説明

画像形成装置の媒体位置検出機構及びその媒体位置検出方法

【課題】従来、画像形成媒体の媒体端(幅)情報を得る際のラインセンサは、搬送される媒体との接触に起因するジャムを防止するために、媒体からラインセンサを離間した位置に配設する必要があり、結果、被写界深度の深い比較的高価なラインセンサを使用する必要があった。
【解決手段】本発明は、被写界深度の浅いラインセンサの使用を可能にするために、搬送される媒体をループ形状に撓ませ、媒体位置姿勢情報を得る際、常にラインセンサのセンサ面に媒体を当接させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される画像形成媒体の媒体端部位置を検出するセンサを有する画像形成装置の媒体位置検出機構及びその媒体位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタやコピー機等の画像形成装置においては、例えば記録紙に代表される画像形成媒体を画像形成部側に順次搬送する際に、画像形成媒体の端部を位置検出することによって、当該画像形成媒体への画像形成開始位置を規定してから画像形成を実施している。
【0003】
特許文献1においては、画像形成媒体であるロール状に巻かれた記録紙(ラベル)に配置された、剥離紙上にインクジェット方式により画像を形成する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、媒体搬送経路に沿ってラベルの形状や姿勢(剥離紙の傾き)を検出するためのセンサが配設されている。このセンサは、ラベルの搬送方向においてヘッドブロックより上流側又は下流側で、搬送される画像形成媒体と所定の距離だけ離間させ、搬送ラベルに平行配置されるラインセンサで構成している。
【0004】
また、特許文献2においては、画像形成媒体にタブ紙を用いて、画像形成を行う画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、画像形成部のタブ紙(シート材)の搬送方向における上流側にラインセンサが配設される。このラインセンサを用いてタブ紙の外形形状を認識することによって、タブ紙の検出位置から、異形紙のシート全面に画像を形成することを可能にしている。
【特許文献1】特開平7−47670号公報、段落番号[0093]〜[0096]、図7、図24(A),(B)及び図25(A),(B)
【特許文献2】特開2003−174551公報、段落番号[0011]、[0018]及び図2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した特許文献1及び2においては、共にラインセンサが画像形成媒体と所定の距離だけ離間して、センサ面が搬送面に平行になるように配置されている。このセンサ配置は、ラインセンサ(センサ面)が搬送される画像形成媒体と接触しない構成である。
【0006】
特許文献1では、ロール状の記録媒体であるため、媒体の先端部分は問題とはならないが、特許文献2においては、それぞれが分離される画像形成媒体であるため、ラインセンサとの離間距離が短いと、ラインセンサに画像形成媒体の先端部分が衝突してジャムエラーとなる虞がある。そのため、ジャムエラーが発生しない程度にラインセンサを画像形成媒体より離間して配置させたり、画像形成媒体の搬送経路上にジャムエラー発生を防止するためのガイド部材等を設ける必要がある。
【0007】
以上のような構成によって、ラインセンサと撮像される被写体、即ち画像形成媒体との距離が離れるにしたがって、使用されるラインセンサは被写界深度の深いタイプが必要となる。しかしながら、一般に被写界深度の深いラインセンサは高価且つ大型であり、少なからず装置コスト高あるいは大型化の原因となりうる。
【0008】
また、上述した装置構成において、ラインセンサのコスト高あるいは大型化を回避するため、被写界深度の浅いラインセンサを採用すると、搬送時の画像形成媒体と当該ラインセンサとの距離を近づける必要があり、ジャムエラー発生のリスクが増えることになる。
【0009】
仮に、ラインセンサの被写界深度に余裕の無い検出状態において、画像形成媒体の端部を検出した場合、画像形成媒体端部のエッジ検出の精度は精確さを欠くことになる。
【0010】
以上より、被写界深度の深い一般に高価なラインセンサを使用せずに、ジャムエラーが発生しない程度にラインセンサを画像形成媒体より離間して配置させる構成は、容易に実現することはできない。
【0011】
