説明

画像形成装置

【課題】オペレータ所望の画質と容量を満足するスキャン画像を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】原稿画像を読み取る画像読取手段8を有して画像処理機能を発揮する画像処理ユニット部Aと、汎用のOSによって制御され、画像処理ユニット部Aが発揮する画像処理機能とは異なるカテゴリの機能を発揮する情報処理ユニット部Bとを備える画像形成装置において、情報処理ユニット部Bは、画像読取手段8によって読み取られた画像を異なる解像度に縮小して画像処理を行い、画像処理の結果を操作パネルPに表示する機能を有する制御手段31を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等を搭載し、ネットワークに接続したデジタル複合機に代表される画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナなどの画像入力装置は、一般的に取り扱う内容が膨大な画像情報であるため、読み取りに時間がかかる。この画像入力装置は、原稿に合わせて忠実な画像情報を得るため、あるいは内容の識別が容易な画像を得るため、あるいはオペレータの目的に合わせた画像を得るために、濃度、輝度、色調、解像度などの各種パラメータの設定が可能である。
特に、カラー画像の読み取りでは、多くのパラメータが存在し、多くのオペレータにとってわかり難いものであった。また、モノクロ画像であっても、原稿の状態が一定ではないなどの原因で、常に最適な状態で読み取りを行うことは困難であった。
【0003】
さらに、近年、文書の電子化の促進により、文字情報を含んだ原稿の電子化へのニーズが高まり、文字部と写真部に分け、文字部と写真部にそれぞれ好適な圧縮を施すことで、視認性と高圧縮を実現するドキュメント高圧縮技術がある(例えば特許文献1)。
このような圧縮技術においては、解像度や文字部、写真部の認識精度、それぞれの圧縮のパラメータによって画質が異なり、多くのオペレータにとってパラメータから最終的に得る画質(可読性を含む)を想定することがより困難となる問題がある。
また、文字情報を含んだ原稿の電子化においては、電子化された画像の可読性が重要となる一方で、閲覧性、保存性、可搬性を高めるために、画像ファイルが高圧縮されたものであることも求められる。つまり、オペレータの目的を達成するため、高画質と高圧縮をバランスよく両立させることが必要になる。
【0004】
従来技術においては、オペレータが目的の画像を得るためには、オペレータが設定値を変更しながら試行錯誤を重ねることを余儀なくされていた。その結果、スキャナなどの画像入力作業は手間がかかっていた。
特に、各種パラメータ設定をスキャナの操作部で行い、かつ、スキャナからスキャン画像をオペレータ個人の端末にメールで配信するスキャナにおいては、試行錯誤の際、設定と出力結果の確認で端末とスキャナを往復しなければならず、非常に手間がかかるといった問題がある。
これらの課題を解決するものとして、例えば、特許文献2記載の技術がある。この公報には、スキャナからの読み込みのプレビュー処理や再スキャン処理を不要にし、1回の読み込みで済ますことにより処理時間を短縮する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−12768公報
【特許文献2】特開2002−44317公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術においても、パラメータをオペレータが細かく調整する必要がある問題は解決されておらず、メニュー上で試行錯誤を繰り返さなければならない問題が残っている。
本発明は、オペレータ所望の画質と容量を満足するスキャン画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、原稿画像を読み取る画像読取手段を有して画像処理機能を発揮する画像処理ユニット部と、汎用のOSによって制御され、画像処理ユニット部が発揮する画像処理機能とは異なるカテゴリの機能を発揮する情報処理ユニット部とを備える画像形成装置において、情報処理ユニット部は、画像読取手段によって読み取られた画像を異なる解像度に縮小して画像処理を行い、画像処理の結果を操作パネルに表示することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像処理を行ったデータのサイズを計測し、画像処理の結果とデータのサイズを操作パネルに表示することを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像の一部領域を切り出して画像処理を行うことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像のうち、何かが描かれている一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像のうち、文字の存在する一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像のうち、写真の存在する一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする。
