説明

画像形成装置及び画像形成プログラム

【課題】画像を形成するための調整を効率良くできる画像形成装置及び画像形成プログラムを提供する。
【解決手段】
画像を形成する形成手段と、形成手段で形成される画像の画質を向上させる調整、及び形成手段で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれか1つ以上を行う調整手段と、形成手段で過去に形成された画像の数に基づいて、調整手段が第1の調整を行うか否かを判断する第1判断手段と、形成手段で将来に形成される画像の数に基づいて、調整手段が第1の調整の後に第2の調整を行うか否かを判断する第2判断手段と、第1判断手段で行うと判断した第1の調整と、第2判断手段で行うと判断した第2の調整とを並列又は直列に行うように調整手段を制御した後に、調整の後処理を行うよう形成手段を制御する実行制御手段とを備える。これによれば、効率良く調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、レジスト補正値を調整して形成する画像を安定化させるために要する画像安定化調整時間を短縮できる画像形成装置が知られるに至った(例えば、特許文献1)。
この画像読取装置は、印刷用紙等の画像保持体上に形成された画像パターンの画像特性を検出する検出手段と、検出手段によって検出される画像特性に基づき各色独立にレジスト補正値等の画像形成条件を補正する制御手段を有する。特に、この画像読取装置の制御手段は、ウォームアップ終了後に直ちに画像出力を行う場合には、1色1階調の1つの画像パターンを用いて全色の画像形成条件を補正する制御を行い、ウォームアップ終了後に直ちに画像出力を行わない場合、各色1階調の色数と等しい数の画像パターンを用いて各色独立に画像形成条件を補正する制御を行う。
【0003】
【特許文献1】特開2005−250230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、画像を形成するための調整を効率良くできる画像形成装置及び画像形成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る画像形成装置は、画像を形成する形成手段と、形成手段で形成される画像の画質を向上させる調整、及び形成手段で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれか1つ以上を行う調整手段と、形成手段で過去に形成された画像の数に基づいて、調整手段が第1の調整を行うか否かを判断する第1判断手段と、形成手段で将来に形成される画像の数に基づいて、調整手段が第1の調整の後に第2の調整を行うか否かを判断する第2判断手段と、第1判断手段で行うと判断した第1の調整と、第2判断手段で行うと判断した第2の調整とを並列又は直列に行うように調整手段を制御した後に、調整の後処理を行うよう形成手段を制御する実行制御手段とを備えることを特徴としている。
【0006】
上記構成において、第1の調整が画像の画質を向上させる調整か否かを判断する第3判断手段を更に備え、第1判断手段は、第1の調整を行う第1の時期を更に判断し、
第2判断手段は、第1の時期よりも遅い第2の調整を行う第2の時期を更に判断し、実行制御手段は、第3判断手段が第1の調整は画像の画質を向上させる調整であると判断する場合に、第2の調整を、第1の時期に第1の調整と並列に、又は第1の時期に行われる第1の調整の前又は後に直列に行うよう調整手段を制御する構成を採用できる。
【0007】
上記構成において、第1の調整が部材を保護する調整か否かを判断する第3判断手段を更に備え、第1判断手段は、第1の調整を行う第1の時期を更に判断し、第2判断手段は、第1の時期よりも遅い第2の調整を行う第2の時期を更に判断し、実行制御手段は、第3判断手段が第1の調整は部材を保護する調整であると判断する場合に、第1の調整を、第2の時期に第2の調整と並列に、又は第2の時期に行われる第2の調整の前又は後に直列に行うよう調整手段を制御する構成を採用できる。
【0008】
上記構成において、形成手段は、調整に用いられる調整画像をトナーを用いて形成し、形成手段で形成された調整画像を撮像する撮像手段を更に備え、調整手段は、撮像手段が撮像した調整画像に基づいて、形成手段の調整を行い、後処理は、調整画像の形成に用いられたトナーを清掃する処理である構成を採用できる。
【0009】
本発明に係る画像形成プログラムは、コンピュータを、画像を形成する形成手段で印刷される画像の画質を向上させる調整、及び形成手段で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれか1つ以上を行う調整手段と、形成手段で過去に形成された画像の数に基づいて、調整手段が第1の調整を行うか否かを判断する第1判断手段と、形成手段で将来に形成される画像の数に基づいて、調整手段が第1の調整の後に第2の調整を行うか否かを判断する第2判断手段と、第1判断手段で行うと判断した第1の調整と、第2判断手段で行うと判断した第2の調整とを並列又は直列に行うように調整手段を制御した後に、調整の後処理を行うよう形成手段を制御する実行制御手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の構成によれば、調整を行う回数が増加しても調整の後処理を行う回数の増加を抑制して効率良く調整できる。
【0011】
請求項2の構成によれば、画質の低下を防止しながら効率良く画像を形成できる。
【0012】
請求項3の構成によれば、部材を保護しながら効率良く画像を形成できる。
【0013】
請求項4の構成によれば、トナーを清掃する回数の増加を抑制して効率良く調整できる。
【0014】
請求項5の構成によれば、調整を行う回数が増加しても調整の後処理を行う回数の増加を抑制して効率良く調整できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の画像形成装置を備える画像形成システム1の一実施形態を示す構成図である。
図1(a)に示す画像形成システム1は、通信網10、画像形成装置100、並びに端末装置201及び202で構成される。
