説明

画像形成装置及びプログラム

【課題】排紙トレイ装着口に管理者を持たない者の排紙トレイが装着されて矛盾が生じた状態であっても、矛盾したままの状態で装置が排紙動作を行う。
【解決手段】排紙トレイ91は、排紙装置部9から排紙される用紙をストックするトレイであり、各排紙トレイ91には、個別にID情報を格納したIDメモリ98と排紙トレイ91から排紙が取出可能か否かの物理的なロックを行う取出ロック97が搭載され、排紙トレイロック制御部93によって、排紙トレイ91に搭載されたIDメモリ98に格納されているID情報に基づいて所定の排紙トレイ91に排紙動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像形成装置及びプログラムに関し、特に複数の排紙トレイを着脱自在に装着可能な画像形成装置及び複数の排紙トレイのうちから排紙を行う排紙トレイを選択するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ、ファックス、コピア、プロッタ、或いはこれらの内の複数の機能を複合した画像形成装置を複数の端末装置で共有することが行われるようになっており、また、排紙された文書等が他人に取り出されないようにするために、物理的に排紙取出しをロックする機構(排紙取出ロック機構)を備える排紙トレイが知られている。
【0003】
そして、排紙取出ロックが可能な排紙トレイを複数備えることにより、利用者が出力タイミングを気にせずに、印刷物の機密性を保持できる印刷システム(特許文献1)やID情報を付与した印刷ジョブを、排紙取出ロックが可能な排紙トレイに出力し、IDカードにより排紙取出ロックを解除し、排紙を取出し可能とする装置なども知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−035531号公報
【特許文献2】特開2004−338195号公報
【特許文献3】特開2006−327164号公報
【特許文献4】特許第2932396号公報
【特許文献5】特開平7−336489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、排紙取出ロックが可能な排紙トレイを複数備えることにより、利用者が出力タイミングを気にせずに印刷物の機密性を保持できる印刷システム、排紙取出ロックが可能な排紙トレイにID情報を付与した印刷ジョブを出力することで、IDカードにより排紙取出ロックを解除して排紙を取出し可能とする装置が知られている。
【0006】
しかしながら、従前の排紙取出ロックが可能な排紙トレイを複数備える装置では、排紙トレイのセキュリティ情報管理が、全て装置本体側でのみ管理されているため、排紙トレイ(特に着脱可能な排紙トレイ)そのものにセキュリティ情報管理がなされる訳ではなく、排紙装置上の排紙トレイ着脱口にセキュリティがかけられている状態となっている。
【0007】
仮に、排紙トレイそのものに管理が不要であるとした場合、上述した従前の構成では、Aという管理者を持つ排紙トレイを、Bという管理者を持つ排紙トレイ装着口に装着して、矛盾が生じた状態であったとしても、矛盾したままの状態で装置が動作するという課題がある。
【0008】
また、従前の排紙取出ロックが可能な排紙トレイは、密閉性を要求されるために排出可能な排紙のサイズが有限であるにもかかわらず、排紙トレイとしての属性管理が実施されていなかったため、排紙トレイと排紙のサイズ違い等のジャムが発生するという課題がある。
【0009】
また、従前の排紙取出ロックが可能な排紙トレイは、ユーザ情報でのみ排紙振分を実施しているため、排紙トレイ上には、プリンタ、コピー、ファックスの各種機能によって排紙が混在する形で排出されている。ここで、プリンタやコピーでは、ユーザの意図するタイミングで排紙されるのに対して、ファックスによる排紙は、ユーザの意図しないタイミングで自動的に排紙される。そのため、プリンタやコピー排紙の間にファックスの排紙が混在していた場合に、ユーザが気が付かないという課題がある。
【0010】
また、従前の排紙取出ロックが可能な排紙トレイは、排紙トレイのロックを単一のものとして扱っていることから、ロック解除権限をもつユーザが排紙を回収しないために排紙トレイが長時間占有されてしまうという課題がある。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、排紙トレイにID情報を持つことで排紙トレイが装着される排紙トレイ装着口が変更されても、矛盾なく所要の排紙トレイへの排出動作を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
ID情報を格納したID格納手段が設けられ、排紙取出ロックが可能な複数の排紙トレイを着脱自在に装着可能であって、
排紙動作時に前記排紙トレイの前記ID格納手段に格納されたID情報に基づいて所定の排紙トレイに排紙を行わせる手段を備えている
構成とした。
【0013】
ここで、前記ID格納手段に格納されるID情報には、ユーザID、ユーザパス、ユーザ設定のON/OFF、排紙可能最大用紙サイズ、排紙可能用紙向き、排紙取出ロックのON/OFF、排紙トレイ装着ロックのON/OFF、排紙ジョブ選択のON/OFFの少なくともいずれかを含む構成とできる。
【0014】
また、前記ID格納手段は非接触型記憶素子又は接触型記憶素子である構成とできる。
【0015】
本発明に係るプログラムは、
ID情報を格納したID格納手段が設けられ、排紙取出ロックが可能な複数の排紙トレイを着脱自在に装着可能な画像形成装置の排紙動作時に前記排紙トレイの前記ID格納手段に格納されたID情報に基づいて所定の排紙トレイに排紙を行わせる処理をコンピュータに行わせる
