説明

画像形成装置および回転清掃部材劣化検知方法

【課題】静電転写プロセスを利用した画像形成装置において、回転清掃部材の劣化を簡易的に検知する方法、および、これを用いて画像劣化を軽減することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体11に接触して一様に帯電する帯電ローラ(回転帯電部材)12に接触して従動する清掃ローラ(回転清掃部材)121と、前記帯電された像担持体を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像を現像して顕像化する現像装置13と、前記回転清掃部材の周速を検知するための周速検知部21と、検知された周速が所定の閾値を超えたとき前記露光手段の露光条件または前記現像手段の現像条件を変更する制御部24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電転写プロセスを利用した画像形成装置に関し、特に、感光体に接触して一様に帯電する回転帯電部材と、この回転帯電部材に接触して従動する回転清掃部材と、前記帯電された感光体を露光して潜像し、この潜像を可視化する現像手段とを備えた画像形成装置およびその回転清掃部材劣化検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置では、感光体(像担持体)が帯電ローラにより一様に帯電され、露光により潜像が形成される。この潜像は現像装置によって現像剤(トナー)で可視像化される。この可視像化されたトナー像は転写材に転写され、トナー像が定着装置によって転写材上に固着される。このようにして印刷画像が形成される。トナー像の転写後に転写材に転移せず感光体に残留したトナーは、そのままクリーニング装置に達し、クリーニング装置に設置されたクリーニングブレードによって除去されて、像担持体は次の画像形成工程に入り得る状態になる。
【0003】
このような構成の画像形成装置にあっては、使用が長期にわたるにつれて、クリーニングブレードをすり抜けたトナー、装置本体内の浮遊トナーなどが次第に帯電ローラに付着してこれを汚染し、帯電ムラ、帯電不良等を発生して画質の劣化を招くという問題があった。
【0004】
また、クリーニングブレードによって微量ではあるが、像担持体表面感光層が削られて、その削り粉が像担持体に乗って帯電ローラに付着して帯電ローラを汚染する。
【0005】
このような問題に対して、従来は、清掃ローラを帯電ローラに摺擦させることで帯電ローラに付着した物質を除去するといった手法がとられてきた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−15962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献に記載の清掃方法では、使用期間が長くなると清掃ローラの清掃能力が低下してしまい、帯電ローラ上に汚れのムラが発生することで、感光体の帯電ムラを引き起こし、出力画像にスジ状の画像ムラ等の画像劣化が発生するといった問題があった。
【0008】
本発明はこのような背景においてなされたものであり、その目的は静電転写プロセスを利用した画像形成装置において、回転清掃部材の劣化を簡易的に検知する方法、および、これを用いて画像劣化を軽減することができる画像形成装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、静電転写プロセスを利用した画像形成装置において、回転清掃部材の寿命あるいはその不備等による回転異常を検知し、使用者に警告を出して回転清掃部材の不適切な使用を防止し、安定した画像形成を持続させることができる画像形成装置および回転清掃部材劣化検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による画像形成装置は、像担持体に接触して一様に帯電する回転帯電部材と、この回転帯電部材に接触して従動する回転清掃部材と、前記帯電された像担持体を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像を現像して顕像化する現像手段とを備えた画像形成装置において、前記回転清掃部材の周速を検知するための周速検知手段と、検知された周速が所定の閾値を超えたとき前記露光手段の露光条件または前記現像手段の現像条件を変更する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
前記周速検知手段により回転清掃部材の周速を検知し、その結果、検知された周速が所定の閾値を超えていれば、回転清掃部材が耐久により特定の程度まで劣化したことと判定することができる。そこで、現像手段の現像条件を変更することにより、当該回転清掃部材の劣化に伴う画像の劣化を軽減することができる。
【0012】
前記検知された周速が前記所定の閾値より高い第2の閾値を超えたとき、回転清掃部材の耐久による劣化が看過しがたい程度にまで達したと判断することができる。このとき、前記警告発生手段により警告を発することにより、ユーザに対してその旨を知らしめることができる。例えば、回転清掃部材の交換を促すこともできる。
