説明

画像形成システム、グループウェアサーバ、画像形成方法、データベース管理プログラム及び記憶媒体

【課題】紙文書の電子化に係る作業を簡略化する画像形成システム、グループウェアサーバ、画像形成方法、データベース管理プログラム及び記憶媒体を提供することを目的としている。
【解決手段】スキャン機能を有する画像形成装置30をグループウェア端末として機能させることにより、この画像形成装置にスキャンされた紙文書の文書データを画像形成装置30から、直接グループウェアサーバ20内のデータベースに格納する。これにより、紙文書の電子化に係る処理を簡略化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグループウェアを使用した画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、各種業務において紙文書の電子化が進められている。例えば従来のグループウェアでは、紙文書を電子化して文書データとしてグループウェアサーバへ格納する場合、ユーザはまずスキャン機能を有する画像形成装置やスキャナーなどでこの紙文書をスキャンして電子化された文書データとする。そして、この文書データを一度ユーザの使用するコンピュータやファイルサーバなどに格納し、文書データのリネーム等の準備処理を行う。そして、準備処理を施された文書データを、グループウェアサーバの所定の領域に格納し直す処理が必要となる。また、グループウェアサーバに格納された文書データを検索キーワードで検索できるようにするために、文書データをグループウェアサーバに格納した後、改めて検索キーワードをグループウェアサーバに格納する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の方法では、電子化の作業に係る操作が煩雑であり、手間がかかるため、速やかに紙文書を電子化することが困難であった。
【0004】
本発明は、このような問題点を鑑みて、これらを解決すべくなされたものであり、紙文書の電子化に係る作業を簡略化する画像形成システム、グループウェアサーバ、画像形成方法、データベース管理プログラム及び記憶媒体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の画像形成システムとグループウェアサーバは次の如き構成を採用した。
【0006】
本発明の画像形成システムは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおいて、前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有し、前記画像形成装置は、紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手段と、前記スキャン手段によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手段と、前記設定手段により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手段とを有し、前記サーバは、前記送信手段により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納する構成とすることができる。
【0007】
係る構成によれば、紙文書の電子化に係る作業を簡略化する画像形成システムを提供することができる。
【0008】
本発明の画像形成システムは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおいて、前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された複数の文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有し、前記属性情報は、前記複数の文書データベースにそれぞれ対応した属性情報であって、前記画像形成装置は、紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手段と、前記属性データベースの一覧を表示し、前記表示した一覧の中から参照する属性情報を選択させる選択手段と、前記スキャン手段によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記選択された属性情報を参照して設定させる設定手段と、前記設定手段により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手段とを有し、前記サーバは、前記送信手段により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納する構成とすることができる。
【0009】
係る構成によれば、複数の前記文書データベースを有する場合でも、電子化された文書データをユーザ所望の前記文書データベースに格納する操作を簡略化できる。
【0010】
本発明の画像形成システムは、グループウェアのサーバにアクセスするブラウザ機能を有する画像形成装置と、前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおいて、前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有し、前記画像形成装置は、紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手段と、前記ブラウザ機能により属性データベースの一覧を表示し、前記スキャン手段によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手段と、前記設定手段により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手段とを有し、前記サーバは、前記送信手段により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納する構成とすることができる。
【0011】
係る構成によれば、画像形成装置がグループウェアの端末として機能しない場合でも、紙文書の電子化に係る作業を簡略化する画像形成システムを提供することができる。
【0012】
本発明では、さらに、前記所定の書式の属性情報は、少なくとも、前記グループウェアの環境情報と、前記文書データが格納される前記文書データベースの設定情報と、前記文書データに関する文書情報とが含まれる構成とすることができる。
【0013】
係る構成によれば、前記文書データを前記文書データベースに格納するにあたり適切な属性情報を前記文書データに付与することができる。
【0014】
本発明は、さらに、前記グループウェアのサーバは、前記グループウェアにログインするためのユーザ情報が格納されたユーザ情報データベースを有し、前記画像形成装置は、前記ユーザ情報が記憶された記憶媒体を読み込むための記憶媒体読込手段とを有し、前記サーバは、記憶媒体読込手段により読み込まれたユーザ情報と一致するユーザ情報が、前記ユーザ情報データベースに存在したとき、前記ユーザ情報を認証する構成とすることができる。
【0015】
係る構成によれば、前記画像形成装置に前記ユーザ情報を読み込ませることで、前記画像形成装置より簡単にグループウェアにログインできる。
【0016】
本発明のグループウェアサーバは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続された前記グループウェア用サーバであって、画像形成装置と通信を行う通信手段と、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースと、前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段とを有し、前記通信手段により、前記画像形成装置から前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報を前記画像形成装置へ送信し、前記通信手段により、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、前記書き込み手段は前記文書データを前記文書データベースへ書き込む構成とすることができる。
