画像形成装置、画像形成装置にカートリッジを装着する方法
【課題】 プロセスカートリッジを画像形成装置に装着した状態で運搬する際に、プロセスカートリッジを画像形成装置本体と離間させる構成を、簡易かつユーザーの操作性が高い構成にて提供する。
【解決手段】 本体カップリング40aを移動させるリンク部材44が開閉部材5と連結されない状態で、カートリッジ2が開口部7から装置本体1に装着されると、カートリッジ2は係合位置に位置する本体カップリング40aと当接して装着方向への移動が規制され、装着方向において稼働位置20よりも上流側にある退避位置31にて位置決めされた状態となり、この状態で開閉部材5が開位置から閉位置に移動することで、リンク部材44が開閉部材5と連結する。
【解決手段】 本体カップリング40aを移動させるリンク部材44が開閉部材5と連結されない状態で、カートリッジ2が開口部7から装置本体1に装着されると、カートリッジ2は係合位置に位置する本体カップリング40aと当接して装着方向への移動が規制され、装着方向において稼働位置20よりも上流側にある退避位置31にて位置決めされた状態となり、この状態で開閉部材5が開位置から閉位置に移動することで、リンク部材44が開閉部材5と連結する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体に画像を形成する画像形成装置および、この画像形成装置にカートリッジを装着する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、感光体ドラム及び感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。プロセスカートリッジ方式の画像形成装置において、プロセスカートリッジを画像形成装置本体(以下、装置本体と呼ぶ)の内部に装着したまま梱包し、輸送する方法をとることがある。この梱包形態は、プロセスカートリッジを装置本体とは別に梱包する場合と比較して、梱包箱の体積を小さく抑えることができる。また梱包材量の削減が可能となる。
【0003】
ここでプロセスカートリッジを装置本体に装着したまま梱包し輸送すると、例えばプロセスカートリッジの感光体ドラムが装置本体の転写ローラと接触したり、プロセスカートリッジの電気接点が装置本体の電気接点と接触したりする場合がある。画像形成装置の運搬時に生じる衝撃などにより、これらプロセスカートリッジと、装置本体の接触部が傷つく可能性がある。
【0004】
そこで従来、画像形成装置の運搬時には、プロセスカートリッジに離間部材を設けて、プロセスカートリッジと装置本体の接触部を離間させる対策が取られていた。
【0005】
また、特許文献1には、画像形成装置の輸送の際にプロセスカートリッジを画像形成時に装着する位置とは異なる位置に保持するための第2の装着手段を設けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−104637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、プロセスカートリッジに離間部材を設けると、ユーザーは画像形成装置を使用する際に、離間部材を取り外す必要あった。また、特許文献1に記載される構成によって、プロセスカートリッジと装置本体の接触部を離間させるためには、装着手段を複数設ける必要があって画像形成装置本体の構成が複雑になる。また、画像形成装置の運搬時にプロセスカートリッジを収容する空間を画像形成装置本体内部に別途設ける必要があることから画像形成装置が大型化する。
【0008】
本発明は、カートリッジを装着した状態で運搬可能な画像形成装置を、簡易且つ、ユーザーの操作性が高い構成によって提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、前記装置本体に取り外し可能に装着されるカートリッジと、前記カートリッジを装着するための開口部と、前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記装置本体と当接して、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置させた状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを可能とする当接部と、を備え、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記カートリッジが前記開口部から前記装置本体に装着されると、前記カートリッジは前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接して前記装着方向への移動が規制され、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側にある退避位置にて位置決めされた状態となり、この状態で前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動することで、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また上記目的を達成するための本発明に係る代表的な方法は、画像形成装置にカートリッジを装着する方法において、前記カートリッジは、画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、前記画像形成装置は、前記カートリッジを装着するための開口部と、前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、を有し、前記方法は、前記リンク部材と前記開閉部材を連結させないことで、前記リンク部材に設けられた当接部を前記装置本体の枠体に当接させて、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めした状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結可能にする、本体カップリング位置決め工程と、前記カートリッジを前記開口部から前記装置本体に挿入し、前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接させて、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側に位置する退避位置に位置決めする、前記本体カップリング位置決め工程に続くカートリッジ位置決め工程と、前記開閉部材を開位置から閉位置に移動することで、前記リンク部材と前記開閉部材を連結する、前記カートリッジ位置決め工程に続く連結工程と、を備えたことを特徴とする画像形成装置にカートリッジを装着する方法である。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本出願に係る発明によれば、カートリッジを装着した状態で運搬可能な画像形成装置を、簡易且つ、ユーザーの操作性が高い構成によって提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の内部構造の概略図
【図2】実施例1に係る画像形成装置の斜視図
【図3】実施例1に係る画像形成装置本体内の左右のガイド部材の断面図
【図4】実施例1に係るプロセスカートリッジの左右側面図
【図5】実施例1に係る駆動連結機構の分解斜視図
【図6】実施例1に係るドア開閉動作の説明図
【図7】実施例1に係る駆動連結機構の説明図
【図8】実施例1に係るリンクアームとドアの詳細説明図
【図9】実施例1に係るスナップフィット部の断面図
【図10】実施例1に係るプロセスカートリッジの退避位置の説明図
【図11】実施例1に係る画像形成装置の組立時の斜視図
【図12】実施例2に係るリンクアームとドアの詳細説明図
【図13】実施例2に係る磁石接続部の断面図
【図14】実施例2に係るドア開閉動作の説明図
【図15】実施例3に係る画像形成装置の組立時の斜視図
【図16】実施例3に係るプロセスカートリッジの左右側面図
【図17】実施例3に係る画像形成装置の断面図
【図18】固定部材の説明図
【図19】アーム側磁石ユニットとリンクアームの結合を説明する説明図
【図20】実施例1に係るプロセスカートリッジの断面図
【図21】実施例4に係るプロセスカートリッジの断面図
【図22】実施例4に係るプロセスカートリッジの模式図
【図23】実施例4に係るガイドレールの断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0014】
<実施例1>
[画像形成装置]
本実施例に係る画像形成装置について、図1、図2を用いて説明する。図1は本実施例に係る画像形成装置の内部構造の概略図であり、図2は本実施例に係る画像形成装置の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置100は、電子写真方式により記録媒体Sに画像を記録するレーザビームプリンタである。画像形成装置100は概略次のような構成、作用により画像を形成する。1は画像形成装置本体、2は画像形成装置本体1内に対して着脱自在のプロセスカートリッジである。そして、画像形成装置本体(以下、装置本体と呼ぶ)1の上面にはドア5が、装置本体1の枠体(以下、装置枠体とよぶ)6に、回動中心Aを中心として回動可能に配置されている。
【0016】
ドア5は閉じられた状態(閉位置にある状態)では、ドア5に設けられた突き当て部5dを、装置枠体6に突き当てることで、装置枠体6に支持される。また図2に示すように開かれた状態(開位置にある状態)では、装置本体1の開口部7を開放することができる。開口部7からプロセスカートリッジ(以下、カートリッジと呼ぶ)2が装置本体1内に着脱される。すなわち、ドア5は、カートリッジ2を装着するための開口部7を開閉するための開閉部材であって、開口部7を覆う閉位置と、開口部7を開放する開位置とを移動可能である。
【0017】
画像形成時には、図1に示されるようにカートリッジ2が装置本体1内の所定の稼働位置30(画像形成が可能な位置)に位置決めされる。給紙トレイ80に積載された記録媒体Sは、ホストコンピュータ(図示せず)からのプリント信号に基づいて、給紙ローラ81と用紙分離手段82とにより一枚ずつ分離されて給送される。分離された記録媒体Sは、搬送ローラ対83により、転写部84に搬送される。転写部84は、カートリッジ2と転写ローラ85等を備えている。カートリッジ2は、像担持体である電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラム)20および、像担持体に作用するプロセス手段によって構成される。
【0018】
レーザスキャナユニット86から画像情報に基づくレーザー光Lが感光体ドラム20に照射され、感光体ドラム20上に静電潜像が形成される。なおレーザスキャナユニット86は、多面体ミラー87、多面体ミラー回転用モータ、レーザユニット等がユニット化されて構成されている。
【0019】
感光体ドラム20に形成された静電潜像はカートリッジ2に設けられた現像手段により現像剤としてのトナーにより現像される。この現像されたトナー像(現像剤像)は転写ローラ85により、感光体ドラム20上から記録媒体Sに転写される。トナー像が転写された記録媒体Sは定着フィルム89と、この定着フィルム89に圧接された加圧ローラ90とから構成される定着ユニット88に搬送される。ここで転写されたトナー像が記録媒体Sに加熱定着される。トナー像が定着された記録媒体Sは、排紙ローラ対91により搬送され、装置本体1の上方部の排紙積載部92に排出される。排紙積載部92は、ドア5の上面に設けられている。
【0020】
[カートリッジ]
次に、装置本体1に着脱されるカートリッジ2の構成について図20を用いて説明する。図20は、カートリッジ2の概略断面図である。
【0021】
カートリッジ2は、前述したように、像担持体である感光体ドラム20と、感光体ドラム20に作用するプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段としては、例えば感光体ドラム20を帯電させる帯電手段、感光体ドラム20に形成された潜像を現像する現像手段、電子写真感光体表面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニング手段等がある。
【0022】
本実施形態のカートリッジ2は、図20に示すように、現像手段である現像ユニット10と、クリーニング手段であるクリーニングユニット11が結合することによって構成される。クリーニングユニット11は、さらに感光体ドラム20および、帯電手段である帯電ローラ8を備える。
【0023】
画像形成時には、感光体ドラム20の表面を感光体ドラム20に当接し従動回転する帯電ローラ8によって一様に帯電する。この帯電した感光体ドラム20にレーザスキャナユニット86(図1参照)から、レーザー光Lを照射して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像ユニット10によって現像する。
【0024】
現像ユニット10は、現像剤収納部であるトナー収納容器10aに収納されたトナーを、回転するトナー送り部材10bでトナー収納容器10aから、現像部である現像容器10i内へ送り出す。その後、固定磁石10cを内蔵した現像ローラ10dの表面に、現像ブレード10eによって摩擦帯電したトナーでトナー層を形成する。ここで、現像ローラ10dは、トナー(現像剤)を担持する現像剤担持体であって、現像容器10iに回転可能に支持される。この現像ローラ10dは感光体ドラム20に押圧されている。
【0025】
現像ローラ10dの両端部には、現像ローラ10dと同心円状のリングであるスペーサ10mが設けてある。このスペーサ10mが感光体ドラム20に当接することで現像ローラ10dの表面とスペーサ10mの表面の間には一定の微小間隔が設けられる。現像ローラ10dの表面に形成されたトナー層を、感光体ドラム20に形成された静電潜像に転移させることによって、静電潜像をトナー像として現像する。
【0026】
感光体ドラム20に形成されたトナー像は、前述したように記録媒体Sに転写される。記録媒体Sにトナー像を転写した後、感光体ドラム20に残留したトナーは、クリーニングユニット11に設けられたクリーニングブレード11aによって掻き落とされると共に、スクイシート13aによってすくい取られ、除去トナー収納部13bへ集められる。
【0027】
[カートリッジの着脱機構]
次に、カートリッジ2の着脱機構について図3と図4を用いて説明する。図3は画像形成装置本体内部に設けられたガイド部材の断面図であり、図4はカートリッジの左右側面図である。
【0028】
