画像形成組立体及びこれを用いた画像形成装置
【課題】小型化を企図しながら保護部材と案内部材との取り付け精度を緩和できるようにする。
【解決手段】収容容器3に対して感光体4の一部が露出した状態で保持される感光体組立体2と、感光体組立体2の感光体4に対向する部位に現像部材12が位置するように現像容器11に保持される現像組立体10と、感光体組立体2の感光体4と現像組立体10の現像部材12との相互の距離が変化可能になるように感光体組立体2及び現像組立体10を連結する連結機構14と、感光体組立体2の感光体4の露出部分を覆うように保護する保護部材15と、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11に夫々設けられ、両組立体2,10に跨った状態で保護部材15を取り外し可能に案内する案内部材16(16a,16b)とを備える。
【解決手段】収容容器3に対して感光体4の一部が露出した状態で保持される感光体組立体2と、感光体組立体2の感光体4に対向する部位に現像部材12が位置するように現像容器11に保持される現像組立体10と、感光体組立体2の感光体4と現像組立体10の現像部材12との相互の距離が変化可能になるように感光体組立体2及び現像組立体10を連結する連結機構14と、感光体組立体2の感光体4の露出部分を覆うように保護する保護部材15と、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11に夫々設けられ、両組立体2,10に跨った状態で保護部材15を取り外し可能に案内する案内部材16(16a,16b)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成組立体及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置で用いられる画像形成組立体としては、例えば特許文献1ないし5に示すものが知られている。
特許文献1は、プロセスユニットに対して長手方向に抜き取り可能に感光体保護カバーを設ける態様において、この保護カバーを、その長手方向に直交する方向に押圧するか、あるいは、長手方向に僅かに移動させることでプロセスユニットに取り付けるようにした技術である。
特許文献2は、4色一体型のカラー現像カートリッジにおいて、別ピースの把持部材を設け、この把持部材に4色分の現像剤シールを固定し、把持部材を把持して4色分の現像剤シールを同時に引き抜く技術である。
特許文献3は、プロセスカートリッジに像担持体と共に現像装置を設け、現像剤撹拌部内に予め二成分現像剤を収容してシール部材で密封し、使用時にプロセスカートリッジからシート部材を除去する技術である。
特許文献4は、感光体、現像器が収容された感光体ユニットであって、感光体の露出部を覆う保護シールが設けられ、この保護シールには把手が設けられると共に、この把手には現像剤収容部と現像ローラとの間を密閉する現像剤シールが固定され、把手を引っ張ることで保護シール及び現像剤シールを感光体ユニットから取り外す技術である。
特許文献5は、感光体組立体と現像組立体とを揺動自在な連結機構にて連結した技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−35247号公報(実施例,図1)
【特許文献2】特開2003−195614号公報(発明の実施の形態,図7)
【特許文献3】特開2000−258979号公報(発明の実施の形態,図7)
【特許文献4】特開2004−170904号公報(発明を実施するための最良の形態,図4)
【特許文献5】特開平10−186851号公報(発明の実施の形態,図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、小型化を企図しながら保護部材と案内部材との取り付け精度を緩和できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、画像形成装置の筐体に予め設けられた受部に着脱自在に装着され、転写媒体に画像を形成する画像形成組立体であって、少なくとも感光体が収容容器に収容され且つ収容容器に対して感光体の一部が露出した状態で保持される感光体組立体と、少なくとも現像部材が現像容器に収容され且つ前記感光体組立体の感光体に対向する部位に前記現像部材が位置するように現像容器に保持される現像組立体と、前記感光体組立体の感光体と前記現像組立体の現像部材との相互の距離が変化可能になるように前記感光体組立体及び前記現像組立体を連結する連結機構と、前記感光体組立体の感光体の露出部分を覆うように保護する保護部材と、前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器に夫々設けられ、両組立体に跨った状態で前記保護部材を取り外し可能に案内する案内部材とを備えたことを特徴とする画像形成組立体である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成組立体において、前記案内部材は、前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器のうち画像形成組立体の着脱方向に沿って延び、前記保護部材を摺動自在に案内するものであることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成組立体において、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えていることを特徴とする画像形成組立体である。
【0006】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成組立体において、画像形成中の前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との間の位置関係が一定に保たれる位置調整部材を備えていることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る画像形成組立体において、前記保護部材が拘束状態とされるとき、前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との距離が、両者が離れる方向に保持されることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る画像形成組立体において、前記現像組立体は、現像容器内に現像剤が収容される現像剤収容室と、この現像剤収容室と開口部を介して隣接し且つ使用前の初期現像剤が格納される初期現像剤格納室とを有し、現像組立体未使用時には前記初期現像剤格納室及び現像剤収容室間の開口部を密封部材にて密封したものであり、前記密封部材は前記保護部材に固定されており、保護部材と共に移動可能であることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る画像形成組立体において、前記密封部材は、前記案内部材から前記保護部材を取り外したときに、前記初期現像剤格納室と現像剤収容室との間の開口部が開放されて初期現像剤が現像剤収容室に投入されるように保護部材と共に移動することを特徴とする画像形成組立体である。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に係る画像形成組立体のうち、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えた態様において、前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除されるときに、前記保護部材が案内部材に沿って移動を開始し、これに伴って、前記密封部材による密封状態が解除されることを特徴とする画像形成組立体である。
【0007】
請求項9に係る発明は、請求項6ないし8いずれかに係る画像形成組立体において、前記密封部材が初期現像剤格納室に設けられた複数の開口に対応して複数設けられていることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成組立体において、前記複数の密封部材は前記保護部材の取り外しに伴って異なる時点でその密封状態の解除動作を開始するものであることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項11に係る発明は、画像形成装置の筐体に設けられた受部と、この受部に着脱自在に装着される請求項1ないし10いずれかに係る画像形成組立体とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項12に係る発明は、請求項11に係る画像形成装置において、前記画像形成組立体は、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備え、前記筐体には、前記受部に前記画像形成組立体が装着されたときに前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除可能な拘束解除機構が設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に係る画像形成装置において、前記筐体は前記受部に対し前記画像形成組立体が着脱される際に開閉する開閉扉を有し、前記保護部材は、前記筐体の前記受部に前記画像形成組立体を装着したときに前記画像形成組立体から取り外し可能であり、前記画像形成組立体から取り外さない状態では前記筐体の開閉扉の閉動作を阻止するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、感光体組立体の収容容器だけに保護部材に対する案内部材を設ける態様に比べて、画像形成組立体の小型化を図りながら保護部材と案内部材との取り付け精度を緩和できる。
請求項2に係る発明によれば、保護部材の取り外し操作スペースを不必要に確保することなく、画像形成組立体の着脱方向に沿って、感光体や保護部材の周辺部品に損傷を与えずに保護部材の取り外し操作を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、画像形成組立体を保管したり、搬送する際に保護部材が誤って移動する事態を回避することができる。
請求項4に係る発明によれば、画像形成組立体への装着時に感光体と現像部材との位置関係を一定に保つことができる。
請求項5に係る発明によれば、未装着段階の感光体組立体と現像組立体との位置関係を規制することができ、感光体、現像部材の損傷を回避することができる。
請求項6に係る発明によれば、保護部材の取り外し操作に伴って密封部材を取り外すことができ、密封部材の取り外し操作を別途行わずに済む。
請求項7に係る発明によれば、保護部材を取り外す操作によって、同時に密封部材による密封状態を解除することが可能であり、初期現像剤格納室の現像剤を現像剤収容室に供給することができる。
請求項8に係る発明によれば、拘束機構による拘束状態が解除されたときに、密封部材による密封状態を解除でき、これに伴って、密封部材による密封状態を解除する操作力を低減することができる。
請求項9に係る発明によれば、密封部材による密封状態解除時における初期現像剤の投入を複数箇所から行うことができる。
請求項10に係る発明によれば、複数の密封部材による密封状態の解除の開始点をずらすことにより、前記密封状態を解除するための操作力を低減することができる。
請求項11に係る発明によれば、画像形成組立体について、小型化を図りながら保護部材と案内部材との取り付け精度を緩和でき、その分、画像形成組立体を利用した画像形成装置を容易に構築することができる。
請求項12に係る発明によれば、画像形成装置の筐体の受部に画像形成組立体を装着した時点で拘束機構が解除されることから、画像形成組立体が未装着な状態で保護部材又は保護部材、密封部材が誤って取り外される懸念はない。
請求項13に係る発明によれば、画像形成装置の筐体の受部に画像形成組立体を装着したときに、保護部材又は保護部材、密封部材が取り外されないまま誤って使用に供される懸念はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B−B線に相当する断面図である。
