説明

画像形成システム、画像形成装置および課金計算方法

【課題】ジョブの実行中にそのジョブが所定の条件を満たした場合、その時点で課金計算を変更できるようにする。
【解決手段】画像形成装置1は、ジョブの実行を制御するジョブ実行制御部36と、ジョブの実行に伴って課金計算を行うための課金マップを記憶する記憶部22と、ジョブ実行制御部36によるジョブの実行に伴い記憶部22に記憶されている課金マップを参照して課金計算を行う課金計算部37と、ジョブ実行制御部36によるジョブの実行状況が所定の条件を満たしたとき、課金計算部37が参照する課金マップを変更する課金マップ切替部37aとを備える構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成装置および課金計算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる画像形成装置は、ジョブの実行に伴って課金を行うための課金情報を保持している。そしてユーザが画像形成装置にログインしてジョブの実行を指示すると、画像形成装置は、ジョブの実行に伴って課金情報に基づく課金計算を行い、ログインユーザに対して課金する。
【0003】
またこの種の画像形成装置において、例えば特別の権限を持つユーザが印刷を行う場合は他のユーザよりもディスカウントした課金を行いたいといった要求に対応するため、ICカードで認証されたユーザに対応する課金情報を取得し、ユーザが特定機能を利用すると、それに応じた課金率を設定するものが知られている(例えば、特許文献1)。この技術によれば、ユーザの利用可能な特定機能ごとに課金率を設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−238717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ジョブの実行に伴って課金計算を行う画像形成装置において、例えばジョブの実行中に印刷枚数が一定枚数以上になると、それ以後の印刷はディスカウントして課金計算を行いたいという要求がある。
【0006】
しかしながら、従来の画像形成装置は、ユーザがログインした時点で課金情報を取得し、その取得した課金情報はユーザがログアウトするまで変更することができない。そのため、ジョブの実行中はユーザログイン時に取得した課金情報に基づいて課金計算を行うこととなり、ジョブによる印刷枚数が一定枚数を超えた場合でもディスカウント計算を行うことはできない。
【0007】
またディスカウントに限らず、ジョブの実行状況が所定の条件に達すると、その時点で課金計算の基礎となる単価情報を変更したいこともあるが、従来の画像形成装置はジョブの実行中に課金情報を変更することができないため、そのような要求に対応した課金計算を行うことはできなかった。
【0008】
そこで本発明は、上記課題を解決することを目的としてなされたものであり、ジョブの実行中にそのジョブが所定の条件を満たした場合、その時点で課金計算を変更できるようにして上述した要求にも対応可能とした画像形成システム、画像形成装置および課金計算方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、画像形成装置と管理サーバとがネットワークを介して相互にデータ通信可能に構成された画像形成システムであって、前記管理サーバは、前記画像形成装置におけるジョブの実行に伴って課金計算を行う際に参照される課金マップ情報を記憶する記憶部と、前記課金マップ情報に含まれる複数の課金マップのうちから前記画像形成装置に送信するための課金マップを読み出して前記画像形成装置に送信する課金マップ送信部とを備え、前記画像形成装置は、前記管理サーバから送信される課金マップを取得する課金マップ取得部と、ジョブの実行を制御するジョブ実行制御部と、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行に伴い、前記課金マップ取得部が取得した課金マップを参照して課金計算を行う課金計算部と、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が所定の条件を満たした場合、前記課金計算部が参照する課金マップを変更する課金マップ切替部とを備えることを特徴としている。
【0010】
また請求項2にかかる発明は、請求項1記載の画像形成システムにおいて、前記所定の条件に関する情報は、前記課金マップ取得部が前記管理サーバから取得する課金マップに含まれていることを特徴としている。
【0011】
また請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の画像形成システムにおいて、前記課金マップ送信部は、前記画像形成装置におけるジョブ実行初期段階で課金計算を行う際に参照するための基本課金マップと、前記画像形成装置におけるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたときに前記基本課金マップから変更するための変更用課金マップとを前記画像形成装置に送信し、前記課金マップ切替部は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたとき、前記課金計算部が参照する課金マップを、前記基本課金マップから前記変更用課金マップに変更することを特徴としている。
【0012】
また請求項4にかかる発明は、請求項3記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、前記ジョブ実行制御部によって実行されるジョブの内容を解析し、そのジョブが前記所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部において前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記管理サーバに前記変更用課金マップの送信を要求して前記変更用課金マップを取得する課金マップ再取得部とをさらに備え、前記課金マップ切替部は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たした場合、前記課金計算部が参照する課金マップを、前記課金マップ再取得部が取得した前記変更用課金マップに変更することを特徴としている。
【0013】
また請求項5にかかる発明は、請求項3又は4に記載の画像形成システムにおいて、前記課金マップ送信部が送信する前記変更用課金マップは、前記基本課金マップの一部を書き換えるための情報であることを特徴としている。
【0014】
また請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、前記画像形成装置は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行に伴い、前記管理サーバに対してジョブの実行状況を通知するジョブ実行状況通知部をさらに備えると共に、前記管理サーバは、前記画像形成装置から通知されるジョブの実行状況に基づいてそのジョブの実行中に前記課金計算部が参照する課金マップを変更するか否かを判定する課金マップ切替判定部をさらに備えており、前記課金マップ送信部は、前記画像形成装置におけるジョブ実行初期段階で課金計算を行う際に参照するための基本課金マップを送信した後、前記課金マップ切替判定部が課金マップを変更する判定を行った場合、前記基本課金マップから切り替えるための変更用課金マップを前記画像形成装置に送信することを特徴としている。
【0015】
また請求項7にかかる発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成システムにおいて、前記所定の条件は、ジョブの実行による印刷枚数、ステープル数およびトナー消費量のうちの少なくとも一つについて定められることを特徴としている。
【0016】
また請求項8にかかる発明は、第1の画像形成装置と、第2の画像形成装置と、管理サーバとがネットワークを介して相互にデータ通信可能に構成された画像形成システムであって、前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれは、前記管理サーバから前記ネットワークを介して課金マップを取得する課金マップ取得部と、前記課金マップに基づいてジョブの実行に伴う課金計算を行う課金計算部と、ジョブの実行状況を前記管理サーバに通知するジョブ実行状況通知部とを備え、前記管理サーバは、前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれに対してジョブ実行初期段階で課金計算を行うための基本課金マップを送信する課金マップ送信部と、前記基本課金マップの送信後、前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれから受信するジョブの実行状況の通知に基づいて前記第1および第2の画像形成装置で実行される複数のジョブが所定の条件を満たすか否かを判定する課金マップ切替判定部とを備え、前記課金マップ送信部は、前記課金マップ切替判定部による判定結果に基づいて前記基本課金マップから切り替えるための変更用課金マップを前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれに対して送信することを特徴としている。
【0017】
また請求項9にかかる発明は、画像形成装置であって、ジョブの実行を制御するジョブ実行制御部と、ジョブの実行に伴って課金計算を行うための課金マップを記憶する記憶部と、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行に伴い前記記憶部に記憶されている課金マップを参照して課金計算を行う課金計算部と、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が所定の条件を満たしたとき、前記課金計算部が参照する課金マップを変更する課金マップ切替部とを備えることを特徴としている。
【0018】
また請求項10にかかる発明は、請求項9記載の画像形成装置において、前記記憶部は、ジョブ実行の初期段階で課金計算を行う際に参照するための基本課金マップと、ジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたときに、前記基本課金マップから切り替えるための変更用課金マップとを記憶しており、前記課金マップ切替部は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたとき、前記課金計算部が参照する課金マップを、前記基本課金マップから前記変更用課金マップに変更することを特徴としている。
【0019】