【0013】
また、前記検知された周速が前記所定の閾値より高い第2の閾値を超えたとき、前記制御手段は画像形成動作を停止させることにより、劣化した画像の出力を抑止することができる。
【0014】
さらに、前記検知された周速が前記所定の閾値より低い第3の閾値より低くなったとき、警告を発する警告発生手段を備えてもよい。これにより、ユーザに対してその旨を知らしめることができる。例えば、回転清掃部材のチェックを促すことができる。
【0015】
前記検知された周速が前記所定の閾値より低い第3の閾値より低くなったとき、前記制御手段は画像形成動作を停止させるようにしてもよい。これにより、劣化した画像の出力を抑止することができる。
【0016】
前記周速検知手段は、前記回転清掃部材の回転軸部分に設けられた光反射部材と、この光反射部材に光を照射してその反射光を検知する手段により構成することができる。
【0017】
本発明による回転清掃部材劣化検知方法は、像担持体に接触して一様に帯電する回転帯電部材と、この回転帯電部材に接触して従動する回転清掃部材と、前記像担持体上の潜像を可視化する現像手段とを備えた画像形成装置における回転清掃部材の劣化を検知する方法であって、前記回転清掃部材の周速を検知するステップと、検知された周速を所定の閾値と比較するステップと、前記検知された周速が所定の閾値を超えたとき前記回転清掃部材が耐久により劣化したと判断するステップとを備えたことを特徴とする。
【0018】
前記検知された周速が前記所定の閾値より高い第2の閾値を超えたとき、前記回転清掃部材の交換が必要であると判断するステップをさらに備えてもよい。
【0019】
また、前記検知された周速が前記所定の閾値より低い第3の閾値より低くなったとき、清掃ローラの不備や異物混入による周速低下が発生したと判断するステップをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、静電転写プロセスを利用した画像形成装置において、回転帯電部材に従動する回転清掃部材の周速の検知結果に基づいて回転清掃部材の劣化を検知し、その検知結果に基づいて現像条件を変更することにより、回転清掃部材の劣化に伴う画像の劣化を軽減することができる。
【0021】
また、回転清掃部材の周速を検知することにより、回転清掃部材の寿命あるいは回転清掃部材の不備等による回転異常を検知し、使用者に警告を出すことにより、回転清掃部材の不適切な使用を防止し、本体制御変更により長期に渡って安定した画像を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置10の一例としてのプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】図1内に示した清掃ローラの周速を検知するための周速検知部の構成例を説明するための図である。
【図3】印刷した記録材の枚数である通紙枚数(K:千枚)を横軸とし、清掃ローラ周速を縦軸として示したグラフである。
【図4】図1内に示した警告発生部の処理例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態の効果を従来技術と対比して説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施の形態に係る画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0024】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電転写プロセスを利用した画像形成装置10の一例としてのプリンタの概略構成を示す図である。
【0025】
この画像形成装置10は像担持体としてのドラム状の感光体11を備えており、感光体11の周囲にはその矢印aに沿った回転方向の順に、帯電ローラ12、現像装置13、転写ローラ14、クリーニング装置15が設置されている。帯電ローラ12と現像装置13の間の上方位置には露光装置16が配設されている。帯電ローラ12は、例えば弾性材料からなるローラである。帯電ローラ12に押圧され、その回転駆動に従って、従動で回転する清掃部材としての清掃ローラ121が帯電ローラ12の背面側に配設されている。清掃ローラ121は例えば導電性ブラシローラであり、好ましくは着脱可能に構成される。
【0026】
感光体11は、本実施の形態では負帯電の有機感光ドラムであり、不図示のモータ等の駆動手段により所定の周速(プロセススピード)で矢印a方向に回転駆動される。その回転過程で感光体11に接触する帯電ローラ12に所定のバイアスが印加されることによって、感光体11は一様に負極性の所定の電位に帯電される。
【0027】
帯電された感光体11上に露光装置16からレーザ光による走査露光がなされることにより感光体11の電位が部分的に低下し、感光体11表面上に画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0028】
現像領域においては、感光体11の帯電極性と同極性に現像スリーブ132に現像バイアスを印加することにより、感光体上11の静電潜像にトナーを付着させて静電潜像をトナー像として顕像化する。