【図2】(a)は図1に示す画像形成装置の画像形成組立体の装着状態を示す説明図、(b)は図1に示す保護部材を取り外す際の拘束解除構造の一例を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる画像形成組立体を示す斜視説明図である。
【図5】図4に示す画像形成組立体の分解斜視図である。
【図6】図5に示す感光体組立体、現像組立体を更に分解した斜視説明図である。
【図7】図4に示す画像形成組立体から保護カバーを取り外した状態を示す斜視説明図である。
【図8】図7中VIII方向から見た矢視図である。
【図9】図8中IX−IX線に相当する断面説明図である。
【図10】保護カバー、密封シールを取り外す前の画像形成組立体を示す図9に相当する断面説明図である。
【図11】(a)は図10に示す画像形成組立体の感光体組立体と現像組立体との関係を示す説明図、(b)は(a)の縦断面説明図である。
【図12】図10に示す画像形成組立体の保護カバーの拘束機構を示す斜視説明図である。
【図13】図12の要部を拡大した平面説明図である。
【図14】(a)は保護カバーの拘束解除機構の一例を示す説明図、(b)は(a)に示す保護カバーの拘束解除機構の作用を示す説明図である。
【図15】(a)は実施の形態1で用いられる画像形成組立体に対するトナー補給機構の一例を示す説明図、(b)はトナー補給機構のトナーカートリッジ側の要素を示す説明図である。
【図16】実施の形態1で用いられる画像形成組立体を装着した際の図15に示すトナー補給機構の状態を示す説明図である。
【図17】(a)は密封シールの取付構造を示す説明図、(b)は(a)中B−B線に相当する断面説明図、(c)は(a)中C−C線に相当する断面説明図、(d)は(a)中D−D線に相当する断面説明図、(e)は(a)中E部拡大説明図である。
【図18】実施の形態1において、画像形成装置の筐体に画像形成組立体を装着する過程を示す説明図である。
【図19】図18に示す画像形成組立体から保護カバー、密封シールを取り外す状態を示す説明図である。
【図20】実施の形態2で用いられる画像形成組立体を示す斜視説明図である。
【図21】実施の形態2で用いられる画像形成組立体から保護カバーを取り外す状態を示す斜視説明図である。
【図22】実施の形態2で用いられる画像形成組立体の分解斜視図である。
【図23】実施の形態2で用いられる保護カバーと密封シールとの関係を示す説明図である。
【図24】(a)は現像組立体中の密封シールの取付状態を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は密封シールの取付位置を変化させた変形形態を示す(a)中B方向から見た矢視図である。
【図25】(a)は複数の密封シールの剥し力の時間変化の一例を示す説明図、(b)は複数の密封シールの剥し力の時間変化の他の例を示す説明図である。
【図26】(a)は実施の形態2で用いられる保護カバーの拘束解除機構の一例を示す説明図、(b)は(a)に示す保護カバーの拘束解除機構の作用を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の概要について図1及び図2を用いて説明する。
本実施の形態において、画像形成装置は、図1(a)に示すように、画像形成装置の筐体Wに予め設けられた組立体の受部Uと、この受部Uに着脱自在に装着される画像形成組立体1とを備えている。
本実施の形態で用いられる画像形成組立体1は、図1(b)に示すように、少なくとも感光体4が収容容器3に収容され且つ収容容器3に対して感光体4の一部が露出した状態で保持される感光体組立体2と、少なくとも現像部材12が現像容器11に収容され且つ感光体組立体2の感光体4に対向する部位に現像部材12が位置するように現像容器11に保持される現像組立体10と、感光体組立体2の感光体4と現像組立体10の現像部材12との相互の距離が変化可能になるように感光体組立体2及び現像組立体10を連結する連結機構14と、感光体組立体2の感光体4の露出部分を覆うように保護する保護部材15と、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11に夫々設けられ、両組立体2,10に跨った状態で保護部材15を取り外し可能に案内する案内部材16(具体的には16a,16b)とを備えたものである。
【0011】
このような技術的手段において、画像形成組立体1は、転写媒体に画像を形成するものを対象とするが、ここでいう転写媒体は記録材は勿論、例えば記録材に転写する前に画像を中間的に転写保持する中間転写体も含む。
そして、この画像形成組立体1は、感光体組立体2と現像組立体10とを連結機構14にて移動可能に連結したものを対象とする。
また、感光体組立体2は、感光体4が収容容器3に収容されている態様は勿論であるが、感光体4に加えて、感光体4を帯電する帯電器5、感光体4表面を清掃する清掃器6、更に、感光体4上の残留電荷を除去する除電器7の全部若しくはいずれか一部を収容した態様も含む。
更に、現像組立体10は現像容器11に現像剤保持体などの現像部材12を収容した態様は勿論であるが、この現像部材12に加えて、現像容器11内の現像剤を撹拌搬送する現像剤撹拌部材13や現像部材12に保持する現像剤層厚を規制する現像剤層厚規制部材(図示せず)などの他の機能部材を収容した態様も含む。
更にまた、連結機構14は、感光体4と現像部材12との相互の距離が変化可能になるように両組立体2,10を連結するものであればよく、代表的には両者を揺動自在に支持する機構が挙げられる。
また、保護部材15は感光体4の露出部分を非接触状態で覆うようにすることが好ましいが、保護部材15として柔らかい素材のものを用い、感光体4を損傷させないものであれば感光体4の露出部分に接触配置するようにしてもよい。
更に、案内部材16(具体的には16a,16b)は、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11に夫々設けられ、保護部材15を取り外し可能に案内するものであればよい。
【0012】
また、保護部材15を案内する好ましい案内部材16としては、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11のうち画像形成組立体1の着脱方向に沿って延び、保護部材15を摺動自在に案内するものが挙げられる。
更に、感光体4や保護部材15の周辺部品に損傷を与えることを防止するという観点からすれば、保護部材15としては、案内部材16の一方向に沿って引き抜き可能に移動するものであることが好ましい。
更にまた、画像形成組立体1を保管したり、搬送したりする際に保護部材15が不必要に動く事態を回避するという観点からすれば、案内部材16に対する保護部材15の移動が拘束される拘束機構17を備えていることが好ましい。
また、画像形成組立体1装着時に感光体4と現像部材12との位置関係を一定に保つという観点からすれば、現像組立体10は現像部材12と感光体組立体2の感光体4との間の位置関係が一定に保たれる位置調整部材(図示せず)を備えていることが好ましい。
更に、現像部材12に位置調整部材を備えた態様にあっても、保護部材15が両組立体2,10の収容容器3、現像容器11に跨って設けられているため、画像形成組立体1未装着時における両組立体2,10の位置関係は保護部材15で規制されており、位置調整部材が感光体4に対して不必要に衝突する懸念はない。
更にまた、現像組立体10の現像部材12、感光体組立体2の感光体4の損傷を有効に回避するという観点からすれば、保護部材15が拘束状態とされるとき、現像組立体10の現像部材12と感光体組立体2の感光体4との距離が、両者が離れる方向に保持されることが好ましい。
【0013】
また、現像組立体10の代表的態様としては、現像容器11内に現像剤が収容される現像剤収容室11aと、この現像剤収容室11aと開口部を介して隣接し且つ使用前の初期現像剤が格納される初期現像剤格納室11bとを有し、現像組立体10未使用時には初期現像剤格納室11b及び現像剤収容室11a間の開口部を密封部材18(例えば18a,18b)にて密封したものがある。
このような態様においては、密封部材18(18a,18b)の取り外し作業は保護部材15の取り外し作業と別個に行ってもよいが、密封部材18の取り外し作業を簡略化するという観点からすれば、図2(a)に示すように、密封部材18は保護部材15に固定されており、保護部材15と共に移動可能である態様が好ましい。
このような態様のうち、保護部材15が案内部材16に沿って摺動自在に案内する態様にあっては、密封部材18の移動軌跡が安定することから、密封部材18の捻れやちぎれ、更には移動時の操作力が嵩む事態を回避することができる点で好ましい。
また、密封部材18は保護部材15と共に移動可能であればよく、保護部材15の取り外し操作が完了した際に密封部材18による密封状態が全部若しくは一部解除されていなくてもよく、更に保護部材15を外方に移動させることにより、密封部材18による密封状態を解除するようにすればよい。
但し、密封部材18の好ましい態様としては、案内部材16から保護部材15を取り外したときに、初期現像剤格納室11bと現像剤収容室11aとの間の開口部が開放されて初期現像剤が現像剤収容室11aに投入されるように保護部材15と共に移動するものが挙げられる。
【0014】
また、案内部材16に対する保護部材15の移動が拘束され且つ保護部材15の拘束状態が解除操作可能な拘束機構17を備えた態様においては、密封部材18による密封状態を解除する操作力を低減するという観点からすれば、拘束機構17による保護部材15の拘束状態が解除されるときに、保護部材15が案内部材16に沿って移動を開始し、これに伴って、密封部材18による密封状態が解除される態様が好ましい。ここでいう解除は密封状態の全部が解除される場合に限られず、密封状態の一部が解除される場合を含む。
更に、初期現像剤の投入効率を向上させるという観点からすれば、密封部材18が図1(b)に示すように、複数(例えば18a,18b)設けられている態様が好ましい。
ここで、密封部材18を複数有する好ましい態様として、密封部材18(18a,18b)による密封解除に要する操作力を低減させるという観点からすれば、複数の密封部材18(18a,18b)は保護部材15の取り外しに伴って異なる時点でその密封状態の解除動作を開始するものが挙げられる。
【0015】
また、この種の画像形成装置の好ましい態様としては、例えば図2(a)(b)に示すように、画像形成組立体1が、案内部材16に対する保護部材15の移動が拘束される拘束機構17を備えた態様にあっては、筐体Wには、受部Uに画像形成組立体1が装着されたときに拘束機構17による保護部材15の拘束状態が解除可能な拘束解除機構19が設けられている態様が挙げられる。
ここで、拘束機構17としては、例えば弾性変形可能な対構成の拘束片17aにて保護部材15の移動を拘束したものが挙げられ、拘束解除機構19としては、例えば図2(b)に示すように、拘束機構17の拘束片17aに対応して突出する突出片19aにて前記拘束片17aに当接した際に拘束片17aを弾性変形させ、保護部材15の拘束状態を解除するものであればよい。
更に、筐体Wは受部Uに対し画像形成組立体1が着脱される際に開閉する開閉扉(図示せず)を有する態様にあっては、保護部材15の取り外し操作忘れを回避するという観点からすれば、保護部材15は、筐体Wの受部Uに画像形成組立体1を装着したときに画像形成組立体1から取り外し可能であり、画像形成組立体1から取り外さない状態では筐体Wの開閉扉の閉動作を阻止するものである態様が好ましい。
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図3は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、筐体(以下装置筐体という)21内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を略鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
【0017】
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、図3に示すように、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばブラック用、イエロ用、マゼンタ用、シアン用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光体31と、この感光体31を予め帯電する帯電器32と、この帯電器32にて帯電された感光体31に静電潜像を書き込む露光器33と、感光体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像器34と、感光体31上の残留トナーを清掃する清掃器35とを備えている。
