説明

画像形成装置及び画像形成方法

【課題】像担持ベルトに当接する像担持体の当接または離間で像担持ベルトが移動する軌道が変化した場合であっても、転写材に対して良好な位置で画像を転写することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体10Y,10M,10Cを像担持ベルト40に当接もしくは離間させる当離接機構と、当離接機構により該潜像担持体と像担持ベルト40とを当接もしくは離間させるとともに、該潜像担持体と像担持ベルト40とを当接させた時には露光部12Kを第1の露光タイミングで露光させ、該潜像担持体と像担持ベルト40とを離間させた時には露光部12Kを第1の露光タイミングと異なる第2の露光タイミングで露光させる制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トナーとキャリアー液とを含む液体現像剤で形成された像を担持する像担持ベルトに対して記録紙等の転写材を転写ローラーにより圧接させて、像を転写材に転写する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成ユニットで像担持体に形成されたトナー像を一次転写部で回転可能な像担持ベルトに一次転写するとともに、この像担持ベルトに担持されたトナー像を二次転写ニップで転写材に転写する画像形成装置であって、二次転写ニップより像担持ベルトの回転方向手前側と二次転写ニップより像担持ベルトの回転方向側とにそれぞれ像担持ベルトのテンションを調整するテンションローラーを設ける装置が知られている(特許文献1参照)。
これらのテンションローラーにより二次転写部での振動が吸収緩和されて一次転写部に伝達されるのが抑制されるとともに、転写材が二次転写ニップ内に送り込まれるときに生じる衝撃が吸収緩和される。
【0003】
また、像担持体である感光体ドラムに像担持ベルトである転写ベルトを巻きかけることで、より良好な一次転写効率を得ている画像形成装置が知られている(特許文献2参照)。
【0004】
また、色の異なる複数の画像形成ユニットを有し、各像担持体に形成されたトナー像を回転する像担持ベルト上に順次一次転写して色を重ね合わせてカラー画像を形成するタンデム方式のカラー画像形成装置において、カラー画像を形成するモードでは複数の像担持体が像担持ベルトに当接して画像を転写し、単色画像を形成するモードでは他の色の像担持体を像担持ベルトから離間し、一色の像担持体だけが像担持ベルトに当接して画像を転写する画像形成装置が知られている(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−268595号公報
【特許文献2】特開2010−48847号公報
【特許文献3】特開2007−178867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献2に記載された像担持ベルトを像担持体に巻き掛けた構成の画像形成装置に対して特許文献3に記載されたカラー画像形成モードや単色画像形成モードの切替えに伴う感光体ドラムと像担持ベルトとの当接もしくは離間動作が行われると、像担持体に巻きかけられている像担持ベルトの張架形状が変化する。この時像担持ベルトを特許文献1で記載されたようにテンションローラーで張架していると、像担持ベルトの変化は像担持ベルトの移動方向において二次転写ニップ前後に設けられた2つのテンションローラーの位置の変化で吸収され、像担持ベルトのテンション力はほぼ一定に保たれる。しかしながら、二次転写ニップより手前側のテンションローラーの位置の変化により、一次転写部から二次転写部までの像担持ベルトの移動時間が変わるため、像担持ベルト上に担持された画像が二次転写ニップに進入するタイミングと、転写材が二次転写ニップに送られるタイミングが異なり、転写材に対する画像の位置が変わってしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような事情を鑑みてなされてものであり、像担持ベルトに当接する像担持体の当接または離間動作で像担持ベルトが移動する軌道が変化した場合であっても、転写材に対して良好な位置で画像を転写することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、潜像を担持する第1の潜像担持体ドラムと、前記第1の潜像担持体を露光して前記潜像を形成する第1の露光部と、前記第1の潜像担持体に形成された前記潜像を黒色の顔料を含む第1の現像剤で現像する第1の現像部と、前記第1の現像部で現像された第1の像を転写する第1の転写部と、潜像を担持する第2の潜像担持体ドラムと、前記第2の潜像担持体を露光して前記潜像を形成する第2の露光部と、前記第2の潜像担持体に形成された前記潜像を第2の現像剤で現像する第2の現像部と、前記第2の現像部で現像された第2の像を転写する第2の転写部と、前記第1の転写部で前記第1の潜像担持体ドラムに巻き掛けられて前記第1の像が転写されるとともに、前記第2の転写部で前記第2の潜像担持体ドラムに巻き掛けられて前記第2の像が転写される像担持ベルトと、前記第1の像及び前記第2の像が転写された前記像担持体を巻き掛けるとともに、前記像担持ベルトに張力を付与する第1のテンションローラーと、前記第1のテンションローラーに巻き掛けられた前記像担持ベルトを巻き掛ける張架ローラーと、前記像担持ベルトを介して前記張架ローラーに当接して前記像担持ベルトに転写された前記第1の像及び前記第2の像を転写材に転写する転写ローラーと、前記張架ローラーに巻き掛けられた前記像担持ベルトを巻き掛けるとともに、前記像担持ベルトに張力を付与する第2のテンションローラーと、前記第2の潜像担持体ドラムを前記像担持ベルトに当接もしくは離間させる当離接機構と、前記当離接機構により前記第2の潜像担持体と前記像担持ベルトとを当接もしくは離間させるとともに、前記第2の潜像担持体と前記像担持ベルトとを当接させた時には前記第1露光部を第1の露光タイミングで露光させ、前記第2の潜像担持体と前記像担持ベルトとを離間させた時には前記第1露光部を前記第1の露光タイミングと異なる第2の露光タイミングで露光させる制御部と、を有する。
【0009】
また、前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知する検知部を有する。