通信網10は、例えば、LAN(Local Area Network )、WAN(Wide Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、又は公衆回線網で構成され、画像形成装置100と端末装置201及び202とを通信可能に接続する。
【0017】
画像形成装置100について説明する前に、端末装置201及び202について説明を行う。尚、端末装置201及び202は、それぞれ同様の構成であるため、端末装置201について説明を行い、端末装置202についての説明を省略する。
端末装置201は、例えば、パーソナル・コンピュータで構成される。端末装置201は、通信網10を介して画像形成装置100に接続する。端末装置201は、例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)若しくはG3又はG4等の規格に従って、画像形成装置100へ画像を表す情報を送信する。
【0018】
画像形成装置100は、通信網10を介して端末装置201及び202に接続する。画像形成装置100は、例えば、原稿を光学的に読み取って原稿を表す画像を取得する画像取得機能(つまり、スキャン機能)、及び読み取った画像を表す情報又は端末装置201から受信する情報が表す画像を形成する画像形成機能(つまり、プリント機能)を有するコピー機又は複合機で構成される。
【0019】
ここで、図1(b)を参照して、画像形成装置100の構成について説明する。図1(b)は、本発明に係る画像形成装置100の一構成例を表すハードウェア構成図である。
図1(b)に示す画像形成装置100は、画像読取部110、情報通信部120、入力部130、積載部140、画像形成部150、測定部160、撮像部170、及び制御部180で構成される。
【0020】
画像読取部110は、例えば、IIT(Image Input Terminal)又はスキャナで構成される。画像読取部110は、制御部180に接続する。画像読取部110は、スキャン機能を発揮する。画像読取部110は、画像を光学的に読み取ることで、画像を表す情報を取得すると共に、取得した情報を制御部180へ出力する。
情報通信部120は、例えば、ネットワーク・カード又はFAXモデムで構成される。情報通信部120は、制御部180及び通信網10を介して端末装置201に接続する。情報通信部120は、画像を表す情報を予め定められたプロトコルに従って、接続する端末装置201から受信すると共に、受信した情報を制御部180へ出力する。
【0021】
入力部130は、例えば、タッチパネル又はメカニカルスイッチで構成される。入力部130は、制御部180に接続する。入力部130は、画像形成装置100を使用する使用者に操作されて、下記各種の信号を入力する。具体例としては、入力部130は、原稿の複製(以下単に、コピーという)を命じる命令、及び複製により画像を形成する回数(つまり、コピー枚数)の指定を表す信号を制御部180へ入力する。
【0022】
積載部140は、例えば、トレイで構成される。積載部140は、画像形成部150に対して搬送路を介して接続する。積載部140は、画像形成部150で画像を形成される印刷媒体を積載する。尚、搬送路は、印刷媒体を搬送する経路をいう。また、印刷媒体は、例えば、印刷用紙、板、布、又はプラスティックカードを含む。
【0023】
画像形成部150は、例えば、IOT(Image Output Terminal)又はプリンタで構成される。画像形成部150は、制御部180に接続する。画像形成部150は、制御部180に制御されて、画像読取部110又は情報通信部120で取得した情報が表す画像を形成する。具体例としては、画像形成部150は、印刷媒体に画像を印刷して形成する。
【0024】
ここで図2を参照して、画像形成部150の構成について説明を行う。図2は、画像形成部150の一構成例を表す図である。
図2に示す画像形成部150は、転写ベルト151と、転写ベルト151にトナーを1次転写する1次転写部と、搬送される印刷媒体に転写ベルト151からトナーを2次転写する2次転写部とで構成される。
【0025】
転写ベルト151について説明する前に、1次転写部及び2次転写部について説明する。
1次転写部は、Kエンジン、Cエンジン、Mエンジン、及びYエンジンで構成される。Kエンジン、Cエンジン、Mエンジン、及びYエンジンは、ブラック(blacK)、シアン(Cyan)、マゼンダ(Magenta)、イエロー(Yellow)のトナーを用いて画像を形成する。尚、1次転写部が用いるトナーの色は、CMCKの色に限定される訳ではない。例えば、1次転写部は、CMYKOG(Cyan、Magenta、Yellow、blacK、Orange、Green)の6色のトナーを用いて画像を形成する構成を採用できる。尚、Kエンジン、Cエンジン、Mエンジン、及びYエンジンは、それぞれ同様の構成を有するため、以下、Kエンジンについて説明を行い、他のエンジンについての説明を省略する。
【0026】
Kエンジンは、感光体152K、帯電器153K、露光光源154K、及び現像器155Kで構成される。
感光体152Kについて説明する前に、帯電器153Kについて説明する。
帯電器153Kは、不図示の制御部180に接続している。帯電器153Kは、制御部180に制御されて、例えば、コロトロン方式又は帯電ロール方式を用いて、感光体152Kをほぼ一様に帯電させる。
【0027】
感光体152Kは、例えば、感光性ドラムで構成される。感光体152Kは、不図示の制御部180に接続している。感光体152Kは、制御部180によって回転又は停止するよう制御される。回転又は停止する感光体152Kは、露光光源154Kから光を照射される。光を照射された感光体152Kは、一様に有していた帯電電荷の内で、光の照射された部分的の帯電電化を除去されると共に、除去されずに残存した帯電電荷によって形成する画像を潜像画像として表す。
【0028】
露光光源154Kは、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)等の発光素子を感光体152Kの回転軸と略並行な長手方向に列状に配列して構成される。露光光源154Kは、不図示の制御部180に接続している。露光光源154Kは、制御部180に制御されて、感光体152Kを露光する。具体的には、露光光源154Kは、形成する画像を表す情報に基づいて、レーザービーム等の露光を感光性ドラムに照射する。
