説明

画像形成装置

【課題】 表裏が混在した状態で束ねられている裏紙の束に対しても、手間をかけずに確実に、未印刷面に画像形成する事ができる技術を提供することにある。
【解決手段】 画像形成装置110はセンサ32によって、用紙P2の画像を印刷する面が未印刷面であるか既印刷面であるか判断する。未印刷面であれば、表裏の方向を維持したまま、搬送経路S1上をそれまでとは逆に搬送し、用紙P2をトレイ31aに収納する。既印刷面であれば、用紙P2を搬送経路S1から搬送ロール34f、34g、34hによって搬送経路S3上を搬送し、用紙P2の表裏を反転させ、トレイ31aに収納する。そして画像印刷を行う際、画像形成装置110はトレイ31aの用紙を使用することにより、用紙P2の未印刷面に画像印刷を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、一方の面に既に印刷が行われている、いわゆる裏紙へ画像を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題への対応や資源の再利用という点に鑑み、複写機やプリンタ装置等で紙を大量に使用する職場においては、片面にのみ画像が形成されて使用済みとなった記録用紙(以下、裏紙と称する)を使用し、画像が形成されていない面に画像を形成させて再利用するということが行われている。ここで、画像印刷において裏紙を使用する際、ユーザは裏紙の表裏を揃え、且つ画像が形成される側が未印刷面になるように考慮して給紙トレイに格納しなくてはならない。使用する裏紙が少量であれば、ユーザの負担は少なくて済むが、大量である場合、ユーザの負担は大きくなる。そこで、ユーザに負担をかけず、裏紙を有効に利用する技術として、以下の技術がある。
【0003】
特許文献1に開示された画像形成装置は、給紙トレイの近傍に反射型の光センサを備えている。この光センサは搬送路にある用紙に光を照射し、反射された反射光をもとに、これから印刷を行う面が既印刷面であるか未印刷面であるか判断する。そして、既印刷面であれば画像形成装置は用紙を排出し、未印刷面であれば画像を印刷するようになっている。従って、ユーザによって表裏の混在した裏紙が給紙トレイに収納されても、既印刷面に印刷してしまうことを防ぐことができ、裏紙の再利用が容易に行えるようになっている。また特許文献2の技術では、トレイを仕切り機構によって給紙側と排紙側に仕切り、未使用の用紙を給紙側に収納する。そして印刷を行うとき、画像形成装置は、給紙側に収納された未使用の用紙を使用し、印刷が完了した用紙はトレイの排紙側に収納する。排紙側に収納された裏紙は、表裏の方向が揃っているため、ユーザは裏紙の束をトレイの給紙側に移し替えることにより、裏紙の再利用が可能になる。
【特許文献1】特開平9−96927号公報
【特許文献2】特開平11−301933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術においては印刷を行う面が既印刷面であった場合、裏紙は排紙されてしまうため、排紙された裏紙を使用したい場合、ユーザは再度給紙トレイに収納しなければならず、ユーザの手間を要した。また特許文献2においては、同じトレイにおいて排紙と給紙を行う技術が開示されているが、ユーザによって最初に給紙側に収納される用紙は未使用の用紙でなくてはならないため、すでに表裏が混在した状態でストックされているような裏紙の束に対しては利用することができなかった。
【0005】
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、表裏が混在した状態で束ねられている裏紙の束に対しても、手間をかけずに確実に、未印刷面に画像形成する事ができる技術を提供することことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、記録シートに画像データに従って画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置において、搬送される記録シートを収納する第1、第2記録シート収納手段と、前記第1記録シート収納手段から搬送された記録シートに対して、前記画像形成手段によって画像が形成されるべき画像形成面に既に画像が形成されているか否かを前記画像形成手段の上流側で検出する検出手段と、前記検出手段によって画像形成面に画像が検出された場合には、当該記録シートの表裏を反転して前記第2記録シート収納手段に収納し、前記検出手段によって画像形成面に画像が検出されなかった場合には、当該記録シートの表裏を反転せずに前記第2記録シート収納手段に収納する収納搬送手段と、を具備した画像形成装置を提供する。
