説明

画像形成装置、利用時間制御方法、プログラム及び記録媒体

【課題】画像形成装置が、多種の機能を複合的に備える場合について、利用者に応じて各々の機能の利用時間を細かく制御することを可能にする。
【解決手段】画像形成装置100の操作者全員の属性情報ごとについて各種機能の各々の利用可能時間が設定された利用可能時間設定を管理する利用時間管理手段112と、操作者の属性情報を取得する属性取得手段(好適には認証部106)と、その利用可能時間設定と操作者の属性情報と現在の時間情報(好適には時刻、曜日、日付)と、を参照して利用の可否を判定する利用可能機能判定手段111を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コピー機やファクシミリ装置などの画像形成装置、その利用時間制御方法、利用時間制御のためのプログラム及びそのプログラムが記録された記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の、高機能化・機能複合化・機能融合化が進む画像形成装置(例えばMFP:Multi-Functional Printer などがある)は、会社のオフィス内などに設置されるケースが多く、当該会社の正社員のみならず、派遣社員、アルバイトの人たちも利用し、概して複数の利用者(以下、適宜「ユーザ」又は「操作者」という用語を用いる)がこれを利用する。ところが、中には正当な権限なく不正規の利用をする利用者もいる。
【0003】
ところが、正規の利用者の中にも不正な利用をする可能性がある。また、不正規な利用者が、正規の利用者になりすまして不正利用を試みる可能性もある。不正利用は営業時間外など、他人がいない時間帯に行われる可能性が高い。
【0004】
したがって、従来、通常の営業時間だけ利用を許すような画像形成装置が提案されている。例えば特許文献1に開示される従来発明は、時間によってユーザの利用可否を設定できる画像形成装置である。
【0005】
より詳細には、オペレーションパネルを有する画像形成装置であって、予めユーザIDごとに利用可能時間を設定しておき、ユーザをしてユーザIDとパスワードをオペレーションパネルに入力させしむることによって認証を行い、この認証を行った時刻が利用可能時間に該当するか否かで、装置の利用可否を決定する画像形成装置であると考えられる。
【特許文献1】特開2004−134995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、その一方で、上述のように近年の画像形成装置は高機能化が進み様々な機能が搭載されてきている。したがって、ある機能についてあるユーザに利用させてもよいが、あるユーザには使わせたくないといった要求が生じる。
【0007】
ところが、特許文献1に開示される従来発明では、機器が使えるかどうかの制御しか実現できず、高機能化した画像形成装置の、各々の機能の利用を細かく制御することができないという問題点があった。
【0008】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、画像形成装置が多種の機能を複合的に備える場合に、利用者に応じて各々の機能の利用時間を細かく制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、少なくとも2以上の機能を有する画像形成装置であって、装置操作者全員の属性情報ごとについて前記機能の各々の利用可能時間が設定された利用可能時間設定を管理する利用時間管理手段と、操作者が装置を作動させる際に操作者の属性情報を取得する属性取得手段と、操作者が装置を作動させた後、装置の前記機能のいずれか1つを利用しようとする際に、該機能について前記属性取得手段が取得した操作者の属性情報と前記利用可能時間設定と現在の時間情報とを参照して利用の可否を判定する利用可能機能判定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記利用時間設定は、暦に合わせて設定され、前記時間情報は、時刻情報と暦情報とを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置において、前記属性情報は、操作者の識別子又は操作者の分類されるグループのいずれか1つであることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の画像形成装置において、前記機能は、コピー機能、スキャナ機能、内線ファクシミリ機能、外線ファクシミリ機能、カラー画像利用機能、ドメイン内電子メール送信機能及びドメイン外電子メール送信機能から選ばれる少なくとも2以上であることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、少なくとも2以上の機能を有する画像形成装置の利用時間制御方法であって、装置操作者全員の属性情報ごとについて前記機能の各々の利用可能時間が設定された利用可能時間設定を管理する利用時間管理ステップと、操作者が装置を作動させる際に操作者の属性情報を取得する属性取得ステップと、操作者が装置を作動させた後、装置の前記機能のいずれか1つを利用しようとする際に、該機能について前記属性取得手段が取得した操作者の属性情報と前記利用可能時間設定と現在の時間情報とを参照して利用の可否を判定する利用可能機能判定ステップと、を有することを特徴とする画像形成装置の利用時間制御方法である。
【0014】
