説明

画像形成システム、画像処理装置、画像形成サーバ、及びプログラム

【課題】画像形成サーバ側で生成する情報を表す画像を合成可能とすること。
【解決手段】画像形成サーバにて生成されるべき情報を含んだ画像の形成指示を受け入れ、画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示を、画像形成サーバに出力する。また画像形成サーバにて生成されるべき情報を形成する指示を、当該情報が形成されるべき位置に、代替となる画像要素を形成する指示に置き換え、受け入れた形成指示により形成されるべき画像に含まれる画像要素ごとに、当該画像要素の画像内での位置を表す位置情報と当該画像要素の形成指示とを生成し、画像要素ごとの位置情報及び形成指示を、画像形成サーバへ出力する画像処理装置を含む画像形成システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像処理装置、画像形成サーバ、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ページプリンタの入力キーにより印剤節約モードでの印字(印刷)が設定されると、制御部のCPUが、印字データと共にそのホストコンピュータの印刷アプリケーションで指定されている印字領域の枠外に、印剤節約モードに対応して予め定められている印字データを展開して印字を実行し、これにより、印字領域の枠外に、例えばトナー方式のプリンタであれば「これはトナーセーブモードで印字出力されました」との印字を付加する技術が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平10−268705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
画像形成サーバ側で生成する情報を表す画像を合成可能とすること。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、画像形成システムであって、画像処理装置と、画像形成サーバとを含み、前記画像処理装置は、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を含んだ画像の形成指示を受け入れる手段と、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示を、前記画像形成サーバに出力する手段と、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を形成する指示を、当該情報が形成されるべき位置に、代替となる画像要素を形成する指示に置き換える手段と、前記受け入れた形成指示により形成されるべき画像に含まれる画像要素ごとに、当該画像要素の画像内での位置を表す位置情報と当該画像要素の形成指示とを生成する手段と、前記画像要素ごとの位置情報及び形成指示を、前記画像形成サーバへ出力する手段と、を含み、前記画像形成サーバは、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示と、画像要素ごとの位置情報及び形成指示とを受け入れる手段と、前記画像要素の形成指示に従って、各画像要素に基づく部分画像情報を生成する手段と、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示に従って、当該情報を表す部分画像情報を生成する手段と、前記画像要素ごとの位置情報及び部分画像情報を参照し、各部分画像情報を、位置情報により表される位置に合成し、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を表す部分画像情報については、それに代替する画像要素の形成指示により形成された部分画像情報に置き換えて、画像情報を生成する手段と、前記画像情報を画像形成装置に出力する手段と、を含むこととしたものである。
【0005】
請求項2記載の発明は、画像処理装置であって、画像形成サーバにて生成されるべき情報を含んだ画像の形成指示を受け入れる手段と、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示を、前記画像形成サーバに出力する手段と、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を形成する指示を、当該情報が形成されるべき位置に、代替となる画像要素を形成する指示に置き換える手段と、前記受け入れた形成指示により形成されるべき画像に含まれる画像要素ごとに、当該画像要素の画像内での位置を表す位置情報と当該画像要素の形成指示とを生成する手段と、前記画像要素ごとの位置情報及び形成指示を、前記画像形成サーバへ出力する手段と、を含むこととしたものである。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の画像処理装置であって、前記代替となる画像要素を形成する指示には、代替となる画像要素が、他の画像要素に隠蔽されないよう、当該代替となる画像要素の合成順を制御する指示を含めることとしたものである。
【0007】
