画像形成装置及び画像形成システム
【課題】 画像出力に対して課金がなされるシステムにおいて、利用者が必要な所定量分の画像のみを、画像形成装置に出力させることが可能な技術を提供すること。
【解決手段】 機能サーバと複合機とからなるシステムにおいて、複合機から機能サーバに対しサービス起動指令が入力されると、機能サーバは、ページ単位毎の印刷データを、順次、複合機に送信する。複合機は、この印刷データを受信すると、受信順に、受信番号を割り当て、各印刷データを記憶する。また、印刷データと共に機能サーバから受信した課金予定情報を記憶し、この記憶内容に基づき、印刷データを仮に全て印刷出力した場合に課金処理される金額(合計金額)を表示する。そして、上下カーソルキーの操作なしで印刷指示が利用者側から入力されると、その印刷指示の入力時点で、表示していた金額分の印刷出力を実行すると共に、印刷出力時に、機能サーバに対して課金指示する。
【解決手段】 機能サーバと複合機とからなるシステムにおいて、複合機から機能サーバに対しサービス起動指令が入力されると、機能サーバは、ページ単位毎の印刷データを、順次、複合機に送信する。複合機は、この印刷データを受信すると、受信順に、受信番号を割り当て、各印刷データを記憶する。また、印刷データと共に機能サーバから受信した課金予定情報を記憶し、この記憶内容に基づき、印刷データを仮に全て印刷出力した場合に課金処理される金額(合計金額)を表示する。そして、上下カーソルキーの操作なしで印刷指示が利用者側から入力されると、その印刷指示の入力時点で、表示していた金額分の印刷出力を実行すると共に、印刷出力時に、機能サーバに対して課金指示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを、画像形成装置に送信すると共に、画像形成装置が上記画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行うサーバ装置と、このサーバ装置と通信可能な画像形成装置と、からなる画像形成システム、及び、この画像形成システムに用いられる画像形成装置、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置としては、ネットワークを介して受信した画像データに基づく画像を、シート状記録媒体(用紙等)に形成して印刷出力するプリンタ装置やディジタル複合機等が知られている。また、画像形成システムとしては、画像形成装置による出力コストを見積もって、その見積値を出力可能コスト値と比較し、出力を許可するか否かを判定し、画像形成装置の出力制御を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この画像形成システムでは、出力可能コスト値として、例えば、プリペイドカードの残り値を設定し、見積値がプリペイドカードの残り値未満である場合には、画像出力を許可すると共に、出力コストに応じてプリペイドカードの残り値を減算するといった課金処理を実行し、見積値がプリペイドカードの残り値を越える場合には、画像出力を禁止して、プリペイドカードの残り値を越える画像出力が画像形成装置で行われないようにする。
【0004】
尚、本明細書でいう課金処理とは、提供したサービスの対価の支払いを、利用者に課すのに必要な情報処理のことであり、対価の支払いとしては、電子マネーやクレジットカードを用いた決済処理によるものの他、プリペイドカードのポイント減算によるもの等、現金と等価な支払いを含むものとする。
【特許文献1】特開2001−195224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成システムでは、外部(サーバ装置)から受信した画像データに基づく画像を、画像形成装置が全て出力することを基本として、予め設定された基準値(例えば、プリペイドカードの初期値)を越えるコストの画像出力を、制御する程度であるため、画像出力の度に、利用者が必要とする所定量分(所定金額分)の画像データのみを画像形成装置が出力するように、画像形成装置を制御することはできなかった。
【0006】
つまり、上記画像形成システムが、情報提供サービスの事業者から提供されるデータ(ニュースデータ等)に基づく画像を印刷出力するシステムである場合には上記事業者から、利用者にとって不要なデータ(利用者にとって興味のないニュースデータ等)が提供されることがあるが、利用者は、印刷出力の途中で、それ以上の出力が必要ないと判断しても、印刷出力を停止し、不要な課金が行われないようにすることができなかった。また、利用者は、提供される情報の内容(提供される情報がニュースである場合には、その日に起きている事件や現象)により、課金を許可する金額を設定し、各情報を、その重要度に応じた量、得ることができなかった。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、出力量に応じて課金処理がなされる画像形成システムにおいて、画像出力の度に、利用者が必要な所定量分の画像のみを、画像形成装置に出力させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、画像データを画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、画像形成装置が上記画像データ送信手段により送信された画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行う課金処理手段と、を備えるサーバ装置、と通信可能な画像形成装置に、画像データ受信手段と、画像出力手段と、金額情報表示手段と、操作手段と、出力制御手段と、を設けたことを特徴とする。
【0009】
画像データ受信手段は、上記サーバ装置から送信される画像データを受信し、画像出力手段は、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を出力(形成)する。金額情報表示手段は、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、仮に画像出力手段が出力した場合に、サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する。また、出力制御手段は、利用者が操作可能な操作手段から入力される指示に従って、画像出力手段による画像の出力量を制御する。
【0010】
この画像形成装置によれば、利用者は、金額情報表示手段により表示される予定金額情報を見ながら、操作手段を通じ、画像出力手段による画像の出力量を操作することができ、自身にかかる課金金額を調整することができる。従って、本発明によれば、利用者は、必要な所定量(金額)分の画像データのみを、画像形成装置に出力させることができる。
【0011】
尚、画像形成装置としては、例えば、画像データ受信手段がサーバ装置から受信した画像データを全て、画像出力手段にて出力するものが考えられる。また、サーバ装置としては、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を全て出力すると見なして、画像データを送信する度に、課金処理するものが考えられる。そして、この場合の出力制御手段としては、操作手段から入力される指示に従って、サーバ装置による画像データの送信動作を、コントロールするものが考えられる。
【0012】
但し、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を全て出力すると見なして、課金処理する方法では、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を出力していないのにも拘らず、サーバ装置側で課金処理が実行されてしまう可能性がある。従って、上記課金処理手段は、画像形成装置から送信される課金指示信号を受信した時に、その課金指示信号に基づく課金処理を実行する構成にされるとよい。
【0013】
また、これに対応して、画像形成装置には、画像出力を実行する際、その画像出力に対する課金処理をサーバ装置に実行させるための課金指示信号を、サーバ装置に送信する課金指示信号送信手段、を設けるのがよい。
【0014】
このように構成された請求項2記載の画像形成装置と、上記サーバ装置とを用いてシステムを構成すれば、サーバ装置では、画像出力と連動して送信される課金指示信号を受信した場合にのみ、課金処理を実行することができ、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を出力していないのにも拘らず、課金処理を実行してしまうのを防止することができる。従って、利用者は、安心して当該画像形成装置を用い、サーバ装置から提供されるサービスを受けることができる。
【0015】
また、上記画像形成装置は、請求項3記載のように構成されるとよい。請求項3記載の画像形成装置は、上記サーバ装置が、課金処理が正常に完了した時に、画像出力手段による画像出力を許可するための出力許可信号を、課金指示信号送信元の画像形成装置に向けて送信する出力許可信号送信手段、を備えることを前提として、画像出力手段が、上記サーバ装置から出力許可信号を受信するまでは、画像出力を実行しない構成にされたものである。即ち、この画像形成装置における画像出力手段は、画像出力の実行前に、上記課金指示信号を送信し、その応答信号として、上記サーバ装置から出力許可信号を受信するまでは、画像出力を実行せず、出力許可信号を受信すると、その画像出力を実行する。
【0016】
この画像形成装置によれば、サーバ装置から出力許可信号を受信するまでは、画像出力手段が、画像出力を実行しないので、悪意の者が不正に課金を免れて、画像出力を実現してしまうのを防止することができる。
【0017】
また、課金に関し、画像データの種類等に関係なく、一定量の画像出力に対して、一定の料金を課す場合には、画像データ受信手段が受信した画像データの量に従って、予定金額情報を表示するように、金額情報表示手段を構成すればよいが、画像データの種類等に応じて、一単位の画像データ毎に、個別の料金を設定する場合には、画像形成装置を、請求項4記載のように構成するとよい。
【0018】
請求項4記載の画像形成装置は、サーバ装置が、画像データ送信手段にて、送信対象の画像データを、所定単位毎に画像形成装置に送信すると共に、送信対象の画像データに基づく画像を出力した場合に、利用者に課される金額を表す課金予定情報を、画像データの単位毎に、画像形成装置に向けて送信することを前提として、画像データ受信手段が、上記単位毎の画像データと共に、上記単位毎の画像データの課金予定情報をサーバ装置から受信し、金額情報表示手段が、上記画像データ受信手段が上記単位毎の画像データと共に、上記サーバ装置から受信した単位毎の画像データの各課金予定情報が示す金額の合計を、予定金額情報として表示する構成にされたものである。
【0019】
この発明によれば、一単位の画像データ毎に、個別の料金が設定されたシステムのサーバ装置から、画像データを受信し、その画像データに基づく画像を出力する場合においても、上記画像を出力した場合に、利用者に課される金額を、金額情報表示手段にて適切に表示することができる。
【0020】
特に、一単位の画像データ毎に、個別の料金が設定されている場合には、画像出力に際して課される金額を利用者側で把握することは、困難であるから、本発明のように、金額情報表示手段にて、予定金額情報を表示することは、非常に有効である。
【0021】
尚、画像データは、例えば、予め定められたバイト単位や、予め定められた情報の区切り単位、ページ単位等で、送信されるとよい。特に、画像出力手段が、画像データに基づく画像を、印刷出力する構成にされている場合には、サーバ装置の画像データ送信手段から、送信対象の画像データを、ページ単位毎に、画像形成装置に向けて送信すると、便利である(請求項5)。
【0022】
即ち、ページ単位毎に、画像データを送信すると共に、課金予定情報を送信するようにサーバ装置を構成すれば、利用者は、画像形成装置の操作手段を操作することにより、必要なページ数の印刷画像についてのみ、料金を支払って得ることができ、不要な課金を避けることができる。
【0023】
また、上記画像形成装置は、画像データ受信手段が画像データを受信すると、画像出力を自動で開始する構成とすることができるが、このようにすると、利用者が、画像形成装置を操作することができない環境に居る場合に、操作手段を介して、出力量を調整することができない可能性がある。
【0024】
従って、上記の画像形成装置は、請求項6記載のように構成されるとよい。請求項6記載の画像形成装置は、画像データ受信手段が、サーバ装置から受信した画像データを、記憶手段に記憶させる構成にされ、画像出力手段が、上記操作手段から出力開始指示が入力されると、記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を、画像データ受信手段の受信順に、出力する構成にされたものである。
【0025】
この画像形成装置では、利用者の操作により操作手段から出力開始指示が入力されるまで、画像出力手段が画像出力を実行しないので、利用者は、画像データ受信手段がサーバ装置から画像データを受信している時に、画像形成装置を操作できる環境にいなくとも、その後、操作できる時に、出力量を調整して、所望量の画像出力を、画像形成装置に実行させることができる。
【0026】
また、上記画像形成装置において、画像出力手段及び画像データ受信手段は、並列動作可能に構成されるとよい。このように構成された請求項7記載の画像形成装置は、画像データ受信手段による画像データの受信動作を止めずに、画像出力を実行することができるので、画像データをサーバ装置から受信し、画像出力するまでのプロセスを高速に処理することができる。
【0027】
また、画像データの受信途中で出力開始指示が入力された場合には、その時点で、金額情報表示手段が表示していた金額分の画像出力のみを実行するように、画像形成装置を構成するとよい。
【0028】
請求項8記載の画像形成装置は、操作手段から出力開始指示が入力されると、出力制御手段が、出力開始指示の入力時点で金額情報表示手段が表示していた予定金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段に実行させ、予定金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段が実行した時点で、画像出力手段による画像出力を停止する構成にされたものである。
【0029】
この発明によれば、出力開始指示の入力時点で金額情報表示手段が表示していた予定金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段に実行させるので、利用者は、必要分の画像データを画像データ受信手段が受信した時点で、出力開始指示を、操作手段を通じて入力すれば、その後、出力停止指示を入力しなくても、自動的に、上記金額分の出力画像を得ることができる。従って、本発明によれば、利用者は、余計な課金を受けずに済む。
【0030】
また、上記の画像形成装置は、画像出力前に、課金を許可する金額を利用者から受け付ける構成にされてもよい。
請求項9記載の画像形成装置は、操作手段から、課金を許可する金額を表す課金許可金額情報が入力されると、この課金許可金額情報を記憶する課金許可金額情報記憶手段を備え、出力制御手段は、操作手段から出力開始指示が入力されると、画像出力手段に、課金許可金額情報記憶手段が記憶する課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を実行させ、課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段が実行した時点で、画像出力手段による画像出力を停止する。この画像形成装置によれば、利用者は、出力開始指示の入力前に、金額を設定することができるので、出力量を、正確に調整しやすい。
【0031】
その他、金額情報表示手段は、画像出力手段により画像出力されたか否かに拘らず、画像データ受信手段が受信を開始してから現在までに受信した画像データについての予定課金情報を表示する構成にされてもよいし、請求項10記載のように構成されてもよい。
【0032】
請求項10記載の画像形成装置における金額情報表示手段は、上記予定金額情報として、画像データ受信手段が受信した画像データであって画像出力手段により画像出力されていない画像データについて、その画像データに基づく画像を、画像出力手段が出力した場合に、サーバ装置にて課金処理される金額を表す情報を、表示することを特徴とする。
【0033】
この画像形成装置によれば、既に画像出力の対象となった画像データについての金額を除外した上記予定金額情報が表示されるので、利用者は、予定金額情報に基づいて、未処理の画像データについての画像出力を画像出力手段に実行させた場合に、いくら分の課金がかかるのかを容易に把握することができる。
【0034】
その他、出力制御手段は、画像出力手段による画像出力を停止する際、画像出力手段を直接停止して、画像出力を停止する構成にされてもよいし、サーバ装置による画像データの送信動作を停止して、間接的に、画像出力手段による画像出力を停止する構成にされてもよい。但し、画像出力手段を単に停止するだけで、サーバ装置による画像データの送信動作を停止しないと、通信資源の浪費に繋がる可能性があるので、出力制御手段には、請求項11記載のように、操作手段から入力される指示に従って、サーバ装置に対して、画像データの送信停止を指示し、サーバ装置による当該画像形成装置への画像データの送信動作を、停止する送信停止制御手段、を設けるとよい。
【0035】
この画像形成装置によれば、利用者の指示に従って、サーバ装置による画像データの送信動作を停止するので、サーバ装置が利用者にとって必要のない画像データを送信することによって通信資源が浪費されるのを防止することができる。
【0036】
尚、外部から入力された画像データに基づく画像を出力する本発明の画像形成装置(請求項1〜請求項11)と、画像データを画像形成装置に送信する上記サーバ装置と、からなる画像形成システムを構築すれば、画像形成システムを、利用者が必要な所定量分の画像データのみを、画像形成装置に出力させることが可能なシステムとして構成することができる。
【0037】
請求項12記載の画像システムは、サーバ装置が、上記画像データ送信手段及び課金処理手段を備え、画像形成装置が、上記サーバ装置から送信される画像データを、受信する画像データ受信手段と、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、出力する画像出力手段と、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を画像出力手段が出力した場合に、サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する金額情報表示手段と、利用者が操作可能な操作手段と、操作手段から入力される指示に従って、画像出力手段による画像の出力量を制御する出力制御手段と、を備えることを特徴とする。この発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された通信システム1の構成を表すブロック図である。
本実施例の通信システム1は、各種データを提供する機能サーバ10と、複数のディジタル複合機(以下、単に「複合機」とする)30と、からなり、これらが、ネットワークNT(例えばインターネット)を介して双方向通信可能に接続された構成にされている。
【0039】
複合機30は、電話(音声通信)機能、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能等を有し、例えば、機能サーバ10から送信される印刷データを受信して、この印刷データに基づく画像を、シート状記録媒体(用紙等)に形成する(詳細後述)。
【0040】
一方、機能サーバ10は、複合機30からの要求に応じて、後述するサービス提供処理(図5参照)を実行し、要求元の複合機30に対してサービスを提供する。具体的には、例えば、図示しない特定データベースから、ニュースデータ等を取得して、これを、ページ単位の提供ファイルとして、提供ファイル記憶部13eに蓄積し、複合機30からの要求があると、この提供ファイルを、印刷データに変換して、要求元の複合機30に送信する。
【0041】
この機能サーバ10は、制御部11、通信部12及び記憶部13を備え、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる上記制御部11にて、機能サーバ10を構成する各部を統括制御する。また、通信部12は、ネットワークNTを介してデータを送受信するための電気的な処理を行うものであり、記憶部13は、ハードディスク等を有し、このハードディスクに、各種データを記憶する構成にされている。
【0042】
