説明

画像形成装置、そのシステム及びその制御方法

【課題】文字やグラフィックスの画像のエッジ部分を劣化させることなく出力することができるような画像形成装置、そのシステム、及びその制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】イメージ属性と判断され、かつ色数が少なく、エッジがしっかりとしているオブジェクト201であっても、明示的に可逆圧縮レイヤ205に生成することができる。画像から抽出した画像ブロックを可逆圧縮レイヤ及び非可逆圧縮レイヤの内の他方のレイヤへ入替するかどうかを判定し、画像ブロックを選択的に他方のレイヤへ移動する。このことにより、文字やグラフィックスの画像のエッジ部分を劣化させることなく出力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ページ記述言語で記述されたジョブから媒体上に画像を形成し、特に画像のエッジの鈍りを防止する画像形成装置、そのシステム、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、印刷画像を生成するには、まずユーザがクライアントPCから、印刷の指示を出す。このとき、クライアントPCのプリンタドライバやアプリケーションがPDL(Page Description Language)ファイルを生成し、ネットワークを介して、画像形成装置に転送する。PDLデータは、画像を生成するための描画命令の集合データとなっており、集合データは文字を描画させる命令や画像(サンプリングイメージ)を描画するコマンド、グラフィックスオブジェクトを描画するベクトル描画命令などで構成されている。画像形成装置はPDLファイルを転送された後、RIP(Raster Image Processor)においてPDLファイルを解析してレンダリングしてメモリ上(またはページを分離したバンド単位のメモリ上)に画像を生成していく。
【0003】
RIPにおいてPDLの描写命令を解析して画像を生成する際に描画命令がイメージ属性であるか、テキストまたはグラフィック属性であるかを判定し、生成画像とその画像に対応する属性情報を生成する。ここで、イメージ属性とはサンプリングイメージであり、一般的な自然画像等を対象とする。
【0004】
従来知られているPDLにおいて、属性情報の生成法の実例として広く普及しているPostScript(米国アドビシステムズ社の登録商標)を例にとる。イメージ属性はImageオペレータというPostScriptの描画命令に対応して生成される。テキストは同じくPostScriptのShowオペレータ、グラフィックスはStrokeオペレータやFillオペレータ等に対応して生成する方法が多い。このような描画命令の種別を利用して、出力オブジェクトと属性情報が関連付けられた画像が生成される。
【0005】
現在では、この生成情報と属性情報を利用し、圧縮率の効率を良くする画像形成システム及びその制御方法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)この画像形成システムは、画像をイメージ属性レイヤ、テキストとグラフィックス属性レイヤの2つに分離して、それぞれの画像レイヤに対して適した画像圧縮を行う。画像圧縮方法は、イメージ属性部分にJPEG等の非可逆圧縮方式を利用し、テキスト・グラフィックス属性部分はLZWやZIP等の可逆圧縮方式を利用している。印刷出力の段階においては、圧縮された画像をそれぞれの伸張方式で伸張した後、2つのレイヤを合成して最終出力を行う仕組みである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アプリケーションやドライバ等のPDL生成方法によっては、本来ユーザがグラフィックスやテキスト属性としたいものがイメージ属性に割り当てられたオペレータで記述されることが多い。たとえば、非可逆圧縮レイヤで使用するJPEG方式はサンプリング画像(人物、風景などの自然画像)に対しては比較的画質を維持しつつ、高圧縮で効率的であるため、従来、イメージ属性のものは非可逆圧縮レイヤへ描画するように構成されていた。ユーザはグラフィックスや文字のオブジェクトはエッジをシャープに残したまま印刷を行いたいと思うのが一般的であると考えられるが、文字やグラフィックスのようにエッジが存在する画像に対して非可逆圧縮(ここではJPEG圧縮)を行ってしまうので、ユーザが意図していない画像劣化が生じていた。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、文字やグラフィックス画像のエッジ部分の劣化を防ぎ、かつ画質と印刷スピードのバランスがとれた画像を生成することができるような画像形成装置、そのシステム、及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様における画像形成装置は、ページ記述言語で記述された描画命令の集合情報を解析してマップ画像を生成し、当該マップ画像を可逆圧縮レイヤ及び非可逆圧縮レイヤのいずれか一方のレイヤに記憶する画像生成部と、前記描画命令の集合情報を解析し、前記マップ画像の属性情報を生成する属性情報生成部と、前記属性情報生成部にて得られた情報から、前記マップ画像の属性がイメージ属性かどうかを判定する属性判定部と、前記いずれか一方のレイヤから、所定のサイズの画像ブロックを抽出する画像抽出部と、前記画像抽出部で抽出された画像ブロックの情報を用いて、当該画像ブロックを前記可逆圧縮レイヤ及び前記非可逆圧縮レイヤの内の他方のレイヤへ入替するかどうかを判定すると共に、当該画像ブロックを選択的に他方のレイヤへ移動する入替処理部と、前記可逆圧縮レイヤと前記非可逆圧縮レイヤで得られた画像を合成する画像合成部と、を備えることをその要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の画像形成装置によれば、文字やグラフィックスの画像のエッジ部分の劣化を防ぎ、かつ画質と印刷スピードのバランスがとれた画像を生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第一の実施形態における印刷管理システムのブロック図である。