請求項6記載の発明は、少なくとも2以上の機能を有する画像形成装置に、装置操作者全員の属性情報ごとについて前記機能の各々の利用可能時間が設定された利用可能時間設定を管理する利用時間管理処理と、操作者が装置を作動させる際に操作者の属性情報を取得する属性取得処理と、操作者が装置を作動させた後、装置の前記機能のいずれか1つを利用しようとする際に、該機能について前記属性取得手段が取得した操作者の属性情報と前記利用可能時間設定と現在の時間情報とを参照して利用の可否を判定する利用可能機能判定処理と、を実行させることを特徴とするプログラムである。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、画像形成装置が多種の機能を複合的に備える場合に、利用者に応じて各々の機能の利用時間を細かく制御することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の好適な実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0018】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【0019】
図1において、画像形成装置100は、スキャナ101、プロッタ102、符号化/復号化部103、システム制御部104、ネットワーク制御部105、認証部106、網制御部107、モデム108、画像蓄積部109、操作表示部110、利用可能機能判定手段111を有し、これらはシステムバス113を介して相互に接続される構成である。また、利用可能機能判定手段111の中には利用時間管理手段112がある。
【0020】
スキャナ101は、スキャナ機能を有する。プロッタ102は、画像形成機能を有し、スキャナ101が読み込んだ画像データを複製して紙媒体等に出力するためのコピー機能も有する。
【0021】
符号化/復号化部103は、符号化と復号化とに特化した演算処理機能を有し、スキャナ101が読み込んだ画像データを圧縮して画像蓄積部109に蓄積する際に符号化を行う(また、その逆に復号化も行う)ほか、画像形成装置100がファクシミリ通信を行う際に画像データを適切なデータに圧縮/展開するための演算を行う。
【0022】
システム制御部104は、画像形成装置100全体の制御を行う中央制御機能を有する。好適にはCPU又はマイクロプロセッサが適用されうる。
【0023】
ネットワーク制御部105は、有線又は無線LAN(Local Area Network)を含む各種ネットワークのインターフェースであり、電子メールの送受信機能を担う。
また、当該電子メールの送受信機能は、送信先が社内である場合と社外である場合とで、利用可能時間を異ならせるよう構成する。
【0024】
認証部106は、画像形成装置100を利用しようとしているユーザを特定するためのハードウェアである。この認証部106を利用して認証アプリケーションがシステム制御部104によって動作するため、認証部106というハードウェアと認証ソフトウェアが協働して、画像形成装置100の利用ユーザを特定し認証するという所定の目的を果たすための手段が構成される。
【0025】
なお、操作者が画像形成装置100を作動させる際に、ユーザIDとパスワードのペアの入力を操作表示部110に入力するように促し、それらが画像形成装置100の記憶しているものと合致したら、画像形成装置100の通常の作動を許可するように構成すれば、操作者の属性情報を取得することになる。ここで、属性情報とは、ユーザIDでもよいし、当該ユーザIDが参照する操作者の名前でも、所属するグループIDでもよい。
【0026】
網制御部107とモデム108は、回線114と繋がり、画像形成装置100のファクシミリ送受信機能を担う。網制御部107は、網制御装置(NCU:Network Control Unit)であり、電話回線を制御して電話をかけたり切ったりできる。
【0027】
モデム108は、網制御部107が受け取ったアナログデータをデジタルデータに復号化してシステムバス113を介して画像蓄積手段109へ送ったり、逆に、システム制御部104の指令を受けて画像蓄積手段109からデジタルデータを、システムバス113を介して受け取りアナログデータに符号化して網制御部107へ渡し、電話回線である回線114を通じて外部へと送信させたりする。
また、当該ファクシミリの送受信機能は、送信先が社内である場合と社外である場合とで、利用可能時間を異ならせるよう構成する。
【0028】
画像蓄積手段109は、画像形成装置100でコピーをした際やファクシミリを送受信した際に生成された画像データを蓄積する機能を有する。好適には不揮発性のフラッシュメモリや、ハードディスクドライブなどで実施が可能である。
【0029】
操作表示部110は、画像形成装置100とユーザとのインターフェースである。例えばタッチパネルが好適である。タッチパネルである場合、ユーザによる画像形成装置100への操作の受け付けと、画像形成装置100からユーザへの信号メッセージの表示とが、同時に実現可能なので有利である。
【0030】
利用可能機能判定手段111は、上述のように認証部106が得た操作者の属性情報と、操作者が操作/利用しようとしている機能と、内蔵する利用時間管理手段112が管理する利用時間情報とに基づいて、当該機能を操作者が利用可能か否かを判定する。判定結果はシステムバス113を介してシステム制御部104が受け取り、操作表示部110を使って当該機能の操作/利用/実行が不可であることを操作者に通知する。
【0031】
利用時間管理手段112は、暦(カレンダー)情報と時刻とを取得する機能と、操作者の属性情報と機能と利用時間との関係を管理する機能と、を有する。これら機能により得られる、時間に関する情報又は管理情報を、利用可能機能判定手段111の求めに応じて提供する。