【0029】
ここで、露光光源154Kの温度と、露光光源154Kで構成される画像形成部150が形成する画像の画質との関係について具体例を挙げて説明する。
例えば、黒色のトナーのみを用いて黒色の画像を形成する場合には、黒色のトナーを吸着する感光体152Kを露光する露光光源154Kが発光により発熱する。一方で、他のエンジンを構成する露光光源154Cから154Yは、発光しないため発熱しない。このため、露光光源154Kと他の露光光源154Cから154Yとの温度差が増加する。ここで、温度差が増加すると、露光光源154Kの発熱による感光体152Kの露光位置の変化量と、他の露光光源154Cから154Yの発熱による感光体152Cから152Yの露光位置の変化量との差が増加する。具体例としては、露光光源を構成する発光素子を搭載した回路基板又は発光素子自体の熱膨張等により、発光素子が露光する感光体の位置が変化するためである。この感光体152Kから152Yの露光位置のズレが、感光体152Kから152Yの吸着するトナーを転写して形成される画像に、例えば、レジズレ等の欠陥を生じさせて、画質の低下を招く一因となる。
【0030】
現像器155Kは、感光体152Kに対してブラック(黒色)のトナーを吸着させる。具体的には、現像器155Kは、感光体152Kが有する帯電電荷によって電気的にトナーを吸着させる。尚、Cエンジン、Mエンジン、及びYエンジンを構成する現像器155C、現像器155M、及び現像器155Yは、それぞれシアン、マゼンダ、及びイエローの色のトナーを感光体152C、152M、及び152Yに吸着させる。
【0031】
ここで、1次転写部の湿度と、1次転写部で構成される画像形成部150が形成する画像の画質との関係について具体例を挙げて説明する。
1次転写部の湿度が高い場合には、トナーが湿気を帯び易くなる。湿気を帯びたトナーの感光体に対する吸着率及び感光体から転写ベルト151への転写率は、湿気を帯びていないトナーの吸着率及び転写率よりも低くい。つまり、1次転写部の湿度が上昇すると、転写ベルト151へ転写されるトナーの量が減少する。よって、この湿度の変化が、トナーを印刷媒体に転写して形成される画像に、例えば、濃度異常等の欠陥を生じさせ、画質の低下を招く一因となる。
【0032】
2次転写部は、2次転写ロール156と清掃部材157とで構成される。2次転写ロール156は、搬送される印刷媒体と転写ベルト151とを押着して、転写ベルト151が運ぶトナーを印刷媒体へ2次転写する。尚、2次転写されたトナーは、熱と圧力を加えられて印刷媒体に定着させられる。
【0033】
清掃部材157は、例えば、クリーニングブレードで構成される。清掃部材157は、不図示の制御部180に接続する。清掃部材157は、制御部180に制御されて、2次転写ロール156に付着したトナーを回収して2次転写ロール156を清掃する。2次転写ロール156に付着したトナーが、印刷媒体の画像が形成される面(つまり、表面)と異なる面(つまり、裏面)に付着して汚れを発生させることを防ぐためである。
【0034】
尚、画像形成部150は、感光体152Kから152Yが吸着したトナーであって、転写ベルト151に1次転写されなかったトナーを回収して感光体152Kから152Yを清掃する清掃部材を更に備える構成を採用できる。1次転写されなかった感光体152Kから152Yに付着したトナーが、次回に転写ベルト151へ1次転写されて画像欠陥等の画質低下をもたらすことを防止するためである。更に、画像形成部150は、転写ベルト151に1次転写されたトナーであって、印刷媒体に2次転写さなかったトナーを回収して転写ベルト151を清掃する清掃部材を更に備える構成を採用できる。2次転写されなかった転写ベルト151に転写されたトナーが、次回に印刷媒体へ2次転写されて画像欠陥等の画質低下をもたらすことを防止するためである。
【0035】
転写ベルト151は、感光体152Kから152Yが吸着した各色のトナーを転写される。次に、転写ベルト151は、転写された各色のトナーを印刷媒体に2次転写する。また、転写ベルト151は、各色のトナーで描かれたパッチレイアウトを転写される。パッチレイアウトは、予め定められた形状(つまり、パッチ)を配列した画像をいう。転写ベルト151に転写されるパッチレイアウトは、カラーレジ調整用パッチレイアウトと濃度調整用パッチレイアウトとに類別される。
【0036】
カラーレジ調整用パッチレイアウトは、レジズレの発生及び発生したレジズレの程度を検出するために用いられる。具体例として、カラーレジ調整用パッチレイアウトは、CMYKの各色の予め定められた形状のパッチを予め定められた間隔で配列したレイアウトである。尚、実際に転写されたパッチレイアウトのパッチ間隔は、予め定められたパッチ間隔との差異によってレジズレの発生等を表す。
【0037】
濃度調整用パッチレイアウトは、形成される画像の濃度階調を検出するために用いられる。具体例として、濃度調整用パッチレイアウトは、CMYKの各色の予め定められた濃度のパッチを予め定められた順番に配列したレイアウトである。
【0038】
尚、転写ベルト151に転写されたパッチレイアウトは、印刷媒体に転写されるためのトナーではないため、2次転写部で印刷媒体に転写されない。よって、転写ベルト151に転写されたパッチレイアウトを表すトナーの一部又は全部が、2次転写ロール156に転写される。このため、画像形成部150は、2次転写ロール156に転写されたトナーを清掃部材157が清掃し終えてから印刷媒体に画像を印刷する。また、同様に、転写ベルト151に転写されたパッチレイアウトを表すトナーの一部又は全部を清掃部材が清掃し終えてから印刷媒体に画像を印刷する。よって、画像形成部150は、パッチレイアウトを形成した後には、転写ベルト151及び2次転写ロール156の清掃等の後処理を行った後に、画像を形成し始める。
【0039】
ここで図1(b)に戻り、画像形成装置100の構成について引き続き説明を行う。
