説明

画像処理装置

【課題】操作キーを簡単にカスタマイズできる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置1は、操作入力を受け付けるタッチパネル411と、タッチパネル411の画面で操作されるソフトキーを含む複数の操作キーと、原稿の画像を読み取る原稿読取部200と、複数の操作キーの中でカスタマイズしたい操作キーを指示することができる指示用紙が予め用意されており、カスタマイズしたい操作キーについて指示されている指示用紙の画像が原稿読取部200によって読み取られた場合、原稿読取部200で読み取った指示用紙で指示されているカスタマイズしたい操作キーをカスタマイズするカスタマイズ部33と、カスタマイズ部33でカスタマイズされた操作キーをソフトキーとしてタッチパネル411の画面に表示させる制御をする表示制御部31と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えばデジタル複合機のような原稿を読み取る機能を有する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の一例であるデジタル複合機は多機能なので操作キーの数が多い。このためハードキーだけでは足りず、ソフトキーが設けられている。ソフトキーはデジタル複合機に設けられたタッチパネルの画面に表示される。タッチパネルでは画面を階層構造にして各画面にソフトキーを表示する。基本画面より下の階層の画面に表示される操作キーを使用するためには、画面を切り替える操作が必要となる。あるユーザにとって使用頻度が高い操作キーが階層の下層にある場合、そのユーザにとっては操作性が悪い。そこで、操作キーをカスタマイズする技術が提案されている。
【0003】
画像処理装置の操作キー(操作ボタン)をカスタマイズする例として、ユーザがメニュー画面からカスタマイズ機能を選択することにより登録画面が表示され、その画面でボタン位置を指定した後、選択画面で例えば「両面片面選択」ボタンを選択して「決定」キーを操作することにより、「両面片面選択」ボタンが配置変更の対象として確定され、基本設定画面において上記ボタン位置に対応する位置に「両面片面選択」ボタンが表示される、ものがある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、別の例として、上位階層の画面にマーク選択ボタン、任意の下位階層の画面にマーク選択ボタンと対応させたしおりマークがそれぞれ配置されており、上位階層画面においてマーク選択ボタンを操作することにより、途中の階層画面の表示が省略されて、しおりマークを設けた下位階層の画面が表示される、ものがある(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−195816号公報
【特許文献2】特開2002−278375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術において、タッチパネルの大きさはある程度決まっているので、カスタマイズできる操作キーを一覧表示できないことがある。また、多くの操作キーをカスタマイズする場合、操作キー毎に設定しなければならず、手間がかかる。さらに、もとの設定画面(例えば基本画面)に最初から表示されている項目数は減らせないので、カスタマイズできる操作キーの数は実質的にあまり多くできない。
【0007】
特許文献2の技術において、カスタマイズ後はカスタマイズされた操作キーに短時間でアクセスできる。しかしながら、操作キー毎にカスタマイズの設定をしなければならないので、手間がかかる。
【0008】
本発明は操作キーを簡単にカスタマイズできる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成する本発明の一の局面に係る画像処理装置は、操作入力を受け付けるタッチパネルと、前記タッチパネルの画面で操作されるソフトキーを含む複数の操作キーと、原稿の画像を読み取る原稿読取部と、前記複数の操作キーの中でカスタマイズしたい操作キーを指示することができる指示用紙が予め用意されており、カスタマイズしたい操作キーについて指示されている前記指示用紙の画像が前記原稿読取部によって読み取られた場合、前記原稿読取部で読み取った前記指示用紙で指示されているカスタマイズしたい操作キーをカスタマイズするカスタマイズ部と、前記カスタマイズ部でカスタマイズされた操作キーをソフトキーとして前記タッチパネルの画面に表示させる制御をする表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ユーザは複数の操作キーの中でカスタマイズしたい操作キーについて指示用紙で指示し、この指示用紙を原稿読取部によって読み取ることを利用して操作キーをカスタマイズすることができるので、操作キーを簡単にカスタマイズできる。