【0008】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像処理を行ったデータのうち写真の存在する一部領域を判定して切り出し、操作パネルに表示することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像のうち、文字、写真の存在する一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、制御手段は、画像処理を行ったデータのうち、文字、写真の存在する一部領域を判定して切り出し、操作パネルに表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、原稿画像を読み取る画像読取手段を有して画像処理機能を発揮する画像処理ユニット部と、汎用のOSによって制御され、画像処理ユニット部が発揮する画像処理機能とは異なるカテゴリの機能を発揮する情報処理ユニット部とを備える画像形成装置において、情報処理ユニット部は、画像読取手段によって読み取られた画像を異なる解像度に縮小して画像処理を行い、画像処理の結果を操作パネルに表示する機能を有する制御手段を備えたので、オペレータ所望の画質と容量を満足するスキャン画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、ある所定の解像度で読み取ったスキャナ画像に対して、複数のパラメータ(解像度、圧縮形式)とそのパラメータにより処理した処理結果とを並べて表示し、オペレータが選択することで、所望の画質のスキャナ結果を得ることができ、試行錯誤の手間を無くすことができるようにしたものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0011】
図1は本発明の画像形成装置としてのデジタルカラー複合機を含むネットワークシステムの構成図である。デジタルカラー複合機1に、通信ネットワークであるLAN(Local Area Network)2を介し、各種の情報処理を実行する情報処理装置であるサーバコンピュータ3や複数台のクライアントコンピュータ4が接続されたシステムを想定する。
サーバコンピュータ3は、例えばFTP、HTTPプロトコルをサポートしたり、WebサーバやDNS(ドメインネームサーバ)の機能を実現するものである。すなわち、このシステムにおいては、デジタルカラー複合機1が備えている画像入力機能(スキャナ機能)、画像出力機能(プリント機能)及び画像蓄積機能等の画像処理機能を、LAN2上でシェアし得る環境が構築されているものである。
このようなシステムは、通信制御ユニット5を介してインターネット網6に接続され、インターネット網6を介して外部環境とデータ通信可能に構築されている。通信制御ユニット5としては、ルータ、交換機、モデム、DSLモデム等が一般的であるが、最低限TCP/IP通信が可能であれば良い。また、LAN2は有線通信に限るものではなく、無線通信(赤外線や電波等)であっても良い。また、光ファイバーを用いたものであっても良い。
【0012】
次に、デジタルカラー複合機1について説明する。ここで、図2は本発明の画像形成装置としてのデジタルカラー複合機を概略的に示す外観斜視図、図3は本発明の画像形成装置としてのデジタルカラー複合機の各部の電気的接続を示すブロック図である。
図2に示すように、デジタルカラー複合機1は、転写紙などの媒体に画像を形成する画像形成手段である印刷装置7の上部に、原稿から画像を読み取る画像読取手段である画像読取装置8を配設した構成となっている。また、画像読取装置8の装置外面には、オペレータに対する表示とオペレータからの機能設定等の各種の入力を許容する操作パネルPが設けられている。
さらに、操作パネルPの下部には、記憶媒体M(図3参照)に記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る、または記憶媒体Mに対してプログラムコードや画像データ等を書き込む装置である外部メディア入出力装置9が、記憶媒体Mの挿入を許容する挿入口を外部に露出させて設けられている。
このようなデジタルカラー複合機1のストラクチャとしては、図3に示すように、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとに大別されており、印刷装置7及び画像読取装置8は画像処理ユニット部Aに属し、操作パネルP及び外部メディア入出力装置9は情報処理ユニット部Bに属している。
【0013】
まず、画像処理ユニット部Aについて説明する。印刷装置7及び画像読取装置8を備える画像処理ユニット部Aは、画像処理ユニット部Aにおける画像処理全般の制御を行う画像処理制御ユニット10を備えており、この画像処理制御ユニット10には、印刷装置7を制御する印刷制御ユニット11と、画像読取装置8を制御する画像読取制御ユニット12とが接続されている。
印刷制御ユニット11は、画像処理制御ユニット10の制御に従って印刷装置7に対して画像データを含む印刷指示を出力し、印刷装置7に転写紙などの媒体に画像を形成して出力させる。印刷装置7はフルカラー印刷可能であり、その印刷方式は、電子写真方式のほか、インクジェット方式、昇華型熱転写方式、銀塩写真方式、直接感熱記録方式、溶融型熱転写方式など、さまざまな方式を用いることができる。
【0014】
画像読取制御ユニット12は、画像処理制御ユニット10の制御により画像読取装置8を駆動し、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子(例えば、CCD(Charge Coupled Device))に集光して読み取り、A/D変換してRGB各8bitのデジタル画像データを生成する。
このような画像処理制御ユニット10は、メインプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)13と、画像読取装置8から読み込んだ画像データを印刷装置7による作像に供すべく一旦格納しておくメモリデバイス(例えば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)等)14と、制御プログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)15と、システムログ/システム設定/ログ情報等を記録しておく電源OFF時にもデータの保持が可能なNVRAM16とをバス接続したマイクロコンピュータ構成となっている。
【0015】