また請求項11にかかる発明は、請求項9又は10に記載の画像形成装置において、ネットワークを介して管理サーバとデータ通信を行うネットワークインタフェースと、前記ネットワークインタフェースを介して前記管理サーバから取得する前記基本課金マップを前記記憶部に格納する課金マップ取得部と、前記ジョブ実行制御部によって実行されるジョブの内容を解析し、そのジョブが前記所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、前記判定部において前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記ネットワークインタフェースを介して前記管理サーバに前記変更用課金マップの送信を要求し、前記管理サーバから前記変更用課金マップを取得して前記記憶部に格納する課金マップ再取得部とをさらに備えることを特徴としている。
【0020】
また請求項12にかかる発明は、画像形成装置におけるジョブの実行に伴って行う課金計算方法であって、ジョブ実行初期段階での課金計算を行うための基本課金マップと、ジョブの実行状況が所定の条件を満たした段階での課金計算を行うための変更用課金マップとをジョブの実行に先立って取得するステップと、ジョブの実行を開始するステップと、開始されたジョブの実行に伴って前記基本課金マップに基づいて課金計算を行うステップと、ジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたとき、前記課金計算において参照する課金マップを前記基本課金マップから前記変更用課金マップに変更するステップと、ジョブの実行状況が前記所定の条件を満たした後、ジョブの実行に伴って前記変更用課金マップに基づいて課金計算を行うステップとを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像形成装置におけるジョブの実行中にそのジョブが所定の条件を満たした場合、その時点で、課金計算で参照する課金マップを変更することができる。そのため、ジョブの実行中に課金計算を変更することが可能となり、例えばジョブの実行途中からディスカウントした課金計算に切り替えるなど、多種多様な課金計算を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態における画像形成システムの一構成例を示す図である。
【図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】画像形成装置における制御コンピュータよって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】管理サーバのCPUによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施の形態における基本課金マップの一例を示す図である。
【図7】第1の実施の形態における第1変更用課金マップの一例を示す図である。
【図8】第1の実施の形態における画像形成装置と管理サーバによる処理の概要を示す図である。
【図9】第1の実施の形態における画像形成装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態において管理サーバの記憶部に記憶される課金マップ情報の一例を示す図である。
【図11】第2の実施の形態における基本課金マップの一例を示す図である。
【図12】第2の実施の形態における第1変更用課金マップの第1条件課金マップの一例を示す図である。
【図13】第2の実施の形態における第1変更用課金マップの第2条件課金マップの一例を示す図である。
【図14】第2の実施の形態の画像形成装置において課金計算で参照する課金マップを変更する場合の課金マップの書き換え概念を示す図である。
【図15】第2の実施の形態における画像形成装置と管理サーバとの処理概要を示す図である。
【図16】第2の実施の形態の画像形成装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態の画像形成装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態の画像形成装置において制御コンピュータによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図19】第3の実施の形態の管理サーバにおいてCPUにより実現される機能構成の一例を示すブロック図である。
【図20】第3の実施の形態における基本課金マップの一例を示す図である。
【図21】第3の実施の形態における第1変更用課金マップの一例を示す図である。
【図22】第3の実施の形態における画像形成装置と管理サーバとの処理概要を示す図である。
【図23】第3の実施の形態の画像形成装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図24】第3の実施の形態の画像形成装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図25】第3の実施の形態の管理サーバで行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図26】第3の実施の形態において複数の画像形成装置が接続されている場合の課金態様の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0024】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態の画像形成システム100の一構成例を示す図である。この画像形成システム100は、画像形成装置1と、管理サーバ11と、クライアントコンピュータ12,13,…とを備え、これらがLANなどのネットワーク10を介して相互にデータ通信可能に接続された構成である。
【0025】
本実施形態において画像形成装置1は一般に複合機やMFPなどと呼ばれる装置であり、例えばコピー、スキャン、プリント、ファクシミリなどの各種機能を備えている。画像形成装置1は、装置本体の上部にスキャナ部2を有し、下部にプリンタ部3を有している。またスキャナ部2の正面側には、ユーザが画像形成装置1を使用する際に操作入力を行うための操作パネル4が設けられている。
【0026】
スキャナ部2は、原稿の画像を光学的に読み取る画像読取部2aと、複数枚の原稿をセット可能であり、そのセットされた原稿を1枚ずつ画像読取部2aに自動搬送する自動原稿搬送装置(ADF)2bとを備えている。スキャナ部2は、画像読取部2aとADF2bとを互いに同期させて動作させることにより、ADF2bによって搬送される1枚ずつの原稿を画像読取部2aが適切に読み取ることができ、コピージョブやスキャンジョブ、FAX送信ジョブなどを実行する際、1枚ずつの原稿を読み取って画像データを生成することができる。
【0027】
プリンタ部3は、出力用紙などの印刷媒体に対してトナー像を転写することにより画像形成を行う画像形成部3aと、画像形成部3aに対して出力用紙を1枚ずつ供給する給紙部3bとを備えている。プリンタ部3は、給紙部3bと画像形成部3aとを互いに同期させて動作させることにより、コピージョブや印刷ジョブなどを実行する際の印刷出力を行うことができる。尚、図1では図示を省略しているが、プリンタ部3の後段側には、複数枚の出力用紙を束ねるオートステープラーなどの仕上げ処理部が設けられている。
【0028】
操作パネル4は、ユーザに対して各種情報を表示するための表示部5と、ユーザが画像形成装置1に対して入力操作を行うための操作部6とを備えている。表示部5は、例えばカラー画像を表示可能な液晶表示ディスプレイなどで構成され、例えばユーザ認証を行うためのユーザIDやパスワードなどを入力するための操作案内画面や、ユーザ認証で認証されたユーザがログイン状態となった後に機能の選択や設定操作、ジョブの実行指示などを受け付けるためのログイン画面などが表示される。操作部6は、表示部5の表面に設けられたタッチパネルキーと、表示部5の周囲に配置された複数の押しボタンキーとを含む複数の操作キーを備えている。
【0029】
管理サーバ11は、ネットワーク10を介して画像形成装置1を管理するサーバである。本実施形態の管理サーバ11は、画像形成装置1を使用するユーザのユーザ認証を行う機能と、画像形成装置1がジョブの実行に伴って課金計算を行う際に参照する課金マップ情報を記憶管理し、必要に応じて画像形成装置1に送信する機能とを有している。
【0030】
クライアントコンピュータ12,13,…は、例えば一人ひとりのユーザに対して個別に割り当てられたコンピュータである。クライアントコンピュータ12,13,…のそれぞれは、例えばネットワーク10を介して画像形成装置1にプリントデータを送信することができる。このとき、送信するプリントデータには、例えばユーザを特定するためのユーザ情報が含まれている。そして画像形成装置1は、プリントデータを受信すると、ユーザ情報に基づいてユーザ認証を行い、プリントデータを送信したユーザが印刷出力を行う権限を有していれば、その受信したプリントデータに基づいて印刷出力を行う。
【0031】
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置1は、上述したスキャナ部2、プリンタ部3および操作パネル4に加え、さらに、制御コンピュータ20と、ネットワークインタフェース23と、ファクシミリ部24と、仕上げ処理部25と、記憶部26とを備えており、これら各部がデータバス19を介して相互にデータの入出力を行うことができるように接続された構成である。
【0032】
制御コンピュータ20は、記憶部26に記憶されているプログラム27を読み出して実行するCPU21と、CPU21がプログラムに基づく処理を実行する際に各種データを一時的に記憶するメモリ22とを備えている。そして制御コンピュータ20は、各種データ処理を行うと共に、他のハードウェアの動作を制御する。例えば操作パネル4の表示部5に表示するための画面を生成し、表示部5に出力すると共に、操作部6に対してユーザによる操作が行われた場合、それを検知してユーザ操作に基づく処理を実行する。また、制御コンピュータ20はその他にも各種処理部として機能するが、これについては後述する。
【0033】
ネットワークインタフェース23は、ネットワーク10に接続するためのインタフェースである。例えば、画像形成装置1においてユーザ認証を行う際、制御コンピュータ20がネットワークインタフェース23を介して管理サーバ11とデータ通信を行う。また制御コンピュータ20は、管理サーバ11が送信する課金マップを、このネットワークインタフェース23を介して受信する。
【0034】
ファクシミリ部24はファクシミリデータの送受信を行う処理部である。このファクシミリ部24には、電話回線などの図示しない通信網が接続されている。例えば制御コンピュータ20がファクシミリデータの送信を行う場合、このファクシミリ部24にファクシミリデータを出力する。そしてファクシミリ部24は通信網に接続し、指定された宛先にファクシミリデータを送信する。
【0035】
仕上げ処理部25は、プリンタ部3から出力される出力用紙に対して所定の仕上げ処理を行う処理部である。仕上げ処理には、出力用紙の所定部位にパンチ穿孔を行ったり、或いは、複数の出力用紙を束ねるステープルを打設したりする処理がある。本実施形態の仕上げ処理部25は、そのうちの少なくともステープルを打設する処理を行うことができるようになっている。つまり、仕上げ処理部25は図示しないオートステープラーを備え、ユーザによって指定された所定枚数ごとに出力用紙を束ねて所定部位にステープルを打設することができる。
