説明

画像形成装置及び画像形成ユニット

【課題】露光ヘッド側と、画像形成ユニット側と、に形成される嵌合部分の姿勢にずれが生じないようにすること。
【解決手段】画像形成ユニットのサイドフレーム118Bに、軸部材119B−fを介して回転自在に取り付けられた位置規制突起部本体119B−aにポスト119B−bを形成する。位置規制突起部本体119B−aは、付勢部材119B−cにより一方向に付勢され、ポスト119B−bが嵌め合わされる位置規制穴を有する露光装置が近づくと、変位部材119B−dが位置規制突起部本体119B−aの方向に押し込まれ、変位部材119B−dの第1傾斜面119B−hにより、位置規制突起部本体119B−dは、付勢部材119B−cが付勢する方向とは逆の方向に押し返される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体に対して開閉自在にされた開閉カバーを有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を用いた画像形成装置では、本体の上方に開閉カバーが設けられ、この開閉カバーの内側に露光ヘッドが取り付けられているものがある。そして、このような画像形成装置では、本体内に感光ドラムを備えた画像形成ユニットが備えられており、開閉カバーを閉じることにより、露光ヘッドと画像形成ユニットとが予め定められた位置に配置されるようになる。このような画像形成装置では、露光ヘッド側に形成された穴と、画像形成ユニット側に形成されたポストと、を嵌め合わせることで、露光ヘッドと、画像形成ユニットと、の位置合わせが行われる。
【0003】
そして、特許文献1に記載の技術では、露光ヘッドが開閉カバーに対して、わずかに移動できる状態で保持されていることで、開閉カバーを本体に対して開閉した際に、ポストと穴との中心がずれて、ポストが穴に引っかかり、露光ヘッドと、画像形成ユニットと、の位置合わせが正確に行われなくなることを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−209862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、開閉カバーが、本体に対して、軸部材を介して開閉するように構成されている場合には、軸部材を介して開閉カバーを開閉する際に、開閉カバー及び露光ヘッドは軸部材の回転軸を中心とする円弧状の軌道を移動するため、露光ヘッド側に形成された穴と、画像形成ユニット側に形成されたポストと、の相対的な姿勢(向き)にずれが生じてしまう。
【0006】
このように、露光ヘッド側に形成された穴と、画像形成ユニット側に形成されたポストと、の姿勢(向き)がずれている場合には、穴やポストの大きさや形状により、開閉カバーを開閉する際に、これらが引っかかってしまうことがある。
【0007】
そこで、本発明は、露光ヘッド側と、画像形成ユニット側と、に形成される嵌合部分の姿勢にずれが生じないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、本発明は、装置本体と、前記装置本体に開閉自在な開閉カバーと、前記装置本体に収容された画像形成ユニットと、前記開閉カバーに備えられた露光装置と、前記画像形成ユニット及び前記露光装置の何れか一方に備えられた第1嵌合部と、前記画像形成ユニット及び前記露光装置の何れか他方に備えられ、前記開閉カバーが閉じられたときに前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部と、前記開閉カバーが閉じられる過程で、前記露光装置が前記画像形成ユニットに近づく動作に連動して、前記第1嵌合部の基準線を前記第2嵌合部の基準線に近づけるように、前記第1嵌合部の傾きを変化させる機構と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、露光ヘッド側と、画像形成ユニット側と、に形成される嵌合部分の姿態にずれが生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成図。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の縦断面図。
【図3】実施の形態1における画像形成ユニット及び露光ヘッドの縦断面図。
【図4】実施の形態1における露光装置と、感光体ドラムと、サイドフレームと、の概略図。
【図5】実施の形態1における位置規制突起部の分解斜視図。
【図6】(A)及び(B)は、実施の形態1における変位部材の上面図及び側面図。
【図7】(A)から(C)は、実施の形態1における露光装置とサイドフレームとが離れている場合のポストの姿勢を示す概略図。
【図8】(A)から(C)は、実施の形態1における露光装置とサイドフレームとが接近した場合のポストの姿勢を示す概略図。
【図9】(A)から(D)は、実施の形態1における位置規制穴及びポストの姿勢の変化を示す概略図。
【図10】実施の形態1の変形例を示す側面図。
【図11】実施の形態1の他の変形例を示す側面図。
【図12】実施の形態1のさらに他の変形例を示す側面図。
【図13】実施の形態2に係る画像形成装置の全体構成図。
【図14】実施の形態2における露光装置と、サイドフレームの概略図。
【図15】実施の形態2における位置規制突起部及びサイドフレームの斜視図。
【図16】(A)及び(B)は、実施の形態2における変位部材の上面図及び側面図。
【図17】実施の形態2における露光装置とサイドフレームとが離れている場合のポストの姿勢を示す概略図。
【図18】実施の形態2における露光装置とサイドフレームとが接近した場合のポストの姿勢を示す概略図。
【図19】(A)から(D)は、実施の形態2における位置規制穴及びポストの姿勢の変化を示す概略図。
【図20】実施の形態2の変形例を示す側面図。
【図21】実施の形態2の他の変形例を示す側面図。
【図22】実施の形態2のさらに他の変形例を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明における実施の形態1に係る画像形成装置100の全体構成図である。図示するように、画像形成装置100は、装置本体110と、開閉カバー130と、を備える。
【0012】
装置本体110には、画像形成ユニット111K、111Y、111M、111Cが収容される。ここで、画像形成ユニット111Kはブラック用、画像形成ユニット111Yはイエロー用、画像形成ユニット111Mはマゼンタ用、画像形成ユニット111Cはシアン用、の画像形成ユニットであるが、以下、これらを特に区別する必要がない場合には、画像形成ユニット111という。
【0013】
開閉カバー130には、露光装置131K、131Y、131M、131Cが備えられる。ここで、露光装置131Kはブラック用、露光装置131Yはイエロー用、露光装置131Mはマゼンタ用、露光装置131Cはシアン用、の露光装置であるが、以下、これらを特に区別する必要がない場合には、露光装置131という。
【0014】
露光装置131K、131Y、131M、131Cの開閉カバー130とは反対側の先端には、露光ヘッド132K、132Y、132M、132Cが取り付けられている。ここで、露光ヘッド132Kはブラック用、露光ヘッド132Yはイエロー用、露光ヘッド132Mはマゼンタ用、露光ヘッド132Cはシアン用、の露光ヘッドであるが、以下、これらを特に区別する必要がない場合には、露光ヘッド132という。
