説明

画像形成装置

【課題】本発明は、時計機能を用いることなく所定時間間隔で安価に画像品質調整を行う画像形成装置に関する。
【解決手段】画像形成装置1は、外部端末10から印刷要求時刻、印刷データ生成時刻等の印刷関連時刻の付与された印刷要求または印刷データを受け取ると、中央処理部2が、当該印刷要求または印刷データから印刷関連時刻を取得し、当該取得した印刷関連時刻に基づいて印刷処理での画像品質を調整する画像品質調整処理を制御する。したがって、RTC等の時計機構を用いることなく、安価にかつ適切な時期に画像品質調整を実施することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、詳細には、時計機構を用いることなく適切な時期に画像品質調整を行う画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複写機、デジタルプリンタ及びデジタルファクシミリ装置等の画像形成装置としては、高品質の画像を高速に記録することができることから、半導体レーザ等のレーザ光源から出射されたレーザ光を利用して画像形成する電子写真方式の画像形成装置、例えば、レーザプリンタや電子写真方式の複写装置等の画像形成装置が普及している。
【0003】
このような画像形成装置、例えば、レザープリンターにおいては、画像品質を良好な状態で保つことは重要な課題であり、ほとんどの画像形成装置が何らかの画像品質調整機構を備えている。
【0004】
ところが、耐久性や生産効率の問題から常時稼動させることは不可能であり、一定枚数印刷後、一定時間経過後等の特定のタイミングで実行される。
【0005】
そして、従来、電源オフ中の環境測定結果の時間変化履歴を記録して、当該環境測定結果の時間変化に基づいて画像調整の必要性の有無を判断し、画像調整の制御を行う画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
すなわち、この従来技術は、電源オフされていた時間を時計機構で測定して、オフの時間が所定の範囲内であると、画像調整処理が不要であると判断し、所定範囲を超えていると、画像調整が必要であるとしている。
【0007】
また、従来、低消費電力モードからの再起動時に、濃度制御を行い、また、低消費電力モードが一定時間以内であると、濃度制御を行わない画像形成装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
すなわち、この従来技術は、タイマーで低消費電力モードの経過時間を測定して、低消費電力モードの経過時間が所定時間以内であると、濃度制御を行わず、低消費電力モードの経過時間が所定時間を超えていると、濃度制御を行っている。
【0009】
【特許文献1】特開2005−173483号公報
【特許文献2】特開2001−235912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来技術にあっては、安価にかつ効率的に画像品質調整を行う上で、改良の必要があった。
【0011】
すなわち、上記従来文献記載の従来技術にあっては、低消費電力モードから復帰すると、画像調整を行うが、低消費電力モードの時間が一定時間以内であると、画像調整を省略することで、画像品質を良好な状態で維持しつつ、立ち上がり時間を短縮して利用性の向上を図っており、この一定時間の経過を計時するために、従来技術では、RTC(リアルタイムクロック;Real Time Clock )等の時計機構を用いて時間管理を行っている。
【0012】
ところが、画像形成装置においては、コストを削減するために、RTC等の時計機構を備えていない画像形成装置が多く、このような時計機構を備えていない画像形成装置にあっては、従来文献記載のような時間経過を計測した画像品質調整制御を行うことができず、改良の必要があった。
【0013】
そこで、本発明は、時計機構を用いることなく、安価にかつ適切な時期に画像品質調整を実施して、画像品質を安価に向上させることのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の発明の画像形成装置は外部端末から印刷要求時刻、印刷データ生成時刻等の印刷関連時刻の付与された印刷要求または印刷データを受け取って印刷データの印刷処理を行うとともに、印刷処理での画像品質を調整する画像品質調整機構を備えた画像形成装置であって、前記印刷要求または前記印刷データから前記印刷関連時刻を取得し、当該印刷関連時刻に基づいて前記画像品質調整機構による画像品質調整処理を制御することにより、上記目的を達成している。
【0015】
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記画像形成装置は、前回取得した前記印刷関連時刻と今回取得した前記印刷関連時刻とを比較して印刷時間間隔を求め、当該印刷時間間隔に基づいて前記画像品質調整処理を制御するものであってもよい。
【0016】
