説明

画像形成装置、画像形成システムおよびプログラム

【課題】
記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出して画像の形成を行う画像形成装置における液状の像形成剤の吐出構造に係る複数の清掃処理および当該吐出構造の乾燥を防止する乾燥防止処理の組み合わせを状況に応じて選択する。
【解決手段】
装置の稼働状態に基づき、複数あるメンテナンスパターンの中から最適なパターンを選択し、それを実行する。また、形成した画像を撮像し、その撮像画像を画像解析した結果に基づいて、メンテナンスパターンの中から最適なパターンを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、液体吐出装置において、吐出対象物に対する液体吐出の動作開始時に、液体吐出ヘッドの液体吐出面を保護するキャップ部材を開く動作に従って、クリーニング部材の外周面を液体吐出面に接触させて移動させることにより液体吐出ノズル内の液体を吸引する構成が記載されている。特許文献2には、液体吐出装置において、液体吐出の動作開始時に液体吐出ヘッドの液体吐出面を保護するキャップ部材を開く動作の際に、クリーニング部材により液体吐出ノズル内の液体を吸引し、クリーニング部材が液体吐出面を移動した後に液体吐出ノズルからキャップ部材内に液滴を予備吐出させ、さらにキャップ部材が開いて退避した状態で液体吐出ノズルからプラテン板に対して液滴を予備吐出させる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3885775号公報
【特許文献2】特許第3922222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出して画像の形成を行う画像形成装置における液状の像形成剤の吐出構造に係る複数の清掃処理および当該吐出構造の乾燥を防止する乾燥防止処理の組み合わせを状況に応じて選択する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出する吐出手段と、前記吐出手段の清掃を行う複数の清掃手段と、前記吐出手段の乾燥を防止する乾燥防止手段と、前記吐出手段の動作の状態および前記乾燥防止手段の動作の状態の少なくとも一方に基づいて、前記複数の清掃手段および前記乾燥防止手段の組み合わせを選択する選択手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記吐出手段の動作の状態は、前記液状の像形成剤の前記吐出手段からの吐出量、前記吐出手段が動作していた時間および前記記録媒体の使用量であり、前記乾燥防止手段の動作の状態は、前記吐出手段の乾燥を防止する措置を行っていた継続時間であることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記記録媒体上に形成された画像の欠陥を検出する画像欠陥検出手段を備え、前記液状の像形成剤の前記吐出手段からの前記吐出量、前記吐出手段が動作していた前記時間、前記記録媒体の前記使用量の少なくとも一つを判定する基準が設けられており、前記画像欠陥検出手段の出力に基づいて前記基準が変更されることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記画像欠陥が減った場合に前記変更された前記基準が初期値に戻されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、前記画像欠陥検出手段の出力に基づいて前記複数の清掃手段および前記乾燥防止手段の組み合わせの選択が行われることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出する吐出手段、前記吐出手段の清掃を行う複数の清掃手段、および前記吐出手段の乾燥を防止する乾燥防止手段を備えた画像形成装置と、通信手段により前記画像形成装置と接続され、前記吐出手段の動作の状態および前記乾燥防止手段の動作の状態の少なくとも一方に基づいて、前記複数の清掃手段および前記乾燥防止手段の組み合わせを選択する選択手段を備えたサーバとを有することを特徴する画像形成システムである。
【0011】
請求項7に記載の発明は、コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、コンピュータに、記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出する吐出処理と、前記吐出が行われる部分の清掃を行う複数の清掃処理と、前記吐出が行われる部分の乾燥を防止する乾燥防止処理と、前記吐出処理および前記乾燥防止処理の少なくとも一方に基づいて、前記複数の清掃処理および前記乾燥防止処理の組み合わせを選択する選択処理とを行わせることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出して画像の形成を行う画像形成装置における液状の像形成剤の吐出構造に係る複数の清掃処理および当該吐出構造の乾燥を防止する乾燥防止処理の組み合わせを状況に応じて選択する画像形成装置が提供される。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明を採用しない場合に比較して、吐出手段における液状の像形成剤の詰まりを防止することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、基準を固定した場合に比較して画像欠陥の発生を抑えることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、基準が初期値に戻されない場合に比較して清掃に要する時間が短縮される。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、画像欠陥の検出結果を利用しない場合に比較して、画像欠陥の発生を抑えることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出して画像の形成を行う画像形成装置における液状の像形成剤の吐出構造に係る複数の清掃処理および当該吐出構造の乾燥を防止する乾燥防止処理の組み合わせを状況に応じて選択する画像形成システムが提供される。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出して画像の形成を行う画像形成装置における液状の像形成剤の吐出構造に係る複数の清掃処理および当該吐出構造の乾燥を防止する乾燥防止処理の組み合わせを状況に応じて選択するプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態の画像形成装置の概念図である。
