画像処理装置に備えるROM、あるいは不揮発性メモリ(フラッシュROM,EEPROM等)、あるいはHDD(ハードディスク装置)などの記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROM、あるいはメモリカード,フレキシブルディスク,MO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−R,DVD−RW,又はDVD−RAM等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置にインストールしてCPUに実行させるか、CPUにそれらの記録媒体からこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手順を実行させることができる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、各画像処理装置へのコマンドによる機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行え、その利用者の作業負担を軽減することができる。この発明を利用すれば、利用者にとって非常に使い勝手のよい画像形成装置や機器情報配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明の一実施形態である機器情報配信システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置1200のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置1200のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】図1の画像形成装置1200のWebサーバ機能を実現可能なソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の通信シーケンスを示す図である。
【0092】
【図6】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の設定画面を用いた設定作業の操作手順を説明するための図である。
【図7】コマンドシートのバーコードに埋め込まれる情報の一例を示す図である。
【図8】コマンドシートの概観例を示す図である。
【図9】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の通信シーケンスを示す図である。
【図10】図1の画像形成装置1200にログインする時のオペレーションパネル1310の初期画面を用いた入力作業の操作手順を説明するための図である。
【0093】
【図11】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の利用者への実行処理内容の確認・編集画面の一例を示す図である。
【図12】図1の画像形成装置2000からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
【図13】図1の画像形成装置2100からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
【図14】画像形成装置1200のオペレーションパネル1310上に表示されたコマンド処理の実行結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
10:Webサーバ 11:XMLパーサ 12:ディスパッチャ
13:HTTPリクエスト処理部 14:XMLシリアライザ
15:SSLモジュール 16:HTTPレスポンス生成部 17:httpd
20:Webクライアント 21:HTTPリクエスト生成部
40:コマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部
41:コマンドシート生成制御部 42:コマンドシート実行制御部
43:認証パス判断部 44:認証パス生成部 45:ネットワーク機器検知部
50:サービス一覧取得サービス提供処理部 60:他Webサービス提供処理部
71:バーコードエンコーダ 72:バーコードデコーダ 1201:プロッタ
1202:スキャナ 1203:その他のハードウェアリソース
1204:エンジンI/F 1210:ソフトウェア群 1211:プリンタアプリ
1212:コピーアプリ 1213:ファクスアプリ 1214:スキャナアプリ
1215:WEBアプリ 1216:マーキングアプリ
1220:プラットフォーム 1221:OS 1222:システム制御サービス
1223:システムリソース管理部 1224:エンジン制御サービス
1225:メモリ制御サービス 1226:操作部制御サービス
1227:ファクス制御サービス 1228:ネットワーク制御サービス
1229:API 1230:アプリケーション 1300:コントローラ
1301:ASIC 1302,1306:RAM 1303:HDD
1304:CPU 1305:NB 1307:シリアルバス
1308:LANポート 1309:PCIバス 1310:オペレーションパネル
1530:ファクス制御部 1350:エンジン部
2000,1200,2100:画像形成装置 3000:ネットワーク
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像読取装置(例えばスキャナ)や画像形成装置(例えばデジタル複写機,デジタル複合機)等の画像処理装置、その画像処理装置を複数台備えた機器情報配信システム、上記画像処理装置を制御するコンピュータに必要な機能(この発明に関わる機能)を実現させるためのプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、例えばデジタル複合機(以下「MFP」という)を利用するのに際して、その機能の増加に伴って設定すべき項目が増加し、更に機能の複雑化により特殊な知識が必要とされる傾向がある。
そのため、複数台のMFPを利用する場合、サーバを導入して、その各MFPを一括で管理するといったことがあるが、サーバを導入する程の台数ではない場合、導入コストをかけたくないという利用者も存在する。
【0003】
また、サーバ1台では、何か不具合が生じて動作しなくなった場合には、機能しなくなるといったことも考えられる。そこで、代替用のサーバを構築することも考えられるが、更に導入コストが高くなる。
さらに、サーバを複数人で管理する場合、主で管理を行っている管理者は操作できるが、副で管理を行っている管理者はマニュアルを参照しながら行わないと、サーバを操作できないといった場合もある。
【0004】
このような問題を解消するために、機器情報配信機能と呼ばれるサービスが存在する。機器情報配信機能とは、機器情報が設定済みのMFPから、その機器情報を機器情報の設定を行いたいMFPに対して送信することにより、そのMFPの機器情報の設定を行う機能である。この機能により、MFP1台ずつにユーザが手入力で機器情報を設定する必要がなく、あるMFPに設定された機器情報をその他のMFPに反映させることが可能である。また、ある1台のMFPが定期的に自己の機器情報の一部であるアドレス帳情報等を他のMFPに配信することにより、複数のMFPで常に最新の機器情報を持つこともできる。
【0005】
例えば、特許文献1には、ネットワーク環境下でMFPを取り扱う上で、必要となる環境情報をネットワーク環境下の他のMFP(デバイス)に問い合わせ、獲得した環境情報を元に設定を行い、更に受信した環境情報を受信した側で設定値を反映するかどうかを選択できるようにした技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−323680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の機器情報配信機能では、コマンドは機器(デバイス)内部で電子情報として保持されていた。また、何を設定するか、その項目は予め決められており、コマンドの処理内容を変更することはできなかった。
しかしながら、コマンドが電子情報として管理されていると、一見有形ではないので盗まれにくく安全と思われるが、セキュリティレベルが低く、管理がなされない状態にあるとかえって盗まれる可能性があり、盗まれたことにも気づきにくい傾向がある。また、電子情報として残りの作業(処理)を管理しておくと、後で実施しようと思っていても忘れてしまうといったことが起こり易い。さらに、機器を管理する上では、ある設定に依存せず予め決められていた項目の設定しかできないのでは、その項目以外の項目については、それぞれの機器に対して手入力で作業を行う必要があり不便である。
【0007】
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、各画像処理装置への機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行えるようにし、その利用者の作業負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記の目的を達成するため、以下の(1)〜(12)に示す画像処理装置、その画像処理装置を含む機器情報配信システム、上記画像処理装置を制御するコンピュータに実行させるプログラム、およびそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0009】