【0017】
係る構成によれば、電子化された前記書データを前記グループウェアサーバに格納する処理を簡略化できる。
【0018】
本発明のグループウェアサーバは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続された前記グループウェア用サーバであって、画像形成装置と通信を行う通信手段と、前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された複数の文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースと、前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段とを有し、前記属性情報は、前記複数の文書データベースにそれぞれ対応した属性情報であって、前記通信手段により、前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報の一覧を前記画像形成装置へ送信し、前記一覧から選択された前記属性情報を前記画像形成装置へ送信し、前記通信手段により、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、前記書き込み手段は前記文書データを前記文書データベースへ書き込む構成とすることができる。
【0019】
係る構成によれば、既存の文書データベース固有の設定情報などを変更せずとも、前記画像形成装置により電子化された文書データに前記文書データベース固有の属性情報を付与し、前記文書データベースに格納することができる。
【0020】
本発明では、さらに、前記所定の書式の属性情報は、少なくとも、前記グループウェアの環境情報と、前記文書データが格納される前記文書データベースの設定情報と、前記文書データに関する文書情報とが含まれる構成とすることができる。
【0021】
係る構成によれば、前記文書データを前記文書データベースに格納するにあたり適切な属性情報を前記文書データに付与することができる。
【0022】
本発明の画像形成方法は、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有する前記グループウェアのサーバにより構成される画像形成システムにおける画像形成方法であって、前記画像形成装置による紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手順と、前記スキャン手順によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手順と、前記設定手順により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手順とを有し、前記サーバは、前記送信手順により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納する方法とすることができる。
【0023】
係る方法によれば、紙文書の電子化に係る作業を簡略化することができる。
【0024】
本発明の画像形成方法は、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された複数の文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有する前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおける画像形成方法であって、前記属性情報は、前記複数の文書データベースにそれぞれ対応した属性情報であって、前記画像形成装置による紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手順と、前記属性データベースの一覧を表示し、前記表示した一覧の中から参照する属性情報を選択させる選択手順と、前記スキャン手順によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記選択された属性情報を参照して設定させる設定手順と、前記設定手順により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手順とを有し、前記サーバは、前記送信手順により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納する方法とすることができる。
【0025】
係る方法によれば、複数の前記文書データベースを有する場合でも、電子化された文書データをユーザ所望の前記文書データベースに格納する操作を簡略化できる。
【0026】
本発明の画像形成方法は、グループウェアのサーバにアクセスするブラウザ機能を有する画像形成装置と、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有する前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおける画像形成方法であって、前記画像形成装置による紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手順と、前記ブラウザ機能により属性データベースの一覧を表示し、前記スキャン手順によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手順と、前記設定手順により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手順とを有し、前記サーバは、前記送信手順により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納する方法とすることができる。
【0027】
係る方法によれば、画像形成装置がグループウェアの端末として機能しない場合でも、紙文書の電子化に係る作業を簡略化することができる。
【0028】
本発明のデータベース管理プログラムは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続され、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有するグループウェアサーバにおけるデータベース管理プログラムであって、コンピュータを、前記画像形成装置と通信を行う通信手段と、前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段として機能させ、通信手順が、前記画像形成装置から前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報を前記画像形成装置へ送信させ、前記通信手順が、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、書き込み手順により前記文書データを前記文書データベースへ書き込む処理を実行させるプログラムとすることができる。
【0029】
係るプログラムによれば、電子化された前記書データを前記グループウェアサーバに格納する処理を簡略化できる。
【0030】
本発明のデータベース管理プログラムは、グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続され、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有するグループウェアサーバにおけるデータベース管理プログラムであって、コンピュータを、前記画像形成装置と通信を行う通信手段と、前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段として機能させ、通信手順が、前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報の一覧を前記画像形成装置へ送信させ、前記一覧から選択された前記属性情報を前記画像形成装置へ送信させ、前記通信手段が、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、前記書き込み手段により前記文書データを前記文書データベースへ書き込む処理を実行させるプログラムとすることができる。