【図2】第一の実施形態におけるMFPの概要を示すブロック図である。
【図3−a】従来における出力の状態とその効果を示す図である。
【図3−b】第一の実施形態における出力の状態とその効果を示す図である。
【図4】第一の実施形態におけるフローチャートである。
【図5】第一の実施形態における処理の適用を示した図である。
【図6】第一の実施形態におけるRIPの解析結果と閾値と比較し、ビットマップ画像のレイヤ間の移動処理を示す図である。
【図7】第二の実施形態におけるフローチャートである。
【図8】第三の実施形態におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置の最良な実施形態を詳細に説明する。
(第一の実施形態)
【0012】
図1に示すように、印刷管理システムは、クライアントPC101と、プリントサーバ102と、1つまたは複数のMFP(Multi Function Peripheral)103とを備える。また、各構成コンポーネントは、LANやWAN、無線LAN等のネットワークを介して接続されている。
【0013】
なお、クライアントPC101、プリントサーバ102の各構成コンポーネントはそれぞれ、汎用コンピュータに搭載される標準的な要素を有している。例えば、このような標準的な要素として、CPU、RAM、ROM、HDD、外部記憶装置、ネットワークI/F(インターフェース)、ディスプレイ、キーボード、及びマウス等が挙げられる。
【0014】
クライアントPC101は、内部のCPUがROM等の記憶領域に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することにより、ユーザはドキュメントを作成することができる。また、クライアントPC101にインストールされているプログラムであるプリンタドライバは、ユーザから印刷要求があると、アプリケーションによって作成されたドキュメントの印刷ジョブデータをページ記述言語(PDL)で作成する。次いで、プリンタドライバは、作成された印刷ジョブデータ(PDLファイル)を、プリントサーバ102を経由してMFP103又はクライアントPC101に送出する。
【0015】
MFP103は、モノクロまたはカラーコピー機能、モノクロまたはカラースキャナ機能及びモノクロまたはカラープリンタ機能等を有している。MFP103は、通常受け取った印刷ジョブデータに基づいて、ドキュメントを用紙に例えば電子写真方式で画像形成する(印刷)か、スキャナ機能を使って読み込んだ原稿のスキャン画像を用紙に画像形成する(複写)ことができる。
【0016】
また、MFP103は、ネットワークに接続することにより、スキャン画像をE−mailにて所望の宛先に送信したり、スキャン画像を保存してネットワーク経由での画像のやり取りを可能にしたり、ネットワークプリンタやファックスとしての機能を実現したりすることが可能な装置構成となっている。さらに、MFP103は、内部のCPUが記憶領域に記憶されているプログラムを実行することにより、取得したスキャン画像等に対して所定の画像処理を実行することもできる。
【0017】
図2は、第一の実施形態におけるMFP103の構成を示すブロック図である。MFP103は、ネットワークI/F104、HDD105、RAM106、レイヤ間の入替処理部107、非可逆圧縮部108、可逆圧縮部109、CPU110、非可逆圧縮伸張部111、可逆圧縮伸張部112、合成部113、プリンタI/F114、及びプリントエンジン115等によって構成される。
【0018】
MFP103は、ネットワークI/F104を介して、ネットワーク、クライアントPC101へと接続され、プリンタI/F114を介してプリントエンジン115に接続される。
【0019】
HDD105は、各部の機能を実現するためのプログラム及びデータ等を格納している。これらは必要に応じてRAM106に読み出され、CPU110によってプログラムが実行される。レイヤ間の入替処理部107は、後に詳述するが、可逆圧縮で不向きと思われる画像(非可逆圧縮では効率的に圧縮可能)を識別して非可逆圧縮レイヤに画像を移動させる。レイヤ間の入替処理部107で分離された非可逆圧縮レイヤは非可逆圧縮部108で圧縮され、可逆圧縮レイヤは可逆圧縮部109で圧縮される。CPU110は、ユーザからの入力の検出等、MFP103の全体的な制御を行う。
【0020】
非可逆圧縮伸張部111は、印刷時、非可逆圧縮されていた画像を伸張する。可逆圧縮伸張部112は、印刷時、可逆圧縮されていた画像を伸張する。合成部113は、非可逆圧縮伸張部111及び可逆圧縮伸張部112で伸張され、同等の解像度となった画像を合成し、画像(印刷データ)を形成する。
【0021】
プリントエンジン115は、スキャナで読み取られた画像またはクライアントPC101等から送信されてきた画像を、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色のトナーを使用して用紙に印刷する装置である。
