説明

画像形成装置

【課題】長尺原稿の複写が可能な画像形成装置において、読み取り後の長尺原稿を読み取り前の巻回状態に戻すときに、先端が中心側に来るように丸まった原稿を人手で巻き直す作業を不要にする。
【解決手段】読み取り部1-40に供給された原稿1-3は原稿搬送路に対向して配置されたイメージセンサ1-5により読み取られ、排出トレイ1-4上に排出される(1-6)か、又は読み取り部1-40の背面から排出される(1-7)。長尺原稿を読み取った場合、読み取り後の原稿の先端が中心側に来るように丸まった状態となる。操作部1-1の原稿巻き戻しキーを押下し、長尺原稿を原稿台1-2へ逆送りすることにより、原稿の先端側が最外周に来るように人手で巻き戻す作業を不要にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺原稿のコピーが可能な画像形成装置に関し、詳細には、読み取り後の長尺原稿の人手による巻き直しを不要にした画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
A1版、A0版等のような長尺原稿の複写が可能な複写機として広幅機がある(特許文献1参照)。広幅機では、例えば幅841mm、副走査長が15mもある長尺原稿をコピーすることもある。このような長尺原稿はロール状に巻回されて保管されていることが多いため、コピーするときは、ロール状の原稿先端を原稿読み取り装置の原稿挿入口から挿入し、原稿読み取り装置内で原稿を搬送しつつ読み取りを行い、読み取った画像データに基づいて記録紙に画像を形成すると共に読み取り後の原稿を排出する。
【0003】
しかしながら、読み取り後に排出される原稿は、その先端側から読み取り装置内の搬送ローラ等に挟まれた状態より解放されることで、先端が中心側に来るようにロール状に丸まった状態となるため、次に同じ原稿を読み取ろうとすると、原稿の後端から読み取ることになり、同一条件で読み取ることが出来ない。また、読み取り前に巻回されていた原稿がどんな原稿かを原稿先端付近の裏面に記載しておいた場合、原稿読み取り後にその先端が中心側に来るように丸まってしまうと、この記載した箇所が中側になり、見られなくなるため、どんな原稿か判らなくなってしまう。そのため、現状では、その先端が中心側に来るように丸まった原稿を人手で巻き直すことが多々あり、この作業が煩わしい。
【特許文献1】特開平9−80828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、その目的は、長尺原稿の複写が可能な画像形成装置において、読み取り後の長尺原稿を読み取り前の巻回状態に戻すときに、先端が中心側に来るように丸まった原稿を人手で巻き直す作業を不要にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、原稿供給部から原稿排出部まで形成された原稿搬送路と、前記原稿搬送路に対向配置された原稿読み取り部と、原稿を前記原稿供給部から前記原稿排出部へ正送りする手段と、前記原稿搬送路で停止中の原稿を前記原稿供給部へ逆送りする手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記原稿のジャムを検出する手段と、該手段の出力に基づいて前記逆送りする手段を無効にする手段とを備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記原稿の搬送を停止させる指示を入力するための手段と、該指示に応じて前記原稿を前記原稿搬送路で停止させる手段とを備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記逆送りする手段を有効にする指示を入力するための手段を備えたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記原稿の読み取り完了を検知する手段と、該手段の出力に応じて前記原稿を前記原稿搬送路で停止させる手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
(作用)
請求項1記載の発明によれば、原稿搬送路で停止中の原稿を原稿供給部へ逆送りするので、長尺原稿の場合の巻き戻しをする必要が無く、操作性の効率が向上する。
請求項2記載の発明によれば、原稿がジャムにより原稿搬送路で停止中の場合は逆送りしないので、原稿搬送不可能な状態からの無駄な巻き戻しによる更なる原稿の破損を防止することが出来る。
請求項3記載の発明によれば、原稿の搬送を停止させる指示が入力されたとき、原稿を原稿搬送路で停止させ、逆送りするので、原稿搬送中の好意的な行為による停止、つまり、原稿搬送の再開が確実な状態での原稿巻き戻しが可能となる。
請求項4記載の発明によれば、原稿を逆送りする指示が入力されたとき、原稿搬送路で停止中の原稿を逆送りするので、必要な場合のみ原稿の巻き戻しが可能となる。
