説明

画像変換方法、画像変換装置、画像変換システム及び画像変換プログラム

【課題】色の情報を含ませたテクスチャを付加して作製された画像が、塗りつぶし領域において滑らかに連続的に変化するグラデーションを有する場合でも、正確に復元できる画像変換方法を提供する。
【解決手段】テクスチャが重畳させられた領域と、該領域のテクスチャを抽出する工程と、テクスチャの強度変調成分を抽出する工程と、テクスチャが重畳させられた領域の画像から、テクスチャの強度変調成分を低減する工程と、を有する画像変換方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像変換方法、画像変換装置、画像変換システム及び画像変換プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、健常者には識別できるカラー画像が、同じように識別できない色覚異常者に対し、画像の色の情報を他の方法で認識することができるように、種々の提案がなされている。
【0003】
このような提案として、カラー画像から有彩色の塗りつぶし領域を抽出し、この塗りつぶし領域に、塗りつぶし領域の色(色相)に対応して異なる角度で複数の平行な直線を付加し、塗りつぶし領域の明度に対応して複数の平行な直線を異なる間隔とし、塗りつぶし領域の彩度に対応して複数の平行な直線の矢印の間隔(長さ)が異なるように付加することによってで、塗りつぶし領域の色を表現したハッチングを付加する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−77307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような提案がなされる一方で、色覚異常者に認識できるように色の情報をテクスチャ等に置き換えて作製された画像から、元の画像を復元したいという要望もある。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1には、ハッチングの角度と間隔、矢印の間隔で、色相、明度、彩度を表現しているが、塗りつぶし領域が滑らかに連続的に変化するグラデーションを有する場合の対応がなく、ハッチングや矢印が付加された領域を、元の画像に復元した際に、元の画像を正確に再現できなくなる問題がある。
【0007】
本発明は上記問題に鑑み、色の情報を含ませたテクスチャを付加して作製された画像が、塗りつぶし領域において滑らかに連続的に変化するグラデーションを有する場合でも、正確に復元できる画像変換方法、画像変換装置、画像変換システム及び画像変換プログラムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、下記の構成により達成される。
【0009】
(1)色情報がテクスチャに変換され、前記テクスチャが重畳された画像から、前記テクスチャを低減する画像変換方法であって、前記テクスチャが重畳された領域と、該領域の前記テクスチャを検出する工程と、前記テクスチャの強度変調成分を抽出する工程と、前記テクスチャが重畳された領域の画像から、前記テクスチャの強度変調成分を低減する工程と、を有することを特徴とする画像変換方法。
【0010】
(2)前記テクスチャがハッチングであって、前記色情報は前記ハッチングの傾き角度に変換されたものであり、前記ハッチングの傾き角度を求める工程と、前記ハッチングの傾き角度に基づいて元の画像の色情報を取得する工程と、を有することを特徴とする前記(1)に記載の画像変換方法。
【0011】
(3)前記ハッチングは、傾き角度の範囲が異なる2種類であり、該2種類のハッチングは所定の周波数比を有するものであることを特徴とする前記(2)に記載の画像変換方法。
【0012】
(4)前記(1)から前記(3)までのいずれかに記載の画像変換方法を用いる画像変換部を備え、色情報がテクスチャに変換され、前記テクスチャが重畳された画像から、前記画像変換部を用いて前記テクスチャを低減することを特徴とする画像変換装置。
【0013】
(5)前記(4)に記載の画像変換装置と、該画像変換装置で変換された画像の出力を行う画像出力部を有することを特徴とする画像変換システム。
【0014】
(6)色情報がテクスチャに変換され、前記テクスチャが重畳させられた画像から、前記テクスチャを低減する画像変換プログラムであって、前記テクスチャが重畳させられた領域を抽出するテクスチャ重畳領域抽出部と、前記テクスチャが重畳領域抽出部で抽出された領域の画像から、前記テクスチャを抽出するテクスチャ抽出部と、前記テクスチャの強度変調成分を抽出するテクスチャ強度変調成分抽出部と、前記テクスチャ重畳領域抽出部で抽出された領域の画像から、前記テクスチャ強度変調成分抽出部で抽出されたテクスチャの強度変調成分を低減する強度変調成分低減部、としてコンピュータを機能させることを特徴とする画像変換プログラム。
【0015】
