説明

画像形成装置の駆動装置。

【課題】 駆動装置の小型化を図り、駆動装置の組立作業性を向上する。駆動装置の連結部材が駆動装置用ケースから抜け出しにくく、連結部材と駆動部との連結時に生じうる衝突音が発生しにくくなるようにする。
【解決手段】 駆動モータ52は、駆動装置用ケース51に装着される。連結部材53は、駆動装置用ケース51に一体成形された支持部61に装着される。第1ギア53bは、連結軸53aに装着され駆動ギア52cに噛み合う。第2ギア53cは、第1ギア53bと同軸上で連結軸53aに装着される。連結ギア74bは、第1および第2ギア53b,53cに噛み合い第1ギア53bから第2ギア53cへと回転駆動力を伝達する。連結軸53aの連結部53eの壁部153aは、底部153bから離れるにつれて底部153bとの間の段差が大きくなるように連結軸53aの回転方向に螺旋状に形成された曲面153cを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の駆動装置、特に、画像形成装置本体の内部に配置される駆動部を駆動するための画像形成装置の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の駆動装置には、図1から図5に示すように、駆動装置用ケース101と、駆動手段102と、駆動力伝達機構103と、連結部材104とを備えたものがある。
駆動装置用ケース101は、ケース本体101aと支持部101bとを有している。ケース本体101aには、後述する第1および第2アイドルギア軸123aを回転不能に支持する第1および第2ギア軸受101c,101dが一体に形成されている。これら第1および第2ギア軸受101c,101dはケース本体101aの内方に向けて突出して形成されている。支持部101bは、ボルトやビスなどのねじ部材により、ケース本体101aに装着されている。支持部101bは、コの字形状に形成されている。この支持部101bの互いに対向する板状部分には、貫通孔101eが形成されている。
【0003】
駆動手段102は、たとえば駆動モータ102であり、ボルトやビスなどのねじ部材により、ケース本体101aに固定されている。この駆動モータ102は、回転駆動力を出力する回転軸102aと回転軸に回転不能に装着される駆動ギア102bとを含んでいる。
駆動力伝達機構103は、第1アイドルギア部113と第2アイドルギア部123とを有している。第1アイドルギア部113は、第1アイドルギア軸113aと第1アイドルギア113bとからなっている。第1アイドルギア軸113aは、ケース本体101aの第1ギア軸受101cに回転不能に装着されている。第1アイドルギア113bは、第1アイドルギア軸113aに回転自在に装着されており、駆動ギア102bに噛み合っている。第2アイドルギア部123は、第2アイドルギア軸123aと第2アイドルギア123bとからなっている。第2アイドルギア軸123aは、ケース本体101aの第2ギア軸受101dに回転不能に装着されている。第2アイドルギア123bは、第2アイドルギア軸123aに回転自在に装着されており、第1アイドルギア113bに噛み合っている。
【0004】
連結部材104は、連結軸104aと連結軸用ギア104bとを有している。連結軸104aは、駆動部に連結可能な連結部104cを一端部に有している。連結部104cは、凹状に形成された溝部204を有している。連結部104cは筒状に形成されており、溝部204は連結部104cの内周部に設けられている。溝部204は、対向した一対の壁部204aと、一対の壁部204aの間に設けられた底部204bとを有している。壁部204aは、底部204bから所定の距離を隔てた位置において、連結軸104aの回転軸に垂直に形成された面204cを含んでいる。すなわち、この面204cと底部204bとの間に段差が生じていることになる。連結軸104aは、ケース本体101aの支持部101bの貫通孔101eに挿通され、支持部101bにおいて回転自在に支持されている。連結軸104aには、貫通孔101eからの連結軸104aの抜け出しを防止するための抜け止め部104dが他端部に鉤状に形成されている。連結軸用ギア104bは、連結軸104aに回転不能に装着されており、駆動力伝達機構103の第2アイドルギア123bに噛み合っている。
【0005】
ここで、第1および第2アイドルギア113b,123bは、ギア径が異なる2段ギアになっている。連結軸用ギア104bのギア径は、第2アイドルギア123bの小さい方のギア径より大きくなっている。これら第1および第2アイドルギア113b,123bと連結軸用ギア104bとが互いに噛み合うことによって、回転が減速される。
駆動部たとえばトナー供給装置に、連結部材104の連結部104cが連結される。ここでは、トナー供給装置のトナー収容容器に回転自在に装着されトナー収容容器に収容されたトナーを搬送するためのトナー搬送部材105に、連結部材104の連結部104cが連結されている。トナー搬送部材105は被連結部105aを有しており、被連結部105aは矩形板状に形成されている。被連結部105aは、連結部104cの溝部204に嵌合可能になっている。たとえば、トナー搬送部材105の被連結部105aに連結部104cを連結させるときに連結部104cの壁部204aの面204cが被連結部105aの先端部に当接した場合、連結軸104aが回転することにより、被連結部105aは連結部104cの溝部204に嵌合される。
【0006】
このような駆動装置では、まず、駆動モータ102の駆動ギア102bから第1アイドルギア113bへと回転駆動力が伝達される。そして、第1アイドルギア113bから第2アイドルギア123bへと回転駆動力が伝達される。次に、第2アイドルギア123bから連結軸用ギア104bへと回転駆動力が伝達され、この回転駆動力によって連結軸104aが回転させられる。そして、連結軸104aの連結部104cから駆動部へと回転駆動力が伝達され、この回転駆動力によって駆動部が駆動させられる。このようにして、第1および第2アイドルギア113b,123bと連結軸用ギア104bとによって、回転が徐々に減速され、駆動モータ102からの回転駆動力が駆動部に伝達される。
