説明

画像形成装置及び画像形成装置の表示方法

【課題】階層構造をなして保存される画像データの読み出し/保存に対する操作手順を簡略化する。
【解決手段】ユーザ層、BOX層、ファイル層の階層構造を持って画像データが保存されているハードディスクに対し、上位階層から下位階層に向かって画像データの読み出し先又は保存先の選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は表示を省略し、表示を省略したフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データの読み出し/保存を行う画像形成装置及び画像形成装置の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機やプリンタ等の画像形成装置は、ハードディスク等の記憶手段を備えており、取得した画像データの保存や、保存されている画像データの読み出しが行われる。画像データを保存する際には、例えば、ユーザ毎にフォルダを設け、各ユーザのフォルダ内に画像データを格納したり、また、画像データを整理するために、さらに複数のフォルダに分類したりする。このように、画像データを保存するフォルダが階層構造になっている場合には、画像データの読み出し先又は保存先のフォルダを選択する際に、上位階層のフォルダから順に表示させ、ユーザが選択することにより、順次下位の階層へと移動する。
【0003】
例えば、画像データをハードディスクに保存する際に、保存するフォルダの名称にユーザ名を登録しておき、画像データの読み出し又は保存を行う指示が入力された際に、フォルダに対応するユーザ名を表示部に一覧表示させる画像形成装置が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1に記載の画像形成装置では、予めフォルダ毎にパスワードを登録しておき、入力されたパスワードと登録されているパスワードとが一致した場合に、フォルダに格納されているファイル名を一覧表示する。さらに、予めフォルダに格納されるファイル毎に第2のパスワードを登録し、入力された第2のパスワードと登録されているパスワードとが一致した場合に、画像データに基づいた画像形成を行う。
【0004】
また、画像形成に関する設定画面において、設定画面を階層構造とし、上位階層の画面にマーク選択ボタンを設け、任意の下位階層の画面にマーク選択ボタンと対応させたしおりマークを設け、上位階層の画面表示においてマーク選択ボタンを操作することにより、途中の階層画面表示を省略して、しおりマークを設けた下位階層の画面を表示する操作部表示方法が提案されている(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2003−326777号公報
【特許文献2】特開2002−278375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、画像データの読み出し又は保存を行う際の表示画面において、画像形成装置を複数のユーザが使用する場合には、最初の画面に、登録されているユーザ名一覧が表示された方が使い勝手がよい。一方、POD(Print On Demand:オンデマンド印刷)等の軽印刷業界で一人のユーザが使用する場合には、ユーザ名に対応するフォルダの下位階層のフォルダ名、又はファイル名一覧が表示された方が使い易い場合があった。また、上位の階層から目的の階層に達するまでの操作が煩雑であるという問題があった。
【0006】
本発明は上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、階層構造をなして保存される画像データの読み出し/保存に対する操作手順を簡略化することができる画像形成装置及び画像形成装置の表示方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを保存する画像データ保存手段と、前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行うための選択操作手段と、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えた画像形成装置において、前記表示制御手段は、前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は当該表示されるべきフォルダの表示を省略し、当該省略した表示されるべきフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記表示制御手段は、前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダが1つのみである場合であっても、当該表示されるべきフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを保存する画像データ保存手段と、前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行うための選択操作手段と、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えた画像形成装置において、予めいずれかのフォルダに優先表示情報を付与するための優先表示情報付与手段を備え、前記表示制御手段は、前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、途中のフォルダの表示を省略し、前記優先表示情報が付与されたフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記表示制御手段は、前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダに前記優先表示情報が付与されているか否かにかかわらず、順次1階層上位のフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを画像データ保存手段に保存し、選択操作手段により前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行い、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示する画像形成装置の表示方法において、前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は当該表示されるべきフォルダの表示を省略し、当該省略した表示されるべきフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置の表示方法において、前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダが1つのみである場合であっても、当該表示されるべきフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを画像データ保存手段に保存し、選択操作手段により前