(1)他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、原稿としてのコマンドシートの画像情報が上記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、上記デコード手段によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断手段と、該認証要否判断手段によって認証が不要と判断された場合に、上記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記デコード手段によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信手段とを設けたものである。
【0010】
(2)(1)の画像処理装置において、画像情報を印刷媒体に印刷して出力する印刷手段と、認証を不要とする認証パス情報を生成する認証パス情報生成手段と、外部操作によって入力された上記コマンド,上記宛先情報,および上記認証パス情報生成手段によって生成された認証パス情報をバーコードに変換するエンコード手段と、該エンコード手段によって変換されたバーコードを上記印刷手段によって印刷媒体に印刷させ、コマンドシートとして出力させるコマンドシート出力制御手段とを設けたものである。
【0011】
(3)(1)又は(2)の画像処理装置である他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、上記他の画像処理装置からの上記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を上記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたものである。
【0012】
(4)(2)の画像処理装置において、上記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合に、該コマンド処理の実行結果と上記コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果とをマージするコマンド処理実行結果マージ手段と、該コマンド処理実行結果マージ手段によるマージ結果を当該画像処理装置の利用者に通知するマージ結果通知手段とを設けたものである。
【0013】
(5)(3)の画像処理装置において、上記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理のWebサービスが存在しなかった場合に、実行できないサービスがあった旨を当該画像処理装置の利用者に通知する実行不可サービス通知手段を設けたものである。
(6)(3)の画像処理装置において、上記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目が存在しなかった場合に、設定できない旨を当該画像処理装置の利用者に通知する設定不可通知手段を設けたものである。
【0014】
(7)(4)の画像処理装置において、上記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、該配信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定するコマンド処理実行不可判定手段を設け、上記エンコード手段に、上記コマンド処理実行不可判定手段によってコマンド処理を実行できなかったと判定された場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を備えたものである。
【0015】
(8)(4)の画像処理装置において、上記エンコード手段に、上記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から受信した対応するコマンド処理の実行結果がコマンド処理の失敗を示すものであった場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を備えたものである。
【0016】
(9)(2)又は(4)の画像処理装置において、上記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を当該画像処理装置の利用者に通知するデコード結果通知手段と、外部操作によって上記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を修正するコマンド修正手段と、外部操作によって上記コマンド処理実行手段および上記バーコード配信手段による処理を許可する処理許可手段とを設け、上記エンコード手段に、上記コマンド修正手段によって修正されたコマンド,上記デコード手段によって抽出された宛先情報,認証パス情報をバーコードに変換する手段を備えたものである。
【0017】
(10)(1)又は(2)の画像処理装置を複数台備えた機器情報配信システムであって、上記複数台の画像処理装置にそれぞれ、他の画像処理装置からの上記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を上記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたものである。
【0018】
(11)他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、原稿としてのコマンドシートの画像情報が上記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード機能と、該デコード機能によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行機能と、上記デコード機能によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断機能と、該認証要否判断機能によって認証が不要と判断された場合に、上記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記デコード機能によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信機能とを実現させるためのプログラムである。
(12)(11)のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、画像処理装置が、原稿としてのコマンドシートの画像情報が画像読取手段によって読み取られた場合に、その画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出し、その抽出したコマンドによる処理(機器情報の設定作業)を実行し、上記抽出した認証パス情報に基づいて認証の要否を判断して、認証が不要な場合に画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記抽出した宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信することにより、各画像処理装置へのコマンドによる機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行え、その利用者の作業負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明の一実施形態である機器情報配信システムの構成例を示す図である。
この機器情報配信システムは、機器情報配信機能を有する画像形成装置1200と、機器情報受信機能を有する画像形成装置2000,2100とを備えている。それらは、ネットワーク3000を介して相互に通信可能に接続され、ネットワークシステムを構成している。ネットワーク3000としては、有線に限らず、無線のネットワーク、例えば無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)で構成されていても良い。
なお、機器情報配信機能を有する画像形成装置1200が機器情報受信機能を有する場合もあり、機器情報受信機能を有する画像形成装置2000又は2100が機器情報配信機能を有する場合もある。
【0021】
図2は、図1の画像形成装置1200のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、画像形成装置2000又は2100のハードウェア構成も同様なので、その図示および説明は省略する。
この画像形成装置1200は、オペレーションパネル(操作部)1310,ファクス制御部1530,およびエンジン部1350とコントローラ1300のASIC(Application Specific Integrated Circuit)1301とをPCI(Peripheral Component Interconnect)バス1320等によって接続した構成となる。
【0022】
コントローラ1300は、ASIC1301にRAM1302,HDD(ハードディスク装置)1303等を接続するとともに、このASIC1301とCPU1304とをCPUチップセットのNB(north bridge)1305を介して接続している。このようにNB1305を介して接続する理由は、CPU1304自体のインタフェース(以下「I/F」ともいう)が公開されていないためである。
【0023】
ここで、このASIC1301とNB1305は、単にPCIを介して接続されているのではなく、AGP(Accelerated Graphics Port)1308を介して接続されている。このようにAGP1308を介して接続することとした理由は、この画像形成装置1200が後述する図3のプラットフォーム1220やアプリケーションソフトウェア(以下単に「アプリケーション」又は「アプリ」ともいう)1230を形成する複数のプロセスを実行制御する関係上、これらの低速のPCIを接続したのでは、パフォーマンスが低下するためである。
