説明

画像形成方法、制御プログラム、端末装置、及び画像形成システム

【課題】 操作性のよいステータスモニターを描画する画像形成方法を提供する。
【解決手段】まずは、画像形成装置のステータス情報を取得する。その後、画像形成装置から取得した前記ステータス情報を基にして画像形成装置を重ね合わせて表示するための座標を計算する。そして、ポインティングデバイスの状態により主にY軸回りに座標を回転させる。この回転の際に、画像形成装置の座標とユーザーの視点との距離により回転の速度を変化させる。最終的には、計算された座標で画像形成装置の3Dモデルをステータスモニターとして描画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成方法、制御プログラム、端末装置、及び画像形成システムに係り、特に立体的に画像形成装置の状態を描画する画像形成方法、制御プログラム、端末装置、及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(パーソナル・コンピュータ)の普及に伴って、PCのデータをプリントするプリンタ等の印刷装置と、スキャナやFAXや印刷装置等を含む複合機、MFP(Multifunction Peripheral)といった画像形成装置が普及してきている。
【0003】
これらの画像形成装置は、ネットワークに接続されていることが多い。また、大規模な企業等のオフィスにおいては、複数の場所に複数の画像形成装置が設置されている。
大規模なオフィスにおいては、これらの画像装置を多数の人間が分け合って使うために、ジョブ(印刷等の仕事の単位)が1つの画像形成装置に集中すると、必要な印刷やスキャンやFAXを行うのにユーザーがジョブ終了まで長い時間待たされるという事態が生じる。また、画像形成装置が紙詰まりやトナー切れや故障を起こして稼働していない場合に、その画像形成装置にジョブを送信するとエラーとなり、別の画像形成装置を選択し直す手間がかかる。
このため、従来から、印刷等のジョブの溜まり具合、プリンタの稼働状態、画像形成装置の性能等を閲覧するステータス(状態)モニター等と呼ばれるプログラムが用いられている。ユーザーは、このステータスモニターにより、画像形成装置の状態を確認し、ジョブが蓄積しておらず印刷可能といったステータスの画像形成装置を選択して、印刷等を行うことができる。
【0004】
従来のステータスモニターとして、図8を参照して、マイクロソフト社製のWindows(登録商標)XPやVistaをインストールしたPCのステータスモニターの例について説明する。
図8では、まず、画像形成装置を選択するためにOSのデバイスドライバに含まれる機能であるプリンタ選択用プルダウンメニュー850を呼び出す。そして、列挙されている複数の画像形成装置の中からユーザーが所望する画像形成装置をクリック(ダブルクリック)することで、選択された画像形成装置のステータスモニター800が起動される。
このステータスモニター800は、選択された各画像形成装置にユーザーが印刷を行ったスプール中の印刷データの数等を表示することができる。
しかしながら、ステータスモニター800のような従来のステータスモニターは、複数の画像形成装置の情報を同時に表示するためには、いちいちプリンタ選択用プルダウンメニュー850から画像形成装置を選択して、複数のステータスモニター800を開く必要があった。また、他の人がその画像形成装置で印刷を行っている際など、その画像形成装置の情報を取得して一覧表示するような機能もなかったために、視認性や操作性が悪く、ユーザーの使い勝手が悪かった。
【0005】
そこで、従来の視認性を改善したステータスモニターとして、特許文献1を参照すると、ネットワークに接続されている画像入出力デバイスのレイアウトとステータスをクライアント側に表示して適切なデバイスを迅速に選択できるネットワーク接続デバイスの表示選択装置が開示されている(以下、従来技術1とする。)。
【0006】
従来技術1のネットワーク接続デバイスの表示選択装置は、サーバと複数の画像入出力デバイスが接続されたネットワーク上のクライアントに構築され、ネットワークに接続された画像入出力デバイスの配置図面情報及び各画像入出力デバイスのステータス情報を表示するレイアウト表示手段を備えている。また、ファイルの入出力処理を実行する画像入出力デバイスを、前記レイアウト表示手段により表示された画像入出力デバイスから選択するデバイス選択手段を備えている。
これにより、ネットワークに接続されている画像入出力デバイスのレイアウトとステータスをクライアント側に表示して、適切なデバイスを迅速に選択できるネットワーク接続デバイスの表示選択装置を提供することができるという効果が得られる。
【0007】
このような、従来技術1の接続デバイスの表示選択装置では、PCの表示装置で大きな表示エリアがレイアウト表示用に必要であった。
このため、図9を参照すると、より簡易的に、レイアウト表示は行わず、各画像形成装置の形状を図示的に表示して分かりやすく表示するステータスモニター900が用いられている。
このような図示的に表示するステータスモニター900では、各画像形成装置を実際の形状に従って描画し、各画像形成装置のステータスの変化を検知して、ポップアップを表示する。ここでは、左から3番目の画像形成装置のステータスとして、ポップアップ910の「Not connected」(接続されていない)という状態を検知して表示している。
【0008】
【特許文献1】特開2005−250601号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術1のネットワーク接続デバイスの表示選択装置においては、レイアウト表示のために画面上の大きな面積の表示エリアが描画用に必要であった。
