説明

画像印刷装置

【課題】オペレータによる動作モード設定が、通常想定される設定から逸脱した際、その動作モード設定をオペレータに知らせることができる画像印刷装置及びその制御方法を提案することを目的とする。
【解決手段】画像データを入力する画像入力手段と、画像データを印刷する画像印刷手段と、画像データを印刷する際に、オペレータが印刷モードを指定する操作手段と、設定状態を音声でオペレータに知らせる音声報知手段とを有する。また、オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱しているかどうかを判定する判定手段を有する。さらに、オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱していると判定された場合、オペレータが設定した印刷モードを、音声報知手段に音声で報知させる。また、操作手段を介して、オペレータが確認操作すると、画像入力手段を介して入力した画像データを、画像印刷手段に印刷させる画像印刷装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを印刷する画像印刷装置に関し、特に、印刷時にオペレータが設定する印刷設定情報を、音声によって報知可能な画像印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷処理を行う際に、オペレータが設定した印刷設定(動作モード)を、音声で報知する画像印刷装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図3は、従来の画像印刷装置300を示す図である。
【0004】
従来の画像印刷装置300は、原稿321を読み取って、コピー画像を生成する装置である。CPU301は、各ブロックの動作を制御するコントローラであり、制御バス318を介して各ブロックを制御する。ROM302は、画像印刷装置300が動作するのに必要なプログラム等を記憶するメモリである。
【0005】
RAM303は、読み取った画像データ等を一時的に格納し、また、画像処理のワークバッファとして使用されるメモリである。スキャナ316は、密着型のイメージセンサやCCD等の光電変換素子であり、原稿321をカラーモードまたはモノクロモードで読み取り、カラー画像データ(RGB三色データ等)またはモノクロ画像データ(二値データまたは中間調データ)を生成する。
【0006】
操作部304は、オペレータが画像印刷装置300を操作する操作手段であり、LCD/LED等の表示機や各種操作キーで構成されている。プリンタ306は、コピー画像を記録紙に印刷するカラー印刷手段である。
【0007】
画像処理部308は、スキャナ316で読み取った画像データをプリンタ306で印刷可能な印刷データ(濃度データ)に変換する処理ブロックである。音声生成部311は、装置の動作状態を、オペレータに報知するための音声信号を生成するブロックであり、音声生成部311で生成された音声信号は、スピーカ312を介して、音声としてオペレータに報知される。
【0008】
操作部304は、カラーモード選択キー304Aとモノクロモード選択キー304Bとを備え、カラーモード選択キー304Aが操作され、且つ原稿のコピー指示がされると、カラーコピー処理を実行する。一方、モノクロモード選択キー304Bが操作され、且つ原稿のコピー指示がされると、モノクロコピー処理を実行する。
【0009】
以上の構成によって、従来の画像印刷装置300は、原稿321のコピー処理を実行することができる。
【0010】
次に、従来の画像印刷装置300の動作について説明する。
【0011】
図4は、従来の画像印刷装置300においてコピー処理を示すフローチャートである。
【0012】
画像印刷装置300は、オペレータがコピー指示すると(S400)、そのときのコピーモード選択状態が、カラーモードであるか、モノクロモードであるかを判別する(S401)。つまり、画像印刷装置300は、操作部304において、カラーモード選択キー304Aが操作されたか、モノクロモード選択キー304Bが操作されたかを判別する。
【0013】
そして、カラーモードが選択されると、音声生成部311が、『カラーでコピーします』等、音声信号を生成し、スピーカ312を介して、オペレータに報知する(S402)。音声を報知した後に、所定時間のカウントを行い(S403)、オペレータがその時間内に所定の確認操作、たとえば、操作部304に設置されたスタートキー(不図示)等を操作すると(S404)、カラーコピー処理を開始する。
【0014】
カラーコピー処理する場合、スキャナ316が、原稿321をカラーモードで読み取り、画像処理部308がカラー印刷データを生成し、プリンタ306がカラーコピー画像を印刷出力する(S405)。
【0015】
一方、スタートキー操作がされずに、所定時間が経過すれば(S403)、コピーモード選択状態をモノクロモードに切り替え(S406)、モノクロコピー処理を開始する。モノクロコピー処理する場合、スキャナ316が、原稿321をモノクロモード読み取りし、画像処理部308が、モノクロ印刷データを生成し、プリンタ306が、モノクロコピー画像を印刷出力する(S407)。
【0016】
