説明

画像出力装置,その制御方法及びプログラム

【課題】作成時期の新しい画像のファイル情報を優先的に記憶する処理を迅速に行う。
【解決手段】まず、メモリーカードに記憶された画像ファイルのファイル情報を順次読み出して最大数に達するまでRAMのファイル情報記憶領域にファイル情報を記憶し、このファイル情報のインデックス情報を第1グループに属するものとすると共に対応する画像ファイルの作成時期順にインデックス情報をソートする初期登録処理を行う(ステップS100〜S150)。続いて、未処理の画像ファイルについて順番に処理対象に設定し、第1グループの最古の作成時期T1,第2グループの最古の作成時期T2,処理対処の作成時期T3を特定して比較し、作成時期が新しい画像ファイルのファイル情報を優先的にファイル情報記憶領域に第2グループとして記憶する処理を繰り返し行う(ステップS160〜S200,S240)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置,その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像出力装置として、画像データに管理情報を付随させ、この管理情報に基づいて画像の印刷出力を制御するものが知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1に記載の画像形成装置では、管理情報に基づいて印刷出力を制御するほか、記憶部に空き容量がない場合には、管理情報に含まれる読取日時が古い画像を優先的に削除するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−30550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の画像のファイル情報をまず取得して記憶しておき、このファイル情報に基づいて画像の出力を行う場合において、全ての画像のファイル情報を記憶せず一部の画像のファイル情報のみ記憶する場合がある。例えば、ファイル情報を記憶する領域の容量が限られている場合や、多数のファイル情報を記憶することによる処理速度の低下を防止したい場合などである。このような場合において、特許文献1のように作成時期が古い画像のファイル情報を優先的に記憶対象から除外する、すなわち作成時期が新しい画像のファイル情報を優先的に記憶することが考えられる。しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、古い画像を優先的に削除する際の具体的な方法までは記載されていない。また、例えば単純な方法として、画像の作成時期を順次読み出して比較することで最も作成時期が新しい画像を特定してそのファイル情報を記憶する、という処理を繰り返し行うことも考えられるが、これでは処理に時間がかかってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、作成時期の新しい画像のファイル情報を優先的に記憶する処理を迅速に行うことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の画像出力装置は、
複数の画像を記憶する第1記憶手段と、
所定容量のファイル情報記憶領域を有する第2記憶手段と、
前記画像を出力可能な出力手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記画像のファイル情報を順次読み出して前記所定容量の範囲内で前記ファイル情報記憶領域に記憶する処理と、該処理で記憶されたファイル情報を第1グループ及び第2グループの2つのグループのうちの第1グループに属するものとする処理と、これ以上ファイル情報記憶領域に前記ファイル情報を記憶すると前記所定容量を超えてしまう状態となった時点で前記第1グループに属するファイル情報に対応する画像の作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を各ファイル情報に対応付ける処理とを行うファイル情報初期登録手段と、
前記第1記憶手段に記憶された画像のうちファイル情報が前記ファイル情報初期登録手段によって前記ファイル情報記憶領域に記憶されなかったものを順次処理対象に設定する処理対象設定手段と、
前記第1グループに属するファイル情報が存在するときには該第1グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を前記順位に基づいて特定し、前記第2グループに属するファイル情報が存在するときには該第2グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を特定して、該特定した作成時期と前記処理対象として設定されている画像の作成時期とを比較し、該比較した作成時期のうち前記特定した第1グループの作成時期又は前記特定した第2グループの作成時期が最古であるときには、該最古の作成時期の画像のファイル情報を前記ファイル情報記憶領域から削除し前記処理対象として設定されている画像のファイル情報を前記第1記憶手段から読み出して前記ファイル情報記憶領域に記憶すると共に該記憶したファイル情報を前記第2グループに属するものとするという処理を、前記処理対象設定手段によって前記処理対象に設定された画像のすべてについて実行するファイル情報入替手段と、
前記ファイル情報入替手段による処理が終了したあと、前記ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報に対応する画像を出力するよう前記出力手段を制御する出力制御手段と、
を備えたものである。
【0008】
この画像出力装置は、まず、第1記憶手段に記憶された画像のファイル情報を順次読み出して所定容量の範囲内でファイル情報記憶領域に記憶する処理と、記憶されたファイル情報を第1グループ及び第2グループの2つのグループのうちの第1グループに属するものとする処理と、これ以上ファイル情報記憶領域にファイル情報を記憶すると所定容量を超えてしまう状態となった時点で第1グループに属するファイル情報に対応する画像の作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を各ファイル情報に対応付ける処理とを行う。次に、第1記憶手段に記憶された画像のうちファイル情報がファイル情報記憶領域に記憶されなかったものを順次処理対象に設定し、第1グループに属するファイル情報が存在するときには第1グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を順位に基づいて特定し、第2グループに属するファイル情報が存在するときには第2グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を特定して、特定した作成時期と処理対象として設定されている画像の作成時期とを比較し、比較した作成時期のうち特定した第1グループの作成時期又は特定した第2グループの作成時期が最古であるときには、最古の作成時期の画像のファイル情報をファイル情報記憶領域から削除し処理対象として設定されている画像のファイル情報を第1記憶手段から読み出してファイル情報記憶領域に記憶すると共に該記憶したファイル情報を第2グループに属するものとするという処理を、処理対象に設定された画像のすべてについて実行する。そして、この処理が終了したあと、ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報に対応する画像を出力するよう出力手段を制御する。
【0009】