ここで、露光器33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
尚、本実施の形態では、感光体31の周囲のうち清掃器35に対して回転方向上流側には感光体31の残留電荷を除去する除電器36(図9、図10参照)が設けられている。
【0018】
また、中間転写ベルト23は張架ロール231〜234に掛け渡されており、例えば張架ロール231を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、各感光体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写器51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写器51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール234に対応した部位には二次転写器52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール231に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃器53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24のフィーダ61で送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール(図示せず)にて搬送され、位置合せロール62にて位置合せされた後に二次転写器52の二次転写部位を通過し、定着器66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
尚、図3中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像器34に新しいトナーを補給するトナー補給器(トナーカートリッジ)である。
【0019】
−画像形成組立体−
本実施の形態では、感光体31は、図4ないし図6に示すように、帯電器32、現像器34、清掃器35及び除電器36(図9、図10参照)と一体化された画像形成組立体70として構成されており、この画像形成組立体70が装置筐体21の組立体受部に対して着脱自在に装着され、夫々の色成分の画像形成部22の要部を構築するようになっている。
特に、本実施の形態では、画像形成組立体70は、感光体31が組み込まれる感光体組立体71と、この感光体組立体71に対して揺動自在に連結され且つ現像器34が組み込まれる現像組立体72とを備えている。
【0020】
<感光体組立体>
感光体組立体71は、図6(b)及び図7ないし図10に示すように、感光体31が収容される収容容器80を有し、この収容容器80内の感光体31の周囲には帯電器32、清掃器35及び除電器36を配設したものである。
ここで、感光体31はその回転軸両端部が収容容器80の両端に回転自在に支持されており、画像形成組立体70装着時には感光体31の回転軸の一端が図示外の駆動機構に駆動連結されるようになっている。
また、帯電器32は、収容容器80の一部に帯電容器部81を設け、この帯電容器部81内に感光体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール82及びこの帯電ロール82に給電する給電ロール83を設けたものである。
更に、清掃器35は、収容容器80の一部に清掃容器部84を設け、この清掃容器部84の開口縁には感光体31表面の残留トナーが掻き取られる板状の清掃部材85を設けると共に、この清掃容器部84内には清掃部材85で掻き取られた残留トナーが図示外の回収容器に向けて搬送される回収搬送部材(例えば回転軸の周囲に螺旋状羽根を付した態様)86を配設したものである。
更にまた、除電器36は、収容容器80の一部に除電容器部87を設け、この除電容器部87に除電照射レンズ88を保持させ、この除電照射レンズ88に図示外の除電ランプからの除電光を導き、感光体31表面に対して除電光を照射するようにしたものである。
【0021】
<現像組立体>
現像組立体72は、図7ないし図10に示すように、感光体31に向かって開口し且つトナー及びキャリアが含まれる二成分現像剤が収容される現像容器90を有し、この現像容器90の開口に面した部位には現像剤が保持搬送される現像ロール91を配設すると共に、現像容器90内の現像ロール91の背面側には一対の現像剤撹拌部材(例えば回転軸の周囲に螺旋状羽根を付した態様)92,93を配設し、更に、現像ロール91の現像部位よりも回転方向上流側には現像ロール91に保持される現像剤層厚が規制される層厚規制部材(例えば層厚規制ロール)94を設けたものである。
そして、本実施の形態では、現像容器90は、画像形成組立体70装着時に現像剤が収容され且つ現像ロール91、現像剤撹拌部材92,93が配設される現像剤収容室95と、この現像剤収容室95に開口部96(本例では複数の開口部96a,96b)を介して隣接し且つ画像形成組立体70未装着時に初期現像剤が格納される初期現像剤格納室97とを有しており、画像形成組立体70未装着時、つまり現像組立体72未使用時には初期現像剤格納室97及び現像剤収容室95間の開口部96(96a,96b)を密封シール98(本例では98a,98b)にて密封したものである。
尚、密封シール98の取付構造については後述する。
更に、図6(a)に示すように、現像ロール91の軸方向一端側に位置する現像容器90の外側には、現像ロール91,現像剤撹拌部材92,93を駆動するための例えば駆動伝達ギア列からなる駆動伝達機構99が設けられ、この駆動伝達機構99は外側覆い部材100で覆われている。
【0022】
<感光体組立体・現像組立体の取付構造>
本実施の形態において、感光体組立体71と現像組立体72とは、図11(b)に示すように、連結機構73にて揺動自在に支持されている。
本実施の形態では、連結機構73は、感光体組立体71の収容容器80と現像組立体72の現像容器90の長手方向両端取付片をピボット軸にて揺動自在に連結したものである。
この連結機構73は感光体31と現像ロール91との対向部位から離間した部位に設けられている。
そして、本実施の形態では、現像ロール91の両端には現像ロール91径よりも僅かに大きい位置調整用のトラッキングロール110が設けられ、このトラッキングロール110を感光体31表面に接触させることで現像ロール91と感光体31との間のギャップgが予め決められた所定量に調整されるようになっている。
更に、図11(a)に示すように、現像組立体72の現像容器90と感光体組立体71の収容容器80との間には付勢バネ111が設けられ、この付勢バネ111は感光体31に対しトラッキングロール110を押圧する方向に付勢するようになっている。
【0023】
−保護カバー−
本実施の形態では、画像形成組立体70の一要素である感光体組立体71は、図4ないし図10に示すように、画像形成組立体70装着時には中間転写ベルト23に対向する部位にて感光体31が露出するように配置される。
このため、画像形成組立体70未装着時には感光体31の露出部分を覆う保護カバー74が設けられている。
この保護カバー74は合成樹脂感光体31の露出部分に対応して感光体31の軸方向に沿って延びる長尺板状部材120を有し、この長尺板状部材120の横断面形状を感光体31の円周方向に沿った湾曲形状に形成したものである。
本実施の形態では、保護カバー74は、長尺板状部材120の長手方向一端側に略直角に折れ曲げられた折曲部材121を一体的に形成し、この折曲部材121に把手122を形成したものである。また、折曲部材121には感光体31の回転軸受部31aとの干渉を回避するための開口123が設けられている。更に、折曲部材121には感光体組立体71の収容容器80に形成された位置決め突起89に嵌合する位置決め孔124が設けられている。
更に、感光体組立体71の収容容器80及び現像組立体72の現像容器90のうち感光体31の露出部分に対応した感光体31の軸方向に沿った開口縁には夫々レール状の案内部材131,132が設けられている。この案内部材131,132は感光体31の軸方向に沿って連続的に設けられていてもよいし、あるいは、不連続的に設けられてもよい。
そして、保護カバー74は、その長手方向に交差する幅方向両側部が各組立体71,72の案内部材131,132に保持され、案内部材131,132に沿って摺動自在に移動するようになっている。
特に、本実施の形態では、保護カバー74は、画像形成組立体70の長手方向一端側から案内部材131,132に沿って感光体31の露出部分を覆うように移動装着され、取り外す際には感光体31の露出部分を開放するように案内部材131,132に沿って装着方向とは逆方向に移動させられるようになっている。
【0024】
−拘束機構−
本実施の形態では、保護カバー74の長手方向一端側には、例えば図12ないし図14に示すように、画像形成組立体70未装着時に保護カバー74の移動を拘束する拘束機構150が設けられている。
ここで、拘束機構150は、保護カバー74の長尺板状部材120の先端に弾性変形可能な一対の弾性突出片151を形成し、この弾性突出片151の突出端には外側に張り出す鉤状の引っ掛け爪152を形成する一方、各組立体71,72の案内部材131,132の奥側端には一対の弾性突出片151の引っ掛け爪152が乗り越えた後に引っ掛かる被拘束片153を形成したものである。尚、各組立体71,72の案内部材131,132の手前側端には一対の弾性突出片151の引っ掛け爪152の挿入を許容する案内溝片154(図8参照)が設けられている。
【0025】
−拘束解除機構−
本実施の形態では、図14に示すように、画像形成組立体70装着時に、保護カバー74の拘束機構150による拘束状態を解除する拘束解除機構160が設けられている。
この拘束解除機構160は、図14(a)(b)に示すように、保護カバー74の拘束機構150の一対の弾性突出片151の引っ掛け爪152に対応した装置筐体21に一対の解除用突片161を設け、この解除用突片161に弾性突出片151の引っ掛け爪152を当接させ、一対の引っ掛け爪152を互い接近させるように弾性突出片151を弾性変形させ、被拘束片153から一対の引っ掛け爪152の引っ掛かりを外すようにするものである。
【0026】
−トナー補給機構−
本実施の形態では、画像形成組立体70の現像組立体72とトナー補給器38との間には、図15及び図16に示すように、画像形成組立体70装着時に両者間が接続可能なトナー補給機構170が設けられている。
このトナー補給機構170は、現像容器90に通じる可撓性材料にて可撓性配管171を設け、この可撓性配管171にシャッタ機構172(シャッタ基台173に投入口174を開設し、このシャッタ基台173にはシャッタ部材175を移動自在に設けると共に、投入口174が閉鎖される方向に付勢バネ176でシャッタ部材175を付勢した態様)を設ける一方、トナー補給器38側にはシャッタ機構172のシャッタ部材175に当接する部位にシャッタ解除機構177(トナー補給器38からの接続配管178の先端にシャッタ部材175に当接するシャッタ解除部材179を設ける一方、このシャッタ解除部材179にはシャッタ基台173を位置決めする位置決め部材180を付勢バネ181にてシャッタ基台173側に押圧する態様)を設けたものである。
本態様によれば、シャッタ機構172は可撓性配管171に対して首振り可能であるため、画像形成組立体70装着時には、シャッタ機構172がシャッタ解除機構177に対応した位置に位置決めされることになり、シャッタ機構172のシャッタ部材175がシャッタ解除機構177に投入口174を開放するように移動させられる。
【0027】
−密封シールの取付構造−
本実施の形態において、現像組立体72の密封シール98(98a,98b)は、図9及び図17(a)〜(e)に示すように、現像容器90の開口部96(96a,96b)周縁に例えば熱溶着性の接着剤185を介して剥離可能に取り付けられる密封シール部186と、この密封シール部186から折り曲げられる非接着な延長折り曲げ部187とを有し、この延長折り曲げ部187の先端に把持部188を取り付けたものである。
