説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】転写材把持機構による転写材の把持不良発生を抑制可能な画像形成装置を提供す
る。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、転写材を搬送する搬送部(ゲートローラー101
、101’)と、周面に開口凹部605が設けられると共に、前記開口凹部605に前記
搬送部から送られた前記転写材を把持する転写材把持部が設けられ、前記転写材把持部で
前記転写材を把持して回転する2次転写ローラー61と、前記2次転写ローラー61の回
転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段で検出された前記2次転写
ローラー61の回転位置情報に基づいて算出されるタイミングで、前記搬送部での前記転
写材の搬送速度を前記2次転写ローラー61の前記開口凹部605と異なる周面の周面速
度より速い第1速度から前記周面速度より遅い第2速度に変更する制御部と、を有するこ
とを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体上に形成した潜像をトナーによって現像し、現像トナー像を転写ベル
ト上に転写し、さらに転写ベルト上のトナー像を記録紙などの媒体に転写し、転写された
媒体上のトナー像を融着し定着して画像形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する

【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置に関連して、転写ローラー胴部に設けられた凹部に、ローラー軸方
向に沿って転写材の縁部を把持することができる爪部材及び爪座部材を設けておき、これ
らにより転写材を把持しつつ、中間転写体などに形成されたトナー像を当該転写材に転写
する技術が知られている。例えば、このような技術を利用したものとしては、特許文献1
(特表2006−513883号公報)に記載のものがある。この特許文献1には、転写
中においては転写ローラーの凹部に配設された把持機構により転写材を把持し、転写終了
後、当該転写材を開放する画像形成装置が開示されている。従来のこのような画像形成装
置によれば、転写中に転写材がずれてしまうことを防止し、確実に転写を行うことが可能
となる。
【特許文献1】特表2006−513883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載されたような従来の装置においては、回転動作中の転写ローラー
に設けられている把持機構によって、搬送部から搬送される転写材を把持させる必要があ
り、転写ローラーの回転速度や、搬送部から搬送させる転写材の搬送速度を適切にコント
ロールしなければ、把持ミスなどが発生してしまうこととなり、問題であった。
【0004】
また、転写材は温度や湿度などの周辺環境の変化で状態が変化しやすいが、このような
周囲環境の変化に伴う転写材の状態変化があったとしても、確実に転写材を把持するため
の、転写ローラーの回転速度や転写材の搬送速度に係る条件についてはこれまで知られて
いなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記のような問題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、転写材を
搬送する搬送部と、周面に凹部が設けられると共に、前記凹部に前記搬送部から送られた
前記転写材を把持する転写材把持部が設けられ、前記転写材把持部で前記転写材を把持し
て回転する転写ローラーと、前記転写ローラーの回転位置を検出する回転位置検出手段と
、前記回転位置検出手段で検出された前記転写ローラーの回転位置情報に基づいて算出さ
れるタイミングで、前記搬送部での前記転写材の搬送速度を前記転写ローラーの前記凹部
と異なる周面の周面速度より速い第1速度から前記周面速度より遅い第2速度に変更する
制御部と、を有することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る画像形成装置は、転写材を搬送する搬送部と、周面に凹部が設けら
れると共に、前記凹部に前記搬送部から送られた前記転写材を把持する転写材把持部が設
けられ、前記転写材把持部で前記転写材を把持して回転する転写ローラーと、前記転写ロ
ーラーの回転位置を検出する回転位置検出手段と、前記回転位置検出手段で検出された前
記転写ローラーの回転位置情報に基づいて算出されるタイミングで、前記搬送部による前
記転写材の搬送を停止させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記回転位置検出手段で検出された前記転写ロー
ラーの回転位置情報に基づいて算出されるタイミングは、前記転写材把持部で前記転写材
が把持された後のタイミングである。
【0008】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写材把持部は、移動する転写材把持部材と
、前記転写材把持部材を支持する支持部材と、を有し、前記転写材把持部材を移動させる
駆動機構を有する。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記駆動機構は、カム部材を有し、前記転写ロー
ラーの回転により前記転写材把持部材は前記カム部材と当接して動作される。
【0010】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写材把持部材は、前記支持部材と前記転写
材を介して当接する第1面と、前記第1面と交差して前記転写材の搬送位置を規制する第
2面と、を有する。
【0011】
また、本発明に係る画像形成装置は、前記転写材把持部材の前記第1面と前記第2面と
が交差する角度は、90°未満である。
【0012】
また、本発明に係る画像形成方法は、周面に凹部が形成され、前記凹部に転写材を把持
する転写材把持部を有する転写ローラーを回転させるとともに回転された前記転写ローラ
ーの回転位置を検出し、搬送部を用いて回転された前記転写ローラーの前記凹部と異なる
周面の周面速度よりも速い第1速度で前記転写材を搬送させ、搬送された前記転写材を前
記転写材把持部で把持し、前記転写材把持部で前記転写材を把持した後、前記搬送部での
前記転写材の搬送速度を前記転写ローラーの前記周面速度よりも遅い第2速度に変更して
前記転写材を搬送させることを特徴とする。
【0013】
以上、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、転写ローラーに設けられた転
写材把持部(転写材把持爪611及び爪座部612からなる転写材を把持する構成)によ
る転写材の把持不良発生を極力抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ユニット60を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御ブロックの概略を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材把持爪611の形状を示す図である。
【図5】転写材把持爪611の他の実施態様を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図12】本発明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間の軸中心間距離を説明する図である。
【図13】本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御シーケンスを説明する図である。
【図14】不適切な制御シーケンスを採用した際に発生する問題点を示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段の動作を説明する図である。
【図16】本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段の動作を説明する図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図18】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーを説明する図である。
【図19】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における制御ブロックの概略を示す図である。
【図20】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図21】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図22】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図23】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図24】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図25】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図である。
【図26】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間の軸中心間距離を説明する図である。
【図27】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における制御シーケンスを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に
係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置の中央部に配
置された各色の画像形成部に対し、現像装置30Y、30M、30C、30Kは、画像形
成装置の下方部に配置され、転写ベルト40、2次転写部(2次転写ユニット)60、定
着ユニット90などの構成は画像形成装置の上方部に配置されている。特に、定着ユニッ
ト90が、転写ベルト40上方にレイアウトされることにより、画像形成装置全体として