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行い、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示する画像形成装置の表示方法において、予めいずれかのフォルダに優先表示情報を付与しておき、前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、途中のフォルダの表示を省略し、前記優先表示情報が付与されたフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置の表示方法において、前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダに前記優先表示情報が付与されているか否かにかかわらず、順次1階層上位のフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1、5に記載の発明によれば、階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は表示を省略し、表示を省略したフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するので、階層構造をなして保存される画像データの読み出し/保存に対する操作手順を簡略化することができる。
【0016】
請求項2、6に記載の発明によれば、選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダが1つのみである場合であっても、このフォルダを表示することができる。
【0017】
請求項3、7に記載の発明によれば、階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、途中のフォルダの表示を省略し、予め優先表示情報が付与されたフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するので、階層構造をなして保存される画像データの読み出し/保存に対する操作手順を簡略化することができる。
【0018】
請求項4、8に記載の発明によれば、選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダに優先表示情報が付与されているか否かにかかわらず、順次1階層上位のフォルダを表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
以下、図を参照して本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
図1に、第1の実施の形態における画像形成装置1の断面構成を示す。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像読取部20、操作部30、プリンタ部40、給紙ユニット50、後処理ユニット60、ハードディスク(Hard Disk Drive)80を備えて構成される。
【0020】
画像読取部20は、自動紙送り機構であるADF(Auto Document Feeder)部21、スキャナ部22を備えて構成される。ADF部21は、原稿台に載置された原稿を搬送してスキャナ部22に送り出し、スキャナ部22は、搬送された原稿を光走査してラインイメージセンサCCDにより光電変換して原稿画像を読み取る。
【0021】
画像読取部20により読み取られた原稿画像データには、各種画像処理が施され、印刷用画像データとしてプリンタ部40に出力される。
【0022】
操作部30は、表示部31と、数字ボタン、印刷開始を指示するためのスタートボタン等の各種機能ボタンとから構成される。表示部31は、LCD(Liquid Crystal Display)とLCD上を覆うように設けられたタッチパネルから構成され、ファイルの読み出し又は保存アクセスを行う際の読み出し先又は保存先選択画面等の各種操作画面や、各種処理結果を表示する。すなわち、操作部30は、表示手段及び選択操作手段としての機能を有する。
【0023】
プリンタ部40は、電子写真方式の画像形成を行うものであり、給紙ユニット50から給紙された印刷用紙を搬送する搬送機構41、印刷用紙に画像形成を行う画像形成部42、印刷用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部43から構成される。また、画像形成部42は、像担持体である感光ドラム、感光ドラムの帯電を行う帯電部、画像データに基づいて感光ドラム表面に露光走査する露光部、感光ドラムにトナーを付着させる現像部、感光ドラム上に形成されたトナー像を印刷用紙に転写する転写部、感光ドラム上の残トナーを除去するクリーニング部から構成される。
【0024】
給紙ユニット50は、給紙トレイ51〜54の4つの給紙トレイを備えて構成される。なお、本実施の形態では、4つの給紙トレイを備えることとしたが、その数は特に限定しない。各給紙トレイ51〜54には、普通紙、裏紙、再生紙、上質紙等の用紙種及びサイズが異なる印刷用紙を収容することが可能である。
【0025】
後処理ユニット60は、画像形成された印刷用紙にソート処理、パンチ(穴開け)処理、ステープル処理等の各種後処理を施し、小冊子や製本を作成することが可能である。
【0026】
ハードディスク80は、画像データを保存する。図2に、ハードディスク80内の階層構造の例を示す。図2に示す例では、ユーザ層、BOX層、ファイル層の3階層の構造となっているが、階層数はいくつであってもかまわない。階層の最上位にあるルートディレクトリの直下には、ユーザ層として、ユーザ毎に分類されたフォルダが作成される。ここで、フォルダとは、ディレクトリと同義で使用する。ユーザ層の下位階層には、BOX層として、ユーザ毎に1又は複数のフォルダが作成される。BOX層の下位階層には、ファイル層として、画像データファイルが格納される。
【0027】
次に、図3を参照して、画像形成装置1の内部構成を説明する。
図3に示すように、画像形成装置1は、制御部10、画像読取部20、操作部30、プリンタ部40、給紙ユニット50、後処理ユニット60、プリントコントローラ部70、ハードディスク80から構成される。なお、図1で説明した各部と同一の構成部には、同一の符号を付してその説明を省略することとする。
【0028】
制御部10は、画像制御部11、プログラムメモリ12、RAM(Random Access Memory)13、記憶部14、読取処理部15、DRAM制御IC16、画像メモリ17、書込処理部18、ハードディスク処理部19から構成される。
【0029】
画像制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、プログラムメモリ12に格納されている各種処理プログラムを読み出して、当該プログラムとの協働により画像形成装置1の各部の処理動作を統括的に制御する。
【0030】
プログラムメモリ12は、画像形成装置1の印刷に係る各種処理プログラム等を記憶する。
【0031】