こうすることで、この画像出力装置では、一度ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報であっても、作成時期が古い場合には順次処理対象に設定された画像のファイル情報に入れ替えられていく。結果として、第1記憶手段に記憶された画像のうち作成日時の新しいファイル情報が優先的にファイル情報記憶領域に記憶される。そのため、ファイル情報記憶領域に一部の画像のファイル情報のみ記憶する場合でも、作成時期が新しい画像ほど確実に画像の出力が可能となる。そして、ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報のうち第1グループに属するファイル情報には作成時期の新しい順又は古い順に順位が対応付けられている。そのため、第1グループのファイル情報に対応する画像のうち最古の作成時期と第2グループのファイル情報に対応する画像のうち最古の作成時期と処理対象の画像の作成時期との比較を行うにあたり、第1グループの最古の作成時期は、その順位に基づいて特定できる。これにより、例えばファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報の全てについて毎回最古の作成時期を特定する場合と比較して、最古の作成時期を特定する処理を迅速に行うことができる。したがって、作成時期の新しい画像のファイル情報を優先的に記憶する処理を迅速に行うことができる。
【0010】
本発明の画像出力装置において、前記ファイル情報入替手段は、前記処理を行ったことにより前記第1グループに属するファイル情報が存在しなくなったときには、前記第2グループを前記第1グループとし、該第1グループに属するファイル情報に対応する画像の作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を各ファイル情報に対応付ける手段としてもよい。こうすれば、第1グループに属するファイル情報が存在しなくなったときに、第2グループを第1グループとし、この第1グループに属するファイル情報に対して作成時期の新しい順又は古い順に順位を対応付けるため、以降はこの第1グループのファイル情報に対応する画像については順位に基づいて最古の作成時期を特定できる。したがって、その後も作成時期の新しい画像のファイル情報を優先的に記憶する処理を継続する場合にその処理を迅速に行うことができる。
【0011】
本発明の画像出力装置において、前記ファイル情報を前記第1グループに属するものとする処理は、前記ファイル情報の前記ファイル情報記憶領域における位置を表し該ファイル情報よりもデータ量の小さいインデックス情報を前記第1グループに属するものとして前記第2記憶手段に記憶することにより行い、前記ファイル情報を前記第2グループに属するものとする処理は、前記インデックス情報を前記第2グループに属するものとして前記第2記憶手段に記憶することにより行い、前記順位を各ファイル情報に対応付ける処理は、前記順位を各ファイル情報の前記インデックス情報に対応付けることにより行うものとしてもよい。こうすれば、ファイル情報よりもデータ量の小さいインデックス情報を調べることで各ファイル情報の順位(すなわち画像の作成時期の順位)が特定できる。したがって、順位がファイル情報自体に対応付けられておりファイル情報を調べて順位を特定する場合と比較して、第1グループの画像の最古の作成時期を順位に基づいて特定する処理を迅速に行うことができる。
【0012】
本発明の画像出力装置において、前記順位を対応付ける処理の際又は該処理の後に、該順位を対応付ける対象を該順位の昇順又は降順の並びとするものとしてもよい。こうすれば、順位を対応付ける対象が作成時期順に並ぶため、順位に基づいて最古の作成時期を特定する処理を迅速に行うことができる。
【0013】
本発明の画像出力装置において、前記出力手段は、前記画像を用紙に印刷する手段又は前記画像を表示する手段としてもよい。
【0014】
本発明の画像出力装置の制御方法は、
複数の画像を記憶する第1記憶手段と、所定容量のファイル情報記憶領域を有する第2記憶手段と、前記画像を出力可能な出力手段と、を備えた画像出力装置の制御方法であって、
(a)前記第1記憶手段に記憶された前記画像のファイル情報を順次読み出して前記所定容量の範囲内で前記ファイル情報記憶領域に記憶する処理と、該処理で記憶されたファイル情報を第1グループ及び第2グループの2つのグループのうちの第1グループに属するものとする処理と、これ以上ファイル情報記憶領域に前記ファイル情報を記憶すると前記所定容量を超えてしまう状態となった時点で前記第1グループに属するファイル情報に対応する画像の作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を各ファイル情報に対応付ける処理とを行うステップと、
(b)前記第1記憶手段に記憶された画像のうちファイル情報が前記ステップ(a)で前記ファイル情報記憶領域に記憶されなかったものを順次処理対象に設定し、前記第1グループに属するファイル情報が存在するときには該第1グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を前記順位に基づいて特定し、前記第2グループに属するファイル情報が存在するときには該第2グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を特定して、該特定した作成時期と前記処理対象として設定されている画像の作成時期とを比較し、該比較した作成時期のうち前記特定した第1グループの作成時期又は前記特定した第2グループの作成時期が最古であるときには、該最古の作成時期の画像のファイル情報を前記ファイル情報記憶領域から削除すると共に前記処理対象として設定されている画像のファイル情報を前記第1記憶手段から読み出して前記ファイル情報記憶領域に記憶すると共に該記憶したファイル情報を前記第2グループに属するものとするという処理を、前記処理対象に設定された画像のすべてについて実行するステップと、
(c)前記ステップ(b)の処理が終了したあと、前記ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報に対応する画像を出力するよう前記出力手段を制御するステップと、
を含むものである。
【0015】
この画像出力装置の制御方法では、一度ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報であっても、作成時期が古い場合には順次処理対象に設定された画像のファイル情報に入れ替えられていく。結果として、第1記憶手段に記憶された画像のうち作成日時の新しいデータファイルが優先的にファイル情報記憶領域に記憶される。そのため、ファイル情報記憶領域に一部の画像のファイル情報のみ記憶する場合でも、作成時期が新しい画像ほど確実に画像の出力が可能となる。そして、ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報のうち第1グループに属するファイル情報には作成時期の新しい順又は古い順に順位が対応付けられている。そのため、第1グループのファイル情報に対応する画像のうち最古の作成時期と第2グループのファイル情報に対応する画像のうち最古の作成時期と処理対象の画像の作成時期との比較を行うにあたり、第1グループの最古の作成時期は、その順位に基づいて特定できる。これにより、例えばファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報の全てについて毎回最古の作成時期を特定する場合と比較して、最古の作成時期を特定する処理を迅速に行うことができる。したがって、作成時期の新しい画像のファイル情報を優先的に記憶する処理を迅速に行うことができる。なお、この画像出力装置の制御方法において、上述した画像出力装置の種々の態様を採用してもよいし、上述した画像出力装置の各機能を実現するようなステップを追加してもよい。
