説明

画像形成装置、印刷ジョブの管理方法、プログラム及び記録媒体

【課題】 主電源遮断による印刷ジョブの中断後、主電源が再投入された時、ユーザーが行う通常の手続きで印刷要求を送信し直すだけで、重複出力を防いだ印刷出力を確実に行えるようにする。
【解決手段】 主電源遮断で(S101)、処理が中断された後、補助電源の供給を受け(S102)、実行中の印刷ジョブ(S103)のジョブ情報及び当該印刷ジョブの処理履歴をプリンタ側で不揮発性メモリに保存し(S104)、主電源再投入後に、再び送信されてくる同じ要求内容の印刷要求に対し、不揮発性メモリに保存した情報を参照し、中断によって未出力となった部分の出力を実行する管理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部機から受信する印刷要求に付された印刷データを基に印刷ジョブ(受付けた印刷要求に示される一連の処理命令からなる印刷処理単位を「印刷ジョブ」という)の処理を実行するプリンタ、複合機等の画像形成装置に関し、より詳しくは、画像形成装置を作動する電源の供給遮断により、処理が中断される実行中の印刷ジョブを管理する機能を有する画像形成装置、印刷ジョブの管理方法、印刷ジョブの管理をコンピュータに行わせるためのプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、外部機から受信した印刷要求に付された印刷データを基に印刷ジョブを実行するプリンタ等の画像形成装置(以下、単に「プリンタ」という)において、受付けた印刷ジョブの処理を実行するときに必要な画像等のデータを記憶するメモリに、不揮発性メモリよりも比較的安価な揮発性メモリを使用して、機器の価格を抑えている。このため、何らかの原因によりプリンタに供給される電源が落ちてしまった場合には、作動に電源の供給を必要とする揮発性メモリに記憶した印刷ジョブのデータ、即ち未処理となっている部分を含む実行中の印刷ジョブのデータが全て消去されて無効となる。
【0003】
このようにして、プリンタに供給される電源の遮断によって印刷ジョブのデータ消失が起きてしまった場合に、ユーザーが再度外部機から送信手続きを行って、プリンタに対し印刷要求をし直さなければならない。
印刷要求をし直す場合、ユーザーが当初行った指示内容の印刷要求を再送信すると、既に電源遮断前に当初の印刷要求に従い印刷された部分があれば、その部分を重複して印刷することになる。この重複印刷を防ぐため、例えば、特許文献1(特開2006−231591号公報)では、プリンタへの供給電源が遮断された後、電源再投入時において、途中まで印刷された枚数と紙詰まりといった印刷ジョブに生じた異常の発生状況に関する情報を、印刷要求元のユーザーに電子メールで通知することが提案された。この提案によると、異常の発生状況に関する情報を受取るユーザーは、印刷されなかった分の印刷要求を行うことができ、その指示をして印刷要求をし直せば、重複印刷を防ぐことができる。
【0004】
しかし、印刷ジョブに生じた異常の発生状況に関する情報を、電源が再投入されたプリンタに電子メールで通知する上記従来技術によると、印刷要求元のユーザーが電源再投入時に送る電子メールを受取れる環境にいないと、このメールによる通知を受取ることができない。また、送信元のユーザーがこのメールによる通知を見逃すこともある。こうした場合には、印刷失敗時、即ち印刷ジョブの処理が異常の発生によって完了できなくなった時にユーザーが通常行う手続きに従い、当初と同じ内容の指示、例えば同じページ指定により印刷要求を再送信する手続きが行われ、その結果、既に出力された部分を重複して出力してしまい、メール通知によるメリットを生かすことができない、という問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、供給電源の遮断によって印刷ジョブの処理が中断した後、供給電源が再投入された時に、ユーザーが印刷失敗時に通常行っている、当初と同じ内容で印刷要求を送信し直す手続きだけで、当初の印刷要求に基づく印刷ジョブの処理が中断するまでに済んだ出力部分との重複を防いだ印刷出力を確実に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、送信されてくる印刷要求を受付け、受付けた印刷要求に基づく印刷ジョブを処理して印刷出力を行い、印刷ジョブの処理に必要な電源を供給する主電源の遮断により実行中の処理が中断する画像形成装置であって、前記主電源が遮断されたとき、電源供給の継続を可能とする補助電源と、前記主電源の遮断により実行中の処理が中断される印刷ジョブに係る処理履歴を含む当該印刷ジョブに係る管理情報を前記補助電源の供給を受けて保存する管理情報保存手段と、前記主電源の再投入後に受付ける印刷要求に基づく印刷ジョブの処理に当たり、前記管理情報保存手段に保存された処理履歴を参照し、処理が中断された前記印刷ジョブ中の既出力と重複しない印刷出力を行うよう制御する制御手段を有する画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、供給電源の遮断によって印