画像形成装置、機密プリント方法、機密プリントプログラム
【課題】 機密プリントデータの画像形成後の消費電力を抑えること。
【解決手段】 MFPは、画像を形成する画像形成部と、動作可能モードと省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換える切換部139と、機密プリントデータを受信して記憶する機密プリント受信部131と、認証されたユーザの機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成部に形成させる機密プリント部137と、を備え、切換部139は、省電力モードに切り換えているときに、ユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換える動作可能モード切換部143と、動作可能モードに切り換えられた後、認証されたユーザの機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換える省電力モード切換部141と、を含む。
【解決手段】 MFPは、画像を形成する画像形成部と、動作可能モードと省電力モードとのいずれかに動作モードを切り換える切換部139と、機密プリントデータを受信して記憶する機密プリント受信部131と、認証されたユーザの機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成部に形成させる機密プリント部137と、を備え、切換部139は、省電力モードに切り換えているときに、ユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換える動作可能モード切換部143と、動作可能モードに切り換えられた後、認証されたユーザの機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換える省電力モード切換部141と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、機密プリント方法および機密プリントプログラムに関し、特に機密プリント機能を備えた画像形成装置、機密プリント方法および機密プリントプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常は、画像形成することができる動作モードと、ユーザが使用しないときは画像形成することはできないが消費電力の低い省電力モードとに切り換える画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。従来の画像形成装置は、ユーザが操作しない時間が所定時間以上になると、動作モードを省電力モードに切り換える。
【0003】
また、PCから画像形成装置に機密プリントを指定してプリントデータを送信すると、画像形成装置ではプリントデータを直ちにプリントすることなく記憶しておき、ユーザが画像形成装置にログインした時点で、先に受信されたプリントデータをプリントする機密プリント機能が知られている。
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置が機密プリント機能を備えることが考えられるが、ユーザがログインした時点で、動作モードで先に受信されたプリントデータをプリントした後、所定時間経過しなければ省電力モードに切り換えられない。このため、機密プリントが指定されたプリントデータをプリントした後、省電力モードに切り換えるまでに消費される電力が無駄になってしまうといった問題があった。
【特許文献1】特開2005−43588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、消費電力を抑えた画像形成装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、消費電力を抑えた機密プリント方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、消費電力を抑えた機密プリントプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、画像を形成する画像形成手段と、動作可能モードと、動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換える切換手段と、個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶する機密プリント受信手段と、ユーザを認証する認証手段と、記憶された機密プリントデータのうちに認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させる機密プリント手段と、を備え、切換手段は、省電力モードに切り換えているときに、認証手段によりユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換える動作可能モード切換手段と、動作可能モード切換手段により動作可能モードに切り換えられた後、画像形成手段による認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換える省電力モード切換手段と、を含む。
【0009】
この局面に従えば、省電力モードに切り換えられているときに、ユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換えられ、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換えられる。このため、動作モードが動作可能モードとなる時間が短くなるので、消費電力を抑えた画像形成装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、動作可能モードは、全動作可能モードと、全動作可能モードよりも消費電力の小さいプリント動作可能モードと、を含み、動作可能モード切換手段は、記憶された機密プリントデータのうちに認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合は、プリント動作可能モードに切り換える第1切換手段と、記憶された機密プリントデータのうちに認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在しない場合は、全動作可能モードに切り換える第2切換手段と、を含む。
【0011】
この局面に従えば、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合は、プリント動作可能モードに切り換えられ、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在しない場合は、全動作可能モードに切り換えられる。このため、機密プリントデータの画像を形成するのに必要な電力のみを消費するようにして、消費電力をさらに抑えることができる。
【0012】
好ましくは、人体を検出する検出センサと、個人情報が入力される個人情報読取装置と、個人情報読取装置に供給する電力を制御する電力制御手段と、をさらに備え、認証手段は、個人情報読取装置に入力された個人情報に基づいて、ユーザを認証し、電力制御手段は、切換手段により省電力モードに切り換えられる場合、記憶手段に機密プリントデータが記憶されている場合は、個人情報読取装置に電力を供給し、記憶手段に機密プリントデータが記憶されていない場合は、個人情報読取装置に供給する電力を遮断し、検出センサにより人体が検出されることに応じて、個人情報読取装置に電力を供給する。
【0013】
この局面に従えば、省電力モードに切り換えられる場合、機密プリントデータが記憶されている場合は、個人情報読取装置に電力が供給されるので、個人情報読取装置が読み取り可能になるまでの起動時間の間待つ必要なく、直ちに個人情報を読み取らせることができる。また、機密プリントデータが記憶されていない場合は、個人情報読取装置に供給する電力を遮断し、検出センサにより人体が検出されることに応じて、個人情報読取装置に電力を供給するので、個人情報読取装置により消費される電力を少なくすることができる。
【0014】
好ましくは、個人情報読取装置は、個人情報を読み取り、出力する外部装置を含む。
【0015】
好ましくは、外部装置と接続可能であり、接続された外部装置に電力を供給する通信回路を含み、認証手段は、通信回路に外部装置が接続されているか否かを検出する接続検出手段をさらに含み、電力制御手段は、切換手段により省電力モードに切り換えられる間、接続検出手段により外部装置が接続されていることが検出されている場合は、操作パネルよりも優先して通信回路に電力を供給する。
【0016】
好ましくは、個人情報読取装置は、ユーザの操作を受け付ける操作パネルを含む。
【0017】
好ましくは、認証手段によりユーザが認証された後に、認証に成功したことを通知する通知手段をさらに備え、電力制御手段は、認証手段により認証されることに応じて、通知手段に電力を供給する。
【0018】
この発明の他の局面によれば、機密プリント方法は、画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置で実行される機密プリント方法であって、動作可能モードと、動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、ユーザを認証するステップと、記憶された機密プリントデータのうちに認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、を含み、動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換えるステップと、動作可能モードに切り換えられた後、画像形成手段による認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換えるステップと、を含む。
【0019】
この局面に従えば、消費電力を抑えた機密プリント方法を提供することができる。
【0020】
この発明のさらに他の局面によれば、機密プリントプログラムは、画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される機密プリントプログラムであって、動作可能モードと、動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、ユーザを認証するステップと、記憶された機密プリントデータのうちに認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、をコンピュータに実行させ、動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換えるステップと、動作可能モードに切り換えられた後、画像形成手段による認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換えるステップと、を含む、機密プリントプログラム。
【0021】
この局面に従えば、消費電力を抑えた機密プリントプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】MFPが備えるCPUの機能の概要をHDDに記憶されたデータとともに示す機能ブロック図である。
【図3】機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。
【図4】ユーザデータのデータフォーマットの一例を示す図である。
【図5】動作モードの遷移を説明するための図である。
【図6】動作モード別の電力供給状態の一例を示す図である。
【図7】動作モードの遷移の一例を示すタイムチャートである。
【図8】個人情報読取装置設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】全動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】省電力モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】プリント動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0024】
図1は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図1を参照して、MFP100は、メイン回路101と、自動原稿読取装置(ADF)10と、原稿読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、ユーザインターフェースとしての操作パネル13と、通信I/F60と、電源回路50と、を含む。
【0025】
メイン回路101は、CPU111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、ネットワークI/F117と、人体検出センサ118と、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。CPU111は、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13、通信I/F60および電源回路50と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0026】
ADF10は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、メモリに記憶する、または画像形成部30に出力する。
【0027】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0028】
通信I/F60は、CPU111と接続され、MFP100を他の装置とシリアル通信ケーブルで接続するためのインターフェースである。通信I/F60は、カードリーダ70と接続が可能である。通信I/F60にカードリーダ70が装着される場合、カードリーダ70は、通信I/F60から電力の供給を受け、駆動する。
【0029】
カードリーダ70は、ユーザが所有するICカードが挿入され、挿入されたICカードに記憶されたユーザ識別情報をICカードから読み出し、読み出したユーザ識別情報を、通信I/F60に送信する。
【0030】
電源回路50は、商用電源から電力が供給され、供給された交流の電力を所定の電圧の直流に変換する。電源回路50は、CPU111により制御され、MFP100の全体または一部に電力を供給する。
【0031】
ROM112は、CPU111が実行するプログラム、およびそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM113は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0032】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部30に出力する。画像形成部30は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0033】
