説明

画像形成装置

【課題】画像形成部に対する画像読取部の開閉方向と直交する方向からの外力が作用したときに、開閉部材の損傷を有効に防止することができる、画像形成装置を提供すること。
【解決手段】胴内排紙型のレーザプリンタ1において、排紙部8を幅方向に挟んで、画像形成ユニット2の上面に、左側収容ボックス12および右側収容ボックス13を設け、読取スキャナユニット3の幅方向内側面に、それらに対向する左側膨出部36および右側膨出部37を設ける。幅方向からの外力が作用しないときには、左側収容ボックス12および右側収容ボックス13は、左側膨出部36および右側膨出部37とそれぞれ間隔が隔てられており、幅方向からの外力が作用すると、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42に損傷が生じる以前に、左側膨出部36が左側収容ボックス12に当接するか、右側膨出部37が右側収容ボックス13に当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタなどの画像形成装置において、原稿に記載された画像情報を読み取るための読取スキャナユニットと、読取スキャナユニットによって読み取られた画像情報を用紙に画像形成する画像形成ユニットとを備える画像形成装置が知られている。このような画像形成装置には、複写機、ファクシミリ/ネットワーク通信機能を備えたデジタル複合機などが含まれる。
【0003】
このような画像形成装置として、読取スキャナユニットと画像形成ユニットとが上下に配置され、それらの間に画像形成後の用紙を排紙する排紙空間が形成されている胴内排紙型の画像形成装置が、省スペースを図れることから、普及している。
胴内排紙型の画像形成装置では、通常、読取スキャナユニットが、ヒンジ部材を介して、画像形成ユニットに対して開閉自在に連結されている。そのため、画像形成装置の運搬時などに、画像形成ユニットに対して読取スキャナユニットが捩れ変形することがある。
【0004】
そこで、そのような捩れ変形を防止するために、たとえば、パレット上に胴内排紙型画像形成装置を載置して、作像部と原稿読取部との間に、パレットの支柱に設けられる支持部材を介在させることが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−215183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、読取スキャナユニットと画像形成ユニットとの間に支持部材を介在させるのみでは、読取スキャナユニットと画像形成ユニットとが相対的に水平方向にずれた場合に、そのずれを有効に防止できず、ヒンジ部材が損傷するという不具合がある。
本発明の目的は、画像形成部に対する画像読取部の開閉方向と直交する方向からの外力が作用したときに、開閉部材の損傷を有効に防止することができる、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、記録媒体に画像を形成するための画像形成部と、前記画像形成部の上方に配置され、原稿の画像情報を読み取るための画像読取部と、前記画像読取部を前記画像形成部に対して開閉自在に連結する開閉部材とを備え、前記画像形成部および前記画像読取部には、前記画像形成部に対する前記画像読取部の開閉方向と直交する方向からの外力が作用したときに、前記開閉部材の損傷を防止するための当接部材が設けられており、前記当接部材は、前記画像形成部に設けられる第1当接部と、前記画像読取部に設けられる第2当接部とを備え、前記第1当接部および前記第2当接部は、前記開閉方向と直交する方向において対向配置されており、前記外力が作用しないときには、前記第1当接部と前記第2当接部とは、互いに間隔が隔てられており、前記外力が作用したときには、前記開閉部材に損傷が生じる以前に、前記第1当接部と前記第2当接部とが、互いに当接することを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記当接部材は、前記開閉方向と直交する方向に、間隔を隔ててそれぞれ設けられていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1当接部は、前記画像形成部から上方に突出するように設けられていることを特徴としている。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記第1当接部は、内部に部品を収容可能な中空形状に形成されていることを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、前記画像読取部は、前記第1当接部と、前記開閉方向と直交する方向において、対向可能な内側面を備え、前記第2当接部は、前記内側面から前記第1当接部に向かって膨出するように設けられていることを特徴としている。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記第2当接部は、前記第1当接部における、前記開閉方向および前記第1当接部と前記第2当接部との対向方向の両方向に対して直交する方向の端部に、当接可能に設けられていることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかに記載の発明において、前記画像形成部と前記画像読取部との間、かつ、間隔を隔ててそれぞれ設けられる前記当接部材よりも、前記開閉方向と直交する方向における内側に配置され、前記画像読取部の前記画像形成部に対する開度を設定するための開度設定部材を備えていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明において、前記画像形成部と前記画像読取部との間、かつ、間隔を隔ててそれぞれ設けられる前記当接部材の間に配置され、前記画像形成部で画像が形成された前記記録媒体を排出するための排出部を備えていることを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の発明において、前記画像読取部は、前記開閉方向と直交する方向において、前記画像形成部よりも突出するように形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明では、開閉方向と直交する方向からの外力が作用しないときには、第1当接部と第2当接部とが、その方向において互いに間隔を隔てて対向配置されている。