説明

画像形成装置

【課題】 プリンタ本体101の高さを低くすること。
【解決手段】 レーザービームプリンタ100は、プリンタ本体101に設けられ、シートに画像を形成する画像形成部1と、プリンタ本体101に対して着脱自在で、シートが積載される給紙カセット4と、を備え、シートを搬送する搬送路の一部が、給紙カセット4に設けられた下ガイド部材25aと、該下ガイド部材25aに対向してプリンタ本体101から給紙カセット4側に突出する上ガイド部材25bと、で形成され、上ガイド部材25bと下ガイド部材25aとが、給紙カセット4の着脱方向に対して交差する方向に配列されて着脱方向と平行に配置された複数の通紙リブ25ba,25aaでそれぞれ形成され、上ガイド部材25bの通紙リブと下ガイド部材25aの通紙リブとが、着脱方向で干渉しない位置に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面(一面)に画像が形成されたシートを再度、画像形成部に搬送して画像を形成するようにした画像形成装置に関し、特にシートを再度、画像形成部に搬送する再搬送路の構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、デジタル光学系を有したプリンタ等の画像形成装置に、表面(一面)に画像が形成されたシートを再度、画像形成部に搬送して画像を形成するようにしたものがある。このような画像形成装置は、表面(一面)に画像が形成されたシートを再度、画像形成部に搬送する再搬送路を備えている。
【0003】
そして、このような画像形成装置は、給紙カセットに収納されたシートをシート給送装置により順次画像形成部、定着部に送り、シートに画像を形成した後、そのシートを排紙部に排出するようになっている。シートの両面に画像を形成する場合は、シートを再搬送路に搬送して再度画像形成部に搬送するようになっている(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、シート搬送装置としては、シートを、回転する円筒状のローラ対、円筒状のローラところ、円筒状のローラとパッド等の間に挟持して搬送するシート搬送部を備えたものが広く用いられており、再搬送路等のシート搬送通路にこれらのシート搬送部を配置してシートを搬送している。そして、これらのシート搬送部の回転速度、ON・OFFのタイミングを変えることにより、シートの動きを容易に制御することができる。
【0005】
ところで、隣り合うシート搬送部は、最も離れて配置されても、搬送方向の長さが一番短いシート(以下、「最短シート」という)を同時に挟持することができる間隔を設けて配置されている。また、シート搬送通路は、装置の小型化、各処理の構成上、湾曲している場合がある。シート搬送部が、このような湾曲したシート搬送通路に設けられた場合、シートは上流側のシート搬送部から搬送された後、下流側のシート搬送部に挟持されるまでは、その2つのシート搬送部の間に設けられたシート搬送ガイド部等に沿って搬送される。
【0006】
図8は、このようなシート搬送装置を備えた従来の画像形成装置201の概略構成を示す図である。シートPを収納する給紙カセット250から給送装置251より排出されたシートPは、まず給送装置251の下流に最短シートを同時に挟持できる位置にそれぞれ配置されたシート搬送部253,252により画像形成部260に搬送され、この画像形成部260において形成されたトナー像が転写される。
【0007】
次に、トナー像が転写されたシートPは、定着装置261に搬送されて、この定着装置261において、トナー像が定着され、この後、シートPは排紙搬送経路271を経て排紙ローラ対270により排紙積載部272へと排出される。
【0008】
ところで、この画像形成装置270は、シートPの両面に画像を形成する両面印字と、シートPに対し重ねて画像を形成する多重印字とを行うことができるようになっている。画像形成装置270は、両面印字を行う場合、あるいは多重印字を行う場合には、定着装置261を通過して片面に画像が形成されたシートを、一部分、排紙積載部272に排出した後、排紙ローラ対270の逆転及び不図示の切換え機構により再搬送路280へと搬送し、この再搬送路280を経て再び画像形成部260へと搬送するようになっている。