【0031】
係るプログラムによれば、既存の文書データベース固有の設定情報などを変更せずとも、前記画像形成装置により電子化された文書データに前記文書データベース固有の属性情報を付与し、前記文書データベースに格納することができる。
【0032】
また、本発明の記憶媒体は、上述したデータベース管理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、紙文書の電子化に係る作業を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、スキャン機能を有する画像形成装置をグループウェア端末として機能させることにより、この画像形成装置にスキャンされた紙文書の文書データを直接グループウェアサーバに格納する。これにより、紙文書の電子化に係る処理を簡略化する。
【実施例1】
【0035】
以下に図面を参照して本発明の実施例1について説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施例1の画像形成システム10のシステム構成図を示す例である。本発明の画像形成システム10は、グループウェアサーバ20、グループウェアのクライアントとして機能する画像形成装置30、ブラウザ機能によりグループウェアサーバにアクセスする画像形成装置30A、グループウェアのクライアント端末50が例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されて構成されている。
【0037】
グループウェアサーバ20は、例えばCPU等の演算処理装置とメモリ等の記憶装置を有するコンピュータ(以下、PC)に、サーバ用のグループウェアソフトをインストールしたものである。
【0038】
画像形成装置30は、クライアント用のグループウェアモジュールを有し、グループウェアのクライアント端末として機能する。画像形成装置40は、グループウェアサーバ20にアクセスするためのブラウザ機能を有する。クライアント端末50は、演算処理装置や記憶装置を有する一般のPCなどであり、クライアント用のグループウェアソフトがインストールされている。クライアント端末50は、画像形成装置30、30Aに対して印刷指示を行ったり、グループウェアサーバ20へアクセスし、グループウェアの有する各種機能を実現する。
【0039】
ここで、本実施例において、グループウェアサーバ20と画像形成装置30との間で行われる処理に特徴を有するため、以下にグループウェアサーバ20と画像形成装置30について説明する。尚、画像形成装置30Aについては実施例2で詳細に説明する。尚、以下に説明するグループウェアは、例えばLotus Notes/Domino(登録商標)等であることが好ましいが、これと同等の機能を有するグループウェアであれば良い。
【0040】
図2は、グループウェアサーバ20と画像形成装置30との間で行われる処理を説明する図である。グループウェアサーバ20は、Aデータベース201、Bデータベース202、Cデータベース203、属性データベース204を備えている。
【0041】
Aデータベース201には、文書データと、この文書データに対応して設定された属性情報が格納されている。この属性情報には、Aデータベース固有の書式に係る情報や文書データのファイル名、格納先アドレスなどが含まれる。文書データにこの属性情報が付与されると、この属性情報を有する文書データは、グループウェアサーバ20に格納可能な共有データとして識別されるようになる。本実施例で、このようにグループウェアサーバ20に格納されて共有される共有データをグループウェア文書データと呼ぶ。属性情報に含まれる情報の項目については後に詳細に説明する。Bデータベース202、Cデータベース203も、Aデータベース201と同様に、文書データと、この文書データに対応して設定された属性情報からなるグループウェア文書データが格納されている。
【0042】
属性データベース204は、Aデータベース201、Bデータベース202、Cデータベース203に格納された属性情報のみが予め画像形成システムの管理者により登録されて、格納されている。例えば、属性データベース204には、Aデータベース201の属性情報204A、Bデータベース202の属性情報204B、Cデータベース203の属性情報204Cが格納されている。
【0043】
画像形成装置30は、紙文書をスキャンするスキャン部301と、グループウェア端末としての機能を実現するグループウェアモジュール302、画像形成装置30の処理の操作を行うための操作パネル303を備えている。この操作パネル303は、例えばタッチパネルであったり、表示手段に表示されたソフトウェアキーボードなどであっても良い。
【0044】
画像形成装置30では、スキャン部302により紙文書がスキャンされて電子化された文書データとされ、この文書データに属性情報が付与されてグループウェア文書データとされる。
【0045】
例えば、スキャン部302によりスキャンされた文書データがAデータベース201へ格納される場合について説明する。画像形成装置30では、ユーザにより画像形成装置30をグループウェア端末として機能させる選択がなされると、グループウェアモジュール301が起動し、画像形成装置30においてグループウェアの端末としての機能を実現可能とする。すると、画像形成装置30はグループウェアクライアントとして、グループウェアサーバ20とデータを共有することが可能となる。
【0046】
スキャン部302によりスキャンされた文書データは、画像形成装置30内で所定の拡張子のファイルへ変換する加工処理が施される。本実施例では所定の拡張子をpdfとし、文書データはpdfファイルへ変換されるものとした。
【0047】
pdfファイルに変換された文書データ200Aには、画像形成装置30においてこの文書データが格納されるAデータベース固有の属性情報204Aが付与される。以下に属性情報の付与について説明する。
【0048】
画像形成装置30は、属性データベース204にアクセスし、属性データベース204に格納された各データベース毎の属性情報一覧を取得する。取得された属性情報一覧は、画像形成装置30において操作パネル303に表示される。ここで、ユーザによりAデータベース201の属性情報204Aが選択されると、画像形成装置30は、属性データベース204より属性情報204Aを取得する。属性情報204が取得されると、画像形成装置30は、設計情報を参照し操作パネル303に属性情報204A固有の書式に基づき情報の項目などが表示される。操作パネル303上で属性情報204Aの各項目が設定されると、この設定された属性情報204Aは文書データ200Aに付与されて、グループウェアサーバに格納されるグループウェア文書データ200となり、Aデータベース201に格納される。
【0049】
このように、本発明によれば、画像形成装置30とグループウェアサーバ20内のデータベースを連携させ、画像形成装置30で取得した文書データを画像形成装置30かグループウェアサーバ20内のデータベースへ直接格納することができる。また、グループウェアサーバ20内に複数のデータベースが存在する場合には、画像形成装置30と連携させるデータベースをユーザが任意に選択することができ、選択されたデータベースに文書データを直接格納することができる。
【0050】
また、データベース固有の属性情報を予め属性データベースに登録し、この属性データベース内の属性情報を操作パネル303に表示させることにより、ユーザに対してあたかもこの属性情報を有するデータベースに直接アクセスしているかのように操作させることができる。また、係る構成では、既存のデータベースの設計を変更せずとも、その属性情報を属性データベースに登録するだけで画像形成装置と連携させることができる。よって、ユーザの有する既存のデータベース資源をそのまま活用できる。
【0051】
次に本実施例の処理をより具体的に説明する。図3は実施例1におけるグループウェアサーバ20と画像形成装置30の機能ブロック図である。
【0052】
グループウェアサーバ20は、属性データベース210、マニュアル文書データベース220、図面データベース230、日報データベース240、制御部251、通信部252、書き込み部253、ユーザ情報データベース254を備えている。
【0053】