【0011】
上記構成において、前記画像処理装置を使用するユーザを個人認証する認証部と、前記カスタマイズ部でカスタマイズされた操作キーを前記認証部で個人認証されたユーザと対応させてユーザ毎に登録する登録部と、をさらに備えており、前記認証部でユーザが個人認証された場合、該ユーザに対応するカスタマイズされた操作キーが前記登録部に登録されていれば、前記表示制御部は該ユーザに対応するカスタマイズされた操作キーを前記タッチパネルの画面に表示可能に制御をする、ようにすることができる。
【0012】
この構成によれば、一台の画像処理装置を共用する複数のユーザにおいてユーザ毎に操作キーをカスタマイズできる。各ユーザはカスタマイズしたい操作キーを登録すれば、次回以降は指示用紙を読み取らせる操作をすることなく、個人認証することによりカスタマイズされた操作キーを利用できる。
【0013】
上記構成において、画像を用紙に形成して出力する画像出力部と、前記指示用紙の画像を予め記憶する画像記憶部と、前記画像記憶部に記憶された画像データに基づいて前記指示用紙を前記画像出力部から出力させる指示用紙出力制御部と、をさらに備える、ようにすることができる。
【0014】
この構成によれば、画像処理装置の画像出力部から指示用紙を出力できるので、指示用紙を画像処理装置の販売又はレンタル等の際に付属品として添付する必要がなくなる。
【0015】
上記構成において、追加機能部を追加可能に構成され、前記カスタマイズ部は前記追加機能部が追加された場合、前記追加機能部が有する機能に応じて、前記指示用紙において指示することができる前記複数の操作キーの内容を変更するように、前記画像記憶部に記憶されている前記指示用紙の画像データを変更する、ようにすることができる。
【0016】
この構成によれば、追加機能についても操作キーをカスタマイズできる。
【0017】
上記構成において、前記認証部で個人認証されたユーザの操作履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備えており、前記認証部で個人認証されたユーザが前記指示用紙を出力する操作をした場合、前記画像出力部は前記履歴記憶部に記憶されている前記操作履歴を基にした、該ユーザの使用頻度が高い操作キーを示した前記指示用紙を出力する、ようにすることができる。
【0018】
この構成によれば、ユーザは自己の使用頻度が高い操作キーについて簡単にカスタマイズできる。
【0019】
上記構成において、前記指示用紙には前記原稿読取部で読み取られた原稿が前記指示用紙であることを前記カスタマイズ部に認識させる、前記原稿読取部で読み取り可能なコードが設けられており、前記カスタマイズ部は前記原稿読取部で読み取られた原稿の画像に前記コードの画像が含まれていた場合、カスタマイズを実行する、ようにすることができる。
【0020】
この構成によれば、原稿読取部で読み取られた原稿が指示用紙であることを画像処理装置に容易に認識させることができる。
【0021】
上記構成において、前記コードはユーザ用とサービスマン用で区別されている、ようにすることができる。
【0022】
この構成によれば、画像処理装置にユーザ用の指示用紙とサービスマン用の指示用紙を容易に区別して認識させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、操作キーを簡単にカスタマイズすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置の内部構造の概略を示す図である。
【図2】上記画像処理装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】上記画像処理装置において操作キーのカスタマイズに関する機能ブロック図である。
【図4】一般のユーザ用の指示用紙の一例を示す図である。
【図5】上記実施形態に係る操作キーをカスタマイズする処理を示すフローチャートである。
【図6】タッチパネルの画面に表示されたカスタマイズされる前の操作キーの一例を示す図である。
【図7】タッチパネルの画面に表示されたカスタマイズされた操作キーの一例を示す図である。
【図8】タッチパネルの画面に表示されたカスタマイズされた操作キーの他の例を示す図である。
【図9】上記実施形態に係るカスタマイズされた操作キーをタッチパネルの画面に表示させる処理を示すフローチャートである。
【図10】サービスマン用の指示用紙の一例を示す図である。
