画像印刷装置及びその補正方法
【課題】 着色剤を消費することなくセンサの経年劣化による検出精度低下を防止する。
【解決手段】PW検出器が基準台の両端部を横切る際に出力電圧が変化したときのキャリッジの位置を実測位置としてリニア式エンコーダによって検出し(S130,S170)、実測位置A0,A1から実測幅(A1−A0)を算出し(S190)、実測幅と基準幅とに基づいてPW検出器を補正する(S200,210)。こうすることにより、PW検出器が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、用紙Sの余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。
【解決手段】PW検出器が基準台の両端部を横切る際に出力電圧が変化したときのキャリッジの位置を実測位置としてリニア式エンコーダによって検出し(S130,S170)、実測位置A0,A1から実測幅(A1−A0)を算出し(S190)、実測幅と基準幅とに基づいてPW検出器を補正する(S200,210)。こうすることにより、PW検出器が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、用紙Sの余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像印刷装置及びその補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、印刷用紙の端部を検出可能なセンサを備えた画像印刷装置が知られている。例えば、特許文献1の画像印刷装置では、製造工程で用紙端部に所定の余白幅をとって形成される領域に黒塗り印刷をし、センサでその印刷領域の縁と用紙端部との距離を測定し、所定の余白幅との差分を補正値として記憶させてセンサの調整を行っている。
【特許文献1】特開2003−305888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなセンサの調整は、製造工程で一度行われるのみで使用開始後は行われずセンサの経年劣化による検出精度低下を防止できないという問題があった。また、使用開始後に行う場合黒塗り印刷をする必要があるので着色剤を消費するという問題があった。
【0004】
本発明の画像印刷装置は、このような課題に鑑みなされたものであり、着色剤を消費することなくセンサの経年劣化による検出精度低下を防止できる画像印刷装置及びその補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の画像印刷装置は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該両端部の各々を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、該実測位置から実測幅を算出し、該実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えたものである。
【0007】
この画像印刷装置では、端部検出手段が基準台の両端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置から実測幅を算出し、実測幅と基準幅とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。
【0008】
本発明の画像印刷装置において、前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第2の実測位置から算出される実測幅と前記基準幅との差分に応じた補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の端部位置に前記補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正するものとしてもよい。こうすれば、基準台の基準幅と実測幅との差分に基づいて補正するので、補正用データを収集したり複雑な補正関数を導入したりすることなく、比較的簡単に補正することができる。また、端部検出手段によって出力された電圧が変化したか否かをしきい値と比べて判断する場合には一方の端部を検出する際及び他方の端部を検出する際のいずれも対象物のありから対象物のなしを検出する方向に移動するので、しきい値を1つとすることができる。
【0009】
本発明の画像印刷装置は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えたものである。
【0010】
この画像印刷装置では、端部検出手段が基準台の端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置と基準位置とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。
【0011】
本発明の画像印刷装置において、前記基準台は、該基準台の両端のうち一方の端部が予め定められた第1の基準位置に、他方の端部が予め定められた第2の基準位置に設けられ、前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第1の基準位置の距離の差分に応じた第1の補正値及び前記第2の実測位置と前記第2の基準位置の距離の差分に応じた第2の補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の前記第1の基準位置に対応する端部位置に前記第1の補正値を加減算し、前記第2の基準位置に対応する端部位置に前記第2の補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正するものとしてもよい。こうすれば、距離の差分に基づいて補正するので、補正用データを収集したり複雑な補正関数を導入したりすることなく、比較的簡単に補正することができる。また、端部検出手段によって出力された電圧が変化したか否かをしきい値と比べて判断する場合には一方の端部を検出する際及び他方の端部を検出する際のいずれも対象物のありから対象物のなしを検出する方向に移動するので、しきい値を1つとすることができる。
【0012】
本発明の画像印刷装置において、前記端部検出手段は、検出対象に向かって照射した光の反射光に応じて電圧を出力する手段であり、前記基準台は、前記端部検出手段による端部検出時の電圧変化が前記印刷媒体の端部検出時の電圧変化と略同じになるように形成されているものとしてもよい。こうすれば、印刷媒体の端部検出時と同じ状態で補正手段による補正をすることができる。例えば、基準台の表面の反射率が印刷媒体の反射率と略同じになるように且つ表面の高さが印刷媒体の高さと略同じになるように形成されているものとしてもよい。
【0013】
本発明の画像印刷装置において、前記基準台は、前記印刷媒体と重ならない場所に設けられているものとしてもよい。こうすれば、印刷媒体が印刷位置にあっても補正手段による補正をすることができる。
【0014】
本発明の画像印刷装置において、前記補正手段は、画像印刷装置の電源投入時及び電源投入後の所定のタイミングで前記移動手段を移動させて前記実測位置を検出し、該実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正するものとしてもよい。こうすれば、ユーザの手を煩わせることなく補正手段により自動的に補正されるので検出精度を維持することができる。
【0015】
本発明の画像印刷装置の補正方法は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の両端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置から実測幅を算出するステップと、
(c)前記実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含むものである。
【0016】
この画像印刷装置の補正方法では、端部検出手段が基準台の両端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置から実測幅を算出し、実測幅と基準幅とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。なお、本発明の画像印刷装置の補正方法に、上述した画像印刷装置のいずれかの機能を実現するステップを追加してもよい。
【0017】
本発明の画像印刷装置の補正方法は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含むものである。
【0018】