【0022】
次に、基本的なMFP103における印刷フローについて説明する。クライアントPC101のアプリケーションまたはプリンタドライバで作成されたPDLファイルを受け取り、PDLファイルを解析して印刷データを生成し、印刷物を生成する。ここで、PDLファイルを解析して印刷データを生成する処理はRIP(Raster Image Processor)によって行われる。RIPはソフトウェアとして動作し、HDD105内に予め格納されたRIPプログラムを読み出し、CPU110で実行される。
【0023】
PDLにはPostScript、PDF、PCL、XPS等があるが、ここではPostScriptを想定し説明を進めていく。RIPの解析結果はRAM106上に出力される。RIPの解析結果はビットマップ画像(可逆圧縮レイヤと非可逆圧縮レイヤ)とその属性情報を含む。RIPからビットマップ画像を出力する際に、例えばA4の用紙(600dpi)1ページすべての画像を生成すると、1ページで135MBものメモリが必要となってしまう。このような容量の問題から、ページを帯状に分割しながら画像を生成していく。ここでページを帯状に分割したものをバンドという。
【0024】
RIPにより生成されたビットマップ画像は画像の電子ソートや複製のために画像圧縮を施し、HDD105等の記憶媒体に保存する。このとき、圧縮を行う前に本発明における方法で画像をレイヤ間の入替処理部107にてレイヤ間の入替処理し、それぞれのレイヤに適した圧縮を可逆圧縮部109、非可逆圧縮部108で圧縮する。圧縮された画像はHDD105に保存する。印刷時にはHDD105から圧縮された画像を取り出し、圧縮された画像に対応した伸張処理を行って印刷画像を復元する。最終的に復元された画像を合成した後、プリンタエンジン115へ転送することで印刷を行う。
【0025】
従来の印刷における、画像形成システム及びその制御方法は、イメージ属性レイヤ、テキストとグラフィックス属性レイヤの2つに分離して、それぞれの画像レイヤに対して適した画像圧縮を行い、圧縮率の効率を良くする。しかしながら、オブジェクト属性で画像を分離し、それぞれのレイヤに適した圧縮方式を行う場合、非可逆圧縮レイヤではその圧縮方法の性質上画像劣化が発生する。
【0026】
このとき、オブジェクト属性がユーザの期待にそうように出力されれば画像劣化の影響は少ない。しかし、アプリケーションやプリンタドライバによって、PDLファイルを作成した場合、オブジェクト属性の生成はPDLで記述される描画命令に従う。そのため、実際に表現される画像出力は期待と合っていたとしても、PDL記述上、ユーザが意図しないようなオブジェクトとして表現されているという可能性もある。
【0027】
ここで、ユーザが意図するようにPDL記述されない場合について詳述する。PDLファイルが作成される時、アプリケーションデータを作成しているアプリケーションやプリンタドライバによって自動的にPDLファイルが作成されるためユーザは明示的にオブジェクト属性を指示できない。また、PDLのオペレータ種別をオブジェクトの判断基準としていることも問題になることがある。
【0028】
PostScriptのImageオペレータを例にとると、このオペレータで描画されるオブジェクトはイメージオブジェクトになる。ユーザ側の考えとしては自然画像等である場合にイメージ属性としたい。しかし、Imageオペレータを使用してグラフィックのようなものや文字(ビットマップフォントを利用した画像として文字を書く)等を表現することは可能である。すなわち、アプリケーションやドライバ等のPDL生成方法によっては本来ユーザがグラフィックスやテキスト属性としたいものがイメージ属性に割り当てられたオペレータで記述されてしまう。このような状態になってしまうと、イメージ属性は非可逆圧縮レイヤへ描画するような構成をもっている処理系では、イメージ属性とされ、非可逆圧縮(ここではJPEG圧縮)を行ってしまうことでエッジが鈍り画像劣化が生じてしまう。ここで、ユーザはグラフィックスや文字のオブジェクトはエッジをシャープに残し印刷を行いたいと思うのが一般的であると考えられ、エッジ鈍りによる画質劣化を改善させる必要がある。
【0029】
第一の実施形態では、まずビットマップ画像を可逆圧縮レイヤへ生成する。可逆圧縮レイヤをブロック単位に区分して、注目しているブロックがイメージ属性ブロックであるかどうか属性情報を用いて判定する。もしイメージ属性ならばレイヤの入替が必要かどうかを判定する。具体的には、当該ブロックの色数カウントを実行し、色数が閾値を越える場合にはサンプリング画像(人物、風景などの自然画像)であるとして、当該ブロックの画像を非可逆圧縮レイヤへ転送する。すなわち、レイヤ間の入替処理を行う。色数が閾値以下の場合には文字やグラフィックスのようにエッジが存在する画像であるとして、当該ブロックの画像はそのまま可逆圧縮レイヤへ保持する。その後、各レイヤの画像はそれぞれに対応した圧縮処理を行って、HDDに記憶する。
【0030】
そもそもPostScriptなどの描画命令を信じて属性情報を出力すると問題が生じてしまうのであって、描画命令で描画され出力されるオブジェクトとその属性情報を分析することで、後段でより良い、ビットマップ画像のレイヤ間の入替処理を実施することが可能になる。
【0031】
ブロック単位の判定した結果と、オペレータなどの描画命令から得られる情報を考慮した属性情報の生成方法であり、問題となるオブジェクトは、PostScriptなどのImageオペレータで描画される画像について、ブロック単位で入力画像や出力画像をチェックすることで実現する。これは問題となるオブジェクトがイメージ描画命令で描画され、描画された色数が少なく、エッジのはっきりしたオブジェクトであり、このオブジェクトをRIP処理の解析により、非可逆圧縮レイヤに生成してしまうことで問題が発生していた。