【図11】タッチパネルの画面に表示されたカスタマイズされた操作キーのさらに他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る画像処理装置1の内部構造の概略を示す図である。画像処理装置1は例えば、コピー、プリンタ、スキャナ及びファクシミリの機能を有するデジタル複合機に適用することができる。画像処理装置1は装置本体100、装置本体100の上に配置された原稿読取部200、原稿読取部200の上に配置された原稿給送部300及び装置本体100の上部前面に配置された操作表示部400を備える。
【0026】
原稿給送部300は自動原稿送り装置として機能し、原稿載置部301に置かれた複数枚の原稿を連続的に原稿読取部200に送ることができる。
【0027】
原稿読取部200はCCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等を搭載したキャリッジ201、ガラス等の透明部材により構成された原稿台203、及び原稿読取スリット205を備える。原稿台203に載置された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿台203の長手方向に移動させながらCCDセンサにより原稿を読み取る。これに対して、原稿給送部300から給送された原稿を読み取る場合、キャリッジ201を原稿読取スリット205と対向する位置に移動させて、原稿給送部300から送られてきた原稿を、原稿読取スリット205を通してCCDセンサにより読み取る。CCDセンサは読み取った原稿を画像データとして出力する。
【0028】
装置本体100は用紙貯留部101、画像形成部103及び定着部105を備える。用紙貯留部101は装置本体100の最下部に配置されており、用紙の束を貯留することができる用紙トレイ107を備える。用紙トレイ107に貯留された用紙の束において、最上位の用紙がピックアップローラ109の駆動により、用紙搬送路111へ向けて繰り出される。用紙は用紙搬送路111を通って、画像形成部103へ搬送される。
【0029】
画像形成部103は搬送されてきた用紙にトナー画像を形成する。画像形成部103は感光ドラム113、露光部115、現像部117及び転写部119を備える。露光部115は画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)に対応する光を生成し、一様に帯電された感光ドラム113の周面に照射する。これにより、感光ドラム113の周面には画像データに対応する静電潜像が形成される。この状態で感光ドラム113の周面に現像部117からトナーを供給することにより、周面には画像データに対応するトナー画像が形成される。このトナー画像は転写部119によって先ほど説明した用紙貯留部101から搬送されてきた用紙に転写される。
【0030】
トナー画像が転写された用紙は定着部105に送られる。定着部105において、トナー画像と用紙に熱と圧力が加えられて、トナー画像を用紙に定着させる。用紙はスタックトレイ121又は排紙トレイ123に排紙される。
【0031】
操作表示部400にはハードキーからなる操作キーが設けられている。具体的にはスタートキー401、テンキー403、ストップキー405、リセットキー407、コピー、プリンタ、スキャナ及びファクシミリを切り換えるための機能切換キー409等が設けられている。また、操作表示部400にはタッチパネル411が設けられている。タッチパネル411の画面には各種の操作及び動作の内容等が表示されると共にソフトキーからなる操作キーが表示される。
【0032】
図2は図1に示す画像処理装置1の電気的な構成を示すブロック図である。画像処理装置1は装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300、操作表示部400、MPU(Micro Processing Unit)500、通信部600、メモリ部700及び個人情報読取部800がバスによって相互に接続された構成を有する。装置本体100、原稿読取部200、原稿給送部300及び操作表示部400に関しては図1で説明しているので、説明を省略する。
【0033】
MPU500は画像処理装置1を動作させるために必要な制御を、画像処理装置1を構成する上記ハードウェアに対して実行する。
【0034】
通信部600はファクシミリ通信部601及びネットワークI/F部603を備える。ファクシミリ通信部601は相手先ファクシミリとの電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)及びファクシミリ通信用の信号を変復調する変復調回路を備える。ファクシミリ通信部601は電話回線605に接続される。
【0035】
