説明

画像形成装置、画像形成システム

【課題】画像データの形成を行う際に、前記形成に用いる消耗品の残量が少なくても、ユーザーにとっての利便性が損なわれるおそれを低減させることができる画像形成装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】画像取得部1と、画像形成部40と消耗品の残量を検出する残量検出部104と、残量が設定残量以下となったか否かを判定する判定部102と、画像データを記憶する記憶部105と、記憶部105に記憶された画像データを画像形成部40によって形成する許可を受け付ける許可受付部103と、判定部102によって残量が設定残量以下となったと判定され、且つ画像取得部1によって画像データが取得されたとき、取得された画像データを記憶部105に記憶させ、許可受付部103によって許可が受け付けられたとき、記憶部105に記憶された画像データを画像形成部40によって形成させる制御部101と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置等の画像形成装置では、消耗品(例えば、用紙、トナー)の残量が少ない状態で、画像データを用紙に画像形成し続けると、画像データの形成途中に消耗品が無くなって、続きの画像データを形成することができなくなる場合がある。
【0003】
そのため、特許文献1では、定尺記録紙で定まる1ページ分のデータ量に達するまでは、受信した画像データを用紙に形成せずにメモリに蓄積し、メモリに蓄積した画像データのデータ量が1ページ分のデータ量に達したときに、前記1ページ分のデータ量の画像データを1枚の用紙にまとめて画像形成している。
【0004】
また、特許文献2では、用紙の残量が少なくなると、取得した画像データのうち最初のページの画像データのみを用紙に形成し、残りのページの画像データを用紙に形成せずにメモリに保存させておき、用紙が補充されたときに、残りのページの画像データを用紙に画像形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−95455号公報
【特許文献2】特開2004−140501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記のように、特許文献1では、メモリに蓄積された画像データのデータ量が1ページ分に達したときに、メモリ内の画像データを1枚の用紙にまとめて形成している。また、上記のように、特許文献2では、用紙が補充されたときに、取得された画像データのうち最初のページ以降のページが、一括して用紙に形成される。
【0007】
そのため、ユーザーが早急に画像データを形成したくても、一定の期間の間は、画像データの形成を待たされることになり、利便性が悪くなる。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、画像データの形成を行う際に、前記形成に用いる消耗品の残量が少なくても、ユーザーにとっての利便性が損なわれるおそれを低減させることができる画像形成装置及び画像形成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、画像を表す画像データを取得する画像取得部と、前記画像取得部によって取得された画像データを用紙に形成する画像形成部と、前記画像形成部における前記画像データの形成に用いられる消耗品の残量を検出する残量検出部と、前記残量検出部によって検出された前記残量が予め設定された設定残量以下となったか否かを判定する判定部と、前記画像取得部によって取得された画像データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成する許可を受け付ける許可受付部と、前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記取得された画像データを前記記憶部に記憶させ、前記許可受付部によって前記許可が受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、消耗品の残量が設定残量にまで減っているときに、画像形成すべき画像データを取得すると、取得された画像データが記憶部に記憶される。
【0011】
そして、記憶部に記憶された画像データを形成する許可が許可受付部により受け付けられたときに、記憶部内の画像データが画像形成部により形成される。
【0012】
これにより、消耗品の残量が少なくても、早急に用紙に形成させたい画像データを用紙に形成する許可が受け付けられたときに、当該画像データを用紙に形成させることができるので、ユーザーにとっての利便性が損なわれるおそれを低減させることができる。
【0013】
上記構成において、前記消耗品として、複数サイズの用紙を備えており、前記残量検出部は、前記各サイズの用紙の残量をそれぞれ検出し、前記判定部は、前記残量検出部によって検出された、各サイズの用紙の残量が、前記設定残量以下となったか否かを判定し、 前記許可受付部は、前記画像取得部によって取得された画像データを、当該画像データに適合する適合サイズ以外のサイズである適合外サイズの用紙へ形成する指示を前記許可として受け付け、前記制御部は、前記判定部によって、前記適合サイズの用紙の残量が前記設定残量以下となったと判定されたときに、前記適合外サイズの用紙の選択を促し、前記許可受付部によって、前記適合外サイズの用紙への画像形成の指示が前記許可として受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記適合外サイズの用紙へ形成させることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、制御部は、受信した画像データに適合するサイズではない適合外サイズが選択されたとき、記憶部内の画像データを適合外サイズの用紙へ形成させる。
【0015】
これにより、ユーザーは、受信した画像データを、当該画像データに適合するサイズの用紙に形成する許可が得られない場合でも、適合外サイズを選択することにより、画像データを、適合外サイズの用紙に形成させることができる。
【0016】
その結果、前記許可を行う管理者が不在の場合でも、急ぎで形成させたい画像データを、用紙に形成させることができる。
【0017】
上記構成において、前記制御部は、前記記憶部に前記画像データを記憶させた後、前記画像取得部によって新たな画像データが取得されたとき、前記記憶された画像データである既記憶データと、前記新たな画像データとの同一性の有無を判定し、同一性を有すると判定したときには、前記既記憶データを消去し、前記新たな画像データを前記記憶部に記憶させることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、画像データを記憶部に記憶させた後、さらに画像データを取得したときには、記憶部に記憶された画像データである既記憶データと、新たに取得した画像データとの同一性を判定し、同一性を有すると判定したときには、既記憶データを消去して、新たに取得した画像データを、記憶部に記憶される。