構成とした。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る画像形成装置によれば、ID情報を格納したID格納手段が設けられ、排紙取出ロックが可能な複数の排紙トレイを着脱自在に装着可能であって、排紙動作時に排紙トレイのID格納手段に格納されたID情報に基づいて所定の排紙トレイに排紙を行わせる手段を備えているので、排紙トレイが装着される排紙トレイ装着口が変更されても、矛盾のない排紙動作を行うことができる。
【0017】
本発明に係るプログラムによれば、ID情報を格納したID格納手段が設けられ、排紙取出ロックが可能な複数の排紙トレイを着脱自在に装着可能な画像形成装置の排紙動作時に排紙トレイのID格納手段に格納されたID情報に基づいて所定の排紙トレイに排紙を行わせる処理をコンピュータに行わせるので、排紙トレイが装着される排紙トレイ装着口が変更されても、矛盾のない排紙動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係るプログラムを含む本発明に係る画像形成装置である複合機の一例について図1を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の全体構成を説明するブロック説明図である。
この複合機1は、複写(コピーとスキャナ)装置部2と、画像形成(プリンタ)装置部3と、ファックス装置部4と、本発明に係る処理をコンピュータに行わせるプログラムを格納した記憶手段を含み、この複合機全体を制御するための複合機制御部5と、ADF装置部6と、給紙装置部7と、搬送装置部8と、排紙装置部9とを備えている。
【0019】
複写装置部2は、原稿画像を読取って複写物を生成する複写を行う。画像形成装置部3は、画像形成を行い、画像形成(プリント)のジョブを一時ストックするための記憶装置であるHDDやメモリで構成されるストレージ31を有している。ファックス装置部4は、ファックスの送受信を行う。
【0020】
複合機制御部5は、装置全体の制御を司る制御部(CPU)と、本発明に係るプログラムを含む各種プログラムの格納エリア、ワーキングエリアなどとして使用するROM、RAMなどで構成される記憶部とを備えるとともに、ユーザIDやパスワード等が任意に記憶された非接触型記憶素子であるRFIDカード101の情報をリードライトするためのRFIDカードアンテナ51と、RFIDカードアンテナ51にかざされたRFIDカード101の情報をリードライトするためのRFIDカードリーダライタ51と、操作部53も有している。
【0021】
なお、本発明に係るプログラムは記憶媒体に格納されることで、容易に本発明に係るプログラムを提供することができる。また、後述する外部情報処理端末(情報処理装置)102から複合機制御部5の記憶部に本発明に係るプログラムをインストールすることもできる。
【0022】
ADF装置部6は、オートドキュメントフィードのための機能を有し、オートドキュメントフィードを行なう用紙を給紙するADF給紙トレイ61と、オートドキュメントフィードの実施後、用紙を排紙するADF排紙トレイ62とを有している。
【0023】
給紙装置部7は、複合機処理に必要な用紙を給紙し機能を有し、給紙する用紙をストックする例えば用紙サイズ毎の複数の給紙トレイ71A、71B、71Cを有している。
【0024】
搬送装置部8は、ADF装置部6、複写装置部2、画像形成装置部3、ファックス装置部4、給紙装置部6、及び排紙装置部9の間の用紙搬送を行う。
【0025】
排紙装置部9は、搬送装置部8から用紙を受け取り、各排紙トレイ91(91A〜91N)に排紙する。この排紙装置部9は、ID情報に基づき排紙トレイ91の管理、排紙トレイロック制御部93やRFIDリーダライタ94の制御を行う排紙トレイ管理部92を有している。
【0026】
排紙トレイロック制御部92は、排紙装置部9の各排紙トレイ装着口11(11A〜11N)にある各装着ロック12(12A〜12N)と、各排紙トレイ91にある排紙取出ロック97(97A〜97N)の制御を行う。装着ロック12は、排紙装置部9の各排出トレイ装着口11にある、排紙トレイ91を装着後にロックする排紙トレイ装着ロックである。装着口11は、複合機1の排紙トレイ91が装着される部分である。
【0027】
なお、図1では排紙トレイ91と排紙トレイ装着口11の番号(A〜N)が一致しているが、排紙トレイ91が任意に入れ替った場合には一致しない。排紙トレイ装着口11は、排紙トレイ91のように物理的な移動はできない。これらの排紙トレイ装着口11A〜11Nは排紙トレイ管理部92で管理される。
【0028】
RFIDリーダライタ94は、排紙装置部9の各排出トレイ装着口11に装着された排紙トレイ91のID格納手段としての非接触型記憶素子であるIDメモリ98から、RFID情報をリードライトするためのコントローラであり、複数あるRFIDアンテナ99(99A〜99N)を一括してコントロールする。RFIDアンテナ99は、排紙装置部9の各排出トレイ装着口11に装着された排紙トレイ91から、RFID情報をリードライトするための通信用アンテナであり、排紙トレイ装着口11及び排紙トレイ81の個数に応じて用意される。
【0029】
排紙トレイ共通95は、ID情報を持たない排紙トレイであり、ID情報に基づく、排紙ロックや排紙振分が不要な排紙処理時に排紙トレイとして使用する。
【0030】