請求項5記載の発明によれば、原稿の読み取りが完了したとき、原稿を原稿搬送路で停止させ、逆送りするので、原稿読み取り完了後の原稿巻き戻しが容易に行える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、長尺原稿の複写が可能な画像形成装置において、読み取り後の長尺原稿を読み取り前の巻回状態に戻すときに、先端が中心側に来るように丸まった原稿を人手により巻き直す作業が不要になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の画像形成装置の概略構成図である。
【0009】
本実施形態の画像形成装置は、原稿台1-2にセットされたA4版、A3版等の定型原稿、或いは長尺原稿の読み取りが可能である。定型原稿の場合、原稿台1-2にセットすると、図示されていないセンサにより、原稿サイズが自動的に検知出来る。長尺原稿の場合、原稿の搬送路に対向して配置されたセンサ1-27にて原稿サイズが検知される。また、操作部1-1の液晶タッチパネルに表示された原稿サイズの中からユーザが原稿サイズを選択することも出来る。
【0010】
操作部1-1にて、コピーモードを設定した後、プリントキーを押すと、原稿台1-2にセットされた原稿が搬送される。読み取り部1-40に供給された原稿1-3は原稿搬送路に対向して配置されたイメージセンサ1-5により読み取られ、排出トレイ1-4上に供給される(1-6)か、又は読み取り部1-40の背面から排出される(1-7)。前者の場合は搬送ローラ1-29、1-30、1-31により搬送され、後者の場合は搬送ローラ1-29、1-30により搬送される。また、後述するように、操作部1-1の原稿戻しキーを押すことにより、搬送ローラ1-29、1-30、1-31、或いは搬送ローラ1-29、1-30を逆回転させることが出来る。これにより、ロール状に巻回されていた原稿を、搬送ローラ1-29、1-30、1-31、或いは搬送ローラ1-29、1-30を正転させることで先端から順次読み取り、読み取り終了後に搬送ローラ1-29、1-30、1-31、或いは搬送ローラ1-29、1-30を逆転させることで、読み取り後の原稿を逆送りし、原稿台1-2へ戻すことが出来る。ここで、読み取り部1-40の前面(図の左端)の原稿供給口から排出トレイ1-4、及び背面の排出口までが原稿搬送路となる。
【0011】
読み取り部に供給された原稿のサイズがセンサ1-27にて検知され、検知された原稿サイズ若しくは設定したモードにより、第1の給紙ロール1-8、第2の給紙ロール1-9、又は第3の給送ロール1-10の中から所要のロール紙が給紙される(APS機能)。また、手差しトレイ1-18よりカット紙を供給することも出来る。
【0012】
第1の給紙ロール1-8の用紙は、搬送ローラ1-11、1-16、1-19により感光体1-20に当接する位置まで搬送されるとき、搬送ローラ1-11、1-16の間のロールカッター1-14により所定の長さにカットされる。第2の給紙ロール1-9の用紙は、搬送ローラ1-12、1-16、1-19により感光体1-20に当接する位置まで搬送されるとき、搬送ローラ1-12、1-16の間のロールカッター1-14により所定の長さにカットされる。第3の給紙ロール1-10の用紙は、搬送ローラ1-13、1-17、1-16、1-19により感光体1-20に当接する位置まで搬送されるとき、搬送ローラ1-13、1-17の間のロールカッター1-15により所定の長さにカットされる。
【0013】
イメージセンサ1-5により読み込まれた画像データは、感光体1-20の回転方向と直交する方向(主走査方向)に走査されるレーザ光によって感光体1-20に書き込まれ、後述する画像処理部の画像データ選択手段(図7の7B)より出力された画像信号のライン単位の記録を行う。感光体1-20の回転速度と記録密度とに対応した所定の周期で主走査を繰り返すことにより、感光体1-20の表面上に画像(静電潜像)が形成される。図示しないが、感光体1-20のレーザ光が照射される位置に、主走査同期信号を発生するフォトセンサが配置されている。この主走査同期信号をもとに主走査方向の画像記録開始タイミングの制御、及び後述する画像信号の入出力を行うための制御信号の生成を行う。
【0014】
静電潜像は、現像ユニット1-21を通過することによってトナー像が形成され、現像される。所定の長さにカットされたロール紙には感光体1-20の回転と等速で搬送されながら、感光体1-20上のトナー像が転写される。その後、定着ユニット1-22にて画像を定着させ、排紙口切り替え部1-23により直線排紙1-25又は反転排紙1-24により排紙される。
【0015】
図2に示すように、操作部1-1は、液晶タッチパネル21、テンキー22、ユーザが使用する設定項目を設定するための初期設定キー23、モードクリアキー24、プリントキー25、クリア/ストップキー26、コピー動作として搬送している原稿を停止する原稿停止キー27、原稿を巻き戻す場合に使用する原稿巻き戻しキー28がある。液晶タッチパネル21には、図3に示すように、各モード機能キー(31〜315)、表示機能として部数(318、319)、倍率317及び画像形成装置の状態を示すメッセージ316,320などが表示されると同時に各画像形成モードを設定、解除する場合に操作するモードキーが配置されている。