そのため、画像形成部に対して画像読取部を円滑に開閉することができる。一方、その方向からの外力が作用したときには、第1当接部と第2当接部とが、開閉部材に損傷が生じる以前に互いに当接する。そのため、開閉方向と直交する方向からの外力が作用しても、当接部材によって、開閉部材の損傷を有効に防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、当接部材が、開閉方向と直交する方向に間隔を隔ててそれぞれ設けられている。そのため、開閉方向と直交する方向からの外力が作用しても、より確実に開閉部材の損傷を防止することができる。
請求項3に記載の発明では、第1当接部が画像形成部から上方に突出するように設けられている。そのため、第1当接部を確実に第2当接部に当接させることができる。その結果、開閉方向と直交する方向からの外力が作用しても、より確実に開閉部材の損傷を防止することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、第1当接部が、内部に部品を収容可能な中空形状に形成されている。そのため、すっきりとした外観を形成することができる。
請求項5に記載の発明では、開閉方向と直交する方向からの外力が作用すると、画像形成部から上方に突出する第1当接部と、画像読取部の内側面から膨出する第2当接部とが当接する。そのため、これらの確実な当接を確保することができ、開閉部材の損傷をより一層確実に防止することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明では、開閉方向と直交する方向からの外力が作用すると、第2当接部が第1当接部の端部と当接する。そのため、第1当接部では、第2当接部の当接をより確実に受け止めることができる。その結果、開閉部材の損傷を確実に防止することができる。
請求項7に記載の発明では、開度設定部材によって、画像読取部の画像形成部に対する開度を適切に調整することができる。また、開度設定部材は、当接部材よりも内側に配置されているので、当接部材によって、開度設定部材に外力が作用することを防止することができる。
【0015】
請求項8に記載の発明では、排出部が、画像形成部と画像読取部との間に配置されているので、胴内排紙を達成することができる。また、排出部は、間隔を隔ててそれぞれ設けられる当接部材の間に配置されていることから、開閉方向と直交する方向からの外力が作用しても、より確実に開閉部材の損傷を防止することができる。
請求項9に記載の発明では、画像読取部が、開閉方向と直交する方向において画像形成部よりも突出している。そのため、画像読取部は、画像形成部に対して、外力によって容易に相対移動しやすくなるが、そのような相対移動を、当接部材によって、有効に防止することができる。そのため、開閉部材の損傷を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタを前側上方から見た左側斜視図であって、読取スキャナユニットが閉位置にある状態を示す。図2は、図1に示すレーザプリンタを前側から見た左側斜視図であって、読取スキャナユニットが開位置にある状態を示す。図3は、図1に示すレーザプリンタを前側から見た右側斜視図であって、読取スキャナユニットが開位置にある状態を示す。図4は、図1に示すレーザプリンタの幅方向断面図である。図5は、図1に示すレーザプリンタのプリンタ筐体の平面図である。図6は、図1に示すレーザプリンタの原稿台の底面図である。図7は、プリンタ筐体と原稿台との相対配置を示す平面図であって、外力が作用していない状態を示す。図8は、プリンタ筐体と原稿台との相対配置を示す平面図であって、外力が作用している状態を示す。
【0017】
なお、以下の説明において、レーザプリンタにおける左右方向(以下、幅方向とする。なお、幅方向は、読取スキャナユニット3の開閉方向と直交する方向と同一方向である。)、前後方向(なお、前後方向は、読取スキャナユニット3の開閉方向、および、左脚部34と左側膨出部36との対向方向(または右脚部35と右側膨出部37との対向方向)の両方向に対して直交する方向と同一方向である。)および上下方向は、図1の紙面右上に示した方向矢印を基準とする。
1.レーザプリンタの構成
このレーザプリンタ1は、複合機であって、図1に示すように、画像形成部としての画像形成ユニット2と、画像形成ユニット2の上方に配置され、画像形成ユニット2に対して開閉自在に設けられる画像読取部としての読取スキャナユニット3とを備えている。
(1)画像形成ユニット
画像形成ユニット2は、前後方向にやや長手の略直方体形状に形成されている。画像形成ユニット2は、プリンタ筐体4と、プリンタ筐体4内に収容されるフィーダ部5および画像形成部6とを備えている。
(1−1)プリンタ筐体
プリンタ筐体4は、樹脂からなり、画像形成ユニット2の外郭を形成し、前後方向にやや長手の略直方体形状に形成されている。具体的には、プリンタ筐体4の幅方向両側面および前後方向両側面は、鉛直面であり、プリンタ筐体4の上面および底面は、水平面である。
【0018】
プリンタ筐体4は、その上端部に脚受部7を備えている。
脚受部7は、樹脂からなり、図2および図3に示すように、画像形成部6の上方に配置され、プリンタ筐体4の左端部、右端部および後端部に連続して、中央上面に対して上方へ突出するように形成されている。つまり、脚受部7は、平面視において後側へ凹む略U字状の凸条として形成されている(図5参照)。また、脚受部7の上面は、水平方向に沿う平坦面として形成されている。
【0019】