【0010】
また、前記制御部は、前記検知部で前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知してから第1の時間経過後を前記第1の露光タイミングとし、前記検知部で前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知してから前記第1の時間と異なる第2の時間経過後を前記第2の露光タイミングとして前記第1の露光部の露光を制御する。
【0011】
また、前記第1の時間及び前記第2の時間に係わる情報を記憶する記憶部を有する。
【0012】
また、前記第1の時間は、前記第2の時間よりも遅い。
【0013】
また、前記検知部は、前記第1の像及び前記第2の像が転写されて前記第1のテンションローラーで巻き掛けられるまでの間の位置に配設され、前記第2のテンションローラーに巻き掛けられた前記像担持ベルトを巻き掛ける第2の張架ローラーと、前記張架ローラーに巻き掛けられて前記第2の張架ローラーで巻き掛けられるまでの間の位置に配設され、前記前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知する第2の検知部と、を有し、前記制御部は、前記検知部が前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知してから前記第2検知部が前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知するまでの時間に基づいて前記第1の露光タイミング及び前記第2の露光タイミングを制御する。
【0014】
また、前記転写ローラーは、周面に凹部を有し、前記凹部に配設されて前記転写材を把持する把持部材を有する。
【0015】
さらに、本発明の画像形成方法は、当離接機構で第1の潜像担持体及び第2の潜像担持体を像担持ベルトに当接させて前記第1の潜像担持体及び前記第2の潜像担持体を前記像担持ベルトに巻き掛けた時、前記像担持ベルトを移動させて前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知した後、第1の露光タイミングで前記第1の潜像担持体に第1の露光部で潜像を形成するとともに、予め定められた露光タイミングで第2の潜像担持体に第2の露光部で潜像を形成し、前記第1の潜像担持体に形成された前記潜像を黒色を含む第1の現像剤で第1の像を現像するとともに、前記第2の潜像担持体に形成された前記潜像を第2の現像剤で第2の像を現像し、前記第1の像及び前記第2の像を前記像担持ベルトに転写し、前記像担持ベルトに転写された前記第1の像及び前記第2の像を転写材に転写し、当離接機構で第2の潜像担持体を像担持ベルトから離間させた時、前記像担持ベルトを移動させて前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知した後、前記第1の露光タイミングと異なる第2の露光タイミングで前記第1の潜像担持体に第1の露光部で潜像を形成し、前記第1の潜像担持体に形成された前記潜像を黒色を含む第1の現像剤で第1の像を現像し、前記第1の像を前記像担持ベルトに転写し、前記像担持ベルトに転写された前記第1の像を転写材に転写する。
【0016】
本発明によれば、像担持ベルトに当接する像担持体の当接または離間動作で像担持ベルトが移動する軌道が変化した場合であっても、転写材に対して良好な位置で画像を転写することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図2】ベルト位置センサーが中間転写ベルトの検知マークを検知する状態を示す図である。
【図3】図2のA−A断面を矢印方向から見た図である。
【図4】フルカラー画像形成モードおよびブラック単色画像形成モードにおける中間転写ベルトおよび感光体の状態を示す図である。
【図5】露光部およびゲートローラーの制御システムのブロック図である。
【図6】露光部の発光およびゲートローラーの回転動作のタイミングチャートである。
【図7】本発明の実施形態2に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図8】第2ベルト位置センサーが中間転写ベルトの検知マークを検知する状態を示す図である。
【図9】露光部およびゲートローラーの制御システムのブロック図である。
【図10】露光部の発光およびゲートローラーの回転動作のタイミングチャートである。
【図11】本発明の実施形態3に係る画像形成装置を構成する主要構成要素を示した図である。
【図12】露光部およびゲートローラーの制御システムのブロック図である。
【図13】露光部の発光、ゲートローラーの回転動作、および二次転写ローラーの回転動作のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る画像形成装置1を構成する主要構成要素を示した図である。画像形成装置1は、主に画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kと転写装置3とを有する。
【0020】
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、水平またはほぼ水平にタンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kを備えている。各画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kは、像担持体としての感光体10Y,10M,10C,10Kを備えている。これらの感光体10Y,10M,10C,10Kには、それぞれ、対応する色Y,M,C,Kの静電潜像が形成されて担持される。各感光体10Y,10M,10C,10Kは、それぞれ、図示しない駆動部により駆動されて図1において矢印方向(図1において時計回り)に回転する。ここで、各感光体10Y,10M,10C,10Kにおいて、10Yはイエローの感光体、10Mはマゼンタの感光体、10Cはシアンの感光体、10Kはブラックの感光体を表す。また、他の部材についても同じように、部材の符号にそれぞれ各色のY,M,C,Kを添えて各色の部材を表す。
【0021】