S401において、カラーモードではなく、モノクロモードが選択されたと判断すると、モノクロコピー処理を開始し、スキャナ316が、原稿321をモノクロモード読み取りし、画像処理部308がモノクロ印刷データを生成する。そして、プリンタ306がモノクロコピー画像を印刷出力する(S407)。
【0017】
以上が、従来の画像印刷装置300において、コピー処理を行う際の動作である。
【0018】
また、装置の動作モードを音声によって報知可能な装置として、オペレータが装置の動作モードを設定すると、その動作モードに応じた音声案外を再生する装置が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【0019】
さらに、電源投入時に、装置に設定されている動作モードを音声で報知する装置が知られている(たとえば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−173068号公報
【特許文献2】特開平11−345382号公報
【特許文献3】特開2001−188561号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかし、特許文献1記載の発明は、コピー処理をする場合、カラーコピー処理であることをオペレータに音声で知らせ、オペレータが設定するカラー/モノクロ設定以外の設定について、オペレータが操作ミスしたことを音声報知できないという問題がある。
【0021】
また、特許文献2、3記載の発明では、オペレータが設定する動作モードが、通常想定される動作モード設定と同じであっても、必ず音声によって報知されるので、オペレータにとって煩わしいという問題がある。
【0022】
本発明は、オペレータによる動作モード設定が、通常想定される設定から逸脱した際、その動作モード設定をオペレータに知らせることができる画像印刷装置及びその制御方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、画像データを入力する画像入力手段と、画像データを印刷する画像印刷手段と、画像データを印刷する際に、オペレータが印刷モードを指定する操作手段と、設定状態を音声でオペレータに知らせる音声報知手段とを有する。また、本発明は、オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱しているかどうかを判定する判定手段を有する。さらに、本発明は、オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱していると判定された場合、オペレータが設定した印刷モードを、音声報知手段に音声で報知させる。また、操作手段を介して、オペレータが確認操作すると、画像入力手段を介して入力した画像データを、画像印刷手段に印刷させる画像印刷装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、オペレータによる動作モード設定が、通常想定される設定から逸脱した際、その動作モード設定をオペレータに知らせることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
発明を実施するための最良の形態は、次の実施例である。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の実施例1である画像印刷装置200を示すブロック図である。
【0027】
画像処理装置200は、装置外部から入力される画像データを記録紙に印刷し、また、原稿を読み取ってコピー画像を印刷する装置である。画像処理装置200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、操作部204と、カラープリンタ205と、画像処理部208と、設定モード判定部209と、入力画像判定部210とを有する。また、画像処理装置200は、音声生成部211と、スピーカ212と、画像入力部213とを有する。
【0028】
CPU201は、各ブロックの動作を制御するコントローラであり、制御バス218を介して、各ブロックを制御する。
【0029】
ROM202は、画像印刷装置200が動作するために必要なプログラム等を記憶するメモリであり、オペレータに報知する際の音声信号を、デジタルPCMデータとして記憶するメモリとしても使用される。
【0030】
RAM203は、入力された画像データ等を一時的に格納し、さらに画像処理のワークバッファとして使用するメモリである。
【0031】
画像入力部213は、メモリカードインタフェース部214と、デジタルカメラインタフェース部215と、スキャナ216と、赤外線インタフェース部217等の画像入力インタフェースとを有する。また、画像入力部213は、様々なデバイスから画像データを取得し、さらに原稿を読み取る画像入力部である。
【0032】
メモリカードインタフェース部214は、各種メモリカード219との間で、インタフェースを行い、メモリカード219に記憶されている画像データ(JPEGデータ等)を入力するブロックである。
【0033】
カメラインタフェース部215は、USB規格等の通信制御ブロックによって構成され、デジタルカメラ220との間でインタフェースを行い、デジタルカメラ220が撮影した画像データ(JPEGデータ等)を入力するブロックである。
【0034】