【0024】
CPU1304は、画像形成装置1200(以下「機器」ともいう)全体の制御を行うものであり、図3のOS1221上でプラットフォーム1220を形成するシステム制御サービス1222,システムリソース管理部1223,エンジン制御サービス1224,メモリ制御サービス1225,操作部制御サービス1226,ファクス(FAX)制御サービス1227,ネットワーク制御サービス1228をそれぞれプロセスとして起動して実行させると共に、アプリケーション1230を形成するプリンタアプリ1211,コピーアプリ1212,ファクスアプリ1213,スキャナアプリ1214,WEBアプリ1215,マーキングアプリ1216を起動して実行させ、装置の制御を行うことにより、この発明に関わる機能を実現することができる。
【0025】
すなわち、この発明に関わるデコード手段,コマンド処理実行手段,認証要否判断手段,バーコード配信手段,認証パス情報生成手段,エンコード手段,コマンドシート出力制御手段,コマンド処理実行結果送信手段,コマンド処理実行結果マージ手段,マージ結果通知手段,実行不可サービス通知手段,設定不可通知手段,コマンド処理実行不可判定手段,デコード結果通知手段,コマンド修正手段,および処理許可手段としての機能を実現することができる。
【0026】
NB1305は、CPU1304とRAM1306,シリアルバス1307,ASIC1301,LANポート1308とを接続するためのブリッジである。
RAM1306は、画像形成装置1200の描画用メモリ(画像メモリ)等として用いるシステムメモリである。
シリアルバス1307は、NB1305とPCIバス1309,周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。
【0027】
RAM1302は、コピー用画像バッファや符号バッファとして用いるローカルメモリである。
ASIC1301は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのICである。
LANポート1308は、LAN(ネットワーク)を介して他の画像形成装置と通信するためのLANケーブルを接続するためのI/F(通信手段)である。
【0028】
HDD1303は、画像データの蓄積,プログラムの蓄積,フォントデータの蓄積,フォームの蓄積を行うためのストレージである。
オペレーションパネル1310は、操作者(機器の利用者)による入力操作(外部操作)の受け付けおよび操作者に向けた表示を行う操作部である。
【0029】
したがって、ASIC1301には、RAM1302を接続するためのRAMインタフェースと、HDD1303を接続するためのハードディスクインタフェースとが設けられ、これらの記憶部に対して画像データの入出力を行う場合には、入出力先がRAMインタフェース又はハードディスクインタフェースに切り替えられる。
AGP1308は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、RAM1306(システムメモリ)に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にする。
【0030】
図3は、図1の画像形成装置1200のソフトウェア(機能)構成例を示すブロック図である。なお、画像形成装置2000又は2100のソフトウェア構成も略同様なので、その図示および説明は省略する。また、以下に示すソフトウェア(プログラム)による処理は、実際にはCPU1304がプログラムに従って動作することによって実行するが、説明の都合上、プログラムが処理を実行するものとする。以後も、プログラムが何らかの処理を行うものとして説明を行う場合には、同様とする。
【0031】
この画像形成装置1200は、図1のエンジン部1350を構成する印刷手段であるプロッタ1201および画像読取手段であるスキャナ1202や、その他のハードウェアリソース1203(ファクシミリ装置等)を備えると共に、プラットフォーム1220とアプリケーション1230とから構成されるソフトウェア群1210、および起動部1240を備えている。
【0032】
起動部1240は、画像形成装置1200の電源投入時に先ず始めに実行され、プラットフォーム1220やアプリケーション1230を起動する。
プラットフォーム1220は、アプリケーション1230からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源の獲得要求を発生させる以下に示すコントロールサービス1250と、1または複数のハードウェア資源の管理を行い、コントロールサービス1250からの獲得要求を調停するシステムリソース管理部1223と、OS1221とを有する。
【0033】
コントロールサービス1250は、複数のサービスモジュールにより形成され、具体的にはシステム制御サービス1222,エンジン制御サービス1224,メモリ制御サービス1225,操作部制御サービス1226,ファクス制御サービス1227,ネットワーク制御サービス1228がある。
なお、プラットフォーム1220は、予め定義された関数によりアプリケーション1230からの処理要求を受信可能とするアプリケーションプログラムインタフェース(API)1229を有する。
【0034】
OS1221は、UNIX(登録商標)等のオペレーティング・システムであり、プラットフォーム1220およびアプリケーション1230の各ソフトウェアをそれぞれプロセスとして並列実行する。オープンソースのUNIX(登録商標)を用いることにより、プログラムの安全性を確保できるとともに、ネットワーク対応可能となり、ソースコードの入手も容易になる。さらに、OS,TCP/IPのロイヤリティが不要であり、アウトソーシングも容易となる。
【0035】
システムリソース管理部1223は、システム制御サービス1222と共にシステムの制御およびリソース管理を行うものであり、スキャナ1202やプロッタ1201等のエンジン部1350(図2),メモリ(図2のRAM1302,1306),HDDファイル(図2のHDD1303),およびネットワークI/F(図2のLANポート1308)等のハードウェア資源を利用する上位層からの要求に従って調停を行い、実行制御する。
【0036】
具体的には、このシステムリソース管理部1223は、要求されたハードウェア資源が利用可能であるかどうか(他の要求により利用されていないかどうか)を判断し、利用可能であれば要求されたハードウェア資源が利用可能である旨を上位層に伝える。また、上位層からの要求に対してハードウェア資源の利用スケジューリングを行い、要求内容(例えばプロッタ1201(プリンタエンジン)による紙搬送と作像動作,メモリ確保,ファイル生成等)を直接実施するようにしても良い。
【0037】
システム制御サービス1222は、アプリ管理(機能1),操作部制御(機能2),システム画面表示(ジョブリスト画面,カウンタ表示画面等)(機能3),LED表示(機能4),リソース管理(機能5),割り込みアプリ制御(機能6)等の複数の機能を実現するための制御を行う。具体的には、以下の通りである。
アプリ管理(機能1)では、アプリの登録と、その情報を他のアプリに通知する処理を行う。
操作部制御(機能2)では、アプリの操作部使用権の排他制御を行う。
【0038】
システム画面表示(機能3)では、操作部使用権を持つアプリからの要求に応じて、エンジン部の状態に対応する警告画面の表示を行う。
LED表示(機能4)では、警告LED,アプリキー等のシステムLEDの表示制御を行う。
リソース管理(機能5)では、アプリ(ECS)がジョブを実行するにあたって、排他しなければならないエンジンリソース(スキャナ1202やステープル等)の排他制御のためのサービスを行う。
割り込みアプリ制御(機能6)では、特定のアプリを優先動作させるための制御およびサービスを行う。
【0039】
エンジン制御サービス1224は、プロッタ1201,スキャナ1202,その他ハードウェアリソース1203等のエンジン部1350をエンジンI/F1204経由で制御するものであり、画像読み込みと印刷動作,状態通知,ジャムリカバリ等を行う。
メモリ制御サービス1225は、メモリ制御を行うものであり、具体的には、画像メモリ(図1のRAM1306)の取得および開放、HDD(ハードディスク装置)1303の利用、画像データの圧縮および拡張等を行う。
【0040】
操作部制御サービス1226は、オペレータと本体制御部間の情報伝達手段となるオペレーションパネル(操作パネル)1310を制御するモジュールであり、オペレータのキー操作イベントを本体制御部に通知する処理、各アプリがGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を構築するためのライブラリ関数を提供する処理、構築されたGUI情報をアプリ別に管理する処理、オペレーションパネル1310上への表示反映処理等を行う。
【0041】
ファクス制御サービス1227は、システムコントローラの各アプリ(アプリケーション1230)からPSTN/ISDN網を使ったファクシミリ送受信、BKM(バックアップSRAM)で管理されている各種ファクシミリデータの登録/引用、ファクシミリ読取、ファクシミリ受信印刷、融合送受信を行うためのAPI(Application Program Interface)を提供する。
