説明

画像形成装置及び画像形成システム

【課題】不具合が生じるコードマークの形成を効果的に防止しうる構成を提供する。
【解決手段】画像形成装置に相当するカラーレーザプリンタ1は、コンピュータ150から印刷データを取得し、その印刷データにコードマークが含まれているか否かを確認する。コードマークが含まれている場合には、コードマーク形成領域M1内にそのコードマークが収まるか否かを判断し、そのコードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらないと判断された場合、コードマークの編集を行う。そして、その編集に基づいて印刷処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バーコード等のコードマークをプリンタなどの画像形成装置を用いて印刷する技術が提供されている。その一例としては、画像形成装置に接続されるホスト装置にてコードマークのビットイメージを生成し、そのビットイメージを印刷データとして画像形成装置に送信することで画像形成装置によるコードマークの印刷を行う方法が挙げられる。
また、特許文献1では、ホスト装置から画像形成装置に対し所定のコマンドとコードマークに対応したテキストデータとを送信するように構成し、そのコマンド及びテキストデータを基に画像形成装置にてコードマークのビットイメージを生成して印刷を行う技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−293909公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなコードマークは、形成後にバーコードリーダー等の読取装置によって読み取られるように用いられる。しかしながら、画像形成時にその一部が欠落してしまうと、読み取りの際に読み取り不能となったり、或いは誤った情報が読み取られてしまう恐れがある。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、不具合が生じるコードマークの形成を効果的に防止しうる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、画像形成領域内にコードマークが収まるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記コードマークが前記画像形成領域内に収まらないと判断された場合、前記コードマークを編集する編集手段と、前記編集手段による編集に基づく画像形成を行う画像形成手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1でいう「コードマーク」は、読取機器によって読み取り可能に構成されるものであり、バーコード等の一次元コード、QRコード等の二次元コードを含む概念である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記編集手段は、前記判断手段によって前記画像形成領域内に前記コードマークが収まらないと判断された場合、前記コードマークを削除することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記編集手段は、前記判断手段によって前記画像形成領域内に前記コードマークが収まらないと判断された場合、前記コードマークを前記画像形成領域内に収まるように縮小することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記コードマークは、特定位置への画像形成が指定されるものであり、前記判断手段は、前記特定位置において前記コードマークが前記画像形成領域内に収まるか否かを判断しており、前記編集手段は、前記判断手段により、前記特定位置において前記コードマークが前記画像形成領域内に収まらないと判断された場合、前記コードマークを、前記画像形成領域内における前記コードマークを収めうる別位置に移動することを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記編集手段は、前記判断手段によって前記画像形成領域内に前記コードマークが収まらないと判断された場合、前記コードマークをエラーメッセージに置き換える編集を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記編集手段は、前記エラーメッセージが前記画像形成領域内に収まるように前記エラーメッセージのサイズを調整する調整手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項5に記載の画像形成装置において、前記エラーメッセージは複数設けられており、前記編集手段は、前記画像形成領域内に収まるように前記エラーメッセージを選択することを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、画像形成領域内にコードマークが収まるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって前記コードマークが前記画像形成領域内に収まらないと判断された場合には画像形成を行わず、収まると判断された場合に画像形成を行う画像形成手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置において、前記コードマークは、バーコードであり、前記判断手段は、前記バーコードに対して、バーの並び方向の長さを基準サイズの並び方向の長さと同一とし、前記並び方向に対する直交方向の長さを前記基準サイズの直交方向の長さよりも小さく縮小した縮小サイズが、前記画像形成領域内に収まるか否かに基づいて、前記コードマークが前記画像形成領域に収まるか否かを判断することを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の画像形成装置において、前記判断手段は、被記録媒体上における画像形成可能領域から、前記コードマーク以外の画像が形成される領域を除いた領域を前記画像形成領域として扱うことを特徴とする。
【0015】
請求項11の発明は、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の画像形成装置において、外部から指定された識別情報に基づいて前記コードマークの生成を行う生成手段を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項12の発明は、画像形成装置での画像形成に先立ち、画像形成領域内にコードマークが収まるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、コードマークが画像形成領域内に収まらない場合に編集がなされ、その編集に基づく画像形成が行われることとなる。従って、不具合が生じるコードマークがそのまま印刷されてしまうことを効果的に防止できる。
【0018】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、一部が欠損したコードマークが形成されなくなり、誤った情報が読み取られる等の読み取り時の不具合を確実に防止できる。
【0019】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、一部が欠損したコードマークが形成されなくなり、コードマークの読み取り時の不具合を好適に防止できる。