【0016】
図4は、本実施形態の画像形成装置のメインコントローラ(MCU)51を中心に、制御装置のブロック図を示したものである。MCU51は画像形成装置全体を制御する。MCU51には、オペレータに対する表示、オペレータからの機能設定入力制御を行う操作部53(図1の操作部1-1に対応)、スキャナ(読み取り部1-40に対応)の制御部57、原稿画像を画像メモリに書き込む制御、画像メモリからの作像を行う制御等を行う画像処理ユニット(IPU)52、後処理制御装置である紙折り58、等の分散制御装置が接続されている。各分散制御装置とMCU51は必要に応じて機械の状態、動作司令のやりとりを行っている。また紙搬送等に必要なメインモータ、各種クラッチもI/Oボード56に接続されており、MCU51によって、制御されている。操作部53には、液晶表示部(図2の液晶タッチパネル21に対応)の制御部54、キー入力(図2の各種キー22〜28に対応)の制御部が接続されており、スキャナの制御部57には原稿サイズ検知入力59が接続されている。
【0017】
図4の画像処理ユニット(IPU)52は図5のように構成されている。原稿からの反射光をCCDイメージセンサ61(図1のイメージセンサ1-5に対応)にて光電変換することで得られた画像信号は、A/Dコンバータ62にてデジタル化される。デジタル化された画像信号は、シェーディング補正部63にてシェーディング補正を受け、画像処理部64にてフィルタ補正、変倍色データ膨張、ガンマ補正等を受ける。画像処理部64の次段の画像処理部65では、画像信号の送り先を、画像メモリコントローラ(MSU)66又は書き込みユニット610に切り替える。画像メモリコントローラ(MSU)66と画像処理部65とは、双方向に画像信号を入出力可能な構成となっている。
【0018】
図5には特に明示していないが、画像処理ユニット(IPU)52は、読み取り部から入力される画像データ以外にも外部から供給される画像データ(例えばパーソナルコンピュータ等のデータ処理装置から出力されるデータ)も処理出来るよう、複数のデータの、入出力の選択を行う機能を有している。また、画像メモリコントローラ66等への設定や、読み取り部、書き込みユニット610の制御を行うCPU67、及びそのプログラムやデータを格納するROM69、RAM68を備えている。更にCPU67は、画像メモリコントローラ66を介して、後述する画像メモリ83(図7)のデータの書き込み、読み出しが行える。さらに、前述したAPS機能611を備えている。
【0019】
図6は図5における画像処理部65の内部構成を説明するためのブロック図である。この図において、図5における画像処理部64より画像処理された画像データを読み込む時に、領域をマスクするスキャナマスク71を介して入力された画像データに対し、モードに応じた色変換を行うため、順次、色変換処理部72、色消去処理部73、画像反転処理部74にてそれぞれの処理を施され、印字合成部75にてページや、日付、特殊文字等を印字合成し、合成後の画像データを無条件に画像メモリコントローラ7A(図5の画像メモリコントローラ66)にて保存する。なお、無条件に保存する理由は後述する。印字コア76はページ印字のページを作成したり、スタンプ文字等、文字コードを取り出して印字を作成し、印字イメージデータを発生する装置である。ROM77、RAM78は印字制御に関与している。また、画像データ選択部7Bは、スキャナマスク71〜印字合成部75にて処理された画像データをスルーで画質コア7Cに出力するか、又は画像メモリコントローラ7Aからの画像データを画質コア7Cに出力するか、又はスキャナマスク71〜印字合成部75にて処理された画像データに対して、後述するMSU合成部79にて合成した画像データを画質コア7Cに出力するかを選択する。
【0020】
次に図7を用いて、図6における画像メモリコントローラ7Aの詳細を説明する。画像メモリコントローラ7Aは、1次圧縮部81及び1次伸長部82からなる1次圧縮/伸長部と、1次画像データの保存するための、バンクA84、バンクB85からなる1次記憶装置83と、2次圧縮/伸長部86と、2次記憶装置87と、伸長された登録画像の倍率を変更する変倍部88のブロックを有している。各ブロックへの制御データの設定はCPU67より行われる。1次記憶装置83と、2次記憶装置87とが画像メモリを構成している。
【0021】
1次記憶装置83は、メモリの指定した領域へのデータ書き込み、または画像出力時のメモリの指定した領域からのデータ読み出しが画像データの入力/出力時に要求されるデータ転送速度に略同期して行えるように、DRAM等の高速アクセスが可能なメモリを使用する。また、1次記憶装置83は、処理を行う画像データの大きさにより複数のエリアに分割して(この例ではバンクA,B)画像データの入出力を同時に実行可能な構成(メモリコントローラとのインターフェース部)を有している。