しかしながら、各画像形成装置の形状を図示的に表示して分かりやすく表示するステータスモニターを用いた場合であっても、多数の画像形成装置のステータスを表示しようとすると、画面上の表示エリアの面積が増えてしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の画像形成方法は、画像形成装置のステータス情報を取得するステップと、前記画像形成装置から取得した前記ステータス情報を基にして前記画像形成装置を重ね合わせて表示するための座標を計算するステップと、端末装置の入力手段の状態により前記画像形成装置の前記座標を回転させるステップと、前記画像形成装置の座標と視点との距離により前記回転の速度を変化させるステップと、前記画像形成装置のモデルを、計算された前記座標でステータスモニターとして描画するステップとを備えることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、前記入力手段が押下された状態で動かされることを検知して、動かされる量により回転させる角度を変化させるステップを更に備えることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、前記入力手段のポインタが前記ステータスモニターのウィンドウの両端領域に停止していることを検知して、回転を開始するステップと、前記両端領域からポインタが動かされることを検知して、回転を停止するステップとを更に備えることを特徴とする。
本発明の制御プログラムは、前記画像形成方法の各ステップをコンピュータが実行可能な制御プログラムであることを特徴とする。
本発明の端末装置は、複数の画像形成装置と接続された端末装置において、前記画像形成装置の情報を取得する画像形成装置情報取得手段と、前記画像形成装置の情報を基にして前記画像形成装置を重ね合わせて描画するための座標の計算を行う座標計算手段と、前記画像形成装置を選択するためのポインティングデバイスを含む入力手段と、前記入力手段の状態により前記画像形成装置の座標を回転させる計算を行う回転描画計算手段と、前記画像形成装置の座標と視点との距離により前記回転の速度を変化させる回転速度変化計算手段と、前記画像形成装置のモデルを、重ね合わされた座標でステータスモニターとして描画するステータス立体描画手段とを備えることを特徴とする。
本発明の画像形成システムは、ステータス情報を記憶した画像形成装置と、前記画像形成装置の情報を取得する画像形成装置情報取得手段と、前記画像形成装置から取得した前記ステータス情報を基にして前記画像形成装置を重ね合わせて描画するための座標の計算を行う座標計算手段と、前記画像形成装置のモデルを重ね合わせられた座標でステータスモニターとして描画するステータス立体描画手段と、前記画像形成装置を選択するためのポインティングデバイスを含む入力手段と、前記入力手段の状態により前記画像形成装置の前記座標を回転させる計算を行う回転描画計算手段と、前記画像形成装置の座標と視点との距離により前記回転の速度を変化させる回転速度変化計算手段とを備えた端末装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各画像形成装置を立体的に描画するステータスモニターを備えることで、画面上の表示エリアの占有エリアの面積を増やすことなく視認性高く表示でき、さらに、回転速度を変化させることでユーザーの操作性を高めた画像形成方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<第1の実施の形態>
(画像形成システムXのシステム構成)
図1を参照すると、本発明の実施の形態に係る画像形成システムXは、画像形成装置10−1〜10−nと、PC20(端末装置)とが、インターネットやイントラネット等であるネットワーク5を介して接続されている。
ネットワーク5は、LAN、無線LAN、WiMAX、PLC、c.link等のイントラネット/インターネット等のIPネットワーク等であり、外部のネットワークと接続することもできる。
画像形成装置10−1〜10−nは、プリンタやデジタル複合機やMFP等の画像形成装置である。以下では、画像形成装置10−1を、これらの画像形成装置の代表として記載する。
PC20は、一般的なPC/AT互換機やMAC規格機等のPC、PDA等の携帯端末、携帯電話等の端末である。
なお、サーバを別途用意して、このサーバにUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)やi.link(登録商標、IEEE1394)等の端子を用いて画像形成装置10−1〜10−nを接続し、ネットワーク5を介して印刷を行うこともできる。また、PC20に、USBやi.link等で直接画像形成装置10−1〜10−nを接続することもできる。
【0014】
(画像形成装置10−1の制御構成)
次に、図2を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成装置10−1の制御構成について説明する。
画像形成装置10−1は、画像形成装置10の総合的な制御を行うコントローラ部110と、FAX送信を行うFAX部120と、光学スキャナを備えたスキャナ部130と、ユーザーにより画像形成装置の設定を閲覧・変更するための操作パネル部140と、印刷用エンジンであるエンジン部150等を備えている。
これらの各部位は、例えば、共通のバスで接続されてコントロールされる。
【0015】
さらに詳しく説明すると、コントローラ部110は、CPUやMPU(マイクロ・プロセッシング・ユニット)やDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等の制御部、RAMやROMやHDDやフラッシュメモリ等である記憶部と、USB、LANインターフェイス等のインターフェイス、各種I/Oを備えており、画像形成装置10の全体的な制御を行う部位である。
さらに、コントローラ部110は、ネットワーク5に接続するための、LANインターフェイス等を備えている。このLANインターフェイスは脱着可能であり、ネットワーク5の各種のネットワークに対応できる。そして、PC20からの印刷データを受信し、また、後述する性能記述部115の情報や、ステータス情報117を送信可能である。