【0007】
本発明に係る画像形成装置によれば、ユーザによって第1記録シート収納手段に収納された記録シートを、搬送手段によって画像を検知する検知センサまで搬送する。そして検知センサによって画像の有無が検知され、画像が検知されなかった場合は、記録シートの表裏の向きを保ったまま収納搬送手段によって当該記録シートを第2記録シート収納手段に収納する。一方、検知センサによって画像が検知された場合、そのままの向きであると、既印刷面に画像を印刷することになり、既印刷の画像とこれから印字する画像が重複するため、収納搬送手段によって記録シートを反転させて、第2記録シート収納手段に収納する。
【0008】
また、本発明は記録シートを収納する収納手段と、前記収納手段から搬送された記録シートに画像データに従って、画像を形成する画像形成手段と、前記記録シート収納手段から搬送された記録シートに対して、前記画像形成手段によって画像が形成されるべき画像形成面に既に画像が形成されているか否かを前記画像形成手段の上流側で検出する検出手段と、前記検出手段により記録シート上に画像が検出された場合、当該記録シートに前記画像形成手段によって画像が形成される前に、記録シートの表裏を反転させて前記画像形成手段に搬送する反転搬送手段と、を有する画像形成装置を提供する。
【0009】
上述の画像形成装置によれば、検知センサによりこれから画像を形成する側に画像が検知されなかった場合、画像形成装置は記録シートの表裏の向きを維持した状態で記録シートを画像形成手段まで搬送し、画像形成を行う。一方、検知センサによりこれから画像を形成する側に画像が検知された場合、画像印刷が行われる前に、反転搬送手段によって記録シートの表裏を反転させて、画像形成手段に記録シートを搬送して画像印刷を行う。
【0010】
また、本発明の好ましい態様においては、前記第2記録シート収納手段は給紙ローラを有し、第2記録シート収納手段から記録シートを排出する時は、前記給紙ローラは記録シートに対して押圧状態になり、第2記録シート収納手段に記録シートを収納する時は、給紙ローラは記録シートに対して解放状態になることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
(1)装置構成
図1は、実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を示した図である。この画像形成装置100は、例えばカラープリンタやカラー複写機、或いはこれらの複数の機能を兼ね備えた複合機等である。図1に示すように、画像形成装置100の構成は、画像形成ユニット10と、画像読取ユニット20と、用紙供給ユニット30とに大別される。さらに、画像形成装置100は、ユーザが各種の操作を行うためのユーザインタフェース装置50を備えている。このユーザインタフェース装置50は、タッチパネルとして機能する液晶ディスプレイを備えており、ユーザはこの液晶ディスプレイに触れることで各種操作を行うことができる。
【0012】
画像読取ユニット20は、原稿送り装置21と、CCD(Charge Coupled Device)等により構成される光学系部材22とを備えている。画像読取ユニット20は、原稿送り装置21によって図示せぬプラテンガラスに載置される原稿の画像を光学系部材22によって読み取り、読み取った画像を表す画像データを生成する。また、画像形成装置100は図示しない通信インタフェースを介してLAN(Local Area Network)等のネットワークに接続されており、パーソナルコンピュータやサーバマシンなどのホスト装置からLANを経由して送信されてくる画像データを受信する。画像形成ユニット10は、画像読取ユニット20によって生成された画像データや、通信インタフェースを介して受信した画像データに基づいて画像形成処理を行う。
【0013】
次に、画像形成ユニット10は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、露光装置13と、ロータリー現像装置14と、クリーニング装置15と、中間転写ベルト16と、支持ロール17と、一次転写ロール18と、二次転写ロール19と、対向ロール40と、搬送ベルト41と、定着装置42とを備えている。感光体ドラム11の外周面(ドラム表面)には感光層が形成されており、この感光体ドラム11は図示せぬ駆動機構によって図中矢印a方向に回転させられる。帯電装置12は、例えばロール型帯電装置やコロトロン型帯電装置であり、感光体ドラム11の表面を所定の電位に一様に帯電させる。露光装置13は、一様に帯電した感光体ドラム11に対し、画像データに応じて変調されたレーザ光を照射し、感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。