具体的には、脚受部7は、プリンタ筐体4の左端部に配置される左脚受部9と、プリンタ筐体4の右端部に配置される右脚受部10と、プリンタ筐体4の後端部に配置される後脚受部11とを一体的に備えている。
左脚受部9および右脚受部10は、排出部の一例としての排紙部8(後述)を挟んで幅方向に間隔を隔てて対向配置されている。左脚受部9および右脚受部10は、前後方向に長手の略直方体形状に形成されている。左脚受部9および右脚受部10の前端部は、プリンタ筐体4の前端部に対して後方に配置されている。左脚受部9および右脚受部10の各前側端面は、上端から下端へ向かってなだらかに傾斜して、プリンタ筐体4の前端部の上面に連続している。また、図1に示すように、左脚受部9および右脚受部10の各幅方向外側面は、下端から上端へ向かってなだらかに幅方向外側へ反るように形成されている。左脚受部9および右脚受部10の各幅方向内側面は、鉛直面として形成されている。
【0020】
後脚受部11は、図2および図3に示すように、幅方向に長手の略直方体形状に形成されている。後脚受部11の上面は、左脚受部9および右脚受部10の各上面よりも一段低く形成されている。
左脚受部9および右脚受部10の各上面の幅方向外側位置には、幅方向からの外力が作用したときに、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を防止するための当接部材である、第1当接部の一例としての左側収容ボックス12および右側収容ボックス13がそれぞれ設けられている。
【0021】
左側収容ボックス12は、樹脂からなり、左脚受部9の後側位置に配置されている。左側収容ボックス12は、前後方向に長手かつ幅広の平面視略矩形状をなし、左脚受部9の上面から原稿台31(後述)の下面の途中まで上方に突出するボックス形状に形成されている(図4参照)。左側収容ボックス12は、左脚受部9と一体的に形成されており、つまり、左側収容ボックス12の形成位置には、左脚受部9が形成されておらず、左側収容ボックス12の内部は、下方に開放される中空形状に形成されている。この左側収容ボックス12には、図4に示すように、部品の一例として、読取スキャナユニット3を制御するためのドライバ基板14が収容されている。具体的には、ドライバ基板14は、薄板形状をなし、その上端部が左側収容ボックス12の内部に収容されるように、上下方向に沿って配置されている。このドライバ基板14は、図示しないが、プリンタ筐体4の内部で固定されている。
【0022】
右側収容ボックス13は、樹脂からなり、図2および図3に示すように、右脚受部10の上面において、前端から後端にわたって前後方向に沿って配置されている。右側収容ボックス13は、前後方向に長手かつ幅狭の平面視略矩形状をなし、右脚受部10の上面から原稿台31(後述)の下面の途中まで上方に突出するボックス形状に形成されている(図4参照)。右側収容ボックス13は、右脚受部10と一体的に形成されており、つまり、右側収容ボックス13の形成位置には、右脚受部10が形成されておらず、右側収容ボックス13の内部は、下方に開放される中空形状に形成されている。この右側収容ボックス13には、図4に示すように、部品の一例として、ワイヤレスLANを制御するためのLAN基板15が収容されている。具体的には、LAN基板15は、薄板形状をなし、その上端部が右側収容ボックス13の内部に収容されるように、上下方向に沿って配置されている。このLAN基板15は、図示しないが、プリンタ筐体4の内部で固定されている。
【0023】
なお、プリンタ筐体4の内部には、鋼板からなるフレーム27が設けられている。ドライバ基板14およびLAN基板15は、フレーム27よりも上方において、固定されている。これによって、LAN基板15に対して送受信される電波が、鋼板からなるフレーム27によって妨害されることを防止している。
また、左脚受部9および右脚受部10の前側位置には、図2および図3に示すように、位置決めボス16と、ダンパ支持板17とが設けられている。
【0024】
位置決めボス16は、左脚受部9および右脚受部10の前側位置であって、幅方向外側に配置されている。左脚受部9に配置される左側の位置決めボス16は、左側収容ボックス12の前方において、左脚受部9の上面に設けられている。左側の位置決めボス16は、上方へ突出する略半球体形状の中空形状に形成されている。左側の位置決めボス16の上端には、ロック穴18が形成されている。右脚受部10に配置される右側の位置決めボス16は、右側収容ボックス13の前端部において、右側収容ボックス13の上面に設けられている。右側の位置決めボス16は、上方へ突出する略円柱形状の中空形状に形成されている。左側の位置決めボス16の上端には、ロック穴18が形成されている。
【0025】
ダンパ支持板17は、左脚受部9および右脚受部10の前側位置であって、位置決めボス16の幅方向内側に配置されている。ダンパ支持板17は、側面視略矩形状の薄板から形成されている。ダンパ支持板17には、肉厚方向に貫通し、前後方向に沿って側面視略円弧状に延びるガイド溝19が形成されている。
後脚受部11の上面には、読取スキャナユニット3を画像形成ユニット2に対して開閉自在に連結するための開閉部材に含まれるプリンタ側ヒンジ部材20が設けられている。
【0026】
プリンタ側ヒンジ部材20は、後脚受部11の上面に、幅方向に間隔を隔てて2つ設けられている。プリンタ側ヒンジ部材20は、後脚受部11の上面から上方に向かって突出するように設けられている。プリンタ側ヒンジ部材20には、揺動軸44(後述)を回転自在に支持する挿通孔(図示せず)が、幅方向を貫通するように形成されている。
また、後脚受部11の前側面には、正面視において幅方向に長手の略矩形状の排紙口21が形成されている。排紙口21には、図示しない排紙ローラが設けられている。
【0027】
また、後脚受部11の後端部には、画像形成ユニット2と読取スキャナユニット3とを連結するワイヤーハーネス(図示せず)を収容するプリンタ側ハーネス収容部22が設けられている。