請求項4記載の発明は、画像形成サーバであって、情報の生成指示と、当該情報が形成されるべき位置を表す位置情報と、当該情報を表す画像に代替する画像要素の形成指示とを含む、画像要素ごとの位置情報及び形成指示とを受け入れる手段と、前記画像要素の形成指示に従って、各画像要素に基づく部分画像情報を生成する手段と、前記情報の生成指示に従って、当該情報を表す部分画像情報を生成する手段と、前記画像要素ごとの位置情報及び部分画像情報を参照し、各部分画像情報を、位置情報により表される位置に合成し、前記生成した情報を表す部分画像情報については、それに代替する画像要素の形成指示により形成された部分画像情報に置き換えて、画像情報を生成する手段と、前記画像情報を画像形成装置に出力する手段と、を有することとしたものである。
【0008】
請求項5記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを、画像形成サーバにて生成されるべき情報を含んだ画像の形成指示を受け入れる手段と、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示を、前記画像形成サーバに出力する手段と、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を形成する指示を、当該情報が形成されるべき位置に、代替となる画像要素を形成する指示に置き換える手段と、前記受け入れた形成指示により形成されるべき画像に含まれる画像要素ごとに、当該画像要素の画像内での位置を表す位置情報と当該画像要素の形成指示とを生成する手段と、前記画像要素ごとの位置情報及び形成指示を、前記画像形成サーバへ出力する手段と、として機能させることとしたものである。
【0009】
請求項6記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを、情報の生成指示と、当該情報が形成されるべき位置を表す位置情報と、当該情報を表す画像に代替する画像要素の形成指示とを含む、画像要素ごとの位置情報及び形成指示とを受け入れる手段と、前記画像要素の形成指示に従って、各画像要素に基づく部分画像情報を生成する手段と、前記情報の生成指示に従って、当該情報を表す部分画像情報を生成する手段と、前記画像要素ごとの位置情報及び部分画像情報を参照し、各部分画像情報を、位置情報により表される位置に合成し、前記生成した情報を表す部分画像情報については、それに代替する画像要素の形成指示により形成された部分画像情報に置き換えて、画像情報を生成する手段と、前記画像情報を画像形成装置に出力する手段と、として機能させることとしたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,2,4,5,6記載の発明によれば、画像形成サーバ側で生成する情報を表す画像が合成可能となる。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、画像形成サーバ側で生成する情報を表す画像が他の画像要素に隠蔽されないよう制御される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施の形態の画像形成システム1では、頁ごとに画像要素の少なくとも一つを異ならせた、複数頁の画像を形成する指示を処理の対象とする。この指示は、例えばPPML(Personalized Print Markup Language)等のいわゆるバリアブル言語で記述される。こうしたバリアブル言語の処理では、一般に画像に含まれる画像要素(パーツ)ごとに、RIP(Raster Image Process、以下、リップ処理と呼ぶ)を行い、このリップ処理により得られたラスタ画像(ビットマップデータ)を保持する。そして、印刷時に、各頁の画像を形成するために必要なラスタ画像を、保持しているラスタ画像の中から読み出して、それぞれ指定された位置に配し、画像の形成を行う。
【0013】
しかしながら、合成したい情報のうちに、リップ処理時まで取得不能な情報がある場合は、上述の処理では対応ができない。すなわちリップ処理を行う装置は、指示されたパーツのみのリップ処理を行い、また、そのリップ処理により得られたラスタ画像は、別途生成された位置情報により配置位置が定められるので、リップ処理時に新たにラスタ画像を生成しても、対応する位置情報がないので、合成が行われないためである。
【0014】
このような、リップ処理時まで取得不能な情報としては、例えば処理枚数の情報や、頁ごとに異なる情報をリップ処理時にデータベースなどから取得する場合は、当該データベースにおける情報の登録番号(レコード番号など)がある。
【0015】
本発明の実施の形態に係る画像形成システム1は、図1に例示するように、画像処理装置10と、画像形成サーバ20と、画像形成装置30とを含んで構成される。ここで画像処理装置10は、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、通信部15とを含んで構成される。また、画像形成サーバ20は、一般的なサーバ装置であり、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、インタフェース部24とを含んで構成される。