の設置面積を抑制することが可能となっている。本実施形態においては、2次転写ユニッ
ト60で2次転写を経た用紙などの転写材は、転写材搬送装置230や吸引装置210、
270などによって吸引されつつ、定着ユニット90へと搬送される構成となっているた
めにこのようなレイアウトを実現することができる。
【0016】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、トナーによる画像を形成するために、感
光体10Y、10M、10C、10K、コロナ帯電器11Y、11M、11C、11K、
LEDアレイなどの露光ユニット12Y、12M、12C、12K等を備えている。コロ
ナ帯電器11Y、11M、11C、11Kにより、感光体10Y、10M、10C、10
Kを一様に帯電させ、露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにより、入力された
画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y、10M、10C、10K上に
静電潜像を形成する。
【0017】
現像装置30Y、30M、30C、30Kは、概略、現像ローラー20Y、20M、2
0C、20K、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からな
る各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y、31M、31C、31K
、これら各色の液体現像剤を現像剤容器31Y、31M、31C、31Kから現像ローラ
ー20Y、20M、20C、20Kに塗布する塗布ローラーであるアニロックスローラー
32Y、32M、32C、32K等を備え、各色の液体現像剤により感光体10Y、10
M、10C、10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0018】
転写ベルト40は、エンドレスのベルトであり、ベルト張架ローラー41、42に張架
され、1次転写部50Y、50M、50C、50Kで感光体10Y、10M、10C、1
0Kと当接しながら回転駆動される。2つのベルト張架ローラー41、42のうち、張架
ローラー41は不図示のモーターなどの駆動部を持つ駆動ローラーであり、張架ローラー
41が回転することによって、転写ベルト40を回転駆動している。1次転写部50Y、
50M、50C、50Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kと転写ベルト40を
挟んで1次転写ローラー51Y、51M、51C、51Kが対向配置され、感光体10Y
、10M、10C、10Kとの当接位置を転写位置として、現像された感光体10Y、1
0M、10C、10K上の各色のトナー像を転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フル
カラーのトナー像を形成する。
【0019】
2次転写部においては、2次転写ローラー61が転写ベルト40を挟んでベルト張架ロ
ーラー41と対向配置され、さらに2次転写ローラークリーニングブレード62からなる
クリーニング装置が配置される。そして、2次転写ローラー61を配置した転写位置にお
いて、転写ベルト40上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を転写材搬
送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。なお、2次転写ユニ
ット60は、転写ベルト40と2次転写ローラー61との間で形成されるニップにおいて
、転写ベルト40上に形成されたトナー像を転写材に転写するために必要な構成の全てを
内包するものである。すなわち、2次転写ユニット60には、2次転写ローラー61とベ
ルト張架ローラー41との間に電位差を与え、トナー像の移動を促す不図示のバイアス印
加手段なども含まれるものである。
【0020】
ここで、本実施形態における2次転写ローラー61の付勢形態について説明する。2次
転写ユニット60において、2次転写ローラー61のローラー軸部602はその両端でフ
レーム部材671に回動自在に取り付けられている。また、フレーム部材671は回動支
軸部670を中心として回動可能とされると共に、付勢部材672によって図中の矢印の
方向(下方)に付勢されるようになっている。本形態においては、このような構造によっ
て、2次転写ローラー61はベルト張架ローラー41側に付勢され、2次転写ローラー6
1とのベルト張架ローラー41間における2次転写ニップに所定の転写荷重をかけること
ができるようになっている。そして、このような2次転写ニップにおける転写荷重、及び
転写バイアスによって、転写ベルト40上のトナー粒子を2次転写ニップで効率的に転写
材側に転写されるようになっている。
【0021】
2次転写ローラー61のローラー軸部602の両端に、図示するような2つの規制部材
650が設けられる。また、2次転写ローラー61の荷重を受けるために規制部材650
に当接される被当接部材690がベルト張架ローラー41の軸部に設けられている。被当
接部材690は、ベルト張架ローラー41と同軸的に配されるベアリングなどの部材が用
いられる。この被当接部材690は、ベルト張架ローラー41の軸方向両端部に設けられ
ている。
【0022】
また、2次転写ローラー61のローラー軸部602の両端に設けられる位置規制部材6
50は所定のプロフィールを有するカムのように機能する。位置規制部材650は、回転
中の所定の位相で2つの被当接部材690に当接することにより、2次転写ローラー61
の軸中心と、ベルト張架ローラー41の軸中心の間の距離をコントロールする。
【0023】
さらに、経路転写材搬送経路Lの下流には、第1吸引装置210、転写材搬送装置23
0、第2吸引装置270が順次配列されており、転写材を定着ユニット90に搬送するよ
うになっており、定着ユニット90では、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像
やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0024】
転写ベルト40がベルト張架ローラー42に張架されている箇所で、転写ベルト40を
クリーニングする転写ベルトクリーニングブレード49からなるクリーニング装置が当接
・配置され、転写ベルト40上の残りトナー、キャリアをクリーニングするようになって
いる。
【0025】
画像形成装置に対する転写材の供給は給紙装置(不図示)によって行われる。このよう
な給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路L
に送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、ゲートローラー101、10
1’及び転写材ガイド102によって転写材を2次転写位置まで搬送し、転写ベルト40
上に形成された単色のトナー現像像やフルカラーのトナー現像像を転写材に転写する。2
次転写された転写材は、上記のように、転写材搬送装置230を中心とした転写材搬送手
段によって、さらに定着ユニット90に搬送される。定着ユニット90は、加熱ローラー
91と、この加熱ローラー91側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー92とから構成
されており、これらのニップ間に転写材を挿通させ、転写材上に転写された単色のトナー
像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着し定着させる。
【0026】
ここで、現像装置について説明するが、各色の画像形成部及び現像装置の構成は同様で
あるので、以下、イエロー(Y)の画像形成部及び現像装置に基づいて説明する。
【0027】
画像形成部は、感光体10Yの外周の回転方向に沿って、感光体クリーニングブレード
18Y、コロナ帯電器11Y、露光ユニット12Y、現像装置30Yの現像ローラー20
Y、第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’が配
置されている。
【0028】
感光体10Yと当接している感光体クリーニングブレード18Yは、感光体10Y上の
1次転写部において転写されずに残留した液体現像剤をクリーニングする。
【0029】
現像装置30Yにおける現像ローラー20Yの外周には、クリーニングブレード21Y
、アニロックスローラー32Y、コンパクションコロナ発生器22Yが配置されている。
アニロックスローラー32Yには、現像ローラー20Yへ供給する液体現像剤の量を調整
する規制ブレード33Yが当接している。液体現像剤容器31Yの中にはオーガ34Yが
収容されている。また、感光体10Yと対向する位置には、転写ベルト40を挟むように
して、1次転写部の1次転写ローラー51Yが配置されている。
【0030】
感光体10Yは、外周面にアモルファスシリコン感光体などの感光層が形成された円筒
状の部材からなる感光体ドラムであり、時計回りの方向に回転する。
【0031】
コロナ帯電器11Yは、感光体10Yと現像ローラー20Yとのニップ部より感光体1
0Yの回転方向の上流側に配置され、図示しない電源装置から電圧が印加され、感光体1
0Yをコロナ帯電させる。露光ユニット12Yは、コロナ帯電器11Yより感光体10Y
の回転方向の下流側で、かつ、感光体10Yと現像ローラー20Yと当接部の上流におい
て、コロナ帯電器11Yによって帯電された感光体10Y上に光を照射し、感光体10Y
上に潜像を形成する。なお、画像形成プロセスの始めから終わりまでで、より前段に配置
されるローラーなどの構成は、後段に配置されるローラーなどの構成より上流にあるもの
と定義する。
【0032】
現像装置30Yは、コンパクション作用を施すコンパクションコロナ発生器22Y、キ
ャリア内にトナーを概略重量比20%程度に分散した状態の液体現像剤を貯蔵する現像剤
容器31Yを有する。
【0033】
また現像装置30Yは、前記の液体現像剤を担持する現像ローラー20Y、液体現像剤
を現像ローラー20Yに塗布するための塗布ローラーであるアニロックスローラー32Y
と、現像ローラー20Yに塗布する液体現像剤量を規制する規制ブレード33Yと、液体
現像剤を攪拌、搬送しつつアニロックローラー32Yに供給するオーガ34Y、現像ロー