また、例えば、請求項3に記載するように、前記画像形成装置は、前記印刷時間間隔が所定の画像品質調整実施時間間隔以上であると、前記画像品質調整処理を実施するものであってもよい。
【0017】
さらに、例えば、請求項4に記載するように、前記画像形成装置は、前記取得した印刷関連時刻からの経過時間を予測して、当該経過時間に基づいて現在時刻を予測し、当該予測した現在時刻に基づいて前記画像品質調整処理の実行履歴を作成するものであってもよい。
【0018】
また、例えば、請求項5に記載するように、前記画像形成装置は、前記予測した現在時刻が前回実施した前記画像品質調整処理の実施時間から所定の画像品質調整時間以上経過していると、前記画像品質調整処理を実施するものであってもよい。
【0019】
さらに、例えば、請求項6に記載するように、前記画像形成装置は、前記印刷関連時刻及び前記画像品質調整処理の処理履歴を不揮発性記憶手段に保存するものであってもよい。
【0020】
また、例えば、請求項7に記載するように、前記画像形成装置は、所定の休止状態から復帰すると、前記不揮発性記憶手段に保存されている前記印刷関連時刻及び前記画像品質調整処理の処理履歴に基づいて前記画像品質調整処理を制御するものであってもよい。
【0021】
さらに、例えば、請求項8に記載するように、前記画像形成装置は、前記予測した現在時刻と所定の許容誤差時間以上の時間差のある前記印刷関連時刻を所定数以上の外部端末から所定回数以上受け取ると、前記現在時刻を修正するとともに、当該修正後の現在時刻に基づいて前記処理履歴を修正する時刻修正処理を実施するものであってもっよい。
【0022】
また、例えば、請求項9に記載するように、前記画像形成装置は、前記取得した印刷関連時刻からの経過時間を予測して、当該経過時間に基づいて現在時刻を予測し、当該予測した現在時刻と所定の許容誤差時間以上の時間差のある前記印刷関連時刻を所定数以上の外部端末から受け取ると、前記現在時刻を修正するとともに、当該修正後の現在時刻に基づいて前記処理履歴を修正する時刻修正処理を行い、当該時刻修正処理を所定の修正回数以上実施すると、前記画像品質調整処理機能を停止するものであってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の画像形成装置によれば、外部端末から印刷要求時刻、印刷データ生成時刻等の印刷関連時刻の付与された印刷要求または印刷データを受け取ると、当該印刷要求または印刷データから印刷関連時刻を取得し、当該印刷関連時刻に基づいて印刷処理での画像品質を調整する画像品質調整処理を制御するので、時計機構を用いることなく、安価にかつ適切な時期に画像品質調整を実施することができ、画像品質を安価に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【実施例1】
【0025】
図1〜図4は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を適用した画像形成装置1の要部ブロック構成図である。
【0026】
図1において、画像形成装置1は、中央処理部2、不揮発性記憶部3及び外部端末I/F(インターフェイス)4を備えているとともに、電子写真方式の画像形成装置1として本来必要な各部、例えば、画像書込ユニット、画像形成ユニット、転写ユニット、搬送ユニット及び定着ユニット等からなる画像形成部を備えているとともに、画像品質調整機構を備えている。
【0027】
画像形成ユニットは、回転駆動される感光体の周囲に、帯電チャージャ、現像部及びクリーニング部等を備えており、感光体を帯電チャージャにより一様に帯電させて、当該一様に帯電された感光体に画像書込ユニットから画像データに基づいて変調されたレーザビームが照射されて、静電潜像が形成される。この画像書込ユニットは、画像データに基づいて変調したレーザービームを画像形成ユニットの感光体上に照射して、感光体に静電潜像を形成させる。画像形成ユニットは、静電潜像の形成された感光体に現像部からトナーを供給することで可視像化してトナー画像を形成し、この感光体上のトナー画像を転写ユニットで最終的に搬送ユニットによって搬送されてくる転写紙に転写する。画像形成部は、トナー画像の転写された転写紙を搬送ユニットで定着ユニットに搬送し、定着ユニットは、定着温度に加熱されて回転駆動される加熱ローラと加熱ローラに圧接されて加熱ローラとともにつれ周りする加圧ローラを備えて、搬送ユニットにより搬送されてきたトナー画像の転写された転写紙を搬送しつつ加熱・加圧して、転写紙上のトナー画像を転写紙に定着させて、当該トナー画像の定着の完了した転写紙を排紙テーブル上に排出する。
【0028】
そして、中央処理部2は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、CPUが、ROM内のプログラムに基づいてRAMをワークメモリとして利用しつつ画像形成装置1としての基本処理を実行するとともに、後述する画像品質調整処理を実行する。