【0032】
図3−aに従来における出力の状態とその効果を示し、図3−bに第一の実施形態における出力の状態とその効果を示す。ここでは、問題とされるような色数が少なく(4色)、エッジがしっかりとしているオブジェクト201を考える。まず、図3−aの従来技術を考える。このオブジェクトは、色数が少なく、エッジがしっかりとしいているため、ユーザがグラフィックス命令で描画したいにも関わらず、イメージ描画命令で描画される。そのため、イメージ属性は非可逆圧縮レイヤへ描画するような構成を持っている処理系では、非可逆圧縮(例えばJPEG圧縮)を行うため、非可逆圧縮レイヤ202では、エッジが鈍り、画像が劣化してしまう。従来技術では、イメージ属性のものは可逆圧縮レイヤ203には描画されない。
【0033】
これに対し、図3−bの第一の実施形態では、同様の色数4色、かつ、エッジがしっかりとしているオブジェクト201であっても、明示的に可逆圧縮レイヤ205に出力することができる。すなわち、基本的には画像を可逆圧縮レイヤ205に描画する。その後、色数を閾値と比較することにより、可逆圧縮で不向きと思われる画像(非可逆圧縮では効率的に圧縮可能)を、選択的に非可逆圧縮レイヤ204に移動させる(レイヤ間の入替処理)。このことにより、文字やグラフィックスの画像のエッジ部分を劣化させることなく生成することができる。ここでは、すべてのブロックにおいて色数が閾値を越えない場合を考えており、非可逆圧縮レイヤ204にはビットマップ画像は描画されない。
【0034】
問題となっている事象は、イメージオブジェクトであるが、内容がグラフィックスオブジェクトのようなオブジェクトでも一律非可逆圧縮レイヤに生成している点にある。このため、着目しているブロックの属性情報がイメージかどうかを判断することで、問題を解決し、かつ処理スピードを改善することも可能である。
【0035】
次に、図4の第一の実施形態におけるフローチャートを用い、処理フローについて詳述する。上述したように、ユーザの使用するクライアントPC101で動作するアプリケーションからプリンタドライバを使用して、PDLデータを作成し、そのデータはネットワークを通してMFP103に転送される。MFP103は、転送されたPDLデータを受け取る。PDLデータはRIPへ転送され、S301において、RIP処理によりPDLデータの解析を行い、S302において、可逆圧縮レイヤのオブジェクトと画像の属性を示した属性情報を生成する。
【0036】
属性情報は、PostScriptであれば、Stroke(線の描画)オペレータや、Fill(塗りつぶし)オペレータなどは、グラフィックスとして、Show(文字描画)オペレータであればテキストとして、Image(サンプリング画像、自然画像)オペレータであればイメージ属性とするように定める。他のPDLでも同様に、ある程度、命令からオブジェクトを推定することが可能である。
【0037】
RIP解析による画像(ビットマップ画像)の生成方法は1ページ単位で生成するのではなく、1ページを帯状に分割したバンドという単位の生成となる。第一の実施形態はRIPから得られるバンドデータを所定のブロックサイズで走査しながら判定を行っていく。例えば、このバンド単位で出力された画像に対して、水平方向8画素と垂直方向8画素を一単位とするブロックごとに、順次各ブロックの属性判定を行っていく。ここでは8x8画素のブロックで画像を走査していく処理フローを説明しているが、このブロックサイズは8x8でなくても良く、16x16、32x32といったブロックサイズでも良い。
【0038】
次に、S303において、ページすべてのブロックについて判定を行ったかどうかを判定する。ページすべてのブロックについて判定を行っていない(S303でNo)場合、すべてのブロックの判定が終了するまで、判定のループを繰り返すこととなる。S303でNoの場合、S304において、現在着目している所定サイズのブロックの属性がイメージ属性であるかを判別する。S304でNoの場合、S303に戻り、さらにS303でNoの場合は、現在着目しているブロックとは別のブロックの判定を行う。現在着目している所定のサイズのブロック属性がイメージ属性である(S304でYes)場合、S305において、着目ブロックの画像を抽出し、S306において、画像内の色数が閾値を超えるか判定する。
【0039】
色の構成は次のようなものを考えることができる。一般的な印刷システムはCMYKの各々の版にインク量の8ビット程度のレベルを持つため、各版当たり色数は1レベルを1色とカウントすると256色で表現可能である。また、別の色数のカウント方法としては、CMYK各版の画素の色の組合せを1色としてカウントする方法がある。これは、C=1、M=2、Y=3、K=4(各々256レベル)とした組合せを1色として領域内の他の組合せをカウントする方法である。第一の実施形態において、色数は1レベル1色としてカウントして、各版で独立して色数をカウントする構成となる。
【0040】