感光体10Y,10M,10C,10Kの周辺は、感光体10Y,10M,10C,10Kの外周の回転方向に沿って、帯電部としてのコロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kを基準として、ラインヘッドなどの露光部12Y,12M,12C,12K、現像部30Y,30M,30C,30Kの現像剤担持体としての現像ローラー20Y,20M,20C,20K、第1感光体スクイーズローラー13Y,13M,13C,13K、第2感光体スクイーズローラー15Y,15M,15C,15K、一次転写部50Y,50M,50C,50K、除電部としての除電ランプ17Y,17M,17C,17K及び感光体クリーニングブレード18Y,18M,18C,18Kが配置されている。なお、画像形成プロセスにおいては、コロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kから感光体クリーニングブレード18Y,18M,18C,18Kの順に、より前段に配置される構成は、後段に配置される構成より上流にあるものと定義する。
【0022】
まず、コロナ帯電器11Y,11M,11C,11Kにより、感光体10Y,10M,10C,10Kを一様に帯電させ、露光部12Y,12M,12C,12Kにより、入力された画像信号に基づいて露光を行い、帯電された感光体10Y,10M,10C,10K上に静電潜像を形成する。
【0023】
現像部30Y,30M,30C,30Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤を貯蔵する現像剤容器(リザーバ)31Y,31M,31C,31K、各色の液体現像剤を現像剤容器31Y,31M,31C,31K内で攪拌する攪拌ローラー32Y,32M,32C,32K、各色の液体現像剤を現像剤容器31Y,31M,31C,31Kから現像ローラー20Y,20M,20C,20へ供給する現像剤供給部材としての供給ローラー33Y,33M,33C,33K及び中間ローラー34Y,34M,34C,34K、中間ローラー34Y,34M,34C,34Kの液体現像剤をクリーニングする中間ローラークリーニング部材35Y,35M,35C,35Kを有し、各色の液体現像剤により感光体10Y,10M,10C,10K上に形成された静電潜像を現像する。
【0024】
現像剤容器31Y,31M,31C,31Kに収容されている液体現像剤は、従来一般的に使用されているIsopar(商標:エクソン)をキャリアー液とした低濃度(1〜3wt%程度)かつ低粘度の、常温で揮発性を有する揮発性液体現像剤ではなく、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤である。すなわち、本発明における液体現像剤は、熱可塑性樹脂中へ顔料等の着色剤を分散させた平均粒径1μmの固形子を、有機溶媒、シリコンオイル、鉱物油又は食用油等の液体溶媒中へ分散剤とともに添加し、トナー固形分濃度を約15〜25%とした高粘度(HAAKE RheoStress RS600を用いて、25℃の時のせん断速度が1000(1/s)のときの粘弾性が30〜300mPa・s程度)の液体現像剤である。
【0025】
なお、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kは、周囲に、中間ローラー34Y,34M,34C,34Kにより供給されて、現像ローラー20Y,20M,20C,20に担持された液体現像剤をトナーチャージするトナーチャージコロナ発生器22Y,22M,22C,22Kと、感光体10Y,10M,10C,10Kを現像した後、現像ローラー20Y,20M,20C,20Kのクリーニングを行う現像ローラークリーニングブレード21Y,21M,21C,21Kを有する。
【0026】
各色の液体現像剤により感光体10Y,10M,10C,10K上に形成された現像は、第1感光体スクイーズローラー13Y,13M,13C,13K、及び第2感光体スクイーズローラー15Y,15M,15C,15Kによってキャリアー液の一部がスクイーズされる。なお、第1感光体スクイーズローラー13Y,13M,13C,13Kの周囲には、スクイーズしたキャリアー液をクリーニングする第1感光体スクイーズローラークリーニング部材14Y,14M,14C,14K、が配設され、第2感光体スクイーズローラー15Y,15M,15C,15Kの周囲には、スクイーズしたキャリアー液をクリーニングする第2感光体スクイーズローラークリーニング部材16Y,16M,16C,16Kが配設される。
【0027】
像担持体ベルトとしての中間転写ベルト40は、張力によって伸縮し難いシームレスなポリイミド等の樹脂材料を基材として形成されたベルトである。中間転写ベルト40は、中間転写ベルト40を巻き掛けて、中間転写ベルト40を移動させる第1のローラーとしてのベルト駆動ローラー41と、ベルト駆動ローラー41に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛けるとともに、中間転写ベルト40に張力を付与する第1テンションローラー81と、第1テンションローラー81に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛ける第2のローラーとしてのバックアップローラー43と、バックアップローラー43に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛けるとともに、中間転写ベルト40に張力を付与する第2テンションローラー82と、第2テンションローラー82に巻き掛けられた中間転写ベルト40を巻き掛ける張架ローラー42と、に張架される。ベルト駆動ローラー41は、図示しないベルト駆動ローラー駆動部により駆動される。
【0028】
中間転写ベルト40は,一次転写部50Y,50M,50C,50Kで感光体10Y,10M,10C,10Kに当接している。一次転写部50Y,50M,50C,50Kは、中間転写ベルト40を挟んで感光体10Y,10M,10C,10Kと一次転写ローラー51Y,51M,51C,51Kが対向して配置されている。一次転写ローラー51Yと51M,51Mと51C,51Cと51K,51Kとベルト駆動ローラーとのそれぞれの間には、巻きかけローラー95Y,95M,95C,95Kが配置されており、中間転写ベルト40が感光体10Y,10M,10C,10Kの一次転写部の一次転写ローラーとの中間転写ベルトを介した当接位置を通る仮想接線よりも感光体側に張架されて感光体10Y,10M,10C,10Kに巻きかかり円弧状のニップを形成する。これにより本発明で用いる高濃度かつ高粘度の液体現像剤で現像した場合で良好な転写効率を得ることが可能となる。