また、画像処理制御ユニット10には、多量の画像データの蓄積やジョブ履歴等の記憶装置となるHDD(Hard Disk Drive)17、装置内部に設けられた集線装置であるHUB19を介して画像処理ユニット部AをLAN2に接続するためのLAN制御部18、FAX制御を行うFAX制御ユニット20が接続されている。このFAX制御ユニット20は、公衆電話網21に通じる構内交換器(PBX)22に接続されており、デジタルカラー複合機1は、遠隔のファクシミリと交信することができる。
加えて、画像処理制御ユニット10には、表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24が接続されている。表示制御ユニット23は、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して情報処理ユニット部Bに対して画像表示制御信号を出力し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPに対して画像表示の制御を行う。
【0016】
また、操作入力制御ユニット24は、情報処理ユニット部Bの操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、画像処理制御ユニット10のコントロールによって制御パネルI/F25に接続された通信ケーブル26を介して入力する。すなわち、画像処理ユニット部Aは、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを、通信ケーブル26を介して直接モニタすることができる構成になっている。
従って、画像処理ユニット部Aは、従来の画像形成装置が備える画像処理ユニットにおいて、通信ケーブル26を接続し、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを利用するようにしたものである。すなわち、画像処理ユニット部Aの表示制御ユニット23及び操作入力制御ユニット24は、操作パネルPに接続されているものとして動作している。
このような構成により、画像処理ユニット部Aは、外部(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ等)からの画像情報である印刷データ及びプリント指示するコマンドを解析し、印刷データを出力画像データとして印刷できる状態にビットマップ展開し、印刷モードをコマンドから解析し動作を決定している。その印刷データ及びコマンドをLAN制御部18あるいはFAX制御ユニット20を通じて受信し動作する。
【0017】
また、画像処理ユニット部Aは、SDRAM14やHDD17に記憶されている印刷データ、原稿読み取りデータ、これらを出力用に処理した出力画像データ、及び、それらを圧縮した圧縮データを外部(サーバコンピュータ3、クライアントコンピュータ4、ファクシミリ等)に転送することができる。
さらに、画像処理ユニット部Aは、画像読取装置8の読み取り画像データを画像処理制御ユニット10に転送し、光学系及びデジタル信号への量子化に伴う信号劣化を補正し、該画像データをSDRAM14に書き込む。このようにしてSDRAM14に格納された画像データは、印刷制御ユニット11で出力画像データに変換されて、印刷装置7に出力される。
【0018】
次に、操作パネルPを備える情報処理ユニット部Bについて説明する。情報処理ユニット部Bは、一般にパーソナルコンピュータといわれるような情報処理装置に用いられる汎用のOS(Operating System)によって制御されるマイクロコンピュータ構成となっている。
情報処理ユニット部Bは、メインプロセッサであるCPU31を有しており、このCPU31には、CPU31の作業用領域となるRAMや起動プログラムなどを記憶した読み出し専用メモリであるROMで構成されるメモリユニット32と、OSやアプリケーションプログラムを記憶するHDD等の記憶装置34に対するデータの入出力を制御する記憶装置制御ユニット35とがバス接続されている。
【0019】
また、CPU31には、情報処理ユニット部Bを、HUB19を介してLAN2に接続するためのLAN制御部33が接続されている。このLAN制御部33に割り当てられるネットワークアドレスであるIPアドレスは、前述した画像処理ユニット部AのLAN制御部18に割り当てられるIPアドレスとは異なるものである。
すなわち、本実施の形態のデジタルカラー複合機1には、2つのIPアドレスが割り当てられていることになる。つまり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部BとはLAN2に接続されていることになり、画像処理ユニット部Aと情報処理ユニット部Bとの間においてはデータ交換が可能な構成になっている。
なお、デジタルカラー複合機1はHUB19を介してLAN2に接続されていることから、見かけ上は、1つのIPアドレスのみが割り当てられているように見える。従って、美観を損ねることはなく、結線等の取り扱いを容易にすることが可能になっている。
【0020】
さらに、CPU31には、操作パネルPを制御する表示制御ユニット36及び操作入力制御ユニット37が接続されている。ここで、図4は操作パネルPの構成を示す平面図である。図4に示すように、操作パネルPは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)である表示装置40と、操作入力装置41とで構成されている。
操作入力装置41は、表示装置40の表面に積層された超音波弾性波方式等のタッチパネル41aと、複数のキーを有するキーボード41bとで構成されている。キーボード41bには、画像読み取りの開始を宣言するためのスタートキー、数値入力を行うためのテンキー、読み取った画像データの送信先を設定する読取条件設定キー、クリアキー等が設けられている。