【0036】
記憶部26は、ハードディスク装置などで構成された不揮発性記憶装置である。この記憶部26には、上述のプログラム27が記憶されている。またこの他にも、記憶部26には各種データが記憶されているが、本実施形態ではそれらについての説明を省略する。
【0037】
図3は、制御コンピュータ20がプログラム27を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御コンピュータ20は、ユーザ認証部31、課金マップ取得部32、ジョブ解析部33、課金マップ変更条件判定部34、課金マップ再取得部35、ジョブ実行制御部36および課金計算部37として機能する。また制御コンピュータ20のメモリ22には、管理サーバ11から取得する課金マップを記憶するための課金マップ記憶領域22aが設けられる。尚、課金マップ記憶領域22aは、メモリ22ではなく、記憶部26に設けられていても良い。
【0038】
ユーザ認証部31は、画像形成装置1を使用するユーザのユーザ認証を行う処理部であり、例えば操作パネル4からユーザIDやパスワードの入力を検知した場合、或いは、ネットワーク10を介してプリントデータを受信した場合に機能する。そしてユーザ認証部31は、ユーザIDやパスワードなどの入力情報に基づいてユーザ認証を行う。本実施形態の場合、ユーザ認証部31は、入力情報を付加した認証要求を管理サーバ11に送信し、それに対する返答として管理サーバ11から入力される認証結果に基づいてユーザ認証に成功したか否かの判断を行う。そしてユーザ認証に成功していれば、画像形成装置1をログイン状態に移行させる。これにより、認証されたユーザは、画像形成装置1のログインユーザとなり、予め自身に設定されている機能権限に基づいて画像形成装置1の各種機能を使用することができるようになる。
【0039】
課金マップ取得部32は、ログインユーザに対応する課金マップを取得する処理部である。課金マップ取得部32は、ユーザ認証部31によってユーザ認証が成功した場合に機能し、管理サーバ11からログインユーザに対応する課金マップを取得し、その取得した課金マップをメモリ22の課金マップ記憶領域22aに格納保存する。尚、この課金マップ取得部32が取得する課金マップは、ログインユーザがジョブの実行を指示した場合、そのジョブの実行初期段階での課金計算に参照される基本課金マップであるが、これについては後に詳しく説明する。
【0040】
ジョブ解析部33は、ログインユーザがジョブの実行指示を行った場合に機能する処理部であり、そのジョブの内容を解析する。例えば、プリントジョブの場合、ジョブ解析部33は、プリントデータに基づいてジョブを実行することによる合計印刷枚数や合計ステープル数などを解析する。またコピージョブの場合も同様に、ジョブ解析部33は、ユーザの設定した内容に基づいてジョブを実行することによる合計印刷枚数や合計ステープル数などを解析する。ただし、コピージョブの場合、合計印刷枚数や合計ステープル数は、全ての原稿を読み取った後でないと、正確な数値を算出することができない。そのため、コピージョブの場合、ジョブ解析部33は原稿読み取りが終了した後に機能し、それらの正確な数値を算出する。そしてジョブ解析部33による解析結果は課金マップ変更条件判定部34に与えられる。
【0041】
課金マップ変更条件判定部34は、ジョブ解析部33の解析結果に基づいてジョブの実行中に課金マップを変更するか否かを判定する処理部である。つまり、課金マップ変更条件判定部34は、ユーザによって指定されたジョブが所定の条件を満たす場合、そのジョブの実行中に課金マップを変更する必要があると判断する。これに対し、そのジョブが所定の条件を満たさない場合、そのジョブの実行中は課金マップを変更する必要がないと判断する。本実施形態の場合、課金マップ変更条件判定部34が判定を行う際の判定基準となる所定の条件に関する情報(条件情報)は、管理サーバ11から取得する課金マップに含まれている。そのため、課金マップ変更条件判定部34は、課金マップ記憶領域22aに記憶されている課金マップから条件情報を読み出し、その読み出した条件情報とジョブ解析部33の解析結果とに基づいて上記判定を行う。そして課金マップ変更条件判定部34による判定結果は、課金マップ再取得部35に与えられる。
【0042】
課金マップ再取得部35は、課金マップ変更条件判定部34の判定結果に基づき、ユーザによって指定されたジョブの実行中に課金マップを変更する必要がある場合、管理サーバ11に課金マップの再取得要求を行い、管理サーバ11から先に取得している課金マップとは異なる課金マップであって、ジョブの実行途中で先に取得した課金マップから変更するための変更用課金マップを取得する。このとき取得する変更用課金マップもまたメモリ22の課金マップ記憶領域22aに格納保存される。このような変更用課金マップの再取得は、例えばユーザによって指定されたジョブの実行が開始される前に行われる。ただし、コピージョブの場合は、プリンタ部3が印刷出力を開始する前に行われる。尚、この課金マップ再取得部35が取得する変更用課金マップについても後に詳しく説明する。
【0043】
ジョブ実行制御部36は、スキャナ部2、プリンタ部3、ネットワークインタフェース23、ファクシミリ部24および仕上げ処理部25の各部を必要に応じて駆動することにより、ユーザによって指定されたジョブの実行を制御する処理部である。このジョブ実行制御部36は、さらにジョブカウンタ36aを備えている。ジョブカウンタ36aは、ユーザによって指定されたジョブの実行中、課金対象である処理が行われる都度、その処理に対応するカウント値を1ずつカウントアップするカウンタである。例えば、コピージョブの場合、プリンタ部3において1枚の印刷出力が行われる都度、印刷枚数をカウントするカウント値を1ずつカウントアップする。また仕上げ処理として所定枚数ごとにステープルを打設することが指定されている場合、ジョブカウンタ36aは、仕上げ処理部25においてステープルの打設処理が行われる都度、ステープル数をカウントするカウント値を1ずつカウントアップする。そしてジョブカウンタ36aによるカウント値は、課金計算部37に与えられる。
【0044】
課金計算部37は、課金マップ記憶領域22aに記憶されている課金マップを読み出し、ジョブ実行制御部36によるジョブの実行に伴って課金計算を行う処理部である。課金計算においては、課金マップ記憶領域22aから読み出した課金マップを参照し、その課金マップに記録されている課金対象である各処理の単価情報に基づく計算を実行する。またこの課金計算部37は、さらに課金マップ切替部37aを備えている。
【0045】
課金マップ切替部37aは、ジョブの実行状況が所定の条件を満たしたとき、そのタイミングで課金計算部37が参照する課金マップを変更用課金マップに切り替えて変更する処理部である。課金マップ切替部37aは、課金計算部37が参照している課金マップに含まれる条件情報に基づいて課金マップを変更する条件を確認する。そしてジョブカウンタ36aからの出力に基づいてジョブの進行状況をリアルタイムで把握しながら、そのジョブの実行状況が所定の条件を満たしたとき、課金計算部37が参照する課金マップを課金マップ記憶領域22aに記憶されている変更用課金マップに切り替える。
【0046】
次に図4は、管理サーバ11のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。管理サーバ11は、CPU41と、メモリ42と、ネットワークインタフェース43と、表示部44と、操作部45と、記憶部46とを備えており、これら各部がデータバス47を介して相互にデータの入出力を行うことができるように接続された構成である。
【0047】
CPU41は、記憶部46に記憶されているプログラム51を読み出して実行することにより、後述する各種処理部として機能する。メモリ42は、CPU41が各種処理を実行する際の一時的なデータなどを記憶するものである。ネットワークインタフェース43は、ネットワーク10に接続するためのものであり、画像形成装置1とのデータ通信はこのネットワークインタフェース43を介して行われる。表示部44は液晶表示ディスプレイなどで構成され、操作部45はキーボード又はマウスなどで構成される。記憶部46はハードディスク装置などの不揮発性記憶装置で構成され、上述のプログラム51の他、ユーザ認証情報52、課金マップ情報53などが記憶されている。記憶部46に記憶されている課金マップ情報53は、複数の課金マップを含む情報であり、図例の場合、基本課金マップ54と、第1変更用課金マップ55と、第2変更用課金マップ56、…を備えている。
【0048】
ここで基本課金マップ54は上述したようにジョブの実行初期段階での課金計算に参照される課金情報である。また第1変更用課金マップ55はジョブ実行状況が所定の条件を満たしたとき、基本課金マップ54から切り替わってそれ以後の課金計算で参照される課金情報である。さらに第2変更用課金マップ56はジョブの実行状況がさらに別の条件を満たしたとき、第1変更用課金マップ55から切り替わってそれ以後の課金計算で参照される課金情報である。
【0049】
図5は、CPU41がプログラム51を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、CPU41は、認証処理部61および課金マップ送信部62として機能する。
【0050】
認証処理部61は、画像形成装置1を使用するユーザを認証する処理部であり、画像形成装置1から認証要求を受信した場合に機能する。認証処理部61は、画像形成装置1から認証要求を受信すると、記憶部46からユーザ認証情報52を読み出して認証処理を行う。ユーザ認証情報52には、画像形成装置1を使用することが許可されたユーザに関する情報が登録されており、各登録ユーザのユーザIDやパスワードなどの情報と共に、各登録ユーザが画像形成装置1を使用する際の機能権限に関する情報が記録されている。認証処理部61は、認証要求に付加されている情報に基づいてユーザ認証情報52を検索し、ユーザ認証情報52に予め登録されている登録ユーザであるか否かを判断する。そして登録ユーザである場合は、画像形成装置1に対して認証が成功したことを認証結果として通知すると共に、その登録ユーザに対して設定されている機能権限に関する情報を送信する。また登録ユーザでなかった場合は、画像形成装置1に対して認証が失敗したことを認証結果として通知する。
【0051】
課金マップ送信部62は、記憶部46の課金マップ情報53に含まれる複数の課金マップ54,55,56,…のうちから画像形成装置1に送信する課金マップを読み出して画像形成装置1に送信する処理部である。課金マップ送信部62は、認証処理部61における認証処理で認証に成功した場合に機能し、課金マップ情報53から基本課金マップ54を読み出し、画像形成装置1に送信する。また課金マップ送信部62は、画像形成装置1から課金マップの再取得要求があった場合に機能し、課金マップ情報53から第1変更用課金マップ55又は第2変更用課金マップ56を読み出し、画像形成装置1に送信する。
【0052】