刷ジョブの処理が中断した後、供給電源が再投入された時に、ユーザーが印刷失敗時に通常行っている、当初と同じ内容で印刷要求を送信し直す手続きだけで、この印刷要求を受取る機器側は、管理する当該ジョブの処理履歴を参照することで、当初の印刷要求に基づく印刷ジョブの処理が中断するまでに済んだ出力部分との重複を防いだ印刷出力を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るプリンタと印刷要求を送信する外部機をシステム要素とするプリントシステムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の画像形成装置の実施形態に係るプリンタのデータ処理系の構成を示すブロック図である。
【図3】プリンタにおけるデータ処理系(図2)のプリンタコントローラが主電源遮断時に行う、印刷ジョブに係る管理情報の保存処理のフロー図である。
【図4】プリンタにおけるデータ処理系(図2)のプリンタコントローラが主電源再投入時に行う、印刷ジョブの処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
本発明に係る画像形成装置の実施形態として以下には、インターフェースを介して接続された外部機から印刷要求を受取り、印刷要求に付された印刷データによって記録媒体に画像を形成するプリンタを例に採る。
本実施形態のプリンタは、遮断/再投入が可能な主電源の供給を受けて作動するプリンタエンジン(印刷動作部)を印刷要求に付された印刷データを基に作動させ、印刷ジョブを実行するが、印刷ジョブ実行中に前記主電源の供給が遮断された場合に実行中の印刷ジョブの処理が中断し、また、この処理の中断に伴い実行中の印刷ジョブに用いる印刷データの消失が起きる。
【0010】
主電源の供給遮断により上記のような事態が生じたとき、処理が中断された印刷ジョブの印刷要求を行ったユーザーは、再印刷要求を行うが、従来技術においては、通常、当初と同じ内容で、例えば同じページ指定で印刷要求を再送信する手続きを行う。この再印刷要求に従い印刷出力が行われると、当初の印刷要求に基づく印刷ジョブにおける中断前の処理で既に印刷出力が済んだ分と重複して印刷出力(以下、「重複出力」という)が行われて、重複分に無駄な時間と動作を掛けてしまうことになる。
こうした無駄をなくすために、従来、印刷出力が済んだ分を送信元のユーザーにメールにより通知する手段を設けることが提案された。ただ、この手段は、上記[背景技術]で述べたように、メールによる通知を受取るユーザーが介在するということもあり、必ずしも有効性が保証されない。
【0011】
そこで、本実施形態では、主電源の供給遮断によって印刷ジョブが中断した後、主電源が再投入された時に、ユーザーが印刷失敗時に通常行っている、当初と同じ内容の印刷要求を送信し直す手続きだけで、重複出力を防いだ印刷出力を確実に行えるようにするために、後で詳述するように、プリンタ側で印刷ジョブの処理履歴を管理し、重複出力を防いだ印刷出力を確実に行う管理機能を備えるようにする。
なお、本実施形態では、プリンタを例示するが、上記管理機能を必要とする画像形成装置であれば、プリンタ機能を持つ複合機(図1の複合機104、参照)等の他の画像形成装置でもよい。
【0012】
[プリントシステム]
本実施形態に係るプリンタを説明する前に、本プリンタと外部機をシステム要素とするプリントシステムの構成について、その概要を説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタと印刷要求を送信する外部機をシステム要素とするプリントシステムの構成例を示す図である。
図1に示すプリントシステムは、複合機能の一つにプリンタ機能を搭載する複合機104、プリンタ105、ネットワーク端末装置であるホストコンピュータ101〜103をそれぞれネットワーク100に接続することにより構成する。
【0013】
図1に例示するプリントシステムの構成要素である複合機104とプリンタ105は、それぞれプリンタ機能を持つ画像形成装置であり、ネットワーク100を経由してホストコンピュータ101〜103から送信されてくる印刷要求を受取り、印刷要求に付されたページ記述言語等により記述された印刷データに基づいてプリンタエンジンを作動させ、印刷を行う。
また、複合機104とプリンタ105は、それぞれ後述する主電源の供給遮断により処理が中断する印刷ジョブの管理機能を必要とするものである。なお、図1のプリンタシステムを構成するプリンタ機能を持つ画像形成装置(複合機104、プリンタ105)は、印刷ジョブの当該管理機能を必要とするものであれば、カラープリンタ、モノクロプリンタ、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタ等の各プリンタエンジンのどれを搭載する画像形成装置でもよい。
なお、印刷動作を行うプリンタエンジンそのものは、本発明の要旨と直接関係がなく、上記各種プリンタに搭載された既存の装置を用いることにより実施することができるので、ここでは説明を省く。
【0014】