ここで、本実施の形態では、密封シール部186と延長折り曲げ部187との境界の接着剤185の塗布パターン189は密封シール部186が剥がれ始める側に向かって山形状になっており、密封シール部186を剥がす際の剥し力が低減する構造になっている。
また、本実施の形態では、密封シール98(98a,98b)の把持部188は、図8に示すように、現像組立体72の外側覆い部材100に設けられたスリット101(図5参照)から引出可能になっている。
尚、本実施の形態では、保護カバー74の折曲部材121に密封シール98(98a,98b)の把持部188に対応したスリット125を設けたので、保護カバー74を取り外した後に密封シール98を取り外すようにしてもよいし、あるいは、保護カバー74を取り外す前に密封シール98を取り外すようにしてもよい。
【0028】
−画像形成組立体の未装着時の状態−
本実施の形態において、画像形成組立体70は、未装着時には保護カバー74が感光体組立体71と現像組立体72とに跨った状態で案内部材131,132に保持されている。
このため、図11(a)(b)に示すように、感光体組立体71と現像組立体72との位置関係は保護カバー74によって規制されることになり、画像形成組立体70の保管時や搬送時に、現像組立体72のトラッキングロール110が感光体組立体71の感光体31に不必要に衝突することはない。また、案内部材131,132との間の距離に比べて、保護カバー74の長手方向と直交する方向の幅を大きくしておくことで、感光体組立体71と現像組立体72とを離れる方向に保持することができる。
【0029】
−画像形成組立体の装着過程−
本実施の形態において、装置筐体21の受部Uに画像形成組立体70を装着する場合には、図18及び図19に示すように、装置筐体21のフロント扉190を開放し、受部Uが開閉される開閉扉191を開放した後、受部Uに向けて画像形成組立体70を挿入し、予め決められた装着位置まで押し込むようにすればよい。
この状態において、画像形成組立体70は受部Uに装着されるが、本実施の形態では、保護カバー74は、受部Uの拘束解除機構160により拘束機構150による拘束状態が解除されることから、保護カバー74の把手122をつかんで受部Uから保護カバー74を引き出す方向に引き出すようにすればよい。
この状態において、保護カバー74は案内部材131,132に沿って摺動自在に引出方向に向かって移動するが、この保護カバー74の移動軌跡は安定している。このため、例えば感光体31に対して保護カバー74を非接触配置した態様にあっては、保護カバー74が感光体31や保護カバー74の周辺部品に不必要に接触することはない。
また、本実施の形態では、受部Uに画像形成組立体70を装着した状態において、保護カバー74を取り外した後、あるいは、保護カバー74を取り外す前に密封シール98(98a,98b)の把持部183をつまんで密封シール98による密封状態を解除するようにすればよい。
更に、本実施の形態では、受部Uに画像形成組立体70を装着した状態において、現像組立体72とトナー補給器38とはトナー補給機構170を介して位置合わせしながら接続されることから、画像形成組立体70を装着する際に、トナー補給経路の接続作業を別途行う必要もない。
更にまた、本実施の形態では、保護カバー74を取り外さないと、把持部183が開閉扉191に接触して開閉扉191が閉鎖できないため、保護カバー74を取り外さないまま画像形成組立体70を装着するという懸念はない。
【0030】
◎実施の形態2
図20ないし図22は実施の形態2で用いられる画像形成組立体の全体構成を示す。
同図において、画像形成組立体70は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、現像組立体72の密封シール98(例えば98a,98b)の先端部を保護カバー74の折曲部材121の固定部位126に例えば接着剤にて固着するようにしたものである。
尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
従って、本実施の形態によれば、図23に示すように、装置筐体21の受部U(図18参照)に画像形成組立体70を装着し、その後に、画像形成組立体70の装着方向とは反対側に保護カバー74を引き出すようにすればよい。
この状態において、保護カバー74を引き出すことで画像形成組立体70の感光体31を作像可能な露出状態にセットすることができることに加えて、保護カバー74の取り外し作業に伴って現像組立体72から密封シール98(98a,98b)を取り外すことができる。
【0031】
このとき、保護カバー74を取り外す作業において、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時に夫々大きな剥し力H1,H2が作用する。
この状態において、図24(a)(b)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始タイミングが同じであるとすれば、図25(a)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時に作用する剥し力H1,H2のピーク点が重なるため、その分、保護カバー74の引出操作力が嵩む。
これに対して、図24(a)(c)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始タイミングを異ならせるようにすれば、図25(b)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時に作用する剥し力H1,H2のピーク点がずれるため、その分、保護カバー74の引出操作力は低減される。
尚、図25(a)(b)において、S1,S2は密封シール98a,98bに相当する。
また、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始タイミングが同じである態様、あるいは、剥がれ開始タイミングが異なる態様において、例えば図26に示すように、保護カバー74の拘束機構150(実施の形態1と同様)に対して拘束解除機構160を工夫し、解除用突片161に加えて、この解除用突片161にて拘束解除された弾性突出片151を押し戻す押戻し突片162を形成し、拘束解除機構160による拘束機構150の拘束状態の解除動作に伴って保護カバー74に対し引出方向への押し戻し力を付与するようにすることが好ましい。
本態様によれば、拘束解除機構160による拘束解除動作によって保護カバー74に押し戻し力を付与し、保護カバー74に対し初期的な押し戻し量を与えることができ、これに伴って、密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時の剥し力は低減される点で好ましい。
【符号の説明】
【0032】
1…画像形成組立体,2…感光体組立体,3…収容容器,4…感光体,5…帯電器,6…清掃器,7…除電器,10…現像組立体,11…現像容器,11a…現像剤収容室,11b…初期現像剤格納室,12…現像部材,13…現像剤撹拌部材,14…連結機構,15…保護部材,16(16a,16b)…案内部材,17…拘束機構,18(18a,18b)…密封部材,19…拘束解除機構,W…画像形成装置の筐体,U…組立体の受部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成組立体及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置で用いられる画像形成組立体としては、例えば特許文献1ないし5に示すものが知られている。
特許文献1は、プロセスユニットに対して長手方向に抜き取り可能に感光体保護カバーを設ける態様において、この保護カバーを、その長手方向に直交する方向に押圧するか、あるいは、長手方向に僅かに移動させることでプロセスユニットに取り付けるようにした技術である。
特許文献2は、4色一体型のカラー現像カートリッジにおいて、別ピースの把持部材を設け、この把持部材に4色分の現像剤シールを固定し、把持部材を把持して4色分の現像剤シールを同時に引き抜く技術である。
特許文献3は、プロセスカートリッジに像担持体と共に現像装置を設け、現像剤撹拌部内に予め二成分現像剤を収容してシール部材で密封し、使用時にプロセスカートリッジからシート部材を除去する技術である。
特許文献4は、感光体、現像器が収容された感光体ユニットであって、感光体の露出部を覆う保護シールが設けられ、この保護シールには把手が設けられると共に、この把手には現像剤収容部と現像ローラとの間を密閉する現像剤シールが固定され、把手を引っ張ることで保護シール及び現像剤シールを感光体ユニットから取り外す技術である。
特許文献5は、感光体組立体と現像組立体とを揺動自在な連結機構にて連結した技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−35247号公報(実施例,図1)
【特許文献2】特開2003−195614号公報(発明の実施の形態,図7)
【特許文献3】特開2000−258979号公報(発明の実施の形態,図7)
【特許文献4】特開2004−170904号公報(発明を実施するための最良の形態,図4)
【特許文献5】特開平10−186851号公報(発明の実施の形態,図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、小型化を企図しながら保護部材と案内部材との取り付け精度を緩和できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、画像形成装置の筐体に予め設けられた受部に着脱自在に装着され、転写媒体に画像を形成する画像形成組立体であって、少なくとも感光体が収容容器に収容され且つ収容容器に対して感光体の一部が露出した状態で保持される感光体組立体と、少なくとも現像部材が現像容器に収容され且つ前記感光体組立体の感光体に対向する部位に前記現像部材が位置するように現像容器に保持される現像組立体と、前記感光体組立体の感光体と前記現像組立体の現像部材との相互の距離が変化可能になるように前記感光体組立体及び前記現像組立体を連結する連結機構と、前記感光体組立体の感光体の露出部分を覆うように保護する保護部材と、前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器に夫々設けられ、両組立体に跨った状態で前記保護部材を取り外し可能に案内する案内部材とを備えたことを特徴とする画像形成組立体である。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る画像形成組立体において、前記案内部材は、前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器のうち画像形成組立体の着脱方向に沿って延び、前記保護部材を摺動自在に案内するものであることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る画像形成組立体において、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えていることを特徴とする画像形成組立体である。
【0006】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る画像形成組立体において、画像形成中の前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との間の位置関係が一定に保たれる位置調整部材を備えていることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る画像形成組立体において、前記保護部材が拘束状態とされるとき、前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との距離が、両者が離れる方向に保持されることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る画像形成組立体において、前記現像組立体は、現像容器内に現像剤が収容される現像剤収容室と、この現像剤収容室と開口部を介して隣接し且つ使用前の初期現像剤が格納される初期現像剤格納室とを有し、現像組立体未使用時には前記初期現像剤格納室及び現像剤収容室間の開口部を密封部材にて密封したものであり、前記密封部材は前記保護部材に固定されており、保護部材と共に移動可能であることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項7に係る発明は、請求項6に係る画像形成組立体において、前記密封部材は、前記案内部材から前記保護部材を取り外したときに、前記初期現像剤格納室と現像剤収容室との間の開口部が開放されて初期現像剤が現像剤収容室に投入されるように保護部材と共に移動することを特徴とする画像形成組立体である。