ネットワークI/F117は、MFP100をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、ネットワークI/F117を介してネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)と通信可能であり、PCとの間でデータを送受信する。特に、PCから受信される機密プリントデータを受信する。
【0034】
人体検出センサ118は、物体から発せられる赤外線を検出する赤外線センサである。人体検出センサ118は、検出可能な範囲内に人が存在すれば、人の体から発せられる赤外線を検出し、ON信号をCPU111に出力し、赤外線を検出しなければOFF信号をCPU111に出力する。
【0035】
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能であり、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムをRAM113にロードして実行可能である。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムに限られず、他の記憶媒体に記憶されたプログラムでもよく、HDD115に記憶されたプログラムであってもよく、さらに、ネットワークI/F117を介してネットワークに接続された他のコンピュータによりHDD115に書き込みされたプログラムであってもよい。
【0036】
なお、プログラムを記憶する記憶媒体としては、CD−ROM119Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリでもよい。
【0037】
ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0038】
操作パネル13は、MFP100の上面に設けられ、表示部103と、操作部105とを含む。表示部103は、液晶表示装置、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した表示データに関する情報等を表示する。操作部105は、ユーザの操作を受け付け、受け付けられた操作をCPU111に出力する。操作部105は、表示部103の上に重畳して配置されたタッチパネルを含む。タッチパネルは、透明な部材からなり、表示部103に重畳して配置される。タッチパネルは、ユーザがタッチパネルを指で触れると、触れられた位置を指示位置として検出し、CPU111に出力する。
【0039】
図2は、MFPが備えるCPUの機能の概要をHDDに記憶されたデータとともに示すブロック図である。図2に示すCPU111の機能は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより形成される。図2を参照して、MFP100が備えるCPU111は、機密プリントデータを受信する機密プリント受信部131と、ユーザを認証する認証部133と、機密プリント部137と、動作モードを切り換える切換部139と、人を検出する人体検出部149と、通知部151と、電源回路50を制御する電力制御部153と、を含む。
【0040】
機密プリント受信部131は、ネットワークI/F117がネットワークに接続されたPC等から機密プリントデータを受信すると、ネットワークI/F117から機密プリントデータを取得する。機密プリントデータは、PCを操作するユーザが、PCからMFP100にプリントデータを送信する際に、機密プリントであることを指示することにより、PCからMFP100に送信されるデータであり、機密プリントであることを示すために、プリントデータにPCのユーザを識別するためのユーザ識別情報が付加されたデータである。機密プリント受信部131は、ネットワークI/F117から機密プリントデータを取得すると、取得された機密プリントデータをHDD115に記憶する。これにより、機密プリントデータ83がHDD115に記憶される。
【0041】
図3は、機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。図3を参照して、機密プリントデータ83は、ユーザ識別情報の項目と、プリントデータの項目とを含む。ユーザ識別情報の項目にはユーザ識別情報が設定され、ユーザ識別情報は、プリントデータの送信を指示したユーザを識別するための情報である。
【0042】
図2に戻って、認証部133は、接続検出部135を含む。接続検出部135は、通信I/F60にカードリーダ70が接続されているか否かを判断する。例えば、通信I/F60を介してカードリーダ70と通信できるか否かで判断する。接続検出部135は、通信I/F60にカードリーダ70が接続されていると判断する場合、カードリーダ70を、個人情報読取装置に設定し、通信I/F60にカードリーダ70が接続されていないと判断する場合、操作パネル13を個人情報読取装置に設定する。接続検出部135は、カードリーダ70を個人情報読取装置に設定する場合、通信I/F60の装置識別情報を電力制御部153に出力し、操作パネル13を個人情報読取装置に設定する場合、操作パネル13の装置識別情報を電力制御部153に出力する。
【0043】
認証部133は、接続検出部135がカードリーダ70を個人情報読取装置に設定する場合、通信I/F60を介してカードリーダ70と通信し、カードリーダ70にICカードが挿入されたか否かを判断する。さらに、認証部133は、カードリーダ70に、ICカードに記憶されたユーザ識別情報を読み取らせ、カードリーダ70からユーザ識別情報を取得する。認証部133は、取得されたユーザ識別情報が割り当てられたユーザがMFP100の操作を許可されたユーザか否かを判断する。
【0044】
HDD115に、MFP100の操作を許可されたユーザのユーザ識別情報を含むユーザデータが予め記憶されており、認証部133は、カードリーダ70から取得されたユーザ識別情報がHDD115に記憶されたユーザデータ81に含まれているか否かを判断する。認証部133は、カードリーダ70から取得されたユーザ識別情報がユーザデータ81に含まれているならば認証するが、ユーザデータ81に含まれていなければ認証しない。認証部133は、認証する場合、カードリーダ70から取得されたユーザ識別情報を含む認証信号を機密プリント部137、切換部139、通知部151および電力制御部153に出力する。
【0045】
認証部133は、接続検出部135が操作パネル13を個人情報読取装置に設定する場合、ユーザが操作部105を操作したか否かを検出し、ユーザが操作部105を操作したことを検出すると、ユーザが操作部105に入力するユーザ識別情報とパスワードの組を取得する。認証部133は、操作部105から取得されたユーザ識別情報とパスワードの組がHDD115に記憶されたユーザデータ81に含まれているか否かを判断する。認証部133は、操作部105から入力されたユーザ識別情報とパスワードの組みがユーザデータ81に含まれていれば認証するが、ユーザデータ81に含まれていなければ認証しない。認証部133は、認証する場合、操作部105から取得されたユーザ識別情報を含む認証信号を機密プリント部137、切換部139、通知部151および電力制御部153に出力する。
【0046】
図4は、ユーザデータのデータフォーマットの一例を示す図である。図4を参照して、ユーザデータ81は、ユーザ識別情報の項目と、パスワードの項目とを含む。ユーザ識別情報の項目には、ユーザ識別情報が設定され、パスワードの項目には、パスワードが設定される。
【0047】
図2に戻って、通知部151は、認証部133から認証信号が入力されると、認証に成功したことをユーザに通知する。ここでは、表示部103に認証に成功したことを示すメッセージを表示する。
【0048】
機密プリント部137は、認証部133からユーザ識別情報が入力されることに応じて、入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されているか否かを判断する。認証部133から入力されるユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されている場合、入力されたユーザ識別情報を含む全ての機密プリントデータ83を抽出する。機密プリント部137は、画像形成部30を制御して、抽出された機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を形成する。
【0049】
機密プリント部137は、認証部133からユーザ識別情報が入力されることに応じて、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を形成するので、ユーザは、PCを操作してプリントデータを機密プリントを指定してMFP100に送信した後、MFP100にログインすれば、先に送信したプリントデータの画像が形成される。このため、プリントデータの画像が形成された用紙を他人に見られるのを防止することができる。
【0050】
機密プリント部137は、機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像形成が終了すると、その機密プリントデータ83をHDD115から削除するとともに、機密プリント終了信号を切換部139に出力する。
【0051】
切換部139は、動作モードを切り換える。動作モードは、全動作モードと、全動作モードより消費電力の小さいプリント動作モードと、プリント動作モードより消費電力の小さい省電力モードとを含む。全動作モードとプリント動作モードとは、少なくとも画像の形成が可能な動作モードであり、全動作モードとプリント動作モードとを総称して、プリント可能モードという。ここで、動作モードの遷移について説明する。
【0052】
図5は、動作モードの遷移を説明するための図である。図5を参照して、動作モードは、全動作モードにおいて第1省電力切換イベントが発生すると、省電力モードに遷移し、省電力モードにおいて全動作切換イベントが発生すると、全動作モードに遷移する。また、動作モードは、省電力モードにおいてプリント動作切換イベントが発生すると、プリント動作モードに遷移し、プリント動作モードにおいて第2省電力切換イベントが発生すると、省電力モードに遷移する
図2に戻って、切換部139は、省電力モード切換部141と、動作可能モード切換部143とを含む。省電力モード切換部141は、全動作モードにおいて第1省電力切換イベントを検出すると、動作モードを省電力モードに切り換える。省電力モード切換部141は、操作部105によって所定の時間継続してユーザによる操作が検出されなければ、第1省電力切換イベントを検出する。省電力モード切換部141は、動作モードを全動作モードから省電力モードに切り換える場合、第1省電力切換信号を電力制御部153に出力する。また、省電力モード切換部141は、プリント動作モードにおいて第2省電力切換イベントを検出すると、動作モードを省電力モードに切り換える。省電力モード切換部141は、機密プリント部137から機密プリント終了信号が入力されると、第2省電力切換イベントを検出する。省電力モード切換部141は、動作モードをプリント動作モードから省電力モードに切り換える場合、省電力切換信号を電力制御部153に出力する。
【0053】
動作可能モード切換部143は、第1切換部145と、第2切換部147とを含む。第1切換部145は、省電力モードにおいてプリント動作切換イベントを検出すると、動作モードをプリント動作モードに切り換える。第1切換部145は、認証部133から認証信号が入力され、入力された認証信号に含まれるユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていれば、プリント動作切換イベントを検出する。第1切換部145は、動作モードをプリント動作モードに切り換える場合、電力制御部153にプリント動作切換信号を出力する。
【0054】
第2切換部147は、省電力モードにおいて全動作切換イベントを検出すると、動作モードを全動作モードに切り換える。第2切換部147は、認証部133から認証信号が入力され、入力された認証信号に含まれるユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていなければ、全動作切換イベントを検出する。第2切換部147は、動作モードを全動作モードに切り換える場合、電力制御部153に全動作切換信号を出力する。
【0055】
人体検出部149は、人体検出センサ118からON信号またはOFF信号が入力される。人体検出部149は、人体検出センサ118からON信号が入力されている間、人を検出したことを示す検出信号を電力制御部153に出力し、人体検出センサ118からOFF信号が入力されている間は、検出信号を電力制御部153に出力しない。
【0056】
電力制御部153は、電源回路50を制御して、MFP100の全体または一部に電力を供給する。MFP100に電力が供給される部分は、動作モードによって異なる。電力制御部153は、切換部139から省電力切換信号、プリント動作切換信号および全動作切換信号のいずれかが入力され、切換部139により切り換えられた動作モードを判断する。具体的には、電力制御部153は、切換部139から省電力切換信号が入力されると、動作モードが省電力モードに切り換えられたと判断する。電力制御部153は、切換部139からプリント動作切換信号が入力されると、動作モードがプリント動作モードに切り換えられたと判断する。電力制御部153は、切換部139から全動作切換信号が入力されると、動作モードが全動作モードに切り換えられたと判断する。
【0057】
電力制御部153は、MFPの各部のうちで、切換部139により切り換えられた動作モードに対応して予め定められた部分に電力を供給する部分を決定する。
【0058】
図6は、動作モード別の電力供給状態の一例を示す図である。図6において、○印は、該当の動作モードで電力が供給されることを示し、×印は、該当の動作モードで電力が供給されないことを示し、△印は、該当の動作モードにおいて電力が供給される場合と、電力が供給されない場合とがあることを示す。
【0059】
図6を参照して、全動作モードにおいては、メイン回路101、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13、通信I/F60に電力が供給される。
【0060】
プリント動作モードにおいては、メイン回路101、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13および通信I/F60に電力が供給され、ADF10、原稿読取部20、給紙部40、に電力が供給されない。
【0061】
省電力モードにおいては、メイン回路101に電力が供給され、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40に電力が供給されない。操作パネル13および通信I/F60には、人体検出センサ118により人が検出された場合に電力が供給され、人が検出されない場合は電力が供給されない。
【0062】
図2に戻って、電力制御部153は、省電力モードにおいて、操作パネル13および通信I/F60に電力を供給しないが、省電力モードにおいて、ユーザがログインする場合に備えて、人体検出センサ118により人が検出されることに応じて、操作パネル13および通信I/F60に電力を供給する。具体的には、電力制御部153は、カードリーダ70が個人情報読取装置に設定されている場合は、人体検出部149から検出信号が入力されることに応じて、通信I/F60に電力を供給し、その後、認証部133より認証信号が入力されると、表示部103に電力を供給する。また、電力制御部153は、操作パネル13が個人情報読取装置に設定されている場合は、人体検出部149から検出信号が入力されることに応じて、操作パネル13に電力を供給する。