属性データベース210には、マニュアル文書データベース220固有の属性情報211、図面データベース230固有の属性情報212、日報データベース240固有の属性情報213が、それぞれ初期設定の状態でシステム管理者などにより予め登録されて格納されている。
【0054】
マニュアル文書データベース220は、例えば企業などで開発された製品のマニュアルを作成するための文書データが格納されるものであり、マニュアル文書データベース220には、例えばマニュアル文書データ211と、マニュアル文書データ211に対応して設定された属性情報212Aが格納されている。図面データベース220は、例えば企業などで開発された製品の設計図面などが格納されるものであり、図面データ221と、この図面データ221に対応して設定された属性情報212Aが格納されている。日報データベース230は、例えば企業内で日々作成される日報などが格納されるものであり、日報データ231と、この日報データ231に対応して設定された属性情報213Aが格納されている。
【0055】
ここで、属性情報について説明する。属性情報はこれからスキャンされる紙文書の文書データに付与するデータであり、この属性情報が付与されるとスキャンされた文書データがグループウェア文書となり、グループウェアサーバ20内のデータベースに格納可能な文書データとなる。
【0056】
属性情報に含まれる情報は、例えばグループウェアの環境情報と、データベースに格納される文書データに関する文書情報と、文書データが格納される文書データベースの設定情報などである。文書情報は、グループウェアサーバ20内に格納されている各データベースが有するデータベース固有の書式で設定される情報であり、画像形成装置30においてスキャンにより文書データが取得される度に、この文書データに対応した文書情報が設定される。
【0057】
例えばマニュアル文書データベース220の文書情報には、マニュアル文書の管理に必要となる項目が設けられている。その項目は、例えば文書データの名称が、文書データが属性情報を有する文書データファイルとして格納されるときのファイル名、例えば機密性を有する文書であるか否か等を示す文書データの種類、文書データの作成者名、文書データが作成された日時、文書データが配置されるページ情報、文書データを検索するための検索キーワード等である。マニュアル文書データベース220の文書情報は、このような各項目に所定の書式に基づいた情報が入力されて設定される。
【0058】
また、図面データベース230の文書情報であれば、例えば図番号、作成者名、例えばカラー図面かモノクロ図面かを示す図面の種類などの項目が考えられる。同様に日報データベースの文書情報の場合には、例えば作成者名、作成者の所属する部署名、作成日時等の項目が考えられる。
【0059】
また、設定情報は、上述の文書情報に設けられた各項目を設定する際の所定の書式に関する情報、画像形成装置30が各データベースにアクセスするために必要となる各データベースのアドレス情報、データベースの名称などである。画像形成装置30は、画像形成装置30と連携するデータベースに文書データを格納する際に、連携先となるデータベースの設定情報を参照してこの連携先データベースへアクセスし、文書データを格納する。
【0060】
また、ここで言う所定の書式に関する情報を具体的に説明すると、例えばマニュアル文書データベース210の場合では、文書データのファイル名の項目においては所定の書式を英字、文書データの作成日時の項目においては所定の書式を8桁の数字、文書データの作成者名の項目においては所定の書式を仮名とするといった情報である。画像形成装置30上で、ユーザが文書情報の設定する際には、この書式に係る情報に従って各項目の情報が入力される。
【0061】
尚、システム管理者が属性データベース210に属性情報211、212、213を登録する際に、システム管理者は属性データベース210において、画像形成装置30上に表示させてユーザに設定させる文書情報の項目を選択する。属性データベース210は、この選択された項目の書式に関する情報を各データベースの設計情報から自動的に取得することができる。ここで言う書式に関する情報とは、上で述べた所定の書式に関する情報の他に、例えば文書情報入力時の入力方法、各項目の初期設定値、選択肢、データ型などである。
【0062】
このように、属性データベース210への属性情報の登録時に、属性データベース210が自動的に各データベースの有する設計情報から属性情報に関連する、あるいは付随する情報を取得することにより、システム管理者による属性情報の登録作業が簡素化できる。
【0063】
制御部251は、グループウェアサーバ20で実行される処理の制御を司る。通信部252は、グループウェアサーバ20が画像形成装置30や他のグループウェア端末と通信するためのものである。書き込み部253は、画像形成装置30から送信された文書データを上記の各データベースへ書き込む処理を行うものである。ユーザ情報データベース254は、ユーザが画像形成システム10へログインするためのユーザ情報が格納されている。
【0064】
画像形成装置30は、グループウェアモジュール301、スキャン部302、操作パネル303の他に、通信部304、記憶媒体読込部305、制御部308を有する。通信部304は、画像形成装置30が、グループウェアサーバ20やその他のグループウェア端末と通信を行うためのものである。記憶媒体読込部305は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリなどを読み込むUSBドライブなどであり、例えばユーザ情報が記憶されたUSBメモリから、このユーザ情報を読み込むことができる。制御部308は、画像形成装置30で実行される処理の制御を司る。
【0065】
操作パネル303には、属性情報を設定するための入力画面を表示させる設定タブ306と、属性データベース204に格納された属性情報の一覧から参照する属性情報を選択するための選択画面を表示させる選択タブ307とを有する。操作パネル303については、後に画面遷移図を参照して詳細に説明する。
【0066】
次に、本実施例の処理について、図4に示すフローチャートと、図5乃至図11に示す操作パネルの画面遷移図を参照して説明する。図4は、実施例1における画像形成システム10での処理を説明するフローチャートである。
【0067】
画像形成装置30の有するグループウェア機能を使用する際に、ユーザはまず画像形成装置30の有する個人メニュー機能にログインし、さらにグループウェアにログインする必要がある。尚ここで言う個人メニュー機能とは、画像形成装置30に予めユーザIDとパスワードが登録されたユーザだけが使用できる機能の名称である。個人メニュー機能で実行可能な機能は、例えば画像形成装置30内にユーザ毎に蓄積された画像データや電子文書へのアクセス、閲覧、ユーザ個別のアドレス帳の使用、ユーザ個別のメール文書の閲覧などである。
【0068】
本実施例の画像形成装置30では、グループウェアにログインするためのユーザ情報を用いて、画像形成装置30の個人メニュー機能へのログインも同時に行える。以下に本実施例でのユーザ認証について説明する。
【0069】
記憶媒体読込部305に、予めグループウェアへログインするためのユーザIDとパスワードを含むユーザ情報が記憶されたUSBメモリ等の記憶媒体が差し込まれると、制御部308はこの記憶媒体を読み込みユーザIDとパスワードを取得する。ここで、この記憶媒体には、ユーザIDとパスワードのほか、グループウェアのライセンス、認証期限、暗号キーなどの情報が格納されていても良い。
【0070】
さらに、画像形成装置30では、操作パネル303にユーザがパスワードを入力可能な例えばソフトウェアキーボードなどを表示する。そして、ユーザにより、操作パネル303からパスワードが入力されると、制御部308は、記憶媒体より取得したパスワードと、ユーザにより入力されたパスワードが一致するか否かを判断する処理を行う。そして、記憶媒体より取得したパスワードと、ユーザにより入力されたパスワードが一致していた場合、制御部308はこのユーザを認証する(S410)。
【0071】