【0016】
本発明のプログラムは、コンピューターを上述した画像出力装置の制御方法の各ステップをコンピューターに実現させるためのものである。このプログラムは、コンピューターが読み取り可能な記録媒体(例えばハードディスク、ROM、FD、CD、DVDなど)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットやLANなどの通信網)を介してあるコンピューターから別のコンピューターに配信されてもよいし、その他どのような形で授受されてもよい。このプログラムをコンピューターに実行させれば、上述の本発明の画像出力装置の制御方法の各ステップが実現されるため、本発明の画像出力装置の制御方法と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】マルチファンクションプリンター20の構成の概略を示す構成図。
【図2】筐体カバー22を開けた状態のプリンター20の外観図。
【図3】画像ファイル検索処理ルーチンの一例を示すフローチャート。
【図4】画像チェック情報が追加されたファイル情報の一例を示す説明図。
【図5】RAM66に記憶されたファイル情報とインデックス情報の説明図。
【図6】ソート後のインデックス情報の一例を示す説明図。
【図7】ステップS190及びステップS200の様子の一例を示す説明図
【図8】ステップS190及びステップS200の様子の一例を示す説明図
【図9】ステップS220及びステップS230の様子の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるマルチファンクションプリンター(以下、プリンターという)20の構成の概略を示す構成図であり、図2は、筐体カバー22を開けた状態のプリンター20の外観図である。
【0019】
本実施形態のプリンター20は、筐体21と、筐体21の上面を開閉可能な筐体カバー22とにより構成されており、原稿を光学的に読み取って画像データを生成するスキャナーユニット30と、カセット23内にセットされている用紙を給紙し印刷して排紙トレイ24に排紙するプリンターユニット40と、ユーザーによる各種操作が可能な操作パネル46と、メモリーカードスロット50に挿入されたメモリーカードMCとの間でデータの入出力を司るメモリーカードコントローラー52と、装置全体の制御を司るメインコントローラー60と、を備える。
【0020】
スキャナーユニット30は、スキャナーASIC(Application Specific Integrated Circuit)32と、スキャナー機構34とを備える。スキャナーASIC32は、スキャナー機構34を制御する集積回路であり、メインコントローラー60からのスキャン指令を受けると、筐体21の上面のガラス台26(図2参照)に載置された原稿を画像データとして読み取るようスキャナー機構34を制御する。また、スキャナー機構34は、周知のイメージスキャナーとして構成されており、原稿に向かって発光した後の反射光をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各色に分解して画像データとする周知のカラーイメージセンサーを有する。
【0021】
プリンターユニット40は、プリンターASIC42と、プリンター機構44とを備える。プリンターASIC42は、プリンター機構44を制御する集積回路であり、メインコントローラー60から印刷指令を受けると、印刷指令の対象となる画像データに基づいて用紙に画像を印刷するようプリンター機構44を制御する。また、プリンター機構44は、印刷ヘッドから用紙へインクを吐出することにより印刷を行う周知のインクジェット方式のカラープリンター機構として構成されている。
【0022】
操作パネル46は、中央に配置された表示部47と、この表示部47の左隣に配置された電源ボタン48とを備える。表示部47は、タッチパネル式の液晶ディスプレイとして構成されており、モードを選択するモードボタンや、ディスプレイ上に表示される案内に従ってタッチすることによりメニューや項目を選択する選択/設定ボタン,コピーや印刷を開始するスタートボタンなどを表示してタッチ操作を受け付ける。ここで、モードボタンにより選択可能なモードとしては、ガラス台26に載置された原稿をスキャンして用紙に印刷するコピーモードや、ガラス台26に載置された原稿をスキャンしてデータ化すると共にメモリーカードMCに画像ファイルとして記憶するスキャンモード、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルを用いて画像を印刷するメモリー印刷モードなどがある。
【0023】
メモリーカードコントローラー52は、メモリーカードスロット50に挿入されたメモリーカードMCとの間でデータの入出力を行うものである。このメモリーカードコントローラー52は、メモリーカードスロット50にメモリーカードMCが挿入されているときに、メモリーカードMCに保存されている画像ファイルを読み出してメインコントローラー60に送信したり、メインコントローラー60からの命令を入力しその命令に基づいてメモリーカードMCにデータを書き込んだりする。
【0024】
メインコントローラー60は、CPU62を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムや各種データ、各種テーブルなどを記憶したROM64と、一時的にスキャンデータや印刷データなどを記憶するRAM66と、操作パネル46との通信を可能とする内部通信インターフェース(I/F)68と、を備える。なお、RAM66は、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルのファイル情報(後述)を記憶するための領域であるファイル情報記憶領域67を有している。このメインコントローラー60は、プリンターユニット40やスキャナーユニット30からの各種動作信号や各種検出信号を入力したり、操作パネル46のタッチ操作に応じて発生する操作信号を入力したりする。また、メモリーカードスロット50に装着されたメモリーカードMCから画像ファイルを読み出したり、画像データの印刷を実行するようプリンターユニット40に指令を出力したり、操作パネル46からのスキャン指令に基づいて原稿を画像データとして読み取るようスキャナーユニット30に指令を出力したり、操作パネル46に表示部47の制御指令を出力したりする。
【0025】
次に、こうして構成された本実施形態のプリンター20の動作、特にメモリーカードMCに画像ファイルが記憶されているときの動作について説明する。図3は、メインコントローラー60により実行される画像ファイル検索処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、プリンター20の電源がONの状態でメモリーカードスロット50にメモリーカードMCが挿入されたときや、メモリーカードスロット50にメモリーカードMCが挿入された状態で電源ボタン48が押されてプリンター20の電源がONとなったときに実行される。
【0026】