【0022】
2次記憶装置87は、入力された画像の合成、ソーティングを行うためにデータを保存しておく大容量のメモリであり、ここではHDD(ハードディスクドライブ)を用いている。2次記憶装置87においても、1次記憶装置83と同様に、画像入出力時に要求されるデータ転送速度に略同期してデータの書き込み/読み出しが出来る。
【0023】
次に、画像メモリコントローラ7Aの動作例を説明する。
[1]画像入力(画像メモリへの保存)
図7の前段の画像処理部65により加工された画像データ8V1は無条件にMSU合成部79に供給され、既に画像メモリに保存されているデータとの合成が行われる。MSU合成部79により処理された画像データ8V2は、1次圧縮部81によりデータ圧縮され、圧縮後のデータが1次記憶装置83に書き込まれると同時に、2次圧縮/伸長部86で更に圧縮を受けた後に2次記憶装置87に保存される。
【0024】
[2]画像出力(画像メモリからの読み出し)
図8に示すように、画像出力時は、1次記憶装置83に記憶されている画像データの読み出しを行う。出力対象となる画像データが1次記憶装置83に格納されている場合には、1次記憶装置83から読み出された画像データの伸長を1次伸長部82で行い、伸長後のデータ、若しくは伸長後のデータと入力データとの画像合成を行った後のデータを出力する。このとき、変倍部88により伸長後の画像の倍率を変更可能としている。MSU合成部79は、1次記憶装置83から読み出された画像データと、画像データ8V1との合成(画像データの位相調整機能を有する)、合成後の画像データの出力先の選択(画像出力、1次記憶装置83へのライトバック、両方の出力先への同時出力も可能)等の処理を行う。
【0025】
出力対象となる画像データが1次記憶装置83に格納されていない場合には、2次記憶装置87に格納されている出力対象画像データを2次圧縮/伸長部86で伸長し、伸長後のデータを1次記憶装置83に書き込んでから、上述の画像出力動作を行う。また、前記で説明した印字モードにおいて、任意のスタンプ用イメージはユーザが必要に応じて登録出来るように構成されている。スタンプイメージ登録モードになると、スキャナからの画像を2次記憶装置87に登録しておき、後にユーザが必要なスタンプイメージを選択すると、このスタンプイメージデータが2次記憶装置87から読み出されてMSU合成部79に送られ、原稿画像に合成される。
【0026】
本来、原稿画像1枚に対して画像形成枚数が1枚の場合は、あえて画像データを画像メモリ(1次記憶装置83、2次記憶装置87)に記憶する必要は無いが、要求する画像形成枚数が複数部の場合は、毎回スキャンする必要が無いこと、又は転写紙ジャム等が発生した場合でも、再度原稿を読み込ませる必要が無いことを考慮して、スキャンして読み込んだ画像は無条件に画像メモリに保存するようになっている。
【0027】
次に本発明の実施形態の画像形成装置において、長尺原稿を読み取る場合の動作について説明する。
図9は原稿停止キー制御のフローチャートであり、図10は原稿巻き戻しキー制御のフローチャートである。これらのフローチャートは、図3に示すメインコントローラ51の制御により実行される。
【0028】
図9に示すように、メインコントローラ51(図3)は原稿搬送中か否かを判断し(ステップS1)、搬送中の場合は(ステップS1でYES)、図2に示す原稿停止キー25が押下されたか否かを判断する(ステップS2)。ユーザが原稿停止キー25が押下すると、図3のキー入力部55→操作部53→メインコントローラ51の経路で通知される。メインコントローラ51は、原稿停止キー25の押下を検知すると、原稿停止フラグをセットした後に原稿を停止させる(ステップS3、S4)。
【0029】
原稿搬送中であり、かつ原稿停止キー25が押下されていない場合は(ステップS1でYES、S2でNO)、処理の最初に戻る。また、原稿搬送中でない場合(ステップS1でNO)は、原稿停止フラグをリセットした後に(ステップS5)、処理の最初に戻る。
【0030】
図10に示すように、メインコントローラ51は原稿搬送中か否かを判断し(ステップS11)、搬送中の場合は(ステップS11でYES)、原稿ジャムが発生したか否かを判断する(ステップS12)。原稿ジャムが発生していない場合は(ステップS12でNO)、原稿の読み取りが終了したか否かを判断し(ステップS13)。原稿の読み取りが終了していない場合は(ステップS13でNO)、原稿停止フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS14)。
【0031】
原稿停止フラグがセットされている場合(ステップS14でYES)、及び原稿読み取り終了の場合(ステップS13でYES)は、原稿巻き戻しキー26が押下されたか否かを判断し(ステップS15)、押下された場合は(ステップS15でYES)、原稿を巻き戻した後に(ステップS16)、処理の最初に戻る。