【0016】
また、コントローラ部110は、性能記述部115と、ステータス情報117とを、ROM、HDD、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部位に備えている。
性能記述部115は、画像形成装置10−1の情報を記述している部位であり、機種名、製造番号、白黒・カラーの印刷方式、印刷可能な用紙の種類、IPアドレス、設置場所等の画像形成装置10−1のプロパティ等に関する情報が記憶されている。この性能記述部115は、後述するステータス取得処理の際に送信され、PC20の記憶部220に記憶しているデバイスドライバ221の画像形成装置情報223(後述の図3参照)に記憶される。
ステータス情報117は、コントローラ部110の制御部により、画像形成装置10−1のステータスを記述し記憶する部位である。このステータスとしては、印刷・FAX・スキャナ等のジョブの状況、プリンタの用紙やトナーの残量・不足状態等の状況、備えられている用紙カセットの種類、用紙残量、故障状況等の稼働時に取得するための任意の情報を記憶可能である。このステータス情報117の情報も、ステータス取得処理の際に送信され、PC20の画像形成装置情報223に記憶される。
また、コントローラ部110の不揮発性の記憶部位には、ユーザーがログインを行う際のログイン情報や、オンラインスキャナやFAXの送付先等の情報についても記憶している。
【0017】
FAX部120は、FAX送受信を行う部位であり、通常の電話回線やISDN回線等と接続されている。また、FAX部120は、FAXで送信されてきた画像を、コントローラ部110の記憶部に記憶することができる。
スキャナ部130は、光学スキャナと、オートシードフィーダ等を備える部位である。光学スキャナは、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CIS(Contact Image Sensor)イメージセンサ、CCDアレイ、CISアレイ等の光学素子を使用することができる。このスキャナ部130で取得した画像データについても、コントローラ部110の記憶部に記憶することができる。
【0018】
操作パネル部140は、画像形成装置10−1をユーザーが使用する場合の指示や、各種設定のインターフェイスの機能をもつ部位である。操作パネル部140は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイやLED等である表示部145と、テンキーやボタンやRFIDセンサーや生体認証センサー等である入力部146とを備えている。
操作パネル部140は、印刷やFAXやスキャナ送信時に、入力部146に入力されたユーザーのボタン操作等の指示を検知して、ユーザー認証を行うことができる。また、スキャナやFAX送信の際の送信先等に対するユーザーの入力を検知することもできる。そして、これらの操作の際の情報を、表示部145に表示することができる。
【0019】
エンジン部150は、レーザープリンタのような、レーザーとポリゴンミラー又はLEDアレイ、感光体(ドラム、転写ベルト等)、トナーカートリッジを着脱可能なトナー供給部、制御部、RAM・ROM・フラッシュメモリ等を備えているような、公知のMFPの印刷部と同等の部位である。また、インクジェット式や昇華式のプリンタの場合は、それぞれの方式に係る公知の印刷エンジン部位と同様の機能を備えている。
【0020】
(PC20の制御構成)
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態に係るPC20の制御構成をさらに詳しく説明する。
PC20は、PC/AT互換機規格等のPC、携帯電話、スマートフォンやPDA等の携帯端末等であり、汎用性をもった計算機である。
PC20は、CPU(中央処理装置)等である制御部210と、RAM(主記憶装置)やROMやフラッシュメモリやHDD(補助記憶装置)等である記憶部220とが、RAMコントローラやビデオコントローラや各種I/O等であるチップセット230と接続されている。チップセット230には、ネットワーク5に接続するためのLANインターフェイス等であるネットワーク接続部240も接続している。
また、PC20には、液晶ディスプレイ等である表示部250と、キーボードやテンキーやポインティングデバイス(マウス、タッチパッド等)等である入力部260(入力手段)とを備えている。
なお、AMD社製のCPUやインテル社製のCPUであるCore i7等では、チップセットにはRAMコントローラを内蔵せずに、CPUに内蔵している。また、チップセット230と表示部250との間に、PCI−Expresバスで接続するビデオカード等を備えていてもよい。
【0021】
また、PC20には、記憶部220のHDDやフラッシュメモリドライブ等には、ウィンドウズ(登録商標)やLinux(登録商標)等の各種OSがインストールされている。
このOS上では各種アプリケーションプログラム(アプリケーション)が動作する。また、これらのアプリケーションから印刷するための、画像形成装置のデバイスドライバ221等が、記憶部220のHDDやフラッシュメモリドライブ等にインストールされて備えられている。
【0022】
デバイスドライバ221(ドライバ)は、OS上で動作する画像形成装置10−1〜10−n用のデバイスドライバである。デバイスドライバとは、OS上で各種の周辺機器に対して処理を遂行するためのプログラム(ソフトウェア)のことである。デバイスドライバ221は、対応機種であれば、画像形成装置10−1〜10−nの種類が異なっても切り換えて印刷データを各画像形成装置に送信可能である。
また、デバイスドライバ221は、オブジェクト形式で提供することができ、データやデータベースとクラス(オブジェクト、プログラム)を含んで構成される。このクラスとしては、OSのメッセージ管理機能を用いてGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)での各種設定を行う機能も備えている。