そこで本発明は、小型化を実現するとともに被写界深度が比較的浅い安価なセンサを用い、画像形成媒体をジャムエラーが発生しない程度に離間配置可能で、画像形成媒体の端部位置検出時の不安定要因を排除した画像形成装置の媒体位置検出機構及びその媒体位置検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記目的を達成するために、搬送経路上を媒体が搬送される過程で画像を形成する画像形成装置であって、搬送経路上の上流側に設けられた媒体供給機構と、搬送経路上の下流側に設けられ、媒体の搬送に関する情報を送出する媒体搬送機構と、媒体供給機構と媒体搬送機構との間に設けられ、媒体搬送時における媒体の先端部を検出する第1の検出部と、第1の検出部と媒体搬送機構との間に設けられ、媒体の搬送方向に直交する媒体端部位置を検出する第2の検出部と、媒体供給機構及び媒体搬送機構を制御する制御部とを有し、第2の検出部は、媒体端部位置検出時に、常に媒体と当接する構成である画像形成装置の媒体位置検出機構である。
【0013】
また、媒体を媒体供給機構により下流側に搬送する第1の工程と、第1の検出部が媒体の先端部を検出後に第2の検出部を検出可能にする第2の工程と、媒体供給機構及び媒体搬送機構における媒体搬送、及び媒体供給機構及び媒体搬送機構における各規制部によって、媒体を略ループ状に方向規制し、第2の検出部に当接させながら媒体端部位置を検出する第3の工程と、媒体の所定量の搬送における媒体端部位置検出データに基づいて、媒体が第2の検出部当接前の媒体端部位置検出データを演算補間する第4の工程と、を有する画像形成装置の媒体位置検出方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、媒体位置検出時には媒体を常に媒体位置検出部に当接させる構成としたことにより、小型化を実現するとともに被写界深度が比較的浅い安価なセンサを用い、且つ画像形成媒体に対し被写界深度以上の離間配置を可能とし、画像形成媒体の媒体端部位置検出時における不安定要因を排除した画像形成装置の媒体位置検出機構及びその媒体位置検出方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態の詳細について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係わり、媒体位置検出機構を搭載する画像形成装置の概念的構成例を示す図であり、図2は、図1に示した構成例における配置状態を図示している。なお、図1及び図2においては、本発明の要旨に係る構成要素を示しており、これ以外の、通常画像形成装置が搭載する構成要素については、一部図示しないものとする。また、図3は、本発明の媒体位置検出機構が抽出する媒体位置姿勢情報について説明している。
【0016】
この画像形成装置の媒体位置検出機構は、搬送経路の最上流側に配設された媒体収納部8より媒体送出ローラ8aによって送出された媒体(画像形成媒体)10を、下流側へ搬送する媒体供給機構6と、媒体10を画像形成させながら搬送経路の下流側に搬送する搬送距離検出部3を有する媒体搬送機構2と、媒体供給機構6の下流側に配設される第1の検出部4と、第1の検出部4と媒体搬送機構2との間に配設された第2の検出部5と、これら媒体位置検出機構の構成要素、並びに画像形成装置全体を制御する制御部1とで構成され、画像形成装置の画像データメモリ9の画像データに基づいて画像形成部7により画像形成される。
【0017】
なお、画像形成部7は、例えば媒体へインクを吐出して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成ヘッド及び、インクリボン等を用いた熱昇華型画像形成ヘッドを用いることができる。さらに画像形成部7は、コピー機やファクシミリ機に搭載されるトナーを利用する磁気ドラムタイプの画像形成ヘッドやレーザ光を利用した画像形成ヘッド等も用いることができる。
【0018】
第1の検出部4は、例えば光学式の透過型センサを用い、図3に示されるように搬送される媒体10の先端部10aをエッジ検出する構成である。また、第2の検出部5は、例えばラインセンサを用い、少なくとも媒体10の横幅より長い範囲に配設されている。これらのセンサは、搬送される媒体10の媒体両側端部10bをエッジ検出することで媒体10の媒体位置姿勢情報10c、すなわち、10xのような横位置ずれ情報(媒体位置横ずれ情報)、又は10θのような斜行(スキュー)情報(媒体斜行情報)を抽出している。
【0019】
これらの搬送される媒体10における媒体位置姿勢情報10cは、画像形成装置における媒体上への画像形成位置情報として制御部1にフィードバックされ、媒体への画像形成位置の補正等に使用される。
【0020】
なお、第1の検出部4は、光学式の透過型センサに限定されず、例えば光学式の反射型センサ、又は静電容量型センサでもよく、又第2の検出部5は、ラインセンサに限定されず、例えばイメージセンサでもよい。なお、第2の検出部5は、少なくとも媒体10の横幅より長い範囲に配設する際、例えば複数のセンサで構成してもよい。