また、本プリントシステムのホストコンピュータ101〜103は、複合機104及びプリンタ105に対し、印刷要求を行う外部機の一つであり、この外部機としては、印刷要求を送信する機能を持つ機器であれば、PC(パーソナルコンピュータ)のようなコンピュータに限らない。
【0015】
[プリンタのデータ処理系]
本実施形態のプリンタ105のデータ処理系について説明する。
図2は、本実施形態のプリンタ105におけるデータ処理系の構成を示すブロック図である。
本実施形態のプリンタ105は、外部機としてのホストコンピュータ101〜103、もしくはホスト装置として働く機能を持っている場合の複合機104から送信されてくる印刷要求に付された印刷データを受取り、受取った印刷データを基にプリンタコントローラ300が、プリンタエンジンを作動させ、印刷を行うためのプリント出力用データ、制御用データ等のデータ処理を行う。よって、ここでは、プリンタコントローラ300のハードウェア構成を主に説明する。
なお、複合機104の場合、プリンタ機能以外の他の複合機能に係る要素が付加されるが、プリンタ機能については基本的に図2に示すプリンタ105と同じ構成を有するので、以下の説明は、複合機104にも共通する。
【0016】
図2において、プリンタコントローラ300は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、不揮発性メモリ303、ROM(Read Only Memory)304、LAN(Local Area Network)I/F(インターフェース)305、操作部I/F306、エンジンI/F307の各要素を有し、データバス313を介してこれらの要素を接続することで、各要素間相互にデータのやり取りを行うよう構成する。また、主電源遮断検出回路311は、CPU301に直接接続されており、プリンタエンジン309等に電源を供給する主電源(不図示)の遮断を検出し、その検出信号をCPU301に送信する。
LANI/F305は、100Base−Tや10Base−T等の各種プロトコルに対応してネットワーク100との接続を可能にするネットワークインタフェース回路であり、ホストコンピュータ101〜103或いは複合機104と通信を行い、印刷データ等を受信する。
【0017】
CPU301は、ROM304、RAM302及び不揮発性メモリ303とともにコンピュータを構成する。ここでは、このコンピュータがプリンタ全体の制御を司るコントローラ(プリンタコントローラ)としての機能を実現する。なお、このコンピュータが実現する機能には、プリンタエンジン309の制御機能のほか、受信した印刷データを基にプリント出力に用いる画像データを生成するための描画命令の解析モジュールやレンダラ等からなる画像処理の各機能が含まれる。
当該コンピュータを上記のように機能させるため、ROM304はCPU301によって使用される制御プログラム、制御用データ、フォント・データ等を格納し、RAM302はレンダラにより生成された画像データ等、制御プログラムによって生成される各種データなどを一時的に保存するメモリもしくはプログラムの動作に必要なデータを保存するワークメモリとして利用され、また、不揮発性メモリ303はプリンタの環境変数等の機器に依存する条件、その他、後述する印刷ジョブ処理中断フラグや排紙ページ数、即ち既に出力したページ数等の印刷ジョブに係る管理情報等、機器内の各種管理に用いるデータを保存する。
【0018】
なお、不揮発性メモリ303は、1次電池などのバックアップ電源によりバックアップされたS(Static)RAMなどであってもよい。
エンジンI/F307は、プリンタエンジン309とのインターフェース回路であり、プリント出力用のビデオデータをプリンタエンジン309に出力し、また、プリンタエンジン309とプリンタコントローラ300間でのコマンドやステータス(動作状態)のデータ通信により制御に必要なデータの交換をする。
操作部パネル308は、ユーザーインターフェースとして働き、操作部I/F306を介してプリンタコントローラ300と通信を行い、オペレータが入力ボタン等を操作することによりプリンタ105の動作に係る各種指示、設定の入力を行うとともに、表示部によって、機器側のステータスを報知し、又オペレータによる入力操作を案内する。
【0019】
また、プリンタコントローラ300の主電源遮断検出回路311は、プリンタコントローラ300、プリンタエンジン309等へ電源を供給する主電源としてのAC電源(不図示)の供給遮断を検出する回路である。主電源遮断検出回路311は、主電源供給を遮断/投入するスイッチ(不図示)が遮断状態であることを知らせる主電源遮断信号を、そのスイッチに設けた検知部(不図示)から受信して主電源の供給遮断を検出する。なお、プリンタコントローラ300への電源は、主電源であるAC電源をDC電源へ変換して供給される。
プリンタコントローラ300は、主電源遮断検出回路311によって検出される主電源の供給遮断に応じて、プリンタコントローラ300への電源供給を主電源から補助電源としてのバックアップ電源310へ切り替える。
【0020】