色数のカウントはCMYK各々の版毎に行うことを特徴としている。カウントの処理が完了した後、その色数が特定の閾値以下であるような場合は可逆圧縮を行うレイヤに出力し、閾値より値が大きければ、非可逆圧縮を行うレイヤに出力するかどうか判定する。閾値としては例えば、4色、8色、16色、32色があり、任意に設定可能である。別の設定方法としては、ユーザが指定する、印刷ジョブの属性として、テキスト、グラフィックス、イメージ(自然画像)などのモードからそれぞれ以下のようなプレセッティングを持っている。テキスト重視であれば、スキャン画像の文字などをできるだけ鮮明にしたいため、可逆圧縮を行う(閾値:32色)。グラフィックス重視であれば、可能な限り可逆圧縮を行う(閾値:16色)。イメージ重視であれば、自然画像は効率よく圧縮したいため、非可逆圧縮を行う(閾値:8色)。この判定の後、ブロック単位に区切られ、可逆圧縮で不向きと思われる画像(非可逆圧縮では効率的に圧縮可能)を識別して非可逆圧縮レイヤに画像を移動させる。閾値の色数はこれに限らず、他の色数をとっても良い。
【0041】
色数のカウントや生成例の判定はCMYKプレーン毎に独立して実行可能であるので並列的に動作させることが特徴となる。図5に処理の適用を示した図を示す。複数の処理のコア(CPU110でもASICでも)にC版401、M版402、Y版403、及びK版404ごとに割り当てて、さらに数個からなる処理ブロックのセットを割り当ててもよい。
【0042】
画像のレイヤ間入替処理はレイヤ間の入替処理部107において実行される。可逆圧縮レイヤ205の画像の非可逆圧縮レイヤ204へのレイヤ間入替処理をするための色数の閾値(S306)は、プリンタドライバでPDLを作成する際に、画質調整パラメータの設定で与えられたパラメータによって決定される。パラメータは画質重視か効率重視かで決定され、画質優先であればある程、閾値を大きくする。閾値の最大値を255とする。ここで閾値を大きくするということは、可逆圧縮されるブロックが多くなることを意味している。
【0043】
ブロック内の色数が閾値を超えない(S306でNo)場合、S303へ戻り、ループする。画像内の色数が閾値を超える(S306でYes)場合、S307において、可逆圧縮で不向きと思われる画像を識別して、同じ大きさを持つ非可逆圧縮レイヤに画像を移動させる。S308において、元のビットマップ画像である可逆圧縮レイヤのブロックを背景色(通常は白色)で塗りつぶす。レイヤ間の入替が発生した場合は、属性レイヤの属性を変更する。例えば、可逆圧縮レイヤから非可逆圧縮レイヤに移動が発生した場合は、属性レイヤの情報を強制的にイメージ情報に置き換えることになる。その後、S303へ戻り、全ての画像領域を判定し終わるまで、ループを繰り返す。
【0044】
全ての画像領域を判定が終了した(S303でYes)場合、S309において、得られた可逆圧縮レイヤ205を可逆圧縮し、非可逆圧縮レイヤ204に非可逆圧縮処理を行い、S310において、HDD105に保存する。ここで、必ずHDD105に保存する理由は、印刷時に文書のソートが発生するためである。例えば、pp1、pp2、pp3、pp1、pp2、pp3、pp1、pp2、pp3といった構成が考えられる。
【0045】
印刷プロセス(S311)では、S312において、HDD105に保存された画像を取り出し、S313において、画像をそれぞれ伸張した後、S314において、二つに分断された画像を属性情報408を利用して合成し、復元する。属性情報408はどちらのレイヤに画像が保存されているかどうかという情報を保持していることになり、その情報により必要な画像を二つのレイヤから抽出することで復元が可能となる。復元した画像はS315において、プリントエンジン115へ出力する。
【0046】
図6は、RIPの解析結果及び閾値と比較し、画像のレイヤ間の入替処理を示す図である。RIP処理(S301)により、PDLの描画命令を解析し、非可逆圧縮レイヤ204、可逆圧縮レイヤ205、属性レイヤ405に分離される。このとき、ビットマップ画像は可逆圧縮レイヤ205に生成され、非可逆圧縮レイヤ204は空の状態である。可逆圧縮レイヤ205には、色数が閾値以下の画像406、及び色数が閾値を超える画像407が生成され、属性レイヤ405には属性情報408が生成される。ここでは、属性情報408がイメージ属性であった場合(S304のYes)を想定する。イメージ属性である場合(S304のYes)、着目ブロックの画像を抽出し(S305)、画像内の色数が閾値を超えるかどうか(S306)判定する。
【0047】
まず、色数が閾値以下の画像406について説明する。この場合、画像内の色数が閾値以下(S306のNo)となるため、非可逆圧縮レイヤ204に色数が閾値以下の画像406は移さず、可逆圧縮レイヤ205に残す。
【0048】
次に、色数が閾値を超える画像407について説明する。この場合、画像内の意図数が閾値を超える(S306のYes)ため、非可逆圧縮レイヤ204に色数が閾値を超える画像407を移す。そして、色数が閾値を超える画像407が元々存在した可逆圧縮レイヤ205は背景色(通常は白色)で塗りつぶす(S308)。
【0049】
可逆圧縮レイヤ205の画像を非可逆圧縮レイヤ204へレイヤ間の入替処理を行う理由について詳述する。第一の実施形態で想定している可逆圧縮方式(ZIP)は入力がイメージ画像(人物、風景などの自然画像)に対して、画像圧縮効率が非常に悪い。一方、非可逆圧縮レイヤで使用するJPEG方式は画像が劣化するが、イメージ画像(人物、風景などの自然画像)に対しては、比較的画質を維持しつつ、高圧縮も可能であり、効率的である。ただし、文字やグラフィックスのようにエッジが存在する画像にJPEG方式を用いて圧縮を行うと、前述したようにエッジが鈍る。
【0050】
ここで、画質と印刷スピード性能には一般的にトレードオフの関係があり、画質と印刷スピードのバランスをとることが重要であると考えられる。このバランスと取る方針として、第一の実施形態では、基本的にはビットマップ画像を可逆圧縮レイヤに残し、必要に応じて、可逆圧縮で不向きと思われる画像を識別して非可逆圧縮レイヤに移動させる。