【0021】
媒体供給機構6は、当該媒体供給機構6の媒体搬送面6dに対向する位置にローラ6aを配設し、媒体10と回転可能に当接する。媒体収納部8から媒体送出ローラ8aによって送出された媒体10は、媒体供給機構6によって略水平に媒体搬送機構2側に搬送される。搬送される媒体10は、その後、先端部を第1の検出部4によってエッジ検出され、そのエッジ信号が制御部1に送信される。
【0022】
制御部1は、当該エッジ信号を後述する第2の検出部5における検出遅延タイミングを生成するためのトリガ信号、及び媒体搬送機構2の搬送距離検出部3における画像形成部7への画像形成タイミングを生成するためのトリガ信号として制御処理する。なお、検出遅延タイミングは、搬送距離検出部3(例えばエンコーダ)信号によって生成される。
【0023】
さらに下流側に搬送された媒体10は、媒体搬送機構2へ受け渡され、媒体搬送機構2に対向する位置に配設されるローラ2aに当接する。このローラ2aは、上位置(2a−P2)及び下位置(2a−P1)の少なくとも2つの上下位置に移動可能に配設される。このローラ2aは、上位置(2a−P2)において媒体10が浮かない程度に回転可能に当接する。またこのローラ2aは、下位置(2a−P1)において媒体搬送機構2の搬送面であるプラテンとの間に媒体10を挟持しつつ回転可能に当接する。すなわち、媒体10は、ローラ2aの下位置でプラテンへ押圧されるように当接される。この時、媒体10は媒体供給機構6と媒体搬送機構2の搬送速度差(媒体供給機構6が媒体搬送機構2より高速)により、搬送面から上方向へ方向規制され、ローラ6a、及びローラ2aの間で略ループ状に撓み、第2の検出部5のセンサ面5aに当接する。
【0024】
第2の検出部5のセンサ面5aは、媒体搬送面に略水平、又はセンサ面5aを媒体搬送面に略水平な位置から略45度までの間の角度で傾け、搬送経路の上流方向に当該センサ面5aを向けて配設されている。この配設角度は、斜めに傾いた媒体面に対向する角度であればよく、例えば、好ましくは30度程度の角度がよい。
【0025】
媒体10は、略ループ状に撓んだ当該媒体10の先端部を除く一部分がセンサ面5aへ当接しているため、前述したように媒体10の先端部がセンサ面へひっかかること等によって生じるジャムエラーが発生しなくなる。
【0026】
なお、媒体10は、図4に示されるように、前述した第2の検出部5における検出遅延タイミングを生成するためのトリガ信号Teから、第2の検出部5における検出開始タイミングT1まで媒体10が搬送されることにより(搬送量は搬送距離検出部3におけるエンコーダパルス数)、第2の検出部5のセンサ面5aに、媒体10の搬送方向に直交する一方の端部から他方の端部までが密着するように当接される。この時点で媒体10の媒体位置姿勢情報10c抽出の準備が完了する。
【0027】
以上より、図4に示すようにTe〜T1の区間は、媒体10がローラ2aに当接してから、媒体10が撓んで略ループ形状が生成され、第2の検出部5のセンサ面5aに、媒体10が当接するまでの区間である。即ちTe〜T1の区間においては、媒体位置姿勢情報10cは抽出されず、媒体10の先端部より後方の媒体位置姿勢情報10cについて抽出されることになる。
【0028】
通常、媒体の材質、又は厚みの違いによって略ループ状の撓み量が異なる。従って、このTe〜T1の媒体搬送区間は、全ての媒体材質中、1番固く、且つ1番厚い媒体、即ち一番撓みにくい媒体10が、常に画像形成時に第2の検出部5のセンサ面5aに当接する際の媒体搬送量と設定する。
また全ての媒体材質及び厚みの違い毎に設定を変えてもよい。さらに、媒体供給機構と媒体搬送機構との速度差を適宜可変可能な構成にして、Te〜T1の媒体搬送区間の調整をしてもよい。
【0029】
次に、媒体10は、図5に示されるように、T1〜T2までの媒体10の搬送(エンコーダパルス数)で媒体位置姿勢情報10cの抽出を実施する。前述した制御部1は、このT1〜T2までの媒体10搬送における複数の媒体位置姿勢情報10cの抽出データに基づき、Te〜T1間の媒体10における、例えば、横位置情報、媒体位置横ずれ情報10x、又は媒体斜行情報10θ、等のTe〜T1までの複数の媒体位置姿勢情報10cを演算補間により求める。
【0030】
以上により、第2の検出部5における媒体位置姿勢情報10cの抽出は、媒体10が、常に当該第2の検出部5のセンサ面5aに、媒体10の搬送方向に直交する一方の端部から他方の端部までが密着するように当接されて実施される。
【0031】
第2の検出部5による媒体10における、媒体位置姿勢情報10cの抽出が全て完了すると、制御部1は、ローラ2aを媒体10が浮かない程度に回転可能に当接する上位置(2a−P2)に設定し、画像形成部7による画像形成を継続実施する。