図4に示すように、カートリッジ2を装置本体1に装着する方向にみて、カートリッジ2の右側にボス21cが設けられ、左側にボス21a、21bが設けられている。このボス21a、21b、21cによりカートリッジ2は装置本体1内で位置決めされている。ボス21a、21bは、感光体ドラム20と同軸上にあって、カートリッジ2が装置本体1に装着された際には、装置本体1に対する感光体ドラム20の位置はボス21a、21bによって決まる。図2、図3に示すように、カートリッジ2を装着する装着方向を見て、開口部7内部の左側と右側には、それぞれ対向させて配設したガイド部材60、61が設けられている。図3(a)は右側に設けられたガイド部材60の断面図であり、図3(b)は左側に設けられたガイド部材61の断面図である。
【0029】
ガイド部材60、61はカートリッジ2を稼働位置に案内する。ガイド部材60には、ガイドレール60a、60bが設けられており、ガイド部材61には、ガイドレール61aが設けられている。ガイドレール60a、60bは、カートリッジ2を装置本体1に着脱する際に、それぞれボス21a、21cをガイドする。またガイドレール61aは、カートリッジ2のボス21bをガイドする。
【0030】
カートリッジ2を装置本体1に装着する際には、図2に示すように、まず装置本体1のドア5を、回動中心A周りに上方へ開いて、装置本体1の上面の開口部7を開放する。そして、カートリッジ2を手で掴んで持ち、カートリッジ2を開口部7から装置本体1内に差し入れる。そして、ボス21a、21b、21cをそれぞれガイドレール60a、61a、60bに沿わせて、カートリッジ2の先端を装置本体1に挿入する。更にカートリッジ2を押し込むと、カートリッジ2のボス21c、21bが、それぞれガイドレール60b、61aの終端である突き当て部60c、61b(図3参照)に突き当たる。またカートリッジのボス21aがガイドレール60aの終端に形成されたカップリング軸受42の突き当て部42d(図3参照)に突き当たる。これによってカートリッジ2の装置本体1への装着が完了し、カートリッジが装置本体1において画像形成が可能な位置、すなわち稼働位置30に位置決めされた状態となる。なお、カップリング軸受42および突き当て部42dについては後ほど詳細に説明する。
【0031】
カートリッジ2が稼働位置30に位置決めされた装着状態において、感光体ドラム20と転写ローラ85が接触する(図1参照)。また、カートリッジ2側の電気接点(図示せず)が装置本体1側の電気接点(図示せず)と対向接触し、装置本体1側から帯電手段への電圧供給等がなされる。
このように、カートリッジ2が稼働位置30に装着されることで、感光体ドラム20と転写ローラ85など、カートリッジ2と装置本体1の各部が接触した状態となる。
【0032】
装置本体1に装着されたカートリッジ2を取り出す際は上記の装着手順とは逆の手順となる。
【0033】
[カップリング手段]
次に、装置本体1からカートリッジ2に駆動力を伝達するカップリング手段および、このカップリング手段を連結、解除するカップリング連結機構について図5から図8を用いて説明する。図5は本実施例に係るカップリング連結機構の分解斜視図である。図6は本実施例に係るドア開閉動作の説明図である。図7は本実施例に係るカップリング連結機構の説明図である。図8は本実施例に係るリンクアームとドアの詳細説明図である。
【0034】
カートリッジ2の駆動力は、装置本体1に設けられた駆動源としてのモータ(図示せず)からギヤ列(図示せず)を介して、カップリングギア40(図5参照)に伝えられる。このカップリングギア40の回転を、カートリッジ2の感光体ドラム20に伝えることによって、装置本体1の駆動力が、カートリッジ2に伝達される。この駆動力を伝達する手段として、カップリング手段が用いられる。以下、詳しく説明する。
【0035】
装置本体1には、カートリッジ2に駆動力を伝えるカップリング手段として、断面形状が正3角形のねじれた凹部を持つ本体カップリング40aが、カップリングギア40に設けられている。本体カップリング40aは上記凹部の中心が、カップリングギア40aの回転軸線上になるよう構成されている。
【0036】
一方、カートリッジ2のカップリング手段として、感光体ドラム20の長手方向(軸線方向)における一端側に、ドラムカップリング22が設けられている。ドラムカップリング22は、本体カップリング40aと連結して、装置本体1からの駆動力をカートリッジ2に伝えるカートリッジカップリングである。ドラムカップリング22は、断面形状が正3角形をしている、ねじれた凸部として形成される。ドラムカップリング22は、ボス21aの内側にあり(図4参照)、上記凸部の中心が感光体ドラム20の回転軸と同軸になるよう形成されている。
【0037】
ここで本体カップリング40aは、後述するカップリング連結手段によって、感光体ドラム20の長手方向に移動可能に設けられており、凸部であるドラムカップリング22に、本体カップリング40aの凹部を係合することが可能である。本体カップリング40aがドラムカップリング22に係合することで、本体カップリング40aは装置本体1の駆動力をカートリッジ2に伝達可能になる。つまり本体カップリング40aとドラムカップリング22が係合した状態で、カップリングギア40が回転するとドラムカップリング22を介して感光体ドラム20に回転力が伝わり、感光体ドラム20が回転する。
【0038】
さらに、ドラムカップリング22が本体カップリング40aと係合することで、感光体ドラム20は、装置本体1内にて位置決めされる。
【0039】
カップリング連結手段は、本体カップリング40aを感光体ドラム20の長手方向に移動させることで、カップリング手段の連結と解除を行う。カップリング連結手段は、装置本体1に設けられたカップリング軸受42と、カップリングカム41、リンクアーム44、ドア5等によって形成される。以下、カップリング連結手段の構成について詳細に説明する。
【0040】
カップリング軸受42は、装置本体1のガイドレール60aの終端に設けられた円筒状の部材である。カップリング軸受42の内周部42aは、本体カップリング40aの外周部40cと嵌合し、カップリングギア40を装置枠体6に回転可能に支持している。
【0041】
カップリング軸受42は、カップリングギア40の回転軸方向(図5(b)の矢印Pで示す方向)において感光体ドラム20と向き合う側の面に、円弧状の突起である突き当て部42dを有する。この突き当て部42dは、前述したようにカートリッジ2が装着された際に、カートリッジ2のボス21a(図4参照)と接触して、カートリッジ2を稼働位置30(図1参照)にて支持する。また、カップリング軸受42の外周部42b上には、カム面42cが設けられている。カム面42cは、矢印P方向において、カップリングギア40が設けられた側を向いている。カム面42cは、矢印P方向に略垂直な平面であるフラット部42c1と、フラット部に対して傾斜している斜面部42c2を有している。
【0042】
カップリング軸受42と、カップリングギア40の間には、円筒形のカップリングカム41が設けられている。カップリングカム41は、カップリング軸受42の外周部42bに回転可能に嵌合しており、カム面42cと当接するカム面41aを持つ。カム面41には、矢印P方向に対して略垂直なフラット部41a1と、フラット部41a1に対して傾斜している斜面部41a2が設けられる。カップリングカム41は回転すると、カム面41aの作用によって、カップリングギア40を回転軸方向(矢印P方向)に移動させる。このカム面41aの作用については、後述する。
【0043】
なお、装置本体1には、カップリングギア40を矢印P方向に押圧するカップリングバネ43が配置されている。カップリングバネ43の押圧力により、カップリングギア40に設けられたリブ40bとカップリングカム41の円周リブ41cが接触している。
【0044】
また、カップリングカム41はその円周方向外側に延びる円周リブ41cを有し、円周リブ41cの端部にボス41bが設けられている。図6に示すように、このボス41bによって、カップリングカム41は、リンクアーム44と連結している。リンクアーム44はドア5とも連結しており、ドア5の開閉に応じてカップリングカム41を回転させる働きをする。
【0045】
図8に示すように、リンクアーム44の一方の先端部には、カップリングカム41のボス41bと嵌合する丸穴44aが設けられている。他方の先端部44bにはスナップフィット部44eが設けられている。スナップフィット部44eは、ドア5に設けられた角穴5aと連結する連結部である。スナップフィット部44eが、被連結部であるドア5の角穴5aと連結することで、ドア5とリンクアーム44は連結する。
【0046】
このようにリンクアーム44は、カップリングカム41のボス41bとドア5の角穴5aを連結するリンク部材であって、4節リンクを構成している。
【0047】
図6(a)に示すようにドア5が開かれると、リンクアーム44がドア5によって持ち上げられる。なお、このときのリンクアーム44の位置を以下の説明において第1の位置と呼ぶ。
【0048】
リンクアーム44が第1の位置にあるとき、本体カップリング40aは図7(c)に示す状態になっている。つまり、カップリングカム41のフラット部41a1がカップリング軸受42のフラット部42c1に接触することで、カップリングカム41はカップリングギア40に近づく方向に移動した状態となる。その結果、カップリングギア40は、カップリングカム41に押圧されて本体カップリング40aがカップリング軸受42の内周部42aの内部に収まる位置まで移動した状態となる。そのため、カートリッジ2が装置本体1に装着されても、本体カップリング40aはドラムカップリング22と接触せず、カップリング手段の連結は解除された状態となる。つまり、ドア5が開位置に位置すると、リンクアーム44が第1の位置に位置することで、本体カップリング40aは、ドラムカップリング22から離間する位置(以下、離間位置とよぶ)に位置することになる。
【0049】
なお本体カップリング40aが離間位置にあるとき、本体カップリング40aはカートリッジ2が着脱される際のボス21aの移動軌跡からは退避した状態になる。
【0050】
ドア5を閉じていくと、リンクアーム44がドア5の動きと連動して、第1の位置から下方に動く。このときリンクアーム44はカップリングカム41を、図6(a)において時計回りに回転させる。すると図7(b)に示すように、カップリングカム41の斜面部41a2がカップリング軸受42の斜面部42c2と接触することで、カップリングカム41が矢印P方向に移動する。そのため、カップリングギア40も、カップリングバネ43(図5(b)参照)の押圧力によって矢印P方向に動き、本体カップリング40aをカップリング軸受42の内周部42aから突出させていく。
【0051】
図6(b)に示すようにドア5を完全に閉じた状態では、カップリングギア40、カップリングカム41は、図7(a)に示す状態になっている。つまり、カップリングカム41の円周リブ41cがカップリング軸受42のフラット部42c1と接触する。その結果、カップリングギア40は、本体カップリング40aの全体をカップリング軸受42の内周部42aから突出させる位置に移動する。カップリング軸受42から突出した本体カップリング40aはドラムカップリング22と係合し、カップリング手段は連結状態になる。
【0052】
つまり、ドア5が閉位置に移動すると、リンクアーム44は、本体カップリング40aをドラムカップリング22と係合可能となる位置(以下、係合位置とよぶ)に移動させる。本体カップリング40aを係合位置に位置させるときのリンクアーム44の位置を、以降の説明において第2の位置と呼ぶ。
【0053】
本体カップリング40aが係合位置にあるとき、本体カップリング40aはカートリッジ2のボス21aの移動軌跡と一部重なる位置にある。
【0054】
カップリング手段を解除する動作は、上記の連結の場合と逆の手順となる。すなわちドア5を閉位置から開位置に移動させることで、リンクアーム44は第2の位置から第1の位置に移動し、カップリングカム41を反時計回りに回転させる。これにより本体カップリング40aはドラムカップリング22から離間される離間位置に移動する。
【0055】
次に、リンクアーム44とドア5の角穴5aの連結方法について図9から図11を用いて説明する。図9はリンクアーム44の先端部44bの断面図である。図10はカートリッジの退避位置の説明図である。図11は画像形成装置の組立時の斜視図である。
【0056】
図9はドア5が閉じた状態を表している。図8、図9に示すように、リンクアーム44の先端部44bは、ドア5が閉じた状態のときに装置本体1の枠体(以下、装置枠体)6と当接するリブ状の当接部(以下、枠体当接リブ)44cを有する。さらに先端部44bは、枠体当接部リブ44cよりも上方に位置し、ドア5を開いた状態のときにドア5と当接するリブ状の当接部(以下、ドア当接リブ)44dと、スナップフィットを形成するスナップフィット部44eを有する。
【0057】
リンクアーム44がドア5と分離している状態では、枠体当接リブ44cが装置枠体6と当接することにより、リンクアーム44は第2の位置にて装置枠体6に支持されている(図11参照)。このとき、本体カップリング40aは係合位置に位置しており、カップリング軸受42の内周部42aから完全に飛び出している。ここで、枠体当接リブ44cがリンクアーム44を装置枠体6に支持することによって、ドア5が開位置から閉位置に移動した際に、リンクアーム44はドア5と連結可能になる。
【0058】
リンクアーム44のスナップフィット部44eには矢印Dで示すドア5の開閉方向(移動方向)に沿って、溝44gが形成されているため、ドアの開閉方向Dと交差する方向(矢印Mで示される方向)に撓むことができる。そのためドア5が閉じられると、枠体当接リブ44cによって装置枠体6に支持されたリンクアーム44は、スナップフィット部44eをドア5に設けられた角穴5aを貫通させることができる。この結果、スナップフィット部44eが角穴5aと連結し、リンクアーム44はドア5と連結することができる。なお、本実施例ではリンクアーム44にスナップフィット部44eを設けたが、ドア5にスナップフィットを設け、リンクアーム44に前記スナップフィットと連結する開口等を形成することも可能である。
【0059】
ドア5の開閉動作によるリンクアーム44の先端部44bの動きについて、図9を用いて説明する。ドアを閉じた状態から開くと、まずスナップフィット部44eの突起部の底面44fとドア5の上面5bが接触する。それからドア5がリンクアーム44を引っ張り上げていく。リンクアーム44を引っ張り上げることにより、本体カップリング40aは離間位置に移動し、上述したようにカップリング手段(本体カップリング40aとドラムカップリング22)の連結は解除される。
【0060】