(7)前記テクスチャがハッチングであり、前記色情報は前記ハッチングの傾き角度に変換されたものであり、前記ハッチングの傾き角度を求めるテクスチャ角度取得部と、前記ハッチングの傾き角度に基づいて元の画像の色情報を取得する色情報取得部と、を有することを特徴とする前記(6)に記載の画像変換プログラム。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、色の情報を含ませたテクスチャを付加して作製された画像が、塗りつぶし領域において滑らかに連続的に変化するグラデーションを有する場合でも、正確に復元できる画像変換方法、画像変換装置、画像変換システム及び画像変換プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】色の情報を含ませたテクスチャを付加して作製された画像の一例を示す模式図である。
【図2】色度に対応させたハッチングの直線の方向(傾き角度)の規定の一例を示す図である。
【図3】ハッチングを重畳する際の、ハッチングの強度変調の例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る画像変換システムの主要機能部を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態に係る画像変換システムの動作概略を示すフローチャートである。
【図6】ハッチング重畳部の抽出方法の一例を示す図である。
【図7】周波数フィルタリングの手順概略を示すフローチャートである。
【図8】強度変調成分の低減の効果を示す図である。
【図9】本実施の形態に係る画像変換システムの動作概略の変形例を示すフローチャートである。
【図10】傾いた画像部から、当初のハッチングの直線の傾き角度の求め方を説明する模式図である。
【図11】ハッチングの直線の方向(傾き角度)から色情報を取得する逆変換の一例を示す図である。
【図12】記憶された色度が、画像出力部の色域外の点の色度であった場合に、出力する色の決め方を説明する図である。
【図13】画像変換前の画像部と画像変換後の画像部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施の形態により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】
まず、本実施の形態に係る画像変換方法、画像変換装置及び画像変換プログラムの変換対象である、色の情報を含ませたテクスチャを付加して作製された画像について説明する。なお、テクスチャとは画像に重畳する模様を指しており、以下の実施の形態においては、テクスチャとして、斜線で形成されたハッチングを用いたもので説明する。
【0020】
図1は、色の情報を含ませたテクスチャを付加して作製された画像の一例を示す模式図である。図1(a)はシート全面を示し、図1(b)はシートにプリントされた画像の部分を拡大したものである。
【0021】
このシートは、画像の塗りつぶし領域の色の情報を、色とは異なる他の方法で認識することができるように作製されたものである。
【0022】
図1(a)に示すシート10には、画像部1、表部2、文字部3がプリントされている。また、図1(b)の画像部1の拡大図に示すように、例えば、画像部1は、色の情報を含ませたテクスチャを付加する前の元画像から存在するハッチングに類似した模様を有する領域14、15、16と、色の情報を含ませたテクスチャであるハッチングが重畳された領域11、12、13(以下、ハッチング重畳部と称す)を含んでプリントされている。このハッチング重畳部11、12、13は、塗りつぶし領域の色度に対応させてハッチングの直線の方向(傾き角度)を規定し、重畳させたものである。
【0023】
このような、塗りつぶし領域の色度に対応させてハッチングの傾き角度を規定し、重畳させた画像が変換対象である。
【0024】
なお、色度に対応させてハッチングの直線の方向(傾き角度)を規定し、重畳させるものとしては、例えば、本出願人による国際公開第2009/020115号に記載のものを使用することができる。なお、本実施の形態においては、以下のようにしてハッチングの傾き角度を規定したもので説明する。
【0025】
図2は、色度に対応させたハッチングの直線の方向(傾き角度)の規定の一例を示す図である。
【0026】
図2は、u′v′色度図であり、このu′v′色度図上において、例えば人が感じることのできる色の領域Cを、破線Aと間隔Sだけ離れた平行な破線A及び、実線Bと間隔Mだけ離れた平行な実線Bで囲むように設定した場合を示している。なお、本例では、人が感じることのできる色の領域Cの全てを包括するように囲んだ例を示しているが、これに限るものでなく、特定の領域を包括するように囲んで設定されたものであってもよい。
【0027】
更に、例えば破線Aの線上を+30度、破線Aの線上を−30度の傾き角度に対応させ、破線AとAの間隔Sを+30度〜−30度の範囲で等分割(例えば、傾き角度0度の場合は破線AとAの中線)し、実線Bの線上を+45度、実線Bの線上を+135度の傾き角度に対応させ、実線BとBの間隔Mを+45度〜+135度の範囲で等分割(例えば、傾き角度90度の場合は実線BとBの中線)するように規定されているとする。このとき、領域C内の点Nにおける色度に対応させるハッチングの傾き角度は以下のように決定される。なお、傾き角度0度の方向は、XY座標の場合のX軸正方向に相当する。
【0028】
まず、点Nを通る破線Aに平行な直線Anと、点Nを通る実線Bに平行な直線Bnを考え、直線Anの破線Aからの間隔Sと、直線Bnの実線Bからの間隔Mを用い、以下のように傾き角度を決める。
【0029】