排紙トレイ91は、排紙装置部9から排紙される用紙をストックするトレイである。各排紙トレイ91には、個別にRFID情報を格納したIDメモリ98と取出ロック97が搭載されている。取出ロック97は、排紙取出ロックであり、排紙トレイ91から排紙が取出可能か否かの物理的なロックを行う。この取出ロック97は、排紙トレイロック制御部93により、物理的なロックの設定及び解除が行われる。
【0031】
USBポート15は、外部情報処理端末102等とUSBを介して通信を行なうためのポート、LANポート16は外部情報処理端末102や外部メールサーバ103等とLANを介して通信を行なうためのポート、回線ポート17は外部FAX端末104とPSTN、ISDN、PBX等の電話回線を介して通信を行なうためのポートである。
【0032】
外部情報処理端末102は、プリンタドライバ102aを内蔵したパーソナルコンピュータ(PC)等であり、USBやLANを介して複合機1へのジョブ送信が可能である。外部メールサーバ103は、LANを介して複合機1とメール送受信が可能である。外部FAX端末104は、電話回線を介して、複合機1とファックスの送受信を行なうことができる装置である。
【0033】
次に、本発明に係る画像形成装置である複合機の他の例について図2を参照して説明する。なお、図2は同画像形成装置の全体構成を説明するブロック説明図である。
この複合機は、非接触型記憶素子を接触型素子に置き換えたものである。ここでは、前記図1と異なる部分のみ説明する。
【0034】
IDカードリーダライタ152は、IDカードコネクタ151に接触した、IDカード201の情報をリードライトする。IDカードコネクタ151は、IDカード201の情報をリードライトするためのコネクタ部であり、EEPROM等のメモリをコネクトする電気式や、バーコード等の光学式、磁気テープを持った磁気式のコネクタに相当する。IDカード201は、ユーザIDやパスワード等が任意に記憶されたIDつきのカードである。
【0035】
IDリーダライタ194は、排紙装置部9の各排出トレイ装着口11に装着された排紙トレイ91から、ID格納手段である接触型記憶素子であるIDメモリ198に格納されたID情報をリードライトするためのコントローラであり、複数あるIDコネクタ199を一括してコントロールする。IDコネクタ199は、排紙装置部9の各排出トレイ装着口11に装着された排紙トレイ91から、ID情報をリードライトするための通信用コネクタであり、排紙トレイ装着口11及び排紙トレイ91の個数に応じて用意される。
【0036】
排紙トレイ91は排紙装置部9から排出される用紙をストックするトレイであり、各排紙トレイ91には、個別にIDメモリ198と取出ロック97が搭載されている。IDメモリ198は、EEPROM等の接触型記憶素子である。
【0037】
ここで、これらの複合機において、各排紙トレイ91のRFID98又はIDメモリ198に格納するID情報としては、図3に示すように、排紙可能最大用紙サイズ(排紙可能用紙サイズMAX)、排紙取出ロック97のON/OFF、排紙ジョブ選択(プリント、コピー、ファックス、その他のON/OFF)、ユーザ設定(ID,パスワード(PASS)のON/OFf)、ユーザID、ユーザパスワード(ユーザPASS)としている。
【0038】
次に、排紙トレイ管理部92で管理される排紙トレイ91、1個当たりのID情報は、図4に示すようになっている。排紙トレイ装着検出と排紙トレイ装着ロックON/OFFは、排紙トレイ管理部92の固有の値で、その他の値は、各排紙トレイ91のID情報のコピーである。
【0039】
排紙トレイ管理部92で管理される排紙トレイ91のID情報は、図5に示すように、排紙トレイ装着口11をベースに集約管理される。
【0040】
次に、これらの複合機におけるプリントジョブ実行時の動作について図6に示すフロー図を参照して説明する。
まず、ユーザが排紙トレイ91と排紙トレイ91が装着可能な装置(複合機1)に対して、ID情報を任意に設定し、ユーザが外部端末装置等からプリントジョブを設定する。その後、複合機1はユーザにプリントジョブに対して排紙取出ロック97、排紙トレイ装着ロック12、ユーザID、ユーザPASSを任意に設定させ、又は強制設定させる。そして、ロック設定後、プリントジョブを実行し、ジョブを受信した装置が自動で排紙トレイを設定し(後述する図10の処理)、排紙トレイの決定/未決定に応じた処理(後述する図15の処理)を行う。
【0041】
例えば、ユーザは、自身が実行したいジョブを排紙トレイ91Aに排紙したい場合、複合機1の操作部51から排紙トレイ91Aに対して、ユーザID、排紙ジョブプリンタの設定をまず行なう。これらに対して、セキュリティが必要な場合、排紙取出ロック95、排紙トレイ装着ロック12、ユーザPASS等を設定する。ユーザIDはジョブの排紙先としての指定には使用されるが、IDだけではロックはかからない。ロック設定を実施(ON)したときには、ユーザPASSを同時に設定して、ロックのセキュリティを確保する。また、排紙取出や排紙トレイ装着をロックしたものについて、ユーザPASSが空白や未設定の場合には、ユーザPASSなしで排紙取出や排紙トレイ装着がロック可能となる。設定したロックに対して、ユーザPASSまでのセキュリティが必要か否かは設定者に委ねられる。
【0042】
複合機1の操作部51からのID情報設定なしで、外部情報端末102からプリントジョブを実施する場合には、プリントジョブ実行時に、ID情報として必要な情報をジョブに添付して送信する。いずれの排紙トレイ91に設定が割り当てられるかに関しては、複合機1の自動設定機能に委ねることになる。
【0043】
また、処理の途中でエラー又は警告が発生して処理中断をしたときには、ユーザに対してエラー又は警告の内容が外部情報端末102、操作部51などから通知され、指示に従ってユーザがエラー又は警告を解消することで、プリントジョブが再開される。