逆に、ドア5を開いた状態から閉じていくと、ドア5の下面5cと、リンクアーム44のドア当接リブ44dが接触する。これによりドア5がリンクアーム44を押し下げていく。リンクアーム44を押し下げることにより、上述したようにリンクアームは第2の位置に移動し本体カップリング40aとドラムカップリング22は連結される。
【0061】
ここで、ドア5を完全に閉じた状態(ドア5が閉位置に位置する状態)において、ドア5の下面5cと、ドア当接リブ44dの間には隙間Xを設けてある必要がある。さらに、ドア5の上面5bとスナップフィット部44eの底面44fの間には隙間Yが設けてある必要がある。
【0062】
これはドア5やリンクアーム44を始めとした装置本体1の部品は、部品成形・加工上の理由などで形状・寸法に誤差が生じるためである。この誤差によって、スナップフィット部44eと、角穴5aの位置が、設計時に狙った位置からずれた場合であっても、本実施例によればその位置のずれを隙間Xと、隙間Yにて吸収することが可能である。
【0063】
ドア5の下面5cと、ドア当接リブ44dの間に隙間Xが生じることによって、枠体当接リブ44cが装置枠体6と当接した際に、ドア5を確実に閉めることができる。つまりドア5の下面5cがドア当接リブ44dに突き当たることで、ドア5が浮き上がることがない。
【0064】
またドア5の上面5bとスナップフィット部44eの底面44fの間に隙間Yを設けることで、ドア5を閉じたとき、余裕をもってスナップフィット部44eをドアの角穴5aに係合できる。つまりリンクアーム44とドア5とを連結させるときに、スナップフィット部44eが確実に角穴5aを貫通する。
【0065】
隙間X、隙間Yの大きさは装置本体1の各部品に生じる形状誤差や寸法誤差によって変化する。本実施例では、上記誤差によって隙間X、隙間Yの大きさが最小になった場合であっても、それぞれがゼロにならないようにしている。
【0066】
一方、ドア5とリンクアーム44の連結部に隙間X、隙間Yを設けたことで、この隙間の分だけ、ドア5はリンクアーム44に対して移動可能になる。すなわちドア5の移動に対するリンクアーム44の移動量が小さくなる。そのため本実施例では、誤差によって隙間X、隙間Yが最も大きくなる場合においても、ドア5の移動によってリンクアーム44が、本体カップリング40aを確実に係合位置と離間位置の両方に位置決めすることが可能にしている。
【0067】
つまり、隙間Yの大きさが最大となり、リンクアーム44の移動量が減っても、ドア5が開いた状態では、リンクアーム44を第1の位置(図6(a)参照)に位置させることで、本体カップリング40aを離間位置に動かすようにしている。
【0068】
また、隙間Xの大きさが最大となりリンクアーム44の移動量が減っても、ドア5が閉じた状態では、リンクアームを第2の位置(図6(b)参照)に位置させることで、本体カップリング40aを係合位置に動かすようにしている。
【0069】
[カートリッジの装着、梱包方法]
次に、カートリッジ2を装置本体1内に装着したまま梱包し、輸送する方法について説明する。
【0070】
(1)本体カップリング位置決め工程
装置本体1を組み立てるときに、ドア5とリンクアーム44の連結部以外はすべて組み立てた状態にする一方、ドア5とリンクアーム44は分離した状態とする。つまり、スナップフィット部44eをドア5の角穴5aから外れた状態とする。この状態で、ドア5は開いた状態で保持しておく。このときリンクアーム44は図11のように、枠体当接リブ44cが装置枠体6と接触することで、装置枠体6に支持され第2の位置にいる状態になる。この状態でリンクアーム44は、本体カップリング40aを係合位置に位置決めする。すなわち本体カップリング40aはカップリング軸受42の内周部42aから完全に飛び出しており、カートリッジ2のボス21aの着脱軌跡と一部重なる位置にある。
【0071】
(2)カートリッジ位置決め工程
本体カップリング40aが係合位置に位置決めされた状態で、上で述べたようにカートリッジ2を装置本体1に装着する。つまり、ボス21a、21b、21cをそれぞれガイドレール60a、61a、60bに沿わせて、カートリッジ2を装置本体1の開口部7に挿入する。カートリッジ2を装置本体1に押し込んでいくと、図10で示すように、カートリッジ2のボス21aが、ガイドレール60aに飛び出している本体カップリング40aの外周部40cに接触して止まる。すなわち、本体カップリング40aはカートリッジ2の装着方向と交差する方向に突出することで、装置本体1に装着されるカートリッジ2と干渉する状態となる。このとき、カートリッジ2が、装置本体1内の所定の退避位置31に位置決めされた状態となる。
【0072】
(3)開閉部材(ドア)連結工程
次に、ドア5を閉じると、上で述べたように、リンクアーム44の先端部44bに設けたスナップフィット部44eが、ドア5の角穴5aと連結し、リンクアーム44とドア5は連結する。すなわち、リンクアーム44のスナップフィット部44eを、ドア5に覆われる位置に設けることで、ドア5が閉じる動作によってリンクアーム44はドア5と連結を行うことができる。
【0073】
なおカートリッジ2が運搬時に位置決めされる退避位置31は、図10に示すようにカートリッジ2が開口部7(図2参照)から稼働位置30(図1参照)に移動する、カートリッジ2の装着方向(矢印Iで示す方向)において、稼働位置30よりも上流側にある。退避位置31に位置するカートリッジ2は感光体ドラム20を、転写ローラ85と離間させるなど、カートリッジ2の各部を装置本体1とは接触させない状態を保つことができる。この状態で、画像形成装置100を梱包し輸送する。
【0074】
なおユーザーがドア5を開閉する際に、スナップフィット部44eと、角穴5aの連結が外れないように、図18に示すように両者を固定する固定部材を設けてもよい。図18は、リンクアーム44とドア5を連結した後、スナップフィット部44eに設けられた溝44gに、固定部材45を挿入した状態を示した。固定部材45は、スナップフィット部44eが図9に示した矢印M方向に撓むことを抑制することで、スナップフィット部44eと角穴5aが連結した状態を保っている。
【0075】
画像形成装置100を開梱し使用する場合は、装置本体1のドア5を開く。ドア5を開くと、リンクアーム44を介して、カートリッジ2を退避位置31に位置決めしていた本体カップリング40aは、カートリッジ2を着脱するボス21aの軌跡から退避した位置(離間位置)に移動する。そのため、カートリッジ2は稼働位置30に移動することができ、カートリッジ2と装置本体1の離間状態は解除できる。
【0076】
カートリッジ2を稼働位置30まで押し込み、ドア5を閉じると画像形成装置100は使用可能な状態となる。
【0077】
以上説明したように、装置本体1に設けた本体カップリング40aによってカートリッジを退避位置31に支持するので、離間部材を別途設ける必要がなくなる。ユーザーが離間部材を取り外す必要がないので、ユーザーが画像形成装置100を使う際に必要な作業が減ることになる。
【0078】
また、画像形成装置100を運搬時に、カートリッジ2が位置する退避位置31は、装置本体1の開口部7と稼働位置30の間にある。運搬時に、カートリッジ2を保持するスペースを別途設けた場合と異なり、装置本体1が大型化することを抑制できる。
【0079】
また、ドア5とリンクアーム44の連結と、カートリッジ2の梱包を同時に行うことができるので、画像形成装置100の組み立て性が向上する。
【0080】
<実施例2>
図12は本実施例に係るリンクアームとドアの詳細説明図である。図13は本実施例に係る磁石接続部の断面図である。図14は本実施例に係るドア開閉動作の説明図である。ここではその特徴的な部分だけを示し、その他の構成および作用については実施例1と同一なので、その説明は省略する。
【0081】
本実施例においては、リンクアーム144とドア105の連結に永久磁石を用いる。ここでドア105は、実施例1のドア5と同様に装置本体1の開口部7を開閉する開閉部材である。リンクアーム144は実施例1のリンクアーム44と同様に、開閉部材(ドア105)と本体カップリング40aを連動させるためのリンク部材である。
【0082】
図12に示すように、ドア105には、ボス105aが設けられている。ボス105aには、ボス105aに対し回動可能なドア側磁石ユニット110が取り付けられている。ドア側磁石ユニット110には永久磁石110aが設けられており、ドア側磁石ユニット110がドア105のボス105aに取り付けられた状態では、ドア側磁石ユニット110の自重により、永久磁石110aが常に鉛直下側を向くように構成されている。
【0083】
リンクアーム144は一方の端部にカップリングカム141のボス141b(図14参照)と嵌合する丸穴144aが設けられ、他端にはアーム側磁石ユニット144bが設けられている。アーム側磁石ユニット144bには、永久磁石144dと、画像形成装置の枠体106(図13参照)と接触する枠体当接リブ144cが設けられている。
【0084】
なお後述するように、リンクアーム144に設けられたアーム側磁石ユニット144bは、永久磁石144dを有することで、永久磁石110aを有するドア側磁石ユニット110と連結する係合部である。またドア105に設けられたドア側磁石ユニット110は、アーム側磁石ユニット144dに連結される被連結部である。
【0085】
図13は、ドア105とリンクアーム144が連結する前の、ドア105が閉じた状態を表している。リンクアーム144は枠体当接リブ144cが枠体106と当接することにより、本体カップリングを係合位置に位置決めする第2の位置にて枠体106に支持されている。
【0086】
ドア105とリンクアーム144を連結させるためには、ドア105を開いた状態から、図13に示すように閉じる。ここで、永久磁石144dを有するアーム側磁石ユニット144bは、ドア105が閉じられる際に、ドア105に覆われる位置であって、永久磁石144dが永久磁石110aと対向する位置に配置される。すなわちドア105が閉じられると、永久磁石110aと永久磁石144dは、隙間Zを空けて向き合うように配置される。ここで永久磁石110aの下面と、永久磁石144dの上面は磁力によりお互いが引き合うように、N極とS極とが対になっている。そのため、永久磁石110aと永久磁石144dが向き合うと、永久磁石144dが磁力により永久磁石110aに引きつけられ、隙間Zの大きさだけリンクアーム144がドア105側に持ち上げられる。これにより永久磁石144dは永久磁石110aと接触し、ドア105とリンクアーム144は連結する。
【0087】
ドア105やリンクアーム144を始めとした部品において、部品成形・加工上の理由などで形状・寸法に誤差が生じる場合があるが、永久磁石110aと永久磁石114dの間に隙間Zを設けることによって、この誤差を吸収することが可能である。つまり、ドア105が閉まりきる前に、ドア105側の永久磁石111aが、リンクアーム144側の永久磁石144dに突き当たることで、ドア105が浮き上がるといったことがない。
【0088】
隙間Zの大きさは、ドア105やリンクアーム144に生じる誤差によって変化するが、隙間Zが最も小さくなる場合でも、ゼロにならないように、ドア105やリンクアーム144の寸法を設定した。
【0089】
一方、隙間Zの大きさが最も大きくなる場合においても、ドア105が閉じられた際には、永久磁石144dが永久磁石111aに引きつけられ、リンクアーム144とドア105が連結するように永久磁石110dと永久磁石144dの磁力を規定してある。そのためドア105が閉じられ、永久磁石144dと永久磁石111aが隙間Zを空けて向き合うと、磁力によってリンクアーム144が隙間Zの大きさを小さくする向きに移動する。この結果、永久磁石144dと永久磁石111aが接触してリンクアーム144はドア105と連結する。
【0090】
ドア105とリンクアーム144は連結した後は、図14に示すように、ドア105の開閉動作に伴ってカップリングカム141が回動し、カップリング手段の連結・解除が行われる。
【0091】
なお、リンクアーム144がドア105の開閉動作にスムーズに連動するように、被連結部であるドア側磁石ユニット110は、ドア105に回動可能に設けられている(図12参照)。
【0092】
一方、図19に示すように、連結部であるアーム側磁石ユニット144bを、リンクアーム144に設けたビス144eに連結することで、アーム側磁石ユニット144bをリンクアーム144に対して回動可能に設けても良い。
【0093】
以上説明したように、リンクアーム144の連結部および、ドア105の被連結部に永久磁石を用いることで、ドア105とリンクアーム144の連結を行った。なお、リンクアーム144の連結部もしくはドア105の被連結部のどちらか一方に永久磁石を設け、他方には、永久磁石の磁力に引きつけられる強磁性体(鉄など)を用いることも可能である。また、一度ドア105とリンクアーム144の連結がなされた後は、リンクアーム144の連結部と、ドア105の被連結部との係合が外れないように、連結部と被連結部を固定部材で固定してもよい。
【0094】
本実施例では、ドア105とリンクアームの連結に永久磁石を使うことで、ドア105とリンクアーム144が連結に遊びがなくなる。そのため、ドア105の移動量と、リンクアーム144の移動量は等しくなるドア105の開閉動作と、カップリング手段の係合と離間をより確実に対応させることが可能である。
【0095】
<実施例3>
図15は本実施例係る画像形成装置の組立時の斜視図である。図16は本実施例に係るカートリッジの左右側面図である。図17は本実施例に係る画像形成装置の断面図である。ここではその特徴的な部分だけを示し、その他の構成および作用については実施例1及び実施例2と同一なので、その説明は省略する。
【0096】
本実施例においては、図15に示すように、ドア205を閉じた際に、カートリッジ202の長手方向両端部と対向する場所に、それぞれカートリッジ押さえ部材205x(以下、単に押さえ部材205xとよぶ)が設けられている。
【0097】
押さえ部材205xは面205yと面205zを有する。後述するように面205yはカートリッジ202を稼働位置に向けて押圧する押圧部であり、面205zは退避位置に位置するカートリッジ202の移動を規制する移動規制部である。
【0098】
一方図16に示すように、カートリッジ202には押さえ部材205の押圧部205yに対応する面225と、移動規制部205zに対応する面226が形成されている。
押さえ部材205xの移動規制部205zは、ドア205の回動中心Aを中心とした円弧状の面である。カートリッジ202の面226は、図17bに示すように、カートリッジ202が退避位置231にあるときに、ドア205の移動規制部205zと接触するように形成されている。