【0019】
これにより、同一性を有する複数の画像データが重複して記憶部に記憶されないので、記憶エリアの無駄遣いを無くすことができる。
【0020】
上記構成において、前記画像データには、当該画像データの属性を表す属性データが付加されており、前記制御部は、前記画像データを前記記憶部に記憶させるときには、当該画像データに加えて、当該画像データに付加された前記属性データを当該画像データと対応させて前記記憶部に記憶させ、前記既記憶データの属性データと、前記新たな画像データの属性データとが同一性を有するとき、前記既記憶データと前記新たな画像データとが同一性を有すると判定することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、画像データを記憶部に記憶させた後、さらに画像データを取得したときには、記憶部に記憶された画像データである既記憶データの属性データと、新たな画像データの属性データとの同一性を判定し、同一であるときには、既記憶データを消去し、新たに取得した画像データを、記憶部に記憶させる。
【0022】
これにより、属性データに同一性を有する複数の画像データが重複して記憶部に記憶されないので、記憶エリアの無駄遣いを無くすことができる。
【0023】
上記構成において、前記制御部は、前記既記憶データの内容と前記新たな画像データの内容との間での異なる部分の量が予め定められた設定値以下である場合、前記新たな画像データは前記既記憶データとの間に同一性を有すると判定することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、記憶部に記憶された既記憶データの内容と、新たに取得した画像データの内容との間での異なる部分の量が設定値以下であれば、新たな画像データは既記憶データとの間に同一性を有すると判定する。
【0025】
これにより、記憶部に画像データを記憶させた後、その画像データの誤記などを修正した場合に、修正前の画像データが消去され、修正後の画像データが記憶部に記憶されるので、記憶エリアの無駄遣いを無くすことができる。
【0026】
上記構成において、前記制御部は、前記記憶部に複数の画像データが記憶されているとき、前記各画像データのうち最もデータ量の少ない画像データの形成を、他の画像データに優先して許可することが好ましい。
【0027】
この構成によれば、記憶部に記憶されている複数の画像データのうち最もデータ量の少ない画像データの用紙への形成を、他の画像データに優先して許可するので、記憶部に記憶されている画像データの用紙への形成が許可されたときに、画像データの形成途中で用紙が無くなるおそれを低減させることができる。
【0028】
上記構成において、前記制御部は、前記消耗品が補充されて、前記判定部によって前記残量が前記設定残量を超えたと判定されたときに、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、画像形成の許可を得ずに記憶部に記憶されたままの画像データについては、消耗品が補充されて、消耗品の残量が設定残量を超えたときに、用紙に形成される。これにより、消耗品が補充されたときに、自動的に、画像形成を実行させることができるので、ユーザーにとって利便である。
【0030】
上記構成において、前記消耗品が補充されるまで、前記画像データが画像形成されないことを通知するための通知画像を表示する第1表示部をさらに備え、前記制御部は、前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記通知画像を前記第1表示部に表示させることが好ましい。
【0031】
この構成によれば、消耗品の残量が少ないときには、第1表示部に通知画像が表示されるので、ユーザーは、消耗品の残量が少ないことに起因して画像形成がされないことが容易に判る。
【0032】
上記構成において、前記許可のための操作を受け付ける第1許可操作部をさらに備え、
前記許可受付部は、前記第1許可操作部により前記操作が受け付けられたとき、前記許可を受け付けることが好ましい。
【0033】
この構成によれば、第1許可操作部により、許可のための操作が受け付けられたときに、記憶部内の画像データが用紙に形成されるので、用紙残量が少ないにも関わらず、無制限に用紙が画像形成のために消費されることが抑制される。
【0034】
上記構成において、前記許可を行うための管理装置であって、前記許可のための操作を受け付ける第2許可操作部を有する管理装置が、通信ネットワークを介して接続されており、前記許可受付部は、前記第2許可操作部が前記操作を受け付けたとき、前記許可を受け付けることが好ましい。
【0035】
この構成によれば、画像形成装置の管理者によって、管理装置に設けられた第2許可操作部が操作されたとき、許可受付部が許可を受け付けて、画像形成が開始されるので、無制限に用紙が画像形成のために消費されることが抑制される。
【0036】
上記構成において、前記許可を行うための管理装置であって、前記許可を要求するための文字メッセージを受け付けるメッセージ受付部と、前記メッセージ受付部により受け付けられた前記文字メッセージの中に、予め定められたキーワードがあるか否かを判定し、前記キーワードがある場合には、前記許可を行う許可部と、を有する管理装置が、通信ネットワークを介して接続されており、前記許可受付部は、前記許可部により前記許可が行われたとき、前記許可を受け付けることが好ましい。
【0037】
この構成によれば、メッセージ受付部によって受け付けられた文字メッセージの中に、予め定められたキーワードがある場合に、記憶部に記憶された画像データの用紙への形成を許可する。このとき、許可受付部により許可が受け付けられるので、記憶部内の画像データが用紙に形成される。
【0038】
これにより、ユーザーは、急ぎの文書でよく用いられる言葉、例えば、“社長”、“企画会議”、“部長”などをキーワードとして登録しておくことにより、前記許可を行う管理者が不在の場合でも、急ぎで形成させたい画像データを、用紙に形成させることができる。
【0039】
上記構成において、前記画像取得部に前記画像データを送信する画像送信部と、前記消耗品が補充されるまで前記画像データが画像形成されないことを通知するための通知画像を表示する第2表示部と、を有する通信端末装置が、通信ネットワークを介して接続されており、前記制御部は、前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記取得された画像データを前記記憶部に記憶させるとともに、前記通知画像を前記第2表示部に表示させ、前記許可受付部によって前記許可が受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させることが好ましい。
【0040】