ネットワークI/F部603はLAN(Local Area Network)607に接続される。ネットワークI/F部603はLAN607に接続されたパソコン等の端末装置との間で通信を実行するための通信インターフェイス回路である。
【0036】
メモリ部700はROM(Read Only Memory)701、RAM(Random Access Memory)703及び画像メモリ705を備える。ROM701は画像処理装置1の動作の制御に必要なソフトウェアを記憶しており、フラッシュメモリ等により実現される。
【0037】
RAM703はソフトウェアの実行時に発生するデータの一時的な記憶及びアプリケーションソフトの記憶等に利用される。RAM703はSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により実現される。
【0038】
画像メモリ705は画像データ(原稿読取部200から出力された画像データ、パソコンから送信された画像データ、ファクシミリ受信の画像データ等)を一時的に記憶する。画像メモリ705はDRAM等で実現される。
【0039】
個人情報読取部800はユーザを個人認証して画像処理装置1が使用される際に個人情報を読み取る。個人認証が生体認証の場合は生体情報(例えば指紋)を読み取るリーダが個人情報読取部800となる。また、個人認証がIDカード認証の場合はIDカードを読み取るリーダが個人情報読取部800となる。
【0040】
図3は画像処理装置1において操作キーのカスタマイズに関する機能ブロック図である。画像処理装置1はタッチパネル411、原稿読取部200、表示制御部31、カスタマイズ部33、認証部35、登録部37、画像出力部39、画像記憶部41、履歴記憶部43、指示用紙出力制御部45及び追加機能部47を備える。各機能ブロックの詳細は後で説明する。
【0041】
上述したように、操作表示部400には画像処理装置1の操作に用いられるタッチパネル411及び複数の操作キーが設けられている。複数の操作キーはスタートキー401等のハードキー及びタッチパネル411の画面で操作されるソフトキーにより構成される。
【0042】
本実施形態に係る画像処理装置1は指示用紙を用いて操作キーをカスタマイズすることを一つの特徴とする。図4は指示用紙11の一例を示す図である。指示用紙11は予め用意されている。指示用紙11はコピー機能の欄とスキャナ機能/ファクシミリ送信機能の欄に分けられて、カスタマイズすることができる操作キーの名称とチェックボックス13が印刷されている。ユーザはカスタマイズしたい操作キーについてチェックボックス13に鉛筆等でチェックマーク15を記載することにより、複数の操作キーの中でカスタマイズしたい操作キーを指示することができる。ハードキーについてもカスタマイズの対象にすることができる。例えば、スタートキー401をカスタマイズしたい操作キーとして指示すれば、スタートキー401をソフトキーとしてタッチパネル411の画面に表示できる。
【0043】
指示用紙11にはQRコードからなるコード17が設けられている。コード17は原稿読取部200で読み取り可能であり、原稿読取部200で読み取られた原稿が操作キーのカスタマイズを指示する指示用紙11であることを画像処理装置1に認識させる。コード17は指示用紙11毎に区別されている。これにより、一台の画像処理装置1においてユーザ毎に操作キーをカスタマイズできるようにしている。コード17は指示用紙11に印刷してもよいし、シールとして貼り付けるようにしてもよい。コード17としてバーコードを用いることもできる。
【0044】
コード17の替わりに指示用紙11に固有の番号を予め印刷しておき、原稿読取部200でその番号を読み取ることにより、操作キーのカスタマイズを指示する指示用紙11であることを画像処理装置1に認識させてもよい。
【0045】
チェックボックス13にチェックマーク15が記載された指示用紙11、すなわちカスタマイズしたい操作キーについて指示されている指示用紙11を用いて、画像処理装置1において操作キーをカスタマイズする処理が実行される。図5は本実施形態に係る操作キーをカスタマイズする処理を示すフローチャートである。ユーザは図1の原稿台203又は原稿給送部300に上記指示済みの指示用紙11をセットして、スタートキー401を操作する(ステップS1)。これにより、原稿読取部200によって、カスタマイズしたい操作キーについて指示されている指示用紙11の読み取りが実行される。原稿読取部200はコピー、ファクシミリ及びスキャナの機能の実行時に原稿を読み取る。原稿読取部200を利用して指示用紙11の読み取りを実行する。
【0046】
原稿読取部200が指示用紙11に設けられたコード17を読み取ることができず、カスタマイズ部33がコード17の認識に成功しなければ(ステップS3でNo)、操作キーがカスタマイズされずに処理が終了する。