【0099】
押さえ部材205xの押圧部205yとカートリッジ202の面225は、図17(a)に示すように、カートリッジ202が稼働位置230にあるときに、互いに接触するか若しくはわずかな隙間を隔てて対向するように形成されている。
【0100】
以下に、押さえ部材205xの作用について説明する。カートリッジ202を装置本体201に装着する際、ユーザーがカートリッジ202を稼働位置230に装着すると、図17aに示すようにドア205は閉じて、画像形成装置300が動作可能な状態となる。
【0101】
一方、ユーザーがカートリッジ202を稼働位置230まで十分に押し込まず、カートリッジ202が退避位置231と稼働位置230の間で止まってしまった場合、ドア205を閉めると図17(c)に示す状態となる。押さえ部材205xは押圧部205yにてカートリッジ202の面225と接触する。この状態で、ドア205をさらに押して閉めると、押圧部205yがカートリッジ202を装置本体201内に押し込んでいき、カートリッジ202を図17(a)の稼働位置230まで移動させる。
【0102】
カートリッジ202が稼働位置230の手前で止まった状態であっても、ドア205を閉める操作で稼働位置230まで移動させることができるため、カートリッジ202を装着時の操作性が向上する。
【0103】
次に画像形成装置300を輸送するとき(カートリッジ202が退避位置231にあるとき)における本実施例の作用を説明する。
【0104】
図15に示すように、カートリッジ202を装置本体201内に装着したまま梱包し輸送するために、ドア205とリンクアーム244の連結部以外はすべて組み立てた状態にする。この状態で、ドア205は開いた状態で保持しておき、カートリッジ202を装置本体201に装着する。このときカートリッジ202は退避位置231で位置決めされる。この状態でドア205を閉じると図17(b)に示す状態となる。つまりドア205の移動規制部205zはカートリッジ202の面226と接触している。そのためカートリッジ202は、運搬時に装置本体201内部で動くことが規制され、稼働位置230に移動しない。
【0105】
すなわち本実施例ではカートリッジ202は本体カップリング240aで位置決めされているのと同時に、押さえ部材205xの移動規制部205zにより位置決めされている。押さえ部材205xはカートリッジ202の長手方向両端部にそれぞれ対向するように2つ設けることができるので、カートリッジ202の両端を位置決めすることができる。つまりより安定してカートリッジ202を梱包することが可能となる。
【0106】
そのため、輸送時に大きな振動・衝撃が画像形成装置300に掛かった場合においても、カートリッジ202の装置本体201内での移動が抑えられ、カートリッジ202や装置本体201の破損より抑制できる。
【0107】
以上述べたように、ドア205に押さえ部材205xを設けることで、ユーザーの操作性を向上し、さらには輸送時に大きな振動・衝撃が掛かっても破損等の懸念をより抑えることができる。
【0108】
なお、押さえ部材205xはドア205と一体に設けたが、ドア205の開閉に連動するリンクアームに設けても良い。
【0109】
<実施例4>
実施例1では、カートリッジ2が退避位置31にある際、本体カップリング40aが、カートリッジ2の一端側に設けられたボス21を支持した。本実施例では、更に装置本体1に、カートリッジ2の他端側を支持する構成を設けたことを特徴とする。以下に詳しく説明する。
【0110】
なお、実施例1と同様の機能、構成を有する部材については、同じ符号をつけ、詳細な説明は省略する。また以下の説明において、感光体ドラム20の長手方向におけるカートリッジ2の両端側について、ドラムカップリング22が設けられている側(図4(a)参照)を駆動側と呼び、その反対側を非駆動側と呼ぶ。
【0111】
本実施例のカートリッジ2はその未使用時において、図21に示すようにトナー収納容器10aと、現像容器10iの間に、トナーシール10jを設けてある。トナーシール10jは、カートリッジ2の未使用時にトナー収納容器10aから現像容器10iへトナーが移動しないようにトナー収納容器10aを封止しているフィルム状の封止部材である。画像形成装置100を運搬時に、トナーがカートリッジ2から装置本体1に洩れ出ることを防いでいる。
【0112】
このトナーシール10jは、図22に示すようにカートリッジ2の非駆動側(他端側)に、その一部が突出しており、その突出部にはユーザーが把持するための把手部材10gが設けられている。カートリッジ2の使用時には、ユーザーが把手部材10gを、感光体ドラム20の長手方向(矢印F方向)に引っ張ることで、トナーシール10jをカートリッジ2から取り外す。これにより、トナー収納容器10aから現像容器10iにトナーが移動可能になる。
【0113】
ここで本実施例において、カートリッジ2のボス21bを案内するガイドレール61aには、図23に示すように段差形状の係止部62が設けられている。トナーシール10jを設けた状態のカートリッジ2を装置本体1に装着すると、把手部材10gが係止部62と当接するようになっている。
【0114】
カートリッジ2を退避位置31に位置決めする際に、駆動側(一端側)においてカートリッジのボス21aが本体カップリング40aの外周部40c(図10(c)参照)に当接すると、非駆動側においても、把手部材10gが係止部62に当接する。これにより、カートリッジ2は感光体ドラム20の長手方向F(図22参照)において、その両端を装置本体1に支持され、退避位置31にて位置決めされる。つまり、退避位置31にあるカートリッジ2は、カートリッジ2が装置本体1に装着される装着方向Iと直交する方向(図10において紙面に垂直な方向)において、その両端を支持されるため、装置本体1の内部により確実に位置決めされた状態となる。
【0115】
画像形成装置100を使用する際には、ユーザーによって、カートリッジ2は装置本体1から取り出され、トナーシール10jがカートリッジ2から引き抜かれる。この後、トナーシール10jとともに把手部材10gがユーザーによってカートリッジ2から取り外されることとなり、カートリッジ2は稼働位置30に装着可能になる。
【0116】
カートリッジ2の非駆動側に設けられた把手部材10gは、カートリッジ2を使用する上で取り外しが必要となる部材である。カートリッジ2を退避位置31に位置決めする離間部材を別途設け、これをユーザーに取り外させる場合とは異なり、ユーザーに余分な操作をさせる必要はない。
【符号の説明】
【0117】
100、300 画像形成装置
1、201 画像形成装置本体
2、202 プロセスカートリッジ
55、105、205 ドア
5a 角穴
7 開口部
20 感光体ドラム
22 ドラムカップリング
30 稼働位置
31 退避位置
40a、240a 本体カップリング
44 リンクアーム
44e スナップフィットe
110 ドア側磁石ユニット
144b アーム側磁石ユニット
60a、60b、61a ガイドレール
205 押さえ部材
【技術分野】
【0001】
本発明は記録媒体に画像を形成する画像形成装置および、この画像形成装置にカートリッジを装着する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真画像形成プロセスを用いた画像形成装置においては、感光体ドラム及び感光体ドラムに作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。プロセスカートリッジ方式の画像形成装置において、プロセスカートリッジを画像形成装置本体(以下、装置本体と呼ぶ)の内部に装着したまま梱包し、輸送する方法をとることがある。この梱包形態は、プロセスカートリッジを装置本体とは別に梱包する場合と比較して、梱包箱の体積を小さく抑えることができる。また梱包材量の削減が可能となる。
【0003】
ここでプロセスカートリッジを装置本体に装着したまま梱包し輸送すると、例えばプロセスカートリッジの感光体ドラムが装置本体の転写ローラと接触したり、プロセスカートリッジの電気接点が装置本体の電気接点と接触したりする場合がある。画像形成装置の運搬時に生じる衝撃などにより、これらプロセスカートリッジと、装置本体の接触部が傷つく可能性がある。
【0004】
そこで従来、画像形成装置の運搬時には、プロセスカートリッジに離間部材を設けて、プロセスカートリッジと装置本体の接触部を離間させる対策が取られていた。
【0005】
また、特許文献1には、画像形成装置の輸送の際にプロセスカートリッジを画像形成時に装着する位置とは異なる位置に保持するための第2の装着手段を設けた構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−104637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来、プロセスカートリッジに離間部材を設けると、ユーザーは画像形成装置を使用する際に、離間部材を取り外す必要あった。また、特許文献1に記載される構成によって、プロセスカートリッジと装置本体の接触部を離間させるためには、装着手段を複数設ける必要があって画像形成装置本体の構成が複雑になる。また、画像形成装置の運搬時にプロセスカートリッジを収容する空間を画像形成装置本体内部に別途設ける必要があることから画像形成装置が大型化する。
【0008】
本発明は、カートリッジを装着した状態で運搬可能な画像形成装置を、簡易且つ、ユーザーの操作性が高い構成によって提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、前記画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、前記装置本体に取り外し可能に装着されるカートリッジと、前記カートリッジを装着するための開口部と、前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記装置本体と当接して、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置させた状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを可能とする当接部と、を備え、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記カートリッジが前記開口部から前記装置本体に装着されると、前記カートリッジは前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接して前記装着方向への移動が規制され、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側にある退避位置にて位置決めされた状態となり、この状態で前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動することで、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
また上記目的を達成するための本発明に係る代表的な方法は、画像形成装置にカートリッジを装着する方法において、前記カートリッジは、画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、前記画像形成装置は、前記カートリッジを装着するための開口部と、前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、を有し、前記方法は、前記リンク部材と前記開閉部材を連結させないことで、前記リンク部材に設けられた当接部を前記装置本体の枠体に当接させて、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めした状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結可能にする、本体カップリング位置決め工程と、前記カートリッジを前記開口部から前記装置本体に挿入し、前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接させて、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側に位置する退避位置に位置決めする、前記本体カップリング位置決め工程に続くカートリッジ位置決め工程と、前記開閉部材を開位置から閉位置に移動することで、前記リンク部材と前記開閉部材を連結する、前記カートリッジ位置決め工程に続く連結工程と、を備えたことを特徴とする画像形成装置にカートリッジを装着する方法である。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本出願に係る発明によれば、カートリッジを装着した状態で運搬可能な画像形成装置を、簡易且つ、ユーザーの操作性が高い構成によって提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の内部構造の概略図
【図2】実施例1に係る画像形成装置の斜視図
【図3】実施例1に係る画像形成装置本体内の左右のガイド部材の断面図
【図4】実施例1に係るプロセスカートリッジの左右側面図
【図5】実施例1に係る駆動連結機構の分解斜視図
【図6】実施例1に係るドア開閉動作の説明図
【図7】実施例1に係る駆動連結機構の説明図
【図8】実施例1に係るリンクアームとドアの詳細説明図
【図9】実施例1に係るスナップフィット部の断面図
【図10】実施例1に係るプロセスカートリッジの退避位置の説明図
【図11】実施例1に係る画像形成装置の組立時の斜視図
【図12】実施例2に係るリンクアームとドアの詳細説明図
【図13】実施例2に係る磁石接続部の断面図
【図14】実施例2に係るドア開閉動作の説明図
【図15】実施例3に係る画像形成装置の組立時の斜視図
【図16】実施例3に係るプロセスカートリッジの左右側面図
【図17】実施例3に係る画像形成装置の断面図
【図18】固定部材の説明図
【図19】アーム側磁石ユニットとリンクアームの結合を説明する説明図
【図20】実施例1に係るプロセスカートリッジの断面図
【図21】実施例4に係るプロセスカートリッジの断面図
【図22】実施例4に係るプロセスカートリッジの模式図
【図23】実施例4に係るガイドレールの断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0014】
<実施例1>
[画像形成装置]