【0007】
なお、上記の構成とは異なるものの、第1および第2アイドルギアを介して、駆動モータからの回転駆動力が駆動部に伝達される構成をもつ特許文献として、特開平8−30061をあげることができる。
【特許文献1】特開平8−30061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の画像形成装置の駆動装置では、駆動モータ102から駆動部へと回転を減速して伝達するために、駆動モータ102と連結部材104との間には、第1アイドルギア部113と第2アイドルギア部123とがケース本体101a内に配置されている。このような第1および第2アイドルギア部113,123を駆動装置用ケースのケース本体101a内に配置するためには、第1および第2アイドルギア部113,123をケース本体101a内に配置するための空間を、ケース本体101aに確保する必要がある。また、第1および第2アイドルギア部113,123をケース本体101aに装着するためには、ケース本体101aに第1および第2ギア軸受101c,101dを形成しておく必要がある。このように、第1および第2アイドルギア部113,123をケース本体101a内に配置するための空間をケース本体101aに確保したり、第1および第2ギア軸受101c,101dをケース本体101aに形成したりすることによって、駆動装置が大型なものになってしまうという問題がある。
【0009】
また、従来の画像形成装置の駆動装置では、駆動装置用ケースの支持部101bや駆動モータ102が、ボルトやビスなどのねじ部材により、ケース本体101aに装着されるようになっている。つまり、駆動装置を組み立てるときに、組立作業者が、支持部101b又は駆動モータ102とケース本体101aとを互いに位置決めした状態で、ねじ部材をケース本体101aにねじ込むといった作業が必要となる。このため、組立作業者が支持部101bや駆動モータ102をケース本体101aに組みつけにくいという問題がある。
【0010】
さらに、従来の画像形成装置の駆動装置では、支持部101bの貫通孔101eからの連結軸104aの抜け出しを防止するために抜け止め部104dが設けられているが、この抜け止め部104dが、連結部材104の連結軸104aの他端部に鉤状に形成されている。この鉤状に形成された抜け止め部104dを貫通孔101eの近傍に係合させることによって、連結軸104aが支持部101bの貫通孔101eから抜け出さないように考慮されているものの、画像形成装置の搬送時や駆動装置の駆動時に連結軸104aに振動や衝撃が伝達されると、状況によっては、貫通孔101e近傍に係合している抜け止め部104dの係合が外れてしまい、連結軸104aが貫通孔101eから抜け出してしまうという問題がある。
【0011】
さらに、従来の画像形成装置の駆動装置では、被連結部105aに連結部104cを連結させるときに連結部104cの壁部204aの面204cが被連結部105aの先端部に当接した場合、連結軸104aの回転時に、被連結部105aは連結部104cの溝部204に嵌合され噛み合うようになっている。このため、被連結部105aが連結部104cの溝部204に噛み合うときに、面204cと底部204bとの間の段差によって、噛み合い音すなわち衝突音が発生するという問題がある。
【0012】
本発明の課題は、駆動装置の小型化を図るとともに、駆動装置の組立作業性を向上することにある。
本発明の課題は、駆動装置の連結部材が駆動装置用ケースから抜け出しにくくなるようにすることにある。
本発明の別の課題は、駆動装置の連結部材と駆動部との連結時に生じうる衝突音が発生しにくくなるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に係る画像形成装置の駆動装置は、画像形成装置本体の内部に配置される駆動部を駆動するためのものである。この駆動装置は、駆動装置用ケースと、駆動手段と、連結部材と、駆動力伝達機構とを備えている。駆動装置用ケースは、駆動部に装着されている。この駆動装置用ケースは支持部を有しており、この支持部は駆動装置用ケースに一体成形されている。駆動手段は、駆動装置用ケースに装着されている。この駆動手段は、回転駆動力を出力する回転軸と、回転軸に回転不能に装着される駆動ギアとを有している。連結部材は、連結軸と、第1ギアと、第2ギアとを有している。連結軸は、駆動装置用ケースの支持部に回転自在に装着されている。この連結軸は、駆動部に連結可能な連結部を有している。第1ギアは、連結軸に回転自在に装着されており、駆動ギアに噛み合っている。第2ギアは、第1ギアと同軸上で連結軸に回転不能に装着されている。駆動力伝達機構は、第1ギアから第2ギアへと回転駆動力を伝達するためのものである。
【0014】
この駆動装置では、まず、駆動手段の回転駆動力が回転軸から出力されると、駆動手段の駆動ギアから連結部材の連結軸に回転自在に装着された第1ギアへと回転駆動力が伝達される。次に、駆動力伝達機構によって、連結部材の第1ギアから第1ギアと同軸上で連結部材の連結軸に回転不能に装着された第2ギアへと回転駆動力が伝達される。最後に、第2ギアに伝達された回転駆動力によって連結軸が第2ギアとともに回転して、連結軸の連結部に連結された駆動部が駆動させられる。
【0015】
ここでは、第1および第2ギアが連結部材の連結軸上に装着されているので、第1ギアを駆動装置用ケース内に配置するための空間を駆動装置用ケースに確保する必要や、第1ギアを駆動装置用ケースに装着するための軸受を駆動装置用ケースに形成する必要がなくなり、駆動装置の小型化を図ることができる。また、駆動装置用ケースの支持部は駆動装置用ケースに一体成形されているので、組立作業者が駆動装置を組み立てるときに、組立作業者が、支持部を駆動装置用ケースに位置決めする作業や、支持部を駆動装置用ケースに装着するためのねじ部材を駆動装置用ケースにねじ込むといった作業が不要になり、駆動装置の組立作業性を向上することができる。
【0016】
