画像形成装置
【課題】用紙搬送路上のセンサの検知結果で、第2の給紙機構から給紙された用紙の引き止め検知、引き抜き検知を行い、第1の給紙機構からの用紙で印字を行ったことを通知することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第2の給紙機構30から給紙された用紙の搬送路の上流側に前記用紙の有無を検知する第1のセンサ33と、下流側に第2のセンサ34を有し、用紙ピックアップ時に、第1の給紙機構から給紙された用紙と前記第2の給紙機構から給紙された用紙を共通のピックアップ機構17で分離する分離機構を有する画像形成装置において、前記センサの検知結果から、前記第2の給紙機構でユーザによって用紙が引き止められた、若しくは、用紙が引き抜かれたことを判断する用紙異常検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【解決手段】第2の給紙機構30から給紙された用紙の搬送路の上流側に前記用紙の有無を検知する第1のセンサ33と、下流側に第2のセンサ34を有し、用紙ピックアップ時に、第1の給紙機構から給紙された用紙と前記第2の給紙機構から給紙された用紙を共通のピックアップ機構17で分離する分離機構を有する画像形成装置において、前記センサの検知結果から、前記第2の給紙機構でユーザによって用紙が引き止められた、若しくは、用紙が引き抜かれたことを判断する用紙異常検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に手差し給紙機構を有するカラー複写機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9で、画像形成装置としてのレーザープリンタ全体の構成について説明する。
【0003】
なお、以下の説明では、第1ステーション、第2ステーション、第3ステーション、第4ステーションをそれぞれ、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(K)色のトナー画像形成用のステーションとしている。
【0004】
(画像形成部)
第1ステーションでは、1aは像担持体としての有機光導電体層(以下、「OPC」という)感光体ドラムである。感光体ドラム1aは金属円筒上に感光して電荷を生成するキャリア生成層、発生した電荷を輸送する電荷輸送層などからなる機能性有機材料が複数層積層されたものであり、最外層は電気的導電性が低くほぼ絶縁である。帯電手段として帯電ローラ2aが感光体ドラムに当接され、感光体ドラムの回転にともない、従動回転しなから感光体ドラム表面を均一に帯電する。帯電ローラには直流電圧もしくは交流電圧を重畳した電圧が印加され、帯電ローラと感光体ドラム表面の当接ニップ部から上下流側の微小な空気ギャップで放電が発生することにより感光体ドラムは帯電される。クリーニングユニット3aは、感光体ドラム1a上の転写残トナーをクリーニングし、現像手段としての現像ユニット8aは、現像ローラ4a、非磁性一成分現像剤5a、現像剤塗布ブレード7aからなる。そして、上述の1a〜8aは、画像形成装置から着脱自在な一体型のプロセスカートリッジ9aとなっている。
【0005】
11aは露光手段であり、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニット又はLEDアレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光体ドラム1a上に照射する。
【0006】
また、帯電ローラ2a、現像ローラ4a、一次転写ローラ81aのそれぞれは、帯電バイアス電源20a、現像バイアス電源21a、一次転写バイアス電源84aに接続されている。
【0007】
以上が第1ステーションの構成であり、第2、第3、第4ステーションも同様の構成をしており、同一の番号の添え字がb、c、dとなっている。
【0008】
中間転写ベルト80は、その張架部材として二次転写対向ローラ86、駆動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることにより中間転写ベルト80は感光体ドラム1a〜1dに対して順方向に略同速度で移動する。
【0009】
また、中間転写ベルト80は、矢印方向に回転し、一次転写ローラ81aは中間転写ベルト80をはさんで感光体ドラム1aと反対側に配置されている。
【0010】
また、一次転写ローラ81aの中間転写ベルト80回転方向の下流側には除電部材23aが配置されている。駆動ローラ14、テンションローラ15及び除電部材23a、二次転写対向ローラ86は電気的に接地されている。
【0011】
像担持体としての感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面にOPCを塗布して構成したものである。感光体ドラム1はその両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に図示しない駆動モータから駆動力を伝達することにより、図のように反時計回りに回転駆動される。