本実施例に係る画像形成装置について、図1、図2を用いて説明する。図1は本実施例に係る画像形成装置の内部構造の概略図であり、図2は本実施例に係る画像形成装置の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、画像形成装置100は、電子写真方式により記録媒体Sに画像を記録するレーザビームプリンタである。画像形成装置100は概略次のような構成、作用により画像を形成する。1は画像形成装置本体、2は画像形成装置本体1内に対して着脱自在のプロセスカートリッジである。そして、画像形成装置本体(以下、装置本体と呼ぶ)1の上面にはドア5が、装置本体1の枠体(以下、装置枠体とよぶ)6に、回動中心Aを中心として回動可能に配置されている。
【0016】
ドア5は閉じられた状態(閉位置にある状態)では、ドア5に設けられた突き当て部5dを、装置枠体6に突き当てることで、装置枠体6に支持される。また図2に示すように開かれた状態(開位置にある状態)では、装置本体1の開口部7を開放することができる。開口部7からプロセスカートリッジ(以下、カートリッジと呼ぶ)2が装置本体1内に着脱される。すなわち、ドア5は、カートリッジ2を装着するための開口部7を開閉するための開閉部材であって、開口部7を覆う閉位置と、開口部7を開放する開位置とを移動可能である。
【0017】
画像形成時には、図1に示されるようにカートリッジ2が装置本体1内の所定の稼働位置30(画像形成が可能な位置)に位置決めされる。給紙トレイ80に積載された記録媒体Sは、ホストコンピュータ(図示せず)からのプリント信号に基づいて、給紙ローラ81と用紙分離手段82とにより一枚ずつ分離されて給送される。分離された記録媒体Sは、搬送ローラ対83により、転写部84に搬送される。転写部84は、カートリッジ2と転写ローラ85等を備えている。カートリッジ2は、像担持体である電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラム)20および、像担持体に作用するプロセス手段によって構成される。
【0018】
レーザスキャナユニット86から画像情報に基づくレーザー光Lが感光体ドラム20に照射され、感光体ドラム20上に静電潜像が形成される。なおレーザスキャナユニット86は、多面体ミラー87、多面体ミラー回転用モータ、レーザユニット等がユニット化されて構成されている。
【0019】
感光体ドラム20に形成された静電潜像はカートリッジ2に設けられた現像手段により現像剤としてのトナーにより現像される。この現像されたトナー像(現像剤像)は転写ローラ85により、感光体ドラム20上から記録媒体Sに転写される。トナー像が転写された記録媒体Sは定着フィルム89と、この定着フィルム89に圧接された加圧ローラ90とから構成される定着ユニット88に搬送される。ここで転写されたトナー像が記録媒体Sに加熱定着される。トナー像が定着された記録媒体Sは、排紙ローラ対91により搬送され、装置本体1の上方部の排紙積載部92に排出される。排紙積載部92は、ドア5の上面に設けられている。
【0020】
[カートリッジ]
次に、装置本体1に着脱されるカートリッジ2の構成について図20を用いて説明する。図20は、カートリッジ2の概略断面図である。
【0021】
カートリッジ2は、前述したように、像担持体である感光体ドラム20と、感光体ドラム20に作用するプロセス手段を備えたものである。ここでプロセス手段としては、例えば感光体ドラム20を帯電させる帯電手段、感光体ドラム20に形成された潜像を現像する現像手段、電子写真感光体表面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニング手段等がある。
【0022】
本実施形態のカートリッジ2は、図20に示すように、現像手段である現像ユニット10と、クリーニング手段であるクリーニングユニット11が結合することによって構成される。クリーニングユニット11は、さらに感光体ドラム20および、帯電手段である帯電ローラ8を備える。
【0023】
画像形成時には、感光体ドラム20の表面を感光体ドラム20に当接し従動回転する帯電ローラ8によって一様に帯電する。この帯電した感光体ドラム20にレーザスキャナユニット86(図1参照)から、レーザー光Lを照射して静電潜像を形成し、この静電潜像を現像ユニット10によって現像する。
【0024】
現像ユニット10は、現像剤収納部であるトナー収納容器10aに収納されたトナーを、回転するトナー送り部材10bでトナー収納容器10aから、現像部である現像容器10i内へ送り出す。その後、固定磁石10cを内蔵した現像ローラ10dの表面に、現像ブレード10eによって摩擦帯電したトナーでトナー層を形成する。ここで、現像ローラ10dは、トナー(現像剤)を担持する現像剤担持体であって、現像容器10iに回転可能に支持される。この現像ローラ10dは感光体ドラム20に押圧されている。
【0025】
現像ローラ10dの両端部には、現像ローラ10dと同心円状のリングであるスペーサ10mが設けてある。このスペーサ10mが感光体ドラム20に当接することで現像ローラ10dの表面とスペーサ10mの表面の間には一定の微小間隔が設けられる。現像ローラ10dの表面に形成されたトナー層を、感光体ドラム20に形成された静電潜像に転移させることによって、静電潜像をトナー像として現像する。
【0026】
感光体ドラム20に形成されたトナー像は、前述したように記録媒体Sに転写される。記録媒体Sにトナー像を転写した後、感光体ドラム20に残留したトナーは、クリーニングユニット11に設けられたクリーニングブレード11aによって掻き落とされると共に、スクイシート13aによってすくい取られ、除去トナー収納部13bへ集められる。
【0027】
[カートリッジの着脱機構]
次に、カートリッジ2の着脱機構について図3と図4を用いて説明する。図3は画像形成装置本体内部に設けられたガイド部材の断面図であり、図4はカートリッジの左右側面図である。
【0028】
図4に示すように、カートリッジ2を装置本体1に装着する方向にみて、カートリッジ2の右側にボス21cが設けられ、左側にボス21a、21bが設けられている。このボス21a、21b、21cによりカートリッジ2は装置本体1内で位置決めされている。ボス21a、21bは、感光体ドラム20と同軸上にあって、カートリッジ2が装置本体1に装着された際には、装置本体1に対する感光体ドラム20の位置はボス21a、21bによって決まる。図2、図3に示すように、カートリッジ2を装着する装着方向を見て、開口部7内部の左側と右側には、それぞれ対向させて配設したガイド部材60、61が設けられている。図3(a)は右側に設けられたガイド部材60の断面図であり、図3(b)は左側に設けられたガイド部材61の断面図である。
【0029】
ガイド部材60、61はカートリッジ2を稼働位置に案内する。ガイド部材60には、ガイドレール60a、60bが設けられており、ガイド部材61には、ガイドレール61aが設けられている。ガイドレール60a、60bは、カートリッジ2を装置本体1に着脱する際に、それぞれボス21a、21cをガイドする。またガイドレール61aは、カートリッジ2のボス21bをガイドする。
【0030】
カートリッジ2を装置本体1に装着する際には、図2に示すように、まず装置本体1のドア5を、回動中心A周りに上方へ開いて、装置本体1の上面の開口部7を開放する。そして、カートリッジ2を手で掴んで持ち、カートリッジ2を開口部7から装置本体1内に差し入れる。そして、ボス21a、21b、21cをそれぞれガイドレール60a、61a、60bに沿わせて、カートリッジ2の先端を装置本体1に挿入する。更にカートリッジ2を押し込むと、カートリッジ2のボス21c、21bが、それぞれガイドレール60b、61aの終端である突き当て部60c、61b(図3参照)に突き当たる。またカートリッジのボス21aがガイドレール60aの終端に形成されたカップリング軸受42の突き当て部42d(図3参照)に突き当たる。これによってカートリッジ2の装置本体1への装着が完了し、カートリッジが装置本体1において画像形成が可能な位置、すなわち稼働位置30に位置決めされた状態となる。なお、カップリング軸受42および突き当て部42dについては後ほど詳細に説明する。
【0031】
カートリッジ2が稼働位置30に位置決めされた装着状態において、感光体ドラム20と転写ローラ85が接触する(図1参照)。また、カートリッジ2側の電気接点(図示せず)が装置本体1側の電気接点(図示せず)と対向接触し、装置本体1側から帯電手段への電圧供給等がなされる。
このように、カートリッジ2が稼働位置30に装着されることで、感光体ドラム20と転写ローラ85など、カートリッジ2と装置本体1の各部が接触した状態となる。
【0032】
装置本体1に装着されたカートリッジ2を取り出す際は上記の装着手順とは逆の手順となる。
【0033】
[カップリング手段]
次に、装置本体1からカートリッジ2に駆動力を伝達するカップリング手段および、このカップリング手段を連結、解除するカップリング連結機構について図5から図8を用いて説明する。図5は本実施例に係るカップリング連結機構の分解斜視図である。図6は本実施例に係るドア開閉動作の説明図である。図7は本実施例に係るカップリング連結機構の説明図である。図8は本実施例に係るリンクアームとドアの詳細説明図である。
【0034】
カートリッジ2の駆動力は、装置本体1に設けられた駆動源としてのモータ(図示せず)からギヤ列(図示せず)を介して、カップリングギア40(図5参照)に伝えられる。このカップリングギア40の回転を、カートリッジ2の感光体ドラム20に伝えることによって、装置本体1の駆動力が、カートリッジ2に伝達される。この駆動力を伝達する手段として、カップリング手段が用いられる。以下、詳しく説明する。
【0035】
装置本体1には、カートリッジ2に駆動力を伝えるカップリング手段として、断面形状が正3角形のねじれた凹部を持つ本体カップリング40aが、カップリングギア40に設けられている。本体カップリング40aは上記凹部の中心が、カップリングギア40aの回転軸線上になるよう構成されている。
【0036】
一方、カートリッジ2のカップリング手段として、感光体ドラム20の長手方向(軸線方向)における一端側に、ドラムカップリング22が設けられている。ドラムカップリング22は、本体カップリング40aと連結して、装置本体1からの駆動力をカートリッジ2に伝えるカートリッジカップリングである。ドラムカップリング22は、断面形状が正3角形をしている、ねじれた凸部として形成される。ドラムカップリング22は、ボス21aの内側にあり(図4参照)、上記凸部の中心が感光体ドラム20の回転軸と同軸になるよう形成されている。
【0037】
ここで本体カップリング40aは、後述するカップリング連結手段によって、感光体ドラム20の長手方向に移動可能に設けられており、凸部であるドラムカップリング22に、本体カップリング40aの凹部を係合することが可能である。本体カップリング40aがドラムカップリング22に係合することで、本体カップリング40aは装置本体1の駆動力をカートリッジ2に伝達可能になる。つまり本体カップリング40aとドラムカップリング22が係合した状態で、カップリングギア40が回転するとドラムカップリング22を介して感光体ドラム20に回転力が伝わり、感光体ドラム20が回転する。
【0038】
さらに、ドラムカップリング22が本体カップリング40aと係合することで、感光体ドラム20は、装置本体1内にて位置決めされる。
【0039】
カップリング連結手段は、本体カップリング40aを感光体ドラム20の長手方向に移動させることで、カップリング手段の連結と解除を行う。カップリング連結手段は、装置本体1に設けられたカップリング軸受42と、カップリングカム41、リンクアーム44、ドア5等によって形成される。以下、カップリング連結手段の構成について詳細に説明する。
【0040】
カップリング軸受42は、装置本体1のガイドレール60aの終端に設けられた円筒状の部材である。カップリング軸受42の内周部42aは、本体カップリング40aの外周部40cと嵌合し、カップリングギア40を装置枠体6に回転可能に支持している。
【0041】
カップリング軸受42は、カップリングギア40の回転軸方向(図5(b)の矢印Pで示す方向)において感光体ドラム20と向き合う側の面に、円弧状の突起である突き当て部42dを有する。この突き当て部42dは、前述したようにカートリッジ2が装着された際に、カートリッジ2のボス21a(図4参照)と接触して、カートリッジ2を稼働位置30(図1参照)にて支持する。また、カップリング軸受42の外周部42b上には、カム面42cが設けられている。カム面42cは、矢印P方向において、カップリングギア40が設けられた側を向いている。カム面42cは、矢印P方向に略垂直な平面であるフラット部42c1と、フラット部に対して傾斜している斜面部42c2を有している。
【0042】
カップリング軸受42と、カップリングギア40の間には、円筒形のカップリングカム41が設けられている。カップリングカム41は、カップリング軸受42の外周部42bに回転可能に嵌合しており、カム面42cと当接するカム面41aを持つ。カム面41には、矢印P方向に対して略垂直なフラット部41a1と、フラット部41a1に対して傾斜している斜面部41a2が設けられる。カップリングカム41は回転すると、カム面41aの作用によって、カップリングギア40を回転軸方向(矢印P方向)に移動させる。このカム面41aの作用については、後述する。
【0043】
なお、装置本体1には、カップリングギア40を矢印P方向に押圧するカップリングバネ43が配置されている。カップリングバネ43の押圧力により、カップリングギア40に設けられたリブ40bとカップリングカム41の円周リブ41cが接触している。
【0044】
また、カップリングカム41はその円周方向外側に延びる円周リブ41cを有し、円周リブ41cの端部にボス41bが設けられている。図6に示すように、このボス41bによって、カップリングカム41は、リンクアーム44と連結している。リンクアーム44はドア5とも連結しており、ドア5の開閉に応じてカップリングカム41を回転させる働きをする。
【0045】
図8に示すように、リンクアーム44の一方の先端部には、カップリングカム41のボス41bと嵌合する丸穴44aが設けられている。他方の先端部44bにはスナップフィット部44eが設けられている。スナップフィット部44eは、ドア5に設けられた角穴5aと連結する連結部である。スナップフィット部44eが、被連結部であるドア5の角穴5aと連結することで、ドア5とリンクアーム44は連結する。
【0046】
このようにリンクアーム44は、カップリングカム41のボス41bとドア5の角穴5aを連結するリンク部材であって、4節リンクを構成している。
【0047】
図6(a)に示すようにドア5が開かれると、リンクアーム44がドア5によって持ち上げられる。なお、このときのリンクアーム44の位置を以下の説明において第1の位置と呼ぶ。
【0048】
