説明

画像形成装置およびプログラム

【課題】印刷資源不足によりある印刷指示に基づく画像出力処理が中断した場合でも、不足した印刷資源が補給されるまで画像出力処理を中断する場合と比較して、印刷資源が不足しない他の印刷指示に基づく画像出力処理が完了する時刻を早めることを可能とする。
【解決手段】印刷ジョブ選択実行部35は、画像出力処理に伴い消費される印刷用紙、インク、トナー等の印刷資源の不足により画像出力部37における画像出力処理が中断した場合、実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの中から実行すべき印刷ジョブを選択する。印刷ジョブ選択実行部35は、画像出力処理が中断された印刷ジョブにより使用される印刷資源を使用しない印刷ジョブの中から実行すべき印刷ジョブを選択する。また、印刷ジョブ選択実行部35は、画像出力部37における印刷資源が要求される印刷資源を満たす印刷ジョブの中から実行すべき印刷ジョブを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、指定されたサイズの用紙がない場合、ユーザに印刷に必要な用紙がない旨を表示し、給紙を促し、指定された印刷物が得られるようにした画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−254485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、印刷資源不足によりある印刷指示に基づく画像出力処理が中断した場合でも、不足した印刷資源が補給されるまで画像出力処理を中断する場合と比較して、印刷資源が不足しない他の印刷指示に基づく画像出力処理が完了する時刻を早めることが可能な画像形成装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[画像形成装置]
請求項1に係る本発明は、受け付けた印刷指示に基づいて画像を出力する画像出力手段と、
画像出力処理に伴い消費される印刷資源の不足により前記画像出力手段における画像出力処理が中断した場合、実行中の印刷指示以外の印刷指示の中から実行すべき印刷指示を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された印刷指示に基づいて、画像出力処理を行うよう前記画像出力手段を制御する制御手段とを有する画像形成装置である。
【0006】
請求項2に係る本発明は、受け付けた印刷指示に基づいて画像出力手段により出力するための画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データを、その画像データを出力する際に使用する印刷資源の情報である要求印刷資源情報とともに格納する格納手段とをさらに備え、
前記選択手段は、画像データが生成されている印刷指示の中から、実行すべき印刷指示を選択する請求項1記載の画像形成装置である。
【0007】
請求項3に係る本発明は、前記選択手段が、画像出力処理が中断された印刷指示により使用される印刷資源を使用しない印刷指示の中から、実行すべき印刷指示を選択する請求項2記載の画像形成装置である。
【0008】
請求項4に係る本発明は、前記選択手段が、前記画像出力手段における印刷資源が要求印刷資源情報により示される印刷資源を満たす印刷指示の中から、実行すべき印刷指示を選択する請求項2または3記載の画像形成装置である。
【0009】
請求項5に係る本発明は、前記選択手段が、画像出力処理が中断された印刷指示の排出先と同一の排出先の印刷指示の優先順位を、他の印刷指示の優先順位よりも下げて、実行すべき印刷指示を選択する請求項1から4のいずれか1項記載の画像形成装置である。
【0010】
請求項6に係る本発明は、前記制御手段が、不足した印刷資源が補給された場合、印刷資源の不足により画像出力処理を中断した印刷指示に基づく画像出力処理を再開するよう前記画像出力手段を制御する1から5のいずれか1項記載の画像形成装置である。
【0011】
[プログラム]
請求項7に係る本発明は、画像出力処理に伴い消費される印刷資源の不足により、受け付けた印刷指示に基づいて画像を出力する画像出力手段における画像出力処理が中断した場合、実行中の印刷指示以外の印刷指示の中から実行すべき印刷指示を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択された印刷指示に基づいて、画像出力処理を行うよう前記画像出力手段を制御するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によれば、印刷資源不足によりある印刷指示に基づく画像出力処理が中断した場合でも、不足した印刷資源が補給されるまで画像出力処理を中断する場合と比較して、印刷資源が不足しない他の印刷指示に基づく画像出力処理が完了する時刻を早めることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によれば、請求項1に係る本発明により得られる効果に加えて、画像データが生成された印刷指示を選択して画像出力処理を実行可能な画像形成装置を提供することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によれば、請求項2に係る本発明により得られる効果に加えて、後続する印刷指示に基づく画像出力処理によって、先行する印刷指示に基づく画像出力処理において使用される印刷資源を使用してしまうことを防ぐことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0015】