【0047】
原稿読取部200がコード17を読み取って、カスタマイズ部33がコード17の認識に成功すれば(ステップS3でYes)、ユーザ登録する時に用いる登録番号を割り当てる。そして、カスタマイズ部33が指示用紙11に記載されたチェックマーク15の認識に成功したか否か判断される(ステップS5)。成功しない場合(ステップS5でNo)、ステップS3のNoと同じ処理がされる。
【0048】
カスタマイズ部33がチェックマーク15の認識に成功すれば(ステップS5でYes)、チェックボックス13に記載されたチュックマーク15を基にして、指示用紙11でカスタマイズが指示されている操作キーを分類する(ステップS7)。具体的には、コピー機能で使用される操作キーとスキャナ機能/ファクシミリ送信機能で使用される操作キーに分類する。そして、チェックボックス13に記載されたチュックマーク15の数をカウントする(ステップS9)。
【0049】
チェックマーク15の数とカスタマイズをする操作キーの名称をタッチパネル411に表示する(ステップS11)。ユーザはその表示を見て、自身がカスタマイズしたい操作キーとその数を確認する。問題があればユーザはカスタマイズする操作キーを確定する操作をせずに(ステップS13でNo)、カスタマイズを中止する操作をする。これにより、ステップS3のNoと同じ処理がされる。
【0050】
問題がなければユーザは操作表示部400に設けられた確定キー(決定キー)を操作して、カスタマイズする操作キーを確定する(ステップS13でYes)。これにより、カスタマイズ部33はユーザがカスタマイズを要求した操作キーの数に応じて、操作キーの大きさ、形及び配置を自動的に決定する(ステップS15)。そして、表示制御部31はカスタマイズされた操作キーをソフトキーとしてタッチパネル411の画面に表示する(ステップS17)。
【0051】
図6はタッチパネル411の画面に表示されたカスタマイズされる前の操作キーを示している。図7及び図8はタッチパネル411の画面に表示されたカスタマイズされた操作キー19の例を示している。図7はコピー機能の基本画面を示しており、図8はファクシミリ送信機能の基本画面を示している。
【0052】
次に、ユーザ登録の操作がされたか否か判断される(ステップS19)。ユーザ登録の操作がされなければ(ステップS19でNo)、カスタマイズ部33によってステップS3のNoと同じ処理がされる。ユーザ登録の操作がされた場合(ステップS19でYes)、登録部37によってそのカスタマイズされた操作キーがそのユーザと対応させてメモリ部700に記憶される。これにより、カスタマイズされた操作キーを個人認証されたユーザと対応させてユーザ毎に登録される(ステップS21)。
【0053】
生体認証又はIDカード認証によってユーザ登録をする場合は、図2の個人情報読取部800を利用してユーザ登録をする。暗証番号によってユーザ登録をする場合は、操作表示部400に設けられた操作キーを利用してユーザ登録をする。
【0054】
次に、図5で説明したカスタマイズされた操作キーをタッチパネル411の画面に表示させる処理について説明する。図9はこの処理を示すフローチャートである。まず、認証部35においてユーザが個人認証されたか否か判断される(ステップS31)。個人認証されなければ(ステップS31でNo)、表示制御部31によって操作キーがカスタマイズされていない通常の基本画面がタッチパネル411に表示される(ステップS33)。
【0055】
個人認証された場合(ステップS31でYes)、表示制御部31によってそのユーザに対応するカスタマイズされた操作キーが登録されているか否か判断される(ステップS35)。登録されていなければ(ステップS35でNo)、表示制御部31によってステップS33の処理が実行される。登録されていれば(ステップS35でYes)、表示制御部31がカスタマイズされた操作キーを使用するか否かを選択させる画面をタッチパネル411に表示する(ステップS37)。これは、操作キーがカスタマイズされていない通常の基本画面をユーザが使用したい場合を考慮したものである。
【0056】
ユーザがカスタマイズされた操作キーを使用する選択をした場合(ステップS39でYes)、表示制御部31がカスタマイズされた操作キーの画面をタッチパネル411に表示する(ステップS41)。一方、ユーザがカスタマイズされた操作キーを使用する選択をしなければ(ステップS39でNo)、表示制御部31によって操作キーがカスタマイズされていない通常の基本画面がタッチパネル411に表示される(ステップS43)。
【0057】