スキャナ216は、密着型のイメージセンサやCCD等の光電変換素子で構成され、原稿221を、カラーモードやモノクロモードで読み取り、カラー画像データ(RGB3色データ等)またはモノクロ画像データ(二値データまたは中間調データ)を生成する。
【0035】
赤外線インタフェース部217は、IrDA規格等の通信制御ブロックによって構成され、カメラ付き携帯電話222との間でインタフェースを行い、カメラ付き携帯電話222が撮影した画像データ(JPEGデータ等)を入力する。
【0036】
操作部204は、オペレータが画像印刷装置200を操作するための操作手段であり、LCD/LED等の表示機や各種操作キーを有する。
【0037】
カラープリンタ205は、入力された画像を記録紙に印刷するための印刷手段の例であり、インクジェット等のカラー印刷を行う印字部206と、画像印刷装置200にセットされた記録紙の用紙サイズを検出する記録紙サイズセンサ207とを有する。
【0038】
画像処理部208は、スキャナ216が読み取った画像データや、カードインタフェース部214、カメラインタフェース部215、赤外線インタフェース部217が入力したJPEGデータ等を、印刷データ(濃度データ)に変換する。この印刷データを、カラープリンタ205が印刷する。また、画像処理部208は、画像の印刷においてオペレータが設定した印刷設定に従って、入力された画像データの拡大/縮小処理や、画像の縦横変換等の処理も行う。
【0039】
設定モード判定部209は、オペレータが操作部204で設定した印刷設定や、デジタルカメラ220、カメラ付き携帯電話222の操作部においてオペレータが設定した印刷設定を判定するブロックである。すなわち、印刷枚数、印字品位、記録紙種別、記録紙サイズ、印刷色、印刷向き等の各種設定を判定する。
【0040】
入力画像判定部210は、画像入力部213が入力した画像データを解析し、入力した画像が、カラー画像であるかモノクロ画像であるか、テキスト画像(2値画像)であるか、中間調画像であるか、さらには入力画像が縦長であるか横長であるか等を解析する。
【0041】
音声生成部211は、オペレータに、装置の動作状態を報知するための音声信号を生成し、ROM202に記憶されている音声PCMデータを、デコード処理し、さらにA/D変換処理し、音声信号を生成する。音声生成部211が生成した音声信号は、スピーカ212を介して、音声としてオペレータに報知する。
【0042】
つまり、スキャナ216は、画像データを入力する画像入力手段の例である。カラープリンタ205は、画像データを印刷する画像印刷手段の例である。操作部204は、画像データを印刷する際に、オペレータが印刷モードを指定する操作手段の例である。スピーカ212は、設定状態を音声でオペレータに知らせる音声報知手段の例である。
【0043】
CPU201は、オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モード(通常想定される印刷モード)から逸脱しているかどうかを判定する判定手段の例である。
【0044】
CPU201は、オペレータが指定した印刷モードが上記特定の印刷モードから逸脱していると判定された場合、オペレータが設定した印刷モードを、上記音声報知手段に音声で報知させる制御手段の例である。また、CPU201は、上記操作手段を介して、オペレータが確認操作すると、上記画像入力手段を介して入力した画像データを、上記画像印刷手段に印刷させる制御手段の例である。
【0045】
また、上記判定手段は、オペレータが設定した印刷枚数が、予め定められた枚数よりも多い場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段である。上記判定手段は、オペレータが設定した印刷品位と記録紙種別とが、予め定められた組み合わせと異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段である。
【0046】
記録紙サイズセンサ207は、記録紙サイズを検出する記録紙サイズ検出手段の例である。また、上記判定手段は、オペレータが設定した記録紙サイズが、上記記録紙サイズ検出手段が検出した記録紙サイズと異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段である。
【0047】
入力画像判定部210は、上記画像入力手段が入力した画像データが、カラー画像であるかモノクロ画像であるかを判定する画像色判定手段の例である。この場合、上記判定手段は、オペレータが設定した印刷色設定が、上記画像色判定手段が判定した画像色判定と異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段である。
【0048】
入力画像判定部210は、上記画像入力手段が入力した画像データが、テキスト画像であるか中間調画像であるかを判定する画像品位判定手段の例である。この場合、上記判定手段は、オペレータが設定する印刷品位設定が、上記画像品位判定手段が判定した画像品位と異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段である。
【0049】
入力画像判定部210は、上記画像入力手段から入力された画像データが、縦横比を検出する画像形状判定手段の例である。この場合、上記判定手段は、オペレータが設定する記録紙の印刷向き設定が、上記画像形状判定手段がした画像形状と異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段である。