【0029】
感光体上11のトナー像が感光体11と転写ローラ14間の転写ニップ部に到達すると、転写ローラ14にトナーと逆極性のバイアスが印加されることで、感光体11上のトナー像が転写材Pに転写される。
【0030】
トナー像が転写された転写材Pは定着装置18に搬送される。定着装置18は、その定着ローラ181と加圧ローラ182間の定着ニップにて加熱・加圧によりトナー像を転写材に熱定着させ、画像形成動作を終了する。
【0031】
また、転写後に感光体11上に残留している転写残トナーはクリーニング装置15のクリーニングブレード151によって除去・回収される。
【0032】
このような構成の画像形成装置10は、さらにその制御系の一部として、清掃ローラ121の周速を検知するための周速検知部21と、この周速検知部21からの信号に応じて警告信号を出力する警告発生部22と、警告信号をユーザに認識できる形式で出力する警告出力部23、および制御部24を備えている。周速検知部21の具体例については図2により後述する。警告発生部22の詳細については図3,図4により後述する。警告出力部23は、例えば所定のメッセージを表示出力するLCDなどの表示装置、および/または所定の音や音声を発生するオーディオ出力装置で構成することができる。制御部24は、周速検知部21の出力に応じて、各種条件を変更したり、画像形成停止指示を出力したりする。
【0033】
各種条件の変更の方法について説明する。帯電ローラ上のスジ状の汚れによって、感光体の電位が所定の値にならず、静電潜像に対してトナーによる現像がなされない箇所が発生する。この現像されない箇所を目立たなくするために、現像装置に印加する現像バイアスの変更や、露光装置のレーザパワーを変更する方法が考えられる。
【0034】
現像装置に印加する現像バイアスの変更例としては、現像バイアスの周波数を通常の印刷時より低くする方法が考えられる。これにより、トナーの帯電量が通常よりも低下し、トナーが現像されない箇所の電位にも少量のトナーが現像化される。その結果、出力画像上でスジ状の画像不良が目立たなくなる。
【0035】
露光装置のレーザパワーを変更する例としては、レーザパワーを通常の印刷時よりも高くする方法が考えられる。これにより、静電潜像の電位を通常の印刷時よりも上げ、負耐電しているトナーをより多く静電潜像に付着させることで、記録材に画像を熱定着させる際に、現像されない箇所にトナーが入り込みスジ状の画像不良が目立たなくなる。なおこのレーザパワー出力変更に伴い、必要に応じて他の現像条件も微調整するようにしてもよい。
【0036】
(周速検知部21の構成)
図2は、清掃ローラ121の周速を検知するための周速検知部21の構成例を説明するための図である。
【0037】
本実施の形態における清掃ローラ121は、感光体11に対して帯電ローラ12の背面側に接触配置され、帯電ローラ12の回転と同期して従動回転する。清掃ローラ121は、シャフト122を回転可能に支持されたローラを有する。このローラ部123の表面には導電性繊維が植毛されている。この導電性繊維が、帯電ローラ12に接触して、帯電ローラ表面のトナーや外添剤(シリカ等)の付着物質を、清掃ローラの回転による毛のしなりや毛のはじきなど、毛の先端の動きを利用してかきとる。
【0038】
本実施の形態における周速検知部21は、清掃ローラ121の回転軸部分に設けられた光反射部材220と、この光反射部材に光を照射してその反射光を検知する手段により構成される。この手段は、フォトインタラプタ221により構成することができる。このフォトインタラプタ221の出力に基づいて清掃ローラ121の単位時間当たりの回転数(すなわち周速)を測定する。光反射部材220に対して照射する光は可視光でなくてもよい。この周速検知部21によって測定された清掃ローラ121の周速が増加して予め定めた所定の閾値(第1の閾値)に達すると、制御部24にその旨を通知するとともに、警告発生部22に対して警告発生指示を出力する。制御部24は、現像条件を変更する。周速検知部21がさらに高い第2の閾値に達すると、制御部24(図1)に対して画像形成停止指示を出力するよう指示する。
【0039】
図3は、印刷した記録材の枚数である通紙枚数(K:千枚)を横軸とし、清掃ローラ周速を縦軸として示したグラフである。
【0040】
通紙枚数が増加するにつれて外添剤等の付着物質が清掃ローラ121のブラシ表面に付着し、帯電ローラ12と清掃ローラ121の摩擦係数が徐々に増加する。そのため、通紙枚数が増加するにつれて、帯電ローラ12に従動する清掃ローラ121の周速は上昇する。その様子を耐久時グラフG1として示す。通紙枚数が増加するにつれて摩擦係数が増加する理由は、当初帯電ローラ12の表面に対してほぼ垂直に当接していたブラシの毛が次第に傾斜することにより帯電ローラ12とブラシの接触面積が増大するためと考えられる。
【0041】
また、清掃ローラ121や不図示の軸受等の部品不良による不備や清掃ローラ121の従動回転を阻害するような異物混入の場合は清掃ローラ121の周速は低下する。その様子を異物混入時グラフG2として示す。
【0042】
(警告発生部22の処理)