【図2】実施形態の制御系を示すブロック図である。
【図3】洗浄装置を上方から見たレイアウト図である。
【図4】洗浄装置を側面から見た概念図である。
【図5】実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【図7】実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【図8】実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【図9】実施形態の動作の手順を示すフローチャートである。
【図10】メンテナンスパターンを示すテーブルである。
【図11】メンテナンスパターンを示すテーブルである。
【図12】実施形態の制御系を示すブロック図である。
【図13】実施形態の制御系を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(構成)
以下、発明を利用した一例を説明する。図1には、実施形態の画像形成装置100が示されている。画像形成装置100は、インクジェット方式により記録媒体上に画像を形成する機能を有している。画像形成装置100は、記録媒体の一例である用紙を収納し、この用紙を下流側に送り出す給紙装置101を備えている。給紙装置101の下流側には、プレコート胴102、渡し胴103、ジェッティング胴104、渡し胴105、乾燥胴106、渡し胴107、定着胴108、排紙胴109が配置されている。各胴は、ロール形状を有し、用紙は、これらの機構により下流側に搬送され、その過程で画像形成に係る処理が行われる。
【0021】
プレコート胴102に対向して、プレコート装置110が配置されている。プレコート装置110は、用紙の表面にインクの付着性を良くするためのプレコーティングを行う。このプレコーティングは、樹脂系のコーティング剤を用紙上に塗布することで行われる。渡し胴103は、加熱機能を有し、上記のプレコーティングがされた用紙が搬送されていく過程において、塗布されたコーティング剤を乾燥させる。
【0022】
渡し胴103の下流側のジェッティング胴104の近傍には、液状の像形成剤(インク)を用紙に向けて吐出し、画像を形成する手段の一例であるインク吐出ヘッド装置111が配置されている。インク吐出ヘッド装置111は、YMCK4色のインクを、ジェッティング胴104上を搬送途中の用紙に吐出する。インクを吐出するノズル(バー)は、4×6個が配置されている。
【0023】
ジェッティング胴104においてインクが付着した用紙は、渡し胴105から乾燥胴106に移動し、乾燥装置122から温風が当てられ、インクの乾燥が促進される。このインクの乾燥が行われることで、画像の用紙上への定着が行われる。その後、用紙は、渡し胴107から定着胴108に至る。定着胴108の部分には、エラー検出および画質のチェックを行うインラインセンサ123が配置されている。インラインセンサ123は、撮像を行うイメージセンサであり、用紙上に形成された画像を光学的に読み取る。定着胴108の下流側には、排紙胴109が配置され、画像が撮像された用紙は、排紙胴109から排出される用紙を受ける排紙装置124に送られ、そこに収納される。
【0024】
(制御系の構成)
図2には、画像形成装置100の制御系の構成の一例が示されている。以下、各機能部について説明する。以下において説明する各機能部は、CPU、メモリ部、インターフェース部を備えたコンピュータとしての機能を有している。
【0025】
(MCU)
MCU(メインコントロールユニット)201は、装置全体の動作を統括して制御する部分であり、インク吐出ヘッド装置111(図1参照)が備えるバー(インクを吐出するノズル)を制御する。この制御は、BarCon(バーコントロール)202により行われる。BarCon202は、後述するBMM(バーマネージャー)204に対して、「メンテナンス指令」や各種の動作に必要な命令を送る。
【0026】
(BC Master)
BC Master(バーコントロールマスター)203は、BarCon202からの指令に基づき、バーを制御する制御信号を出力する。BC Master203は、BMM(バーマネージャー)204、Bar Transfer207、Ink Supply209、Bar Maintenance211を備えている。
【0027】
BMM204は、Bar管理205とSequence管理206を備えている。Bar管理205は、バー全体の管理を行う。この管理には、後述するメンテナンス管理が含まれている。Sequence管理206は、処理の順番を管理する。BMM204により後述するメンテナンスに係る処理が制御される。またBMM204は、Page Counter、Printing Timer、HC Jetting Counterを備えている。Page Counterは、印刷枚数を計測する。Printing Timerは、印刷枚数を計測する。HC Jetting Counterは、YMCKの色毎の吐出インク量を計測する。
【0028】