ここで課金マップ情報53に含まれる課金マップについて説明する。図6は、基本課金マップ54の一例を示す図である。この基本課金マップ54は、上述したようにユーザ認証に成功した直後に画像形成装置1に送信され、画像形成装置1におけるジョブの実行初期段階での課金計算を行う際に参照される課金情報である。図6に示すように、基本課金マップ54は、画像形成装置1で実行されるジョブの課金対象に関する情報54aと、その単価情報54bとを有している。そのため、この基本課金マップ54を参照すれば、ジョブの実行に伴って課金計算を行うことができる。またこの基本課金マップ54には、ジョブの実行に伴って課金計算で参照する課金マップを第1変更用課金マップ55に変更するための条件情報54cが含まれている。図例の場合、この条件情報54cは、コピージョブ又はプリントジョブにおいて印刷枚数が500枚に達すると、この基本課金マップ54を次の第1変更用課金マップ55に変更する条件となっている。
【0053】
次に図7は、第1変更用課金マップ55の一例を示す図である。図7に示す第1変更用課金マップ55は、図6に示した基本課金マップ54に基づく課金計算を行っているときに印刷枚数が500枚に達した場合、それ以後の課金計算において参照される課金情報である。図7に示すように、第1変更用課金マップ55は、画像形成装置1で実行されるジョブの課金対象に関する情報55aと、その単価情報55bとを有している。図7の単価情報55bを図6の単価情報54bと比較すれば判るように、第1変更用課金マップ55のコピージョブ又はプリントジョブに関する単価情報55bは、基本課金マップ54のコピージョブ又はプリントジョブに関する単価情報54bよりも1割程度安い単価設定となっている。したがって、この例ではジョブの実行中に印刷枚数が500枚を超えると、それ以後のジョブの実行に伴う課金計算では、1割程度のディスカウントを行うことができる。また第1変更用課金マップ55には、ジョブの実行に伴って課金計算で参照する課金マップを第2変更用課金マップ56に変更するための条件情報55cが含まれている。図例の場合、この条件情報55cは、コピージョブ又はプリントジョブにおいて印刷枚数が1000枚に達すると、この第1変更用課金マップ55を次の第2変更用課金マップ56に変更する条件となっている。
【0054】
尚、図示を省略するが、第2変更用課金マップ56についても同様であり、例えば第2変更用課金マップ56のコピージョブ又はプリントジョブに関する単価情報を第1変更用課金マップ55の単価情報55bよりもさらに安い単価に設定すれば、ジョブの実行に伴って段階的なディスカウントを行うことができる。
【0055】
次に本実施形態における画像形成装置1と管理サーバ11との処理の概要について説明する。図8は、画像形成装置1と管理サーバ11による処理の概要を示す図である。例えばユーザが操作パネル4を操作してユーザIDやパスワードなどを入力すると、画像形成装置1は、管理サーバ11に認証要求を送信する。管理サーバ11はその認証要求を受信すると認証処理を行い、認証結果を画像形成装置1に通知する。この認証結果が認証成功であったとすると、管理サーバ11は基本課金マップ54を読み出して画像形成装置1に送信する。
【0056】
画像形成装置1は管理サーバ11からユーザ認証が成功したことを示す認証結果を受信するとログイン状態となり、さらにそれに引き続いて管理サーバ11から基本課金マップ54を受信する。そしてログインユーザが各種設定操作などを行った後、ジョブの実行指示を行うと、画像形成装置1はログインユーザによって指定されたジョブの解析を行う。この解析により、例えば印刷枚数が500枚を超えるなど、基本課金マップ54の条件情報54cで定められている課金マップの変更条件を満たす場合、画像形成装置1は管理サーバ11に対して課金マップの再取得要求を行う。管理サーバ11はその再取得要求を受信すると、第1変更用課金マップ55を読み出して画像形成装置1に送信する。
【0057】
画像形成装置1は、管理サーバ11から第1変更用課金マップ55を取得することにより、ジョブの実行中に必要となる全ての課金マップを取得することができた場合には、その後、ジョブの実行を開始する。画像形成装置1は、ジョブの実行を開始すると、そのジョブの実行に伴って基本課金マップ54に基づく課金計算を行う。そして図8に示すタイミングT1で、課金マップ変更条件として設定されている印刷枚数500枚に達した場合、画像形成装置1は課金計算で参照する課金マップを、基本課金マップ54から第1変更用課金マップ55に切り替える。そしてその後は、ジョブの実行に伴って第1変更用課金マップ55に基づく課金計算を行う。そしてジョブの実行が終了すると、それに伴って課金計算も終了する。その後、ログインユーザがログアウト操作を行うと、画像形成装置1は管理サーバ11に対してログインユーザがログアウトしたことを通知する。
【0058】
図9は、本実施形態の画像形成装置1で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。画像形成装置1は、ユーザ認証を行い(ステップS100)、認証に成功すれば、管理サーバ11から基本課金マップ54を取得する(ステップS101)。そしてユーザによるジョブの設定操作を受け付け(ステップS102)、ユーザによるジョブ実行開始指示が与えられると(ステップS103)、そのジョブの内容を解析する(ステップS104)。そして実行するジョブが、基本課金マップ54の条件情報54cに定められている課金マップ変更条件を超えるか否かを判断し(ステップS105)、超えない場合には、課金マップの再取得は行わない。これに対し、実行するジョブが基本課金マップ54の条件情報54cに定められている課金マップ変更条件を超える場合は、管理サーバ11に課金マップの再取得要求を行い、課金マップの再取得を行う(ステップS106)。このとき取得する課金マップは、第1変更用課金マップ55である。尚、第1変更用課金マップ55を取得した後、実行するジョブが、その第1変更用課金マップ55の条件情報55cに定められている課金マップ変更条件を超えるか否かを判断し、超える場合はさらに第2変更用課金マップ56を取得するような処理手順としても良い。
【0059】
次に画像形成装置1はジョブの実行を開始し(ステップS107)、例えばプリンタ部3による印刷出力を1枚ずつ開始する。そして印刷枚数をカウントアップし(ステップS108)、そのカウント値が基本課金マップ54の条件情報54cに定められている課金マップ変更条件を満たしたか否かを判断する(ステップS109)。ここでカウント値が条件に満たない場合は(ステップS109でNO)、基本課金マップ54に基づく課金計算を行う(ステップS111)。これに対し、条件を満たしている場合は(ステップS109でYES)、課金計算で参照する課金マップを、基本課金マップ54から第1変更用課金マップ55に切替え(ステップS110)、第1変更用課金マップ55に基づく課金計算を行う(ステップS111)。そして次のページがあるか否かを判断し(ステップS112)、さらに次の印刷出力が行われる場合(ステップS112でYES)、ステップS108に戻って上記処理を繰り返す。これに対し、次のページがない場合は、ジョブの実行を終了し(ステップS113)、この処理を終了する。
【0060】
上記のような処理が行われることにより、画像形成装置1は、ジョブの実行中に例えば印刷枚数が一定枚数以上になるなど、ジョブの実行状況が所定の条件を満たせばその時点で課金計算において参照する課金マップを変更することができる。そのため、例えばユーザが画像形成装置1を使用して多量の印刷出力を行う場合、一定枚数を超える印刷出力に対してディスカウントした課金を行うなど、多様な課金形態を実現することができる。
【0061】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。本実施形態では、画像形成装置1において課金マップを変更する際、基本課金マップ54の一部のみを変更する形態について説明する。尚、本実施形態においても画像形成システム100、画像形成装置1および管理サーバ11の構成は、以下で説明するものを除き、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0062】
図10は、本実施形態において管理サーバ11の記憶部46に記憶される課金マップ情報53の一例を示す図である。本実施形態の課金マップ情報53は、第1の実施の形態と同様に、基本課金マップ54と、第1変更用課金マップ55と、第2変更用課金マップ56、…を備えている。本実施形態の課金マップが第1の実施の形態と異なる点は、図10に示すように、第1変更用課金マップ55および第2変更用課金マップ56のそれぞれが、さらに複数の課金マップを有している点である。
【0063】
第1変更用課金マップ55は、第1条件課金マップ551、第2条件課金マップ552、…を有している。これら第1条件課金マップ551、第2条件課金マップ552、…は、基本課金マップ54の一部の単価情報を書き換えるための情報である。例えば第1条件課金マップ551は、ジョブ実行中の印刷枚数が所定の条件を満たしたときに、基本課金マップ54の印刷に関する課金情報を書き換えるための情報である。また第2条件課金マップ552は、ジョブ実行中のステープル数が所定の条件を満たしたときに、基本課金マップ54のステープルに関する課金情報を書き換えるための情報である。つまり、第1条件課金マップ551および第2条件課金マップ552は、それぞれ、課金マップを変更するための異なる条件に対応して設けられており、それぞれの条件に対応する一部の課金情報を書き換えるための課金マップである。
【0064】
また第2変更用課金マップ56は、第1条件課金マップ561、第2条件課金マップ562、…を有している。これら第1条件課金マップ561、第2条件課金マップ562、…は、第1変更用課金マップ55の第1条件課金マップ551、第2条件課金マップ552、…に対応して設けられている。第1条件課金マップ561は基本課金マップ54の単価情報の一部が第1変更用課金マップ55の第1条件課金マップ551に書き換えられている状態で、さらに印刷枚数が所定の条件を満たしたときに、第1条件課金マップ551の課金情報をさらに書き換えるための情報である。また第2条件課金マップ562は基本課金マップ54の単価情報の一部が第1変更用課金マップ55の第2条件課金マップ552に書き換えられている状態で、さらにステープル数が所定の条件を満たしたときに、第2条件課金マップ552の課金情報をさらに書き換えるための情報である。
【0065】
図11は、本実施形態における基本課金マップ54の一例を示す図である。この基本課金マップ54は、ユーザ認証に成功した直後に管理サーバ11から画像形成装置1に送信され、画像形成装置1におけるジョブの実行初期段階での課金計算を行う際に参照される課金情報である。図11に示すように、基本課金マップ54は、画像形成装置1で実行されるジョブの課金対象に関する情報54aと、その単価情報54bとを有している。特に本実施形態では、仕上げ処理としてステープルが打設される場合の課金情報54dが含まれている。また条件情報54cには、課金マップを変更するための複数の条件(第1条件59a、第2条件59b)が含まれている。例えば、第1条件59aは、この基本課金マップ54のコピーおよびプリントに対応する単価情報54bを第1変更用課金マップ55の第1条件課金マップ551に変更する条件を規定しており、図例の場合、その条件は印刷枚数が500枚となっている。また第2条件59bは、この基本課金マップ54のステープルに対応する単価情報54bを第1変更用課金マップ55の第2条件課金マップ552に変更する条件を規定しており、図例の場合、その条件はステープル数が100個となっている。