また、プリンタ筐体4の上方には、排出部としての排紙部8が形成されている。排紙部8は、平面視においては、後側へ凹む脚受部7に囲まれる空間、正面視においては、幅方向において対向配置される左脚受部9および右脚受部10に挟まれる空間として区画されている。排紙部8において露出されるプリンタ筐体4の中央上面は、排紙された記録媒体としての用紙が積層される排紙トレイ23とされている。
【0028】
排紙トレイ23は、プリンタ筐体4の中央上面の前端部から、後側斜め下方へなだらかに窪む湾曲面として形成されている。排紙トレイ23は、その最深部(後端部)において、排紙口21より下方の後脚受部11の前側面に連続している。
排紙トレイ23上には、後述する画像形成部6で画像が形成された用紙が、回転駆動される排紙ローラ(図示せず)によって、排紙口21を介して、後側から前側へ向けて排紙される。
【0029】
プリンタ筐体4の幅方向両側面の下端部には、運搬用把持部26が形成されている。運搬用把持部26は、前後方向略中央において、プリンタ筐体4の幅方向両側面の下端縁を、上方へ向けて側面視略逆U字状に切欠かくようにして、形成されている。
また、プリンタ筐体4の前面には、図1に示すように、上から順に、第1カバー24と第2カバー25とが開閉自在に設けられている。第1カバー24を開くと画像形成部6が前側へ露出され、第2カバー25を開くとフィーダ部5が前側へ露出される。
(1−2)フィーダ部
フィーダ部5は、プリンタ筐体4内の下部に配置され、用紙が積層状態で収納されている。フィーダ部5では、用紙が1枚毎に捌かれて画像形成部6へ向けて給紙される。なお、第2カバー25を開いてフィーダ部5を露出させることで、用紙をフィーダ部5に補給することができる。
(1−3)画像形成部
画像形成部6は、プリンタ筐体4内において、フィーダ部5の上方に配置されている。画像形成部6には、読取スキャナユニット3からの画像情報が入力される。そして、画像形成部6では、フィーダ部5から給紙された用紙に、その画像情報に基づく画像が形成される。
(2)読取スキャナユニット
読取スキャナユニット3は、図1に示すように、画像形成ユニット2よりも幅方向に突出する長手の略直方体形状に形成されている。読取スキャナユニット3は、原稿台31と、原稿台31に開閉自在に支持される原稿押さえカバー32とを備えている。
(2−1)原稿台
原稿台31は、平面視矩形状の厚板状に形成されており、その幅方向両端部は、画像形成ユニット2よりも幅方向外側にそれぞれ位置している。
【0030】
原稿台31は、図6に示すように、その下端部に脚部33を備えている。
脚部33は、原稿台31の左端部および右端部に連続して、中央下面に対して下方へ突出するように形成されている。つまり、脚部33は、底面視において原稿台31の中央下面を挟んで対向配置されている。また、脚部33の下面は、水平方向に沿う平坦面として形成されている。
【0031】
具体的には、脚部33は、原稿台31の左端部に配置される左脚部34と、原稿台31の右端部に配置される右脚部35とを備えている。
左脚部34および右脚部35は、排紙部8を挟んで幅方向に間隔を隔てて対向配置されている。左脚部34および右脚部35は、前後方向に長手の略直方体形状をなし、平面視において幅方向内側に開放される略U字状に形成されている。
【0032】
左脚部34および右脚部35の前端部は、その前後方向中間部に対して幅方向内側に屈曲している。左脚部34および右脚部35の各前側端面は、上端から下端へ向かって前方へ傾斜して、左脚受部9および右脚受部10の各前側端面に連続している(図1参照)。
左脚部34および右脚部35の後端部は、その前後方向中間部に対して幅方向内側に屈曲している。左脚部34および右脚部35の各後側端面は、上端から下端へ向かって前方へ傾斜して、後脚受部11の後側端面に連続している。
【0033】
また、左脚部34および右脚部35の各幅方向外側面は、上端から下端へ向かってなだらかに幅方向内側へ傾斜して、左脚受部9および右脚受部10の各幅方向外側面に連続している(図1参照)。左脚部34および右脚部35の各幅方向内側面は、平坦状の鉛直面として形成されている。左脚部34および右脚部35の各幅方向内側面は、読取スキャナユニット3が閉位置にあるときには、左側収容ボックス12および右側収容ボックス13が、幅方向内側に間隔を隔ててそれぞれ対向する(図7参照)。
【0034】
左脚部34および右脚部35の各幅方向内側面には、当接部材である第2当接部の一例としての左側膨出部36および右側膨出部37がそれぞれ設けられている。
左側膨出部36は、左脚部34の幅方向内側面における前後方向やや後側に配置されている。左側膨出部36は、側面視略矩形状に形成され(図3参照)、左脚部34の幅方向内側面から、幅方向内側に向かって底面視平坦状に膨出するように、形成されている。
【0035】
左側膨出部36には、図7に示すように、読取スキャナユニット3が閉位置にあるときには、左側収容ボックス12が、幅方向内側に間隔を隔てて対向配置される。
具体的には、左側膨出部36の右側面は、平坦状に形成されており、その右側面と左側収容ボックス12の左側面との間隔は、左脚部34の幅方向内側面と左側収容ボックス12の左側面との間隔よりも狭く、たとえば、約1.5mmの間隔として設定されている。また、左側膨出部36は、その前端部から前後方向やや後側までの部分において、左側収容ボックス12の後端部と対向し、左側膨出部36の後端部は、左側収容ボックス12の後端部よりも後方に位置する。
【0036】
右側膨出部37は、図6に示すように、左側膨出部36と幅方向において対向するように、右脚部35の幅方向内側面における前後方向やや後側に配置されている。右側膨出部37は、左側膨出部36よりも前後方向にやや長手の側面視略矩形状に形成され(図2参照)、右脚部35の幅方向内側面から、幅方向内側に向かって底面視平坦状に膨出するように、形成されている。
【0037】
右側膨出部37には、図7に示すように、読取スキャナユニット3が閉位置にあるときには、右側収容ボックス13が、幅方向内側に間隔を隔てて対向配置される。