この画像ファイル検索処理ルーチンが開始されると、メインコントローラー60のCPU62は、まず、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルからファイル情報を所定の順番に従って読み出して取得する(ステップS100)。この処理は、予めファイルシステムが定める順番(例えばFAT順)に従って画像ファイルを検索し、検索した画像ファイルのファイル情報を読み出すことで行う。そして、読み出したファイル情報をファイル情報記憶領域67にファイルリストとして記憶する(ステップS110)。図4にファイル情報の一例を示す。図4の例では、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルへのポインターとファイル作成日とファイル作成時刻とからなるファイル情報(以下、オリジナルファイル情報という)が各画像ファイルと共にメモリーカードMCに記憶されており、このオリジナルファイル情報に画像チェック情報を追加したものが新たなファイル情報としてファイル情報記憶領域67に記憶される。なお、画像チェック情報とは、画像ファイルがプリンターユニット40で正しく印刷できるファイルであるか否かを例えば拡張子や画像ファイルのデータを確認することでチェックし、その結果を表す情報である。また、以下では、オリジナルファイル情報とこの新たなファイル情報とを特に区別しない場合には、単にファイル情報と称する。
【0027】
画像ファイルからファイル情報を読み出して記憶すると、CPU62は、まだファイル情報を読み出していない画像ファイルすなわち未処理の画像ファイルがメモリーカードMCに記憶されているか否かを判定する(ステップS120)。そして、否定的な判定をしたときには、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルのファイル情報を全てファイル情報記憶領域67にファイルリストとして記憶したことになるため、このファイルリストにおけるファイル情報をソートして(ステップS250)、本ルーチンを終了する。このソートは、例えばファイル情報に含まれる画像ファイルへのポインターを用いて、メモリーカードMCに記憶された各画像ファイルのルートディレクトリからのフォルダ名とファイル名とからなるフルパスファイル名で昇順に(例えばASCII文字コードの昇順に)ソートする処理である。一方、未処理の画像ファイルがメモリーカードMCに記憶されているときには、ステップS120で肯定的な判定をして、ステップS110においてファイル情報記憶領域67に記憶したファイル情報の数が所定の最大数に達したか否かを判定する(ステップS130)。ここで、所定の最大数とは、ファイル情報記憶領域67の記憶容量の上限に対応するファイル情報の数(例えば、値999)である。なお、近年、メモリーカードMCの記憶容量の増大に伴ってメモリーカードMCに記憶される画像ファイルの数は増加し、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルの数が最大数を超える場合が多くなってきており、このような判定を行う重要性が増している。また、ファイル情報記憶領域67の記憶容量の上限は、例えば他の処理でRAM66を使用するために必要な空き容量を最低限確保できるような値として定めたり、RAM66を用いた他の処理における処理速度を一定以上に保つことができるよう、さらに小さい値として定めたりすればよい。あるいは、ファイル情報記憶領域67にファイル情報が記憶された画像ファイルのうちいずれを印刷するかを後述する印刷処理においてユーザーが選択する際に、印刷を希望する画像ファイルを探す操作が煩わしくならないような値として最大数を定めてもよい。
【0028】
そして、ファイル情報記憶領域67に記憶したファイル情報の数が最大数に達していないときには、ステップS100に戻り、ステップS100〜S130の処理を繰り返す。これにより、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルのファイル情報が全てファイル情報記憶領域67に記憶されるか、又はファイル情報記憶領域67に記憶したファイル情報の数が最大数に達するまで、ファイル情報をファイル情報記憶領域67に記憶する処理が行われる。
【0029】
そして、ファイル情報記憶領域67に記憶したファイル情報の数が最大数に達したときには、CPU62は、記憶したファイル情報の位置を表すインデックス情報を作成して第1グループに属するものとしてRAM66に記憶する(ステップS140)。図5に、RAM66に記憶されたファイル情報とインデックス情報の一例を示す。なお、図5では、説明の便宜上最大数を値5としている。図示するように、ファイル情報記憶領域67には、最大数と同じ5つのファイル情報A1〜A5がファイルリストとして記憶されている。この場合、ステップS140では、このファイル情報A1〜A5のファイル情報記憶領域67における位置を表す情報(例えばポインター)をそれぞれインデックス情報B1〜B5として作成して、インデックスリストとしてRAM66に記憶する。なお、インデックス情報は第1グループ又は第2グループのいずれかに属するものとしてRAM66に記憶できるようになっており、ステップS140では作成したインデックス情報を全て第1グループに属するものとして記憶する。第2グループに属するものとする処理は後の処理で行われるため後述する。インデックス情報が第1グループと第2グループとのいずれに属するかは、例えばRAM66に設けられた所定の第1グループ記憶領域と第2グループ記憶領域とのいずれにインデックス情報を記憶するかで区別するものとしてもよいし、インデックス情報毎にいずれのグループに属するかの情報を対応づけることで区別するものとしてもよい。なお、インデックス情報とファイル情報とは一対一に対応し、ファイル情報と画像ファイルとは一対一に対応していることから、インデックス情報を第1グループと第2グループとのいずれかに属するものとする処理は、ファイル情報や画像ファイルを第1グループと第2グループとのいずれかに属するものとする処理ということもできる。
【0030】
そして、インデックス情報を第1グループとしてRAM66に記憶すると、CPU62は、第1グループとして記憶したインデックス情報を対応する画像ファイルの作成時期の新しい順にソートする(ステップS150)。ここで、インデックス情報は上述したようにファイル情報の位置を表すものであり、ファイル情報(及びファイル情報に対応する画像ファイル)と対応している。そのため、ステップS150では、第1グループに属するインデックス情報に対応するファイル情報に含まれるファイル作成日及びファイル作成時刻(すなわち画像ファイルの作成時期)を調べて、インデックス情報を対応する画像ファイルの作成時期順にソートする。例えば、図5に示したファイル情報A1〜A5に含まれる画像ファイルの作成時期を新しい順に並べるとファイル情報A3,A1,A5,A4,A2の順となる場合、ソート後のインデックス情報は図6に示すように対応する作成時期の新しい順に並び替えられ、インデックス情報B3,B1,B5,B4,B2の順で記憶された状態となる。なお、インデックス情報はファイル情報の位置を表す情報であり、ファイル情報と比べるとデータ量が小さい。そのため、このようにファイル情報の代わりにインデックス情報をソートすることで、ファイル情報自体をソートする場合と比べてデータの並び替えを行う処理を迅速に行うことができる。また、このインデックス情報をソートする処理は、インデックス情報に対応する画像ファイルの作成時期を新しい順に並べたときの順位を特定して、この順位を各インデックス情報に対応付ける処理ということもできる。なお、上述したようにインデックス情報とファイル情報とは一対一に対応し、ファイル情報と画像ファイルとは一対一に対応していることから、順位をインデックス情報に対応付ける処理は、順位をファイル情報や画像ファイルに対応付ける処理ということもできる。