ネットワーク制御サービス1228は、ネットワークI/Oを必要とするアプリケーションに対して共通に利用できるサービスを提供するためのモジュール群であり、ネットワーク側から各プロトコルによって受信したデータを各アプリケーションに振り分けたり、アプリケーションからデータをネットワーク側に送信する際の仲介を行う。
【0042】
この実施形態において、ネットワーク制御サービス1228は、複数のプロトコルのうちhttpd(Hypertext Transfer Protocol Daemon)によって、インタネットを介して接続されるネットワーク機器とデータ通信をHTTP(Hypertext Transfer Protocol)で制御し、HTTPリクエストヘッダで指定されるWebサービスを関数コールによって起動し、そのWebサービスによる処理結果をHTTPレスポンスで該ネットワーク機器へ通知する。例えば、XML(Extensible Markup Language)によって記述されたメッセージに従って処理を行う。
【0043】
アプリケーション1230は、ページ記述言語(PDL),PCL,およびポストスクリプト(PS)を有するプリンタ用のアプリケーションであるプリンタアプリ1211と、コピー用アプリケーションであるコピーアプリ1212と、ファクシミリ用アプリケーションであるファクスアプリ1213と、スキャナ用アプリケーションであるスキャナアプリ1214と、ネットファイル用アプリケーションであるWEBアプリ1215と、マーキング用アプリケーションであるマーキングアプリ1216とを有する。
【0044】
この各アプリケーション1211〜1216は、プラットフォーム1220上の各プロセスを利用して動作実行し得るため、画面制御,キー操作制御,およびジョブ生成等を行う画面表示制御プログラムがその主体となる。なお、ネットワーク制御サービス1228により接続されたネットワークを介して新たなアプリケーションをダウンロードし、搭載することもできる。また、各アプリケーションはアプリケーション毎に追加または削除することができる。
Webアプリ1215は、GET METHOD又はPOST METHOD、PUT METHOD、DELETE METHOD、HEAD METHODによるHTTPリクエストを処理して、HTMLを含むHTTPレスポンスを送信するWebサーバとWebサービスアプリケーションインタフェースを備える。
【0045】
マーキングアプリ1216は、オペレーションパネル(操作部)1310から入力されたWebサービスコマンド群やコマンド配信対象の画像形成装置の宛先情報(IPアドレス)等をバーコードに埋め込み変換することや、スキャナアプリ1214によってスキャンされて原稿としてのコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードからそのコマンドシートの作成時に埋め込まれた情報(コマンド等)を抽出してWebサービスのコマンド処理を実行する機能を備える。
このように、画像形成装置1200は、各アプリで共通的に必要となる処理をプラットフォーム1220で一元的に処理する。
【0046】
図4は図1の画像形成装置1200のWebサーバ機能を実現可能なソフトウェア構成例を示すブロック図であり、図3に示したソフトウェアのうちの一部を省略し、Webサーバ機能等を実現するためのソフトウェアを追加している。なお、説明の便宜上、Webサービス提供処理部として、後述するコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部40とサービス一覧取得サービス提供処理部50の2つしか示していないが、更に多くのWebサービス提供処理部を有する構成とすることもできる。また、画像形成装置2000又は2100の機能構成も略同様なので、その図示および説明は省略する。
【0047】
画像形成装置1200は、Webサーバを備えており、主に、Webサービス提供処理部としてコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部40,サービス一覧取得サービス提供処理部50,他Webサービス提供処理部60と、HTTPリクエストとHTTPレスポンスとによるメッセージ交換を制御するWebサーバ10と、HTTPリクエストを生成して送信するWebクライアント20と、マーキングアプリ1216と、オペレーションパネル1310と、プロッタ1201と、スキャナ1202と、アドレス帳等の永続情報を格納するHDD1303とを有する。
【0048】
コマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部40は、コマンドシートの生成を制御するコマンドシート生成制御部41と、コマンドシートの実行を制御するコマンドシート実行制御部42と、認証処理を行わずにWebサービスを実行できる情報を生成する認証パス生成部44と、認証処理をパスするかどうかを判断する認証パス判断部43と、ネットワーク上の画像形成装置を検知するネットワーク機器検知部45とを有する。
マーキングアプリ1216は、実行させたい一連の処理とその付加情報を一つのバーコードにエンコード(変換)するバーコードエンコーダ71と、それによってエンコードされたバーコードをデコードするバーコードデコーダ72とを有する。
【0049】
Webサーバ10は、HTTPに従った通信制御を行うhttpd17と、そのhttpd17が受け取ったHTTPリクエストを処理するHTTPリクエスト処理部13と、HTTPリクエストに応じて適切なWebサービス提供部に処理を振り分けるディスパッチャ12と、全Webサービス提供部から共通に利用されるHTTPリクエストのボディのXML文書を読み取るXMLパーサ11と、HTTPレスポンスのボディにXML文書を書き出すXMLシリアライザ14と、通信の暗号化を行うためのモジュールであるSSLモジュール15と、HTTPレスポンスを生成するHTTPレスポンス生成部16とを有する。
Webクライアント20は、HTTPリクエストを生成するHTTPリクエスト生成部21を有する。
【0050】
図5は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の通信シーケンスを示す図である。
ここでは、利用者1000がオペレーションパネル1310上で画像形成装置1200に対する入力操作を行い、画像形成装置2000および画像形成装置2100に対して同様の機器情報配信を行うためのコマンドシートを作成するシーケンスについて説明する。
【0051】
まず、ステップS5000にて、利用者1000はオペレーションパネル1310上の入力操作によって画像形成装置1200にコマンド化したい作業(処理)項目,機器情報(コマンド等)配信対象の画像形成装置の宛先,および実行可能な利用者(ユーザ)を順番に選択することにより、対応するコマンド,宛先情報,および利用者情報が入力される。この場合の入力画面(設定画面)は、図6に示す通りである。また、利用者1000が入力した情報の一例は、図7に示す通りである。
【0052】
次に、ステップS5001にて、画像形成装置1200では、図4のコマンドシート生成制御部41の命令を受けて認証パス生成部44において認証を不要とする認証パス情報を生成する。
次に、ステップS5002にて、画像形成装置1200が、内部(例えばHDD1303)に保持している公開鍵と機器の証明書を画像形成装置2000へ送信する。このとき、画像形成装置1200は、公開鍵により暗号化された情報を復号化するための秘密鍵を保持している。
【0053】
次に、ステップS5003にて、画像形成装置2000は、内部に保持している共通鍵を公開鍵で暗号化し、画像形成装置1200へ返信する。公開鍵で暗号化されている共通鍵を受信した画像形成装置1200は、秘密鍵で復号化し、画像形成装置2000の共通鍵を取得する。
次に、ステップS5004にて、画像形成装置1200はステップS5003で取得した共通鍵で認証パス情報を暗号化し、画像形成装置2000へ送信する。共通鍵で暗号化されている認証パス情報を受信した画像形成装置2000は、共通鍵で復号化し、認証パス情報を内部に格納する。
【0054】
次に、ステップS5005にて、画像形成装置2000は認証パス情報を受信成功したこと(OK)を画像形成装置1200へ通知する。
次に、ステップS5006にて、画像形成装置1200は、内部に保持している公開鍵と機器の証明書を画像形成装置2100へ送信する。
次に、ステップS5007にて、画像形成装置2100は、内部に保持している共通鍵を公開鍵で暗号化し、画像形成装置1200へ返信する。公開鍵で暗号化されている共通鍵を受信した画像形成装置1200は、秘密鍵で復号化し、画像形成装置2100の共通鍵を取得する。
【0055】
次に、ステップS5008にて、画像形成装置1200はステップS5006で取得した共通鍵で認証パス情報を暗号化し、画像形成装置2100へ送信する。共通鍵で暗号化されている認証パス情報を受信した画像形成装置2100は、共通鍵で復号化し、認証パス情報を内部に格納する。
次に、ステップS5009にて、画像形成装置2100は認証パス情報を受信成功したことを画像形成装置1200へ通知する。
【0056】
次に、ステップS5010にて、画像形成装置1200は、利用者1000によって入力されたコマンド,宛先情報,および利用者情報に加え、自機内で生成された認証パス情報を、図4のコマンドシート生成制御部41の命令を受けてバーコードエンコーダ71にてバーコードに変換する。
次に、ステップS5011にて、画像形成装置1200は、図4のコマンドシート生成制御部41の命令を受けてプロッタ1201にてバーコードを用紙等の印刷媒体に印刷し、その印刷結果をコマンドシートとして出力する。コマンドシートの概観は、図8に示す通りである。