具体的には、右側膨出部37の左側面は、平坦状に形成されており、その左側面と右側収容ボックス13の右側面との間隔は、右脚部35の幅方向内側面と右側収容ボックス13の右側面との間隔よりも狭く、たとえば、約1.5mmの間隔として設定されている。また、右側膨出部37は、その前端部から後端部までの前後方向すべての部分において、右側収容ボックス13の後端部と対向する。
【0038】
また、原稿台31は、図1に示すように、その前端面に、開閉用把持部38を備えている。開閉用把持部38は、原稿台31から水平方向に沿って前方へ突出し、幅方向に長手の側面視略三角形状に形成されている。具体的には、開閉用把持部38は、左脚部34および右脚部35の上方において、それらの間にわたって架設されるように設けられている。開閉用把持部38の上面は、原稿台31の前端面の上端から前側斜め下方に延出され、その底面は、原稿台31の前端面の下端から水平方向に沿って前方へ延出され、その上面の前端縁に連続している。
【0039】
また、開閉用把持部38の上面には、操作部39が設けられている。操作部39は、複数の操作ボタン40および表示画面41を備えている。操作ボタン40には、ユーザからの操作が入力され、表示画面41には、レーザプリンタ1の動作状況が表示される。
また、原稿台31の後端部の底面には、図6に示すように、開閉部材に含まれるスキャナ側ヒンジ部材42が設けられている。スキャナ側ヒンジ部材42は、左脚部34および右脚部35の後端部よりも幅方向内側に対向配置されている。
【0040】
スキャナ側ヒンジ部材42は、原稿台31の底面に、プリンタ側ヒンジ部材20と上下方向において対向するように、幅方向に間隔を隔てて2つ設けられている。スキャナ側ヒンジ部材42は、原稿台31の底面から下方に向かって突出する1対の揺動板43と、揺動板43の間に架設される揺動軸44とを備えている。1対の揺動板43は、図2および図3に示すように、プリンタ側ヒンジ部材20を幅方向に挟む間隔を隔てて対向配置されている。揺動軸44は、プリンタ側ヒンジ部材20の挿通孔に挿通され、プリンタ側ヒンジ部材20に回転自在に支持されている。
【0041】
これによって、プリンタ側ヒンジ部材20とスキャナ側ヒンジ部材42とは、画像形成ユニット2と読取スキャナユニット3との間に配置され、読取スキャナユニット3を画像形成ユニット2に対して開閉自在に連結している。
また、原稿台31の後端部には、図6に示すように、画像形成ユニット2と読取スキャナユニット3とを連結するワイヤーハーネス(図示せず)を収容するスキャナ側ハーネス収容部45が設けられている。
【0042】
また、原稿台31の底面の前側位置には、位置決め凹部46と、ダンパ回転支持部47とが設けられている。
位置決め凹部46は、原稿台31の底面に、位置決めボス16と上下方向において対向するように、幅方向に間隔を隔てて2つ設けられている。位置決め凹部46は、左脚部34および右脚部35の前後方向中間部よりも幅方向内側であって、かつ、左脚部34および右脚部35の前端部よりもやや後側に配置されている。
【0043】
位置決め凹部46は、位置決めボス16を収容可能な大きさで、原稿台31の底面から上方に窪むように、形成されている。位置決め凹部46には、その最深部(上端部)から下方へ突出する位置決め突起48が設けられている。位置決め突起48は、位置決めボス16のロック穴18よりもやや大きく形成されている。
ダンパ回転支持部47は、原稿台31の底面に、ダンパ支持板17と上下方向において対向するように、幅方向に間隔を隔てて2つ設けられている。ダンパ回転支持部47は、位置決め凹部46よりも幅方向内側かつ斜め後側に配置されている。ダンパ回転支持部47は、原稿台31の底面から下方に突出し、幅方向に沿って挿通されるダンパ軸49が回転自在に支持されている。
【0044】
そして、画像形成ユニット2と読取スキャナユニット3との間には、読取スキャナユニット3の画像形成ユニット2に対する開度を設定するための開度設定部材としてのダンパ50が設けられている。ダンパ50は、図2および図3に示すように、排紙部8を挟んで幅方向に間隔を隔てて2つ設けられている。ダンパ50は、その上端部がダンパ回転支持部47に連結され、その下端部がダンパ支持板17に連結されている。
【0045】
具体的には、ダンパ50は、上下方向に長手の杆状に形成されている。ダンパ50の上端部には、ダンパ回転支持部47のダンパ軸49が回転自在に挿通されている。ダンパ50の下端部には、幅方向内側に突出する係合部51が設けられている。係合部51は、ダンパ支持板17のガイド溝19にスライド自在に嵌合している。
また、ダンパ50の下端部には、引張コイルバネからなるばね55が連結されている。ばね55の一端はダンパ50の下端部に連結されている。また、ばね55の他端が左側受部9の上面または右側受部10の上面に連結されている。これによって、ダンパ50の下端部は、ばね55によって、常には後方へ付勢されている。
【0046】
ダンパ50は、画像形成ユニット2に対する読取スキャナユニット3の開閉により、その上端部がダンパ軸49を支点として揺動されるとともに、下端部の係合部51がガイド溝19に沿って前後方向にスライドする。そして、画像形成ユニット2に対して読取スキャナユニット3を開放したときに、係合部51がガイド溝19の後端部に当接することで、読取スキャナユニット3のそれ以上の開放が規制される。
【0047】
また、原稿台31には、その上面に、原稿が載置されるガラス面56(図4参照)が形成されている。原稿台31の内部には、原稿の画像情報を読取るためのCCDセンサ(図示せず)や、そのCCDセンサをガラス面56と対向するように走査させる走査モータ(図示せず)が設けられている。ガラス面56に載置された原稿は、CCDセンサによって画像情報として読み取られ、画像形成部6に出力される。
(2−2)原稿押さえカバー