Bar Transfer207、Ink Supply209、Bar Maintenance211は、BMM204の下位に属するモジュールである。Bar Transfer207は、BMBT208を備え、Ink Supply209は、BMIM210を備え、Bar Maintenance211は、BMMNT212を備えている。BMBT208は、バー移動の動作シーケンス管理を行う。BMIM210は、インク制御の管理を行う。BMMNT212は、バーの洗浄を行うためのメンテナンス用デバイスの制御を行う。
【0029】
(BC Slave)
BC Master203の下位には、BC Slave(バーコントロールスレーブ)基板213〜216が配置されている。BC Slave基板213〜216のそれぞれは、YMCKの4色に対応している。これら4枚の制御基板は同じ制御基板である。図には、Y色インクの制御を行う制御基板であるBC Slave基板213が示されている。BC Slave基板213は、Y色インクの吐出管理を行うBSHC(バースレーブヘッドコントロール)217を備えている。
【0030】
これら4枚の制御基板のそれぞれは、6枚のHC(ヘッドコントロール)基板を制御する。バーは、YMCKの色毎に各6個配置されており、各バーに対応させてHC基板が用意されている。すなわち、HC基板は、YMCKの色毎に6枚が用意されている(全部で24枚)。例えば、Y色インク用としてHC基板218は6枚が配置され、この6枚のHC基板218は、上位の制御基板であるBC Slave基板213から指令信号を受けて、Y色インクを吐出する6個のバーの動作制御を行う。なお、MCU201、BC Master203、BC Slave基板213〜216、HCは、必要な通信を行うのに適した容量を有した通信手段によって接続されている。
【0031】
(洗浄装置)
次に図1のインク吐出ヘッド装置111の洗浄を行う構成を説明する。図3には、洗浄装置を上方から見たレイアウト図が示されている。また、図4には、側面から見た概略図が示されている。この洗浄装置は、Catch Ttray301を備えている。Catch Ttray301は、後述するCap Unit302から排出される洗浄液および後述するWet Nozzle304から噴出した洗浄液を受け止める受け部である。Cap Unit302に受け止められた洗浄液は、廃液タンク305に回収される。
【0032】
Catch Ttray301上には、Cap Unit302が配置されている。Cap Unit302は、YMCKの各色に対応して配置され、保湿のために各色のバーの先端部分を覆い(キャップし)保湿を行う機構である。この保湿の際、Cap Unit302の凹部には、洗浄液リザーバータンク303から洗浄液を供給し、保湿効果を高めることができる。なお、洗浄液の供給をせずに、Cap Unit302のキャップによる保湿を行う形態も可能である。
【0033】
またCatch Ttray301上には、Wet Nozzle304が配置されている。Wet Nozzle304は、YMCKの各色に対応して4つが配置されている。Wet Nozzle304は、その上方にバーの先端が位置した状態において、洗浄液リザーバータンク303から供給された洗浄液をバーのインクが吐出する部分に噴出する。これにより、洗浄液によるバー洗浄が行われる。
【0034】
Web Unit306は、バーをWeb(払拭用の布)307により払拭する。Web Unit306は、YMCKの各色に対応して4つが配置されている。Web Unit306は、その上方にバーの先端が位置した状態において、バーをWeb307により払拭する。この払拭は、色毎に行うことができる。このWeb307による払拭の際、Web307は、巻き取り機308から巻きだされ、巻き取り機309に巻き取られ、その過程において移動するWeb307によるバーの払拭が行われる。また、Web Unit306は、駆動用モータ310により駆動されて上下に移動する。駆動用モータ310により、Web Unit306は、バーに対する払拭を行う状況において上昇し、払拭を行わない状況において下降する。
【0035】
(メンテナンス内容)
図3、図4の洗浄装置を利用したメンテナンスの内容について説明する。図10は、メンテナンスの内容と手順を示すテーブルである。図10に示すテーブルは、図2のBC Master203が備えたメモリに記憶されている。図10には、装置の状態に対応したメンテナンス動作の順序が記載されている。例えば、初期充填メンテナンスでは、まず洗浄メンテナンス1を行い、次にダミージェットの「メンテ」を実行する。
【0036】
以下、図10の内容を説明する。まず、メンテナンスパターンについて説明する。なお、図10において「WU」は、ウォームアップの略であり、「BJ」はビフォージョブの略であり、「AJ」はアフタージョブの略である。
【0037】
初期充填メンテナンスというのは、最初に印刷動作を行う前に行われるメンテナンスである。パワーON時メンテナンスというのは、主電源がONにされた場合に行われるメンテナンスである。パワーON時メンテナンスには、後述するように「WU−1」〜「WU−4」の4種類がある。
【0038】
パワーOFF時メンテナンスというのは、主電源がOFFにされた場合に行われるメンテナンスである。Job前メンテナンスというのは、画像の形成が可能な状態において行われるメンテナンスである。Job前メンテナンスには、後述する「BJ−1」、「BJ−2」、「BJ−3」の3種類がある。Job中メンテナンスというのは、画像形成を行っている最中に後述する判定処理に基づいて行われるメンテナンスである。
【0039】
Job後メンテナンスというのは、画像形成の処理が終了した段階で行われるメンテナンスである。Job後メンテナンスには、後述する「AJ−1」、「AJ−2」の2種類がある。
【0040】