尚、この記憶部13には、後述する送信管理情報更新処理、サービス提供処理、課金情報更新処理等を制御部11のCPUに実行させるためのプログラム、を記憶するサービスプログラム記憶部13aと、予め登録された利用者の識別情報である利用者ID毎に、課金情報を記憶する課金情報記憶部13bと、サービスプログラムが提供する一単位のサービスの識別情報であるセッションID毎に、セッション管理情報を記憶するセッション管理情報記憶部13cと、利用者ID毎に、送信管理情報を記憶する送信管理情報記憶部13dと、上記提供ファイルを記憶する提供ファイル記憶部13eと、が設けられている。
【0043】
図2は、課金情報記憶部13bの構成を表す説明図である。課金情報記憶部13bは、利用者IDと、決済方法を表す情報と、決済に必要な情報を含む決済付属情報と、未決済金額情報と、ロック情報と、有効性情報とからなる課金情報を、利用者ID毎に有する。
【0044】
この課金情報は、利用者の登録時に制御部11が実行する登録処理(図示せず)によって生成される。具体的に、決済方法を表す情報は、クレジットカードによる決済、プリペイドカードによる決済、デビッドカード(電子マネー)による決済等、決済の方法を表すコード情報からなる。また、決済付属情報は、クレジットカード番号及び有効期限等のクレジットカード決済に必要な情報、あるいは、プリペイドカード番号及び残りポイント数等のプリペイドカード決済に必要な情報、あるいは、デビットカード番号及び暗証番号等のデビットカード決済に必要な情報、等からなる。
【0045】
また、未決済金額情報は、未決済金額を示すものであり、利用者の登録時に、金額ゼロに設定され、後述する課金情報更新処理によって更新される。また、ロック情報は、課金情報の編集の際に排他制御を行うためのものであり、値TRUE又はFALSEをとる。
具体的に、ロック情報が値TRUEである場合には、ロック情報を更新したタスク以外のタスクによる課金情報の編集が禁止される。
【0046】
その他、有効性情報は、値TRUE又はFALSEをとるものであり、値TRUEである場合には、決済付属情報に基づく決済が可能であることを示し、値FALSEである場合には、決済付属情報に基づく決済が不可能であることを示す。この情報は、事業者による事務的な処理によって更新され、例えば、前回の決済時に、カードが無効になっているといった理由や、残高が足りないといった理由で、決済ができなかった場合に、値FALSEに設定される。
【0047】
次に、セッション管理情報記憶部13cの構成について説明する。図3(a)は、セッション管理情報記憶部13cの構成を表す説明図である。図3(a)に示すように、セッション管理情報記憶部13cは、セッションIDと、利用者IDと、送信管理情報アドレスと、提供サービス情報と、からなるセッション管理情報を、セッションID毎に有する。
【0048】
このセッション管理情報は、利用者の登録時に制御部11が実行する登録処理(図示せず)によって課金情報と共に生成される。具体的に、セッションIDは、生成時、空情報に設定され、その後、利用者がサービスの提供を受ける度に、サービス提供処理によって更新される。また、送信管理情報アドレスは、当該利用者IDの送信管理情報を読み出すための情報であり、記憶部13における上記送信管理情報の記憶先を表すものである。その他、提供サービス情報は、利用登録時に、利用者が指定したサービスの種類を表す情報である。当該機能サーバ10は、この提供サービス情報に基づいて、利用者が指定したサービスを提供するために必要な処理(送信管理情報の更新等)を行う。
【0049】
また、図3(b)は、送信管理情報記憶部13dが記憶する送信管理情報の構成を表す説明図である。送信管理情報は、当該送信管理情報に対応する利用者IDにてアクセスしてきた複合機30に提供すべき送信対象の提供ファイルが、送信単位毎にリストアップされたものであり、複数の送信単位情報から構成される。各送信単位情報は、シリアル番号と、当該送信単位情報に関連付けられた提供ファイルの名称と、その提供ファイルの生成日時等を表す付属情報と、その提供ファイルに基づく画像を、仮に複合機30が出力(形成)した場合に、その利用者に課される金額を表す課金予定情報と、を有する。尚、シリアル番号は、提供ファイルの生成日時の古い順に、値「1」から送信単位情報に割り当てられる。
【0050】
図4は、機能サーバ10の制御部11が実行する送信管理情報更新処理を表すフローチャートである。送信管理情報は、この送信管理情報更新処理を、制御部11が実行することにより更新される。
【0051】
送信管理情報更新処理を実行すると、制御部11は、まずS110にて、処理対象の利用者IDを選択する。具体的には、課金情報記憶部13b及びセッション管理情報記憶部13cに登録された利用者IDであって、S140以降の処理対象となっていない未処理の利用者IDの一つを、処理対象に選択する。そして、処理対象の利用者IDが存在しない(即ち、全ての利用者IDを処理対象に選択してS140以降の処理を実行した)場合には、S120でNoと判断し、当該送信管理情報更新処理を終了する。
【0052】
一方、処理対象の利用者IDが存在する場合には、S130に移行し、当該利用者IDによる機能サーバ10へのアクセスが行われて、その利用者IDについてのサービス提供処理が実行中であるか否かを判断する。そして、実行中であると判断すると(S130でYes)、この利用者IDについてのS140以降の処理を後回しすることにして、S110に移行し、他の利用者IDであって、未処理の利用者IDを処理対象に選択する。
【0053】
そして、処理対象の利用者IDについてのサービス提供処理が実行中ではないと判断すると(S130でNo)、S140に移行し、処理対象の利用者IDに対応する送信管理情報を、セッション管理情報記憶部13cの記憶内容に基づき、送信管理情報記憶部13dから読み出して、作業領域(RAM)に一時記憶する。また、読み出した送信管理情報における送信単位情報の登録内容に基づき、読み出した送信管理情報に未登録の新しい提供ファイルを、提供ファイル記憶部13e内で検索し(S150)、上記未登録の提供ファイルが、提供ファイル記憶部13eに記憶されているか否かを判断する(S160)。
【0054】
尚、制御部11は、別のプロセスにて、特定データベースから、提供対象のニュースデータ等を取得し、これを、ページ単位の提供ファイルに変換して、提供ファイル記憶部13eに保存する処理を、継続的に実行しているものとする。
【0055】
そして、上記未登録の提供ファイルが、提供ファイル記憶部13eに記憶されていないと判断すると(S160でNo)、制御部11は、S110に移行して、他の未処理の利用者IDを処理対象に選択し、S120以降の処理を実行する。
【0056】
一方、上記未登録の提供ファイルが、提供ファイル記憶部13eに記憶されていると判断すると(S160でYes)、制御部11は、S170に移行して、上記読み出した送信管理情報における送信単位情報の登録数と、S150における検索の結果、発見された未登録の提供ファイルの個数との合計SUMが、予め定められた上限値MAXを超えるか否かを判断する。そして、上限値MAXを超えると判断すると(S170でYes)、上記読み出した作業領域の送信管理情報から、上限値MAXを超える分(即ち、合計SUMから上限値MAXを引いた値分)の送信単位情報を、削除する(S180)。尚、この際には、シリアル番号の小さい送信単位情報から順に、上限値MAXを超える個数分、削除する。
【0057】
S180での処理を終えると、制御部11は、S190に移行し、上記削除後の送信管理情報を構成する各送信単位情報に割り当てられたシリアル番号を、削除した個数分、下方向(小さい方)に、シフトする。即ち、各送信単位情報のシリアル番号から、値(SUM−MAX)を減算して、各送信単位情報のシリアル番号を更新する。
【0058】
その後、制御部11は、S150の処理により検索された上記未登録の提供ファイルであって、S220の処理対象となっていない提供ファイルのうち、ファイル生成日時の最も古いものを、処理対象に選択する(S200)。ここで、処理対象が存在しない場合(即ち、未処理の提供ファイルが存在しない場合)、制御部11は、S210でNoと判断してS230に移行し、作業領域(RAM)にて編集した上記送信管理情報を、送信管理情報記憶部13dに書き込んで、送信管理情報記憶部13dの該当送信管理情報を更新する。その後、S110に移行し、全ての利用者IDについて、上述のS140以降の処理を実行すると、当該送信管理情報更新処理を終了する。
【0059】
一方、未処理の提供ファイルが存在する場合、制御部11は、S210でYesと判断してS220に移行し、上記作業領域(RAM)の送信管理情報にて未使用のシリアル番号のうち、最小のシリアル番号を付した上記処理対象の提供ファイルのついての送信単位情報を生成して、これを、上記作業領域(RAM)の送信管理情報に登録する。
【0060】
この際、制御部11は、上記最小のシリアル番号と、上記処理対象の提供ファイルの名称と、その提供ファイルの生成日時等を表す付属情報と、課金予定情報と、からなる送信単位情報を生成する。S220での処理を終えると、制御部11は、S200に移行する。そして、再びS220の処理を実行する際には、前回のS220にて生成した送信単位情報に付したシリアル番号に1加算した値を、新たなシリアル番号として、処理対象の提供ファイルについての送信単位情報を生成し、これを作業領域に記憶された送信管理情報に登録する。また、S210でNoと判断すると、制御部11は、作業領域に記憶された送信管理情報を、送信管理情報記憶部13dに書き込んで、送信管理情報記憶部13dの該当送信管理情報を更新する(S230)。
【0061】
次に、制御部11が実行するサービス提供処理について説明する。図5は、機能サーバ10の制御部11が実行するサービス提供処理を表すフローチャートである。制御部11は、複合機30から送信されたサービス起動指令を、ネットワークNT及び通信部12を介して受信すると、当該サービス提供処理を開始する。
【0062】
サービス提供処理を実行すると、制御部11は、まずS310にて、サービス起動指令と共に、通信部12が複合機30から受信した利用者IDを取得し、この利用者IDが記憶部13に登録されているものであるか否かを判断する(S320)。具体的には、この利用者IDについての課金情報及びセッション管理情報が、記憶部13に記憶されているか否かを判断することにより、S310で取得した利用者IDが記憶部13に登録されているものであるか否かを判断する。
【0063】
そして、上記取得した利用者IDが記憶部13に登録されていないものであると判断すると(S320でNo)、制御部11は、S330に移行して、複合機30に対し、エラーを通知する。その後、当該サービス提供処理を終了する。一方、制御部11は、上記取得した利用者IDが記憶部13に登録されているものであると判断すると(S320でYes)、S340に移行し、セッションIDを生成して、これを、セッション管理情報記憶部13cが記憶する上記取得した利用者IDについてのセッション管理情報に登録すると共に、上記生成・登録したセッションIDを、サービス起動指令送信元の複合機30に送信して、以後の処理で、通信相手を、セッションIDにて識別できるようにする。
【0064】
S340での処理を終えると、制御部11は、複合機30にデータ送信が終了したことを示すための最終フラグをOFFに設定した後(S350)、S310で取得した利用者IDに対応する送信管理情報を、送信管理情報記憶部13dから読み出す(S360)。その後、制御部11は、上記読み出した送信管理情報を構成する送信単位情報のうち、最大のシリアル番号が付された送信単位情報を、S390以降の処理対象に選択する(S370)。
【0065】
そして、送信管理情報に一つの送信単位情報も登録されていない場合には、S380でNoと判断して、S430に移行する。一方、送信管理情報に一つ以上の送信単位情報が登録されている場合には、S380でYesと判断して、S390に移行する。
【0066】
S390では、処理対象に選択された送信単位情報にてファイル名称で示される提供ファイルを、提供ファイル記憶部13eから読み出し、この提供ファイルを、複合機30が印刷出力可能な1ページ分の印刷データに変換する。そして、S390での処理を終えると、当該提供ファイルに関連付けられた送信単位情報が、上記読み出した送信管理情報において最小のシリアル番号を有する送信単位情報であるか否かを判断することにより、上記提供ファイルに基づく印刷データが、最終の送信データであるか否かを判断する(S400)。
【0067】
そして、最終の送信データであると判断すると(S400でYes)、最終フラグをONに設定して(S410)、この最終フラグの値(フラグONを示す値)と、S390で生成した印刷データと、処理対象の送信単位情報に示された付属情報及び課金予定情報と、をまとめて、サービス起動指令送信元の複合機30に、ネットワークNTを介して送信する(S420)。
【0068】
一方、S400で、最終の送信データではないと判断すると(No)、制御部11は、S410の処理を実行することなく、S420に移行して、最終フラグの値(フラグOFFを示す値)と、S390で生成した印刷データと、処理対象の送信単位情報に示された付属情報と、課金予定情報と、をまとめて、サービス起動指令送信元の複合機30に、ネットワークNTを介して送信する。
【0069】
S420での処理を終えると、制御部11は、S430に移行し、サービス起動指令送信元の複合機30から課金指示信号を受信したか否か判断し、受信したと判断すると(S430でYes)、課金情報更新処理(図6参照)を実行し(S440)した後S450に移行し、課金指示信号を受信していないと判断すると(S430でNo)、S440の処理を実行せずに、S450に移行する。
【0070】
また、S450では、サービス起動指令送信元の複合機30から受信完了通知を受信したか否かを判断する。そして、受信完了通知を受信していないと判断すると(S450でNo)、制御部11は、S460に移行し、送信管理情報に、S390の処理について未処理の送信単位情報が存在するか否かを判断する。
【0071】
ここで、未処理の送信単位情報が存在しないと判断すると(S460でNo)、制御部11は、S430に移行し、未処理の送信単位情報が存在すると判断すると、前回、S390の処理対象に選択した送信単位情報より、シリアル番号が一つ小さい送信単位情報を、処理対象に選択して(S470)、S390に移行し、処理対象の送信単位情報に関連付けられた提供ファイルを、サービス起動指令送信元の複合機30が印刷出力可能な1ページ分の印刷データに変換する。
【0072】
また、制御部11は、S450にて、サービス起動指令送信元の複合機30から受信完了通知を受信したと判断すると、当該サービス提供処理を終了する。
続いて、S440で実行される課金情報更新処理について説明する。図6は、制御部11が実行する課金情報更新処理を表すフローチャートである。
【0073】
課金情報更新処理を実行すると、制御部11は、まずS510にて、複合機30から受信した課金指示信号から、その課金指示信号に含まれる課金対象金額を表す情報を取得する。その後、制御部11は、S310にて取得した利用者IDに対応する課金情報を構成するロック情報が、値FALSEを示しているか否か判断し(S520)、値FALSEを示していない(即ち、値TRUEである)と判断すると、ロック情報が値FALSEとなるまで待機する。
【0074】
そして、ロック情報が値FALSEを示していると判断すると(S520でYes)、制御部11は、S530に移行して、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDについてのロック情報を、値FALSEから値TRUEに変更する。S530での処理を終えると、制御部11は、S540に移行して、上記利用者IDについての課金情報に基づき、決済が可能であるか否かを判断する。
【0075】
具体的に、ここでは、上記課金情報を構成する有効性情報が値TRUEを示しているか否か判断し、値FALSEであれば、S540でNoと判断する。
また、S540では、決済方法がクレジットカードである場合、決済付属情報に基づいて有効期限が経過しているか否か判断し、有効期限が経過している場合には、S540でNoと判断する。その他、決済方法が、プリペイドカードである場合には、決済付属情報が示す残りポイント数の情報に基づいて、課金対象金額分以上の残りポイントがプリペイドカードに存在しない場合には、S540でNoと判断する。
【0076】
このようにして、S540で、決済が可能であると判断すると、制御部11は、S550に移行して、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDの課金情報から、未決済金額情報を読み出し、その後、上記読み出した未決済金額情報が示す値に、S510で取得した課金対象金額を表す情報が示す値(課金対象金額)を加算し、この加算結果を、未決済金額情報として、課金情報記憶部13bに書き込むことにより、上記利用者IDの未決済金額情報を更新する(S560)。
【0077】
S560での処理を終えると、制御部11は、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDに対応するロック情報を、値FALSEに変更した後(S570)、課金指示信号に示された課金対象金額分の印刷を複合機30に許可するための印刷許可情報を、送信対象データに設定して(S580)、S610に移行する。
【0078】
一方、S540で決済が不可能であると判断すると、制御部11は、S590に移行して、エラー情報を、送信対象データに設定した後、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDに対応するロック情報を、値FALSEに変更し(S600)、その後、S610に移行する。
【0079】
S610に移行すると、制御部11は、S580又はS600で設定した送信対象データを格納した課金指示信号に対する応答信号を、サービス起動指令送信元の複合機30に送信する。その後、当該課金情報更新処理を終了する。
【0080】
以上、機能サーバ10の構成及び動作について説明したが、次に、複合機30の構成及び動作を、図1及び、図7以降の図面を用いて、説明する。
図1に示すように、本実施例の複合機30は、制御部31、操作部32、読取部33、記録部34、通信部35、記憶部36、音入力部37、音出力部38、及び、表示部39を備える。制御部31は、図示しない周知のCPU、ROM、RAM等を備え、複合機30を構成する各部を統括制御する。尚、ROMには、後述する各種処理をCPUに実行させるためのプログラム(例えば、図7に示すデータ受信処理を実行させるためのプログラム等)が記憶され、RAMには、図9に示す受信管理情報や、選択情報が記憶される。
【0081】
操作部32は、上下左右のカーソルキーを含む利用者が操作可能な複数のキーを備え(図示せず)、これらのキーを介して、利用者の操作情報を取得し、この操作情報(指示情報等)を制御部31に入力する。また、読取部(スキャナ)33は、原稿に記録(例えば印刷)された画像を読み取り、この画像を表す画像データを生成するためのものである。その他、記録部(プリンタ)34は、印刷データに基づく画像を、シート状記録媒体に形成(印刷)する構成にされ、通信部35は、ネットワークNTを介して、機能サーバ10等とデータを送受信するための電気的な処理を行う。
【0082】
また、記憶部36は、不揮発性RAM等からなり、この不揮発性RAMに各種設定情報等を記憶する構成にされている。その他、音入力部37は、複合機30が備える図示しないハンドセットに設けられたマイクから集音し、その音を表す音データ(PCMデータ)を生成し、音出力部38は、音データ(PCMデータ)に基づく音声を、ハンドセットに設けられたスピーカ、又は、複合機30本体に設けられた図示しないスピーカから出力する構成にされている。また、表示部39は、液晶ディスプレイ等からなり、このディスプレイを介して、利用者に対する情報の表示を行う構成にされている。
【0083】
図7は、制御部31が実行するデータ受信処理を表すフローチャートである。
複合機30の制御部31は、利用者の操作により、操作部32からサービスの起動を指示する情報が入力されるか、内蔵のタイマーにより、サービスの起動を指示する情報が入力されると、当該データ受信処理を実行し、まずS710にて、ネットワークNTを介し、機能サーバ10に対してサービス起動指令を送信すると共に、上記サービスの起動を指示する情報と共に操作部32から入力された利用者ID、又は、予め複合機30に登録された利用者IDを、機能サーバ10に向けて送信する。
【0084】
その後、制御部31は、S720に移行し、機能サーバ10からの応答信号を受信する。尚、ここでいう応答信号とは、S330で、機能サーバ10から送信されるエラー通知を表す信号、又は、S340で、機能サーバ10から送信されるセッションIDを表す信号のことである。
【0085】
応答信号を受信すると、制御部31は、機能サーバ10側で、エラーが発生しているか否か判断し(S730)、応答信号がエラー通知を表す信号である場合には、エラーが発生していると判断して(S730でYes)、表示部39にエラーメッセージを表示させた後(S740)、S880に移行する。