なお、ローラ2aにおける上下位置は、例えば媒体の材質、又は厚さに応じて上下2箇所に限定されず、さらに追加してもよい。
【0032】
また、ローラ2aは、制御部1の制御が不要な構成とし、媒体搬送機構2上に媒体10が浮かない程度に回転可能に当接する位置に固定配設、又は例えば、媒体10の厚みに応じて、媒体10が浮かない程度に上下移動可能に、且つ回転可能に当接するように従動機能を有して固定配設してもよい。
【0033】
以上、第1実施形態における媒体位置検出機構によれば、種々の媒体10における媒体位置姿勢情報10cを、常に第2の検出部5のセンサ面5aに当接した状態で抽出可能であることから第2の検出部5においては、被写界深度の浅い比較的安価なセンサで構成することが可能となる。
【0034】
また、媒体10は第2の検出部5のセンサ面5aに対し、常に一定の距離で搬送されることにより、種々の材質、又は厚みの異なる媒体位置姿勢情報10cを、正確に抽出することが可能となる。
【0035】
次に、第1実施形態の変形例について図面を参照しながら説明する。
なお、本変形例の説明においては、第1実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付し、第1実施形態に対し異なる部分のみを示し、説明を省略する。
【0036】
本変形例では、図6に示されるように、第1実施形態における媒体供給機構6のローラ6aの代わりに、突起形状6bを配設している部分のみ異なる。
本変形例によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0037】
次に、第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、第2実施形態の説明においても、第1実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付し、第1実施形態に対し異なる部分のみを示し、説明を省略する。
【0038】
本第2実施形態では、図7に示されるように、第1実施形態における媒体供給機構6のローラ6aの代わりに、レジストレーションローラ対6c(以下レジローラと称す)を配設している部分のみ異なる。
【0039】
なお、レジローラは、従来の画像形成装置にも搭載される機構で、搬送される媒体の先端部方向を、搬送方向に対し略垂直に方向規制するものである。
従って、本第2実施形態では、従来の画像形成装置にも搭載される機構であるレジローラを兼用した構成である。
【0040】
媒体供給機構6のレジローラ6cは、搬送経路において、媒体収納部8の下流側に配設され、媒体収納部8の媒体送出ローラ8aによって送出された媒体10を、当該媒体供給機構6の媒体搬送ガイド6dで載置搬送した後、当該密着したローラ対の間に当接する。なお、媒体供給機構6のレジローラ6cは、当該密着したローラ対を静止/駆動/従動(フリー状態)の3モードを有し、制御部1によってモード選択されて制御される。
【0041】
レジローラ6cに当接された媒体10は、まず静止モードにより先端部を当接したまま搬送され続けることにより、所定の量だけ撓むことでレジローラ6cに対し略垂直に方向修正される。
【0042】
次に、駆動モードにより媒体10を挟持した状態で下流側に搬送させる。以降の動作については、第1実施形態と同様の制御で処理される。
以上、本第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られると共に、媒体10における斜行(スキュー)の発生を未然に防止する効果が得られる。
【0043】
また、第1実施形態、第1実施形態における変形例、及び第2実施形態において、媒体搬送機構2のローラ2aは、当該媒体搬送機構2の搬送速度と同一の搬送速度で回転する駆動ローラ、又は媒体10に自身が当接している際、媒体10の搬送によって従動される従動ローラでもよく、又ローラ2aの当該ローラを媒体10に対し固定された位置で当接させてもよいし、複数配設してもよい。
【0044】
また、媒体供給機構6のローラ6aは、当該媒体供給機構6の搬送速度と同一の搬送速度で回転する駆動ローラ、又は媒体10に自身が当接している際、媒体10の搬送によって従動される従動ローラでもよく、複数配設してもよい。また、突起形状6bも複数配設してもよい。
【0045】
次に、本発明における、画像形成装置の媒体位置姿勢検出方法の手順について各工程別に説明する。