【0029】
感光体10Y,10M,10C,10Kと中間転写ベルト40が当接する位置を一次転写位置として、現像された感光体10Y,10M,10C,10K上の各色のトナー像を中間転写ベルト40上に順次重ねて転写し、フルカラーのトナー像を形成する。
【0030】
一方、単色のトナー像を中間転写ベルト40上に形成する場合は、その他の色の感光体が中間転写ベルト40にから離間された状態で画像形成が行われる。例えばブラックのトナー像を中間転写ベルト40上に形成する場合は、イエロー、マゼンダ、シアンの感光体が中間転写ベルト40にから離間された状態で画像形成が行われる。感光体の当接離間動作は、図示しない感光体当離接機構によって行われる。
【0031】
また、中間転写ベルト40の張架ローラー42に張架されている箇所で、像担持体ベルトクリーニング部材としての転写ベルトクリーニングブレード49が当接され、中間転写ベルト40の残りトナー及びキャリアー液をクリーニングするようになっている。
【0032】
また、中間転写ベルト40の内側には、検知マーク40aが設けられており、ベルト位置センサー91が検知マーク40aを検知する。
【0033】
なお、中間転写ベルト40に一次転写した後に感光体10Y,10M,10C,10Kに残った液体現像剤は、像担持体クリーニング部材として機能する除電ランプ17Y,17M,17C,17Kで除電されて、像担持体クリーニング部材としての感光体クリーニングブレード18Y,18M,18C,18Kでクリーニングされる。
【0034】
二次転写部60では、図示しない転写ローラー駆動部により矢印で示す方向に回転するとともに転写バイアスが印加される転写ローラーとしての二次転写ローラー61が、中間転写ベルト40を介してバックアップローラー43と当接して転写ニップを形成し、中間転写ベルト40上のトナー像を転写材搬送経路Lにて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材に転写する。
【0035】
さらに、二次転写ローラー61の周面には、転写ローラークリーニング部材としての転写ローラークリーニングブレード69が当接され、二次転写ローラー61の周面に転写されたトナー及びキャリアー液をクリーニングすることで、転写材の裏面の汚れを低減することが可能となる。
【0036】
転写材搬送経路Lの二次転写部60の下流には、図示しない転写材搬送部が配列されて、転写材を定着ユニット97に搬送するようになっている。定着ユニット97では、加熱ローラー98と、この加熱ローラー側に所定の圧力で付勢された加圧ローラー99とのニップ間に転写材を挿通させることにより、用紙等の転写材上に転写された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を用紙等の転写材に融着させ定着させる。
【0037】
画像形成装置に供給される転写材は、図示しない給紙装置にセットされる。このような給紙装置にセットされた転写材は、所定のタイミングにて一枚ごとに転写材搬送経路Lに送り出されるようになっている。転写材搬送経路Lでは、転写材送出部としてのゲートローラー対71,71’によって転写材を二次転写位置まで搬送し、中間転写ベルト40上に形成されたトナー像を転写材に転写する。ゲートローラー71は図示しない駆動源によって駆動される。
【0038】
なお、各色Y、M、C、Kに対応する画像形成ステーション2Y,2M,2C,2Kの配置順は、図1に示す例に限定されることはなく、任意に設定することができる。
【0039】
次に、第1実施形態の転写装置3の構成を詳細に説明する。
【0040】
図1に示すように、転写装置3は、一次転写部50と二次転写部60とを有する。中間転写ベルト40は、一次転写部50で感光体10Y,10M,10C,10Kから画像が転写され、二次転写部60で転写材に画像を転写する。
【0041】
中間転写ベルト40は、ベルト駆動ローラー41、張架ローラー42、バックアップローラー43、第1テンションローラー81、及び第2テンションローラー82に張架される。
【0042】
第1テンションローラー81は、中間転写ベルト40の所定位置が一周する間において、ベルト駆動ローラー41を通り過ぎ、バックアップローラー43に進入する前の位置に配設される。すなわち、第1テンションローラー81は、二次転写部60aより中間転写ベルト40の移動方向手前側に配設される。
【0043】
また、第2テンションローラー82は、中間転写ベルト40の所定位置が一周する間において、バックアップローラー43を通り過ぎ、張架ローラー42に進入する前の位置に配設される。すなわち、第2テンションローラー82は、二次転写部60aより中間転写ベルト40の移動方向側に配設される。
【0044】
第1テンションローラー81は、第1テンションローラー回転軸81aを中心に回転可能に設けられる。第1テンションローラー回転軸81aは、第1テンションローラー支持部材としての第1テンションローラー支持レバー83に支持されている。第1テンションローラー支持レバー83は、第1レバー支持軸83aによって、画像形成装置1の図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。また、第1テンションローラー支持レバー83は、第1レバー支持軸83aに対して第1テンションローラー回転軸81aとは反対側に第1スプリング取付部83bを有する。第1スプリング取付部83bには、第1スプリング84の一方が取り付けられている。
【0045】
第2テンションローラー82は、第2テンションローラー回転軸82aを中心に回転可能に設けられる。第2テンションローラー回転軸82aは、第2テンションローラー支持部材としての第2テンションローラー支持レバー85に支持されている。第2テンションローラー支持レバー85は、第2レバー支持軸85aによって、画像形成装置1の図示しないフレームやケース等に回転可能に支持されている。また、第2テンションローラー支持レバー85は、第2レバー支持軸85aに対して第2テンションローラー回転軸85aとは反対側に第2スプリング取付部85bを有する。第2スプリング取付部85bには、第2スプリング86の一方が取り付けられており、第2スプリング86の他方は、図示しないフレームやケース等に支持されている。