【0009】
そして、このように画像形成部260に搬送されたシートPは、片面印字の場合と同様に、画像形成部260においてトナー像が転写された後、定着装置261においてトナー像が定着され、この後、排紙搬送経路271を経て排紙積載部272に排出される。
【0010】
【特許文献1】特開平07−267461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来の画像形成装置は、図8に示すように上下方向を向いた再搬送路280を給紙カセット250の上方の装置本体内に備えている。再搬送路280は、下方に向かって搬送されたシートPの搬送方向を変更して画像形成部260に向かわせるための、例えば、U字形状の通路281を下流側に備えている。
【0012】
このため、従来の画像形成装置は、U字形状の通路281の上下方向の長さ分だけ装置本体の高さが高くなり、装置全体の大きさも大きくなるという問題があった。
【0013】
本発明は、装置本体の高さを低くすることのできる再搬送路を備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に設けられ、シートに画像を形成する画像形成手段と、前記装置本体に対して着脱自在で、シートが積載されるシート積載手段と、を備え、シートを搬送する搬送路の一部が、前記シート積載手段に設けられた下ガイド部材と、該下ガイド部材に対向して前記装置本体から前記シート積載手段側に突出する上ガイド部材と、で形成され、前記上ガイド部材と前記下ガイド部材とが、前記シート積載手段の着脱方向に対して交差する方向に配列されて前記着脱方向と平行に配置された複数の板状部材でそれぞれ形成され、前記上ガイド部材の前記板状部材と前記下ガイド部材の前記板状部材とが、前記着脱方向で干渉しない位置に配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の画像形成装置は、搬送路の一部が、装置本体に設けられた上ガイド部材をシート積載手段の着脱軌跡内に突出させて設けて、装置本体側の搬送通路の一部をシート積載手段に設けることにより、装置本体の高さを低くすることが可能となり、装置全体を小型にすることができる。
【0016】
また、上ガイド部材と下ガイド部材とが、シート積載手段の着脱方向に対して交差する方向に配列されて着脱方向を向いた複数の板状部材で形成され、上ガイド部材の板状部材と下ガイド部材の板状部材とが、着脱方向で干渉しない位置に配設されているので、シート積載手段を装置本体から引き出すことにより、再搬送路を開放することができて、ジャムシートを容易に除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の一例であるレーザービームプリンタの概略構成を示す図である。
【0019】
画像形成装置としてのレーザービームプリンタ(以下、単に「プリンタ」と言う)100は、装置本体としてのレーザービームプリンタ本体(以下、単に「プリンタ本体」と言う)101内に、感光ドラム1a、転写ローラ1b等を備えた画像形成手段としての画像形成部1、画像形成部1の下方に配置されてシートPを画像形成部1に給送するシート給送部2、及び画像形成部1の上方に配置され画像をシート上に定着させる定着部3などを備えている。
【0020】
また、プリンタ本体101は、片面に画像が形成されたシートの裏面にも画像を形成することができるようになっており、片面に画像が形成された後のシートPを再度画像形成部1に搬送するための再搬送路8Aも備えている。ただし、再搬送路8Aの下端部のUターン通路25は、給紙カセット4内に形成されている。
【0021】
さらに、プリンタ本体101の下部(画像形成部1の下方)には、シート積載手段としての給紙カセット4が着脱自在に設けられている。なお、給紙カセット収納空間102は、プリンタ本体101の下部に形成された、給紙カセット4を収納する空間である。装置本体101の下部には、オプションフィーダ4Aを設けてある。
【0022】
このような構成のプリンタ100は、シートPに画像を形成するのに、まず、スキャナユニット1cにより感光ドラム表面に画像信号に応じて露光を行って感光ドラム1aの周面上に静電潜像を形成し、その後、現像装置1dにより静電潜像をトナー現像してトナー像にする。