【0051】
本実施形態はオブジェクトの特性について着目し、従来よりも簡単な処理フローで高い効果を実現することを特徴としている。問題となっているオブジェクトはImageオペレータ等の主に自然画像を描画するようなイメージ描画命令を使って描画がされるが、エッジが鋭く、色数が少ないものであることがいえる。文字であれば一つの文字を描画するのに数十色の色を使って描画することはない。また、ラインアートや塗りつぶし、オブジェクト等が多いグラフィックスオブジェクトにおいて8x8画素のブロックサイズの中で数十色もの色を利用することもほぼない。
【0052】
このように局所的に見て色数の少ないブロックを含むオブジェクトは本来テキスト、グラフィックスとして描画されるべきものであるオブジェクトである可能性が高い。そのため、このようなオブジェクトを明示的に可逆圧縮レイヤに生成することで、文字やグラフィックスの画像のエッジ部分を劣化させることなく出力することができる。さらに、可逆圧縮は連続する同じパターンを抽出することで圧縮を行うため、想定しているような画像は可逆圧縮方式と相性が良い。よって、圧縮率の面でも効果的であるといえる。
【0053】
また、非可逆圧縮レイヤに出力された画像はJPEG圧縮されるため画像劣化が発生する。JPEG圧縮に利用されるブロックサイズのアラインに沿って分離されるため、ブロックの境界での画像劣化はすべてJPEG圧縮した場合と結果は同じようになる。つまり画像のレイヤ間入替処理をすることによって、非可逆圧縮側の画像が劣化することがないということを意味する。
【0054】
2つのレイヤに分離された画像は、可逆圧縮レイヤにはZIPのような可逆圧縮を行い、非可逆圧縮レイヤにはJPEG圧縮を行い、HDD105に画像を保存する。印刷の際にはHDD105から圧縮画像を取り出し各圧縮画像に適した伸張アルゴリズムを利用して画像を戻した後、2つの画像をOR演算することで1枚の出力画像を生成する。
【0055】
合成に際しては8ビット画像のまま合成する方法や、スクリーンをかけた後の画像を合成する方法を適用することができる。スクリーンをかけた後の合成とは、1ビット、2ビット、及び4ビット等のスクリーン(ハーフトーン表現されたもの)をかけた画像のことである。スクリーンを行った場合はデータの符号量が1ビットであれば1/8、2ビットであれば1/4となるため、合成に使用するロジックを小規模なものにできる利点がある。また8ビットのまま合成する場合、合成された後にフィルター処理等を施すことや画像回転をして出力するといったことが可能となる。画像回転であるが、スクリーン処理は一般的に画像方向に依存性があるため、一度スクリーンをかけたものを直接回転してもよい画像が得られない問題が出ることがある。
【0056】
このような構成をとり、従来PDLから得られるオブジェクト情報により分離した場合、本来テキスト、グラフィックスとして扱いたいオブジェクトがイメージオブジェクトとして扱われ、圧縮で画像が劣化してしまう問題を解決することができる。また、従来のようにオブジェクト属性を表す情報を持たなくてもレイヤ間の入替、復元が可能になるため、メモリの節約や処理の高速化といったメリットを得ることが可能になる。
【0057】
なお、第一の実施形態では、ビットマップ画像を可逆圧縮レイヤに生成するものであったが、これとは逆に、ビットマップ画像を非可逆圧縮レイヤ側に生成してもよい。この場合、レイヤ間の入替処理部107は、画像ブロックの色数が閾値以下のものを選択的に可逆圧縮レイヤ側に移動させるように入替処理を行えばよい。
(第二の実施形態)
【0058】
第二の実施形態は、色数判定ロジックにおいて、第一の実施形態と違った手法を用いる。第一の実施形態では、色数をカウントして判定していたが、本実施形態では、ブロック内にある色の分散を判定することを特徴としている。なお、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0059】
第一の実施形態ではブロック内にある色の分散を判定することで対象としているブロックを可逆圧縮ブロックとして扱うか、非可逆圧縮ブロックとして扱うかどうかを判定する。色の分散が小さい場合は同じ色が多いことを意味することになる。同じレベルの画素が多い場合は、テキストやグラフィックスオブジェクトである場合が多いことがあるため可逆圧縮ブロックとして取り扱うことを特徴とする。
【0060】
図7は、第二の実施形態におけるフローチャートである。図7のS501〜S505は、図4の第一の実施形態のS301〜S305と同様の工程である。S505において、着目ブロックの画像を抽出した後、画像内の色の分散を算出する。
【0061】
分散の値はn個のデータx、x、…xがあり、
【0062】
【数1】

を相加平均とした場合、以下の式の平均として表すことができる。
【0063】
【数2】

上述の式を用いて、平均に対する分散値σを以下の式より求める。
【0064】
【数3】

ここでは256のレベルでσ=7とする。σの値が小さければ小さいほど、色が分散していないということを表し、σの値が大きければ大きいほど、色が分散しているということを表す。可逆圧縮は同じ色の画像の方が小さく圧縮できるという特徴を持つ。よって、分散値σの値が大きければ、非可逆圧縮を行う。
【0065】