この構成によれば、通信端末装置から画像形成装置に画像データを送信して、画像データを画像形成させるにあたり、消耗品の残量が少なければ、通信端末装置において通知画像が表示される。これにより、通信端末装置から画像形成装置に画像形成させるときに、通信端末装置において消耗品の残量が少ないことが判るので、わざわざ画像形成装置側で通知画像を確認するよりも利便性が高い。
【0041】
また、本発明の他の局面に係る画像形成システムは、先述の画像形成装置と、前記許可を行うための管理装置とが、通信ネットワークを通じて接続されていることを特徴とする。
【0042】
この構成によれば、先述の画像形成装置を備えるので、先述の効果を奏する画像形成システムを提供することができる。
【0043】
上記構成において、前記管理装置は、前記許可のための操作を受け付ける第2許可操作部を備え、前記画像形成装置の前記許可受付部は、前記第2許可受付部により前記操作が受け付けられたとき、前記許可を受け付けることが好ましい。
【0044】
この構成によれば、画像形成装置の管理者によって、管理装置に設けられた第2許可操作部が操作されたとき、許可受付部が許可を受け付けて、画像形成が開始されるので、無制限に用紙が画像形成のために消費されることが抑制される。
【0045】
上記構成において、前記管理装置は、前記許可を要求するための文字メッセージを受け付けるメッセージ受付部と、前記メッセージ受付部によって受け付けられた前記文字メッセージを表示するメッセージ表示部と、を備えることが好ましい。
【0046】
この構成によれば、管理装置には、画像形成装置内に記憶されている画像データの画像形成の許可を要求するための文字メッセージが表示されるので、画像形成装置の管理者は、画像データの形成許可が要求されていることが判る。また、記憶部内の画像データの用紙への形成の許可が必要とされるのは、用紙残量が少ないときであるので、管理者等は、前記許可を要求するための文字メッセージを参照することにより、用紙残量が少なくなっていることが判る。
【0047】
上記構成において、前記管理装置は、前記許可を要求するための文字メッセージを受け付けるメッセージ受付部と、前記メッセージ受付部によって受け付けられた前記文字メッセージの中に、予め定められたキーワードがあるか否かを判定し、前記キーワードがある場合には、前記許可を行う許可部と、を備え、前記画像形成装置の前記許可受付部は、前記許可部により前記許可が行われたとき、前記許可を受け付けることが好ましい。
【0048】
この構成によれば、ユーザーは、急ぎの文書でよく用いられる言葉、例えば、“社長”、“企画会議”、“部長”などをキーワードとして登録しておくことにより、前記許可を行う管理者が不在の場合でも、急ぎで形成させたい画像データを、用紙に形成させることができる。
【0049】
上記構成において、前記通信ネットワークには、通信端末装置がさらに接続されており、前記通信端末装置は、前記文字メッセージの入力を受け付ける入力受付部を備え、前記管理装置の前記メッセージ受付部は、前記入力受付部により入力が受け付けられた前記文字メッセージを受け付けることが好ましい。
【0050】
この構成によれば、通信端末装置において文字メッセージの入力が受け付けられると、当該文字メッセージが管理装置に表示される。或いは、当該文字メッセージ中のキーワードの有無に基づいて管理装置が自動的に画像形成を許可する。
【0051】
これにより、ユーザーは、通信端末装置に文字メッセージを入力することにより、文字メッセージを管理装置に表示させたり、管理装置に画像形成を自動的に許可させることができる。
【0052】
上記構成において、前記通信ネットワークには、通信端末装置がさらに接続されており、 前記通信端末装置は、前記画像形成装置の前記画像取得部に前記画像データを送信する画像送信部と、前記消耗品が補充されるまで前記画像データが画像形成されないことを通知するための通知画像を表示する第2表示部と、を備え、前記画像形成装置の制御部は、前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記取得された画像データを前記記憶部に記憶させるとともに、前記通知画像を前記第2表示部に表示させ、前記許可受付部によって前記許可が受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させることが好ましい。
【0053】
この構成によれば、通信端末装置から画像形成装置に画像データを送信して、画像データを画像形成させるにあたり、消耗品の残量が少なければ、通信端末装置において通知画像が表示される。これにより、通信端末装置から画像形成装置に画像形成させるときに、通信端末装置において消耗品の残量が少ないことが判るので、わざわざ画像形成装置側で通知画像を確認するよりも利便性が高い。
【発明の効果】
【0054】
本発明によれば、画像データの形成を行う際に、前記形成に用いる消耗品の残量が少なくても、ユーザーにとっての利便性が損なわれるおそれを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を模式的に示した縦断面図である。
【図3】画像形成装置の要部構成の一例を示したブロック図である。
【図4】通信端末装置の要部構成の一例を示したブロック図である。
【図5】管理装置の要部構成の一例を示したブロック図である。
【図6】画像形成装置の基本動作の概要の一例を示した図である。
【図7】通信端末装置の基本動作の概要の一例を示した図である。
【図8】管理装置の基本動作の概要の一例を示した図である。
【図9】通信端末装置の表示部における表示例、及び管理装置の表示部における表示例を示した図である。
【図10】文字メッセージ入力画像の他の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの構成の一例を示した図である。
【0057】
画像形成システムSは、画像形成装置Aと、通信端末装置Bと、管理装置Cとを備える。画像形成装置A、通信端末装置B、及び管理装置Cの各々は、LAN(Local Area Network)などの通信ネットワークNに接続されている。
【0058】
画像形成装置Aは、例えば、ネットワーク対応型のファクシミリ装置である。画像形成装置Aは、例えば、通信端末装置Bから、画像を表す画像データを、通信ネットワークNを通じて受信し、用紙に画像形成する。或いは、画像形成装置Aは、後述する各種コマンドを、通信ネットワークNを通じて送受する。
【0059】
通信端末装置Bは、例えば、パーソナルコンピューターである。通信端末装置Bは、画像データを、通信ネットワークNを通じて画像形成装置Aに送信する。或いは、通信端末装置Bは、後述する各種コマンドを、通信ネットワークNを通じて送受する。
【0060】
管理装置Cは、例えば、パーソナルコンピューターである。管理装置Cは、例えば、通信ネットワークNを通じて、画像形成装置Aにおける画像形成を管理する。或いは、管理装置Cは、後述する各種コマンドを、通信ネットワークNを通じて送受する。
【0061】