【0044】
次に、コピージョブ実行時の動作について図7に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、IDカード201又はRFIDカード101を任意に使用し、必要に応じて、複合機1にユーザを認識させる。複合機1は、ユーザがカードを使用した場合、ユーザIDの入力を免除(全自動設定)し、ユーザPASS認証を免除する。そして、ユーザが排紙トレイ91と排紙トレイ91が装着可能な装置(複合機1)に対して、ID情報を任意に設定し、ユーザがコピージョブを設定する。その後、複合機1はユーザにコピージョブに対して排紙取出ロック97、排紙トレイ装着ロック12、ユーザID、ユーザPASSを任意に設定させ、又は強制設定させる。そして、ロック設定後、プリントジョブを実行し、ジョブを受信した装置が自動で排紙トレイを設定し(後述する図10の処理)、排紙トレイの決定/未決定に応じた処理(後述する図15の処理)を行う。
【0045】
つまり、ここでは、プリントやファックスと異なり、コピー時には、ユーザには設定を簡素化するための選択権が与えられている。具体的には、コピーの実施開始時は、ユーザが複合機1の前にいることが前提となるため、ユーザ情報の入力や認証に関して、IDカード201やRFIDカード101の使用が可能となる。同カード101、201を複合機1が検出可能な位置で認識している場合は、ユーザIDやユーザPASSに関する処理は、簡素化される(ユーザの入力免除(全自動設定)、ユーザPASS認証免除)。
【0046】
その上で、ユーザが排紙トレイ91と排紙トレイ91が装着可能な複合機1に対して、ID情報を任意に設定する。例えば、ユーザは自身が実行したいジョブをトレイ91Aに排紙したい場合、排紙トレイ91Aに対して、ユーザID、排紙ジョブプリンタの設定をまず行なう。これらに対して、セキュリティが必要な場合、排紙取出ロック、排紙トレイ装着ロック、ユーザPASS等を設定する。ユーザIDはジョブの排紙先としての指定には使用されるが、IDだけではロックはかからない。ロック設定を実施したときには、ユーザPASSを同時に設定して、ロックのセキュリティを確保する。
【0047】
また、排紙取出や排紙トレイ装着をロックしたものについて、ユーザPASSが空白や未設定の場合には、ユーザPASSなしで排紙取出や排紙トレイ装着がロック可能となる。設定したロックに対して、ユーザPASSまでのセキュリティが必要か否かは設定者に委ねられる。
【0048】
複合機1の操作部51からのID情報設定なしで、コピージョブを実施する場合には、どの排紙トレイ91に設定が割り当てられるかに関しては、複合機1の自動設定機能に委ねることになる。
【0049】
また、コピーの場合、エラー又は警告の発生時には、ユーザに対してエラー又は警告の内容が直接複合機1の操作部51に表示されて通知され、指示に従ってユーザがエラー又は警告を解消することで、コピージョブが再開される。
【0050】
次に、ファックスジョブ実行時の動作について図8に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、ユーザが排紙トレイ91と排紙トレイ91が装着可能な装置(複合機1)に対して、ID情報を任意に設定する。その後、ファックスに対応するため、親展番号=ユーザIDとして、ファックスボックスFAXBOX#A〜N等をID情報として登録可能とする。また、ファックスに対応するため、親展専用ユーザIDのファックスボックスFAXBOX#を個人持ちのユーザIDにリンクして管理することも可能とし、また、1ユーザIDに複数のファックスボックスFAXBOX#をリンクさせることも可能とする。その後、外部FAX端末104からファックスジョブを受信し、ジョブを受信した装置が自動で排紙トレイを設定し(後述する図10の処理)、排紙トレイの決定/未決定に応じた処理(後述する図15の処理)を行う。
【0051】
つまり、ファックス機能については、具体的にはファックス受信時、受信後のファックス排紙処理が本発明の部分となる。
通常のファックスでは、排紙されたものを受け取るべき受信者情報がはっきりしない。そのため、ユーザID設定がなく、かつ排紙ジョブ設定として、ファックスが有効になっている排紙トレイがひとつだけあれば、そこにファックスジョブは全て排紙される。複数の排紙トレイ91にファックスの設定がなされていた場合には、トレイ間の区別がつかないため、ファックスジョブは、排紙トレイ共通95に排紙される。
【0052】
排紙取出ロック機能を有効に使用可能な場合は、ファックスの親展機能が使用されている場合である。親展データには親展IDないし親展BOX(ボックス)番号というような情報が付与されている。このような親展データ受信を想定し、親展BOX専用のユーザIDとして、「FAXBOX#A」や「FAXBOX#B」というようなIDを親展BOX番号とリンクさせて登録し、親展データは、親展専用のユーザIDをもつ排紙トレイに振り分けるようにしての使用が可能である。
【0053】
また、仮に親展データを排紙するに相応しい排紙トレイが選択できない場合には、親展データは印刷排紙することなく、装置内に親展ジョブデータとして保持することとなる。親展ジョブデータが保存されているとき、ユーザは、親展ファックスジョブを任意にプリントアウト(印刷実行)をすることとなる。
【0054】