リンクアーム44が第1の位置にあるとき、本体カップリング40aは図7(c)に示す状態になっている。つまり、カップリングカム41のフラット部41a1がカップリング軸受42のフラット部42c1に接触することで、カップリングカム41はカップリングギア40に近づく方向に移動した状態となる。その結果、カップリングギア40は、カップリングカム41に押圧されて本体カップリング40aがカップリング軸受42の内周部42aの内部に収まる位置まで移動した状態となる。そのため、カートリッジ2が装置本体1に装着されても、本体カップリング40aはドラムカップリング22と接触せず、カップリング手段の連結は解除された状態となる。つまり、ドア5が開位置に位置すると、リンクアーム44が第1の位置に位置することで、本体カップリング40aは、ドラムカップリング22から離間する位置(以下、離間位置とよぶ)に位置することになる。
【0049】
なお本体カップリング40aが離間位置にあるとき、本体カップリング40aはカートリッジ2が着脱される際のボス21aの移動軌跡からは退避した状態になる。
【0050】
ドア5を閉じていくと、リンクアーム44がドア5の動きと連動して、第1の位置から下方に動く。このときリンクアーム44はカップリングカム41を、図6(a)において時計回りに回転させる。すると図7(b)に示すように、カップリングカム41の斜面部41a2がカップリング軸受42の斜面部42c2と接触することで、カップリングカム41が矢印P方向に移動する。そのため、カップリングギア40も、カップリングバネ43(図5(b)参照)の押圧力によって矢印P方向に動き、本体カップリング40aをカップリング軸受42の内周部42aから突出させていく。
【0051】
図6(b)に示すようにドア5を完全に閉じた状態では、カップリングギア40、カップリングカム41は、図7(a)に示す状態になっている。つまり、カップリングカム41の円周リブ41cがカップリング軸受42のフラット部42c1と接触する。その結果、カップリングギア40は、本体カップリング40aの全体をカップリング軸受42の内周部42aから突出させる位置に移動する。カップリング軸受42から突出した本体カップリング40aはドラムカップリング22と係合し、カップリング手段は連結状態になる。
【0052】
つまり、ドア5が閉位置に移動すると、リンクアーム44は、本体カップリング40aをドラムカップリング22と係合可能となる位置(以下、係合位置とよぶ)に移動させる。本体カップリング40aを係合位置に位置させるときのリンクアーム44の位置を、以降の説明において第2の位置と呼ぶ。
【0053】
本体カップリング40aが係合位置にあるとき、本体カップリング40aはカートリッジ2のボス21aの移動軌跡と一部重なる位置にある。
【0054】
カップリング手段を解除する動作は、上記の連結の場合と逆の手順となる。すなわちドア5を閉位置から開位置に移動させることで、リンクアーム44は第2の位置から第1の位置に移動し、カップリングカム41を反時計回りに回転させる。これにより本体カップリング40aはドラムカップリング22から離間される離間位置に移動する。
【0055】
次に、リンクアーム44とドア5の角穴5aの連結方法について図9から図11を用いて説明する。図9はリンクアーム44の先端部44bの断面図である。図10はカートリッジの退避位置の説明図である。図11は画像形成装置の組立時の斜視図である。
【0056】
図9はドア5が閉じた状態を表している。図8、図9に示すように、リンクアーム44の先端部44bは、ドア5が閉じた状態のときに装置本体1の枠体(以下、装置枠体)6と当接するリブ状の当接部(以下、枠体当接リブ)44cを有する。さらに先端部44bは、枠体当接部リブ44cよりも上方に位置し、ドア5を開いた状態のときにドア5と当接するリブ状の当接部(以下、ドア当接リブ)44dと、スナップフィットを形成するスナップフィット部44eを有する。
【0057】
リンクアーム44がドア5と分離している状態では、枠体当接リブ44cが装置枠体6と当接することにより、リンクアーム44は第2の位置にて装置枠体6に支持されている(図11参照)。このとき、本体カップリング40aは係合位置に位置しており、カップリング軸受42の内周部42aから完全に飛び出している。ここで、枠体当接リブ44cがリンクアーム44を装置枠体6に支持することによって、ドア5が開位置から閉位置に移動した際に、リンクアーム44はドア5と連結可能になる。
【0058】
リンクアーム44のスナップフィット部44eには矢印Dで示すドア5の開閉方向(移動方向)に沿って、溝44gが形成されているため、ドアの開閉方向Dと交差する方向(矢印Mで示される方向)に撓むことができる。そのためドア5が閉じられると、枠体当接リブ44cによって装置枠体6に支持されたリンクアーム44は、スナップフィット部44eをドア5に設けられた角穴5aを貫通させることができる。この結果、スナップフィット部44eが角穴5aと連結し、リンクアーム44はドア5と連結することができる。なお、本実施例ではリンクアーム44にスナップフィット部44eを設けたが、ドア5にスナップフィットを設け、リンクアーム44に前記スナップフィットと連結する開口等を形成することも可能である。
【0059】
ドア5の開閉動作によるリンクアーム44の先端部44bの動きについて、図9を用いて説明する。ドアを閉じた状態から開くと、まずスナップフィット部44eの突起部の底面44fとドア5の上面5bが接触する。それからドア5がリンクアーム44を引っ張り上げていく。リンクアーム44を引っ張り上げることにより、本体カップリング40aは離間位置に移動し、上述したようにカップリング手段(本体カップリング40aとドラムカップリング22)の連結は解除される。
【0060】
逆に、ドア5を開いた状態から閉じていくと、ドア5の下面5cと、リンクアーム44のドア当接リブ44dが接触する。これによりドア5がリンクアーム44を押し下げていく。リンクアーム44を押し下げることにより、上述したようにリンクアームは第2の位置に移動し本体カップリング40aとドラムカップリング22は連結される。
【0061】
ここで、ドア5を完全に閉じた状態(ドア5が閉位置に位置する状態)において、ドア5の下面5cと、ドア当接リブ44dの間には隙間Xを設けてある必要がある。さらに、ドア5の上面5bとスナップフィット部44eの底面44fの間には隙間Yが設けてある必要がある。
【0062】
これはドア5やリンクアーム44を始めとした装置本体1の部品は、部品成形・加工上の理由などで形状・寸法に誤差が生じるためである。この誤差によって、スナップフィット部44eと、角穴5aの位置が、設計時に狙った位置からずれた場合であっても、本実施例によればその位置のずれを隙間Xと、隙間Yにて吸収することが可能である。
【0063】
ドア5の下面5cと、ドア当接リブ44dの間に隙間Xが生じることによって、枠体当接リブ44cが装置枠体6と当接した際に、ドア5を確実に閉めることができる。つまりドア5の下面5cがドア当接リブ44dに突き当たることで、ドア5が浮き上がることがない。
【0064】
またドア5の上面5bとスナップフィット部44eの底面44fの間に隙間Yを設けることで、ドア5を閉じたとき、余裕をもってスナップフィット部44eをドアの角穴5aに係合できる。つまりリンクアーム44とドア5とを連結させるときに、スナップフィット部44eが確実に角穴5aを貫通する。
【0065】
隙間X、隙間Yの大きさは装置本体1の各部品に生じる形状誤差や寸法誤差によって変化する。本実施例では、上記誤差によって隙間X、隙間Yの大きさが最小になった場合であっても、それぞれがゼロにならないようにしている。
【0066】
一方、ドア5とリンクアーム44の連結部に隙間X、隙間Yを設けたことで、この隙間の分だけ、ドア5はリンクアーム44に対して移動可能になる。すなわちドア5の移動に対するリンクアーム44の移動量が小さくなる。そのため本実施例では、誤差によって隙間X、隙間Yが最も大きくなる場合においても、ドア5の移動によってリンクアーム44が、本体カップリング40aを確実に係合位置と離間位置の両方に位置決めすることが可能にしている。
【0067】
つまり、隙間Yの大きさが最大となり、リンクアーム44の移動量が減っても、ドア5が開いた状態では、リンクアーム44を第1の位置(図6(a)参照)に位置させることで、本体カップリング40aを離間位置に動かすようにしている。
【0068】
また、隙間Xの大きさが最大となりリンクアーム44の移動量が減っても、ドア5が閉じた状態では、リンクアームを第2の位置(図6(b)参照)に位置させることで、本体カップリング40aを係合位置に動かすようにしている。
【0069】
[カートリッジの装着、梱包方法]
次に、カートリッジ2を装置本体1内に装着したまま梱包し、輸送する方法について説明する。
【0070】
(1)本体カップリング位置決め工程
装置本体1を組み立てるときに、ドア5とリンクアーム44の連結部以外はすべて組み立てた状態にする一方、ドア5とリンクアーム44は分離した状態とする。つまり、スナップフィット部44eをドア5の角穴5aから外れた状態とする。この状態で、ドア5は開いた状態で保持しておく。このときリンクアーム44は図11のように、枠体当接リブ44cが装置枠体6と接触することで、装置枠体6に支持され第2の位置にいる状態になる。この状態でリンクアーム44は、本体カップリング40aを係合位置に位置決めする。すなわち本体カップリング40aはカップリング軸受42の内周部42aから完全に飛び出しており、カートリッジ2のボス21aの着脱軌跡と一部重なる位置にある。
【0071】
(2)カートリッジ位置決め工程
本体カップリング40aが係合位置に位置決めされた状態で、上で述べたようにカートリッジ2を装置本体1に装着する。つまり、ボス21a、21b、21cをそれぞれガイドレール60a、61a、60bに沿わせて、カートリッジ2を装置本体1の開口部7に挿入する。カートリッジ2を装置本体1に押し込んでいくと、図10で示すように、カートリッジ2のボス21aが、ガイドレール60aに飛び出している本体カップリング40aの外周部40cに接触して止まる。すなわち、本体カップリング40aはカートリッジ2の装着方向と交差する方向に突出することで、装置本体1に装着されるカートリッジ2と干渉する状態となる。このとき、カートリッジ2が、装置本体1内の所定の退避位置31に位置決めされた状態となる。
【0072】
(3)開閉部材(ドア)連結工程
次に、ドア5を閉じると、上で述べたように、リンクアーム44の先端部44bに設けたスナップフィット部44eが、ドア5の角穴5aと連結し、リンクアーム44とドア5は連結する。すなわち、リンクアーム44のスナップフィット部44eを、ドア5に覆われる位置に設けることで、ドア5が閉じる動作によってリンクアーム44はドア5と連結を行うことができる。
【0073】
なおカートリッジ2が運搬時に位置決めされる退避位置31は、図10に示すようにカートリッジ2が開口部7(図2参照)から稼働位置30(図1参照)に移動する、カートリッジ2の装着方向(矢印Iで示す方向)において、稼働位置30よりも上流側にある。退避位置31に位置するカートリッジ2は感光体ドラム20を、転写ローラ85と離間させるなど、カートリッジ2の各部を装置本体1とは接触させない状態を保つことができる。この状態で、画像形成装置100を梱包し輸送する。
【0074】
なおユーザーがドア5を開閉する際に、スナップフィット部44eと、角穴5aの連結が外れないように、図18に示すように両者を固定する固定部材を設けてもよい。図18は、リンクアーム44とドア5を連結した後、スナップフィット部44eに設けられた溝44gに、固定部材45を挿入した状態を示した。固定部材45は、スナップフィット部44eが図9に示した矢印M方向に撓むことを抑制することで、スナップフィット部44eと角穴5aが連結した状態を保っている。
【0075】
画像形成装置100を開梱し使用する場合は、装置本体1のドア5を開く。ドア5を開くと、リンクアーム44を介して、カートリッジ2を退避位置31に位置決めしていた本体カップリング40aは、カートリッジ2を着脱するボス21aの軌跡から退避した位置(離間位置)に移動する。そのため、カートリッジ2は稼働位置30に移動することができ、カートリッジ2と装置本体1の離間状態は解除できる。
【0076】
カートリッジ2を稼働位置30まで押し込み、ドア5を閉じると画像形成装置100は使用可能な状態となる。
【0077】
以上説明したように、装置本体1に設けた本体カップリング40aによってカートリッジを退避位置31に支持するので、離間部材を別途設ける必要がなくなる。ユーザーが離間部材を取り外す必要がないので、ユーザーが画像形成装置100を使う際に必要な作業が減ることになる。
【0078】
また、画像形成装置100を運搬時に、カートリッジ2が位置する退避位置31は、装置本体1の開口部7と稼働位置30の間にある。運搬時に、カートリッジ2を保持するスペースを別途設けた場合と異なり、装置本体1が大型化することを抑制できる。
【0079】
また、ドア5とリンクアーム44の連結と、カートリッジ2の梱包を同時に行うことができるので、画像形成装置100の組み立て性が向上する。
【0080】
<実施例2>
図12は本実施例に係るリンクアームとドアの詳細説明図である。図13は本実施例に係る磁石接続部の断面図である。図14は本実施例に係るドア開閉動作の説明図である。ここではその特徴的な部分だけを示し、その他の構成および作用については実施例1と同一なので、その説明は省略する。
【0081】
本実施例においては、リンクアーム144とドア105の連結に永久磁石を用いる。ここでドア105は、実施例1のドア5と同様に装置本体1の開口部7を開閉する開閉部材である。リンクアーム144は実施例1のリンクアーム44と同様に、開閉部材(ドア105)と本体カップリング40aを連動させるためのリンク部材である。
【0082】
図12に示すように、ドア105には、ボス105aが設けられている。ボス105aには、ボス105aに対し回動可能なドア側磁石ユニット110が取り付けられている。ドア側磁石ユニット110には永久磁石110aが設けられており、ドア側磁石ユニット110がドア105のボス105aに取り付けられた状態では、ドア側磁石ユニット110の自重により、永久磁石110aが常に鉛直下側を向くように構成されている。
【0083】
リンクアーム144は一方の端部にカップリングカム141のボス141b(図14参照)と嵌合する丸穴144aが設けられ、他端にはアーム側磁石ユニット144bが設けられている。アーム側磁石ユニット144bには、永久磁石144dと、画像形成装置の枠体106(図13参照)と接触する枠体当接リブ144cが設けられている。
【0084】