ラー20Yに担持された液体現像剤をコンパクション状態にするコンパクションコロナ発
生器22Y、現像ローラー20Yのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレー
ド21Yを有する。
【0034】
現像剤容器31Yに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIso
par(商標:エクソン)をキャリアとした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、
常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性
を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性
樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形粒子を、有機溶媒、シリコー
ンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度
を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用い
て、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa
・s程度)の液体現像剤である。
【0035】
アニロックスローラー32Yは、現像ローラー20Yに対して液体現像剤を供給し、塗
布する塗布ローラーとして機能するものである。このアニロックスローラー32Yは、円
筒状の部材であり、表面に現像剤を担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状に彫刻
された溝による凹凸面が形成されたローラーである。このアニロックスローラー32Yに
より、現像剤容器31Yから現像ローラー20Yへと液体現像剤が供給される。装置動作
時においては、図1に示すように、オーガ34Yが反時計回り回転し、アニロックローラ
ー32Yに液体現像剤を供給し、アニロックローラー32Yは反時計回りに回転して、現
像ローラー20Yに液体現像剤を塗布する。
【0036】
規制ブレード33Yは、厚さ200μm程度の金属ブレードであり、アニロックスロー
ラー32Yの表面に当接し、アニロックスローラー32Yによって坦持搬送されてきた液
体現像剤の膜厚、量を規制し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する
。そして、アニロックスローラー32Yによって担持搬送されてきた液体現像剤の膜厚、
量を規制、調整し、現像ローラー20Yに供給する液体現像剤の量を調整する。
【0037】
現像ローラークリーニングブレード21Yは、現像ローラー20Yの表面に当接するゴ
ム等で構成され、現像ローラー20Yが感光体10Yと当接する現像ニップ部より現像ロ
ーラー20Yの回転方向の下流側に配置されて、現像ローラー20Yに残存する液体現像
剤を掻き落として除去するものである。
【0038】
コンパクションコロナ発生器22Yは、現像ローラー20Y表面の帯電バイアスを増加
させる電界印加手段であり、コンパクションコロナ発生器22Yによって、コンパクショ
ン部位でコンパクションコロナ発生器22Y側から現像ローラー20Yに向かって電界が
印加される。なお、このコンパクションのための電界印加手段は、図1に示すコロナ放電
器のコロナ放電に代えて、コンパクションローラーなどを用いても良い。
【0039】
現像ローラー20Yに担持されてコンパクションされた現像剤は、現像ローラー20Y
が感光体10Yに当接する現像ニップ部において、所定の電界印加によって、感光体10
Yの潜像に対応して現像される。
【0040】
現像残りの現像剤は、現像ローラークリーニングブレード21Yによって掻き落として
除去され現像剤容器31Y内の回収部に滴下して再利用される。尚、このようにして再利
用されるキャリア及びトナーは混色状態ではない。
【0041】
1次転写の上流側に配置される感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに対向して現像
ローラー20Yの下流側に配置して感光体10Yに現像されたトナー像の余剰キャリアを
回収するものである。この感光体スクイーズ装置は、感光体10Yに摺接して回転する弾
性ローラー部材から成る第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズロ
ーラー13Y’とから構成され、感光体10Y上に現像されたトナー像から余剰なキャリ
ア及び本来不要なカブリトナーを回収し、顕像(トナー像)内のトナー粒子比率を上げる
機能を有する。なお、感光体スクイーズローラー13Y、13Y’には、所定のバイアス
電圧が印加されている。
【0042】
上記の第1感光体スクイーズローラー13Y、第2感光体スクイーズローラー13Y’
からなるスクイーズ装置を経た感光体10Y表面は、1次転写部50Yに進入する。
【0043】
1次転写部50Yでは、感光体10Yに現像された現像剤像を1次転写ローラー51Y
により転写ベルト40へ転写する。この1次転写部においては、1次転写バックアップロ
ーラー51に印加される転写バイアスの作用によって、感光体10上のトナー像は転写ベ
ルト40側に転写される。ここで、感光体10Yと転写ベルト40は等速度で移動する構
成であり、回転及び移動の駆動負荷を軽減するとともに、感光体10Yの顕像トナー像へ
の外乱作用を抑制している。
【0044】
上記現像装置30Yの現像プロセスと同様のプロセスによって、現像装置30M、30
C、30Kにおいても、それぞれの感光体10M、10C、10K上にマゼンタ(M)、
シアン(C)、ブラック(K)のトナー像が各々形成される。そして、転写ベルト40は
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)各色の1次転写部50
のニップを通過し、各色の感光体上の現像剤(現像像)が転写され、色重ねされて2次転
写ユニット60のニップ部に進入する。
【0045】
2次転写ユニット60を経た転写ベルト40は、再び1次転写部50で転写像を受ける
ために周回するが、1次転写部50が実行される上流側において転写ベルト40は、転写
ベルトクリーニングブレード49などによってクリーニングが実施される。
【0046】
転写ベルト40は、ポリイミド基層上にポリウレタンの弾性中間層を設け、さらにその
上にPFA表層が設けられている三層構造となっている。このような転写ベルト40では
、ポリイミド基層側においてベルト張架ローラー41、42で張架され、PFA表層側に
おいてトナー像が転写されるようにして用いられる。
【0047】
次に本実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラー61周辺の構成につ
いてより詳細に説明する。図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次
転写ユニット60を説明する図である。図2において、601はローラー胴部、602は
ローラー軸部、605は開口凹部、607はシート材、610は転写材把持機構、611
は転写材把持爪、612は爪座部、613は第1開口縁、614は第2開口縁、615は
把持爪回動中心、620は把持爪制御カム、621は把持爪制御カムフォロワー、622
はアーム、170はフォトセンサ、171はフォトセンサカム、172はスリットをそれ
ぞれ示している。
【0048】
2次転写ローラー61のローラー胴部601の両端部にはローラー軸部602が設けら
れており、このローラー軸部602を中心としてローラー胴部601が回動自在となるよ
うに装置本体側に取り付けられるようになっている。また、ローラー胴部601には、軸
方向にわたる開口凹部605が設けられており、開口凹部605の一方の第1開口縁61
3から他方の第2開口縁614の中には転写材把持機構610が、また開口凹部605以
外のローラー胴部601にはシート材607が設けられている。
【0049】
転写材把持機構610は転写材を把持したり、解放したりするための機構である。シー
ト材607は80〜90μm厚さのポリイミド基材層にフッ素樹脂コーティングが施され
た構成となっており、所定の電気的抵抗成分を有する半導電層としても機能する。なお、
図面において、このシート材607の厚さは誇張的に表現されている。
【0050】
なお、上記のようにシート材607としては80〜90μm厚さのポリイミド基材層に
フッ素樹脂コーティングが施されたものを用いても良いし、80〜90μm厚さのポリイ
ミド基材層に2mm程度のウレタン弾性層を設け、このウレタン弾性層の表層をフッ素樹
脂コーティングしたものを用いてもよい。
【0051】
2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間に所定のバイアス電圧が印加さ
れ、ローラー胴部601におけるシート材607に転写材が巻きつけられている状態で、
2次転写ユニットにおける2次転写ニップを通過するときに転写ベルト40から転写材へ
のトナー像の転写が行われる。
【0052】
転写材把持機構610は、概略、ローラー軸方向にわたって離散的に設けられる転写材
把持爪611及び爪座部612とからなる複数のペアとから構成されている。転写材把持
爪611は、把持爪回動中心615を回転中心として図中a又はb方向に動作することに
より、転写材把持爪611と爪座部612との間で転写材の縁部を把持したり、把持した
転写材を解放したりすることができるようになっている。
【0053】
上記のような転写材把持爪611及び爪座部612からなる転写材を把持する構成につ
いては、特許請求の範囲においては、両者を含む「転写材把持部」なる概念によって表現
される。また、特に、特許請求の範囲においては、転写材把持爪611については「転写
材把持部材」として上位概念的に表現されている。
【0054】
2次転写ローラー61の開口凹部605において、ローラー胴部601と同様の外周面
(ローラー胴部601周面とローラー軸部602との間の距離と、同様の距離分ローラー
軸部602から離れたところに構成される仮想的な周面)が仮想的に存在するものと仮定
すると、爪座部612は仮想外周面内に設けられるようなレイアウトとなっている。一方
、転写材把持爪611がa方向に最大限に回動すると、転写材把持爪611の一部が仮想