この画像印刷装置の補正方法では、端部検出手段が基準台の端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置と基準位置とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。なお、本発明の画像印刷装置の補正方法に、上述した画像印刷装置のいずれかの機能を実現するステップを追加してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態であるインクジェットプリンタ10の構成の概略を示す構成図であり、図2はインクジェットプリンタ10の構成の概略を示す断面図である。
【0020】
本実施形態のインクジェットプリンタ10は、図1に示すように、紙送りローラ35によりプラテン44上を図中奥から手前へと搬送される用紙Sにインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構21と、印刷ヘッド24の左側面に配設され用紙Sの左右の端部を検出するPW(Paper Width)検出器46と、プラテン44の左端近傍に設置された基準台48と形成されたフラッシング領域42と、プラテン44の右端近傍に形成されたキャッピング装置40と、インクジェットプリンタ10全体をコントロールするコントローラ70と、ユーザが各種の指示を入力すると共にユーザに各種の情報を報知する操作パネル80とを備えている。
【0021】
プリンタ機構21は、紙送りローラ35を回転駆動する駆動モータ33と、キャリッジベルト32とキャリッジモータ34とによりガイド28に沿って左右方向(主走査方向)に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、各インクカートリッジ26から供給された各インクに圧力をかける印刷ヘッド24と、この印刷ヘッド24で加圧されたインク滴を用紙Sに吐出するノズル23とを備えている。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22の位置が管理可能となっている。なお、この印刷ヘッド24は、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
【0022】
PW検出器46は、LEDを用いて用紙Sに向かって光を照射する発光素子と、用紙Sで反射された反射光を受光しその光量に応じた電圧を出力する受光素子とから構成される光センサである。PW検出器46は、印刷ヘッド24の左側面に配設され、キャリッジ22により左右方向に往復動しながら、用紙Sの左右の端部を検出する。このPW検出器46にコントローラ70からの検出指令信号が入力されると、PW検出器46は左右方向に往復動しながら、発光素子が光を照射し反射された反射光を受光した受光素子がその光量に応じた出力電圧をコントローラ70に送信する。
【0023】
基準台48は、プラテン44の印刷可能領域から図1中の左側に外れた位置に設置され、その右端部48aから左端部48bまでの幅(基準幅)はROM73に記憶されている。この基準台48の面部48cの光の反射率は、用紙Sの反射率と実質的に同じである。また、基準台48はプラテン44よりも僅かに高く、プラテン44上を用紙Sが搬送された際に用紙Sと実質的に同じ高さとなるように形成されている。そのため、基準台48からPW検出器46までの垂直距離は、用紙SからPW検出器46までの垂直距離と実質的に同じである。
【0024】
フラッシング領域42は、基準台48の左側に形成され、ノズル23の先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を吐出させる、いわゆるフラッシング動作を行うときに利用されるものである。
【0025】
キャッピング装置40は、プラテン44の印刷可能領域から図1中の右側に外れた位置
に形成され、略直方体で上部が開口した筐体を備えている。キャッピング装置40は、印刷休止中などに印刷ヘッド24が乾燥するのを防止するために印刷ヘッド24を封止するときに利用されるものである。なお、キャッピング装置40上の位置をホームポジションともいう。
【0026】
コントローラ70は、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、印刷処理ルーチンなどの各種処理プログラムや基準台48の基準幅を記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)76と、図示しない入出力ポートとを備えている。このコントローラ70には、操作パネル80からの制御信号や電源スイッチ82からのオンオフ信号、PW検出器46からの検出信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC90から印刷ジョブなどがI/F76を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24への制御信号や駆動モータ33への制御信号、操作パネル80への表示指令信号、PW検出器46への検出指令信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、印刷ステータス情報などがI/F76を介してユーザPC90へ出力される。
【0027】
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ10の機能、特にPW検出器46を用いて用紙Sの左右の端部を検出する手段について説明する。まず、PW検出器調整ルーチンについて説明する。図3はPW検出器調整ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンはROM73に記憶され、インクジェットプリンタ10の電源スイッチ82がオンにされた後又は所定のタイミング毎に繰り返し実行される。なお、「所定のタイミング」とは、例えば、このルーチンによりPW検出器46が調整された後の、所定時間が経過した時点としてもよいし、所定枚数を印刷した時点としてもよい。
【0028】
このPW検出器調整ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、キャリッジモータ34を駆動させPW検出器46をホームポジションから基準台48の端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS100)。本実施形態では、PW検出器46は、リニア式エンコーダ25の値(エンコーダ値という)を基準として位置決めされ、エンコーダ値はホームポジション側を値0とし図1中の左側に向かって正座標をとるものとする。待機位置は予めROM73に記憶され、面部48cを確実に検出可能な位置であればよく、本実施形態では基準台48の略中央部に定められている。次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を基準台48に照射させながらPW検出器46を右方向へ移動させ(ステップS110)、反射光を受光した受光素子の出力電圧に基づいて右端部48aを検出したか否かを判定する(ステップS120)。正常なPW検出器46が待機位置から右方向に移動して基準台48の右端部48aに達するまでは、発光素子から照射した光は面部48cで反射して受光素子に入射するため受光素子の出力電圧は所定の高レベルとなる。これに対して、同じく正常なPW検出器46が基準台48の右端部48aを通過したあとは、発光素子から照射した光はほとんど反射することがないため受光素子の出力電圧は所定の低レベルとなる。本実施形態では、こうした高レベルと低レベルとの中間の出力電圧をしきい値に設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が右端部48aを検出したとする。そして、ステップS120で右端部48aを検出していないときには、再びステップS110に戻り、右端部48aを検出したときには、そのときのエンコーダ値を右端部48aの実測位置A0としてRAM74に記憶し(ステップS130)、PW検出器46を端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS140)。
【0029】
次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を基準台48に照射させながらPW検出器46を左方向へ移動させ(ステップS150)、反射光を受光した受光素子の出力電圧に基づいて左端部48bを検出したか否かを判定する(ステップS160)。右端部48aの検出時と同じしきい値を設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が左端部48bを検出したとする。そして、ステップS160で左端部48bを検出していないときには、再びステップS150に戻り、左端部48bを検出したときには、そのときのエンコーダ値を左端部48bの実測位置A1としてRAM74に記憶し(ステップS170)、PW検出器46をホームポジションに移動させる(ステップS180)。続いて、CPU72は、実測位置A1から実測位置A0を引いて基準台48の実測幅(A1−A0)を算出し(ステップS190)、予めROM73に記憶されている基準台48の基準幅から実測幅(A1−A0)を引いて差分A2を算出する(ステップS200)。そして、差分A2を半分に割った補正値(A2/2)を算出し、RAM74に記憶して(ステップS210)、本ルーチンを終了する。