また、本実施形態における補助電源としてのバックアップ電源310は、容量の大きなコンデンサ等の安価な電源を想定しており、蓄電量が大きく、長時間電源バックアップを続ける高価な電源は想定していない。
そもそも、バックアップ電源310のように、主電源遮断時にプリンタコントローラ300をバックアップする電源を備える理由は、プリンタコントローラ300の制御下に設けたハードディスク(不図示)へのライトアクセス中に主電源が遮断された時に、不良セクタが生じてしまうのを防ぐためである。したがって、最低限ハードディスクのキャッシュ内のデータが全てハードディスクに書き込まれるまでの時間、電源をバックアップできればよいものが用いられる。この用い方は、本実施形態でも同じで、後述するが、処理が中断する印刷ジョブの管理情報を保存する処理を行うのに用いる電力分を蓄電できる容量があればよい。
【0021】
[主電源遮断時の印刷ジョブの管理]
上記プリンタ105のプリンタコントローラ300が有する主電源遮断時の印刷ジョブの管理機能について、説明する。
本実施形態では、主電源の供給遮断によって印刷ジョブの処理が中断した後、主電源が再投入された時に、ユーザーが印刷失敗時に通常行っている、当初と同じ内容で印刷要求を送信し直す手続きを行うだけで、この印刷要求を受取るプリンタが、当該印刷要求に基づく印刷ジョブのうち、当初の印刷要求に基づく印刷ジョブにおける中断前の処理で既に出力が済んだ分との重複出力を防いだ印刷出力を確実に行えるように、印刷ジョブを管理する。
この印刷ジョブの管理をするために、処理が中断された印刷ジョブを特定するとともに、特定された印刷ジョブの処理がどの工程で中断し、既に出力がどこまで済んだか等を示す処理履歴を含む印刷ジョブの管理情報をプリンタ側で保存する。なお、この管理情報には、印刷ジョブを特定するためのジョブ情報として、ジョブID、印刷ジョブに係る印刷要求送信元、出力ファイル名、出力ファイルサイズ等を含む。
この保存された印刷ジョブの管理情報は、処理が中断された印刷ジョブにおいて、既に出力が済んだ部分を示す情報を得るために参照される。つまり、主電源再投入後に、再び送信されてくる印刷要求が、先に中断した印刷ジョブに係る印刷要求と同じ送信元で同じ内容の印刷要求であることを、保存された上記管理情報を参照することで確認できれば、管理情報に示される当該ジョブの処理履歴から既に出力が済んだ部分が分かるので、この部分を重複出力しないようにして、中断によって未出力となった部分の出力だけを実行する制御を行う。
【0022】
上記の管理機能を実現するための手順としては、大きく分けて、主電源遮断時に処理が中断される印刷ジョブに係る処理履歴を含む管理情報の保存処理、主電源再投入後に再送信されてくる印刷要求に基づく印刷ジョブの重複出力を防いだ出力処理の二つの処理の手順がある。
以下には、上記二つの処理手順について、それぞれ処理フローを参照して詳細に説明する。
【0023】
〈主電源遮断時の処理手順〉
図3は、プリンタ105におけるデータ処理系(図2)のプリンタコントローラ300が主電源遮断時に行う、印刷ジョブに係る管理情報の保存処理のフロー図である。
プリンタコントローラ300は、プリンタに主電源が投入されて送信されてくる印刷要求の受取りが可能であり、少なくとも実行すべき印刷ジョブがあるときには、常時、図3の処理フローを起動状態とする。
【0024】
図3の処理フローを起動すると、先ず、プリンタコントローラ300は、その主電源遮断検出回路311によって検出される主電源の供給遮断検出結果を監視し(ステップS101)、主電源の供給遮断が検出されたときに(ステップS101-YES)、直ちに自身(プリンタコントローラ300)への電源をバックアップ電源310に切り替え、ここからの電源供給を開始する(ステップS102)。
このバックアップ電源310の供給は、プリンタコントローラ300への電源供給を継続することで、後段の印刷ジョブに係る管理情報の保存処理を可能とする。
【0025】
次に、プリンタコントローラ300は、バックアップ電源310の供給を受け、印刷ジョブに係る管理情報の保存処理手順を行っていくので、その初めに、プリンタエンジン309において実行中の印刷ジョブがあるか否かを確認する(ステップS103)。ここでは、エンジンI/F307を介してプリンタエンジン309から印刷ジョブに係るステータス情報を得ることで、プリンタエンジン309において実行中のジョブがあるか否かを確認することができる。上記ステータス情報は、プリンタエンジン309における印刷ジョブの処理状態を示す情報として、プリンタエンジン309のデータ処理部(不図示)が生成、保持する情報である。よって、プリンタコントローラ300は、エンジンI/F307を介してこのステータス情報をプリンタエンジン309から取得することで、実行中の印刷ジョブの存否が確認できる。
また、この印刷ジョブに係るステータス情報は、プリンタエンジン309が受取った印刷ジョブを識別するジョブID、受取済みページ数、出力済みページ数等のプリンタエンジン309の処理状態を表すための情報を含む。よって、プリンタコントローラ300は、プリンタエンジン309が生成する印刷ジョブに係るステータス情報を基に、処理が中断された印刷ジョブを特定するとともに、当該印刷ジョブの処理をどこまで済ませたか、即ち、ページ単位で処理を管理している場合には、印刷ジョブの何ページまで出力を行ったか等の印刷ジョブの処理履歴を取得することができる。