【0050】
次に、実施例1の動作について、説明する。
【0051】
図2は、画像印刷装置200の動作を示すフローチャートである。
【0052】
画像印刷装置200は、操作部204、または、デジタルカメラ220またはカメラ付き携帯電話222の操作部において、オペレータが印刷を指示すると、印刷処理を開始する。印刷開始時において、印刷枚数、印字品位、記録紙種別、記録紙サイズ、印刷色、印刷向き等の各種設定が行われ、オペレータがスタートキー(不図示)等を押下すると、処理が開始される(S100)。
【0053】
画像印刷装置200は、オペレータが指示した画像データを、外部装置(メモリカード219、デジタルカメラ220、カメラ付き携帯電話222)から、画像入力部213を介して、取り込む。また、オペレータの印刷指示が原稿のコピーであれば、原稿221をスキャナ216で読み取る(S101)。
【0054】
画像入力部213が取り込んだ画像データを、入力画像判定部210が解析し、入力した画像データが、モノクロ画像であるかカラー画像であるか、また中間調画像であるかテキスト画像(2値画像)であるかを判断する。さらに、入力した画像データの縦横比を解析し、入力画像が縦長であるか横長であるかをも判定する(S102)。
【0055】
続いて、画像印刷装置200に設置されている記録紙のサイズを、記録紙サイズセンサ207が検知し、A4、B5、はがき、L版等の記録紙サイズのうちで、どのサイズの記録紙が画像印刷装置200に設置されているかを検知する(S103)。
【0056】
その後、入力画像判定部210が判定した入力画像の種別、記録紙サイズセンサ207で検出された記録紙サイズに基づいて、オペレータが設定した印刷設定が、通常想定される設定(特定の設定)を逸脱しているか否かを、設定モード判定部209が判定する。この判定は、S104〜S109で実行される。
【0057】
S104では、オペレータが設定した印刷枚数が、予め定められた印刷枚数よりも多いかどうかを判定する。予め定められた印刷枚数よりも多いと判断すると、印刷枚数が間違っていないかどうかを調べる旨を音声報知する(S111)。たとえば、予め定められた枚数が10枚であり、オペレータが設定した印刷枚数が11枚であれば、『印刷枚数が11枚です。印字しますか?』という音声信号を、音声生成部211で生成し、スピーカ212を介して、音声としてオペレータに警告する。
【0058】
その後に、オペレータが確認操作すると(S112)、印刷処理を開始し、画像処理部208が、入力画像データを印刷データに変換し、オペレータが設定した枚数分の印刷処理を、カラープリンタ205が実行し(S110)、処理を終了する。
【0059】
S105では、印刷開始時にオペレータが設定した印刷品位と記録紙種別との組み合わせを判定する。オペレータの設定が、所定の組み合わせと異なれば、印刷設定が間違っていないかどうかを調べる旨を音声報知する(S111)。
【0060】
たとえば、用紙設定が普通紙に設定されているのに、印刷品位が高品位に設定されていれば、『用紙設定は普通紙、印刷品位は高品位です。印刷しますか?』の音声信号を、音声生成部211が生成し、スピーカ212を介して音声でオペレータに警告する。その後に、オペレータが確認操作すると(S112)、印刷処理を開始し、入力画像データをオペレータが設定した印刷品位の印刷データに、画像処理部208が変換し、カラープリンタ205が印刷処理を実行し(S110)、処理を終了する。
【0061】
S106では、印刷開始時にオペレータが設定した記録紙サイズと、記録紙サイズセンサ207が検出した記録紙サイズとを照合する。オペレータの設定と記録紙サイズセンサ207が検出した記録紙サイズとが異なれば、印刷設定が間違っていないかどうかを調べる旨を音声報知する(S111)。たとえば、『設定された記録紙サイズと、設置された記録紙サイズとが異なります。印刷しますか?』という音声信号を、音声生成部211が生成し、スピーカ212を介して、音声でオペレータに警告する。その後に、オペレータが確認操作すると(S112)、印刷処理を開始し、入力画像データを、オペレータが設定した記録紙サイズに縮小または拡大した印刷データを、画像処理部208が生成する。そして、カラープリンタ205で印刷処理を実行し(S110)、処理を終了する。
【0062】
S107では、印刷開始時にオペレータが設定した印刷色設定と、入力画像判定部210が判定した入力画像の色判定(カラー画像であるかモノクロ画像であるか)とを照合する。オペレータの設定と入力画像の色判定とが異なれば、印刷設定が間違っていないかどうかを調べる旨を音声報知する(S111)。たとえば、オペレータがモノクロ印刷を設定したが、入力画像データがカラー画像であると判定すれば、『モノクロ印刷が設定されています。入力画像はカラー画像です。印刷しますか?』という音声信号を音声生成部211が生成し、スピーカ212を介して音声でオペレータに警告する。その後に、オペレータが確認操作すると(S112)、印刷処理を開始し、画像処理部208が、入力画像データをオペレータが設定した印刷色に色変換処理し、カラープリンタ205で印刷処理を実行し(S110)、処理を終了する。
【0063】