ステップS43の通常の基本画面にはカスタマイズされた操作キーを使用するか否かを選択する操作キーが設けられている。この操作キーを操作しなければ(ステップS45でNo)、表示制御部31によってステップS43の処理がされる。これに対して、通常の基本画面を選択したが、カスタマイズされた操作キーを利用したい場合が生じれば、カスタマイズされた操作キーを使用する選択をする(ステップS45でYes)。これにより、表示制御部31によってステップS41の処理がされる。
【0058】
ここで、ステップS3,S5,S7,S9,S11,S13,S15等の処理は図3のカスタマイズ部33により実行される。カスタマイズ部33はカスタマイズしたい操作キーについて指示されている指示用紙11の画像が原稿読取部200によって読み取られた場合、原稿読取部200で読み取った指示用紙11で指示されているカスタマイズしたい操作キーをカスタマイズする。カスタマイズ部33はMPU500及びメモリ部700等により実現される。
【0059】
ステップS21,S31等の処理は画像処理装置1を使用するユーザを個人認証する図3の認証部35により実行される。認証部35はMPU500、メモリ部700及び個人情報読取部800等により実現される。
【0060】
ステップS19,S21等の処理は登録部37により実行される。登録部37はカスタマイズ部33でカスタマイズされた操作キーを認証部35で個人認証されたユーザと対応させてユーザ毎に登録をする。登録部37はMPU500及びメモリ部700等により実現される。
【0061】
ステップS17,S35,S41,S43,S45等の処理は表示制御部31により実行される。表示制御部31はカスタマイズ部33でカスタマイズされた操作キーをソフトキーとしてタッチパネル411の画面に表示させる制御をする。また、表示制御部31は認証部35でユーザが個人認証された場合、該ユーザに対応するカスタマイズされた操作キーが登録部37に登録されていれば、該ユーザに対応するカスタマイズされた操作キーをタッチパネル411の画面に表示可能に制御をする。表示制御部はMPU500及びメモリ部700等により実現される。
【0062】
本実施形態の主な効果は以下の通りである。
【0063】
(1)複数の操作キーの中でカスタマイズしたい操作キーについて指示用紙11で指示し、この指示用紙11を原稿読取部200によって読み取ることを利用して操作キーをカスタマイズしている。これにより、多くの操作キーを一度にカスタマイズすることができる。また、ユーザに必要な操作キーだけを一度にカスタマイズすることができる。さらに、カスタマイズしたい複数の操作キーがタッチパネル411の画面の別々の階層に存在する場合でも、複数の操作キーを一度にカスタマイズすることができる。したがって、本実施形態によれば操作キーを簡単にカスタマイズできる。
【0064】
(2)カスタマイズすることができる操作キーの一覧を指示用紙11に記載している。したがって、ユーザはタッチパネル411の画面を切り替えることによって操作キーを探す場合に比べて、カスタマイズしたい操作キーを容易に探すことができる。
【0065】
(3)カスタマイズされた操作キーを個人認証されたユーザと対応させてユーザ毎に登録している。これにより、一台の画像処理装置1を共用する複数のユーザにおいてユーザ毎に操作キーをカスタマイズできる。各ユーザはカスタマイズしたい操作キーを登録すれば、次回以降は指示用紙11を読み取らせる操作をすることなく、個人認証することによりカスタマイズされた操作キーを利用することが可能となる。
【0066】
(4)指示用紙11には原稿読取部200で読み取り可能なコード17が設けられている。コード17は原稿読取部200で読み取られた原稿が指示用紙11であることを画像処理装置1に認識させる機能を有する。カスタマイズ部33は原稿読取部200で読み取られた原稿の画像にコード17の画像が含まれていた場合、カスタマイズを実行する。これにより、原稿読取部200で読み取られた原稿が指示用紙11であることを、画像処理装置1に容易に認識させることができる。
【0067】
ここまでは一般のユーザに対する操作キーのカスタマイズについて説明したが、サービスマンに対する操作キーをカスタマイズする態様でもよい。この態様ではサービスマン用の指示用紙が予め用意されている。図10はサービスマン用の指示用紙21の一例を示す図である。指示用紙21にはサービスマンモードで使用する操作キーにおいて、カスタマイズすることができる操作キーの名称とチェックボックス23が印刷されている。サービスマンはカスタマイズしたい操作キーについてチェックボックス23に鉛筆等でチェックマーク25を記載することにより、複数の操作キーの中でカスタマイズしたい操作キーを指示することができる。
【0068】