【0015】
また、開閉カバー130は、装置本体110に対して軸部材150A、150Bを介して連結されている。このため、開閉カバー130は、軸部材150A、150Bの回転軸を中心にして、装置本体110の上方を覆う第1位置と、装置本体110の上方を解放する第2位置と、の間を移動することができる。このとき、開閉カバー130は、軸部材150A、150Bの回転軸を中心にして円弧状の軌跡Aに沿って移動し、また、開閉カバー130の移動に伴って、開閉カバー130に備えられる露光装置131も円弧状の軌跡Bに沿って移動する。
【0016】
図2は、画像形成装置100の縦断面図である。図示するように、画像形成装置100の装置本体110には、像担持体に現像剤像を形成する画像形成ユニット111と、像担持体に形成された現像剤像を記録媒体に転写する転写ベルトユニット120と、記録媒体に転写された現像剤像を定着する定着装置121と、記録媒体を収容する給紙カセット122と、給紙カセット122に収容された記録媒体を転写ベルトユニット120に搬送する給紙部123と、が収容される。また、開閉カバー130には、像担持体に静電潜像を形成する露光装置131が備えられる。
【0017】
図3は、画像形成ユニット111及び露光ヘッド132の縦断面図である。図示するように、画像形成ユニット111は、像担持体である感光体ドラム112と、感光体ドラム112を帯電させる帯電装置113と、感光体ドラム112に形成された静電潜像に現像剤により現像剤像を形成する現像ローラ114と、現像ローラ114に現像剤を供給する供給ローラ115と、現像ローラ114に圧接した状態で配置され、現像ローラ114の表面に現像剤層を形成する現像ブレード116と、感光体ドラム112の残留現像剤を除去するクリーニング部117と、を有する。なお、画像形成ユニット111には、図3には図示していないが、感光体ドラム112の長手方向の両端に、一対のサイドフレームが設けられている。
【0018】
露光ヘッド132は、印刷データに基づいて露光を行い、感光体ドラム112に静電潜像を形成する。ここで、露光ヘッド132と、感光体ドラム112と、の間の相対位置がずれると、露光ヘッド132の露光により感光体ドラム112に形成される静電潜像に焦点ボケが生じてしまう。
【0019】
図4は、露光装置131と、感光体ドラム112と、サイドフレーム118A、118Bの概略図である。
【0020】
サイドフレーム118A、118Bは、感光体ドラム112の長手方向の両端に配置されている。そして、サイドフレーム118A、118Bは、感光体ドラム112を回転自在に保持する。例えば、本実施の形態では、サイドフレーム118A、118Bのそれぞれ対応する位置に、感光体ドラム112を回転自在に支持するシャフト112A、112Bを通すための貫通孔(図示せず)が設けられており、これらの貫通孔に感光体ドラム112のシャフト112A、112Bを通すことにより、感光体ドラム112は、サイドフレーム118A、118Bに対して、回転させることができる。
【0021】
また、サイドフレーム118A、118Bには、各々、位置規制突起部119A、119Bが形成されている。位置規制突起部119A、119Bのそれぞれには、露光装置131の方向に向かって凸状のポスト119A−b、119B−bを有する。なお、位置規制突起部119A、119Bについては、図5を用いて詳細に説明する。
【0022】
露光装置131は、露光ヘッド132と、露光ヘッドホルダ133と、を有する。ここで、本実施の形態では、露光ヘッド132として、LEDヘッドを用いているが、このような態様に限定されるものではない。
【0023】
露光ヘッド132の、サイドフレーム118A、118Bに対向する面には、サイドフレーム118A、118Bに形成されている位置規制突起部119A、119Bに対向する位置に、位置規制突起部119A、119Bのポスト119A−b、119B−bを嵌め込むことができる大きさ及び形状の位置規制穴132A−a、132B−aが形成されている。
【0024】
ここで、本実施の形態においては、ポスト119A−bを嵌め込むことができる位置規制穴132A−aは、露光ヘッド132の長手方向における内径が、幅方向における内径よりも長くなるような内部空間を有する凹状に形成されており、ポスト119B−bを嵌め込むことができる位置規制穴132B−aは、露光ヘッド132の長手方向における内径と、幅方向における内径と、が同じになるような内部空間を有する凹状に形成されている。なお、位置規制穴132A−aを、位置規制穴132B−aと同様に、露光ヘッド132の長手方向における内径と、幅方向における内径と、が同じになるように形成することもできる。
【0025】
露光ヘッドホルダ133は、厚さ方向の一端が、開閉カバー130の装置本体110に対向する内側面に固定される。そして、開閉カバー130に固定されていない他端に露光ヘッド132を着脱自在に取り付けることができるように形成されている。また、露光ヘッドホルダ133には、露光ヘッド132を露光ヘッドホルダ133に取り付けた際に、取り付けた露光ヘッド132を開閉カバー130から遠ざかる方向(感光体ドラム112の方向)に付勢する弾性部材134A、134Bが設けられている。
【0026】
また、露光ヘッドホルダ133の長手方向の両端には、露光ヘッドホルダ133の下方に延びた爪部133B−a、133A−aが形成されている。ここで、爪部133B−a、133A−aの内側の面の間隔Lは、サイドフレーム118A、118Bの外側の面の間隔Lよりも長くされており、かつ、開閉カバー130を装置本体110側に閉じる過程で、爪部133A−a、133B−aが、後述する変位部材119B−dの第2傾斜面119B−iに接触するように、形成されている。
【0027】
なお、爪部133A−a、133B−aの形状及び大きさは、位置規制突起部119A、119Bのポスト119A−b、119B−bの先端が、位置規制穴132A−a、132B−aの内部に入り込んだ際に、爪部133A−a、133B−aの先端が、後述する変位部材119B−dの第2傾斜面119B−iに接触するような大きさ及び形状に形成すればよい。
【0028】
図5は、位置規制突起部119Bの分解斜視図である。図示するように、位置規制突起部119Bは、位置規制突起部本体119B−aと、ポスト119B−bと、付勢部材119B−cと、変位部材119B−dと、を有する。
【0029】
位置規制突起部本体119B−aは、サイドフレーム118Bに対して、開閉カバー130の軸部材150A、150Bの回転軸と同じ方向の回転軸を中心として、回転自在に支持されている。
【0030】
例えば、本実施の形態においては、サイドフレーム118Bの内側面、すなわち、感光体ドラム112が取り付けられる側の面には、軸受け孔118B−aが設けられており、この軸受け孔118B−aの開口を通る軸線は、開閉カバー130の回転軸と平行になるように形成されている。また、位置規制突起部本体119B−aには、貫通孔119B−gが設けられている。そして、サイドフレーム118Bの内側面の側に位置規制突起部本体119B−aを配置し、サイドフレーム118Bとは反対側より、位置規制突起部本体119B−aの貫通孔119B−gに軸部材119B−fを貫通させ、軸部材119B−fの先端をサイドフレーム118Bの軸受け孔118B−aに挿入する。このように構成することで、位置規制突起部本体119B−aは、軸部材119B−fの軸線を中心として回転することができるようになる。