【0066】
図12は、第1変更用課金マップ55の第1条件課金マップ551の一例を示す図である。図12に示す第1条件課金マップ551は、図11に示した基本課金マップ54に基づく課金計算を行っているときに印刷枚数が500枚に達した場合、それ以後の印刷出力における課金計算で参照される課金情報である。図12に示すように、第1条件課金マップ551は、コピージョブおよびプリントジョブの課金対象に関する情報551aと、その単価情報551bとを有している。図12の単価情報551bを図11の単価情報54bと比較すると、第1条件課金マップ551の単価情報551bは、基本課金マップ54のコピージョブ又はプリントジョブに関する単価情報54bよりも1割程度安い単価設定となっている。したがって、この例ではジョブの実行中に印刷枚数が500枚を超えると、それ以後のジョブの実行に伴う課金計算では、1割程度のディスカウントが行われる。また第1変更用課金マップ55の第1条件課金マップ551には、ジョブの実行に伴って課金計算で参照する課金マップを第2変更用課金マップ56の第1条件課金マップ561に変更するための条件情報551cが含まれている。図例の場合、この条件情報551cは、印刷枚数が1000枚に達すると、次の第1条件課金マップ561に変更する条件となっている。
【0067】
図13は、第1変更用課金マップ55の第2条件課金マップ552の一例を示す図である。図13に示す第2条件課金マップ552は、図11に示した基本課金マップ54に基づく課金計算を行っているときにステープル数が100個に達した場合、それ以後のステープル打設時の課金計算で参照される課金情報である。図13に示すように、第2条件課金マップ552には、ステープルに関する情報552aと、その単価情報552bとが互いに対応付けられている。図13の単価情報552bを図10の単価情報54bと比較すると、第2条件課金マップ552の単価情報552bは、基本課金マップ54のステープルに関する単価情報54bよりも1割程度安い単価設定となっている。したがって、この例ではジョブの実行中にステープル数が100個を超えると、それ以後のジョブの実行に伴う課金計算では、1割程度のディスカウントが行われる。また第1変更用課金マップ55の第2条件課金マップ552には、ジョブの実行に伴って課金計算で参照する課金マップを第2変更用課金マップ56の第2条件課金マップ562に変更するための条件情報552cが含まれている。図例の場合、この条件情報552cは、ステープル数が300個に達すると、次の第2条件課金マップ562に変更する条件となっている。
【0068】
図14は、本実施形態の画像形成装置1において課金計算で参照する課金マップを変更する場合の基本課金マップ54の書き換え概念を示す図である。尚、図例では、画像形成装置1が予め管理サーバ11から基本課金マップ54と第1変更用課金マップ55の第1条件課金マップ551および第2条件課金マップ552を取得してメモリ22に格納されているものとする。ジョブ実行制御部36は、ジョブの実行を開始すると、ジョブカウンタ36aがジョブの実行に応じて印刷枚数およびステープル数をカウントしていく。そのカウント値は課金マップ切替部37aに与えられ、課金マップ切替部37aは、基本課金マップ54の条件情報54cに基づいてジョブの実行状況を確認し、第1条件59aを満たした場合には、メモリ22に展開されている基本課金マップ54の一部を第1条件課金マップ551で書き換える。また第2条件59bを満たした場合には、メモリ22に展開されている基本課金マップ54の一部を第2条件課金マップ552で書き換える。このような一部書き換えは、基本課金マップ54の全体を書き換える場合に比べると、効率的に行うことができる。そのため、課金計算で参照する課金マップを変更する際、画像形成装置1にかかる処理負荷が軽くなり、変更後の課金マップを適用した課金計算を効率よく行うことができる。
【0069】
次に本実施形態における画像形成装置1と管理サーバ11との処理の概要について説明する。図15は、第2の実施の形態における画像形成装置1と管理サーバ11との処理概要を示す図である。まず画像形成装置1は、管理サーバ11に認証要求を送信する。管理サーバ11はその認証要求を受信すると認証処理を行い、認証結果を画像形成装置1に通知する。この認証結果が認証成功であったとすると、管理サーバ11は課金マップ情報53から基本課金マップ54を読み出して画像形成装置1に送信する。
【0070】
画像形成装置1は管理サーバ11からユーザ認証が成功したことを示す認証結果を受信するとログイン状態となり、さらにそれに引き続いて管理サーバ11から基本課金マップ54を受信する。そしてログインユーザが各種設定操作などを行った後、ジョブの実行指示を行うと、画像形成装置1はログインユーザによって指定されたジョブの解析を行う。この解析では、ユーザによって指定されたジョブが基本課金マップ54の条件情報54cに記述されている第1条件59aおよび第2条件59bのいずれかの条件を満たすか否かがチェックされる。そして、そのジョブによる印刷枚数が500枚を超える場合、第1条件59aを満たすので、画像形成装置1は管理サーバ11に対し、第1変更用課金マップ55に含まれる第1条件課金マップ551の再取得要求を行う。管理サーバ11はその再取得要求を受信すると、第1条件課金マップ551を読み出し、画像形成装置1に送信する。また、そのジョブによるステープル数が100個を超える場合、第2条件59bを満たすので、画像形成装置1は管理サーバ11に対し、第1変更用課金マップ55に含まれる第2条件課金マップ552の再取得要求を行う。管理サーバ11はその再取得要求を受信すると、第2条件課金マップ552を読み出し、画像形成装置1に送信する。
【0071】
管理サーバ11から第1条件課金マップ551および第2条件課金マップ552を取得することにより、ジョブの実行中に必要となる全ての課金マップを取得することができた場合、画像形成装置1は、その後、ジョブの実行を開始する。そして画像形成装置1は、ジョブの実行開始後、そのジョブの実行進行に伴って基本課金マップ54に基づく課金計算を行う。そして図15に示すタイミングT2で、第1条件59aおよび第2条件59bのいずれか一方の条件に達した場合、画像形成装置1は、課金計算で参照する基本課金マップ54の一部を第1条件課金マップ551又は第2条件課金マップ552に切り替える。そしてその後は、タイミングT2で切り替えられた基本課金マップ54に基づいて課金計算を行う。そして図15に示すタイミングT3で、第1条件59aおよび第2条件59bの他方の条件に達した場合、画像形成装置1は、課金計算で参照する基本課金マップ54における更に別の一部を第1条件課金マップ551又は第2条件課金マップ552に切り替える。そしてその後は、タイミングT3で切り替えられた基本課金マップ54に基づいて課金計算を行う。そしてジョブの実行が終了すると、それに伴って課金計算も終了する。その後、ログインユーザがログアウト操作を行うと、画像形成装置1は管理サーバ11に対してログインユーザがログアウトしたことを通知する。
【0072】
図16および図17は、本実施形態の画像形成装置1で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、このフローチャートにおいてステップS200〜S204までの処理は、図9のステップS100〜S104の処理と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0073】
画像形成装置1は、ユーザによって実行指示されたジョブの解析(ステップSステップS204)を行った結果、基本課金マップ54の条件情報54cに定められている第1条件59aを超えるか否かを判断し(ステップS205)、超えない場合には、第1条件課金マップ551の取得は行わない。これに対し、実行するジョブが第1条件59aを超える場合は、管理サーバ11に第1条件課金マップ551の取得要求を行い、第1条件課金マップ551の取得を行う(ステップS206)。
【0074】
次に画像形成装置1は、基本課金マップ54の条件情報54cに定められている第2条件59bを超えるか否かを判断し(ステップS207)、超えない場合には、第2条件課金マップ552の取得は行わない。これに対し、実行するジョブが第2条件59bを超える場合は、管理サーバ11に第2条件課金マップ552の取得要求を行い、第2条件課金マップ552の取得を行う(ステップS208)。
【0075】
尚、図16では図示していないが、第1条件課金マップ551又は第2条件課金マップ552を取得した後、実行するジョブが、その第1条件課金マップ551又は第2条件課金マップ552の条件情報551c又は552cに定められている条件を超えるか否かを判断し、超える場合はさらに第2変更用課金マップ56に含まれる課金マップ561又は562を取得するような処理手順としても良い。
【0076】
次に画像形成装置1はジョブの実行を開始する(ステップS209)。これにより、例えばプリンタ部3による1枚ずつの印刷出力が開始され、所定枚数ごとにステープルが打設されて出力される。図17のフローチャートに進み、画像形成装置1はそのようなジョブの実行を開始すると、印刷枚数のカウント値を1つカウントアップする(ステップS210)。次に、今回の1枚分の印刷を行った後にステープルを行うか否かを判断する(ステップS211)。ここでは、今回の印刷により、ユーザによって指定された所定枚数分の出力用紙が揃ったかどうかの確認が行われ、所定枚数分の出力用紙が揃った場合に、ステープルを行うと判断される。そしてステープルを行うと判断された場合、画像形成装置1は、ステープル数のカウント値を1つカウントアップする(ステップS212)。一方、ステープルを行わない場合は、ステープル数のカウントアップは行わない。
【0077】
次に画像形成装置1は、印刷枚数のカウント値が基本課金マップ54の条件情報54cに定められている第1条件59aを満たしたか否かを判断する(ステップS213)。その結果、第1条件59aを満たしている場合は(ステップS213でYES)、課金計算で参照している基本課金マップ54の一部を第1条件課金マップ551に切替える(ステップS214)。一方、印刷枚数のカウント値が第1条件59aに満たない場合は(ステップS213でNO)、基本課金マップ54の切替えは行わない。
【0078】
次に画像形成装置1は、ステープル数のカウント値が基本課金マップ54の条件情報54cに定められている第2条件59bを満たしたか否かを判断する(ステップS215)。その結果、第2条件59bを満たしている場合は(ステップS215でYES)、課金計算で参照している基本課金マップ54の一部を第2条件課金マップ552に切替える(ステップS216)。一方、印刷枚数のカウント値が第2条件59bに満たない場合は(ステップS215でNO)、基本課金マップ54の切替えは行わない。