【0012】
各帯電手段2は、ローラ状に形成された導電性のローラで、これを感光体ドラム1表面に当接させると共に、図示しない電源によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させるものである。
【0013】
露光手段11はポリゴンミラーを有し、このポリゴンミラーには図示しないレーザーダイオードから画像信号に対応する画像光が照射される。
【0014】
現像手段4は、トナー収納部や感光体表面に隣接し、図示しない駆動部により回転駆動されると共に、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印可することにより現像を行う現像ローラ等から構成される。
【0015】
また、中間転写ベルト80の内側には、4個の感光体ドラム1a〜1dに対向して、中間転写ベルト80に当接する一次転写ローラ81a〜81dがそれぞれ併設されている。これら一次転写ローラ81a〜81dは一次転写バイアス電源84a〜84dに接続され、そのローラから正極性の電荷が感光体ドラム1に接触中の中間転写ベルト80に付加され、ドラム上の負極性の各色トナー像が順次転写され、多色画像が形成される。
【0016】
(給送部)
本体カセット16からの用紙に画像形成する際には、カセットピックアップローラ17を駆動させることによって、本体カセット底板29が上昇し、本体カセット16内に設置されたシートPを押し上げる。押し上げられたシートPの最上の一枚が、ピックアップローラ17と当接し、ローラの回転により、一枚ずつシートが分離給送され、レジストローラ18により、二次転写位置である二次転写対向ローラ82と中間転写ベルト80の当接部に搬送される。
【0017】
(シート搬送詳細)
給送部16、30より給送されたシートは、レジストローラ18によって二次転写部に搬送する。
【0018】
二次転写部を構成する用紙担持体としての中間転写ベルト80は、二次転写対向ローラ86、駆動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラで張架支持され、すべての感光体ドラム1a〜1dに対向して配設されている。中間転写ベルト80は、感光体ドラム1に対向する外周面にトナーを静電吸着させるべく、駆動ローラ14によって循環移動する。これにより中間転写ベルト80の外周に多色画像が形成され、ベルト上に形成された画像は二次転写位置である二次転写ローラ82と中間転写ベルト80の当接部まで搬送される。
【0019】
シートの搬送に際しては、前記二次転写ローラ82に電圧を印加することで、対向している設置された二次転写対向ローラ86に電界を形成し、中間転写ベルト80及びシートの間に誘電分極を発生させて両者に静電吸着力を生じさせるようになっている。
【0020】
(定着部)
定着手段19は、シート上に形成した画像に熱及び圧力を加えてトナー像を定着させるものであり、図示しない定着ベルトと図示しない弾性加圧ローラとを有している。弾性加圧ローラは定着ベルトを挟み、図示しないベルトガイド部材と所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部を形成している。
【0021】
定着ニップ部が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートが定着ニップ部の定着ベルトと弾性加圧ローラとの間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入される。そして、定着ニップ部において画像面が定着ベルトの外面に密着して定着ベルトと一緒に定着ニップ部を挟持搬送されていく。
【0022】
この定着ニップ部を定着ベルトと一緒にシートが挟持搬送されていく過程において、定着ベルトで加熱され、シート上の未定着トナー画像が加熱定着される。
【0023】
この種の画像形成装置においては、カセット給紙機構上部に手差し給紙機構を備えるものが知られている。以下に手差し給紙機構から印字を行う場合について、図10と図11を用いて説明する。
【0024】
手差しトレイから用紙を給紙して印字を行う場合には、図11のS100でセンサ1によって手差しトレイに手差し用紙がセットされていることを検知する。手差しトレイにシートがセットされていると、S101で搬送ローラ1によって手差し用紙を給送する(図10の(a))。次に、S102で手差しトレイからの印字命令があった場合、S103でセンサ2がONであれば、搬送ローラ1と搬送ローラ2によって手差し用紙を搬送する。次に、S104でセンサ2が手差し用紙の先端を検知してから所定時間又は所定ステップ搬送を行うことで、S105で手差し用紙をピックアップローラの直下まで搬送する(図10の(b))。そして、搬送されたシートの先端がそのローラの直下に到達したところで、ローラを駆動させることによって、給紙カセットの底板が上昇し、給紙カセット内にカセット用紙が設置されていれば、給紙カセット内に設置されたカセット用紙を押し上げる。押し上げられたカセット用紙の最上の一枚、又は給紙カセット底板が、搬送された手差し用紙を押し上げピックアップローラと当接し、ピックアップローラの回転により、用紙が分離給送される。そして、レジストローラにより二次転写位置である二次転写ローラと中間転写ベルトの当接部に搬送され、S106で転写、定着を行い、機外に用紙を排出する(図10の(c))。