請求項4に係る本発明によれば、請求項2または3に係る本発明により得られる効果に加えて、選択された印刷指示に基づく画像出力処理が、印刷資源不足により再度中断してしまうことを防ぐことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0016】
請求項5に係る本発明によれば、請求項1から4のいずれか1項に係る本発明により得られる効果に加えて、画像出力処理が中断した印刷指示の出力結果と、選択手段により選択された印刷指示の出力結果とが、排出先において混在することを防ぐことが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0017】
請求項6に係る本発明によれば、請求項1から5のいずれか1項に係る本発明により得られる効果に加えて、不足した印刷資源が補給された場合には、画像出力処理を中断した印刷指示に基づく画像出力処理を再開することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0018】
請求項7に係る本発明によれば、印刷資源不足によりある印刷指示に基づく画像出力処理が中断した場合でも、不足した印刷資源が補給されるまで画像出力処理を中断する場合と比較して、印刷資源が不足しない他の印刷指示に基づく画像出力処理が完了する時刻を早めることが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態における画像形成装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態における画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【図4】展開済み印刷ジョブリストの一例を示す図(図4(A))、および中断中印刷ジョブリストの一例を示す図(図4(B))である。
【図5】イメージデータ生成部33におけるイメージデータ生成処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】印刷資源が不足したことによる画像出力の中断処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】印刷ジョブ中断要求を受けた印刷ジョブ選択実行部35における処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】印刷資源が補給された場合の印刷ジョブの再開処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態における画像形成装置10の具体的な動作の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態における画像形成装置10の具体的な動作の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態の画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【0021】
本発明の一実施形態の画像形成システムは、図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された画像形成装置10、および端末装置20により構成される。端末装置20は、印刷データを生成して、ネットワーク30経由にて生成した印刷データを画像形成装置10に対して送信する。画像形成装置10は、端末装置20から送信された印刷データを受け付けて、印刷データに応じた画像を用紙上に出力する。なお、画像形成装置10は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0022】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける画像形成装置10のハードウェア構成を図2に示す。
【0023】
画像形成装置10は、図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15、スキャナ16、プリントエンジン17を有する。これらの構成要素は、制御バス18を介して互いに接続されている。
【0024】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置10の動作を制御する。
【0025】
なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、当該プログラムをCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0026】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される画像形成装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0027】
本実施形態の画像形成装置10は、図3に示されるように、印刷ジョブ受付部31と、印刷ジョブ格納部32と、イメージデータ生成部33と、イメージデータ格納部34と、印刷ジョブ選択実行部35と、印刷制御部36と、画像出力部37と、印刷資源情報管理部38とを備えている。
【0028】