【0014】
ロータリー現像装置14は、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色のトナー(現像剤)をそれぞれ収容する現像器14Y,14M,14C,14Kを備えている。このロータリー現像装置14が図示せぬ駆動機構によって図中矢印b方向に回転させられることにより、これら4つの現像器14Y,14M,14C,14Kは順番に感光体ドラム11と近接した位置に移動させられる。そして、各現像器14Y,14M,14C,14Kに収容された各トナーが、それぞれの色に対応する静電潜像に電気的に転移させられることによって、感光体ドラム11の表面にトナー像が形成される。図1においては、イエローを収容する現像器14Yが感光体ドラム11と近接する位置にあり、感光体ドラム11の表面にイエローの像が形成されている時の様子が示されている。
【0015】
中間転写ベルト16は、無端のベルト部材であり、その内周面を複数の支持ロール17(図1では2つ)と一次転写ロール18と二次転写ロール19とによって張架された状態で、矢印c方向に周回移動させられる。一次転写ロール18は、感光体ドラム11との間で中間転写ベルト16を挟持しつつ、感光体ドラム11表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト16の外周面に転写(一次転写)する。感光体ドラム近傍に設けられたクリーニング装置15は、一次転写後の感光体ドラム11表面に残ったトナーを除去する。二次転写ロール19は、対向ロール40との間に形成されるニップ領域において、中間転写ベルト16の外周面に転写されているトナー像を用紙へ転写(二次転写)する。二次転写後の中間転写ベルト16の表面に残留しているトナーはベルトクリーナ23によって除去される。
【0016】
定着装置42は、互いに対向する定着ロール42a及び加圧ロール42bを備えている。定着装置42は、トナー像が二次転写された用紙に対し、定着ロール42a及び加圧ロール42bによって圧力を加えながら急速に加熱することによってトナー像を用紙に定着させる。この定着処理がなされた後に、搬送ロール43a,43bによって排紙トレイ46に排出される。
【0017】
用紙供給ユニット30は、用紙トレイ31a、31bといった用紙供給源と、搬送ロール34a〜34hとを備えている。用紙供給源から用紙を搬送する搬送路として、図中点線で示す搬送経路S1と、一点鎖線で示すS2がある。搬送経路S1は、用紙供給源から、搬送ロール34aそして、搬送ロール34b、34c、さらに34d、34eを通り、そして排出口までの間の一連の経路である。搬送経路S2は、定着装置42の出側から、搬送ロール34fを通り、搬送ロール34g、34h、そして搬送経路S1上の搬送ロール34cまでの間の一連の経路である。
【0018】
次に、図2のブロック図を参照しながら、画像形成装置100の制御系の構成について説明する。図2において、制御部110は、例えばMPU(Micro Processor Unit)や各種の特定用途向けのASIC(Application Specific Integrated Circuit)を備えており、記憶部120に記憶されている制御プログラムなどに従って、画像形成装置100の画像形成ユニット10、画像読取ユニット20及び用紙供給ユニット30の動作を制御する。
【0019】
用紙供給ユニット30にはセンサ32が含まれており、制御部110はこのセンサ32からの出力信号に基づいて、用紙供給源(トレイ31a、又はトレイ31b)から給紙された用紙のセンサ側に、画像が印刷されているかどうかを監視している。すなわち搬送ロール34b、34cとの間には用紙に画像が印刷されているかどうかを検知するセンサ32が取り付けられている。本実施形態では、このセンサ32は、搬送経路によって搬送された用紙が、用紙トレイ31a、又は31bに収納されていた時に下側であった面の画像検知を行うように取り付けられている。センサ32は用紙へ光を照射する光源32Aと(例えばLED)、反射された光を検知する受光素子32B(例えばフォトダイオード)とを備えており、受光した光の光量に基づいて用紙上の画像の有無を検知する。センサ32によって画像が印刷されていることが検知された場合、制御部110は用紙の表裏が反転するように用紙供給ユニット30を制御する(詳細は後述する)。