【0025】
いくつかの文献に上述のような従来の技術に関連した技術内容が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平9−86690号公報
【特許文献2】特開平11−165891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかし、上記のような、給紙カセット機構と手差し給紙機構が共通の用紙搬送路を有し、共通のピックアップローラで用紙を分離する機構で、ピックアップソレノイドを引いた時に給紙カセットの底板を上げる画像形成装置の場合、以下の問題が発生する。
【0027】
(手差し用紙の引き止め/引き抜き検知ができない)
図12の(b)に示すように、手差しトレイ上の手差し用紙に印字予約が入った際に、ユーザが手差し用紙を持ったままの場合、若しくは、ユーザが手差し用紙を引き抜いた場合、手差し用紙は搬送されないものの、給紙カセットの底板が上昇する。次に図12の(c)に示すように、押し上げられたカセット用紙の最上の一枚がピックアップローラと当接し、ピックアップローラの回転により、カセット用紙が給送され、転写、定着を経て何事もなかったかのように印字動作を終了してしまう。これはユーザが意図しない用紙に印字を行ったことになる。また、ユーザにエラーを通知する手段がないため、ユーザは給紙カセットの用紙で印字を行ってしまったことを知ることができない。
【0028】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、用紙搬送路上のセンサの検知結果で、手差しトレイから給紙された用紙の引き止め検知、引き抜き検知を行い、給紙カセットからの用紙で印字を行ったことを通知することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、上述の目的を達成するため以下の構成を備えるものである。
【0030】
第1の給紙機構と第2の給紙機構を有し、前記第2の給紙機構から給紙された用紙の搬送路に前記用紙の有無を検知する第1のセンサと、前記搬送路に前記用紙の有無を検知する第2のセンサを有し、前記第1の給紙機構と前記第2の給紙機構とから給紙される用紙を搬送する共通の搬送路を有し、前記共通の搬送路に前記用紙をピックアップするピックアップ機構を有する画像形成装置において、前記第1と第2のセンサの検知結果から、前記第2の給紙機構によって給紙された用紙が引き止められた、若しくは、引き抜かれたことを判断する用紙異常検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0031】
本出願の請求項1から3の発明によれば、手差しトレイからの印字開始後に用紙が引き止められ、引き抜かれて、給紙カセットの用紙で印字を行った場合、ユーザに給紙カセットの用紙で印字を行ったことを通知し、ユーザビリティを向上させることができる。
【0032】
また、本出願にかかる請求項1から5の発明によれば、無駄な画像形成、用紙への無駄な印字を防止することができ、ベルト汚れを防止し、無駄なトナー消費を防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0034】
図3は、画像形成装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。コントローラ部201は、ホストコンピュータ200、エンジン制御部203と相互に通信が可能となっている。コントローラ部は、ホストコンピュータから画像情報と印字命令を受け取り、その画像情報を解析してビットデータに変換し、ビデオインターフェイス部210を介して、転写材毎に印字予約コマンド、印字開始コマンド、ビデオ信号をエンジン制御部に送出する。またコントローラ部はエンジン制御部に対して、片面印字あるいは両面印字か、フルカラーモードかモノカラーモードかという情報、ノーマルやグロス,厚紙等の転写材種類の情報、転写材を給紙する給紙カセット口情報を送出する。そしてコントローラ部は、手紙やA3、A4等の転写材サイズをプリント開始時に送出し、その後前記情報を変更する場合に、再度新しい情報をエンジン制御部203に送出する。
【0035】
コントローラ部201は、エンジン制御部203へ、ホストコンピュータ200からの印字命令に従って印字予約コマンドを送信し、印字可能な状態となったタイミングで、エンジン制御部203へ印字開始コマンドを送信する。また、この時、コントローラ部は、ホストコンピュータからの指示に基づいて、排紙オプション制御部202へ排紙制御オプションの使用に関する指示、給紙オプション制御部204へ給紙制御オプションの使用に関する指示を送出する。さらに、手差し制御部218の使用に関する指示も送出する。