原稿押さえカバー32は、図1に示すように、平面視矩形状の薄板状に形成されている。原稿押さえカバー32の下面は、原稿台31の平面形状とほぼ等しく形成されている。原稿押さえカバー32は、その後端部がヒンジ(図示せず)を介して原稿台31の後端部に揺動自在に支持されている。
【0048】
原稿押さえカバー32の前端部には、幅方向略中央部分において、後方へ向けて窪むカバー把持部52が形成されている。カバー把持部52を把持して、原稿押さえカバー32を、その後端部を支点として上下方向に揺動させることができる。これによって、原稿押さえカバー32は、原稿台31のガラス面56を被覆する位置と、ガラス面56を開放する位置との間で揺動される。ガラス面56に載置された原稿の画像情報を読み取るときには、原稿台31のガラス面56が被覆され、原稿を載置しまたは除去するときには、原稿台31のガラス面56が開放される。
【0049】
原稿押さえカバー32の上面には、左半分部分において、原稿の画像情報を自動的に読み取るためのADF(オート・ドキュメント・フィーダ)装置53が設けられている。このADF装置53には、原稿搬送ローラ(図示せず)、原稿搬送モータ(図示せず)および原稿検知センサ(図示せず)が内蔵されている。
また、ADF装置53の右側端部には、待機原稿トレイ54が備えられており、その上面に原稿が積層状にセットされる。
【0050】
また、ADF装置53の右側面には、待機原稿トレイ54の上側において、原稿をADF装置53内に取り込むための原稿取込口(図示せず)が形成されている。また、ADF装置53の右側面には、待機原稿トレイ54の下側において、原稿をADF装置53から排紙するための原稿排出口(図示せず)が形成されている。
(2−3)読取スキャナユニットでの原稿読取
読取スキャナユニット3では、下記の2つの方法により原稿を読み取ることができる。
(通常読取)
カバー把持部52を把持して、原稿押さえカバー32を上方へ揺動させて原稿台31のガラス面56を開放する。そして、ガラス面56に原稿を載置し、再度、原稿押さえカバー32を下方へ揺動させて原稿台31のガラス面56を被覆する。
【0051】
その後、操作部39の操作ボタン40を操作すれば、走査モータが駆動される。走査モータの駆動力によって、CCDセンサが、ガラス面56に載置されている原稿と対向状態で、たとえば、左側から右側へ向けて走査され、原稿の画像情報が読み取られる。
なお、原稿の画像情報の読み取り終了後には、原稿台31のガラス面56を再度開放して原稿を除去する。
(自動読取)
複数の原稿を待機原稿トレイ54にセットする。すると、原稿検知センサが、原稿のセットを検知して、CCDセンサが自動原稿読取位置(図示せず)で固定される。そして、操作部39の操作ボタン40を操作すれば、原稿搬送モータが駆動される。原稿搬送モータが駆動されると、原稿搬送ローラが回転され、原稿が、原稿搬送ローラによって、原稿取込口からADF装置53内に取り込まれる。そして、CCDセンサと対向したときに、そのCCDセンサによって原稿の画像情報が読み取られる。画像情報が読み取られた原稿は、原稿排出口から排紙され、原稿押さえカバー32の上面に積層される。
(3)画像形成ユニットに対する読取スキャナユニットの開閉
(3−1)開放動作
開閉用把持部38を把持して、画像形成ユニット2に対して読取スキャナユニット3を開放すると、図2および図3に示すように、読取スキャナユニット3は、後端部に設けられているプリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42を支点として、前端部が上方に揺動する。
【0052】
すると、画像形成ユニット2の脚受部7から、読取スキャナユニット3の脚部33が離間する。具体的には、左側受部9から左脚部34が離間し、右側受部10から右脚部35が離間する。
このとき、ダンパ50に対するばね55の付勢力によって、読取スキャナユニット3を容易に開放することができる。
【0053】
そして、ダンパ50の係合部51がガイド溝19の後端部に当接すると、読取スキャナユニット3の画像形成ユニット2に対する、それ以上の開放が規制される。
これによって、読取スキャナユニット3は開位置に配置され、画像形成ユニット2と読取スキャナユニット3との間に配置されている排紙部8が上方に開放される。排紙部8に排紙された用紙の取り出しが容易となる。
【0054】
読取スキャナユニット3の開位置は、ダンパ50に対するばね55による付勢力によって、保持される。
(3−2)閉鎖動作
開閉用把持部38を把持して、画像形成ユニット2に対して読取スキャナユニット3を閉鎖すると、読取スキャナユニット3は、後端部に設けられているプリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42を支点として、前端部が下方に揺動する。すると、ダンパ50の係合部51がガイド溝19に沿って前方へスライドして、図1に示すように、画像形成ユニット2の脚受部7に、読取スキャナユニット3の脚部33が当接する。具体的には、左側受部9に左脚部34が当接し、右側受部10に右脚部35が当接する。
【0055】
このとき、読取スキャナユニット3が閉鎖されるに従って、ばね55が伸張して、ばね55のダンパ50に対する付勢力が大きくなるので、読取スキャナユニット3を滑らかに閉鎖することができる。
これによって、読取スキャナユニット3は閉位置に配置され、排紙部8の上方が読取スキャナユニット3によって被覆される。また、原稿台31は、略水平方向に配置される。
【0056】
読取スキャナユニット3が閉位置に配置されると、図7に示すように、左側膨出部36が、左側収容ボックス12の後端部と、幅方向にわずかな間隔を隔てて対向する。また、右側膨出部37が、右側収容ボックス13の後端部と、幅方向にわずかな間隔を隔てて対向する。