次に、図4のフローチャートにより、警告発生部22の処理例を説明する。この処理は制御部24がメモリ(図示せず)に格納された制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0043】
画像形成に先立って実行される前回転が開始されると(S1)、周速検知部21による周速検知が開始される(S2)。周速検知部21で検知した周速が、予め定めた所定の上閾値Th1(所定の閾値)より高い場合(S3,Yes)、帯電ローラの汚れムラによる出力画像の画質悪化(スジ状汚れ)が発生する恐れがある。そこで、出力画像のスジ状汚れを目立たせなくするために、現像条件(現像周波数および/または露光パワー)を変更し(S4)、スジ汚れを目立たなくさせる。現像条件の変更後、前回転を終了させ(S5)、画像形成を開始させる(S6)。また、図示しないが、検知した周速が、予め定めた所定の上閾値Th1より高いこと、すなわち、清掃ローラ121の寿命が近づいた旨をユーザに警告してもよい。
【0044】
また、清掃ローラ121の周速検知部21で検知した周速が上閾値Th1以下である場合(S3,No)、次に、予め定めた所定の下閾値TL(第3の閾値)に対する判定を行う(S7)。検知した周速が下閾値TLより低い場合(S7,Yes)、清掃ローラ121の不備や異物の混入等により清掃ローラ121の周速が小さくなっていると考えられる。そこで、所定のメッセージを含む警告を表示部に表示し(S8)、前回転を終了させる(S9)。この警告では回転清掃部材のチェック(サービスマンコールを含む)を促すことができる。ついで、画像形成を停止させる(S10)。
【0045】
周速検知部21で検知した周速が上閾値Th1以下であり(S3,No)、かつ下閾値TL以上である場合(S7,No)、清掃ローラ121の周速が適正の範囲に入っていると判断する。そこで、前回転を終了させ(S11)、画像形成を開始させる(S12)。
【0046】
以上のように、清掃ローラ121の周速検知部21により、使用者の使用状態に応じた周速上昇に基づいて、現像条件を変更することにより、出力画像の劣化を改善することができる。また、清掃ローラ121の不備や異物混入による周速低下を検知し、使用者に対して適切なタイミングで清掃ローラ121の交換を促すこともできる。これらの措置により、安定した画像形成を継続して行うことができる。
【0047】
図5により本実施の形態の効果を従来技術と対比して説明する。図5に示すように、本実施の形態にかかる装置を従来装置と比較したところ、現像周波数の低下(図の例では2600Hzから1800Hzへ低下)及びレーザパワーの増加(図の例では−190Vから−100Vへの増加)によって良好な画像を得られた。
【0048】
<第2の実施の形態>
次に図6に示したフローチャートを参照して、本発明の第2実施の形態に係る画像形成装置の動作を説明する。画像形成装置の構成は第1の実施の形態と同様であり、重複した説明は省略する。
【0049】
この第2実施の形態における画像形成装置は、上閾値として2段階の上閾値Th1と、上閾値Th2(第2の閾値)を設ける。上閾値Th2は、Th1より高く、このレベルを超えると清掃ローラ121の交換が必要と判断されるレベルである。前回転開始後(S21)、清掃ローラ121の周速検知部21により周速の検知を開始する(S22)。検知された清掃ローラ121の周速が上閾値Th2より高いとき(S23,Yes)、所定のメッセージを含む警告を表示する(S24)。このときの所定のメッセージは、清掃ローラ121の交換またはそのためのサービスマンコールを促すものである。さらに、前回転の終了とともに(S25)、強制的に画像形成動作を停止する(S26)。
【0050】
ステップS23において、周速が上閾値Th2以下である場合、周速を上閾値Th1と比較する(S27)。上閾値Th1より高い場合(S27,Yes)、上述したような画像の劣化を軽減するために画像形成装置の現像条件(現像周波数および/または露光パワー)を変更する(S28)。この変更の内容は前述した第1の実施の形態と基本的に同様である。ついで、前回転を終了させ(S29)、画像形成を開始させる(S30)。
【0051】
ステップS27において、周速が上閾値Th1以下である場合(S27,No)、周速を下閾値TLと比較する(S31)。周速が下閾値TLより低い場合(S31,Yes)、清掃ローラ121の不備や異物の混入等により清掃ローラ121の周速が小さくなっていると考えられる。そこで、所定のメッセージを含む警告を表示部に表示し(S32)、前回転を終了させる(S33)。ついで、画像形成を停止させる(S34)。ステップS31において閾値TL以上である場合(S31,No)、清掃ローラ121の周速が適正の範囲に入っていると判断する。そこで、前回転を終了させ(S35)、画像形成を開始させる(S36)。
【0052】
このように、本実施の形態では、周速が上閾値Th1を超えた後も画像形成動作を続けた場合に、上閾値Th2の判定により、出力画像の画質悪化及び更なる帯電ローラの汚れ付着を防止するために画像形成動作を強制的に停止するようにした。また、使用者の使用状態に応じた周速上昇による清掃ローラの寿命検知及び清掃ローラの不備や異物混入による周速低下を検知し、使用者に対して適切なタイミングで清掃ローラの交換を促すことで安定した画像形成を行うことができる。