【0079】
そして画像形成装置1は、1枚の印刷出力を行ったことに伴う課金計算を行う(ステップS217)。例えば、上記ステップS214又はS216において課金マップの変更が行われた場合、この課金計算において、その後、その変更された課金マップを参照して計算処理が行われる。
【0080】
その後、画像形成装置1は、印刷出力すべき次のページがあるか否かを判断し(ステップS218)、次の印刷出力が行われる場合(ステップS218でYES)、ステップS210に戻って上記処理を繰り返す。これに対し、次のページがない場合は、ジョブの実行を終了し(ステップS219)、この処理を終了する。
【0081】
上記のような処理が行われることにより、画像形成装置1は、ジョブの実行中に例えば印刷枚数が一定枚数以上になる場合、或いはステープル数が一定個数以上になる場合など、ジョブの実行状況が所定の条件を満たせばその時点で課金計算において参照する課金マップを変更することができる。このとき、本実施形態の画像形成装置1は、ジョブの実行初期段階から課金計算を行う際に参照している基本課金マップ54の必要な部分のみを変更するので、課金マップの切り替えを効率よく行うことができる。また、管理サーバ11から画像形成装置1に対して送信するデータ量も削減できるので、ネットワーク10の負荷を軽減することも可能である。
【0082】
また本実施形態においても、第1の実施の形態同様に、例えばユーザが画像形成装置1を使用して多量の印刷出力を行う場合、一定枚数を超える印刷出力に対し、或いは一定個数を超えるステープルに対してディスカウントした課金を行うなど、多様な課金形態を実現することができる。
【0083】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。上述した第1および第2の実施の形態では、画像形成装置1において実行するジョブの解析を行い、そのジョブが所定の条件を超える場合に、画像形成装置1が管理サーバ11に対して変更用課金マップの送信を要求する形態について説明した。これに対し、本実施形態では、管理サーバ11が画像形成装置1におけるジョブの実行状況を把握し、画像形成装置1に対して変更用課金マップを送信する必要があるか否かを判断する形態について説明する。尚、本実施形態においても画像形成システム100、画像形成装置1および管理サーバ11の基本的な構成は、以下で説明するものを除き、第1の実施の形態で説明したものと同様である。
【0084】
図18は、本実施形態の画像形成装置1において制御コンピュータ20がプログラム27を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、制御コンピュータ20は、ユーザ認証部71、課金マップ取得部72、通知条件判定部73、ジョブ実行制御部74、ジョブ実行状況通知部75、課金マップ再取得部76および課金計算部77として機能する。
【0085】
ユーザ認証部71および課金マップ取得部72は、第1の実施の形態で説明したユーザ認証部31および課金マップ取得部32と同様の処理部である。
【0086】
本実施形態の画像形成装置1は、ユーザによって指定されたジョブの実行を開始した後、そのジョブの実行状況を管理サーバ11に通知する。通知条件判定部73は、その通知条件を判定する処理部である。本実施形態において課金マップ取得部32が管理サーバ11から取得する基本課金マップ54には、後述するように通知条件に関する情報が含まれている。そのため、通知条件判定部73は、基本課金マップ54に含まれる通知条件に関する情報に基づいてジョブの実行状況を管理サーバ11に通知するための通知条件を判定する。
【0087】
またジョブ実行制御部74は、第1の実施の形態で説明したジョブ実行制御部36と同様の処理部であり、画像形成装置1におけるジョブの実行を制御する。このジョブ実行制御部74は、ジョブカウンタ74aを備えている。
【0088】
ジョブ実行状況通知部75は、ジョブ実行制御部74によって実行されるジョブの実行状況を管理サーバ11に通知する処理部である。すなわち、ジョブ実行状況通知部75は、通知条件判定部73が判定した通知条件に基づき、ジョブの実行状況がその通知条件に達する度に、管理サーバ11に対してそのジョブの実行状況を通知する。
【0089】
課金マップ再取得部76は、管理サーバ11から送信されてくる変更用課金マップを受信してメモリ22に格納する。この課金マップ再取得部76は、第1の実施の形態の課金マップ再取得部35とは異なり、管理サーバ11に対して変更用課金マップの取得要求は行わない。そのため、課金マップ再取得部76は、ジョブ実行制御部74がジョブの実行を開始した後、管理サーバ11からの変更用課金マップの受信を待機する状態となり、受信すればそれをメモリ22の課金マップ記憶領域22aに格納する。
【0090】
課金計算部77は、メモリ22の課金マップ記憶領域22aから課金マップを読み出し、ジョブ実行制御部74によるジョブの実行に伴って課金計算を行う。この課金計算部77は、課金マップ切替部77aを備えており、ジョブの実行状況が所定の条件に達すると、課金計算で参照する課金マップを変更する。特に本実施形態では、課金マップ再取得部76が既に変更用課金マップを取得してメモリ22に記憶している場合、課金マップ切替部77aが、その変更用課金マップに含まれる情報に基づいてジョブの実行状況が所定の条件に達したか否かを判断し、課金マップの変更を行うように構成される。
【0091】
次に図19は、本実施形態の管理サーバ11においてCPU41がプログラム51を実行することによって実現される機能構成の一例を示すブロック図である。図19に示すように、CPU41は、認証処理部81、課金マップ送信部82、ジョブ実行状況判定部83および課金マップ切替判定部84として機能する。
【0092】
認証処理部81は、第1の実施の形態の認証処理部61と同様であり、画像形成装置1を使用するユーザを認証する処理部である。
【0093】
課金マップ送信部82は、画像形成装置1に対して課金計算のための課金マップを送信する処理部である。この課金マップ送信部82は、認証処理部81がユーザ認証に成功した場合、記憶部46に記憶されている課金マップ情報53のうちからの基本課金マップ54を読み出し、画像形成装置1に送信する。また課金マップ切替判定部84において課金マップの切替え判定が行われた場合、課金マップ送信部82は、記憶部46に記憶されている課金マップ情報53のうちからの第1変更用課金マップ55を読み出し、画像形成装置1に送信する。またその後、さらに課金マップ切替判定部84において課金マップの切替え判定が行われた場合、課金マップ送信部82は、記憶部46に記憶されている課金マップ情報53のうちからの第2変更用課金マップ56を読み出し、画像形成装置1に送信する。
【0094】
ジョブ実行状況判定部83は、画像形成装置1においてジョブの実行が開始された場合、ジョブ実行状況通知部75によって通知されるジョブの実行状況を判定する処理部である。このジョブ実行状況判定部83は、ジョブ実行状況通知部75から通知される情報に基づいて、画像形成装置1におけるジョブの実行状況を把握する。そしてジョブ実行状況判定部83は、その把握したジョブの実行状況を課金マップ切替判定部84に出力する。
【0095】
課金マップ切替判定部84は、画像形成装置1におけるジョブの実行状況に基づいて、そのジョブの実行中に課金マップを変更する必要があるか否かを判定する処理部であり、課金マップを変更する場合、課金マップ送信部82に対して画像形成装置1に対して変更用課金マップの送信命令を出力する。
【0096】
ここで本実施形態の課金マップ情報53に含まれる課金マップについて説明する。図20は、本実施形態における基本課金マップ54の一例を示す図である。この基本課金マップ54は、上述したようにユーザ認証に成功した直後に画像形成装置1に送信され、画像形成装置1におけるジョブの実行初期段階での課金計算を行う際に参照される課金情報である。図20に示すように、基本課金マップ54は、第1の実施の形態と同様に、画像形成装置1で実行されるジョブの課金対象に関する情報54aと、その単価情報54bとを有している。また本実施形態の基本課金マップ54には、課金計算においてこの基本課金マップ54を適用する条件情報54eが含まれている。図例の場合、条件情報54eには、コピージョブ又はプリントジョブにおいて印刷枚数が0枚以上であればこの基本課金マップ54を適用することが示されている。
【0097】
また本実施形態の基本課金マップ54にはジョブの実行中に管理サーバ11にジョブの実行状況を通知するための通知条件54fが含まれている。画像形成装置1におけるジョブ実行状況通知部75は、この通知条件54fに基づいてジョブの実行状況を管理サーバ11に通知する。図例の場合、通知条件54fには、コピージョブ又はプリントジョブにおいて印刷枚数が50枚をカウントする度に、そのジョブの実行状況を管理サーバ11に通知することが示されている。
【0098】
次に図21は、本実施形態における第1変更用課金マップ55の一例を示す図である。図21に示すように、第1変更用課金マップ55は、第1の実施の形態と同様に、画像形成装置1で実行されるジョブの課金対象に関する情報55aと、その単価情報55bとを有している。また本実施形態の第1変更用課金マップ55には、課金計算においてこの第1変更用課金マップ55を適用する条件情報55eが含まれている。図例の場合、条件情報55eには、コピージョブ又はプリントジョブにおいて印刷枚数が500枚以上になれば、この第1変更用課金マップ55を適用することが示されている。したがって、画像形成装置1がこの第1変更用課金マップ55を既に取得している場合、課金計算部77の課金マップ切替部77aは、この第1変更用課金マップ55に含まれる条件情報55eに基づいて基本課金マップ54からの切り替えを行うか否かを判断する。
【0099】
また本実施形態の第1変更用課金マップ55にはジョブの実行中に管理サーバ11にジョブの実行状況を通知するための通知条件55fが含まれている。画像形成装置1におけるジョブ実行状況通知部75は、課金計算で参照する課金マップがこの第1変更用課金マップ55に変更された後、通知条件55fに基づいてジョブの実行状況を管理サーバ11に通知する。図例の場合、通知条件55fは、基本課金マップ54の通知条件54fを同様であり、コピージョブ又はプリントジョブにおいて印刷枚数が50枚をカウントする度に、そのジョブの実行状況を管理サーバ11に通知することが示されている。そのため、図20の基本課金マップ54から図21の第1変更用課金マップ55に課金マップが変更された場合でも、画像形成装置1から管理サーバ11に対して行われるジョブの実行状況の通知頻度は変わらない。
【0100】
次に本実施形態における画像形成装置1と管理サーバ11との処理の概要について説明する。図22は、第3の実施の形態における画像形成装置1と管理サーバ11との処理概要を示す図である。まず画像形成装置1は、管理サーバ11に対して認証要求を送信する。管理サーバ11はその認証要求を受信すると認証処理を行い、認証結果を画像形成装置1に通知する。この認証結果が認証成功であったとすると、管理サーバ11は課金マップ情報53から基本課金マップ54を読み出して画像形成装置1に送信する。