強制メンテナンスというのは、異常時等に強制的に行われるメンテナンスである。強制メンテナンスには、異常の状況に応じて6種類が用意されている。強制メンテナンスは、ユーザにより指定が行われることで実行される。定期メンテナンスというのは、一定期間毎や一定のインク消費量があった場合に行われるメンテナンスである。
【0041】
また、各メンテナンスと図1のBMM204が備えるPage Counter、Printing Timer、HC Jetting Counterの関係は、以下の通りとされている。まず「BJ−1」終了後にPage Counter、Printing Timer、HC Jetting Counterは初期化される。また「BJ−3」の終了後にPage Counter、Printing Timerは初期化される。またJob中メンテナンスの終了後にPage Counter、Printing Timer、HC Jetting Counterは初期化される。また(AJ−2)の終了後にPage Counter、Printing Timer、HC Jetting Counterは初期化される。なお、上記以外の場合は、Page Counter、Printing Timer、HC Jetting Counterの初期化は行われない。
【0042】
次に、メンテナンス動作項目について説明する。加圧メンテナンスは、インク吐出ヘッド装置111の吐出口付近(バーの吐出口付近)に固着したインクを除去する目的で行われる。このメンテナンスでは、加圧によりノズルからインクが強制的に噴射される。この場合、画像形成時よりも強い圧力でインクを噴射する。加圧メンテナンスには、「強」と「弱」とがある。「強」は、全ヘッドモジュール(全てのバー)を一斉に加圧する。「弱」は、選択されたヘッドモジュール(YMCKの4群のバーの中から選択されたバーの群)を加圧する。
【0043】
Webメンテナンスは、インク吐出ヘッド装置111に付着したゴミの除去を目的として行われる。Webメンテナンスには、準備洗浄を行うWebメンテナンス1と準備洗浄を行わないWebメンテナンス2がある。Webメンテナンス2の準備洗浄を行う場合、まず図3、図4のWet Nozzle304から対象となるバーに対して洗浄液が噴射され、洗浄液によって洗浄された部分がWeb307により払拭される。
【0044】
ダミージェットは、バーおよびバーにインクを供給するインク供給経路の目詰まりを防止する目的で行われるもので、インク滴を吐出することで、インクの供給経路の清掃を行う。このインク液の吐出は、加圧メンテナンスのように圧力を加えて強制的に行う形態ではなく、通常の画像形成動作の場合と同様なインクの吐出である。ダミージェットには、「メンテ」モード、「通常時」モード、「起動時」モードの3種類がある。「メンテ」モードは、Webメンテナンス後に必ず行うモードである。「通常自」モードは、Webメンテナンスとは無関係に行うモードである。「起動時」モードは、電源投入後のメンテナンスで行われるモードである。
【0045】
キャップは、インク吐出ヘッド装置111の吐出口(バーの先端部分)に付着したインクの乾燥を防止する目的で行われるもので、インク吐出ヘッド装置111のヘッド部分をCap Unit302によって覆う処理である。キャップにも「通常」と「保湿」の2種類がある。「通常」は、保湿液(この例では洗浄液を利用)の供給を行わずに、バーの先端部分をCap Unit302によって覆い、その乾燥を抑える処理である。「保湿」は、保湿液をCap Unit302に供給した状態でバーの先端部分をCap Unit302によって覆う処理である。
【0046】
図11には、インラインセンサ123が撮像した画像に対する画像解析に基づいてメンテナンスを行う場合におけるメンテナンス項目の実施順序が記載されている。図の見方は、図10の場合と同じである。
【0047】
(動作の一例:その1)
以下、パワーON時メンテナンスのフローの一例を説明する。以下に説明する処理は、図5に示すフローチャートしたがって、図2のBMM204からBMBT208、BMIM210、BMMNT212、BSHC217に対して指示が出されることで実行される。図5の処理を実行するためのプログラムは、BC Master203やBC Slave内のメモリ領域に記憶されており、適当なメモリ領域に読み出されて実行される。なお、このプログラムは、適当な媒体に格納され、そこから提供されるものであってもよい。なお、この点は、後述する他のフローにおいても同じである。また、以下に説明する処理におけるCap時間、印刷枚数、インク吐出量等のパラメータに係る閾値の設定値は、一例であり、挙げられる数値に限定されるものではない。
【0048】
パワーON時メンテナンスは、電源投入後、バーからインクを吐出可能な状態とするためのメンテナンスである。パワーON時メンテナンスでは、保湿のために行われていたバーに対するキャップの状態と前回のメンテナンスの情報とに基づいて「WU−1」〜「WU−4」の中から実行されるメンテナンスが選択される。
【0049】
以下、処理の一例を説明する。まず、画像形成装置100の主電源がONにされると、図5の処理が開始される(ステップS501)。処理が開始されると、まずバーのキャップがされていた時間が0でなく、且つ、バーのキャップを行っているか否かの情報があるか否かの判定が行われる(ステップS502)。バーのキャップの時間が0である場合、および/またはバーのキャップを行っているか否かの情報がない場合は、ステップS503に進み、そうでない場合は、ステップS504に進む。
【0050】
ステップS503に進んだ場合、何らかの異常状態にある旨を報知するWarning通知が行われ、その後ステップS510に進みパワーON時メンテナンス「WU−2」が実行される。Warning通知では、図示省略した操作端末のディスプレイ上にその旨の表示が行われる。ステップS504では、バーがキャップされていた時間が24時間未満であるか否か、の判定が行われる。ここで、バーがキャップされていた時間が24時間未満であれば、ステップS505に進み、そうでなければステップS506に進む。