【0057】
図9は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の通信シーケンスを示す図である。
ここでは、利用者1000が図3の画像形成装置1200のスキャナアプリ1214を利用してコマンドシートをスキャンし、画像形成装置2000および画像形成装置2100に対して同様の機器情報配信を実行するシーケンスについて説明する。
まず、ステップS5050にて、利用者1000は画像形成装置1200のオペレーションパネル1310の初期画面上でログイン情報(実行権限を与えるログインID)としてのユーザ名とパスワードを入力してログイン処理を行わせる。初期画面の表示例は、図10に示す通りである。
【0058】
そして、入力されたログイン情報が画像形成装置1200に登録されている(例えばHDD1303に記憶されている)情報と合致していれば、その後の処理を継続し、登録されている情報と合致しない場合には認証失敗として、再度入力を求める。
その後の処理の継続により、ステップS5051にて、利用者1000は、原稿としてのコマンドシートを画像形成装置1200のスキャナ1202にセットし、オペレーションパネル1310上の入力操作により、スキャナ1202にコマンドシートをスキャンさせ、その画像情報(バーコードを含む)を読み取らせる。このとき、図3のスキャナアプリ1214は、スキャンして読み取った画像情報がコマンドシートの画像情報であることを用紙印刷フォーマットから検知し、図4のコマンドシート実行制御部42に対して実行を命令する。
【0059】
次に、ステップS5052にて、図4のコマンドシート実行制御部42から命令を受けてバーコードデコーダ72で先にコマンドシートから読み取った画像情報中のバーコードのデコードを実行し、そのコマンドシートの作成時に埋め込まれた情報(コマンド,宛先情報,認証パス情報,利用者情報)を抽出する。そして、抽出した利用者情報(ログイン情報)が画像形成装置1200に登録されている情報と合致している場合にのみ、その後の処理を継続する。
【0060】
そして、その後の処理の継続により、ステップS5053にて、図4のコマンドシート実行制御部42から命令を受けて抽出したコマンドによる一連の処理(コマンド処理)を実行する。
なお、そのコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目(コマンドによって実行すべき処理のWebサービス、あるいはそのコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目)が存在しなかった場合には、実行できないサービスがあった旨又は設定できない旨を示すエラー情報を利用者1000へ通知し、抽出したコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0061】
また、抽出したコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目が存在しなかった場合のエラー情報の通知方法としては、オペレーションパネル1310に対応する通知画面を表示する他、予め指定されている管理者の使用端末(パーソナルコンピュータ,携帯電話,又は携帯端末等)に対して対応するメールを送ったり、あるいはプロッタ1201に対応する印刷を行わせたりする方法が考えられる。
【0062】
次に、ステップS5054にて、抽出したコマンドによる一連の処理の実行開始時(開始前でもよい)にそのコマンドの内容(デコード結果)をオペレーションパネル1310上に表示させることにより、利用者1000に通知し、抽出したコマンドの内容について利用者1000に確認を行わせる。抽出したコマンドによる一連の処理の実行時のコマンド確認・編集画面の表示例は、図11に示す通りである。
【0063】
ここで、もし、処理を実行するコマンドの内容が意図しているものと異なっている場合には、この画面上で追加又は削除を指示することにより、コマンド内容の修正(編集)を行わせることも可能である。また、修正したコマンド内容から再度コマンドシートを出力することができる。この場合、修正したコマンドと共に、先に抽出した宛先情報および認証パス情報を再びバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0064】
次に、ステップS5055にて、利用者1000から(実際にはオペレーションパネル1310から利用者1000の操作によって)OKが返されたら、抽出したコマンドによる一連の処理の続行を許可し、その処理を続行する。利用者1000からNGが返されたら、処理を中断する。
【0065】
次に、ステップS5056にて、先に抽出した認証パス情報に基づいて認証の要否を判断し、認証が不要な場合に、図4のコマンドシート実行制御部42が先に抽出した宛先情報が示す画像形成装置2000のコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部に対して、先にコマンドシートから読み取った画像情報中のバーコードを送信(配信)する。このとき、デコードしたコマンドではなくバーコードのまま送信するのは、認証パス情報をコマンドと一括で送信する必要があり、通信途中で盗聴され、認証パス情報を悪用されることを防ぐためである。
【0066】
なお、バーコードの送信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、その送信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定し、そのコマンド処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換して別のコマンドシートを出力することができる。この場合、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0067】
次に、ステップS5057にて、画像形成装置2000は画像形成装置1200から受信したバーコードをコマンド実行制御部で受け、バーコードデコーダに命令してデコードを行わせる。
次に、ステップS5058にて、画像形成装置2000はデコードによって抽出したコマンドによる一連の処理を実行する。
【0068】
なお、そのコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目が存在しなかった場合には、実行できないサービスがあった旨又は設定できない旨を示すエラー情報を利用者1000へ通知し、抽出したコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。あるいは、上記エラー情報を画像形成装置1200へ送信する。エラー情報を受信した画像形成装置1200は、そのエラー情報を利用者1000へ通知し、対応するコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理(残りの処理)を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0069】
次に、ステップS5059にて、画像形成装置2000は抽出したコマンドによる一連の処理(コマンド処理)の実行結果を画像形成装置1200へ返信する。そのコマンド処理の実行結果を画像形成装置2000が返信する際のHTTP通信例は、図12に示す通りである。
次に、ステップS5060にて、図4のコマンドシート実行制御部42が先に抽出した他の宛先情報が示す画像形成装置2100のコマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部に対して、先にコマンドシートから読み取った画像情報中のバーコードを送信する。
【0070】
次に、ステップS5061にて、画像形成装置2100は画像形成装置1200から受信したバーコードをコマンド実行制御部で受け、バーコードデコーダに命令してデコードを行わせる。
次に、ステップS5062にて、画像形成装置2100はデコードによって抽出したコマンドによる一連の処理を実行する。
【0071】
なお、そのコマンドに含まれるWebサービス又は設定項目が存在しなかった場合には、実行できないサービスがあった旨又は設定できない旨を示すエラー情報を利用者1000へ通知し、抽出したコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。あるいは、上記エラー情報を画像形成装置1200へ送信する。エラー情報を受信した画像形成装置1200は、そのエラー情報を利用者1000へ通知し、対応するコマンドによる一連の処理の実行に失敗した場合には、その処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換し、そのバーコードを印刷媒体に印刷して、その印刷結果を別のコマンドシートとして出力する。
【0072】
次に、ステップS5063にて、画像形成装置2100は抽出したコマンドによる一連の処理(コマンド処理)の実行結果を画像形成装置1200へ返信する。コマンド処理の実行結果を画像形成装置2100が返信する際のHTTP通信例は、図13に示す通りである。
次に、ステップS5064にて、画像形成装置1200は自身と画像形成装置2000と画像形成装置2100の各コマンドによる一連の処理の実行結果をマージする。