【0032】
次に、図2を参照して、利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係である利用可能時間設定について述べる。
【0033】
図2は、本実施形態において利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係の一例を示す図(その1)である。
【0034】
図2において、「ユーザー1〜3」のそれぞれに対して、「機能1〜4」の利用開始時間と終了時間が設定されている。「ユーザー1」等は、操作者の属性情報に相当する。これは例えば操作者を特定する情報が好ましく、操作者の名前、操作者のユーザID等でよい。
【0035】
図2において、例えば、ユーザー1の機能2の利用時間は、10:00から22:00の間となる。また、ユーザー3の機能1の利用時間は、8:30から17:00の間となる。また、ユーザー3には機能3と4は利用させたくないため、利用時間を設定していない。
【0036】
本実施形態は、上記のような構成であり、下記のように動作する。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置のユーザ利用時間管理処理の動作手順を示すフローチャート図である。
【0037】
図6において、ステップS601において、ユーザは画像形成装置100にログインする。画像形成装置100は、ログイン時の認証でユーザを判別することができる。
【0038】
ステップS602において、ユーザが画像形成装置100を操作表示部110の操作により、利用したい機能の設定をする。
【0039】
ステップS603において、ユーザが操作表示部110の操作により(好適には図示しないスタートボタンの押下操作等)、ステップS602で設定した機能を実行するように画像形成装置100に指示する。
【0040】
ステップS604において、画像形成装置100は、利用可能機能判定手段111の利用時間管理手段112を用いて、ユーザがステップS602で設定した機能が現在実行できるかどうかを判断する。
ステップS604の分岐において、上記判断がYesであり使用可能時間内であると判定された場合はステップS605へ進む。Noであり使用可能時間外であると判定された場合はステップS606へ進む。
【0041】
ステップS605において、画像形成装置100はステップS602にて設定された機能を実行する。
また、ステップS606において、画像形成装置100はステップS602にて設定された機能を実行しない。代わりに、実行不可能である旨を操作表示部110における表示、画面にアラートを出す等により、ユーザに通知する。
【0042】
以上に述べた本実施形態の一連の動作は、ユーザが画像形成装置100の操作画面である操作表示部110から操作する場合を特に述べたが、ウェブ・ブラウザやパーソナル・コンピュータからアプリケーション・ソフトウェアを利用して操作するよう構成してもよい(他の実施形態により後述する)。
【0043】
〔第2の実施形態〕
また、本発明は、下記のようにして実施することもできる。
上記第1の実施形態において、利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係を、図3のように、暦(カレンダー)情報も含めて構成する。
【0044】
図3は、本実施形態において利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係の一例を示す図(その2)である。
【0045】
図3において、ユーザー1〜2それぞれに対して、機能1〜3の利用開始時間と終了時間が1週間の曜日ごとに設定されている。
例えば、ユーザー1の機能2の水曜の利用時間は、10:00から22:00の間となる。また、ユーザー2の機能3の金曜の利用時間は、8:30から19:00の間となる。
なお、本実施形態において図3には、1週間単位で設定する例を示したが、1ヶ月単位や1年単位などで設定してもよい。
【0046】
〔第3の実施形態〕
また、本発明は、下記のようにして実施することもできる。
上記第1又は第2の実施形態において、利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係を、図4、図5のように、操作者の属性情報として「ユーザグループ」を適用させて構成する。
【0047】
図4は、本実施形態において利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係の一例を示す図(その3)である。
【0048】
図4において、管理者、社員、派遣(派遣社員)のそれぞれのグループに対して、機能1〜4の利用可能時間が設定されている。
例えば、社員の機能2の利用時間は、8:30から22:00の間となる。
【0049】
本実施形態におけるユーザとグループの関係の一例を、図5に示す。
図5は、本実施形態におけるユーザとユーザグループとの関係の一例を示す図である。
図5において、「ユーザー」列に記載のユーザが、それぞれどのユーザグループに所属するのか、「所属」列に記載されている。例えば、ユーザー1、ユーザー2は社員、ユーザー3は派遣というように、それぞれのユーザがどのユーザグループに属するのか設定されている。
【0050】
なお、本発明を実施するための態様においては、画像形成装置が操作者の属性情報を得る構成であるが、その属性情報を個人名やユーザIDと具象化すれば第1の実施形態が得られ、ユーザグループと具象化すれば本第3の実施形態が得られる。
【0051】
〔第4の実施形態〕