【0016】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。この制御部11は、差込印刷の指示など、バリアブル言語による指示(画像要素の配置は各頁で共通であるが、頁ごとに画像要素の少なくとも一つの内容を異ならせた、複数頁の画像を形成する指示)を例えば通信部15等を介して受け入れる。
【0017】
この指示には、当該指示により形成される各頁の画像に共通して含まれる画像要素(固定パーツと呼ぶ)の形成指示と、頁ごとに異なり得る画像要素(可変パーツと呼ぶ)の形成指示とが含まれる。また、本実施の形態では、この可変パーツのうちに、画像形成サーバ20にて生成されるべき情報(以下、サーバ生成情報と呼ぶ)を形成する指示が含まれる。
【0018】
制御部11は、このようなバリアブル言語による指示を解析する。具体的にこの制御部11は、バリアブル言語で記述された各画像要素の形成指示を先頭から順(記述の順)に読み込んで、画像要素ごとに固有のパーツ識別子(パーツID)を発行する。ここではパーツIDは、記述の順に「1」から順次インクリメントされる数値であるとする。
【0019】
また制御部11は、読み込んだ画像要素の形成指示が固定パーツまたは、頁ごとに異なる可変パーツのうち、サーバ生成情報に係る可変パーツ以外の可変パーツについては、それらの形成指示と、各パーツの配置位置を表す位置情報とを抽出して、パーツIDに関連づけて記憶部12に格納する。
【0020】
一方、制御部11は、読み込んだ画像要素の形成指示が、サーバ生成情報に係る可変パーツの形成指示であるときには、その配置位置を表す位置情報とを抽出し、当該形成指示をパーツIDに関連づけて、情報生成指示として記憶部12に格納するとともに、画像要素の形成指示と同じ構造の偽データ(画像要素の形成指示ではあるが最終出力に出力される予定のない画像要素の形成指示、以下、偽形成指示と呼ぶ)を生成して、この偽形成指示を、可変パーツの形成指示に代替させて、当該偽形成指示と上記抽出した位置情報とをパーツIDに関連づけて記憶部12に格納する。
【0021】
なお、読み込んだ画像要素の形成指示が、サーバ生成情報に係る可変パーツの形成指示である場合は、パーツIDを変更して、例えば、形成指示に含まれる画像要素の数よりも多い番号(すなわち、固定パーツや、サーバ生成情報以外の可変パーツに関するパーツIDよりも大きいパーツID)として、変更後のパーツIDに、情報生成指示や、偽形成指示と上記抽出した位置情報と等を関連づけて記憶部12に格納するようにしてもよい(この処理については後に述べる)。
【0022】
制御部11は、これら固定パーツに係る情報と、(偽形成指示を含む)可変パーツに係る情報とを、画像形成指示として画像形成サーバ20に送信出力する。また、それとともに制御部11は、サーバ生成情報の情報生成指示を画像形成サーバ20に送信出力する。
【0023】
記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムを保持している。このプログラムはDVD−ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory)等、コンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部12に格納されたものであってもよい。また、この記憶部12は、制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0024】
操作部13は、キーボードやマウスなどであり、利用者が行う指示操作を受け入れて、当該指示操作の内容を制御部11に出力する。表示部14は、ディスプレイなどであり、制御部11から入力される指示に従って、情報を表示出力する。通信部15は、例えばネットワークインタフェースであり、制御部11から入力される指示に従い、ネットワークなどの通信手段を介して、画像形成サーバ20に対して各種の情報を送出する。
【0025】
画像形成サーバ20の制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスであり、記憶部22に格納されたプログラムに従って動作する。この制御部21は、情報の生成指示と、当該情報が形成されるべき位置を表す位置情報と、当該情報を表す画像に代替する画像要素の形成指示(ここでは偽形成指示)とを含む、画像要素ごとの位置情報及び形成指示とを受け入れる。制御部21は、これら画像要素の形成指示に従って、各画像要素に基づく部分画像情報を生成する。また制御部21は、画像処理装置10から受け入れた情報生成指示に従って部分画像情報を生成する。そして制御部21は、画像要素ごとの位置情報及び部分画像情報を参照し、各部分画像情報を、位置情報により表される位置に合成する。この際、制御部21は、生成した情報を表す部分画像情報で、それに代替する画像要素の形成指示(偽形成指示)により形成された部分画像情報を置き換える。これにより制御部21は、形成するべき頁ごとの画像情報を生成する。そして制御部21は、インタフェース部24を介して、画像情報を画像形成装置30に出力する。