ステップS103で、プリンタコントローラ300は、プリンタエンジン309から取得したステータス情報に処理履歴がなくてプリンタエンジン309において処理が中断される実行中の印刷ジョブがないことが確認できれば(ステップS103-NO)重複出力を防いだ印刷出力を行うための処理を行うことなく、この処理フローを抜け、この処理を含め、バックアップ電源310を必要とする処理を終えると、主電源が再投入されるまで主電源遮断状態が続く。
【0026】
他方、プリンタコントローラ300は、ステップS103で、プリンタエンジン309から取得したステータス情報に処理履歴があってプリンタエンジン309において処理が中断される実行中の印刷ジョブがあることを確認できた場合(ステップS103-YES)、次のステップとして、重複出力を防いだ印刷出力を行うための処理を行うための処理手順として、実行中の印刷ジョブのジョブ情報及び当該印刷ジョブの処理履歴を不揮発性メモリ303に保存する(ステップS104)。
【0027】
上記ジョブ情報は、ジョブIDで識別される印刷ジョブごとに、印刷ジョブに係る印刷要求送信元のホストコンピュータ101〜103の機器ID(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス等)、出力ファイル名、出力ファイルサイズを印刷ジョブの管理情報として保存する。この実施形態では、主電源の供給遮断で処理が中断され、主電源再投入後に、送信されてくる印刷要求に基づく印刷ジョブが、中断された当初の印刷ジョブと同一内容の印刷要求が再送信されたものに基づくことを確認するために、保存された上記管理情報を用いる。なお、印刷ジョブに係る要求内容の異同を判断するために用いることができる印刷要求に付される情報であれば、上記以外の情報を用いてもよい。
また、不揮発性メモリ303に保存する上記実行中の印刷ジョブの処理履歴は、印刷ジョブの出力済みページ数や、印刷ジョブの処理中断フラグを含む。
【0028】
ところで、上述の実施形態では、処理が中断された実行中の印刷ジョブの処理履歴を含む管理情報をプリンタ105内の不揮発性メモリ303に保存する例を示したが、機器によっては、不揮発性メモリを持たないか、或いは十分な容量を持つものを用意できない場合がある。
このようなプリンタに対しては、インターフェースを介して不揮発性の外部記憶装置を利用する。インターフェース及び外部記憶装置は、プリンタ105によって書き込み/読み出しアクセスが可能な記憶装置であれば、特に限定されない。
【0029】
例えば、プリンタ105をネットワーク接続して構成するプリントシステムでは、外部記憶装置として、ネットワーク上に上記管理情報を保存するサーバとして機能する装置(不図示)を接続し、プリンタ105からサーバ機能を有した装置に対する上記管理情報のアクセスを可能にする。
このように、プリンタ105に不揮発性の外部記憶装置を接続し、その外部記憶装置に上記管理情報を保存することで、内部に不揮発性メモリを用意できないプリンタ等の画像形成装置にも対応できるようになる。また、この構成を採用することで、例えば、複合機104から保存された管理情報を利用し重複出力を防いだ印刷出力を行う等、システム全体で主電源遮断時の印刷ジョブの管理機能の有効利用を図ることができる。
【0030】
ステップS104で、主電源が再投入されたときに、再び行われる同じ内容の印刷要求に対し、重複出力を防ぐ印刷ジョブの管理に必要な情報として、処理が中断された実行中の印刷ジョブのジョブ情報及び当該印刷ジョブの処理履歴を保存する処理を終えたところで、この処理フローを抜け、この処理を含め、バックアップ電源310を必要とする処理を終えると、主電源が再投入されるまで主電源遮断状態が続く。
【0031】
次に、上記で説明した図3の処理フローを抜けた後、主電源遮断状態にあるプリンタ105に主電源が再投入された後の印刷ジョブの管理に係る処理について説明する。
〈主電源再投入時の処理手順〉
図4は、プリンタ105におけるデータ処理系(図2)のプリンタコントローラ300が主電源再投入時に行う、印刷ジョブの処理のフロー図である。
プリンタコントローラ300は、主電源が再投入された時に、通常行う初期化処理を経て、主電源遮断により処理が中断された印刷ジョブと同じ要求内容で再送信される印刷要求に対する処理を管理することができる本実施形態の図4に示す処理フローを起動する。
【0032】
主電源の再投入時に図4の処理フローを起動すると、先ず、プリンタコントローラ300は、ROM304に格納しておいたプログラムで、ブート処理を行った後、プリンタエンジン309における出力を可能にするための初期化処理を行う(ステップS201)。