また、本発明は、下記のようにして実施することもできる。
上述した実施形態を構成する各機能をプログラム化し、予めROMなどの記録媒体に書き込んでおき、このROMを画像形成装置に搭載して、画像形成装置が搭載したマイクロプロセッサでROM内のプログラムを実行する。
このような構成によっても、本発明の目的は達成される。
【0052】
なお、記録媒体としては半導体媒体(たとえば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(たとえば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(たとえば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
【0053】
また、ロードしたプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0054】
さらに、上述したプログラムをサーバコンピュータのHDD等の記憶装置に格納しておき、ネットワークで接続された利用者のコンピュータからダウンロードして頒布する場合、また、サーバコンピュータから配信して頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の実施形態に係る記録媒体に含まれる。
【0055】
このように、本発明の機能をプログラムして、記録媒体に記録し頒布することによって、コスト、可搬性、汎用性を向上させることができる。
【実施例1】
【0056】
上記実施形態のうちいずれか1つをさらに具体的に実施する例について詳細に説明する。本実施例は、ユーザがコピー機能を実行しようとする際の実施例であり、上記実施形態における動作を詳細化したものであるので、説明を適宜省略して、特徴的な部分のみを述べる。
【0057】
図7は本実施例に係る画像形成装置のユーザ利用時間管理処理の動作手順を示すフローチャート図である。図6と共通する部分については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0058】
図7において、ステップS601において、ユーザは画像形成装置100にログインする。画像形成装置100は、ログイン時の認証でユーザを判別することができる。
【0059】
ステップS702において、ユーザが画像形成装置100を操作表示部110の操作により、コピー機能の利用を設定する。
【0060】
ステップS603において、ユーザが操作表示部110の操作により(好適には図示しないスタートボタンの押下操作等)、コピー機能を実行するように画像形成装置100に指示する。
【0061】
ステップS604において、画像形成装置100は、利用可能機能判定手段111の利用時間管理手段112を用いて、コピー機能が現在実行できるかどうかを判断する。
ステップS604の分岐において、上記判断がYesであり使用可能時間内であると判定された場合はステップS705へ進む。Noであり使用可能時間外であると判定された場合はステップS606へ進む。
【0062】
ステップS705において、画像形成装置100はコピー機能を実行する。
また、ステップS606において、画像形成装置100はコピー機能を実行しない。代わりに、実行不可能である旨を操作表示部110における表示、画面にアラートを出す等により、ユーザに通知する。
【0063】
以上で、本実施例の説明を終える。また、上記実施形態及び上記実施例の効果について、以下で述べる。
【0064】
〔効果〕
上記実施形態によれば、複数の機能を有する画像形成装置において、ユーザの機能ごとの利用時間を設定できるよう利用時間管理手段と利用可能機能判定手段を有する構成としたことで、画像形成装置の利用者の使える時間と使える機能が制御できるようにすること、つまり、画像形成装置の管理者はユーザの利用を細かくコントロールすることができ、管理者の目の届かない時間にユーザが隠れて不正な利用を試みる可能性を低くすることができ、セキュリティが向上する。
【0065】
また、上記実施形態(特に第2の実施形態)によれば、日によって利用時間を別々に設定し、休日など利用時間が通常と異なる日にも対応するよう構成したので、日ごとに利用時間を設定できるようになり、休日や管理者が不在となる特定の日の時間帯といった場合に利用を制限するといったことが可能となり、管理の利便性が向上する。
【0066】
また、上記実施形態(特に第3の実施形態)によれば、複数のユーザをまとめたグループ単位で設定し、社員や派遣のようにユーザをまとまりで管理できるよう構成したので、ユーザをグループごとに管理することで全ユーザごとに設定する手間が省け、社員や派遣といった区別でまとめて管理できるので画像形成装置の利便性が向上する。
【0067】
また、上記実施形態(特に第4の実施形態)によれば、本発明の機能をプログラムして、記録媒体に記録し頒布することによって、コスト、可搬性、汎用性を向上させることができる。
【0068】
また、上記実施形態によれば、画像形成装置が、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能又はカラー画像処理(利用)機能を複合的に併せ持つ場合でも、利用時間の制御が細かく設定でき、画像形成装置の管理の利便性が向上する。
【0069】
また、上記実施形態によれば、ファクシミリの宛先が外線か内線かで利用可能時間が異なるように設定すると、社内と社外など宛先によって利用時間を変えたい場合に対応できる。さらに、ファクシミリ機能を有し、宛先が外線と内線の区別ができる画像形成装置において、内線を使った社内への通信は不正利用の可能性が低いので利用時間を長くし、社外への外線を使った通信の利用は時間を厳しく制限するといったように、セキュリティを向上させることができる。