なお、1つの印刷ジョブは、イメージデータ生成処理と、画像出力処理という、それぞれ独立した2つの処理により実行される。ここで、イメージデータ生成処理とは、ポストスクリプト形式のような印刷データを、ラスタ形式のイメージデータに変換する展開処理である。そして、画像出力処理とは、生成されたイメージデータに基づいて、印刷用紙上に画像を印刷するような処理である。
【0029】
印刷ジョブ受付部31は、端末装置20から送信されてきた印刷ジョブ(印刷指示)を受け付けて、印刷ジョブ格納部32に格納する。
【0030】
イメージデータ生成部33は、印刷ジョブ受付部31により受け付けられて印刷ジョブ格納部32に格納された印刷ジョブに基づいて、画像出力部37において出力するための形式のイメージデータ(画像データ)を生成する。このようにしてイメージデータが生成されてた印刷ジョブは、図4(A)に示すような展開済み印刷ジョブリストとして管理される。
【0031】
イメージデータ格納部34は、イメージデータ生成部33により生成されたイメージデータを、そのイメージデータを出力する際に使用する印刷資源の情報である要求印刷資源情報とともに格納する。
【0032】
ここで、印刷資源とは、画像出力処理に伴い消費される資源であり、具体的には、印刷用紙、インクやトナー等の画形材料、排出先の排出可能な容量、ステイプル針等の印刷処理を実行することにより減少する消耗品等の消費部材が含まれる。
【0033】
画像出力部37は、印刷制御部36による制御に従って、印刷ジョブ受付部31により受け付けられた印刷ジョブに基づいた画像を出力する。
【0034】
印刷制御部36は、印刷ジョブ選択実行部35により選択された印刷ジョブに基づいて、画像出力処理を行うよう画像出力部37を制御する。
【0035】
そして、印刷制御部36は、不足した印刷資源が補給されたことが印刷資源情報管理部38により検出された場合、印刷資源の不足により画像出力処理を中断した印刷ジョブに基づく画像出力処理を再開するよう画像出力部27を制御する。
【0036】
印刷資源情報管理部38は、画像出力部37における印刷資源を管理していて、印刷資源が不足した場合には、印刷制御部36に対して実行中の印刷ジョブの画像出力処理の中断要求を行う。そして、画像出力処理が中断された印刷ジョブは、図4(B)に示すような中断中印刷ジョブリストにより管理される。
【0037】
印刷ジョブ選択実行部35は、画像出力処理に伴い消費される印刷資源の不足により画像出力部37における画像出力処理が中断した場合、実行中の印刷ジョブ以外の印刷ジョブの中から実行すべき印刷ジョブを選択する。
【0038】
ここで、印刷ジョブ選択実行部35は、画像出力処理が中断された印刷ジョブにより使用される印刷資源を使用しない印刷ジョブの中から、実行すべき印刷ジョブを選択する。また、印刷ジョブ選択実行部35は、画像出力部37における印刷資源が要求印刷資源情報により示される印刷資源を満たす印刷ジョブの中から、実行すべき印刷ジョブを選択する。
【0039】
さらに、印刷ジョブ選択実行部35は、画像出力処理が中断された印刷ジョブの排出先と同一の排出先の印刷ジョブの優先順位を、他の印刷ジョブの優先順位よりも下げて、実行すべき印刷ジョブを選択する。ただし、他に実行すべき印刷ジョブが存在せず、中断中の印刷ジョブの排出先と同一の排出先の印刷ジョブを起動する場合には、印刷結果を区切る処理が実行される。例えば、印刷結果の前後にバナーシートや、セパレータを挿入するという処理や、印刷結果の排出位置をずらすオフセット排出するような処理を実行することが好ましい。
【0040】
次に、本実施形態における画像形成装置10の動作を図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
先ず、イメージデータ生成部33におけるイメージデータ生成処理について図5のフローチャートを参照して説明する。
ここでは、イメージデータ生成部33は、ページ単位でイメージデータの生成を行うものとして説明する。まず、イメージデータ生成部33は、イメージデータを生成すべき印刷データが存在するか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101においてイメージデータを生成すべき印刷データが存在すると判定された場合、イメージデータ生成部33では、印刷ジョブに含まれる印刷データに基づいてイメージデータを生成し(ステップS102)、生成したイメージデータをイメージデータ格納部34に蓄積する(ステップS103)。
【0042】
そして、イメージデータ生成部33は、生成したイメージデータに基づいて要求印刷資源情報を更新する(ステップS104)。そして、生成したイメージデータが1ページ目である場合には(ステップS105においてYes)、画像出力処理起動要求を行う(ステップS106)。
【0043】
イメージデータ生成部33では、上記の処理が繰り返されることにより、全てのページのイメージデータが生成される。
【0044】
次に、印刷資源が不足したことによる画像出力の中断処理を図6のフローチャートを参照して説明する。
ある印刷ジョブの実行中に印刷資源が不足し画像出力部37から印刷資源情報管理部38に印刷資源不足が通知された場合(ステップS201)、印刷資源情報管理部38では、実行中の印刷ジョブの進捗情報を生成し(ステップS202)、使用中の全ての印刷資源を解放して(ステップS203)、印刷ジョブの中断要求を印刷制御部36や印刷ジョブ選択実行部35に対して行う(ステップS204)。