請求項8に係る発明は、請求項6又は7に係る画像形成組立体のうち、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えた態様において、前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除されるときに、前記保護部材が案内部材に沿って移動を開始し、これに伴って、前記密封部材による密封状態が解除されることを特徴とする画像形成組立体である。
【0007】
請求項9に係る発明は、請求項6ないし8いずれかに係る画像形成組立体において、前記密封部材が初期現像剤格納室に設けられた複数の開口に対応して複数設けられていることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る画像形成組立体において、前記複数の密封部材は前記保護部材の取り外しに伴って異なる時点でその密封状態の解除動作を開始するものであることを特徴とする画像形成組立体である。
請求項11に係る発明は、画像形成装置の筐体に設けられた受部と、この受部に着脱自在に装着される請求項1ないし10いずれかに係る画像形成組立体とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項12に係る発明は、請求項11に係る画像形成装置において、前記画像形成組立体は、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備え、前記筐体には、前記受部に前記画像形成組立体が装着されたときに前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除可能な拘束解除機構が設けられていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に係る画像形成装置において、前記筐体は前記受部に対し前記画像形成組立体が着脱される際に開閉する開閉扉を有し、前記保護部材は、前記筐体の前記受部に前記画像形成組立体を装着したときに前記画像形成組立体から取り外し可能であり、前記画像形成組立体から取り外さない状態では前記筐体の開閉扉の閉動作を阻止するものであることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、感光体組立体の収容容器だけに保護部材に対する案内部材を設ける態様に比べて、画像形成組立体の小型化を図りながら保護部材と案内部材との取り付け精度を緩和できる。
請求項2に係る発明によれば、保護部材の取り外し操作スペースを不必要に確保することなく、画像形成組立体の着脱方向に沿って、感光体や保護部材の周辺部品に損傷を与えずに保護部材の取り外し操作を行うことができる。
請求項3に係る発明によれば、画像形成組立体を保管したり、搬送する際に保護部材が誤って移動する事態を回避することができる。
請求項4に係る発明によれば、画像形成組立体への装着時に感光体と現像部材との位置関係を一定に保つことができる。
請求項5に係る発明によれば、未装着段階の感光体組立体と現像組立体との位置関係を規制することができ、感光体、現像部材の損傷を回避することができる。
請求項6に係る発明によれば、保護部材の取り外し操作に伴って密封部材を取り外すことができ、密封部材の取り外し操作を別途行わずに済む。
請求項7に係る発明によれば、保護部材を取り外す操作によって、同時に密封部材による密封状態を解除することが可能であり、初期現像剤格納室の現像剤を現像剤収容室に供給することができる。
請求項8に係る発明によれば、拘束機構による拘束状態が解除されたときに、密封部材による密封状態を解除でき、これに伴って、密封部材による密封状態を解除する操作力を低減することができる。
請求項9に係る発明によれば、密封部材による密封状態解除時における初期現像剤の投入を複数箇所から行うことができる。
請求項10に係る発明によれば、複数の密封部材による密封状態の解除の開始点をずらすことにより、前記密封状態を解除するための操作力を低減することができる。
請求項11に係る発明によれば、画像形成組立体について、小型化を図りながら保護部材と案内部材との取り付け精度を緩和でき、その分、画像形成組立体を利用した画像形成装置を容易に構築することができる。
請求項12に係る発明によれば、画像形成装置の筐体の受部に画像形成組立体を装着した時点で拘束機構が解除されることから、画像形成組立体が未装着な状態で保護部材又は保護部材、密封部材が誤って取り外される懸念はない。
請求項13に係る発明によれば、画像形成装置の筐体の受部に画像形成組立体を装着したときに、保護部材又は保護部材、密封部材が取り外されないまま誤って使用に供される懸念はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)中B−B線に相当する断面図である。
【図2】(a)は図1に示す画像形成装置の画像形成組立体の装着状態を示す説明図、(b)は図1に示す保護部材を取り外す際の拘束解除構造の一例を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる画像形成組立体を示す斜視説明図である。
【図5】図4に示す画像形成組立体の分解斜視図である。
【図6】図5に示す感光体組立体、現像組立体を更に分解した斜視説明図である。
【図7】図4に示す画像形成組立体から保護カバーを取り外した状態を示す斜視説明図である。
【図8】図7中VIII方向から見た矢視図である。
【図9】図8中IX−IX線に相当する断面説明図である。
【図10】保護カバー、密封シールを取り外す前の画像形成組立体を示す図9に相当する断面説明図である。
【図11】(a)は図10に示す画像形成組立体の感光体組立体と現像組立体との関係を示す説明図、(b)は(a)の縦断面説明図である。
【図12】図10に示す画像形成組立体の保護カバーの拘束機構を示す斜視説明図である。
【図13】図12の要部を拡大した平面説明図である。
【図14】(a)は保護カバーの拘束解除機構の一例を示す説明図、(b)は(a)に示す保護カバーの拘束解除機構の作用を示す説明図である。
【図15】(a)は実施の形態1で用いられる画像形成組立体に対するトナー補給機構の一例を示す説明図、(b)はトナー補給機構のトナーカートリッジ側の要素を示す説明図である。
【図16】実施の形態1で用いられる画像形成組立体を装着した際の図15に示すトナー補給機構の状態を示す説明図である。
【図17】(a)は密封シールの取付構造を示す説明図、(b)は(a)中B−B線に相当する断面説明図、(c)は(a)中C−C線に相当する断面説明図、(d)は(a)中D−D線に相当する断面説明図、(e)は(a)中E部拡大説明図である。
【図18】実施の形態1において、画像形成装置の筐体に画像形成組立体を装着する過程を示す説明図である。
【図19】図18に示す画像形成組立体から保護カバー、密封シールを取り外す状態を示す説明図である。
【図20】実施の形態2で用いられる画像形成組立体を示す斜視説明図である。
【図21】実施の形態2で用いられる画像形成組立体から保護カバーを取り外す状態を示す斜視説明図である。
【図22】実施の形態2で用いられる画像形成組立体の分解斜視図である。
【図23】実施の形態2で用いられる保護カバーと密封シールとの関係を示す説明図である。
【図24】(a)は現像組立体中の密封シールの取付状態を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は密封シールの取付位置を変化させた変形形態を示す(a)中B方向から見た矢視図である。
【図25】(a)は複数の密封シールの剥し力の時間変化の一例を示す説明図、(b)は複数の密封シールの剥し力の時間変化の他の例を示す説明図である。
【図26】(a)は実施の形態2で用いられる保護カバーの拘束解除機構の一例を示す説明図、(b)は(a)に示す保護カバーの拘束解除機構の作用を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用される画像形成装置の実施の形態の概要について図1及び図2を用いて説明する。
本実施の形態において、画像形成装置は、図1(a)に示すように、画像形成装置の筐体Wに予め設けられた組立体の受部Uと、この受部Uに着脱自在に装着される画像形成組立体1とを備えている。
本実施の形態で用いられる画像形成組立体1は、図1(b)に示すように、少なくとも感光体4が収容容器3に収容され且つ収容容器3に対して感光体4の一部が露出した状態で保持される感光体組立体2と、少なくとも現像部材12が現像容器11に収容され且つ感光体組立体2の感光体4に対向する部位に現像部材12が位置するように現像容器11に保持される現像組立体10と、感光体組立体2の感光体4と現像組立体10の現像部材12との相互の距離が変化可能になるように感光体組立体2及び現像組立体10を連結する連結機構14と、感光体組立体2の感光体4の露出部分を覆うように保護する保護部材15と、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11に夫々設けられ、両組立体2,10に跨った状態で保護部材15を取り外し可能に案内する案内部材16(具体的には16a,16b)とを備えたものである。
【0011】
このような技術的手段において、画像形成組立体1は、転写媒体に画像を形成するものを対象とするが、ここでいう転写媒体は記録材は勿論、例えば記録材に転写する前に画像を中間的に転写保持する中間転写体も含む。
そして、この画像形成組立体1は、感光体組立体2と現像組立体10とを連結機構14にて移動可能に連結したものを対象とする。
また、感光体組立体2は、感光体4が収容容器3に収容されている態様は勿論であるが、感光体4に加えて、感光体4を帯電する帯電器5、感光体4表面を清掃する清掃器6、更に、感光体4上の残留電荷を除去する除電器7の全部若しくはいずれか一部を収容した態様も含む。
更に、現像組立体10は現像容器11に現像剤保持体などの現像部材12を収容した態様は勿論であるが、この現像部材12に加えて、現像容器11内の現像剤を撹拌搬送する現像剤撹拌部材13や現像部材12に保持する現像剤層厚を規制する現像剤層厚規制部材(図示せず)などの他の機能部材を収容した態様も含む。
更にまた、連結機構14は、感光体4と現像部材12との相互の距離が変化可能になるように両組立体2,10を連結するものであればよく、代表的には両者を揺動自在に支持する機構が挙げられる。
また、保護部材15は感光体4の露出部分を非接触状態で覆うようにすることが好ましいが、保護部材15として柔らかい素材のものを用い、感光体4を損傷させないものであれば感光体4の露出部分に接触配置するようにしてもよい。
更に、案内部材16(具体的には16a,16b)は、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11に夫々設けられ、保護部材15を取り外し可能に案内するものであればよい。
【0012】
また、保護部材15を案内する好ましい案内部材16としては、感光体組立体2の収容容器3及び現像組立体10の現像容器11のうち画像形成組立体1の着脱方向に沿って延び、保護部材15を摺動自在に案内するものが挙げられる。
更に、感光体4や保護部材15の周辺部品に損傷を与えることを防止するという観点からすれば、保護部材15としては、案内部材16の一方向に沿って引き抜き可能に移動するものであることが好ましい。
更にまた、画像形成組立体1を保管したり、搬送したりする際に保護部材15が不必要に動く事態を回避するという観点からすれば、案内部材16に対する保護部材15の移動が拘束される拘束機構17を備えていることが好ましい。