このユーザ認証処理において、制御部308は、例えば記憶媒体より取得したパスワードと、ユーザにより入力されたパスワードが一致しなかった場合には、ユーザを認証しないものとし、ユーザ認証処理に関するエラー情報を操作パネル303に表示しても良い。また、画像形成装置30は、記憶媒体よりユーザIDとパスワードを取得した後、この取得したユーザIDとパスワードを画像形成装置30内のメモリなどに格納し、次回のユーザ認証処理からは、メモリに格納されたユーザIDとパスワードを用いて認証処理を行っても良い。
【0072】
S410において、ユーザ認証されると、画像形成装置30では、グループウェアと個人メニュー機能に同時にログインしたものとし、操作パネル303に個人メニュー機能ログイン後の操作画面を表示する。図5は、個人メニュー機能ログイン後の操作パネルの図の例である。ここで、スキャン機能を意味する「紙文書」ボタンがユーザにより押下されると(S411)、画像形成装置30の制御部308は、操作パネル303にグループウェアモジュール301を起動させるためのグループウェア機能タブ311を表示させる。図6は、グループウェア機能タブが表示された操作パネルの図の例である。
【0073】
ここでグループウェア機能タブ311が選択されると、グループウェアモジュール301が起動し、画像形成装置30がグループウェア端末として機能するようになる。グループウェア端末の機能としては、文書データをデータベースに直接格納する機能の他に、グループウェアサーバ20内のデータべースの検索機能、データベースに格納された所定の文書データを指定された配布先へ送信するファイル送信機能、メール送受信機能等がある。ここでユーザにより図6に示す詳細設定ボタン312が押下されると、画像形成装置30は、これを属性情報取得要求とみなし、グループウェアサーバ20へこの信号を送信する。
【0074】
グループウェアサーバ20では、この属性情報取得要求を受けて、制御部251が属性データベース210に格納されている属性情報の一覧を画像形成装置30へ送信する。画像形成装置30は、この属性情報の一覧を取得し、この一覧を操作パネル303へ表示する。図7は属性情報の一覧が表示された図の例である。尚、ここでは画像形成装置30はグループウェア端末として機能しており、図7に示す操作パネル303にはグループウェア画面が表示されている。
【0075】
ここで、図3で説明したように、本実施例では属性データベース210には、マニュアル文書データベース220の属性情報211、図面データベース230の属性情報212、日報データベース240の属性情報213が格納されているため、操作パネル303には、属性情報211を選択するためのボタン313、属性情報212を選択するためのボタン314、属性情報213を選択するためのボタン315が表示されている。
【0076】
ユーザはこの一覧の中から、画像形成装置30と連携させたいデータベースの属性情報に該当するボタンを選択して押下することで、任意のデータベースと画像形成装置30を連携させることができる(S414)。
ここで連携させたいデータベースが選択されると、画像形成装置30は、このユーザが選択されたデータベースへアクセスするため権限を有するか否かを確認する処理を行う。すなわち、S410において認証されたユーザIDとパスワードを、通信部304を介してグループウェアサーバ20へ送信する。グループウェアサーバ20の制御部251は、このユーザIDとパスワードを受けて、これらと同一のユーザIDとパスワードがユーザ情報データベース254内に存在している否かを確認する処理を行う。
【0077】
そして、画像形成装置30から送信されたユーザIDとパスワードが、ユーザ情報データベース254内に1つだけ存在した場合に、制御部251は、このユーザがグループウェアサーバ20内のデータベースへアクセスする権限を有するものとし、データベースへのアクセスを許可する。
【0078】
尚、本実施例では、マニュアル文書データベース220を画像形成装置30と連携させるデータベースとした。よって、ここではユーザによりボタン313が押下される。
【0079】
S414で画像形成装置30の連携先のデータベースが選択されると、次に画像形成装置30は、これからスキャンされる紙文書を新規の文書データファイルとしてデータベースに格納する処理か、データベース内の既存の文書データベースファイルに追加する処理か、いずれの処理かをユーザに選択させる(S415)。図8は処理を選択させる画面が表示された図の例である。
【0080】
S415において、これからスキャンされる紙文書を新規の文書データファイルとしてデータベースへ格納する処理が選択された場合、画像形成装置30は、新規文書データをマニュアル文書データベース220格納するための処理を開始する。
【0081】
制御部308は、操作パネル303に、マニュアル文書データベース220の属性情報211に含まれる文書情報を設定するための入力画面を表示させる。このとき、文書情報は初期値が入力された状態で表示される。図9は、文書情報の入力画面が表示された図の例である。図9に示されるように、ここでスキャンにより取得された文書データ名、マニュアル文書データベース220に格納されるファイル名、文書データを検索するための検索キーワード等が操作パネル303より入力される。文書情報が設定されると、属性情報211は、文書データに対応して設定された属性情報211Aとして文書データに付与される。
【0082】
次に操作パネル303はアクション選択画面に遷移する。以下に、アクション機能について説明する。アクション機能とは、設定された属性情報を付与された文書データに対して、予め決められた所定の処理を実行させる機能のことである。アクション機能により実行される所定の処理は、ユーザが適宜設定することができる。また、この処理の実行命令を出すための操作部材を本実施例ではアクションボタンと呼ぶ。
【0083】
図10はアクション選択画面が表示された図の例である。操作パネル303には、アクションボタン320と、S417において設定された文書情報が表示されており、ユーザは、この文書情報を確認しながらアクションボタンを押下することにより、制御部308にこの文書データに対する処理を実行させることができる。
【0084】
本実施例では、文書データに対して、文書データを保存する保存処理を実行させるアクションボタン321と、文書データを送信する送信処理を実行させるアクションボタン322が表示されている。例えばここでユーザがアクションボタン321を選択すると(S418)、制御部308は、属性情報211Aを有する文書データを、マニュアル文書データベース220へ格納する処理を実行する。
【0085】
制御部308は、属性情報211Aを有する文書データを通信部304を介してグループウェアサーバ20へ送信する。グループウェアサーバ20では、通信部252を介してこの文書データを受信する。そして、書き込み部253は、属性情報211Aに含まれるマニュアル文書データベース220の設定情報に基づき、この文書データを属性情報211Aと共にマニュアル文書データベース220へ書き込む処理を実行する。これにより、文書データは、属性情報211Aと共にマニュアル文書データベース220へ格納され、保存される。
【0086】
尚ここで、図10に示すようにアクションボタン320を操作パネル303に表示させる場合には、このアクションボタン320内のテキスト表示はユーザの任意に設定することができる。例えば、アクションボタン321においては、アクションボタン320内のテキスト表示は「保存」となっているが、これを例えば「格納」、「登録」などとして表示させることもできる。
【0087】
また、S418において文書データの送信処理を実行するアクションボタン322が選択された場合には、制御部308は、属性情報211Aを有する文書データをS417において予め設定された配布先アドレスへ配信する処理を実行しても良い。ここで、例えば文書データの配布先が文書データの審査者である場合には、アクションボタン322のテキスト表示を「審査申請」等としても良い。また、例えば文書データの配布先が文書データの承認者であった場合には、アクションボタン322のテキスト表示を「承認」等としても良い。
【0088】