RAM13は、画像制御部11により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0032】
記憶部14は、不揮発性メモリ等から構成され、後述するユーザ名、BOX名に対応するパスワード等を記憶する。
【0033】
読取処理部15は、画像読取部20のスキャナ部22から入力されるアナログ画像信号に、シェーディング補正処理、A/D変換処理を行ってデジタル画像データを生成する。生成された画像データは、DRAM制御IC16に出力される。
【0034】
DRAM制御IC16は、画像制御部11からの指示に従って、画像データに圧縮/伸張処理を施すとともに、画像メモリ17への画像データの入出力制御を行う。例えば、DRAM制御IC16は、画像データの読み取りが指示されると、読取処理部15から入力された画像データに圧縮処理を施して、画像メモリ17の圧縮メモリ17aに格納させる。また、DRAM制御IC16は、画像データの印刷出力が指示されると、圧縮メモリ17aから圧縮画像データを読み出し、伸張処理を施して書込処理部18に出力する。
【0035】
画像メモリ17は、DRAM(Dynamic RAM)から構成され、圧縮メモリ17aを備える。圧縮メモリ17aは、圧縮画像データを格納するためのメモリである。
【0036】
書込処理部18は、DRAM制御IC16から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷データを生成し、プリンタ部40に出力する。
【0037】
ハードディスク処理部19は、画像データの読み出し/保存、フォルダの作成等、ハードディスク80にアクセスするための規定のシーケンス(IDE:Integrated Drive Electronics等)を制御する。ハードディスク処理部19は、画像データのハードディスク80への保存が指示されると、DRAM制御IC16に画像メモリ17の圧縮メモリ17aに格納された圧縮画像データを読み出させ、読み出された圧縮画像データをハードディスク80へ保存させる。また、ハードディスク処理部19は、画像データのハードディスク80からの読み出しが指示されると、ハードディスク80に格納された圧縮画像データを読み出し、読み出された圧縮画像データを画像メモリ17の圧縮メモリ17aに格納させる。
【0038】
画像読取部20は、ADF部21、スキャナ部22、読取制御部23から構成される。読取制御部23は、画像制御部11からの指示に従って、ADF部21、スキャナ部22を制御して原稿面の光走査を実行させ、読み取られたアナログ画像信号を制御部10の読取処理部15に出力する。
【0039】
操作部30は、表示部31と一体型に構成されるタッチパネル、各種機能ボタン、操作部制御部32から構成される。操作部制御部32は、各種機能ボタン又はタッチパネルにより操作された操作信号を画像制御部11に出力する。また、操作部制御部32は、画像制御部11からの指示に従って、表示部31に各種操作画面や、各種処理結果を表示させる。
【0040】
プリンタ部40は、画像形成部42等の印刷に係る各部やプリンタ制御部44を備えて構成される。プリンタ制御部44は、画像制御部11からの指示に従って、プリンタ部40の各部の動作を制御し、書込処理部18から入力された画像データに基づいて印刷用紙に画像形成を行わせる。
【0041】
給紙ユニット50は、図1に示した給紙トレイ51〜54を備えて構成される。また、後処理ユニット60は、プリンタ部40から出力された画像形成済みの印刷用紙に各種後処理を施す。
【0042】
プリントコントローラ部70は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介して外部のPCから受信した画像データを画像形成可能なデータに変換し、DRAM制御IC16に出力する。
【0043】
次に、第1の実施の形態における動作を説明する。
図4は、画像形成装置1により実行される画像読み出し処理1を示すフローチャートである。画像読み出し処理1は、ハードディスク80に保存されている画像データファイルを読み出して、画像出力する処理である。
【0044】
図4に示すように、まず、操作部30の表示部31に表示された操作画面において、ユーザにより読み出し釦が押下されると(ステップS1)、ハードディスク80からユーザ層のフォルダ(以下、ユーザフォルダという。)の名称であるユーザ名が取得され、登録されているユーザフォルダが1つであるか否かが判断される(ステップS2)。
【0045】
ユーザフォルダが1つでない場合には(ステップS2;NO)、表示部31にユーザ名一覧が表示される(ステップS3)。図5に、ユーザ名選択画面311(ユーザ名一覧)の表示例を示す。図5に示す各ユーザ名の左端に鍵マークが表示されているユーザについては、パスワードが設定されている。
【0046】
ユーザ名選択画面311において、ユーザによりユーザ名一覧の中からいずれかのユーザ名(例えば「DDDDD」a1)が選択され(ステップS4)、OK釦a2が押下されると、表示部31に、図6に示すパスワード入力画面312が表示される。ユーザによりパスワードが入力され、記憶部14に記憶されているユーザ名に対応するパスワードと一致するか否かが判断される。該当するユーザにパスワードが設定されていない場合には、パスワードによる認証は省略される。
【0047】
次に、ハードディスク80から、選択されたユーザ名のユーザフォルダの下位階層のフォルダ(以下、BOXフォルダという。)の名称であるBOX名が取得され、BOXフォルダが1つであるか否かが判断される(ステップS5)。選択されたユーザ名のBOXフォルダが1つでない場合には(ステップS5;NO)、表示部31にBOX名一覧が表示される(ステップS6)。図7に、BOX名選択画面313(BOX名一覧)の表示例を示す。図7は、ユーザフォルダ「DDDDD」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_11」、「BOX_12」、「BOX_13」が表示されている例である。図7に示す各BOX名の左端に鍵マークが表示されているBOXフォルダについては、パスワードが設定されている。
【0048】
BOX名選択画面313において、ユーザによりBOX名一覧の中からいずれかのBOX名(例えば「BOX_11」b1)が選択され(ステップS7)、OK釦b2が押下されると、表示部31に、図8に示すパスワード入力画面314が表示される。ユーザによりパスワードが入力され、記憶部14に記憶されているBOX名に対応するパスワードと一致するか否かが判断される。該当するBOXにパスワードが設定されていない場合には、パスワードによる認証は省略される。
【0049】