【0020】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、一部が欠損したコードマークが形成されず、特定位置とは異なる別領域を利用してコードマークが形成されることとなるため、コードマークの読み取り時の不具合を好適に防止でき、かつコードマークを再印刷する手間を省略できる。
【0021】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、コードマークの画像形成が正常に行われないことを利用者が把握しやすい構成となる。
【0022】
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、エラーメッセージの解読不能等を防止でき、利用者にエラー情報を正確に伝達できる。
【0023】
<請求項7の発明>
請求項7の発明によれば、エラーメッセージの解読不能等を防止でき、利用者にエラー情報を正確に伝達できる。
【0024】
<請求項8の発明>
請求項8の発明によれば、コードマークが画像形成領域内に収まらない場合に画像形成がなされないため、一部が欠損したコードマークが形成されることに起因するコードマーク読み取り時の不具合を確実に防止でき、かつ無駄な画像形成が行われない構成となる。
【0025】
<請求項9の発明>
バーの並び方向の長さを基準サイズの並び方向の長さと同一とし、並び方向に対する直交方向の長さを基準サイズの直交方向の長さよりも小さく縮小した縮小サイズが画像形成領域内に収まらない場合には、並び方向の一部が画像形成領域からはみ出るため、読み取り時に不具合が生じる蓋然性が極めて高くなる。
請求項9の発明によれば、不具合が生じる蓋然性が高い場合に編集が行われるため極めて効果的である。
【0026】
<請求項10の発明>
請求項10の発明によれば、コードマーク以外の画像との重なりを考慮してコードマークの形成の可否が判断されるため、コードマーク読み取り時の不具合をより確実に防ぐことができる。
【0027】
<請求項11の発明>
請求項11の発明によれば、外部からの識別情報に基づいて画像形成装置内部でコードマークが生成されるため、外部の負荷を効果的に軽減できる構成となる。
【0028】
<請求項12の発明>
請求項12の発明によれば、画像形成装置での画像形成に先立ち、画像形成領域内にコードマークが収まるか否かが判断され、その判断結果が出力される。従って、その出力される判断結果を利用して、不具合が生じるコードマークの形成を効果的に防止できることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
<実施形態1>
1.全体構成
図1は、本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、複数のプロセス部17が水平方向において並列的に配置される、横並びタイプのタンデム方式のカラーレーザプリンタであって、本体ケーシング2内に、被記録媒体たる用紙3を給紙するための給紙部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6を備えている。
【0030】
本体ケーシング2は、上側が開口される側面視略矩形状のボックス形状をなし、その上側にはトップカバー7が設けられている。このトップカバー7は、本体ケーシング2の後側(以下の説明において、図1における左側を後側、右側を前側とする。)に設けられるカバー軸8を介して回動可能に支持されており、本体ケーシング2に対して開閉自在に設けられている。
【0031】
給紙部4は、本体ケーシング2内の底部に設けられる用紙トレイ9と、その用紙トレイ9の前側上方に設けられるピックアップローラ10および給紙ローラ11と、給紙ローラ11の前側上方に設けられる給紙側U字パス12と、給紙側U字パス12の途中に設けられる1対の搬送ローラ13および1対のレジストローラ14とを備えている。
【0032】
用紙トレイ9は、引き出し可能とされるものであり、この用紙トレイ9内には、用紙3がスタックされており、その最上位にある用紙3は、まず、ピックアップローラ10によってピックアップされて、前方に搬送され、次いで、給紙ローラ11によって給紙側U字パス12に給紙される。
給紙側U字パス12は、上流側端部が、下方において給紙ローラ11に隣接し、用紙3が前方に向かって給紙されるように、また、下流側端部が、上方において後述する搬送ベルト38に隣接し、用紙3が後方に向かって排紙されるような、略U字状の用紙3の搬送経路として形成されている。
【0033】
そして、給紙側U字パス12の上流側端部に、前方に向かって給紙された用紙3は、給紙側U字パス12内において、搬送ローラ13により搬送され、搬送方向が反転され、レジストローラ14によるレジスト後に、レジストローラ14によって、後方に向かって排紙される。
【0034】
画像形成部5は、プロセス部17、転写部18および定着部19を備えている。
プロセス部17は、複数色のトナーの各色ごとに設けられている。すなわち、プロセス部17は、イエロープロセス部17Y、マゼンタプロセス部17M、シアンプロセス部17Cおよびブラックプロセス部17Kの4つからなる。これらプロセス部17は、前方から後方に向かって互いに間隔を隔てて、水平方向において重なるように、順次並列して配置されている。
【0035】
各プロセス部17は、各プロセス部17に固定配置されるスキャナユニット20と、各プロセス部17に対して着脱自在に装着されるプロセスカートリッジ21とを備えている。
スキャナユニット20は、レーザ発光部(図示せず)、ポリゴンミラー22、レンズ23、ならびに反射鏡24とを備えている。そして、スキャナユニット20では、レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザ光が、ポリゴンミラー22で反射され、レンズ23を通過し、反射鏡24で反射されて、後述する感光ドラム25に向けて出射される。
【0036】
各プロセスカートリッジ21は、前後方向および上下方向(用紙3の厚さ方向)に対して傾斜する方向、つまり、上方から下方に向かって後側に傾斜する方向(上方が前側に傾斜する方向)に沿って着脱可能に構成され、感光ドラム25、スコロトロン型帯電器26、現像ローラ27および供給ローラ28を備えている。
感光ドラム25は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体29と、このドラム本体29の軸心において、ドラム本体29の軸方向に沿って延びるドラム軸30とを備えている。ドラム本体29は、ドラム軸30に対して回転自在に設けられ、ドラム軸30は、プロセスカートリッジ21のフレームの幅方向(前後方向および上下方向に直交する方向、以下同じ。)両側壁に支持されている。そして、感光ドラム25は、画像形成時において、後述する搬送ベルト38との接触位置(画像形成位置)における搬送ベルト38の移動方向と同方向(図中時計回り)に回転駆動される。
【0037】
スコロトロン型帯電器26は、ワイヤおよびグリッドを備え、コロナ放電を発生させる正帯電型のスコロトロン型帯電器であり、感光ドラム25の後方において、感光ドラム25と接触しないように間隔を隔てて対向配置されている。