【0063】
なお、省電力モードにおいて、HDD115に機密プリントデータが記憶されている場合に個人情報読取装置に電力を供給するようにし、HDD115に機密プリントデータが記憶されていない場合は個人情報読取装置に電力を供給しないようにしてもよい。これにより、HDD115に機密プリントデータが記憶されていない場合における電力の消費を抑えることができる。また、HDD115に機密プリントデータが記憶されている場合、ユーザは、カードリーダ70に電力が供給されてから読み取り可能な状態になるまで待つ必要がない。
【0064】
図7は、動作モードの遷移の一例を示すタイムチャートである。ここでは、通信I/F60にカードリーダ70が接続されており、カードリーダ70が個人情報読取装置に設定されている場合を例に説明する。図7を参照して、期間T1は、動作モードが全動作モードを示している。期間T1において、人体検出センサ118がONになり、人が検出される時刻t0までは、カードリーダ70に電力が供給されてONとなるが、人体検出センサ118がOFFとなり人が検出されなくなる時刻t1以降は、カードリーダ70に電力が供給されずOFFとなる。その後、ユーザが操作パネル13に操作を入力することなく所定時間が経過した時刻t1において、動作モードは省電力モードになる。
【0065】
時刻t1〜時刻t3の期間T2は、動作モードが省電力モードを示す。時刻t1において、人体検出センサ118はOFFとなり人を検出していないため、カードリーダ70はOFFである。人体検出センサ118がONとなり人を検出する時刻t2において、カードリーダ70がONとなる。時刻t3は、ユーザがICカードをカードリーダ70に挿入した時刻を示す。時刻t3において、カードリーダ70はONなので、カードリーダ70にICカードが挿入されたことを検出することができ、認証する。これに応じて、動作モードを動作可能モードに切り換えるが、ここでは、HDD115に、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが記憶されているとする。この場合は、動作モードは、プリント動作モードになる。
【0066】
時刻t3から時刻t4までの期間T3は、動作モードがプリント動作モードを示す。時刻t3から、HDD115に記憶されている認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータのプリントが開始され、そのプリントが終了した時刻t4において、動作モードが省電力モードになる。プリント動作モードにおいては、メイン回路101、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13および通信I/F60に電力が供給され、ADF10、原稿読取部20、給紙部40、に電力が供給されないので、全動作モードよりも消費電力が小さい。このため、機密プリントデータのプリントに必要な部分のみの電力を供給して、消費電力をできるだけ小さくすることができる。また、HDD115に機密プリントデータが記憶されているユーザは、ログイン時に機密プリントデータのプリント以外の処理をMFP100に実行させる確率は低いので、機密プリントデータのプリントが終了した後は、直ちに省電力モードに切り換えることによって、MFP100が処理を実行しない待機時の消費電力を小さくすることができる。
【0067】
時刻t4〜時刻t7の期間T4は、動作モードが省電力モードを示す。時刻t4において、人体検出センサ118がONとなりログインしたユーザが検出されているが、そのユーザがMFP100を離れて、人体検出センサ118がOFFとなりユーザを検出しなくなる時刻t5において、カードリーダ70はOFFとなる。
【0068】
その後、時刻t6において、人体検出センサ118がONとなり人を検出すると、カードリーダ70がONとなる。時刻t7は、ユーザがICカードをカードリーダ70に挿入した時刻を示す。時刻t7において、カードリーダ70はONなので、カードリーダ70にICカードが挿入されたことを検出することができ、認証する。これに応じて、動作モードを動作可能モードに切り換えるが、ここでは、HDD115に、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが記憶されていない。この場合は、動作モードは、全動作モードになる。したがって、時刻t7以降の期間T5は、動作モードが全動作モードを示す。時刻t7において、ユーザがログインし、動作モードは全動作モードになるが、その後、ログインユーザが操作を終了して、MFP100から離れる時刻t8において、人体検出センサ118がOFFとなりユーザを検出しなくなるので、カードリーダ70はOFFになる。
【0069】
図8は、個人情報読取装置処理の流れの一例を示すフローチャートである。個人情報読取装置設定処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。個人情報読取装置設定処理は、MFP100に電源が投入された後の初期設定時に実行される。
【0070】
図8を参照して、CPU111は、カードリーダ70が接続されているか否かを判断する(ステップS01)。通信I/F60を介してカードリーダ70と通信できれば接続されていると判断する。カードリーダ70が接続されているならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS03に進める。
【0071】
ステップS02においては、カードリーダ70を個人情報読取装置に設定し、個人情報読取装置設定処理を終了する。ステップS03においては、操作パネル13を個人情報読取装置に設定し、個人情報読取装置設定処理を終了する。
【0072】
図9は、全動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。全動作モード処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。全動作モード処理は、動作モードが全動作モードに設定されているときに実行される処理である。
【0073】
図9を参照して、ユーザ識別情報が入力されたか否かを判断する(ステップS11)。個人情報読取装置としてカードリーダ70が設定されている場合、カードリーダ70にICカードが挿入されたか否かを判断する。カードリーダ70にICカードが挿入されたと判断する場合は、ICカードからユーザ識別情報を読み出し、処理をステップS12に進めるが、カードリーダ70にICカードが挿入されていないと判断する場合は、処理をステップS21に進める。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13にユーザ識別情報およびパスワードが入力されたか否かを判断する。ユーザ識別情報およびパスワードが入力されたならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に進める。
【0074】
ステップS12においては、ユーザを認証する。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、ICカードから読み出したユーザ識別情報が、HDD115に記憶されているユーザデータ81に登録されているか否かを判断する。ICカードから読み出したユーザ識別情報がユーザデータ81に登録されているならば認証するが、登録されていなければ認証しない。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されている否かを判断する。操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されていれば認証するが、記憶されていなければ認証しない。
【0075】
そして、認証が成功したか否かを判断する(ステップS13)。認証に成功すれば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に戻す。ステップS14においては、表示部103にログイン表示をする。認証に成功したことをユーザに通知するために、表示部103に認証に成功したことを示すメッセージ、例えば「認証されました。」を表示する。次のステップS15においては、操作を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作パネル13に入力する操作を検出したか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。
【0076】
ステップS16においては、受け付けられた操作がログアウト指示か否かを判断する。ステップS15において受け付けられた操作がログアウト指示ならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。ステップS17においては、ステップS15において受け付けた操作に対応する処理を実行し、処理をステップS15に戻す。
【0077】
ステップS19においては、所定の時間が経過したか否かを判断する。ステップS15において最後に操作を受け付けてから所定の時間が経過したならば、処理をステップS20に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に戻す。ステップS20においては、ログアウトし、処理をステップS11に戻す。
【0078】
一方、処理がステップS21に進む場合、いずれのユーザもログインしておらず、ユーザ識別情報を受け付けない状態である。ステップS21においては、所定の時間が経過したか否かを判断する。いずれのユーザもログインしておらず、ユーザ識別情報を受け付けることなく所定の時間が経過したならば、処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に戻す。ステップS22においては、動作モードを省電力モードに切り換え、全動作モード処理を終了する。
【0079】
図10は、省電力モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。省電力モード処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。省電力モード処理は、動作モードが省電力モードに切り換わった時点、具体的には、図9のステップS22の後に実行される処理である。
【0080】
図10を参照して、個人情報読取装置がONか否かを判断する(ステップS31)。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に電力が供給されているか否かを判断し、個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に電力が供給されているか否かを判断する。個人情報読取装置に電力が供給されているならば処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS32に進める。
【0081】
ステップS32においては、人を検出したか否かを判断する。人体検出センサ118からON信号が入力されると、人を検出する。人体検出センサ118からON信号が入力されると処理をステップS33に進めるが、そうでなければ処理をステップS31に戻す。ステップS33においては、個人情報読取装置に電力を供給し、処理をステップS31に戻す。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に電力を供給し、個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に電力を供給する。
【0082】
ステップS34においては、ユーザ識別情報が入力されたか否かを判断する。個人情報読取装置としてカードリーダ70が設定されている場合、カードリーダ70にICカードが挿入されたか否かを判断する。カードリーダ70にICカードが挿入されたと判断する場合は、ICカードからユーザ識別情報を読み出し、処理をステップS37に進めるが、カードリーダ70にICカードが挿入されていないと判断する場合は、処理をステップS35に進める。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13にユーザ識別情報およびパスワードが入力されたか否かを判断する。ユーザ識別情報およびパスワードが入力されたならば処理をステップS37に進めるが、そうでなければ処理をステップS35に進める。
【0083】
ステップS35においては、所定時間経過したか否かを判断する。ステップS31において個人情報読取装置に電力が供給されてからステップS34においてユーザ識別情報が入力されることなく、所定時間が経過したか否かを判断する。個人情報読取装置に電力が供給されてからステップS34においてユーザ識別情報が入力されることなく、所定時間が経過したならば、処理をステップS36に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に電力を供給してからカードリーダ70にICカードが挿入されることなく経過する経過時間が所定時間を越えたか否かを判断する。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に電力を供給してから操作部105にユーザ識別情報およびパスワードが入力されることなく経過する経過時間が所定時間を越えたか否かを判断する。
【0084】
ステップS36においては、ステップS31において個人情報読取装置に供給した電力を遮断し、処理をステップS31に戻す。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に供給している電力を遮断し、個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に供給している電力を遮断する。
【0085】
ステップS37においては、ユーザを認証する。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、ICカードから読み出したユーザ識別情報が、HDD115に記憶されているユーザデータ81に登録されているか否かを判断する。ICカードから読み出したユーザ識別情報がユーザデータ81に登録されているならば認証するが、登録されていなければ認証しない。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されている否かを判断する。操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されていれば認証するが、記憶されていなければ認証しない。
【0086】
そして、認証が成功したか否かを判断する(ステップS38)。ステップS37における認証が成功したならば処理をステップS39に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。以下、認証に成功したユーザをログインユーザという。ステップS39においては、表示部103にログイン表示をする。認証に成功したことをユーザに通知するために、表示部103に電力を供給した後、表示部103に認証に成功したことを示すメッセージ、例えば「認証されました。」を表示する。