【0026】
このように偽形成指示により形成される画像要素は、画像形成サーバ20が生成した情報を表す画像により置き換えられるので、どのような画像であってもよい。例えば、偽形成指示は、空白を表す画像の形成指示であっても構わない。
【0027】
記憶部22は、制御部21によって実行されるプログラムを保持している。このプログラムはDVD−ROM(Digital Versatile Disc - Read Only Memory)等、コンピュータ可読な記録媒体に格納されて提供され、この記憶部22に格納されたものであってもよい。また、この記憶部22は、制御部21のワークメモリとしても動作する。
【0028】
通信部23は、例えばネットワークインタフェースであり、ネットワークなどの通信手段を介して、画像処理装置10から送信される情報を受信して、制御部21に出力する。インタフェース部24は、例えばシリアルインタフェースなどであり、画像形成装置30との間で通信可能に接続される。このインタフェース部24は、制御部21から入力される指示に従って、種々の情報を、画像形成装置30に送信出力する。
【0029】
画像形成装置30は、プリンタとしての機能を備えたデバイスであり、頁ごとに異なる画像情報を受け入れる。そして、当該画像情報を表す画像を、用紙などの媒体上に形成する。
【0030】
すなわち本実施の形態の画像形成システム1は、機能的には図2に例示するように、指示解析部41と、ラスタライザ42と、出力制御部43とを含んで構成されるものである。指示解析部41は、上述のシステムの例では、画像処理装置10の制御部11によって実現される。この指示解析部41では、画像形成の指示を受け入れる。この画像形成の指示はPPML(Personalized Print Markup Language)等のバリアブル言語が用いられて記述されているものとし、また当該指示には、ラスタライザ42にて生成される情報(サーバ生成情報)を形成するべき旨の指示が含まれているものとする。
【0031】
以下では、一例として図3に例示するように、レコード番号と、宛先名とを関連づけた情報を格納するデータベースDBが、ラスタライザ42からアクセス可能に接続されているものとする。そして、画像形成の指示として、図4(a)に示すように、各頁の同じ位置に配置されるべき図形情報A,B(これらは固定パーツとなる)と、各頁ごとに異なる宛先名を表す情報C(これは可変パーツとなる)とを形成する指示が含まれているものとする。ここに可変パーツの情報については、カウンタiの値を当初は「1」にリセットし、このカウンタiの表すi番目の宛先名をデータベースDBから取得して「1」だけインクリメントする指示が含まれているとする。
【0032】
さらにここでは、当該カウンタiの値を表す数字Dを、図4(a)に例示したように、画像右下部に形成するべき旨の指示(サーバ生成情報の形成指示)が含まれているものとする(当初は画像がないので、図4(a)では破線で合成されるべき位置を表している)。
【0033】
指示解析部41は、サーバ生成情報(上述のD)の形成指示を除く、固定パーツや可変パーツ(上述のAからC)の形成指示については、画像要素(パーツ)の出現順に、順序を表すパーツIDに関連づけて各画像要素の形成指示と、配置位置(各頁での配置範囲を表す座標情報等)とを抽出する。一方、サーバ生成情報については、その形成指示に基づいて、当該サーバ生成情報を表す画像要素の配置位置を抽出し、また、当該サーバ生成情報を表す画像要素に代替する画像要素の形成指示(例えば上述の偽形成指示)を生成し、パーツIDに関連づけて、当該偽形成指示と位置情報とを保持する。また、パーツIDに関連づけて、サーバ生成情報の形成指示を保持する。
【0034】
なお、このパーツ識別子は、後に画像の合成の際に、合成順序を表す情報として用いられるものとする。一例として、この指示解析部41は、偽形成指示により形成される画像(サーバ生成情報の代替となる画像要素)が、他の画像要素に隠蔽されないよう、当該代替となる画像要素の合成順を、このパーツIDにより制御してもよい。具体的にパーツIDの大きいものほど後に合成される場合(互いに重なりあう2のパーツがある場合、パーツIDがより大きいパーツが、より小さいパーツを隠蔽する場合)、代替となる画像要素に関係するパーツIDを、他のパーツのパーツIDよりも大きく設定してもよい。
【0035】
そして指示解析部41は、パーツIDと画像要素の形成指示とその位置情報とを関連づけた情報、並びに、サーバ生成情報の生成指示をラスタライザ42に送信出力する。
【0036】
ラスタライザ42は、上述の実施形態では、画像形成サーバ20の制御部21の処理として実装される。このラスタライザ42は、指示解析部41から受信した画像要素の形成指示に従って、画像要素をリップ処理し、各画像要素に対応するラスタ画像を生成し、パーツIDに関連づけてラスタ画像を(記憶部22等に)保持する。
【0037】