【0086】
一方、応答信号がエラー通知を表す信号ではない場合には、S730でNoと判断して、表示部39に、サービス提供にかかる案内画面(初期画面)を表示させる(S750)。尚、図8は、表示部39に表示される案内画面の構成を表す説明図である。
【0087】
図8に示すように、案内画面は、複合機30の通信ステータスを表すステータス表示欄と、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額を表す合計金額表示欄と、機能サーバ10から受信した印刷データのうち、提供ファイルの生成日時が最も新しい印刷データについての上記提供ファイルの生成日時を表す生成日時表示欄と、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データであって、利用者等により選択された範囲の印刷データを印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額を表す選択金額表示欄と、からなる。
【0088】
S750の実行時には、合計金額表示欄に表示する情報、生成日時表示欄に表示する情報、選択画面表示欄に表示する情報が収集できていないので、初期画面において、上記各表示欄は、空情報にされる。
【0089】
S750での処理を終えると、制御部31は、図11に示す出力操作処理を実行する出力操作処理タスクを起動すると共に(S760)、受信番号を表すパラメータの値を「1」に設定して(S770)、S780に移行する。尚、受信番号は、機能サーバ10から受信した印刷データ等を管理するための番号であり、後述する受信管理情報(図9(a)参照)の編集の際などに用いられる。
【0090】
S780に処理を移行すると、制御部31は、S420で機能サーバ10から送信される一単位分の送信データを受信し、その後S790に移行する。尚、上述したように送信データは、1ページ分の印刷データ、及び、その付属情報、及び、その印刷データに基づく画像を印刷出力した際に課される金額を表す課金予定情報、及び、最終フラグ、からなる。また、S780では、所定期間、機能サーバ10から上記送信データを受信することができなかった場合、受信を完了することなくS790に移行する。
【0091】
S790に処理を移行すると、制御部31は、上記送信データの受信過程で、エラーが生じたか否かを判断する。具体的に、機能サーバ10から上記送信データを受信することができなかった場合、エラーが生じていると判断し、機能サーバ10から正常に上記送信データを受信することができている場合には、エラーが生じていないと判断する。
【0092】
そして、エラーが生じていると判断すると、S800に移行し、表示部39にエラーメッセージを表示させる。その後、S880に移行する。また、エラーが生じていないと判断すると、S810に移行して、印刷データを、制御部31のRAMに保存すると共に、制御部31のRAMが記憶する受信管理情報に、当該印刷データについての受信単位情報を、登録する。
【0093】
尚、図9(a)は、複合機30が記憶する受信管理情報の構成を表す説明図である。受信管理情報は、受信番号と、受信した印刷データの名称を表す情報と、その印刷データと共に受信した付属情報と、課金予定情報と、からなる。
【0094】
即ち、S810において、制御部31は、S770で設定された受信番号を表すパラメータの値(初回)又は後述するS850で更新された上記パラメータの値(二回目以降)と、受信した印刷データの名称を表す情報と、その印刷データと共に受信した付属情報と、課金予定情報と、を用いて上記受信単位情報を生成し、これを制御部31が備えるRAMに登録して、受信管理情報を更新する。尚、受信管理情報は、初回の受信単位情報の登録時に生成される。
【0095】
また、S810の処理を終えると、制御部31は、S820に移行して、合計金額算出処理を実行し、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額(合計金額)を、算出する。
【0096】
図10は、制御部31が実行する合計金額算出処理を表すフローチャートである。合計金額算出処理を実行すると、制御部31は、まずS1010にて、合計金額を表すパラメータの値をゼロに初期化し、その後、S1020にて、受信管理情報を構成する受信単位情報の中で、最小の受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。そして、検索が完了すると、S1030でYesと判断し、S1040に移行して、検索された受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、合計金額を表すパラメータの値に加算する。
【0097】
S1040での処理を終えると、制御部31は、S1050に移行し、直前に検索した受信単位情報の受信番号(S1020での処理実行後、初回のS1050では、S1020で検索した受信単位情報の受信番号であり、二回目以降のS1050では、前回のS1050で検索した受信単位情報の受信番号)の次に大きい受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。
【0098】
そして、直前に検索した受信単位情報の受信番号の次に大きい受信番号が付された受信単位情報が、受信管理情報の中に存在すると、S1030でYesと判断して、その受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、合計金額を表すパラメータの値に加算する(S1040)。一方、直前に検索した受信番号の次に大きい受信番号が付された受信単位情報が、受信管理情報の中に存在しない場合には、S1030でNoと判断して、当該合計金額算出処理を終了する。
【0099】
以上の処理により、合計金額算出処理では、受信管理情報を構成する各受信単位情報の課金予定情報が示す金額の合計が、算出される。尚、詳しくは後述するが、受信管理情報には、印刷出力されていない印刷データについての受信単位情報しか登録されていないため、本実施例では、受信管理情報を構成する各受信単位情報の課金予定情報が示す金額の合計を、算出することで、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額(合計金額)を、算出する。
【0100】
この合計金額算出処理を終了すると、制御部31は、S830に移行して、合計金額表示欄を更新し、表示部39に、上記算出した合計金額(合計金額を表すパラメータの値)を、表示させる。また、この際、制御部31は、生成日時表示欄も更新して、機能サーバ10から受信した印刷データのうち、提供ファイルの生成日時が最も新しい印刷データについての上記提供ファイルの生成日時を、表示部39に表示させる。
【0101】
S830での処理を終えると、制御部31は、S760にて起動した出力操作処理タスクに、上記算出した合計金額を通知し(S840)、その後、受信番号を表すパラメータの値を1加算する(S850)。
【0102】
また、S850での処理を終えると、制御部31は、S860に移行し、出力操作処理タスクから、タスク終了指示が入力されているか否か判断し、入力されていると判断すると(S860でYes)、S880に移行し、入力されていないと判断すると(S860でNo)、S870に移行して、S810で印刷データと共に受信した最終フラグの値が、フラグONを示す値であるか否かを判断する。
【0103】
そして、最終フラグの値が、フラグONを示す値でないと判断すると(S870でNo)、S780に移行して、引き続き機能サーバ10から送信されてくる次のデータ(印刷データ、付属情報、課金予定情報、最終フラグ)を受信し、そのデータに基づいて、受信管理情報に、更新後の受信番号を付した新たな受信単位情報を登録すると共に(S810)、合計金額を算出して(S820)、合計金額表示欄を更新する(S830)。また、S840の処理後、受信番号を表すパラメータの値を1加算して更新する(S850)。
【0104】
制御部31は、このような処理(S780からS850までの処理)を、エラー若しくは出力操作処理タスクからのタスク終了指示が生じない限り、最終フラグがONになるまで、繰返し実行する。そして、最終フラグの値が、フラグONを示す値であると判断すると(S870でYes)、S860に移行して、出力操作処理タスクからタスク終了指示が入力されるまで待機する。そして、タスク終了指示が入力されると(S860でYes)、S880に移行し、機能サーバ10に向けて、受信完了通知を送信する。
【0105】
尚、最終フラグがONではないのに、出力操作処理タスクからタスク終了指示が入力されて、受信完了通知が送信された場合、この受信完了通知は、機能サーバ10に対して印刷データの送信動作の停止を指示する指令信号として機能する。即ち、機能サーバ10は、この受信完了通知を受信すると、上述したように、S450でYesと判断して、サービス提供処理を終了し、印刷データ等の送信によるサービスの提供を終了する。
【0106】
S880での処理を終えると、制御部31は、出力操作処理タスクにタスク終了指示を入力し(S890)、その後、制御部31のRAMが記憶する受信管理情報及び印刷データを消去して(S900)、当該データ受信処理を終了する。
【0107】
次に、制御部31が実行する出力操作処理について説明する。図11は、制御部31が実行する出力操作処理を表すフローチャートである。
出力操作処理を実行すると、制御部31は、まずS1110にて、選択情報を記憶するための選択情報記憶領域を、制御部31が備えるRAMに確保すると共に、選択先端番号を表すパラメータの値を「1」に設定すると共に、選択終端番号を表すパラメータの値を「1」に設定する。尚、図9(b)は、選択情報の構成を表す説明図である。選択情報は、選択先端番号を表すパラメータの値と、選択終端番号を表すパラメータの値と、選択金額表示欄に表示される選択金額を表すパラメータの値と、からなる。
【0108】
S1110の処理を終えると、制御部31は、S1120に移行し、連動フラグをONにする。尚、連動フラグは、印刷出力対象とする範囲を、最後に受信した印刷データまでの範囲に自動的に設定するか否かを表すフラグである。連動フラグがONである場合には、印刷出力対象とする範囲が、当該複合機30が最後に受信した印刷データまでの範囲に自動的に設定される。
【0109】
S1120での処理を終えると、制御部31は、S1130に移行し、S840での処理により、上記データ受信処理タスクから、合計金額が通知されたか否か判断し、合計金額が通知されたと判断すると(S1130でYes)、連動フラグがONであるか否かを判断し(S1131)、連動フラグがONではない場合には、S1130に移行する。一方、連動フラグがONであると判断すると(S1131でYes)、選択終端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値に設定する(S1133)。
【0110】
S1133での処理を終えると、制御部31は、選択金額を表すパラメータの値を、合計金額算出処理により算出された最新の合計金額に設定した後(S1135)、S1137に移行して、選択金額表示欄を更新し、表示部39に、S1135で設定した選択金額を表すパラメータの値を、表示させる。その後S1130に移行する。
【0111】
また、データ受信処理タスクから、合計金額が通知されていないと判断すると、制御部31は、S1140に移行し、操作部32を通じて、利用者から印刷指示が入力されたか否かを判断する。そして、印刷指示が入力されたと判断すると、S1141に移行して、連動フラグをOFFに設定した後、図13に示す印刷処理を実行する印刷処理タスクを起動し(S1143)、その後、S1130に移行する。尚、この印刷処理タスクが動作している期間は、操作部32から入力される一部の操作を無効にすべく、S1140及びS1160並びにS1170ではNoと判断する。
【0112】
また、S1140で、印刷指示が入力されていないと判断すると、制御部31は、S1150に移行して、利用者から操作部32を通じて受信停止指示が入力されているか否かを判断し、受信停止指示が入力されていると判断すると、S1151に移行して、データ受信処理タスクにタスク終了指示を入力する。この入力を受けて、データ受信処理タスクは、S860でYesと判断する。
【0113】
また、S1151での処理を終えると、制御部31は、S1130に移行する。その他、S1150にて、受信停止指示が入力されていないと判断すると、制御部31は、S1160に移行し、利用者により操作部32の上カーソルキーが操作されたか否かを判断する。
【0114】
そして、上カーソルキーが操作されたと判断すると、制御部31は、S1161に移行し、選択終端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値と一致するか否か判断する。そして、一致すると判断すると、スピーカに拒否音を出力させ(S1195)、その後S1130に移行する。
【0115】
これに対し、S1161にて、選択終端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値と一致しないと判断すると、制御部31は、S1163に移行し、選択終端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号のうち、選択終端番号を表すパラメータの現在値より大きい受信番号であって、上記パラメータの現在値に最も近い受信番号に、変更する。その後、S1175に移行する。
【0116】
その他、S1160にて、利用者により上カーソルキーが操作されていないと判断すると、制御部31は、S1170に移行し、利用者により操作部32の下カーソルキーが操作されたか否かを判断する。そして、下カーソルキーが操作されたと判断すると、S1171に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値と一致するか否かを判断する。そして、一致すると判断すると、スピーカに拒否音を出力させ(S1195)、その後S1130に移行する。
【0117】
一方、S1171にて、選択先端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値と一致しないと判断すると、制御部31は、S1173に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号のうち、選択先端番号を表すパラメータの現在値よりも小さい受信番号であって、受信パラメータの現在値に最も近い受信番号に、変更する。
【0118】
また、S1173の処理を終えると、制御部31は、S1175に移行し、選択金額算出処理を実行して、選択金額を表すパラメータの値を、選択先端番号を表すパラメータの値から選択終端番号を表すパラメータの値までの受信番号が付された受信単位情報に関連付けられた印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額に、変更する。
【0119】
図12は、制御部31が実行する選択金額算出処理を表すフローチャートである。選択金額算出処理を実行すると、制御部31は、まずS1210にて、選択金額を表すパラメータの値をゼロに初期化し、その後、S1220にて、選択先端番号を表すパラメータの値に一致する受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。そして、検索が完了すると、S1230に移行して、検索された受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、選択金額を表すパラメータの値に加算する。
【0120】
S1230での処理を終えると、制御部31は、S1240に移行し、直前に検索した受信単位情報の受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致するか否かを判断する。そして、一致しないと判断すると、S1250に移行し、直前に検索した受信単位情報の受信番号(S1220での処理実行後、初回のS1250では、S1220で検索した受信単位情報の受信番号であり、二回目以降のS1250では、前回のS1250で検索した受信単位情報の受信番号)の次に大きい受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。
【0121】
S1250での処理を終えると、制御部31は、S1230に移行し、直前のS1250にて検索した受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、選択金額を表すパラメータの値に加算する。そして、S1240に移行する。
【0122】
また、S1240で、直前に検索した受信単位情報の受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致すると判断すると、制御部31は、当該選択金額算出処理を終了する。以上の処理により、選択金額算出処理では、選択先端番号を表すパラメータの値から選択終端番号を表すパラメータの値までの受信番号が付された受信単位情報に関連付けられた印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額を算出して、これを選択金額に設定する。
【0123】
この選択金額算出処理を終えると、制御部31は、S1177に移行して、選択金額表示欄を更新し、表示部39に、S1175で求めた選択金額(選択金額を表すパラメータの値)を、表示させる(S1177)。また、S1177での処理を終えると、制御部31は、連動フラグをOFFに設定し(S1179)、その後、S1130に移行する。
【0124】
その他、S1170にて、利用者により下カーソルキーが操作されていないと判断すると、制御部31は、S1180に移行し、データ受信処理タスクが実行するS890での処理により、データ受信処理タスクからタスク終了指示が入力されているか否か判断し、タスク終了指示が入力されていると判断すると、当該出力操作処理を終了する。一方、タスク終了指示が入力されていないと判断すると、S1190に移行して、利用者により操作部32に対し、不明な操作がなされているか否か判断する。尚、ここでいう不明な操作とは、印刷指示に対応する操作、受信停止指示に対応する操作、上カーソルキーの操作、及び、下カーソルキーの操作、以外の操作のことである。
【0125】
そして、不明な操作がなされていると判断すると、制御部31は、スピーカに拒否音を出力させ(S1195)、その後S1130に移行する。また、利用者により操作部32が操作されておらず、又、合計金額の通知及びタスク終了指示のいずれもデータ受信処理タスクから入力されていない場合には、S1190でNoと判断して、S1130に移行する。
【0126】
次に、制御部31が実行する印刷処理について説明する。図13は、制御部31が実行する印刷処理を表すフローチャートである。尚、この印刷処理タスク及びデータ受信処理タスク及び出力操作処理タスクは、制御部31上で、並列に動作する。
【0127】
制御部31は、印刷処理を実行すると、まずS1310で、課金対象金額を表す情報として、選択金額を表すパラメータの値を格納した課金指示信号を生成し、これをネットワークNTを通じて、機能サーバ10に送信する。
【0128】
S1310での処理を終えると、制御部31は、機能サーバ10から応答信号を受信するまで待機し(S1315)、応答信号を受信すると(S1315でYes)、その応答信号が、印刷許可情報が格納された応答信号(印刷許可信号)である否かを判断する(S1320)。尚、S1320では、機能サーバ10から、エラー情報が格納された応答信号を受信した場合に、Noと判断し、機能サーバ10から、印刷許可情報が格納された応答信号(印刷許可信号)を受信した場合に、Yesと判断する。
【0129】
S1320でNoと判断すると、制御部31は、S1330に移行して、表示部39に、一定時間、上記案内画面(図8参照)に代えて、エラーメッセージが記されたエラー画面を表示させた後、当該印刷処理を終了する。
【0130】
一方、S1320でYesと判断すると、制御部31は、S1340に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値に一致する受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。また、S1340での処理を終えると、S1340で検索した受信単位情報に関連付けられた印刷データを、記録部34に入力して、記録部34に上記印刷データに基づく画像を、出力させる(S1350)。これにより、記録部34は、上記印刷データに基づく画像を、シート状記録媒体に形成して、出力する。
【0131】