第1のハッチングの傾き角度=30−(S/S)×60 (度)
第2のハッチングの傾き角度=45+(M/M)×90 (度)
すなわち、点Nにおける色度を2種のハッチングの傾き角度に変換する。更に、第2のハッチングの周波数を第1のハッチングの周波数の2倍とする。
【0030】
このようにして決められた2種のハッチングを点Nにおける色度を表すものとして、点Nにおける色度で塗りつぶされた塗りつぶし領域に重畳する。以下においては、上記第1のハッチングをサブハッチング、上記第2のハッチングをメインハッチングと称す。
【0031】
なお、メインハッチングとサブハッチングの周波数比及びそれぞれの直線の傾き角度の範囲は、これに限るものでなく、周波数比は予め決められた値であればよいし、傾き角度の範囲は、メインハッチングとサブハッチングで重複しないよう予め決められた範囲であればよい。
【0032】
さらに、このメインハッチングとサブハッチングは、以下の図3に示す例のように、塗りつぶし領域の明度や彩度或いはその他の変化に対し、予め決められた所定の強度変調成分を有して重畳される。
【0033】
図3は、ハッチングを重畳する際の、ハッチングの強度変調の例を示す図である。図3(a)は塗りつぶし領域の明度変化例を示し、図3(b)は図3(a)に示す塗りつぶし領域に所定の振幅の矩形波による強度変調成分を有するハッチングが重畳された場合を示し、図3(c)は図3(a)に示す塗りつぶし領域に所定の振幅の正弦波による強度変調成分を有するハッチングが重畳された場合を示している。なお、図3ではメインハッチングとサブハッチングのうちの一方のハッチングについてのみ図示している。
【0034】
図3(a)は、縦軸を塗りつぶし領域の明度とし、塗りつぶし領域の明度変化状態を示している。本例は、塗りつぶし領域の明度が、図示Gの範囲において図示Nで示す高明度から連続的に変化して図示Nで示す低明度となっている例である。
【0035】
図3(b)は、この図3(a)に示す明度変化を有する塗りつぶし領域に、ピッチ(周期)P、振幅aの矩形波による強度変調成分を有するハッチングを重畳した場合の明度変化状態を示し、図3(c)は、ピッチ(周期)P、振幅aの正弦波による強度変調成分を有するハッチングを重畳した場合の明度変化状態を示している。すなわち、テクスチャであるハッチングは、塗りつぶし領域が連続的な変化を有している際にも、変化に沿って予め決められた強度変調を有するように重畳されている。
【0036】
なお、図3では、明度変化を例に取り説明したが、彩度その他の変化に適用してもよい。
【0037】
図1(b)に例示したハッチング重畳部11、12、13は、矩形波による強度変調成分を有するハッチングが重畳された場合を示しているが、正弦波による強度変調成分を有するハッチングで重畳されていてもよい。また、例えばメインハッチングとサブハッチングのうち一方を矩形波とし、他方を正弦波とするような、異なる強度変調成分を付与してもよい。
【0038】
更に、この重畳されたハッチングを削除する際に、より明確となるよう、重畳されたハッチングの強度変調成分についての情報をマークや透かしとして画像に埋め込んでおくこともできる。同様に、ハッチングの傾き角度から逆に色度を求める際に、より明確となるよう、上記の色度図上での破線AとA、実線BとBの設定情報をマークや透かしとして画像に埋め込んでおくこともできる。
【0039】
図4は、本実施の形態に係る画像変換システム100の主要機能部を示すブロック図である。なお、既知の電源スイッチ、電源回路等の各部は省略してある。
【0040】
図4に示すように、本実施の形態に係る画像変換システム100は、入力画像データ生成部20、画像変換部30、画像出力部40に大別される。これら、入力画像データ生成部20、画像変換部30、画像出力部40は、制御部31により動作制御されるよう構成されている。また制御部31には、記憶部32、操作部33が接続されている。
【0041】
入力画像データ生成部20は、変換対象である色情報を含ませたテクスチャが付加された画像の入力部であり、例えば図1に示すシートの画像を読み取って、画像データとするスキャナ等で構成される。変換対象である画像データは、画像変換部30に送出される。なお、入力画像がすでにデータ化されている場合には、入力端子から直接的に入力するよう構成してもよい。
【0042】
画像変換部30では、入力画像データ生成部20で生成された画像データから、画像部1(図1参照)を抽出し、抽出した画像部1の領域内で、テクスチャであるハッチングが重畳された領域(ハッチング重畳部)を抽出すると共にハッチングの角度を検出する。
【0043】
更に、ハッチングの強度変調成分を抽出し、ハッチング重畳部からハッチングの強度変調成分を低減する機能を有している。
【0044】
また、画像変換部30は、テクスチャであるハッチングの傾き角度の基準となる方向を検出し、重畳された各ハッチングの、基準となる方向とのなす角度を求め、このハッチングの、基準となる方向とのなす角度から、元の色情報を得て、ハッチング重畳部の領域を、得られた色に変換し、元のカラー画像を復元する機能も有している。
【0045】