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置Aの構成の一例を模式的に示した縦断面図である。
【0062】
画像形成装置Aは、通信インターフェース1(画像取得部)を備える。通信インターフェース1は、通信ネットワークNを通じて、通信端末装置Bや管理装置Cとの間で通信を行うデバイスである。通信インターフェース1は、例えば、通信端末装置Bから画像データを受信する。
【0063】
画像形成装置Aは、本体筐体2と、本体筐体2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体筐体2の上部に配設された原稿読取部200(画像取得部)と、原稿読取部200の上方に配設された原稿給送部6と、を有している。また、画像形成装置Aのフロント部には、略長方形のユーザーインターフェース部100が設けられている。
【0064】
原稿読取部200は、CCD(Charge Coupled Device)や露光ランプ等からなるスキャナ部201と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台202及び原稿読取スリット203とを備える。スキャナ部201は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台202に載置された原稿を読み取るときは、原稿台202に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査する。
【0065】
また、スキャナ部201は、原稿給送部6により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット203と対向する位置に移動され、原稿読取スリット203を介して原稿給送部6による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得する。
【0066】
原稿給送部6は、原稿を載置するための原稿載置部61と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部62と、原稿載置部61に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット203に対向する位置へ搬送し、原稿排出部62へ排出するための給紙ローラー(図略)、搬送ローラー(図略)等からなる原稿搬送機構63を備える。原稿搬送機構63は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット203と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図略)を備え、原稿の両面の画像を、原稿読取スリット203を介してスキャナ部201から読取可能にしている。
【0067】
また、原稿給送部6は、その前面側が上方に移動可能となるように本体筐体2に対して回動自在に設けられている。原稿給送部6の前面側を上方に移動させて原稿台202上面を開放することにより、原稿台202の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
【0068】
本体筐体2は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送するピックアップローラー462と、給紙カセット461から搬出されてきた用紙に画像を形成する画像形成部40と、転写ローラー49及び感光体ドラム43による用紙Sへの画像転写のための所定のタイミングで、給紙カセット461の用紙Sを送り出すレジストローラー対17と、を備える。
【0069】
各給紙カセット461には、それぞれ、サイズの異なる用紙が収容される。例えば、上段の給紙カセット461にはA4サイズの用紙が収容され、中段の給紙カセット461にはB5サイズの用紙が収容され、下段の給紙カセット461にはA3サイズの用紙が収容される。
【0070】
画像形成部40は、感光体ドラム43、感光体ドラム43表面を除電する除電装置421、感光体ドラム43表面を帯電させる帯電装置422、スキャナ部201で取得された画像データや、通信インターフェース1により受信された画像データに基づきレーザ光等を出力して感光体ドラム43を露光する露光装置423、感光体ドラム43表面にトナーを供給する現像装置44、及び、感光体ドラム43上のトナー像を用紙に転写するための転写ローラー49を備える。
【0071】
また、画像形成部40は、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45、及び、用紙をスタックトレイ3又は胴内排紙部48まで搬送するための搬送ローラー19を備える。
【0072】
ユーザーインターフェース部100は、表示部5(第1表示部)と操作部18とを備えている。操作部18には、例えば、原稿の画像データを読み取り、読み取った画像データを用紙に形成するコピー機能を選択するためのボタンが含まれている。当該ボタンが操作されたとき、ユーザーインターフェース部100は、コピー機能を受け付け、所定の操作画面を表示させる。そして、ユーザーインターフェース部100は、画質やプリント枚数等が選択され、所定のスタートキーが操作されたとき、画像形成の実行指示を受け付ける。ユーザーインターフェース部100により画像形成の実行指示が受け付けられたとき、画像形成装置Aは、原稿読取部200、画像形成部40等により、給紙カセット461内の用紙に原稿の画像データを形成する。
【0073】
図3は、画像形成装置Aの要部構成の一例を示したブロック図である。
【0074】
画像形成装置Aは、判定部102及び許可受付部103を有した制御部101と、残量検出部104と、通信インターフェース1と、記憶部105と、画像形成部40とを備える。尚、以下において、通信インターフェース1、及び画像形成部40については、先述の通りであるため、説明を省略する。
【0075】
残量検出部104は、画像形成部40における画像データの形成に用いられる消耗品の残量を検出する。残量検出部104は、例えば、残量検出部104は、各給紙カセット461のそれぞれにおける用紙の残量を検出するセンサーである。或いは、現像装置44内に貯留されているトナーの残量を検出するセンサーである。
【0076】
記憶部105は、判定部102によって、残量検出部104によって検出された残量が予め設定された設定残量以下となったと判定されたとき、通信インターフェース1により受信した画像データを記憶するデバイスである。
【0077】
制御部101は、画像形成装置Aを統括的に制御するデバイスである。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成されており、例えば、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより実現される。
【0078】