現像ローラ27は、感光ドラム25の上方において感光ドラム25と対向配置され、感光ドラム25と圧接されている。この現像ローラ27は、金属製のローラ軸31に、導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ部分32が被覆されている。また、ローラ軸31は、プロセスカートリッジ21の幅方向両側壁に回転自在に支持されている。
【0038】
供給ローラ28は、現像ローラ27の上方において現像ローラ27と対向配置され、現像ローラ27と圧接されている。この供給ローラ28は、金属製のローラ軸33に、導電性のスポンジ部材からなるローラ部分34が被覆されている。また、ローラ軸33は、プロセスカートリッジ21の幅方向両側壁に支持されている。
また、プロセスカートリッジ21内の上側部分は、トナーを収容するトナー収容室35として形成されており、各色ごとのトナーが収容されている。すなわち、トナー収容室35内には、各プロセス部17ごとに、イエロープロセス部17Yにはイエロー、マゼンタプロセス部17Mにはマゼンタ、シアンプロセス部17Cにはシアンおよびブラックプロセス部17Kにはブラックの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが、それぞれ収容されている。
【0039】
そして、各プロセス部17では、画像形成動作時には、各トナー収容室35に収容されている各色ごとのトナーが、供給ローラ28に供給され、この供給ローラ28の回転により現像ローラ27に供給される。このとき、トナーは、供給ローラ28と、現像バイアスが印加されている現像ローラ27との間で正に摩擦帯電される。
一方、スコロトロン型帯電器26が、帯電バイアスの印加により、コロナ放電を発生させて、感光ドラム25の表面を一様に正帯電させている。感光ドラム25の表面は、感光ドラム25の回転に伴なって、スコロトロン型帯電器26により一様に正帯電された後、スキャナユニット20からのレーザ光の高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0040】
さらに感光ドラム25が回転すると、次いで、現像ローラ27の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ27の回転により、感光ドラム25に対向して接触するときに、感光ドラム25の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム25の表面のうち、レーザ光によって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム25の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム25の表面には、各色ごとに、反転現像によるトナー像が担持される。
【0041】
転写部18は、本体ケーシング2内において、給紙部4の上方であって、プロセス部17の下方において前後方向に沿って配置され、駆動ローラ36、従動ローラ37、搬送ベルト38、転写ローラ39、およびベルトクリーニング装置40を備えている。
【0042】
駆動ローラ36は、モータ(図1では図示略)により画像形成時において、感光ドラム25の回転方向と逆方向(図中反時計回り)に回転駆動される。
従動ローラ37は、駆動ローラ36の回転駆動時に、次に述べる搬送ベルト38との接触部分における搬送ベルト38の移動方向と同方向(図中反時計回り)に従動回転する。
【0043】
搬送ベルト38は、環状のベルトからなり、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂によって形成されている。この搬送ベルト38は、駆動ローラ36と従動ローラ37との間に巻回されている。そして、駆動ローラ36の駆動により、従動ローラ37が従動され、搬送ベルト38が、これら駆動ローラ36および従動ローラ37の間を、各プロセス部17の感光ドラム25と対向して接触する画像形成位置において、感光ドラム25と同方向に回転するように、周回移動される。
【0044】
なお、上記駆動ローラ36、従動ローラ37、搬送ベルト38に加え、転写部18、ピックアップローラ10、給紙ローラ11、後側の搬送ローラ13および1対のレジストローラ14が、ベルトユニットフレーム61に一体的に保持されることによって、本体ケーシング2に対して前側から水平方向に着脱可能なベルトユニット60が構成されている。
【0045】
また、転写ローラ39は、駆動ローラ36および従動ローラ37の間に巻回されている搬送ベルト38内において、各プロセス部17の感光ドラム25と搬送ベルト38を挟んで対向配置されている。この転写ローラ39は、金属製のローラ軸41に、導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ部分42が被覆されている。また、転写ローラ39は、ローラ軸41の両軸端部が導電性を有する軸受(図示略)に支持されている。
【0046】
各軸受には、転写バイアスラインが電気的に接続されており、転写時には、その転写バイアスラインから軸受を介して、転写ローラ39に転写バイアスが印加される。
【0047】
図1を参照して画像形成について説明すると、給紙部4から給紙された用紙3は、駆動ローラ36の駆動および従動ローラ37の従動により周回移動される搬送ベルト38によって、前方から後方に向かって、搬送ベルト38と各プロセス部17の感光ドラム25との間の画像形成位置を、順次通過するように搬送され、その搬送中に、各プロセス部17の感光ドラム25に担持されている各色毎のトナー像が、順次転写され、これにより、用紙3にカラー像が形成される。
【0048】
すなわち、たとえば、イエロープロセス部17Yの感光ドラム25の表面に担持されたイエローのトナー像が、用紙3に転写されると、次いで、マゼンタプロセス部17Mの感光ドラム25の表面に担持されたマゼンタのトナー像が、既にイエローのトナー像が転写されている用紙3に重ねて転写され、同様の動作によって、シアンプロセス部17Cの感光ドラム25の表面に担持されたシアンのトナー像、ブラックプロセス部17Kの感光ドラム25の表面に担持されたブラックのトナー像が重ねて転写され、これによって、用紙3にカラー像が形成される。
【0049】
ベルトクリーニング装置40は、クリーニングボックス46と、クリーニングローラ47とを備えている。クリーニングボックス46は、搬送ベルト38と対向する側の一部に開口部が形成されており、その内部空間が搬送ベルト38から除去された付着物を貯留する除去物貯留部として形成されている。
【0050】
クリーニングローラ47は、金属製の軸の外周を円筒状のスポンジによって覆ったローラからなり、クリーニングボックス46の開口部において回転可能に支持されており、搬送ベルト38の下側部分に接触している。このクリーニングローラ47は、クリーニング動作時には、図示しないモータにより搬送ベルト38に対し接触部分において搬送ベルト38の移動方向と逆方向に力を付与するように駆動される。また、このクリーニングローラ47には、図示しないバイアスラインからクリーニングバイアスが印加されるようになっている。
【0051】
本構成では、感光ドラム25との接触によって搬送ベルト38に付着するトナーおよび用紙3との接触によって搬送ベルト38に付着する紙粉などの付着物は、搬送ベルト38の移動によってクリーニングローラ47と対向した時に、そのクリーニングローラ47によって捕捉される。そして、その捕捉された付着物は、クリーニングボックス46内において、クリーニングローラ47からかき落とされ、クリーニングボックス46内の除去物貯留部に貯留されることとなる。