次に、プリンタコントローラ300は、不揮発性メモリ303に保存された管理情報から、図3の処理フローで処理が中断された印刷ジョブの管理情報、即ち、印刷要求送信元の機器ID、出力ファイル名、出力ファイルサイズを含むジョブ情報、及び印刷出力されたページ数、印刷ジョブの処理中断フラグ等を含む処理履歴を取得する(ステップS202)。なお、本実施形態では、処理が中断された印刷ジョブを含め、印刷ジョブごとに全処理対象の印刷ジョブの管理情報を不揮発性メモリ303に保存するので、多数の印刷ジョブに関する管理情報から必要とする当該印刷ジョブの情報を取得しなければならないが、管理情報に含めた処理中断フラグによって、このステップで必要とする印刷ジョブの情報を容易に検索することができる。
【0033】
この後、プリンタコントローラ300は、LANI/F305を介して、印刷要求が送信されてくるのを待ち、印刷要求の受信手続きを経て、印刷ジョブを受付ける(ステップS203)。
次いで、プリンタコントローラ300は、ステップS202で取得した、処理が中断された印刷ジョブの管理情報におけるジョブ情報と、ステップS203で受付けた印刷ジョブの管理情報におけるジョブ情報の比較を行い(ステップS204)、同じ要求内容の印刷要求に基づく印刷ジョブであるか、即ち、処理の中断によって再送信された印刷要求に基づく印刷ジョブであるか否かを判断する(ステップS205)。
同じ要求内容の印刷要求に基づく印刷ジョブかどうかの判断の仕方は、各印刷ジョブの管理情報におけるジョブ情報の送信元機器(本実施形態では、ホストコンピュータ101〜103)ID、プリントファイル名、プリントファイルサイズを比較し、これらのジョブ情報が同じであれば、同じ要求内容の印刷要求に基づく印刷ジョブであると判断する。
【0034】
ステップS205でプリンタコントローラ300が同じ要求内容の印刷要求に基づく印刷ジョブであると判断した場合(ステップS205-YES)、この再送信された印刷要求に基づく印刷ジョブの印刷出力を実行する際、プリンタコントローラ300は、ステップS202で取得した先に処理が中断された印刷ジョブの管理情報における処理履歴より、中断するまでに既に印刷出力された出力済みページ数を取得し、未出力であった部分、即ち、中断したページ以降に続く残りのページについて、エンジンI/F307を介し、プリンタエンジン309にプリント出力用の画像データの入力を行うようにして、印刷出力の実行を要求し、プリンタエンジン309は、この要求を受けて、印刷出力を実行する(ステップS206)。
【0035】
ステップS206で、未出力であった部分の印刷出力を行った後、処理が中断された印刷ジョブの管理情報として、不揮発性メモリ303に保存された当該印刷ジョブの管理情報は、不要となるので、無効にする(ステップS207)。なお、ここでは、データ消去によりこの管理情報を無効にする。
ステップS207の処理を行うことにより、これまでの印刷要求に加えて、さらに同一要求内容の印刷要求を行うことで、最初のページからの印刷出力を求めるユーザーに対して、その新規要求に応えることができる。つまり、ステップS207のデータ消去を行い、管理情報を無効にしないと、同一要求内容の新規印刷要求に基づく印刷ジョブにて全ページを出力する上記ユーザーの要求に応えることができない。なお、同一要求内容の新規印刷要求に応えるため、新規要求であることを示す情報を新たに付加することで当該要求に対応する処理の実施が可能になるが、本データ消去による方法を採れば、必要以上に高価な不揮発性メモリ303の容量を大きくすることもなく、効率的に当該メモリを使用することができる、という利点もある。
ステップS207の処理を済ませて、この処理フローを終了する。
【0036】
他方、プリンタコントローラ300がステップS205で同じ要求内容の印刷要求に基づく印刷ジョブであると判断しない場合は(ステップS205-NO)、実行が中断された印刷ジョブではなく、通常の印刷要求に基づく印刷ジョブであるから、プリンタコントローラ300は、受付けた印刷ジョブ通りに、印刷データからプリント出力用の画像データを生成し、生成した画像データをプリンタエンジン309に入力して、印刷出力の実行を要求し、プリンタエンジン309は、この要求を受けて、印刷出力を実行する(ステップS208)。
ステップS208で印刷出力を実行した後、次の印刷要求が送信されてくるのを待ち、印刷ジョブを受付けるステップS203に戻る。
【0037】
ところで、上記の処理フローでは、処理が中断された印刷ジョブの管理情報として、不揮発性メモリ303に保存された情報を無効にする処理は、ステップS207でその情報を消去する手順、即ち、当該印刷ジョブと同一要求内容の印刷ジョブに係る印刷要求が再送信され、当該印刷ジョブについて重複出力を避けて印刷出力をした後で行う手順となっている。
ただ、こうした処理手順によって無効にせずに、実行が中断された印刷ジョブに係る印刷要求を行ったユーザーによって、上述の手順と関係なく、不揮発性メモリ303に保存された管理情報の消去を任意に行えるようにしてもよい。
【0038】
ユーザーによるこの管理情報の消去は、ユーザーインターフェースを通して行うことによって実施し得る。例えば、ユーザーインターフェースとして機能する、プリンタ105の操作部パネル308に、当該管理情報の消去をユーザー操作によって指示するために用意した入力画面、或いは、ホストコンピュータ101〜103に搭載されるプリンタドライバに当該管理情報の消去をユーザー操作によって指示するために用意された入力画面を通して行えるようにする。