【0020】
(2)動作例
次に図3を参照して本実施形態の動作について説明する。本実施形態においては、ユーザによって表裏の混在した用紙がトレイ31bに収納されている。
【0021】
まず、制御部110は用紙供給ユニット30を制御して給紙ロール312bを用紙P2に対して押圧状態にする。そして図示せぬモータを駆動し、給紙ロール311bと、給紙ロール312bを回転させて用紙P2を用紙搬送経路S1へ送出する(ステップS10)。用紙P2がセンサ32の位置まで搬送されると、制御部110はセンサ32によって、用紙P2上の画像の有無を検知する(ステップS12)。この時、搬送ロール34c、34dを、図4(a)、(b)に示すように、d、d’方向に回転させ、用紙を搬送する。
【0022】
そして用紙P2上に画像が検知されなかった場合(ステップS14;NO)、用紙P2をそれまでとは逆に搬送する(ステップS16)。具体的には、図4(c)、(d)に示すように、搬送ロール34c、34dをe、e’方向に回転させ、用紙を搬送する。そして、搬送ロール34a、34b、と給紙ロール311aも搬送ロール34c、34dと同じe、e’方向に回転させて用紙P2を搬送し、最後に用紙P2をトレイ31aに収納(ステップS18)する。この時、給紙ロール312aを用紙P2に対して解放状態する。
【0023】
また、用紙P2上に画像が検知された場合(ステップS14;YES)、制御部110は用紙P2を搬送ロール34dから搬送ロール34eに搬送し、さらに用紙搬送経路S2に搬送する(ステップS22)。この時、二次転写ロール19と、対向ロール40、そして定着ロール42a、及び加圧ロール42bは用紙P2に対して解放状態にし、用紙P2への印刷を行わない状態で搬送する。そして制御部110は搬送経路S2から搬送ロール34cへ用紙P2を搬送する。
【0024】
用紙P2が制御部110によってトレイ31bからトレイ31aに搬送される過程を図5、図6に示した。
【0025】
図5はトレイ31bにおいて既印刷面が上を向いている用紙P2をトレイ31bからトレイ31aに搬送する様子を図示したものである。制御部110はまず、用紙P2をトレイ31bから搬送経路S1に搬送し、搬送経路S1上をg方向に搬送する。センサ32まで搬送されると、センサ32側の面における画像の有無が検知される。図5における用紙P2においては、センサ32側にあるのは未印刷面なので、画像は検出されない。そのため、制御部110は用紙P2の表裏を維持したまま、搬送ロール34dまで搬送し、次にf方向に搬送し、トレイ31aに収納する。
【0026】
図6はトレイ31bにおいて既印刷面が下を向いている用紙P2をトレイ31bからトレイ31aに搬送する様子を図示したものである。制御部110はまず、用紙P2をトレイ31bから搬送経路S1に搬送し、搬送経路S1上をg方向に搬送する。センサ32まで搬送すると、用紙P2のセンサ32側の面の画像有無を検知する。図5においてはセンサ32側は既印刷面のため、画像が検出されるので、制御部110は、用紙P2の表裏を反転させるために用紙P2を搬送経路S1から搬送経路S2に搬送する。そして搬送経路S2上の搬送ロール34f、34gに搬送し、さらに搬送ロール34hから搬送ロール34cまで搬送すると、用紙P2を搬送経路S1上においてf方向に搬送し、トレイ31aに収納する。
【0027】
以上のような動作を繰り返すことにより、図7(a)に示したように表裏混在した状態でトレイ31bに収納されていた用紙が、図7(b)に示すように表裏一様に揃えられた状態でトレイ31aに収納される。
【0028】
そして、ユーザによって印刷が指示されると、トレイ31aから用紙が順次、搬送経路S1上に搬送され、用紙の未印刷面に画像が印刷される。なお、印刷の指示は事前に行われてもよく、その場合、画像形成装置100は用紙の表裏を揃える動作を行った後、画像印刷を開始する。
【0029】
なお、本実施形態ではユーザが表裏混在した裏紙を収納するのはトレイ31bであり、制御部110によって表裏を一様にした裏紙を収納するのはトレイ31aとしたが、例えば、タッチパネル50によって、どのトレイを表裏混在トレイ、及び表裏一様トレイにするかの指示を、ユーザが行えるようにしてもよい。このような指示が行われると、画像形成装置100はユーザによる指示を基に、搬送経路を制御する。
【0030】