画像出力部40は、LCD、有機EL等の表示装置、電子写真方式やインクジェット方式等のプリンタ、光ディスクに画像データを記録する光ピックアップ装置等で構成され、画像変換部30で処理されたハッチングの強度変調成分が低減されたモノクロ画像や、ハッチングの強度変調成分が低減されると共に元の色が復元されたカラー画像を出力するものである。
【0046】
記憶部32は、制御部31の制御に基づき、入力画像データ生成部20で生成された画像データや、画像変換部30で処理された、ハッチングの強度変調成分が低減されたモノクロ画像データや、ハッチングの強度変調成分が低減され復元された元のカラー画像データを記憶する。
【0047】
制御部31は、不図示のROMから動作プログラムを読み出し、不図示の作業領域としてのRAMに展開し、入力画像データ生成部20、画像変換部30、画像出力部40、記憶部32を統括的に制御する。
【0048】
なお、本願においては、少なくとも上記の画像変換部30を有する部分を画像変換装置と称し、入力画像データ生成部20又は画像出力部40の少なくとも一方が接続されている場合を画像変換システムと称している。
【0049】
本実施の形態に係る画像変換装置又は画像変換システムは、単体で存在していてもよいし、既存の画像処理装置や画像表示装置やプリンタ等に内蔵されていてもよい。また、他の機器に内蔵される場合には、他の機器の画像処理部や制御部と兼用で構成されていてもよい。
【0050】
図5は、本実施の形態に係る画像変換システム100の動作概略を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、重畳されたテクスチャであるハッチングの強度変調成分を低減する場合のフローチャートである。以下、フローに従い説明する。
【0051】
まず、入力したい画像がプリントされたシートの画像を読み込ませる(ステップS101)。
【0052】
この入力画像の読み込みは、入力画像データ生成部20により行われる。なお、入力する画像がすでにデータ化されている場合には、入力画像データ生成部20又は画像変換部30に備えられた接続端子から直接的に入力すればよい。読み込まれた画像データは画像変換部30に送られ、記憶部32に記憶させる。
【0053】
画像変換部30では入力された画像データを、不図示のROMから読み出したプログラムに基づいて以下の処理を行う。
【0054】
まず、ハッチング重畳部を有する変換対象の画像であるか否か判断する(ステップS102)。すなわち、入力された画像が、変換対象である色情報を含ませたハッチングを重畳して作製された画像であるか否かを判断する。
【0055】
この判断には、例えば、ハッチングの重畳された変換対象の画像であることを示す透かしやマークをシンボルとして、埋め込んでおき、それらシンボルの有無検出により判断するように構成してもよい。また、操作部33よりオペレータが入力するものであってもよい。
【0056】
入力された画像データが変換対象のものである場合(ステップS102;Yes)には、入力された画像データから画像部1を抽出する(ステップS103)。
【0057】
画像部1の抽出は、例えば、シートの単位面積に対し、画像として認識される文字、絵等のシート色以外の画像データが占有する面積の割合(本願では印字率と称す)で判断する。一般的に、図1に示す表部分2や文字部分3においては、印字率は10%以下であり、画像部1のみが高い印字率を示す。このため、例えば、印字率が10%を超える領域を大凡の画像部と判断する。なお、画像部1の抽出には、その他の方法を用いてもよいのはもちろんである。
【0058】
次いで、抽出された画像部1からハッチング重畳部を抽出すると共に、ハッチングの直線の方向(傾き角度)を検出する(ステップS104)。
【0059】
ハッチング重畳部の抽出には、画像部1の画像データから、n画素×n画素のブロックを抜き出し、フーリエ変換を施すことで行われ、同時に周波数及び角度の情報を検出できる。また、n画素×n画素のブロックを数画素重複させつつ、ずらして上記変換を行うことでハッチング重畳部の境界を抽出することができる。nは2のべき乗数であることが望ましく、この場合、高速フーリエ変換を利用でき、高速で演算することができる。なお、これに限るものでなく、n画素×m画素のブロックを抜き出してもよい。また、パターンマッチングやハフ変換による直線抽出等を用いてもよい。なお、フーリエ変換の代わりに他の変換、例えば、コサイン変換等の直交変換や、ウェーブレット変換を用いてもよい。
【0060】
図6は、ハッチング重畳部の抽出方法の一例を示す図である。図6は、フーリエ変換を行う場合を示している。
【0061】
図6(a)に示すように、画像1からn画素×n画素のブロック1aを抜き出す。このとき、抜き出したブロック1a内に、図6(b)に示すように、例えば小さいピッチのハッチングH(メインハッチング)と、大きいピッチのハッチングL(サブハッチング)が含まれている場合、ブロック1aをフーリエ変換すると図6(c)に示すような結果が得られる。
【0062】
図6(c)に示すチャートは、中心が空間周波数0を示し、外に向かってより高周波となっている。図6(b)に示すブロック1aをフーリエ変換すると、変換後のデータは図示のごとく、それぞれメインハッチングH及びサブハッチングLの直線と直交する方向に、周波数に対応した量だけ中心から離間した位置に集中する(図中のH、L参照)。これにより、ハッチング重畳部の抽出及び直線の方向(傾き角度)の検出ができる。