【0051】
ステップS505では、前回のパワーOFF時にパワーOFF時メンテナンスが実施され、且つ、故障チェックが行われたか否か、が判定される。ここで、パワーOFF時メンテナンスが実施され、且つ、故障チェックが行われていれば、ステップS507に進み、そうでなければステップS510に進みパワーON時メンテナンス「WU−2」が実行される。
【0052】
ステップS507では、前回のパワーON時において、強制メンテナンスが行われたか否か、が判定され、強制メンテナンスが行われていたのであれば、ステップS508に進み、そうでなければステップS510に進みパワーON時メンテナンス「WU−2」が実行される。
【0053】
ステップS508では、Auto Maintenance情報が参照され、当該情報が「実施中」の状態でない場合、ステップS509に進み、「実施中」の場合は、ステップS510に進む。Auto Maintenance情報は、Job中/Job後メンテナンスの実施情報である。
【0054】
ステップS506に戻り、ステップS506では、バーのキャップがされていた時間が48時間未満であるか否かが判定される。ここで、バーのキャップがされていた時間が48時間未満であれば、パワーON時メンテナンス「WU−2」が実行され(ステップS510)、そうでなければステップS511に進む。
【0055】
ステップS511では、バーのキャップがされていた時間が384時間未満であるか否かが判定され、バーのキャップがされていた時間が384時間未満であれば、パワーON時メンテナンス「WU−3」が実行され(ステップS512)、そうでなければステップS513に進み、パワーON時メンテナンス「WU−4」が実行される(ステップS513)。そしてステップS509、S510、S512またはS513の処理が行われた後、パワーONメンテナンスに係る処理を終了する(ステップS514)。
【0056】
(Job前メンテナンス)
以下、Job前メンテナンスについて説明する。Job前メンテナンスは、印刷が可能な状態において、印刷命令(Cycle Up)を受け取る前に行うものと、印刷命令(Cycle Up)を受け取った後に行うものとがある。Job前メンテナンスの実施は、これまでの印刷処理における印刷時間(Printing Timer)、前回のメンテナンス終了後にCap位置に移動してからの経過時間(Capping Timer)に基づいて判定される。
【0057】
Job前メンテナンスは、図6の処理に従って実行される。以下、図6のフローにおける表現について説明する。
【0058】
(Job前メンテ開始印刷時間)
「BJ−1」を実行する前回の印刷処理における印刷時間である。
【0059】
(Job前メンテ開始待機時間)
「BJ−2」を実行するCap−ON時間である。
【0060】
(Job中メンテ開始印刷時間)
Job中メンテナンスを実行する印刷時間である。
【0061】
(Job中メンテ開始印刷枚数)
「BJ−1」を実行する前回の印刷処理における印刷枚数である。
【0062】
(Job中メンテ開始インク量)
「BJ−1」を実行する前回の印刷処理におけるインク吐出量である。
【0063】
(Job後メンテ開始印刷時間)
Job後メンテナンスを実行する印刷時間である
【0064】
(Job後メンテ開始印刷枚数)
Job後メンテナンスを実行する印刷枚数である。
【0065】
(Job後メンテ開始インク量)
Job後メンテナンスを実行するインク吐出量である。
【0066】
印刷が可能な状態となると、図6に示すJob前メンテナンスに係る処理が開始される(ステップS601)。処理が開始され、印刷を開始する命令(印刷命令)であるCycle Up信号を受信すると(ステップS602)、ステップS603に進む。Cycle Up信号を受信せず、その状態が1秒間続いた場合、後述する図7に示すCycle up受信前処理フローに進む。ステップS603では、Printing Timerの値が「Job中メンテ開始印刷時間」60分以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合、ステップS611に進み、そうでなければステップS604に進む。
【0067】
ステップS611に進んだ場合、Job前メンテナンス「BJ−1」が実行され、ジョブ前メンテナンスに係る処理は終了する(ステップS612)。ステップS604に進んだ場合、Page Counterが「Job中メンテ開始印刷枚数」2000枚以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS611に進み、そうでなければステップS605に進む。
【0068】
ステップS605では、いずれかの色において、HC Jetting Counterの値が「Job中メンテ開始インク量」規定値1以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS611に進み、そうでなければステップS606に進む。ここで、規定値1は、予備実験により求めた閾値となるインクの吐出量である。
【0069】
ステップS606では、Printing Timerが「Job後メンテ開始印刷時間」30分以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS611に進み、そうでなければステップS607に進む。
【0070】
ステップS607では、Page Counterが「Job後メンテ開始印刷枚数」500枚以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS611に進み、そうでなければステップS608に進む。
【0071】