測定部160は、例えば、電子式温度センサ又は電子式湿度センサで構成される。測定部160は、制御部180に接続する。測定部160は、画像形成装置100の内部又は外部の温度又は湿度を計測すると共に、計測した温度又は湿度を表す信号を制御部180へ出力する。具体例としては、測定部160は、画像形成部150の内部又は外部の温度又は湿度を計測する。更に具体的な例としては、測定部160は、露光光源154Kから154Yの周辺温度、若しくは1次転写部又は2次転写部の周辺湿度を計測する。
【0040】
撮像部170は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサで構成される。撮像部170は、制御部180に接続し、画像形成部150の転写ベルト151を撮像できる位置に設置されている。撮像部170は、制御部180に制御されて、転写ベルトに転写されたパッチレイアウトを撮像し、撮像したパッチレイアウトを表す画像を制御部180へ出力する。
【0041】
制御部180は、例えば、マイクロコンピュータで構成される。制御部180は、画像読取部110、情報通信部120、入力部130、画像形成部150、測定部160、及び撮像部170に接続する。制御部180は、ソフトウェア処理である制御処理を実行することで接続する各部を制御する。
【0042】
次に図3を参照して、制御部180がソフトウェア処理を実行するために用いるハードウェアの一構成例について説明する。図3は、制御部180の一構成例を表すハードウェア構成図である。
図3に示す制御部180は、例えば、CPU(Central Processing Unit)で構成される実行部180a、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等で構成される読出専用記憶装置180b、DRAM(Dynamic RAM)又はSRAM(Static RAM)等の揮発性メモリ及びNVRAM(Non Volatile RAM)等の不揮発性メモリで構成される読書可能記憶装置180c、及び入出力回路で構成される入出力部180eで構成され、実行部180a、読出専用記憶装置180b、読書可能記憶装置180c、及び入出力部180eは互いにバス180fによって接続している。
【0043】
ソフトウェア処理は、実行部180aが、読出専用記憶装置180bに格納したプログラムを読み込み、読み込んだプログラムに従って演算を実行することにより実現される。なお、読書可能記憶装置180cには、演算結果のデータが書き込まれ、特にNVRAMには、電源オフする場合にバックアップが必要なデータが保存される。また、演算結果は、入出力部180eを介して接続する他の部又は装置との間で入出力される。
【0044】
次に図4を参照して、従来の制御部が実行する制御処理の一例について概説した後に、制御部180が実行する制御処理の一例について概説する。
図4(a)に示すように、時刻t1において、従来の制御部は、3枚の画像を形成する処理(つまり、プリントジョブ)を開始する。また、従来の制御部は、時刻t1よりも前に画像形成部150が形成した画像の数に基づいて、形成する画像の画質を向上させる調整(以下単に、「調整」を「セットアップ」ともいう)及び画像形成部150で画質を向上するために使用される部材を保護する調整のいずれかであるセットアップAを行うと判断する。よって、時刻t1において、従来の制御部は、セットアップAを行う。調整が終了した時刻t2において、従来の制御部は、清掃(以下単に、クリーニングという)を行うよう画像形成部150を制御する。後述するようにセットアップAにおいて、調整される画像形成部150は、トナーを用いてパッチレイアウトを形成するため、画像を形成する前にトナーを清掃する必要があるためである。清掃が終了した時刻t3及びその後の時刻t4において、従来の制御部は、1枚目及び2枚目の画像を形成(つまり、プリント)する。
【0045】
時刻t5において、従来の制御部は、時刻t5よりも前に画像形成部150が形成した画像の数に基づいてセットアップBを行うと判断し、次に時刻t1からt3と同様の制御を行う。セットアップBに伴うクリーニングが終了した時刻t8において、従来の制御部は、3枚目の画像をプリントし始める。3枚目の画像をプリントが終了した時刻t9において、従来の制御部は、プリントジョブを終了する。
【0046】
次に図4(b)を参照して、制御部180が実行する制御処理の一例について概説する。尚、後述する図4(b)を参照して説明する制御処理は、図4(a)を参照して説明した制御処理と同様の処理ステップを有するため、以下主に、相違点について説明する。
図4(b)に示すように、制御部180は、時刻t1よりも前に画像形成部150が形成した画像の数に基づいて、時刻t1にセットアップAを行うと判断する。また、制御部180は、時刻t1において画像の形成が予定された回数に基づいて、時刻t1から画像を2回形成した時刻に、セットアップBを行うと判断する。
【0047】
更に、制御部180は、セットアップAとセットアップBとが並列に実行可能であると判断する。また、制御部180は、セットアップAが画質を向上させるセットアップであると判断する。よって、時刻t1において、制御部180は、セットアップAとセットアップBとを並列に実行する。これは、時刻t1においてセットアップAを行わずにジョブの残り枚数の画像を形成するよう制御部180が画像形成部150を制御すると、残り枚数の画像を形成する間に画質が更に劣化して、許容される画質よりも低下した画像を画像形成部150が形成するおそれがあるためである。
【0048】
並列に実行されたセットアップAとセットアップBとが終了した時刻t3において、制御部180は、クリーニングを行うよう画像形成部150を制御する。その後のクリーニングが終了した時刻t4からt6に渡って、制御部180は、残り3枚の画像を形成するよう画像形成部150を制御する。
【0049】
次に図4(c)を参照して、セットアップAを実行すると判断した先の時刻からセットアップAとセットアップBとを直列に実行するよう制御する制御処理の一例について概説する。尚、後述する図4(c)を参照して説明する制御処理は、図4(b)を参照して説明した制御処理と同様の処理ステップを有するため、以下主に、相違点について説明する。