【0063】
このように、予め、メインハッチングHの周波数と、サブハッチングLの周波数の比率を設定(本例では2倍)し、その直線の傾き角度があらかじめ決められた範囲になっているよう設定(本例では、メインハッチングHの直線の傾き角度は+45度〜+135度、サブハッチングLの直線の傾き角度は−30度〜+30度、または、その対角位置)しておくことにより、色情報を目的としたテクスチャか、単なる元画像の模様なのかの判別がより容易になる。
【0064】
即ち、図1に示したように、画像部1内に、元画像から存在するハッチングに類似した模様を有する領域14、15、16と、ハッチング重畳領域11、12、13が併存していても、抽出された周波数が1種か、2種かの相違から、より判別し易くなる。
【0065】
更に、メインハッチングHとサブハッチングLを重畳させておくことで、ハッチングを重畳して作製された画像が扱われる過程で、アスペクト比が一定の拡大や縮小がなされても、周波数帯域は変化するが、2つの周波数の比率は変化せず、傾き角度情報があらかじめ決められた範囲となるので、色情報を目的としたテクスチャか、単なる元画像の模様なのかが、より判別し易くなる。
【0066】
同様にして、ブロック1aの隣のブロック1b(不図示)を抜き出し、フーリエ変換する動作を画像部1の全面にわたって繰り返すことで、画像部1内のハッチング重畳部の位置及び該ハッチングの直線の方向が検出できる。
【0067】
次いで、ステップS104で抽出したハッチング重畳部の各々に対し、ハッチングの強度変調成分を抽出し、強度変調成分を低減させる(ステップS105)。
【0068】
ハッチングの強度変調成分の抽出は、予め画像に埋め込まれているマークや透かしから情報を得る。この情報が埋め込まれていないときは、領域毎に周波数フィルタリング(例えばバンドリジェクト)で取り除く手法や、ハッチング領域を画素毎に分割して、強度変調成分が無くなるように逆に変調させる手法を用いることができる。
【0069】
図7は、周波数フィルタリングの手順概略を示すフローチャートである。
【0070】
周波数フィルタリングの手順としては、ステップS104で抽出したハッチング重畳部の領域について、2次元の周波数分析であるフーリエ変換を行う(ステップS151)。具体的には、抽出されたハッチング重畳部について、図6で説明したように順次ブロックを抽出して行う。これにより、図6(c)のL、Hで示すように、上述の周波数比及び角度内に、それぞれ原点を挟んで2点ずつの周波数成分が抽出される。
【0071】
次いで、ステップS151で抽出された角度と周波数(LとH)を指定して、強度変調成分値を低減する(ステップS152)。強度変調成分の低減には、まず抽出された角度と周波数成分の値から強度変調成分を決定する。この決定方法としては、他の成分値と同等まで低下させるか、周波数成分値が0となるようにすることで、強度変調成分を求め、このハッチングの強度変調成分を低減する。
【0072】
次いで、低減された周波数成分を逆フーリエ変換し、逆フーリエ変換して得られたデータ出力を、抽出したブロックの中心画素のデータに反映させる(ステップS153)。
【0073】
このような動作を、ブロックを1画素ずつずらして行い、ハッチングが重畳された領域の復元画像を作成する(ステップS154)。
【0074】
なお、ブロックを1画素ずつずらして行う例で説明したが、計算量の削減を目的として、ずらす量をやや大きくし隣り合うブロックの情報と重み平均して復元してもよいし、ブロックの大きさ毎にずらしてブロック単位で復元してもよい。
【0075】
また、この周波数フィルタリングを行うまえに、ステップS104で抽出されたハッチング重畳部のうち、周波数及びハッチングの直線の方向が同じである領域(同一ハッチング領域)を抽出し、該同一ハッチング領域について、図7に示す処理を行うようにしてもよい。同一ハッチング領域の抽出としては、例えばブロック同士でハッチング重畳部の画素毎の強度変調成分と濃度値との積が、所定値以上であれば、同一と見なす方法がある。このようにすることで、強度変調成分を低減する領域の境界がより確実になる。
【0076】
なお、ステップS151は、ステップS104で行ったハッチング重畳部の抽出時の結果を用いてもよい。
【0077】
また、ハッチング領域を画素毎に分割して、強度変調成分が無くなるように逆に変調させる手法は、ハッチング領域の位置情報、テクスチャ成分であるハッチング成分、周波数分析の手法を用いてピーク周波数とそれ以外の周波数から得られる成分値の差(テクスチャ強化値)のパラメータを用いて、画素毎の強度変調成分を推測し、画像の位置毎の強度から、対応する画素の強度変調成分を減算する手法もある。
【0078】
なお、本願で言う「強度変調成分の低減」とは、強度変調成分を完全に削除することをも含むものである。
【0079】
これにより図3(b)、(c)に示すようなハッチングが重畳された画像からハッチングが削除され、図3(a)に示すような、元の滑らかに連続的に変化するグラデーションを正確に復元した元の画像を得ることができる。
【0080】
図8は、強度変調成分の低減の効果を示す図である。図8(a)はハッチングが重畳される前のグラデーションを有する画像、図8(b)は図8(a)の画像にハッチングが重畳された画像、図8(c)は図8(b)のハッチングが重畳された画像からハッチングの強度変調成分を低減した後の画像を示している。