S108で、印刷開始時にオペレータが設定した印刷品位設定と、入力画像判定部210が判定した入力画像の品位判定(テキスト画像であるか中間調画像であるか)とを照合する。オペレータの設定と入力画像の品位判定とが異なれば、印刷設定が間違っていないかどうかを調べる旨を音声報知する(S111)。たとえば、オペレータが中間調印刷を設定したが、入力画像データがテキスト画像であると判定すれば、『中間調印刷が設定されています。入力画像はテキスト画像です。印刷しますか?』という音声信号を音声生成部211で生成し、スピーカ212を介して音声でオペレータに警告する。その後に、オペレータが確認操作すると(S112)、印刷処理を開始し、画像処理部208が、入力画像データをオペレータが設定した印刷品位の印刷データに変換し、カラープリンタ205が印刷処理を実行し(S110)、処理を終了する。
【0064】
S109では、印刷開始時にオペレータが設定した記録紙の印刷向き設定と、入力画像判定部210が判定した入力画像の縦横比(縦長画像であるか横長画像であるか)とを照合する。オペレータの設定と入力画像の縦横比とが異なれば、印刷設定が間違っていないかどうかを調べる旨を音声報知する(S111)。
【0065】
たとえば、オペレータが、縦向きの印刷を設定したにも関わらず、入力画像が横長の画像であると判定されると、『縦向き印刷が設定されています。入力画像は横長画像です。印刷しますか?』という音声信号を音声生成部211が生成する。そして、スピーカ212を介して、音声でオペレータに警告する。その後に、オペレータが確認操作すると(S112)、印刷処理を開始し、入力画像データをオペレータが設定した印刷向き設定に従って回転処理を施した印刷データを、画像処理部208が生成する。そして、カラープリンタ205が印刷処理を実行し(S110)、処理を終了する。
【0066】
S104〜S109において、印刷開始時にオペレータが設定した印刷設定が通常想定される印刷設定(特定の印刷設定)であれば、音声の警告を行わずに、印刷処理を開始する。そして、画像処理部208が、入力画像データをオペレータが設定した印刷設定に従った印刷データに変換する。そして、カラープリンタ205が印刷処理を実行し(S110)、処理を終了する。
【0067】
また、S112において、音声によるオペレータへの警告を行った後に、オペレータが印刷中止を操作すると、設定ミスがあったと判断し、S100に戻り、以降のステップの処理を、再度、繰り返す。
【0068】
以上が、画像印刷装置200において、画像の印刷処理を行う際の動作説明である。
【0069】
上記実施例によれば、オペレータが設定する印刷設定が、通常想定される印刷モード(特定の印刷モード)から逸脱している場合にのみ、音声による警告(報知)がされるので、全ての設定を音声によって報知する装置のような煩わしさを回避することができる。また、オペレータの意図とは異なる印刷結果が得られてしまう不具合を防止することができ、印刷時間の無駄や、印刷ミスによる記録用紙の無駄を排除することができる。
【0070】
また、上記実施例によれば、予め定められた印刷枚数をオペレータが設定した際に音声による警告がなされるので、誤って大量の印刷を実行してしまう不具合を防ぐことができる。
【0071】
さらに、上記実施例によれば、オペレータが設定した印刷品位と記録紙種別との組み合わせが、予め定められた組み合わせと異なる場合に音声警告するので、普通紙に高品位での印刷を実行することによって印刷時間が長くなる不具合を除去することができる。また、高品位用紙に低品位の印刷をするという印刷ミスを防ぐことができる。
【0072】
そして、上記実施例によれば、オペレータが設定した記録紙サイズと記録紙サイズ検出手段で検出した記録紙サイズとが異なると、音声警告されるので、用紙サイズに合わせた拡大/縮小処理が実行される。これによって、用紙の一部に縮小された画像が印刷される印刷ミスや、拡大によって画像の一部が欠落する印刷ミスを防ぐことができる。
【0073】
また、上記実施例によれば、画像色判定手段が、入力画像がモノクロであるかカラーであるかを印刷の前に判定し、オペレータが誤った印刷色設定をしても、音声警告されるので、カラー画像をモノクロ印刷してしまう印刷ミスを防ぐことができる。
【0074】
さらに、上記実施例によれば、画像品位判定手段が、入力画像がテキスト画像(2値画像)か中間調画像かを印刷の前に判断し、オペレータが誤った印刷品位設定をすると、音声警告されるので、中間調画像を2値で印刷してしまう印刷ミスを防ぐことができる。
【0075】
そして、上記実施例によれば、画像形状判定手段が、入力画像の縦横比を印刷の前に判定し、オペレータが設定した記録紙の印刷向き設定が入力画像の縦横比と異なると、音声警告されるので、縦長用紙に横長画像を印刷するという印刷ミスを防ぐことができる。
【0076】
また、上記実施例を方法の発明として把握することができる。つまり、上記実施例は、入力された画像データを記憶装置に記憶する画像入力工程と、画像データを印刷する画像印刷工程と、設定状態を音声でオペレータに知らせる音声報知工程とを実現する例である。また、上記実施例は、オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱しているかどうかを判定し、記憶装置に記憶する判定工程を実現する例である。上記実施例では、オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱していると判定されると、オペレータが設定した印刷モードを音声で報知し、また、操作手段を介して、オペレータが確認操作すると、入力した画像データを画像印刷手段が印刷する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施例1である画像印刷装置200を示すブロック図である。