図4(c)に示すように、時刻t1において、制御部180は、セットアップAとセットアップBとが並列に実行できないと判断する。よって、時刻t1において、制御部180は、セットアップAを実行する。次に、セットアップAが終了した時刻t2において、制御部180は、セットアップBを実行する。直列に実行されたセットアップAとセットアップBとが終了した時刻t4において、制御部180は、クリーニングを行うよう画像形成部150を制御する。その後に制御部180が実行する処理は、図4(b)を参照して説明した処理と同様であるので説明を省略する。
【0050】
次に図4(d)を参照して、セットアップBを実行すると判断した後の時刻からセットアップAとセットアップBとを並列に実行するよう制御する制御処理の一例について概説する。尚、後述する図4(d)を参照して説明する制御処理は、図4(b)を参照して説明した制御処理と同様の処理ステップを有するため、以下主に、相違点について説明する。
図4(d)に示すように、時刻t1において、制御部180は、セットアップAとセットアップBとが並列に実行できると判断する。また、制御部180は、セットアップAが部材を保護するセットアップであると判断する。よって、時刻t1及びt2において、制御部180は、調整をせずに画像を2枚形成するよう画像形成部150を制御する。次に、時刻t1から画像を2回形成した時刻t3において、制御部180は、セットアップAとセットアップBとを並列に実行する。これは、時刻t1においてセットアップAを行わずにジョブの残り枚数の画像を形成するよう制御部180が画像形成部150を制御しても、部材の保護が確保される範囲に属するセットアップAの遅延であると制御部180が判断するためである。つまり、セットアップAを行わずにジョブの残り枚数の一部又は全部の画像を効率的に形成するためである。
【0051】
その後、セットアップA及びセットアップBが終了した時刻t5において、制御部180は、クリーニングを行うよう画像形成部150を制御する。その後に制御部180が実行する処理は、図4(b)を参照して説明した処理と同様であるので説明を省略する。
【0052】
次に図4(e)を参照して、セットアップBを実行すると判断した後の時刻からセットアップAとセットアップBとを直列に実行するよう制御する制御処理の一例について概説する。尚、後述する図4(e)を参照して説明する制御処理は、図4(d)を参照して説明した制御処理と同様の処理ステップを有するため、以下主に、相違点について説明する。
図4(e)に示すように、時刻t1において、制御部180は、セットアップAとセットアップBとが並列に実行できないと判断する。よって、時刻t1から画像を2回形成した時刻t3から、制御部180は、セットアップAとセットアップBとを直列に実行する。次に、セットアップA及びセットアップBが終了した時刻t6において、制御部180は、クリーニングを行うよう画像形成部150を制御する。その後に制御部180が実行する処理は、図4(b)を参照して説明した処理と同様であるので説明を省略する。
【0053】
次に図5を参照して、制御部180の構成について、機能に着目して説明を行う。図5は、制御部180の一構成例を表す機能ブロック図である。
制御部180は、記憶部181、第1判断部182、第2判断部183、第3判断部184、実行制御部185、及び調整部186で構成される。
記憶部181は、例えば、ハードディスク又はフラッシュメモリ等の読書可能記憶装置180cで構成される。記憶部181は、画像読取部110、情報通信部120、入力部130、画像形成部150、測定部160、第1判定部182、第2判定部183、及び実行制御部185に接続する。記憶部181は、画像読取部110が取得した画像を表す情報及び情報通信部120が受信した画像を表す情報を記憶する。また、記憶部181は、入力部130の入力した信号が表す画像の形成回数を指定する情報を記憶する。更に、記憶部181は、後述する第1判断部182が調整の必要を判断するために用いる情報を記憶する。調整の必要を判断するために用いる情報は、例えば、画像形成部150が画像を形成した形成回数、画像形成部150が画像の形成に使用したトナーの量、画像形成部150が画像を形成した後に経過した経過時間、及び測定部160が測定した温度又は湿度を表す情報を含む。尚、記憶部181は、調整部186が実行する調整の組み合わせと、組み合わせられた調整が並列的に(つまり、同時に)実行できるか否かを表す情報を関連付けて記憶する。
【0054】
第1判断部182は、実行部180aが第1判断処理を実行することで実現される。第1判断部182は、記憶部181、第3判断部184、及び実行制御部185に接続する。第1判断部182は、画像形成部150が過去に形成した画像の数に基づいて、調整部186が調整を行う必要があるか否かを判断する。特に、第1判断部182は、画質を維持する調整及び画像形成部150で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれを行うか否かを判断する。尚、第1判断部182が行うと判断した調整を、以下単に、第1の調整という。また、第1判断部182は、第1の調整を行う時期(以下単に、第1の時期という)を更に判断する。第1判断部182は、判断結果を第3判断部184及び実行制御部185へ出力する。
【0055】
ここで、画質を向上する調整を行う必要があるか否かを判断する判断方法の具体例としては、第1判断部182は、画像形成部150の内部又は外部の温度又は湿度が変化するのに十分な時間を経過したか否かを判断する。より具体的には、第1判断部182は、記憶部181が記憶する経過時間が予め定める時間を超えたか否かを判断する。またこれに限定される訳ではなく、第1判断部182は、記憶部181が記憶する形成回数が予め定める回数を超えたと判断した場合に、十分な時間を経過したと判断する構成を採用できる。更にこれに限定される訳ではなく、第1判断部182は、記憶部181が記憶するトナーの使用量が予め定める量を超えたと判断した場合に、十分な時間を経過したと判断する構成を採用できる。第1判断部182は、十分な時間を経過したと判断した場合に、画質を向上する調整を行う必要があると判断する。またこれに限定される訳ではなく、画像形成装置100は、測定部160の測定した温度又は湿度が変化した場合に、画質を向上する調整を行う必要があると判断する構成を採用できる。
【0056】