【0029】
不揮発性記憶部(不揮発性記憶手段)3は、例えば、ハードディスク、電池バックアップされているRAM等が用いられており、印刷対象の画像データ、フォームデータと外字データ等の外部データ及び画像形成装置1の動作に必要な各種データを記憶する。不揮発性記憶部3は、特に、後述する画像品質調整処理に必要な時間情報、例えば、各外部端末毎の印刷要求時刻や印刷データ生成時刻等の印刷関連時刻及び画像品質調整を行った時間情報である画像品質調整時間情報等を印刷データ履歴情報として記憶する。
【0030】
外部端末I/F4には、外部端末10が専用ケーブル、LAN(Local Area Network)等の有線または無線の通信ライン11で接続されており、外部端末10は、例えば、ワープロソフトウェア、図形ソフトウェア、表計算ソフトウェア等の文書作成ソフトウェア及びプリンタドライバ等のソフトウェアを搭載して、文書作成ソフトウェアで作成された文書を印刷要求に応じて、プリンタドライバが画像形成装置1の解釈が可能な印刷データに変換して画像形成装置1に印刷要求を行うパーソナルコンピュータ等である。このとき、外部端末I/F4は、印刷データの生成時刻と印刷要求時刻のうち、少なくとも一方の時刻を印刷関連時刻として印刷データに付加して画像形成装置1に送る。
【0031】
外部端末I/F4は、外部端末10からの印刷要求と印刷データを受け取って、中央処理部2に渡す。なお、図1では、外部端末I/F4に1台の外部端末10が接続されている状態を示しているが、外部端末I/F4に接続される外部端末10は、1台に限るものではなく、複数台が接続されていても良く、後述する時刻修正処理を行うには、複数台の外部端末10が接続されている必要がある。
【0032】
中央処理部2は、外部端末I/F4を介して印刷要求または印刷データと印刷要求を受け取ると、印刷データを不揮発性記憶部3に一時記憶した後、各部、特に、画像形成部を制御して、当該印刷データの印刷出力を行うとともに、印刷データに付加されている印刷関連時刻を取り出して、不揮発性記憶部3に印刷データ履歴情報として記憶し、画像品質調整処理に利用する。
【0033】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置1は、図2〜図4に示すように、印刷要求してくる外部端末10からの印刷データや印刷要求に付加されている印刷関連時刻に基づいて時間管理を行って、画像品質調整制御処理を実行する。
【0034】
すなわち、画像形成装置1は、3種類の要因に基づいて画像品質調整処理を実施し、この画像品質調整処理の開始要因としては、図2及び図3に示すように、外部端末からの印刷データまたは印刷要求の受信(画像データ要因)、休止状態からの復帰(休止状態復帰要因)及び所定の時間間隔の経過(時間経過要因)がある。
【0035】
まず、画像データ要因による画像品質調整処理について図2に基づいて説明する。画像形成装置1は、外部端末I/F4に通信ライン11で接続された外部端末10から印刷要求または印刷データが送られてくると(ステップS101)、中央処理部2が、当該印刷要求または印刷データに付与されている印刷要求時刻または印刷データ生成時刻(以下、印刷関連時刻という。)を取得し(ステップS102)、時刻修正処理を行って(ステップS103)、印刷関連時刻の履歴を不揮発性記憶部3に記憶する(ステップS104)。なお、時刻修正処理については、後で詳述する。
【0036】
画像形成装置1の中央処理部2は、印刷関連時刻の履歴を不揮発性記憶部3に記憶すると、経過時間測定用のカウンタ等をリセットすることで経過時間をリセットして、あらためて経過時間の測定を開始する(ステップS105)。すなわち、中央処理部2は、取得した印刷関連時刻に基づいて内部CPUの動作クロック等のクロックを経過時間測定用カウンタ等でカウントすることで経過時間を測定しているが、この経過時間測定用カウンタを一旦リセットして測定していた経過時間をリセットし、あらためて経過時間の測定を開始する。
【0037】
中央処理部2は、経過時間の測定を開始すると、前回(以前)に読み取った印刷関連時刻と今回読み取った印刷関連時刻との間隔(印刷時間間隔)が予め設定されている画像品質調整実施時間間隔(一定時間間隔)を超えているかを判定し(ステップS106)、画像品質調整実施時間間隔を超えていないときには、画像品質調整を行う必要がないと判断して、画像品質調整制御処理を終了する。
【0038】
ステップS106で、前回の印刷関連時刻と今回の印刷関連時刻との間隔が画像品質調整実施時間間隔を超えていると、中央処理部2は、不揮発性記憶部3の画像品質調整動作履歴(画像品質調整処理履歴)を参照して、予め設定された画像品質調整時間(特定時間)以内に画像品質調整動作を行っているか判別し(ステップS107)、画像品質調整時間以内に画像品質調整動作を行っているときには、画像品質調整動作を行う必要がないと判断して、そのまま画像品質調整制御処理を終了する。
【0039】