【0045】
次に、印刷ジョブ中断要求を受けた印刷ジョブ選択実行部35における処理を図7のフローチャートを参照して説明する。
印刷資源情報管理部38から中断要求がされた場合(ステップS301)、印刷ジョブ選択実行部35では、展開済み印刷ジョブリストの先頭に格納されている印刷ジョブの情報を取得する(ステップS302)。
【0046】
展開済み印刷ジョブリストの先頭に印刷ジョブが存在する場合(ステップS303においてYes)、印刷ジョブ選択実行部35は、中断した印刷ジョブと、展開済み印刷ジョブリストから選択した印刷ジョブの要求印刷資源情報を比較する(ステップS304)。
【0047】
そして、印刷ジョブ選択実行部35は、選択した印刷ジョブの要求印刷資源が、中断した印刷ジョブの要求印刷資源情報に含まれるか否かを判定する(ステップS305)。
【0048】
ステップS305において、選択した印刷ジョブの要求印刷資源が、中断した印刷ジョブの要求印刷資源情報に含まれると判定された場合、印刷ジョブ選択実行部35は、展開済み印刷ジョブリストの次の印刷ジョブの情報を取得して(ステップS306)、ステップS303〜S306の処理を再度繰り返す。
【0049】
ステップS305において、選択した印刷ジョブの要求印刷資源が、中断した印刷ジョブの要求印刷資源情報に含まれないと判定された場合、印刷ジョブ選択実行部35は、中断した印刷ジョブの情報を中断中印刷ジョブリストに追加し(ステップS307)、選択した印刷ジョブを起動する(ステップS308)。
【0050】
次に、印刷資源が補給された場合の印刷ジョブの再開処理を、図8のフローチャートを参照して説明する。
ある印刷ジョブが印刷資源不足で中断した状態において印刷資源が補給された場合(ステップS401)、印刷ジョブ選択実行部35では、中断中印刷ジョブリストの先頭に格納されている印刷ジョブの情報を取得する(ステップS402)。
【0051】
中断中印刷ジョブリストの先頭に印刷ジョブが存在する場合(ステップS403においてYes)、印刷ジョブ選択実行部35は、中断中の印刷ジョブの要求印刷資源情報を取得する(ステップS404)。
【0052】
そして、印刷ジョブ選択実行部35は、取得した要求印刷資源情報中の全ての印刷資源が補給済み状態であるか否かを判定する(ステップS405)。
【0053】
ステップS405において、印刷資源のいずれかが補給済み状態でないと判定された場合、印刷ジョブ選択実行部35は、中断中印刷ジョブリストの次の印刷ジョブの情報を取得して(ステップS406)、ステップS403〜S406の処理を再度繰り返す。
【0054】
ステップS405において、全ての印刷資源が補給済み状態であると判定された場合、印刷ジョブ選択実行部35は、中断中印刷ジョブリストから、選択した印刷ジョブの情報を削除し(ステップS407)、選択した印刷ジョブを起動する(ステップS408)。
【0055】
次に、本実施形態における画像形成装置10の具体的な動作を図9、図10を参照して説明する。
【0056】
図9に示す具体例では、印刷ジョブ1は、印刷用紙が「A3S(A3縦置き)」、排出先が「トップトレイ」を指定され、印刷ジョブ2は、印刷用紙が「B5L(B5横置き)」、排出先が「スタッカ」を指定されているものとする。
【0057】
ここでは、印刷ジョブ1〜3は、印刷ジョブ1、印刷ジョブ2、印刷ジョブ3という順序で画像形成装置10に指示されているため、イメージデータ生成処理は、イメージ生成処理1〜3という順序で順次実行される。
【0058】
そして、画像出力処理についても、まず印刷ジョブ1の画像出力処理1が起動されて実行される(時刻t1)。しかし、ここで、画像出力処理1の途中でA3用紙が不足となった場合、画像出力処理1はその時点で中断される(時刻t2)。
【0059】
すると、印刷ジョブ選択実行部35は、イメージデータが生成済みの印刷ジョブの中から次に実行すべき印刷ジョブを検索する。しかし、時刻t2の時点では、イメージデータが生成済みの印刷ジョブが無いため、展開済み印刷ジョブリストには印刷ジョブは登録されていない。しかし、時刻t3において印刷ジョブ2のイメージデータ生成処理が終了し、印刷ジョブ2が展開済み印刷ジョブリストに登録されると、印刷ジョブ選択実行部35は、印刷ジョブ2の要求印刷資源情報を取得する。
【0060】
そして、印刷ジョブ選択実行部35は、印刷ジョブ2の要求印刷資源情報に、印刷ジョブ1が使用している印刷資源が含まれるかどうかを確認する。ここでは、印刷ジョブ2の要求印刷資源情報には、印刷ジョブ1が使用している印刷資源は含まれない。また、中断した印刷ジョブ1の排出先と、印刷ジョブ2の排出先も異なる。そのため、印刷ジョブ選択実行部35は、印刷ジョブ2を実行すべき印刷ジョブとして決定し、印刷ジョブ2の画像出力処理2が起動される。
【0061】
そして、画像出力処理2が実行されている間に、A3用紙が補給された場合(時刻t4)、画像出力処理2の終了後に、印刷ジョブ1の画像出力処理2が再開される(時刻t5)。そして、画像出力処理1の終了後には、印刷ジョブ3の画像出力処理3が開始される(時刻t6)。
【0062】
図10に示す具体例では、印刷ジョブ1は、印刷用紙が「A4L(普通紙)」が指定され、印刷ジョブ2は、印刷用紙が「A4L(厚紙)、A4L(普通紙)」が指定され、印刷ジョブ3は、印刷用紙が「A4L(厚紙)」が指定されているものとする。
【0063】