このように、スキャンにより取得される文書データに対する各設定が完了した後、ユーザにより画像形成装置30のスキャン部302に紙文書がセットされてスキャンされる(S419)。そして、文書データが取得されると、制御部308はS413からS418の処理で行われた設定に基づき処理を行う。すなわち制御部308は、設定された属性情報211Aを文書データに付与し、文書データをグループウェア文書データとする処理を実行する。そして、このグループウェア文書データを、画像形成装置30から直接マニュアル文書データべース220に格納する(S420)。
【0089】
このように、本発明によれば、画像形成装置30の操作パネル303上で、グループウェアのクライアント端末50と同等の処理を行うことができる。また、画像形成装置30のスキャン機能により取得した文書データを、直接グループウェアサーバ20内の連携先のデータベースにグループウェア文書データとして格納することができる。このため、紙文書の電子化に係る作業を大幅に簡略化することができる。
【0090】
さらに、属性データベース210に格納された、連携先のデータベースの有するデータベース固有の書式に関する情報を参照して文書情報を設定させるため、画像形成装置30上で文書情報を適切な書式で設定することができる。係る構成によれば、連携先となるデータベースが既存のデータベースであった場合でも、そのデータベースの設定情報を属性データベース210へ登録すれば、画像形成装置30においてスキャンされた文書データがこの設定情報に含まれる書式情報に従ったデータ形式に設定される。よって、データベースの設計などを変更することなく画像形成装置30から直接、データベース固有の書式に設定された文書データを格納することができ、既存のデータベース資源を本発明の画像形成システムにおいて簡単に活用することができる。
【0091】
また、属性情報に含まれる文書情報に、文書データを検索するための検索キーワードが設定されているため、この文書データがグループウェア文書データとしてグループウェアサーバ20内に格納された後も、この検索キーワードから文書データを検索して容易に引き出すことができる。
【0092】
次に、S415において、スキャンされた文書データを、データベースに格納された既存の文書データベースファイルに追加する処理が選択された場合について説明する。図8に示す画面で、「既存文書」ボタンが押下されると、画像形成装置30は、マニュアル文書データべース220内に格納されている既存の文書データファイルの一覧を取得する。
【0093】
制御部308は、通信部304を介して文書データファイル一覧の取得要求をグループウェアサーバ20に送信する。グループウェアサーバ20では、制御部251がこの要求を受けて、マニュアル文書データベース220に格納された文書データファイルの一覧318を取得する。そして、この一覧を通信部252を介して画像形成装置30へ送信する。
【0094】
制御部308は一覧318を取得すると、操作パネル303にこの文書データの一覧318を選択可能に表示する。図11は、文書データの一覧が表示された図の例である。この一覧318の中から、ユーザにより、スキャンされた文書データを追加する文書データファイルが選択される(S416)。本実施例では、例えば技術文書319なる文書データが選択された。
【0095】
ここで文書データファイルが選択されると、制御部308は、選択された文書データファイルの有する属性情報に含まれる、設定済みの文書情報の取得要求をグループウェアサーバ20へ送信する。すなわち、本実施例では、技術文書319の有する属性情報に含まれる、設定済みの文書情報に該当する。制御部251はこの取得要求を受けて、この文書情報を取得する。以下に文書情報取得の処理について説明する。
【0096】
制御部251は、この取得要求を受けると、属性データベース210にアクセスし、S414において選択された、画像形成装置30の連携先となるデータベースの属性情報を参照する。本実施例では制御部251は、マニュアル文書データベース220の属性情報211を参照する。次に、制御部251は、属性情報211に含まれるマニュアル文書データベース220の設定情報に基づきマニュアル文書データベース220にアクセスする。そして、制御部251は、選択された文書データファイルである技術文書319の属性情報の中から文書情報を取得する。制御部251はこの取得した文書情報を通信部252を介して画像形成装置30へ送信する。
【0097】
画像形成装置30において、この文書情報を取得すると、制御部308が操作パネル303に取得された文書情報を表示させる。このとき表示される文書情報は、技術文書319が、新規のグループウェア文書データとしてマニュアル文書データベース220に格納される際に設定された、設定済みの文書情報である。すなわち、技術文書319の文書情報は、図9に示す入力画面に過去に設定された情報が入力された状態で表示される。
【0098】
S417において、ユーザはこの入力画面に表示された文書情報を新たに入力しなおすことができる。S417以降の処理は、上で説明した新規の文書データの格納処理と同様なので説明を省略する。
【0099】
このように、本実施例では、グループウェアサーバ20内に格納された任意の既存の文書データファイルに、新たな文書データを追加することができる。
【実施例2】
【0100】
以下に本発明の実施例2について図面を参照して説明する。図12は実施例2におけるグループウェアサーバ20と画像形成装置30Aの機能ブロック図である。実施例2の画像形成装置30Aはグループウェアモジュールを備えておらず、グループウェアサーバ20にアクセスできるブラウザ機能部310を備えている点のみ実施例1と異なるものである。よって、図12において図3と同様の構成及び機能を有するものには同様の符号を付与し、説明を省略する。
【0101】
ブラウザ機能部310は、グループウェアサーバ20にアクセスするためのアプリケーションソフトであり、例えば画像形成装置30Aにインストールされている。そして、グループウェアサーバ20は、このブラウザ機能部310に対応した図示しないサーブレットを有する。サーブレットは、グループウェアサーバ20上で動作するJava(登録商標)プログラムであり、制御部251は画像形成装置30Aの有するブラウザ機能部310からの処理命令に基づきサーブレットを実行させる。
【0102】
これにより、画像形成装置30Aは、実施例1に示すようなグループウェアモジュールを有さずともグループウェアサーバ20にアクセスすることが可能となる。そして、このブラウザ機能部310の機能により、グループウェアサーバ20に格納されたデータを操作パネル303に表示させたり、スキャン部302から取得した文書データをグループウェアサーバ20内のデータベースへ格納することができる。
【0103】
また、実施例2では、図4のS410におけるユーザ認証処理が実施例1と異なる。以下に実施例2のユーザ認証処理を説明する。実施例2の画像形成装置30Aでは、画像形成装置30Aを使用可能とするためのユーザIDとパスワードが、ユーザにより操作パネル303から入力される。
【0104】
画像形成装置30Aは、このユーザIDとパスワードに基づきユーザを認証し、このユーザIDとパスワードをグループウェアサーバ20へ送信する。グループウェアサーバ20のユーザ情報データベース254には、グループウェアにログインするためのユーザ情報と紐付けされて画像形成装置30Aを使用可能とするためのユーザ情報が予め格納されている。制御部251は、画像形成装置30Aより受信したユーザIDとパスワードと、ユーザ情報データベース254とに基づきユーザ認証を行う。
【0105】
実施例2におけるユーザ認証後の処理は、実施例1で説明した図4のS411以降の処理と同様であるから説明を省略する。尚、S414の処理においては、本実施例では、ユーザ認証されたユーザには、グループウェアサーバ20A内のデータベースへのアクセス権限を有するものと判断される。
【0106】
また、以上に説明した実施例における各機能を実現する手順は、コンピュータに読み取り可能な画像形成プログラムとして記憶媒体に記録されていても良い。
【0107】
図13は実施例で説明した各機能を実現させるデータベース管理プログラムが記録された記憶媒体を説明する図である。記憶媒体410に記録されたプログラムが、コンピュータ500に読み込まれて実行されることにより、本実施例で説明した各機能を実現することができる。
【0108】