また、センサ32は、搬送経路S1によって搬送された用紙が、用紙31bに収納されていた時に下側であった面の画像検知を行う場合の構成を示したが、上側に画像印刷を行う場合は、上側の画像検知を行う構成であってもよい。また上側、及び下側の両面の画像検知を行う構成であってもよい。この構成によれば、用紙の両面に既に画像が印刷されている場合、その画像を両面から一度に検知することができるため、その用紙は裏紙として使用できないことを知ることができる。この検出結果を元に、このような用紙を直ちに排出したり、使用者に警告するなどの制御を行うことができる。したがって、トレイ31aに収納される用紙として、確実に片面が未印刷である用紙を選別することができる。
【0031】
また、本実施形態で述べた制御部110によって実行される制御プログラムは、磁気テープ、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光記録媒体、光磁気記録媒体、CD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disk)、RAMなどの記録媒体に記録した状態で提供し得る。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、表裏が混在した裏紙がユーザによってトレイに収納されても、これから印刷する面が既印刷面であるか、未印刷面であるかがセンサによって判別できる。そして既印刷面であれば表裏を反転させるような搬送回路を裏紙が搬送されるように制御されるため、ユーザは裏紙をトレイに収納する度に表裏を揃えるという手間を省ける。
【0033】
次に第2実施形態について説明する。なお第1実施形態と同様の構成、動作については説明を省略する。
(1)装置構成
図8は、実施形態に係る画像形成装置100の全体構成を示した図である。用紙供給ユニット30は、用紙の表裏を反転させるための搬送経路として図中2点鎖線で示す搬送経路S3を備えている。搬送経路S3は搬送経路S1上の定着ロール42a、及び加圧ロール42bから、搬送ロール34f、34i、そして搬送ロール34jを経由し、搬送ロール34jからさらに搬送ロール34i、34g、そして34h、さらに34kまでの間の一連の経路である。
【0034】
(2)動作例
次に図9を参照して本実施形態の動作について説明する。
【0035】
ここで、ユーザによって用紙の表裏の向きが混在した裏紙が格納されたのはトレイ31bであるとする。
【0036】
制御部110によって搬送経路S1に搬送された用紙P2はセンサ32によって画像の検知が行われ、画像が検知されなかった場合(ステップS14;NO)、制御部110は本ルーチンを終了し、用紙P2をそのまま搬送経路S1上において搬送し、通常の画像印刷をおこなう。
【0037】
画像が検知されると(ステップS14;YES)、制御部110は用紙P2を搬送経路S1から搬送経路S3に搬送する(ステップS30)。
【0038】
ステップS10からステップS30までのルーチンにおいて用紙P2が搬送される過程を図10に示した。
【0039】
制御部110は用紙P2をトレイ31bから搬送経路S1上に送出する。そして、搬送経路S1上において搬送ロール34b〜34eまで搬送し、定着ロール42a、加圧ロール42b間を通過させる。このとき、二次転写ロール19と、対向ロール40、そして定着ロール42a、及び加圧ロール42bは用紙P2に対して解放状態になるように制御される。その後、搬送ロール34fに搬送し、搬送ロール34fから搬送ロール34i、34jによってx1方向に搬送した後、搬送ロール34i、34jをそれまでとは逆に回転させて、用紙P2をx2方向に搬送する。そして、搬送ロール34iから34g、そして34h、次ぎに34kに搬送し、その後、搬送ロール34dに搬送する。
【0040】
ステップS30を終えると、制御部110は本ルーチンを終了し、用紙P2を搬送ロール34dからそのまま搬送経路S1上に搬送し、通常の画像印刷を行う。
【0041】
なお、本実施形態においては、図9のステップS30において、用紙P2を搬送経路S1から搬送経路S3に搬送した後、用紙P2に通常の画像印刷を行ったが、画像印刷を行わず、トレイ31b以外のトレイに一旦格納するようにしてもよい。つまりこれから画像を印刷する面が未印刷面である場合のみ印刷を行い、既印刷面である場合は、表裏を反転させた後、一旦トレイ31aに格納するようにしてもよい。
【0042】