【0023】
給紙カセット4、あるいはオプションフィーダ4Aに収納されているシートPは、上記トナー像形成動作に並行して、給紙ローラ2a及び分離パッド2bにより一枚ずつ分離されて、最上位のシートのみレジストローラ対5まで給送される。そして、この後、シートPは、停止しているレジストローラ対5に、先端を突き当てられてループを形成されて、斜行が補正される。
【0024】
次に、プリンタ100は、シートPの斜行を補正した後、感光ドラム周面上のトナー像の先端とシートPの印字開始位置とが一致するように、すなわち、画像書出し位置との同期をとってレジストローラ対5を回転始動させて、感光ドラム1aと転写ローラ1bとにより構成される転写部にシートPを搬送する。転写部は、感光ドラム上のトナー像をシートに転写する。
【0025】
次に、トナー像を転写されたシートPは、定着部3に搬入されて、この定着部3の加圧ローラ3aと加熱ローラ3bにより加熱及び加圧されることにより、トナー像が熱定着され、この後、排紙ローラ対6a,6bによって画像形成面を下にして排紙積載部10に排出される。
【0026】
一方、両面印字のとき、プリンタ100は、表面(片面)にトナー像が定着された後のシートPを、排紙積載部10へ排紙する途中、不図示の制御部によって、排紙ローラ対6a,6bを反転させ、再搬送路8Aに送り込む。シートは、再度画像形成部1まで搬送されて、表面にトナー像を転写されたときと同様に裏面にトナー像を転写されて、定着部3でそのトナー像が定着される。最後、シートは、排紙ローラ対6a,6bによって排紙積載部10に排出される。
【0027】
図2は、このような構成のプリンタ本体101の要部拡大図である。第1ガイド部材21aは、給紙ローラ2a及び分離パッド2bにより他のシートと分離された最上位のシートをレジストローラ対5に案内する部材である。第1搬送通路21は、トナー像が転写されたシートPを定着部3に搬送するようになっている。第2搬送通路22は、トナー像が定着されたシートPを排紙ローラ対6a,6bまで搬送するようになっている。
【0028】
なお、第2搬送通路22は、その下流側部分で再搬送路8Aのプリンタ本体側部分である再搬送通路8に合流している。この第2搬送通路22と再搬送通路8との合流部分にはフラッパ23を設けてある。ここで、このフラッパ23は、画像が形成されたシートPを排紙部10へ案内する場合、同図に示す位置にあり、シートPの両面に画像を形成する場合、シートPの後端がフラッパ23を通過した後、不図示の制御部により反時計方向に移動するようになっている。これにより、この後、排紙ローラ対6a,6bが反転すると、シートPはフラッパ23の上面を通って再搬送路8A(再搬送通路8)に進入するようになっている。
【0029】
再搬送路8Aに進入したシートPは、プリンタ本体内部に導かれてレジストローラ対5に搬送されて、これ以降は片面印字の場合と同様の搬送形態をとって、最終的には排紙積載部10へと排出され、一連の画像形成プロセスを終了する。
【0030】
ところで、シートの両面に画像を形成する際、再搬送通路8の下側開口8aは、同図に示すように給紙カセット収納空間102(図1参照)の上方に位置している。そして、この再搬送通路8の下側開口8aから排出されたシートは、下方に設けられたUターン通路25により搬送方向を変えて再度、プリンタ本体内部に導かれ、レジストローラ対5に搬送されるようになっている。
【0031】
つまり、画像が形成されたシートPを再度画像形成部1に搬送する再搬送路8Aは、再搬送通路8と、このUターン通路25とにより構成されている。
【0032】
Uターン通路25は、図3に示すように給紙カセット4の引き出し取手41と、シート収納部42との間に設けられている。なお、同図において、シート載置板43は、シート収納部42に上下方向に回動自在に設けられて、シートPが載置されると共に、ばね等によりシートPを給紙ローラ2aに押し付けるようになっている。サイド規制板44は、シート載置板43に載置されたシートPをシート搬送方向(矢印a方向)に対して直交する幅方向の両側端を規制するようになっている。後端規制板45は、シートPの後端位置を規制するようになっている。
【0033】