【0046】
図2はベルト位置センサー91が中間転写ベルト40の検知マーク40aを検知する状態を示す図、図3は図2のA−A断面を矢印方向から見た図である。
【0047】
ベルト位置センサー91は、図2に示すように、ブラックの一次転写部50Kに対して中間転写ベルト40の回転方向側、且つ、ベルト駆動ローラー41に対して中間転写ベルト40の回転方向手前側に配設する。また、ベルト位置センサー91は、図3に示すように、中間転写ベルト40の画像を担持する面と対向する反対側の面である軌道内側に配設する。
【0048】
次に、画像形成モードの切替え動作について、フルカラーの画像形成モードからブラック単色の画像形成モードへの切り替えを例に説明する。
【0049】
図4は、実施形態1の転写装置3および感光体10Y,10M,10C,10Kの、フルカラー画像形成モードおよびブラック単色画像形成モードにおける状態を示す図である。破線はフルカラーモードの状態を示し、実線はブラック単色モードの状態を示す。
【0050】
図5は、本実施形態1に係わる制御システムのブロック図である。
画像コントローラー101からメカコントローラー102に画像形成モード切り替え指令が送られると、感光体当離接機構96が動作し、感光体10Y,10M,10C,10Kが中間転写ベルト40から離間される。その後、感光体10Kが再び中間転写ベルト40に当接される。このとき、フルカラー画像形成モードに比べ、ブラック単色画像形成モードにおける中間転写ベルト40の搬送経路は、一次転写部50Y,50M,50Cでの中間転写ベルト40が感光体10Y,10M,10Cへ巻きかけられた状態がなくなり、張架ローラー42から感光体10Kまでの間の経路が短くなる。一方、張架ローラー42から感光体10Kまでの間の経路が短く変化した分は、第1テンションローラー81および第2テンションローラー82の位置が変化することで吸収され、ベルト駆動ローラー41から二次転写部60までの間の中間転写ベルト40の経路が長く変化した状態となる。
【0051】
次に、画像形成モードによって露光部12Y,12M,12C,12Kの発光タイミングを切り替え、中間転写ベルト40に担持されたトナー像が二次転写ニップ60に進入するタイミングと、転写材が二次転写ニップ60に進入するタイミングとを合わせる制御方法について説明する。
【0052】
本実施例では、中間転写ベルト40の内側に設けられた検知マーク40aを検知するベルト位置センサー91の検知信号を基準信号として、露光部12Y,12M,12C,12Kの発光タイミングおよびゲートローラー71の動作タイミングを制御する。
【0053】
基準信号が検知されてから露光部12Y,12M,12C,12Kが発光を開始するまでの時間情報は、画像形成モードごとに記憶部104に記憶されており、画像コントローラー101から出される画像形成モード切り替え指令に基づきヘッドコントローラー103に送られる。ヘッドコントローラー103では、送られてきた時間情報に基づき露光部12Y,12M,12C,12Kの発光開始時間を制御する。
【0054】
ゲートローラー71の給紙動作は、基準信号が検知されてから記憶部104に記憶されている時間情報を基に制御され、時間情報は画像形成モードによらず同じである。
【0055】
図6は露光部12Y,12M,12C,12Kの発光およびゲートローラー71の回転動作のタイミングチャートである。破線はフルカラーモードのタイミングを示し、実線はブラック単色モードのタイミングを示す。
【0056】
図6中、TLSY、TLSM、TLSC、TLSKは、基準信号が検知されてから露光部12Y,12M,12C,12Kが発光して潜像を形成し始めるまでの時間TLSKはフルカラー画像形成モードでの露光部12Kの発光開始時間、T’LSKはブラック単色画像形成モードでの露光部12Kの発光開始時間、TGSは基準信号が検知されてからゲートローラー71が回転動作を開始するまでの時間である。
【0057】
本実施形態の画像形成装置1において、プロセス速度:250[mm/s]、感光体直径:78[mm]、露光位置から一次転写位置までの感光体回転角度:180[deg]、フルカラー画像形成モードでの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の長さ:436.1[mm]、ブラック単色画像形成モードでの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の長さ:444.9[mm]、ゲートローラー71から二次転写部60までの転写材搬送距離:161.4[mm]とした場合、フルカラー画像形成モードでの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の移動時間は1.74[s]、ブラック単色画像形成モードでの一次転写部50Kから二次転写部60までの中間転写ベルト40の移動時間は1.78[s]、ゲートローラー71の動作開始から転写材が二次転写部60に進入する時間は0.65[s]である。
【0058】
フルカラー画像形成モードでの露光部12Kの発光開始時間TLSK:6.70[s]、ブラック単色画像形成モードでの露光部12Kの発光開始時間T’LSK:6.66[s]、ゲートローラー71が回転動作を開始する時間TGS:8.29[s]が記憶部104に記憶されている。
【0059】
フルカラー画像形成モードからブラック単色画像形成モードに切り替えた場合、ヘッドコントローラー103に送られる露光部12Kの発光開始時間情報を、TLSKからT’LSKに切り替える。一方、ゲートローラー71はフルカラー画像形成モードと同じ時間TGS:8.29[s]後に動作を開始する。
【0060】
以上のように、フルカラー画像形成モードからブラック単色画像形成モードに切り替わり一次転写部から二次転写部までの距離が変化した場合に、露光部が発光を開始する時間を切り替えることで、転写材を搬送するタイミングを変化させること無く中間転写ベルト40に担持されたトナー像が二次転写ニップ60に進入するタイミングと、転写材が二次転写ニップ60に進入するタイミングとが合うため、転写材に対して適切な位置で画像を転写することができ、転写材の余白部分が安定した画像を得ることができる。