ステップS107で、画像品質調整時間以内に画像品質調整動作を行っていないときには、中央処理部2は、画像品質調整動作処理を実施する(ステップS108)。画像形成装置1は、この画像品質調整処理としては、例えば、予め不揮発性記憶部3等に保存されているテスト画像を画像形成部で画像形成して、この画像形成したテスト画像の画像品質を評価して、当該評価結果に基づいて色ずれ、色濃度等の各種画像形成要素を調整することで画像品質を調整する。
【0040】
中央処理部2は、画像品質調整処理が終了すると、当該画像品質調整動作(処理)の履歴を不揮発性記憶部3に記憶して、画像品質調整制御処理を終了する(ステップS109)。このとき、中央処理部2は、現在時刻が計時されており分かっているときには、当該現在時刻を画像品質調整時間として不揮発性記憶部3に記憶し、現在時刻が計時されておらず分かっていないときには、ステップS102で読み取った印刷関連時刻を画像品質調整時間として不揮発性記憶部3に記憶する。
【0041】
次に、休止状態復帰要因による画像品質調整制御処理について、図2に基づいて説明する。画像形成装置1は、中央処理部2のCPUが停止するような休止状態、例えば、画像形成装置1の電源がオフの状態から復帰すると(ステップS110)、不揮発性記憶部3から印刷関連時刻の履歴を読み出して復帰させ、上記印刷データ要因による画像品質調整処理及び後述する時間経過要因による画像品質調整処理を行う準備をして、処理を終了する(ステップS111)。
【0042】
そして、時間経過要因による画像品質調整制御処理では、図3に示すように、所定の短い一定時間周期が経過すると(ステップS112)、画像形成装置1の中央処理部2は、ステップS105の経過時間計測を開始しているかチェックし(ステップS114)、経過時間の測定を行っていないときには、適切な画像品質調整処理を行うことができないと判断して、処理を終了する。
【0043】
ステップS113で、経過時間計測を開始しているときには、中央処理部2は、前回(以前)読み取った印刷関連時刻に経過時間を加算した時間を現在時刻として予測して、図2のステップS107に移行し(ステップS114)、当該予測した現在時刻に基づいて、特定時間(画像品質調整時間)以内に画像品質調整動作(処理)を行っているかを不揮発性記憶部3の画像品質調整処理履歴(画像品質調整実施時刻)を参照して判別する(ステップS107)。
【0044】
以降の動作は、上記同様であり、中央処理部2は、図2のステップS107で、画像品質調整時間以内に画像品質調整動作を行っているときには、画像品質調整動作を行う必要がないと判断して、そのまま画像品質調整制御処理を終了し、画像品質調整時間以内に画像品質調整動作を行っていないときには、画像品質調整動作処理を実施して(ステップS108)、画像品質調整動作処理が終了すると、当該画像品質調整動作(処理)の履歴(画像品質調整時間情報)を不揮発性記憶部3に記憶して、画像品質調整処理を終了する(ステップS109)。
【0045】
そして、中央処理部2は、上記ステップS103の時刻修正処理を、図4に示すように行う。すなわち、中央処理部2は、印刷関連時刻を読み取ると、現在時刻が分かっているかチェックし(ステップS201)、現在時刻が分かっていないときには、現在時刻の修正を行うことができないため、そのまま時刻修正処理を終了する。
【0046】
ステップS201で、現在時刻が分かっていると、中央処理部2は、現在時刻と図2のステップS102で読み取った印刷関連時刻との時間差が予め設定されている許容誤差時間(一定)以内であるかチェックし(ステップS202)、許容誤差時間以内であると、現在時刻の修正を行う必要がないと判断して、時刻修正処理を終了する。
【0047】
ステップS202で、現在時刻と読み取った印刷関連時刻との時間差が許容誤差時間以内でないとき(許容誤差時間を超えているとき)には、中央処理部2は、当該印刷関連時刻を付加した印刷要求または印刷データを送ってきた送信元(図1では、例えば、外部端末10)を不揮発性記憶部3に記録して、当該送信元の印刷関連時刻と現在時刻との時間差が上記許容誤差時間を超えている回数(以下、誤差発生回数という。)をカウントするカウンタ(誤差発生回数カウンタ)のカウント値を「1」だけインクリメントし(増やし)(ステップS203)、記録した送信元数が予め設定されている調整可能送信元数(特定数)以上であって、誤差発生回数カウンタのカウント値が予め設定されている修正可能回数(一定数)を超えているかチェックする(ステップS204)。
【0048】
ステップS204で、記録した送信元数が調整可能送信元数(特定数)以下、または/及び誤差発生回数カウンタのカウント値が修正可能回数(一定数)を超えていないときには、中央処理部2は、時刻調整を行うタイミングではないと判断して、時刻修正処理を終了し、記録した送信元数が調整可能送信元数(特定数)以上であって、かつ、誤差発生回数カウンタのカウント値が修正可能回数(一定数)を超えているときには、現在時刻修正回数カウンタのカウントする現在時刻修正回数が予め設定されている修正不可回数(規定数)以上であるかチェックする(ステップS205)。