【0031】
インデックス情報のソートを行うと、CPU62は、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルのうち未処理の画像ファイルを所定の順番に従って処理対象に設定する(ステップS160)。なお、所定の順番とは、ステップS100と同様、予めファイルシステムが定める順番である。そして、第1グループに属するインデックス情報に対応する画像ファイルのうち最古の作成時期T1と、第2グループに属するインデックス情報に対応する画像ファイルのうち最古の作成時期T2と、処理対象に設定した画像ファイルの作成時期T3とを特定する(ステップS170)。まず、作成時期T1の特定について説明する。第1グループに属するインデックス情報は、ステップS150で作成時期の新しい順に並び替えられている。そのため、第1グループに属するインデックス情報の並びの最後に位置するインデックス情報に対応するファイル情報のファイル作成日及びファイル作成時刻を、作成時期T1として特定することができる。例えば図6においては、並びの一番下に位置するインデックス情報B2に対応するファイル情報A2のファイル作成日及びファイル作成時刻が、作成時期T1として特定される。したがって、第1グループに属するインデックス情報に対応する画像ファイルの作成時期を順次ファイルリストから読み出して比較するといった処理を行うことなく、並び順に基づいて作成時期T1を迅速に特定することができる。次に、作成時期T2の特定について説明する。第2グループに属するインデックス情報については後述するが、本実施形態では、第2グループは第1グループと異なり作成時期順にソートする処理は行われない。そのため、作成時期T2の特定は第2グループに属するインデックス情報に対応する画像ファイルの作成時期を順次ファイルリストから読み出して比較していき、最古の作成時期を特定することにより行う。なお、図6のように第2グループに属するインデックス情報が存在しない場合には、作成時期T2の特定は行わない。作成時期T3の特定については、処理対象に設定された画像ファイルと共にメモリーカードMCに記憶されているオリジナルファイル情報を読み出してファイル作成日及びファイル作成時刻を特定することで行う。
【0032】
作成時期T1〜T3の特定を行うと、CPU62は、作成時期T1〜T3のうち最古のものがいずれであるかを判定する(ステップS180)。なお、作成時期T2を特定していない場合には、作成時期T1,T3のうち最古のものがいずれであるかを判定する。このステップS180の処理は、ファイル情報がファイル情報記憶領域67に記憶されている全ての画像ファイルと、処理対象の画像ファイルとのうちで作成時期が最古の画像ファイルがいずれであるかを判定する処理に相当する。そして、作成時期T1又は作成時期T2が最古であると判定したときには、最古の作成時期に対応する画像ファイルのファイル情報の代わりに処理対象の画像ファイルのファイル情報を記憶する(ステップS190)。すなわち、既にファイル情報がファイル情報記憶領域67に記憶されている画像ファイルよりも、現在処理対象の画像ファイルの方が作成時期が新しいため、作成時期の新しい画像ファイルのファイル情報を優先的にファイル情報記憶領域67に記憶するのである。一方、ステップS180で作成時期T3が最古であると判定したときには、既にファイル情報がファイル情報記憶領域67に記憶されている画像ファイルのいずれと比べても処理対象の画像ファイルの作成時期が古いことを意味するため、ステップS190のような処理は行わない。そして、ステップS190の処理を行うと、ステップS190でファイル情報記憶領域67に記憶したファイル情報のインデックス情報を第2グループに属するものとして記憶する(ステップS200)。図7は、ステップS190及びステップS200の様子の一例を示す説明図である。図示するように、例えば現在の処理対象の画像ファイルのファイル情報がファイル情報A6であったとすると(図7(a))、ステップS170ではファイル情報A2に含まれる作成時期が作成時期T1として特定され、ファイル情報A6に含まれる作成時期が作成時期T3として特定される。そして、ステップS180で両者を比較する。例えば作成時期T1,T2のうち作成時期T1が最古であったとすると、ステップS190に進んで作成時期T1に対応するファイル情報A2を削除して代わりに処理対象のファイル情報A6をファイルリストとして記憶し、ステップS200でインデックス情報B2の代わりにファイル情報A6の位置を表すインデックス情報B6が第2グループとして記憶される(図7(b))。なお、本実施形態では、ステップS190では、削除するファイル情報と同じ位置に処理対象のファイル情報を記憶するものとしている。そのため、インデックス情報B2とインデックス情報B6とは、表す位置が同じであるためデータは同じである。したがって、ステップS200では、実際にはインデックス情報B2の所属を第1グループから第2グループに変更する処理を行うだけでよい。
【0033】
処理対象の画像ファイルのファイル情報及びインデックス情報を記憶すると、CPU62は、第1グループに属するインデックス情報がインデックスリスト中に存在するか否かを判定する(ステップS210)。そして、ステップS210で肯定的な判定をしたとき又はステップS180で作成時期T3が最古であると判定したときには、未処理の画像ファイルがメモリーカードMCに記憶されているか否かを判定する(ステップS240)。そして、未処理の画像ファイルが記憶されていると判定したときには、ステップS160に戻り処理を繰り返す。これにより、メモリーカードMCに記憶されている画像ファイルのうち作成時期の新しい画像ファイルのファイル情報を優先的にファイル情報記憶領域67に記憶する処理が順次行われる。また、ステップS190で後からファイル情報記憶領域67にファイル情報を追加したときには、そのファイル情報のインデックス情報を第2グループに属するものとしてインデックスリストに記憶する処理が順次行われる。
【0034】
ここで、ステップS190及びステップS200の様子の一例として、第2グループのインデックス情報が存在しない場合について図7を用いて説明したため、第2グループのインデックス情報が存在する場合についても図8を用いて説明する。図8は、ステップS190及びステップS200の様子の一例を示す説明図である。上述した図7(b)の状態になったあと、ステップS160に戻り次に処理対象に設定された画像ファイルのファイル情報がファイル情報A7であったとすると(図8(a))、ステップS170では第1グループに属するインデックス情報の並びの最後に位置するのはインデックス情報B4であるため、インデックス情報B4に対応するファイル情報A4に含まれる作成時期が作成時期T1として特定される。また、第2グループに属するインデックス情報はインデックス情報B6のみであるため、インデックス情報B6に対応するファイル情報A6に含まれる作成時期が作成時期T2として特定される。さらに、処理対象の画像ファイルのファイル情報A7に含まれる作成時期が作成時期T3として特定される。そして、ステップS180で作成時期T1〜T3を比較する。ここで、例えば作成時期T1〜T3のうち作成時期T1が最古であったとすると、ステップS190に進んで作成時期T1に対応するファイル情報A4を削除して代わりに処理対象のファイル情報A7をファイルリストとして記憶し、ステップS200でインデックス情報B4の代わりにインデックス情報B7が第2グループとして記憶される(図8(b))。また、作成時期T1〜T3のうち作成時期T2が最古であったとすると、ステップS190に進んで作成時期T2に対応するファイル情報A6を削除して代わりに処理対象のファイル情報A7をファイルリストとして記憶し、ステップS200でインデックス情報B6の代わりにインデックス情報B7が第2グループとして記憶される(図8(c))。このように、ステップS160〜S200の処理を繰り返すことによって作成時期の新しい画像ファイルのファイル情報を優先的に記憶するようにファイルリストにおけるファイル情報の入れ替えが行われていく。なお、図7でも説明したが、図8(a)のインデックス情報B4と図8(b)のインデックス情報B7とはデータが同じであるため、ステップS200ではインデックス情報B4の所属を第2グループに変更するだけでよい。また、図8(a)のインデックス情報B6と図8(c)のインデックス情報B7とはデータも所属するグループも同じであるため、ステップS200では、実際には処理を行う必要はない。