請求項2に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項1に記載の画像形成装置の駆動装置において、駆動力伝達機構が、連結ギア部からなっている。連結ギア部は、駆動装置用ケースに回転不能に装着される回転軸と回転軸に回転自在に装着される連結ギアとを有している。連結ギアは、第1ギアと第2ギアとに噛み合っており、第1ギアから第2ギアへと回転駆動力を伝達している。この場合、第1および第2ギアが連結部材の連結軸において同軸上に装着されていても、連結ギアによって、第1ギアから第2ギアへと回転駆動力が伝達される。これにより、連結部材の第1および第2ギアと連結ギアとによって、駆動手段の回転駆動力を駆動部に伝達することができる。
【0017】
請求項3に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項2に記載の画像形成装置の駆動装置において、連結部材の第1ギアと駆動力伝達機構の連結ギアとが、回転を減速するための減速用ギアになっている。この場合、第1ギアと連結ギアとは減速用ギアになっているので、これら第1ギアと連結ギアとによって、駆動手段の駆動力による回転を多段階に減速して駆動部に伝達することができる。
【0018】
請求項4に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項1に記載の画像形成装置の駆動装置において、駆動力伝達機構が、少なくとも1つの第3ギアと連結ギア部とからなっている。少なくとも1つの第3ギアは、第1ギアと第2ギアとの間で第1および第2ギアと同軸上に配置され、連結軸に回転自在に装着されている。連結ギア部は、駆動装置用ケースに回転不能に装着される回転軸と回転軸に回転自在に装着される複数の連結ギアとを有している。複数の連結ギアは、第3ギアを介して第1ギアから第2ギアへと回転駆動力を伝達している。この場合、第3ギアが連結部材の連結軸において第1および第2ギアと同軸上に装着されていても、連結ギアによって、第1ギアから第2ギアへと第3ギアを介して回転駆動力が伝達される。これにより、連結部材の第1から第3ギアと連結ギアとによって、駆動手段の回転駆動力を駆動部に伝達することができる。
【0019】
たとえば、第1ギアと第2ギアの間で同軸上に第3ギアが1つ配置される場合、第1ギアと第3ギアとに噛み合う第1連結ギアと、第3ギアと第2ギアとに噛み合う第2連結ギアとが、回転軸を介して駆動装置用ケースに装着される。このように、第1ギアと第2ギアの間に第3ギアが1つ配置される場合は、連結ギアを2つ用意することによって、第1ギアから第2ギアへと第3ギアを介して回転駆動力を伝達することができる。ここで、2つの連結ギアそれぞれは同軸上に配置されているので、連結ギアの回転軸に食い違う軸方向に対して、駆動装置用ケースが大きくならないようにすることができる。
【0020】
たとえば、第1ギアと第2ギアの間で同軸上で第3ギアが2つ配置される場合、第1ギアと第1ギアに隣接する第3ギアとに噛み合う第1連結ギアと、第2ギアと第2ギアに隣接する第3ギアとに噛み合う第2連結ギアと、第1ギアに隣接する第3ギアと第2ギアに隣接する第3ギアとに噛み合う第3連結ギアとが、回転軸を介して駆動装置用ケースに装着される。このように、第1ギアと第2ギアの間に第3ギアが2つ配置される場合は、連結ギアを3つ用意することによって、第1ギアから第2ギアへと第3ギアを介して回転駆動力を伝達することができる。ここで、3つの連結ギアそれぞれは同軸上に配置されているので、連結ギアの回転軸に食い違う軸方向に対して、駆動装置用ケースが大きくならないようにすることができる。
【0021】
請求項5に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項4に記載の画像形成装置の駆動装置において、連結部材の第1ギアと駆動力伝達機構の第3ギアおよび連結ギアとが、回転を減速するための減速用ギアになっている。この場合、第1および第3ギアと連結ギアとは減速用ギアになっているので、これら第1および第3ギアと連結ギアとによって、駆動手段の駆動力による回転を多段階に減速して駆動部に伝達することができる。
【0022】
請求項6に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置の駆動装置において、駆動装置用ケースが合成樹脂により形成されている。この駆動装置用ケースに、駆動手段と連結ギア部とが嵌め込み装着されている。この場合、駆動手段は、合成樹脂により形成された駆動装置用ケースに嵌め込み装着されているので、組立作業者が駆動装置を組み立てるときに、組立作業者が、駆動手段を駆動装置用ケースに位置決めする作業や、支持部を駆動装置用ケースに装着するためのねじ部材を駆動装置用ケースにねじ込むといった作業が不要になり、駆動装置の組立作業性を向上することができる。また、連結ギア部は、合成樹脂により形成された駆動装置用ケースに嵌め込み装着されるので、連結ギア部を駆動装置用ケースに装着するための軸受を駆動装置用ケースに形成する必要がなくなり、駆動装置の小型化を図ることができる。
【0023】
請求項7に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置の駆動装置において、駆動装置用ケースの支持部が、連結軸を挿通するための貫通孔と貫通孔の近傍で支持部に一体に形成された突起部とを有している。連結部材の連結軸は、連結軸に形成され貫通孔からの連結軸の抜け出しを防止するための抜け止め部を有している。この抜け止め部には、突起部に嵌合可能な凹部が形成されている。この場合、連結部材の連結軸が貫通孔に挿通され、連結軸の抜け止め部に形成された凹部が駆動装置用ケースの支持部に形成された突起部に嵌合されている。これにより、画像形成装置の搬送時や駆動装置の駆動時に連結軸に振動や衝撃が伝達されるようなことがあっても、抜け止め部の凹部と支持部の突起部との嵌合によって、駆動装置の連結部材が駆動装置用ケースから抜け出しにくくすることができる。
【0024】