外周面外にまで延在するようになっている。
【0055】
上記の転写材把持機構610における転写材把持爪611の開閉動作機構の一例につい
て説明する。転写材把持爪611は把持爪回動中心615に、この把持爪回動中心615
と一体に回転するように設けられている。把持爪回動中心615の一端部には、把持爪制
御カムフォロワー621がアーム622を介して設けられている。そして、二次転写ロー
ラー61が回転することで、把持爪制御カムフォロワー621が、装置本体に固定された
把持爪制御カム620により制御される。開口凹部605が二次転写ニップに到達する直
前に、転写材把持爪611が、ゲートローラー101、101’から転写材供給ガイド4
1を転写材ガイド102に沿って給送されてくる転写材Sの先端部を転写材把持爪611
と爪座部612との間に把持するようになっている。
【0056】
次に、2次転写ローラー61の回転状況(位相)を検出するために2次転写ユニット6
0に設けられている構成について説明する。2次転写ローラー61には、その回転と同期
して回転するスリット172を有するフォトセンサカム171がローラー軸部602に設
けられており、一方、画像形成装置本体フレーム部(不図示)などに、発光素子及びこの
発光素子からの発光を検出する受光素子のペアからなるフォトセンサ170が設けられて
いる。本実施形態においては、2次転写ローラー61の回転位相を検出するために、前記
フォトセンサカム171におけるスリット172の通過をフォトセンサ170によって検
出する。スリット172の通過を検出しフォトセンサ170から出力される信号は、画像
形成プロセスにおける種々のシーケンスを実行するための基準信号であるVsyncとし
て利用される。本発明においては、転写材把持爪611が転写材を把持する把持タイミン
グを取得するために、フォトセンサ170からのVsync信号が利用される。
【0057】
なお、フォトセンサカム171とフォトセンサ170とからなる2次転写ローラー61
の回転状況(位相)を検出する構成については、特許請求の範囲においては、上位概念と
して「回転位置検出手段」によって表現される。
【0058】
次に、以上のように構成される本発明に係る画像形成装置の制御について説明する。図
3は本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御ブロックの概略を示す図である。
図3において、140は画像形成コントローラー部、145は転写材種別情報記憶部、1
46は温度センサ、147は湿度センサ、150は主制御部、170はフォトセンサ、
173は現像装置制御部、174は転写ベルト駆動モーター制御部、175はゲートロー
ラー駆動モーター制御部、176は2次転写ローラー駆動モーター制御部をそれぞれ示し
ている。
【0059】
主制御部150は本発明に係る画像形成装置の各制御を行うためのメインコントローラ
である。このような主制御部150としては、CPUやRAM、ROM等を備える汎用の
情報処理装置を用い、入力された所定情報に基づいて所定ブロックへの命令を出力する動
作を前記CPUに実行させるプログラムを予め前記ROMに記憶させることによって実現
することが可能である。
【0060】
転写材種別情報記憶部145は、画像形成装置で画像形成する転写材の種別に係るデー
タを一時的に記憶する記憶手段である。このような転写材種別情報記憶部145は、例え
ば、画像形成装置内に設けられる転写材の種別を判定する判定センサからの情報、画像形
成装置に対して画像形成実行命令を出力する上位装置からの情報、或いは、画像形成装置
に対して転写材を供給する給紙装置からの情報を取得して、その情報を格納するように構
成される。転写材種別情報記憶部145に記憶される転写材種別データは、主制御部15
0における制御のために適宜利用される。
【0061】
温度センサ146及び湿度センサ147は、画像形成装置の適当な箇所に設けられ、そ
れぞれ温度、湿度に係るデータを取得して、主制御部150側に送信するように構成され
るものであり、これらデータを受信した主制御部150側はこれらに基づいて必要な制御
命令を出力する。なお、画像形成装置を構成する際には、温度センサ146及び湿度セン
サ147の双方を設けるようにしてもよいし、いずれか一方のみを設けるように構成する
ことも可能である。
【0062】
画像形成コントローラー部140は、画像形成装置に入力された画像信号に基づいて、
作像のためのデータを生成した上で、主制御部150側に対して生成データを適宜出力す
る。
【0063】
フォトセンサ170は、2次転写ローラー61の回転位相を検出して、2次転写ローラ
ー61が所定の回転位相であるときに、Vsync信号を出力して主制御部150側に送
信する。
【0064】
現像装置制御部173は、主制御部150からの制御命令を受けて、各現像装置におけ
る露光ユニット12Y、12M、12C、12Kにおける露光の制御や、各ローラーの回
転などの回転制御を行うものである。
【0065】
転写ベルト駆動モーター制御部174は、主制御部150からの制御命令を受けて、転
写ベルト40の回転駆動を行うモーター(不図示)のオン、オフ、速度などを制御する。
【0066】
また、ゲートローラー駆動モーター制御部175は、主制御部150からの制御命令を
受けて、転写材Sを搬送するゲートローラー101、101’を駆動するモーター(不図
示)のオン、オフ、或いは回転速度などをコントロールする。
【0067】
2次転写ローラー駆動モーター制御部176は、主制御部150からの制御命令を受け
て、2次転写ローラー61の回転駆動を行うモーター(不図示)のオン、オフ、或いは回
転速度などをコントロールする。
【0068】
次に、転写材把持機構610における転写材把持爪611についてより詳細に説明する
。図4は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材把持爪611の形状を
示す図である。図2において、説明したように転写材把持機構610においては、転写材
把持爪611及び爪座部612とからなる把持部材が、転写材Sを把持する構成となって
いるが、ゲートローラー101、101’から搬送される転写材を最初に受ける箇所は、
転写材把持爪611における受け部626である。このような受け部626は、把持爪回
動中心615から延在するアーム部625の先端部に設けられており、第1平面627と
これにθ1の角度で交差する第2平面628とから構成されている。ここで、図4に示す
例ではθ1=90°とされている。このような受け部626の構成よれば、ゲートローラ
ー101、101’から搬送される転写材Sは、第1平面627または第2平面628の
いずれかに突き当たることにより、第1平面627と第2平面628との交差部に導かれ
る形状となっており、転写材Sの位置を規定しやすいようになっている。すなわち、ゲー
トローラー101、101’から搬送される転写材Sは、第1平面627または第2平面
628のいずれかに突き当たりさえすれば、確実に第1平面627と第2平面628との
交差部に誘い込むことができ好ましい。
【0069】
なお、転写材把持爪611を支持するものは「支持部材」として定義する。
【0070】
図5は転写材把持爪611の他の形状を示すものである。図5に示す実施形態において
は、受け部626は、第1平面627とこれにθ2の角度で交差する第2平面628とか
ら構成されており、θ2は90°未満に設定されている。このような交差角度を有する第
1平面627、第2平面628によれば、ゲートローラー101、101’から搬送され
る転写材Sをより確実に第1平面627と第2平面628との交差部に誘い込むことが可
能となる。
【0071】
次に、2次転写ローラー61の開口凹部605に設けられた転写材把持機構610の動
作と、規制部材650に基づく位置規制動作について説明する。図6乃至図11は本発明
の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図であり
、各図(A)は2次転写ユニット60をローラー軸の方向からみた図であり、また各図(
B)は2次転写ユニット60をローラー軸と垂直の方向からみた模式図である。
【0072】
図12は2次転写ローラー61の回転に伴う、2次転写ローラー61とベルト張架ロー
ラー41との間の軸間距離を説明する図である。なお、以下、本明細書においては、2次
転写ローラー61の回転状態に応じて、位相が変化するものとして表現することがある。
【0073】
図13は本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御シーケンスを説明する図で
あり、図13(a)は2次転写ローラー61で検出されるVsync信号のタイミングを
示しており、図13(b)は2次転写ローラー61と転写ベルトの接触状態を示す図であ
り、図13(c)転写材把持機構610の開閉状況(把持/非把持)を示す図であり、図
13(d)は2次転写ローラー61の周面速度と、ゲートローラー101、101’によ
る転写材の搬送速度の関係を示している。
【0074】
図6は転写材Sが転写材ガイド102に沿って、2次転写ローラー61に向かい進入し
ている状態(位相:図12のA相)を示している。連続印刷を行っている場合でも、図6
に示す位相では、2次転写ニップには、既転写済みの転写材なども存在しない状態となっ
ている。図6に示す位相では、2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間の
軸間距離は所定距離LAが保たれた状態となる。このような状態から、規制部材650と
被当接部材690とは徐々に当接を開始し、被当接部材690が規制部材650を介して
、2次転写ローラー61の付勢力・荷重を受ける状態となる。これにより、2次転写ロー
ラー61の開口凹部605が転写ベルト40に対向する位置にきたときにおいても、開口
凹部605内に設けられた転写材把持爪611が転写ベルト40と接触することを防止す
る。また、A相においては、把持爪制御カムフォロワー621は把持爪制御カム620に
接触しておらず、転写材把持爪611は爪座部612において閉じた状態を維持する。ま
た、A相においては、周面速度VOで回転している2次転写ローラー61に対して、ゲー
トローラー101、101’は、2次転写ローラー61の周面速度VOより速い第1速度
1で転写材Sを搬送するよう制御される。
【0075】