【0030】
ここで、PW検出器46の経年劣化と補正値の関係について説明する。PW検出器46が経年劣化していない状態では、待機位置から移動して右端部48a又は左端部48bに達するまでの出力電圧は正常時と同じレベルであるため、基準幅と実測幅(A1−A0)とは一致し、差分A2はゼロになり、補正値もゼロになる。一方、PW検出器46の経年劣化により出力電圧が正常時に比べて低くなると、それに伴って実測位置A0が正常時に比べて左寄りの位置になり実測位置A1が正常時に比べて右寄りの位置になるため、基準幅に比べて実測幅(A1−A0)は小さくなり、差分A2は正の値となり、補正値も正の値となる。また、出力電圧が正常時に比べて高くなると、それに伴って実測位置A0が正常時に比べて右寄りの位置になり実測位置A1が正常時に比べて左寄りの位置になるため、基準幅に比べて実測幅(A1−A0)は大きくなり、差分A2は負の値となり、補正値も負の値となる。
【0031】
次に、用紙端部検出ルーチンについて説明する。図4は用紙端部検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンはROM73に記憶され、ユーザPC90から印刷ジョブがI/F76を介して入力され、図示しない給紙トレイから用紙Sが所定の給紙位置まで給紙された際にCPU72により実行される。
【0032】
この用紙端部検出ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、キャリッジモータ34を駆動させPW検出器46をホームポジションから用紙Sの端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS300)。待機位置は印刷ジョブで指定された用紙Sのサイズ毎に予めROM73に記憶され、印刷面を確実に検出可能な位置であればよく、本実施形態では用紙Sの略中央に定められている。次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を用紙Sに照射させながらPW検出器46を右方向へ移動させ(ステップS310)、受光素子の出力電圧に基づいて右端部を検出したか否かを判定する(ステップS320)。基準台48の端部検出時と同じしきい値を設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が右端部を検出したとする。そして、ステップS320で右端部を検出していないときには、再びステップS310に戻り、右端部を検出したときには、そのときのエンコーダ値を右端部の実測位置B0としてRAM74に記憶する(ステップS330)。その実測位置B0からRAM74に記憶された補正値(A2/2)を差し引いた値(B0−A2/2)を右端部位置C0としてRAM74に記憶し(ステップS340)、PW検出器46を端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS350)。
【0033】
次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を用紙Sに照射させながらPW検出器46を左方向へ移動させ(ステップS360)、受光素子の出力電圧に基づいて左端部を検出したか否かを判定する(ステップS370)。基準台48の端部検出時と同じしきい値を設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が左端部を検出したとする。そして、ステップS370で左端部を検出していないときには、再びステップS360に戻り、左端部を検出したときには、そのときのエンコーダ値を左端部の実測位置B1としてRAM74に記憶する(ステップS380)。その実測位置B1にRAM74に記憶された補正値(A2/2)を加えた値(B0+A2/2)を左端部位置C1としてRAM74に記憶し(ステップS390)、PW検出器46をホームポジションに移動させ(ステップS400)、本ルーチンを終了する。この結果、用紙Sの端部を精度よく検出できるので、例えばユーザが右端部の余白を3mm、左端部の余白を3mmと指定した場合にその指定通りの余白で正確に印刷された印刷物を得ることができる。
【0034】
ここで、PW検出器46が経年劣化して受光素子の出力電圧が正常時に比べて低下した場合の補正について説明する。図5は、基準台48の右端部48aを検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図5では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置A0)が正常時に比べて左寄りの位置になっている。図6は、基準台48の左端部48bを検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図6では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置A1)が正常時に比べて右寄りの位置になっている。そのため、基準幅に比べて実測幅(A1−A0)は小さくなり、差分A2は正の値となり、補正値も正の値となる。図7は、用紙Sの右端部を検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図7では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置B0)が正常時に比べて左寄りの位置になっている。そして、B0から補正値(A2/2)を差し引いた右端部位置C0はB0より小さな値となり、右側に移動するように補正され正常時の検出位置と実質的に同じ位置になる。図8は、用紙Sの左端部を検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図8では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置B1)が正常時に比べて右寄りの位置になっている。そして、B1に補正値(A2/2)を加えた左端部位置C1はB1より大きな値となり、左側に移動するように補正され正常時の検出位置と実質的に同じ位置になる。
【0035】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のインクジェットプリンタ10が本発明の画像印刷装置に相当し、プリンタ機構21が印刷手段に相当し、キャリッジ22が移動手段に相当し、PW検出器46が端部検出手段に相当し、リニア式エンコーダ25が位置検出手段に相当し、CPU72が補正手段に相当する。なお、本実施形態では、画像印刷装置の動作を説明することにより本発明の画像印刷装置の補正方法の一例も明らかにしている。
【0036】
以上詳述した本実施形態のインクジェットプリンタ10によれば、PW検出器46が基準台48の両端部48a,48bを横切る際に出力電圧が変化したときのキャリッジ22の位置を実測位置としてリニア式エンコーダ25によって検出し、実測位置から実測幅を算出し、実測幅と基準幅とに基づいてPW検出器46を補正する。こうすることにより、PW検出器46が経年劣化しても、特許文献1のようにインクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、用紙Sの余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、インクジェットプリンタ10の製造工程でのPW検出器46の調整を省略することができる。
【0037】
また、基準台48の基準幅と実測幅との差分に基づいて補正するので、補正用データを収集したり複雑な補正関数を導入したりすることなく、比較的簡単に補正することができる。更に、右端部を検出する際及び左端部を検出する際のいずれも対象物のありから対象物のなしを検出する方向にPW検出器46が移動するので、しきい値を1つとすることができる。
【0038】
更に、基準台48は表面の反射率が用紙Sの反射率と同じになるように且つ表面の高さが用紙Sの高さと同じになるように形成されているので、用紙Sの端部検出時と同じ状態で補正をすることができる。
【0039】
更にまた、基準台48は用紙Sと重ならない場所に設置されているので、用紙Sが印刷位置にあっても補正をすることができる。
【0040】
そしてまた、CPU72はインクジェットプリンタ10の電源投入時及び電源投入後の所定のタイミングで補正するので、ユーザの手を煩わせることなく検出精度を維持することができる。
【0041】
そして更に、実測位置から算出された実測幅と基準幅とに基づいてPW検出器46を補正するので、基準台48の設置に際し位置決めの精度は要求されず設置が容易である。