次に、ハードディスク80から、選択されたBOX名のBOXフォルダに格納されているファイル名が取得され、表示部31に、ファイル名一覧が表示される(ステップS9)。図9に、ファイル名選択画面315(ファイル名一覧)の表示例を示す。ファイル名選択画面315において、ユーザによりファイル名一覧の中から読み出し対象となるファイル名(ここでは「FILE1」c1)が選択され(ステップS10)、矢印釦c2が押下されると、図10に示すように、「FILE1」が選択された状態になる。さらに、ファイル名選択画面315において、ファイル名一覧の中から読み出し対象となるファイル名(ここでは「FILE3」c4)が選択され(ステップS10)、矢印釦c2が押下されると、図11に示すように、「FILE1」、「FILE3」が選択された状態になる。同様に、ファイル名選択画面315において、ファイル名一覧の中から読み出し対象となるファイル名(ここでは「FILE5」c5)が選択され(ステップS10)、矢印釦c2が押下されると、「FILE1」、「FILE3」、「FILE5」が選択された状態になる。
【0050】
そして、ユーザによりOK釦c6が押下されると、選択ファイル名が確定し、選択された画像データファイルがハードディスク80から読み出され、読み出された画像データファイルに基づいて、画像形成部42により画像形成が行われる(ステップS11)。
【0051】
ステップS5において、選択されたユーザ名のユーザフォルダに含まれるBOXフォルダが1つである場合には(ステップS5;YES)、BOX名一覧表示は省略され、図9に示すように、そのBOXフォルダに格納されているファイル名一覧が表示される(ステップS9)。
【0052】
また、ステップS2においてユーザフォルダが1つである場合には(ステップS2;YES)、ユーザ名一覧表示は省略され、そのユーザのBOXフォルダが1つであるか否かが判断される(ステップS8)。そのユーザのBOXフォルダが1つでない場合には(ステップS8;NO)、図7に示すように、表示部31にBOX名一覧が表示される(ステップS6)。ただし、この場合には、図7に示すBOX名選択画面313において、“戻る”釦b3は表示されない。“戻る”釦とは、現在表示されている階層より1階層上位の階層のフォルダ一覧を表示する指示を入力するための釦である。
【0053】
また、ステップS2においてユーザフォルダが1つであって(ステップS2;YES)、さらに、そのユーザのBOXフォルダが1つである場合には(ステップS8;YES)、ユーザ名一覧表示及びBOX名一覧表示は省略され、図9に示すように、そのBOXフォルダに格納されているファイル名一覧が表示される(ステップS9)。ただし、この場合には、図9に示すファイル名選択画面315において、“戻る”釦c3は表示されない。
【0054】
第1の実施の形態における画像形成装置1によれば、階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は表示を省略し、表示を省略したフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するので、階層構造をなして保存される画像データの読み出しに対する操作手順を簡略化することができる。
【0055】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0056】
図12は、第2の実施の形態の画像形成装置により実行される画像保存処理1を示すフローチャートである。画像保存処理1は、画像を読み込み、読み込まれた画像データを画像形成装置のハードディスク80に保存させる処理である。
【0057】
図12に示すように、まず、操作部30の表示部31に表示された操作画面において、ユーザにより保存釦が押下されると(ステップS21)、ハードディスク80からユーザ名が取得され、登録されているユーザフォルダが1つであるか否かが判断される(ステップS22)。
【0058】
ユーザフォルダが1つでない場合には(ステップS22;NO)、表示部31にユーザ名一覧が表示される(ステップS23)。図13に、ユーザ名選択画面316(ユーザ名一覧)の表示例を示す。図13に示す各ユーザ名の左端に鍵マークが表示されているユーザについては、パスワードが設定されている。
【0059】
ここで、ユーザ名が新規登録されない場合には(ステップS24;NO)、ユーザ名選択画面316において、ユーザによりユーザ名一覧の中からいずれかのユーザ名(例えば「KKKKK」d1)が選択され(ステップS25)、OK釦d2が押下される。すると、表示部31に、図14に示すパスワード入力画面317が表示される。ユーザによりパスワードが入力され、記憶部14に記憶されているユーザ名に対応するパスワードと一致するか否かが判断される。該当するユーザ名にパスワードが設定されていない場合には、パスワードによる認証は省略される。
【0060】
次に、ハードディスク80から、選択されたユーザ名のユーザフォルダの下位階層のBOX名が取得され、BOXフォルダが1つであるか否かが判断される(ステップS26)。選択されたユーザ名のBOXフォルダが1つでない場合には(ステップS26;NO)、表示部31にBOX名一覧が表示される(ステップS27)。図15に、BOX名選択画面318(BOX名一覧)の表示例を示す。図15は、ユーザフォルダ「KKKKK」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_11」、「BOX_12」、「BOX_13」が表示されている例である。図15に示す各BOX名の左端に鍵マークが表示されているBOXフォルダについては、パスワードが設定されている。
【0061】
BOX名選択画面318において、“戻る”釦e4が押下されず(ステップS28;NO)、BOX名が新規登録されない場合には(ステップS29;NO)、ユーザによりBOX名一覧の中からいずれかのBOX名(例えば「BOX_11」e1)が選択され(ステップS30)、OK釦e2が押下される。すると、表示部31に、図16に示すパスワード入力画面319が表示される。ユーザによりパスワードが入力され、記憶部14に記憶されているBOX名に対応するパスワードと一致するか否かが判断される。該当するBOX名にパスワードが設定されていない場合には、パスワードによる認証は省略される。
【0062】
次に、図17に示すように、表示部31に、画像データのファイル名入力画面320が表示される(ステップS32)。図17は、ユーザフォルダ「KKKKK」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_11」に画像データを保存する場合の例である。ファイル名入力画面320において、“戻る”釦f1が押下されず(ステップS33;NO)、ファイル名及びパスワードが入力され(ステップS34)、OK釦f2が押下されると、表示部31に、図18に示すような読み込み画面321が表示される。なお、パスワードは必要に応じて入力すればよく、パスワード無しでも登録可能である。読み込み画面321にて読み込み条件が設定され、スタート釦が押下されることにより、設定された読み込み条件に基づいて画像読取部20により画像の読み込みが行われ、ステップS34で入力されたファイル名で画像データがハードディスク80に保存される(ステップS35)。
【0063】
ステップS26において、選択されたユーザ名のユーザフォルダに含まれるBOXフォルダが1つである場合には(ステップS26;YES)、BOX名一覧表示は省略され、図17に示すように、そのBOXフォルダに格納される画像データのファイル名入力画面320が表示される(ステップS32)。