【0061】
(実施形態2)
図7に示す実施形態2の画像形成装置1の構成を示す。実施形態2では、中間転写ベルト40の内側に設けられた検知マーク40aを検知する検知部として、第1ベルト位置センサー91に加え第2の検知部としての第2ベルト位置センサー92が設けられている。装置構成については第2ベルト位置センサー92以外の構成は実施形態1の装置構成と同じである。
【0062】
図8は第2ベルト位置センサー92が中間転写ベルト40の検知マーク40aを検知する状態を示す図である。
【0063】
第2ベルト位置センサー92は、図8に示すようにバックアップローラー43に対して中間転写ベルト40の回転方向側、且つ、図示しない第2テンションローラー82に対して中間転写ベルト40の回転方向手前側に配設する。
【0064】
第1ベルト位置センサー91が中間転写ベルト40のマーク40aを検知してから、第2ベルト位置センサー92がマーク40aを検知するまでの中間転写ベルト40のベルト位置センサー間移動時間を検知することで、中間転写ベルト40が1次転写部から2次転写部まで移動する時間、すなわち中間転写ベルト40上に担持されたトナー像が2次転写部に到達する時間を知ることができる。
【0065】
中間転写ベルト40のベルト位置センサー間移動時間に基づき、露光部の発光開始時間を補正する方法について説明する。
【0066】
図9は、実施形態2に係わる制御システムのブロック図である。
図10は、実施形態2に係わる露光部12Y,12M,12C,12Kの発光およびゲートローラー71の回転動作のタイミングチャートである。破線はフルカラーモードのタイミングを示し、実線はブラック単色モードのタイミングを示す。
【0067】
図10中、TLSY、TLSM、TLSC、TLSKは、基準信号が検知されてから露光部12Y,12M,12C,12Kが発光して潜像を形成し始めるまでの時間、TGSは基準信号が検知されてからゲートローラー71が回転動作を開始するまでの時間である。TLSY、TLSM、TLSC、TLSK、TGSは予め定められた時間情報が記憶部104に記憶されている。TS12は予め定められた記憶部104に記憶されているベルト位置センサー間移動時間、T’S12は実際に計測されたベルト位置センサー間移動時間、TSEはTS12とT’S12との時間差である。
【0068】
記憶部104に記憶されているベルト位置センサー間移動時間TS12より、実際に計測されたベルト位置センサー間移動時間T’S12が大きい場合には、露光部12Kが発光を開始する時間を記憶部104に記憶されているTLSKよりTSE早く補正する。
【0069】
本実施形態に、フルカラー画像形成モードにおけるベルト位置センサー間移動時間:1.80[s]をTS12、フルカラー画像形成モードにおける露光部12Kの発光開始時間:6.70[s]をTLSKとして、フルカラー画像形成モードからブラック単色画像形成モードに切り替えた場合に、中間転写ベルト40のベルト位置センサー間移動時間に基づく露光部の発光開始時間の補正を実行した。
【0070】
ブラック単色画像形成モードにおいて計測されたベルト位置センサー間移動時間T’S12は1.84[s]となり、フルカラー画像形成モードにおけるベルト位置センサー間移動時間TS12との差:TSEは0.04[s]と計算された。そこで、露光部12Kの発光をTLSKより0.04[s]早く開始し、感光体10K上へ潜像を形成し始める。一方、ゲートローラー71はフルカラー画像形成モードと同じ時間TGS:8.29[s]後に動作を開始する。すると、中間転写ベルト40に担持されたトナー像が二次転写ニップ60に進入するタイミングはフルカラー画像形成モードの場合と同じ時間になり、転写材が二次転写ニップ60に進入するタイミングと正確に合わせることができる。
【0071】
このように、実際に計測されたベルト位置センサー間移動時間に基づき露光部の発光開始時間を補正することで、フルカラー画像形成モードからブラック単色画像形成モードに切り替わり一次転写部から二次転写部までの距離が変化した場合であっても、転写材に対して適切な位置で画像を転写することができ、転写材の余白部分が安定した画像を得ることができる。
【0072】
(実施形態3)
図11に実施形態3に係る画像形成装置1の構成を示す。実施形態3では、二次転写ローラー61は、ローラー周面に凹部63が形成され、凹部63内には二次転写時に転写材の先端を把持する把持部材64が配設されている。把持部材64は、回動軸64aを中心に回動可能であり、突き当て部64bに転写材を突き当てた状態で回動して、二次転写ローラー61の把持部材支持部61aと共に転写材を把持する。二次転写ローラー61は図示しない駆動源により駆動され、把持した状態で転写材を二次転写ニップ60へ送り込む。二次転写ローラー61を除く装置の構成は実施形態2の構成と同じである。
【0073】
把持部材64を有することにより、高濃度かつ高粘度の、常温で不揮発性を有する不揮発性液体現像剤を用いた場合に、転写材が中間転写ベルト40に貼り付くことを低減することが可能となる。さらに、転写材突き当て部64bを有することで、転写材が中間転写ベルトに接触する位置の精度を向上できる。
【0074】
図12は、実施形態3に係わる制御システムのブロック図である。
【0075】
図13は、実施形態3に係わる露光部12Y,12M,12C,12Kの発光、ゲートローラー71の回転動作、二次転写ローラー61の回転動作のタイミングチャートである。破線はフルカラーモードのタイミングを示し、実線はブラック単色モードのタイミングを示す。
【0076】
図13中、TLSY、TLSM、TLSC、TLSKは、基準信号が検知されてから露光部12Y,12M,12C,12Kが発光して潜像を形成し始めるまでの時間、TGSは基準信号が検知されてからゲートローラー71が回転動作を開始するまでの時間、T2TSは基準信号が検知されてから二次転写ローラー61が回転動作を開始するまでの時間である。TLSY、TLSM、TLSC、TLSK、TGS、T2TSは予め定められた時間情報が記憶部104に記憶されている。TS12は記憶部104に記憶されているベルト位置センサー間移動時間、T’S12は実際に計測されたベルト位置センサー間移動時間、TSEはTS12とT’S12との時間差である。