請求項8に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置の駆動装置において、連結軸の連結部が、凹状に形成された溝部を有している。溝部は、対向した一対の壁部と、一対の壁部の間に設けられた底部とを有している。この壁部は、底部から離れるにつれて底部との間の段差が大きくなるように連結軸の回転方向に螺旋状に形成された曲面を含んでいる。また、駆動部は、連結軸の回転時に曲面に沿って溝部に嵌合可能な被連結部を有している。この場合、駆動部は、底部から離れるにつれて底部との間の段差が大きくなるように連結軸の回転方向に螺旋状に形成された曲面に沿って、溝部に嵌合できるようになっている。これにより、連結部部材を連結部において駆動部に連結させるときに、連結部の溝部の壁部が駆動部の被連結部に当接したとしても、連結軸の回転時に被連結部が上記の曲面に沿いながら徐々に溝部の底部へと移動することができるので、連結部材と駆動部との連結時に生じうる衝突音が発生しにくくすることができる。
【0025】
請求項9に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項8に記載の画像形成装置の駆動装置において、曲面が、連結軸の回転軸から離れるにつれて底部との間の段差が大きくなるように形成されている。この場合、駆動部は、底部から離れるにつれて底部との間の段差が大きくなるように連結軸の回転方向に螺旋状に形成され、且つ連結軸の回転軸から離れるにつれて底部との間の段差が大きくなるように形成された曲面に沿って、溝部に嵌合できるようになっている。これにより、連結部部材を連結部において駆動部に連結させるときに、連結部の溝部の壁部が駆動部の被連結部に当接したとしても、連結軸の回転時に被連結部が上記の曲面に沿いながら徐々に溝部の底部へとスムーズに移動することができるので、連結部材と駆動部との連結時に生じうる衝突音が発生しにくくすることができる。
【0026】
請求項10に係る画像形成装置の駆動装置では、請求項8又は9に記載の画像形成装置の駆動装置において、曲面が底部に滑らかに接続されている。この場合、曲面が底部に滑らかに接続されているので、被連結部を曲面から溝部の底部へとスムーズに移動させて、被連結部と溝部とを噛み合わせることができる。これにより、連結部材と駆動部との連結時に生じうる衝突音が発生しにくくすることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、第1および第2ギアが連結部材の連結軸上に装着されているので、第1ギアを駆動装置用ケース内に配置するための空間を駆動装置用ケースに確保する必要や、第1ギアを駆動装置用ケースに装着するための軸受を駆動装置用ケースに形成する必要がなくなり、駆動装置の小型化を図ることができる。また、駆動装置用ケースの支持部は駆動装置用ケースに一体成形されているので、駆動装置を組み立てるときに、組立作業者が、支持部を駆動装置用ケースに位置決めする作業や、支持部を駆動装置用ケースに装着するためのねじ部材を駆動装置用ケースにねじ込むといった作業が不要になり、駆動装置の組立作業性を向上することができる。さらに、連結部材の連結軸に形成された抜け止め部の凹部が駆動装置用ケースの支持部に形成された突起部に嵌合されているので、画像形成装置の搬送時や駆動装置の駆動時に連結軸に振動や衝撃が伝達されるようなことがあっても、駆動装置の連結部材が駆動装置用ケースから抜け出さないように規制することができる。さらに、連結部の溝部の壁部は螺旋状の曲面を含んでいるので、連結部部材を連結部において駆動部に連結させるときに溝部の壁部が駆動部の被連結部に当接したとしても、連結軸の回転時に被連結部が曲面に沿いながら徐々に溝部の底部へと移動することができ、連結部材と駆動部との連結時に生じうる衝突音が発生しにくくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図6は、本発明の一実施形態による画像形成装置すなわちタンデム型カラープリンタの概略断面図を示している。このカラープリンタは、カラー画像形成のための各色の画像形成部2(2M,2Y,2C,2B)と、各色のトナー供給装置3(3M,3Y,3C,3B)と、用紙を搬送する搬送ベルト4と、搬送される用紙に各色のトナー画像を転写するための第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bと、画像形成部2M,2Y,2C,2Bに用紙を給紙する給紙機構6と、用紙上に転写されたトナー画像を定着するための定着部7と、排出部8とを有している。画像形成部2と、トナー供給装置3と、搬送ベルト4と、転写ローラ5M,5Y,5C,5Bと、給紙機構6と、定着部7とは、カラープリンタのプリンタ本体1の内部に配置されている。また、排出部8は、カラープリンタのプリンタ本体1の上部に設けられている。
【0029】
画像形成部2M,2Y,2C,2Bは、それぞれマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成するものであり、用紙の搬送方向上流側から搬送ベルト4に沿って横方向に順に並べて配置されている。これらの画像形成部2M,2Y,2C,2Bのそれぞれは、像担持体としてのアモルファスシリコン等からなる感光層を有する感光体ドラム10を有し、各感光体ドラム10の周囲には帯電器11、露光器12、現像装置13及びクリーニング装置14が順に配置されている。
【0030】