【0035】
このようにしてステップS160〜S200の処理を繰り返し行っていき、ステップS210で否定的な判定がなされることなく全ての画像ファイルについての処理が終了すると、ステップS240で否定的な判定がなされ、上述したステップS250の処理を行って、本ルーチンを終了する。一方、ステップS160〜S200の処理を繰り返し行うことで、第1グループのインデックス情報がインデックスリスト中に存在しなくなった場合には、ステップS200の次のステップS210で否定的な判定をする。図7,8からもわかるように、ステップS180で作成時期T1が最古であると判定すると、ステップS190で第1グループに属するインデックス情報に対応するファイル情報が処理対象のファイル情報と入れ替わり、ステップS200でインデックス情報が第2グループに変更されるため、第1グループに属するインデックス情報が減っていく。このような処理が繰り返し行われると、第1グループのインデックス情報がインデックスリスト中に存在しなくなり、ステップS210で否定的な判定がなされることになる。
【0036】
ステップS210で否定的な判定がなされると、CPU62は、インデックスリストにおける第2グループを第1グループとする処理を行い(ステップS220)、この第1グループに属するインデックス情報を対応する画像ファイルの作成時期の新しい順にソートする(ステップS230)。このステップS220及びステップS230の様子を図9を用いて説明する。図9(a)に示すように、インデックスリスト中のインデックス情報B6〜B10が全て第2グループに属するものとなっているときには、ステップS210で否定的な判定がなされ、図9(b)に示すようにステップS220で第2グループを第1グループに変更する処理がなされる。この処理は、例えば、上述したようにインデックス情報がRAM66に設けられた所定の第1グループ記憶領域と第2グループ記憶領域とのいずれにインデックス情報が記憶されているかで属するグループを区別している場合には、インデックス情報を第2グループ記憶領域から第1グループ記憶領域へ移動させることで行えばよい。また、インデックス情報毎にいずれのグループに属するかの情報を対応づけることで属するグループを区別している場合には、各インデックス情報に対応付けられている情報を第2グループに属することを表す情報に変更することで行えばよい。そして、第1グループに変更すると、図9(c)に示すようにステップS230で第1グループに属するインデックス情報を対応する画像ファイルの作成時期の新しい順にソートする。なお、このソートする処理は、上述したステップS150と同様に行えばよい。
【0037】
このようにしてステップS220及びステップS230の処理を行うと、上述したステップS240に進んで以降の処理を行い、ステップS240で否定的な判定がなされればステップS250の処理を行って本ルーチンを終了する。ここで、ステップS220及びステップS230の処理を行う理由について説明する。図9(a)に示したように、第1グループに属するインデックス情報が存在しなくなったときには、そのままステップS160〜S200の処理を繰り返すと、ステップS170の処理に時間がかかってしまう。これは、ステップS170で作成時期T2を特定するために毎回第2グループに属するインデックス情報(すなわちインデックスリストに記憶されている全てのインデックス情報)に対応する画像ファイルの作成時期を順次ファイルリストから読み出して比較していき、最古の作成時期を特定する必要があるためである。しかし、ステップS220及びステップS230の処理を行うことで、インデックスリストに記憶されたインデックス情報が第1グループに属するものとなると共に作成時期の新しい順に並ぶ。このため、この処理を行ったインデックス情報についてはステップS170で最古の作成時期T1をインデックス情報の並びに基づいて特定でき、ステップS170の処理を迅速に行うことができるようになる。第1グループに属するインデックス情報が存在しないときにステップS220及びステップS230の処理を行うのはこうした理由による。
【0038】
以上のようにして画像ファイル検索処理ルーチンを行うことで、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルの数が最大数以下のときには全ての画像ファイルのファイル情報をファイル情報記憶領域67に記憶する処理が行われる。また、メモリーカードMCに記憶された画像ファイルの数が最大数を超えているときには、作成時期の新しい画像ファイルのファイル情報を優先的に最大数だけファイル情報記憶領域67に記憶する処理が行われる。そして、この画像ファイル検索処理ルーチンが終了したあと、ユーザーによりメモリー印刷モードが選択されると、CPU62はファイル情報記憶領域67に記憶されたファイル情報に対応する画像ファイルの一覧(例えば、画像ファイルのサムネイル画像の一覧や画像ファイルのファイル名の一覧)を表示部47に表示するよう操作パネル46を制御する。続いて、ユーザーがタッチ操作により表示部47を介して画像ファイルの一覧のうち印刷を希望する画像ファイルを選択して印刷指示を行ったときには、CPU62は、ファイル情報記憶領域67に記憶されたファイル情報に含まれる画像ファイルへのポインターを用いて、印刷指示がなされた画像ファイルを読み出して画像ファイルの印刷を実行するようプリンターユニット40を制御する印刷処理を行う。この印刷処理によって、ユーザーが印刷を指示した画像が用紙に印刷される。
【0039】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のメモリーカードMCが本発明の第1記憶手段に相当し、RAM66が第2記憶手段に相当し、プリンターユニット40が出力手段に相当し、図3の画像ファイル検索処理ルーチンのステップS100〜S150の処理を行うメインコントローラー60がファイル情報初期登録手段に相当し、ステップS160の処理を行うメインコントローラー60が処理対象設定手段に相当し、ステップS170〜S240の処理を行うメインコントローラー60がファイル情報入替手段に相当し、印刷処理を行うメインコントローラー60が出力制御手段に相当する。なお、本実施形態では、プリンター20の動作を説明することにより本発明の画像出力装置の制御方法の一例も明らかにしている。
【0040】
以上説明した本実施形態のプリンター20によれば、最大数以上の画像ファイルがメモリーカードMCに記憶されている場合に、作成時期T1〜T3の比較を行って作成日時の新しい画像ファイルに対応するファイル情報を優先的にファイル情報記憶領域67に記憶する。このため、ファイル情報記憶領域67に一部の画像ファイルのファイル情報のみを記憶する場合でも、作成時期が新しい画像ファイルほど確実に画像の印刷が可能となる。そして、ファイル情報記憶領域67に記憶されたファイル情報のうち第1グループに属するファイル情報は作成時期の新しい順に並べられており作成時期T1はその並び順に基づいて特定できる。このため、作成時期の新しい画像ファイルのファイル情報を優先的に記憶する処理を迅速に行うことができる。