判定部102は、残量検出部104によって検出されたトナーや用紙の残量が、予め設定された設定残量以下となったか否かを判定する。許可受付部103は、記憶部105に記憶された画像データを画像形成部40により用紙に形成する許可を受け付ける。
【0079】
図4は、通信端末装置Bの要部構成の一例を示したブロック図である。通信端末装置Bは、制御部106と、記憶部107と、表示部108(第2表示部)と、入力受付部109と、通信インターフェース110(画像送信部)とを備える。
【0080】
制御部106は、通信端末装置Bを統括的に制御するデバイスである。制御部106は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成されており、例えば、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより実現される。
【0081】
記憶部107は、通信ネットワークNを通じて画像形成装置Aに送信すべき画像データを記憶するデバイスである。表示部108は、画像形成装置Aにおいて消耗品の残量が設定残量以下と判定されたとき、消耗品が補充されるまでの間、画像形成装置Aにおいて画像データを形成しないことを通知するための通知画像を表示するデバイスである。
【0082】
入力受付部109は、例えばキーボードにより構成されており、画像形成装置Aにおいて消耗品の残量が設定残量以下となり記憶部105に記憶されている画像データを形成する許可を要求するための文字メッセージの入力を受け付ける。
【0083】
通信インターフェース110は、通信ネットワークNを通じて通信を行うデバイスである。通信インターフェース110は、例えば、通信ネットワークNを通じて、画像データを、画像形成装置Aに送信する。このとき、画像形成装置Aの通信インターフェース1が、通信インターフェース110から送信された画像データを受信し、これを取得する。
【0084】
図5は、管理装置Cの要部構成の一例を示したブロック図である。管理装置Cは、許可部112を有する制御部111と、表示部113(メッセージ表示部)と、許可操作部114(第2許可操作部)と、通信インターフェース115とを備える。
【0085】
制御部111は、管理装置Cを統括的に制御するデバイスである。制御部111は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成されており、例えば、CPUが所定の制御プログラムを実行することにより実現される。
【0086】
許可部112は、画像形成装置Aが記憶部105内の画像データを用紙に画像形成する許可を行う。
【0087】
表示部113は、通信端末装置Bの入力受付部109によって受け付けられた文字メッセージを表示する。許可操作部114は、例えば操作キーによって構成されており、画像形成装置Aにおいて記憶部105内の画像データを用紙に形成する許可のための操作を受け付ける。
【0088】
通信インターフェース115は、通信ネットワークNを通じて通信を行う。通信インターフェース115は、例えば、画像形成装置Aにおいて記憶部105内の画像データを用紙に形成することを許可するコマンドである許可コマンドを、画像形成装置Aに送信する。或いは、通信インターフェース115は、通信ネットワークNを通じて、入力受付部109により入力が受け付けられた、前記許可を要求するための文字メッセージを表す情報を受信する。かくして、通信インターフェース115は、前記文字メッセージを受け付けるメッセージ受付部として機能する。
【0089】
以下、上述の構成の基本動作の一例について説明する。図6は、画像形成装置Aの基本動作の概要の一例を示した図である。図7は、通信端末装置Bの基本動作の概要の一例を示した図である。図8は、管理装置Cの基本動作の概要の一例を示した図である。図9は、通信端末装置Bの表示部108における表示例、及び管理装置Cの表示部113における表示例を示した図である。
【0090】
まず、通信端末装置Bから画像形成装置Aに画像データを送信する。このとき、後述する通知画像を画像データの送信元の通信端末装置Bに表示させるために、送信元の通信端末装置Bの通信アドレスを画像形成装置Aに通知する。
【0091】
画像形成装置Aでは、通信インターフェース1によって、通信端末装置Bからの画像データが受信されたとき(ステップS1のYES)、判定部102は、受信した画像データを形成するための消耗品、例えば、受信した画像データに適合するサイズである適合サイズの用紙の残量が予め設定された設定残量以下であるか否かを判定する(ステップS2)。尚、受信した画像データに適合するサイズとは、通信端末装置Bにより指定された、画像データを形成すべき用紙のサイズのことをいう。
【0092】
そして、制御部101は、適合サイズの用紙の残量が設定残量を超えていれば(ステップS2のNO)、受信した画像データを画像形成部40により適合サイズの用紙に形成する一方で(ステップS7)、設定残量以下であれば(ステップS2のYES)、受信した画像データのデータサイズや作成日時などの属性データを認識し(ステップS3)、受信した画像データを、認識された属性データと対応させて記憶部105に記憶させる(ステップS4)。
【0093】
そして、制御部101は、用紙が補充されるまでの間、画像データを形成しないことを通知するための通知画像を表示させるための表示コマンドを通信端末装置Bに送信する(ステップS5)。
【0094】
通信端末装置Bでは、画像形成装置Aから表示コマンドを受信したとき(ステップS20のYES)、制御部106は、表示部108に通知画像を表示させる(ステップS21)。
【0095】
図9(a)は、通知画像の一例を示している。通知画像は、用紙が補充されるまでの間、画像データを形成しないことを通知するための文字メッセージ108A(図9(a)参照)と、記憶部105内の画像データを用紙に形成する許可を要求するための要求ボタン109A(図9(a)参照)と、用紙が補充されるまでの間画像データの形成を待つことを了承するための了承ボタン109B(図9(a)参照)とを含む。尚、要求ボタン109A及び了承ボタン109Bについては、例えばマウスのクリックにより操作する。
【0096】
通知画像において、要求ボタン109Aが操作されたとき、通信端末装置Bの制御部106は、文字メッセージ入力画像(図9(b)参照)を表示部108に表示させる。一方、了承ボタン109Bが操作されたとき、制御部106は、用紙残量が設定残量以下となったことを通知するための通知コマンドを、管理装置Cに送信する(ステップS24)。
【0097】
図9(b)は、文字メッセージ入力画像の一例を示している。文字メッセージ入力画像は、文字メッセージ欄108Bと、送信ボタン109Cと、文字メッセージMの入力と送信ボタン108Cの操作を促すメッセージ108Cとを含む。尚、送信ボタン109Cについては、例えば、マウスのクリックにより操作する。
【0098】