図7は転写材ガイド102に沿って進入してくる転写材Sの把持準備を行っている状態
(位相:図12のB相)を示している。すなわち、把持爪制御カムフォロワー621は把
持爪制御カム620に接触し、把持爪制御カム620に設けられているプロフィールに応
じて、転写材把持爪611は爪座部612から離間を開始し、転写材Sを把持するための
間口を広げるようにしている。2次転写ローラー61における開口凹部605は転写ベル
ト40と対向する状態となっているが、規制部材650が被当接部材690と当接するこ
とによって、2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間の軸間距離は所定距
離LBが保たれた状態となる。また、このとき、2次転写ローラー61は下方に向けて付
勢されているが、2次転写ローラー61の付勢力・荷重は、規制部材650を介して被当
接部材690が受けている状態となる。開口凹部605における転写材把持機構610の
動作としては、転写材把持爪611が爪座部612から離間し把持部を解放し、転写材S
を把持する準備がなされているが、規制部材650と被当接部材690との当接により、
軸間距離LBは軸間距離LAより長くなるようにされており、したがって、転写材Sを把持
するための間口が広げられることとなるので、転写材Sを送るゲートローラー101、1
01’から送られる転写材Sを安定して把持することが可能となり、転写材の把持不良の
発生率を低減させることができる。また、軸間距離LBは軸間距離LAより長くなるように
されているので、爪座部612から離間した転写材把持爪611が、転写ベルト40に接
触することがない。
【0076】
図7に示す状況においても、周面速度VOで回転している2次転写ローラー61に対し
て、ゲートローラー101、101’は、2次転写ローラー61の周面速度VOより速い
第1速度V1で転写材Sを搬送するよう制御されているが、主制御部150がフォトセン
サ170から入力されたVsync信号に基づいて、転写材Sを把持するタイミングであ
ると判断した把持タイミング以降は、ゲートローラー101、101’は、2次転写ロー
ラー61の周面速度VOより遅い第2速度V2で転写材Sを搬送するように制御される。把
持タイミング以降の様子を示したものが、図8に示すB’相(図12参照)である。前記
把持タイミングにおいては、図8に示すように、転写材Sには弛み部が形成されるが、こ
の弛み部は、2次転写ローラー61の周面速度VOより遅い第2速度V2で転写材Sを搬送
するよう制御されことで解消される。
【0077】
本実施形態に係る画像形成装置のように、ゲートローラー101、101’で転写材S
を搬送し、2次転写ローラー61に設けられた転写材把持機構610で把持させる制御を
行うような場合、転写材Sを安定して把持するためには転写材把持爪611に転写材Sを
突き当てて上記のような弛み部を形成することで、転写材Sの送りムラを吸収する方法で
把持を安定化することが有効である。
【0078】
前述のように把持を安定させる目的で転写材Sを転写材把持爪611に突き当てて弛み
部を形成し、弛み部を形成した状態まま転写ニップに転写材Sを進入させた時と比較して
、本実施形態に係る方法を用いることで転写ニップに進入する時の紙の姿勢を安定させる
点で更に効果的である。その方法について下記に示す。
【0079】
転写材Sの状態(温度、湿度、種別などに依存する状態)によって生じる転写材Sの送
りムラにより、転写材把持爪611に突き当てて形成される弛み部の量や形状が変化する
ため、転写ニップに進入する転写材Sの姿勢は安定しにくくなる。前述の弛み部は転写材
Sの把持を安定させるために形成しているもので、転写材Sを把持した後は必要なくなる
。このため、転写材Sの把持終了後から転写ニップに転写材Sを進入させる前に本実施形
態に係る制御方法により弛み部を無くすことで、転写材Sの姿勢は転写材Sの状態によら
ず安定する。これにより、安定して転写材Sに像を転写できる(画質を乱すことなく)と
共に、転写材Sの搬送性も安定させることができる。
【0080】
仮に、把持タイミング以降においても、ゲートローラー101、101’が、2次転写
ローラー61の周面速度VOより速い第1速度V1で転写材Sを搬送するように制御され続
けるとすると、図14に示すように、転写材Sの弛み部は増大していくことになり、増大
した弛み部がシワとなったり、弛み部が転写ベルト40と接触し、転写ベルト40上に形
成されているトナー像を乱し画質劣化を生じたりする可能性があるが、本発明のような構
成とすることで、転写材Sが転写ニップに進入するときにおける転写材Sの姿勢を安定さ
せることができ有効である。
【0081】
以上のように、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、2次転写ローラー6
1に設けられた転写材把持部(転写材把持爪611及び爪座部612からなる転写材Sを
把持する構成)による転写材Sの把持不良発生を極力抑制することが可能となる。
【0082】
図9は転写材把持機構610における転写材把持爪611を閉じることによって、転写
材Sを把持している状態(位相:図12のB’’相)を示している。このような転写材把
持爪611の動作は、所定プロフィールを有する把持爪制御カム620上を、把持爪制御
カムフォロワー621が摺動することによって実現される。このB’’相においても、規
制部材650と被当接部材690とが当接することによって、2次転写ローラー61とベ
ルト張架ローラー41との間の軸間距離が距離LBで維持されるように設定されている。
このように軸間距離がLBとなることによって、転写材Sの縁部を把持するために、転写
材把持爪611が動作していても、転写材把持爪611の転写ベルト40への接触を防止
したり、転写材Sの把持不良の発生を抑制したりすることができる。
【0083】
また、B’’相においては、2次転写ローラー61の周面速度VOより遅い第2速度V2
で転写材Sを搬送するよう制御され、転写材Sの弛み部は解消される。
【0084】
図10は転写材把持機構610によって把持した転写材Sを、2次転写ニップを超えて
搬送している状態(位相:図12のC相)を示している。このとき、把持爪制御カム62
0には、転写材把持爪611が転写材Sを把持するような動作を実現するようなプロフィ
ールが設けられている。2次転写ニップを通過する転写材Sには、転写ベルト40上に重
ねられたトナー像が転写されている。C相においては、規制部材650と被当接部材69
0とは離間し、2次転写ローラー61の付勢力・荷重が、そのまま転写荷重となっている
。規制部材650と被当接部材690とは接触していないが、二次転写ニップには通過中
の転写材Sが存在するために、2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間の
軸間距離は所定距離LCが保たれた状態となる。ここで、軸間距離LCから軸間距離LA
差し引いた距離は、転写材Sの厚さに相当するものとなる。
【0085】
C相においては、弛み部はすでに解消しているので、ゲートローラー101、101‘
は、2次転写ローラー61の周面速度VOと等速であるVOで転写材Sを搬送するよう制御
され、転写材Sの弛み部は発生しないようにされる。
【0086】
図11は転写材把持機構610によって転写材Sを解放し、下流に存在する転写材搬送
手段に受け渡した状態(位相:図12のC’相)を示している。C相からC’相の間に把
持爪制御カムフォロワー621が摺動する把持爪制御カム620には、転写材把持爪61
1が転写材Sを解放するような動作を実現するようなプロフィールが設けられており、こ
れにより転写材Sは下流側の転写材搬送手段へと受け渡される。C’相においても、規制
部材650と被当接部材690とは離間し、2次転写ローラー61の付勢力・荷重が転写
荷重となり、2次転写ニップを通過する転写材Sに、転写ベルト40上に重ねられたトナ
ー像が転写される。また、C’相においても、2次転写ローラー61とベルト張架ローラ
ー41との間の軸間距離は所定距離LCが保たれた状態となる。
【0087】
また、C’相においても、弛み部はすでに解消しているので、ゲートローラー101、
101‘は、2次転写ローラー61の周面速度VOと等速であるVOで転写材Sを搬送する
よう制御され、転写材Sの弛み部は発生しないようにされる。
【0088】
ここで、図13を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御シーケ
ンスを補足的に説明する。2次転写ローラー61のVsync信号の検出後、所定の位置
で転写材把持機構610は把持爪制御カム620によって開閉動作(1)を行う。この動
作は、転写材の進入に関係なくメカ的に行われるため、転写材が進入してこない(例えば
初期化動作中)であっても開閉動作は行われる(最初の開閉動作)。
【0089】
2度目の開閉動作にあわせて、2回目のVsyncを検出後t2時間経過したところで
、第1速度V1の転写材送り速度で転写材が搬送される。転写材の把持は、Vsync信
号からt1時間経過後に把持が終了することを2次転写ローラー61の回転位置から決ま
る。t1時間経過したその後に転写材送り速度をV2に変えて、2次転写ローラー61が当
接状態になるまでのt3の間に形成された弛み部が解消されるように設定している。
【0090】
以上のように、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、2次転写ローラー6
1に設けられた転写材把持部(転写材把持爪611及び爪座部612からなる転写材Sを
把持する構成)による転写材Sの把持不良発生を極力抑制することが可能となる。
【0091】
また、本発明の画像形成装置(画像形成方法)によれば、転写材把持爪611が転写材
Sを把持するときの2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間の軸間距離L
Bは、2次転写ローラー61と転写ベルト40との間に転写材Sが介在しているときの2
次転写ローラーとベルト張架ローラーとの間の軸間距離LCよりも長くなるように設定さ
れており、これにより、転写材Sを送る送り部材から送られる転写材Sを安定して把持す
ることが可能となり、転写材Sの把持不良の発生率を低減させることができる。
【0092】
上記のように転写材把持機構610で解放された転写材Sは、次に転写ユニット90ま