また、画像形成組立体1装着時に感光体4と現像部材12との位置関係を一定に保つという観点からすれば、現像組立体10は現像部材12と感光体組立体2の感光体4との間の位置関係が一定に保たれる位置調整部材(図示せず)を備えていることが好ましい。
更に、現像部材12に位置調整部材を備えた態様にあっても、保護部材15が両組立体2,10の収容容器3、現像容器11に跨って設けられているため、画像形成組立体1未装着時における両組立体2,10の位置関係は保護部材15で規制されており、位置調整部材が感光体4に対して不必要に衝突する懸念はない。
更にまた、現像組立体10の現像部材12、感光体組立体2の感光体4の損傷を有効に回避するという観点からすれば、保護部材15が拘束状態とされるとき、現像組立体10の現像部材12と感光体組立体2の感光体4との距離が、両者が離れる方向に保持されることが好ましい。
【0013】
また、現像組立体10の代表的態様としては、現像容器11内に現像剤が収容される現像剤収容室11aと、この現像剤収容室11aと開口部を介して隣接し且つ使用前の初期現像剤が格納される初期現像剤格納室11bとを有し、現像組立体10未使用時には初期現像剤格納室11b及び現像剤収容室11a間の開口部を密封部材18(例えば18a,18b)にて密封したものがある。
このような態様においては、密封部材18(18a,18b)の取り外し作業は保護部材15の取り外し作業と別個に行ってもよいが、密封部材18の取り外し作業を簡略化するという観点からすれば、図2(a)に示すように、密封部材18は保護部材15に固定されており、保護部材15と共に移動可能である態様が好ましい。
このような態様のうち、保護部材15が案内部材16に沿って摺動自在に案内する態様にあっては、密封部材18の移動軌跡が安定することから、密封部材18の捻れやちぎれ、更には移動時の操作力が嵩む事態を回避することができる点で好ましい。
また、密封部材18は保護部材15と共に移動可能であればよく、保護部材15の取り外し操作が完了した際に密封部材18による密封状態が全部若しくは一部解除されていなくてもよく、更に保護部材15を外方に移動させることにより、密封部材18による密封状態を解除するようにすればよい。
但し、密封部材18の好ましい態様としては、案内部材16から保護部材15を取り外したときに、初期現像剤格納室11bと現像剤収容室11aとの間の開口部が開放されて初期現像剤が現像剤収容室11aに投入されるように保護部材15と共に移動するものが挙げられる。
【0014】
また、案内部材16に対する保護部材15の移動が拘束され且つ保護部材15の拘束状態が解除操作可能な拘束機構17を備えた態様においては、密封部材18による密封状態を解除する操作力を低減するという観点からすれば、拘束機構17による保護部材15の拘束状態が解除されるときに、保護部材15が案内部材16に沿って移動を開始し、これに伴って、密封部材18による密封状態が解除される態様が好ましい。ここでいう解除は密封状態の全部が解除される場合に限られず、密封状態の一部が解除される場合を含む。
更に、初期現像剤の投入効率を向上させるという観点からすれば、密封部材18が図1(b)に示すように、複数(例えば18a,18b)設けられている態様が好ましい。
ここで、密封部材18を複数有する好ましい態様として、密封部材18(18a,18b)による密封解除に要する操作力を低減させるという観点からすれば、複数の密封部材18(18a,18b)は保護部材15の取り外しに伴って異なる時点でその密封状態の解除動作を開始するものが挙げられる。
【0015】
また、この種の画像形成装置の好ましい態様としては、例えば図2(a)(b)に示すように、画像形成組立体1が、案内部材16に対する保護部材15の移動が拘束される拘束機構17を備えた態様にあっては、筐体Wには、受部Uに画像形成組立体1が装着されたときに拘束機構17による保護部材15の拘束状態が解除可能な拘束解除機構19が設けられている態様が挙げられる。
ここで、拘束機構17としては、例えば弾性変形可能な対構成の拘束片17aにて保護部材15の移動を拘束したものが挙げられ、拘束解除機構19としては、例えば図2(b)に示すように、拘束機構17の拘束片17aに対応して突出する突出片19aにて前記拘束片17aに当接した際に拘束片17aを弾性変形させ、保護部材15の拘束状態を解除するものであればよい。
更に、筐体Wは受部Uに対し画像形成組立体1が着脱される際に開閉する開閉扉(図示せず)を有する態様にあっては、保護部材15の取り外し操作忘れを回避するという観点からすれば、保護部材15は、筐体Wの受部Uに画像形成組立体1を装着したときに画像形成組立体1から取り外し可能であり、画像形成組立体1から取り外さない状態では筐体Wの開閉扉の閉動作を阻止するものである態様が好ましい。
【0016】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
−画像形成装置の全体構成−
図3は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置は、筐体(以下装置筐体という)21内に四つの色(本実施の形態ではブラック、イエロ、マゼンタ、シアン)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて横方向に配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を略鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
【0017】
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、図3に示すように、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばブラック用、イエロ用、マゼンタ用、シアン用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光体31と、この感光体31を予め帯電する帯電器32と、この帯電器32にて帯電された感光体31に静電潜像を書き込む露光器33と、感光体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像器34と、感光体31上の残留トナーを清掃する清掃器35とを備えている。
ここで、露光器33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
尚、本実施の形態では、感光体31の周囲のうち清掃器35に対して回転方向上流側には感光体31の残留電荷を除去する除電器36(図9、図10参照)が設けられている。
【0018】
また、中間転写ベルト23は張架ロール231〜234に掛け渡されており、例えば張架ロール231を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、各感光体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写器51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写器51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール234に対応した部位には二次転写器52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール231に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃器53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24のフィーダ61で送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール(図示せず)にて搬送され、位置合せロール62にて位置合せされた後に二次転写器52の二次転写部位を通過し、定着器66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
尚、図3中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像器34に新しいトナーを補給するトナー補給器(トナーカートリッジ)である。
【0019】
−画像形成組立体−
本実施の形態では、感光体31は、図4ないし図6に示すように、帯電器32、現像器34、清掃器35及び除電器36(図9、図10参照)と一体化された画像形成組立体70として構成されており、この画像形成組立体70が装置筐体21の組立体受部に対して着脱自在に装着され、夫々の色成分の画像形成部22の要部を構築するようになっている。
特に、本実施の形態では、画像形成組立体70は、感光体31が組み込まれる感光体組立体71と、この感光体組立体71に対して揺動自在に連結され且つ現像器34が組み込まれる現像組立体72とを備えている。
【0020】
<感光体組立体>
感光体組立体71は、図6(b)及び図7ないし図10に示すように、感光体31が収容される収容容器80を有し、この収容容器80内の感光体31の周囲には帯電器32、清掃器35及び除電器36を配設したものである。
ここで、感光体31はその回転軸両端部が収容容器80の両端に回転自在に支持されており、画像形成組立体70装着時には感光体31の回転軸の一端が図示外の駆動機構に駆動連結されるようになっている。
また、帯電器32は、収容容器80の一部に帯電容器部81を設け、この帯電容器部81内に感光体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール82及びこの帯電ロール82に給電する給電ロール83を設けたものである。
更に、清掃器35は、収容容器80の一部に清掃容器部84を設け、この清掃容器部84の開口縁には感光体31表面の残留トナーが掻き取られる板状の清掃部材85を設けると共に、この清掃容器部84内には清掃部材85で掻き取られた残留トナーが図示外の回収容器に向けて搬送される回収搬送部材(例えば回転軸の周囲に螺旋状羽根を付した態様)86を配設したものである。
更にまた、除電器36は、収容容器80の一部に除電容器部87を設け、この除電容器部87に除電照射レンズ88を保持させ、この除電照射レンズ88に図示外の除電ランプからの除電光を導き、感光体31表面に対して除電光を照射するようにしたものである。
【0021】
<現像組立体>
現像組立体72は、図7ないし図10に示すように、感光体31に向かって開口し且つトナー及びキャリアが含まれる二成分現像剤が収容される現像容器90を有し、この現像容器90の開口に面した部位には現像剤が保持搬送される現像ロール91を配設すると共に、現像容器90内の現像ロール91の背面側には一対の現像剤撹拌部材(例えば回転軸の周囲に螺旋状羽根を付した態様)92,93を配設し、更に、現像ロール91の現像部位よりも回転方向上流側には現像ロール91に保持される現像剤層厚が規制される層厚規制部材(例えば層厚規制ロール)94を設けたものである。
そして、本実施の形態では、現像容器90は、画像形成組立体70装着時に現像剤が収容され且つ現像ロール91、現像剤撹拌部材92,93が配設される現像剤収容室95と、この現像剤収容室95に開口部96(本例では複数の開口部96a,96b)を介して隣接し且つ画像形成組立体70未装着時に初期現像剤が格納される初期現像剤格納室97とを有しており、画像形成組立体70未装着時、つまり現像組立体72未使用時には初期現像剤格納室97及び現像剤収容室95間の開口部96(96a,96b)を密封シール98(本例では98a,98b)にて密封したものである。
尚、密封シール98の取付構造については後述する。
更に、図6(a)に示すように、現像ロール91の軸方向一端側に位置する現像容器90の外側には、現像ロール91,現像剤撹拌部材92,93を駆動するための例えば駆動伝達ギア列からなる駆動伝達機構99が設けられ、この駆動伝達機構99は外側覆い部材100で覆われている。
【0022】
<感光体組立体・現像組立体の取付構造>
本実施の形態において、感光体組立体71と現像組立体72とは、図11(b)に示すように、連結機構73にて揺動自在に支持されている。
本実施の形態では、連結機構73は、感光体組立体71の収容容器80と現像組立体72の現像容器90の長手方向両端取付片をピボット軸にて揺動自在に連結したものである。