【0023】
また、デバイスドライバ221は、データベースとして、画像形成装置情報223、ステータス座標情報225とを備えている。また、クラスとして、画像形成装置情報取得部222(画像形成装置情報取得手段)、画像形成装置座標計算部224(座標計算手段)、ステータス立体描画部226(テータス立体描画手段)、判別用描画部227(判別用描画手段)、回転描画計算部228(回転描画計算手段)、角速度変化計算部229(回転速度変化計算手段)、両端領域検出部255(両端領域検出手段)、を備えている。
画像形成装置情報取得部222は、後述する画像形成装置情報取得部処理によって、それぞれの画像形成装置10−1〜10−nから、性能記述部115のプロパティに係る情報と、ステータスに係るステータス情報117とを取得する部位である。
画像形成装置情報223は、画像形成装置情報取得部222がそれぞれの画像形成装置10−1〜10−nから取得した性能記述部115のプロパティに係る情報、ステータス情報117のステータスに係る情報、ユーザーが入力して記憶させた性能情報、画像形成装置の機種に対応する3D(三次元)モデリングデータ等を記憶したデータベースである。このモデリングデータとしては、画像形成装置の外観を基に各機種の特徴を分かりやすく表現するよう3Dモデリングを行い、同一の機種は同一のデータを用いることができる。さらに、画像形成装置の各開閉部を開閉したり故障箇所をアニメーション表示する「ボーン」のような可動部のモデリングのための情報についても記憶する。
画像形成装置座標計算部224は、画像形成装置情報223に従って、座標データを計算する。この座標データとしては、後述するように、XYZ座標(X:左右方向、Y:上下方向、Z:奥行き方向)のうち、表示画面(ビューポート)に対して立体的な上下方向軸であるY軸周りの回転を行った仮想的なリング上の位置を計算する。また、ステータス情報に従って、例えば、故障箇所を示す箇所のポリゴンの座標やボーンといった3Dモデリングデータの動きに関する計算も行って、座標データとする。さらに3Dモデリングデータを2D(二次元)に表示するようにアフィン変換等の計算を行って、レンダリング用の座標を座標データに加えることもできる。
ステータス座標情報225は、画像形成装置座標計算部224により計算した3Dモデリングデータを描画する際の座標データを記憶している。また、ステータス情報のうち、後述するように故障があった場合等の、特にユーザーに通知する必要があるデータの状態等についても記憶している。
ステータス立体描画部226(画像形成装置描画手段)は、画像形成装置10−1〜10−nと、後述する選択された画像形成装置を、3Dで表示部250に表示するための部位である。この3Dで表示するために、OpenGLやDirectXといった3D表示用のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を用いるのが好適である。
判別用描画部227は、それぞれの画像形成装置10−1〜10−nのうち同一の機種が含まれている場合に、後述するように、その画像形成装置を後述するように色を変化させたり番号をつけたり判別用情報を表示したりといった判別用描画を行う部位である。
回転描画計算部228は、ユーザーが後述する入力部260のポインティングデバイスを動かしたり、ホイールを回転させたりしたことを検知して、後述する仮想リング上の画像形成装置の3Dモデリングデータの座標を回転計算する部位である。
角速度変化計算部229は、画像を描画する際に、画像形成装置の3Dモデリングデータがビューポートの最前面に近く描かれている場合には軸回りの回転速度である角速度を減少させる計算を行う部位である。また、画像形成装置の3Dモデリングデータが最前面から離れている場合には、早く最前面まで移動するように角速度を増加させる計算を行う。
両端領域検出部255は、ユーザーが入力部260のポインティングデバイスで画面上でポインティングされている箇所の画面上の座標を取得する。この上で、画面上の座標が、後述する図6の左端領域550や右端領域555等である「両端領域」内にあるかを検出する部位である。
【0024】
デバイスドライバ221は、実際には、仮想デバイスドライバのようなデバイスドライバとして構成することができる。すなわち、デバイスドライバ221は、画像形成装置10−1〜10−nの各画像形成装置のデバイスドライバに印刷データを送信する前に、該印刷データをフェッチ(取得)して各画像形成装置を選択して送信することもできる。
ユーザーは、デバイスドライバ221をインストールすると、自動的にそれまでインストールされていたドライバを検出して、このドライバとそのドライバ用に接続された画像形成装置の情報を取得するポーリングを行って、画像形成装置情報223に記憶するように構成可能である。この際に、ネットワーク5から、複数の画像形成装置10−1〜10−nが同一の機種の画像形成装置であっても、それぞれの画像形成装置の情報を取得して、後述するようにステータスモニターとして描画する。
【0025】
〔画像形成システムXによるステータス表示と印刷処理〕
ここで、図4〜図7を参照して、本発明の実施の形態に係る画像形成システムXによるステータス表示と印刷処理について説明する。
上述したように、従来、PCに多数の画像形成装置が接続されている場合、ステータスモニターのPCの表示部250の画面上の占有面積を増えてしまうという問題があった。すなわち、従来は、画像形成装置毎に所定の表示エリアの面積を占有するため、同時表示台数が増えると台数分だけ表示エリアの面積が増える。
このため、本発明の画像形成システムXにおいては、ステータスモニターの表示エリア(領域)は所定の大きさとして、この表示エリア内に仮想的なリング状にそれぞれの画像形成装置10−1〜10−nを配置し、3D表現により各画像形成装置の描画を行う。