【0049】
ステップS205で、現在時刻修正回数が修正不可回数(修正回数)以上でないときには、中央処理部2は、現在時刻修正を行って、時刻修正回数カウンタのカウント値を「1」だけインクリメント(時刻修正回数+1)し、さらに、ステップS203で記録した送信元と誤差発生カウンタをクリアして、時刻修正処理を終了する(ステップS206)。このとき、中央処理部2は、この現在時刻修正を、例えば、測定している現在時刻と読み取った印刷関連時刻とのズレを平均化して、現在時刻に加減算する等の方法で行うが、現在時刻修正方法としては、上記方法に限るものではない。
【0050】
ステップS205で、現在時刻修正回数が修正不可回数以上であるときには、中央処理部2は、印刷データ等の送信元である外部端末10からの印刷関連時刻に誤りがあり、現在時刻修正を行うのは適切ではないと判断して、画像品質調整処理機能による画像品質調整処理を停止して、時刻修正処理を終了する(ステップS207)。
【0051】
このように本実施例の画像形成装置1は、外部端末10から印刷要求時刻、印刷データ生成時刻等の印刷関連時刻の付与された印刷要求または印刷データを受け取ると、当該印刷要求または印刷データから印刷関連時刻を取得し、当該印刷関連時刻に基づいて印刷処理での画像品質を調整する画像品質調整機構による画像品質調整処理を制御している。
【0052】
したがって、RTC等の時計機構を用いることなく、安価にかつ適切な時期に画像品質調整を実施することができ、画像品質を安価に向上させることができる。
【0053】
また、本実施例の画像形成装置1は、前回取得した印刷関連時刻と今回取得した印刷関連時刻とを比較して印刷時間間隔を求め、当該印刷時間間隔に基づいて画像品質調整処理を制御している。
【0054】
したがって、たとえ途中で画像形成装置1の電源オフが発生しても、印刷時間間隔を判別して、画像品質調整処理を行うことができ、画像品質を安価にかつ適切に向上させることができる。
【0055】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、印刷時間間隔が所定の画像品質調整実施時間間隔以上であると、画像品質調整処理を実施している。
【0056】
したがって、不必要な画像品質調整処理を行うことなく、適切な時間間隔で画像品質調整を行うことができ、画像形成装置1の利用性を向上させつつ、安価かつ適切に画像品質を向上させることができる。
【0057】
また、本実施例の画像形成装置1は、取得した印刷関連時刻からの経過時間を予測して、当該経過時間に基づいて現在時刻を予測し、当該予測した現在時刻に基づいて画像品質調整処理の実行履歴を作成している。
【0058】
したがって、RTC等の時計機構を用いることなく、経過時間を測ることで現在時刻を測って、画像品質調整処理を制御することができ、安価かつより一層適切に画像品質を管理することができる。
【0059】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、予測した現在時刻が前回実施した画像品質調整処理の実施時間から所定の画像品質調整時間以上経過していると、画像品質調整処理を実施している。
【0060】
したがって、画像品質調整が必要な時期を適切に判断して、画像品質調整を行なうことができ、安価かつより一層適切に画像品質を向上させることができる。
【0061】
また、本実施例の画像形成装置1は、印刷関連時刻及び画像品質調整処理の処理履歴を不揮発性メモリ13に保存している。
【0062】
したがって、予期しない休止状態への遷移(例えば、停電等)があった場合にも、印刷関連時刻や画像品知る調整処理の処理履歴が失われることを防止することができ、より一層適切に画像品質を向上させることができる。
【0063】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、画像形成装置1の電源オフ等の所定の休止状態から復帰すると、不揮発性メモリ13に保存されている印刷関連時刻及び画像品質調整処理の処理履歴に基づいて画像品質調整処理を制御している。
【0064】
したがって、予期しない休止状態への遷移(例えば、停電等)があった場合にも、休止状態に移行する前に適切に戻すことができ、より一層適切に画像品質を向上させることができる。
【0065】
また、本実施例の画像形成装置1は、予測した現在時刻と所定の許容誤差時間以上の時間差のある印刷関連時刻を所定数以上の外部端末10から所定回数以上受け取ると、現在時刻を修正するとともに、当該修正後の現在時刻に基づいて処理履歴を修正する時刻修正処理を実施している。
【0066】
したがって、一部の外部端末10が間違った時刻を送信してきた場合にも、画像形成装置1の誤った現在時刻予想を適切に修正することができ、より一層適切に画像品質を管理することができる。