【0081】
同図に示すように、図8(b)に示すハッチングが重畳された画像から、上記の手法で「強度変調成分の低減」を行うことで、図8(c)に示すように、グラデーションを有する領域においても、正確にハッチングが重畳される前の画像に復元することができるようになる。
【0082】
図5に戻り、ステップS105で得られた強度変調成分の低減された画像と、非ハッチング重畳領域の画像とをあわせて合成する(ステップS106)。
【0083】
次いで、ステップS106で得られた画像を記憶部に記憶させる(ステップS107)。
【0084】
次いで、画像出力部40を用い、復元された画像を出力(ステップS108)して終了する。
【0085】
一方、ステップS102において、入力された画像データが変換対象のものでないと判断された場合(ステップS102;No)には、ステップS108へジャンプし、ステップS101で入力された画像を出力(ステップS108)して終了する。
【0086】
図9は、本実施の形態に係る画像変換システムの動作概略の変形例を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、重畳されたテクスチャであるハッチングを低減すると共に、元のカラー画像を復元する場合のフローチャートである。なお、図9に示すフローは、図5に示すフローと同じ部分については省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0087】
図9のステップS101〜ステップS103については、図5のステップS101〜ステップS103と同様である。
【0088】
次いで、抽出された画像部1の基準方向を検出する(ステップS204)。画像部1の基準方向とは、色情報がハッチングの傾き角度に変換され、塗りつぶし部に重畳される際に、該角度の基準として用いられた方向である。
【0089】
画像部1は、プリント時や上記の入力画像読み取り時に、画像全体が微少に回転して傾く可能性があり、ハッチングの傾き角度から色の情報を復元する際に誤差を生じることになる。本ステップは、この誤差を排除するために、画像部1の基準方向を求めるものである。
【0090】
入力された画像の基準方向の検出には、画像部の境界線から基準方向を求めてもよいし、文字部が有る場合には、文章の行、文字をOCR(Optical Character Reader)で判別し、行や文字の方向から基準方向を求めてもよい。また、入力された画像内にQRコード等の2次元コードや位置指定のための指標等が有る場合には、これを用いてもよい。
【0091】
画像部1の基準方向を検出し、読み込んだシートの縁線と比較することで、画像部1全体のシートに対する傾き角度を求めることができる。
【0092】
次いで、抽出された画像部1からハッチング重畳部を抽出すると共に、ハッチングの直線の方向(傾き角度)を検出する(ステップS205)。ハッチング重畳部の抽出については、図5におけるステップS104及び、図6で説明したものと同様である。
【0093】
次いで、検出されたハッチングの直線の方向と、ステップS204で求めた画像部1の基準方向とのなす角度を算出する(ステップS206)。これにより、色情報をハッチングの直線の傾き角度に変換した際の、当初のハッチングの正確な傾き角度を得ることができるようになる。
【0094】
図10は、傾いた画像部から、当初のハッチングの直線の傾き角度の求め方を説明する模式図である。
【0095】
図10(a)に示すように、色情報をハッチングの傾き角度に変換した際の画像、すなわち当初の画像が実線で示す領域であり、プリント時或いは入力画像読み取り時に画像全体が半時計回り方向に角度β(β<0)だけ回転し、入力画像データが破線で示す領域に回転した場合で説明する。この場合、図10(b)に示すように、単純にハッチング重畳部12のメインハッチングHの直線方向と入力画像の水平方向との角度を検出すると、角度αとなる。プリント時或いは入力画像読み取り時に画像が回転した場合には、この角度αは、色情報をメインハッチングHの直線の傾き角度に変換した際の角度と異なるものとなる。しかしながら、上述のステップS204で検出された画像部1の基準方向BLを検出して加味し、(α−β)とすることで、当初のメインハッチングHの直線の傾き角度を正確に算出することができるようになる。
【0096】
また、サブハッチングLの傾き角度についても同様に、入力画像の水平方向との角度をγとすると、(γ−β)と補正することで、当初のサブハッチングLの直線の傾き角度を正確に算出することができるようになる。
【0097】
なお、図1(b)及び図10(b)に示したハッチング重畳部11、12、13のように、検出されたメインハッチングH及びサブハッチングLの傾き角度の組み合わせが複数種ある場合には、同様にして、すべてについて当初のハッチングの直線の傾き角度を算出し、それぞれハッチング重畳部の位置と対応させて記憶させる。
【0098】
次いで、ステップS206で算出した、ハッチングの直線の方向と、ステップS204で求めた画像部1の基準方向とのなす角度から、ハッチング重畳部の色の情報を取得する(ステップS207)。
【0099】