この連結機構73は感光体31と現像ロール91との対向部位から離間した部位に設けられている。
そして、本実施の形態では、現像ロール91の両端には現像ロール91径よりも僅かに大きい位置調整用のトラッキングロール110が設けられ、このトラッキングロール110を感光体31表面に接触させることで現像ロール91と感光体31との間のギャップgが予め決められた所定量に調整されるようになっている。
更に、図11(a)に示すように、現像組立体72の現像容器90と感光体組立体71の収容容器80との間には付勢バネ111が設けられ、この付勢バネ111は感光体31に対しトラッキングロール110を押圧する方向に付勢するようになっている。
【0023】
−保護カバー−
本実施の形態では、画像形成組立体70の一要素である感光体組立体71は、図4ないし図10に示すように、画像形成組立体70装着時には中間転写ベルト23に対向する部位にて感光体31が露出するように配置される。
このため、画像形成組立体70未装着時には感光体31の露出部分を覆う保護カバー74が設けられている。
この保護カバー74は合成樹脂感光体31の露出部分に対応して感光体31の軸方向に沿って延びる長尺板状部材120を有し、この長尺板状部材120の横断面形状を感光体31の円周方向に沿った湾曲形状に形成したものである。
本実施の形態では、保護カバー74は、長尺板状部材120の長手方向一端側に略直角に折れ曲げられた折曲部材121を一体的に形成し、この折曲部材121に把手122を形成したものである。また、折曲部材121には感光体31の回転軸受部31aとの干渉を回避するための開口123が設けられている。更に、折曲部材121には感光体組立体71の収容容器80に形成された位置決め突起89に嵌合する位置決め孔124が設けられている。
更に、感光体組立体71の収容容器80及び現像組立体72の現像容器90のうち感光体31の露出部分に対応した感光体31の軸方向に沿った開口縁には夫々レール状の案内部材131,132が設けられている。この案内部材131,132は感光体31の軸方向に沿って連続的に設けられていてもよいし、あるいは、不連続的に設けられてもよい。
そして、保護カバー74は、その長手方向に交差する幅方向両側部が各組立体71,72の案内部材131,132に保持され、案内部材131,132に沿って摺動自在に移動するようになっている。
特に、本実施の形態では、保護カバー74は、画像形成組立体70の長手方向一端側から案内部材131,132に沿って感光体31の露出部分を覆うように移動装着され、取り外す際には感光体31の露出部分を開放するように案内部材131,132に沿って装着方向とは逆方向に移動させられるようになっている。
【0024】
−拘束機構−
本実施の形態では、保護カバー74の長手方向一端側には、例えば図12ないし図14に示すように、画像形成組立体70未装着時に保護カバー74の移動を拘束する拘束機構150が設けられている。
ここで、拘束機構150は、保護カバー74の長尺板状部材120の先端に弾性変形可能な一対の弾性突出片151を形成し、この弾性突出片151の突出端には外側に張り出す鉤状の引っ掛け爪152を形成する一方、各組立体71,72の案内部材131,132の奥側端には一対の弾性突出片151の引っ掛け爪152が乗り越えた後に引っ掛かる被拘束片153を形成したものである。尚、各組立体71,72の案内部材131,132の手前側端には一対の弾性突出片151の引っ掛け爪152の挿入を許容する案内溝片154(図8参照)が設けられている。
【0025】
−拘束解除機構−
本実施の形態では、図14に示すように、画像形成組立体70装着時に、保護カバー74の拘束機構150による拘束状態を解除する拘束解除機構160が設けられている。
この拘束解除機構160は、図14(a)(b)に示すように、保護カバー74の拘束機構150の一対の弾性突出片151の引っ掛け爪152に対応した装置筐体21に一対の解除用突片161を設け、この解除用突片161に弾性突出片151の引っ掛け爪152を当接させ、一対の引っ掛け爪152を互い接近させるように弾性突出片151を弾性変形させ、被拘束片153から一対の引っ掛け爪152の引っ掛かりを外すようにするものである。
【0026】
−トナー補給機構−
本実施の形態では、画像形成組立体70の現像組立体72とトナー補給器38との間には、図15及び図16に示すように、画像形成組立体70装着時に両者間が接続可能なトナー補給機構170が設けられている。
このトナー補給機構170は、現像容器90に通じる可撓性材料にて可撓性配管171を設け、この可撓性配管171にシャッタ機構172(シャッタ基台173に投入口174を開設し、このシャッタ基台173にはシャッタ部材175を移動自在に設けると共に、投入口174が閉鎖される方向に付勢バネ176でシャッタ部材175を付勢した態様)を設ける一方、トナー補給器38側にはシャッタ機構172のシャッタ部材175に当接する部位にシャッタ解除機構177(トナー補給器38からの接続配管178の先端にシャッタ部材175に当接するシャッタ解除部材179を設ける一方、このシャッタ解除部材179にはシャッタ基台173を位置決めする位置決め部材180を付勢バネ181にてシャッタ基台173側に押圧する態様)を設けたものである。
本態様によれば、シャッタ機構172は可撓性配管171に対して首振り可能であるため、画像形成組立体70装着時には、シャッタ機構172がシャッタ解除機構177に対応した位置に位置決めされることになり、シャッタ機構172のシャッタ部材175がシャッタ解除機構177に投入口174を開放するように移動させられる。
【0027】
−密封シールの取付構造−
本実施の形態において、現像組立体72の密封シール98(98a,98b)は、図9及び図17(a)〜(e)に示すように、現像容器90の開口部96(96a,96b)周縁に例えば熱溶着性の接着剤185を介して剥離可能に取り付けられる密封シール部186と、この密封シール部186から折り曲げられる非接着な延長折り曲げ部187とを有し、この延長折り曲げ部187の先端に把持部188を取り付けたものである。
ここで、本実施の形態では、密封シール部186と延長折り曲げ部187との境界の接着剤185の塗布パターン189は密封シール部186が剥がれ始める側に向かって山形状になっており、密封シール部186を剥がす際の剥し力が低減する構造になっている。
また、本実施の形態では、密封シール98(98a,98b)の把持部188は、図8に示すように、現像組立体72の外側覆い部材100に設けられたスリット101(図5参照)から引出可能になっている。
尚、本実施の形態では、保護カバー74の折曲部材121に密封シール98(98a,98b)の把持部188に対応したスリット125を設けたので、保護カバー74を取り外した後に密封シール98を取り外すようにしてもよいし、あるいは、保護カバー74を取り外す前に密封シール98を取り外すようにしてもよい。
【0028】
−画像形成組立体の未装着時の状態−
本実施の形態において、画像形成組立体70は、未装着時には保護カバー74が感光体組立体71と現像組立体72とに跨った状態で案内部材131,132に保持されている。
このため、図11(a)(b)に示すように、感光体組立体71と現像組立体72との位置関係は保護カバー74によって規制されることになり、画像形成組立体70の保管時や搬送時に、現像組立体72のトラッキングロール110が感光体組立体71の感光体31に不必要に衝突することはない。また、案内部材131,132との間の距離に比べて、保護カバー74の長手方向と直交する方向の幅を大きくしておくことで、感光体組立体71と現像組立体72とを離れる方向に保持することができる。
【0029】
−画像形成組立体の装着過程−
本実施の形態において、装置筐体21の受部Uに画像形成組立体70を装着する場合には、図18及び図19に示すように、装置筐体21のフロント扉190を開放し、受部Uが開閉される開閉扉191を開放した後、受部Uに向けて画像形成組立体70を挿入し、予め決められた装着位置まで押し込むようにすればよい。
この状態において、画像形成組立体70は受部Uに装着されるが、本実施の形態では、保護カバー74は、受部Uの拘束解除機構160により拘束機構150による拘束状態が解除されることから、保護カバー74の把手122をつかんで受部Uから保護カバー74を引き出す方向に引き出すようにすればよい。
この状態において、保護カバー74は案内部材131,132に沿って摺動自在に引出方向に向かって移動するが、この保護カバー74の移動軌跡は安定している。このため、例えば感光体31に対して保護カバー74を非接触配置した態様にあっては、保護カバー74が感光体31や保護カバー74の周辺部品に不必要に接触することはない。
また、本実施の形態では、受部Uに画像形成組立体70を装着した状態において、保護カバー74を取り外した後、あるいは、保護カバー74を取り外す前に密封シール98(98a,98b)の把持部183をつまんで密封シール98による密封状態を解除するようにすればよい。
更に、本実施の形態では、受部Uに画像形成組立体70を装着した状態において、現像組立体72とトナー補給器38とはトナー補給機構170を介して位置合わせしながら接続されることから、画像形成組立体70を装着する際に、トナー補給経路の接続作業を別途行う必要もない。
更にまた、本実施の形態では、保護カバー74を取り外さないと、把持部183が開閉扉191に接触して開閉扉191が閉鎖できないため、保護カバー74を取り外さないまま画像形成組立体70を装着するという懸念はない。
【0030】
◎実施の形態2
図20ないし図22は実施の形態2で用いられる画像形成組立体の全体構成を示す。
同図において、画像形成組立体70は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、現像組立体72の密封シール98(例えば98a,98b)の先端部を保護カバー74の折曲部材121の固定部位126に例えば接着剤にて固着するようにしたものである。
尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
従って、本実施の形態によれば、図23に示すように、装置筐体21の受部U(図18参照)に画像形成組立体70を装着し、その後に、画像形成組立体70の装着方向とは反対側に保護カバー74を引き出すようにすればよい。
この状態において、保護カバー74を引き出すことで画像形成組立体70の感光体31を作像可能な露出状態にセットすることができることに加えて、保護カバー74の取り外し作業に伴って現像組立体72から密封シール98(98a,98b)を取り外すことができる。
【0031】
このとき、保護カバー74を取り外す作業において、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時に夫々大きな剥し力H1,H2が作用する。
この状態において、図24(a)(b)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始タイミングが同じであるとすれば、図25(a)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時に作用する剥し力H1,H2のピーク点が重なるため、その分、保護カバー74の引出操作力が嵩む。
これに対して、図24(a)(c)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始タイミングを異ならせるようにすれば、図25(b)に示すように、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時に作用する剥し力H1,H2のピーク点がずれるため、その分、保護カバー74の引出操作力は低減される。
尚、図25(a)(b)において、S1,S2は密封シール98a,98bに相当する。
また、複数の密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始タイミングが同じである態様、あるいは、剥がれ開始タイミングが異なる態様において、例えば図26に示すように、保護カバー74の拘束機構150(実施の形態1と同様)に対して拘束解除機構160を工夫し、解除用突片161に加えて、この解除用突片161にて拘束解除された弾性突出片151を押し戻す押戻し突片162を形成し、拘束解除機構160による拘束機構150の拘束状態の解除動作に伴って保護カバー74に対し引出方向への押し戻し力を付与するようにすることが好ましい。