まず、媒体を媒体供給機構により下流側に搬送する第1の工程と、次に、第1の検出部が媒体の先端部を検出後に第2の検出部を検出可能にする第2の工程と、次に、媒体供給機構及び媒体搬送機構における媒体搬送、及び媒体供給機構及び媒体搬送機構における各規制部によって、媒体を略ループ状に方向規制し、第2の検出部に当接させながら媒体端部位置を検出する第3の工程と、次に媒体の所定量の搬送における媒体端部位置検出データに基づいて、媒体が第2の検出部当接前の媒体位置姿勢検出情報を演算補間する第4の工程と、によって媒体位置姿勢検出が実施される。
【0046】
なお、上述した第3の工程においては、媒体供給機構の搬送速度が媒体搬送機構の搬送速度より高速に構成されている。
以上、本発明における、画像形成装置の媒体位置検出方法によれば、画像形成装置の既製の機構を流用することにより、小型化を実現するとともに比較的安価な構成要素の追加によって媒体位置検出を可能にする。
【0047】
また、本発明は、以上説明した第1実施形態、第1実施形態における変形例、及び第2実施形態において、プリンタを例としているが、これに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。例えば、コピー機などの画像形成装置においても容易に適用できる。また、前述した各実施の形態、及び変形例に開示されている、複数の構成要素における適宜組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、前述した各実施の形態、及び変形例に開示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる媒体検出機構を搭載する画像形成装置の概念的な構成例を示す図である。
【図2】第1実施形態における媒体検出機構を構成する構成要素の配置例を示す図である。
【図3】第1実施形態における媒体検出機構の媒体位置姿勢情報について説明するための図である。
【図4】第1実施形態における媒体検出機構の媒体位置姿勢情報の読み取りについて説明するための図である。
【図5】第1実施形態における媒体端部の位置姿勢情報と当該位置姿勢情報の読み取りタイミングの関係について説明するための図である。
【図6】第1実施形態の変形例における媒体検出機構を構成する構成要素の配置例を示す図である。
【図7】第2実施形態における媒体検出機構を構成する構成要素の配置例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1…制御部、2…媒体搬送機構、2a…媒体搬送機構のローラ、2a−P1…ローラ2a下位置、 2a−P2…ローラ2a上位置、3…搬送距離検出部、4…第1の検出部、5…第2の検出部、6…媒体供給機構、6a…媒体供給機構のローラ、6b…突起形状、6c…レジストレーションローラ対(レジローラ)、6d…媒体搬送ガイド(媒体搬送面)、7…画像形成部、8…媒体収納部、8a…媒体送出ローラ、9…画像データメモリ、
10…媒体(画像形成媒体)、10x…媒体位置横 ずれ情報、10θ…媒体斜行情報、10a…媒体先端部、10b…媒体両側端部、10c…媒体位置姿勢情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上を媒体が搬送される過程で画像を形成する画像形成装置であって、
前記搬送経路上の上流側に設けられた媒体供給機構と、
前記搬送経路上の下流側に設けられ、前記媒体の搬送に関する情報を送出する媒体搬送機構と、
前記媒体供給機構と前記媒体搬送機構との間に設けられ、前記媒体搬送時における前記媒体の先端部を検出する第1の検出部と、
前記第1の検出部と前記媒体搬送機構との間に設けられ、前記媒体の搬送方向に直交する前記媒体の端部位置を検出する第2の検出部と、
前記媒体供給機構及び前記媒体搬送機構を制御する制御部と、を有し、
前記第2の検出部は、前記媒体端部位置検出時には常に媒体と当接する構成であることを特徴とする画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項2】
前記媒体供給機構は、媒体を所定の方向に規制する規制部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項3】
前記媒体搬送機構は、媒体を所定の方向に規制する規制部を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項4】
前記媒体供給機構及び前記媒体搬送機構は、共に前記各規制部を有し、当該各規制部は、前記搬送経路の媒体搬送面の上方に設けられ、搬送中の前記媒体と少なくとも一部が当接する構成であることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項5】
前記媒体供給機構の前記規制部が、少なくとも1つのローラ、又は少なくとも1つの突起形状であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項6】