このように、任意に行えるユーザーの操作によって、不揮発性メモリ303に保存された当該管理情報を無効にする処理を行えるようにすることで、実行が中断された印刷ジョブと同じ要求内容の印刷要求をもう一度行い、この印刷要求に基づく印刷ジョブによる印刷出力全部を最初からしたい、というユーザーの要求に応えることができる。
【0039】
また、不揮発性メモリ303に保存された情報を無効にする処理として、次に示す手順を採用することができる。
例えば、送信先のプリンタが隔離した場所にあり、ユーザーが処理の中断された印刷ジョブと同じ要求内容の印刷要求を再送信している場合、主電源の再投入が直ぐ可能になるか否か、その状況を当該ユーザーが知り得ない場合が起きることが想定される。こうした場合、印刷を急いでいれば、同じ要求内容の印刷要求を使用可能な他のプリンタに送信することがあり得る。
【0040】
処理が中断された印刷ジョブと同じ要求内容の印刷要求が、使用可能な他のプリンタに対し送信された場合、当初この印刷要求を受信したプリンタに再度送信する可能性はかなり低い。
このような状況において、当初印刷要求を受信したプリンタが、再送信される印刷要求を受取ることを前提に、重複出力を防ぐ印刷ジョブの上記管理情報を保存し続けることは意味がない。
そこで、このような状況が想定される場合には、上述の図4の処理フローに示した手順と関係なく、不揮発性メモリ303に保存された管理情報を無効にする。
この実施形態では、上記の状況は、不揮発性メモリ303に保存された印刷ジョブの管理情報の有効期限を時間(「有効期間」という)で定め、定めた有効期間の経過により、その状況を想定することとする。つまり、保存してから所定有効期間が経った場合に保存した印刷ジョブの管理情報を無効にする。なお、所定有効期間は、それぞれのプリントシステムにおいて適切な動作が得られる経験値をあてる。
【0041】
不揮発性メモリ303に保存された管理情報を所定有効期間の経過により無効にする処理は、次に例示する手順1〜4により実施することができる。
手順1:先ず、実行が中断された印刷ジョブの管理情報を不揮発性メモリ303に保存するときに、そのときの時刻を管理情報に関係付けて保存する。
手順2:印刷ジョブの管理情報の有効期限のチェックは、予め時間間隔(所定有効期間より短く設定)を定め、定めた時間間隔の周期で現在時刻と管理情報の保存時刻を基に保存期間の経過時間を得る。
手順3:手順2で得られた保存期間の経過時間を所定有効期間と比較する。
手順4:手順3の比較結果として、所定有効期間内であれば、有効であるから管理情報を保存し続け、他方、所定有効期間外であれば、管理情報を消去し、無効にする。
このように、所定有効期間が経った不揮発性メモリ303に保存された印刷ジョブの管理情報を無効にする処理を行えるようにすることで、主電源遮断時の印刷ジョブの管理機能における性能低下への影響を極小さくするとともに、不揮発性メモリ303を有効利用できる。
【0042】
以上、図3及び図4の処理フローを参照して説明したように、プリンタ105が有する主電源遮断時のプリンタコントローラ300の印刷ジョブの管理機能による処理によると、主電源遮断前に途中まで出力され、その後主電源が再投入され、再度ユーザーが通常行っている手続きで最初から全ページの印刷要求を送信した場合に、プリンタコントローラ300が主電源遮断時に補助(バックアップ)電源を用いて不揮発性メモリ303に保存しておいた、処理が中断された印刷ジョブの管理情報(ジョブ情報、処理履歴)によって同じ要求内容の印刷要求に基づく印刷ジョブであるか否かを確認し、確認結果に従い未出力部分の印刷出力を行うことで、重複出力を防いだ印刷出力を確実に行うことができる。また、重複出力を防ぐことで、用紙の無駄使い及び処理にかかる時間の無駄をなくすことができる。
【符号の説明】
【0043】
100・・ネットワーク、101〜103・・ホストコンピュータ、104・・複合機、105・・プリンタ、300・・プリンタコントローラ、301・・CPU、302・・RAM、303・・不揮発性メモリ、304・・ROM、305・・LANI/F、306・・操作部I/F、307・・エンジンI/F、308・・操作部パネル、309・・プリンタエンジン、310・・バックアップ電源、311・・主電源遮断検出回路、313・・データバス。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2006−231591号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信されてくる印刷要求を受付け、受付けた印刷要求に基づく印刷ジョブを処理して印刷出力を行い、印刷ジョブの処理に必要な電源を供給する主電源の遮断により実行中の処理が中断する画像形成装置であって、
前記主電源が遮断されたとき、電源供給の継続を可能とする補助電源と、