【0101】
画像形成装置1は管理サーバ11からユーザ認証が成功したことを示す認証結果を受信すると認証されたユーザによるログイン状態となり、さらにそれに引き続いて管理サーバ11から基本課金マップ54を受信する。そしてログインユーザが各種設定操作などを行った後、ジョブの実行指示を行うと、画像形成装置1はジョブの実行を開始する。これに伴い、画像形成装置1では基本課金マップ54に基づく課金計算が行われる。
【0102】
また画像形成装置1がジョブの実行を開始すると、基本課金マップ54に含まれる通知条件54fに基づいてジョブの実行状況を管理サーバ11に通知する。この例では、印刷出力が50枚行われるごとに、画像形成装置1が管理サーバ11にジョブの実行状況を通知するようになっている。
【0103】
管理サーバ11は、画像形成装置1からジョブの実行状況を受信する度に、そのジョブの実行状況を確認し、第1変更用課金マップ55を送信する必要があるか否かを判定する。そしてジョブの実行状況が、第1変更用課金マップ55の適用条件に近づくと、管理サーバ11は画像形成装置1に対し、第1変更用課金マップ55を送信する。図例の場合、ジョブの実行状況が450枚となった時点で500枚以上から適用する第1変更用課金マップ55を送信している。
【0104】
画像形成装置1は、管理サーバ11から第1変更用課金マップ55を受信すると、その条件情報55eを確認する。そしてジョブの実行状況が500枚となるタイミングT4以降、課金計算で参照する課金マップを基本課金マップ54から第1変更用課金マップ55に変更する。そしてその後は、第1変更用課金マップ55に基づいて課金計算を行う。そしてジョブの実行が終了すると、それに伴って課金計算も終了する。その後、ログインユーザがログアウト操作を行うと、画像形成装置1は管理サーバ11に対してログインユーザがログアウトしたことを通知する。
【0105】
図23および図24は、本実施形態の画像形成装置1で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。画像形成装置1は、ユーザ認証を行い(ステップS300)、認証に成功すれば、管理サーバ11から基本課金マップ54を取得する(ステップS301)。そしてその取得した基本課金マップ54に含まれる通知条件54fを判定する(ステップS302)。画像形成装置1は、ユーザによるジョブ実行開始指示が与えられると(ステップS303)、そのジョブの実行を開始する(ステップS304)。これにより、画像形成装置1は、例えばプリンタ部3による印刷出力を1枚ずつ開始する。
【0106】
そして画像形成装置1は、今回の1枚分の印刷出力に基づき通知枚数をカウントアップする(ステップS305)。この通知枚数は、通知条件54fに定められた条件に達したかどうかをカウントするための数値である。次に画像形成装置1は、今回の1枚分の印刷出力をカウントするため、印刷枚数をカウントアップする(ステップS306)。
【0107】
そして画像形成装置1は、通知枚数が通知条件54fに定められる条件に達したか否かを判断し(ステップS307)、条件に達していれば、管理サーバ11に対するジョブ実行状況通知として現在の印刷枚数を通知する(ステップS308)。そして管理サーバ11に印刷枚数を通知した後、通知枚数のカウント値を0にクリアする(ステップS309)。一方、通知枚数が通知条件54fに定められる条件に達していない場合、ステップS308およびS309の処理は行われない。画像形成装置1においてステップS307〜S309の処理が行われることにより、例えば印刷出力が50枚に達する度に、画像形成装置1から管理サーバ11に対して現在の印刷枚数が通知される。
【0108】
そして画像形成装置1は、管理サーバ11から第1変更用課金マップ55を既に受信しているか否かを判断し(ステップS310)、受信している場合は、その第1変更用課金マップ55の条件情報55eを確認し、第1変更用課金マップ55を適用する条件を把握する(ステップS311)。そして現在の印刷枚数が条件情報55eで示される条件を満たすか否かを判断し(ステップS312)、条件を満たしていれば、課金マップの切替えを行う(ステップS313)。つまり、基本課金マップ54から第1変更用課金マップ55への変更が行われる。これに対し、未だ第1変更用課金マップ55を受信していない場合(ステップS310でNO)、或いは、現在の印刷枚数が条件情報55eで示される条件に満たない場合(ステップS312でNO)、課金マップの切り替えは行わない。
【0109】
図24のフローチャートに進み、画像形成装置1は、今回の1枚分の印刷出力に基づく課金計算を行う(ステップS314)。この課金計算では、ステップS313による課金マップの切り替えが行われるまでは、基本課金マップ54に基づく計算を行い、ステップS313による課金マップの切り替えが行われると、それ以後は、第1変更用課金マップ55に基づく計算を行う。
【0110】
そして次のページがあるか否かを判断し(ステップS315)、さらに次の印刷出力が行われる場合(ステップS315でYES)、図23のステップS305に戻って上記処理を繰り返す。これに対し、次のページがない場合は、ジョブの実行を終了し(ステップS316)、この処理を終了する。
【0111】
次に図25は、本実施形態の管理サーバ11で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。管理サーバ11は、画像形成装置1からの要求に基づいてユーザ認証処理を行い(ステップS400)、画像形成装置1に認証結果を送信する(ステップS401)。そして、そのユーザ認証処理において認証に成功していれば、管理サーバ11は、記憶部46から基本課金マップ54を読み出し、画像形成装置1に送信する(ステップS402)。
【0112】
管理サーバ11は、基本課金マップ54を送信した後、画像形成装置1から印刷枚数の通知があったか否かを判断する(ステップS403)。そして印刷枚数の通知があれば、その通知に基づいて画像形成装置1におけるジョブの実行状況を判定し(ステップS404)、そのジョブの実行状況が次の課金マップを適用する条件に近づいたか否かを判断する(ステップS405)。ここでは、例えば、次の課金マップを適用するまでの残り印刷枚数が所定枚数以下となっていれば、次の課金マップを適用する条件に近づいたと判断する。そしてジョブの実行状況が次の課金マップを適用する条件に近づいていれば、記憶部46から第1変更用課金マップ55を読み出して画像形成装置1に送信する(ステップS406)。これに対し、画像形成装置1から印刷枚数の通知がない場合(ステップS403でNO)、或いは、ジョブの実行状況が次の課金マップを適用する条件に近づいていない場合(ステップS405でNO)、管理サーバ11は、第1変更用課金マップ55の送信を行わない。
【0113】
そして管理サーバ11は、ユーザがログアウトしたか否かを判断し(ステップS407)、ログアウトしていなければ、ステップS403に戻って上述した処理を繰り返す。またユーザがログアウトした場合、この処理は終了する。
【0114】
以上のような処理が行われることにより、管理サーバ11は、画像形成装置1におけるジョブの実行状況を把握しつつ、そのジョブが所定の条件に近づいてきた段階で、ユーザ認証時に送信した基本課金マップ54に代わる変更用課金マップ55を送信することができる。そのため、本実施形態では、画像形成装置1においてジョブの実行を開始する前に、そのジョブの解析を行う必要がなく、画像形成装置1の処理負担が軽減される。
【0115】
また上述したように管理サーバ11が画像形成装置1における課金マップの変更を行うか否かを判断することにより、例えばネットワーク10に接続されている複数の画像形成装置1を同一部署に所属する複数のユーザが同時に使用しているとき、それぞれのユーザの印刷枚数を合計してディスカウントするなどの課金形態が可能になる。図26は、このような課金形態を説明するための図であり、ネットワーク10に対して複数の画像形成装置1a,1bが接続されている画像形成システム100を示している。
【0116】
図26に示すように、ユーザXが画像形成装置1aを使用しており、ユーザXと同一部署に所属するユーザYが画像形成装置1bを使用している場合を想定する。このとき、それぞれの画像形成装置1a,1bは、管理サーバ11から受信する課金マップに基づいてジョブの実行に伴う課金計算を行うと共に、ジョブの実行状況を管理サーバ11に通知する。図例の場合、画像形成装置1aにおいて現在のジョブの印刷枚数がn枚(ただし、nは1以上の整数)であり、画像形成装置1bにおいて現在のジョブの印刷枚数がm枚(ただし、mは1以上の整数)となっている。そして管理サーバ11において課金マップ切替判定部84が課金マップを変更する必要があるか否かを判定する際、複数の画像形成装置1a,1bで同時に実行されている複数のジョブの合計値(n+m)が所定の条件を満たすか否かを判定し、その合計値が所定の条件を満たす場合、画像形成装置1a,1bのそれぞれに対して課金計算で参照する課金マップを変更するための変更用課金マップを送信する。
【0117】
したがって、この場合、同一部署に所属しているユーザXとユーザYとが同時に異なる画像形成装置1a,1bを使用することにより、部署単位での使用状況に応じてディスカウント課金を行うことができるようになる。そのため、画像形成装置1を使用する場合の課金形態が多様化し、さまざまなニーズに対応した課金形態を実現することができるようになる。
【0118】
尚、本実施形態においても、管理サーバ10が画像形成装置1(1a,1b)に対して変更用課金マップ55を送信する際には、第2の実施の形態で説明したように、基本課金マップ54の一部に対応した情報のみを送信する構成としても良い。
【0119】
(変形例)
以上、本発明に関するいくつかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限定されるものではない。
【0120】
上述した実施形態では、ジョブの実行に伴う印刷枚数又はステープル数に応じて課金マップを変更するための条件が設定されている場合を例示したが、課金マップを変更する条件は必ずしもこれらに限定されるものではない。例えば、画像形成装置1においてジョブを実行することによるトナー消費量を算出するようにし、そのトナー消費量に応じて課金マップを変更する条件を設定しても良い。すなわち、課金マップを変更するための条件は、印刷枚数、ステープル数およびトナー消費量のうちの少なくとも1つについて定められていれば良い。またこの他にも、スキャン枚数、FAX送信枚数、外部送信時の送信枚数や送信時間、又は、Webブラウザ機能を用いた画像データのダウンロードなどを、課金マップを変更するための条件として定めても良い。
【0121】
また上述した実施形態では、ジョブ実行中に課金マップを変更することによってディスカウントした課金を行う場合を例示したが、課金マップを変更する目的は必ずしもディスカウントに限られない。
【0122】