本態様によれば、拘束解除機構160による拘束解除動作によって保護カバー74に押し戻し力を付与し、保護カバー74に対し初期的な押し戻し量を与えることができ、これに伴って、密封シール98(98a,98b)の剥がれ開始時の剥し力は低減される点で好ましい。
【符号の説明】
【0032】
1…画像形成組立体,2…感光体組立体,3…収容容器,4…感光体,5…帯電器,6…清掃器,7…除電器,10…現像組立体,11…現像容器,11a…現像剤収容室,11b…初期現像剤格納室,12…現像部材,13…現像剤撹拌部材,14…連結機構,15…保護部材,16(16a,16b)…案内部材,17…拘束機構,18(18a,18b)…密封部材,19…拘束解除機構,W…画像形成装置の筐体,U…組立体の受部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の筐体に予め設けられた受部に着脱自在に装着され、転写媒体に画像を形成する画像形成組立体であって、
少なくとも感光体が収容容器に収容され且つ収容容器に対して感光体の一部が露出した状態で保持される感光体組立体と、
少なくとも現像部材が現像容器に収容され且つ前記感光体組立体の感光体に対向する部位に前記現像部材が位置するように現像容器に保持される現像組立体と、
前記感光体組立体の感光体と前記現像組立体の現像部材との相互の距離が変化可能になるように前記感光体組立体及び前記現像組立体を連結する連結機構と、
前記感光体組立体の感光体の露出部分を覆うように保護する保護部材と、
前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器に夫々設けられ、両組立体に跨った状態で前記保護部材を取り外し可能に案内する案内部材とを備えたことを特徴とする画像形成組立体。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成組立体において、
前記案内部材は、前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器のうち画像形成組立体の着脱方向に沿って延び、前記保護部材を摺動自在に案内するものであることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成組立体において、
前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えていることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成組立体において、
画像形成中の前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との間の位置関係が一定に保たれる位置調整部材を備えていることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の画像形成組立体において、
前記保護部材が拘束状態とされるとき、前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との距離が、両者が離れる方向に保持されることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の画像形成組立体において、
前記現像組立体は、現像容器内に現像剤が収容される現像剤収容室と、この現像剤収容室と開口部を介して隣接し且つ使用前の初期現像剤が格納される初期現像剤格納室とを有し、現像組立体未使用時には前記初期現像剤格納室及び現像剤収容室間の開口部を密封部材にて密封したものであり、
前記密封部材は前記保護部材に固定されており、保護部材と共に移動可能であることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成組立体において、
前記密封部材は、前記案内部材から前記保護部材を取り外したときに、前記初期現像剤格納室と現像剤収容室との間の開口部が開放されて初期現像剤が現像剤収容室に投入されるように保護部材と共に移動することを特徴とする画像形成組立体。
【請求項8】
請求項6又は7記載の画像形成組立体のうち、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えた態様において、
前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除されるときに、前記保護部材が案内部材に沿って移動を開始し、これに伴って、前記密封部材による密封状態が解除されることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項9】
請求項6ないし8いずれかに記載の画像形成組立体において、
前記密封部材が初期現像剤格納室に設けられた複数の開口に対応して複数設けられていることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成組立体において、
前記複数の密封部材は前記保護部材の取り外しに伴って異なる時点でその密封状態の解除動作を開始するものであることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項11】
画像形成装置の筐体に設けられた受部と、
この受部に着脱自在に装着される請求項1ないし10いずれかに記載の画像形成組立体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11記載の画像形成装置において、
前記画像形成組立体は、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備え、
前記筐体には、前記受部に前記画像形成組立体が装着されたときに前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除可能な拘束解除機構が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11又は12記載の画像形成装置において、
前記筐体は前記受部に対し前記画像形成組立体が着脱される際に開閉する開閉扉を有し、
前記保護部材は、前記筐体の前記受部に前記画像形成組立体を装着したときに前記画像形成組立体から取り外し可能であり、前記画像形成組立体から取り外さない状態では前記筐体の開閉扉の閉動作を阻止するものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置の筐体に予め設けられた受部に着脱自在に装着され、転写媒体に画像を形成する画像形成組立体であって、
少なくとも感光体が収容容器に収容され且つ収容容器に対して感光体の一部が露出した状態で保持される感光体組立体と、
少なくとも現像部材が現像容器に収容され且つ前記感光体組立体の感光体に対向する部位に前記現像部材が位置するように現像容器に保持される現像組立体と、
前記感光体組立体の感光体と前記現像組立体の現像部材との相互の距離が変化可能になるように前記感光体組立体及び前記現像組立体を連結する連結機構と、
前記感光体組立体の感光体の露出部分を覆うように保護する保護部材と、
前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器に夫々設けられ、両組立体に跨った状態で前記保護部材を取り外し可能に案内する案内部材とを備えたことを特徴とする画像形成組立体。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成組立体において、
前記案内部材は、前記感光体組立体の収容容器及び前記現像組立体の現像容器のうち画像形成組立体の着脱方向に沿って延び、前記保護部材を摺動自在に案内するものであることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成組立体において、
前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えていることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の画像形成組立体において、
画像形成中の前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との間の位置関係が一定に保たれる位置調整部材を備えていることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の画像形成組立体において、
前記保護部材が拘束状態とされるとき、前記現像組立体の現像部材と前記感光体組立体の感光体との距離が、両者が離れる方向に保持されることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の画像形成組立体において、
前記現像組立体は、現像容器内に現像剤が収容される現像剤収容室と、この現像剤収容室と開口部を介して隣接し且つ使用前の初期現像剤が格納される初期現像剤格納室とを有し、現像組立体未使用時には前記初期現像剤格納室及び現像剤収容室間の開口部を密封部材にて密封したものであり、
前記密封部材は前記保護部材に固定されており、保護部材と共に移動可能であることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成組立体において、
前記密封部材は、前記案内部材から前記保護部材を取り外したときに、前記初期現像剤格納室と現像剤収容室との間の開口部が開放されて初期現像剤が現像剤収容室に投入されるように保護部材と共に移動することを特徴とする画像形成組立体。
【請求項8】
請求項6又は7記載の画像形成組立体のうち、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備えた態様において、
前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除されるときに、前記保護部材が案内部材に沿って移動を開始し、これに伴って、前記密封部材による密封状態が解除されることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項9】
請求項6ないし8いずれかに記載の画像形成組立体において、
前記密封部材が初期現像剤格納室に設けられた複数の開口に対応して複数設けられていることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成組立体において、
前記複数の密封部材は前記保護部材の取り外しに伴って異なる時点でその密封状態の解除動作を開始するものであることを特徴とする画像形成組立体。
【請求項11】
画像形成装置の筐体に設けられた受部と、
この受部に着脱自在に装着される請求項1ないし10いずれかに記載の画像形成組立体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11記載の画像形成装置において、
前記画像形成組立体は、前記案内部材に対する保護部材の移動が拘束される拘束機構を備え、
前記筐体には、前記受部に前記画像形成組立体が装着されたときに前記拘束機構による保護部材の拘束状態が解除可能な拘束解除機構が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項11又は12記載の画像形成装置において、
前記筐体は前記受部に対し前記画像形成組立体が着脱される際に開閉する開閉扉を有し、
前記保護部材は、前記筐体の前記受部に前記画像形成組立体を装着したときに前記画像形成組立体から取り外し可能であり、前記画像形成組立体から取り外さない状態では前記筐体の開閉扉の閉動作を阻止するものであることを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2010−191092(P2010−191092A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34200(P2009−34200)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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