ステップS608では、いずれかの色において、HC Jetting Counterの値が「Job中メンテ開始インク量」規定値2以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS611に進み、そうでなければステップS609に進む。規定値2は、予備実験により求めた規定値1よりも小さいインク吐出量の値である。ステップS609では、前回の印刷処理時におけるJob前メンテナンス、Job後メンテナンスの少なくとも一方が異常終了したか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS611に進み、そうでなければステップS610に進む。ステップS610では、Job前メンテナンス「BJ−3」が実行される。そして、ステップS610またはS611が実行されるとJob前メンテナンスフローが終了する(ステップS612)。
【0072】
次に、図6のステップS602から分岐するCycle Up受信前処理について説明する。図7には、Cycle Up受信前処理に係るフローが示されている。Cycle Up受信前処理が開始されると、Printing Timerが「Job前メンテ開始印刷時間」30分以上であるか否かが判定され(ステップS701)、当該条件が満たされる場合にステップS702に進み、そうでなければステップS703に進む。
【0073】
ステップS702では、ジョブ前メンテナンス「BJ−1」が実行される。ステップS703では、Printing Timerが「Job中メンテ開始印刷時間」60分以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS702に進み、そうでなければステップS704に進む。
【0074】
ステップS704では、Page Counterが「Job中メンテ開始印刷枚数」2000枚以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS702に進み、そうでなければステップS705に進む。
【0075】
ステップS705では、いずれかの色において、HC Jetting Counterの値が「Job中メンテ開始インク量」規定値1以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS702に進み、そうでなければステップS706に進む。
【0076】
ステップS706では、Printing Timerが「Job後メンテ開始印刷時間」30分以上であるか否かが判定され、当該条件を満たす場合にステップS702に進み、そうでなければステップS707に進む。
【0077】
ステップS707では、Page Counterが「Job後メンテ開始印刷枚数」500枚以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS702に進み、そうでなければステップS708に進む。
【0078】
ステップS708では、いずれかの色において、HC Jetting Counterの値が「Job中メンテ開始インク量」規定値2以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS702に進み、そうでなければステップS709に進む。
【0079】
ステップS709では、前回の印刷処理時におけるJob前メンテナンス、Job後メンテナンスの少なくとも一方が異常終了したか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS702に進み、そうでなければステップS710に進む。
【0080】
ステップS710では、「Job前メンテ待機時間」が60分以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS711に進み、そうでなければCycle up受信前処理フローを終了し、ステップS602の前段階に戻る。ステップS711では、Job前メンテナンス「BJ−2」が実行される。そして、ステップS702またはS711が実行されるとCycle up受信前処理フローが終了し、図6のステップS602の前段階に戻る。
【0081】
(Job中メンテナンス)
次に、Job中メンテナンスに係るフローについて説明する。Job中メンテナンスは、印刷動作の最中に、予め決められた条件に基づいて行われるメンテナンスである。Job中メンテナンスに係る処理では、1頁の印刷毎に印刷枚数、印刷時間、吐出インク量をチェックし、メンテナンスを実行するか否かの判定が行われる。そしてこの判定に基づき、Job中メンテナンスが行われる。この例では、Job中メンテナンスの実行が決定された後に数枚(例えば、5〜7枚程度)の印刷が行われ、その後印刷動作を中断し、選択したJob中メンテナンスが実行される。またこの際、Job中メンテナンスの終了後に中断していた印刷が再開される。
【0082】
以下、図8を参照してJob中メンテナンスのフローを説明する。印刷動作が開始されると、図8の処理が開始される(ステップS801)。なお、図8の処理は、1印刷枚数毎に行われる。処理が開始されると、まず残りのJob予定の枚数が「Job中メンテ調整枚数」500枚以上であるか否かが判定される(ステップS802)。ここで、残りJob枚数は、印刷が指示されている総数からPaper counterのカウント数を差し引いた値である。
【0083】
ステップS802の判定条件が満たされる場合は、ステップS803に進み、そうでなければステップS804に進む。ステップS803では、Page Counterが「Job中メンテ開始印刷枚数」2000枚以上であるか否かが判定され、当該判定条件が満足される場合はJob中メンテナンスが実行され(ステップS806)、そうでなければステップS804に進む。
【0084】
ステップS804では、Printing Timerが「Job中メンテ開始印刷時間」60分以上であるか否かが判定され、当該判定条件が満足される場合はステップS806に進み、そうでなければステップS805に進む。ステップS805では、いずれかの色において、HC Jetting Counterの値が「Job中メンテ開始インク量」規定値1以上であるか否かが判定され、当該条件が満足される場合にステップS806に進み、そうでなければ処理を終了する(ステップS807)。また、ステップS806のJob中メンテナンスが終了した場合も処理を終了する。