【0064】
また、ステップS22においてユーザフォルダが1つである場合には(ステップS22;YES)、ユーザ名一覧表示は省略され、そのユーザのBOXフォルダが1つであるか否かが判断される(ステップS31)。そのユーザのBOXフォルダが1つでない場合には(ステップS31;NO)、図15に示すように、表示部31にBOX名一覧が表示される(ステップS27)。
【0065】
また、ステップS22においてユーザフォルダが1つであって(ステップS22;YES)、さらに、そのユーザのBOXフォルダが1つである場合には(ステップS31;YES)、ユーザ名一覧表示及びBOX名一覧表示は省略され、図17に示すように、そのBOXフォルダに格納される画像データのファイル名入力画面320が表示される(ステップS32)。
【0066】
また、ステップS28において、図15に示すBOX名選択画面318にて“戻る”釦e4が押下された場合には(ステップS28;YES)、表示部31にユーザ名一覧が表示される(ステップS23)。
【0067】
また、ステップS33において、図17に示すファイル名入力画面320にて“戻る”釦f1が押下された場合には(ステップS33;YES)、表示部31にBOX名一覧が表示される(ステップS27)。
【0068】
ユーザ名を新規に登録する場合について説明する。図13に示すユーザ名選択画面316において、新規登録釦d3が押下された場合には(ステップS24;YES)、図19に示すユーザ名登録画面322が表示される。そして、ユーザ名登録画面322において、新規ユーザ名及びパスワードが登録される(ステップS36)。なお、パスワードは必要に応じて入力すればよく、パスワード無しでも登録可能である。
【0069】
次に、BOX名を新規に登録する場合について説明する。図15に示すBOX名選択画面318において新規登録釦e3が押下された場合(ステップS29;YES)、又は、新規ユーザ名が登録された場合には(ステップS36)、図20に示すBOX名登録画面323が表示され、新規BOX名及びパスワードが登録される(ステップS37)。なお、パスワードは必要に応じて入力すればよく、パスワード無しでも登録可能である。そして、新規BOX名のBOXフォルダに格納される画像データのファイル名入力画面が表示される(ステップS32)。
【0070】
図21及び図22に、ハードディスク80内の階層構造と画面表示の関係を示す。
図21に示すように、画像データが保存される際に、ユーザフォルダが1つの場合には、ユーザ名一覧は表示されず(ステップT1)、BOX名一覧が表示される(ステップT2)。そして、ユーザによりBOX名一覧の中からいずれかのBOX名が選択されると、選択されたBOXフォルダに画像データを保存するためのファイル名入力画面が表示される(ステップT3)。
【0071】
このファイル名入力画面において、“戻る”釦が押下されると(ステップT4)、ユーザフォルダ「PUBLIC USER」の下位階層のBOX名一覧が表示される(ステップT2)。BOX名一覧において、“戻る”釦が押下されると(ステップT5)、ユーザ名一覧が表示される(ステップT6)。
【0072】
また、図22に示すように、画像データが保存される際に、ユーザフォルダが1つであって、さらに、BOXフォルダが1つの場合には、ユーザ名一覧及びBOX名一覧は表示されず(ステップT11,T12)、ファイル名入力画面が表示される(ステップT13)。
【0073】
このファイル名入力画面において、“戻る”釦が押下されると(ステップT14)、BOX名一覧が表示される(ステップT15)。さらに、BOX名一覧において、“戻る”釦が押下されると(ステップT16)、ユーザ名一覧が表示される(ステップT17)。
【0074】
このように、上位階層から下位階層へ画面遷移する場合には、フォルダが1つの場合にはその階層のフォルダ一覧表示を省略して、1階層下位の階層を表示するのに対し、下位階層から上位階層へ画面遷移する場合には、フォルダが1つの場合にもその階層のフォルダ一覧を表示する。
【0075】
第2の実施の形態における画像形成装置によれば、階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は表示を省略し、表示を省略したフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するので、階層構造をなして保存される画像データの保存に対する操作手順を簡略化することができる。
【0076】
また、選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダが1つのみである場合であっても、このフォルダを表示することができる。
【0077】
[第3の実施の形態]
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0078】
第3の実施の形態では、ハードディスク80に格納されているいずれかのフォルダに対して、予め優先表示情報(以下、しおりという。)を付与することが可能となっている。例えば、図23に示すように、画像データを読み出す際の操作画面において、表示部31に、ユーザフォルダ「DDDDD」の下位階層のBOX名を選択するためのBOX名選択画面324が表示されている状態で、しおり釦g1を押下することにより、ユーザフォルダ「DDDDD」にしおりを付与することができる。どのフォルダにしおりが付与されているかという情報は、ハードディスク80内に保存される。すなわち、制御部10及び操作部30は、優先表示情報付与手段としての機能を有する。
【0079】
また、図24に示すように、画像データを読み出す際の操作画面において、表示部31に、ユーザフォルダ「DDDDD」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_11」に格納されているファイルを選択するためのファイル名選択画面325が表示されている状態で、しおり釦h1を押下することにより、BOXフォルダ「BOX_11」にしおりを付与することができる。
【0080】
図25は、第3の実施の形態の画像形成装置により実行される画像読み出し処理2を示すフローチャートである。画像読み出し処理2は、ハードディスク80に保存されている画像データファイルを読み出して、画像出力する処理である。
【0081】
図25に示すように、まず、操作部30の表示部31に表示された操作画面において、ユーザにより読み出し釦が押下されると(ステップS41)、ハードディスク80からユーザ名が取得され、しおりが付与されているユーザフォルダがあるか否かが判断される(ステップS42)。
【0082】
しおりが付与されているユーザフォルダがない場合には(ステップS42;NO)、表示部31にユーザ名一覧が表示される(ステップS43)。そして、ユーザによりユーザ名一覧の中からいずれかのユーザ名が選択される(ステップS44)。
【0083】
しおりが付与されているユーザフォルダがある場合(ステップS42;YES)、又は、ステップS44においてユーザ名が選択された場合には、ハードディスク80から、しおりが付与されているユーザフォルダ又は選択されたユーザ名のユーザフォルダの下位階層のBOX名が取得され、しおりが付与されているBOXフォルダがあるか否かが判断される(ステップS45)。