すなわち、表示制御ユニット36は、画像表示制御信号を制御パネルI/F38を介して表示装置40に出力し、画像表示制御信号に応じた所定事項を表示装置40に表示させる。一方、操作入力制御ユニット37は、操作入力装置41におけるオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を、制御パネルI/F38を介して受信する。
【0021】
加えて、CPU31には、画像処理ユニット部Aの制御パネルI/F25と通信ケーブル26を介して接続されている制御パネル通信ユニット39が接続されている。制御パネル通信ユニット39は、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を受信し、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を画像処理ユニット部Aに転送する。
なお、詳細は後述するが、制御パネル通信ユニット39で受信した画像処理ユニット部Aからの画像表示制御信号は、操作パネルPの表示装置40用にデータ変換処理されてから表示制御ユニット36に出力され、また、操作パネルPからのオペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号は、画像処理ユニット部Aでの仕様に応じた形式にデータ変換処理されてから制御パネル通信ユニット39に入力される。
【0022】
上述したように記憶装置34には、CPU31が実行するOSやアプリケーションプログラムが格納されている。この意味で、記憶装置34は、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体として機能する。このデジタルカラー複合機1では、オペレータが電源を投入するとCPU31がメモリユニット32内の起動プログラムを起動させ、記憶装置34よりOSをメモリユニット32内のRAMに読み込み、このOSを起動させる。
このようなOSは、オペレータの操作に応じてプログラムを起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。OSのうち代表的なものとしては、Windows(登録商標)等が知られている。これらのOS上で走る動作プログラムをアプリケーションプログラムと呼んでいる。情報処理ユニット部BのOSは、情報処理装置(サーバコンピュータ3やクライアントコンピュータ4等)と同様のOS、すなわち汎用のOS(例えば、Windows(登録商標)等)となっている。
【0023】
なお、前述したように、本実施の形態のデジタルカラー複合機1には、OS、デバイスドライバや各種アプリケーションプログラム等の各種のプログラムコード(制御プログラム)や画像データ等を記憶した記憶媒体M、すなわち、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RWなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メディアなどの記憶媒体Mに記憶されているプログラムコードや画像データ等を読み取る、または記憶媒体Mに対してプログラムコードや画像データ等を書き込む装置であるフレキシブルディスクドライブ装置、光ディスクドライブ装置、MOドライブ装置、メディアドライブ装置等の外部メディア入出力装置9が搭載されている。
このような外部メディア入出力装置9は、CPU31にバス接続されている入出力デバイス制御ユニット42により制御される。従って、記憶装置34に記憶されているアプリケーションプログラムは、この記憶媒体Mに記録されたアプリケーションプログラムがインストールされたものであっても良い。
このため、記憶媒体Mも、アプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えばインターネット網6及びLAN2を介して外部から取り込まれ、記憶装置34にインストールされても良い。
なお、入出力デバイス制御ユニット42には、USB、IEEE1394、SCSI等の各種インタフェース43も接続されており、各種インタフェース43を介して様々な機器(デジタルカメラ等)が接続可能となっている。
【0024】
次に、デジタルカラー複合機1が備える特徴的な機能について説明する。デジタルカラー複合機1の画像処理ユニット部Aが備える機能は、従来のデジタルカラー複合機が備える機能と何ら変わるものではないので、その説明は省略する。ここでは、デジタルカラー複合機1の情報処理ユニット部BのCPU31がOS上で動作するアプリケーションプログラムに従い実行する各種の演算処理のうち、本実施の形態の特徴的な処理について以下に説明する。
【0025】
まず、デジタルカラー複合機1の情報処理ユニット部BのCPU31が実行する表示データ変換処理について説明する。図5は表示データ変換処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、情報処理ユニット部BのCPU31は、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を受信すると(ステップS1のY:画像表示制御信号受信手段)、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を操作パネルPの表示装置40用にデータ変換処理する(ステップS2:表示装置用データ変換手段)。
このデータ変換処理は、例えば情報処理ユニット部Bがマルチウィンドウ表示の汎用OSで動作している場合には、画像処理ユニット部Aから出力された画像表示制御信号を表示装置40の中でのマルチウィンドウの1画面としてデータ生成するものである。
このようなデータ変換処理が終了すると、データ変換処理された画像表示制御信号は表示制御ユニット36に対して出力され(ステップS3:画像表示制御信号出力手段)、操作パネルPの表示装置40において表示される。