また、左脚受部9および右脚受部10の位置決めボス16が、対応する位置決め凹部46内に収容される一方、位置決め凹部46の位置決め突起48がロック穴18を貫通して位置決めボス16内に圧入される。これによって、読取スキャナユニット3は、閉位置でロックされる。このロックによって、原稿押さえカバー32を上下方向に揺動させるときに、読取スキャナユニット3の不用意な揺動が防止される。開閉用把持部38を把持して、読取スキャナユニット3を開放するときには、上方向きに外力が作用されるので、位置決め突起48の位置決めボス16内への圧入が解除される。
2.本実施形態の作用効果
(1)このレーザプリンタ1では、読取スキャナユニット3が閉位置にあるときに、図7に示すように、幅方向からの外力が作用しないときには、左側膨出部36が、左側収容ボックス12の後端部と、幅方向にわずかな間隔を隔てて対向する。また、右側膨出部37が、右側収容ボックス13の後端部と、幅方向にわずかな間隔を隔てて対向する。そのため、画像形成ユニット2に対して読取スキャナユニット3を円滑に開放することができる。
【0057】
一方、幅方向からの外力が作用したとき、たとえば、図8に示すように、読取スキャナユニット3に対して左側から右側に向かって外力が作用したときには、読取スキャナユニット3が画像形成ユニット2に対して右側へ相対移動しようとする。すると、左側膨出部36が、左側収容ボックス12の後端部と当接する。これによって、読取スキャナユニット3の画像形成ユニット2に対するそれ以上の右側への移動が阻止される。そのため、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の変形が防止される。
【0058】
つまり、このレーザプリンタ1では、幅方向からの外力が作用したときに、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42が永久変形する以前に、左側収容ボックス12に対して左側膨出部36が、また、右側収容ボックス13に対して右側膨出部37が、それぞれ当接可能な間隔を隔てて配置されている。ただし、この配置は、外力の除去により、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42が復元可能な変形は、許容している。
【0059】
そのため、このレーザプリンタ1では、幅方向からの外力が作用しても、左側収容ボックス12および左側膨出部36、または、右側収容ボックス13および右側膨出部37によって、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を有効に防止することができる。
(2)また、このレーザプリンタ1では、幅方向において、左側に、左側収容ボックス12および左側膨出部36が配置され、右側に、右側収容ボックス13および右側膨出部37が配置されている。そのため、左側から右側に向かって外力が作用したときには、左側膨出部36の左側収容ボックス12に対する当接により、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を防止することができる。また、右側から左側に向かって外力が作用したときには、右側膨出部37の右側収容ボックス13に対する当接により、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を防止することができる。そのため、左側および右側のいずれの方向から外力が作用しても、より確実にプリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を防止することができる。
(3)また、左側収容ボックス12は、左脚受部9の上面から原稿台31の下面の途中まで上方に突出するように設けられている。また、右側収容ボックス13は、右脚受部10の上面から原稿台31の下面の途中まで上方に突出するように設けられている。そのため、左側収容ボックス12および右側収容ボックス13を、左側膨出部36および右側膨出部37に、それぞれ確実に当接させることができる。その結果、幅方向からの外力が作用しても、より確実にプリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を防止することができる。
(4)具体的には、幅方向からの外力が作用すると、左脚受部9の上面から突出する左側収容ボックス12が、左脚部34の幅方向内側面から膨出する左側膨出部36と当接するか、または、右脚受部10の上面から突出する右側収容ボックス13が、右脚部35の幅方向内側面から膨出する右側膨出部37と当接する。そのため、これらの確実な当接を確保することができ、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷をより一層確実に防止することができる。
(5)さらに具体的には、幅方向からの外力が作用すると、左側膨出部36の右側面が、左側収容ボックス12の後端部の左側面と当接するか、あるいは、右側膨出部37の左側面が、右側収容ボックス13の後端部の右側面と当接する。左側収容ボックス12の後端部および右側収容ボックス13の後端部は、前後方向中間部に比べて厚肉に形成されている。そのため、左側収容ボックス12の後端部または右側収容ボックス13の後端部では、左側膨出部36または右側膨出部37の当接をより確実に受け止めることができる。その結果、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を確実に防止することができる。
(6)また、左側収容ボックス12は、中空形状に形成されており、その内部に、ドライバ基板14を収容している。また、右側収容ボックス13は、中空形状に形成されており、その内部に、LAN基板15を収容している。そのため、すっきりとした外観を形成することができる。
(7)また、このレーザプリンタ1では、ダンパ50によって、読取スキャナユニット3の画像形成ユニット2に対する開度を適切に調整することができる。また、ダンパ50は、左側収容ボックス12および右側収容ボックス13よりも、幅方向内側にそれぞれ配置されているので、左側収容ボックス12および右側収容ボックス13が障害となって、ダンパ50に幅方向からの外力が作用することを防止することができる。