【0085】
(Job後メンテナンス)
次にJob後メンテナンスについて説明する。Job後メンテナンスは、印刷動作の終了時に実施するメンテナンスである。Job後メンテナンスは印刷枚数(Page counter)、印刷時間(Printing Timer)、吐出インク量(HC Jetting Counter)の情報に基づいてその実施が決定される。
【0086】
印刷動作が終了した時点で図9の処理が開始される(ステップS901)。処理が開始されると、Page Counterが「Job後メンテ開始印刷枚数」500枚以上であるか否かが判定され、当該判定条件が満たされている場合、Job後メンテナンス(AJ−2)が実行され(ステップS903)、そうでなければステップS904に進む。
【0087】
ステップS904では、Printing Timerが「Job後メンテ開始印刷時間」30分以上であるか否かが判定され、当該判定条件が満たされている場合、ステップS903に進み、そうでなければステップS905に進む。
【0088】
ステップS905では、HC Jetting Counterが「Job後メンテ開始インク量」規定値2以上であるか否かが判定され、当該判定条件が満たされている場合、ステップS903に進み、そうでなければJob後メンテナンス(AJ−1)が実行される(ステップS906)。そして、ステップS903またはS905の処理が実行された後、処理を終了する(ステップS907)。
【0089】
(動作の一例:その2)
インラインセンサが撮像した画像の画像解析の結果に基づき、メンテナンスパターンを選択する条件を変更する制御を行う例を説明する。図12にこの動作を行う制御系のブロック図の一例を示す。図12に示す制御系は、図2に示す制御系に画像解析部300を加えた構成を有している。画像解析部300には、インラインセンサ123からの画像データが入力される。
【0090】
画像解析部300は、インラインセンサ123が撮像した用紙上の印刷状態の画像データを解析する。この解析では、かすれや汚れ等の画像欠陥が検出される。画像欠陥の検出は、予め用意しておいた基準となるデータと撮像した画像のデータとを比較することで行われる。画像欠陥が検出されると、図5のCap-ON時間を判定するための閾値、図5〜図9のPrinting Timerのカウント値を判定するための閾値、Page Timerのカウント値を判定するための閾値、HC Jetting Counterのカウント値を判定するための閾値の少なくとも一つをより入念なメンテナンスが行われる条件に変更する。この閾値の変更に係る処理は、以下に説明する処理も含めてBMM203によって行われる。
【0091】
以下、この動作を図5にはパワーON時メンテナンスに係る処理に適用した場合を説明する。パワーOM時メンテナンスには、WU−1、WU−2、WU−3、WU−4の4パターンがある。この中で最も入念なメンテナンスが行われるメンテナンスパターンは、WU−4である。そして「WU−3」→「WU−2」→「WU−1」の順にメンテナンスの内容は簡略化されたものとなる。
【0092】
この場合、記録媒体上に形成した画像に画像欠陥が検出されると、図5のフローにおける判定の基準が、より入念なメンテナンスが行われやすいように変更される。例えば、画像欠陥が検出された場合に、ステップS504の「Cap−ON<24h」の判定基準を「Cap−ON<12h」に変更し、ステップS506の「Cap−ON<48h」の判定基準を「Cap−ON<24h」に変更し、ステップS511の「Cap−ON<384h」の判定基準を「Cap−ON<192h」に変更する。こうすると、より入念なパワーON時メンテナンスが行われる頻度が高くなる。
【0093】
また、図6のJob前メンテナンスの場合、BJ−1がより入念なメンテナンスの内容であり、BJ−2、BJ−3はBJ−1に比較して簡略化されたメンテナンスの内容とされている。この場合、画像欠陥が検出されると、図6のフローにおける判定の基準が、より入念なメンテナンスが行われやすいように変更される。例えば、画像欠陥が検出されると、ステップS603の60minが30minに変更され、ステップS604の2000枚が1000枚に変更され、ステップS605の規定値1がより少ないインク消費量の値に変更される。こうすると、より入念なJob前メンテナンスが行われる頻度が高くなる。
【0094】
なお、閾値の変更は、全てであってもよいし、一部であってもよい。この画像欠陥の有無を画像解析に基づいて検出し、その結果に基づいて閾値(メンテナンスパターンを決める基準)を変更する処理は、図7〜図9のフローに適用することもできる。
【0095】
また閾値の変更し、より入念なメンテナンスが行われ易い状態とされた後、引き続き画像欠陥の発生を監視する。そして、画像欠陥の検出がある決められた枚数の印刷において検出されない場合(あるいは予め定めた基準以下となった場合)、上記変更した閾値を初期設定値に戻す。
【0096】
画像欠陥がみられなくなった段階においてもより入念なメンテナンスが実行される条件が維持されていると、必要以上のメンテナンスが行われ、メンテナンスに要する時間と消耗品使用量(洗浄液やWeb)が過大となる。上記のように画像欠陥が検出されなくなった段階で閾値を初期設定値に戻すことで、無駄なメンテナンスの実施が抑えられ、メンテナンスに要する時間や消耗品使用量が抑えられる。
【0097】
上述した閾値の変更は、複数段階に渡って行うこともできる。この場合、段階的により入念なメンテナンスが行われ易いように閾値の変更が行われる。例えば、図6の場合でいうと、画像欠陥が検出された場合に、ステップS603の60minを45minに変更し、ある決められた枚数の印刷において、画像欠陥の消滅が検出されない場合に、この45minとされた閾値をさらに30minに変更し、といった処理が行われる。