ここで、図6は操作パネルPにおける表示例を示す平面図である。図6に示すように、操作パネルPの表示装置40には、情報処理ユニット部Bで動作する汎用OSの画面W1中に、画像処理ユニット部Aにおける操作入力画面となるウィンドウW2が表示される。これにより、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを、画像処理ユニット部Aにおいても利用可能としている。ここに、表示装置共通化手段が実現されている。
【0026】
次に、デジタルカラー複合機1の情報処理ユニット部BのCPU31が実行する操作データ変換処理について説明する。図7は、操作データ変換処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、情報処理ユニット部BのCPU31は、操作パネルPの表示装置40に、図6に示すような画像処理ユニット部Aにおける操作入力画面となるウィンドウW2が表示されている状態で、オペレータによる機能設定や入力操作に応じた入力制御信号を操作入力制御ユニット37から受信すると(ステップS11のY:入力制御信号受信手段)、入力制御信号を画像処理ユニット部Aでの仕様に応じた形式にデータ変換処理する(ステップS12:データ変換手段)。
このようにデータ変換処理を行うのは、例えば操作パネルPの表示装置40に図6に示すような画像処理ユニット部Aにおける操作入力画面となるウィンドウW2を表示したような場合には、ウィンドウW2のボタン等に対応する操作入力装置41(タッチパネル41a)上の位置座標と画像処理ユニット部Aで保持しているボタン等に対応する位置座標とは一致していないためである。これは、画像処理ユニット部Aが、専用の操作パネルを用いていた際のデータ(ボタン等に対応する位置座標)をそのまま引き継いでいるからである。
【0027】
データ変換処理に際しては、予め画面毎に図8に示すような変換テーブルTを設けて、両者が一致するように変換処理するものである。すなわち、変換テーブルTでは、画像処理ユニット部Aが専用の操作パネルを用いていた際のボタンのパネルアドレス(位置座標)をウィンドウW2のボタンに対応付けている。
なお、図8に示すタッチ領域は、コマンドボタンの位置を特定するためのものである。具体的には、画面番号1の時に検出したアドレスが“WXA00”〜“WXA11”の範囲であった場合には、タッチパネルアドレスは“WXA00”に決定され、操作されたボタンは“XA00”となる。そして、情報処理ユニット部BのCPU31は、このボタン“XA00”を画像処理ユニット部Aにおけるタッチパネルアドレス“XA00”に変換する。
このようなデータ変換処理が終了すると、データ変換処理された入力制御信号は制御パネル通信ユニット39に対して出力され(ステップS13:入力制御信号転送手段)、画像処理ユニット部Aに転送される。これにより、情報処理ユニット部Bの操作パネルPを、画像処理ユニット部Aにおいても利用可能としている。ここに、操作入力装置共通化手段が実現されている。
従って、以上のような表示データ変換処理及び操作データ変換処理により、デジタルカラー複合機1の画像処理ユニット部Aの操作を情報処理ユニット部Bの操作パネルPにより行うことができるようになる。
【0028】
画像読取装置8で読み取られるスキャン画像の画質を決定するパラメータの一例を以下に示す。これらのパラメータの設定は、デジタルカラー複合機1の操作パネルPで行われる。
1.圧縮方式
デジタル化された画像データのデータサイズを小さくする目的で圧縮を行う。様々な圧縮方式があり、自然画像であればJPEG、JPEG2000が適し、モノクロ2値の文字画像の様に、同様のパターンが続く傾向がある画像においてはMMR、PNG、GIFと言った処理がある。
また、文字情報を含む画像に特化したドキュメント高圧縮の技術も存在する(参考、特開2005−12768公報)。それぞれに圧縮の傾向、圧縮率は異なり、原稿によって適した圧縮方法は異なるといえる。原稿に適した圧縮方法は、使用者の意図によっても異なり、自動的に判別することは容易ではない。
2.解像度
スキャナの分解能力を示し、きめ細かさや画質の滑らかさを表す尺度。単位幅をいくつの点の集合として表現するかを表わし、この値が高いほど、より自然に近い画質が得られる。スキャナの読取に用いるセンサー(CCD、CIS等)によって最大値が決定付けられる。同一画像サイズの原稿読取を行った場合、高解像度であればあるほどデータサイズが大きくなる。
【0029】
3.色濃度
原稿の色の濃さや所望の画像によって、濃度が決定される。
4.色深度・・・カラー/グレイスケール/モノクロ(2値)
色を表現するビット数を示す。カラーであればRGB各8bit、グレイスケールは白黒8bit、モノクロであれば白黒1bitが一般的である。
このパラメータは一般に原稿の色情報の有無によって決定される。カラー情報を多く含む場合や、原稿の原本性を保ちたいときにはカラーを、色情報が無い場合は、グレイスケール、モノクロ(2値)が選択される。原稿の階調を再現したいときにはグレイスケールが、そうでない場合はモノクロ(2値)が選択される。モノクロ(2値)は1画素あたり1bitで構成されるフォーマットを指し、原稿の再現性は低いが、低容量のデータとなる点で有利である。
5.減色
一般に原稿の圧縮率を高めるために行われることが多い。特に原稿に使用されている色が少ないときに、特定色の色を残すように減色をすることで、高い視認性と高圧縮率を両立させることができる。特に有益なのは、黒字に赤を入れた原稿を高圧縮率で圧縮可能な、赤黒へ減色させる手法である。
【0030】
次に、本発明における、スキャンのフローについて説明する。まず図9、図11において、一枚の原稿をスキャンし、処理結果を提示し、オペレータが選定し、処理結果を得るまでのフローを示す。
図9はスキャン画像読取フロー図である。ここでは、スキャン画像の各種パラメータにおけるサンプルを提示する。
オペレータが画像読取装置8に原稿を置き、ある所定の解像度、ある色深度にて原稿の読取を行う(S21乃至S24)。ここである所定の解像度、色深度とは、後で縮小することを想定し、大きい解像度、より深い色深度であることが望ましい。