この色の情報の取得は、当初の色情報をハッチングの直線の傾き角度に変換する際の規定に基づいて逆変換して求めればよい。以下に、その例を示す。
【0100】
図11は、ハッチングの直線の方向(傾き角度)から色情報を取得する逆変換の一例を示す図である。図11に示すu′v′色度図の破線A、A及び実線B、Bは、図2に示したものと同様であるため、説明は省略する。なお、色度図上での破線AとA、実線BとBの設定情報は、画像に埋め込まれたマークや透かしから得られているものとする。また、図11に示す、人が感じることのできる色の領域C内に示す三角形の領域Dは、画像出力部40(図4参照)で表現又は再現できる色空間の部分(色域)を示している。以降、領域Dを色域と称す。
【0101】
まず、ステップS206で得られたサブハッチングLの傾き角度及びメインハッチングHの傾き角度から、以下を求める。
【0102】
Sx={−(サブハッチングLの傾き角度−30)×S}/60
Mx={(メインハッチングHの傾き角度−45)×M}/90
次いで、図11に示すように、間隔S内の破線AからSxだけ離れ、破線Aに平行な直線と、間隔M内の破線BからMxだけ離れ、破線Bに平行な直線との交点Xの色度を求める。この点Xの色度が当初の元画像の色である。
【0103】
メインハッチングH及びサブハッチングLの傾き角度の組み合わせが複数種ある場合には、同様にして、各々の元画像の色度を求め、それぞれハッチング重畳部の位置と対応させて記憶させる。
【0104】
また、このような逆変換結果を、不図示のROM等に予めLUT(Look Up Table)として書き込んでおき、参照するような構成でもよい。
【0105】
次いで、ステップS205で抽出したハッチング重畳部の各々に対し、ハッチングの強度変調成分を抽出し、強度変調成分を低減させる(ステップS208)。ハッチングの強度変調成分の抽出と、強度変調成分の低減の手法については、上述の通りである。なお、本願で言う「強度変調成分の低減」とは、強度変調成分を完全に削除することをも含むものである。
【0106】
次いで、ステップS208で得られた強度変調成分の低減された画像と、非ハッチング重畳領域の画像とをあわせて合成する(ステップS209)。
【0107】
次いで、ハッチング重畳領域を、ステップS207で取得した色に各々置換する(ステップS210)。これにより、元のカラー画像の復元が完了する。
【0108】
次いで、復元されたカラー画像を記憶部32に記憶させる(ステップS211)。
【0109】
次いで、画像出力部40を用い、復元されたカラー画像を出力(ステップS212)して終了する。なお、画像出力部40からの出力としては、その他、ハッチング重畳部に色名を表示させるようにしてもよい。
【0110】
一方、ステップS102において、入力された画像データが変換対象のものでないと判断された場合(ステップS102;No)には、ステップS212へジャンプし、ステップS101で入力された画像を出力(ステップS212)して終了する。
【0111】
以上が、本実施の形態に係る画像変換システムの動作概略である。
【0112】
なお、本例においても、ステップS205で抽出されたハッチング重畳部のうち、周波数及びハッチングの直線の方向が同じである領域(同一ハッチング領域)を抽出し、該同一ハッチング領域について、図7に示す処理を行うようにしてもよい。
【0113】
このように、テクスチャであるハッチングの強度変調成分を抽出し、ハッチング重畳部の各々に対し、対応する強度変調成分を低減させることにより、色の情報を含ませたテクスチャを付加して作製された画像が、塗りつぶし領域において滑らかに連続的に変化するグラデーションを有する場合でも、正確に復元することができるようになる(図8参照)。更に、ハッチングが重畳された領域を、上記の取得した色に各々置換することで、グラデーションを正確に復元できると共に、正確なカラー画像の復元ができるようになる。
【0114】
なお、元の画像を復元した際には、マークや透かしとして画像に埋め込まれた情報は、除去しておくことが好ましい。
【0115】
また、ステップS212における復元されたカラー画像の出力時においては、上述の逆変換で得られ、記憶された色度が図12に示すように、接続された画像出力部の表現可能な色域Dの外の点Fの色度であった場合には、以下のようにして出力する色を決める。
【0116】
図12は、記憶された色度が、画像出力部の色域外の点の色度であった場合に、出力する色の決め方を説明する図である。
【0117】
例えば、点Fに最も近い色域Dの境界上の点Eを求め、点Eの色度で出力する。その他の例としては、点Fと色域D内のグレーの点Gとを直線で結び、この直線と色域Dの境界線との交点Hを求め、点Hの色度で出力する。すなわち、入力画像の表示されている色域と、画像出力部で表示の可能な色域に相違が有る場合には、異種メディア間での色再現で用いられる色域マッピングの手法が使用できるということである。
【0118】
本実施の形態の記憶部には、入力画像から得られる当初の色情報が記憶され、この当初の色を、接続された画像出力部が表現できない場合に、このような対応をするということである。
【0119】
図13は、画像変換前の画像部と画像変換後の画像部を示す模式図である。図13(a)は画像変換前の画像部(入力画像)を示し、図13(b)は画像変換後の画像部(出力画像)を示している。