なお、本実施形態においては、ユーザが裏表混在した用紙を収納するトレイはトレイ31bであるとしたが、例えばタッチパネルによって、収納するトレイをユーザが選択できるようにしたもよい。このような指示が行われると、画像形成装置100はユーザによる指示を基に、搬送経路を制御する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、表裏が混在した用紙がトレイに収納されても、これから印刷する面に画像があるかないかがセンサによって判別され、画像があれば表裏を反転し画像印刷を行うため、ユーザにおいては用紙をトレイに収納する度に表裏を揃えるという手間が省ける。
【0044】
なお、以上の第2実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】同画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】同画像形成装置が行う処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】搬送ロールの回転方向と、用紙の搬送方向を示した図である。
【図5】用紙の搬送経路を示した図である。
【図6】用紙の搬送経路を示した図である。
【図7】トレイ31bにあるときは表裏の向きが混在していた用紙が、搬送経路を経てトレイ31aに収納されたとき、表裏の向きが一様になっていることを示した図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図9】同画像形成装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図10】用紙の搬送経路を示した図である。
【符号の説明】
【0046】
100・・・画像形成装置、10・・・画像形成ユニット、11・・・感光体ドラム、12・・・帯電装置、13・・・露光装置、14・・・ロータリー現像装置、14Y,14M,14C,14K,14F・・・現像器、16・・・中間転写ベルト、18・・・一次転写ロール、19・・・二次転写ロール、20・・・画像読取ユニット、30・・・用紙供給ユニット、31a、31b・・・用紙トレイ、34a〜34k・・・搬送ロール、32・・・センサ、42・・・定着装置、43・・・排紙ロール、50・・・ユーザインタフェース装置、110・・・制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録シートに画像データに従って、画像を形成する画像形成手段を有する画像形成装置において、
搬送される記録シートを収納する第1、第2記録シート収納手段と、
前記第1記録シート収納手段から搬送された記録シートに対して、前記画像形成手段によって画像が形成されるべき画像形成面に既に画像が形成されているか否かを前記画像形成手段の上流側で検出する検出手段と、
前記検出手段によって画像形成面に画像が検出された場合には、当該記録シートの表裏を反転して前記第2記録シート収納手段に収納し、前記検出手段によって画像形成面に画像が検出されなかった場合には、当該記録シートの表裏を反転せずに前記第2記録シート収納手段に収納する収納搬送手段と
を具備したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
記録シートを収納する収納手段と、
前記収納手段から搬送された記録シートに画像データに従って、画像を形成する画像形成手段と、
前記記録シート収納手段から搬送された記録シートに対して、前記画像形成手段によって画像が形成されるべき画像形成面に既に画像が形成されているか否かを前記画像形成手段の上流側で検出する検出手段と、
前記検出手段により記録シート上に画像が検出された場合、当該記録シートに前記画像形成手段によって画像が形成される前に、記録シートの表裏を反転させて前記画像形成手段に搬送する反転搬送手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第2記録シート収納手段は給紙ローラを有し、第2記録シート収納手段から記録シートを排出する時は、前記給紙ローラは記録シートに対して押圧状態になり、第2記録シート収納手段に記録シートを収納する時は、給紙ローラは記録シートに対して解放状態になる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−151647(P2006−151647A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347309(P2004−347309)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】