【0031】
ポスト119B−bは、位置規制突起部本体119B−aの上方(開閉カバー130の方向)に突出するように形成されている。ここで、ポスト119B−bが突出する方向は、位置規制突起部本体119B−aの回転軸に対して垂直な方向となるようにされている。また、ポスト119B−bの形状及び大きさは、露光ヘッド132に形成されている位置規制穴132B−aに嵌め込むことができる形状及び大きさに形成されている。なお、ポスト119B−bの先端は、位置規制穴132B−aに挿入する際に、位置規制穴132B−a及び位置規制穴132B−aの周囲の部分に引っかからないように、ポスト119B−bの予め定められた位置から先端に向かって、徐々に横断面積が小さくなるような傾斜(テーパー)が付けられている。
【0032】
付勢部材119B−cは、位置規制突起部本体119B−aの貫通孔119B−gの軸線よりも上方、すなわち、貫通孔119B−gの軸線よりもポスト119B−b側に形成されており、位置規制突起部本体119B−aを開閉カバー130の軸部材150A、150Bの側に付勢するように形成されている。例えば、本実施の形態では、付勢部材119B−cは、少なくともその一部が、ゴム又はバネ等の弾性材により形成されている。
また、付勢部材119B−cは、貫通孔119B−gの軸線よりもポスト119B−b側であって、位置規制突起部本体119B−aの開閉カバー130の軸部材150A、150Bとは反対側に配置されている。そして、付勢部材119B−cの先端が、サイドフレーム118Bに接触するようにすることで、位置規制突起部本体119B−aを開閉カバー130の軸部材150A、150B側に付勢するように形成されている。
【0033】
変位部材119B−dは、開閉カバー130の閉動作に従って、露光装置131がサイドフレーム118Bに近づくに従って、位置規制突起部本体119B−aの、貫通孔119B−gの軸線よりもポスト119B−b側を、位置規制突起部本体119B−aの開閉カバー130の軸部材150A、150Bとは反対側に、付勢部材119B−cによる付勢力に反して押し返すように形成されている。
【0034】
図6(A)及び(B)は、変位部材119B−dの概略図である。
例えば、本実施の形態では、変位部材119B−dは、図6(A)に示すように、一方向に長尺な柱状の部材で形成されており、その長手方向の一端には第1傾斜面119B−hが形成されており、また、図6(B)に示すように、その長手方向の他端には第2傾斜面119B−iが形成されている。
【0035】
図6(A)に示すように、第1傾斜面119B−hは、一方の側面119B−k側において、変位部材119B−dの一端から他端に向かって、変位部材119B−dの厚さが徐々に厚くなるように形成されている。そして、図5に示すように、変位部材119B−dの上面119B−jが上方に位置するように、変位部材119B−dをサイドフレーム118Bの後述するレール孔118B−bに挿入した際に、第1傾斜面119B−hが位置規制突起部本体119B−aの方向に向くように配置される。
【0036】
また、図6(B)に示すように、第2傾斜面119B−iは、変位部材119B−dの上面119B−jに形成されている。すなわち、第2傾斜面119B−iは、変位部材119B−dの上面119B−jにおいて、変位部材119B−dの他端から一端に向かって、変位部材119B−dの厚さが徐々に厚くなるように形成されている。なお、変位部材119B−dの第1傾斜面119B−h側の側面119B−kとは反対側の側面119B−lは、平滑な平面に形成されている。
【0037】
図6(B)に示すように、変位部材119B−dの下面119B−mには、第1傾斜面119B−hが設けられている一端側が、第2傾斜面119B−iが設けられている他端側よりも、変位部材119B−dの厚さが厚くなるような段差119B−nが形成されている。
なお、段差119B−nが形成される位置は、変位部材119B−dの第2傾斜面119B−i側から、変位部材119B−dをサイドフレーム118Bのレール孔118B−bに挿入した際に、段差119B−nがレール孔119B−bに引っかかる位置において、変位部材119B−dの第1傾斜面119B−h側の先端が、位置規制突起部本体119B−aと、サイドフレーム118Bの後述する対向面118B−cと、の間に所定の深さまで挟み込まれるような位置にする。
【0038】
ここで、変位部材119B−dの長手方向に対する第1傾斜面119B−hの角度α、及び、変位部材119B−dの長手方向に対する第2傾斜面119B−iの角度βは、後述するように、開閉カバー130の開閉動作に従って、ポスト119B−bが、露光ヘッド132に形成されている位置規制穴132B−aに入り込む際に、ポスト119B−bをその突出方向に貫き、かつ、ポスト119B−bの先端を通る基準線が、位置規制穴132B−aをその開口方向に貫き、かつ、位置規制穴132B−aの開口を通る基準線の傾きに対応した傾きとなるように、位置規制突起部本体119B−aの姿勢を変化させることができるように形成されている。
なお、本実施の形態においては、ポスト119B−bの基準線は、ポスト119B−bの軸線が使用され、位置規制穴132B−aの基準線は、位置規制穴132B−aの軸線が使用されているが、このような態様に限定されるものではなく、ポスト119B−bの基準線及び位置規制穴132B−aの基準線は、露光ヘッド132と、画像形成ユニット111(感光体ドラム112)と、が正常に位置合わせされた際に、ポスト119B−bの基準線と、位置規制穴132B−aの基準線と、が一致するようにされていればよい。
【0039】
図5に戻り、サイドフレーム118Bには、サイドフレーム118Bの軸受け孔118B−aの軸線よりも上方であって、かつ、サイドフレーム118Bの軸受け孔118B−aよりも、開閉カバー130の軸部材150A、150B側にレール孔118B−bが形成されている。このレール孔118B−bは、その軸線が、開閉カバー130の回転軸と平行な方向に形成されている。
そして、レール孔118B−bの大きさ及び形状は、変位部材119B−dの他端側を挿入し、この変位部材119B−dの段差119B−nよりも他端側を変位部材119B−dの長さ方向に移動させることができるような大きさ及び形状に形成されており、変位部材119B−dの段差119B−nよりも一端側は、レール孔118B−bの内部に入り込むことができないような大きさ及び形状に形成されている。
【0040】
さらに、サイドフレーム118Bの位置規制突起部本体119B−aが配置される側には、レール孔118B−bの内側の側面であって、軸受け孔118B−aとは反対側に位置する側面、と連続する対向面118B−cが形成されており、変位部材119B−dをレール孔118B−bに挿入した際に、変位部材119B−dの側面119B−lがこの対向面118B−cに接触することにより、変位部材119B−dに付勢部材119B−cによる付勢力がかかった場合でも、変位部材119B−dが付勢部材119B−cによる付勢力がかかる方向に移動しない。
【0041】
なお、サイドフレーム118A及び位置規制突起部119Aは、サイドフレーム118B及び位置規制突起部119Bに対して、感光体ドラム112の回転軸に垂直な面で対称となるように構成されている。
【0042】