S1350での処理を終えると、制御部31は、印刷出力された印刷データを、RAMから削除すると共に、その印刷データに関連付けられた受信単位情報を、受信管理情報から削除する(S1360)。また、S1360での処理を終えると、制御部31は、直前に検索した受信単位情報(直前に印刷出力の対象となった印刷データに対応する受信単位情報)に付された受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致するか否かを判断する(S1370)。
【0132】
そして、一致しないと判断すると(S1370でNo)、S1380に移行し、直前に検索した受信単位情報(直前に印刷出力の対象となった印刷データに対応する受信単位情報)に付された受信番号の次の大きい受信番号の受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。その後、S1350にて、検索した受信単位情報に関連付けられた印刷データに基づく画像を、記録部34に出力(形成)させ、S1360にて、その印刷データを、制御部31が有するRAMから消去すると共に、その印刷データに対応する受信単位情報を、受信管理情報から削除する。その後、S1370に移行する。
【0133】
S1370で、直前に検索した受信単位情報(直前に印刷出力の対象となった印刷データに対応する受信単位情報)に付された受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致すると判断すると、制御部31は、S1390に移行し、受信管理情報に一つ以上の受信単位情報が登録されているか否か判断し、受信単位情報が登録されていない(即ち受信単位情報が一つもない)と判断すると、S1400に移行して、データ受信処理タスクが、機能サーバ10から送信される最終データ(最後の印刷データ)を受信しているか否かを判断する。
【0134】
そして、最終データを受信していると判断すると(S1400でYes)、データ受信処理タスクに、タスク終了指示を入力して(S1410)、当該印刷処理を終了する。一方、最終データを受信していないと判断すると(S1400でNo)、制御部31は、S1420に移行し、データ受信処理タスクから出力操作処理タスクへタスク終了指示が入力されているか否か判断し、入力されていると判断すると、当該印刷処理を終了し、入力されていないと判断すると(S1420でNo)、S1390に移行して、新たな受信単位情報が登録されるまで待機する。
【0135】
また、制御部31は、S1390で、受信管理情報に一つ以上の受信単位情報が登録されていると判断すると、S1430に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値に設定すると共に、選択終端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値に設定する。
【0136】
その後、制御部31は、図12に示す選択金額算出処理を実行して(S1440)、選択金額表示欄を更新すると共に(S1450)、図10に示す合計金額算出処理を実行して(S1460)、合計金額表示欄を更新する(S1470)。その後、当該印刷処理を終了する。
【0137】
以上、複合機30の構成及び動作について説明したが、本実施例の通信システム1によれば、複合機30から機能サーバ10に対してサービス起動指令が入力されると、機能サーバ10が、サービス起動指令送信元の複合機30の利用者に対応する送信管理情報に登録された提供ファイルであって、予めページ単位毎に用意された提供ファイルの一群を、順次、複合機30が画像形成(印刷出力)可能な印刷データに変換し(S390)、これを、サービス起動指令送信元の複合機30に送信する(S420)。
【0138】
一方、複合機30は、機能サーバ10から上記ページ単位毎の印刷データを、通信部35を介して受信すると(S780)、各印刷データに対して、受信順に、受信番号を割り当て、各印刷データを、制御部31が備えるRAMに記憶させる(S810)。また、印刷データと共に機能サーバ10から受信した課金予定情報を格納した受信単位情報を生成して記憶し、各受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額の合計を、印刷データを受信する度、又は印刷出力を実行する度に算出して、合計金額表示欄に表示する(S820,S830,S1460,S1470)。これにより、複合機30は、合計金額表示欄に、機能サーバ10から受信し記憶した印刷データであって、印刷出力されていない印刷データを、仮に全て印刷出力した場合に、機能サーバ10にて課金処理される金額を表示する。
【0139】
また、本実施例の複合機30は、操作部32から入力される利用者の操作情報に従って、印刷出力範囲を、ページ単位(印刷データ単位)で変更する構成にされている。具体的に、複合機30は、印刷を開始する先頭ページの印刷データを判別するための情報として、選択先端番号をRAMに記憶すると共に、印刷を終了する最終ページの印刷データを判別するための情報として、選択終端番号をRAMに記憶する構成にされており、上下カーソルキーが操作される度に、選択先端番号及び選択終端番号を更新する(S1163,S1173)。
【0140】
従って、利用者は、合計金額表示欄を見ながら、操作部32の上カーソルキー又は下カーソルキーを操作して、印刷を開始する先頭ページを指定し、又、印刷を終了する最終ページを指定することができる。また、本実施例では、この上下カーソルキーの操作情報(選択先端番号及び選択終端番号の指定情報)が、利用者が課金を許可する金額を表す情報としても機能する。
【0141】
本実施例の複合機30は、選択先端番号及び選択終端番号の更新の際に、機能サーバ10から受信した印刷出力されていない印刷データであって、選択先端番号から選択終端番号までの受信番号が割り当てられた印刷データについての課金予定情報が示す金額の合計を算出して、選択金額を表すパラメータの値を更新し(S1175)、この選択金額を選択金額表示欄に表示する(S1177)。従って、利用者は、選択金額表示欄の情報を見ながら、上下カーソルキーを操作することにより、間接的に、課金を許可する金額を指定することができるのである。よって、利用者は、印刷出力の度に、自身が必要な所定金額分の画像のみを、複合機30に印刷出力させることができ、不要な課金が自身に対してされないようにすることができる。
【0142】
尚、上記実施例では、複合機30を、上下カーソルキーの操作により、課金を許可する金額を入力することができる構成としたが、操作部32のテンキー等を通じて、金額を直接指定することができるように、複合機30を構成してもよい。
【0143】
また、本実施例の複合機30は、操作部32を通じて印刷指示が入力されると(S1140でYes)、印刷指示に従う印刷出力の前に、S1310にて、印刷出力対象の印刷データについての課金対象金額(課金されるべき金額)を格納した課金指示信号を送信する。尚、この際、課金対象金額には、上記選択金額を表すパラメータの値が設定される。
【0144】
また、本実施例の機能サーバ10は、複合機30が、印刷出力の直前にS1310にて送信する印刷出力対象の印刷データについての課金対象金額を格納した課金指示信号を受信すると(S430でYes)、この課金対象金額分を、未決済金額情報が示す値に加算して、未決済金額情報を更新することにより、複合機30の印刷出力量に応じた課金処理を実行する(S510〜S560)。そして、課金処理が正常に行われた際(S540でYesと判断してS550以降の処理を実行した際)には、印刷許可信号を、サービス起動指令送信元の複合機30に送信して(S580,S610)、複合機30に対し課金対象金額分の印刷出力を許可する。
【0145】
また、複合機30は、上記課金指示信号を送信した後、応答信号を受信するまで待機し(S1315)、応答信号を受信するまでは、S1340以降の処理を実行せず、応答信号として印刷許可信号を受信すると(S1320でYes)、S1340以降の処理を実行して、印刷指示に従う印刷出力を行う(S1350〜S1380)。また、応答信号を受信しても、応答信号がエラー情報を表す信号である場合には、S1340以降の処理を実行せず、印刷指示に従う印刷出力をキャンセルする。
【0146】
また、印刷出力の際には、操作部32を通じて利用者から指定された選択先端番号から選択終端番号までの受信番号が割り当てられた印刷データを、機能サーバ10からの受信順(受信番号の若い順)に処理して、選択金額分の印刷出力を実行する。そして、選択金額分の印刷出力を実行すると、S1370でYesと判断して、印刷出力を終了する。
【0147】
即ち、本実施例では、複合機30が印刷出力するか否かを監視して、課金処理するので、印刷出力が実行されると見なして課金処理するよりも、利用者にとって不満のない課金処理を行うことができる。従って、本実施例によれば、利用者は、安心して、機能サーバ10により提供される有料の情報提供サービスを利用することができる。また、上記手法によれば、情報提供サービスの事業者は、当該サービスの不正利用を防止して、料金徴収を確実に行うことができる。
【0148】
また、本実施例の複合機30は、上下カーソルキーの操作がない状態において、選択先端番号を「1」に保持し、選択終端番号を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値(即ち、最も最近受信した印刷データに割り当てた受信番号)に保持し(S1133)、課金指示信号に課金対象金額の情報として格納される選択金額を表すパラメータの値を、合計金額に設定するので、利用者は、上下カーソルキーを操作しなくとも、合計金額表示欄に表示される金額が、自身が望む金額となった時点で、操作部32を通じて印刷指示を入力すれば、その印刷指示の入力時点で、合計金額表示欄に表示されていた金額分の印刷出力のみを、複合機30に実行させることができる。
【0149】
また、本実施例の複合機30は、データ受信処理タスクが機能サーバ10から、一連の印刷データを受信している途中であっても、印刷指示が操作部32から入力されれば、一連の印刷データの受信完了を待つことなく、印刷出力を実行する。従って、本実施例によれば、機能サーバ10から提供される印刷データに基づく画像を、利用者に迅速に提供することができる。
【0150】
また、本実施例では、データ受信処理タスクが機能サーバ10から、一連の印刷データを受信している途中であっても、操作部32を通じて受信停止指示を入力すれば、複合機30が、機能サーバ10に対して、受信完了通知を入力して(S880)、機能サーバ10に対し、印刷データの送信停止を指示するので、機能サーバ10による上記一連の印刷データの送信動作を停止することができる。
【0151】
尚、本発明の画像形成システムは、画像形成装置としての複合機30と、サーバ装置としての機能サーバ10と、からなる通信システム1に相当し、画像データ送信手段は、機能サーバ10が実行するS420の処理にて実現され、課金処理手段は、S510〜S560の処理にて実現され、出力許可信号送信手段は、S580,S610の処理にて実現されている。
【0152】
また、画像データ受信手段は、複合機30が実行するS780〜S810の処理にて実現され、画像出力手段は、記録部34及び印刷処理タスクにより実現されている。その他、金額情報表示手段は、表示部39及び複合機30が実行するS820,S830,S1460,S1470の処理等によって実現され、出力制御手段は、印刷処理タスクにおいてS1370でYesと判断して、印刷出力を停止する動作、S1150,S1151,S880の処理にて機能サーバ10の送信動作を停止する動作(送信停止制御手段に相当)等によって実現されている。
【0153】
また、課金指示信号送信手段は、複合機30が実行するS1310の処理にて実現され、課金許可金額情報記憶手段は、制御部31のRAMと、S1160〜S1175の処理とにより実現されている。
【0154】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成システムは、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、ページ単位毎に、料金を設定して、印刷データ及び課金予定情報を、ページ単位毎に、機能サーバ10から複合機30へ送信するようにしたが、ページ単位に代えて、その他の単位にて、印刷データ及び課金予定情報を送信するようにしてもよい。
【0155】
また、ページ単位の料金を、一律に設定する場合には、課金予定情報を送信しなくてもよく、例えば、予め複合機30にページ単位の料金を登録しておき、この登録情報に基づき、上記合計金額のパラメータの値、及び選択金額のパラメータの値を更新するように、複合機30を構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明が適用された通信システム1の構成を表すブロック図である。
【図2】機能サーバ10が有する課金情報記憶部13bの構成を表す説明図である。
【図3】セッション管理情報記憶部13cの構成を表す説明図(a)及び送信管理情報記憶部13dの構成を表す説明図(b)である。
【図4】制御部11が実行する送信管理情報更新処理を表すフローチャートである。
【図5】制御部11が実行するサービス提供処理を表すフローチャートである。
【図6】制御部11が実行する課金情報更新処理を表すフローチャートである。
【図7】制御部31が実行するデータ受信処理を表すフローチャートである。
【図8】表示部39に表示される案内画面の構成を表す説明図である。
【図9】複合機30が記憶する受信管理情報(a)及び選択情報(b)の構成を表す説明図である。
【図10】制御部31が実行する合計金額算出処理を表すフローチャートである。
【図11】制御部31が実行する出力操作処理を表すフローチャートである。
【図12】制御部31が実行する選択金額算出処理を表すフローチャートである。
【図13】制御部31が実行する印刷処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0157】
1…通信システム、10…機能サーバ、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、13a…サービスプログラム記憶部、13b…課金情報記憶部、13c…セッション管理情報記憶部、13d…送信管理情報記憶部、13e…提供ファイル記憶部、30…複合機、31…制御部、32…操作部、33…読取部、34…記録部、35…通信部、36…記憶部、37…音入力部、38…音出力部、39…表示部、NT…ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを、画像形成装置に送信すると共に、画像形成装置が上記画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行うサーバ装置と、このサーバ装置と通信可能な画像形成装置と、からなる画像形成システム、及び、この画像形成システムに用いられる画像形成装置、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像形成装置としては、ネットワークを介して受信した画像データに基づく画像を、シート状記録媒体(用紙等)に形成して印刷出力するプリンタ装置やディジタル複合機等が知られている。また、画像形成システムとしては、画像形成装置による出力コストを見積もって、その見積値を出力可能コスト値と比較し、出力を許可するか否かを判定し、画像形成装置の出力制御を行うシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この画像形成システムでは、出力可能コスト値として、例えば、プリペイドカードの残り値を設定し、見積値がプリペイドカードの残り値未満である場合には、画像出力を許可すると共に、出力コストに応じてプリペイドカードの残り値を減算するといった課金処理を実行し、見積値がプリペイドカードの残り値を越える場合には、画像出力を禁止して、プリペイドカードの残り値を越える画像出力が画像形成装置で行われないようにする。
【0004】
尚、本明細書でいう課金処理とは、提供したサービスの対価の支払いを、利用者に課すのに必要な情報処理のことであり、対価の支払いとしては、電子マネーやクレジットカードを用いた決済処理によるものの他、プリペイドカードのポイント減算によるもの等、現金と等価な支払いを含むものとする。
【特許文献1】特開2001−195224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成システムでは、外部(サーバ装置)から受信した画像データに基づく画像を、画像形成装置が全て出力することを基本として、予め設定された基準値(例えば、プリペイドカードの初期値)を越えるコストの画像出力を、制御する程度であるため、画像出力の度に、利用者が必要とする所定量分(所定金額分)の画像データのみを画像形成装置が出力するように、画像形成装置を制御することはできなかった。
【0006】
つまり、上記画像形成システムが、情報提供サービスの事業者から提供されるデータ(ニュースデータ等)に基づく画像を印刷出力するシステムである場合には上記事業者から、利用者にとって不要なデータ(利用者にとって興味のないニュースデータ等)が提供されることがあるが、利用者は、印刷出力の途中で、それ以上の出力が必要ないと判断しても、印刷出力を停止し、不要な課金が行われないようにすることができなかった。また、利用者は、提供される情報の内容(提供される情報がニュースである場合には、その日に起きている事件や現象)により、課金を許可する金額を設定し、各情報を、その重要度に応じた量、得ることができなかった。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、出力量に応じて課金処理がなされる画像形成システムにおいて、画像出力の度に、利用者が必要な所定量分の画像のみを、画像形成装置に出力させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、画像データを画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、画像形成装置が上記画像データ送信手段により送信された画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行う課金処理手段と、を備えるサーバ装置、と通信可能な画像形成装置に、画像データ受信手段と、画像出力手段と、金額情報表示手段と、操作手段と、出力制御手段と、を設けたことを特徴とする。
【0009】
画像データ受信手段は、上記サーバ装置から送信される画像データを受信し、画像出力手段は、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を出力(形成)する。金額情報表示手段は、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、仮に画像出力手段が出力した場合に、サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する。また、出力制御手段は、利用者が操作可能な操作手段から入力される指示に従って、画像出力手段による画像の出力量を制御する。
【0010】
この画像形成装置によれば、利用者は、金額情報表示手段により表示される予定金額情報を見ながら、操作手段を通じ、画像出力手段による画像の出力量を操作することができ、自身にかかる課金金額を調整することができる。従って、本発明によれば、利用者は、必要な所定量(金額)分の画像データのみを、画像形成装置に出力させることができる。
【0011】
尚、画像形成装置としては、例えば、画像データ受信手段がサーバ装置から受信した画像データを全て、画像出力手段にて出力するものが考えられる。また、サーバ装置としては、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を全て出力すると見なして、画像データを送信する度に、課金処理するものが考えられる。そして、この場合の出力制御手段としては、操作手段から入力される指示に従って、サーバ装置による画像データの送信動作を、コントロールするものが考えられる。
【0012】
但し、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を全て出力すると見なして、課金処理する方法では、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を出力していないのにも拘らず、サーバ装置側で課金処理が実行されてしまう可能性がある。従って、上記課金処理手段は、画像形成装置から送信される課金指示信号を受信した時に、その課金指示信号に基づく課金処理を実行する構成にされるとよい。
【0013】
また、これに対応して、画像形成装置には、画像出力を実行する際、その画像出力に対する課金処理をサーバ装置に実行させるための課金指示信号を、サーバ装置に送信する課金指示信号送信手段、を設けるのがよい。
【0014】