【0042】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0043】
例えば、上述した実施形態では、基準台48の右端部48aから左端部48bまでを予め所定の基準幅として設定したが、基準幅を設定する代わりに以下のようにしてもよい。すなわち、インクジェットプリンタ10の工場出荷時又は新品時にPW検出器46により右端部48a及び左端部48bを検出しそのエンコーダ値をそれぞれ第1及び第2の基準位置としてROM73に記憶しておき、使用開始後にPW検出器46により右端部48a及び左端部48bを検出しそのエンコーダ値をそれぞれ第1及び第2の実測位置とする。そして、第1の実測位置から第1の基準位置を差し引いた差分を第1の補正値とし、第2の実測位置から第2の基準位置を差し引いた差分を第2の補正値とする。このときのPW検出器46の出力電圧の変化の様子を図9に示す。図9(a)は、右端部48aの実測位置A0と第1の基準位置の距離の差分を第1の補正値とする説明図、図9(b)は、左端部48bの実測位置A1と第2の基準位置の距離の差分を第2の補正値とする説明図である。その後、PW検出器46により用紙Sの右端部を検出したときの実測位置B0から第1の補正値を差し引いた値を右端部位置C0とし、用紙Sの左端部を検出したときの実測位置B1に第2の補正値を加えた値を左端部位置C1とする。このようにしても上述の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第1の補正値と第2の補正値は略同じ値なので、どちらか一方の補正値に基づいて用紙Sの両端部を補正するものとしてもよい。こうすれば、迅速に補正値を算出することができる。
【0044】
例えば、上述した実施形態では、補正値を加減算する補正をしたが、出力電圧自体を補正してもよいし、出力電圧に合わせてしきい値を変更してもよい。図10は、出力電圧が正常時に比べて低下した場合において、出力電圧を正常時のレベルに近似するような補正関数に基づいて補正する説明図である。そして、用紙Sの端部を検出する際にその補正関数に基づいて補正された出力電圧から端部を検出する。図11は、出力電圧が正常時に比べて低下した場合において、しきい値を変更する説明図である。正常時の出力電圧が元のしきい値と一致する位置で出力電圧がしきい値と一致するようにしきい値を変更する。そして、用紙Sの端部を検出する際に変更後のしきい値に基づいて端部を検出したか否かを判断する。このようにしても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
上述した実施形態では、基準台48を設置したが、基準台48を設置せずにフラッシング領域42の外縁の基準幅を用いて補正するものとしてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、インクジェットプリンタ10を例示したが、その他に熱転写方式や感熱式、ドットインパクト方式、電子写真方式を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】インクジェットプリンタ10の構成の概略を示す構成図。
【図2】PW検出器46の配設位置を示す部分断面図。
【図3】PW検出器調整ルーチンのフローチャート。
【図4】用紙端部検出ルーチンのフローチャート。
【図5】基準台48の右端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図6】基準台48の左端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図7】用紙Sの右端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図8】用紙Sの左端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図9】PW検出器46の補正方法の一例を示す説明図。
【図10】PW検出器46の補正方法の一例を示す説明図。
【図11】PW検出器46の補正方法の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0048】
10 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23 ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、26 インクカートリッジ、28 ガイド、、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34 キャリッジモータ、35 紙送りローラ、40 キャッピング装置、42 フラッシング領域、44 プラテン、46 PW検出器、48 基準台、48a 右端部、48b 左端部、48c 面部、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、76 インタフェース(I/F)、80 操作パネル、82 電源スイッチ、90 ユーザPC。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像印刷装置及びその補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、印刷用紙の端部を検出可能なセンサを備えた画像印刷装置が知られている。例えば、特許文献1の画像印刷装置では、製造工程で用紙端部に所定の余白幅をとって形成される領域に黒塗り印刷をし、センサでその印刷領域の縁と用紙端部との距離を測定し、所定の余白幅との差分を補正値として記憶させてセンサの調整を行っている。
【特許文献1】特開2003−305888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなセンサの調整は、製造工程で一度行われるのみで使用開始後は行われずセンサの経年劣化による検出精度低下を防止できないという問題があった。また、使用開始後に行う場合黒塗り印刷をする必要があるので着色剤を消費するという問題があった。
【0004】
本発明の画像印刷装置は、このような課題に鑑みなされたものであり、着色剤を消費することなくセンサの経年劣化による検出精度低下を防止できる画像印刷装置及びその補正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の画像印刷装置は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該両端部の各々を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、該実測位置から実測幅を算出し、該実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えたものである。
【0007】
この画像印刷装置では、端部検出手段が基準台の両端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置から実測幅を算出し、実測幅と基準幅とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。
【0008】
本発明の画像印刷装置において、前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第2の実測位置から算出される実測幅と前記基準幅との差分に応じた補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の端部位置に前記補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正するものとしてもよい。こうすれば、基準台の基準幅と実測幅との差分に基づいて補正するので、補正用データを収集したり複雑な補正関数を導入したりすることなく、比較的簡単に補正することができる。また、端部検出手段によって出力された電圧が変化したか否かをしきい値と比べて判断する場合には一方の端部を検出する際及び他方の端部を検出する際のいずれも対象物のありから対象物のなしを検出する方向に移動するので、しきい値を1つとすることができる。
【0009】
本発明の画像印刷装置は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えたものである。
【0010】
この画像印刷装置では、端部検出手段が基準台の端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置と基準位置とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。
【0011】