【0052】
さらに、搬送ベルト38を挟んでクリーニングローラ47と対向するように対向ローラ110が設けられており、この対向ローラ110は、クリーニングローラ47と共にベルトを挟持する構成をなしている。なお、本実施形態では、対向ローラ110は、搬送ベルト38のフレームの所定位置に回転可能に支持されており、搬送ベルト38と接触することで連れ回るようになっている。
【0053】
定着部19は、転写部18の後方に配置されている。この定着部19は、加熱ローラ48および加圧ローラ49を備えている。
加熱ローラ48は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。そして、ハロゲンランプにより、加熱ローラ48の表面が定着温度に加熱される。また、加圧ローラ49は、加熱ローラ48を押圧するように設けられている。
【0054】
そして、用紙3上に転写されたカラー像は、次いで、定着部19に搬送され、用紙3が加熱ローラ48と加圧ローラ49との間を通過する間に、熱定着される。
排紙部6は、排紙側U字パス50、排紙ローラ51、および、排紙トレイ52を備えている。
排紙側U字パス50は、上流側端部が、下方において定着部19に隣接し、用紙3が後方に向かって給紙されるように、下流側端部が、上方において排紙トレイ52に隣接し、用紙3が前方に向かって排紙されるような、略U字状の用紙3の搬送経路として形成されている。
【0055】
排紙ローラ51は、排紙側U字パス50の下流側端部に、1対のローラとして設けられている。
排紙トレイ52は、本体ケーシング2の上面に、前方から後方に向かって下方に傾斜する傾斜壁として形成されている。
定着部19から搬送されてくる用紙は、排紙側U字パス50の上流側端部に、後方に向かって給紙され、その排紙側U字パス50内において、搬送方向が反転され、排紙ローラ51により、前方に向かって排紙トレイ52上に排紙される。
【0056】
2.電気的構成
次に、上記カラーレーザプリンタ1の電気的構成について説明する。
図2は、カラーレーザプリンタ1の電気的構成を概念的に示すブロック図である。カラーレーザプリンタ1は、図2に示すようにCPU91、ROM92、RAM93、ネットワークI/F94,ASIC(Application Specific Integrated Circuit)からなる制御部95によって各構成要素を制御する制御装置90が構成されている。さらに、制御部95と電気的に接続される形態にて、メインモータ96、スキャナモータ97、画像形成部5,入力パネルなどからなる操作部98、各種ランプなどからなる表示部99、各種センサなどからなる検出部100などが設けられ、これらにより制御系が構成されている。
【0057】
ROM92、RAM93は、CPU91に接続されており、CPU91は、ROM92に記憶された処理手順に従って、その処理結果をRAM93に記憶させながら、制御部95を介して各構成要素を制御する。
【0058】
メインモータ96は、上述の搬送ベルト38などを回転させるモータである。また、スキャナモータ97は、スキャナユニット20内のポリゴンミラー22を回転させるモータである。
CPU91は、予めROM92に格納されたプログラムに基づいて、メインモータ96やスキャナモータ97の駆動制御を行う。
【0059】
制御部95は、CPU91からの指令に従い画像形成部5を制御する。具体的には、スキャナユニット20を構成する各部により感光ドラム25の表面を露光する露光制御を行ったり、用紙3にトナーを転写する際の転写バイアスの制御等を行う。
【0060】
また、制御装置90には、コンピュータなどの外部機器と接続するためのネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)94が設けられている。本実施形態では、このネットワークインターフェイス94にパーソナルコンピュータとして構成されるコンピュータ150が接続されている。
【0061】
3.コンピュータ
次に、ネットワークインターフェイス94に接続されているコンピュータ150について説明する。
コンピュータ150は、CPU151、ROM152、RAM153、HDD(ハードディスクドライブ)154、ネットワークI/F157、表示部155、マウスやキーボード等の操作部156からなる。
【0062】
そして、HDD154には、ワープロ等のアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションとする)、プリンタドライバ、図示しないOSなどが格納されている。アプリケーションは処理の実行時に、RAM153の所定の領域にロードされてCPU151によって実行される。これにより、操作部156を通じて入力操作を行うことで印刷対象となる文書等を作成できる。
【0063】
プリンタドライバには変換プログラムが含まれている。変換プログラムは、印刷指示内容をプリンタ言語に変換するためのプログラムであって、OSを通じて印刷指令を受けると、アプリケーションにより作成された印刷データをPDLデータに変換する展開(変換)処理を行う。
そして、プリンタドライバによって生成されたPDLデータはネットワークI/F157を通じて、上述のカラーレーザプリンタ1に送られることとなる。
【0064】
4.特徴的部分
次に、本発明の特徴的部分である編集・印刷処理について説明する。
図3は編集・印刷処理の流れを示すフローチャートである。図4は、用紙3、画像形成可能領域N、コードマーク形成領域M1の関係を説明する説明図である。
編集・印刷処理は、図2のROMに記憶されているプログラムに基づいてCPU91により実行されるものであり、コンピュータ150からカラーレーザプリンタ1へ印刷データが送信開始されたときに実行開始される。
【0065】
図3に示すように、編集・印刷処理では、まずS10にて印刷データを取得する。そして、S20にて印刷データにコードマークが含まれているか否かを判断する。本実施形態では、カラーレーザプリンタ1の外部に設けられたコンピュータ150から指定された識別情報に基づいてコードマークの生成を行う構成をなしている。即ち、コードマークの印刷を行う場合には、コードマーク形成を指示するコマンドデータと、形成するコードマークにて表す内容を示す内容データと、そのコードマークをどの位置に形成するかを示す位置データとが印刷データに含まれるようになっている。
【0066】
例えば「010101010」といった数字データを表すバーコードを、座標「X1,Y1」を基点として形成する場合には、コンピュータ150側では、バーコードの形成を指示する旨のコマンドと、そのバーコードにて表す内容、即ち「010101010」を示す内容データと、座標「X1,Y1」を示す位置データとを含めるかたちで印刷データを生成する。そして、カラーレーザプリンタ1側では、取得した印刷データに含まれるコマンド,内容データ,位置データに従ってコードマークを形成することとなる。なお、このコマンドデータ、内容データ、位置データ等が「外部から指定される識別情報」の一例に相当する。
【0067】