次に、ロック済の排紙トレイから排紙を回収するときの動作について図9に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、ユーザIDを使用するかを判別し、ユーザIDを使用するときにはカードを使用するかを判別し、カードを使用するときには、IDカード201又はRFIDカード101を任意に使用し、必要に応じて、複合機1にユーザを認識させる。複合機1は、ユーザがカードを使用した場合、ユーザIDの入力を免除(全自動設定)し、ユーザPASS認証を免除する。
【0055】
また、カードを使用しないときには、操作部53から入力されるユーザIDを取りこんで、PASS照合を行う(後述する図18の処理)。
【0056】
そして、複合機1は、排紙取出ロック中のジョブを操作部53にガイダンス表示する(例えば図に示すようなガイダンス)。その後、「排紙取出ロック97をアンロックします、アンロックトレイを選択して下さい」の表示を行う。ここで、所要の排紙トレイ91が選択された後コマンドを実行する。
【0057】
次いで、取出後、排紙取出ロック及び排紙装着ロック以外のID情報をクリアするか否かを判別し、クリアするときには、選択された排紙トレイ91の排紙可能用紙サイズMAXを除くID情報を消去し、クリアしないときには、選択された排紙トレイ91の排紙取出ロック、排紙装着ロックのID情報を消去する。これにより、所要の排紙トレイ91がアンロックされ、ユーザが排紙を回収する。
【0058】
これに対し、ユーザIDが使用されないときには、複合機1のジョブ履歴を参照し、ジョブの排紙状況及び排紙先を確認し、排紙トレイ手動設定を使用して排紙トレイをアンロックする(後述する図17の処理)。
【0059】
つまり、ここでも、装置(複合機1)にて排紙トレイ91から排紙を回収するときには、ユーザには設定を簡素化するための選択権が与えられている。具体的には、排紙回収時はユーザが装置前にいることが前提となるため、ユーザ情報の入力や認証に関して、IDカード201やRFIDカード101の使用が可能となる。同カードを装置が検出可能な位置で認識している場合は、ユーザIDやユーザPASSに関する処理は、簡素化される。カードがない場合でも、自身のユーザIDとユーザPASSを入力可能であれば、排紙回収操作は可能である。
【0060】
ユーザIDを利用する場合には、ユーザPASSまでの照合が完了すると、排紙トレイ上に蓄積されているジョブが操作部53に表示される。これをユーザはアンロックすることで排紙を回収することができる。アンロックする排紙トレイは任意に選択可能であるため、トレイA(91A)は回収して、トレイB(トレイ91B)は回収せずロックされたまま、というような処理も可能となる。
【0061】
排紙トレイから排紙の回収後には、排紙トレイ91のロック98をアンロックしたままにすると同時に、ユーザが排紙トレイ91を占有するために自動ないし手動で設定されたID情報を全リセットするかを選択実行することができる。
【0062】
引き続き排紙トレイ91を占有したい場合には、ID情報の全リセットを選択せずにしておけばよい。引き続き排紙トレイを占有するつもりがない場合には、任意のユーザが自由に使用可能なようにID情報を全リセットして、占有を解除する。
【0063】
次に、自動でユーザトレイを決定するための動作について図10に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、自動でユーザトレイを検索し、排紙先の排紙トレイ91を決定する(後述する図11の処理)。また、自動でユーザ無トレイを検索し、ユーザトレイとしてID情報を設定し、排紙先の排紙トレイを決定する(後述する図12の処理)。
【0064】
つまり、おおまかに、以下の2つの条件を前提として排紙トレイを決定している。
(1)ユーザがあらかじめ設定済である排紙トレイが存在することを前提
(2)ユーザがあらかじめ設定済である排紙トレイが存在しないが、だれも設定を実施していない排紙トレイあることを前提
【0065】
そして、ユーザがあらかじめ設定済の排紙トレイが見つかった場合には、それを今回のジョブの排紙トレイとして決定する。ユーザがあらかじめ設定済の排紙トレイがなくても、自由に設定可能な排紙トレイが見つかれば、それに必要な設定を施して、今回のジョブの排紙トレイとして決定する。ユーザがあらかじめ設定済のものも無ければ、自由に設定可能な排紙トレイも見つからなければ、排紙トレイ未決定のまま、ここでの処理は終了し、まったく別の処理中で、エラーや警告に対して対応を取ることになる。
【0066】
具体的には、図11ないし図14に示すフロー図を参照して説明する。
先ず、図11に示す排紙トレイ管理部のID情報から自動でユーザ排紙トレイを検索する動作の場合には、排紙トレイ装着口11Aないし11Nについて、順次、ID情報を参照して、ID情報の一致確認を行う。
【0067】
次に、図12に示す排紙トレイ管理部のID情報から自動でユーザ無し排紙トレイを検索する動作では、排紙トレイ装着口11Aないし11Nについて、順次、ID情報を参照して、ID情報が未設定で排紙トレイとして使用可能かを確認して自動設定を行う(後述する図14の処理)。
【0068】
次に、図13に示す排紙トレイ管理部のID情報から1トレイずつ自動でユーザ排紙トレイを検索する動作では、排紙トレイ決定済みでなければ、ID情報の排紙トレイ装着検出[0]=「1」(設定、以下同じ)、ID情報のユーザ設定[1]=1、ID情報のユーザIDがジョブ対象者と一致、ID情報の排紙可能用紙サイズMAXが排紙ジョブサイズ以上、排紙ジョブがプリント、ID情報の排紙ジョブ選択[0]=1であれば、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先に決定する。
【0069】