【0041】
また、第1グループに属するファイル情報が存在しなくなったときに、第2グループを第1グループとし、第1グループに属するインデックス情報を作成時期の新しい順に並べるため、以降の処理ではこの第1グループのインデックス情報に対応する画像ファイルについては並び順に基づいて作成時期T1を特定できる。したがって、その後も作成時期の新しい画像ファイルのファイル情報を優先的に記憶する処理を継続する場合にその処理を迅速に行うことができる。
【0042】
さらに、ファイル情報の代わりにデータ量の小さいインデックス情報を作成時期の新しい順に並べるため、ファイル情報よりもデータ量の小さいインデックス情報を調べることで作成時期T1が特定できる。したがって、ファイル情報が作成時期の新しい順に並んでおりこのファイル情報を調べて作成時期T1を特定する場合と比較して、作成時期T1を特定する処理を迅速に行うことができる。
【0043】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0044】
例えば、上述した実施形態では、インデックス情報が第1グループと第2グループとのいずれに属するかを区別する方法として、RAM66に設けられた所定の第1グループ記憶領域と第2グループ記憶領域とのいずれにインデックス情報が記憶されているかで区別する方法や、インデックス情報毎にいずれのグループに属するかの情報を対応づけることで区別する方法を例示したが、他の方法によるものとしてもよい。例えば、第1グループに属するインデックス情報を連続した領域に記憶し、続けて第2グループに属するインデックス情報を連続した領域に記憶しておき、第1グループの領域と第2グループの領域との境界の位置を可変としてこの境界の位置を記憶しておくことで区別するものとしてもよい。例えば、図8(a)に示した例では、第1グループと第2グループとの境界であるインデックス情報B4が記憶された位置とインデックス情報B6が記憶された位置との境界の位置を記憶しておき、この境界のいずれの側に位置するかによってインデックス情報が第1グループに属するか第2グループに属するかを区別するものとしてもよい。この場合、ステップS150やステップS230において、図8(a)に示すように第1グループのインデックス情報を、第2グループとの境界に近いものほど対応する画像ファイルの作成時期が古くなるように並べるものとしてもよい。こうすれば、第1グループに属するインデックス情報をステップS200で第2グループに属するものとする処理は、図8(a)及び図8(b)からわかるように第1グループと第2グループとの境界の位置を変更するだけで行うことができる。同様に、ステップS220における第2グループを第1グループとする処理も、第1グループと第2グループとの境界の位置を変更するだけで行うことができる。例えば、図9(a)ではインデックス情報B10の上端の位置が第1グループと第2グループとの境界の位置となっているが、この境界の位置をインデックス情報B6の下端の位置に変更するだけで図9(b)の状態にすることができる。また、ステップS170における作成時期T1を特定する処理も、第1グループに属するインデックス情報のうち第1グループと第2グループとの境界に最も近いインデックス情報に対応する画像ファイルの作成時期を特定するだけで行うことができる。
【0045】
上述した実施形態では、ステップS130においてファイル情報記憶領域67に記憶したファイル情報の数が所定の最大数に達したか否かを判定するものとしたが、これ以上ファイル情報記憶領域67にファイル情報を記憶するとファイル情報記憶領域67の記憶容量を超えてしまう状態であるか否かを判定するものであれば、他の方法で判定を行ってもよい。例えば、ファイル情報記憶領域67の空き容量を導出して、この空き容量が次にファイル情報を記憶するために十分な所定の容量を下回るか否かを判定するものとしてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、ステップS210〜S230の処理を行うものとしたが、この処理を省略してステップS200の次にステップS240を行うものとしてもよい。この場合、第1グループに属するインデックス情報が存在しないときには、ステップS170において作成時期T1の特定を行わないものとし、ステップS180において作成時期T2と作成時期T3とのうち最古のものがいずれであるかを判定すればよい。
【0047】
上述した実施形態では、インデックス情報を第1グループに属するものとする処理や第2グループに属するものとする処理を行っているが、ファイル情報を直接第1グループに属するものとする処理や第2グループに属するものとする処理を行ってもよい。例えばファイル情報記憶領域67に設けられた所定の第1グループ記憶領域と第2グループ記憶領域とのいずれにファイル情報を記憶するかによりいずれかのグループに属するものとする処理を行ってもよいし、ファイル情報毎にいずれのグループに属するかの情報を対応づける処理を行ってもよい。
【0048】
上述した実施形態では、ステップS150やステップS230において第1グループに属するインデックス情報を対応する画像ファイルの作成時期の新しい順に並び替える処理を行っているが、ファイル情報記憶領域67に記憶されたファイル情報を直接作成時期の新しい順又は古い順に並び替えるものとしてもよい。
【0049】
上述した実施形態では、ステップS150やステップS230において、第1グループに属するインデックス情報を対応する画像ファイルの作成時期の新しい順に並び替える処理を行っているが、古い順に並び替えるものとしてもよい。また、並び替えを行わず、第1グループに属するインデックス情報に対応する画像ファイルの作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を特定し、この順位を各インデックス情報と対応付けてRAM66に記憶するものとしてもよい。第1グループの各インデックス情報に順位が対応付けられていれば、第1グループに属するインデックス情報に対応する画像ファイルの作成時期を順次ファイルリストから読み出して比較するといった処理を行うことなく、ステップS170で順位に基づいて作成時期T1を迅速に特定することができる。ただし、並び替えを行ってステップS170で並び順に基づいて作成時期T1を特定する方がより迅速に処理を行うことができる。なお、順位を各インデックス情報と対応付けた後にさらにインデックス情報の並び替えも行うものとしてもよい。
【0050】
上述した実施形態では、画像ファイル検索処理ルーチンが終了したあと、ユーザーに印刷指示がなされた画像ファイルを読み出して画像ファイルの印刷を実行するようプリンターユニット40を制御する印刷処理を行うものとしたが、画像ファイル検索処理ルーチンでファイル情報記憶領域67に記憶されたファイル情報に対応する画像が出力されるよう制御するものであれば、どのような処理を行ってもよい。例えば、CPU62が、ファイル情報記憶領域67に記憶されたファイル情報に含まれる画像ファイルへのポインターを用いてファイル情報記憶領域67に記憶されたファイル情報に対応する画像ファイルを順次読み出し、読み出した画像ファイルの画像を表示するよう表示部47を制御するスライドショー処理を行うものとしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