図3のS20ではコンピュータ150から取得した印刷データに上記のようなコードマークを形成するための識別情報が含まれているか否か(より詳しくはコードマークの形成を指示するコマンドが含まれるているか否か)を判断する。そして、S20において印刷データにそのような識別情報が含まれていないと判断される場合、印刷データにコードマークが含まれていないものとみなしてS20にてNOに進み、S80の印刷処理に進む。他方、印刷データにコードマークを形成するための識別情報が含まれている場合、印刷データにコードマークが含まれているものとみなし、S20にてYESに進む。
【0068】
S30では、形成するコードマークの幅、高さの計算を行い、かつコードマーク形成領域M1の計算を行う。コードマークの幅、高さは、指定されたコードマークの種別と、コードマークにて表す内容によって定まるようになっており、コマンドデータと内容データとに基づいて算出される。
【0069】
図4に示すように、コードマーク形成領域M1の算出は、用紙3上における画像形成可能領域Nと、コードマーク以外の画像(例えば、テキストや写真等)が形成される領域M2とによって求められる。本実施形態では、用紙3において画像形成が可能となる全領域を画像形成可能領域Nとした場合、その画像形成可能領域Nからコードマーク以外の画像が形成される領域M2(図4では、ハッチングがなされた領域)を除いた領域をコードマーク形成領域M1としており、S30では、このコードマーク形成領域M1の位置及びサイズを算出する。つまり、コードマークを形成しても、コードマーク以外の画像と重ならない画像形成可能領域Nを算出し、それをコードマーク形成領域M1と定めている。このコードマーク形成領域M1は、特許請求の範囲でいう「画像形成領域」の一例に相当する。
【0070】
そして、S40にてコードマークの種別を判別する。コードマークが一次元バーコードの場合、S40にてYESに進む。他方、コードマークが一次元バーコードではない場合、即ち、二次元コードである場合には、S40にてNOに進む。
【0071】
以下の説明では、主に図5ないし図8を用いて説明する。図5は、コードマーク形成領域M1と二次元コードQ(図5ではQRコード(商標名)を例示)との関係を説明する説明図である。図6、図7は、一次元バーコードBとコードマーク形成領域M1の関係を説明する説明図であり、図6は、基準サイズのバーコードB1についての説明図であり、図7は縮小サイズのバーコードB2についての説明図である。図8は、縮小サイズのバーコードB3がコードマーク形成領域M1からはみ出す様子を説明する説明図である。
【0072】
S40にてコードマークが一次元バーコードではないと判断された場合、S30にて算出されるコードマークのサイズ、コードマークの位置、コードマーク形成領域M1のサイズ、及びコードマーク形成領域M1の位置に基づいて、コードマークがコードマーク形成領域M1に収まるか否かを判断する。即ち、指定された位置にコードマークが描画された場合にコードマークがコードマーク形成領域M1外まで及ぶか否かを判断している。図5では、位置P1を基点として形成されるコードマークQ1はコードマーク形成領域M1内に収まっており、位置P2,P3を基点として形成されるコードマークQ2,Q3がコードマーク形成領域M1に収まっていない状態を示している。
【0073】
図5のような二次元コードQは縦方向と横方向の二次元方向に情報を持つものであるため、コードマークQ2のように横方向にはみ出しても、コードマークQ3のように縦方向にはみ出しても、情報が欠落してしまうこととなる。従って、二次元コードである場合、コードマーク形成領域M1から一部分でもはみ出す場合には、そのはみ出す方向に拘わらずコードマークがコードマーク形成領域M1に収まらないものと判断している。そして、コードマークQ2,Q3のように、コードマークQの一部分がコードマーク形成領域M1内に収まらない場合は、S60にてYESに進み、S70の編集処理(後述)を実行する。
【0074】
また、コードマークQ1のように、コードマークQの全体がコードマーク形成領域M1内に収まる場合には、S60にてNOに進み、S80の印刷処理が実行されることとなる。この場合には、S70の編集処理を経ないため、コンピュータ150から取得した印刷データに基づく通常の印刷処理がなされる。なお、コードマークは、コマンド,内容データ,位置データに基づいてカラーレーザプリンタ1の内部で生成されるようになっており、S80では、その生成されたコードマークとコンピュータからの画像データ(コンピュータからの印刷データに含まれるコードマークに関するデータを除いた画像データ)とが合成されて上述の画像形成部5によって印刷されることとなる。
【0075】
一方、S40の判断処理において印刷データに含まれるコードマークが一次元バーコードと判断される場合、S40にてYESに進み、所定の縮小サイズがコードマーク形成領域M1に収まるか否かを判断する。即ち、バーコードの形成に際しては予め基準サイズが定められており、形成すべきバーコードの種別、内容が特定されればそれらに合致する基準サイズが定まるようになっている。他方、バーの並び方向の長さを基準サイズの並び方向の長さと同一とし、並び方向に対する直交方向の長さを基準サイズの直交方向の長さよりも小さく縮小したサイズを縮小サイズとして定めている。例えば、並び方向の長さをL1、直交方向の長さをL2として基準サイズが定められる場合、基準サイズのバーコードB1は、図6のようになる。
【0076】
一方、本実施形態では、図7のように、バーの並び方向の長さを基準サイズの並び方向の長さL1と同一とし、並び方向に対する直交方向の長さL3を基準サイズの直交方向の長さL2よりも小さく縮小した縮小サイズ(バーコードB2のサイズ)がコードマーク形成領域M1内に収まるか否かを判断する。即ち、位置P4を基点としてバーコードBを形成する場合、図6のように基準サイズのバーコードB1はコードマーク形成領域M1内に収まらないが、図7のように縮小サイズのバーコードB2としたときにはコードマーク形成領域M1内に収まる場合には、形成すべきバーコードBがコードマーク形成領域M1に収まるものとして扱う(即ち、編集手段による編集を行わない)。当然ながら、基準サイズ(バーコードB1のサイズ)でコードマーク形成領域M1内に収まる場合(即ち、縮小サイズとしなくてもコードマーク形成領域M1内に収まる場合)にもバーコードBがコードマーク形成領域M1に収まるものとして扱う。
【0077】
他方、図8に示すように、位置P5を基点としてバーコードBを形成する場合には、縮小サイズのバーコードB3であってもコードマーク形成領域M1内に収まらない。このように、縮小サイズでもコードマーク形成領域M1内に収まらない場合には、S50にてYESに進みS70の編集処理を行う。このような縮小サイズがコードマーク形成領域M1に収まらない場合、形成するバーコードBにおいて並び方向の一部がコードマーク形成領域M1からはみ出てしまうため、読み取り時に不具合が生じる蓋然性が極めて高くなる。本発明では、このような場合に編集処理を行い、読み取り時の不具合を効果的に防止している。なお、バーコードは、太さの異なる黒いバーや白いスペースの組み合わせによりデータが構成されており、並び方向に対する直交方向においてコードマーク形成領域M1からある程度はみ出しても、コードマーク形成領域M1内に残存する部分によって支障なく読み取ることができる。一方、図7において、直交方向の長さL3があまりにも小さいと、読み取りに支障が出るので、支障のない範囲で縮小サイズが設定されることが好ましい。例えば、直交方向の長さL3について許容される最小値を予め定めておき、図2のS150の処理では、その最小値を超えない範囲で縮小サイズがコードマーク形成領域M1に収まるか否かを判断するようにできる(即ち、L3を決められた最小値としても縮小サイズがコードマーク形成領域M1に収まらない場合、S50においてYESに進み、編集処理を行うようにすることができる)。