搬送ベルト4は、駆動ローラ20と従動ローラ21との間に掛け渡されて循環駆動されている。この搬送ベルト4は、給紙機構6から給紙搬送路22を介して搬送されてきた用紙を吸着してほぼ水平方向に搬送している。第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、この搬送ベルト4を介して各画像形成部2M,2Y,2C,2Bの感光体ドラム10に対向するように配置されている。この第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、それぞれがソレノイド23によって上方の転写位置と下方の解除位置との間で移動可能となっている。ここで、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが上方に移動して転写位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙は感光体ドラム10に接触した状態になる。一方、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが下方に移動して解除位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙と感光体ドラム10とは離れた状態になる。
【0031】
給紙搬送路22は、搬送のガイドとなるガイド部材と、複数のローラ対とから構成されており、この給紙搬送路22の最も下流側には、トナー画像の形成と用紙の搬送とを同期させるためのレジストローラ対25が設けられている。そして、レジストローラ対25と第1転写ローラ5Mとの間には、吸着ローラ26が設けられている。この例では、吸着ローラ26が、搬送ベルト4が掛けられた従動ローラ21の上方に従動ローラ21と対向して配置されている。この位置で、吸着ローラ26は、用紙の先端部あるいは全面に吸着用のバイアス電圧を印加して、用紙を搬送ベルト4に吸着させている。
【0032】
定着部7は、内部にヒータを有する加熱ローラ及び加熱ローラに押圧される加圧ローラを有している。そして、この定着部7と排出部8との間には排紙搬送路27が設けられている。排紙搬送路27は、給紙搬送路22と同様に、ガイド部材と、複数のローラ対とから構成されている。なお、排出部8は装置の上面に形成されており、定着部7を通過した用紙が、排紙搬送路27を介して上方に搬送され装置の上面に排出される。
【0033】
トナー供給装置3(駆動部の一例)は、現像装置13にトナーを供給するためのものであり、現像装置13の上部に配置されている。トナー供給装置3は、トナーを収容するためのトナー収容容器(図示しない)と、トナー収容容器内のトナーを攪拌するための複数のトナー攪拌部材(図示しない)と、攪拌されたトナーをトナー供給口へと搬送するためのトナー搬送部材105(図5を参照)とを有している。このようなトナー供給装置3に、後述する連結部材53の連結部53eが連結される。ここでは、トナー収容容器のトナー搬送部材105に、連結部材53の連結部53eが連結されている。トナー搬送部材105は被連結部105aを有しており、被連結部105aは矩形柱状に形成されている。トナー搬送部材105は駆動装置50によって回転駆動され、トナー攪拌部材はトナー搬送部材105の回転に連動して回転するようになっている。
【0034】
駆動装置50は、図7から図10に示すように、駆動装置用ケース51と、駆動手段52と、連結部材53と、駆動力伝達機構54とを備えている。
駆動装置用ケース51は、ボルトやビスなどのねじ部材により、トナー供給装置3に装着される。駆動装置用ケース51は、合成樹脂により形成されている。駆動装置用ケース51は、図7から図9に示すように、ケース本体60と、第1支持部(支持部の一例)61と、第2支持部62と、第3支持部63とを有している。第1から第3支持部61,62,63は、ケース本体60と一体成形されている。
【0035】
第1支持部61は、後述する連結部材53を駆動装置用ケース51に装着するために設けられた部分である。第1支持部61は、互いに対向するように板状に形成されている。第1支持部61には、後述する連結部材53の連結軸53aの略中央部と他端部とを回転自在に支持可能な貫通孔61aが形成されている。連結部材53の連結軸53aの他端部を支持する第1支持部61には、貫通孔61aの外周部から外方に突出した円筒状の突出部61bが形成されている。この突出部61bの内径は、貫通孔61aの内径と同径になっている。突出部61bの先端部には、環状の突起部61cが形成されている。
【0036】
第2支持部62は、後述する駆動手段52たとえば円筒状の駆動モータ52を駆動装置用ケース51に装着するために設けられた部分である。この第2支持部62には、後述する駆動モータ52の回転軸方向の両端面に形成された係合部52dを嵌め込み可能なスリット62aが形成されている。
第3支持部63は、後述する駆動力伝達機構54の連結ギア部74を駆動装置用ケース51に装着するために設けられた部分である。この第3支持部63には、後述する連結ギア部74の回転軸の両端部を嵌め込み可能なスリット63aが設けられている。
【0037】
駆動手段52は、図7、図9および図10に示すように、たとえば駆動モータ52であり、この駆動モータ52が駆動装置用ケース51に装着されている。ここでは、駆動モータ52が、駆動装置用ケース51に嵌め込み装着されている。駆動モータ52は、円筒状のモータ本体52aと回転軸52bと駆動ギア52cとを有している。モータ本体52aは、駆動源であり、回転駆動力を発生させる。モータ本体52aには、回転軸52b方向の両端面それぞれに係合部52dが形成されている。これら係合部52dを駆動装置用ケース51の第2支持部62に形成されたスリット62aに嵌め込むことにより、モータ本体52aは第2支持部62に支持される。回転軸52bは、モータ本体52aに回転自在に設けられており、モータ本体52aにより発生させられた回転駆動力を出力する。駆動ギア52cは、ウォームギアになっており、回転軸52bに回転不能に装着されている。
【0038】
連結部材53は、図10および図11に示すように、連結軸53aと、第1ギア53bと、第2ギア53cと、付勢手段53dとを有している。連結軸53aは、駆動装置用ケース51の第1支持部61に回転自在に装着されている。具体的には、連結軸53aは、互いに対向するように板状に形成された第1支持部61の貫通孔61aと突出部61bとに挿通され、貫通孔61aと突出部61bとにおいて回転自在に支持されている(図7および図8を参照)。連結軸53aには一端部に連結部53eが形成されており、この連結部53eは、トナー供給装置3のトナー搬送部材105(図5を参照)に連結可能になっている。
【0039】