【0077】
画像コントローラー101から画像形成モードの切り替え指令が出されると、二次転写ローラー61はホームポジションセンサー93が検知されてから予め設定された時間後に停止する。このとき、二次転写ローラー61のローラー周面に形成された凹部63が二次転写部60に位置しており、中間転写ベルト40と二次転写ローラー61のローラー面が離間した状態となっている。
【0078】
ベルト位置センサー91が中間転写ベルト40のマーク40aを検知するとT2TS後に二次転写ローラー61は回転動作を開始し、予め設定された一定の回転速度で回転する。
【0079】
本実施形態に、直径:190[mm]、凹部角度:57.3[deg]の 二次転写ローラーを用い、停止位置から二次転写部までの回転角度を50[deg]、二次転写ローラー61が回転動作を開始する時間T2TSは1.44[s]と設定した。
【0080】
また、フルカラー画像形成モードにおけるベルト位置センサー間移動時間:1.80[s]をTS12、フルカラー画像形成モードにおける露光部12Kの発光開始時間:6.70[s]をTLSKとして、フルカラー画像形成モードからブラック単色画像形成モードに切り替えた場合に、中間転写ベルト40のベルト位置センサー間移動時間に基づく露光部の発光開始時間の補正を実行した。
【0081】
ブラック単色画像形成モードにおいて計測されたベルト位置センサー間移動時間T’S12は1.84[s]となり、フルカラー画像形成モードにおけるベルト位置センサー間移動時間TS12との差:TSEは0.04[s]と計算された。そこで、露光部12Kの発光をTLSKより0.04[s]早く開始し、感光体10K上へ潜像を形成し始める。一方、ゲートローラー71はフルカラー画像形成モードと同じ時間TGS:8.29[s]後に動作を開始する。すると、中間転写ベルト40に担持されたトナー像が二次転写ニップ60に進入するタイミングはフルカラー画像形成モードの場合と同じ時間になり、転写材が二次転写ニップ60に進入するタイミングと正確に合わせることができる。
【0082】
本実施形態では、ベルト位置センサー91の検知信号を各時間の基準の信号として用いたが、これに限らず、他の信号を基準としてもよい。例えば、二次転写ローラーホームポジションセンサー93を基準として各時間を算出してもよい。
【0083】
また、本実施形態では、実施形態2のようにベルト位置センサー移動時間に基づいて露光部の発光タイミングを切り替える制御を用いたが、実施形態1のように記憶情報に基づいて露光部の発光タイミングを切り替えてもよい。
【0084】
このように、カラー画像形成モードと単色画像形成モードで、中間転写ベルト40が感光体に巻きかかる状態が変化し、一次転写部から二次転写部までの中間転写ベルト40の搬送経路が変化した場合に、露光部が発光を開始する時間を切り替えることで、転写材の給紙タイミングを変えることなく中間転写ベルト40に担持されたトナー像が二次転写ニップ60に進入するタイミングと転写材が二次転写ニップ60に進入するタイミングとを合わせることができ、転写材に対して適切な位置で転写された画像を得ることが可能となる。
【0085】
カラー画像形成モードと単色画像形成モードで、中間転写ベルト40が感光体に巻きかかる状態が変化し、一次転写部から二次転写部までの中間転写ベルト40の搬送経路が変化した場合に、中間転写ベルト40に担持されたトナー像が二次転写ニップ60に進入するタイミングと転写材が二次転写ニップ60に進入するタイミングとを合わせる方法としては、ゲートローラー71の動作開始時間を変える方法も考えられるが、例えば実施例3でゲートローラー71の動作開始時間を変えると、二次転写ローラー61の把持部材64と転写材との位置関係が崩れてしまう。そのため、露光部12Kの発光タイミングを切り替える方法が有効である。
【0086】
以上、種々の実施形態について説明したが、本実施例はこれらの実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した実施形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0087】
1…画像形成装置、2Y,2M,2C,2K…画像形成ステーション、3…転写装置、10Y,10M,10C,10K…感光体(像担持体)、11Y,11M,11C,11K…コロナ帯電器(帯電部)、12Y,12M,12C,12K…露光ユニット(露光部)、13Y,13M,13C,13K…第1感光体スクイーズローラー、15Y,15M,15C,15K…第2感光体スクイーズローラー、18Y,18M,18C,18K…感光体クリーニングブレード、20Y,20M,20C,20K…現像ローラー(現像剤担持体)、30Y,30M,30C,30K…現像装置(現像部)、31Y,31M,31C,31K…現像剤容器、32Y,32M,32C,32K…攪拌ローラー、33Y,33M,33C,33K…供給ローラー、34Y,34M,34C,34K…中間ローラー、40…中間転写ベルト(像担持体ベルト)、41…ベルト駆動ローラー(第1のローラー)、42…張架ローラー、43…バックアップローラー(第2のローラー)、49…中間転写ベルトクリーニングブレード、50…一次転写部、51…一次転写ローラー、60…二次転写ニップ、60a…二次転写部(転写ニップ部)、61…二次転写ローラー(転写ローラー)、63…凹部、64…把持部材、69…転写ローラークリーニングブレード(転写ローラークリーニング部材)、71,71’…ゲートローラー(転写材送出部)、81…第1テンションローラー、82…第2テンションローラー、83…第1テンションローラー支持レバー、84…第1スプリング、85…第2テンションローラー支持レバー、86…第2スプリング、91…第1ベルト位置センサー(第1の検知部)、92…第2ベルト位置センサー(第2の検知部)、93…二次転写ホームポジションセンサー(第3の検知部)、95Y,95M,95C,95K…1次転写部巻きかけローラー、96…感光体当離接機構、97…定着ユニット、98…加熱ローラー、99…加圧ローラー、101…画像コントローラー、102…メカコントローラー、103…ヘッドコントローラー、104…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潜像を担持する第1の潜像担持体ドラムと、