で搬送されるが、この搬送を行うための搬送手段について次に説明する。図15及び図1
6は本発明の実施形態に係る画像形成装置で用いられる転写材搬送手段の動作を説明する
図である。
【0093】
第1吸引装置210は、シロッコファンなどの気流発生部215が取り付けられた筐体
部211を有しており、この気流発生部215によって、筐体部211内の空間R1から
筐体部211外に排気を行うことができるようになっている。筐体部211の下面側は複
数の通気孔が一面に設けられた吸引面212となっている。第1吸引装置210は、気流
発生部215を動作させて、筐体部211外にaで示すような排気を行うことにより、A
に示すような気流を発生させる。この気流によって、トナー像が転写された転写材Sは重
力に抗して吸引面212に保持される。この気流は、転写材Sが吸引面212に保持され
る程度のものであるが、2次転写ニップから転写材Sが押し出される力に抗して、転写材
Sの進行を妨げる程度のものではない。
【0094】
転写材搬送装置230は、シロッコファンなどの気流発生部235が取り付けられた筐
体部231と、その筐体部231周囲に配された転写材搬送部材250などから概略構成
されている。転写材搬送装置230では、気流発生部235によって、筐体部231内の
空間R2から筐体部231外に排気を行うことができるようになっている。
【0095】
筐体部231の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた吸引面232となっており、
この気流発生部235の排気動作bに伴い、吸引面232ではBに示すような気流が発生
する。このとき、筐体部231内にもうけられた隔壁部材233の作用によって、筐体部
231内の空間R2から比較的均等に排気が行われようになり、吸引面232における気
流も場所によって偏りが生じることがないようにしている。
【0096】
筐体部231の周囲に配された転写材搬送部材250は、一の主面から他の主面に貫通
する通気孔(不図示)が複数設けられたエンドレスベルトであり、転写材搬送部材250
に駆動力を付与する転写材搬送部材駆動ローラー251と、転写材搬送部材張架ローラー
252、253に張架されている。転写材搬送部材250は、転写材搬送部材駆動ローラ
ー251が回転することによって、図示矢印の方向に移動するが、この移動速度は略画像
形成プロセスの速さと同程度とされる。
【0097】
筐体部231の吸引面232における吸引力は、転写材搬送部材250の通気孔からも
作用することで、トナー像が転写された転写材Sは重力に抗して転写材搬送部材250の
搬送面Pに保持されると共に、転写材搬送部材駆動ローラー251の駆動力による転写材
搬送部材250の移動に伴い搬送面P上で搬送されることとなる。転写材搬送部材250
の転写材搬送部材張架ローラー252から転写材搬送部材駆動ローラー251までの間の
領域が転写材Sを搬送する搬送面Pとして利用される。
【0098】
第2吸引装置270は、シロッコファンなどの気流発生部275が取り付けられた筐体
部271を有しており、この気流発生部275によって、筐体部271内の空間R3から
筐体部271外に排気を行う。筐体部271の下面側は複数の通気孔が一面に設けられた
吸引面272となっており、第2吸引装置270の気流発生部275の排気動作cによっ
て、Cに示すような気流を発生させることができる。この気流によって、トナー像が転写
された転写材Sは重力に抗して吸引面272に保持される。
【0099】
第1吸引装置210、転写材搬送装置230、第2吸引装置270などからなる本実施
形態に係る転写材搬送手段は、転写材のトナー像が転写されている面を鉛直下方として転
写材を搬送するものである。
【0100】
送風装置400は、2次転写ニップの出口付近の転写ベルト40と2次転写ローラー6
1との間の空間にエアーを吐出するためのものであり、シロッコファンなどの気流発生部
405によって筐体部401内の空間R4にエアーが送り込まれるようになっている。こ
の筐体部401には、ローラー類の軸方向にわたる開口部402が設けられており、気流
発生部405の気流発生動作dに伴い筐体部401内に送り込まれたエアーは、この開口
部402からDに示すように吐出される。
【0101】
次に、上記のように構成される本実施形態における転写材搬送手段の動作を説明する。
図15は2次転写ユニット60の2次転写ニップから転写材Sの搬送方向先端部(SO
が排出された直後、すなわち、2次転写ユニット60側から転写材Sが搬送手段の方に引
き渡された直後の状態を示している。転写材Sは、図示するように、気流発生部215の
動作aに伴い発生する吸引面212の気流Aによって、落下することなく吸引面212に
保持されつつ、2次転写ユニット60側からの送り動作の力によって吸引面212上を滑
るように搬送される。このことき、吸引面212が吸着する転写材Sの面は、直前の2次
転写動作によってトナー像が形成されていない方の面であるので、搬送手段による搬送動
作に伴い未定着トナー像が乱れるようなことはない。
【0102】
2次転写ユニット60側からの送り動作の力を受けて、第1吸引装置210の吸引面2
12上を滑りつつ搬送された転写材Sの搬送方向先端部が、転写材搬送装置230側に到
達すると、次に、転写材Sは転写材搬送部材250の搬送面Pにおける気流Bによって保
持されると共に、転写材搬送部材250の移動動作に伴い搬送面Pを定着ユニット90に
向かって進行する。
【0103】
図16は2次転写ユニット60の2次転写ニップから転写材Sの搬送方向後端部(SE
)が排出された直後の状態を示したものである。特に、このとき、送風装置400を動作
させてエアーをDに示すように吐出することで、転写材Sの後端部(SE)が2次転写ニ
ップから排出された時に転写材後端部(SE)が転写ベルト40等に触れて画像が汚損さ
れることを防ぐことができる。
【0104】
転写材搬送装置230の搬送面Pで搬送された転写材Sは、第2吸引装置270の吸引
面272を経て、定着ユニット90において、加熱ローラー91と加圧ローラー92とが
形成する定着ニップ間に進入する。この定着ニップを経た転写材Sは、トナー像が融着さ
れ永久可視像とされる。
【0105】
以上のように、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、2次転写ローラー6
1に設けられた転写材把持機構610による転写材Sの把持不良発生を極力抑制すること
が可能となる。
【0106】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態は、2次転写部における
転写荷重をかける際に不勢力を付与するローラーが第2実施形態と異なっている。また、
第2実施形態は、転写ベルト40を駆動するベルト駆動ローラーが個別に設けられている
点も第2実施形態と異なっている。さらに、第2実施形態は、ベルト張架ローラー41の
上流側・下流側の両方にテンションローラーが追加されている点が第2実施形態と異なっ
ている。
【0107】
以上のような相違について、画像形成装置全体を参照することにより説明する。図17
は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
第2実施形態に画像形成装置の2次転写ユニット60においては、ベルト張架ローラー4
1が図17矢印の示す方向(上方)に付勢されており、これにより2次転写ニップ部に適
切な転写荷重をかけることができるようになっている。第2実施形態と同様、第2実施形
態においても、2次転写ローラー61の回転軸には、2次転写ローラー61の回転と共に
回転する位置規制部材650が設けられ、ベルト張架ローラー41側に設けられたベアリ
ングなどからなる被当接部材690と当接することにより、所定の位相で転写ベルト40
との間の距離を維持する。
【0108】
第2実施形態に係る画像形成装置においては、転写ベルト40を駆動するベルト駆動ロ
ーラー44が現像装置30Kの直下流に設けられることにより、現像装置30Y、30M
、30C、30Kで現像されたトナー像は、転写ベルト40に安定的に1次転写すること
ができるようになっている。また、ベルト張架ローラー41とベルト駆動ローラー44と
の間にはテンションローラー52を、ベルト張架ローラー41の直下流にはテンションロ
ーラー53を設けて、これらのテンションローラーでベルト張架ローラー41の変位に伴
う変動を吸収することにより、1次転写部や各現像装置に当該変動が伝達しないようにし
ている。
【0109】
また、第2実施形態において用いられる2次転写ローラー61の構成についても、第2
実施形態と異なっているので、この相違についても図18を参照して説明する。図18は
本発明の第2実施形態に係る画像形成装置で用いられる2次転写ローラーを説明する図で
ある。図18において、601はローラー胴部、602はローラー軸部、605は開口凹
部、607はシート材、610は転写材把持機構、611は転写材把持爪、612は爪座
部、613は第1開口縁、614は第2開口縁、615は把持爪回動中心、630はモー
ター、631はローター軸、633は第1ギア、635は第2ギアをそれぞれ示している

【0110】
第2実施形態における転写材把持機構610の動作にはカムによる機構が用いられてい
たが、第2実施形態における転写材把持機構610の動作には電磁的な機構が用いられる
。より具体的には、第2実施形態の転写材把持機構610は、モーター630を転写材把
持爪611の開閉のための動力源として有している。不図示の制御手段からの制御信号に
基づいてモーター630は時計回り方向(b’の方向)又は反時計回り方向(a’の方向
)に回転可能に構成されている。モーター630のローター軸631には第1ギア633
が設けられており、さらに転写材把持爪611の把持爪回動中心615には、前記第1ギ
ア633と噛合している第2ギア635が設けられており、ローター軸631からの回転
力が把持爪回動中心615に伝達されるようになっており、これにより転写材把持爪61
1が回動動作するようになっている。
【0111】
モーター630が時計回り方向(b’の方向)に回転したときには、転写材把持爪61
1はbの方向に動作し、転写材把持爪611と爪座部612との間で転写材の縁部を把持
する動作を行う。また、モーター630が反時計回り方向(a’の方向)に回転したとき
には、転写材把持爪611はaの方向に動作し、転写材把持爪611は爪座部612から