【0078】
次に、編集処理について説明する。
本発明では、コードマーク形成領域M1内にコードマークが収まるか否かを判断し、コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらないと判断された場合(S50でYESの場合、或いはS60でYESの場合)、S70の編集処理に移るようになっている。この編集処理では、コードマーク形成領域M1内に収まらないと判断されたコードマークを印刷データから削除する処理を行う。従って、S70の編集処理を経た後には、コードマーク形成領域M1内に収まらないコードマークが削除された印刷データが生成され、この印刷データに基づいてS80の印刷処理が行われることとなる。なお、本実施形態では、CPU91が、特許請求の範囲でいう判断手段,編集手段,生成手段に相当しており、画像形成部5が、編集手段による編集に基づく印刷処理(画像形成)を行う画像形成手段に相当している。
【0079】
なお、図3の例では、基準サイズがコードマーク形成領域M1内に収まらなくても上記のように定義される縮小サイズが図7のようにコードマーク形成領域M1に収まる場合に、そのままS80の印刷処理に移行するようにしている。即ち、縮小サイズに相当する部分がコードマーク形成領域M1に描画される場合には、印刷データを編集せずに図6のようなコードマークを形成している。従って、コードマーク形成領域M1からはみ出る部分は、場合によっては画像形成されなかったり、他の画像と重なることもありうるが、縮小サイズに相当する部分がコードマーク形成領域M1に確実に描画されれば、情報を読み取る目的は好適に達成されることとなる。
一方、このように基準サイズがコードマーク形成領域M1内に収まらず縮小サイズがコードマーク形成領域M1内に収まる場合(図6のような場合)、一旦ユーザに画像形成を行うか否かを確認し、画像形成の指示がなされた場合にS80の印刷処理を行うようにしてもよい。即ち、図3のS50のNOの後に、「基準サイズがコードマーク形成領域M1内に収まらず、縮小サイズがコードマーク形成領域M1内に収まる場合に、ユーザが画像形成を行う旨を指示したか」というような判断処理を設け、その旨の指示があった場合、或いは、基準マーク自体がコードマーク形成領域M1に収まる場合に、S80の印刷処理に移行し、指示しない場合にS70の編集処理に移行するようにしてもよい。
【0080】
また、図3の例では、基準サイズがコードマーク形成領域M1内に収まらなくても上記のように定義される縮小サイズ(図7参照)がコードマーク形成領域M1に収まる場合(即ち図6のような場合)、そのままS80の印刷処理に移行し、印刷データを編集せずに図6のようなコードマークを形成しているが、図7のような縮小サイズのバーコードBを形成するように印刷データを生成してもよい。要するに、コードマーク形成領域M1外の状態がどのようになってもコードマーク形成領域M1内のデータは有効であるため、図6のような基準サイズのバーコードB1の形成を試みてもよく、コードマーク形成領域M1外に影響を及ぼさないように、図7のような縮小サイズのバーコードB2を形成するように印刷処理を行うようにしてもよい。
【0081】
以上のように、本実施形態の構成によれば、印刷データに含まれるコードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらない場合には編集がなされ、その編集に基づく画像形成が行われることとなる。従って、不具合が生じるコードマークがそのまま印刷されてしまうことを効果的に防止できる。
【0082】
特に、コードマーク形成領域M1内にコードマークが収まらないと判断された場合、コードマークを削除する編集処理を行っているため、一部が欠損したコードマークが形成されなくなり、誤った情報が読み取られる等の読み取り時の不具合を確実に防止できる。
【0083】
さらに、用紙(被記録媒体)上における画像形成可能領域Nから、コードマーク以外の画像が形成される領域M2を除いた領域をコードマーク形成領域M1として扱っているため、コードマーク以外の画像との重なりを考慮してコードマークの形成の可否が判断されるため、コードマーク読み取り時の不具合をより確実に防ぐことができる。
【0084】
また、カラーレーザプリンタ1の外部に設けられたコンピュータ150からの識別情報に基づいてカラーレーザプリンタ1の内部でコードマークが生成されるようになっているため、コンピュータ150の負荷を効果的に軽減できる構成となっている。
【0085】
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。
図9は、実施形態2における編集処理を説明する説明図である。
実施形態2は、図3のS70の編集処理の具体的内容が実施形態1と異なり、それ以外(図1、図2で示される構成及び図3のフローチャート等)は実施形態1と同一である。従って、図3のS70以外は実施形態1と同一であるとの前提で説明する。
【0086】
本実施形態でも、コードマーク形成領域M1内にコードマーク(一次元バーコード、二次元コードなど)が収まるか否かを実施形態1と同様の方法で判断し、コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらないと判断された場合、S70においてコードマークを編集するようにしているが、実施形態2の編集処理では、図9Aのようにコードマーク形成領域M1内にコードマーク(図9AではバーコードB)が収まらないと判断された場合、実施形態1のように削除するのではなく、コードマーク(バーコードB)がコードマーク形成領域M1内に収まるように縮小する縮小処理を行っている。具体的には、図9Aのように基準サイズのバーコードB4がコードマーク形成領域M1内に収まらない場合、図9Bのように基準サイズのバーコードB4と相似形の縮小バーコードB5を形成し、コードマーク形成領域内M1内に収めるようにしている。相似形であるので、L4/L1=L5/L2となっている。このようにすると、コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらない場合であっても、一部が欠損したコードマークが形成されなくなり、コードマークの読み取り時の不具合を好適に防止できることとなる。ただし、あまりに縮小しすぎると、バーコードスキャナ等による読み取りができなくなるため、所定範囲内で縮小を行うことが好ましい。例えば、許容される縮尺(許容縮尺)を予め定めておき、その許容縮尺を超えて縮小しなければコードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらない場合には、コードマークを削除するようにしてもよい。
【0087】
<実施形態3>
次に、実施形態3について説明する。
図10、図11は、実施形態3における編集処理を説明する説明図である。
実施形態3は、図3のS70の編集処理の具体的内容が実施形態1と異なり、それ以外(図1、図2で示される構成及び図3のフローチャート等)は実施形態1と同一である。従って、S70の編集処理の具体的内容以外は実施形態1と同一であるとの前提で説明する。
【0088】