本発明の画像印刷装置において、前記基準台は、該基準台の両端のうち一方の端部が予め定められた第1の基準位置に、他方の端部が予め定められた第2の基準位置に設けられ、前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第1の基準位置の距離の差分に応じた第1の補正値及び前記第2の実測位置と前記第2の基準位置の距離の差分に応じた第2の補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の前記第1の基準位置に対応する端部位置に前記第1の補正値を加減算し、前記第2の基準位置に対応する端部位置に前記第2の補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正するものとしてもよい。こうすれば、距離の差分に基づいて補正するので、補正用データを収集したり複雑な補正関数を導入したりすることなく、比較的簡単に補正することができる。また、端部検出手段によって出力された電圧が変化したか否かをしきい値と比べて判断する場合には一方の端部を検出する際及び他方の端部を検出する際のいずれも対象物のありから対象物のなしを検出する方向に移動するので、しきい値を1つとすることができる。
【0012】
本発明の画像印刷装置において、前記端部検出手段は、検出対象に向かって照射した光の反射光に応じて電圧を出力する手段であり、前記基準台は、前記端部検出手段による端部検出時の電圧変化が前記印刷媒体の端部検出時の電圧変化と略同じになるように形成されているものとしてもよい。こうすれば、印刷媒体の端部検出時と同じ状態で補正手段による補正をすることができる。例えば、基準台の表面の反射率が印刷媒体の反射率と略同じになるように且つ表面の高さが印刷媒体の高さと略同じになるように形成されているものとしてもよい。
【0013】
本発明の画像印刷装置において、前記基準台は、前記印刷媒体と重ならない場所に設けられているものとしてもよい。こうすれば、印刷媒体が印刷位置にあっても補正手段による補正をすることができる。
【0014】
本発明の画像印刷装置において、前記補正手段は、画像印刷装置の電源投入時及び電源投入後の所定のタイミングで前記移動手段を移動させて前記実測位置を検出し、該実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正するものとしてもよい。こうすれば、ユーザの手を煩わせることなく補正手段により自動的に補正されるので検出精度を維持することができる。
【0015】
本発明の画像印刷装置の補正方法は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の両端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置から実測幅を算出するステップと、
(c)前記実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含むものである。
【0016】
この画像印刷装置の補正方法では、端部検出手段が基準台の両端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置から実測幅を算出し、実測幅と基準幅とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。なお、本発明の画像印刷装置の補正方法に、上述した画像印刷装置のいずれかの機能を実現するステップを追加してもよい。
【0017】
本発明の画像印刷装置の補正方法は、
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含むものである。
【0018】
この画像印刷装置の補正方法では、端部検出手段が基準台の端部を横切るよう移動手段を移動させている間、端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの移動手段の位置を実測位置として位置検出手段によって検出し、実測位置と基準位置とに基づいて端部検出手段を補正する。こうすることにより、端部検出手段が経年劣化しても、インクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、印刷媒体の余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、画像印刷装置の製造工程での端部検出手段の調整を省略することができる。なお、本発明の画像印刷装置の補正方法に、上述した画像印刷装置のいずれかの機能を実現するステップを追加してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態であるインクジェットプリンタ10の構成の概略を示す構成図であり、図2はインクジェットプリンタ10の構成の概略を示す断面図である。
【0020】
本実施形態のインクジェットプリンタ10は、図1に示すように、紙送りローラ35によりプラテン44上を図中奥から手前へと搬送される用紙Sにインク滴を吐出して印刷を行うプリンタ機構21と、印刷ヘッド24の左側面に配設され用紙Sの左右の端部を検出するPW(Paper Width)検出器46と、プラテン44の左端近傍に設置された基準台48と形成されたフラッシング領域42と、プラテン44の右端近傍に形成されたキャッピング装置40と、インクジェットプリンタ10全体をコントロールするコントローラ70と、ユーザが各種の指示を入力すると共にユーザに各種の情報を報知する操作パネル80とを備えている。
【0021】
プリンタ機構21は、紙送りローラ35を回転駆動する駆動モータ33と、キャリッジベルト32とキャリッジモータ34とによりガイド28に沿って左右方向(主走査方向)に往復動するキャリッジ22と、このキャリッジ22に搭載されイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容したインクカートリッジ26と、各インクカートリッジ26から供給された各インクに圧力をかける印刷ヘッド24と、この印刷ヘッド24で加圧されたインク滴を用紙Sに吐出するノズル23とを備えている。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するリニア式エンコーダ25が配置されており、このリニア式エンコーダ25を用いてキャリッジ22の位置が管理可能となっている。なお、この印刷ヘッド24は、発熱抵抗体(例えばヒータなど)に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。
【0022】
PW検出器46は、LEDを用いて用紙Sに向かって光を照射する発光素子と、用紙Sで反射された反射光を受光しその光量に応じた電圧を出力する受光素子とから構成される光センサである。PW検出器46は、印刷ヘッド24の左側面に配設され、キャリッジ22により左右方向に往復動しながら、用紙Sの左右の端部を検出する。このPW検出器46にコントローラ70からの検出指令信号が入力されると、PW検出器46は左右方向に往復動しながら、発光素子が光を照射し反射された反射光を受光した受光素子がその光量に応じた出力電圧をコントローラ70に送信する。
【0023】
基準台48は、プラテン44の印刷可能領域から図1中の左側に外れた位置に設置され、その右端部48aから左端部48bまでの幅(基準幅)はROM73に記憶されている。この基準台48の面部48cの光の反射率は、用紙Sの反射率と実質的に同じである。また、基準台48はプラテン44よりも僅かに高く、プラテン44上を用紙Sが搬送された際に用紙Sと実質的に同じ高さとなるように形成されている。そのため、基準台48からPW検出器46までの垂直距離は、用紙SからPW検出器46までの垂直距離と実質的に同じである。
【0024】
フラッシング領域42は、基準台48の左側に形成され、ノズル23の先端でインクが乾燥して固化するのを防止するために定期的又は所定のタイミングで印刷データとは無関係にインク滴を吐出させる、いわゆるフラッシング動作を行うときに利用されるものである。
【0025】
キャッピング装置40は、プラテン44の印刷可能領域から図1中の右側に外れた位置
に形成され、略直方体で上部が開口した筐体を備えている。キャッピング装置40は、印刷休止中などに印刷ヘッド24が乾燥するのを防止するために印刷ヘッド24を封止するときに利用されるものである。なお、キャッピング装置40上の位置をホームポジションともいう。
【0026】
コントローラ70は、図1に示すように、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、印刷処理ルーチンなどの各種処理プログラムや基準台48の基準幅を記憶したROM73と、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM74と、データを書き込み消去可能なフラッシュメモリ75と、外部機器との情報のやり取りを行うインタフェース(I/F)76と、図示しない入出力ポートとを備えている。このコントローラ70には、操作パネル80からの制御信号や電源スイッチ82からのオンオフ信号、PW検出器46からの検出信号などが図示しない入力ポートを介して入力されるほか、ユーザPC90から印刷ジョブなどがI/F76を介して入力される。また、コントローラ70からは、印刷ヘッド24への制御信号や駆動モータ33への制御信号、操作パネル80への表示指令信号、PW検出器46への検出指令信号などが図示しない出力ポートを介して出力されるほか、印刷ステータス情報などがI/F76を介してユーザPC90へ出力される。