なお後述するように、リンクアーム144に設けられたアーム側磁石ユニット144bは、永久磁石144dを有することで、永久磁石110aを有するドア側磁石ユニット110と連結する係合部である。またドア105に設けられたドア側磁石ユニット110は、アーム側磁石ユニット144dに連結される被連結部である。
【0085】
図13は、ドア105とリンクアーム144が連結する前の、ドア105が閉じた状態を表している。リンクアーム144は枠体当接リブ144cが枠体106と当接することにより、本体カップリングを係合位置に位置決めする第2の位置にて枠体106に支持されている。
【0086】
ドア105とリンクアーム144を連結させるためには、ドア105を開いた状態から、図13に示すように閉じる。ここで、永久磁石144dを有するアーム側磁石ユニット144bは、ドア105が閉じられる際に、ドア105に覆われる位置であって、永久磁石144dが永久磁石110aと対向する位置に配置される。すなわちドア105が閉じられると、永久磁石110aと永久磁石144dは、隙間Zを空けて向き合うように配置される。ここで永久磁石110aの下面と、永久磁石144dの上面は磁力によりお互いが引き合うように、N極とS極とが対になっている。そのため、永久磁石110aと永久磁石144dが向き合うと、永久磁石144dが磁力により永久磁石110aに引きつけられ、隙間Zの大きさだけリンクアーム144がドア105側に持ち上げられる。これにより永久磁石144dは永久磁石110aと接触し、ドア105とリンクアーム144は連結する。
【0087】
ドア105やリンクアーム144を始めとした部品において、部品成形・加工上の理由などで形状・寸法に誤差が生じる場合があるが、永久磁石110aと永久磁石114dの間に隙間Zを設けることによって、この誤差を吸収することが可能である。つまり、ドア105が閉まりきる前に、ドア105側の永久磁石111aが、リンクアーム144側の永久磁石144dに突き当たることで、ドア105が浮き上がるといったことがない。
【0088】
隙間Zの大きさは、ドア105やリンクアーム144に生じる誤差によって変化するが、隙間Zが最も小さくなる場合でも、ゼロにならないように、ドア105やリンクアーム144の寸法を設定した。
【0089】
一方、隙間Zの大きさが最も大きくなる場合においても、ドア105が閉じられた際には、永久磁石144dが永久磁石111aに引きつけられ、リンクアーム144とドア105が連結するように永久磁石110dと永久磁石144dの磁力を規定してある。そのためドア105が閉じられ、永久磁石144dと永久磁石111aが隙間Zを空けて向き合うと、磁力によってリンクアーム144が隙間Zの大きさを小さくする向きに移動する。この結果、永久磁石144dと永久磁石111aが接触してリンクアーム144はドア105と連結する。
【0090】
ドア105とリンクアーム144は連結した後は、図14に示すように、ドア105の開閉動作に伴ってカップリングカム141が回動し、カップリング手段の連結・解除が行われる。
【0091】
なお、リンクアーム144がドア105の開閉動作にスムーズに連動するように、被連結部であるドア側磁石ユニット110は、ドア105に回動可能に設けられている(図12参照)。
【0092】
一方、図19に示すように、連結部であるアーム側磁石ユニット144bを、リンクアーム144に設けたビス144eに連結することで、アーム側磁石ユニット144bをリンクアーム144に対して回動可能に設けても良い。
【0093】
以上説明したように、リンクアーム144の連結部および、ドア105の被連結部に永久磁石を用いることで、ドア105とリンクアーム144の連結を行った。なお、リンクアーム144の連結部もしくはドア105の被連結部のどちらか一方に永久磁石を設け、他方には、永久磁石の磁力に引きつけられる強磁性体(鉄など)を用いることも可能である。また、一度ドア105とリンクアーム144の連結がなされた後は、リンクアーム144の連結部と、ドア105の被連結部との係合が外れないように、連結部と被連結部を固定部材で固定してもよい。
【0094】
本実施例では、ドア105とリンクアームの連結に永久磁石を使うことで、ドア105とリンクアーム144が連結に遊びがなくなる。そのため、ドア105の移動量と、リンクアーム144の移動量は等しくなるドア105の開閉動作と、カップリング手段の係合と離間をより確実に対応させることが可能である。
【0095】
<実施例3>
図15は本実施例係る画像形成装置の組立時の斜視図である。図16は本実施例に係るカートリッジの左右側面図である。図17は本実施例に係る画像形成装置の断面図である。ここではその特徴的な部分だけを示し、その他の構成および作用については実施例1及び実施例2と同一なので、その説明は省略する。
【0096】
本実施例においては、図15に示すように、ドア205を閉じた際に、カートリッジ202の長手方向両端部と対向する場所に、それぞれカートリッジ押さえ部材205x(以下、単に押さえ部材205xとよぶ)が設けられている。
【0097】
押さえ部材205xは面205yと面205zを有する。後述するように面205yはカートリッジ202を稼働位置に向けて押圧する押圧部であり、面205zは退避位置に位置するカートリッジ202の移動を規制する移動規制部である。
【0098】
一方図16に示すように、カートリッジ202には押さえ部材205の押圧部205yに対応する面225と、移動規制部205zに対応する面226が形成されている。
押さえ部材205xの移動規制部205zは、ドア205の回動中心Aを中心とした円弧状の面である。カートリッジ202の面226は、図17bに示すように、カートリッジ202が退避位置231にあるときに、ドア205の移動規制部205zと接触するように形成されている。
【0099】
押さえ部材205xの押圧部205yとカートリッジ202の面225は、図17(a)に示すように、カートリッジ202が稼働位置230にあるときに、互いに接触するか若しくはわずかな隙間を隔てて対向するように形成されている。
【0100】
以下に、押さえ部材205xの作用について説明する。カートリッジ202を装置本体201に装着する際、ユーザーがカートリッジ202を稼働位置230に装着すると、図17aに示すようにドア205は閉じて、画像形成装置300が動作可能な状態となる。
【0101】
一方、ユーザーがカートリッジ202を稼働位置230まで十分に押し込まず、カートリッジ202が退避位置231と稼働位置230の間で止まってしまった場合、ドア205を閉めると図17(c)に示す状態となる。押さえ部材205xは押圧部205yにてカートリッジ202の面225と接触する。この状態で、ドア205をさらに押して閉めると、押圧部205yがカートリッジ202を装置本体201内に押し込んでいき、カートリッジ202を図17(a)の稼働位置230まで移動させる。
【0102】
カートリッジ202が稼働位置230の手前で止まった状態であっても、ドア205を閉める操作で稼働位置230まで移動させることができるため、カートリッジ202を装着時の操作性が向上する。
【0103】
次に画像形成装置300を輸送するとき(カートリッジ202が退避位置231にあるとき)における本実施例の作用を説明する。
【0104】
図15に示すように、カートリッジ202を装置本体201内に装着したまま梱包し輸送するために、ドア205とリンクアーム244の連結部以外はすべて組み立てた状態にする。この状態で、ドア205は開いた状態で保持しておき、カートリッジ202を装置本体201に装着する。このときカートリッジ202は退避位置231で位置決めされる。この状態でドア205を閉じると図17(b)に示す状態となる。つまりドア205の移動規制部205zはカートリッジ202の面226と接触している。そのためカートリッジ202は、運搬時に装置本体201内部で動くことが規制され、稼働位置230に移動しない。
【0105】
すなわち本実施例ではカートリッジ202は本体カップリング240aで位置決めされているのと同時に、押さえ部材205xの移動規制部205zにより位置決めされている。押さえ部材205xはカートリッジ202の長手方向両端部にそれぞれ対向するように2つ設けることができるので、カートリッジ202の両端を位置決めすることができる。つまりより安定してカートリッジ202を梱包することが可能となる。
【0106】
そのため、輸送時に大きな振動・衝撃が画像形成装置300に掛かった場合においても、カートリッジ202の装置本体201内での移動が抑えられ、カートリッジ202や装置本体201の破損より抑制できる。
【0107】
以上述べたように、ドア205に押さえ部材205xを設けることで、ユーザーの操作性を向上し、さらには輸送時に大きな振動・衝撃が掛かっても破損等の懸念をより抑えることができる。
【0108】
なお、押さえ部材205xはドア205と一体に設けたが、ドア205の開閉に連動するリンクアームに設けても良い。
【0109】
<実施例4>
実施例1では、カートリッジ2が退避位置31にある際、本体カップリング40aが、カートリッジ2の一端側に設けられたボス21を支持した。本実施例では、更に装置本体1に、カートリッジ2の他端側を支持する構成を設けたことを特徴とする。以下に詳しく説明する。
【0110】
なお、実施例1と同様の機能、構成を有する部材については、同じ符号をつけ、詳細な説明は省略する。また以下の説明において、感光体ドラム20の長手方向におけるカートリッジ2の両端側について、ドラムカップリング22が設けられている側(図4(a)参照)を駆動側と呼び、その反対側を非駆動側と呼ぶ。
【0111】
本実施例のカートリッジ2はその未使用時において、図21に示すようにトナー収納容器10aと、現像容器10iの間に、トナーシール10jを設けてある。トナーシール10jは、カートリッジ2の未使用時にトナー収納容器10aから現像容器10iへトナーが移動しないようにトナー収納容器10aを封止しているフィルム状の封止部材である。画像形成装置100を運搬時に、トナーがカートリッジ2から装置本体1に洩れ出ることを防いでいる。
【0112】
このトナーシール10jは、図22に示すようにカートリッジ2の非駆動側(他端側)に、その一部が突出しており、その突出部にはユーザーが把持するための把手部材10gが設けられている。カートリッジ2の使用時には、ユーザーが把手部材10gを、感光体ドラム20の長手方向(矢印F方向)に引っ張ることで、トナーシール10jをカートリッジ2から取り外す。これにより、トナー収納容器10aから現像容器10iにトナーが移動可能になる。
【0113】
ここで本実施例において、カートリッジ2のボス21bを案内するガイドレール61aには、図23に示すように段差形状の係止部62が設けられている。トナーシール10jを設けた状態のカートリッジ2を装置本体1に装着すると、把手部材10gが係止部62と当接するようになっている。
【0114】
カートリッジ2を退避位置31に位置決めする際に、駆動側(一端側)においてカートリッジのボス21aが本体カップリング40aの外周部40c(図10(c)参照)に当接すると、非駆動側においても、把手部材10gが係止部62に当接する。これにより、カートリッジ2は感光体ドラム20の長手方向F(図22参照)において、その両端を装置本体1に支持され、退避位置31にて位置決めされる。つまり、退避位置31にあるカートリッジ2は、カートリッジ2が装置本体1に装着される装着方向Iと直交する方向(図10において紙面に垂直な方向)において、その両端を支持されるため、装置本体1の内部により確実に位置決めされた状態となる。
【0115】
画像形成装置100を使用する際には、ユーザーによって、カートリッジ2は装置本体1から取り出され、トナーシール10jがカートリッジ2から引き抜かれる。この後、トナーシール10jとともに把手部材10gがユーザーによってカートリッジ2から取り外されることとなり、カートリッジ2は稼働位置30に装着可能になる。
【0116】
カートリッジ2の非駆動側に設けられた把手部材10gは、カートリッジ2を使用する上で取り外しが必要となる部材である。カートリッジ2を退避位置31に位置決めする離間部材を別途設け、これをユーザーに取り外させる場合とは異なり、ユーザーに余分な操作をさせる必要はない。
【符号の説明】
【0117】
100、300 画像形成装置
1、201 画像形成装置本体
2、202 プロセスカートリッジ
55、105、205 ドア
5a 角穴
7 開口部
20 感光体ドラム
22 ドラムカップリング
30 稼働位置
31 退避位置
40a、240a 本体カップリング
44 リンクアーム
44e スナップフィットe
110 ドア側磁石ユニット
144b アーム側磁石ユニット
60a、60b、61a ガイドレール
205 押さえ部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、前記装置本体に取り外し可能に装着されるカートリッジと、
前記カートリッジを装着するための開口部と、
前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、
前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、
前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記装置本体と当接して、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置させた状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを可能とする当接部と、
を備え、
前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記カートリッジが前記開口部から前記装置本体に装着されると、前記カートリッジは前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接して前記装着方向への移動が規制され、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側にある退避位置にて位置決めされた状態となり、この状態で前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動することで、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カートリッジに設けられた感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに形成された現像剤像を前記記録媒体に転写するための転写ローラと、を備え、