前記媒体供給機構の前記規制部におけるローラが、従動ローラ及び/又は駆動ローラであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項7】
前記媒体搬送機構の前記規制部が、少なくとも1つのローラであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項8】
前記媒体搬送機構の前記規制部におけるローラが、従動ローラ、又は駆動ローラであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項9】
前記媒体搬送機構の前記規制部における少なくとも1つのローラが、前記媒体搬送機構上に配設されたローラ、又は前記媒体搬送機構上に配設され、少なくとも2つの上下位置にローラを移動する機能を有し、前記媒体への当接位置を可変するローラであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項10】
前記媒体供給機構及び前記媒体搬送機構の前記各規制部によって方向規制された媒体が、略ループ形状を成すことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置の媒体位置検機構。
【請求項11】
前記第1の検出部における前記媒体先端部の検出信号が、少なくとも前記第2の検出部における前記媒体端部位置の検出時に生成されるトリガ信号であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項12】
前記第1の検出部が光学式の透過型/反射型センサ又は、静電容量型センサであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項13】
前記第2の検出部は、前記搬送経路の媒体搬送面の上方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項14】
前記第2の検出部は、前記媒体供給機構における規制部と前記媒体搬送機構における規制部との間に設けられていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項15】
前記第2の検出部は、前記媒体の搬送方向に略垂直に、且つ少なくともセンサ面を前記搬送経路の媒体搬送面に略水平、又は前記センサ面を前記媒体搬送面に略水平な位置から45度までの間の角度に傾け、且つ前記搬送経路の上流方向に向けて配設していることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項16】
前記第2の検出部は、前記画像形成される前記媒体の横幅より長い範囲で配設されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項17】
前記第2の検出部は、ラインセンサ又はイメージセンサである請求項1記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項18】
前記制御部は、前記第2の検出部における検出開始前の媒体端部位置検出データを、前記第2の検出部における検出開始から、所定の量だけ媒体を搬送した際の当該媒体端部位置検出データに基づいて、演算補間して抽出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置の媒体位置検出機構。
【請求項19】
媒体を媒体供給機構により下流側に搬送する第1の工程と、
第1の検出部が前記媒体の先端部を検出後に第2の検出部を検出可能にする第2の工
程と、
前記媒体供給機構及び前記媒体搬送機構における媒体搬送、及び前記媒体供給機構及び前記媒体搬送機構における各規制部によって、前記媒体を略ループ状に方向規制し、第2の検出部に当接させながら前記媒体端部位置を検出する第3の工程と、
前記媒体の所定量の搬送における媒体端部位置検出データに基づいて、前記媒体が第2の検出部当接前の媒体端部位置検出データを演算補間する第4の工程と、を有することを特徴とする画像形成装置の媒体位置検出方法。
【請求項20】
前記第3の工程において、前記媒体供給機構の搬送速度が、前記媒体搬送機構の搬送速度より高速に構成されていることを特徴とする請求項19記載の画像形成装置の媒体位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−1675(P2006−1675A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178250(P2004−178250)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】