この図10においても、印刷ジョブ1〜3は、印刷ジョブ1、印刷ジョブ2、印刷ジョブ3という順序で画像形成装置10に指示されているため、イメージデータ生成処理は、イメージ生成処理1〜3という順序で順次実行される。
【0064】
そして、画像出力処理についても、まず印刷ジョブ1の画像出力処理1が起動されて実行される(時刻t1)。しかし、ここで、画像出力処理1の途中でA4L(普通紙)の印刷用紙が不足となった場合、画像出力処理1はその時点で中断される(時刻t2)。
【0065】
すると、印刷ジョブ選択実行部35は、イメージデータが生成済みの印刷ジョブの中から次に実行すべき印刷ジョブを検索する。この時刻t2の時点では、印刷ジョブ2、3のイメージ生成処理2、3は、いずれも完了しているものとする。しかし、印刷ジョブ2の要求印刷資源情報には、印刷ジョブ1で使用される「A4L(普通紙)」という印刷資源が含まれている。そのため、印刷ジョブ選択実行部35は、印刷ジョブ3の要求印刷資源情報に、印刷ジョブ1が使用している印刷資源が含まれるかどうかを確認する。ここでは、印刷ジョブ3の要求印刷資源情報には、印刷ジョブ1が使用している印刷資源は含まれない。そのため、印刷ジョブ選択実行部35は、印刷ジョブ3を実行すべき印刷ジョブとして決定し、印刷ジョブ3の画像出力処理3が起動される(時刻t2)。
【0066】
そして、時刻t3において画像出力処理3が完了するが、依然としてA4L(普通紙)の印刷用紙は不足状態であるため、印刷ジョブ1、2の画像出力処理1、2はいずれも起動されない。
【0067】
そして、時刻t4においてA4L(普通紙)の印刷用紙が補給されると、画像出力処理1が再開される(時刻t4)。そして、画像出力処理1が終了すると(時刻t5)、次に画像出力処理2が起動される。
【符号の説明】
【0068】
10 画像形成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 スキャナ
17 プリントエンジン
18 制御バス
20 端末装置
30 ネットワーク
31 印刷ジョブ受付部
32 印刷ジョブ格納部
33 イメージデータ生成部
34 イメージデータ格納部
35 印刷ジョブ選択実行部
36 印刷制御部
37 画像出力部
38 印刷資源情報管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け付けた印刷指示に基づいて画像を出力する画像出力手段と、
画像出力処理に伴い消費される印刷資源の不足により前記画像出力手段における画像出力処理が中断した場合、実行中の印刷指示以外の印刷指示の中から実行すべき印刷指示を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された印刷指示に基づいて、画像出力処理を行うよう前記画像出力手段を制御する制御手段と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
受け付けた印刷指示に基づいて画像出力手段により出力するための画像データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された画像データを、その画像データを出力する際に使用する印刷資源の情報である要求印刷資源情報とともに格納する格納手段とをさらに備え、
前記選択手段は、画像データが生成されている印刷指示の中から、実行すべき印刷指示を選択する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記選択手段は、画像出力処理が中断された印刷指示により使用される印刷資源を使用しない印刷指示の中から、実行すべき印刷指示を選択する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記選択手段は、前記画像出力手段における印刷資源が要求印刷資源情報により示される印刷資源を満たす印刷指示の中から、実行すべき印刷指示を選択する請求項2または3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記選択手段は、画像出力処理が中断された印刷指示の排出先と同一の排出先の印刷指示の優先順位を、他の印刷指示の優先順位よりも下げて、実行すべき印刷指示を選択する請求項1から4のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御手段は、不足した印刷資源が補給された場合、印刷資源の不足により画像出力処理を中断した印刷指示に基づく画像出力処理を再開するよう前記画像出力手段を制御する1から5のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像出力処理に伴い消費される印刷資源の不足により、受け付けた印刷指示に基づいて画像を出力する画像出力手段における画像出力処理が中断した場合、実行中の印刷指示以外の印刷指示の中から実行すべき印刷指示を選択する選択ステップと、
前記選択ステップにおいて選択された印刷指示に基づいて、画像出力処理を行うよう前記画像出力手段を制御するステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−20396(P2011−20396A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168685(P2009−168685)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】