連結部53eは、凹状に形成された溝部153を有している。連結部53eは筒状に形成されており、溝部153は連結部53eの内周部に設けられている。溝部153は、対向した一対の壁部153aと、一対の壁部153aの間に設けられた底部153bとを有している。壁部153aは、曲面153cを含んでいる。曲面153cは、底部153bから離れるにつれて底部153bとの間の段差が大きくなるように、連結軸53aの回転方向(図11の矢印方向)に螺旋状に形成されている。すなわち、曲面153cは、底部153bから離れるにつれて曲面153b上の一点と底部153bの面との間の距離が大きくなるように、連結軸53aの回転方向に螺旋状に形成されている。また、曲面153cは、連結軸53aの回転軸から離れるにつれて底部153bとの間の段差すなわち底部153bからの距離が大きくなるように形成されている。すなわち、曲面153cは、連結軸53aの回転軸から離れるにつれて曲面153b上の一点と底部153bの面との間の距離が大きくなるように、連結軸53aの回転方向に螺旋状に形成されている。さらに、曲面153cは、底部153bに滑らかに接続されている。このような連結部53eの溝部153は、トナー搬送部材105の被連結部105aに嵌合可能になっている。具体的には、被連結部105aは、連結部材53の回転時に曲面153cに沿って溝部153に嵌合可能になっている。
【0040】
連結軸53aには、抜け止め部73が形成されている。具体的には、抜け止め部73は、連結軸53aの他端部に一体に形成されている。抜け止め部73は、貫通孔61aからの連結軸53aの抜け出しを防止するためのものである。抜け止め部73は、連結軸53aから連結軸53aの軸方向外方に延びる一対の棒状部73aと一対の棒状部73aそれぞれの先端部に一体に形成された鉤状部73bとを有している。鉤状部73bには、第1支持部61の突出部61bに形成された突起部61cに嵌合可能な凹部73cが形成されている。
【0041】
第1および第2ギア53b,53cは、連結軸53aの略中央部を支持する第1支持部61と連結軸53aの他端部を支持する第1支持部61との間に配置されている(図7を参照)。第1ギア53bは、回転を減速するための減速用ギアになっている。第1ギア53bは、ギア径が異なる2段ギアになっている。第1ギア53bは、連結軸53aに回転自在に装着されており、駆動モータ52の駆動ギア52cに噛み合っている。具体的には、第1ギア53bにおけるギア径の大きい方のギアが、駆動ギア52cに噛み合っている。第2ギア53cは、第1ギア53bと同軸上で、連結軸53aに回転不能に装着されている。付勢手段53dは、たとえばコイルバネ53dであり、このコイルバネ53dは、連結部53eと連結軸53aの略中央部を支持する第1支持部61との間で連結軸53aの外周に配置されている(図8を参照)。
【0042】
駆動力伝達機構54は、図9および図10に示すように、第1ギア53bから第2ギア53cへと回転駆動力を伝達するためのものである。駆動力伝達機構54は、連結ギア部74からなっている。連結ギア部74は、駆動装置用ケース51に嵌め込み装着されている。連結ギア部74は、回転軸74aと連結ギア74bとを有している。連結ギア部74の回転軸74aは、両端部それぞれを駆動装置用ケース51の第3支持部63に設けられたスリット63aに回転不能に嵌め込むことにより支持される。連結ギア74bは、回転軸74aに回転自在に装着されている。連結ギア74bは、回転を減速するための減速用ギアになっている。連結ギア74bは、ギア径が異なる2段ギアになっている。連結ギア74bは、第1ギア53bと第2ギア53cとに噛み合って、第1ギア53bから第2ギア53cへと回転駆動力を伝達する。具体的には、連結ギア74bにおけるギア径の大きい方のギアが、第1ギア53bにおけるギア径の小さい方のギアに噛み合っている。また、連結ギア74bにおけるギア径の小さい方ギアが、第2ギア53cに噛み合っている。ここで、連結ギア74bにおけるギア径の小さい方ギアは、第2ギア53cのギア径より小さくなっている。
【0043】
上記に示したような駆動装置50の組み立て方法を以下に説明する。まず、コイルバネ53dの一端部を連結軸53aの連結部53e側に当接させた状態で、連結軸53aが駆動装置用ケース51の第1支持部61の貫通孔61aに挿通される。このときに、互いに対向する第1支持部61の間で、第1および第2ギア53b,53cが連結軸53aに装着される。そして、連結軸53aの他端部が第1支持部61の突出部61bに挿通されたときに、連結軸53aの抜け止め部73の鉤状部73bを突出部61bの先端部に係合させる。このときに、鉤状部73bに形成された凹部73cが、突出部61bに形成された突起部61cに嵌合される。次に、連結ギア部74の回転軸74aの両端部それぞれを駆動装置用ケース51の第3支持部63に設けられたスリット63aに嵌め込むことにより、連結ギア部74が駆動装置用ケース51の第2支持部62に装着される。このとき、連結ギア74bにおけるギア径の大きい方のギアを、第1ギア53bにおけるギア径の小さい方のギアに噛み合わせる。同時に、連結ギア74bにおけるギア径の小さい方ギアを、第2ギア53cに噛み合わせる。最後に、駆動モータ52の係合部52dを駆動装置用ケース51の第2支持部62に形成されたスリット62aに嵌め込むことにより、駆動モータ52が第2支持部62に支持される。このとき、駆動モータ52の駆動ギア52cを、第1ギア53bにおけるギア径の大きい方のギアに噛み合わせる。
【0044】