部材を保護する調整を行う必要があるか否かを判断する判断方法の具体例としては、第1判断部162は、部材を保護する潤滑油の役割をするトナーが枯渇し始めるのに十分な時間を経過したと判断したか否かを判断する。より具体的には、第1判断部162は、互いに擦れ合う清掃部材及びロールのいずれか1つ以上の保護が十分でなくなり始める程度までに、清掃部材がトナーを清掃するために要する時間が経過したか否かを判断する。より具体的には、第1判断部162は、記憶部161が記憶する経過時間が予め定められた時間を超えた場合に、十分な時間を経過したと判断する。十分な時間を経過したと判断した場合には、第1判断部162は、調整部165が部材を保護する調整を行う必要があると判断する。またこれに限定される訳ではなく、第1判断部182は、記憶部181が記憶する形成回数が予め定める回数を超えたと判断した場合に、十分な時間を経過したと判断する構成を採用できる。
【0057】
第2判断部183は、実行部180aが第2判断処理を実行することで実現される。第2判断部183は、記憶部181及び実行制御部185に接続する。第2判断部183は、画像形成部150が将来に形成する画像の数に基づいて、調整部186が調整を行うか否かを判断する。具体例としては、第2判断部183は、未処理のジョブにおいて形成が予定された画像の数に基づいて、調整部186が調整を行うか否かを判断する。尚、第2判断部183は、形成が予定された画像の数が予め定められた数を超えた場合には、形成が予定された画像の数を予め定められた数として、調整部186が調整を行うか否かを判断する。尚、第2判断部183は、第1判断部182と同様に、画質を維持する調整及び画像形成部150で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれを行うか否かを判断する。また、同様に、第2判断部183が行うと判断した調整を、以下単に、第2の調整という。更に、第2判断部183は、第1の時期よりも遅い第2の調整を行う第2の時期を更に判断する。第2判断部183は、判断結果を実行制御部185へ出力する。
【0058】
第3判断部184は、実行部180aが第3判断処理を実行することで実現される。第3判断部184は、第1判断部182及び実行制御部185に接続する。第3判断部184は、第1判断部182で行うと判断した第1の調整が画質を向上させる調整か、又は部材を保護する調整かを判断する。具体的には、第1判断部182が調整を行うと判断するために用いた条件に基づいて、第1の調整が画質を向上させる調整か否かを判断する。画質を向上させる調整を行う条件と、部材の保護を行う条件とが異なる条件であるからである。第3判断部184は、判断結果を実行制御部185へ出力する。本実施例において、第3判断部184は、第1の調整が画質を向上させる調整か否かを判断するとして説明したが、これに限定される訳ではなく、第2の調整が画質を向上させる調整か否かを判断する構成を採用できる。
【0059】
実行制御部185について説明する前に、調整部186について説明する。
調整部186は、実行部180aが調整処理を実行することで実現される。調整部186は、画像形成部150、撮像部170、及び実行制御部185に接続する。調整部186は、実行制御部185に制御されて、画像形成部150で形成される画像の画質を向上する調整、及び画像形成部150で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれか1つ以上を行う。
【0060】
画質を向上する調整の具体例として、先ず、調整部186は、パッチレイアウトを転写ベルト151に転写するよう画像形成部150を構成する1次転写部を制御する。次に、調整部186は、撮像部170が出力したパッチレイアウトの画像に基づいて、画質を向上する調整を行う必要があるか否かを判断する。より具体的には、調整部186は、撮像部170が出力した画像に基づいて、レジズレ発生の有無、レジズレの程度、及び濃度異常の発生の有無を判断する。尚、トナーを用いて形成されるパッチレイアウトは、調整に用いられるため、以下単に、調整画像という。
【0061】
レジズレが発生していると判断した場合には、調整部186は、レジズレが解消するように露光光源154Kから154Yの露光位置を調整する。より具体的には、調整部186は、レジスト補正値を調整して露光光源154Kから154Yの露光位置を調整する。また、これに限定される訳ではなく、調整部186は、露光光源154Kから154Yの温度差が減少するように、レジズレが生じた色のエンジンを構成する露光光源を微弱点灯させる。尚、微弱点灯とは、感光体152Kから152Yが感光することで画像欠陥が生じることがない程度に弱い光を点灯することをいう。
【0062】
また、濃度異常が発生していると判断した場合には、調整部186は、発生した濃度異常が解消するように、例えば、ディザ行列を用いたディザ法を用いて濃度階調値を調整する。
【0063】
部材を保護する調整の具体例として、調整部165は、予め定められた量の帯状に広がるトナーバンドを、感光体152Kから152Yに吸着させることで、転写ベルト151に転写する。つまり、調整部165は、摩擦が大きくなった部材にトナーを供給することで摩擦を軽減して部材を保護する調整を行う。
尚、例えば、カラーレジ調整用パッチレイアウトと濃度調整用パッチレイアウトとトナーバンドとが互いに重ならない場合には、調整部165は、画質を向上させるカラーレジの調整及び濃度の調整、並びに部材を保護する調整を並列して実行できる。逆に、それぞれのレイアウトとが互いに重なる場合には、調整部165は、それぞれの調整を並列して実行できない。
【0064】
実行制御部185は、実行部180aが実行制御処理を実行することで実現される。実行制御部185は、画像形成部150、記憶部181、第1判断部182、第2判断部183、第3判断部184、及び調整部186に接続する。実行制御部185は、第1判断部182で行うと判断した第1の調整と、第2判断部183で行うと判断した第2の調整とを並列又は直列に行うように調整部186を制御した後に、調整の後処理を行うよう画像形成部150を構成する清掃部材157を制御する。また、実行制御部185は、第3判断部184が第1の調整は画像の画質を向上させる調整であると判断する場合に、第2の調整を、第1の時期に第1の調整と並列に、又は第1の時期に行われる第1の調整の前又は後に直列に行うよう調整部186を制御する。逆に、実行制御部185は、第3判断部184が第1の調整は部材を保護する調整であると判断する場合に、第1の調整を、第2の時期に第2の調整と並列に、又は第2の時期に行われる第2の調整の前又は後に直列に行うよう調整部186を制御する。尚、実行制御部185は、第1の調整と第2の調整とが並列して実行できるか否かを、第1の調整と第2の調整との組み合わせに関連付けて記憶部181が記憶する情報を検索すると共に、検索した情報が表す並列実行の可否に基づいて判断する。