【0027】
次に、こうして構成された本実施形態のインクジェットプリンタ10の機能、特にPW検出器46を用いて用紙Sの左右の端部を検出する手段について説明する。まず、PW検出器調整ルーチンについて説明する。図3はPW検出器調整ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンはROM73に記憶され、インクジェットプリンタ10の電源スイッチ82がオンにされた後又は所定のタイミング毎に繰り返し実行される。なお、「所定のタイミング」とは、例えば、このルーチンによりPW検出器46が調整された後の、所定時間が経過した時点としてもよいし、所定枚数を印刷した時点としてもよい。
【0028】
このPW検出器調整ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、キャリッジモータ34を駆動させPW検出器46をホームポジションから基準台48の端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS100)。本実施形態では、PW検出器46は、リニア式エンコーダ25の値(エンコーダ値という)を基準として位置決めされ、エンコーダ値はホームポジション側を値0とし図1中の左側に向かって正座標をとるものとする。待機位置は予めROM73に記憶され、面部48cを確実に検出可能な位置であればよく、本実施形態では基準台48の略中央部に定められている。次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を基準台48に照射させながらPW検出器46を右方向へ移動させ(ステップS110)、反射光を受光した受光素子の出力電圧に基づいて右端部48aを検出したか否かを判定する(ステップS120)。正常なPW検出器46が待機位置から右方向に移動して基準台48の右端部48aに達するまでは、発光素子から照射した光は面部48cで反射して受光素子に入射するため受光素子の出力電圧は所定の高レベルとなる。これに対して、同じく正常なPW検出器46が基準台48の右端部48aを通過したあとは、発光素子から照射した光はほとんど反射することがないため受光素子の出力電圧は所定の低レベルとなる。本実施形態では、こうした高レベルと低レベルとの中間の出力電圧をしきい値に設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が右端部48aを検出したとする。そして、ステップS120で右端部48aを検出していないときには、再びステップS110に戻り、右端部48aを検出したときには、そのときのエンコーダ値を右端部48aの実測位置A0としてRAM74に記憶し(ステップS130)、PW検出器46を端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS140)。
【0029】
次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を基準台48に照射させながらPW検出器46を左方向へ移動させ(ステップS150)、反射光を受光した受光素子の出力電圧に基づいて左端部48bを検出したか否かを判定する(ステップS160)。右端部48aの検出時と同じしきい値を設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が左端部48bを検出したとする。そして、ステップS160で左端部48bを検出していないときには、再びステップS150に戻り、左端部48bを検出したときには、そのときのエンコーダ値を左端部48bの実測位置A1としてRAM74に記憶し(ステップS170)、PW検出器46をホームポジションに移動させる(ステップS180)。続いて、CPU72は、実測位置A1から実測位置A0を引いて基準台48の実測幅(A1−A0)を算出し(ステップS190)、予めROM73に記憶されている基準台48の基準幅から実測幅(A1−A0)を引いて差分A2を算出する(ステップS200)。そして、差分A2を半分に割った補正値(A2/2)を算出し、RAM74に記憶して(ステップS210)、本ルーチンを終了する。
【0030】
ここで、PW検出器46の経年劣化と補正値の関係について説明する。PW検出器46が経年劣化していない状態では、待機位置から移動して右端部48a又は左端部48bに達するまでの出力電圧は正常時と同じレベルであるため、基準幅と実測幅(A1−A0)とは一致し、差分A2はゼロになり、補正値もゼロになる。一方、PW検出器46の経年劣化により出力電圧が正常時に比べて低くなると、それに伴って実測位置A0が正常時に比べて左寄りの位置になり実測位置A1が正常時に比べて右寄りの位置になるため、基準幅に比べて実測幅(A1−A0)は小さくなり、差分A2は正の値となり、補正値も正の値となる。また、出力電圧が正常時に比べて高くなると、それに伴って実測位置A0が正常時に比べて右寄りの位置になり実測位置A1が正常時に比べて左寄りの位置になるため、基準幅に比べて実測幅(A1−A0)は大きくなり、差分A2は負の値となり、補正値も負の値となる。
【0031】
次に、用紙端部検出ルーチンについて説明する。図4は用紙端部検出ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンはROM73に記憶され、ユーザPC90から印刷ジョブがI/F76を介して入力され、図示しない給紙トレイから用紙Sが所定の給紙位置まで給紙された際にCPU72により実行される。
【0032】
この用紙端部検出ルーチンが開始されると、CPU72は、まず、キャリッジモータ34を駆動させPW検出器46をホームポジションから用紙Sの端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS300)。待機位置は印刷ジョブで指定された用紙Sのサイズ毎に予めROM73に記憶され、印刷面を確実に検出可能な位置であればよく、本実施形態では用紙Sの略中央に定められている。次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を用紙Sに照射させながらPW検出器46を右方向へ移動させ(ステップS310)、受光素子の出力電圧に基づいて右端部を検出したか否かを判定する(ステップS320)。基準台48の端部検出時と同じしきい値を設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が右端部を検出したとする。そして、ステップS320で右端部を検出していないときには、再びステップS310に戻り、右端部を検出したときには、そのときのエンコーダ値を右端部の実測位置B0としてRAM74に記憶する(ステップS330)。その実測位置B0からRAM74に記憶された補正値(A2/2)を差し引いた値(B0−A2/2)を右端部位置C0としてRAM74に記憶し(ステップS340)、PW検出器46を端部検出用の待機位置に移動させる(ステップS350)。
【0033】
次に、CPU72は、PW検出器46の発光素子から光を用紙Sに照射させながらPW検出器46を左方向へ移動させ(ステップS360)、受光素子の出力電圧に基づいて左端部を検出したか否かを判定する(ステップS370)。基準台48の端部検出時と同じしきい値を設定し、出力電圧がこのしきい値と一致したときにPW検出器46が左端部を検出したとする。そして、ステップS370で左端部を検出していないときには、再びステップS360に戻り、左端部を検出したときには、そのときのエンコーダ値を左端部の実測位置B1としてRAM74に記憶する(ステップS380)。その実測位置B1にRAM74に記憶された補正値(A2/2)を加えた値(B0+A2/2)を左端部位置C1としてRAM74に記憶し(ステップS390)、PW検出器46をホームポジションに移動させ(ステップS400)、本ルーチンを終了する。この結果、用紙Sの端部を精度よく検出できるので、例えばユーザが右端部の余白を3mm、左端部の余白を3mmと指定した場合にその指定通りの余白で正確に印刷された印刷物を得ることができる。
【0034】