【0087】
次のステップS40においては、ログインユーザの機密プリントデータがあるか否かを判断する。ステップS34において入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータがHDD115に記憶されているか否かを判断する。ステップS34において入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータがHDD115に記憶されているならば、処理をステップS41に進めるが、そうでなければ処理をステップS42に進める。
【0088】
ステップS41においては、動作モードをプリント動作モードに切り換え、省電力モード処理を終了する。ステップS42においては、動作モードを全動作モードに切り換え、省電力モード処理を終了する。ステップS42において、動作モードが全動作モードに切り換えられる場合、ステップS37において、ユーザが認証されているので、図9に示した処理のステップS15以降の処理が実行される。
【0089】
図11は、プリント動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリント動作モード処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。プリント動作モード処理は、動作モードがプリント動作モードに切り換わった時点、具体的には、図10のステップS41の後に実行される処理である。
【0090】
図11を参照して、画像形成部30および給紙部40に電力を供給する(ステップS51)。次のステップS52においては、ログインユーザのユーザ識別情報、換言すれば、図10のステップS34において入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータをHDD115に記憶された機密プリントデータ83のうちから選択する。
【0091】
ステップS53においては、ステップS52において選択された機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を、画像形成部30に出力し、画像形成部30にプリントデータの画像を形成させる。そして、ステップS52において選択された機密プリントデータをHDD115から削除する。次のステップS54においては、次に処理対処とする機密プリントデータが存在するか否かを判断する。HDD115に記憶されている機密プリントデータ83のうちにログインユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータがあるか否かを判断する。HDD115にログインユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが記憶されているならば、処理をステップS52に戻すが、そうでなければ処理をステップS56に進める。
【0092】
ステップS56においては、画像形成部30および給紙部40へ供給している電力を遮断する。次のステップS57においては、電力モードを省電力モードに切り換え、プリント動作モード処理を終了する。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、省電力モードに切り換えているときにユーザを認証する場合、動作モードを動作可能モードに切り換え、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、動作モードを省電力モードに切り換える。このため、動作モードが動作可能モードとなる時間が短くなるので、消費電力を抑えることができる。
【0094】
また、省電力モードにおいて、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていると判断する場合は、動作モードをプリント動作可能モードに切り換え、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていないと判断する場合は、動作モードを全動作可能モードに切り換える。このため、機密プリントデータの画像を形成するのに必要な電力のみを消費するようにして、消費電力をさらに抑えることができる。
【0095】
さらに、カードリーダ70が通信I/F60に接続されている場合において、省電力モードに切り換える場合、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されている場合は、カードリーダ70に電力が供給されるので、カードリーダ70が読み取り可能になるまでの起動時間の間待つ必要なく、直ちにユーザ識別情報を読み取らせることができる。また、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていない場合は、カードリーダ70に供給する電力を遮断し、人体検出センサ118により人が検出されることに応じて、カードリーダ70に電力を供給するので、カードリーダ70により消費される電力を少なくすることができる。
【0096】
さらに、カードリーダ70が通信I/F60に接続されていない場合において、省電力モードに切り換える場合、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されている場合は、操作パネル13に電力が供給されるので、操作パネル13が起動するまでの時間を待つ必要なく、直ちにユーザ識別情報およびパスワードを入力させることができる。また、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていない場合は、操作パネル13に供給する電力を遮断し、人体検出センサ118により人が検出されることに応じて、操作パネル13に電力を供給するので、操作パネル13により消費される電力を少なくすることができる。
【0097】
なお、本実施の形態においては、メイン回路101に常に電力を供給するようにしたが、メイン回路101とは別に省電力復帰制御部を設け、省電力モードにおいては省電力復帰制御部と、人体検出センサ118と、操作パネル13または通信I/F60と、に電力を供給し、メイン回路101への電力を遮断するようにしてもよい。この場合、ユーザが操作パネル13またはカードリーダ70に省電力モードから復帰する指示を入力することにより、省電力復帰制御部がメイン回路101に電力を供給するように制御する。また、省電力モードにおいてメイン回路101のうち人体検出センサ118にのみ電力を供給して、人体検出センサ118が人を検出することにより、省電力復帰制御部がメイン回路101に電力を供給するように制御してもよい。
【0098】
また、全動作モードにおいて所定の時間、ユーザにより操作部105に操作が入力されないと、動作モードを省電力モードに切り換えるようにしたが、人体検出センサ118により人が検出されなくなるまでは、動作モードを省電力モードに切り換えないようにしてもよい。
【0099】
さらに、全動作モードにおいて所定の時間、ユーザにより操作部105に操作が入力されないと、動作モードを省電力モードに切り換えるようにしたが、LowPowerモードに切り換えるようにしてもよい。LowPowerモードは、画像形成部30に含まれる定着部等に電力を供給するモードであり、画像を形成可能になるまでの時間が省電力モードよりも短い。なお、定着部の温度を低温に制御して、消費電力を抑えるようにしてもよい。さらに、LowPowerモードから省電力モードへ遷移する時間をユーザが設定するようにし、動作モードがLowPowerモードに遷移してからユーザにより設定された時間の経過後に省電力モードに遷移させるようにしてもよい。
【0100】
また、本実施の形態におけるMFP100は、省電力モードにおいて機密プリントデータ以外の通常のプリントデータを受信した場合、プリント動作モードに切り換えて画像の形成を行うようにする。これにより、通常のプリントデータの画像を形成する際、画像の形成に必要な電力のみを消費するので、消費電力を抑えることができる。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0102】
<付記>
(1) 前記電力制御手段は、前記認証手段に電力を供給してから所定の時間が経過しても前記認証手段によってユーザが認証されない場合、前記個人情報読取装置に供給する電力を遮断する、請求項3に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0103】
10 ADF、13 操作パネル、20 原稿読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 電源回路、60 通信I/F、70 カードリーダ、101 メイン回路、103 表示部、105 操作部、111 CPU、112 ROM、113 RAM、114 EEPROM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 ネットワークI/F、118 人体検出センサ、119 外部記憶装置、119A CD−ROM、131 機密プリント受信部、133 認証部、135 接続検出部、137 機密プリント部、139 切換部、141 省電力モード切換部、143 動作可能モード切換部、145 第1切換部、147 第2切換部、149 人体検出部、151 通知部、153 電力制御部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置、機密プリント方法および機密プリントプログラムに関し、特に機密プリント機能を備えた画像形成装置、機密プリント方法および機密プリントプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常は、画像形成することができる動作モードと、ユーザが使用しないときは画像形成することはできないが消費電力の低い省電力モードとに切り換える画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1)。従来の画像形成装置は、ユーザが操作しない時間が所定時間以上になると、動作モードを省電力モードに切り換える。
【0003】
また、PCから画像形成装置に機密プリントを指定してプリントデータを送信すると、画像形成装置ではプリントデータを直ちにプリントすることなく記憶しておき、ユーザが画像形成装置にログインした時点で、先に受信されたプリントデータをプリントする機密プリント機能が知られている。
【0004】
しかしながら、従来の画像形成装置が機密プリント機能を備えることが考えられるが、ユーザがログインした時点で、動作モードで先に受信されたプリントデータをプリントした後、所定時間経過しなければ省電力モードに切り換えられない。このため、機密プリントが指定されたプリントデータをプリントした後、省電力モードに切り換えるまでに消費される電力が無駄になってしまうといった問題があった。
【特許文献1】特開2005−43588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、消費電力を抑えた画像形成装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、消費電力を抑えた機密プリント方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、消費電力を抑えた機密プリントプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像形成装置は、画像を形成する画像形成手段と、動作可能モードと、動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換える切換手段と、個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶する機密プリント受信手段と、ユーザを認証する認証手段と、記憶された機密プリントデータのうちに認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させる機密プリント手段と、を備え、切換手段は、省電力モードに切り換えているときに、認証手段によりユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換える動作可能モード切換手段と、動作可能モード切換手段により動作可能モードに切り換えられた後、画像形成手段による認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換える省電力モード切換手段と、を含む。
【0009】
この局面に従えば、省電力モードに切り換えられているときに、ユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換えられ、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換えられる。このため、動作モードが動作可能モードとなる時間が短くなるので、消費電力を抑えた画像形成装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、動作可能モードは、全動作可能モードと、全動作可能モードよりも消費電力の小さいプリント動作可能モードと、を含み、動作可能モード切換手段は、記憶された機密プリントデータのうちに認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合は、プリント動作可能モードに切り換える第1切換手段と、記憶された機密プリントデータのうちに認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在しない場合は、全動作可能モードに切り換える第2切換手段と、を含む。
【0011】
この局面に従えば、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合は、プリント動作可能モードに切り換えられ、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在しない場合は、全動作可能モードに切り換えられる。このため、機密プリントデータの画像を形成するのに必要な電力のみを消費するようにして、消費電力をさらに抑えることができる。
【0012】
好ましくは、人体を検出する検出センサと、個人情報が入力される個人情報読取装置と、個人情報読取装置に供給する電力を制御する電力制御手段と、をさらに備え、認証手段は、個人情報読取装置に入力された個人情報に基づいて、ユーザを認証し、電力制御手段は、切換手段により省電力モードに切り換えられる場合、記憶手段に機密プリントデータが記憶されている場合は、個人情報読取装置に電力を供給し、記憶手段に機密プリントデータが記憶されていない場合は、個人情報読取装置に供給する電力を遮断し、検出センサにより人体が検出されることに応じて、個人情報読取装置に電力を供給する。
【0013】