前記第1の潜像担持体を露光して前記潜像を形成する第1の露光部と、
前記第1の潜像担持体に形成された前記潜像を黒色の顔料を含む第1の現像剤で現像する第1の現像部と、
前記第1の現像部で現像された第1の像を転写する第1の転写部と、
潜像を担持する第2の潜像担持体ドラムと、
前記第2の潜像担持体を露光して前記潜像を形成する第2の露光部と、
前記第2の潜像担持体に形成された前記潜像を第2の現像剤で現像する第2の現像部と、
前記第2の現像部で現像された第2の像を転写する第2の転写部と、
前記第1の転写部で前記第1の潜像担持体ドラムに巻き掛けられて前記第1の像が転写されるとともに、前記第2の転写部で前記第2の潜像担持体ドラムに巻き掛けられて前記第2の像が転写される像担持ベルトと、
前記第1の像及び前記第2の像が転写された前記像担持体を巻き掛けるとともに、前記像担持ベルトに張力を付与する第1のテンションローラーと、
前記第1のテンションローラーに巻き掛けられた前記像担持ベルトを巻き掛ける張架ローラーと、
前記像担持ベルトを介して前記張架ローラーに当接して前記像担持ベルトに転写された前記第1の像及び前記第2の像を転写材に転写する転写ローラーと、
前記張架ローラーに巻き掛けられた前記像担持ベルトを巻き掛けるとともに、前記像担持ベルトに張力を付与する第2のテンションローラーと、
前記第2の潜像担持体ドラムを前記像担持ベルトに当接もしくは離間させる当離接機構と、
前記当離接機構により前記第2の潜像担持体と前記像担持ベルトとを当接もしくは離間させるとともに、前記第2の潜像担持体と前記像担持ベルトとを当接させた時には前記第1露光部を第1の露光タイミングで露光させ、前記第2の潜像担持体と前記像担持ベルトとを離間させた時には前記第1露光部を前記第1の露光タイミングと異なる第2の露光タイミングで露光させる制御部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知する検知部を有する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記検知部で前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知してから第1の時間経過後を前記第1の露光タイミングとし、前記検知部で前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知してから前記第1の時間と異なる第2の時間経過後を前記第2の露光タイミングとして前記第1の露光部の露光を制御する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の時間及び前記第2の時間に係わる情報を記憶する記憶部を有する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の時間は、前記第2の時間よりも遅い、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記検知部は、前記第1の像及び前記第2の像が転写されて前記第1のテンションローラーで巻き掛けられるまでの間の位置に配設され、
前記第2のテンションローラーに巻き掛けられた前記像担持ベルトを巻き掛ける第2の張架ローラーと、
前記張架ローラーに巻き掛けられて前記第2の張架ローラーで巻き掛けられるまでの間の位置に配設され、前記前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知する第2の検知部と、を有し、
前記制御部は、前記検知部が前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知してから前記第2検知部が前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知するまでの時間に基づいて前記第1の露光タイミング及び前記第2の露光タイミングを制御する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記転写ローラーは、周面に凹部を有し、前記凹部に配設されて前記転写材を把持する把持部材を有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
当離接機構で
第1の潜像担持体及び第2の潜像担持体を像担持ベルトに当接させて前記第1の潜像担持体及び前記第2の潜像担持体を前記像担持ベルトに巻き掛けた時、
前記像担持ベルトを移動させて前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知した後、
第1の露光タイミングで前記第1の潜像担持体に第1の露光部で潜像を形成するとともに、予め定められた露光タイミングで第2の潜像担持体に第2の露光部で潜像を形成し、
前記第1の潜像担持体に形成された前記潜像を黒色を含む第1の現像剤で第1の像を現像するとともに、前記第2の潜像担持体に形成された前記潜像を第2の現像剤で第2の像を現像し、
前記第1の像及び前記第2の像を前記像担持ベルトに転写し、
前記像担持ベルトに転写された前記第1の像及び前記第2の像を転写材に転写し、
当離接機構で
第2の潜像担持体を像担持ベルトから離間させた時、
前記像担持ベルトを移動させて前記像担持ベルトの予め定められた位置を検知した後、
前記第1の露光タイミングと異なる第2の露光タイミングで前記第1の潜像担持体に第1の露光部で潜像を形成し、
前記第1の潜像担持体に形成された前記潜像を黒色を含む第1の現像剤で第1の像を現像し、
前記第1の像を前記像担持ベルトに転写し、
前記像担持ベルトに転写された前記第1の像を転写材に転写することを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−226196(P2012−226196A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94784(P2011−94784)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】