このように構成された請求項2記載の画像形成装置と、上記サーバ装置とを用いてシステムを構成すれば、サーバ装置では、画像出力と連動して送信される課金指示信号を受信した場合にのみ、課金処理を実行することができ、画像形成装置が受信した画像データに基づく画像を出力していないのにも拘らず、課金処理を実行してしまうのを防止することができる。従って、利用者は、安心して当該画像形成装置を用い、サーバ装置から提供されるサービスを受けることができる。
【0015】
また、上記画像形成装置は、請求項3記載のように構成されるとよい。請求項3記載の画像形成装置は、上記サーバ装置が、課金処理が正常に完了した時に、画像出力手段による画像出力を許可するための出力許可信号を、課金指示信号送信元の画像形成装置に向けて送信する出力許可信号送信手段、を備えることを前提として、画像出力手段が、上記サーバ装置から出力許可信号を受信するまでは、画像出力を実行しない構成にされたものである。即ち、この画像形成装置における画像出力手段は、画像出力の実行前に、上記課金指示信号を送信し、その応答信号として、上記サーバ装置から出力許可信号を受信するまでは、画像出力を実行せず、出力許可信号を受信すると、その画像出力を実行する。
【0016】
この画像形成装置によれば、サーバ装置から出力許可信号を受信するまでは、画像出力手段が、画像出力を実行しないので、悪意の者が不正に課金を免れて、画像出力を実現してしまうのを防止することができる。
【0017】
また、課金に関し、画像データの種類等に関係なく、一定量の画像出力に対して、一定の料金を課す場合には、画像データ受信手段が受信した画像データの量に従って、予定金額情報を表示するように、金額情報表示手段を構成すればよいが、画像データの種類等に応じて、一単位の画像データ毎に、個別の料金を設定する場合には、画像形成装置を、請求項4記載のように構成するとよい。
【0018】
請求項4記載の画像形成装置は、サーバ装置が、画像データ送信手段にて、送信対象の画像データを、所定単位毎に画像形成装置に送信すると共に、送信対象の画像データに基づく画像を出力した場合に、利用者に課される金額を表す課金予定情報を、画像データの単位毎に、画像形成装置に向けて送信することを前提として、画像データ受信手段が、上記単位毎の画像データと共に、上記単位毎の画像データの課金予定情報をサーバ装置から受信し、金額情報表示手段が、上記画像データ受信手段が上記単位毎の画像データと共に、上記サーバ装置から受信した単位毎の画像データの各課金予定情報が示す金額の合計を、予定金額情報として表示する構成にされたものである。
【0019】
この発明によれば、一単位の画像データ毎に、個別の料金が設定されたシステムのサーバ装置から、画像データを受信し、その画像データに基づく画像を出力する場合においても、上記画像を出力した場合に、利用者に課される金額を、金額情報表示手段にて適切に表示することができる。
【0020】
特に、一単位の画像データ毎に、個別の料金が設定されている場合には、画像出力に際して課される金額を利用者側で把握することは、困難であるから、本発明のように、金額情報表示手段にて、予定金額情報を表示することは、非常に有効である。
【0021】
尚、画像データは、例えば、予め定められたバイト単位や、予め定められた情報の区切り単位、ページ単位等で、送信されるとよい。特に、画像出力手段が、画像データに基づく画像を、印刷出力する構成にされている場合には、サーバ装置の画像データ送信手段から、送信対象の画像データを、ページ単位毎に、画像形成装置に向けて送信すると、便利である(請求項5)。
【0022】
即ち、ページ単位毎に、画像データを送信すると共に、課金予定情報を送信するようにサーバ装置を構成すれば、利用者は、画像形成装置の操作手段を操作することにより、必要なページ数の印刷画像についてのみ、料金を支払って得ることができ、不要な課金を避けることができる。
【0023】
また、上記画像形成装置は、画像データ受信手段が画像データを受信すると、画像出力を自動で開始する構成とすることができるが、このようにすると、利用者が、画像形成装置を操作することができない環境に居る場合に、操作手段を介して、出力量を調整することができない可能性がある。
【0024】
従って、上記の画像形成装置は、請求項6記載のように構成されるとよい。請求項6記載の画像形成装置は、画像データ受信手段が、サーバ装置から受信した画像データを、記憶手段に記憶させる構成にされ、画像出力手段が、上記操作手段から出力開始指示が入力されると、記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を、画像データ受信手段の受信順に、出力する構成にされたものである。
【0025】
この画像形成装置では、利用者の操作により操作手段から出力開始指示が入力されるまで、画像出力手段が画像出力を実行しないので、利用者は、画像データ受信手段がサーバ装置から画像データを受信している時に、画像形成装置を操作できる環境にいなくとも、その後、操作できる時に、出力量を調整して、所望量の画像出力を、画像形成装置に実行させることができる。
【0026】
また、上記画像形成装置において、画像出力手段及び画像データ受信手段は、並列動作可能に構成されるとよい。このように構成された請求項7記載の画像形成装置は、画像データ受信手段による画像データの受信動作を止めずに、画像出力を実行することができるので、画像データをサーバ装置から受信し、画像出力するまでのプロセスを高速に処理することができる。
【0027】
また、画像データの受信途中で出力開始指示が入力された場合には、その時点で、金額情報表示手段が表示していた金額分の画像出力のみを実行するように、画像形成装置を構成するとよい。
【0028】
請求項8記載の画像形成装置は、操作手段から出力開始指示が入力されると、出力制御手段が、出力開始指示の入力時点で金額情報表示手段が表示していた予定金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段に実行させ、予定金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段が実行した時点で、画像出力手段による画像出力を停止する構成にされたものである。
【0029】
この発明によれば、出力開始指示の入力時点で金額情報表示手段が表示していた予定金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段に実行させるので、利用者は、必要分の画像データを画像データ受信手段が受信した時点で、出力開始指示を、操作手段を通じて入力すれば、その後、出力停止指示を入力しなくても、自動的に、上記金額分の出力画像を得ることができる。従って、本発明によれば、利用者は、余計な課金を受けずに済む。
【0030】
また、上記の画像形成装置は、画像出力前に、課金を許可する金額を利用者から受け付ける構成にされてもよい。
請求項9記載の画像形成装置は、操作手段から、課金を許可する金額を表す課金許可金額情報が入力されると、この課金許可金額情報を記憶する課金許可金額情報記憶手段を備え、出力制御手段は、操作手段から出力開始指示が入力されると、画像出力手段に、課金許可金額情報記憶手段が記憶する課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を実行させ、課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を、画像出力手段が実行した時点で、画像出力手段による画像出力を停止する。この画像形成装置によれば、利用者は、出力開始指示の入力前に、金額を設定することができるので、出力量を、正確に調整しやすい。
【0031】
その他、金額情報表示手段は、画像出力手段により画像出力されたか否かに拘らず、画像データ受信手段が受信を開始してから現在までに受信した画像データについての予定課金情報を表示する構成にされてもよいし、請求項10記載のように構成されてもよい。
【0032】
請求項10記載の画像形成装置における金額情報表示手段は、上記予定金額情報として、画像データ受信手段が受信した画像データであって画像出力手段により画像出力されていない画像データについて、その画像データに基づく画像を、画像出力手段が出力した場合に、サーバ装置にて課金処理される金額を表す情報を、表示することを特徴とする。
【0033】
この画像形成装置によれば、既に画像出力の対象となった画像データについての金額を除外した上記予定金額情報が表示されるので、利用者は、予定金額情報に基づいて、未処理の画像データについての画像出力を画像出力手段に実行させた場合に、いくら分の課金がかかるのかを容易に把握することができる。
【0034】
その他、出力制御手段は、画像出力手段による画像出力を停止する際、画像出力手段を直接停止して、画像出力を停止する構成にされてもよいし、サーバ装置による画像データの送信動作を停止して、間接的に、画像出力手段による画像出力を停止する構成にされてもよい。但し、画像出力手段を単に停止するだけで、サーバ装置による画像データの送信動作を停止しないと、通信資源の浪費に繋がる可能性があるので、出力制御手段には、請求項11記載のように、操作手段から入力される指示に従って、サーバ装置に対して、画像データの送信停止を指示し、サーバ装置による当該画像形成装置への画像データの送信動作を、停止する送信停止制御手段、を設けるとよい。
【0035】
この画像形成装置によれば、利用者の指示に従って、サーバ装置による画像データの送信動作を停止するので、サーバ装置が利用者にとって必要のない画像データを送信することによって通信資源が浪費されるのを防止することができる。
【0036】
尚、外部から入力された画像データに基づく画像を出力する本発明の画像形成装置(請求項1〜請求項11)と、画像データを画像形成装置に送信する上記サーバ装置と、からなる画像形成システムを構築すれば、画像形成システムを、利用者が必要な所定量分の画像データのみを、画像形成装置に出力させることが可能なシステムとして構成することができる。
【0037】
請求項12記載の画像システムは、サーバ装置が、上記画像データ送信手段及び課金処理手段を備え、画像形成装置が、上記サーバ装置から送信される画像データを、受信する画像データ受信手段と、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、出力する画像出力手段と、画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を画像出力手段が出力した場合に、サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する金額情報表示手段と、利用者が操作可能な操作手段と、操作手段から入力される指示に従って、画像出力手段による画像の出力量を制御する出力制御手段と、を備えることを特徴とする。この発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施例について、図面と共に説明する。図1は、本発明が適用された通信システム1の構成を表すブロック図である。
本実施例の通信システム1は、各種データを提供する機能サーバ10と、複数のディジタル複合機(以下、単に「複合機」とする)30と、からなり、これらが、ネットワークNT(例えばインターネット)を介して双方向通信可能に接続された構成にされている。
【0039】
複合機30は、電話(音声通信)機能、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能等を有し、例えば、機能サーバ10から送信される印刷データを受信して、この印刷データに基づく画像を、シート状記録媒体(用紙等)に形成する(詳細後述)。
【0040】
一方、機能サーバ10は、複合機30からの要求に応じて、後述するサービス提供処理(図5参照)を実行し、要求元の複合機30に対してサービスを提供する。具体的には、例えば、図示しない特定データベースから、ニュースデータ等を取得して、これを、ページ単位の提供ファイルとして、提供ファイル記憶部13eに蓄積し、複合機30からの要求があると、この提供ファイルを、印刷データに変換して、要求元の複合機30に送信する。
【0041】
この機能サーバ10は、制御部11、通信部12及び記憶部13を備え、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる上記制御部11にて、機能サーバ10を構成する各部を統括制御する。また、通信部12は、ネットワークNTを介してデータを送受信するための電気的な処理を行うものであり、記憶部13は、ハードディスク等を有し、このハードディスクに、各種データを記憶する構成にされている。
【0042】
尚、この記憶部13には、後述する送信管理情報更新処理、サービス提供処理、課金情報更新処理等を制御部11のCPUに実行させるためのプログラム、を記憶するサービスプログラム記憶部13aと、予め登録された利用者の識別情報である利用者ID毎に、課金情報を記憶する課金情報記憶部13bと、サービスプログラムが提供する一単位のサービスの識別情報であるセッションID毎に、セッション管理情報を記憶するセッション管理情報記憶部13cと、利用者ID毎に、送信管理情報を記憶する送信管理情報記憶部13dと、上記提供ファイルを記憶する提供ファイル記憶部13eと、が設けられている。
【0043】
図2は、課金情報記憶部13bの構成を表す説明図である。課金情報記憶部13bは、利用者IDと、決済方法を表す情報と、決済に必要な情報を含む決済付属情報と、未決済金額情報と、ロック情報と、有効性情報とからなる課金情報を、利用者ID毎に有する。
【0044】
この課金情報は、利用者の登録時に制御部11が実行する登録処理(図示せず)によって生成される。具体的に、決済方法を表す情報は、クレジットカードによる決済、プリペイドカードによる決済、デビッドカード(電子マネー)による決済等、決済の方法を表すコード情報からなる。また、決済付属情報は、クレジットカード番号及び有効期限等のクレジットカード決済に必要な情報、あるいは、プリペイドカード番号及び残りポイント数等のプリペイドカード決済に必要な情報、あるいは、デビットカード番号及び暗証番号等のデビットカード決済に必要な情報、等からなる。
【0045】
また、未決済金額情報は、未決済金額を示すものであり、利用者の登録時に、金額ゼロに設定され、後述する課金情報更新処理によって更新される。また、ロック情報は、課金情報の編集の際に排他制御を行うためのものであり、値TRUE又はFALSEをとる。
具体的に、ロック情報が値TRUEである場合には、ロック情報を更新したタスク以外のタスクによる課金情報の編集が禁止される。
【0046】
その他、有効性情報は、値TRUE又はFALSEをとるものであり、値TRUEである場合には、決済付属情報に基づく決済が可能であることを示し、値FALSEである場合には、決済付属情報に基づく決済が不可能であることを示す。この情報は、事業者による事務的な処理によって更新され、例えば、前回の決済時に、カードが無効になっているといった理由や、残高が足りないといった理由で、決済ができなかった場合に、値FALSEに設定される。
【0047】
次に、セッション管理情報記憶部13cの構成について説明する。図3(a)は、セッション管理情報記憶部13cの構成を表す説明図である。図3(a)に示すように、セッション管理情報記憶部13cは、セッションIDと、利用者IDと、送信管理情報アドレスと、提供サービス情報と、からなるセッション管理情報を、セッションID毎に有する。
【0048】
このセッション管理情報は、利用者の登録時に制御部11が実行する登録処理(図示せず)によって課金情報と共に生成される。具体的に、セッションIDは、生成時、空情報に設定され、その後、利用者がサービスの提供を受ける度に、サービス提供処理によって更新される。また、送信管理情報アドレスは、当該利用者IDの送信管理情報を読み出すための情報であり、記憶部13における上記送信管理情報の記憶先を表すものである。その他、提供サービス情報は、利用登録時に、利用者が指定したサービスの種類を表す情報である。当該機能サーバ10は、この提供サービス情報に基づいて、利用者が指定したサービスを提供するために必要な処理(送信管理情報の更新等)を行う。
【0049】
また、図3(b)は、送信管理情報記憶部13dが記憶する送信管理情報の構成を表す説明図である。送信管理情報は、当該送信管理情報に対応する利用者IDにてアクセスしてきた複合機30に提供すべき送信対象の提供ファイルが、送信単位毎にリストアップされたものであり、複数の送信単位情報から構成される。各送信単位情報は、シリアル番号と、当該送信単位情報に関連付けられた提供ファイルの名称と、その提供ファイルの生成日時等を表す付属情報と、その提供ファイルに基づく画像を、仮に複合機30が出力(形成)した場合に、その利用者に課される金額を表す課金予定情報と、を有する。尚、シリアル番号は、提供ファイルの生成日時の古い順に、値「1」から送信単位情報に割り当てられる。
【0050】
図4は、機能サーバ10の制御部11が実行する送信管理情報更新処理を表すフローチャートである。送信管理情報は、この送信管理情報更新処理を、制御部11が実行することにより更新される。
【0051】
送信管理情報更新処理を実行すると、制御部11は、まずS110にて、処理対象の利用者IDを選択する。具体的には、課金情報記憶部13b及びセッション管理情報記憶部13cに登録された利用者IDであって、S140以降の処理対象となっていない未処理の利用者IDの一つを、処理対象に選択する。そして、処理対象の利用者IDが存在しない(即ち、全ての利用者IDを処理対象に選択してS140以降の処理を実行した)場合には、S120でNoと判断し、当該送信管理情報更新処理を終了する。
【0052】
一方、処理対象の利用者IDが存在する場合には、S130に移行し、当該利用者IDによる機能サーバ10へのアクセスが行われて、その利用者IDについてのサービス提供処理が実行中であるか否かを判断する。そして、実行中であると判断すると(S130でYes)、この利用者IDについてのS140以降の処理を後回しすることにして、S110に移行し、他の利用者IDであって、未処理の利用者IDを処理対象に選択する。
【0053】
そして、処理対象の利用者IDについてのサービス提供処理が実行中ではないと判断すると(S130でNo)、S140に移行し、処理対象の利用者IDに対応する送信管理情報を、セッション管理情報記憶部13cの記憶内容に基づき、送信管理情報記憶部13dから読み出して、作業領域(RAM)に一時記憶する。また、読み出した送信管理情報における送信単位情報の登録内容に基づき、読み出した送信管理情報に未登録の新しい提供ファイルを、提供ファイル記憶部13e内で検索し(S150)、上記未登録の提供ファイルが、提供ファイル記憶部13eに記憶されているか否かを判断する(S160)。
【0054】
尚、制御部11は、別のプロセスにて、特定データベースから、提供対象のニュースデータ等を取得し、これを、ページ単位の提供ファイルに変換して、提供ファイル記憶部13eに保存する処理を、継続的に実行しているものとする。
【0055】
そして、上記未登録の提供ファイルが、提供ファイル記憶部13eに記憶されていないと判断すると(S160でNo)、制御部11は、S110に移行して、他の未処理の利用者IDを処理対象に選択し、S120以降の処理を実行する。
【0056】
一方、上記未登録の提供ファイルが、提供ファイル記憶部13eに記憶されていると判断すると(S160でYes)、制御部11は、S170に移行して、上記読み出した送信管理情報における送信単位情報の登録数と、S150における検索の結果、発見された未登録の提供ファイルの個数との合計SUMが、予め定められた上限値MAXを超えるか否かを判断する。そして、上限値MAXを超えると判断すると(S170でYes)、上記読み出した作業領域の送信管理情報から、上限値MAXを超える分(即ち、合計SUMから上限値MAXを引いた値分)の送信単位情報を、削除する(S180)。尚、この際には、シリアル番号の小さい送信単位情報から順に、上限値MAXを超える個数分、削除する。
【0057】
S180での処理を終えると、制御部11は、S190に移行し、上記削除後の送信管理情報を構成する各送信単位情報に割り当てられたシリアル番号を、削除した個数分、下方向(小さい方)に、シフトする。即ち、各送信単位情報のシリアル番号から、値(SUM−MAX)を減算して、各送信単位情報のシリアル番号を更新する。
【0058】
その後、制御部11は、S150の処理により検索された上記未登録の提供ファイルであって、S220の処理対象となっていない提供ファイルのうち、ファイル生成日時の最も古いものを、処理対象に選択する(S200)。ここで、処理対象が存在しない場合(即ち、未処理の提供ファイルが存在しない場合)、制御部11は、S210でNoと判断してS230に移行し、作業領域(RAM)にて編集した上記送信管理情報を、送信管理情報記憶部13dに書き込んで、送信管理情報記憶部13dの該当送信管理情報を更新する。その後、S110に移行し、全ての利用者IDについて、上述のS140以降の処理を実行すると、当該送信管理情報更新処理を終了する。