以上のように、本実施の形態における爪部133A−a、133B−aと、位置規制突起部119A、119Bと、を形成したので、図7(A)に示すように、露光装置131がサイドフレーム118Bから離れ、爪部133B−aが位置規制突起部119Bの変位部材119B−dに接触していない状態では、図7(B)に示すように、付勢部材119B−cの付勢力により、位置規制突起部本体119B−aの軸部材119B−fの回転軸よりもポスト119B−b側は、付勢部材119B−cの反対側、すなわち、開閉カバー130の軸部材150A、150Bの側に配置される。
このとき、爪部133B−aが、位置規制突起部119Bの変位部材119B−dに接触していないので、変位部材119B−dは、位置規制突起部本体119B−aを介して付勢部材119B−cからの付勢力を受ける。このような付勢力を受けると、変位部材119B−dの側面119B−lが対向面118B−cにより抑えられているため、第1傾斜面119B−hにより、受けた付勢力がサイドフレーム118Bの外側方向Sに働き、図7(C)に示すように、変位部材119B−dは、サイドフレーム118Bの外側方向Sに移動する。
なお、変位部材119B−dの移動は、段差119B−nがレール孔118B−bに引っかかることで止まる。このとき、図7(C)のように、変位部材119B−dの第2傾斜面119B−iは、サイドフレーム118Bの外側に露出する。
【0043】
次に、図8(A)に示すように、露光装置131がサイドフレーム118Bに接近し、露光ヘッド132に形成されている位置規制穴132B−aに、ポスト119B−bが嵌め込まれた状態では、爪部133B−aは、変位部材119B−dを覆う位置にまで移動する。
ここで、図1に示すような開閉カバー130を閉じることにより露光装置131を、サイドフレーム118Bの方向に移動させる際に、爪部133B−aが、変位部材119B−dの図6(B)に示すような第2傾斜面119B−iに接触する。そして、露光装置131をサイドフレーム118Bの方向に移動する力が、図6(B)に示すような第2傾斜面119B−iを介して変位部材119B−dにかかる。
そして、変位部材119B−dは、レール孔118B−bに挿入されており、露光装置131が動く方向への移動が抑制されているため、変位部材119B−dにかかる力は、図6(B)に示すような第2傾斜面119B−iにより、変位部材119B−dをサイドフレーム118Bの内側方向に移動させるように働く。このような力により、変位部材119B−dは、サイドフレーム118Bの内側方向に移動する。
変位部材119B−dがサイドフレーム118Bの内側方向に移動すると、図6(A)に示すような第1傾斜面119B−hにより、対向面118B−cと位置規制突起部本体119B−aとの間に挟み込まれる変位部材119B−dの厚さが徐々に増すため、図8(B)に示すように、付勢部材119B−cの付勢力に反して、位置規制突起部本体119B−aの軸部材119B−fの回転軸よりもポスト119B−b側は、付勢部材119B−cの側、すなわち、開閉カバー130の軸部材150A、150Bとは反対側に配置される。このとき、図8(C)のように、変位部材119B−dは、爪部133B−aよりもサイドフレーム118Bの内側に入り込む。
【0044】
図7及び図8に示すように、本実施の形態では、図1に示すような開閉カバー130の開閉に応じた露光装置131の開閉動作により、位置規制突起部119A、119Bのポスト119A−b、119B−bは、開閉カバー130の軸部材150A、150Bの側に配置された位置と、開閉カバー130の軸部材150A、150Bとは反対側に配置された位置と、の間を移動するようになる。
【0045】
以上のように、本実施の形態を構成したので、図9(A)に示すように、露光ヘッド132が、位置規制突起部119Bの変位部材119B−dに接触していない状態では、ポスト119B−bの基準線Eは、図5に示すような付勢部材119B−cの付勢力により、図1に示すような開閉カバー130の軸部材150A、150Bの側に傾いた位置に置かれる。
そして、図9(B)に示すように、ポスト119B−bの基準線Eの傾きは、図9(A)に示すような位置よりも図1に示すような開閉カバー130を閉じていき、爪部133B−aが変位部材119B−dの図6(B)に示すような第2傾斜面119B−iに接触し始めた時の位置規制穴132B−aの基準線Fの傾きと、一致するように形成されており、この時には、ポスト119B−bの基準線E(の延長線)と位置規制穴132B−aの基準線F(の延長線)とが一致するようにされている。
【0046】
そして、図9(C)に示すように、図9(B)に示す位置よりも図1に示すような開閉カバー130を閉じていき、爪部133B−aが変位部材119B−dの図6(B)に示すような第2傾斜面119B−iを押圧し、変位部材119B−dをサイドフレーム118Bの内側方向に移動させることにより、変位部材119B−dの第1傾斜面119B−hが、図5に示すような付勢部材119B−cの付勢力に反して、図5に示すような位置規制突起部本体119B−aを付勢部材119B−cの方向に押し返す。
このことにより、ポスト119B−bの基準線Eは、図1に示すような開閉カバー130の軸部材150A、150Bの側への傾きが緩和されて、図5に示すような付勢部材119B−cの方に戻ってくる。このようにすることで、図1に示すような開閉カバー130の軸部材150A、150Bの軸線を中心とした回転により、露光ヘッド132に形成されている位置規制穴132B−aの基準線Fの傾きの変化に応じて、ポスト119B−bの基準線Eの傾きも変化するため、これらの基準線E、F(の延長線)が一致するようになる。
【0047】
さらに、図9(D)に示すように、図9(C)に示す位置よりも図1に示すような開閉カバー130を閉じていき、爪部133B−aが変位部材119B−dの外側面を覆う位置にまで達すると、さらに変位部材119B−dは、サイドフレーム118Bの内側方向に移動するようになる。このことにより、ポスト119B−bの基準線Eは、図1に示すような開閉カバー130の軸部材150A、150Bの側への傾きがさらに緩和されて、図9の鉛直方向にまで達するようになる。
このようにすることで、図1に示すような開閉カバー130の軸部材150A、150Bの軸線を中心とした回転により、露光ヘッド132に形成されている位置規制穴132B−aの基準線Fの傾きの変化に応じて、ポスト119B−bの基準線Eの傾きも変化するため、これらの基準線E、Fが一致するようになる。
なお、本実施の形態で説明した基準線の一致は、基準線同士のずれ量が予め定められた閾値以下の場合を含む。このような閾値は、露光ヘッド132と、画像形成ユニット111と、が位置合わせされて、露光装置131と感光体ドラム112との間の距離が変わることにより起こる焦点ボケを防止することができるような値であればよい。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、サイドフレーム118A、118B側に設けられたポスト119A−b、119B−bの基準線の傾きが、露光装置131の移動軌跡に沿って、露光装置131側に設けられた位置規制穴132A、132Bの基準線の傾きの変化に対応して変化するため、ポスト119A−b、119B−bが位置規制穴132A、132Bに引っかかることなく、ポスト119A−b、119B−bを位置規制穴132A−a、132B−aに挿入することができるようになる。このような機構を有するため、ポスト119A−b、119B−bが位置規制穴132A−a、132B−aに挿入されることにより配置が特定される露光装置131と、感光体ドラム112と、の離間距離が予め定められた値になるような位置に確実に配置され、露光装置131と感光体ドラム112との間の距離が変わることにより起こる焦点ボケを防止することができる。