この局面に従えば、省電力モードに切り換えられる場合、機密プリントデータが記憶されている場合は、個人情報読取装置に電力が供給されるので、個人情報読取装置が読み取り可能になるまでの起動時間の間待つ必要なく、直ちに個人情報を読み取らせることができる。また、機密プリントデータが記憶されていない場合は、個人情報読取装置に供給する電力を遮断し、検出センサにより人体が検出されることに応じて、個人情報読取装置に電力を供給するので、個人情報読取装置により消費される電力を少なくすることができる。
【0014】
好ましくは、個人情報読取装置は、個人情報を読み取り、出力する外部装置を含む。
【0015】
好ましくは、外部装置と接続可能であり、接続された外部装置に電力を供給する通信回路を含み、認証手段は、通信回路に外部装置が接続されているか否かを検出する接続検出手段をさらに含み、電力制御手段は、切換手段により省電力モードに切り換えられる間、接続検出手段により外部装置が接続されていることが検出されている場合は、操作パネルよりも優先して通信回路に電力を供給する。
【0016】
好ましくは、個人情報読取装置は、ユーザの操作を受け付ける操作パネルを含む。
【0017】
好ましくは、認証手段によりユーザが認証された後に、認証に成功したことを通知する通知手段をさらに備え、電力制御手段は、認証手段により認証されることに応じて、通知手段に電力を供給する。
【0018】
この発明の他の局面によれば、機密プリント方法は、画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置で実行される機密プリント方法であって、動作可能モードと、動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、ユーザを認証するステップと、記憶された機密プリントデータのうちに認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、を含み、動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換えるステップと、動作可能モードに切り換えられた後、画像形成手段による認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換えるステップと、を含む。
【0019】
この局面に従えば、消費電力を抑えた機密プリント方法を提供することができる。
【0020】
この発明のさらに他の局面によれば、機密プリントプログラムは、画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される機密プリントプログラムであって、動作可能モードと、動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、ユーザを認証するステップと、記憶された機密プリントデータのうちに認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を画像形成手段に形成させるステップと、をコンピュータに実行させ、動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、動作可能モードに切り換えるステップと、動作可能モードに切り換えられた後、画像形成手段による認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、省電力モードに切り換えるステップと、を含む、機密プリントプログラム。
【0021】
この局面に従えば、消費電力を抑えた機密プリントプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】MFPが備えるCPUの機能の概要をHDDに記憶されたデータとともに示す機能ブロック図である。
【図3】機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。
【図4】ユーザデータのデータフォーマットの一例を示す図である。
【図5】動作モードの遷移を説明するための図である。
【図6】動作モード別の電力供給状態の一例を示す図である。
【図7】動作モードの遷移の一例を示すタイムチャートである。
【図8】個人情報読取装置設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】全動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図10】省電力モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図11】プリント動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0024】
図1は、MFPのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図1を参照して、MFP100は、メイン回路101と、自動原稿読取装置(ADF)10と、原稿読取部20と、画像形成部30と、給紙部40と、ユーザインターフェースとしての操作パネル13と、通信I/F60と、電源回路50と、を含む。
【0025】
メイン回路101は、CPU111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、ネットワークI/F117と、人体検出センサ118と、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)119Aが装着される外部記憶装置119と、を含む。CPU111は、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13、通信I/F60および電源回路50と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0026】
ADF10は、原稿給紙トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部20のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿読取部20により原稿画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ上に排出する。原稿読取部20は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、メモリに記憶する、または画像形成部30に出力する。
【0027】
画像形成部30は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部20から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施し、データ処理後の画像データに基づいて、給紙部40により搬送される用紙に画像を形成する。給紙部40は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部30に搬送する。
【0028】
通信I/F60は、CPU111と接続され、MFP100を他の装置とシリアル通信ケーブルで接続するためのインターフェースである。通信I/F60は、カードリーダ70と接続が可能である。通信I/F60にカードリーダ70が装着される場合、カードリーダ70は、通信I/F60から電力の供給を受け、駆動する。
【0029】
カードリーダ70は、ユーザが所有するICカードが挿入され、挿入されたICカードに記憶されたユーザ識別情報をICカードから読み出し、読み出したユーザ識別情報を、通信I/F60に送信する。
【0030】
電源回路50は、商用電源から電力が供給され、供給された交流の電力を所定の電圧の直流に変換する。電源回路50は、CPU111により制御され、MFP100の全体または一部に電力を供給する。
【0031】
ROM112は、CPU111が実行するプログラム、およびそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM113は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0032】
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶する、または画像形成部30に出力する。画像形成部30は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0033】
ネットワークI/F117は、MFP100をネットワークに接続するためのインターフェースである。CPU111は、ネットワークI/F117を介してネットワークに接続されたパーソナルコンピュータ(PC)と通信可能であり、PCとの間でデータを送受信する。特に、PCから受信される機密プリントデータを受信する。
【0034】
人体検出センサ118は、物体から発せられる赤外線を検出する赤外線センサである。人体検出センサ118は、検出可能な範囲内に人が存在すれば、人の体から発せられる赤外線を検出し、ON信号をCPU111に出力し、赤外線を検出しなければOFF信号をCPU111に出力する。
【0035】
外部記憶装置119は、CD−ROM119Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置119を介してCD−ROM119Aにアクセス可能であり、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムをRAM113にロードして実行可能である。なお、CPU111が実行するプログラムは、CD−ROM119Aに記憶されたプログラムに限られず、他の記憶媒体に記憶されたプログラムでもよく、HDD115に記憶されたプログラムであってもよく、さらに、ネットワークI/F117を介してネットワークに接続された他のコンピュータによりHDD115に書き込みされたプログラムであってもよい。
【0036】
なお、プログラムを記憶する記憶媒体としては、CD−ROM119Aに限られず、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリでもよい。
【0037】
ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0038】
操作パネル13は、MFP100の上面に設けられ、表示部103と、操作部105とを含む。表示部103は、液晶表示装置、有機ELD(Electroluminescence Display)等の表示装置であり、ユーザに対する指示メニューや取得した表示データに関する情報等を表示する。操作部105は、ユーザの操作を受け付け、受け付けられた操作をCPU111に出力する。操作部105は、表示部103の上に重畳して配置されたタッチパネルを含む。タッチパネルは、透明な部材からなり、表示部103に重畳して配置される。タッチパネルは、ユーザがタッチパネルを指で触れると、触れられた位置を指示位置として検出し、CPU111に出力する。
【0039】
図2は、MFPが備えるCPUの機能の概要をHDDに記憶されたデータとともに示すブロック図である。図2に示すCPU111の機能は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより形成される。図2を参照して、MFP100が備えるCPU111は、機密プリントデータを受信する機密プリント受信部131と、ユーザを認証する認証部133と、機密プリント部137と、動作モードを切り換える切換部139と、人を検出する人体検出部149と、通知部151と、電源回路50を制御する電力制御部153と、を含む。
【0040】
機密プリント受信部131は、ネットワークI/F117がネットワークに接続されたPC等から機密プリントデータを受信すると、ネットワークI/F117から機密プリントデータを取得する。機密プリントデータは、PCを操作するユーザが、PCからMFP100にプリントデータを送信する際に、機密プリントであることを指示することにより、PCからMFP100に送信されるデータであり、機密プリントであることを示すために、プリントデータにPCのユーザを識別するためのユーザ識別情報が付加されたデータである。機密プリント受信部131は、ネットワークI/F117から機密プリントデータを取得すると、取得された機密プリントデータをHDD115に記憶する。これにより、機密プリントデータ83がHDD115に記憶される。
【0041】
図3は、機密プリントデータのフォーマットの一例を示す図である。図3を参照して、機密プリントデータ83は、ユーザ識別情報の項目と、プリントデータの項目とを含む。ユーザ識別情報の項目にはユーザ識別情報が設定され、ユーザ識別情報は、プリントデータの送信を指示したユーザを識別するための情報である。
【0042】
図2に戻って、認証部133は、接続検出部135を含む。接続検出部135は、通信I/F60にカードリーダ70が接続されているか否かを判断する。例えば、通信I/F60を介してカードリーダ70と通信できるか否かで判断する。接続検出部135は、通信I/F60にカードリーダ70が接続されていると判断する場合、カードリーダ70を、個人情報読取装置に設定し、通信I/F60にカードリーダ70が接続されていないと判断する場合、操作パネル13を個人情報読取装置に設定する。接続検出部135は、カードリーダ70を個人情報読取装置に設定する場合、通信I/F60の装置識別情報を電力制御部153に出力し、操作パネル13を個人情報読取装置に設定する場合、操作パネル13の装置識別情報を電力制御部153に出力する。
【0043】
認証部133は、接続検出部135がカードリーダ70を個人情報読取装置に設定する場合、通信I/F60を介してカードリーダ70と通信し、カードリーダ70にICカードが挿入されたか否かを判断する。さらに、認証部133は、カードリーダ70に、ICカードに記憶されたユーザ識別情報を読み取らせ、カードリーダ70からユーザ識別情報を取得する。認証部133は、取得されたユーザ識別情報が割り当てられたユーザがMFP100の操作を許可されたユーザか否かを判断する。
【0044】
HDD115に、MFP100の操作を許可されたユーザのユーザ識別情報を含むユーザデータが予め記憶されており、認証部133は、カードリーダ70から取得されたユーザ識別情報がHDD115に記憶されたユーザデータ81に含まれているか否かを判断する。認証部133は、カードリーダ70から取得されたユーザ識別情報がユーザデータ81に含まれているならば認証するが、ユーザデータ81に含まれていなければ認証しない。認証部133は、認証する場合、カードリーダ70から取得されたユーザ識別情報を含む認証信号を機密プリント部137、切換部139、通知部151および電力制御部153に出力する。
【0045】
認証部133は、接続検出部135が操作パネル13を個人情報読取装置に設定する場合、ユーザが操作部105を操作したか否かを検出し、ユーザが操作部105を操作したことを検出すると、ユーザが操作部105に入力するユーザ識別情報とパスワードの組を取得する。認証部133は、操作部105から取得されたユーザ識別情報とパスワードの組がHDD115に記憶されたユーザデータ81に含まれているか否かを判断する。認証部133は、操作部105から入力されたユーザ識別情報とパスワードの組みがユーザデータ81に含まれていれば認証するが、ユーザデータ81に含まれていなければ認証しない。認証部133は、認証する場合、操作部105から取得されたユーザ識別情報を含む認証信号を機密プリント部137、切換部139、通知部151および電力制御部153に出力する。