【0059】
一方、未処理の提供ファイルが存在する場合、制御部11は、S210でYesと判断してS220に移行し、上記作業領域(RAM)の送信管理情報にて未使用のシリアル番号のうち、最小のシリアル番号を付した上記処理対象の提供ファイルのついての送信単位情報を生成して、これを、上記作業領域(RAM)の送信管理情報に登録する。
【0060】
この際、制御部11は、上記最小のシリアル番号と、上記処理対象の提供ファイルの名称と、その提供ファイルの生成日時等を表す付属情報と、課金予定情報と、からなる送信単位情報を生成する。S220での処理を終えると、制御部11は、S200に移行する。そして、再びS220の処理を実行する際には、前回のS220にて生成した送信単位情報に付したシリアル番号に1加算した値を、新たなシリアル番号として、処理対象の提供ファイルについての送信単位情報を生成し、これを作業領域に記憶された送信管理情報に登録する。また、S210でNoと判断すると、制御部11は、作業領域に記憶された送信管理情報を、送信管理情報記憶部13dに書き込んで、送信管理情報記憶部13dの該当送信管理情報を更新する(S230)。
【0061】
次に、制御部11が実行するサービス提供処理について説明する。図5は、機能サーバ10の制御部11が実行するサービス提供処理を表すフローチャートである。制御部11は、複合機30から送信されたサービス起動指令を、ネットワークNT及び通信部12を介して受信すると、当該サービス提供処理を開始する。
【0062】
サービス提供処理を実行すると、制御部11は、まずS310にて、サービス起動指令と共に、通信部12が複合機30から受信した利用者IDを取得し、この利用者IDが記憶部13に登録されているものであるか否かを判断する(S320)。具体的には、この利用者IDについての課金情報及びセッション管理情報が、記憶部13に記憶されているか否かを判断することにより、S310で取得した利用者IDが記憶部13に登録されているものであるか否かを判断する。
【0063】
そして、上記取得した利用者IDが記憶部13に登録されていないものであると判断すると(S320でNo)、制御部11は、S330に移行して、複合機30に対し、エラーを通知する。その後、当該サービス提供処理を終了する。一方、制御部11は、上記取得した利用者IDが記憶部13に登録されているものであると判断すると(S320でYes)、S340に移行し、セッションIDを生成して、これを、セッション管理情報記憶部13cが記憶する上記取得した利用者IDについてのセッション管理情報に登録すると共に、上記生成・登録したセッションIDを、サービス起動指令送信元の複合機30に送信して、以後の処理で、通信相手を、セッションIDにて識別できるようにする。
【0064】
S340での処理を終えると、制御部11は、複合機30にデータ送信が終了したことを示すための最終フラグをOFFに設定した後(S350)、S310で取得した利用者IDに対応する送信管理情報を、送信管理情報記憶部13dから読み出す(S360)。その後、制御部11は、上記読み出した送信管理情報を構成する送信単位情報のうち、最大のシリアル番号が付された送信単位情報を、S390以降の処理対象に選択する(S370)。
【0065】
そして、送信管理情報に一つの送信単位情報も登録されていない場合には、S380でNoと判断して、S430に移行する。一方、送信管理情報に一つ以上の送信単位情報が登録されている場合には、S380でYesと判断して、S390に移行する。
【0066】
S390では、処理対象に選択された送信単位情報にてファイル名称で示される提供ファイルを、提供ファイル記憶部13eから読み出し、この提供ファイルを、複合機30が印刷出力可能な1ページ分の印刷データに変換する。そして、S390での処理を終えると、当該提供ファイルに関連付けられた送信単位情報が、上記読み出した送信管理情報において最小のシリアル番号を有する送信単位情報であるか否かを判断することにより、上記提供ファイルに基づく印刷データが、最終の送信データであるか否かを判断する(S400)。
【0067】
そして、最終の送信データであると判断すると(S400でYes)、最終フラグをONに設定して(S410)、この最終フラグの値(フラグONを示す値)と、S390で生成した印刷データと、処理対象の送信単位情報に示された付属情報及び課金予定情報と、をまとめて、サービス起動指令送信元の複合機30に、ネットワークNTを介して送信する(S420)。
【0068】
一方、S400で、最終の送信データではないと判断すると(No)、制御部11は、S410の処理を実行することなく、S420に移行して、最終フラグの値(フラグOFFを示す値)と、S390で生成した印刷データと、処理対象の送信単位情報に示された付属情報と、課金予定情報と、をまとめて、サービス起動指令送信元の複合機30に、ネットワークNTを介して送信する。
【0069】
S420での処理を終えると、制御部11は、S430に移行し、サービス起動指令送信元の複合機30から課金指示信号を受信したか否か判断し、受信したと判断すると(S430でYes)、課金情報更新処理(図6参照)を実行し(S440)した後S450に移行し、課金指示信号を受信していないと判断すると(S430でNo)、S440の処理を実行せずに、S450に移行する。
【0070】
また、S450では、サービス起動指令送信元の複合機30から受信完了通知を受信したか否かを判断する。そして、受信完了通知を受信していないと判断すると(S450でNo)、制御部11は、S460に移行し、送信管理情報に、S390の処理について未処理の送信単位情報が存在するか否かを判断する。
【0071】
ここで、未処理の送信単位情報が存在しないと判断すると(S460でNo)、制御部11は、S430に移行し、未処理の送信単位情報が存在すると判断すると、前回、S390の処理対象に選択した送信単位情報より、シリアル番号が一つ小さい送信単位情報を、処理対象に選択して(S470)、S390に移行し、処理対象の送信単位情報に関連付けられた提供ファイルを、サービス起動指令送信元の複合機30が印刷出力可能な1ページ分の印刷データに変換する。
【0072】
また、制御部11は、S450にて、サービス起動指令送信元の複合機30から受信完了通知を受信したと判断すると、当該サービス提供処理を終了する。
続いて、S440で実行される課金情報更新処理について説明する。図6は、制御部11が実行する課金情報更新処理を表すフローチャートである。
【0073】
課金情報更新処理を実行すると、制御部11は、まずS510にて、複合機30から受信した課金指示信号から、その課金指示信号に含まれる課金対象金額を表す情報を取得する。その後、制御部11は、S310にて取得した利用者IDに対応する課金情報を構成するロック情報が、値FALSEを示しているか否か判断し(S520)、値FALSEを示していない(即ち、値TRUEである)と判断すると、ロック情報が値FALSEとなるまで待機する。
【0074】
そして、ロック情報が値FALSEを示していると判断すると(S520でYes)、制御部11は、S530に移行して、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDについてのロック情報を、値FALSEから値TRUEに変更する。S530での処理を終えると、制御部11は、S540に移行して、上記利用者IDについての課金情報に基づき、決済が可能であるか否かを判断する。
【0075】
具体的に、ここでは、上記課金情報を構成する有効性情報が値TRUEを示しているか否か判断し、値FALSEであれば、S540でNoと判断する。
また、S540では、決済方法がクレジットカードである場合、決済付属情報に基づいて有効期限が経過しているか否か判断し、有効期限が経過している場合には、S540でNoと判断する。その他、決済方法が、プリペイドカードである場合には、決済付属情報が示す残りポイント数の情報に基づいて、課金対象金額分以上の残りポイントがプリペイドカードに存在しない場合には、S540でNoと判断する。
【0076】
このようにして、S540で、決済が可能であると判断すると、制御部11は、S550に移行して、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDの課金情報から、未決済金額情報を読み出し、その後、上記読み出した未決済金額情報が示す値に、S510で取得した課金対象金額を表す情報が示す値(課金対象金額)を加算し、この加算結果を、未決済金額情報として、課金情報記憶部13bに書き込むことにより、上記利用者IDの未決済金額情報を更新する(S560)。
【0077】
S560での処理を終えると、制御部11は、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDに対応するロック情報を、値FALSEに変更した後(S570)、課金指示信号に示された課金対象金額分の印刷を複合機30に許可するための印刷許可情報を、送信対象データに設定して(S580)、S610に移行する。
【0078】
一方、S540で決済が不可能であると判断すると、制御部11は、S590に移行して、エラー情報を、送信対象データに設定した後、課金情報記憶部13bが記憶する上記利用者IDに対応するロック情報を、値FALSEに変更し(S600)、その後、S610に移行する。
【0079】
S610に移行すると、制御部11は、S580又はS600で設定した送信対象データを格納した課金指示信号に対する応答信号を、サービス起動指令送信元の複合機30に送信する。その後、当該課金情報更新処理を終了する。
【0080】
以上、機能サーバ10の構成及び動作について説明したが、次に、複合機30の構成及び動作を、図1及び、図7以降の図面を用いて、説明する。
図1に示すように、本実施例の複合機30は、制御部31、操作部32、読取部33、記録部34、通信部35、記憶部36、音入力部37、音出力部38、及び、表示部39を備える。制御部31は、図示しない周知のCPU、ROM、RAM等を備え、複合機30を構成する各部を統括制御する。尚、ROMには、後述する各種処理をCPUに実行させるためのプログラム(例えば、図7に示すデータ受信処理を実行させるためのプログラム等)が記憶され、RAMには、図9に示す受信管理情報や、選択情報が記憶される。
【0081】
操作部32は、上下左右のカーソルキーを含む利用者が操作可能な複数のキーを備え(図示せず)、これらのキーを介して、利用者の操作情報を取得し、この操作情報(指示情報等)を制御部31に入力する。また、読取部(スキャナ)33は、原稿に記録(例えば印刷)された画像を読み取り、この画像を表す画像データを生成するためのものである。その他、記録部(プリンタ)34は、印刷データに基づく画像を、シート状記録媒体に形成(印刷)する構成にされ、通信部35は、ネットワークNTを介して、機能サーバ10等とデータを送受信するための電気的な処理を行う。
【0082】
また、記憶部36は、不揮発性RAM等からなり、この不揮発性RAMに各種設定情報等を記憶する構成にされている。その他、音入力部37は、複合機30が備える図示しないハンドセットに設けられたマイクから集音し、その音を表す音データ(PCMデータ)を生成し、音出力部38は、音データ(PCMデータ)に基づく音声を、ハンドセットに設けられたスピーカ、又は、複合機30本体に設けられた図示しないスピーカから出力する構成にされている。また、表示部39は、液晶ディスプレイ等からなり、このディスプレイを介して、利用者に対する情報の表示を行う構成にされている。
【0083】
図7は、制御部31が実行するデータ受信処理を表すフローチャートである。
複合機30の制御部31は、利用者の操作により、操作部32からサービスの起動を指示する情報が入力されるか、内蔵のタイマーにより、サービスの起動を指示する情報が入力されると、当該データ受信処理を実行し、まずS710にて、ネットワークNTを介し、機能サーバ10に対してサービス起動指令を送信すると共に、上記サービスの起動を指示する情報と共に操作部32から入力された利用者ID、又は、予め複合機30に登録された利用者IDを、機能サーバ10に向けて送信する。
【0084】
その後、制御部31は、S720に移行し、機能サーバ10からの応答信号を受信する。尚、ここでいう応答信号とは、S330で、機能サーバ10から送信されるエラー通知を表す信号、又は、S340で、機能サーバ10から送信されるセッションIDを表す信号のことである。
【0085】
応答信号を受信すると、制御部31は、機能サーバ10側で、エラーが発生しているか否か判断し(S730)、応答信号がエラー通知を表す信号である場合には、エラーが発生していると判断して(S730でYes)、表示部39にエラーメッセージを表示させた後(S740)、S880に移行する。
【0086】
一方、応答信号がエラー通知を表す信号ではない場合には、S730でNoと判断して、表示部39に、サービス提供にかかる案内画面(初期画面)を表示させる(S750)。尚、図8は、表示部39に表示される案内画面の構成を表す説明図である。
【0087】
図8に示すように、案内画面は、複合機30の通信ステータスを表すステータス表示欄と、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額を表す合計金額表示欄と、機能サーバ10から受信した印刷データのうち、提供ファイルの生成日時が最も新しい印刷データについての上記提供ファイルの生成日時を表す生成日時表示欄と、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データであって、利用者等により選択された範囲の印刷データを印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額を表す選択金額表示欄と、からなる。
【0088】
S750の実行時には、合計金額表示欄に表示する情報、生成日時表示欄に表示する情報、選択画面表示欄に表示する情報が収集できていないので、初期画面において、上記各表示欄は、空情報にされる。
【0089】
S750での処理を終えると、制御部31は、図11に示す出力操作処理を実行する出力操作処理タスクを起動すると共に(S760)、受信番号を表すパラメータの値を「1」に設定して(S770)、S780に移行する。尚、受信番号は、機能サーバ10から受信した印刷データ等を管理するための番号であり、後述する受信管理情報(図9(a)参照)の編集の際などに用いられる。
【0090】
S780に処理を移行すると、制御部31は、S420で機能サーバ10から送信される一単位分の送信データを受信し、その後S790に移行する。尚、上述したように送信データは、1ページ分の印刷データ、及び、その付属情報、及び、その印刷データに基づく画像を印刷出力した際に課される金額を表す課金予定情報、及び、最終フラグ、からなる。また、S780では、所定期間、機能サーバ10から上記送信データを受信することができなかった場合、受信を完了することなくS790に移行する。
【0091】
S790に処理を移行すると、制御部31は、上記送信データの受信過程で、エラーが生じたか否かを判断する。具体的に、機能サーバ10から上記送信データを受信することができなかった場合、エラーが生じていると判断し、機能サーバ10から正常に上記送信データを受信することができている場合には、エラーが生じていないと判断する。
【0092】
そして、エラーが生じていると判断すると、S800に移行し、表示部39にエラーメッセージを表示させる。その後、S880に移行する。また、エラーが生じていないと判断すると、S810に移行して、印刷データを、制御部31のRAMに保存すると共に、制御部31のRAMが記憶する受信管理情報に、当該印刷データについての受信単位情報を、登録する。
【0093】
尚、図9(a)は、複合機30が記憶する受信管理情報の構成を表す説明図である。受信管理情報は、受信番号と、受信した印刷データの名称を表す情報と、その印刷データと共に受信した付属情報と、課金予定情報と、からなる。
【0094】
即ち、S810において、制御部31は、S770で設定された受信番号を表すパラメータの値(初回)又は後述するS850で更新された上記パラメータの値(二回目以降)と、受信した印刷データの名称を表す情報と、その印刷データと共に受信した付属情報と、課金予定情報と、を用いて上記受信単位情報を生成し、これを制御部31が備えるRAMに登録して、受信管理情報を更新する。尚、受信管理情報は、初回の受信単位情報の登録時に生成される。
【0095】
また、S810の処理を終えると、制御部31は、S820に移行して、合計金額算出処理を実行し、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額(合計金額)を、算出する。
【0096】
図10は、制御部31が実行する合計金額算出処理を表すフローチャートである。合計金額算出処理を実行すると、制御部31は、まずS1010にて、合計金額を表すパラメータの値をゼロに初期化し、その後、S1020にて、受信管理情報を構成する受信単位情報の中で、最小の受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。そして、検索が完了すると、S1030でYesと判断し、S1040に移行して、検索された受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、合計金額を表すパラメータの値に加算する。
【0097】
S1040での処理を終えると、制御部31は、S1050に移行し、直前に検索した受信単位情報の受信番号(S1020での処理実行後、初回のS1050では、S1020で検索した受信単位情報の受信番号であり、二回目以降のS1050では、前回のS1050で検索した受信単位情報の受信番号)の次に大きい受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。
【0098】
そして、直前に検索した受信単位情報の受信番号の次に大きい受信番号が付された受信単位情報が、受信管理情報の中に存在すると、S1030でYesと判断して、その受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、合計金額を表すパラメータの値に加算する(S1040)。一方、直前に検索した受信番号の次に大きい受信番号が付された受信単位情報が、受信管理情報の中に存在しない場合には、S1030でNoと判断して、当該合計金額算出処理を終了する。
【0099】
以上の処理により、合計金額算出処理では、受信管理情報を構成する各受信単位情報の課金予定情報が示す金額の合計が、算出される。尚、詳しくは後述するが、受信管理情報には、印刷出力されていない印刷データについての受信単位情報しか登録されていないため、本実施例では、受信管理情報を構成する各受信単位情報の課金予定情報が示す金額の合計を、算出することで、機能サーバ10から受信した印刷出力前の印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額(合計金額)を、算出する。
【0100】
この合計金額算出処理を終了すると、制御部31は、S830に移行して、合計金額表示欄を更新し、表示部39に、上記算出した合計金額(合計金額を表すパラメータの値)を、表示させる。また、この際、制御部31は、生成日時表示欄も更新して、機能サーバ10から受信した印刷データのうち、提供ファイルの生成日時が最も新しい印刷データについての上記提供ファイルの生成日時を、表示部39に表示させる。
【0101】
S830での処理を終えると、制御部31は、S760にて起動した出力操作処理タスクに、上記算出した合計金額を通知し(S840)、その後、受信番号を表すパラメータの値を1加算する(S850)。
【0102】
また、S850での処理を終えると、制御部31は、S860に移行し、出力操作処理タスクから、タスク終了指示が入力されているか否か判断し、入力されていると判断すると(S860でYes)、S880に移行し、入力されていないと判断すると(S860でNo)、S870に移行して、S810で印刷データと共に受信した最終フラグの値が、フラグONを示す値であるか否かを判断する。
【0103】
そして、最終フラグの値が、フラグONを示す値でないと判断すると(S870でNo)、S780に移行して、引き続き機能サーバ10から送信されてくる次のデータ(印刷データ、付属情報、課金予定情報、最終フラグ)を受信し、そのデータに基づいて、受信管理情報に、更新後の受信番号を付した新たな受信単位情報を登録すると共に(S810)、合計金額を算出して(S820)、合計金額表示欄を更新する(S830)。また、S840の処理後、受信番号を表すパラメータの値を1加算して更新する(S850)。
【0104】