【0049】
以上に記載した実施の形態においては、露光ヘッド132に位置規制穴132A、132Bが設けられ、サイドフレーム118A、118Bにポスト119A−b、119B−bが設けられているが、以上のような形態に限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、露光ヘッド132にポスト119B−bを設け、サイドフレーム118Bに位置規制穴132B−aを設けるようにしてもよい。
【0050】
また、以上に記載した実施の形態においては、サイドフレーム118A、118Bに設けられた位置規制突起部119A、119Bが、サイドフレーム118A、118Bに対して回転することで、ポスト119A−b、119B−bの傾き(向き)が変わるようにされているが、このような態様に限定されるものではなく、例えば、図11に示すように、露光ヘッド132側に位置規制突起部119Bを設け、サイドフレーム118B側に爪部133B−a及び位置規制穴132B−aを設けるようにしてもよい。
【0051】
さらに、図11において、ポストと位置規制穴との位置を入れ替えることにより、例えば、図12に示すように、露光ヘッド132に位置規制穴132B−aを設け、サイドフレーム118Bにポスト119B−bを設けるようにしてもよい。
【0052】
実施の形態2.
次に、本発明における実施の形態2を説明する。図13は、本発明における実施の形態2に係る画像形成装置200の全体構成図である。図示するように、画像形成装置200は、装置本体210と、開閉カバー230と、を備え、実施の形態1と比較して、装置本体210に対して、開閉カバー230を開閉する方向が異なっている。以下、この異なっている点に関連する事項について説明する。
【0053】
装置本体210には、画像形成ユニット211K、211Y、211M、211Cが収容されている。ここで、画像形成ユニット211Kはブラック用、画像形成ユニット211Yはイエロー用、画像形成ユニット211Mはマゼンタ用、画像形成ユニット211Cはシアン用、の画像形成ユニットであるが、以下、これらを特に区別する必要がない場合には、画像形成ユニット211という。なお、画像形成ユニット211の構成は、図14に示すようなサイドフレーム218B(図示してはいないが、サイドフレーム218Aもサイドフレーム218Bと同様に構成されている)を除いて、実施の形態1と同様に構成されている。
【0054】
開閉カバー230には、露光装置231K、231Y、231M、231Cが収容されている。ここで、露光装置231Kはブラック用、露光装置231Yはイエロー用、露光装置231Mはマゼンタ用、露光装置231Cはシアン用、の露光装置であるが、以下、これらを特に区別する必要がない場合には、露光装置231という。
【0055】
開閉カバー230は、装置本体210に対して軸部材250A、250Bを介して連結されている。このため、開閉カバー230は、軸部材250A、250Bの回転軸を中心にして、装置本体210の上方を覆う第1位置と、装置本体210の上方を解放する第2位置と、の間で移動させることができる。このとき、開閉カバー230は、軸部材250A、250Bの回転軸を中心にする円弧状の軌跡Cに沿って移動し、また、開閉カバー230の移動に伴って、開閉カバー230に収容されている露光装置231も円弧状の軌跡Dに沿って移動する。ここで、実施の形態1では、開閉カバー130は、装置本体110に対して、感光体ドラム112の軸線と平行な方向の回転軸を中心に開閉されるように構成されているが、実施の形態2では、開閉カバー230は、装置本体210に対して、感光体ドラム112の軸線と垂直な方向の回転軸を中心に開閉されるように構成されている。
【0056】
図14は、露光装置231と、サイドフレーム218Bの概略図である。なお、実施の形態1と同様に、サイドフレーム218A(図示せず)とサイドフレーム218Bは、感光体ドラム(図示せず)の長手方向の両端に配置されている。そして、サイドフレーム218A(図示せず)及び218Bは、感光体ドラム(図示せず)を回転自在に保持する。
【0057】
図示するように、サイドフレーム218Bには、位置規制突起部219Bが形成されている。位置規制突起部219Bには、露光装置231の方向に向かって突出するポスト219B−bを有する。なお、位置規制突起部219Bについては、図15を用いて詳細に説明する。
【0058】
露光装置231は、露光ヘッド132と、露光ヘッドホルダ233と、を有し、実施の形態1と比較して、露光ヘッドホルダ233が異なっているため、以下、露光ヘッドホルダ233に関連する事項について説明する。
【0059】
露光ヘッドホルダ233は、幅方向の一端が、開閉カバー230の装置本体210に対向する内側面に固定される。ここで、露光ヘッドホルダ233は、実施の形態1と比較して、爪部233B−aが異なっているため、以下、爪部233B−aに関連する事項について説明する。なお、露光ヘッドホルダ233の爪部233B−aの反対側に形成されている爪部233A−aについては、露光ヘッドホルダ233の長手方向に垂直な面に対して対称となるように構成されている。
【0060】
本実施の形態における爪部233B−aは、露光ヘッドホルダ233の長手方向の一端において、露光ヘッドホルダ233の下方に向かって形成されている。ここで、爪部233B−aは、サイドフレーム218Bの外側からサイドフレーム218Bの内側に入り込む長さLを有しており、開閉カバー230を装置本体210側に閉じていく場合に、爪部233B−aの、サイドフレーム218Bの内側に入り込んだ部分が、後述する変位部材219B−dの第2傾斜面219B−iに接触するように、形成されている。
【0061】
なお、爪部233B−aの形状及び大きさは、位置規制突起部219Bのポスト219B−bの先端が、露光ヘッド132に形成された位置規制穴132B−aの内部に入り込んだ際に、爪部233B−aの先端が、後述する変位部材219B−dの第2傾斜面219B−iに接触するような大きさ及び形状に形成すればよい。
【0062】
図15は、位置規制突起部219B及びサイドフレーム218Bの斜視図である。図示するように、位置規制突起部219Bは、位置規制突起部本体219B−aと、ポスト219B−bと、付勢部材219B−cと、変位部材219B−dと、を有する。
【0063】
位置規制突起部本体219B−aは、サイドフレーム218Bに対して、開閉カバー230の回転軸と平行な回転軸を中心として回転自在に形成されている。
【0064】
例えば、本実施の形態においては、サイドフレーム218Bの内側面に、開閉カバー230の回転軸の軸線とほぼ垂直な方向に延びる第1壁面218B−dが形成されており、この第1壁面218B−dの位置規制突起部219B側の面に、軸受け孔(図示せず)が設けられている。なお、この軸受け孔(図示せず)の軸線は、開閉カバー230の回転軸と平行となるように形成されている。また、位置規制突起部本体219B−aには、貫通孔(図示せず)が設けられている。そして、サイドフレーム218Bの内側面の側に位置規制突起部本体219B−aを配置し、サイドフレーム218Bの第1壁面218B−dとは反対側より、位置規制突起部本体219B−aの貫通孔(図示せず)に軸部材219B−fを貫通させ、軸部材219B−fの先端を壁面218B−dの軸受け孔(図示せず)に挿入する。このように構成することで、位置規制突起部本体219B−aは、軸部材219B−fの軸線を中心として回転することができるようになる。