入力受付部109によって文字メッセージMの入力が受け付けられたとき、制御部106は、入力された文字メッセージMを、文字メッセージ欄108Bに表示させる。そして、送信ボタン109Cが操作されたとき、画像形成の要求が行われる(ステップS22のYES)。このとき、制御部106は、記憶部105内の画像データを用紙に形成する許可を要求するコマンドである要求コマンドを、文字メッセージMとともに管理装置Cに送信する(ステップS23)。
【0099】
そして、通信端末装置Bでは、管理装置Cから、画像形成の要求を許可しないことを表す不許可コマンドを受信したとき(ステップS25のYES)、制御部106は、待機依頼画像を表示部108に表示させる(ステップS26)。図9(d)は、待機依頼画像の一例を示している。待機依頼画像は、用紙が補充されるまでの間、画像形成を待つように依頼するための文字メッセージを含む。
【0100】
管理装置Cでは、通信端末装置Bから通知コマンドを受信したとき(ステップS30のYES)、制御部111は、例えば、“用紙が不足しておりますので補充してください”などといったメッセージを表示部113により表示させることにより、用紙残量が設定残量以下となったことを通知する(ステップS31)。
【0101】
また、管理装置Cにおいて、通信インターフェース115が、通信端末装置Bから要求コマンドを文字メッセージMとともに受信したとき(ステップS32のYES)、制御部111は、記憶部105内の画像データを用紙に形成する許可を要求するための要求画像を、表示部113に表示させる(ステップS33)。尚、表示部113は、タッチパネルで構成されている。
【0102】
図9(c)は、要求画像の一例を示している。要求画像は、通信端末装置Bで入力が受け付けられた文字メッセージMを表示する文字メッセージ欄113Aと、前記要求を許可するための許可ボタン114Aと、前記要求を不許可にするための不許可ボタン114Bと、を含む。尚、許可ボタン114A及び不許可ボタン114Bについては、例えば、マウスのクリックにより操作する。
【0103】
管理装置Cにおいて、許可ボタン114Aが操作されたとき(ステップS34のYES)、制御部111は、前記要求が許可されたことを表す許可コマンドを、画像形成装置Aに送信する(ステップS35)。
【0104】
このとき、画像形成装置Aは、管理装置Cから許可コマンドを受信すると(ステップS6のYES)、許可受付部103は、画像形成の許可を受け付ける。すると、制御部101が、記憶部105内の画像データを用紙に形成する(ステップS7)。尚、画像形成装置Aでは、制御部101は、許可コマンドを受信していない場合でも(ステップS6のNO)、判定部102によって、用紙残量が設定残量を超えていると判定されたときには(ステップS8のYES)、記憶部105内の画像データを用紙に形成する(ステップS7)。
【0105】
一方、不許可ボタン114Bが操作されたとき(ステップS34のNO)、制御部111は、前記要求が不許可であることを表す不許可コマンドを、通信端末装置Bに送信する(ステップS36)。このとき、先述したように、通信端末装置Bでは、待機依頼画像が表示される。
【0106】
以上のように、画像形成システムSによれば、画像形成装置Aが画像データを受信したときに、画像データを形成すべき用紙の残量が設定残量以下であれば、受信した画像データが記憶部105に記憶され、消耗品が補充されるまでの間画像形成を行わないことを通知するための通知画像が、通信端末装置Bにおいて表示される。
【0107】
そして、管理装置Cにおいて、記憶部105に記憶された画像データを形成する許可が受け付けられたときに、記憶部105内の画像データが用紙に形成される。
【0108】
これにより、用紙の残量が少なくても、ユーザーは、早急に用紙に形成させたい画像データについては、当該画像データを用紙に形成する許可が受け付けられたときに、用紙に形成させることができるので、ユーザーにとっての利便性が損なわれるおそれを低減させることができる。
【0109】
ところで、管理装置Cの使用者が不在の場合には、画像データを形成する許可を与えることができないので、ユーザーが早急に画像データを用紙に形成させたい場合には、不都合がある。
【0110】
そこで、以下に示すように、管理装置Cが一定の条件下で、画像データを形成する許可を与えてもよい。
【0111】
例えば、画像形成装置Aでは、制御部101は、判定部102が適合サイズの用紙の残量が設定残量以下であると判定したとき、適合外サイズ(例えば、適合サイズが“A4”であるとき、“B5”、“B4”、及び“A3”)の用紙残量が設定残量を超えていれば、図6のステップS5に代えて、これらの適合外サイズのいずれかを表す情報を、表示コマンドとともに通信端末装置Bに送信する。
【0112】
そのとき、通信端末装置Bでは、制御部106は、図7のステップS21において、文字メッセージ入力画像を、図10に示すように、適合外サイズの選択を促すメッセージ108Dと、適合外サイズの選択を受け付ける選択ボタン109D〜109Fとを含ませて表示させる。尚、図10は、文字メッセージ入力画像の他の例を示している。尚、選択ボタン109D〜109Fについては、例えば、マウスのクリックにより操作する。
【0113】
選択ボタン109D〜109Fのいずれかが操作されたとき、制御部106は、選択されたサイズの用紙への画像データの形成を許可する許可コマンドを画像形成装置Aに送信する。すると、画像形成装置Aの許可受付部103が前記許可コマンドを受け付けるので、画像形成装置Aの制御部101は、記憶部105内の画像データを、選択された適合外サイズの用紙に形成させる。
【0114】
この構成によれば、適合サイズの用紙残量が少ないときに、適合外サイズの用紙が選択されたときには、記憶部105内の画像データを適合外サイズの用紙に形成させるので、管理装置Cの管理者が不在の場合でも、急ぎの画像データについては直ちに用紙に形成させることができるので、利便である。
【0115】
或いは、管理装置Cでは、許可部112は、通信端末装置Bより受信した文字メッセージMに、予め定められたキーワード(例えば“企画会議”、“社長”、“部長”)が含まれるか否かを判定し、含まれるときには、自動的に許可コマンドを画像形成装置Aに送信する。これにより、文字メッセージMの中に所定のキーワードがある場合には、記憶部105内の画像データの形成が自動的に許可されるので、管理者が不在の場合でも、急ぎの画像データについては直ちに用紙に形成させることができる。その結果、ユーザーにとっての利便性を向上させることができる。
【0116】
尚、本発明によれば、用紙の残量が設定残量以下となったときではなく、トナー残量が設定残量以下となったときに、受信した画像データを記憶部105に記憶させ、画像データの形成許可が得られたときに、記憶部105内の画像データを用紙に形成してもよい。
【0117】
また、画像形成装置Aが通信端末装置Bから画像データを取得したときにではなく、画像形成装置Aにおいて原稿読取部200により画像データが読み取られたとき、用紙残量が設定残量以下であれば、通知画像を画像形成装置Aにおいて表示するとともに、要求画像を管理装置Cに表示させ、管理装置Cにおいて許可が得られたときに、記憶部105内の画像データを形成してもよい。