また、このラスタライザ42は、サーバ生成情報の生成指示に基づき、サーバ生成情報を生成して、当該サーバ生成情報を表すラスタ画像を生成する。一例として、このラスタライザ42は、上述のように可変パーツの情報について、カウンタiの値を当初は「1」にリセットし、このカウンタiの表すi番目の宛先名をデータベースDBから取得して「1」だけインクリメントする指示が含まれている場合、当該指示に従って、頁ごとにカウンタiを「1」ずつインクリメントしつつ、i番目の宛先名をデータベースDBから取得する。ラスタライザ42は、取得した宛先名を表すラスタ画像を、リップ処理により生成し、形成先となる頁を特定する情報(頁番号など)と、パーツIDとに関連づけて記憶部22等に保持する。また、このラスタライザ42は、サーバ生成情報を表すラスタ画像として、例えばi番目のレコードから情報を取り出したことを表す情報(「レコード番号:1」等)を生成し、当該情報を表すラスタ画像をリップ処理により生成し、形成先となる頁を特定する情報(頁番号など)と、パーツID(情報の生成指示に関連づけられたパーツID)とに関連づけて記憶部22等に保持する。
【0038】
出力制御部43は、頁を特定する情報を表すカウンタ(頁カウンタと呼ぶ)を「1」にリセットして処理を開始し、ラスタライザ42が生成した固定パーツのパーツIDと、ラスタ画像、及び位置情報を記憶部22から読み出す。また、頁カウンタの表す頁を特定する情報に関連づけられた可変パーツのパーツIDと、ラスタ画像、及び位置情報を記憶部22から読み出す。さらに、頁カウンタの表す頁を特定する情報に関連づけられたサーバ生成情報のラスタ画像と、パーツIDとを記憶部22から読み出す。
【0039】
出力制御部43は、読み出した情報のパーツIDを参照し、パーツIDの小さい順(ここではパーツIDの小さい順に合成が行われるものとする。すなわち、互いに重なり合う位置にあるパーツは、パーツIDの小さいパーツが、パーツIDの大きいパーツにより隠蔽されるようになる。しかしながら、これは一例であって、他の態様であっても構わない)に、パーツIDを選択し、選択したパーツIDに関連づけられたラスタ画像と位置情報とを取り出す。また、当該選択したパーツIDに関連づけられたサーバ生成情報のラスタ画像があるか否かを調べる。
【0040】
ここで、選択したパーツIDに関連づけられたサーバ生成情報のラスタ画像がなければ、選択したパーツIDに関連づけられたラスタ画像を、それとともに選択したパーツIDに関連づけられている位置情報が表す位置に配置する。そして、頁カウンタを「1」だけインクリメントし、頁カウンタに対応するパーツがなくなるまで(または別途定められた最大ページ数に対応する値を越えるまで)、上記処理を続ける。
【0041】
こうして、図4(a)で指定したサーバ生成情報(D)についても、画像の形成時には、画像形成サーバ20側で生成された情報に基づくラスタ画像が合成される(図4(b)の(D))。
【0042】
なお、選択したパーツIDに関連づけられたサーバ生成情報のラスタ画像がある場合は、読み出したラスタ画像(代替となる画像要素の画像)を、サーバ生成情報のラスタ画像に置き換えて、当該サーバ生成情報のラスタ画像を、選択したパーツIDに関連づけられている位置情報が表す位置に配置する。そしてこの場合も、頁カウンタを「1」だけインクリメントし、頁カウンタに対応するパーツがなくなるまで(または別途定められた最大ページ数に対応する値を越えるまで)、上記処理を続ける。
【0043】
このように本実施の形態のシステムによると、図5に例示するように、画像処理装置10が、受け入れた画像の形成指示に含まれる画像要素ごとに、サーバ生成情報に係る可変パーツであるか否かを判断し(S1)、サーバ生成情報に係る可変パーツであるときには、形成指示を代替の画像の形成指示に置き換え(S2)、位置情報とともにラスタライザ42に出力する(S3)。そして、ラスタライザ42(画像形成サーバ20)が、当該サーバ生成情報を生成し(S4)、当該生成した情報を表す画像をラスタライズした上で(S5)、先に代替させていた画像を、生成したラスタライズ後のラスタ画像で置き換えて合成する(S6)。そして、後に述べる処理S15に移行する。
【0044】
一方、処理S1において、読み出した画像要素がサーバ生成情報に係る可変パーツでない場合は、その形成指示と位置情報とを抽出して(S11)、ラスタライザ42に送信し(S12)、ラスタライザ42にて、対応するラスタ画像を生成し(S13)、当該ラスタ画像を蓄積して保持し、当該保持しているラスタ画像をそれぞれに対応する位置情報の表す位置に合成する(S14)。頁ごとに頁に含まれる画像要素のすべてを合成すると、出力制御部43が当該合成後の画像を画像形成装置30に出力する(S15)。頁に含まれる画像要素のすべての合成が終了していない場合は、処理S1に戻り、次の画像要素について処理を続ける。この処理を各頁の画像について行う。
【0045】
[変形例]
なお、本実施の形態のここまでの説明では、サーバ生成情報を表す画像の配置位置については、画像処理装置10が受け入れた画像形成指示に含まれている位置情報をそのまま利用することとしていたが、このサーバ生成情報を表す画像の配置位置を表す位置情報も、画像形成サーバ20にて生成することとしてもよい。
【0046】