【0065】
ポスト219B−bは、位置規制突起部本体219B−aの上方(開閉カバー230の方向)に突出するように形成されている。ここで、ポスト219B−bが突出する方向は、位置規制突起部本体219B−aの回転軸に対して垂直な方向となるようにされている。また、ポスト219B−bの形状及び大きさは、露光ヘッド132に形成されている位置規制穴132B−aに嵌め込むことができる形状及び大きさに形成されている。なお、ポスト219B−bの先端は、位置規制穴132B−aに挿入する際に、位置規制穴132B−a及び位置規制穴132B−aの周囲の露光ヘッド132に引っかからないように、ポスト219B−bの予め定められた位置から先端に向かって、徐々に横断面積が小さくなるような傾斜(テーパー)が付けられている。
【0066】
付勢部材219B−cは、位置規制突起部本体219B−aの貫通孔(図示せず)の軸線よりも上方、すなわち、貫通孔(図示せず)の軸線よりもポスト219B−b側に一端が固定され、他端がサイドフレーム218Bに固定されたトーションスプリングにより形成されており、位置規制突起部本体219B−aの貫通孔(図示せず)の軸線よりもポスト219B−b側を開閉カバー230の軸部材250A、250Bの側に付勢するように形成されている。
【0067】
変位部材219B−dは、露光装置231が開閉カバー230の開閉動作に従ってサイドフレーム218Bに近づくに従って、位置規制突起部本体219B−aの貫通孔(図示せず)の軸線よりも下方、すなわち、位置規制突起部本体219B−aの貫通孔(図示せず)の軸線よりもポスト219B−bとは反対側を、付勢部材219B−cによる付勢力に反して、位置規制突起部本体219B−aの開閉カバー230の軸部材250A、250Bの設けられている側に押し返すように形成されている。
【0068】
例えば、変位部材219B−dは、図16(A)(変位部材219B−dの上面図)に示すように、一方向に長尺な柱状の部材で形成されており、その長手方向の一端には第1傾斜面219B−hが形成されており、また、図16(B)(変位部材219B−dの側面図)に示すように、その長手方向の他端には第2傾斜面219B−iが形成されている。
【0069】
図16(A)に示すように、第1傾斜面219B−hは、一方の側面219B−kにおいて、変位部材219B−dの一端から他端に向かって、変位部材219B−dの厚さが徐々に厚くなるように形成されている。
そして、図15に示すように、変位部材219B−dは、その上面219B−jが上方に位置するように、サイドフレーム218Bに形成されている第2壁面218B−d、第3壁面218B−g及び底面218B−gで囲まれる空間に挿入された際に、第1傾斜面219B−hが、位置規制突起部本体219B−aの方向に向くように形成されている。
【0070】
図16(B)に示すように、第2傾斜面219B−iは、変位部材219B−dの上面219B−jに形成されている。すなわち、第2傾斜面219B−iは、変位部材219B−dの上面219B−jにおいて、変位部材219B−dの他端から一端に向かって、変位部材219B−dの厚さが徐々に厚くなるように形成されている。なお、変位部材219B−dの第1傾斜面219B−h側の側面219B−kとは反対側の側面219B−lは、平らな平面に形成されている。
【0071】
ここで、変位部材219B−dの長手方向に対する第1傾斜面219B−hの角度δ、及び、変位部材219B−dの長手方向に対する第2傾斜面219B−iの角度σは、後述するように、開閉カバー230の開閉動作に従って、位置規制突起部本体219B−aのポスト219B−bが、露光ヘッド232に形成されている位置規制穴232B−aに入り込む際に、ポスト219B−bの基準線が、位置規制穴232B−aの基準線の傾きに対応した傾きとなるように、位置規制突起部本体219B−aの姿勢を変化させるように形成されている。
【0072】
図15に戻り、サイドフレーム218Bは、底面218B−eと、第2壁面218B−fと、第3壁面218B−gと、を有する。
【0073】
底面218B−eは、サイドフレーム218Bの位置規制突起部219Bが配置される側であって、サイドフレーム218Bの第1壁面218B−dに形成されている軸受け孔(図示せず)の軸線よりも下方に形成されている。そして、底面218B−eは、変位部材219B−dを載せることができるように、上面が平滑な平面に形成されている。
【0074】
第2壁面218B−fは、底面218B−eから直立し、位置規制突起部本体219B−aの貫通孔(図示せず)の軸線に垂直な面を有するように形成されている。そして、第2壁面218B−fは、底面218B−eに変位部材219B−dを載せ、変位部材219B−dの第2傾斜面219B−i側の他端が接触した際に、変位部材219B−dの第1傾斜面219B−hが位置規制突起部本体219B−aに対向し、位置規制突起部本体219B−aとの間に隙間が生じて、位置規制突起部本体219B−aに形成されているポスト219B−bが、付勢部材219B−cによる付勢力により、開閉カバー230の軸部材250A、250Bの設けられている側に傾くような位置に、形成されている。
【0075】
第3壁面218B−gは、底面218B−eから直立し、位置規制突起部本体219B−aに対向する面を有する。そして、第3壁面218B−gと位置規制突起部本体219B−aとの間の間隔は、図16(A)に示す側面219B−kと側面219B−lとの間の間隔Lと同じか、わずかに大きくなるようにされている。
【0076】
なお、変位部材219B−dを、位置規制突起部本体219B−a、底面218B−e、第2壁面218B−f及び第3壁面218B−gによって囲まれる空間に収容した際に、変位部材219b−dは、位置規制突起部本体219B−aの貫通孔(図示せず)の軸線よりも下の位置において、位置規制突起部本体219B−aと接触するようにされている。
【0077】
なお、サイドフレーム218A及び位置規制突起部219Aは、サイドフレーム218B及び位置規制突起部219Bに対して、感光体ドラム(図示せず)の回転軸に垂直な面で対称となるように構成されている。
【0078】
以上のように、本実施の形態における爪部233B−aと、位置規制突起部219Bと、を形成したので、図17に示すように、露光ヘッドホルダ233と、サイドフレーム218Bと、が離れ、爪部233B−aが、位置規制突起部219Bの変位部材219B−dに接触していない状態では、付勢部材219B−cの付勢力により、位置規制突起部本体219B−aの軸部材219B−fの軸線よりも下方側(ポスト219B−bの反対側)は、開閉カバー230の軸部材250A、250Bの反対側に配置された位置に置かれる。そのため、ポスト219B−bは、その先端を図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの側に向けるように傾いた姿勢となる。
【0079】