【0046】
図4は、ユーザデータのデータフォーマットの一例を示す図である。図4を参照して、ユーザデータ81は、ユーザ識別情報の項目と、パスワードの項目とを含む。ユーザ識別情報の項目には、ユーザ識別情報が設定され、パスワードの項目には、パスワードが設定される。
【0047】
図2に戻って、通知部151は、認証部133から認証信号が入力されると、認証に成功したことをユーザに通知する。ここでは、表示部103に認証に成功したことを示すメッセージを表示する。
【0048】
機密プリント部137は、認証部133からユーザ識別情報が入力されることに応じて、入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されているか否かを判断する。認証部133から入力されるユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されている場合、入力されたユーザ識別情報を含む全ての機密プリントデータ83を抽出する。機密プリント部137は、画像形成部30を制御して、抽出された機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を形成する。
【0049】
機密プリント部137は、認証部133からユーザ識別情報が入力されることに応じて、機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を形成するので、ユーザは、PCを操作してプリントデータを機密プリントを指定してMFP100に送信した後、MFP100にログインすれば、先に送信したプリントデータの画像が形成される。このため、プリントデータの画像が形成された用紙を他人に見られるのを防止することができる。
【0050】
機密プリント部137は、機密プリントデータ83に含まれるプリントデータの画像形成が終了すると、その機密プリントデータ83をHDD115から削除するとともに、機密プリント終了信号を切換部139に出力する。
【0051】
切換部139は、動作モードを切り換える。動作モードは、全動作モードと、全動作モードより消費電力の小さいプリント動作モードと、プリント動作モードより消費電力の小さい省電力モードとを含む。全動作モードとプリント動作モードとは、少なくとも画像の形成が可能な動作モードであり、全動作モードとプリント動作モードとを総称して、プリント可能モードという。ここで、動作モードの遷移について説明する。
【0052】
図5は、動作モードの遷移を説明するための図である。図5を参照して、動作モードは、全動作モードにおいて第1省電力切換イベントが発生すると、省電力モードに遷移し、省電力モードにおいて全動作切換イベントが発生すると、全動作モードに遷移する。また、動作モードは、省電力モードにおいてプリント動作切換イベントが発生すると、プリント動作モードに遷移し、プリント動作モードにおいて第2省電力切換イベントが発生すると、省電力モードに遷移する
図2に戻って、切換部139は、省電力モード切換部141と、動作可能モード切換部143とを含む。省電力モード切換部141は、全動作モードにおいて第1省電力切換イベントを検出すると、動作モードを省電力モードに切り換える。省電力モード切換部141は、操作部105によって所定の時間継続してユーザによる操作が検出されなければ、第1省電力切換イベントを検出する。省電力モード切換部141は、動作モードを全動作モードから省電力モードに切り換える場合、第1省電力切換信号を電力制御部153に出力する。また、省電力モード切換部141は、プリント動作モードにおいて第2省電力切換イベントを検出すると、動作モードを省電力モードに切り換える。省電力モード切換部141は、機密プリント部137から機密プリント終了信号が入力されると、第2省電力切換イベントを検出する。省電力モード切換部141は、動作モードをプリント動作モードから省電力モードに切り換える場合、省電力切換信号を電力制御部153に出力する。
【0053】
動作可能モード切換部143は、第1切換部145と、第2切換部147とを含む。第1切換部145は、省電力モードにおいてプリント動作切換イベントを検出すると、動作モードをプリント動作モードに切り換える。第1切換部145は、認証部133から認証信号が入力され、入力された認証信号に含まれるユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていれば、プリント動作切換イベントを検出する。第1切換部145は、動作モードをプリント動作モードに切り換える場合、電力制御部153にプリント動作切換信号を出力する。
【0054】
第2切換部147は、省電力モードにおいて全動作切換イベントを検出すると、動作モードを全動作モードに切り換える。第2切換部147は、認証部133から認証信号が入力され、入力された認証信号に含まれるユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていなければ、全動作切換イベントを検出する。第2切換部147は、動作モードを全動作モードに切り換える場合、電力制御部153に全動作切換信号を出力する。
【0055】
人体検出部149は、人体検出センサ118からON信号またはOFF信号が入力される。人体検出部149は、人体検出センサ118からON信号が入力されている間、人を検出したことを示す検出信号を電力制御部153に出力し、人体検出センサ118からOFF信号が入力されている間は、検出信号を電力制御部153に出力しない。
【0056】
電力制御部153は、電源回路50を制御して、MFP100の全体または一部に電力を供給する。MFP100に電力が供給される部分は、動作モードによって異なる。電力制御部153は、切換部139から省電力切換信号、プリント動作切換信号および全動作切換信号のいずれかが入力され、切換部139により切り換えられた動作モードを判断する。具体的には、電力制御部153は、切換部139から省電力切換信号が入力されると、動作モードが省電力モードに切り換えられたと判断する。電力制御部153は、切換部139からプリント動作切換信号が入力されると、動作モードがプリント動作モードに切り換えられたと判断する。電力制御部153は、切換部139から全動作切換信号が入力されると、動作モードが全動作モードに切り換えられたと判断する。
【0057】
電力制御部153は、MFPの各部のうちで、切換部139により切り換えられた動作モードに対応して予め定められた部分に電力を供給する部分を決定する。
【0058】
図6は、動作モード別の電力供給状態の一例を示す図である。図6において、○印は、該当の動作モードで電力が供給されることを示し、×印は、該当の動作モードで電力が供給されないことを示し、△印は、該当の動作モードにおいて電力が供給される場合と、電力が供給されない場合とがあることを示す。
【0059】
図6を参照して、全動作モードにおいては、メイン回路101、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13、通信I/F60に電力が供給される。
【0060】
プリント動作モードにおいては、メイン回路101、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13および通信I/F60に電力が供給され、ADF10、原稿読取部20、給紙部40、に電力が供給されない。
【0061】
省電力モードにおいては、メイン回路101に電力が供給され、ADF10、原稿読取部20、画像形成部30、給紙部40に電力が供給されない。操作パネル13および通信I/F60には、人体検出センサ118により人が検出された場合に電力が供給され、人が検出されない場合は電力が供給されない。
【0062】
図2に戻って、電力制御部153は、省電力モードにおいて、操作パネル13および通信I/F60に電力を供給しないが、省電力モードにおいて、ユーザがログインする場合に備えて、人体検出センサ118により人が検出されることに応じて、操作パネル13および通信I/F60に電力を供給する。具体的には、電力制御部153は、カードリーダ70が個人情報読取装置に設定されている場合は、人体検出部149から検出信号が入力されることに応じて、通信I/F60に電力を供給し、その後、認証部133より認証信号が入力されると、表示部103に電力を供給する。また、電力制御部153は、操作パネル13が個人情報読取装置に設定されている場合は、人体検出部149から検出信号が入力されることに応じて、操作パネル13に電力を供給する。
【0063】
なお、省電力モードにおいて、HDD115に機密プリントデータが記憶されている場合に個人情報読取装置に電力を供給するようにし、HDD115に機密プリントデータが記憶されていない場合は個人情報読取装置に電力を供給しないようにしてもよい。これにより、HDD115に機密プリントデータが記憶されていない場合における電力の消費を抑えることができる。また、HDD115に機密プリントデータが記憶されている場合、ユーザは、カードリーダ70に電力が供給されてから読み取り可能な状態になるまで待つ必要がない。
【0064】
図7は、動作モードの遷移の一例を示すタイムチャートである。ここでは、通信I/F60にカードリーダ70が接続されており、カードリーダ70が個人情報読取装置に設定されている場合を例に説明する。図7を参照して、期間T1は、動作モードが全動作モードを示している。期間T1において、人体検出センサ118がONになり、人が検出される時刻t0までは、カードリーダ70に電力が供給されてONとなるが、人体検出センサ118がOFFとなり人が検出されなくなる時刻t1以降は、カードリーダ70に電力が供給されずOFFとなる。その後、ユーザが操作パネル13に操作を入力することなく所定時間が経過した時刻t1において、動作モードは省電力モードになる。
【0065】
時刻t1〜時刻t3の期間T2は、動作モードが省電力モードを示す。時刻t1において、人体検出センサ118はOFFとなり人を検出していないため、カードリーダ70はOFFである。人体検出センサ118がONとなり人を検出する時刻t2において、カードリーダ70がONとなる。時刻t3は、ユーザがICカードをカードリーダ70に挿入した時刻を示す。時刻t3において、カードリーダ70はONなので、カードリーダ70にICカードが挿入されたことを検出することができ、認証する。これに応じて、動作モードを動作可能モードに切り換えるが、ここでは、HDD115に、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが記憶されているとする。この場合は、動作モードは、プリント動作モードになる。
【0066】
時刻t3から時刻t4までの期間T3は、動作モードがプリント動作モードを示す。時刻t3から、HDD115に記憶されている認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータのプリントが開始され、そのプリントが終了した時刻t4において、動作モードが省電力モードになる。プリント動作モードにおいては、メイン回路101、画像形成部30、給紙部40、操作パネル13および通信I/F60に電力が供給され、ADF10、原稿読取部20、給紙部40、に電力が供給されないので、全動作モードよりも消費電力が小さい。このため、機密プリントデータのプリントに必要な部分のみの電力を供給して、消費電力をできるだけ小さくすることができる。また、HDD115に機密プリントデータが記憶されているユーザは、ログイン時に機密プリントデータのプリント以外の処理をMFP100に実行させる確率は低いので、機密プリントデータのプリントが終了した後は、直ちに省電力モードに切り換えることによって、MFP100が処理を実行しない待機時の消費電力を小さくすることができる。
【0067】
時刻t4〜時刻t7の期間T4は、動作モードが省電力モードを示す。時刻t4において、人体検出センサ118がONとなりログインしたユーザが検出されているが、そのユーザがMFP100を離れて、人体検出センサ118がOFFとなりユーザを検出しなくなる時刻t5において、カードリーダ70はOFFとなる。
【0068】
その後、時刻t6において、人体検出センサ118がONとなり人を検出すると、カードリーダ70がONとなる。時刻t7は、ユーザがICカードをカードリーダ70に挿入した時刻を示す。時刻t7において、カードリーダ70はONなので、カードリーダ70にICカードが挿入されたことを検出することができ、認証する。これに応じて、動作モードを動作可能モードに切り換えるが、ここでは、HDD115に、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが記憶されていない。この場合は、動作モードは、全動作モードになる。したがって、時刻t7以降の期間T5は、動作モードが全動作モードを示す。時刻t7において、ユーザがログインし、動作モードは全動作モードになるが、その後、ログインユーザが操作を終了して、MFP100から離れる時刻t8において、人体検出センサ118がOFFとなりユーザを検出しなくなるので、カードリーダ70はOFFになる。
【0069】
図8は、個人情報読取装置処理の流れの一例を示すフローチャートである。個人情報読取装置設定処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。個人情報読取装置設定処理は、MFP100に電源が投入された後の初期設定時に実行される。
【0070】
図8を参照して、CPU111は、カードリーダ70が接続されているか否かを判断する(ステップS01)。通信I/F60を介してカードリーダ70と通信できれば接続されていると判断する。カードリーダ70が接続されているならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS03に進める。
【0071】
ステップS02においては、カードリーダ70を個人情報読取装置に設定し、個人情報読取装置設定処理を終了する。ステップS03においては、操作パネル13を個人情報読取装置に設定し、個人情報読取装置設定処理を終了する。
【0072】
図9は、全動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。全動作モード処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。全動作モード処理は、動作モードが全動作モードに設定されているときに実行される処理である。
【0073】
図9を参照して、ユーザ識別情報が入力されたか否かを判断する(ステップS11)。個人情報読取装置としてカードリーダ70が設定されている場合、カードリーダ70にICカードが挿入されたか否かを判断する。カードリーダ70にICカードが挿入されたと判断する場合は、ICカードからユーザ識別情報を読み出し、処理をステップS12に進めるが、カードリーダ70にICカードが挿入されていないと判断する場合は、処理をステップS21に進める。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13にユーザ識別情報およびパスワードが入力されたか否かを判断する。ユーザ識別情報およびパスワードが入力されたならば処理をステップS12に進めるが、そうでなければ処理をステップS21に進める。