【0070】
また、上記実施形態によれば、電子メールの宛先がドメイン内かドメイン外かで利用可能時間が異なるよう設定することで社内と社外など宛先によって利用時間を変えたい場合に対応するため、メール送信機能を有し、宛先がドメイン内とドメイン外の区別ができる画像形成装置においてドメイン内の社内への通信は不正利用の可能性が低いため利用時間を長くし、社外への外線を使った通信の利用は時間を厳しく制限するといったようにセキュリティを向上させることができる。
【0071】
また、上記実施形態によれば、上記の各実施形態を組み合わせることで、より画像形成装置の管理の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態において利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係の一例を示す図(その1)である。
【図3】本発明の好適な実施の形態において利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係の一例を示す図(その2)である。
【図4】本発明の好適な実施の形態において利用時間管理手段112で管理しているユーザと機能と利用時間との関係の一例を示す図(その3)である。
【図5】本発明の好適な実施の形態におけるユーザとユーザグループとの関係の一例を示す図である。
【図6】本発明の好適な実施の形態に係る画像形成装置のユーザ利用時間管理処理の動作手順を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の実施例1に係る画像形成装置のユーザ利用時間管理処理の動作手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0073】
100 画像形成装置
101 スキャナ
102 プロッタ
103 符号化/復号化部
104 システム制御部
105 ネットワーク制御部
106 認証部
107 網制御部
108 モデム
109 画像蓄積部
110 操作表示部
111 利用可能機能判定手段
112 利用時間管理手段
113 システムバス
114 回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2以上の機能を有する画像形成装置であって、
装置操作者全員の属性情報ごとについて前記機能の各々の利用可能時間が設定された利用可能時間設定を管理する利用時間管理手段と、
操作者が装置を作動させる際に操作者の属性情報を取得する属性取得手段と、
操作者が装置を作動させた後、装置の前記機能のいずれか1つを利用しようとする際に、該機能について前記属性取得手段が取得した操作者の属性情報と前記利用可能時間設定と現在の時間情報とを参照して利用の可否を判定する利用可能機能判定手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記利用時間設定は、暦に合わせて設定され、
前記時間情報は、時刻情報と暦情報とを含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記属性情報は、操作者の識別子又は操作者の分類されるグループのいずれか1つであることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記機能は、コピー機能、スキャナ機能、内線ファクシミリ機能、外線ファクシミリ機能、カラー画像利用機能、ドメイン内電子メール送信機能及びドメイン外電子メール送信機能から選ばれる少なくとも2以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
少なくとも2以上の機能を有する画像形成装置の利用時間制御方法であって、
装置操作者全員の属性情報ごとについて前記機能の各々の利用可能時間が設定された利用可能時間設定を管理する利用時間管理ステップと、
操作者が装置を作動させる際に操作者の属性情報を取得する属性取得ステップと、
操作者が装置を作動させた後、装置の前記機能のいずれか1つを利用しようとする際に、該機能について前記属性取得手段が取得した操作者の属性情報と前記利用可能時間設定と現在の時間情報とを参照して利用の可否を判定する利用可能機能判定ステップと、
を有することを特徴とする画像形成装置の利用時間制御方法。
【請求項6】
少なくとも2以上の機能を有する画像形成装置に、
装置操作者全員の属性情報ごとについて前記機能の各々の利用可能時間が設定された利用可能時間設定を管理する利用時間管理処理と、
操作者が装置を作動させる際に操作者の属性情報を取得する属性取得処理と、
操作者が装置を作動させた後、装置の前記機能のいずれか1つを利用しようとする際に、該機能について前記属性取得手段が取得した操作者の属性情報と前記利用可能時間設定と現在の時間情報とを参照して利用の可否を判定する利用可能機能判定処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
請求項6記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−98928(P2008−98928A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277895(P2006−277895)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】