制御部31は、このような処理(S780からS850までの処理)を、エラー若しくは出力操作処理タスクからのタスク終了指示が生じない限り、最終フラグがONになるまで、繰返し実行する。そして、最終フラグの値が、フラグONを示す値であると判断すると(S870でYes)、S860に移行して、出力操作処理タスクからタスク終了指示が入力されるまで待機する。そして、タスク終了指示が入力されると(S860でYes)、S880に移行し、機能サーバ10に向けて、受信完了通知を送信する。
【0105】
尚、最終フラグがONではないのに、出力操作処理タスクからタスク終了指示が入力されて、受信完了通知が送信された場合、この受信完了通知は、機能サーバ10に対して印刷データの送信動作の停止を指示する指令信号として機能する。即ち、機能サーバ10は、この受信完了通知を受信すると、上述したように、S450でYesと判断して、サービス提供処理を終了し、印刷データ等の送信によるサービスの提供を終了する。
【0106】
S880での処理を終えると、制御部31は、出力操作処理タスクにタスク終了指示を入力し(S890)、その後、制御部31のRAMが記憶する受信管理情報及び印刷データを消去して(S900)、当該データ受信処理を終了する。
【0107】
次に、制御部31が実行する出力操作処理について説明する。図11は、制御部31が実行する出力操作処理を表すフローチャートである。
出力操作処理を実行すると、制御部31は、まずS1110にて、選択情報を記憶するための選択情報記憶領域を、制御部31が備えるRAMに確保すると共に、選択先端番号を表すパラメータの値を「1」に設定すると共に、選択終端番号を表すパラメータの値を「1」に設定する。尚、図9(b)は、選択情報の構成を表す説明図である。選択情報は、選択先端番号を表すパラメータの値と、選択終端番号を表すパラメータの値と、選択金額表示欄に表示される選択金額を表すパラメータの値と、からなる。
【0108】
S1110の処理を終えると、制御部31は、S1120に移行し、連動フラグをONにする。尚、連動フラグは、印刷出力対象とする範囲を、最後に受信した印刷データまでの範囲に自動的に設定するか否かを表すフラグである。連動フラグがONである場合には、印刷出力対象とする範囲が、当該複合機30が最後に受信した印刷データまでの範囲に自動的に設定される。
【0109】
S1120での処理を終えると、制御部31は、S1130に移行し、S840での処理により、上記データ受信処理タスクから、合計金額が通知されたか否か判断し、合計金額が通知されたと判断すると(S1130でYes)、連動フラグがONであるか否かを判断し(S1131)、連動フラグがONではない場合には、S1130に移行する。一方、連動フラグがONであると判断すると(S1131でYes)、選択終端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値に設定する(S1133)。
【0110】
S1133での処理を終えると、制御部31は、選択金額を表すパラメータの値を、合計金額算出処理により算出された最新の合計金額に設定した後(S1135)、S1137に移行して、選択金額表示欄を更新し、表示部39に、S1135で設定した選択金額を表すパラメータの値を、表示させる。その後S1130に移行する。
【0111】
また、データ受信処理タスクから、合計金額が通知されていないと判断すると、制御部31は、S1140に移行し、操作部32を通じて、利用者から印刷指示が入力されたか否かを判断する。そして、印刷指示が入力されたと判断すると、S1141に移行して、連動フラグをOFFに設定した後、図13に示す印刷処理を実行する印刷処理タスクを起動し(S1143)、その後、S1130に移行する。尚、この印刷処理タスクが動作している期間は、操作部32から入力される一部の操作を無効にすべく、S1140及びS1160並びにS1170ではNoと判断する。
【0112】
また、S1140で、印刷指示が入力されていないと判断すると、制御部31は、S1150に移行して、利用者から操作部32を通じて受信停止指示が入力されているか否かを判断し、受信停止指示が入力されていると判断すると、S1151に移行して、データ受信処理タスクにタスク終了指示を入力する。この入力を受けて、データ受信処理タスクは、S860でYesと判断する。
【0113】
また、S1151での処理を終えると、制御部31は、S1130に移行する。その他、S1150にて、受信停止指示が入力されていないと判断すると、制御部31は、S1160に移行し、利用者により操作部32の上カーソルキーが操作されたか否かを判断する。
【0114】
そして、上カーソルキーが操作されたと判断すると、制御部31は、S1161に移行し、選択終端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値と一致するか否か判断する。そして、一致すると判断すると、スピーカに拒否音を出力させ(S1195)、その後S1130に移行する。
【0115】
これに対し、S1161にて、選択終端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値と一致しないと判断すると、制御部31は、S1163に移行し、選択終端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号のうち、選択終端番号を表すパラメータの現在値より大きい受信番号であって、上記パラメータの現在値に最も近い受信番号に、変更する。その後、S1175に移行する。
【0116】
その他、S1160にて、利用者により上カーソルキーが操作されていないと判断すると、制御部31は、S1170に移行し、利用者により操作部32の下カーソルキーが操作されたか否かを判断する。そして、下カーソルキーが操作されたと判断すると、S1171に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値と一致するか否かを判断する。そして、一致すると判断すると、スピーカに拒否音を出力させ(S1195)、その後S1130に移行する。
【0117】
一方、S1171にて、選択先端番号を表すパラメータの値が、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値と一致しないと判断すると、制御部31は、S1173に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号のうち、選択先端番号を表すパラメータの現在値よりも小さい受信番号であって、受信パラメータの現在値に最も近い受信番号に、変更する。
【0118】
また、S1173の処理を終えると、制御部31は、S1175に移行し、選択金額算出処理を実行して、選択金額を表すパラメータの値を、選択先端番号を表すパラメータの値から選択終端番号を表すパラメータの値までの受信番号が付された受信単位情報に関連付けられた印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額に、変更する。
【0119】
図12は、制御部31が実行する選択金額算出処理を表すフローチャートである。選択金額算出処理を実行すると、制御部31は、まずS1210にて、選択金額を表すパラメータの値をゼロに初期化し、その後、S1220にて、選択先端番号を表すパラメータの値に一致する受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。そして、検索が完了すると、S1230に移行して、検索された受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、選択金額を表すパラメータの値に加算する。
【0120】
S1230での処理を終えると、制御部31は、S1240に移行し、直前に検索した受信単位情報の受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致するか否かを判断する。そして、一致しないと判断すると、S1250に移行し、直前に検索した受信単位情報の受信番号(S1220での処理実行後、初回のS1250では、S1220で検索した受信単位情報の受信番号であり、二回目以降のS1250では、前回のS1250で検索した受信単位情報の受信番号)の次に大きい受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。
【0121】
S1250での処理を終えると、制御部31は、S1230に移行し、直前のS1250にて検索した受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額を、選択金額を表すパラメータの値に加算する。そして、S1240に移行する。
【0122】
また、S1240で、直前に検索した受信単位情報の受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致すると判断すると、制御部31は、当該選択金額算出処理を終了する。以上の処理により、選択金額算出処理では、選択先端番号を表すパラメータの値から選択終端番号を表すパラメータの値までの受信番号が付された受信単位情報に関連付けられた印刷データを仮に全て印刷出力した場合に、利用者に課せられる金額を算出して、これを選択金額に設定する。
【0123】
この選択金額算出処理を終えると、制御部31は、S1177に移行して、選択金額表示欄を更新し、表示部39に、S1175で求めた選択金額(選択金額を表すパラメータの値)を、表示させる(S1177)。また、S1177での処理を終えると、制御部31は、連動フラグをOFFに設定し(S1179)、その後、S1130に移行する。
【0124】
その他、S1170にて、利用者により下カーソルキーが操作されていないと判断すると、制御部31は、S1180に移行し、データ受信処理タスクが実行するS890での処理により、データ受信処理タスクからタスク終了指示が入力されているか否か判断し、タスク終了指示が入力されていると判断すると、当該出力操作処理を終了する。一方、タスク終了指示が入力されていないと判断すると、S1190に移行して、利用者により操作部32に対し、不明な操作がなされているか否か判断する。尚、ここでいう不明な操作とは、印刷指示に対応する操作、受信停止指示に対応する操作、上カーソルキーの操作、及び、下カーソルキーの操作、以外の操作のことである。
【0125】
そして、不明な操作がなされていると判断すると、制御部31は、スピーカに拒否音を出力させ(S1195)、その後S1130に移行する。また、利用者により操作部32が操作されておらず、又、合計金額の通知及びタスク終了指示のいずれもデータ受信処理タスクから入力されていない場合には、S1190でNoと判断して、S1130に移行する。
【0126】
次に、制御部31が実行する印刷処理について説明する。図13は、制御部31が実行する印刷処理を表すフローチャートである。尚、この印刷処理タスク及びデータ受信処理タスク及び出力操作処理タスクは、制御部31上で、並列に動作する。
【0127】
制御部31は、印刷処理を実行すると、まずS1310で、課金対象金額を表す情報として、選択金額を表すパラメータの値を格納した課金指示信号を生成し、これをネットワークNTを通じて、機能サーバ10に送信する。
【0128】
S1310での処理を終えると、制御部31は、機能サーバ10から応答信号を受信するまで待機し(S1315)、応答信号を受信すると(S1315でYes)、その応答信号が、印刷許可情報が格納された応答信号(印刷許可信号)である否かを判断する(S1320)。尚、S1320では、機能サーバ10から、エラー情報が格納された応答信号を受信した場合に、Noと判断し、機能サーバ10から、印刷許可情報が格納された応答信号(印刷許可信号)を受信した場合に、Yesと判断する。
【0129】
S1320でNoと判断すると、制御部31は、S1330に移行して、表示部39に、一定時間、上記案内画面(図8参照)に代えて、エラーメッセージが記されたエラー画面を表示させた後、当該印刷処理を終了する。
【0130】
一方、S1320でYesと判断すると、制御部31は、S1340に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値に一致する受信番号が付された受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。また、S1340での処理を終えると、S1340で検索した受信単位情報に関連付けられた印刷データを、記録部34に入力して、記録部34に上記印刷データに基づく画像を、出力させる(S1350)。これにより、記録部34は、上記印刷データに基づく画像を、シート状記録媒体に形成して、出力する。
【0131】
S1350での処理を終えると、制御部31は、印刷出力された印刷データを、RAMから削除すると共に、その印刷データに関連付けられた受信単位情報を、受信管理情報から削除する(S1360)。また、S1360での処理を終えると、制御部31は、直前に検索した受信単位情報(直前に印刷出力の対象となった印刷データに対応する受信単位情報)に付された受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致するか否かを判断する(S1370)。
【0132】
そして、一致しないと判断すると(S1370でNo)、S1380に移行し、直前に検索した受信単位情報(直前に印刷出力の対象となった印刷データに対応する受信単位情報)に付された受信番号の次の大きい受信番号の受信単位情報を、受信管理情報の中から検索する。その後、S1350にて、検索した受信単位情報に関連付けられた印刷データに基づく画像を、記録部34に出力(形成)させ、S1360にて、その印刷データを、制御部31が有するRAMから消去すると共に、その印刷データに対応する受信単位情報を、受信管理情報から削除する。その後、S1370に移行する。
【0133】
S1370で、直前に検索した受信単位情報(直前に印刷出力の対象となった印刷データに対応する受信単位情報)に付された受信番号が、選択終端番号を表すパラメータの値に一致すると判断すると、制御部31は、S1390に移行し、受信管理情報に一つ以上の受信単位情報が登録されているか否か判断し、受信単位情報が登録されていない(即ち受信単位情報が一つもない)と判断すると、S1400に移行して、データ受信処理タスクが、機能サーバ10から送信される最終データ(最後の印刷データ)を受信しているか否かを判断する。
【0134】
そして、最終データを受信していると判断すると(S1400でYes)、データ受信処理タスクに、タスク終了指示を入力して(S1410)、当該印刷処理を終了する。一方、最終データを受信していないと判断すると(S1400でNo)、制御部31は、S1420に移行し、データ受信処理タスクから出力操作処理タスクへタスク終了指示が入力されているか否か判断し、入力されていると判断すると、当該印刷処理を終了し、入力されていないと判断すると(S1420でNo)、S1390に移行して、新たな受信単位情報が登録されるまで待機する。
【0135】
また、制御部31は、S1390で、受信管理情報に一つ以上の受信単位情報が登録されていると判断すると、S1430に移行し、選択先端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値に設定すると共に、選択終端番号を表すパラメータの値を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最小値に設定する。
【0136】
その後、制御部31は、図12に示す選択金額算出処理を実行して(S1440)、選択金額表示欄を更新すると共に(S1450)、図10に示す合計金額算出処理を実行して(S1460)、合計金額表示欄を更新する(S1470)。その後、当該印刷処理を終了する。
【0137】
以上、複合機30の構成及び動作について説明したが、本実施例の通信システム1によれば、複合機30から機能サーバ10に対してサービス起動指令が入力されると、機能サーバ10が、サービス起動指令送信元の複合機30の利用者に対応する送信管理情報に登録された提供ファイルであって、予めページ単位毎に用意された提供ファイルの一群を、順次、複合機30が画像形成(印刷出力)可能な印刷データに変換し(S390)、これを、サービス起動指令送信元の複合機30に送信する(S420)。
【0138】
一方、複合機30は、機能サーバ10から上記ページ単位毎の印刷データを、通信部35を介して受信すると(S780)、各印刷データに対して、受信順に、受信番号を割り当て、各印刷データを、制御部31が備えるRAMに記憶させる(S810)。また、印刷データと共に機能サーバ10から受信した課金予定情報を格納した受信単位情報を生成して記憶し、各受信単位情報を構成する課金予定情報が示す金額の合計を、印刷データを受信する度、又は印刷出力を実行する度に算出して、合計金額表示欄に表示する(S820,S830,S1460,S1470)。これにより、複合機30は、合計金額表示欄に、機能サーバ10から受信し記憶した印刷データであって、印刷出力されていない印刷データを、仮に全て印刷出力した場合に、機能サーバ10にて課金処理される金額を表示する。
【0139】
また、本実施例の複合機30は、操作部32から入力される利用者の操作情報に従って、印刷出力範囲を、ページ単位(印刷データ単位)で変更する構成にされている。具体的に、複合機30は、印刷を開始する先頭ページの印刷データを判別するための情報として、選択先端番号をRAMに記憶すると共に、印刷を終了する最終ページの印刷データを判別するための情報として、選択終端番号をRAMに記憶する構成にされており、上下カーソルキーが操作される度に、選択先端番号及び選択終端番号を更新する(S1163,S1173)。
【0140】
従って、利用者は、合計金額表示欄を見ながら、操作部32の上カーソルキー又は下カーソルキーを操作して、印刷を開始する先頭ページを指定し、又、印刷を終了する最終ページを指定することができる。また、本実施例では、この上下カーソルキーの操作情報(選択先端番号及び選択終端番号の指定情報)が、利用者が課金を許可する金額を表す情報としても機能する。
【0141】
本実施例の複合機30は、選択先端番号及び選択終端番号の更新の際に、機能サーバ10から受信した印刷出力されていない印刷データであって、選択先端番号から選択終端番号までの受信番号が割り当てられた印刷データについての課金予定情報が示す金額の合計を算出して、選択金額を表すパラメータの値を更新し(S1175)、この選択金額を選択金額表示欄に表示する(S1177)。従って、利用者は、選択金額表示欄の情報を見ながら、上下カーソルキーを操作することにより、間接的に、課金を許可する金額を指定することができるのである。よって、利用者は、印刷出力の度に、自身が必要な所定金額分の画像のみを、複合機30に印刷出力させることができ、不要な課金が自身に対してされないようにすることができる。
【0142】
尚、上記実施例では、複合機30を、上下カーソルキーの操作により、課金を許可する金額を入力することができる構成としたが、操作部32のテンキー等を通じて、金額を直接指定することができるように、複合機30を構成してもよい。
【0143】
また、本実施例の複合機30は、操作部32を通じて印刷指示が入力されると(S1140でYes)、印刷指示に従う印刷出力の前に、S1310にて、印刷出力対象の印刷データについての課金対象金額(課金されるべき金額)を格納した課金指示信号を送信する。尚、この際、課金対象金額には、上記選択金額を表すパラメータの値が設定される。
【0144】
また、本実施例の機能サーバ10は、複合機30が、印刷出力の直前にS1310にて送信する印刷出力対象の印刷データについての課金対象金額を格納した課金指示信号を受信すると(S430でYes)、この課金対象金額分を、未決済金額情報が示す値に加算して、未決済金額情報を更新することにより、複合機30の印刷出力量に応じた課金処理を実行する(S510〜S560)。そして、課金処理が正常に行われた際(S540でYesと判断してS550以降の処理を実行した際)には、印刷許可信号を、サービス起動指令送信元の複合機30に送信して(S580,S610)、複合機30に対し課金対象金額分の印刷出力を許可する。
【0145】
また、複合機30は、上記課金指示信号を送信した後、応答信号を受信するまで待機し(S1315)、応答信号を受信するまでは、S1340以降の処理を実行せず、応答信号として印刷許可信号を受信すると(S1320でYes)、S1340以降の処理を実行して、印刷指示に従う印刷出力を行う(S1350〜S1380)。また、応答信号を受信しても、応答信号がエラー情報を表す信号である場合には、S1340以降の処理を実行せず、印刷指示に従う印刷出力をキャンセルする。
【0146】
また、印刷出力の際には、操作部32を通じて利用者から指定された選択先端番号から選択終端番号までの受信番号が割り当てられた印刷データを、機能サーバ10からの受信順(受信番号の若い順)に処理して、選択金額分の印刷出力を実行する。そして、選択金額分の印刷出力を実行すると、S1370でYesと判断して、印刷出力を終了する。