本実施形態でも、コードマーク形成領域M1内にコードマーク(一次元バーコード、二次元コードなど)が収まるか否かを実施形態1と同様の方法で判断し、コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらないと判断された場合、S70にてコードマークを編集するようにしている。実施形態3の編集処理では、コードマーク形成領域M1内にコードマークが収まらないと判断された場合、コードマークを図10のようなエラーメッセージに置き換える編集を行っている。このようにすれば、コードマークの画像形成が正常に行われないことを利用者が把握しやすくなっている。なお、図10では、一定のサイズのエラーメッセージをコードマークの形成が予定されていた位置に表示する例を示している。
【0089】
また、エラーメッセージがコードマーク形成領域M1内に収まるようにエラーメッセージのサイズを調整するようにしてもよい。例えば、デフォルトで一定サイズのエラーメッセージが設定されている場合、図10のようにそのままエラーメッセージを形成するとコードマーク形成領域M1の外部に及んでしまうようなときは、図11のようにエラーメッセージを縮小する調整(例えば、相似形で縮小する調整)を行うようにしてもよい。このようにすれば、エラーメッセージの欠落等を防止でき、利用者にエラー情報を正確に伝達できるようになる。なお、この場合、CPU91が調整手段に相当することとなる。
【0090】
また、エラーメッセージを複数種類設け、コードマーク形成領域M1のサイズに応じて適切なものを選択するようにしてもよい。例えば、図10のような「ERROR」のほかに、エラーを示すマークに相当する「E」といった短い文字や、「バーコード形成不良」、「バーコードが形成できませんでした。再印刷してください」などといったやや長めの文字を、エラーメッセージ情報としてROM92などに記憶しておき、編集手段に相当するCPU91により、コードマーク形成領域M1に収まるメッセージを選択するようにすることができる。例えばコードマーク形成領域M1内に収まるエラーメッセージが複数ある場合には、そのうちの最も長いものを選ぶようにしてもよい。
【0091】
<実施形態4>
次に、実施形態4について説明する。
実施形態4は、図3のS70の編集処理の具体的内容が実施形態1と異なり、それ以外(図1、図2で示される構成及び図3のフローチャート)は実施形態1と同一である。従って、図3のS70以外は実施形態1と同一であるとの前提で説明する。
【0092】
本実施形態4でも、コードマーク形成領域M1内にコードマーク(一次元バーコード、二次元コードなど)が収まるか否かを実施形態1と同様の方法で判断している。即ち、実施形態1では図6、図7に示すように、コードマークは特定位置(位置P4を基点とした特定領域)への画像形成が指定されており、図3のS50、S60の判断処理では、この特定位置においてコードマークがコードマーク形成領域M1内に収まるか否かを判断している。本実施形態では、実施形態1と同様に特定位置においてコードマークがコードマーク形成領域M1内に収まるか否かを判断し、この特定位置においてコードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらないと判断された場合、図6にて概念的に例示するように、コードマークを、コードマーク形成領域M1内におけるコードマークを収めうる別位置M3に移動するように編集する。つまり、コードマーク(ここではバーコードB1)を形成する上での基点となる位置P4を位置P5に変更するように、コードマークを形成する上での位置データが変更されることで、コードマークを別位置M3に移動してなる印刷データが生成される。この構成によれば、一部が欠損したコードマークが形成されず、特定位置とは異なる別領域を利用してコードマークを形成できるため、コードマークの読み取り時の不具合を好適に防止でき、かつコードマークを再印刷する手間を省略できるようになる。
【0093】
<実施形態5>
次に、実施形態5について説明する。
図12は、実施形態5における編集・印刷処理の流れを例示するフローチャートである。なお、S110〜S160までの処理は実施形態1の図3と同様であるので詳細な説明は省略する。本実施形態でも、コードマーク形成領域M1内にコードマークが収まるか否かを実施形態1と同様の方法(図3のS50、S60参照)で判断している。
【0094】
本実施形態では、コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらないと判断された場合、画像形成を行わず、収まると判断された場合に画像形成を行うようにしている点が実施形態1と異なっている。即ち、S150、S160にてYESと判断される場合(コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらないと判断された場合)、S170の印刷処理を経ずに終了するようになっており、S150、S160でNOと判断される場合(コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まると判断された場合)のみS170の印刷処理を実行するようになっている。なお、S120、S150、S160にてそれぞれNOと判断される場合に印刷処理に移る点は図3と同様である。
【0095】
この構成では、コードマークがコードマーク形成領域M1内に収まらない場合に画像形成がなされないため、一部が欠損したコードマークが形成されることに起因するコードマーク読み取り時の不具合を確実に防止でき、かつ無駄な画像形成が行われない構成となる。
【0096】
<実施形態6>
次に、図13を参照して実施形態6について説明する。
なお、図13は、実施形態6の編集・印刷処理の流れを概念的に例示するフローチャートである。
上記実施形態では、コードマーク形成領域M1内にコードマークが収まるか否かを判断をカラーレーザプリンタ1にて行っていたが、本実施形態ではこの判断をコンピュータ150にて行っている。即ち、画像形成システムに相当するコンピュータ150において、カラーレーザプリンタ1での画像形成に先立ち、コードマーク形成領域M1内にコードマークが収まるか否かを判断している。そして、その判断結果をカラーレーザプリンタ1に出力するようにしている。なお、CPU151が判断手段、出力手段に相当している。
【0097】
図13のS210では、コンピュータ150に設けられたアプリケーションプログラムから印刷データを取得しており、S220〜S270では、そのアプリケーションからの印刷データに基づいて図3のS20〜S70と同様の処理がなされる。図13のS250、S260では、コードマーク形成領域M1内にコードマークが収まるか否かを図3のS50、S60と同様に判断しており、収まる場合にはS250,S260にてそれぞれNOに進み、S280の印刷データ出力処理に移行する。この場合、アプリケーションプログラムにて生成された印刷データをPDLデータに変換してカラーレーザプリンタ1に出力することとなる。一方、S250、S260にてコードマーク形成領域M1内にコードマークが収まらないと判断される場合、実施形態1〜実施形態4のいずれかの編集処理が行われ、その編集に基づいて印刷データが生成される。例えば、コードマークを消去した印刷データを生成する場合、S280では、その印刷データをPDLデータに変換してカラーレーザプリンタ1に出力することとなる。なお、S270の編集処理は、実施形態2のように縮小処理を行ってもよく、実施形態3のようにエラーメッセージに置き換える処理を行ってもよい。また、コードマーク形成領域M1内の別位置に移動する移動処理を行うようにしてもよい。