【0053】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、画像形成装置は、プリンタに限るものではなく、複写機、ファクシミリ機等、感光体を帯電する帯電ローラを清掃する清掃部材を用いる任意の画像形成装置に対して本発明を適用することができる。個別に挙げた数値は説明のための例示であり、本発明はそれらの具体的に数値に限定されるものではない。上閾値Th2の判定は本発明において必ずしも必須の要素ではなく、削除した構成も考えられる。
【符号の説明】
【0054】
10 画像形成装置
11 感光体(像担持体)
12 帯電ローラ(回転帯電部材)
13 現像装置
14 転写ローラ
15 クリーニング装置
16 露光装置
18 定着装置
21 周速検知部
22 警告発生部
23 警告出力部
24 制御部
121 清掃ローラ(回転清掃部材)
122 シャフト
123 ローラ部
132 現像スリーブ
181 定着ローラ
182 加圧ローラ
220 光反射部材
221 フォトインタラプタ
G1 耐久時グラフ
G2 異物混入時グラフ
P 転写材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体に接触して一様に帯電する回転帯電部材と、この回転帯電部材に接触して従動する回転清掃部材と、前記帯電された像担持体を露光して潜像を形成する露光手段と、前記潜像を現像して顕像化する現像手段とを備えた画像形成装置において、
前記回転清掃部材の周速を検知するための周速検知手段と、
検知された周速が所定の閾値を超えたとき前記露光手段の露光条件または前記現像手段の現像条件を変更する制御手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検知された周速が前記所定の閾値より高い第2の閾値を超えたとき、警告を発する警告発生手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記検知された周速が前記所定の閾値より高い第2の閾値を超えたとき、前記制御手段は画像形成動作を停止させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記検知された周速が前記所定の閾値より低い第3の閾値より低くなったとき、警告を発する警告発生手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記検知された周速が前記所定の閾値より低い第3の閾値より低くなったとき、前記制御手段は画像形成動作を停止させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記周速検知手段は、前記回転清掃部材の回転軸部分に設けられた光反射部材と、この光反射部材に光を照射してその反射光を検知する手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回転帯電部材は、弾性材料からなるローラにより構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記回転清掃部材はブラシローラにより構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記回転清掃部材は着脱可能な構成を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
像担持体に接触して一様に帯電する回転帯電部材と、この回転帯電部材に接触して従動する回転清掃部材と、前記帯電された像担持体を露光して潜像し、この潜像を可視化する現像手段とを備えた画像形成装置における回転清掃部材の劣化を検知する方法であって、
前記回転清掃部材の周速を検知するステップと、
検知された周速を所定の閾値と比較するステップと、
前記検知された周速が所定の閾値を超えたとき前記回転清掃部材が耐久により劣化したと判断するステップと
を備えたことを特徴とする回転清掃部材劣化検知方法。
【請求項11】
前記検知された周速が前記所定の閾値より高い第2の閾値を超えたとき、前記回転清掃部材の交換が必要であると判断するステップをさらに備えた請求項10に記載の回転清掃部材劣化検知方法。
【請求項12】
前記検知された周速が前記所定の閾値より低い第3の閾値より低くなったとき、清掃ローラの不備や異物混入による周速低下が発生したと判断するステップをさらに備えた請求項10または11に記載の回転清掃部材劣化検知方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−133689(P2011−133689A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293523(P2009−293523)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000208743)キヤノンファインテック株式会社 (1,218)
【Fターム(参考)】