次に、図18に示すように、露光ヘッドホルダ233と、サイドフレーム218Bと、が接近し、爪部233B−aが、サイドフレーム218Bに形成されている底部218B−gに接触する位置にまで達した状態では、爪部233B−aが変位部材219B−dに形成されている第2傾斜面219B−iに接触することにより、爪部233B−aから変位部材219B−dに伝わる下方(T方向)への力が、第2傾斜面219B−iを介して、変位部材219B−dをU方向に移動させる。変位部材219B−dがU方向に移動すると、第1傾斜面219B−hにより変位部材219B−dと、位置規制突起部本体119B−aとの間の間隔が狭まるため、付勢部材219B−cの付勢力に反して、位置規制突起部本体219B−aの軸部材119B−fの軸線よりも下方側(ポスト219B−bとは反対側)は、図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの方向に押し出される。これにより、ポスト219B−bは、その先端を開閉カバー230の軸部材250A、250Bとは反対の方向に移動させ、最終的にほぼ上方を向く姿勢となる。
【0080】
図17及び図18に示すように、本実施の形態では、図13に示すような開閉カバー230の開閉に応じた露光装置231の開閉動作により、位置規制突起部219A、219Bのポスト219A−b、219B−bは、開閉カバー230の軸部材250A、250Bの側に配置された位置と、開閉カバー230の軸部材250A、250Bとは反対側に配置された位置と、の間を移動するようになる。
【0081】
以上のように、本実施の形態を構成したので、図19(A)に示すように、露光ヘッド232が、位置規制突起部219Bの変位部材219B−dに接触していない状態では、ポスト219B−bの基準線Gは、付勢部材219B−cの付勢力により、図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの側に傾いている。
そして、図19(B)に示すように、図19(A)に示すような位置よりも図13に示すような開閉カバー230を閉じていき、爪部233B−aが変位部材219B−dの図16(B)に示すような第2傾斜面219B−iに接触し始めたときには、位置規制突起部本体219B−aのポスト219B−bの基準線Gは、位置規制穴132B−aの基準線Hと一致するような傾きとなるように形成されている。
【0082】
そして、図19(C)に示すように、図19(B)に示す位置よりも図13に示すような開閉カバー230を閉じていき、爪部233B−aが変位部材219B−dの図16(B)に示すような第2傾斜面219B−iを押圧し、変位部材219B−dを位置規制突起部219Bの方向に移動させることにより、変位部材219B−dの図16(A)に示すような第1傾斜面219B−hが、付勢部材219B−cの付勢力に反して、位置規制突起部本体219B−aを図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの方向に押し返す。
このことにより、ポスト219B−bの基準線Gは、図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの側への傾きが緩和されて、サイドフレーム218Bの方に戻ってくる。このようにすることで、図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの軸線を中心とした回転により、露光ヘッド232に形成されている位置規制穴132B−aの基準線Hの傾きの変化に応じて、ポスト219B−bの基準線Gの傾きも変化するため、これらの基準線G、H(の延長線)が一致するようになる。
【0083】
さらに、図19(D)に示すように、図19(C)に示す位置よりも図13に示すような開閉カバー230を閉じていき、爪部233B−aがサイドフレーム218Bの底面218B−gに接触する位置にまで達すると、変位部材219B−dの図16(A)に示すような第1傾斜面219B−hは、さらに位置規制突起部本体219B−aを図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの方向に押し出すようになる。このことにより、ポスト219B−bの基準線Gは、開閉カバー230の軸部材250A、250Bの側への傾きがさらに緩和されて、ほぼ鉛直方向にまで達するようになる。
このようにすることで、図13に示すような開閉カバー230の軸部材250A、250Bの軸線を中心とした回転により、露光ヘッド232に形成されている位置規制穴132B−aの基準線Hの傾きの変化に応じて、ポスト219B−bの基準線Gの傾きも変化するため、これらの基準線G、Hの向きが一致するようになる。
なお、本実施の形態で説明した基準線の一致は、基準線同士のずれ量が予め定められた閾値以下の場合を含む。このような閾値は、露光ヘッド232と、画像形成ユニット111と、が位置合わせされて、露光装置131と感光体ドラム112との間の距離が変わることにより起こる焦点ボケを防止することができるような値であればよい。
【0084】
以上のように、本実施の形態によれば、サイドフレーム218A、218B側に設けられたポスト219A−b、219B−bの基準線の傾きが、露光装置231の移動軌跡に沿って、露光装置231側に設けられた位置規制穴132A−a、132B−aの基準線の傾きの変化に対応して変化するため、ポスト219A−b、219B−bが位置規制穴232A−a、232B−aに引っかかることなく、ポスト219A−b、219B−bを位置規制穴232A−a、232B−aに挿入することができるようになる。このような機構を有するため、ポスト219A−b、219B−bが位置規制穴132A−a、132B−aに挿入されることにより配置が特定される露光装置231と、感光体ドラム(図示せず)と、の離間距離が予め定められた値になるような位置に確実に配置され、露光装置231と感光体ドラム(図示せず)との間の距離が変わることにより起こる焦点ボケを防止することができる。
【0085】
以上に記載した実施の形態においては、露光ヘッド232に位置規制穴132A−a、132B−aが設けられ、サイドフレーム218A、218Bにポスト219A−b、219B−bが設けられているが、以上のような形態に限定されるものではない。例えば、図20に示すように、露光ヘッド232側にポスト219B−bを設け、サイドフレーム218B側に位置規制穴232B−aを設けるようにしてもよい。
【0086】
また、以上に記載した実施の形態においては、サイドフレーム218A、218Bに設けられた位置規制突起部219A、219Bが、サイドフレーム218A、218Bに対して回転することで、ポスト219A−b、219B−bの傾き(向き)が変わるように形成されているが、このような態様に限定されるものではない。例えば、図21に示すように、露光ヘッド232側に位置規制突起部219Bを設け、サイドフレーム218B側に爪部233B−a及び位置規制穴232B−aを設けるようにしてもよい。
【0087】
さらに、図21において、ポストと位置規制穴との位置を入れ替えることにより、例えば、図22に示すように、露光ヘッド232に位置規制穴232B−aを設け、サイドフレーム218Bにポスト219B−bを設けるようにしてもよい。
【0088】
本発明は、例えば、画像形成ユニットを備える装置本体に、露光ヘッドを備えた開閉自在のカバーを備え、カバーを閉じることにより、露光ヘッドと画像形成ユニットとの位置決めを行う方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、MFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0089】