【0120】
図13(a)に示すハッチング重畳部11、12、13は、図13(b)に示すように、ハッチングの強度変調成分が低減され、元の画像の色に復元される。
【0121】
なお、図13においては、特許出願図面の仕様によりモノクロで表現しているが、実際には、上記の説明により得られた色度で出力される。
【0122】
なお、図5、図9に示すフローチャートにおいては、入力画像の読み込み後に、変換対象画像か否か判断するよう構成したが、これに限るものでなく、先に画像部を抽出してハッチング重畳部の有無を検出し、ハッチング重畳部が有る場合には変換対象画像と判断し、ハッチング重畳部が無い場合には、変換対象画像では無いと判断するよう構成してもよい。この場合には、図5のステップS102の動作をステップS104とステップS105の間に挿入すればよい。同様に、図9のステップS102の動作をステップS205とステップS206の間に挿入すればよい。
【0123】
また、本実施の形態においては、明度のグラデーションを用いて説明したが、これに限るものでなく、色度が滑らかに変化する、すなわちハッチングが直線でなく湾曲した場合にも適用可能である。
【0124】
また、上記の画像変換を行う画像変換プログラムとしては、テクスチャ重畳領域抽出部、テクスチャ抽出部、テクスチャ角度取得部が、図5におけるステップS104及び図9におけるステップS205に相当する。また、色情報取得部が図9のステップS208に相当する。また、テクスチャ強度変調成分抽出部及び強度変調成分低減部が図5におけるステップS105及び図9におけるステップS208、すなわち図7のフローが相当する。
【0125】
なお、上記の実施の形態においては、ハッチングを重畳させる例で説明したが、これに限るものでなく、所定のテクスチャの傾き角度に変換し、重畳されたものであってもよいのはもちろんである。
【符号の説明】
【0126】
1 画像部
2 表部
3 文字部
10 シート
12 ハッチング重畳部
20 入力画像データ生成部
30 画像変換部
31 制御部
32 記憶部
33 操作部
40 画像出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
色情報がテクスチャに変換され、前記テクスチャが重畳された画像から、前記テクスチャを低減する画像変換方法であって、
前記テクスチャが重畳された領域と、該領域の前記テクスチャを検出する工程と、
前記テクスチャの強度変調成分を抽出する工程と、
前記テクスチャが重畳された領域の画像から、前記テクスチャの強度変調成分を低減する工程と、を有することを特徴とする画像変換方法。
【請求項2】
前記テクスチャがハッチングであって、前記色情報は前記ハッチングの傾き角度に変換されたものであり、
前記ハッチングの傾き角度を求める工程と、
前記ハッチングの傾き角度に基づいて元の画像の色情報を取得する工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像変換方法。
【請求項3】
前記ハッチングは、傾き角度の範囲が異なる2種類であり、該2種類のハッチングは所定の周波数比を有するものであることを特徴とする請求項2に記載の画像変換方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の画像変換方法を用いる画像変換部を備え、色情報がテクスチャに変換され、前記テクスチャが重畳された画像から、前記画像変換部を用いて前記テクスチャを低減することを特徴とする画像変換装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像変換装置と、該画像変換装置で変換された画像の出力を行う画像出力部を有することを特徴とする画像変換システム。
【請求項6】
色情報がテクスチャに変換され、前記テクスチャが重畳させられた画像から、前記テクスチャを低減する画像変換プログラムであって、
前記テクスチャが重畳させられた領域を抽出するテクスチャ重畳領域抽出部と、
前記テクスチャが重畳領域抽出部で抽出された領域の画像から、前記テクスチャを抽出するテクスチャ抽出部と、
前記テクスチャの強度変調成分を抽出するテクスチャ強度変調成分抽出部と、
前記テクスチャ重畳領域抽出部で抽出された領域の画像から、前記テクスチャ強度変調成分抽出部で抽出されたテクスチャの強度変調成分を低減する強度変調成分低減部、としてコンピュータを機能させることを特徴とする画像変換プログラム。
【請求項7】
前記テクスチャがハッチングであり、前記色情報は前記ハッチングの傾き角度に変換されたものであり、
前記ハッチングの傾き角度を求めるテクスチャ角度取得部と、
前記ハッチングの傾き角度に基づいて元の画像の色情報を取得する色情報取得部と、
を有することを特徴とする請求項6に記載の画像変換プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−109223(P2011−109223A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259722(P2009−259722)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】