この際に、通常、描画領域内の前側(リングの手前側)に位置している画像形成装置は、ユーザーが入力部260のポインティングデバイスで直接クリック等をする事で選択可能である。しかし、仮想的なリングの奥側に位置していたり、画像形成装置の追加機器であるオプションによって隠されてしまっている画像形成装置を選択する場合には、仮想的なリングを回転させる必要がある。
本発明の実施の形態に係る画像形成システムXにおいては、この仮想的なリングを回転させる場合:
・入力部260のポインティングデバイス等の動きに従って回転させる
・ステータスモニターの表示エリアの左右の両端領域でマウスを停止した場合にリングを回転させる
・リングの回転に関して、描画する画像形成装置が比較的少ない場合に、最前面に画像形成装置が表示されている場合と、表示されていない場合とでは、回転の速度を変える
といった処理を行うことで、より操作性が高い画像形成装置のステータスモニターを提供することができる。
以下で、図4のフローチャートを参照して、各処理について詳しく説明する。
【0026】
(ステップS101)
PC20の制御部210は、画像形成装置情報取得部222を用いて、画像形成装置情報取得処理を行う。
具体的には、制御部210は、デバイスドライバ221の画像形成装置情報取得部222により、画像形成装置の情報を取得するポーリングを行う。このポーリングでは、それぞれの画像形成装置10−1〜10−nから、プロパティに係る情報である性能記述部115と、ステータスに係るステータス情報117との送信を、コントローラ部110に要求する。
それぞれの画像形成装置10−1〜10−nのコントローラ部110は、性能記述部115とステータス情報117とをネットワーク5を介して送信する。
制御部210は、この性能記述部115とステータス情報117とを受信すると、画像形成装置情報223として記憶する。
このポーリングについては、1秒〜数十秒間隔の所定の間隔で行って、画像形成装置情報223を最新の情報に更新するのが好適である。この所定の間隔は、ユーザーが設定可能である。
【0027】
(ステップS102)
次に、PC20の制御部210は、画像形成装置座標計算部224を用いて、画像形成装置座標計算処理を行う。
この画像形成装置座標計算処理としては、それぞれの画像形成装置10−1〜10−nについて、仮想的なリング上に配置した座標を計算する。すなわち、3次元のXYZ座標のうち、各画像形成装置をY軸周りに円形に配置した座標を計算する。この際に、各画像形成装置の3Dモデリングデータの座標から、ボーリングを行った画像形成装置10−1〜10−nの3Dモデリングデータのポリゴンが交差しないように直径等を算出し、角度を等分等にて配置する。
また、PC20の制御部210は、上述のポーリングにより取得した画像形成装置情報223を用いて、故障箇所があったり、トナー切れや用紙切れであるような問題のある画像形成装置を最前面に配置して表示する。具体的には、奥行き方向であるZ座標を視点にもっとも近づけるように計算を行うことで最前面に配置することができる。この際、ポーリングして問題のある画像形成装置が見つかった際、瞬間的に各画像形成装置の配置が変化しないように表示することが好ましい。すなわち、回転等のアニメーション表示を行い、座標を時間経過とともに段階的に変化させる。
さらに、PC20の制御部210は、ステータス情報に従って、例えば、故障箇所を示す箇所のポリゴンの座標やボーンといった3Dモデリングデータの動きに関する計算も行う。この計算でもアニメーション表示を行うように、座標を段階的に変化させるとよい。また、故障箇所を、拡大表示したり点滅したりして、ユーザーの注意を惹くようにアニメーション表示を行ってもよい。
逆に、問題ある画像形成装置がない場合には、ユーザーが元々印刷するために選択していた画像形成装置や、デフォルト(規定)の画像形成装置を最前面に配置して表示するようにする。
これらの座標計算を行った後に、PC20の制御部210は、座標データをステータス座標情報225として記憶する。
なお、この画像形成装置の座標計算処理としては、画面上に投影される際に重ね合わせて表示するようにすれば、リング状ではなく、例えば、直線上のように重なっていても構わない。
【0028】
(ステップS103)
次に、PC20の制御部210は、ステータス立体描画部226を用いて、画像形成装置描画処理を行う。
具体的には、制御部210は、ステータス立体描画部226を用いて、ステータス座標情報225を基に、それぞれの画像形成装置10−1〜10−nを3D描画する。
この際には、制御部210はステータス立体描画部226により、それぞれの画像形成装置10−1〜10−nについて、画像形成装置情報223から機種毎の3Dモデリングデータを取得する。この取得の際には、ステータス座標情報225に従い、それぞれの画像形成装置10−1〜10−nに、フィニッシャーや拡張トレイ等の追加機器であるオプションがある場合には、そのオプションを備えた3Dモデリングデータを取得するのが好適である。また、逆に、同一の機種である場合や、機種間の差異が少ない場合は、同一の3Dモデリングデータを取得することもできる。これによりデバイスドライバ221の記憶容量を少なくすることができる。
なお、演算の負担を軽くするために、3Dモデリングデータではなく、単なるテクスチャ情報やスプライトのような2D(二次元)の画像データを取得して、これを透視変換し、後述するビルボードのように2Dモデルとして表示することも可能である。
【0029】
図5を参照すると、制御部210は、3Dモデリングデータを取得した後、ステータス立体描画部226を用いて、各3Dモデリングデータを、2D(二次元)に表示するようにアフィン変換を用いた透視変換等の計算を行う。この透視変換を行う際に、Z座標が背面にある画像形成装置を、より遠く(小さく)表示したり、重なり具合を調整することで視認性を高めることができる。また、画像形成装置10−1〜10−nについて、同一の3Dモデリングデータを取得した場合は、その旨をステータス座標情報225に記憶する。
そして、制御部210はステータス立体描画部226から、OSのAPIを呼び出して、3Dモデリングデータの各ポリゴン(多面体)について、隠面処理、z−バッファ処理、シェーディング(影)計算等を行って、表示用バッファを作成し、3次元的に3Dモデルとして描画(レンダリング)を行う。