【0098】
(動作の一例:その3)
インラインセンサが撮像した画像の画像解析の結果に基づいてメンテナンスパターンを決める例を説明する。この場合、インラインセンサが撮像した画像の画像解析の結果に基づき、図11に示す6種類のメンテナンスパターンの中から一つが選択される。なお図11の中のメンテナンスパターンの実行に際して、画像の形成処理を中断する必要がある場合、一旦画像の形成処理を中断した上で、当該メンテナンスパターンを実行する。
【0099】
例えば、画像解析処理の結果、インクのかすれ(中)が判定された場合、画像の形成処理が中断され、まず加圧メンテナンス「弱」が実行され、次いでWebメンテナンス1が実行され、最後にダミージェットメンテの「メンテ」モードが実行される。この際、加圧メンテナンス「弱」では、画像解析処理の結果に基づき、インクのかすれに関係するヘッドモジュールが処理の対象として選択される。
【0100】
この例の場合も画像欠陥の検出結果に応じて、メンテナンスパターンを選択する基準を変更する処理を行うことができる。
【0101】
(その他)
以上例示したメンテナンスに係る処理は、画像形成装置100の外部に接続された制御用コンピュータによって管理され実行される形態であってもよい。以下、その一例を説明する。図12には、図2に示す画像形成装置100の制御系が、通信回線を介してサーバ400に接続されている構成が示されている。
【0102】
ここで、サーバ400は、メンテナンスに係る処理を実行するメンテナンス管理サーバとしての機能を有している。サーバ400は、画像形成装置100の近くの場所に配置されていてもよいし、離れた場所に配置されていてもよい。この場合、メンテナンスに係る処理のフローは、サーバ400により実行される。
【0103】
以上の説明においては、YMCKのインクを用いるインクジェット方式の画像形成装置の例を示したが、RGB等の他の組み合わせのインクを用いる形態に本発明を適用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、記録媒体上に画像を形成する技術に利用することができる。
【符号の説明】
【0105】
100…画像形成装置、101…給紙装置、102…プレコート胴、103…渡し胴、104…ジェッティング胴、105…渡し胴、106…乾燥胴、107…渡し胴、108…定着胴、109…排紙胴、110…プレコート装置、111…インク吐出ヘッド装置、122…乾燥装置、123…インラインセンサ、124…排紙装置、301…Catch Ttray、302…Cap Unit、306…Web Unit、307…Web(払拭用の布)、308…巻き取り機、309…巻き取り機、310…駆動用モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出する吐出手段と、
前記吐出手段の清掃を行う複数の清掃手段と、
前記吐出手段の乾燥を防止する乾燥防止手段と、
前記吐出手段の動作の状態および前記乾燥防止手段の動作の状態の少なくとも一方に基づいて、前記複数の清掃手段および前記乾燥防止手段の組み合わせを選択する選択手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記吐出手段の動作の状態は、前記液状の像形成剤の前記吐出手段からの吐出量、前記吐出手段が動作していた時間および前記記録媒体の使用量であり、
前記乾燥防止手段の動作の状態は、前記吐出手段の乾燥を防止する措置を行っていた継続時間であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記録媒体上に形成された画像の欠陥を検出する画像欠陥検出手段を備え、
前記液状の像形成剤の前記吐出手段からの前記吐出量、前記吐出手段が動作していた前記時間、前記記録媒体の前記使用量の少なくとも一つを判定する基準が設けられており、
前記画像欠陥検出手段の出力に基づいて前記基準が変更されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像欠陥が減った場合に前記変更された前記基準が初期値に戻されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像欠陥検出手段の出力に基づいて前記複数の清掃手段および前記乾燥防止手段の組み合わせの選択が行われることを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出する吐出手段、前記吐出手段の清掃を行う複数の清掃手段、および前記吐出手段の乾燥を防止する乾燥防止手段を備えた画像形成装置と、
通信手段により前記画像形成装置と接続され、前記吐出手段の動作の状態および前記乾燥防止手段の動作の状態の少なくとも一方に基づいて、前記複数の清掃手段および前記乾燥防止手段の組み合わせを選択する選択手段を備えたサーバと
を有することを特徴する画像形成システム。
【請求項7】
コンピュータに読み取らせて実行させるプログラムであって、
コンピュータに、
記録媒体に向けて液状の像形成剤を吐出する吐出処理と、
前記吐出が行われる部分の清掃を行う複数の清掃処理と、
前記吐出が行われる部分の乾燥を防止する乾燥防止処理と、
前記吐出処理および前記乾燥防止処理の少なくとも一方に基づいて、前記複数の清掃処理および前記乾燥防止処理の組み合わせを選択する選択処理と
を行わせることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−11736(P2012−11736A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152642(P2010−152642)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】