また、下ガイド46は、給紙カセット4の、シート搬送方向側端部である前側端に設けられている。この下ガイド46の給紙ローラ2aに対向した位置に分離パッド2bが配置されている。
【0034】
一方、給紙カセット4のUターン通路25は、引き出し取手41とシート収納部42の間に形成された幅方向に延び、かつ下方に滑らかに湾曲した下ガイド部25aと、この下ガイド部25aに、シートPが通過することのできる隙間を設けて配された上ガイド部25bとにより形成されている。上ガイド部25bは、プリンタ本体101に設けられている。上ガイド25bは、給紙カセット4の着脱する空間内におけるプリンタ本体101側から給紙カセット4側に突出しており、給紙カセット4の着脱時の軌跡の内側に侵入した状態となっている。
【0035】
そこで、下ガイド25aと上ガイド25bは、図4に示すように、給紙カセット4の着脱方向(矢印A方向)に対して交差する方向に配列されて着脱方向に平行に配置された複数の板状部材としての通紙リブ25aa,25abで形成されている。その両方の通紙リブ25aa,25abは、給紙カセット4の着脱方向で干渉しない位置に配設されている。すなわち、通紙リブ25aa,25abは、櫛歯状に配置されている。このため、給紙カセット4をプリンタ本体101に対して容易に着脱することができる。
【0036】
Uターン通路25を給紙カセット4に形成することにより、既述したように再搬送通路8の下側開口8aから排出されたシートPは、矢印dに示す方向からUターン通路25に進入して、この後、Uターン通路25を通過して矢印eに示す方向に搬送され、再度、プリンタ本体内部に導かれ、レジストローラ対5に搬送される。
【0037】
このように給紙カセット4の引き出し側端部にUターン通路25を配置させることによって、つまり再搬送路8Aの一部(下流側部分)を、給紙カセット4に配置させることにより、図8に示す従来の画像形成装置の再搬送路280の、例えば、給紙ローラ202aとレジストローラ対205との上下方向の距離H0に比べて、プリンタ本体側の再搬送路部分である再搬送通路8の給紙ローラ2aとレジストローラ対5との距離H1を短くすることができる。特に、本実施の形態のように、搬送路及び再搬送路が上下に延びる所謂縦パス方式のプリンタでは、装置全体の高さが高くなる傾向にあり、本発明の構成をとることにより効果的にプリンタ全体の高さを低くすることができる。
【0038】
再搬送通路8の給紙ローラ2aとレジストローラ対5との距離H1が短くなることによって、すなわち、再搬送通路8の上下方向の長さが短くなることによって、プリンタ本体101の高さを低くすることができる。これによりプリンタ全体の大きさも小さくすることができる。
【0039】
また、上ガイド25bは、給紙カセット4側に進入した形状になっているので、上ガイド3bを給紙カセット4に備えることが考えられる。しかし、上ガイド3bを給紙カセット4に設けると、Uターン通路25にシートが停留している状態で、給紙カセット4をプリンタ本体101から引き出したとき、停留したシートによって、上ガイド3bが給紙カセット4からもぎ取られる虞がある。しかし、上ガイド25bをプリンタ本体101に設けることによって、給紙カセット4をプリンタ本体101から引き出したとき、上ガイド25bは、停留シートとともにプリンタ本体101に残って、もぎ取られるようなことがない。
【0040】
さらに、再搬送路8Aの一部(Uターン通路25)を、給紙カセット4側に形成することにより、給紙カセット4をプリンタ本体101より引き出すと、再搬送路8Aを開放することができ、これによりジャムシートの除去、清掃等を容易に行うことができる。
【0041】
(第2実施形態)
図5に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置のシート搬送装置を示す。
【0042】
図1乃至図4において、Uターン通路25を形成するプリンタ本体側の上ガイド部25bは、固定である。それに対して、図5に示すシート搬送装置のUターン通路55におけるプリンタ本体101側の上ガイド部55bは、ばね51で下ガイド部55a側に押圧されて、給紙カセット4が装着されると、下ガイド部55aに対して所定の隙間を形成して位置決めされるようになっている。すなわち、上ガイド部55bは、ばね51によって下方に付勢され、かつ給紙カセット4の両側枠に形成された凹溝52に、上ガイド部55aの側面に突設した突起53を装着されて、プリンタ本体101を上下動自在に設けられている。凹溝52の底は、傾斜面52を形成してある。