次に、ステップS5065にて、画像形成装置1200はオペレーションパネル1310上に各コマンドによる一連の処理の実行結果の内容を表示させることにより、利用者1000へ通知する。オペレーションパネル1310上の各コマンドによる一連の処理の実行結果の表示例は、図14に示す通りである。なお、各コマンドによる一連の処理の実行結果の内容を記録媒体に印刷することにより、利用者1000へ通知するようにしてもよい。
【0073】
図6は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の設定画面を用いた設定作業の操作手順を説明するための図である。
この設定画面(Webサービスのサービス一覧画面)による入力手順は、コマンド化したい作業項目の選択、コマンド配信対象の画像形成装置の宛先(コマンド配信先)の選択、実行権限を与えるログインID(ユーザ)の選択の順になる。なお、作業項目の全リストは、図4のサービス一覧取得サービス提供処理部50によって取得され、コマンド配信対象のネットワーク上の画像形成装置の宛先は図4のネットワーク機器検知部45より検知され、実行権限を与えるログインIDの選択リストは、例えば図1のHDD1303のアドレス帳から読み出される。
【0074】
図7は、コマンドシートのバーコードに埋め込まれる情報の一例を示す図である。
認証パス情報は、図4の認証パス生成部44によって生成されるランダムな文字列からなるものである。その認証パス情報以外の情報は、コマンドシート作成時に利用者1000によって選択される情報である。
図8は、コマンドシートの概観例を示す図である。
コマンドシート上部の表には、利用者1000がどの内容のコマンドシートであるか判断するための情報が記載されている。コマンドシート下部には、2次元バーコードが印刷される。このバーコードの中には、図7に示した情報が埋め込まれている。
【0075】
図10は、図1の画像形成装置1200にログインする時のオペレーションパネル1310の初期画面を用いた入力作業の操作手順を説明するための図である。
利用者1000が、オペレーションパネル1310上の操作によってユーザ名とパスワードをログイン情報として入力し、「ログインボタン」を押下することにより、画像形成装置1200にログイン処理を実行させる。ログイン情報が画像形成装置1200に登録されている情報と合致していれば、その後の処理を継続されるが、登録されている情報と合致しない場合には認証失敗とされ、再度入力を求められる。
【0076】
図11は、図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の利用者への実行処理内容の確認(コマンド確認)・編集画面の一例を示す図である。
このコマンド確認・編集画面には、コマンドシート作成時に選択されたコマンド(処理)の内容の一覧が表示される。利用者1000は、実行されるコマンドの内容(処理される内容)に間違いがなければ、「YES」ボタンを押下して処理を続行させ、間違いがあれば「NO」ボタンを押下して処理を中断させる。
【0077】
図12は、図1の画像形成装置2000からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
このコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスのボディ部に、XML形式の一種であるAtom Syndication FormatのEntry文書形式でレスポンスが返される。
【0078】
図13は、図1の画像形成装置2100からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
このコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスのボディ部に、XML形式の一種であるAtom Syndication FormatのEntry文書形式でレスポンスが返される。
【0079】
図14は、図1の画像形成装置1200のオペレーションパネル1310上に表示されたコマンド処理の実行結果の表示例を示す図である。
各画像形成装置1200,2000,2100毎に表で各コマンド処理の実行結果の内容とその結果(OK又はNG)が表示される。また、NGの処理に関しては、失敗理由がポップアップ表示される。
【0080】
この実施形態の各画像形成装置によれば、以下の(1)〜(7)に示す作用効果を得ることができる。
(1)原稿としてのコマンドシートの画像情報をスキャナによって読み取った場合に、その画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,認証パス情報,およびログイン情報(実行権限を与えるログインID)を抽出し、その抽出したログイン情報が予め登録された情報と一致した場合にのみ、上記抽出したコマンドによる一連の処理(機器情報の設定作業)を実行し、上記抽出した認証パス情報に基づいて認証の要否を判断して、認証が不要な場合にスキャナによってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを上記抽出した宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信し、その配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合に、そのコマンド処理の実行結果と当該画像処理装置で行ったコマンド処理の実行結果とをマージし、そのマージ結果を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、各画像処理装置へのコマンドによる機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行え、その利用者の作業負担を軽減することができる。
【0081】
すなわち、従来の予め決められたコマンドに含まれない項目について個々の画像形成装置に手入力で設定を行う必要がなく、またコマンドシートという有形の印刷紙媒体で管理されることにより、盗まれたことや後で実施しようとしていたことに気づきやすくなり、コマンドシートの宛先情報が示すどの画像形成装置からでもコマンドシートをスキャンさせるだけで複雑な操作を全て実行することにより、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者の作業負担を軽減することができる。
【0082】
(2)外部操作によってコマンド,宛先情報,ログイン情報を入力すると共に認証パス情報を生成し、そのコマンド,宛先情報,ログイン情報,および認証パス情報をバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、コマンドシートとして出力することにより、一斉に同様のコマンドの配信を各画像形成装置に対して行うことが可能になり、認証パス情報による処理時間の高速化ならびにログイン情報の入力によるコマンドシートの不正使用を防止できる。
【0083】
(3)抽出したコマンドによって実行すべき処理のWebサービスが存在しなかった場合に、実行できないサービスがあった旨を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、各画像形成装置毎にコマンドによる処理を実行できないWebサービスがあることを利用者が知ることができる。
(4)抽出したコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目が存在しなかった場合に、設定できない旨を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、各画像形成装置毎に設定項目が存在せず設定を行うことができないことを利用者が知ることができる。
【0084】
(5)バーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、その配信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定し、そのコマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、別のコマンドシートとして出力することにより、後でそのコマンドシートの画像情報を読み取ることで、残りの設定作業を実行することができる。また、コマンドシートとして有形にしておくことで、後で設定作業を実行することを忘れ難くすることができる。
【0085】
(6)バーコードの配信先から受信した対応するコマンド処理の実行結果がコマンド処理の失敗を示すものであった場合に、そのコマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、別のコマンドシートとして出力することにより、後でそのコマンドシートの画像情報を読み取ることで、残りの設定作業を実行することができ、利用者は一から全ての設定作業をやり直すことなく失敗した分の作業だけ実行することができる。
【0086】
(7)抽出したコマンドの内容を当該画像処理装置の利用者に通知することにより、そのコマンドの内容をその利用者が確認でき、そのコマンドの内容に間違い等があった場合に、抽出したコマンドの内容を修正することができる。そして、その修正したコマンドと先に抽出した宛先情報および認証パス情報とをバーコードに変換して、その変換したバーコードを印刷媒体に印刷し、別のコマンドシートとして出力することができる。
【0087】
以上、この発明をスキャナ(画像読取手段)およびプロッタ(印刷手段)を備えたMFP(画像形成装置)に適用した実施形態について説明したが、この発明はこれに限らず、画像読取手段および印刷手段を備えたデジタル複写機やファクシミリ装置等の他の画像形成装置にも適用可能である。また、コマンドシートを出力する機能が必要なければ、スキャナ装置等の画像読取装置や、その機能(画像読取手段)を備えた他の画像処理装置にもこの発明を適用可能である。