ただし、解像度が大きく、色深度が深いデータはデータ量が大きく、転送時間もかかるため、本デジタルカラー複合機1に実際に搭載されているメモリ容量ならびに、LAN2の転送速度によって破綻の無い解像度とすることが望ましい。また解像度、色深度はオペレータが任意に指定しても良い。原稿サイズは画像読取装置によって自動的に測定されるか、オペレータの指定によって決定される。
【0031】
原稿サイズと解像度、色深度が確定したら、オペレータはスキャン開始を指示するキーを押すなどしてスキャンを開始する。画像読取装置8で取得されたアナログデータをデジタルデータに変換後、シェーディング補正等各種画像処理を施し、画像データを画像処理ユニット部A内のSDRAM14もしくはHDD17に格納する(S25)(画像読取装置8によって読み込まれた画像データを元画像データ50(図10)と呼称する)。元画像データ50をLAN2経由で情報処理ユニット部Bに転送し、記憶装置34もしくはメモリユニット32に保存する(S26)。
【0032】
図11はスキャン画像圧縮処理結果提示フロー図である。元画像データ50を各種パラメータにて処理された結果(処理結果サンプル画像51(図10)と呼称する)を操作部パネルPに表示するまでのフローである。
記憶装置34もしくはメモリユニット32に格納された元画像データ50を異なる解像度に縮小し、記憶装置34もしくはメモリユニット32に格納する(S31)。縮小する解像度は一つでも複数でも良い。
縮小は単純間引き(二アレストネイバー法)、バイリニア法、バイキュービック法などが挙げられる。単純間引きは高速に処理可能であるが、モアレやジャギーが目立ちやすいという欠点があるので、バイリニア、バイキュービック法を用いる方が画質に優れ、望ましい。ただし、演算量が多くなるため、これら処理を行う場合はCPU31、もしくは他の演算処理部にある程度の演算性能が求められる。
従来技術においては、画像読取装置8で読取を行う際、以上のような手法はとらない。元画像データ50の保管や、縮小工程でメモリ、多量の演算を必要とするためである。CCDの副走査作方向はCCDの動作速度や紙送り速度を調整することで解像度を実現し、主走査方向はライン順次の電子回路による縮小で実現する。本実施形態においては情報処理ユニット部Bが付加されており、ユニット内のメモリユニット32、記憶装置34にデータを保持し、CPU31にて縮小処理を実行する。
【0033】
さらに、縮小された画像を異なるパラメータで処理する(S32)。パラメータは上記スキャン画像のパラメータに示した圧縮方式、色濃度、色深度(減色)等の組み合わせによって構成される。
処理結果サンプル画像51は記憶装置34もしくはメモリユニット32に格納され、操作パネルPに表示される(S33)。図12に処理結果を表示した画面の一例を示した。
この例では横方向に解像度300dpi、200dpi、100dpi、縦方向に色深度(フルカラー(RGB8bit)、グレイスケール(白黒8bit)、モノクロ(2値)を並べた。処理結果サンプル画像51は原稿全体を処理したものであるが、画像全てを操作パネルPに表示させることが困難な場合は、一部をトリミングして表示する。
【0034】
図12の例では縦方向と横方向で変動するパラメータが対応しているが、そうでなくても良い。図13に示すように、縦方向がドキュメント高圧縮、グレイスケール(白黒8bit)、モノクロ(2値)となっていても良いし、図14に示すように縦方向、横方向に変動するパラメータが関係なくても良い。
オペレータは図12〜14の画面を参照し、目的に応じた処理結果を選択する(S34)。情報処理ユニットBは選択された処理方法により元画像データ50を処理し(S35)、処理結果のメールによる配信、既往区装置34への文書蓄積、他端末へのフォルダ転送等を行う(S36)。これによりオペレータは目的に応じた画質のスキャン画像を、手間をかけずに得ることができる。
【0035】
この処理結果の表示について、オペレータ所望の画質のスキャン画像を得る以外に、従来技術より秀でている点が2点挙げられる。
1点目は、処理結果のオペレータへの提示が比較的容易な実現手段で可能であることである。
従来の技術においては、操作パネルの表示制御ユニットは用紙選択や変倍率といった事前に決められた画像の表示を行うよう、特化されてる構成が一般的であり、スキャン処理の結果を操作パネルに表示するためには、大量のデータを操作部パネルの表示制御ユニットに転送し、構成、表示することが必要になるが、そのような装置は作るためには大幅なハード追加と変更が必要となりコストの増加をまねく問題があった。
しかし本構成においては、画像データをLAN2経由で画像処理ユニット部Aから情報処理ユニット部Bに転送し、情報処理ユニット部Bの表示制御ユニット36を使用することにより、画像処理ユニット部A自体の大幅な改変無しに、スキャナ処理結果を操作パネルP上に表示することが可能となっている。
【0036】
2点目は、画像読取装置8と操作パネルPが同一の筐体に収められているため、オペレータは原稿をセットしたり、取り戻したりの扱いと処理結果の確認とを場所を移動せずに行え、負担が少ないという点である。従来の図15に示したような一般的なネットワークスキャナ42においては、パラメータのセットを物理的に離れた端末4で実施することが多い。
【0037】
次に複数原稿でのスキャンフローについて説明する。複数原稿のスキャンの場合、原稿全てを大きい解像度でデータを取得し、それぞれについて処理を行い、全ページの処理結果をオペレータに提示しても良いが、処理時間がかかる上、情報量が多すぎオペレータが選択しにくい問題があるため、1ページ、乃至は少ないページ数で処理結果を提示することが望ましい。提示するページは最初のページでも、代表的なページであっても良い。またページをオペレータが指定しても良い。