【0065】
次に図6及び7を参照して、制御部180が実行する制御処理について説明する。図7は、制御部180が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの一部であり、図8は、制御部180が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの他部である。
先ず、制御部180は、第1のセットアップが必要であるか否か、及び第1のセットアップを行う第1の時期(以下単に、第1セットアップのタイミングという)を判断する(ステップS01)。制御部180は、過去に形成した画像の数に基づいて、第1のセットアップが必要であると判断する場合にはステップS02の処理を実行し、そうで無い場合にはステップS14の処理を実行する。
【0066】
ステップS01において、第1のセットアップが必要であると判断した場合には、制御部180は、将来に形成する予定の画像の数に基づいて、第2のセットアップが必要であるか否か、及び第2のセットアップを行う第2の時期(以下単に、第2タイミングという)を判断する(ステップS02)。制御部180は、第2のセットアップが必要であると判断する場合にはステップS03の処理を実行し、そうで無い場合にはステップS12の処理を実行する。
【0067】
ステップS02において、第2のセットアップが必要であると判断した場合には、制御部180は、第1のセットアップと第2のセットアップとが並列に実行可能であるか否かを判断する(ステップS03)。制御部180は、並列に実行可能であると判断する場合にはステップS04の処理を、そうで無い場合にはステップS05の処理を実行する。
【0068】
ステップS03において、並列に実行可能であると判断した場合には、制御部180は、第1のセットアップは、画質を向上させるセットアップ(以下単に、画質系のセットアップという)であるか否かを判断する(ステップS04)。制御部180は、画質系のセットアップであると判断する場合にはステップS06の処理を、そうで無い場合にはステップS07の処理を実行する。
ステップS03において、並列に実行可能でないと判断した場合には、制御部180は、第1のセットアップは、画質系のセットアップであるか否かを判断する(ステップS05)。制御部180は、画質系のセットアップであると判断する場合にはステップS09の処理を、そうで無い場合にはステップS10の処理を実行する。
【0069】
ステップS04において、画質系のセットアップであると判断した場合には、制御部180は、第1セットアップのタイミングで並列に第1のセットアップと第2のセットアップとを実行する(ステップS06)。その後、制御部180は、ステップS13の処理を実行する。
【0070】
ステップS04において、画質系のセットアップでないと判断した場合には、制御部180は、第2セットアップのタイミングまで画像を形成する(つまり、コピーを実行する)よう画像形成部150を制御する(ステップS07)。次に、制御部180は、第2セットアップのタイミングで並列に第1のセットアップと第2のセットアップとを実行する(ステップS08)。その後、制御部180は、ステップS13の処理を実行する。
【0071】
ステップS05において、画質系のセットアップであると判断した場合には、制御部180は、第1セットアップのタイミングで直列に第1のセットアップと第2のセットアップとを実行する(ステップS09)。その後、制御部180は、ステップS13の処理を実行する。
【0072】
ステップS05において、画質系のセットアップでないと判断した場合には、制御部180は、第2セットアップのタイミングまでコピーを実行するよう画像形成部150を制御する(ステップS10)。次に、制御部180は、第2セットアップのタイミングで直列に第1のセットアップと第2のセットアップとを実行する(ステップS11)。その後、制御部180は、ステップS13の処理を実行する。
【0073】
ステップS02において、第2のセットアップが不要であると判断した場合には、制御部180は、第1のセットアップを実行する(ステップS12)。その後、制御部180は、ステップS13の処理を実行する。
【0074】
ステップS06、ステップS08、ステップS09、ステップS11、又はステップS12を実行した後に、制御部180は、クリーニングを行うよう清掃部材157を制御する(ステップS13)。
【0075】
ステップS01において、第1のセットアップが不要であると判断した場合、又はステップS13を実行した後に、制御部180は、1回だけ画像を形成するよう画像形成部150を制御してコピー又はプリントを行う(ステップS14)。その後、制御部180は、ジョブの実行が終了したか否かを判断する(ステップS15)。制御部180は、ジョブの実行が終了したと判断する場合には制御処理の実行を終了し、そうでない場合にはステップS01に戻り上記処理を繰り返す。
【0076】
尚、図6及び7において、ステップS01の処理が第1判断部182を実現する第1判断処理に相当し、ステップS02の処理が第2判断部183を実現する第2判断処理に相当し、ステップS03及びS06からS14の処理が実行制御部185を実現する実行制御処理に相当し、ステップS04及びS05の処理が第3判断部184を実現する第3判断処理に相当する。
【0077】
本実施例において、画像形成部150が形成手段に相当し、撮像部170が撮像手段に相当し、第1判断部182が第1判断手段に相当し、第2判断部183が第2判断手段に相当し、第3判断部184が第3判断手段に相当し、実行制御部185が実行制御手段に相当し、調整部186が調整手段に相当する。