ステータスモニター500は、この表示用バッファの内容をステータスモニターとして表示した例である。
ステータスモニター500は、それぞれの画像形成装置がオプションを備えている状態についても表示しているため、ユーザーは容易に選択することが可能になる。また用紙切れやトナー切れ等の障害が発生している場合は、その状況も問題ある画像形成装置の上部等にポップアップとして表示されるため、ユーザーは状況に応じた画像形成装置の選択が可能になる。
【0030】
(ステップS104)
次に、PC20の制御部210は、判別用描画部227を用いて、画像形成装置判別描画処理を行う。この処理は、上述のようにそれぞれの画像形成装置10−1〜10−nについて、機種が同一の場合等で同一の3Dモデリングデータを取得した場合、各画像形成装置が区別できなくなるため、差異が判別できるようにする描画を行う処理である。
具体的には、制御部210は、判別用描画部227にてステータス座標情報225を参照し、判別のために役立つ情報IPアドレスやその機種の置かれている場所やより単純に数字の「1」「2」などの表示について、例えば常に視点方向を向くポリゴン上に「ビルボード」として表示することができる。このビルボードは、他の画像形成装置を隠したり/隠れてしまわないように、半透明等の表現を用いて表示用バッファに描画することもできる。さらに、同一の3Dモデルを取得画像形成装置の色の違いや質感の違い等で表現することもできる。この際の情報の描画においては、同一の画像形成装置10−1〜10−nは、例えば同一の数字や色で表示するようにする。また、どの情報を表示するかについては、ユーザーにより設定可能である。
また、上述の問題のあった画像形成装置がある場合には、ポップアップ表示を行うことができる。このポップアップ表示も、ビルボードにより各画像形成装置の状態について点滅やアラート等として表示可能である。
【0031】
(ステップS105)
次に、PC20の制御部210は、回転描画計算部228を用いて、ドラッグ&回転処理を行う。
上述したように、通常、仮想的なリング上に配置している画像形成装置は、ポーリングにより(1)問題がある画像形成装置が手前に表示されるよう描画され、(2)問題がある画像形成装置がなかった場合は、デフォルトの画像形成装置が手前に表示されるように描画される。
さらに、ユーザーは、図5のステータスモニター500の表示領域(ウィンドウ)にて、表示された画像形成装置をクリックすることで、その画像形成装置を選択して表示可能である。このように選択されると、アニメーション表示を行って、選択された画像形成装置を最前面に配置する。
しかしながら、ユーザーが仮想的なリングの後ろに位置していたり、手前の画像形成装置の3Dモデルに隠れてしまっている画像形成装置を選択する場合には、直接、クリック等により選択することができない。特に、ステータスモニター500の表示領域が小さく相対的に3Dモデルを大きく描画する場合や、オプション等が装備された大きな3Dモデリングデータを描画する場合(ケース)場合は、手前の画像形成装置の3Dモデルが背後の画像形成装置との3Dモデルが隠されて表示されることがある。
よって、ユーザーは、一旦、隠されて表示されていない手前の画像形成装置を選択した上で、仮想的なリングを回転させる必要がある。
【0032】
そこで、ドラッグ&回転処理では、仮想的なリングを回転させる処理を行う。
具体的には、まず、制御部210は、回転描画計算部228により、ユーザーにより入力部260のマウス等のポインティングデバイスが、クリック等されて押下等されている状態であることを検知する。そして、その押下等された状態のままポインティングデバイスを左右に移動させる事で、その方向に、ポインティングデバイス等の移動速度や角速度等に合わせて左右に回転を行う。
また、この回転については、制御部210は、回転描画計算部228により、上述のステップS102の画像形成装置座標計算処理のように、配置した画像形成装置のY軸回りの角度を右又は左回りに回転させて計算することで行う。
ユーザーがポインティングデバイスを押下した状態から離した場合、制御部210は、回転描画計算部228により、この回転を停止する。そして、Z軸上で一番ユーザーの視線に近い手前に描画されていた画像形成装置を選択する。すなわち、マウス等によるドラッグ&ドロップに近い操作感覚で、背後に描画されていたり隠れて描画されていた画像形成装置を選択することができる。
その上で、PC20の制御部210は、回転描画計算部228を用いて、選択された画像形成装置がY座標的に視点と一番近い最前面となるように描画する。この際に、残りの角度を段階的に回転させるアニメーション表示を行ってもよい。
これにより、選択により最前面に描画されている画像形成装置より印刷出力が可能になる。
【0033】
なお、ユーザーがポインティングデバイスを上下に移動した場合には、例えば上の場合は左、下の場合は右に回転させることもできる。
また、ポインティングデバイスのポインタがステータスモニター500の表示領域に表示されている際に、入力部260のホイール等を回転させたときにも同様に左右に回転させることができる。
さらに、上述のようなマウスにドラッグ&ドロップに近いユーザーの操作の他に、ペン入力でのタッチペンの押下と押下したままの「引きずり」についても、同様の回転を行うことができる。
【0034】
(ステップS106)
PC20の制御部210は、両端領域検出部255を用いて、両端領域回転処理を行う。
図6を参照して説明すると、この処理においては、制御部210は、両端領域検出部255により、ユーザによりマウス等のポインティングデバイスのポインタがステータスモニター500の表示領域に表示されている左端領域550又は右端領域555で停止したことを検知する。この左端領域550又は右端領域555は、ステータスモニターのウィンドウの左右それぞれ20〜30%程度の表示領域を両端領域として用いることができる。