前記主電源の遮断により実行中の処理が中断される印刷ジョブに係る処理履歴を含む当該印刷ジョブに係る管理情報を前記補助電源の供給を受けて保存する管理情報保存手段と、
前記主電源の再投入後に受付ける印刷要求に基づく印刷ジョブの処理に当たり、前記管理情報保存手段に保存された処理履歴を参照し、処理が中断された前記印刷ジョブ中の既出力と重複しない印刷出力を行うよう制御する制御手段
を有する画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成装置において、
前記主電源の再投入後に受付けた印刷要求が、主電源の遮断により実行中の処理が中断された印刷ジョブと同じ内容の要求をする再印刷要求であるか否かを、前記管理情報保存手段によって保存された印刷ジョブに係る管理情報を参照して確認する再印刷要求確認手段を有し、
前記制御手段は、再印刷要求確認手段によって再印刷要求であることが確認された印刷ジョブに対し、処理が中断された前記印刷ジョブ中の既出力と重複しない印刷出力の制御を行う
画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
前記印刷ジョブに係る処理履歴は、印刷ジョブの処理が中断した時に既に印刷出力されたページ数、印刷ジョブの処理中断フラグを含む
画像形成装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された画像形成装置において、
前記印刷ジョブに係る管理情報は、印刷ジョブに係る印刷要求送信元の外部機、印刷出力ファイル名、印刷出力ファイルサイズを含む
画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記印刷ジョブに係る管理情報の保存に用いられる記憶部が、不揮発性メモリである
画像形成装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記印刷ジョブに係る管理情報の保存に用いられる記憶部が、インターフェースを介して接続された書き込み/読み出しが可能な外部記憶装置である
画像形成装置。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記主電源の再投入後に行われた再印刷要求に応じて、中断によって未出力となった部分の印刷出力の実行が開始されたことを受け、前記管理情報保存手段によって保存された印刷ジョブの管理情報を無効にする手段を有する
画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載された画像形成装置において、
ユーザーインターフェースを介して、前記管理情報保存手段によって保存された印刷ジョブの管理情報を無効にする手段を有する
画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載された画像形成装置において、
前記印刷ジョブの処理中断時、もしくは前記主電源の再投入時からの経過時間を測定する計時手段と、
前記計時手段によって測定された経過時間が所定時間を過ぎたことを受け、前記管理情報保存手段によって保存された印刷ジョブの管理情報を無効にする手段を有する
画像形成装置。
【請求項10】
コンピュータを請求項1に記載された画像形成装置が有する前記管理情報保存手段、前記制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを請求項2に記載された画像形成装置が有する前記管理情報保存手段、前記再印刷要求確認手段、前記制御手段の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項10又は11に記載されたプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項13】
送信されてくる印刷要求を受付け、受付けた印刷要求に基づく印刷ジョブを処理して印刷出力を行い、印刷ジョブの処理に必要な電源を供給する主電源の遮断により実行中の処理が中断する画像形成装置における印刷ジョブの管理方法であって、
印刷ジョブ実行中に主電源が遮断されたとき、補助電源により電源供給の継続を可能とする電源供給工程と、
前記主電源の遮断により実行中の処理が中断される印刷ジョブに係る処理履歴を含む当該印刷ジョブに係る管理情報を前記電源供給工程による補助電源の供給を受けて保存する管理情報保存工程と、
前記主電源の再投入後に受付ける印刷要求に基づく印刷ジョブの処理に当たり、前記管理情報保存工程で保存された処理履歴を参照し、処理が中断された前記印刷ジョブ中の既出力と重複しない印刷出力を行うよう制御する制御工程と
を有する印刷ジョブの管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−78938(P2013−78938A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−191764(P2012−191764)
【出願日】平成24年8月31日(2012.8.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】