この場合、画像処理装置10は、サーバ生成情報に係る可変パーツが形成指示内に見いだされると、当該可変パーツのパーツIDを発行し、偽形成指示とともに、位置情報と同じ構造を有し、実際の配置位置を表すものではない情報(擬位置情報)を生成して、パーツIDに関連づけて出力する。
【0047】
画像形成サーバ20では、サーバ生成情報を表すラスタ画像と、実際の配置位置を表す位置情報を生成する。そして、偽形成指示により形成されたラスタ画像を、サーバ生成情報を表すラスタ画像で置き換え、また、擬位置情報を、実際の配置位置を表す位置情報で置き換える。そして出力制御部43としての処理を行う際に、当該置き換えられたサーバ生成情報を表すラスタ画像を、生成した位置情報の表す位置に合成して、画像形成装置30へ出力する。
【0048】
[再利用パーツ]
また、本実施の形態の画像形成サーバ20は、バリアブル言語に対応した処理を行うため、固定パーツのラスタ画像や、可変パーツのラスタ画像のうち、少なくとも複数の頁に配置されるラスタ画像については、各頁の画像を画像形成装置30に出力するごとに削除せず、記憶部22に保持したままとして、他の頁の画像の生成時にそのまま利用する。
【0049】
この処理については広く知られた方法が採用できるため、ここでの詳しい説明を省略するが、例えば画像処理装置10側において、固定パーツと、少なくとも複数の頁に配置される可変パーツについて、それらのパーツIDに対して「再利用パーツ」であることを表す情報を関連づけて、画像形成サーバ20へ送信するようにすればよい。
【0050】
画像形成サーバ20では、「再利用パーツ」であることを表す情報に関連づけられたパーツIDを参照し、当該参照したパーツIDに関連づけられているラスタ画像を、少なくともすべての頁についての画像を画像形成装置30に出力するまでは、記憶部22に保持しておく。この例では、図5に示した処理S13にて、合成の対象となったパーツIDに関連づけられたラスタ画像が蓄積されていれば、新たにラスタ画像を生成せずに、当該蓄積されているラスタ画像を合成のために出力すればよい。
【0051】
なお、本実施の形態において、サーバ生成情報においても、必ずしもすべての部分が頁ごとに変化するわけではない。例えば、上述のように、「レコード番号:i」のような情報を生成させる場合、「レコード番号:」の部分については、各頁で共通の画像となる。そこで本実施の形態において、指示解析部41としての機能を実現する要素(以下では、例えば画像処理装置10とする)は、サーバ生成情報のうち、各頁で共通の部分となる情報部分を抽出し、当該情報部分を固定パーツ(または共通して表示される頁に含められるべき可変パーツ)として、当該抽出した情報部分を形成する形成指示と、位置情報とを生成することとしてもよい。
【0052】
この場合、指示解析部41としての機能を実現する画像処理装置10は、各頁で共通の部分とならない残りの情報部分については、サーバ生成情報として処理を行う。この場合は、指示解析部41としての機能を実現する画像処理装置10は、抽出された各頁で共通の部分となる情報部分と、残りの情報部分(サーバ生成情報となる部分)とについて、それぞれ互いに異なるパーツIDを発行して関連づけることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの構成例を表すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの例を表す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る画像形成システムが使用するデータベースの内容例を表す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像形成システムが受け入れる情報の表す画像の例を表す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る画像形成システムの動作例を表すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0054】
1 画像形成システム、10 画像処理装置、11,21 制御部、12,22 記憶部、13 操作部、14 表示部、15,23 通信部、20 画像形成サーバ、24 インタフェース部、30 画像形成装置、41 指示解析部、42 ラスタライザ、43 出力制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置と、画像形成サーバとを含み、
前記画像処理装置は、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を含んだ画像の形成指示を受け入れる手段と、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示を、前記画像形成サーバに出力する手段と、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を形成する指示を、当該情報が形成されるべき位置に、代替となる画像要素を形成する指示に置き換える手段と、
前記受け入れた形成指示により形成されるべき画像に含まれる画像要素ごとに、当該画像要素の画像内での位置を表す位置情報と当該画像要素の形成指示とを生成する手段と、