【0084】
しおりが付与されているBOXフォルダがない場合には(ステップS45;NO)、表示部31に、しおりが付与されているユーザフォルダ又は選択されたユーザ名のユーザフォルダの1階層下位のBOX名一覧が表示される(ステップS46)。例えば、ユーザフォルダ「DDDDD」にしおりが付与されている場合、又は、ステップS44においてユーザ名「DDDDD」が選択された場合には、図23に示すようなユーザフォルダ「DDDDD」の1階層下位のBOX名一覧(BOX名選択画面324)が表示される。すなわち、ユーザフォルダ「DDDDD」にしおりが付与されている場合には、ユーザ名一覧表示は省略される。
【0085】
BOX名選択画面324において、ユーザにより“戻る”釦g2が押下されず(ステップS47;NO)、BOX名一覧の中からいずれかのBOX名(例えば「BOX_11」g3)が選択され(ステップS48)、OK釦g4が押下されると、ハードディスク80から、選択されたBOX名のBOXフォルダに格納されているファイル名が取得され、表示部31にファイル名一覧が表示される(ステップS49)。例えば、BOXフォルダ「BOX_11」が選択された場合には、図24に示すように、BOXフォルダ「BOX_11」の1階層下位のファイル名一覧(ファイル名選択画面325)が表示される。
【0086】
ステップS45において、しおりが付与されているBOXフォルダがある場合には(ステップS45;YES)、ハードディスク80から、しおりが付与されているBOXフォルダに格納されているファイル名が取得され、表示部31にファイル名一覧が表示される(ステップS50)。例えば、BOXフォルダ「BOX_11」にしおりが付与されている場合には、図24に示すように、BOXフォルダ「BOX_11」の1階層下位のファイル名一覧(ファイル名選択画面325)が表示される。すなわち、BOXフォルダ「BOX_11」にしおりが付与されている場合には、ユーザ名一覧表示及びBOX名一覧表示は省略される。
【0087】
図24に示すファイル名選択画面325において、ユーザにより“戻る”釦h2が押下されず(ステップS51;NO)、ファイル名一覧の中から読み出し対象となるファイル名(例えば「FILE1」h3)が選択され(ステップS52)、矢印釦h4が押下され、OK釦h5が押下されると、選択ファイル名が確定する。そして、選択された画像データファイルがハードディスク80から読み出され、読み出された画像データファイルに基づいて、画像形成部42により画像形成が行われる(ステップS53)。
【0088】
ステップS47において、図23に示すBOX名選択画面324にて“戻る”釦g2が押下された場合には(ステップS47;YES)、表示部31に、1階層上位のユーザ名一覧が表示される(ステップS43)。
【0089】
また、ステップS51において、図24に示すファイル名選択画面325にて“戻る”釦h2が押下された場合には(ステップS51;YES)、表示部31に、1階層上位のBOX名一覧が表示される(ステップS46)。
【0090】
図26に、ハードディスク80内の階層構造と画面表示の関係を示す。
図26に示すように、画像データが読み出される際に、ユーザフォルダ「PUBLIC USER」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_01」にしおりが付与されている場合には、ユーザ名一覧及びBOX名一覧は表示されず(ステップT21,T22)、BOXフォルダ「BOX_01」に格納されているファイル名一覧が表示される(ステップT23)。
【0091】
このファイル名一覧において、“戻る”釦が押下されると(ステップT24)、ユーザフォルダ「PUBLIC USER」の下位階層のBOX名一覧が表示される(ステップT25)。さらに、BOX名一覧において、“戻る”釦が押下されると(ステップT26)、ユーザ名一覧が表示される(ステップT27)。
【0092】
このように、上位階層から下位階層へ画面遷移する場合には、途中のフォルダの表示を省略して、しおりが付与されているフォルダの1階層下位の階層を表示するのに対し、下位階層から上位階層へ画面遷移する場合には、フォルダにしおりが付与されているか否かにかかわらず、その階層のフォルダ一覧を表示する。
【0093】
第3の実施の形態における画像形成装置によれば、階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、途中のフォルダの表示を省略し、予めしおりが付与されたフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するので、階層構造をなして保存される画像データの読み出しに対する操作手順を簡略化することができる。
【0094】
また、選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダにしおりが付与されているか否かにかかわらず、順次1階層上位のフォルダを表示することができる。
【0095】
[第4の実施の形態]
次に、本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置1と同様の構成であるため、同一の構成部分については同一の符号を付し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第4の実施の形態に特徴的な処理について説明する。
【0096】
第4の実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、ハードディスク80に格納されているいずれかのフォルダに対して、予めしおりを付与することが可能となっている。例えば、図27に示すように、画像データを保存する際の操作画面において、表示部31に、ユーザフォルダ「KKKKK」の下位階層のBOX名を選択するためのBOX名選択画面326が表示されている状態で、しおり釦i1を押下することにより、ユーザフォルダ「KKKKK」にしおりを付与することができる。どのフォルダにしおりが付与されているかという情報は、ハードディスク80内に保存される。
【0097】
また、図28に示すように、画像データを保存する際の操作画面において、表示部31に、ユーザフォルダ「KKKKK」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_11」に格納する画像データのファイル名を入力するためのファイル名入力画面327が表示されている状態で、しおり釦j1を押下することにより、BOXフォルダ「BOX_11」にしおりを付与することができる。
【0098】
図29は、第4の実施の形態の画像形成装置により実行される画像保存処理2を示すフローチャートである。画像保存処理2は、画像を読み込み、読み込まれた画像データを画像形成装置のハードディスク80に保存させる処理である。
【0099】