【0074】
ステップS12においては、ユーザを認証する。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、ICカードから読み出したユーザ識別情報が、HDD115に記憶されているユーザデータ81に登録されているか否かを判断する。ICカードから読み出したユーザ識別情報がユーザデータ81に登録されているならば認証するが、登録されていなければ認証しない。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されている否かを判断する。操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されていれば認証するが、記憶されていなければ認証しない。
【0075】
そして、認証が成功したか否かを判断する(ステップS13)。認証に成功すれば処理をステップS14に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に戻す。ステップS14においては、表示部103にログイン表示をする。認証に成功したことをユーザに通知するために、表示部103に認証に成功したことを示すメッセージ、例えば「認証されました。」を表示する。次のステップS15においては、操作を受け付けたか否かを判断する。ユーザが操作パネル13に入力する操作を検出したか否かを判断する。操作を受け付けたならば処理をステップS16に進めるが、そうでなければ処理をステップS19に進める。
【0076】
ステップS16においては、受け付けられた操作がログアウト指示か否かを判断する。ステップS15において受け付けられた操作がログアウト指示ならば処理をステップS18に進めるが、そうでなければ処理をステップS17に進める。ステップS17においては、ステップS15において受け付けた操作に対応する処理を実行し、処理をステップS15に戻す。
【0077】
ステップS19においては、所定の時間が経過したか否かを判断する。ステップS15において最後に操作を受け付けてから所定の時間が経過したならば、処理をステップS20に進めるが、そうでなければ処理をステップS15に戻す。ステップS20においては、ログアウトし、処理をステップS11に戻す。
【0078】
一方、処理がステップS21に進む場合、いずれのユーザもログインしておらず、ユーザ識別情報を受け付けない状態である。ステップS21においては、所定の時間が経過したか否かを判断する。いずれのユーザもログインしておらず、ユーザ識別情報を受け付けることなく所定の時間が経過したならば、処理をステップS22に進めるが、そうでなければ処理をステップS11に戻す。ステップS22においては、動作モードを省電力モードに切り換え、全動作モード処理を終了する。
【0079】
図10は、省電力モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。省電力モード処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。省電力モード処理は、動作モードが省電力モードに切り換わった時点、具体的には、図9のステップS22の後に実行される処理である。
【0080】
図10を参照して、個人情報読取装置がONか否かを判断する(ステップS31)。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に電力が供給されているか否かを判断し、個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に電力が供給されているか否かを判断する。個人情報読取装置に電力が供給されているならば処理をステップS34に進めるが、そうでなければ処理をステップS32に進める。
【0081】
ステップS32においては、人を検出したか否かを判断する。人体検出センサ118からON信号が入力されると、人を検出する。人体検出センサ118からON信号が入力されると処理をステップS33に進めるが、そうでなければ処理をステップS31に戻す。ステップS33においては、個人情報読取装置に電力を供給し、処理をステップS31に戻す。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に電力を供給し、個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に電力を供給する。
【0082】
ステップS34においては、ユーザ識別情報が入力されたか否かを判断する。個人情報読取装置としてカードリーダ70が設定されている場合、カードリーダ70にICカードが挿入されたか否かを判断する。カードリーダ70にICカードが挿入されたと判断する場合は、ICカードからユーザ識別情報を読み出し、処理をステップS37に進めるが、カードリーダ70にICカードが挿入されていないと判断する場合は、処理をステップS35に進める。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13にユーザ識別情報およびパスワードが入力されたか否かを判断する。ユーザ識別情報およびパスワードが入力されたならば処理をステップS37に進めるが、そうでなければ処理をステップS35に進める。
【0083】
ステップS35においては、所定時間経過したか否かを判断する。ステップS31において個人情報読取装置に電力が供給されてからステップS34においてユーザ識別情報が入力されることなく、所定時間が経過したか否かを判断する。個人情報読取装置に電力が供給されてからステップS34においてユーザ識別情報が入力されることなく、所定時間が経過したならば、処理をステップS36に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に電力を供給してからカードリーダ70にICカードが挿入されることなく経過する経過時間が所定時間を越えたか否かを判断する。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に電力を供給してから操作部105にユーザ識別情報およびパスワードが入力されることなく経過する経過時間が所定時間を越えたか否かを判断する。
【0084】
ステップS36においては、ステップS31において個人情報読取装置に供給した電力を遮断し、処理をステップS31に戻す。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、通信I/F60に供給している電力を遮断し、個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作パネル13に供給している電力を遮断する。
【0085】
ステップS37においては、ユーザを認証する。個人情報読取装置にカードリーダ70が設定されている場合、ICカードから読み出したユーザ識別情報が、HDD115に記憶されているユーザデータ81に登録されているか否かを判断する。ICカードから読み出したユーザ識別情報がユーザデータ81に登録されているならば認証するが、登録されていなければ認証しない。個人情報読取装置に操作パネル13が設定されている場合、操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されている否かを判断する。操作部105に入力されたユーザ識別情報とパスワードと同じユーザ識別情報とパスワードを含むユーザデータ81がHDD115に記憶されていれば認証するが、記憶されていなければ認証しない。
【0086】
そして、認証が成功したか否かを判断する(ステップS38)。ステップS37における認証が成功したならば処理をステップS39に進めるが、そうでなければ処理をステップS34に戻す。以下、認証に成功したユーザをログインユーザという。ステップS39においては、表示部103にログイン表示をする。認証に成功したことをユーザに通知するために、表示部103に電力を供給した後、表示部103に認証に成功したことを示すメッセージ、例えば「認証されました。」を表示する。
【0087】
次のステップS40においては、ログインユーザの機密プリントデータがあるか否かを判断する。ステップS34において入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータがHDD115に記憶されているか否かを判断する。ステップS34において入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータがHDD115に記憶されているならば、処理をステップS41に進めるが、そうでなければ処理をステップS42に進める。
【0088】
ステップS41においては、動作モードをプリント動作モードに切り換え、省電力モード処理を終了する。ステップS42においては、動作モードを全動作モードに切り換え、省電力モード処理を終了する。ステップS42において、動作モードが全動作モードに切り換えられる場合、ステップS37において、ユーザが認証されているので、図9に示した処理のステップS15以降の処理が実行される。
【0089】
図11は、プリント動作モード処理の流れの一例を示すフローチャートである。プリント動作モード処理は、CPU111がROM112、HDD115またはCD−ROM119Aに記憶された機密プリントプログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。プリント動作モード処理は、動作モードがプリント動作モードに切り換わった時点、具体的には、図10のステップS41の後に実行される処理である。
【0090】
図11を参照して、画像形成部30および給紙部40に電力を供給する(ステップS51)。次のステップS52においては、ログインユーザのユーザ識別情報、換言すれば、図10のステップS34において入力されたユーザ識別情報を含む機密プリントデータをHDD115に記憶された機密プリントデータ83のうちから選択する。
【0091】
ステップS53においては、ステップS52において選択された機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を、画像形成部30に出力し、画像形成部30にプリントデータの画像を形成させる。そして、ステップS52において選択された機密プリントデータをHDD115から削除する。次のステップS54においては、次に処理対処とする機密プリントデータが存在するか否かを判断する。HDD115に記憶されている機密プリントデータ83のうちにログインユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータがあるか否かを判断する。HDD115にログインユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが記憶されているならば、処理をステップS52に戻すが、そうでなければ処理をステップS56に進める。
【0092】
ステップS56においては、画像形成部30および給紙部40へ供給している電力を遮断する。次のステップS57においては、電力モードを省電力モードに切り換え、プリント動作モード処理を終了する。
【0093】
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、省電力モードに切り換えているときにユーザを認証する場合、動作モードを動作可能モードに切り換え、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、動作モードを省電力モードに切り換える。このため、動作モードが動作可能モードとなる時間が短くなるので、消費電力を抑えることができる。
【0094】
また、省電力モードにおいて、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていると判断する場合は、動作モードをプリント動作可能モードに切り換え、認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていないと判断する場合は、動作モードを全動作可能モードに切り換える。このため、機密プリントデータの画像を形成するのに必要な電力のみを消費するようにして、消費電力をさらに抑えることができる。
【0095】
さらに、カードリーダ70が通信I/F60に接続されている場合において、省電力モードに切り換える場合、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されている場合は、カードリーダ70に電力が供給されるので、カードリーダ70が読み取り可能になるまでの起動時間の間待つ必要なく、直ちにユーザ識別情報を読み取らせることができる。また、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていない場合は、カードリーダ70に供給する電力を遮断し、人体検出センサ118により人が検出されることに応じて、カードリーダ70に電力を供給するので、カードリーダ70により消費される電力を少なくすることができる。
【0096】
さらに、カードリーダ70が通信I/F60に接続されていない場合において、省電力モードに切り換える場合、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されている場合は、操作パネル13に電力が供給されるので、操作パネル13が起動するまでの時間を待つ必要なく、直ちにユーザ識別情報およびパスワードを入力させることができる。また、機密プリントデータ83がHDD115に記憶されていない場合は、操作パネル13に供給する電力を遮断し、人体検出センサ118により人が検出されることに応じて、操作パネル13に電力を供給するので、操作パネル13により消費される電力を少なくすることができる。
【0097】
なお、本実施の形態においては、メイン回路101に常に電力を供給するようにしたが、メイン回路101とは別に省電力復帰制御部を設け、省電力モードにおいては省電力復帰制御部と、人体検出センサ118と、操作パネル13または通信I/F60と、に電力を供給し、メイン回路101への電力を遮断するようにしてもよい。この場合、ユーザが操作パネル13またはカードリーダ70に省電力モードから復帰する指示を入力することにより、省電力復帰制御部がメイン回路101に電力を供給するように制御する。また、省電力モードにおいてメイン回路101のうち人体検出センサ118にのみ電力を供給して、人体検出センサ118が人を検出することにより、省電力復帰制御部がメイン回路101に電力を供給するように制御してもよい。
【0098】
また、全動作モードにおいて所定の時間、ユーザにより操作部105に操作が入力されないと、動作モードを省電力モードに切り換えるようにしたが、人体検出センサ118により人が検出されなくなるまでは、動作モードを省電力モードに切り換えないようにしてもよい。
【0099】