【0098】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0099】
(1)「コードマーク」は、読取機器によって読み取り可能に構成されるものであればよく、上記実施形態では一次元バーコードとQRコード(商標名)とを例示したが、これら以外のコードマークであっても勿論よい。
(2)実施形態6では、コンピュータ単体で構成される画像形成システムを例示したが、コンピュータと画像形成装置とによって実現されていてもよい。
(3)上記実施形態では、画像形成装置の例としてカラーレーザプリンタを例示したが、モノクロのレーザプリンタであってもよい。また、レーザプリンタに限らず、インクジェットプリンタ等の他のプリンタでもよい。また、画像形成機能以外の機能(例えばスキャナ機能やファクシミリ機能)などを備えた複合機として構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の画像形成装置の実施形態1に係るカラーレーザプリンタを概念的に例示する側断面図
【図2】図1のカラーレーザプリンタ及びコンピュータの電気的構成を示すブロック図
【図3】実施形態1の編集・印刷処理の流れを概念的に例示するフローチャート
【図4】用紙3、画像形成可能領域N、コードマーク形成領域M1の関係を説明する説明図
【図5】コードマーク形成領域M1と二次元コードQとの関係を説明する説明図
【図6】基準サイズの一次元バーコードB1とコードマーク形成領域M1の関係を説明する説明図
【図7】縮小サイズの一次元バーコードB2とコードマーク形成領域M1の関係を説明する説明図
【図8】縮小サイズの一次元バーコードB3がコードマーク形成領域M1からはみ出す様子を説明する説明図
【図9A】基準サイズのバーコードB4がコードマーク形成領域M1からはみ出す場合に、相似形で縮小する編集を説明する説明図であり、基準サイズのバーコードB4を示す図
【図9B】図9Aに続く図であり、縮小したバーコードB5を示す図
【図10】コードマークをエラーメッセージに置き換える編集を説明する説明図
【図11】エラーメッセージのサイズ調整について説明する説明図
【図12】実施形態5の編集・印刷処理の流れを概念的に例示するフローチャート
【図13】実施形態6の編集・印刷処理の流れを概念的に例示するフローチャート
【符号の説明】
【0101】
1…カラーレーザプリンタ(画像形成装置)
3…用紙(被記録媒体)
5…画像形成部(画像形成手段)
91…CPU(判断手段,編集手段,生成手段,調整手段)
L1…バーの並び方向の長さ
L2…直交方向の長さ
B…バーコード(コードマーク)
B1…基準サイズのバーコード
B2…縮小サイズのバーコード
Q…二次元コード(コードマーク)
M1…コードマーク形成領域(画像形成領域)
M2…コードマーク以外の画像が形成される領域
N…画像形成可能領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成領域内にコードマークが収まるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記コードマークが前記画像形成領域内に収まらないと判断された場合、前記コードマークを編集する編集手段と、
前記編集手段による編集に基づく画像形成を行う画像形成手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記編集手段は、前記判断手段によって前記画像形成領域内に前記コードマークが収まらないと判断された場合、前記コードマークを削除することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記編集手段は、前記判断手段によって前記画像形成領域内に前記コードマークが収まらないと判断された場合、前記コードマークを前記画像形成領域内に収まるように縮小することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記コードマークは、特定位置への画像形成が指定されるものであり、
前記判断手段は、前記特定位置において前記コードマークが前記画像形成領域内に収まるか否かを判断しており、
前記編集手段は、前記判断手段により、前記特定位置において前記コードマークが前記画像形成領域内に収まらないと判断された場合、前記コードマークを、前記画像形成領域内における前記コードマークを収めうる別位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記編集手段は、前記判断手段によって前記画像形成領域内に前記コードマークが収まらないと判断された場合、前記コードマークをエラーメッセージに置き換える編集を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記編集手段は、前記エラーメッセージが前記画像形成領域内に収まるように前記エラーメッセージのサイズを調整する調整手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記エラーメッセージは複数設けられており、
前記編集手段は、前記画像形成領域内に収まるように前記エラーメッセージを選択することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
画像形成領域内にコードマークが収まるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段によって前記コードマークが前記画像形成領域内に収まらないと判断された場合には画像形成を行わず、収まると判断された場合に画像形成を行う画像形成手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記コードマークは、バーコードであり、
前記判断手段は、前記バーコードに対して、バーの並び方向の長さを基準サイズの並び方向の長さと同一とし、前記並び方向に対する直交方向の長さを前記基準サイズの直交方向の長さよりも小さく縮小した縮小サイズが、前記画像形成領域内に収まるか否かに基づいて、前記コードマークが前記画像形成領域に収まるか否かを判断することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記判断手段は、被記録媒体上における画像形成可能領域から、前記コードマーク以外の画像が形成される領域を除いた領域を前記画像形成領域として扱うことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
外部から指定された識別情報に基づいて前記コードマークの生成を行う生成手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置での画像形成に先立ち、画像形成領域内にコードマークが収まるか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−196574(P2007−196574A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19284(P2006−19284)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】