20 マルチファンクションプリンター(プリンター)、21 筐体、22 筐体カバー、23 カセット、24 排紙トレイ、26 ガラス台、30 スキャナーユニット、32 スキャナーASIC、34 スキャナーエンジン、40 プリンターユニット、42 プリンターASIC、44 プリンターエンジン、46 操作パネル、47 表示部、48 電源ボタン、50 メモリーカードスロット、52 メモリーカードコントローラー、60 メインコントローラー、62 CPU、64 ROM、66 RAM、67 ファイル情報記憶領域、68 内部通信インターフェース(I/F)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を記憶する第1記憶手段と、
所定容量のファイル情報記憶領域を有する第2記憶手段と、
前記画像を出力可能な出力手段と、
前記第1記憶手段に記憶された前記画像のファイル情報を順次読み出して前記所定容量の範囲内で前記ファイル情報記憶領域に記憶する処理と、該処理で記憶されたファイル情報を第1グループ及び第2グループの2つのグループのうちの第1グループに属するものとする処理と、これ以上ファイル情報記憶領域に前記ファイル情報を記憶すると前記所定容量を超えてしまう状態となった時点で前記第1グループに属するファイル情報に対応する画像の作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を各ファイル情報に対応付ける処理とを行うファイル情報初期登録手段と、
前記第1記憶手段に記憶された画像のうちファイル情報が前記ファイル情報初期登録手段によって前記ファイル情報記憶領域に記憶されなかったものを順次処理対象に設定する処理対象設定手段と、
前記第1グループに属するファイル情報が存在するときには該第1グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を前記順位に基づいて特定し、前記第2グループに属するファイル情報が存在するときには該第2グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を特定して、該特定した作成時期と前記処理対象として設定されている画像の作成時期とを比較し、該比較した作成時期のうち前記特定した第1グループの作成時期又は前記特定した第2グループの作成時期が最古であるときには、該最古の作成時期の画像のファイル情報を前記ファイル情報記憶領域から削除し前記処理対象として設定されている画像のファイル情報を前記第1記憶手段から読み出して前記ファイル情報記憶領域に記憶すると共に該記憶したファイル情報を前記第2グループに属するものとするという処理を、前記処理対象設定手段によって前記処理対象に設定された画像のすべてについて実行するファイル情報入替手段と、
前記ファイル情報入替手段による処理が終了したあと、前記ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報に対応する画像を出力するよう前記出力手段を制御する出力制御手段と、
を備えた画像出力装置。
【請求項2】
前記ファイル情報入替手段は、前記処理を行ったことにより前記第1グループに属するファイル情報が存在しなくなったときには、前記第2グループを前記第1グループとし、該第1グループに属するファイル情報に対応する画像の作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を各ファイル情報に対応付ける手段である、
請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記ファイル情報を前記第1グループに属するものとする処理は、前記ファイル情報の前記ファイル情報記憶領域における位置を表し該ファイル情報よりもデータ量の小さいインデックス情報を前記第1グループに属するものとして前記第2記憶手段に記憶することにより行い、
前記ファイル情報を前記第2グループに属するものとする処理は、前記インデックス情報を前記第2グループに属するものとして前記第2記憶手段に記憶することにより行い、
前記順位を各ファイル情報に対応付ける処理は、前記順位を各ファイル情報の前記インデックス情報に対応付けることにより行う、
請求項1又は2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記順位を対応付ける処理の際又は該処理の後に、該順位を対応付ける対象を該順位の昇順又は降順の並びとする、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記画像を用紙に印刷する手段又は前記画像を表示する手段である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像出力装置。
【請求項6】
複数の画像を記憶する第1記憶手段と、所定容量のファイル情報記憶領域を有する第2記憶手段と、前記画像を出力可能な出力手段と、を備えた画像出力装置の制御方法であって、
(a)前記第1記憶手段に記憶された前記画像のファイル情報を順次読み出して前記所定容量の範囲内で前記ファイル情報記憶領域に記憶する処理と、該処理で記憶されたファイル情報を第1グループ及び第2グループの2つのグループのうちの第1グループに属するものとする処理と、これ以上ファイル情報記憶領域に前記ファイル情報を記憶すると前記所定容量を超えてしまう状態となった時点で前記第1グループに属するファイル情報に対応する画像の作成時期を新しい順又は古い順に並べたときの順位を各ファイル情報に対応付ける処理とを行うステップと、
(b)前記第1記憶手段に記憶された画像のうちファイル情報が前記ステップ(a)で前記ファイル情報記憶領域に記憶されなかったものを順次処理対象に設定し、前記第1グループに属するファイル情報が存在するときには該第1グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を前記順位に基づいて特定し、前記第2グループに属するファイル情報が存在するときには該第2グループのファイル情報に対応する画像の作成時期のうち最古の作成時期を特定して、該特定した作成時期と前記処理対象として設定されている画像の作成時期とを比較し、該比較した作成時期のうち前記特定した第1グループの作成時期又は前記特定した第2グループの作成時期が最古であるときには、該最古の作成時期の画像のファイル情報を前記ファイル情報記憶領域から削除すると共に前記処理対象として設定されている画像のファイル情報を前記第1記憶手段から読み出して前記ファイル情報記憶領域に記憶すると共に該記憶したファイル情報を前記第2グループに属するものとするという処理を、前記処理対象に設定された画像のすべてについて実行するステップと、
(c)前記ステップ(b)の処理が終了したあと、前記ファイル情報記憶領域に記憶されたファイル情報に対応する画像を出力するよう前記出力手段を制御するステップと、
を含む画像出力装置の制御方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像出力装置の制御方法の各ステップをコンピューターに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−204992(P2012−204992A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66319(P2011−66319)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】