【0078】
制御部180が実行するプログラムは、磁気ディスクや光ディスク、半導体メモリ、その他の記録媒体に格納して配布したり、ネットワークを介して配信したりすることにより提供できる。
更に、画像形成装置100がソフトウェア処理を実行することで実現する機能の一部又は全部は、ハードウェア回路を用いて実現することができる。逆に、画像取得装置100がハードウェア回路を用いて実現する機能の一部又は全部は、ソフトウェア処理を実行することで実現することができる。
【0079】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の画像形成装置を備える画像形成システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】画像形成部の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図3】制御部の一構成例を表すハードウェア構成図である。
【図4】制御部が実行する制御処理の一例を概説するための図である。
【図5】制御部の一構成例を表す機能ブロック図である。
【図6】制御部が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの一部である。
【図7】制御部が実行する制御処理の一例を表すフローチャートの他部である。
【符号の説明】
【0081】
1…画像形成システム 10…通信網
100…画像形成装置 110…画像読取部
120…情報通信部 130…入力部
140…積載部 150…画像形成部(形成手段)
151…転写ベルト 156…2次転写ロール
157…清掃部材(クリーニングブレード) 160…測定部
170…撮像部(撮像手段) 180…制御部
180a…CPU 180b…ROM
180c…RAM 180e…I/F
180f…バス 181…記憶部
182…第1判断部(第1判断手段)
183…第2判断部(第2判断手段)
184…第3判断部(第3判断手段) 185…実行制御部(実行制御手段)
186…調整部(調整手段) 201…端末装置
202…端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を形成する形成手段と、
前記形成手段で形成される画像の画質を向上させる調整、及び前記形成手段で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれか1つ以上を行う調整手段と、
前記形成手段で過去に形成された画像の数に基づいて、前記調整手段が第1の調整を行うか否かを判断する第1判断手段と、
前記形成手段で将来に形成される画像の数に基づいて、前記調整手段が前記第1の調整の後に第2の調整を行うか否かを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段で行うと判断した第1の調整と、前記第2判断手段で行うと判断した第2の調整とを並列又は直列に行うように前記調整手段を制御した後に、前記調整の後処理を行うよう前記形成手段を制御する実行制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の調整が画像の画質を向上させる調整か否かを判断する第3判断手段を更に備え、
前記第1判断手段は、前記第1の調整を行う第1の時期を更に判断し、
前記第2判断手段は、前記第1の時期よりも遅い前記第2の調整を行う第2の時期を更に判断し、
前記実行制御手段は、前記第3判断手段が前記第1の調整は画像の画質を向上させる調整であると判断する場合に、前記第2の調整を、前記第1の時期に前記第1の調整と並列に、又は前記第1の時期に行われる前記第1の調整の前又は後に直列に行うよう前記調整手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の調整が部材を保護する調整か否かを判断する第3判断手段を更に備え、
前記第1判断手段は、前記第1の調整を行う第1の時期を更に判断し、
前記第2判断手段は、前記第1の時期よりも遅い前記第2の調整を行う第2の時期を更に判断し、
前記実行制御手段は、前記第3判断手段が前記第1の調整は部材を保護する調整であると判断する場合に、前記第1の調整を、前記第2の時期に前記第2の調整と並列に、又は前記第2の時期に行われる前記第2の調整の前又は後に直列に行うよう前記調整手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記形成手段は、前記調整に用いられる調整画像をトナーを用いて形成し、
前記形成手段で形成された調整画像を撮像する撮像手段を更に備え、
前記調整手段は、前記撮像手段が撮像した調整画像に基づいて、前記形成手段の調整を行い、
前記後処理は、前記調整画像の形成に用いられたトナーを清掃する処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
コンピュータを、
画像を形成する形成手段で印刷される画像の画質を向上させる調整、及び前記形成手段で画質を維持するために使用される部材を保護する調整のいずれか1つ以上を行う調整手段と、
前記形成手段で過去に形成された画像の数に基づいて、前記調整手段が第1の調整を行うか否かを判断する第1判断手段と、
前記形成手段で将来に形成される画像の数に基づいて、前記調整手段が前記第1の調整の後に第2の調整を行うか否かを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段で行うと判断した第1の調整と、前記第2判断手段で行うと判断した第2の調整とを並列又は直列に行うように前記調整手段を制御した後に、前記調整の後処理を行うよう前記形成手段を制御する実行制御手段として機能させることを特徴とする画像形成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−139812(P2010−139812A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316587(P2008−316587)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】