これに対し、ID情報の排紙トレイ装着検出[0]=「1」(設定、以下同じ)、ID情報のユーザ設定[1]=1、ID情報のユーザIDがジョブ対象者と一致、ID情報の排紙可能用紙サイズMAXが排紙ジョブサイズ以上、ID情報の排紙ジョブ選択=1のいずれかでなければ、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先としない。
【0070】
また、排紙ジョブがプリントでなければ、排紙ジョブがコピーで、ID情報の排紙ジョブ選択[1]=1であれば、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先に決定し、ID情報の排紙ジョブ選択[1]=1でなければ、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先としない。
【0071】
また、排紙ジョブがコピーでなく、ファックスであり、ID情報の排紙ジョブ選択[2]=1であれば、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先に決定し、ファックスでもないとき、あるいは、ID情報の排紙ジョブ選択[2]=1でなければ、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先としない。
【0072】
次に、図14に示す排紙トレイ管理部のID情報から1トレイずつ自動でユーザ無し排紙トレイを検索する動作では、排紙トレイ決定済みでなければ、ID情報の排紙トレイ装着検出[0]=「1」(設定、以下同じ)、ID情報のユーザ設定[1]=「0」、ID情報のユーザ設定[0]=「0」、ID情報の排紙可能用紙サイズMAXが排紙ジョブサイズ以上、ID情報の排紙ジョブ選択[3:0]=「0000」、排紙ジョブがプリントであれば、ID情報の排紙ジョブ選択[0]=「1」を設定し、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先に決定する。
【0073】
これに対し、ID情報の排紙トレイ装着検出[0]=「1」、ID情報のユーザ設定[1]=「0」、ID情報のユーザ設定[0]=「0」、ID情報の排紙可能用紙サイズMAXが排紙ジョブサイズ以上、ID情報の排紙ジョブ選択[3:0]=「0000」のいずれかでなければ、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先としない。
【0074】
また、排紙ジョブがプリントでなければ、排紙ジョブがコピーであれば、ID情報の排紙ジョブ選択[1]=1に設定し、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先に決定する。
【0075】
また、排紙ジョブがコピーでなく、ファックスであれば、ID情報の排紙ジョブ選択[2]=1に設定し、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先に決定し、ファックスでもないときには、ID情報参照中の排紙トレイ装着口11の排紙トレイ91を排紙先としない。
【0076】
次に、排紙トレイの決定/未決定の判別と排紙処理の動作について図15に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、排紙トレイが決定済みであるか否かを判別し、排紙トレイが決定済みであれば、決定された排紙トレイが排紙トレイ共通95か否かを判別し、決定された排紙トレイが排紙トレイ共通95でなければ、ロック動作と同時に決定済みの排紙トレイ91に排紙ジョブを実行する(後述の図16に示す処理)。ここで、決定された排紙トレイ91が装着されていなければ、警告として、例えば「排紙ジョブを中断します。手動設定で排紙トレイを使用可能とするか、自動設定可能な排紙トレイを装着して下さい」のメッセージを表示する。
【0077】
また、決定された排紙トレイが排紙トレイ共通95であれば、ロック無し動作に変更し、排紙トレイ共通95に排紙ジョブを実行する。
【0078】
これに対して、排紙トレイが決定済みでなければ、親展ファックスジョブか否かを判別して、親展ファックスジョブでなければ、自動設定で空き排紙トレイが見つからなかったとき、ユーザに空き排紙トレイが見つからなかったことを通知し、排紙ジョブをロックすることを中止し、排出先を排紙トレイ共通95(共通排紙トレイ)に変更するか否かをユーザに選択させ、共通排紙トレイに排紙するときには、ロック無し動作に変更し、排紙トレイ共通95に排紙ジョブを実行する。また、共通排紙トレイに変更しないときには、上述した警告メッセージを表示する。
【0079】
また、親展ファックスジョブのときには、排紙ジョブを延期し、ジョブデータをまま装置内に保存する。
【0080】
次に、図15の排紙トレイ決定後の排紙とロックの動作について図16に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、排紙先に決定した排紙トレイを対象に処理を開始し、ジョブ要求された内容とおり、ID情報、排紙トレイ装着ロック、排紙取出ロックを設定し、ジョブ要求時に要求された内容通り、排紙トレイ装着ロックを物理的にロックし、ジョブ要求時に要求された内容通り、排紙トレイの排紙取出ロックを物理的にロックした後、排紙ジョブを実行する。
【0081】
つまり、排紙トレイ91A〜91Nのいずれかにジョブが振り分けられたときには、ロック付きの排紙トレイ91に排紙し、排紙トレイ91A〜19Nにジョブを振り分けられない理由がある場合には、排紙トレイ共通95に排紙を実行するか、排紙ジョブそのものを中断する。
【0082】