離間し、把持した転写材を解放する動作を行う。
【0112】
なお、本実施形態においては動力源とする電磁部品としてモーターを用いているが、こ
れに限らずロータリーソレノイドなどの他の回転動力を発現する電磁部品を用いても良い
。また、アクチュエーターなどの直線的な動力を発現する電磁部品を用いて、転写材把持
爪611を動作させるようにしてもよい。
【0113】
図19は本発明の第2実施形態に係る画像形成装置における制御ブロックの概略を示す
図である。第2実施形態が第1実施形態における制御ブロックと異なる点は転写材把持機
構制御部160を有している点であり、主制御部150がこの転写材把持機構制御部16
0に対して制御命令を発することによってモーター630を制御し、もって転写材把持爪
611の開閉動作を制御するようにしている。
【0114】
次に、2次転写ローラー61の開口凹部605に設けられた転写材把持機構610の動
作と、規制部材650に基づく位置規制動作について説明する。図20乃至図25は本発
明の実施形態に係る画像形成装置における2次転写ユニット60の動作を説明する図であ
り、各図(A)は2次転写ユニット60をローラー軸の方向からみた図であり、また各図
(B)は2次転写ユニット60をローラー軸と垂直の方向からみた模式図である。
【0115】
図26は2次転写ローラー61の回転に伴う、2次転写ローラー61とベルト張架ロー
ラー41との間の軸間距離を説明する図である。なお、本明細書においては、2次転写ロ
ーラー61の回転状態に応じて、位相が変化するものとして表現することがある。
【0116】
図27は本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御シーケンスを説明する図で
あり、図27(a)は2次転写ローラー61で検出されるVsync信号のタイミングを
示しており、図27(b)は2次転写ローラー61と転写ベルトの接触状態を示す図であ
り、図27(c)転写材把持機構610の開閉状況(把持/非把持)を示す図であり、図
27(d)は2次転写ローラー61の周面速度と、ゲートローラー101、101’によ
る転写材の搬送速度の関係を示している。
【0117】
図20は転写材Sが転写材ガイド102に沿って、2次転写ローラー61に向かい進入
している状態(位相:図26のA相)を示している。連続印刷を行っている場合でも、図
20に示す位相では、2次転写ニップには、既転写済みの転写材なども存在しない状態と
なっている。図20に示す位相では、2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41と
の間の軸間距離は所定距離LAが保たれた状態となる。また、A相においては、モーター
630に対して制御信号は入力されず、転写材把持爪611と爪座部612とは当接した
状態が保たれる。
【0118】
このような状態から、規制部材650と被当接部材690とは徐々に当接を開始し、被
当接部材690が規制部材650を介して、ベルト張架ローラー41の付勢力を受ける状
態となる。これにより、2次転写ローラー61の開口凹部605が転写ベルト40に対向
する位置にきたときにおいても、開口凹部605内に設けられた転写材把持爪611が転
写ベルト40と接触することを防止する。また、A相においては、転写材把持爪611は
爪座部612において閉じた状態を維持する。また、A相においては、周面速度VOで回
転している2次転写ローラー61に対して、ゲートローラー101、101’は、2次転
写ローラー61の周面速度VOより速い第1速度V1で転写材Sを搬送するよう制御される

【0119】
図21は転写材ガイド102に沿って進入してくる転写材Sの把持準備を行っている状
態(位相:図26のB相)を示している。すなわち、モーター630は制御信号を受けて
反時計回り方向(a’の方向)に回転し、転写材把持爪611は爪座部612から離間を
開始し、転写材Sを把持するための間口を広げるようにしている。2次転写ローラー61
における開口凹部605は転写ベルト40と対向する状態となっているが、規制部材65
0が被当接部材690と当接することによって、2次転写ローラー61とベルト張架ロー
ラー41との間の軸間距離は所定距離LBが保たれた状態となる。また、このとき、ベル
ト張架ローラー41は上方に向けて付勢されているが、ベルト張架ローラー41の付勢力
は、被当接部材690を介して規制部材650が受けている状態となる。開口凹部605
における転写材把持機構610の動作としては、転写材把持爪611が爪座部612から
離間し把持部を解放し、転写材Sを把持する準備がなされているが、規制部材650と被
当接部材690との当接により、軸間距離LBは軸間距離LAより長くなるようにされてお
り、したがって、転写材Sを把持するための間口が広げられることとなるので、転写材S
を送るゲートローラー101、101’から送られる転写材Sを安定して把持することが
可能となり、転写材の把持不良の発生率を低減させることができる。また、軸間距離LB
は軸間距離LAより長くなるようにされているので、爪座部612から離間した転写材把
持爪611が、転写ベルト40に接触することがない。
【0120】
図21に示す状況においても、周面速度VOで回転している2次転写ローラー61に対
して、ゲートローラー101、101’は、2次転写ローラー61の周面速度VOより速
い第1速度V1で転写材Sを搬送するよう制御されているが、主制御部150がフォトセ
ンサ170から入力されたVsync信号に基づいて、転写材Sを把持するタイミングで
あると判断した把持タイミング以降は、ゲートローラー101、101’の動作を停止す
るように制御される。把持タイミング以降の様子を示したものが、図22に示すB’相(
図26参照)である。前記把持タイミングにおいては、図22に示すように、転写材Sに
は弛み部が形成されるが、この弛み部は、ゲートローラー101、101’による搬送動
作を停止するように制御されことで解消される。上記のようなゲートローラー101、1
01’の搬送動作停止を受けて、転写材Sのゲートローラー部での搬送速度は、第1速度
1から最終的に2次転写ローラー61の周面速度と等速度である速度VOに落ち着くこと
となる。
【0121】
本実施形態に係る画像形成装置のように、ゲートローラー101、101’で転写材S
を搬送し、2次転写ローラー61に設けられた転写材把持機構610で把持させる制御を
行うような場合、転写材Sを安定して把持するためには転写材把持爪611に転写材Sを
突き当てて上記のような弛み部を形成することで、転写材Sの送りムラを吸収する方法で
把持を安定化することが有効である。
【0122】
前述のように把持を安定させる目的で転写材Sを転写材把持爪611に突き当てて弛み
部を形成し、弛み部を形成した状態まま転写ニップに転写材Sを進入させた時と比較して
、本実施形態に係る方法を用いることで転写ニップに進入する時の紙の姿勢を安定させる
点で更に効果的である。その方法について下記に示す。
【0123】
転写材Sの状態(温度、湿度、種別などに依存する状態)によって生じる転写材Sの送
りムラにより、転写材把持爪611に突き当てて形成される弛み部の量や形状が変化する
ため、転写ニップに進入する転写材Sの姿勢は安定しにくくなる。前述の弛み部は転写材
Sの把持を安定させるために形成しているもので、転写材Sを把持した後は必要なくなる
。このため、転写材Sの把持終了後から転写ニップに転写材Sを進入させる前に本実施形
態に係る制御方法により弛み部を無くすことで、転写材Sの姿勢は転写材Sの状態によら
ず安定する。これにより、安定して転写材Sに像を転写できる(画質を乱すことなく)と
共に、転写材Sの搬送性も安定させることができる。
【0124】
仮に、把持タイミング以降においても、ゲートローラー101、101’が、2次転写
ローラー61の周面速度VOより速い第1速度V1で転写材Sを搬送するように制御され続
けるとすると、図14に示すように、転写材Sの弛み部は増大していくことになり、増大
した弛み部がシワとなったり、弛み部が転写ベルト40と接触し、転写ベルト40上に形
成されているトナー像を乱し画質劣化を生じたりする可能性があるが、本発明のような構
成とすることで、転写材Sが転写ニップに進入するときにおける転写材Sの姿勢を安定さ
せることができ有効である。
【0125】
以上のように、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、2次転写ローラー6
1に設けられた転写材把持部(転写材把持爪611及び爪座部612からなる転写材Sを
把持する構成)による転写材Sの把持不良発生を極力抑制することが可能となる。
【0126】
図23は転写材把持機構610における転写材把持爪611を閉じることによって、転
写材Sを把持している状態(位相:図26のB’’相)を示している。すなわち、モータ
ー630は制御信号を受けて、時計回り方向(b’の方向)に回転し、転写材把持爪61
1と爪座部612との間で転写材の縁部を把持する動作を行う。このB’’相においても
、規制部材650と被当接部材690とが当接することによって、2次転写ローラー61
とベルト張架ローラー41との間の軸間距離が距離LBで維持されるように設定されてい
る。このように軸間距離がLBとなることによって、転写材Sの縁部を把持するために、
転写材把持爪611が動作していても、転写材把持爪611の転写ベルト40への接触を
防止したり、転写材Sの把持不良の発生を抑制したりすることができる。
【0127】
また、B’’相においても、ゲートローラー101、101’の動作を停止するように
制御し、転写材Sの弛み部を解消させる。
【0128】
図24は転写材把持機構610によって把持した転写材Sを、2次転写ニップを超えて
搬送している状態(位相:図26のC相)を示している。このとき、モーター630は転
写材把持爪611によって転写材Sの把持を維持するように制御される。2次転写ニップ
を通過する転写材Sには、転写ベルト40上に重ねられたトナー像が転写されている。C
相においては、規制部材650と被当接部材690とは離間し、2次転写ローラー61の
付勢力・荷重が、そのまま転写荷重となっている。規制部材650と被当接部材690と
は接触していないが、二次転写ニップには通過中の転写材Sが存在するために、2次転写
ローラー61とベルト張架ローラー41との間の軸間距離は所定距離LCが保たれた状態
となる。ここで、軸間距離LCから軸間距離LAを差し引いた距離は、転写材Sの厚さに相