(8)また、このレーザプリンタ1では、排紙部8が、画像形成ユニット2と読取スキャナユニット3との間に配置されているので、胴内排紙を達成することができる。また、排紙部8は、幅方向に間隔を隔てて設けられている左側収容ボックス12および右側収容ボックス13の間に配置されていることから、幅方向からの外力が作用しても、その排紙部8の後側に配置されているプリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を、より確実に防止することができる。
(9)また、このレーザプリンタ1では、読取スキャナユニット3が、画像形成ユニット2よりも幅方向に突出している。そのため、読取スキャナユニット3は、画像形成ユニット2に対して、外力によって容易に相対移動しやすくなるが、そのような相対移動を、左側膨出部36の左側収容ボックス12に対する当接、または、右側膨出部37の右側収容ボックス13に対する当接によって、有効に防止することができる。そのため、プリンタ側ヒンジ部材20およびスキャナ側ヒンジ部材42の損傷を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の画像形成装置としてのレーザプリンタを前側上方から見た左側斜視図であって、読取スキャナユニットが閉位置にある状態を示す。
【図2】図1に示すレーザプリンタを前側から見た左側斜視図であって、読取スキャナユニットが開位置にある状態を示す。
【図3】図1に示すレーザプリンタを前側から見た右側斜視図であって、読取スキャナユニットが開位置にある状態を示す。
【図4】図1に示すレーザプリンタの幅方向断面図である。
【図5】図1に示すレーザプリンタのプリンタ筐体の平面図である。
【図6】図1に示すレーザプリンタの原稿台の底面図である。
【図7】プリンタ筐体と原稿台との相対配置を示す平面図であって、外力が作用していない状態を示す。
【図8】プリンタ筐体と原稿台との相対配置を示す平面図であって、外力が作用している状態を示す。
【符号の説明】
【0061】
1 レーザプリンタ
2 画像形成ユニット
3 読取スキャナユニット
8 排紙部
12 左側収容ボックス
13 右側収容ボックス
14 ドライバ基板
15 LAN基板
20 プリンタ側ヒンジ部材
34 左脚部
35 右脚部
36 左側膨出部
37 右側膨出部
42 スキャナ側ヒンジ部材
50 ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成するための画像形成部と、前記画像形成部の上方に配置され、原稿の画像情報を読み取るための画像読取部と、前記画像読取部を前記画像形成部に対して開閉自在に連結する開閉部材とを備え、
前記画像形成部および前記画像読取部には、前記画像形成部に対する前記画像読取部の開閉方向と直交する方向からの外力が作用したときに、前記開閉部材の損傷を防止するための当接部材が設けられており、
前記当接部材は、前記画像形成部に設けられる第1当接部と、前記画像読取部に設けられる第2当接部とを備え、
前記第1当接部および前記第2当接部は、前記開閉方向と直交する方向において対向配置されており、
前記外力が作用しないときには、前記第1当接部と前記第2当接部とは、互いに間隔が隔てられており、
前記外力が作用したときには、前記開閉部材に損傷が生じる以前に、前記第1当接部と前記第2当接部とが、互いに当接することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記当接部材は、前記開閉方向と直交する方向に、間隔を隔ててそれぞれ設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1当接部は、前記画像形成部から上方に突出するように設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1当接部は、内部に部品を収容可能な中空形状に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像読取部は、前記第1当接部と、前記開閉方向と直交する方向において、対向可能な内側面を備え、
前記第2当接部は、前記内側面から前記第1当接部に向かって膨出するように設けられていることを特徴とする、請求項3または4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第2当接部は、前記第1当接部における、前記開閉方向および前記第1当接部と前記第2当接部との対向方向の両方向に対して直交する方向の端部に、当接可能に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成部と前記画像読取部との間、かつ、間隔を隔ててそれぞれ設けられる前記当接部材よりも、前記開閉方向と直交する方向における内側に配置され、前記画像読取部の前記画像形成部に対する開度を設定するための開度設定部材を備えていることを特徴とする、請求項2ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成部と前記画像読取部との間、かつ、間隔を隔ててそれぞれ設けられる前記当接部材の間に配置され、前記画像形成部で画像が形成された前記記録媒体を排出するための排出部を備えていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像読取部は、前記開閉方向と直交する方向において、前記画像形成部よりも突出するように形成されていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−152122(P2008−152122A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341506(P2006−341506)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】