ポインタが左端領域550に停止した場合には、仮想的なリングをY軸上で左側に回転する。逆に、ポインタが右端領域555に停止した場合には、右側に回転する。これらの回転については、アニメーション表示により所定のインターバルで段階的に回転角を増加又は減少させることで回転させるような計算を行う。
ここで、制御部210は、両端領域検出部255を用いて、ポインティングデバイスの移動についても検知する。移動が確認された場合には、仮想的なリングの回転速度を小さくする計算を行う。
また、制御部210は、両端領域検出部255を用いてポインティングデバイスのクリック等についても検知する。このクリックを検知すると、仮想的なリングの回転を停止する計算を行う。
逆に、制御部210は、両端領域検出部255を用いて、左端領域550又は右端領域555でのポインタの停止を継続した場合、リングの回転速度を徐々に大きくする計算を行う。
【0035】
(ステップS107)
ここで、PC20の制御部210は、角速度変化計算部229を用いて、角速度変更処理を行う。
上述の回転の際に、描画する画像形成装置10−1〜10−nの3Dモデルの数が比較的少ない場合、例えば、3〜6台以下の場合は、画像形成装置が最前面に表示されていない時間が比較的長くなる。
そこで、仮想的なリングの回転に際して、ユーザーの最前面であるZ軸の最前面近くに画像形成装置が描画されている場合と描画されていない場合とで、回転速度を変更するための角速度変更処理を行う。
具体的に、図7を参照して説明すると、この角速度変更処理では、仮想的なリングである仮想リング700上に、画像形成装置10−1〜10−nが描画されている。そして、図7の例では、各画像形成装置は、時計回り(右向き)に回転しているとする。
ここで、図7(a)のように、最前面近くに画像形成装置の1つである画像形成装置10−1が表示されている場合は、制御部210は、角速度変化計算部229により、角速度を下げる。ここでは、最前面は、ユーザーが閲覧する表示部250に表示されるビューポイントを示す。
逆に、図7(b)のように、最前面近くに画像形成装置が表示されていない場合に、制御部210は、角速度変化計算部229により、角速度を上げる。
この角速度の変化は、画像形成装置10−1のZ軸の位置やY軸上の角度により、段階的に増やしたり減らしたりすることができる。たとえば、最前面からプラス/マイナス15度の範囲で、角速度を50%前後変化させることができる。
このように角速度を可変とすることで、描画される3Dモデルが少ない場合に、ユーザーの回転時の待ち時間を減らすことができ、画像形成装置の選択に係る操作性を著しく向上させることができる。
【0036】
なお、描画する3Dモデルの数に従って、この角速度変化処理の角速度の上げ下げの度合いを変化させることができる。たとえば、10台以上描画されている場合には、角速度の変化をほぼ0にすることができる。
さらに、デフォルトの画像形成装置や問題のある画像形成装置が前面に描画されている場合には、角速度をより下げるといった処理も可能である。
【0037】
(ステップS108)
PC20の制御部210は、ユーザーが各種アプリケーションから印刷を指示すると印刷処理を行う。
この印刷処理においては、ユーザーが選択したり、既存の印刷先の画像形成装置として、最前面に描画されている画像形成装置より印刷出力が可能である。
デバイスドライバ221では、アプリケーションの描画データをPDL(ページ記述言語)のデータに変換するなどの、通常の印刷処理を行い、そのPDLのデータを選択された画像形成装置に対してネットワーク5から送信する。また、印刷の結果についても受信して、ポップアップとして表示することができる。
以上により、本発明の実施の形態に係る画像形成システムXによる印刷処理を終了する。
【0038】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
まず、上述したように、従来、PCに多数の画像形成装置がインストールされている場合、ステータスモニターのPCの表示部250の画面上の占有面積を増えてしまうという問題があった。すなわち、従来は、画像形成装置毎に所定の表示エリアの面積を占有するため、同時表示台数が増えると台数分だけ表示エリアの面積が増えるという問題があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る画像形成システムXは、画像形成装置を3Dモデルで仮想的なリング状に描画することで、多数の画像形成装置がPC20に接続されていても表示部の画面上のステータスモニターの占有エリアの面積を増やすことなく視認性高く表示可能である。
【0039】
また、従来、3D表現により仮想的なリング上に配置された3Dモデルを回転させて表示する方法はあった。しかしながら、画像形成装置のステータスモニターに3Dモデルを回転させて表示するように用いると、配置された画像形成装置の表示・選択において、最背面の画像形成装置や、前面にある画像形成装置に隠された画像形成装置の選択の操作性が悪くなるという問題があった。これは、通常、表示する画像形成装置の3Dモデルの数が、ステータスモニターのウィンドウの表示エリアに対して比較的少ないせいであった。
これらの理由により、従来の3Dモデルを回転させるだけのステータスモニターを作成すると、描画する画像形成装置の数が少ない場合は、操作性が落ちるという問題があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る画像形成システムXでは、描画する画像形成装置の3Dモデルの数が少ない場合は3Dモデルが最前面に近いか否かによって回転の角速度を変化させる。これにより、描画する画像形成装置の3Dモデルの数に関わらず、操作性を高めることができるという効果が得られる。
また、本発明の実施の形態に係る画像形成システムXでは、入力部260のポインティングデバイスのドラッグ&ドロップにより回転を行うことで、更に操作性を高めることができる。