ここで、PW検出器46が経年劣化して受光素子の出力電圧が正常時に比べて低下した場合の補正について説明する。図5は、基準台48の右端部48aを検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図5では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置A0)が正常時に比べて左寄りの位置になっている。図6は、基準台48の左端部48bを検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図6では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置A1)が正常時に比べて右寄りの位置になっている。そのため、基準幅に比べて実測幅(A1−A0)は小さくなり、差分A2は正の値となり、補正値も正の値となる。図7は、用紙Sの右端部を検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図7では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置B0)が正常時に比べて左寄りの位置になっている。そして、B0から補正値(A2/2)を差し引いた右端部位置C0はB0より小さな値となり、右側に移動するように補正され正常時の検出位置と実質的に同じ位置になる。図8は、用紙Sの左端部を検出する際の出力電圧の変化の様子を示した説明図である。図8では、出力電圧がしきい値と一致する点(実測位置B1)が正常時に比べて右寄りの位置になっている。そして、B1に補正値(A2/2)を加えた左端部位置C1はB1より大きな値となり、左側に移動するように補正され正常時の検出位置と実質的に同じ位置になる。
【0035】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のインクジェットプリンタ10が本発明の画像印刷装置に相当し、プリンタ機構21が印刷手段に相当し、キャリッジ22が移動手段に相当し、PW検出器46が端部検出手段に相当し、リニア式エンコーダ25が位置検出手段に相当し、CPU72が補正手段に相当する。なお、本実施形態では、画像印刷装置の動作を説明することにより本発明の画像印刷装置の補正方法の一例も明らかにしている。
【0036】
以上詳述した本実施形態のインクジェットプリンタ10によれば、PW検出器46が基準台48の両端部48a,48bを横切る際に出力電圧が変化したときのキャリッジ22の位置を実測位置としてリニア式エンコーダ25によって検出し、実測位置から実測幅を算出し、実測幅と基準幅とに基づいてPW検出器46を補正する。こうすることにより、PW検出器46が経年劣化しても、特許文献1のようにインクを消費することなくユーザ側で補正することができ、検出精度の低下を防止することができる。したがって、用紙Sの余白を厳密に指定した印刷を行う際にユーザは指定通りの結果を得ることができる。また、ユーザ側で補正することができるので、インクジェットプリンタ10の製造工程でのPW検出器46の調整を省略することができる。
【0037】
また、基準台48の基準幅と実測幅との差分に基づいて補正するので、補正用データを収集したり複雑な補正関数を導入したりすることなく、比較的簡単に補正することができる。更に、右端部を検出する際及び左端部を検出する際のいずれも対象物のありから対象物のなしを検出する方向にPW検出器46が移動するので、しきい値を1つとすることができる。
【0038】
更に、基準台48は表面の反射率が用紙Sの反射率と同じになるように且つ表面の高さが用紙Sの高さと同じになるように形成されているので、用紙Sの端部検出時と同じ状態で補正をすることができる。
【0039】
更にまた、基準台48は用紙Sと重ならない場所に設置されているので、用紙Sが印刷位置にあっても補正をすることができる。
【0040】
そしてまた、CPU72はインクジェットプリンタ10の電源投入時及び電源投入後の所定のタイミングで補正するので、ユーザの手を煩わせることなく検出精度を維持することができる。
【0041】
そして更に、実測位置から算出された実測幅と基準幅とに基づいてPW検出器46を補正するので、基準台48の設置に際し位置決めの精度は要求されず設置が容易である。
【0042】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0043】
例えば、上述した実施形態では、基準台48の右端部48aから左端部48bまでを予め所定の基準幅として設定したが、基準幅を設定する代わりに以下のようにしてもよい。すなわち、インクジェットプリンタ10の工場出荷時又は新品時にPW検出器46により右端部48a及び左端部48bを検出しそのエンコーダ値をそれぞれ第1及び第2の基準位置としてROM73に記憶しておき、使用開始後にPW検出器46により右端部48a及び左端部48bを検出しそのエンコーダ値をそれぞれ第1及び第2の実測位置とする。そして、第1の実測位置から第1の基準位置を差し引いた差分を第1の補正値とし、第2の実測位置から第2の基準位置を差し引いた差分を第2の補正値とする。このときのPW検出器46の出力電圧の変化の様子を図9に示す。図9(a)は、右端部48aの実測位置A0と第1の基準位置の距離の差分を第1の補正値とする説明図、図9(b)は、左端部48bの実測位置A1と第2の基準位置の距離の差分を第2の補正値とする説明図である。その後、PW検出器46により用紙Sの右端部を検出したときの実測位置B0から第1の補正値を差し引いた値を右端部位置C0とし、用紙Sの左端部を検出したときの実測位置B1に第2の補正値を加えた値を左端部位置C1とする。このようにしても上述の実施形態と同様の効果が得られる。なお、第1の補正値と第2の補正値は略同じ値なので、どちらか一方の補正値に基づいて用紙Sの両端部を補正するものとしてもよい。こうすれば、迅速に補正値を算出することができる。
【0044】
例えば、上述した実施形態では、補正値を加減算する補正をしたが、出力電圧自体を補正してもよいし、出力電圧に合わせてしきい値を変更してもよい。図10は、出力電圧が正常時に比べて低下した場合において、出力電圧を正常時のレベルに近似するような補正関数に基づいて補正する説明図である。そして、用紙Sの端部を検出する際にその補正関数に基づいて補正された出力電圧から端部を検出する。図11は、出力電圧が正常時に比べて低下した場合において、しきい値を変更する説明図である。正常時の出力電圧が元のしきい値と一致する位置で出力電圧がしきい値と一致するようにしきい値を変更する。そして、用紙Sの端部を検出する際に変更後のしきい値に基づいて端部を検出したか否かを判断する。このようにしても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0045】
上述した実施形態では、基準台48を設置したが、基準台48を設置せずにフラッシング領域42の外縁の基準幅を用いて補正するものとしてもよい。
【0046】
上述した実施形態では、インクジェットプリンタ10を例示したが、その他に熱転写方式や感熱式、ドットインパクト方式、電子写真方式を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】インクジェットプリンタ10の構成の概略を示す構成図。
【図2】PW検出器46の配設位置を示す部分断面図。
【図3】PW検出器調整ルーチンのフローチャート。
【図4】用紙端部検出ルーチンのフローチャート。
【図5】基準台48の右端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図6】基準台48の左端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図7】用紙Sの右端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図8】用紙Sの左端部検出時の出力電圧の変化の様子を示す説明図。
【図9】PW検出器46の補正方法の一例を示す説明図。
【図10】PW検出器46の補正方法の一例を示す説明図。
【図11】PW検出器46の補正方法の一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0048】
10 インクジェットプリンタ、21 プリンタ機構、22 キャリッジ、23 ノズル、24 印刷ヘッド、25 リニア式エンコーダ、26 インクカートリッジ、28 ガイド、、32 キャリッジベルト、33 駆動モータ、34 キャリッジモータ、35 紙送りローラ、40 キャッピング装置、42 フラッシング領域、44 プラテン、46 PW検出器、48 基準台、48a 右端部、48b 左端部、48c 面部、70 コントローラ、72 CPU、73 ROM、74 RAM、75 フラッシュメモリ、76 インタフェース(I/F)、80 操作パネル、82 電源スイッチ、90 ユーザPC。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該両端部の各々を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、該実測位置から実測幅を算出し、該実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えた画像印刷装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第2の実測位置から算出される実測幅と前記基準幅との差分に応じた補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の端部位置に前記補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正する、