前記退避位置は、前記感光体ドラムが前記転写ローラから離間する位置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装着方向において、前記カートリッジが前記退避位置と前記稼働位置の間に位置する際に前記カートリッジを押圧する押圧部と、前記カートリッジが前記退避位置に位置する際に、前記カートリッジの移動を規制する移動規制部と、を有する押さえ部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記押さえ部材は前記開閉部材に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材と連結する連結部を備え、
前記連結部または前記被連結部のいずれか一方は、前記開閉部材の移動方向に対して交差する方向に撓むスナップフィットによって形成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スナップフィットが撓むことを抑制することで、前記連結部と前記被連結部とが連結した状態を保つ固定部材を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材に連結する連結部を有し、
前記連結部は前記被連結部と磁力により連結することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記連結部を、前記リンク部材に移動可能に設けたことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記被連結部を、前記開閉部材に移動可能に設けたことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
更に、前記カートリッジは現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部を封止する封止部材と、前記封止部材と連結し、前記封止部材を前記カートリッジから取り外す際に把持される把手部材を有し、
前記画像形成装置は、前記カートリッジが前記退避位置に位置する際に、前記把手部材と当接して、前記カートリッジが装着方向に移動することを規制する係止部を有し、
前記装着方向と直交する方向において、前記カートリッジカップリングが前記カートリッジの一端側に設けられるのに対して、前記把手部材は前記カートリッジの他端側に設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置にカートリッジを装着する方法において、
前記カートリッジは、画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、
前記画像形成装置は、
前記カートリッジを装着するための開口部と、
前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、
前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、
前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、
を有し、
前記方法は、
前記リンク部材と前記開閉部材を連結させないことで、前記リンク部材に設けられた当接部を前記装置本体の枠体に当接させて、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めした状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結可能にする、本体カップリング位置決め工程と、
前記カートリッジを前記開口部から前記装置本体に挿入し、前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接させて、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側に位置する退避位置に位置決めする、前記本体カップリング位置決め工程に続くカートリッジ位置決め工程と、
前記開閉部材を開位置から閉位置に移動することで、前記リンク部材と前記開閉部材を連結する、前記カートリッジ位置決め工程に続く連結工程と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項12】
前記カートリッジは感光体ドラムを有し、前記画像形成装置は感光体ドラムに形成された現像剤像を記録媒体に転写する転写ローラを有し、
前記退避位置は、前記感光体ドラムが前記転写ローラから離間した位置であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項13】
更に前記画像形成装置は、
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材と連結する連結部を備え、
前記連結工程において、前記連結部と前記被連結部のいずれか一方は、前記開閉部材の移動方向に対して交差する方向に撓むスナップフィットによって形成されることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項14】
前記スナップフィットが撓むことを抑制することで、前記連結部と前記被連結部とが連結した状態を保つ固定部材を前記画像形成装置に取り付ける、前記連結工程に続く固定工程を有することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項15】
更に前記画像形成装置は、
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材と連結する連結部を備え、
前記連結工程において、前記連結部を前記被連結部と磁力によって連結することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
前記画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、前記装置本体に取り外し可能に装着されるカートリッジと、
前記カートリッジを装着するための開口部と、
前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、
前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、
前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記装置本体と当接して、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置させた状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを可能とする当接部と、
を備え、
前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記カートリッジが前記開口部から前記装置本体に装着されると、前記カートリッジは前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接して前記装着方向への移動が規制され、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側にある退避位置にて位置決めされた状態となり、この状態で前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動することで、前記リンク部材が前記開閉部材と連結することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カートリッジに設けられた感光体ドラムと、
前記感光体ドラムに形成された現像剤像を前記記録媒体に転写するための転写ローラと、を備え、
前記退避位置は、前記感光体ドラムが前記転写ローラから離間する位置であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記装着方向において、前記カートリッジが前記退避位置と前記稼働位置の間に位置する際に前記カートリッジを押圧する押圧部と、前記カートリッジが前記退避位置に位置する際に、前記カートリッジの移動を規制する移動規制部と、を有する押さえ部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記押さえ部材は前記開閉部材に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材と連結する連結部を備え、
前記連結部または前記被連結部のいずれか一方は、前記開閉部材の移動方向に対して交差する方向に撓むスナップフィットによって形成される請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記スナップフィットが撓むことを抑制することで、前記連結部と前記被連結部とが連結した状態を保つ固定部材を有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材に連結する連結部を有し、
前記連結部は前記被連結部と磁力により連結することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記連結部を、前記リンク部材に移動可能に設けたことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記被連結部を、前記開閉部材に移動可能に設けたことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
更に、前記カートリッジは現像剤を収納する現像剤収納部と、前記現像剤収納部を封止する封止部材と、前記封止部材と連結し、前記封止部材を前記カートリッジから取り外す際に把持される把手部材を有し、
前記画像形成装置は、前記カートリッジが前記退避位置に位置する際に、前記把手部材と当接して、前記カートリッジが装着方向に移動することを規制する係止部を有し、
前記装着方向と直交する方向において、前記カートリッジカップリングが前記カートリッジの一端側に設けられるのに対して、前記把手部材は前記カートリッジの他端側に設けられることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置にカートリッジを装着する方法において、
前記カートリッジは、画像形成装置の装置本体から駆動力を受けるカートリッジカップリングを有し、
前記画像形成装置は、
前記カートリッジを装着するための開口部と、
前記開口部を覆う閉位置と、前記開口部を開放する開位置とを移動可能な開閉部材と、
前記カートリッジが前記装置本体の所定の稼働位置に位置する際に、前記カートリッジに駆動力を伝達可能な本体カップリングであって、前記カートリッジが前記開口部から前記稼働位置に移動する装着方向と交差する方向に移動可能であって、前記カートリッジカップリングと係合可能な係合位置と、前記カートリッジカップリングから離間する離間位置とを取り得る本体カップリングと、
前記本体カップリングを移動させるリンク部材であって、前記開閉部材と連結することによって、前記開閉部材が前記閉位置に位置する際に、前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めし、前記開閉部材が前記開位置に位置する際に前記本体カップリングを前記離間位置に位置決めするリンク部材と、
を有し、
前記方法は、
前記リンク部材と前記開閉部材を連結させないことで、前記リンク部材に設けられた当接部を前記装置本体の枠体に当接させて、前記リンク部材が前記本体カップリングを前記係合位置に位置決めした状態を保ち、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動した際に、前記リンク部材が前記開閉部材と連結可能にする、本体カップリング位置決め工程と、
前記カートリッジを前記開口部から前記装置本体に挿入し、前記係合位置に位置する前記本体カップリングと当接させて、前記装着方向において前記稼働位置よりも上流側に位置する退避位置に位置決めする、前記本体カップリング位置決め工程に続くカートリッジ位置決め工程と、
前記開閉部材を開位置から閉位置に移動することで、前記リンク部材と前記開閉部材を連結する、前記カートリッジ位置決め工程に続く連結工程と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項12】
前記カートリッジは感光体ドラムを有し、前記画像形成装置は感光体ドラムに形成された現像剤像を記録媒体に転写する転写ローラを有し、
前記退避位置は、前記感光体ドラムが前記転写ローラから離間した位置であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項13】
更に前記画像形成装置は、
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材と連結する連結部を備え、
前記連結工程において、前記連結部と前記被連結部のいずれか一方は、前記開閉部材の移動方向に対して交差する方向に撓むスナップフィットによって形成されることを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項14】
前記スナップフィットが撓むことを抑制することで、前記連結部と前記被連結部とが連結した状態を保つ固定部材を前記画像形成装置に取り付ける、前記連結工程に続く固定工程を有することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【請求項15】
更に前記画像形成装置は、
前記リンク部材に設けられ、前記リンク部材が前記開閉部材と連結されない状態で、前記開閉部材が前記開位置から前記閉位置に移動すると、前記開閉部材に設けられた被連結部と連結して、前記リンク部材を前記開閉部材と連結する連結部を備え、
前記連結工程において、前記連結部を前記被連結部と磁力によって連結することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成装置にカートリッジを装着する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2013−54183(P2013−54183A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191752(P2011−191752)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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