色の分散値σを算出した後、S506において、分散値σが閾値より値が大きいかどうかを判別する。分散値σが閾値以下であった(S507でNo)場合、S503に戻り、ループを繰り返す。それに対し、分散値σが閾値より値が大きい(S506でYes)場合、S507において、非可逆圧縮レイヤに画像をコピーし、S508において、元の画像である可逆圧縮レイヤの画像を背景色(通常は白色)で埋める。S503において、全ての画像領域の判定が終了した場合、図4のS309以降と同様の工程をとる。
【0066】
具体的な画像のレイヤ間の移動処理については、図6で色数を分散値に変更したものと同様である。この操作を行い、可逆圧縮で不向きと思われるビットマップ画像(非可逆圧縮では効率的に圧縮可能)を識別して非可逆圧縮レイヤに画像を移動させる。このビットマップ画像のレイヤ間入替処理により、従来で発生していた圧縮によるエッジの鈍りを解決でき、加えて圧縮率の向上を図ることができる。
【0067】
分散を利用することで色数をカウントし、色数の閾値で判定をするだけでは画像全体を考えた場合、偏りが発生する可能性がある。例えば、C=255、C=128、C=0の3色が存在する場合を考える。この時、対象としている領域内に255、128,0の組合せが連続して出現しているとは限らない。そのため、領域内の分散から偏りを見ることで精度良く可逆、非可逆を切り替えることで、最終的に出力される画像品質を高めることができる。
(第三の実施形態)
【0068】
第一の実施形態、及び第二の実施形態では、分離した画像は共に同じ解像度であるが、本実施形態では、非可逆圧縮を適用するレイヤの画像の解像度を低解像度へ解像度変換することを特徴としている。なお、第二の実施形態同様、第一の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0069】
第一の実施形態、及び第二の実施形態では、分離した画像は共に同じ解像度であったが、非可逆圧縮を適用するレイヤをRIP出力時の解像度で保持しておく必要がない。これは前段におけるブロック内の色の状態判定により、非可逆圧縮によって画像が少し劣化しても使用上問題ないレベルと判定されているため、圧縮率の向上を優先する場合は、さらに解像度を低解像度へ解像度変換しても画質的に影響が少ないと考えることができる。
【0070】
図8は、第三の実施形態におけるフローチャートである。図8のS601からS608は図7の第二の実施形態のS501及びS508と同様の工程である。可逆圧縮レイヤのすべてのブロックを判定したら(S603のYes)、S609において、非可逆圧縮レイヤを縮小する。その後のS610〜S614は図7のS509〜S513と同様の工程である。S614で画像を伸張した後、S615において、縮小していた非可逆圧縮レイヤを拡大し、S616で同様の拡大率となった可逆圧縮レイヤと非可逆圧縮レイヤを合成し、S617において、プリントエンジン115へ画像を出力する。
【0071】
ここでは第二の実施形態の拡張として示しているが、これが第一の実施形態の拡張としても同様に実施可能である。具体的にはRIPからの画像出力が1200dpi/8bitである時、非可逆圧縮レイヤ側に分離された画像を600dpi/8bitの画像に縮小する。1200dpiから600dpiに縮小することでデータサイズは1/4となるため非常に効率的なデータハンドリングを行うことが可能になる。印刷出力時には元の解像度まで拡大して可逆圧縮レイヤの画像と合成することで最終的な画像を得ることが可能になる。
【0072】
ここでは、解像度を1200dpiから600dpiへの縮小としているが、この構成でなくともよく、1200dpiから300dpiへ縮小する動作も可能である。また、非可逆圧縮を利用するグラフィックスレイヤにおいて縮小を行うこともできる。
【0073】
拡大縮小ロジックには、バイリニアやバイキュービック、ニアレストネイバーを行った拡大縮小ロジックを適用する。バイリニアやバイキュービックの方法は、拡大縮小時にエッジがぼける現象が発生するが、対象となるレイヤが比較的自然画像に近いため有効に働く。逆に文字やグラフィックスなどのようにエッジがしっかりとしている、色数が少ないといった画像に対してはニアレストネイバーなどの手法を利用したほうが良いことがあるが、本実施形態では予めこのような画像は可逆圧縮レイヤに出力されているため利用しなくてもよい。
【0074】
非可逆圧縮レイヤ側に分離された1200dpi・8bitの画像を600dpi・8bitの画像に縮小するとデータサイズは1/4(A4サイズで500MB→125MB程度削減)となり、システムへのリソース負荷を低減させることができる。データサイズを削減することで画質的な劣化は発生するが、この方式では画質劣化に比べ、データ削減のメリットが大きくなるとしている。
【0075】
ただし、ユーザの希望が画質優先であるならばこの方式はベストではない可能性もある。理由としては、一般的に非可逆圧縮レイヤに出力される画像の入力ソース自体が1200dpiの解像度を持ったものが少なく、画質的なメリットが少ないにも関わらず、出力解像度を入力解像度にして出力側の負荷を4倍に増やす必要性が低いことが挙げられる。また、元々、非可逆圧縮レイヤは画像の劣化を許容しているので、画像縮小によって劣化が発生しても問題が少ないことが挙げられる。
【0076】
この構成を行うと、最終的な画像品質を保ちつつ、取り扱うデータサイズが減少することでデータを効率良く扱うことが可能となり、分離に伴って増大する負荷を低減することでパフォーマンス低下の懸念を払拭させることができる。
【0077】
第一の実施形態から第三の実施形態はすべてソフトウェアとしても機能することができ、CPU、メモリ、HDDの構成において実行されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