また上述した実施形態では、主として1回のジョブの実行中に課金マップを変更する形態を例示したが、本発明はそれに限定するものではない。例えばユーザが画像形成装置1にログインしている状態でジョブを実行した場合、印刷枚数やステープル数などのカウント値を累積していくことで、複数回のジョブが実行される場合であっても、それら複数回のジョブによって所定の条件が満たされれば、その時点で課金マップを変更することができる。またそれらカウント値の累積値を一定期間保持しておくことにより、例えば1ヶ月あたりの使用量によって所定の条件が満たされれば、その時点で課金マップを変更することもできる。
【0123】
また上述した実施形態では、画像形成装置1が管理サーバ11から課金マップを取得する形態を例示したが、これに限定するものでもない。例えば、画像形成装置1がそれ自体で、上述した管理サーバ11の機能の一部若しくは全部を備える構成としても良い。
【0124】
またその他にも本発明には種々の変形例が適用可能である。すなわち、上述した説明はすべての点で例示であって限定的なものではない。
【符号の説明】
【0125】
1,1a,1b 画像形成装置
10 ネットワーク
11 管理サーバ
20 制御コンピュータ
21 CPU
22 メモリ(記憶部)
32 課金マップ取得部
33 ジョブ解析部
34 課金マップ変更条件判定部
35 課金マップ再取得部
36 ジョブ実行制御部
36a ジョブカウンタ
37 課金計算部
37a 課金マップ切替部
46 記憶部
53 課金マップ情報
54 基本課金マップ
55 第1変更用課金マップ(変更用課金マップ)
56 第2変更用課金マップ(変更用課金マップ)
62 課金マップ送信部
75 ジョブ実行状況通知部
84 課金マップ切替判定部
100 画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と管理サーバとがネットワークを介して相互にデータ通信可能に構成された画像形成システムであって、
前記管理サーバは、
前記画像形成装置におけるジョブの実行に伴って課金計算を行う際に参照される課金マップ情報を記憶する記憶部と、
前記課金マップ情報に含まれる複数の課金マップのうちから前記画像形成装置に送信するための課金マップを読み出して前記画像形成装置に送信する課金マップ送信部と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記管理サーバから送信される課金マップを取得する課金マップ取得部と、
ジョブの実行を制御するジョブ実行制御部と、
前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行に伴い、前記課金マップ取得部が取得した課金マップを参照して課金計算を行う課金計算部と、
前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が所定の条件を満たした場合、前記課金計算部が参照する課金マップを変更する課金マップ切替部と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記所定の条件に関する情報は、前記課金マップ取得部が前記管理サーバから取得する課金マップに含まれていることを特徴とする請求項1記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記課金マップ送信部は、前記画像形成装置におけるジョブ実行初期段階で課金計算を行う際に参照するための基本課金マップと、前記画像形成装置におけるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたときに前記基本課金マップから変更するための変更用課金マップとを前記画像形成装置に送信し、
前記課金マップ切替部は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたとき、前記課金計算部が参照する課金マップを、前記基本課金マップから前記変更用課金マップに変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、
前記ジョブ実行制御部によって実行されるジョブの内容を解析し、そのジョブが前記所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部において前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記管理サーバに前記変更用課金マップの送信を要求して前記変更用課金マップを取得する課金マップ再取得部と、
をさらに備え、
前記課金マップ切替部は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たした場合、前記課金計算部が参照する課金マップを、前記課金マップ再取得部が取得した前記変更用課金マップに変更することを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記課金マップ送信部が送信する前記変更用課金マップは、前記基本課金マップの一部を書き換えるための情報であることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行に伴い、前記管理サーバに対してジョブの実行状況を通知するジョブ実行状況通知部をさらに備えると共に、
前記管理サーバは、前記画像形成装置から通知されるジョブの実行状況に基づいてそのジョブの実行中に前記課金計算部が参照する課金マップを変更するか否かを判定する課金マップ切替判定部をさらに備えており、
前記課金マップ送信部は、前記画像形成装置におけるジョブ実行初期段階で課金計算を行う際に参照するための基本課金マップを送信した後、前記課金マップ切替判定部が課金マップを変更する判定を行った場合、前記基本課金マップから切り替えるための変更用課金マップを前記画像形成装置に送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記所定の条件は、ジョブの実行による印刷枚数、ステープル数およびトナー消費量のうちの少なくとも一つについて定められることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成システム。
【請求項8】
第1の画像形成装置と、第2の画像形成装置と、管理サーバとがネットワークを介して相互にデータ通信可能に構成された画像形成システムであって、
前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれは、
前記管理サーバから前記ネットワークを介して課金マップを取得する課金マップ取得部と、
前記課金マップに基づいてジョブの実行に伴う課金計算を行う課金計算部と、
ジョブの実行状況を前記管理サーバに通知するジョブ実行状況通知部と、
を備え、
前記管理サーバは、
前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれに対してジョブ実行初期段階で課金計算を行うための基本課金マップを送信する課金マップ送信部と、
前記基本課金マップの送信後、前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれから受信するジョブの実行状況の通知に基づいて前記第1および第2の画像形成装置で実行される複数のジョブが所定の条件を満たすか否かを判定する課金マップ切替判定部と、
を備え、
前記課金マップ送信部は、前記課金マップ切替判定部による判定結果に基づいて前記基本課金マップから切り替えるための変更用課金マップを前記第1および第2の画像形成装置のそれぞれに対して送信することを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
ジョブの実行を制御するジョブ実行制御部と、
ジョブの実行に伴って課金計算を行うための課金マップを記憶する記憶部と、
前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行に伴い前記記憶部に記憶されている課金マップを参照して課金計算を行う課金計算部と、
前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が所定の条件を満たしたとき、前記課金計算部が参照する課金マップを変更する課金マップ切替部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶部は、ジョブ実行の初期段階で課金計算を行う際に参照するための基本課金マップと、ジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたときに、前記基本課金マップから切り替えるための変更用課金マップとを記憶しており、
前記課金マップ切替部は、前記ジョブ実行制御部によるジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたとき、前記課金計算部が参照する課金マップを、前記基本課金マップから前記変更用課金マップに変更することを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
【請求項11】
ネットワークを介して管理サーバとデータ通信を行うネットワークインタフェースと、
前記ネットワークインタフェースを介して前記管理サーバから取得する前記基本課金マップを前記記憶部に格納する課金マップ取得部と、
前記ジョブ実行制御部によって実行されるジョブの内容を解析し、そのジョブが前記所定の条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部において前記所定の条件を満たすと判定された場合、前記ネットワークインタフェースを介して前記管理サーバに前記変更用課金マップの送信を要求し、前記管理サーバから前記変更用課金マップを取得して前記記憶部に格納する課金マップ再取得部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置におけるジョブの実行に伴って行う課金計算方法であって、
ジョブ実行初期段階での課金計算を行うための基本課金マップと、ジョブの実行状況が所定の条件を満たした段階での課金計算を行うための変更用課金マップとをジョブの実行に先立って取得するステップと、
ジョブの実行を開始するステップと、
開始されたジョブの実行に伴って前記基本課金マップに基づいて課金計算を行うステップと、
ジョブの実行状況が前記所定の条件を満たしたとき、前記課金計算において参照する課金マップを前記基本課金マップから前記変更用課金マップに変更するステップと、
ジョブの実行状況が前記所定の条件を満たした後、ジョブの実行に伴って前記変更用課金マップに基づいて課金計算を行うステップと、
を有することを特徴とする課金計算方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2010−218337(P2010−218337A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−65474(P2009−65474)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】