次に、上記に示したような駆動装置50とトナー供給装置3との接続方法を以下に説明する。駆動装置50とトナー供給装置3とは、駆動装置50の連結部材53をトナー供給装置3のトナー搬送部材105に連結することにより連結される。具体的には、連結部材53の連結部53eの溝部153を、トナー搬送部材105の被連結部105aに嵌合することにより、連結部材53がトナー搬送部材105に連結される。より具体的には、連結部材53をトナー搬送部材105に同軸上で接近させたときに、連結部材53の溝部153の底部153bとトナー搬送部材105の被連結部105aとが、互いの長手方向(軸方向に直交する長手方向)が平行になるような配置になった場合は、溝部153は被連結部105aに直接的に嵌合される。一方で、連結部材53の溝部153の底部153bとトナー搬送部材105の被連結部105aとが、互いの長手方向(軸方向に直交する長手方向)が平行にならないような配置になった場合は、まず、溝部153の曲面153cに被連結部105aの両端部が当接する。次に、連結部材53が回転することによって、被連結部105aの両端部が曲面153cに沿いながら、被連結部105aの軸方向先端部が溝部153の底部153bに向けて接近していく。つまり、被連結部105aの軸方向先端部と溝部153の底部153bとの間隔が徐々に小さくなっていく。そして、被連結部105aの軸方向先端部が溝部153の底部153bに当接したときに、溝部153は被連結部105aに嵌合される。なお、ここで用いた軸方向とは、連結軸53aの軸方向のことである。
【0045】
最後に、駆動装置50の動作を以下に説明する。駆動モータ52により駆動ギア52cが回転させられると、第1ギア53bが連結軸53aまわりに回転し、第1ギア53bの回転に連動して連結ギア74bが回転軸74aまわりに回転し、連結ギア74bの回転に連動して第2ギア53cが連結軸53aとともに回転する。そして、連結軸53aの一端部に形成された連結部53eからトナー供給装置3のトナー搬送部材105に回転駆動力が伝達される。このように動作する駆動装置50では、第1ギア53bの回転に連動して連結ギア74bが回転するときは、第1ギア53bにおけるギア径の小さい方のギアと連結ギア74bにおけるギア径の大きい方のギアとが噛み合っているので、連結ギア74bの回転が減速される。そして、連結ギア74bの回転に連動して第2ギア53cが回転するときは、連結ギア74bにおけるギア径の小さい方のギアとこのギアよりギア径の大きい第2ギア53cとが噛み合っているので、第2ギア53cの回転が減速される。このようにして、駆動モータ52からの回転は、第1ギア53bから連結ギア74bに伝達されるときと、連結ギア74bから第2ギア53cに伝達されるときとに減速され、連結軸53aの連結部53eからトナー搬送部材105へと回転が減速された状態で伝達される。
【0046】
このような本実施形態では、第1および第2ギア53b,53cが連結部材53の連結軸53a上に装着されているので、第1ギア53bを駆動装置用ケース51内に配置するための空間を駆動装置用ケース51に確保する必要や、第1ギア53bを駆動装置用ケース51に装着するための軸受を駆動装置用ケース51に形成する必要がなくなり、駆動装置50の小型化を図ることができる。また、駆動装置用ケース51の支持部は駆動装置用ケース51に一体成形されているので、組立作業者が駆動装置50を組み立てるときに、組立作業者が、支持部を駆動装置用ケース51に位置決めする作業や、支持部を駆動装置用ケース51に装着するためのねじ部材を駆動装置用ケース51にねじ込むといった作業が不要になり、駆動装置50の組立作業性を向上することができる。さらに、連結部材53の連結軸53aに形成された抜け止め部73の凹部73cが駆動装置用ケース51の支持部に形成された突起部61cに嵌合されているので、画像形成装置の搬送時や駆動装置50の駆動時に連結軸53aに振動や衝撃が伝達されるようなことがあっても、駆動装置50の連結部材53が駆動装置用ケース51から抜け出さないように規制することができる。さらに、連結部53eの溝部153の壁部153aは螺旋状の曲面153cを含んでいるので、連結部材53を連結部53eにおいてトナー搬送部材105に連結させるときに溝部153の壁部153aがトナー搬送部材105の被連結部105aに当接したとしても、連結軸53aの回転時に被連結部105aが曲面153cに沿いながら徐々に溝部153の底部153bへと移動することができ、連結部材53とトナー搬送部材105との連結時に生じうる衝突音が発生しにくくすることができる。
【0047】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、画像形成装置がカラープリンタである場合の例を示したが、本発明は複写機やプリンタやファクシミリ等の画像形成装置に対しても適用することができる。
(b)前記実施形態では、駆動力伝達機構54が、回転軸74aと連結ギア74bとを有する連結ギア部74からなる場合の例を示したが、駆動力伝達機構54の構成は、前記実施形態に限定されず、第1ギア53bから第2ギア53cへと回転駆動力を伝達することができれば、どのような構成にしても良い。たとえば、駆動力伝達機構が、第3ギアと連結ギア部74とからなるようにしても良い。この場合、第3ギアは、第1ギア53bと第2ギア53cとの間で第1および第2ギア53cと同軸上に少なくとも1つ配置され、連結軸53aに回転自在に装着される。連結ギア部74は、回転軸と複数の連結ギア74bとを有している。回転軸は、駆動装置用ケース51に回転不能に装着される。複数の連結ギア74bは、回転軸に回転自在に装着される。このように駆動力伝達機構を構成すると、複数の連結ギア74bは、第3ギアを介して第1ギア53bから第2ギア53cへと回転駆動力を伝達することができる。また、上記の実施形態に示した効果と同様の効果を得ることができる。
【0048】
(c)前記実施形態では、突出部61bの先端部に環状の突起部61cが形成される場合の例を示したが、突起部61cの形成位置は、前記実施形態に限定されず、抜け止め部73の凹部73cを突起部61cに嵌合することができれば、どのようにしても良い。たとえば、連結部材53の連結軸53aの他端部を支持する第1支持部61を、連結部材53の連結軸53aの抜け止め部73側に形成する。そして、貫通孔61aを取り囲むような環状の突起部61cを第1支持部61の板状部分に形成する。このようにすると、連結部材53の連結軸53aの他端部を支持する第1支持部61に突出部61bを形成しなくても、抜け止め部73の凹部73cを突起部61cに嵌合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】従来の駆動装置を下側から見た斜視図。