【図2】画像印刷装置200の動作を示すフローチャートである。
【図3】従来の画像印刷装置300を示す図である。
【図4】従来の画像印刷装置300においてコピー処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0078】
200…画像印刷装置、
201…CPU、
202…ROM、
204…操作部、
207…記録紙サイズセンサ、
208…画像処理部、
209…設定モード判定部、
210…入力画像判定部、
211…音声生成部、
212…スピーカ、
213…画像入力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する画像入力手段と;
画像データを印刷する画像印刷手段と;
画像データを印刷する際に、オペレータが印刷モードを指定する操作手段と;
設定状態を音声でオペレータに知らせる音声報知手段と;
オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱しているかどうかを判定する判定手段と;
オペレータが指定した印刷モードが上記特定の印刷モードから逸脱していると判定された場合、オペレータが設定した印刷モードを、上記音声報知手段に音声で報知させ、また、上記操作手段を介して、オペレータが確認操作すると、上記画像入力手段を介して入力した画像データを、上記画像印刷手段に印刷させる制御手段と;
を有することを特徴とする画像印刷装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記判定手段は、オペレータが設定した印刷枚数が、予め定められた枚数よりも多い場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段であることを特徴とする画像印刷装置。
【請求項3】
請求項1において、
上記判定手段は、オペレータが設定した印刷品位と記録紙種別とが、予め定められた組み合わせと異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段であることを特徴とする画像印刷装置。
【請求項4】
請求項1において、
記録紙サイズを検出する記録紙サイズ検出手段を有し、
上記判定手段は、オペレータが設定した記録紙サイズが、上記記録紙サイズ検出手段が検出した記録紙サイズと異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段であることを特徴とする画像印刷装置。
【請求項5】
請求項1において、
上記画像入力手段が入力した画像データが、カラー画像であるかモノクロ画像であるかを判定する画像色判定手段を有し、
上記判定手段は、オペレータが設定した印刷色設定が、上記画像色判定手段が判定した画像色判定と異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段であることを特徴とする画像印刷装置。
【請求項6】
請求項1において、
上記画像入力手段が入力した画像データが、テキスト画像であるか中間調画像であるかを判定する画像品位判定手段を有し、
上記判定手段は、オペレータが設定する印刷品位設定が、上記画像品位判定手段が判定した画像品位と異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段であることを特徴とする画像印刷装置。
【請求項7】
請求項1において、
上記画像入力手段から入力された画像データが、縦横比を検出する画像形状判定手段を有し、
上記判定手段は、オペレータが設定する記録紙の印刷向き設定が、上記画像形状判定手段がした画像形状と異なる場合、上記特定の印刷モードから逸脱したと、判定する手段であることを特徴とする画像印刷装置。
【請求項8】
入力された画像データを記憶装置に記憶する画像入力工程と;
画像データを印刷する画像印刷工程と;
音声信号を生成し、記憶装置に記憶し、設定状態を音声でオペレータに知らせる音声報知工程と;
オペレータが指定した印刷モードが特定の印刷モードから逸脱しているかどうかを判定し、記憶装置に記憶する判定工程と;
上記オペレータが指定した印刷モードが上記特定の印刷モードから逸脱していると判定されると、オペレータが設定した印刷モードを、音声で報知させ、また、操作手段を介して、オペレータが確認操作すると、上記入力した画像データを、画像印刷手段に印刷させる制御工程と;
を有することを特徴とする画像印刷装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−230174(P2008−230174A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76404(P2007−76404)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】