例えばコンピュータ500は、CPU510、ハードディスク520、メモリ530、表示部540、入力部550、通信部560、記憶媒体読み込み部570を備えている。CPU510は演算処理装置であって、コンピュータ500において実行される演算や処理を実行する。ハードディスク520は、データを格納する記憶手段であって、コンピュータ500上で動作するアプリケーションや、このアプリケーションにより作成されたデータなどが格納されている。メモリ530には、コンピュータ500に係る各種の設定値や、CPU510での演算結果などが格納される。
【0109】
表示部540はディスプレイなどであり、コンピュータ500において作成されたデータなどをユーザに閲覧可能に表示する。入力部550は例えばキーボードやマウスであって、ユーザの操作により各種データが入力される。通信部560は例えばネットワークコントロールユニットなどであり、コンピュータ500が外部の装置と通信を行うためのものである。記憶媒体読み込み部570は、各種記憶媒体に記録されたデータやプログラムなどを読み込むものであり、例えばフロッピー(登録商標)ディスクドライバなどである。
【0110】
記憶媒体410は、本実施例の各機能を実現させるデータベース管理プログラム400が記録されている。このデータベース管理プログラム400は、記憶媒体読み込み部570により読み込まれてCPU510において実行される。記憶媒体410は、例えばフロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等であっても良く、コンピュータ70において読み取り可能なに媒体であれば良い。また、データベース管理プログラム400はネットワークを介して通信部560により受信されて、ハードディスク520等に格納されても良い。
【0111】
以上、各実施例に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施例に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、グループウェアを用いた画像形成システム及びグループウェアサーバに応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の実施例1の画像形成システム10のシステム構成図を示す例である。
【図2】グループウェアサーバ20と画像形成装置30との間で行われる処理を説明する図である。
【図3】実施例1におけるグループウェアサーバ20と画像形成装置30の機能ブロック図である。
【図4】実施例1における画像形成システム10での処理を説明するフローチャートである。
【図5】個人メニュー機能ログイン後の操作パネルの図の例である。
【図6】グループウェア機能タブが表示された操作パネルの図の例である。
【図7】属性情報の一覧が表示された図の例である。
【図8】処理を選択させる画面が表示された図の例である。
【図9】文書情報の入力画面が表示された図の例である。
【図10】アクション選択画面が表示された図の例である。
【図11】文書データの一覧が表示された図の例である。
【図12】実施例2におけるグループウェアサーバ20と画像形成装置30Aの機能ブロック図である。
【図13】本実施例で説明した各機能を実現させるデータベース管理プログラムが記録された記憶媒体を説明する図である。
【符号の説明】
【0114】
10 画像形成システム
20 グループウェアサーバ
30、30A 画像形成装置
204、210 属性データベース
201、202、203 データベース
220 マニュアル文書データベース
230 図面データベース
240 日報データベース
251、308 制御部
252、304 通信部
301 グループウェアモジュール
302 スキャン部
303 操作パネル
310 ブラウザ機能部
400 データベース管理プログラム
410 記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおいて、
前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、
前記属性情報が格納された属性データベースとを有し、
前記画像形成装置は、紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手段と、
前記スキャン手段によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手段と、
前記設定手段により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手段とを有し、
前記サーバは、前記送信手段により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおいて、
前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された複数の文書データベースと、
前記属性情報が格納された属性データベースとを有し、
前記属性情報は、前記複数の文書データベースにそれぞれ対応した属性情報であって、
前記画像形成装置は、紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手段と、
前記属性データベースの一覧を表示し、前記表示した一覧の中から参照する属性情報を選択させる選択手段と、
前記スキャン手段によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記選択された属性情報を参照して設定させる設定手段と、
前記設定手段により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手段とを有し、
前記サーバは、前記送信手段により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納することを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
グループウェアのサーバにアクセスするブラウザ機能を有する画像形成装置と、前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおいて、
前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、
前記属性情報が格納された属性データベースとを有し、
前記画像形成装置は、紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手段と、
前記ブラウザ機能により属性データベースの一覧を表示し、前記スキャン手段によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手段と、
前記設定手段により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手段とを有し、
前記サーバは、前記送信手段により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納することを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
前記属性情報は、少なくとも、前記グループウェアの環境情報と、前記文書データが格納される前記文書データベースの設定情報と、前記文書データに関する文書情報とが含まれることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記グループウェアのサーバは、前記グループウェアにログインするためのユーザ情報が格納されたユーザ情報データベースを有し、
前記画像形成装置は、前記ユーザ情報が記憶された記憶媒体を読み込むための記憶媒体読込手段とを有し、
前記サーバは、記憶媒体読込手段により読み込まれたユーザ情報と一致するユーザ情報が、前記ユーザ情報データベースに存在したとき、前記ユーザ情報を認証することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成システム。
【請求項6】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続された前記グループウェア用サーバであって、