【図2】従来の駆動装置の駆動手段と連結部材と駆動力伝達機構との噛み合い状態を示す図。
【図3】従来の駆動装置の支持部に装着された連結部材を示す図。
【図4】従来の駆動装置の連結部材の連結部の拡大斜視図。
【図5】従来の駆動装置の連結部材の連結部が連結可能な駆動部の拡大斜視図。
【図6】本実施形態が採用されたカラープリンタの概略断面構成図。
【図7】連結部材の抜け止め部上側から見た駆動装置の斜視図。
【図8】連結部材の連結部側から見た駆動装置の斜視図。
【図9】連結部材の抜け止め部下側から見た駆動装置の斜視図。
【図10】駆動手段と連結部材と駆動力伝達機構との噛み合い状態を示す図。
【図11】連結部材の連結部の拡大斜視図。
【符号の説明】
【0050】
1 プリンタ本体(画像形成装置本体)
3 トナー供給装置(駆動部)
50 駆動装置
51 駆動装置用ケース
52 駆動モータ(駆動手段)
52a モータ本体
52b 駆動モータの回転軸(駆動手段の回転軸)
52c 駆動ギア
53 連結部材
53a 連結軸
53b 第1ギア
53c 第2ギア
53e 連結部
54 駆動力伝達機構
61 第1支持部(支持部)
61a 貫通孔
61c 突起部
73 抜け止め部
73a 棒状部
73b 鉤状部
73c 凹部
74 連結ギア部
74a 連結ギア部の回転軸
74b 連結ギア
105 トナー搬送部材
105a 被連結部
153 溝部
153a 壁部
153b 底部
153c 曲面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体の内部に配置される駆動部を駆動するための画像形成装置の駆動装置であって、
前記駆動部に装着され、一体成形された支持部を有する駆動装置用ケースと、
前記駆動装置用ケースに装着され、回転駆動力を出力する回転軸と前記回転軸に回転不能に装着される駆動ギアとを有する駆動手段と、
前記駆動装置用ケースの前記支持部に回転自在に装着され前記駆動部に連結可能な連結部を有する連結軸と、前記連結軸に回転自在に装着され前記駆動ギアに噛み合う第1ギアと、前記第1ギアと同軸上で前記連結軸に回転不能に装着される第2ギアとを有する連結部材と、
前記第1ギアから前記第2ギアへと回転駆動力を伝達するための駆動力伝達機構と、
を備える画像形成装置の駆動装置。
【請求項2】
前記駆動力伝達機構は、前記駆動装置用ケースに回転不能に装着される回転軸と前記回転軸に回転自在に装着される連結ギアとを有する連結ギア部からなっており、
前記連結ギアは、前記第1ギアと前記第2ギアとに噛み合って、前記第1ギアから前記第2ギアへと回転駆動力を伝達する、
請求項1に記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項3】
前記連結部材の前記第1ギアと前記駆動力伝達機構の前記連結ギアとは、回転を減速するための減速用ギアになっている、
請求項2に記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項4】
前記駆動力伝達機構は、前記第1ギアと前記第2ギアとの間で前記第1および第2ギアと同軸上に配置され前記連結軸に回転自在に装着される少なくとも1つの第3ギアと、前記駆動装置用ケースに回転不能に装着される回転軸と前記回転軸に回転自在に装着される複数の連結ギアとを有する連結ギア部とからなっており、
複数の前記連結ギアは、前記第3ギアを介して前記第1ギアから前記第2ギアへと回転駆動力を伝達する、
請求項1に記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項5】
前記連結部材の前記第1ギアと前記駆動力伝達機構の前記第3ギアおよび前記連結ギアとは、回転を減速するための減速用ギアになっている、
請求項4に記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項6】
前記駆動装置用ケースは合成樹脂により形成されており、前記駆動手段と前記連結ギア部とは前記駆動装置用ケースに嵌め込み装着されている、
請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項7】
前記駆動装置用ケースの前記支持部は、前記連結軸を挿通するための貫通孔と前記貫通孔の近傍で前記支持部に一体に形成された突起部とを有しており、
前記連結部材の前記連結軸は、前記連結軸に形成され前記貫通孔からの前記連結軸の抜け出しを防止するための抜け止め部を有し、前記抜け止め部には、前記突起部に嵌合可能な凹部が形成されている、
請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項8】
前記連結軸の前記連結部は、凹状に形成された溝部を有しており、
前記溝部は、対向した一対の壁部と、一対の前記壁部の間に設けられた底部とを有しており、
前記壁部は、前記底部から離れるにつれて前記底部との間の段差が大きくなるように前記連結軸の回転方向に螺旋状に形成された曲面を含んでおり、
前記駆動部は、前記連結軸の回転時に前記曲面に沿って前記溝部に嵌合可能な被連結部を有している、
請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項9】
前記曲面は、前記連結軸の回転軸から離れるにつれて前記底部との間の段差が大きくなるように形成されている、
請求項8に記載の画像形成装置の駆動装置。
【請求項10】
前記曲面は、前記底部に滑らかに接続されている、
請求項8又は9に記載の画像形成装置の駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−11351(P2006−11351A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−251701(P2004−251701)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】