101…クライアントPC
102…プリントサーバ
103…MFP
104…ネットワークI/F
105…HDD
106…RAM
107…レイヤ間の入替処理部
108…非可逆圧縮部
109…可逆圧縮部
110…CPU
111…非可逆圧縮伸張部
112…可逆圧縮伸張部
113…合成部
114…プリントI/F
115…プリントエンジン
204…非可逆圧縮レイヤ
205…可逆圧縮レイヤ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特開2000−184205公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ページ記述言語で記述された描画命令の集合情報を解析してマップ画像を生成し、当該マップ画像を可逆圧縮レイヤ及び非可逆圧縮レイヤのいずれか一方のレイヤに記憶する画像生成部と、
前記描画命令の集合情報を解析し、前記マップ画像の属性情報を生成する属性情報生成部と、
前記属性情報生成部にて得られた情報から、前記マップ画像の属性がイメージ属性かどうかを判定する属性判定部と、
前記いずれか一方のレイヤから、所定のサイズの画像ブロックを抽出する画像抽出部と、
前記画像抽出部で抽出された画像ブロックの情報を用いて、当該画像ブロックを前記可逆圧縮レイヤ及び前記非可逆圧縮レイヤの内の他方のレイヤへ入替するかどうかを判定すると共に、当該画像ブロックを選択的に他方のレイヤへ移動する入替処理部と、
前記可逆圧縮レイヤと前記非可逆圧縮レイヤで得られた画像を合成する画像合成部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記入替処理部は、前記抽出された画像ブロックの色数、または前記抽出された画像ブロックの色の分散値を算出し、任意に設定された閾値より色数または分散値が大きい場合は前記他方のレイヤへコピーし、前記一方のレイヤのブロック内を背景色で塗りつぶすことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記一方のレイヤは前記非可逆圧縮レイヤであって、当該非可逆圧縮レイヤに出力された画像の解像度を低解像度へ解像度変換し、前記画像合成部にて画像を合成する際に、低解像度へ解像度変換した画像を高解像度へ解像度変換することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像抽出部において、特定のサイズのブロックは、8×8画素のブロックを一単位として構成されるブロックであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記入替処理部での抽出されたブロック内の画像情報の判定は、CMYKの版ごとに判定処理を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記入替処理部で抽出されたブロック内の色分布情報は、ブロック内の色の分散を利用することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ページ記述言語で記述された描画命令の集合情報を解析してマップ画像を生成し、当該マップ画像を可逆圧縮レイヤ及び非可逆圧縮レイヤのいずれか一方のレイヤに記憶する画像生成手段と、
前記描画命令の集合情報を解析し、前記マップ画像の属性情報を生成する属性情報生成手段と、
前記属性情報生成部にて得られた情報から、前記マップ画像の属性がイメージ属性かどうかを判定する属性判定手段と、
前記いずれか一方のレイヤから、所定のサイズの画像ブロックを抽出する画像抽出手段と、
前記画像抽出部で抽出された画像ブロックの情報を用いて、当該画像ブロックを前記可逆圧縮レイヤ及び前記非可逆圧縮レイヤの内の他方のレイヤへ入替するかどうかを判定すると共に、当該画像ブロックを選択的に他方のレイヤへ移動する入替処理手段と、
前記可逆圧縮レイヤと前記非可逆圧縮レイヤで得られた画像を合成する画像合成手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
ページ記述言語で記述された描画命令の集合情報を解析してマップ画像を生成し、
当該マップ画像を可逆圧縮レイヤ及び非可逆圧縮レイヤのいずれか一方のレイヤに記憶し、
前記描画命令の集合情報を解析し、前記マップ画像の属性情報を生成し、
前記属性情報生成部にて得られた情報から、前記マップ画像の属性がイメージ属性かどうかを判定し、
前記いずれか一方のレイヤから、所定のサイズの画像ブロックを抽出し、
前記画像抽出部で抽出された画像ブロックの情報を用いて、当該画像ブロックを前記可逆圧縮レイヤ及び前記非可逆圧縮レイヤの内の他方のレイヤへ入替するかどうかを判定し、
当該画像ブロックを選択的に他方のレイヤへ移動し、
前記可逆圧縮レイヤと前記非可逆圧縮レイヤで得られた画像を合成する
画像形成装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3−a】
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【図3−b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−171971(P2010−171971A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4208(P2010−4208)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】