画像形成装置と通信を行う通信手段と、
文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、
前記属性情報が格納された属性データベースと、
前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段とを有し、
前記通信手段により、前記画像形成装置から前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報を前記画像形成装置へ送信し、
前記通信手段により、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、前記書き込み手段は前記文書データを前記文書データベースへ書き込むことを特徴とするグループウェアサーバ。
【請求項7】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続された前記グループウェア用サーバであって、
画像形成装置と通信を行う通信手段と、
前記サーバは、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された複数の文書データベースと、
前記属性情報が格納された属性データベースと、
前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段とを有し、
前記属性情報は、前記複数の文書データベースにそれぞれ対応した属性情報であって、
前記通信手段により、前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報の一覧を前記画像形成装置へ送信し、
前記一覧から選択された前記属性情報を前記画像形成装置へ送信し、
前記通信手段により、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、前記書き込み手段は前記文書データを前記文書データベースへ書き込むことを特徴とするグループウェアサーバ。
【請求項8】
前記所定の書式の属性情報は、少なくとも、前記グループウェアの環境情報と、前記文書データが格納される前記文書データベースの設定情報と、前記文書データに関する文書情報とが含まれることを特徴とする請求項6または7に記載のグループウェアサーバ。
【請求項9】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、
文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有する前記グループウェアのサーバにより構成される画像形成システムにおける画像形成方法であって、
前記画像形成装置による紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手順と、
前記スキャン手順によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手順と、
前記設定手順により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手順とを有し、
前記サーバは、前記送信手順により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納することを特徴とする画像形成方法。
【請求項10】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と、
文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された複数の文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有する前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおける画像形成方法であって、
前記属性情報は、前記複数の文書データベースにそれぞれ対応した属性情報であって、
前記画像形成装置による紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手順と、
前記属性データベースの一覧を表示し、前記表示した一覧の中から参照する属性情報を選択させる選択手順と、
前記スキャン手順によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記選択された属性情報を参照して設定させる設定手順と、
前記設定手順により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手順とを有し、
前記サーバは、前記送信手順により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納することを特徴とする画像形成方法。
【請求項11】
グループウェアのサーバにアクセスするブラウザ機能を有する画像形成装置と、文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有する前記グループウェアのサーバから成る画像形成システムにおける画像形成方法であって、
前記画像形成装置による紙文書をスキャンして文書データとするスキャン手順と、
前記ブラウザ機能により属性データベースの一覧を表示し、前記スキャン手順によりスキャンされた前記文書データの前記属性情報を、前記属性データベースの前記属性情報を参照して設定させる設定手順と、
前記設定手順により設定された前記属性情報を有する前記文書データを、前記サーバに送信する送信手順とを有し、
前記サーバは、前記送信手順により送信された前記属性情報を有する前記文書データを前記文書データベースに格納することを特徴とする画像形成方法。
【請求項12】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続され、
文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有するグループウェアサーバにおけるデータベース管理プログラムであって、
コンピュータを、前記画像形成装置と通信を行う通信手段と、
前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段として機能させ、
通信手順が、前記画像形成装置から前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報を前記画像形成装置へ送信させ、
前記通信手順が、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、書き込み手順により前記文書データを前記文書データベースへ書き込む処理を実行させることを特徴とするデータベース管理プログラム。
【請求項13】
グループウェアの端末として機能する画像形成装置と接続され、
文書データと、前記文書データに対応した属性情報が、前記文書データと共に格納された文書データベースと、前記属性情報が格納された属性データベースとを有するグループウェアサーバにおけるデータベース管理プログラムであって、
コンピュータを、前記画像形成装置と通信を行う通信手段と、
前記文書データと前記属性情報を前記文書データベースへ書き込む処理を行う書き込み手段として機能させ、
通信手順が、前記属性情報の取得要求を受信すると、前記属性情報の一覧を前記画像形成装置へ送信させ、
前記一覧から選択された前記属性情報を前記画像形成装置へ送信させ、
前記通信手段が、前記画像形成装置から前記属性情報を有する文書データの書き込み要求を受信すると、前記書き込み手段により前記文書データを前記文書データベースへ書き込む処理を実行させること特徴とするデータベース管理プログラム。
【請求項14】
請求項12または13に記載のデータベース管理プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−306405(P2007−306405A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134158(P2006−134158)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】