複数原稿でのスキャンフローの一例を説明する。1ページ目のみの処理結果をオペレータに提示するものとする。複数原稿をスキャンした際、全てを大きい解像度で読み取ると、スキャンや転送に時間がかかるため、1枚目のみ大きい解像度で、読取、各種パラメータにて処理結果を提示し、各種パラメータ決定後、全ての原稿を、決定された解像度で読み込み、決定された各種パラメータにて、処理を行い複数原稿のスキャナ画像を得ることができる。
また、他の実施の形態として、全ての原稿を大きい解像度での読取、1枚目の各種パラメータによる処理、オペレータ選択と他ページの読取、転送を並行して動作させても良い。
【0038】
また本発明では、元画像データ50に対する各種処理の結果と画像ファイルサイズを並べてオペレータに提示することで、画質と容量のバランスをオペレータの目的に応じて選択させる。
図9のフローと同様に元画像データを得る。その後、図11のフローと同様処理を行うが、この際、画像データの処理後のサイズ52を取得する。処理結果サンプル画像51を操作パネルPに表示する際、図16に示すように、処理結果サンプル画像51と処理後の原稿のデータサイズを並べて表示する。オペレータはこの操作パネルPから目的に応じた画質とサイズの処理方法を得ることができる。
【0039】
また、本発明においては、図17に示したように、元画像データ50から一部をトリミングし、トリミング画像53を得る。トリミング位置は左上からある一定の領域、中央の一定領域等どこでも良い。トリミング領域は表示に用いる程度の画像サイズで良く、小さければ小さいほど演算上有利となる。
トリミング画像53の解像度を変換し、各種処理を行いトリミング画像の処理結果サンプル画像54を得る。処理結果サンプル画像54を操作パネルPに並べ、オペレータは目的に応じた画質のスキャン画像を指定し、その条件に従って、情報処理ユニット部Bは元画像データ50の画像処理を行う。この手順により、オペレータは目的の応じた画質のスキャン画像を得ることができる。
以上の方法により、複数の処理結果サンプル画像を少ない演算量で速やかに提示することができる。元画像データ50と、トリミング画像53の面積比とトリミング画像53の処理結果のデータサイズから、全体の画像のおおよその画像サイズを求めることは可能であり、目安としての提示は可能である。
【0040】
一般的な原稿において、何も描かれていない領域が存在することが多い。本発明においては、何かしら描かれた箇所の画像処理結果を処理結果サンプル画像51として提示する。
例えば図18の太枠60においては何も描かれていないが、太枠61では描かれている。これを判定するアルゴリズムには様々なものがあるが、一例をあげる。
処理結果サンプル画像51として表示する画像サイズと同じ枠を元画像データ50上で移動して行き、枠内での色濃度のバラツキを測定し、あるバラツキ以上であれば、何かが描かれているとする。このようにして何かが描かれている領域を処理結果サンプル画像の領域とする。
【0041】
背景白地の最も多いタイプの原稿が想定される場合はある閾値で単純に2値化を行い、黒データが存在する領域を処理結果サンプル画像の領域としても良い。原稿に何かが描かれているかを判定するアルゴリズムは他にも数多くあり、演算量がオペレータビリティーに悪影響を及ぼさない程度であればどのようなアルゴリズムであっても良い。
原稿全体に何も描かれていない場合は、サンプル提示に適した画像がないことをオペレータに通知する。上記の手順により、オペレータに提示する処理結果サンプル51に何か描かれている状態を保持することができる(図19、文字領域62、写真領域63参照)。
【0042】
また、本発明においては、元画像データ50より、文字領域62を抽出し、各種処理を行い処理結果サンプル50としてオペレータに提示する。文字を抽出する手段は様々な手段が提示されているが、一例として、2値化した画像の黒画素の連結成分から文字領域を検出する方法がある(特開2004−140831公報)。
本手法によれば文字部、罫線部を原稿より分離でき、文字部の領域を知ることができる。元画像データ50をCPU31により処理し、文字部領域を抽出する。抽出する文字部は、一つの文字でも、複数の文字であっても良い。最も小さい文字を保持するという観点から、最も小さい文字と判定された領域を処理結果サンプル50とする方法が望ましい。抽出する領域は一つであっても複数であっても良い。抽出すべき文字部が無いと判定された場合は、その旨をオペレータに操作パネルPにより通知する。
【0043】
図20に操作パネルPに表示するメニューの一例を示した。横方向に解像度300dpi、200dpi、100dpiの項目を並べ、縦方向にドキュメント高圧縮(圧縮手法の一例)、グレイスケール、モノクロの項目を並べた。各解像度、各圧縮、色深度における画像のサンプルが並べられている。オペレータはこれらのサンプルの中から、目的に応じた画質の処理を選択する。
処理結果サンプルを提示するにあたり、原稿全体を処理した後、文字領域62のみ抽出しても良いし、抽出した文字領域63のみに画像処理を施しても良い。前者であれば正確な原稿サイズを提示することが可能となるし、後者であれば高速なサンプル提示を実現することができる。
また、本発明においては、元画像データ50より、写真領域63を抽出し、各種処理を行い処理結果サンプルとしてオペレータに提示する。元画像データ50をCPU31により処理し、写真領域63を抽出し、各種パラメータにより処理を行い、処理結果をサンプルとしてオペレータに提示する。抽出する領域は一つであっても複数であっても良い。抽出すべき写真部が無いと判定された場合は、その旨をオペレータに操作パネルPにより通知する。
【0044】
図21に操作パネルPに表示するメニューの一例を示した。横方向に解像度300dpi、200dpi、100dpiの項目を並べ、縦方向にドキュメント高圧縮(圧縮手法の一例)、グレイスケール、モノクロの項目を並べた。各解像度、各圧縮、色深度における画像のサンプルが並べられている。オペレータはこれらのサンプルの中から、目的に応じた画質の処理を選択する。