さらに、ステータスモニターのウィンドウの表示エリアの左右をポインティングデバイス等のポインタを置くだけで左右に回転するようにしたため、直感的に分かりやすく画像形成装置を選択することができる。
【0040】
なお、上述の回転については、各画像形成装置が一体的に仮想リング上で回転するように記載したが、これに限られない。たとえば、それぞれの画像形成装置について、最前面近くになった場合に加速して、逆に奥側になったら減速するように計算して描画することも可能である。この際に、各画像形成装置の3Dモデルのポリゴンが交差して描画されても、交差せずに描画するように回転速度を制御することもできる。
【0041】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成システムXのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るPC20の制御構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る画像形成システムXのステータス表示と印刷処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係るステータスモニターの例を示す概念図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るステータスモニターの両端領域の構成を示す概念図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る3Dモデルの回転の計算時の角速度変化を示す概念図である。
【図8】従来の画像形成装置のステータスモニターを示す概念図である。
【図9】従来の視認性を改善した画像形成装置のステータスモニターを示す概念図である。
【符号の説明】
【0043】
5 ネットワーク
10−1〜10−n 画像形成装置
20 PC
110 コントローラ部
115 性能記述部
117 ステータス情報
120 FAX部
130 スキャナ部
140 操作パネル部
145、250 表示部
146、260 入力部
150 エンジン部
210 制御部
220 記憶部
221 デバイスドライバ
222 画像形成装置情報取得部
223 画像形成装置情報
224 画像形成装置座標計算部
225 ステータス座標情報
226 ステータス立体描画部
227 判別用描画部
228 回転描画計算部
229 角速度変化計算部
230 チップセット
240 ネットワーク接続部
255 両端領域検出部
500、800、900 ステータスモニター
550 左端領域
555 右端領域
700 仮想リング
850 プリンタ選択用プルダウンメニュー
910 ポップアップ
X 画像形成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置のステータス情報を取得するステップと、
前記画像形成装置から取得した前記ステータス情報を基にして前記画像形成装置を重ね合わせて表示するための座標を計算するステップと、
端末装置の入力手段の状態により前記画像形成装置の前記座標を回転させるステップと、
前記画像形成装置の座標と視点との距離により前記回転の速度を変化させるステップと、
前記画像形成装置のモデルを、計算された前記座標でステータスモニターとして描画するステップとを備える
ことを特徴とする画像形成方法。
【請求項2】
前記入力手段が押下された状態で動かされることを検知して、動かされる量により回転させる角度を変化させるステップを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記入力手段のポインタが前記ステータスモニターのウィンドウの両端領域に停止していることを検知して、回転を開始するステップと、
前記両端領域からポインタが動かされることを検知して、回転を停止するステップとを更に備える
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成方法の各ステップをコンピュータが実行可能な制御プログラム。
【請求項5】
複数の画像形成装置と接続された端末装置において、
前記画像形成装置の情報を取得する画像形成装置情報取得手段と、
前記画像形成装置の情報を基にして前記画像形成装置を重ね合わせて描画するための座標の計算を行う座標計算手段と、
前記画像形成装置を選択するためのポインティングデバイスを含む入力手段と、
前記入力手段の状態により前記画像形成装置の座標を回転させる計算を行う回転描画計算手段と、
前記画像形成装置の座標と視点との距離により前記回転の速度を変化させる回転速度変化計算手段と、
前記画像形成装置のモデルを、重ね合わされた座標でステータスモニターとして描画するステータス立体描画手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項6】
ステータス情報を記憶した画像形成装置と、
前記画像形成装置の情報を取得する画像形成装置情報取得手段と、前記画像形成装置から取得した前記ステータス情報を基にして前記画像形成装置を重ね合わせて描画するための座標の計算を行う座標計算手段と、前記画像形成装置のモデルを重ね合わせられた座標でステータスモニターとして描画するステータス立体描画手段と、前記画像形成装置を選択するためのポインティングデバイスを含む入力手段と、前記入力手段の状態により前記画像形成装置の前記座標を回転させる計算を行う回転描画計算手段と、前記画像形成装置の座標と視点との距離により前記回転の速度を変化させる回転速度変化計算手段とを備えた端末装置と
を備えることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−117977(P2010−117977A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292068(P2008−292068)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】