図29に示すように、まず、操作部30の表示部31に表示された操作画面において、ユーザにより保存釦が押下されると(ステップS61)、ハードディスク80からユーザ名が取得され、しおりが付与されているユーザフォルダがあるか否かが判断される(ステップS62)。
【0100】
しおりが付与されているユーザフォルダがない場合には(ステップS62;NO)、表示部31にユーザ名一覧が表示される(ステップS63)。そして、ユーザ名が新規登録されない場合には(ステップS64;NO)、ユーザによりユーザ名一覧の中からいずれかのユーザ名が選択される(ステップS65)。
【0101】
しおりが付与されているユーザフォルダがある場合(ステップS62;YES)、又は、ステップS65においてユーザ名が選択された場合には、ハードディスク80から、しおりが付与されているユーザフォルダ又は選択されたユーザ名のユーザフォルダの下位階層のBOX名が取得され、しおりが付与されているBOXフォルダがあるか否かが判断される(ステップS66)。
【0102】
しおりが付与されているBOXフォルダがない場合には(ステップS66;NO)、表示部31に、しおりが付与されているユーザフォルダ又はステップS65において選択されたユーザ名のユーザフォルダの1階層下位のBOX名一覧が表示される(ステップS67)。例えば、ユーザフォルダ「KKKKK」にしおりが付与されている場合、又は、ステップS65においてユーザ名「KKKKK」が選択された場合には、図27に示すようなユーザフォルダ「KKKKK」の1階層下位のBOX名一覧(BOX名選択画面326)が表示される。すなわち、ユーザフォルダ「KKKKK」にしおりが付与されている場合には、ユーザ名一覧表示は省略される。
【0103】
BOX名選択画面326において、ユーザにより“戻る”釦i2が押下されず(ステップS68;NO)、BOX名が新規登録されない場合には(ステップS69;NO)、BOX名一覧の中からいずれかのBOX名(例えば「BOX_11」i3)が選択され(ステップS70)、OK釦i4が押下されると、選択されたBOX名のBOXフォルダに格納される画像データのファイル名入力画面が表示される(ステップS71)。例えば、ユーザフォルダ「KKKKK」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_11」が選択された場合には、図28に示すように、BOXフォルダ「BOX_11」に画像データを保存するためのファイル名入力画面327が表示される。
【0104】
ステップS66において、しおりが付与されているBOXフォルダがある場合には(ステップS66;YES)、しおりが付与されているBOXフォルダに格納される画像データのファイル名入力画面が表示される(ステップS72)。例えば、ユーザフォルダ「KKKKK」の下位階層のBOXフォルダ「BOX_11」にしおりが付与されている場合には、図28に示すように、しおりが付与されているBOXフォルダ「BOX_11」に画像データを保存するためのファイル名入力画面327が表示される(ステップS72)。
【0105】
また、ステップS64において、ユーザ名が新規登録される場合には(ステップS64;YES)、表示部31にユーザ名登録画面が表示され、新規ユーザ名が登録される(ステップS73)。ステップS69においてBOX名が新規登録される場合(ステップS69;YES)、又は、新規ユーザ名が登録された場合には(ステップS73)、表示部31にBOX名登録画面が表示され、新規BOX名が登録される(ステップS74)。そして、新規BOXフォルダに格納される画像データのファイル名入力画面が表示される(ステップS75)。例えば、ユーザフォルダ「KKKKK」の下位にBOXフォルダ「BOX_11」が登録された場合には、図28に示すように、BOXフォルダ「BOX_11」に画像データを保存するためのファイル名入力画面327が表示される。
【0106】
ステップS71、ステップS72、ステップS75のいずれかのファイル名入力画面327において、ユーザにより“戻る”釦j2が押下されず(ステップS76;NO)、ファイル名及びパスワードが入力され(ステップS77)、OK釦j3が押下されると、表示部31に、読み込み画面が表示される。なお、パスワードは必要に応じて入力すればよく、パスワード無しでも登録可能である。読み込み画面にて読み込み条件が設定され、スタート釦が押下されることにより、設定された読み込み条件に基づいて画像読取部20により画像の読み込みが行われ、ステップS77で入力されたファイル名で画像データがハードディスク80に保存される(ステップS78)。
【0107】
ステップS68において、図27に示すBOX名選択画面326にて“戻る”釦i2が押下された場合には(ステップS68;YES)、表示部31に、1階層上位のユーザ名一覧が表示される(ステップS63)。
【0108】
また、ステップS76において、図28に示すファイル名入力選択画面327にて“戻る”釦j2が押下された場合には(ステップS76;YES)、表示部31に、1階層上位のBOX名一覧が表示される(ステップS67)。
【0109】
第4の実施の形態における画像形成装置によれば、階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、途中のフォルダの表示を省略し、予めしおりが付与されたフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するので、階層構造をなして保存される画像データの保存に対する操作手順を簡略化することができる。
【0110】
また、選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダにしおりが付与されているか否かにかかわらず、順次1階層上位のフォルダを表示することができる。
【0111】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る好適な画像形成装置の例であり、これに限定されるものではない。画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0112】
例えば、上記各実施の形態では、画像データ保存手段としてハードディスク80を用いたが、これに限定されず、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】第1の実施の形態における画像形成装置1の断面構成図である。
【図2】ハードディスク80内の階層構造の例を示す図である。
【図3】画像形成装置1の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態の画像形成装置1により実行される画像読み出し処理1を示すフローチャートである。
【図5】ユーザ名選択画面311の表示例である。
【図6】パスワード入力画面312の表示例である。
【図7】BOX名選択画面313の表示例である。
【図8】パスワード入力画面314の表示例である。
【図9】ファイル名選択画面315の表示例である。
【図10】ファイル名選択画面315におけるファイル名の選択方法を説明するための図である。
【図11】ファイル名選択画面315におけるファイル名の選択方法を説明するための図である。