上記と同様に、処理結果サンプルを提示するにあたり、原稿全体を処理した後、写真領域63のみ抽出しても良いし、抽出し写真領域のみに画像処理を施しても良い。前者であれば正確な原稿サイズを提示することが可能となるし、後者であれば高速なサンプル提示を実現することができる。
【0045】
また、本発明においては、元画像データ50より、文字領域62と写真領域63を抽出し、それぞれに対して各種処理を行い処理結果サンプル50としてオペレータに提示する。元画像データ50をCPU31により処理し、文字領域62と写真領域63を抽出し、各種パラメータにより処理を行い処理結果サンプルとしてオペレータに提示する。
図20、図21に操作パネルPに表示するメニューの一例を示した。それぞれ横方向に解像度300dpi、200dpi、100dpiの項目を並べ、縦方向にドキュメント高圧縮(圧縮手法の一例)、グレイスケール、モノクロの項目を並べた。各解像度、各圧縮、色深度における画像のサンプルが並べられている。
【0046】
メニューの下部に「文字を見る」ボタン70、「写真を見る」ボタン71を設け、「文字を見る」ボタン70が押下されたら図20を、「写真を見る」ボタン71が押下されたら図1のメニューを表示する。
また、図22にあるように写真と文字の処理結果サンプルを同時に表示しても良い。オペレータはこれらのサンプルの中から、目的に応じた画質の処理を選択し、情報処理ユニットBは選択された処理方法により処理された原稿をメール配信、文書蓄積、フォルダ転送する。これによりオペレータは文字部、写真部について目的に応じた画質のスキャン画像を、手間をかけずに得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の画像形成装置としてのデジタルカラー複合機を含むネットワークシステムの構成図である。
【図2】本発明の画像形成装置としてのデジタルカラー複合機を概略的に示す外観斜視図である。
【図3】本発明の画像形成装置としてのデジタルカラー複合機の各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図4】操作パネルの構成を示す平面図である。
【図5】第1の制御例を示すフロー図である。
【図6】操作パネルの第1の表示例を示す図である。
【図7】第2の制御例を示すフロー図である。
【図8】データ変換テーブルを示す図である。
【図9】第3の制御例を示すフロー図である。
【図10】元画像データの処理の過程を示す図である。
【図11】第4の制御例を示すフロー図である。
【図12】操作パネルの第2の表示例を示す図である。
【図13】操作パネルの第3の表示例を示す図である。
【図14】操作パネルの第4の表示例を示す図である。
【図15】ネットワークスキャナを含むネットワーク構成図である。
【図16】操作パネルの第5の表示例を示す図である。
【図17】トリミング画像、サンプル画像を示す図である。
【図18】文字画像と写真画像と太枠との関係を示す図である(その1)。
【図19】文字画像と写真画像と太枠との関係を示す図である(その2)。
【図20】操作パネルの第6の表示例を示す図である。
【図21】操作パネルの第7の表示例を示す図である。
【図22】操作パネルの第8の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
A 画像処理ユニット部
B 情報処理ユニット部
P 操作パネル
8 画像読取装置(画像読取手段)
31 CPU




【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取る画像読取手段を有して画像処理機能を発揮する画像処理ユニット部と、汎用のOSによって制御され、前記画像処理ユニット部が有する画像処理機能とは異なるカテゴリの機能を有する情報処理ユニット部とを備える画像形成装置において、前記情報処理ユニット部は、前記画像読取手段によって読み取られた画像を異なる解像度に縮小して画像処理を行い、画像処理の結果を操作パネルに表示する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像処理を行ったデータのサイズを計測し、画像処理の結果とデータのサイズを操作パネルに表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像の一部領域を切り出して画像処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像のうち、何かが描かれている一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像のうち、文字の存在する一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像のうち、写真の存在する一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像処理を行ったデータのうち写真の存在する一部領域を判定して切り出し、前記操作パネルに表示することを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像のうち、文字、写真の存在する一部領域を判定して切り出して画像処理を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1記載の画像形成装置において、前記制御手段は、画像処理を行ったデータのうち、文字、写真の存在する一部領域を判定して切り出し、前記操作パネルに表示することを特徴とする画像形成装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−288454(P2007−288454A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112735(P2006−112735)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】