【0088】
〔この発明に関わるプログラム〕
このプログラムは、画像処理装置を制御するCPU(コンピュータ)に、この発明に関わる機能であるデコード手段,コマンド処理実行手段,認証要否判断手段,バーコード配信手段,認証パス情報生成手段,エンコード手段,コマンドシート出力制御手段,コマンド処理実行結果送信手段,コマンド処理実行結果マージ手段,マージ結果通知手段,実行不可サービス通知手段,設定不可通知手段,コマンド処理実行不可判定手段,デコード結果通知手段,コマンド修正手段,および処理許可手段としての機能を実現させるためのプログラムであり、このようなプログラムをCPUに実行させることにより、上述したような効果を得ることができる。
【0089】
このようなプログラムは、はじめから画像処理装置に備えるROM、あるいは不揮発性メモリ(フラッシュROM,EEPROM等)、あるいはHDD(ハードディスク装置)などの記憶手段に格納しておいてもよいが、記録媒体であるCD−ROM、あるいはメモリカード,フレキシブルディスク,MO,CD−R,CD−RW,DVD+R,DVD+RW,DVD−R,DVD−RW,又はDVD−RAM等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置にインストールしてCPUに実行させるか、CPUにそれらの記録媒体からこのプログラムを読み出して実行させることにより、上述した各手順を実行させることができる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、各画像処理装置へのコマンドによる機器情報の設定作業を、普段管理を行っていない操作に不慣れな利用者でも容易に行え、その利用者の作業負担を軽減することができる。この発明を利用すれば、利用者にとって非常に使い勝手のよい画像形成装置や機器情報配信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明の一実施形態である機器情報配信システムの構成例を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置1200のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成装置1200のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図4】図1の画像形成装置1200のWebサーバ機能を実現可能なソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の通信シーケンスを示す図である。
【0092】
【図6】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート作成時の設定画面を用いた設定作業の操作手順を説明するための図である。
【図7】コマンドシートのバーコードに埋め込まれる情報の一例を示す図である。
【図8】コマンドシートの概観例を示す図である。
【図9】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の通信シーケンスを示す図である。
【図10】図1の画像形成装置1200にログインする時のオペレーションパネル1310の初期画面を用いた入力作業の操作手順を説明するための図である。
【0093】
【図11】図1に示した機器情報配信システム内で行われるコマンドシート実行時の利用者への実行処理内容の確認・編集画面の一例を示す図である。
【図12】図1の画像形成装置2000からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
【図13】図1の画像形成装置2100からのコマンド処理の実行結果のHTTPレスポンスの一例を示す図である。
【図14】画像形成装置1200のオペレーションパネル1310上に表示されたコマンド処理の実行結果の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
10:Webサーバ 11:XMLパーサ 12:ディスパッチャ
13:HTTPリクエスト処理部 14:XMLシリアライザ
15:SSLモジュール 16:HTTPレスポンス生成部 17:httpd
20:Webクライアント 21:HTTPリクエスト生成部
40:コマンドシート生成・実行Webサービス提供処理部
41:コマンドシート生成制御部 42:コマンドシート実行制御部
43:認証パス判断部 44:認証パス生成部 45:ネットワーク機器検知部
50:サービス一覧取得サービス提供処理部 60:他Webサービス提供処理部
71:バーコードエンコーダ 72:バーコードデコーダ 1201:プロッタ
1202:スキャナ 1203:その他のハードウェアリソース
1204:エンジンI/F 1210:ソフトウェア群 1211:プリンタアプリ
1212:コピーアプリ 1213:ファクスアプリ 1214:スキャナアプリ
1215:WEBアプリ 1216:マーキングアプリ
1220:プラットフォーム 1221:OS 1222:システム制御サービス
1223:システムリソース管理部 1224:エンジン制御サービス
1225:メモリ制御サービス 1226:操作部制御サービス
1227:ファクス制御サービス 1228:ネットワーク制御サービス
1229:API 1230:アプリケーション 1300:コントローラ
1301:ASIC 1302,1306:RAM 1303:HDD
1304:CPU 1305:NB 1307:シリアルバス
1308:LANポート 1309:PCIバス 1310:オペレーションパネル
1530:ファクス制御部 1350:エンジン部
2000,1200,2100:画像形成装置 3000:ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、
原稿としてのコマンドシートの画像情報が前記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、
該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、
前記デコード手段によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断手段と、
該認証要否判断手段によって認証が不要と判断された場合に、前記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを前記デコード手段によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
画像情報を印刷媒体に印刷して出力する印刷手段と、
認証を不要とする認証パス情報を生成する認証パス情報生成手段と、
外部操作によって入力された前記コマンド,前記宛先情報,および前記認証パス情報生成手段によって生成された認証パス情報をバーコードに変換するエンコード手段と、
該エンコード手段によって変換されたバーコードを前記印刷手段によって印刷媒体に印刷させ、コマンドシートとして出力させるコマンドシート出力制御手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像処理装置である他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、
前記他の画像処理装置からの前記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、
該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、
該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を前記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合に、該コマンド処理の実行結果と前記コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果とをマージするコマンド処理実行結果マージ手段と、
該コマンド処理実行結果マージ手段によるマージ結果を当該画像処理装置の利用者に通知するマージ結果通知手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理のWebサービスが存在しなかった場合に、実行できないサービスがあった旨を当該画像処理装置の利用者に通知する実行不可サービス通知手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目が存在しなかった場合に、設定できない旨を当該画像処理装置の利用者に通知する設定不可通知手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、該配信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定するコマンド処理実行不可判定手段を設け、
前記エンコード手段は、前記コマンド処理実行不可判定手段によってコマンド処理を実行できなかったと判定された場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記エンコード手段は、前記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から受信した対応するコマンド処理の実行結果がコマンド処理の失敗を示すものであった場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項2又は4に記載の画像処理装置において、