【0043】
ところで、図1乃至図5に示すUターン通路25において、図6に示すように、Uターン通路25の上下流側でニップされたままの停留シートPaがある状態で、給紙カセット4をプリンタ本体101から矢印B方向に引き抜こうとすると、下ガイド部25aや上ガイド部25b等が破損するようなことがないが、停留シートPaが下ガイド部25aと上ガイド部25bとの櫛歯状の通紙リブ25aa,25baに挟まれて破れることがある。
【0044】
この場合、破れたシートの一部がプリンタ本体101に残っていることに、ユーザが気付かず、レーザープリンタ100を再始動させるようなことがあると、残ったシートがジャムの発生原因になることがある。
【0045】
しかし、図5に示すように、上ガイド部55bは、給紙カセット4が矢印B方向に引き出されるとき、凹溝52の傾斜面52aと突起53との接触によって、ばね51に抗して矢印C方向に退避するので、停留シートPaの破れを防止することができる。また、上ガイド部55bが矢印C方向へ待避できるようになっていると、ジャムシートの除去を容易に行うことができる。
【0046】
(第3実施形態)
図7に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置のシート搬送装置を示す。
【0047】
図7に示したシート搬送装置のUターン通路65における下ガイド部65aは、給紙カセット側の軸63に回転自在に設けてある。下ガイド部65aは、ばね61によって上ガイド部65b側に押圧されて、不図示のストッパに受け止められ、下ガイド部65aとの間にシートの搬送に必要な隙間を形成している。そして、下ガイド65aは、Uターン通路65の下流側のシート搬送ガイド9に対してガイド段差が無くなる位置まで回転するようになっている。この上、下ガイド部65b,65aも、図4に示す下ガイド部25aと上ガイド部25bと同様に、櫛歯状の通紙リブで形成されている。
【0048】
なお、上ガイド部65bは、図5に示す上ガイド部55aと同様に、下ガイド部55bから離れる方向に逃げるようになっていてもよい。
【0049】
厚紙のように剛性(腰)の強いシートPbが搬送されてくると、下ガイド部65aは、シートPbに押されて、シート搬送ガイド9に対して段差のある位置(図7(a))から、シート搬送ガイド9に対して段差が無くなる位置(図7(b))まで回転する。
【0050】
ここで、仮に、図7(a)に示すように、シート搬送ガイド9と下ガイド部65aとの間に段差があるままで、剛性の強いシートが下ガイド部65aを通過したとすると、シートの湾曲した後端が真っ直ぐになろうとしてシート搬送ガイド9に勢い良くぶつかり、シート跳ね音が発生する。また、Uターン通路65の通路幅(シートの厚み方向の幅)が剛性の強いシートにとって狭いときには、シートがUターン通路65を通過しにくくなって搬送負荷が大きくなり、Uターン通路65に傷を付けられることがある。また、搬送負荷が大きくなると、シートの搬送速度が不安定になり、画像が伸びて歪む虞がでてくる。そこで、初めから、Uターン通路65の通路幅を広くしておくことが考えられる。しかし、通路幅が広いと、薄紙のように剛性の弱いシートを案内することできないで溜めてしまう虞がある。
【0051】
しかし、図7に示すUターン通路65は、シートの剛性に応じて、下ガイド部65aが逃げて、通路幅が広がるようになっているので、剛性の強いシートに傷が付くようなことが殆どなくなる。さらに、多種多様なシートであっても搬送負荷を小さくすることができて、シートの搬送速度が一定になり、画像が歪むようなことがなくなる。
【0052】
また、下ガイド部65aが逃げることによって、下ガイド部65aとシート搬送ガイド9との段差が少なくなり、シート跳ね音を小さくすることもできる。
【0053】
また、下ガイド部65aが下方へ待避できるようになっていると、ジャムシートの除去を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置としてのレーザービームプリンタの概略構成を示す図である。