当するものとなる。
【0129】
また、C相においては、ゲートローラー101、101’の動作を停止するように制御
されており、転写材Sの弛み部は発生しない。
【0130】
図25は転写材把持機構610によって転写材Sを解放し、下流に存在する転写材搬送
手段に受け渡した状態(位相:図26のC’相)を示している。C相からC’相の間の適
当なタイミングで制御信号を受けたモーター630は反時計回り方向(a’の方向)に回
転して、転写材把持爪611から転写材Sを解放する動作を行う。これにより転写材Sは
下流側の転写材搬送手段へと受け渡される。C’相においても、規制部材650と被当接
部材690とは離間し、2次転写ローラー61の付勢力・荷重が転写荷重となり、2次転
写ニップを通過する転写材Sに、転写ベルト40上に重ねられたトナー像が転写される。
また、C’相においても、2次転写ローラー61とベルト張架ローラー41との間の軸間
距離は所定距離LCが保たれた状態となる。
【0131】
また、C’相においても、ゲートローラー101、101’の動作を停止するように制
御されているので、転写材Sの弛み部は発生することがない。
【0132】
ここで、図27を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置における制御シーケ
ンスを補足的に説明する。2次転写ローラー61のVsync信号の検出後、所定の時間
(t1)経過後に転写材把持機構610はモーター630の動作によって開閉動作(2)
を行う。ただし、転写材が進入してこない(例えば初期化動作中:(1))の場合、転写
材把持機構610の開閉動作は必要ないためモーター630は動作させず、把持部材の開
閉動作を行わない。
【0133】
2度目の開閉動作にあわせて、2回目のVsyncを検出後t2時間経過したところで
、第1速度V1の転写材送り速度で転写材が搬送される。転写材の把持は、Vsync信
号からt1時間経過後に把持が終了することがモーター630の動きで予め知ることがで
きる。このt1時間経過後に転写材送りを停止して、2次転写ローラー61が当接状態に
なるまでのt3の間に形成された弛み部が解消されるように設定している。
【0134】
以上のように、本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、2次転写ローラー
61に設けられた転写材把持部(転写材把持爪611及び爪座部612からなる転写材S
を把持する構成)による転写材Sの把持不良発生を極力抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0135】
10Y、10M、10C、10K・・・感光体、11Y、11M、11C、11K・・・
コロナ帯電器、12Y、12M、12C、12K・・・露光ユニット、13Y、13M、
13C、13K・・・第1感光体スクイーズローラー、13Y’、13M’、13C’、
13K’・・・第2感光体スクイーズローラー、14Y、14Y’、14M、14M’、
14C、14C’、14K、14K’、・・・感光体スクイーズローラークリーニングブ
レード、18Y、18M、18C、18K・・・感光体クリーニングブレード、20Y、
20M、20C、20K・・・現像ローラー、21Y、21M、21C、21K・・・現
像ローラークリーニングブレード、22Y、22M、22C、22K・・・コンパクショ
ンコロナ発生器、30Y、30M、30C、30K・・・現像装置、31Y、31M、3
1C、31K・・・現像剤容器、32Y、32M、32C、32K・・・アニロックスロ
ーラー、31Y、31M、31C、31K・・・現像剤容器、33Y、33M、33C、
33K・・・規制ブレード、34Y、34M、34C、34K・・・オーガ(供給ローラ
ー)、40・・・転写ベルト、41・・・ベルト張架ローラー、42・・・ベルト張架ロ
ーラー、44・・・ベルト駆動ローラー、45・・・現像剤回収部、46・・・転写ベル
トクリーニングローラー、47・・転写ベルトクリーニングローラークリーニングブレー
ド、49・・・転写ベルトクリーニングブレード、50Y、50M、50C、50K・・
・1次転写部、51Y、51M、51C、51K・・・1次転写バックアップローラー、
52、53・・・テンションローラー、60・・・2次転写ユニット、61・・・2次転
写ローラー、62・・・2次転写ローラークリーニングブレード、74・・・(クリーニ
ング)ブレード保持部材、85・・・2次転写ユニット回収貯留部、90・・・定着ユニ
ット、91・・・加熱ローラー、92・・・加圧ローラー、95・・・第1転写ローラー
、96・・・第2転写ローラー、101、101’・・・ゲートローラー、102・・・
転写材ガイド、140・・・画像形成コントローラー部、145・・・転写材種別情報記
憶部、146・・・温度センサ、147・・・湿度センサ、150・・・主制御部、16
0・・・転写材把持機構制御部、170・・・フォトセンサ、171・・・フォトセンサ
カム、172・・・スリット、173・・・現像装置制御部、174・・・転写ベルト駆
動モーター制御部、175・・・ゲートローラー駆動モーター制御部、176・・・2次
転写ローラー駆動モーター制御部、210・・・第1吸引装置、211・・・筐体部、2
12・・・吸引面、215・・・気流発生部、230・・・転写材搬送装置、231・・
・筐体部、232・・・吸引面、233・・・隔壁部材、235・・・気流発生部、25
0・・・転写材搬送部材、251・・・転写材搬送部材駆動ローラー、252、253・
・・転写材搬送部材張架ローラー、270・・・第2吸引装置、271・・・筐体部、2
72・・・吸引面、275・・・気流発生部、400・・・送風装置、401・・・筐体
部、402・・・開口部、405・・・気流発生部、601・・・ローラー胴部、602
・・・ローラー軸部、605・・・開口凹部、607・・・シート材、610・・・転写
材把持機構、611・・・転写材把持爪、612・・・爪座部、613・・・第1開口縁
、614・・・第2開口縁、615・・・把持爪回動中心、620・・・把持爪制御カム
、621・・・把持爪制御カムフォロワー、622・・・アーム、625・・・アーム部
、626・・・受け部、627・・・第1平面、628・・・第2平面、630・・・モ
ーター、631・・・ローター軸、633・・・第1ギア、635・・・第2ギア、65
0・・・規制部材、651・・・回転軸部、670・・・回動支軸部、671・・・フレ
ーム部材、672・・・付勢部材、690・・・被当接部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写材を搬送する搬送部と、
周面に凹部が設けられると共に、前記凹部に前記搬送部から送られた前記転写材を把持す
る転写材把持部が設けられ、前記転写材把持部で前記転写材を把持して回転する転写ロー
ラーと、
前記転写ローラーの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記回転位置検出手段で検出された前記転写ローラーの回転位置情報に基づいて算出され
るタイミングで、前記搬送部での前記転写材の搬送速度を前記転写ローラーの前記凹部と
異なる周面の周面速度より速い第1速度から前記周面速度より遅い第2速度に変更する制
御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
転写材を搬送する搬送部と、
周面に凹部が設けられると共に、前記凹部に前記搬送部から送られた前記転写材を把持す
る転写材把持部が設けられ、前記転写材把持部で前記転写材を把持して回転する転写ロー
ラーと、
前記転写ローラーの回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記回転位置検出手段で検出された前記転写ローラーの回転位置情報に基づいて算出され
るタイミングで、前記搬送部による前記転写材の搬送を停止させる制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記回転位置検出手段で検出された前記転写ローラーの回転位置情報に基づいて算出され
るタイミングは、前記転写材把持部で前記転写材が把持された後のタイミングである請求
項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記転写材把持部は、移動する転写材把持部材と、前記転写材把持部材を支持する支持部
材と、を有し、
前記転写材把持部材を移動させる駆動機構を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載
の画像形成装置。
【請求項5】
前記駆動機構は、カム部材を有し、
前記転写ローラーの回転により前記転写材把持部材は前記カム部材と当接して動作される
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記転写材把持部材は、前記支持部材と前記転写材を介して当接する第1面と、前記第1
面と交差して前記転写材の搬送位置を規制する第2面と、を有する請求項4または5に記
載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写材把持部材の前記第1面と前記第2面とが交差する角度は、90°未満である請
求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
周面に凹部が形成され、前記凹部に転写材を把持する転写材把持部を有する転写ローラー
を回転させるとともに回転された前記転写ローラーの回転位置を検出し、
搬送部を用いて回転された前記転写ローラーの前記凹部と異なる周面の周面速度よりも速
い第1速度で前記転写材を搬送させ、
搬送された前記転写材を前記転写材把持部で把持し、
前記転写材把持部で前記転写材を把持した後、前記搬送部での前記転写材の搬送速度を前
記転写ローラーの前記周面速度よりも遅い第2速度に変更して前記転写材を搬送させるこ
とを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−242630(P2011−242630A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115045(P2010−115045)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】