前記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を当該画像処理装置の利用者に通知するデコード結果通知手段と、
外部操作によって前記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を修正するコマンド修正手段と、
外部操作によって前記コマンド処理実行手段および前記バーコード配信手段による処理を許可する処理許可手段とを設け、
前記エンコード手段は、前記コマンド修正手段によって修正されたコマンド,前記デコード手段によって抽出された宛先情報,認証パス情報をバーコードに変換する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項1又は2記載の画像処理装置を複数台備えた機器情報配信システムであって、
前記複数台の画像処理装置にそれぞれ、
他の画像処理装置からの前記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、
該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、
該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を前記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたことを特徴とする機器情報配信システム。
【請求項11】
他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、
原稿としてのコマンドシートの画像情報が前記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード機能と、
該デコード機能によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行機能と、
前記デコード機能によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断機能と、
該認証要否判断機能によって認証が不要と判断された場合に、前記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを前記デコード機能によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信機能とを実現させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、
原稿としてのコマンドシートの画像情報が前記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、
該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、
前記デコード手段によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断手段と、
該認証要否判断手段によって認証が不要と判断された場合に、前記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを前記デコード手段によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
画像情報を印刷媒体に印刷して出力する印刷手段と、
認証を不要とする認証パス情報を生成する認証パス情報生成手段と、
外部操作によって入力された前記コマンド,前記宛先情報,および前記認証パス情報生成手段によって生成された認証パス情報をバーコードに変換するエンコード手段と、
該エンコード手段によって変換されたバーコードを前記印刷手段によって印刷媒体に印刷させ、コマンドシートとして出力させるコマンドシート出力制御手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像処理装置である他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置であって、
前記他の画像処理装置からの前記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、
該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、
該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を前記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信した場合に、該コマンド処理の実行結果と前記コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果とをマージするコマンド処理実行結果マージ手段と、
該コマンド処理実行結果マージ手段によるマージ結果を当該画像処理装置の利用者に通知するマージ結果通知手段とを設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理のWebサービスが存在しなかった場合に、実行できないサービスがあった旨を当該画像処理装置の利用者に通知する実行不可サービス通知手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記デコード手段によって抽出されたコマンドによって実行すべき処理が対象とする設定項目が存在しなかった場合に、設定できない旨を当該画像処理装置の利用者に通知する設定不可通知手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から対応するコマンド処理の実行結果を受信できなかった場合に、該配信先の電源がOFFのためにコマンド処理を実行できなかったと判定するコマンド処理実行不可判定手段を設け、
前記エンコード手段は、前記コマンド処理実行不可判定手段によってコマンド処理を実行できなかったと判定された場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項4に記載の画像処理装置において、
前記エンコード手段は、前記バーコード配信手段によるバーコードの配信先から受信した対応するコマンド処理の実行結果がコマンド処理の失敗を示すものであった場合に、該コマンド処理を実行するためのコマンドをバーコードに変換する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
請求項2又は4に記載の画像処理装置において、
前記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を当該画像処理装置の利用者に通知するデコード結果通知手段と、
外部操作によって前記デコード手段によって抽出されたコマンドの内容を修正するコマンド修正手段と、
外部操作によって前記コマンド処理実行手段および前記バーコード配信手段による処理を許可する処理許可手段とを設け、
前記エンコード手段は、前記コマンド修正手段によって修正されたコマンド,前記デコード手段によって抽出された宛先情報,認証パス情報をバーコードに変換する手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項10】
請求項1又は2記載の画像処理装置を複数台備えた機器情報配信システムであって、
前記複数台の画像処理装置にそれぞれ、
他の画像処理装置からの前記バーコードを受信した場合に、該バーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード手段と、
該デコード手段によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行手段と、
該コマンド処理実行手段によるコマンド処理の実行結果を前記バーコードの配信元へ送信するコマンド処理実行結果送信手段とを設けたことを特徴とする機器情報配信システム。
【請求項11】
他の画像処理装置と通信する通信手段と、原稿の画像情報を読み取る画像読取手段とを有する画像処理装置を制御するコンピュータに、
原稿としてのコマンドシートの画像情報が前記画像読取手段によって読み取られた場合に、該画像情報中のバーコードからコマンド,宛先情報,および認証パス情報を抽出するデコード機能と、
該デコード機能によって抽出されたコマンドによる処理を実行するコマンド処理実行機能と、
前記デコード機能によって抽出された認証パス情報に基づいて認証の要否を判断する認証要否判断機能と、
該認証要否判断機能によって認証が不要と判断された場合に、前記画像読取手段によってコマンドシートから読み取られた画像情報中のバーコードを前記デコード機能によって抽出された宛先情報が示す他の画像処理装置へ配信するバーコード配信機能とを実現させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−68344(P2010−68344A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233861(P2008−233861)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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