【図2】図1のプリンタ本体の要部拡大図である。
【図3】図1のレーザービームプリンタにおける給紙カセットの外観斜視図である。
【図4】図1のレーザービームプリンタにおける給紙カセットの外観斜視図である。(a)は、給紙カセットをシート排出方向の上流側から見た図である。(b)は、上ガイド部と下ガイド部との部分拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係るUターン通路の上ガイド部と下ガイド部との拡大図である。
【図6】Uターン通路の問題点を説明するための図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るシート搬送ガイド周辺を示した概略構成図である。(a)は、下ガイド部が逃げていないときの図である。(b)は、下ガイド部が逃げた状態を示した図である。
【図8】従来のシート搬送装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
100 レーザービームプリンタ
101 レーザービームプリンタ本体(装置本体)
102 給紙カセット収納空間
1 画像形成部(画像形成手段)
1a 感光ドラム
3 定着部
4 給紙カセット(シート積載手段)
4A オプションフィーダ
5 レジストローラ対
8 再搬送通路(再搬送路)
8a 下側開口
8A 再搬送路
9 シート搬送ガイド
25 Uターン通路
25a 下ガイド部(下ガイド部材)
25ab 通紙リブ(板状部材)
25b 上ガイド部(上ガイド部材)
25ba 通紙リブ(板状部材)
51 ばね
52 凹溝
52a 傾斜
55 Uターン通路
55a 下ガイド部(下ガイド部材)
55b 上ガイド部(上ガイド部材)
61 ばね
63 軸
65 Uターン通路
65a 下ガイド部(下ガイド部材)
65b 上ガイド部(上ガイド部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に設けられ、シートに画像を形成する画像形成手段と、
前記装置本体に対して着脱自在で、シートが積載されるシート積載手段と、を備え、
シートを搬送する搬送路の一部が、前記シート積載手段に設けられた下ガイド部材と、該下ガイド部材に対向して前記装置本体から前記シート積載手段側に突出する上ガイド部材と、で形成され、
前記上ガイド部材と前記下ガイド部材とが、前記シート積載手段の着脱方向に対して交差する方向に配列されて前記着脱方向と平行に配置された複数の板状部材でそれぞれ形成され、
前記上ガイド部材の前記板状部材と前記下ガイド部材の前記板状部材とが、前記着脱方向で干渉しない位置に配設されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シート積載手段を前記画像形成手段の下方に配置し、前記シート積載手段から送り出されたシートを前記画像形成手段に搬送する上方に延びる搬送通路を配置し、前記画像形成手段で画像が形成されたシートを再度前記画像形成手段に搬送するための再搬送路を下方に延びるように配置し、該再搬送路の下側を前記上ガイド部材と前記下ガイド部材とでU字状に形成して前記搬送通路と接続したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記上ガイド部材と前記下ガイド部材との少なくとも一方が、他方から離れる方向に移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記上ガイド部材が、前記シート積載手段の着脱時に、前記下ガイド部材から離れる方向に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記下ガイド部材が、シートの剛性に応じて前記上ガイド部材から離れる方向に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−189488(P2006−189488A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381908(P2004−381908)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】