100,200:画像形成装置、110,210:装置本体、111,211:画像形成ユニット、112:感光体ドラム、118,218:サイドフレーム、119A,119B,219A,119B:位置規制突起部、119A−a,119B−a,219A−a,219B−a:位置規制突起部本体、119A−b,119B−b,219A−b,219B−b:ポスト、119A−c,119B−c,219A−c,219B−c:付勢部材、119A−d,119B−d,219A−d,219B−d:変位部材、130,230:開閉カバー、131,231:露光装置、132,232:露光ヘッド、133,233:露光ヘッドホルダ、132A−a,132B−a:位置規制穴、133A−a,133B−a,233A−a,233B−a:爪部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に開閉自在な開閉カバーと、
前記装置本体に収容された画像形成ユニットと、
前記開閉カバーに備えられた露光装置と、
前記画像形成ユニット及び前記露光装置の何れか一方に備えられた第1嵌合部と、
前記画像形成ユニット及び前記露光装置の何れか他方に備えられ、前記開閉カバーが閉じられたときに前記第1嵌合部に嵌合する第2嵌合部と、
前記開閉カバーが閉じられる過程で、前記露光装置が前記画像形成ユニットに近づく動作に連動して、前記第1嵌合部の基準線を前記第2嵌合部の基準線に近づけるように、前記第1嵌合部の傾きを変化させる機構と、を有すること
を特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1嵌合部の基準線及び前記第2嵌合部の基準線は、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とが嵌合した際に、一致すること
を特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記機構は、
前記他方に形成された爪部と、
前記第1嵌合部が形成され、前記一方に対して回転可能に備えられた規制部本体と、
前記一方に対して、前記規制部本体を一方向に回転するように付勢する付勢部材と、
前記露光装置が前記画像形成ユニットに近づく動作に連動して、前記爪部に押圧されることにより、前記規制部本体を前記付勢部材が付勢する方向とは逆方向に回転するように押し返す変位部材と、を有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記変位部材は、前記変位部材の長手方向の一端に形成された第1傾斜面と、前記変位部材の長手方向の他端に形成された第2傾斜面と、を有し、
前記変位部材は、前記一方に対して前記変位部材の長手方向における移動が可能にされ、かつ、前記一方と前記規制部本体との間に配置され、
前記開閉カバーが閉じられる過程で、前記爪部が前記第2傾斜面を押圧することで、前記付勢部材が長手方向に移動し、前記第1傾斜面により、前記変位部材のより厚い部分が前記一方と前記規制部本体との間に挿入されることで、前記規制部本体を前記付勢部材が付勢する方向とは逆方向に回転するように押し返すこと
を特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記開閉カバーは、前記装置本体に対して回転軸を中心として回転することにより、前記装置本体に対して開閉自在にされており、
前記規制部本体の回転軸は、前記開閉カバーの回転軸と平行にされていること
を特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部の何れかは、凸状に形成されており、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部の何れか前記凸状に形成されていない方は、凹状に形成されていること
を特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
装置本体と、前記装置本体に開閉自在な開閉カバーと、前記開閉カバーに備えられた露光装置と、前記露光装置に備えられた第2嵌合部と、を有する画像形成装置の、前記装置本体に収容される画像形成ユニットであって、
像担持体と、
前記像担持体を回転自在に支持する支持部と、
前記支持部に備えられた第1嵌合部と、
前記開閉カバーが閉じられる過程で、前記露光装置が前記画像形成ユニットに近づく動作に連動して、前記第1嵌合部の基準線を前記第2嵌合部の基準線に近づけるように、前記第1嵌合部の傾きを変化させる画像形成ユニット側機構と、を有すること
を特徴とする画像形成ユニット。
【請求項8】
前記第1嵌合部の基準線及び前記第2嵌合部の基準線は、前記第1嵌合部と前記第2嵌合部とが嵌合した際に、一致すること
を特徴とする請求項7に記載の画像形成ユニット。
【請求項9】
前記画像形成ユニット側機構は、
前記第1嵌合部が形成され、前記一方に対して回転可能に備えられた規制部本体と、
前記一方に対して、前記規制部本体を一方向に回転するように付勢する付勢部材と、
前記露光装置が前記画像形成ユニットに近づく動作に連動して、前記露光装置に形成された爪部に押圧されることにより、前記規制部本体を前記付勢部材が付勢する方向とは逆方向に回転するように押し返す変位部材と、を有すること
を特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成ユニット。
【請求項10】
前記変位部材は、前記変位部材の長手方向の一端に形成された第1傾斜面と、前記変位部材の長手方向の他端に形成された第2傾斜面と、を有し、
前記変位部材は、前記一方に対して前記変位部材の長手方向における移動が可能にされ、かつ、前記一方と前記規制部本体との間に配置され、
前記開閉カバーが閉じられる過程で、前記爪部が前記第2傾斜面を押圧することで、前記付勢部材が長手方向に移動し、前記第1傾斜面により、前記変位部材のより厚い部分が前記一方と前記規制部本体との間に挿入されることで、前記規制部本体を前記付勢部材が付勢する方向とは逆方向に回転するように押し返すこと
を特徴とする請求項9に記載の画像形成ユニット。
【請求項11】
前記開閉カバーは、前記装置本体に対して回転軸を中心として回転することにより、前記装置本体に対して開閉自在にされており、
前記規制部本体の回転軸は、前記開閉カバーの回転軸と平行にされていること
を特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成ユニット。
【請求項12】
前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部の何れかは、凸状に形成されており、前記第1嵌合部及び前記第2嵌合部の何れか前記凸状に形成されていない方は、凹状に形成されていること
を特徴とする請求項7から11の何れか一項に記載の画像形成ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2011−145551(P2011−145551A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7354(P2010−7354)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】