【図12】第2の実施の形態の画像形成装置により実行される画像保存処理1を示すフローチャートである。
【図13】ユーザ名選択画面316の表示例である。
【図14】パスワード入力画面317の表示例である。
【図15】BOX名選択画面318の表示例である。
【図16】パスワード入力画面319の表示例である。
【図17】ファイル名入力画面320の表示例である。
【図18】読み込み画面321の表示例である。
【図19】ユーザ名登録画面322の表示例である。
【図20】BOX名登録画面323の表示例である。
【図21】ハードディスク80内の階層構造と画面表示の関係を示す図である。
【図22】ハードディスク80内の階層構造と画面表示の関係を示す図である。
【図23】BOX名選択画面324の表示例である。
【図24】ファイル名選択画面325の表示例である。
【図25】第3の実施の形態の画像形成装置により実行される画像読み出し処理2を示すフローチャートである。
【図26】ハードディスク80内の階層構造と画面表示の関係を示す図である。
【図27】BOX名選択画面326の表示例である。
【図28】ファイル名入力画面327の表示例である。
【図29】第4の実施の形態の画像形成装置により実行される画像保存処理2を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0114】
1 画像形成装置
10 制御部
11 画像制御部
12 プログラムメモリ
13 RAM
14 記憶部
15 読取処理部
16 DRAM制御IC
17 画像メモリ
18 書込処理部
19 ハードディスク処理部
20 画像読取部
21 ADF部
22 スキャナ部
23 読取制御部
30 操作部
31 表示部
32 操作部制御部
40 プリンタ部
42 画像形成部
44 プリンタ制御部
50 給紙ユニット
60 後処理ユニット
70 プリントコントローラ部
80 ハードディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを保存する画像データ保存手段と、前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行うための選択操作手段と、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えた画像形成装置において、
前記表示制御手段は、前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は当該表示されるべきフォルダの表示を省略し、当該省略した表示されるべきフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記表示制御手段は、前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダが1つのみである場合であっても、当該表示されるべきフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを保存する画像データ保存手段と、前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行うための選択操作手段と、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えた画像形成装置において、
予めいずれかのフォルダに優先表示情報を付与するための優先表示情報付与手段を備え、
前記表示制御手段は、前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、途中のフォルダの表示を省略し、前記優先表示情報が付与されたフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置において、
前記表示制御手段は、前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダに前記優先表示情報が付与されているか否かにかかわらず、順次1階層上位のフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを画像データ保存手段に保存し、選択操作手段により前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行い、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示する画像形成装置の表示方法において、
前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、表示されるべきフォルダが1つのみである場合は当該表示されるべきフォルダの表示を省略し、当該省略した表示されるべきフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置の表示方法。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置の表示方法において、
前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダが1つのみである場合であっても、当該表示されるべきフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置の表示方法。
【請求項7】
階層構造を有するフォルダに分類された状態で画像データを画像データ保存手段に保存し、選択操作手段により前記画像データ保存手段に対する画像データの読み出し/保存アクセスを前記階層構造の階層単位で選択的に行い、前記選択操作手段による前記画像データの読み出し/保存アクセス操作に連動してフォルダ又はファイルを階層毎に表示手段に表示する画像形成装置の表示方法において、
予めいずれかのフォルダに優先表示情報を付与しておき、
前記選択操作手段により前記階層構造の上位階層から下位階層に向かって選択操作を行う際に、途中のフォルダの表示を省略し、前記優先表示情報が付与されたフォルダの1階層下位のフォルダ又はファイルを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置の表示方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置の表示方法において、
前記選択操作手段による選択操作の進行方向が下位階層から上位階層に向かう方向の際には、表示されるべきフォルダに前記優先表示情報が付与されているか否かにかかわらず、順次1階層上位のフォルダを表示するよう表示制御を行うことを特徴とする画像形成装置の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−21347(P2006−21347A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199418(P2004−199418)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】