【0067】
さらに、本実施例の画像形成装置1は、時刻修正処理を所定の修正回数以上実施すると、画像品質調整処理機能を停止している。
【0068】
したがって、時間管理を適切に行えない状態での画像品質処理の実行を停止することができ、例えば、不必要な画像品質調整処理を繰り返し行なう等を適切に防止して、画像品質をより一層適切に管理することができる。
【0069】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
RTC等の時計機構を備えていないレーザプリンタ、複写装置等の画像形成装置一般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を適用した画像形成装置の要部ブロック構成図。
【図2】図1の画像形成装置による画像品質調整制御処理を示すフローチャート。
【図3】図2の画像品質調整制御処理の一部の処理を示すフローチャート。
【図4】図2の時刻修正処理の詳細な処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0072】
1 画像形成装置
2 中央処理部
3 不揮発性記憶部
4 外部端末I/F
10 外部端末
11 通信ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部端末から印刷要求時刻、印刷データ生成時刻等の印刷関連時刻の付与された印刷要求または印刷データを受け取って印刷データの印刷処理を行うとともに、印刷処理での画像品質を調整する画像品質調整機構を備えた画像形成装置であって、前記印刷要求または前記印刷データから前記印刷関連時刻を取得し、当該印刷関連時刻に基づいて前記画像品質調整機構による画像品質調整処理を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前回取得した前記印刷関連時刻と今回取得した前記印刷関連時刻とを比較して印刷時間間隔を求め、当該印刷時間間隔に基づいて前記画像品質調整処理を制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記印刷時間間隔が所定の画像品質調整実施時間間隔以上であると、前記画像品質調整処理を実施することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記取得した印刷関連時刻からの経過時間を予測して、当該経過時間に基づいて現在時刻を予測し、当該予測した現在時刻に基づいて前記画像品質調整処理の実行履歴を作成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記予測した現在時刻が前回実施した前記画像品質調整処理の実施時間から所定の画像品質調整時間以上経過していると、前記画像品質調整処理を実施することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記印刷関連時刻及び前記画像品質調整処理の処理履歴を不揮発性記憶手段に保存することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、所定の休止状態から復帰すると、前記不揮発性記憶手段に保存されている前記印刷関連時刻及び前記画像品質調整処理の処理履歴に基づいて前記画像品質調整処理を制御することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記予測した現在時刻と所定の許容誤差時間以上の時間差のある前記印刷関連時刻を所定数以上の外部端末から所定回数以上受け取ると、前記現在時刻を修正するとともに、当該修正後の現在時刻に基づいて前記処理履歴を修正する時刻修正処理を実施することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成装置は、前記取得した印刷関連時刻からの経過時間を予測して、当該経過時間に基づいて現在時刻を予測し、当該予測した現在時刻と所定の許容誤差時間以上の時間差のある前記印刷関連時刻を所定数以上の外部端末から受け取ると、前記現在時刻を修正するとともに、当該修正後の現在時刻に基づいて前記処理履歴を修正する時刻修正処理を行い、当該時刻修正処理を所定の修正回数以上実施すると、前記画像品質調整処理機能を停止することを特徴とする請求項1から請求項8記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−108359(P2007−108359A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−298256(P2005−298256)
【出願日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【出願人】(302057199)リコープリンティングシステムズ株式会社 (1,130)
【Fターム(参考)】