【0118】
さらに、通信端末装置B及び管理装置Cを設けずに、画像形成装置Aをスタンドアロンで配置することにより、本発明を実施してもよい。この場合、許可操作部114を、第1許可操作部として画像形成装置Aに設ける。また、通知画像を、通信端末装置Bの表示部108に代えて、ユーザーインターフェース部100の表示部5に表示させる。許可操作部114は、例えば、ユーザーインターフェース部100の操作部18で構成する。
【0119】
この画像形成装置Aでは、制御部101は、画像データが原稿読取部200により得られたときに、判定部102により用紙の残量が設定残量以下と判定されたときには、得られた画像データを記憶部105に記憶させ、通知画像をユーザーインターフェース部100の表示部5に表示させる。
【0120】
そして、許可操作部114が前記許可のための操作を受け付けたときに、許可受付部103が前記許可を受け付ける。すると、制御部101が、記憶部105内の画像データを用紙に画像形成する。
【0121】
さらに、用紙残量が設定残量以下である際において、画像形成装置Aの制御部101は、記憶部105に画像データを記憶させた後、新たな画像データが通信端末装置Bから送信されたときには、記憶部105に記憶された画像データである既記憶データと、新たな画像データとの間で、属性データ及び内容のいずれかの同一性の有無を判定し、同一性を有すると判定したときには、既記憶データを消去し、新たに取得された画像データを、記憶部105に記憶させてもよい。
【0122】
ここにおいて、属性データとは、例えば、画像データのサイズ或いは作成日時を示す情報である。
【0123】
例えば、制御部101は、既記憶データと新たな画像データとの間でデータサイズや作成日時が一致するときに、既記憶データと新たな画像データとの間で属性データが同一性を有すると判定し、既記憶データを消去し、新たな画像データを記憶させる。或いは、制御部101は、既記憶データと新たな画像データとの間でデータ内容が一致するときに、既記憶データと新たな画像データとの間で内容が同一性を有すると判定し、既記憶データを消去し、新たな画像データを記憶させる。
【0124】
さらにまた、制御部101は、新たな画像データを取得したときに、当該新たな画像データの内容と既記憶データの内容との間で異なる部分がある場合には、異なる部分の、既記憶データの内容に対する割合が予め定められた設定値以下であれば、新たな画像データは既記憶データとの間に同一性を有すると判定してもよい。
【0125】
例えば、既記憶データのデータサイズと新たな画像データのデータサイズとがともに1Mバイトであり、1Mバイトのうち同一のデータの量が896Kバイト、異なるデータの量が128Kバイトのとき、異なる部分の割合は1/8となる。このとき、設定値としては、例えば、1/10を用いることができる。
【0126】
尚、異なる部分の量を割合で示す例を示したが、異なる部分の量は、異なる部分の絶対量(例えば、10バイト)でもよい。この場合、異なる部分の絶対量が、設定値(例えば11バイト)以下であれば、新たな画像データは既記憶データとの間に同一性を有すると判定する。
【0127】
さらにまた、制御部101は、記憶部105に複数の画像データが記憶されているとき、各画像データのうち最もデータ量の少ない画像データの形成を、他の画像データに優先して許可してもよい。例えば、制御部101は、適合外サイズの用紙が選択されたとき、或いは、文字メッセージMの中に所定のキーワードがあるときに、画像形成が要求されている画像データが、記憶部105内の複数の画像データの中で最もデータ量が少ないか否かを判断し、最もデータ量が少なければ、当該画像データの形成を自動許可する。
【符号の説明】
【0128】
S 画像形成システム
A 画像形成装置
B 通信端末装置
C 管理装置
M 文字メッセージ
N 通信ネットワーク
1 通信インターフェース
40 画像形成部
100 ユーザーインターフェース部
101 制御部
102 判定部
103 許可受付部
104 残量検出部
105 記憶部
106 制御部
108 表示部
109 入力受付部
112 許可部
113 表示部
114 許可操作部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表す画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得された画像データを用紙に形成する画像形成部と、
前記画像形成部における前記画像データの形成に用いられる消耗品の残量を検出する残量検出部と、
前記残量検出部によって検出された前記残量が予め設定された設定残量以下となったか否かを判定する判定部と、
前記画像取得部によって取得された画像データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成する許可を受け付ける許可受付部と、
前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記取得された画像データを前記記憶部に記憶させ、前記許可受付部によって前記許可が受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記消耗品として、複数サイズの用紙を備えており、
前記残量検出部は、前記各サイズの用紙の残量をそれぞれ検出し、
前記判定部は、前記残量検出部によって検出された、各サイズの用紙の残量が、前記設定残量以下となったか否かを判定し、
前記許可受付部は、前記画像取得部によって取得された画像データを、当該画像データに適合する適合サイズ以外のサイズである適合外サイズの用紙へ形成する指示を前記許可として受け付け、
前記制御部は、前記判定部によって、前記適合サイズの用紙の残量が前記設定残量以下となったと判定されたときに、前記適合外サイズの用紙の選択を促し、前記許可受付部によって、前記適合外サイズの用紙への画像形成の指示が前記許可として受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記適合外サイズの用紙へ形成させる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部に前記画像データを記憶させた後、前記画像取得部によって新たな画像データが取得されたとき、前記記憶された画像データである既記憶データと、前記新たな画像データとの同一性の有無を判定し、同一性を有すると判定したときには、前記既記憶データを消去し、前記新たな画像データを前記記憶部に記憶させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データには、当該画像データの属性を表す属性データが付加されており、