指示用紙21にはコード27が設けられている。コード27は図4に示すユーザ用の指示用紙11に設けられたコード17と対応している。コード27はサービスマン用の指示用紙21であることを画像処理装置1に認識させる。コード27のその他の説明はコード17と同じである。
【0069】
図11はサービスマン用にカスタマイズされた操作キーの一例を示す図である。指示用紙21を用いて操作キーのカスタマイズ処理をした場合、図11に示すようなカスタマイズされた操作キー29の画面をタッチパネル411に表示できる。
【0070】
サービスマン用の指示用紙21に設けられるコード27はユーザ用の指示用紙11に設けられるコード17と区別されている。したがって、画像処理装置1にユーザ用の指示用紙とサービスマン用の指示用紙を容易に区別して認識させることができる。また、指示用紙11,21をユーザ用とサービスマン用に分けることができるので、ユーザ用の指示用紙11にはユーザが操作する操作キーを列挙でき、サービスマン用の指示用紙21にはサービスマンが操作する操作キーを列挙できる。
【0071】
操作表示部400において所定の暗証番号を入力してサービスマンモードにし、操作キーをカスタマイズする場合、サービスマン以外の者に暗証番号が知られたら、勝手に操作キーをカスタマイズされたり、設定を変更されたりするおそれがある。これに対して、本実施形態では原稿読取部200がコード27を読み取ることにより、指示用紙21がサービスマン用であることを画像処理装置1が認識して、操作キーをカスタマイズしている。このため、サービスマンモードにするための所定の暗証番号を設ける必要がなくなる。例えばQRコード又はバーコード等の図形コードを用いた場合、ユーザがこのようなコードを入力するのは困難なので、サービスマンモードのセキュリティを向上させることができる。
【0072】
本実施形態においてさらに以下の態様が可能である。
【0073】
(1)指示用紙11,21を図3の画像出力部39から出力する。これによれば、指示用紙11,21を出力できるので、指示用紙11,21を画像処理装置1の販売又はレンタル等の際に付属品として添付する必要がなくなる。この態様は画像を用紙に形成して出力する画像出力部39と、指示用紙11,21の画像を予め記憶する画像記憶部41と、画像記憶部41に記憶された画像データに基づいて指示用紙11,21を画像出力部39から出力させる指示用紙出力制御部45とによって実行される。画像出力部39は図2の装置本体100により実現される。画像記憶部41は図2のメモリ部700により実現される。指示用紙出力制御部45は図2のMPU500及びメモリ部700等により実現される。
【0074】
(2)画像処理装置1は追加機能部47を追加可能に構成されている。カスタマイズ部33は追加機能部47が追加された場合、追加機能部47が有する機能に応じて、指示用紙11,21において指示することができる複数の操作キーの内容を変更するように、画像記憶部41に記憶されている指示用紙11,21の画像データを変更する。
【0075】
追加機能部47とは画像処理装置1に対してオプションとして追加できる機能であり、例えばフィニシャー、ソータのことである。この態様によれば追加機能についても操作キーをカスタマイズできる。
【0076】
(3)画像処理装置1において個人認証されたユーザの操作履歴を記憶しておき、個人認証されたユーザが指示用紙11,21を出力する操作をした場合、画像出力部39は操作履歴を基にして、該ユーザの使用頻度が高い操作キーを示した指示用紙11,21を出力する。これにより、ユーザは自己の使用頻度が高い操作キーについて簡単にカスタマイズできる。使用頻度が高い操作キーを示すとは、使用頻度が高い操作キーの名称の隣にマークをつけること、使用頻度が高い操作キーを他の操作キーと区分けして記載すること、使用頻度が高い順に並べること等である。
【0077】
ここでのユーザを個人認証する認証部は、上述したステップS21,S31等の処理でユーザを個人認証する認証部と同じである。認証部で個人認証されたユーザの操作履歴は履歴記憶部に記憶される。履歴記憶部はメモリ部700により実現される。
【0078】
(4)本実施形態では一台の画像処理装置1を共用する複数のユーザにおいてユーザ毎に操作キーをカスタマイズできるようにしている。しかしながら、一台の画像処理装置1を共用する複数のユーザに対して、共通に操作キーをカスタマイズしてもよい。これによれば図5のステップS19,S21のユーザ登録をする操作が不要となる。複数のユーザに対して共通のカスタマイズされた操作キーがタッチパネル411の画面に表示される。
【0079】
(5)本実施形態ではカスタマイズされた操作キーを基本画面に表示したが、基本画面よりも下の階層の画面に表示してもよい。
【0080】
(6)本実施形態ではカスタマイズされた操作キーを一つ画面に表示したが、カスタマイズされた操作キーの数が多い場合、複数の階層の画面で操作キーを表示してもよい。