さらに、全動作モードにおいて所定の時間、ユーザにより操作部105に操作が入力されないと、動作モードを省電力モードに切り換えるようにしたが、LowPowerモードに切り換えるようにしてもよい。LowPowerモードは、画像形成部30に含まれる定着部等に電力を供給するモードであり、画像を形成可能になるまでの時間が省電力モードよりも短い。なお、定着部の温度を低温に制御して、消費電力を抑えるようにしてもよい。さらに、LowPowerモードから省電力モードへ遷移する時間をユーザが設定するようにし、動作モードがLowPowerモードに遷移してからユーザにより設定された時間の経過後に省電力モードに遷移させるようにしてもよい。
【0100】
また、本実施の形態におけるMFP100は、省電力モードにおいて機密プリントデータ以外の通常のプリントデータを受信した場合、プリント動作モードに切り換えて画像の形成を行うようにする。これにより、通常のプリントデータの画像を形成する際、画像の形成に必要な電力のみを消費するので、消費電力を抑えることができる。
【0101】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0102】
<付記>
(1) 前記電力制御手段は、前記認証手段に電力を供給してから所定の時間が経過しても前記認証手段によってユーザが認証されない場合、前記個人情報読取装置に供給する電力を遮断する、請求項3に記載の画像形成装置。
【符号の説明】
【0103】
10 ADF、13 操作パネル、20 原稿読取部、30 画像形成部、40 給紙部、50 電源回路、60 通信I/F、70 カードリーダ、101 メイン回路、103 表示部、105 操作部、111 CPU、112 ROM、113 RAM、114 EEPROM、115 HDD、116 ファクシミリ部、117 ネットワークI/F、118 人体検出センサ、119 外部記憶装置、119A CD−ROM、131 機密プリント受信部、133 認証部、135 接続検出部、137 機密プリント部、139 切換部、141 省電力モード切換部、143 動作可能モード切換部、145 第1切換部、147 第2切換部、149 人体検出部、151 通知部、153 電力制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する画像形成手段と、
動作可能モードと、前記動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換える切換手段と、
個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶する機密プリント受信手段と、
ユーザを認証する認証手段と、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させる機密プリント手段と、を備え、
前記切換手段は、省電力モードに切り換えているときに、前記認証手段によりユーザが認証されることに応じて、前記動作可能モードに切り換える動作可能モード切換手段と、
前記動作可能モード切換手段により前記動作可能モードに切り換えられた後、前記画像形成手段による前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、前記省電力モードに切り換える省電力モード切換手段と、を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記動作可能モードは、全動作可能モードと、前記全動作可能モードよりも消費電力の小さいプリント動作可能モードと、を含み、
前記動作可能モード切換手段は、前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合は、前記プリント動作可能モードに切り換える第1切換手段と、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在しない場合は、前記全動作可能モードに切り換える第2切換手段と、を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
人体を検出する検出センサと、
個人情報が入力される個人情報読取装置と、
前記個人情報読取装置に供給する電力を制御する電力制御手段と、をさらに備え、
前記認証手段は、前記個人情報読取装置に入力された個人情報に基づいて、ユーザを認証し、
前記電力制御手段は、前記切換手段により省電力モードに切り換えられる場合、前記記憶手段に前記機密プリントデータが記憶されている場合は、前記個人情報読取装置に電力を供給し、前記記憶手段に前記機密プリントデータが記憶されていない場合は、前記個人情報読取装置に供給する電力を遮断し、前記検出センサにより人体が検出されることに応じて、前記個人情報読取装置に電力を供給する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記個人情報読取装置は、個人情報を読み取り、出力する外部装置を含む、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記外部装置と接続可能であり、接続された前記外部装置に電力を供給する通信回路を含み、
前記認証手段は、前記通信回路に前記外部装置が接続されているか否かを検出する接続検出手段をさらに含み、
前記電力制御手段は、前記切換手段により省電力モードに切り換えられる間、前記接続検出手段により前記外部装置が接続されていることが検出されている場合は、前記操作パネルよりも優先して前記通信回路に電力を供給する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記個人情報読取装置は、ユーザの操作を受け付ける操作パネルを含む、請求項3〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記認証手段によりユーザが認証された後に、認証に成功したことを通知する通知手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記認証手段により認証されることに応じて、前記通知手段に電力を供給する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置で実行される機密プリント方法であって、
動作可能モードと、前記動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、
個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、
ユーザを認証するステップと、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を含み、
前記動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、前記認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、前記動作可能モードに切り換えるステップと、
前記動作可能モードに切り換えられた後、前記画像形成手段による前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、前記省電力モードに切り換えるステップと、を含む、機密プリント方法。
【請求項9】
画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される機密プリントプログラムであって、
動作可能モードと、前記動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、
個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、
ユーザを認証するステップと、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、前記認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、前記動作可能モードに切り換えるステップと、
前記動作可能モードに切り換えられた後、前記画像形成手段による前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、前記省電力モードに切り換えるステップと、を含む、機密プリントプログラム。
【請求項1】
画像を形成する画像形成手段と、
動作可能モードと、前記動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換える切換手段と、
個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶する機密プリント受信手段と、
ユーザを認証する認証手段と、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させる機密プリント手段と、を備え、
前記切換手段は、省電力モードに切り換えているときに、前記認証手段によりユーザが認証されることに応じて、前記動作可能モードに切り換える動作可能モード切換手段と、
前記動作可能モード切換手段により前記動作可能モードに切り換えられた後、前記画像形成手段による前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、前記省電力モードに切り換える省電力モード切換手段と、を含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記動作可能モードは、全動作可能モードと、前記全動作可能モードよりも消費電力の小さいプリント動作可能モードと、を含み、
前記動作可能モード切換手段は、前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合は、前記プリント動作可能モードに切り換える第1切換手段と、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証手段により認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在しない場合は、前記全動作可能モードに切り換える第2切換手段と、を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
人体を検出する検出センサと、
個人情報が入力される個人情報読取装置と、
前記個人情報読取装置に供給する電力を制御する電力制御手段と、をさらに備え、
前記認証手段は、前記個人情報読取装置に入力された個人情報に基づいて、ユーザを認証し、
前記電力制御手段は、前記切換手段により省電力モードに切り換えられる場合、前記記憶手段に前記機密プリントデータが記憶されている場合は、前記個人情報読取装置に電力を供給し、前記記憶手段に前記機密プリントデータが記憶されていない場合は、前記個人情報読取装置に供給する電力を遮断し、前記検出センサにより人体が検出されることに応じて、前記個人情報読取装置に電力を供給する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記個人情報読取装置は、個人情報を読み取り、出力する外部装置を含む、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記外部装置と接続可能であり、接続された前記外部装置に電力を供給する通信回路を含み、
前記認証手段は、前記通信回路に前記外部装置が接続されているか否かを検出する接続検出手段をさらに含み、
前記電力制御手段は、前記切換手段により省電力モードに切り換えられる間、前記接続検出手段により前記外部装置が接続されていることが検出されている場合は、前記操作パネルよりも優先して前記通信回路に電力を供給する、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記個人情報読取装置は、ユーザの操作を受け付ける操作パネルを含む、請求項3〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記認証手段によりユーザが認証された後に、認証に成功したことを通知する通知手段をさらに備え、
前記電力制御手段は、前記認証手段により認証されることに応じて、前記通知手段に電力を供給する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置で実行される機密プリント方法であって、
動作可能モードと、前記動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、
個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、
ユーザを認証するステップと、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を含み、
前記動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、前記認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、前記動作可能モードに切り換えるステップと、
前記動作可能モードに切り換えられた後、前記画像形成手段による前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、前記省電力モードに切り換えるステップと、を含む、機密プリント方法。
【請求項9】
画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置を制御するコンピュータで実行される機密プリントプログラムであって、
動作可能モードと、前記動作可能モードよりも消費電力の小さい省電力モードとのいずれか一方に動作モードを切り換えるステップと、
個人情報とプリントデータとを含む機密プリントデータを受信し、記憶するステップと、
ユーザを認証するステップと、
前記記憶された機密プリントデータのうちに前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータが存在する場合、前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像を前記画像形成手段に形成させるステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記動作モードを切り換えるステップは、省電力モードに切り換えているときに、前記認証するステップにおいてユーザが認証されることに応じて、前記動作可能モードに切り換えるステップと、
前記動作可能モードに切り換えられた後、前記画像形成手段による前記認証されたユーザのユーザ識別情報を含む機密プリントデータに含まれるプリントデータの画像形成が終了した後に、前記省電力モードに切り換えるステップと、を含む、機密プリントプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−16853(P2012−16853A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154592(P2010−154592)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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