【0147】
即ち、本実施例では、複合機30が印刷出力するか否かを監視して、課金処理するので、印刷出力が実行されると見なして課金処理するよりも、利用者にとって不満のない課金処理を行うことができる。従って、本実施例によれば、利用者は、安心して、機能サーバ10により提供される有料の情報提供サービスを利用することができる。また、上記手法によれば、情報提供サービスの事業者は、当該サービスの不正利用を防止して、料金徴収を確実に行うことができる。
【0148】
また、本実施例の複合機30は、上下カーソルキーの操作がない状態において、選択先端番号を「1」に保持し、選択終端番号を、受信管理情報を構成する受信単位情報に付された受信番号の最大値(即ち、最も最近受信した印刷データに割り当てた受信番号)に保持し(S1133)、課金指示信号に課金対象金額の情報として格納される選択金額を表すパラメータの値を、合計金額に設定するので、利用者は、上下カーソルキーを操作しなくとも、合計金額表示欄に表示される金額が、自身が望む金額となった時点で、操作部32を通じて印刷指示を入力すれば、その印刷指示の入力時点で、合計金額表示欄に表示されていた金額分の印刷出力のみを、複合機30に実行させることができる。
【0149】
また、本実施例の複合機30は、データ受信処理タスクが機能サーバ10から、一連の印刷データを受信している途中であっても、印刷指示が操作部32から入力されれば、一連の印刷データの受信完了を待つことなく、印刷出力を実行する。従って、本実施例によれば、機能サーバ10から提供される印刷データに基づく画像を、利用者に迅速に提供することができる。
【0150】
また、本実施例では、データ受信処理タスクが機能サーバ10から、一連の印刷データを受信している途中であっても、操作部32を通じて受信停止指示を入力すれば、複合機30が、機能サーバ10に対して、受信完了通知を入力して(S880)、機能サーバ10に対し、印刷データの送信停止を指示するので、機能サーバ10による上記一連の印刷データの送信動作を停止することができる。
【0151】
尚、本発明の画像形成システムは、画像形成装置としての複合機30と、サーバ装置としての機能サーバ10と、からなる通信システム1に相当し、画像データ送信手段は、機能サーバ10が実行するS420の処理にて実現され、課金処理手段は、S510〜S560の処理にて実現され、出力許可信号送信手段は、S580,S610の処理にて実現されている。
【0152】
また、画像データ受信手段は、複合機30が実行するS780〜S810の処理にて実現され、画像出力手段は、記録部34及び印刷処理タスクにより実現されている。その他、金額情報表示手段は、表示部39及び複合機30が実行するS820,S830,S1460,S1470の処理等によって実現され、出力制御手段は、印刷処理タスクにおいてS1370でYesと判断して、印刷出力を停止する動作、S1150,S1151,S880の処理にて機能サーバ10の送信動作を停止する動作(送信停止制御手段に相当)等によって実現されている。
【0153】
また、課金指示信号送信手段は、複合機30が実行するS1310の処理にて実現され、課金許可金額情報記憶手段は、制御部31のRAMと、S1160〜S1175の処理とにより実現されている。
【0154】
また、本発明の画像形成装置及び画像形成システムは、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、ページ単位毎に、料金を設定して、印刷データ及び課金予定情報を、ページ単位毎に、機能サーバ10から複合機30へ送信するようにしたが、ページ単位に代えて、その他の単位にて、印刷データ及び課金予定情報を送信するようにしてもよい。
【0155】
また、ページ単位の料金を、一律に設定する場合には、課金予定情報を送信しなくてもよく、例えば、予め複合機30にページ単位の料金を登録しておき、この登録情報に基づき、上記合計金額のパラメータの値、及び選択金額のパラメータの値を更新するように、複合機30を構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明が適用された通信システム1の構成を表すブロック図である。
【図2】機能サーバ10が有する課金情報記憶部13bの構成を表す説明図である。
【図3】セッション管理情報記憶部13cの構成を表す説明図(a)及び送信管理情報記憶部13dの構成を表す説明図(b)である。
【図4】制御部11が実行する送信管理情報更新処理を表すフローチャートである。
【図5】制御部11が実行するサービス提供処理を表すフローチャートである。
【図6】制御部11が実行する課金情報更新処理を表すフローチャートである。
【図7】制御部31が実行するデータ受信処理を表すフローチャートである。
【図8】表示部39に表示される案内画面の構成を表す説明図である。
【図9】複合機30が記憶する受信管理情報(a)及び選択情報(b)の構成を表す説明図である。
【図10】制御部31が実行する合計金額算出処理を表すフローチャートである。
【図11】制御部31が実行する出力操作処理を表すフローチャートである。
【図12】制御部31が実行する選択金額算出処理を表すフローチャートである。
【図13】制御部31が実行する印刷処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0157】
1…通信システム、10…機能サーバ、11…制御部、12…通信部、13…記憶部、13a…サービスプログラム記憶部、13b…課金情報記憶部、13c…セッション管理情報記憶部、13d…送信管理情報記憶部、13e…提供ファイル記憶部、30…複合機、31…制御部、32…操作部、33…読取部、34…記録部、35…通信部、36…記憶部、37…音入力部、38…音出力部、39…表示部、NT…ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを、画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、
前記画像形成装置が前記画像データ送信手段により送信された画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行う課金処理手段と、
を備えるサーバ装置、
と通信可能な画像形成装置であって、
前記サーバ装置から送信される画像データを、受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、出力する画像出力手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を前記画像出力手段が出力した場合に、前記サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する金額情報表示手段と、
利用者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段から入力される指示に従って、前記画像出力手段による画像の出力量を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、画像出力を実行する際に、その画像出力に対する課金処理を前記サーバ装置に実行させるための課金指示信号を、前記サーバ装置に送信する課金指示信号送信手段、を備え、
前記課金処理手段は、前記画像形成装置から送信される課金指示信号を受信した時に、その課金指示信号に基づく課金処理を実行することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記サーバ装置は、更に、
前記課金処理が正常に完了した時に、前記画像出力手段による画像出力を許可するための出力許可信号を、前記課金指示信号送信元の画像形成装置に向けて送信する出力許可信号送信手段、を備え、
前記画像出力手段は、前記サーバ装置から前記出力許可信号を受信するまでは、前記画像出力を実行しないことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データ送信手段は、送信対象の画像データを、所定単位毎に、前記画像形成装置に送信すると共に、前記送信対象の画像データに基づく画像を出力した場合に、課される金額を表す課金予定情報を、前記画像データの単位毎に、前記画像形成装置に向けて送信する構成にされ、
前記画像データ受信手段は、前記単位毎の画像データと共に、前記単位毎の画像データの課金予定情報を、前記サーバ装置から受信する構成にされ、
前記金額情報表示手段は、前記画像データ受信手段が前記単位毎の画像データと共に、前記サーバ装置から受信した前記単位毎の画像データの各課金予定情報が示す金額の合計を、前記予定金額情報として表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像出力手段は、画像データに基づく画像を、印刷出力する構成にされ、
前記画像データ送信手段は、送信対象の画像データを、ページ単位毎に、画像形成装置に向けて送信する構成にされていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データ受信手段は、前記サーバ装置から受信した画像データを、記憶手段に記憶させる構成にされ、
前記画像出力手段は、前記操作手段から出力開始指示が入力されると、前記記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を、前記画像データ受信手段の受信順に、出力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像出力手段及び前記画像データ受信手段は、並列動作可能に構成されていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記出力制御手段は、前記操作手段から出力開始指示が入力されると、前記画像出力手段に、前記出力開始指示の入力時点で前記金額情報表示手段が表示していた前記予定金額情報が示す金額分の画像出力を実行させ、前記予定金額情報が示す金額分の画像出力を、前記画像出力手段が実行した時点で、前記画像出力手段による画像出力を停止して、前記出力量を制御することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記操作手段から、課金を許可する金額を表す課金許可金額情報が入力されると、この課金許可金額情報を記憶する課金許可金額情報記憶手段、を備え、
前記出力制御手段は、前記操作手段から出力開始指示が入力されると、前記画像出力手段に、前記課金許可金額情報記憶手段が記憶する課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を実行させ、前記課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を、前記画像出力手段が実行した時点で、前記画像出力手段による画像出力を停止して、前記出力量を制御することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記金額情報表示手段は、前記予定金額情報として、前記画像データ受信手段が受信した画像データであって前記画像出力手段により画像出力されていない画像データについて、その画像データに基づく画像を、前記画像出力手段が出力した場合に、前記サーバ装置にて課金処理される金額を表す情報を、表示することを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記出力制御手段は、前記操作手段から入力される指示に従って、前記サーバ装置に対して、画像データの送信停止を指示し、前記サーバ装置による当該画像形成装置への画像データの送信動作を、停止する送信停止制御手段、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
外部から入力された画像データに基づく画像を出力する画像形成装置と、
サーバ装置と、
からなる画像形成システムであって、
前記サーバ装置は、
画像データを、前記画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、
前記画像形成装置が前記画像データ送信手段により送信された画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行う課金処理手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記サーバ装置から送信される画像データを、受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、出力する画像出力手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を前記画像出力手段が出力した場合に、前記サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する金額情報表示手段と、
利用者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段から入力される指示に従って、前記画像出力手段による画像の出力量を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
画像データを、画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、
前記画像形成装置が前記画像データ送信手段により送信された画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行う課金処理手段と、
を備えるサーバ装置、
と通信可能な画像形成装置であって、
前記サーバ装置から送信される画像データを、受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、出力する画像出力手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を前記画像出力手段が出力した場合に、前記サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する金額情報表示手段と、
利用者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段から入力される指示に従って、前記画像出力手段による画像の出力量を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、画像出力を実行する際に、その画像出力に対する課金処理を前記サーバ装置に実行させるための課金指示信号を、前記サーバ装置に送信する課金指示信号送信手段、を備え、
前記課金処理手段は、前記画像形成装置から送信される課金指示信号を受信した時に、その課金指示信号に基づく課金処理を実行することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記サーバ装置は、更に、
前記課金処理が正常に完了した時に、前記画像出力手段による画像出力を許可するための出力許可信号を、前記課金指示信号送信元の画像形成装置に向けて送信する出力許可信号送信手段、を備え、
前記画像出力手段は、前記サーバ装置から前記出力許可信号を受信するまでは、前記画像出力を実行しないことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像データ送信手段は、送信対象の画像データを、所定単位毎に、前記画像形成装置に送信すると共に、前記送信対象の画像データに基づく画像を出力した場合に、課される金額を表す課金予定情報を、前記画像データの単位毎に、前記画像形成装置に向けて送信する構成にされ、
前記画像データ受信手段は、前記単位毎の画像データと共に、前記単位毎の画像データの課金予定情報を、前記サーバ装置から受信する構成にされ、
前記金額情報表示手段は、前記画像データ受信手段が前記単位毎の画像データと共に、前記サーバ装置から受信した前記単位毎の画像データの各課金予定情報が示す金額の合計を、前記予定金額情報として表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像出力手段は、画像データに基づく画像を、印刷出力する構成にされ、
前記画像データ送信手段は、送信対象の画像データを、ページ単位毎に、画像形成装置に向けて送信する構成にされていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像データ受信手段は、前記サーバ装置から受信した画像データを、記憶手段に記憶させる構成にされ、
前記画像出力手段は、前記操作手段から出力開始指示が入力されると、前記記憶手段に記憶された画像データに基づく画像を、前記画像データ受信手段の受信順に、出力することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像出力手段及び前記画像データ受信手段は、並列動作可能に構成されていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記出力制御手段は、前記操作手段から出力開始指示が入力されると、前記画像出力手段に、前記出力開始指示の入力時点で前記金額情報表示手段が表示していた前記予定金額情報が示す金額分の画像出力を実行させ、前記予定金額情報が示す金額分の画像出力を、前記画像出力手段が実行した時点で、前記画像出力手段による画像出力を停止して、前記出力量を制御することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記操作手段から、課金を許可する金額を表す課金許可金額情報が入力されると、この課金許可金額情報を記憶する課金許可金額情報記憶手段、を備え、
前記出力制御手段は、前記操作手段から出力開始指示が入力されると、前記画像出力手段に、前記課金許可金額情報記憶手段が記憶する課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を実行させ、前記課金許可金額情報が示す金額分の画像出力を、前記画像出力手段が実行した時点で、前記画像出力手段による画像出力を停止して、前記出力量を制御することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記金額情報表示手段は、前記予定金額情報として、前記画像データ受信手段が受信した画像データであって前記画像出力手段により画像出力されていない画像データについて、その画像データに基づく画像を、前記画像出力手段が出力した場合に、前記サーバ装置にて課金処理される金額を表す情報を、表示することを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記出力制御手段は、前記操作手段から入力される指示に従って、前記サーバ装置に対して、画像データの送信停止を指示し、前記サーバ装置による当該画像形成装置への画像データの送信動作を、停止する送信停止制御手段、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
外部から入力された画像データに基づく画像を出力する画像形成装置と、
サーバ装置と、
からなる画像形成システムであって、
前記サーバ装置は、
画像データを、前記画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、
前記画像形成装置が前記画像データ送信手段により送信された画像データに基づく画像を出力する際に、その出力量に応じた課金処理を行う課金処理手段と、
を備え、
前記画像形成装置は、
前記サーバ装置から送信される画像データを、受信する画像データ受信手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を、出力する画像出力手段と、
前記画像データ受信手段が受信した画像データに基づく画像を前記画像出力手段が出力した場合に、前記サーバ装置にて課金処理される金額を表す予定金額情報を、表示する金額情報表示手段と、
利用者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段から入力される指示に従って、前記画像出力手段による画像の出力量を制御する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−187878(P2006−187878A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381925(P2004−381925)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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