【0081】
(7)本実施形態では画像処理装置1としてデジタル複合機を例に説明したが、原稿を読み取る機能を有する画像処理装置、例えば、コピー、ファクシミリ及びスキャナの少なくとも一つの機能を有する機器に本実施形態に係る画像処理装置1を適用してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 画像処理装置
11 指示用紙
13 チェックボックス
15 チェックマーク
17 コード
19 操作キー(ソフトキー)
21 指示用紙
23 チェックボックス
25 チェックマーク
27 コード
29 操作キー(ソフトキー)
31 表示制御部
33 カスタマイズ部
35 認証部
37 登録部
39 画像出力部
41 画像記憶部
43 履歴記憶部
45 指示用紙出力制御部
47 追加機能部
200 原稿読取部
400 操作表示部
401 スタートキー
403 テンキー
405 ストップキー
407 リセットキー
409 機能切替キー
411 タッチパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルの画面で操作されるソフトキーを含む複数の操作キーと、
原稿の画像を読み取る原稿読取部と、
前記複数の操作キーの中でカスタマイズしたい操作キーを指示することができる指示用紙が予め用意されており、カスタマイズしたい操作キーについて指示されている前記指示用紙の画像が前記原稿読取部によって読み取られた場合、前記原稿読取部で読み取った前記指示用紙で指示されているカスタマイズしたい操作キーをカスタマイズするカスタマイズ部と、
前記カスタマイズ部でカスタマイズされた操作キーをソフトキーとして前記タッチパネルの画面に表示させる制御をする表示制御部と、を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記画像処理装置を使用するユーザを個人認証する認証部と、
前記カスタマイズ部でカスタマイズされた操作キーを前記認証部で個人認証されたユーザと対応させてユーザ毎に登録する登録部と、をさらに備えており、
前記認証部でユーザが個人認証された場合、該ユーザに対応するカスタマイズされた操作キーが前記登録部に登録されていれば、前記表示制御部は該ユーザに対応するカスタマイズされた操作キーを前記タッチパネルの画面に表示可能に制御をする、ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
画像を用紙に形成して出力する画像出力部と、
前記指示用紙の画像を予め記憶する画像記憶部と、
前記画像記憶部に記憶された画像データに基づいて前記指示用紙を前記画像出力部から出力させる指示用紙出力制御部と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
追加機能部を追加可能に構成され、
前記カスタマイズ部は前記追加機能部が追加された場合、前記追加機能部が有する機能に応じて、前記指示用紙において指示することができる前記複数の操作キーの内容を変更するように、前記画像記憶部に記憶されている前記指示用紙の画像データを変更する、ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記認証部で個人認証されたユーザの操作履歴を記憶する履歴記憶部をさらに備えており、
前記認証部で個人認証されたユーザが前記指示用紙を出力する操作をした場合、前記画像出力部は前記履歴記憶部に記憶されている前記操作履歴を基にした、該ユーザの使用頻度が高い操作キーを示した前記指示用紙を出力する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記指示用紙には前記原稿読取部で読み取られた原稿が前記指示用紙であることを前記カスタマイズ部に認識させる、前記原稿読取部で読み取り可能なコードが設けられており、
前記カスタマイズ部は前記原稿読取部で読み取られた原稿の画像に前記コードの画像が含まれていた場合、カスタマイズを実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記コードはユーザ用とサービスマン用で区別されている、ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−114446(P2011−114446A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267239(P2009−267239)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】