【0032】
従って、原稿搬送中ではなく、原稿ジャムの発生がなく、原稿読み取りが終了して原稿巻き戻しキー26が押下された場合、及び原稿停止キー25が押下され、さらに原稿巻き戻しキー26が押下された場合に、原稿の巻き戻しが行われる。
【0033】
本実施形態の画像形成装置は、以上のような巻き戻し機能を備えているので、原稿の読み取り終了後に巻き戻しキー26を押下することにより、原稿を巻き戻すことが出来る。したがって、例えば幅841mm、長さ15mもの長尺原稿を読み取らせ、コピーする場合にロール状に巻回された状態で保存されていた原稿の先端を原稿読み取り部1-40に挿入することにより、読み取らせ、読み取り終了後に巻き戻しキー26を押下することにより、原稿を読み取り部1-40の前面の原稿供給口まで戻す。このとき、読み取りが終了した長尺原稿は、その先端側から読み取り装置内の搬送ローラ等に挟まれた状態より解放され、後端付近は解放されていない状態であるため、先端が中心側に来るようにロール状に丸まった状態となっている。この状態で長尺原稿を逆送りし、原稿台1-2へ戻すことにより、先端側が最外周に来るように巻き戻すことが出来るため、先端が中心側に来るように丸まった原稿を人手で巻き直す作業は不要となる。
【0034】
また、原稿巻き戻しの処理としては、原稿読み取り終了後以外にも、原稿読み取り中に操作ミスに気付き、原稿停止キー25を押下し、搬送を停止させた原稿についても、再度、やり直しするために原稿巻き戻しキー26を押下することにより原稿を元の状態に戻すことが出来る。但し、停止した原稿でも、原稿ジャムにより停止した原稿は、原稿戻しキー押下により原稿戻しが可能かどうかは不明のため、原稿破損を考慮して、原稿戻しキー押下を無効にしている。また、原稿搬送中に、誤って原稿戻しキー26が押下されない様に原稿搬送中の原稿戻しキー押下も無効にしている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態の画像形成装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の画像形成装置の操作部の概略図である。
【図3】図2における液晶タッチパネルの表示例を示す図である。
【図4】本実施形態の画像形成装置の制御装置のブロック図である。
【図5】図4における画像処理ユニットのブロック図である。
【図6】図5における画像処理部の内部構成を説明するためのブロック図である。
【図7】図6における画像メモリコントローラの構成、及び画像データを画像メモリに保存する動作を説明するための図である。
【図8】画像メモリから画像データを読み出す動作を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態の画像形成装置における原稿停止キー制御のフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態の画像形成装置における原稿巻き戻しキー制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
1-2・・・原稿台、1-5・・・イメージセンサ、1-29,1-30,1-31・・・搬送ローラ、1-40・・・読み取り部、25・・・原稿停止キー、26・・・原稿巻き戻しキー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿供給部から原稿排出部まで形成された原稿搬送路と、前記原稿搬送路に対向配置された原稿読み取り部と、原稿を前記原稿供給部から前記原稿排出部へ正送りする手段と、前記原稿搬送路で停止中の原稿を前記原稿供給部へ逆送りする手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記原稿のジャムを検出する手段と、該手段の出力に基づいて前記逆送りする手段を無効にする手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記原稿の搬送を停止させる指示を入力するための手段と、該指示に応じて前記原稿を前記原稿搬送路で停止させる手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記逆送りする手段を有効にする指示を入力するための手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記原稿の読み取り完了を検知する手段と、該手段の出力に応じて前記原稿を前記原稿搬送路で停止させる手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−312199(P2007−312199A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140358(P2006−140358)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】