次に、手動で排紙トレイのID情報を設定する動作について図17に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、排紙トレイ管理部92のID情報一覧から装着検出済みの排紙トレイのリストを操作部53に呼び出して表示する。ユーザが操作部53の表示リストから排紙トレイを選択し、選択が確認できれば反映させるためにENTER入力される。
【0083】
その後、PASS照合(後述の図18に示す処理)を行い、PASS照合が成功したら次処理へ、PASS照合が失敗ならエラー処理へ移行する。そして、排紙取出ロックON/OFF、排紙トレイ装着ロック、排紙ジョブ選択、ユーザ設定、ユーザID、ユーザPASSの設定表示画面が許可される。その後、任意に再設定を実施し、再設定が確認できればENTER入力が行われ、PASS照合(図18に示す処理)を行って、PASS照合が成功したら次処理へ、PASS照合が失敗なら設定中が面に戻る。そして、装置により各ID設定及びロック設定が更新される。
【0084】
次に、図17に示すPASS照合の動作について図18に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、IDカード201やRFIDカード101からユーザIDやユーザPASSを照合済か否か判別して、照合済みであれば、PASS照合=成功として処理する。
【0085】
また、照合済みでなければ、照合対象にPASSは設定済みか否か判別し、設定済みでなければ、PASS照合=成功として処理する。
【0086】
これに対し、PASS設定済みであれば、ユーザPASS入力画面を表示し、ユーザPASS入力を行って(ENNTER入力)、PASSが正しいか否か判別し、PASSが正しければ、PASS照合=成功として処理する。また、PASSが正しくなければ、PASS失敗回数をインクリメントして、規定回数PASS失敗となれば、PASS照合=失敗として処理する。
【0087】
このように、ロック付きの排紙トレイの使用を開始するときには、まず手動設定により、所有者を決定付けるためのユーザIDやユーザPASS、どのジョブに対応するのかの排紙ジョブ選択の設定を実施するのか好適な使用法である。
【0088】
次に、排紙トレイ管理部の排紙トレイID情報一覧の更新動作について図19に示すフロー図を参照して説明する。
ここでは、電源ON、排紙トレイ装着検出変化、排紙ジョブ要求発生、排紙ジョブ完了、手動制御で排紙トレイID情報設定発生、電源OFF要求発生のいずれかであれば、全排紙トレイ装着口11にある排紙トレイ91のID情報を収集し、排紙トレイ情報の一覧を更新する。
【0089】
例えば、各種のイベントが発生した際、装着口11A〜11Nに排紙トレイ91が存在するかの確認から、存在する排紙トレイ91のID情報について、一括して管理記憶を行なう。例えば、排紙トレイの装着検出に「装着口A、Bの値が”1”→”0”→”1”と変化」したとする。実際の動作としては、装着口11Aがトレイ91Aからトレイ91Bに、装着口11Bがトレイ91Bからトレイ91Aに挿し変わる。
【0090】
ここで、排紙トレイ91AにはユーザA、排紙トレイ91BにはユーザBがそれぞれ割り当てられていたため、トレイの挿しかわり後は、ユーザAの排紙ジョブは装着口11Bかつ排紙トレイ91Aに向けて出力しなければならない。
【0091】
しかし、従前の装置では、装着口と排紙トレイを同一と看做しているため、上記のような状況でも動かすことができない装着口91Aの排紙トレイ91BにユーザAのジョブを排紙してしまうという動作を行なっている。
【0092】
これに対して、上述したように、常に各排紙トレイのID情報を管理することで、ユーザAが所有権のあるトレイAに対して排紙を要求した際に、トレイAに対して排紙すること可能になる。
【0093】
このように、上述した画像形成装置及びプログラムによれば、排紙取出ロックが可能な排紙トレイにID情報が付与され、装着された排紙トレイのID情報に基づいて所定の排紙トレイに対する排紙動作を行うので、ID情報にもとづく排紙振分の制御(設定/解除)が可能となる。この振分の制御には、ユーザID、プリンタ排紙ON/OFF、コピー排紙ON/OFF、ファックス排紙ON/OFF、排紙可能用紙サイズMAX、排紙可能用紙方向(縦/横)の情報を利用することができる。
【0094】
まあ、ID情報に基づく排紙取出ロックの制御(設定/解除)が可能となる。ロックには、ユーザID、ユーザPASS、ユーザID設定ON/OFF、ユーザPASS設定ON/OFF、取出口ロック設定ON/OFF、着脱ロック設定ON/OFFの情報を利用することができる。
【0095】
より具体的には、排紙取出ロックが可能な排紙トレイを複数備える画像形成装置において、着脱可能な排紙トレイにID情報を付与するので、排紙トレイが取付られる排紙トレイ着脱口が変更されても、矛盾なく、排紙トレイに設定されたユーザ情報に基づき排紙トレイ位置を認識するので、装置を正しい排紙トレイに排紙動作をさせることができる。
【0096】
さらに、排紙取出ロックが可能な排紙トレイにID情報として排出可能用紙サイズMAX、排紙可能用紙方向(縦/横)を付与することで、排紙トレイに排出不可能なサイズの排紙を回避することができる。
【0097】
さらに、排紙取出ロックが可能な排紙トレイにユーザ情報以外の振分情報として、プリンタ排紙ON/OFF、コピー排紙ON/OFF、ファックス排紙ON/OFFの情報を付与することで、排紙トレイに設定された排紙ジョブ情報に基づいて装置が排紙動作をすることができる。この動作により、プリンタやコピー排紙の間にファックスの排紙が混在しないので、ユーザが排紙に気が付かないという問題を回避することができる。