請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項3】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えた画像印刷装置。
【請求項4】
前記基準台は、該基準台の両端のうち一方の端部が予め定められた第1の基準位置に、他方の端部が予め定められた第2の基準位置に設けられ、
前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第1の基準位置の距離の差分に応じた第1の補正値及び前記第2の実測位置と前記第2の基準位置の距離の差分に応じた第2の補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の前記第1の基準位置に対応する端部位置に前記第1の補正値を加減算し、前記第2の基準位置に対応する端部位置に前記第2の補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正する、
請求項3に記載の画像印刷装置。
【請求項5】
前記端部検出手段は、検出対象に向かって照射した光の反射光に応じて電圧を出力する手段であり、
前記基準台は、前記端部検出手段による端部検出時の電圧変化が前記印刷媒体の端部検出時の電圧変化と略同じになるように形成されている、
請求項1〜4のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項6】
前記基準台は、前記印刷媒体と重ならない場所に設けられている、
請求項1〜5のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項7】
前記補正手段は、画像印刷装置の電源投入時及び電源投入後の所定のタイミングで前記移動手段を移動させて前記実測位置を検出する、
請求項1〜6のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項8】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該両端部の各々を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置から実測幅を算出するステップと、
(c)前記実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含む画像印刷装置の補正方法。
【請求項9】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含む画像印刷装置の補正方法。
【請求項1】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該両端部の各々を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、該実測位置から実測幅を算出し、該実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えた画像印刷装置。
【請求項2】
前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第2の実測位置から算出される実測幅と前記基準幅との差分に応じた補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の端部位置に前記補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正する、
請求項1に記載の画像印刷装置。
【請求項3】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、
所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、
前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、
前記移動手段の位置を検出する位置検出手段と、
予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、
前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正する補正手段と、
を備えた画像印刷装置。
【請求項4】
前記基準台は、該基準台の両端のうち一方の端部が予め定められた第1の基準位置に、他方の端部が予め定められた第2の基準位置に設けられ、
前記補正手段は、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記一方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第1の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、続いて、前記端部検出手段が前記基準台の面部から前記他方の端部を横切るよう前記移動手段を移動させている間、前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を第2の実測位置として前記位置検出手段によって検出し、前記第1の実測位置と前記第1の基準位置の距離の差分に応じた第1の補正値及び前記第2の実測位置と前記第2の基準位置の距離の差分に応じた第2の補正値を算出し、前記端部検出手段によって検出される前記印刷媒体の前記第1の基準位置に対応する端部位置に前記第1の補正値を加減算し、前記第2の基準位置に対応する端部位置に前記第2の補正値を加減算することにより前記印刷媒体の端部位置を補正する、
請求項3に記載の画像印刷装置。
【請求項5】
前記端部検出手段は、検出対象に向かって照射した光の反射光に応じて電圧を出力する手段であり、
前記基準台は、前記端部検出手段による端部検出時の電圧変化が前記印刷媒体の端部検出時の電圧変化と略同じになるように形成されている、
請求項1〜4のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項6】
前記基準台は、前記印刷媒体と重ならない場所に設けられている、
請求項1〜5のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項7】
前記補正手段は、画像印刷装置の電源投入時及び電源投入後の所定のタイミングで前記移動手段を移動させて前記実測位置を検出する、
請求項1〜6のいずれかに記載の画像印刷装置。
【請求項8】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準幅となるように両端部が設けられ該両端部の各々を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の両端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置から実測幅を算出するステップと、
(c)前記実測幅と前記基準幅とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含む画像印刷装置の補正方法。
【請求項9】
印刷媒体に印刷を行う印刷手段と、所定の主走査方向に移動可能な移動手段と、前記移動手段に搭載され光電変換を利用して前記印刷媒体の端部を境にして異なる電圧を出力する端部検出手段と、予め定められた基準位置に端部が設けられ該端部を境に前記端部検出手段が異なる電圧を出力するように形成された基準台と、を備える画像印刷装置の補正方法であって、
(a)前記端部検出手段が前記基準台の端部を横切るよう前記移動手段を移動させ、該移動手段の移動中に前記端部検出手段によって出力された電圧が変化したときの前記移動手段の位置を実測位置として検出するステップと、
(b)前記実測位置と前記基準位置とに基づいて前記端部検出手段を補正するステップと、
を含む画像印刷装置の補正方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−221577(P2008−221577A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62167(P2007−62167)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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