前記画像要素ごとの位置情報及び形成指示を、前記画像形成サーバへ出力する手段と、
を含み、
前記画像形成サーバは、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示と、画像要素ごとの位置情報及び形成指示とを受け入れる手段と、
前記画像要素の形成指示に従って、各画像要素に基づく部分画像情報を生成する手段と、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示に従って、当該情報を表す部分画像情報を生成する手段と、
前記画像要素ごとの位置情報及び部分画像情報を参照し、各部分画像情報を、位置情報により表される位置に合成し、前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を表す部分画像情報については、それに代替する画像要素の形成指示により形成された部分画像情報に置き換えて、画像情報を生成する手段と、
前記画像情報を画像形成装置に出力する手段と、
を含むことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
画像形成サーバにて生成されるべき情報を含んだ画像の形成指示を受け入れる手段と、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示を、前記画像形成サーバに出力する手段と、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を形成する指示を、当該情報が形成されるべき位置に、代替となる画像要素を形成する指示に置き換える手段と、
前記受け入れた形成指示により形成されるべき画像に含まれる画像要素ごとに、当該画像要素の画像内での位置を表す位置情報と当該画像要素の形成指示とを生成する手段と、
前記画像要素ごとの位置情報及び形成指示を、前記画像形成サーバへ出力する手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記代替となる画像要素を形成する指示には、代替となる画像要素が、他の画像要素に隠蔽されないよう、当該代替となる画像要素の合成順を制御する指示を含めることを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
情報の生成指示と、当該情報が形成されるべき位置を表す位置情報と、当該情報を表す画像に代替する画像要素の形成指示とを含む、画像要素ごとの位置情報及び形成指示とを受け入れる手段と、
前記画像要素の形成指示に従って、各画像要素に基づく部分画像情報を生成する手段と、
前記情報の生成指示に従って、当該情報を表す部分画像情報を生成する手段と、
前記画像要素ごとの位置情報及び部分画像情報を参照し、各部分画像情報を、位置情報により表される位置に合成し、前記生成した情報を表す部分画像情報については、それに代替する画像要素の形成指示により形成された部分画像情報に置き換えて、画像情報を生成する手段と、
前記画像情報を画像形成装置に出力する手段と、
を有することを特徴とする画像形成サーバ。
【請求項5】
コンピュータを、
画像形成サーバにて生成されるべき情報を含んだ画像の形成指示を受け入れる手段と、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報の生成指示を、前記画像形成サーバに出力する手段と、
前記画像形成サーバにて生成されるべき情報を形成する指示を、当該情報が形成されるべき位置に、代替となる画像要素を形成する指示に置き換える手段と、
前記受け入れた形成指示により形成されるべき画像に含まれる画像要素ごとに、当該画像要素の画像内での位置を表す位置情報と当該画像要素の形成指示とを生成する手段と、
前記画像要素ごとの位置情報及び形成指示を、前記画像形成サーバへ出力する手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
情報の生成指示と、当該情報が形成されるべき位置を表す位置情報と、当該情報を表す画像に代替する画像要素の形成指示とを含む、画像要素ごとの位置情報及び形成指示とを受け入れる手段と、
前記画像要素の形成指示に従って、各画像要素に基づく部分画像情報を生成する手段と、
前記情報の生成指示に従って、当該情報を表す部分画像情報を生成する手段と、
前記画像要素ごとの位置情報及び部分画像情報を参照し、各部分画像情報を、位置情報により表される位置に合成し、前記生成した情報を表す部分画像情報については、それに代替する画像要素の形成指示により形成された部分画像情報に置き換えて、画像情報を生成する手段と、
前記画像情報を画像形成装置に出力する手段と、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−191488(P2010−191488A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32038(P2009−32038)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】