【0098】
さらに、排紙取出ロック機構を排紙トレイそのものに付与することで、排紙トレイが装置から外された状態においても排紙取出ロック機能が保持可能とすることができる。
【0099】
さらに、排紙トレイにて排紙取出ロック、排紙トレイが装着される装置側の装着口にて排紙トレイ装着ロックというように、ロック機構/機能を排紙トレイと排紙トレイが装着される装置で分離することで、排紙取出ロック状態を維持したまま、排紙トレイ装着ロックの解除のみで排紙トレイの交換が可能となり、占有されていた排紙トレイ装着口の有効利用を可能とすることができる。
【0100】
なお、上記実施形態では、本発明を画像形成装置に適用した例で説明しているが、例えば画像形成装置と情報処理装置とを組み合わせた画像形成システムに適用して、画像形成装置側から情報処理装置側に排紙トレイに関する情報を通知する構成とすることもできる。また、ID情報を格納したID格納手段が設けられ、排紙取出ロックが可能な複数の排紙トレイを排紙トレイ装着口に着脱自在に装着可能な画像形成装置の排紙動作時に排紙トレイのID格納手段に格納されたID情報に基づいて所定の排紙トレイに排紙を行わせる画像形成方法として構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明に係る画像形成装置である複合機の一例の全体構成を説明するブロック説明図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置である複合機の他の例の全体構成を説明するブロック説明図である。
【図3】ID情報の一例の説明に供する説明図である。
【図4】排紙トレイ管理部で管理される排紙トレイ1個当たりのID情報の説明に供する説明図である。
【図5】排紙トレイ管理部で管理される排紙トレイのID情報一覧の説明に供する説明図である。
【図6】プリントジョブ実行時の動作の説明に供するフロー図である。
【図7】コピージョブ実行時の動作の説明に供するフロー図である。
【図8】ファックスジョブ実行時の動作の説明に供するフロー図である。
【図9】ロック済の排紙トレイから排紙を回収するときの動作の説明に供するフロー図である。
【図10】自動でユーザトレイを決定するための動作の説明に供するフロー図である。
【図11】排紙トレイ管理部のID情報から自動でユーザ排紙トレイを検索する動作の説明に供するフロー図である。
【図12】排紙トレイ管理部のID情報から自動でユーザ無し排紙トレイを検索する動作の説明に供するフロー図である。
【図13】排紙トレイ管理部のID情報から1トレイずつ自動でユーザ排紙トレイを検索する動作の説明に供するフロー図である。
【図14】排紙トレイ管理部のID情報から1トレイずつ自動でユーザ無し排紙トレイを検索する動作の説明に供するフロー図である。
【図15】排紙トレイの決定/未決定の判別と排紙処理の動作の説明に供するフロー図である。
【図16】排紙トレイ決定後の排紙ろロックの動作の説明に供するフロー図である。
【図17】手動で排紙トレイのID情報を設定する動作の説明に供するフロー図である。
【図18】PASS照合の動作の説明に供するフロー図である。
【図19】排紙トレイ管理部の排紙トレイID情報一覧の更新動作の説明に供するフロー図である。
【符号の説明】
【0102】
1…複合機
2…複写(コピーとスキャナ)装置部
3…画像形成(プリンタ)装置部
4…ファックス装置部
5…複合機制御部
6…ADF装置部
7…給紙装置部
8…搬送装置部
9…排紙装置部
11…排紙トレイ装着口
12…排紙トレイ装着ロック
91…排紙トレイ
92…排紙トレイ管理部
93…排紙トレイロック制御部
94…RFIDリードライタ
98…RFID
97…取出ロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID情報を格納したID格納手段が設けられ、排紙取出ロックが可能な複数の排紙トレイを排紙トレイ装着口に着脱自在に装着可能であって、
排紙動作時に前記排紙トレイの前記ID格納手段に格納されたID情報に基づいて所定の排紙トレイに排紙を行わせる手段を備えている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、前記ID格納手段に格納されるID情報には、ユーザID、ユーザパス、ユーザ設定のON/OFF、排紙可能最大用紙サイズ、排紙可能用紙向き、排紙取出ロックのON/OFF、排紙トレイ装着ロックのON/OFF、排紙ジョブ選択のON/OFFの少なくともいずれかを含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記ID格納手段は非接触型記憶素子又は接触型記憶素子であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
ID情報を格納したID格納手段が設けられ、排紙取出ロックが可能な複数の排紙トレイを排紙トレイ装着口に着脱自在に装着可能な画像形成装置の排紙動作時に前記排紙トレイの前記ID格納手段に格納されたID情報に基づいて所定の排紙トレイに排紙を行わせる処理をコンピュータに行わせることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−184240(P2009−184240A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27005(P2008−27005)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】