前記制御部は、前記画像データを前記記憶部に記憶させるときには、当該画像データに加えて、当該画像データに付加された前記属性データを当該画像データと対応させて前記記憶部に記憶させ、前記既記憶データの属性データと、前記新たな画像データの属性データとが同一性を有するとき、前記既記憶データと前記新たな画像データとが同一性を有すると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記既記憶データの内容と前記新たな画像データの内容との間での異なる部分の量が予め定められた設定値以下である場合、前記新たな画像データは前記既記憶データとの間に同一性を有すると判定する
ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記記憶部に複数の画像データが記憶されているとき、前記各画像データのうち最もデータ量の少ない画像データの形成を、他の画像データに優先して許可する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記消耗品が補充されて、前記判定部によって前記残量が前記設定残量を超えたと判定されたときに、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させる
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記消耗品が補充されるまで、前記画像データが画像形成されないことを通知するための通知画像を表示する第1表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記通知画像を前記第1表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記許可のための操作を受け付ける第1許可操作部をさらに備え、
前記許可受付部は、前記第1許可操作部により前記操作が受け付けられたとき、前記許可を受け付けることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記許可を行うための管理装置であって、前記許可のための操作を受け付ける第2許可操作部を有する管理装置が、通信ネットワークを介して接続されており、
前記許可受付部は、前記第2許可操作部が前記操作を受け付けたとき、前記許可を受け付ける
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記許可を行うための管理装置であって、前記許可を要求するための文字メッセージを受け付けるメッセージ受付部と、前記メッセージ受付部により受け付けられた前記文字メッセージの中に、予め定められたキーワードがあるか否かを判定し、前記キーワードがある場合には、前記許可を行う許可部と、を有する管理装置が、通信ネットワークを介して接続されており、
前記許可受付部は、前記許可部により前記許可が行われたとき、前記許可を受け付ける
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像取得部に前記画像データを送信する画像送信部と、前記消耗品が補充されるまで前記画像データが画像形成されないことを通知するための通知画像を表示する第2表示部と、を有する通信端末装置が、通信ネットワークを介して接続されており、
前記制御部は、前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記取得された画像データを前記記憶部に記憶させるとともに、前記通知画像を前記第2表示部に表示させ、前記許可受付部によって前記許可が受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させる
ことを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置と、前記許可を行うための管理装置とが、通信ネットワークを通じて接続されている
ことを特徴とする画像形成システム。
【請求項14】
前記管理装置は、前記許可のための操作を受け付ける第2許可操作部を備え、
前記画像形成装置の前記許可受付部は、前記第2許可受付部により前記操作が受け付けられたとき、前記許可を受け付ける
ことを特徴とする請求項13に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記管理装置は、
前記許可を要求するための文字メッセージを受け付けるメッセージ受付部と、
前記メッセージ受付部によって受け付けられた前記文字メッセージを表示するメッセージ表示部と、を備える
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成システム。
【請求項16】
前記管理装置は、
前記許可を要求するための文字メッセージを受け付けるメッセージ受付部と、
前記メッセージ受付部によって受け付けられた前記文字メッセージの中に、予め定められたキーワードがあるか否かを判定し、前記キーワードがある場合には、前記許可を行う許可部と、を備え、
前記画像形成装置の前記許可受付部は、前記許可部により前記許可が行われたとき、前記許可を受け付ける
ことを特徴とする請求項13又は14に記載の画像形成システム。
【請求項17】
前記通信ネットワークには、通信端末装置がさらに接続されており、
前記通信端末装置は、前記文字メッセージの入力を受け付ける入力受付部を備え、
前記管理装置の前記メッセージ受付部は、前記入力受付部により入力が受け付けられた前記文字メッセージを受け付ける
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の画像形成システム。
【請求項18】
前記通信ネットワークには、通信端末装置がさらに接続されており、
前記通信端末装置は、前記画像形成装置の前記画像取得部に前記画像データを送信する画像送信部と、前記消耗品が補充されるまで前記画像データが画像形成されないことを通知するための通知画像を表示する第2表示部と、を備え、
前記画像形成装置の制御部は、前記判定部によって前記残量が前記設定残量以下となったと判定され、且つ前記画像取得部によって前記画像データが取得されたとき、前記取得された画像データを前記記憶部に記憶させるとともに、前記通知画像を前記第2表示部に表示させ、前記許可受付部によって前記許可が受け付けられたとき、前記記憶部に記憶された画像データを前記画像形成部によって形成させる
ことを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の画像形成システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−245768(P2012−245768A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121730(P2011−121730)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】