【0036】
エンジン制御部203は、コントローラ部201からの印字予約コマンドの順に印字の実行準備を行い、コントローラ部201からの印字開始コマンドを待つ。エンジン制御部203は、印字指示を受信すると、コントローラ部201に、ビデオ信号の出力の基準タイミングとなる/TOP信号を出力し、印字予約コマンドに従って印字動作を開始する。また、エンジン制御部は、レジストローラで待機している用紙が再給紙されるタイミングとなる/TOPR信号を出力する。そして、コントローラ部は、/TOPR信号が”TRUE”になった時点で、給紙オプション制御部を介して給紙オプション入力装置に対して、再給紙指示を行う。
【0037】
エンジン制御部203のCPU211の用紙引き止め検知部300は、センサ情報記憶部302の情報を元に用紙引き止め検知を行う。同様に、用紙引き抜き検知部301も、前記センサ情報記憶部302の情報を元に用紙引き抜き検知を行う。前記センサ情報記憶部は、手差し用紙有無センサ101と手差し用紙先端検知センサ102の情報(検知結果)を記憶する。エラー報知処理部303は、前記用紙引き止め検知部300と前記用紙引き抜き検知部301の判断結果を元に、エラーを報知する。
【0038】
カセット/手差しの給紙機構が共通の用紙搬送路を有し、用紙を共通のピックアップローラ(給紙ローラ)で分離する分離機構を有する画像形成装置で、用紙の引き止め、引き抜き検知を用紙ピックアップ時と排紙時に行う場合について、図1、2により説明する。
【0039】
まず、手差しトレイに用紙を置く。次に、S200でセンサ1がONになったかどうかを判定する。センサ1は搬送路の上流側に設置されている。センサ1がONであるならば、S201に進み、センサ1が1度ONになったことを記憶し、搬送ローラ1を回し搬送可能な位置まで用紙を引き込む。次にS202に進み、手差し用紙に対する印字命令があるかどうかを判断する。もし手差し用紙に対する印字命令があれば、S203に進み、搬送ローラ2を回し、用紙を図1のBの位置まで引き込む。次にS204に進み、センサ2がONになったかどうかを判定する。センサ2がONにならない場合、S206に進み、ピックアップ開始タイミングになってもセンサ2がONにならない場合は、S209でエラーフラグ1立てる。(図1のBC間)。S204でセンサ2がONの場合は、S205に進み、センサ2が1度ONになったことを記憶する。S207でピックアップ開始タイミングになったら、用紙ピックアップを行い、給紙カセットから用紙が給紙され、転写、定着を行う。次にS210で排紙終了判断を行う。もし排紙終了ならばS211に進み、JAMが発生したかどうかを判断する。JAMが発生していた場合は、S212でJAM報知を行う。S211でJAMが発生していない場合は、S213に進み、センサ2がONであるか、エラーフラグ1が立っている場合は、手差しトレイの用紙搬送路上に手差し用紙が残っている(紙詰まり)と判断してS214に進み、手差しトレイ用紙のJAM報知を行う。
【0040】
以上、図1に示すように用紙のピックアップ時と用紙の排紙時に、センサ2の論理を参照することにより、ユーザによる手差し給紙口の用紙の引き止め、あるいは引き抜きの検出が可能となる。そして、この際、手差し用紙のJAM検知を報知することで、ユーザに給紙カセットからの用紙で印字を行ったことを報知することが可能になる。
【実施例2】
【0041】
本実施例では、実施例1と同様の構成の画像形成装置において、用紙の引き止め検知、引き抜き検知を用紙ピックアップ時と用紙排紙時に加え、プリント時にも行う場合について、図4と図5を用いて説明する。
【0042】
まず、手差しトレイに用紙を置く。次に、S300でセンサ1がONになったかどうかを判定する。センサ1がONであるならば、S301に進み、センサ1が1度ONになったことを記憶し、搬送ローラ1を回し用紙を引き込む。次にS302に進み、手差し用紙に対する印字命令があるかどうかを判断する。もし手差し用紙に対する印字命令があれば、S303に進み、搬送ローラ2を回し、用紙を図4のBの位置まで引き込む。次にS304に進み、センサ2がONになったかどうかを判定する。センサ2がONにならない場合、S306に進み、ピックアップ開始タイミングになってもセンサ2がONにならない場合は、S307でエラーフラグ1立てる。(図4のBC間)。この後、給紙カセットから用紙が給紙され転写、定着を行う。S304でセンサ2がONになった場合は、S305に進み、センサ2がONになった履歴を残す。次にS308に進み、センサ2の記憶値がONで現在のセンサ2の値がOFF(オフ)であるかを判断し、その場合はS309に進み、センサ1の記憶値がONであるかを判断し、ONの場合はS310に進みエラーフラグ3をONにする(図4のCE間)。S308でセンサ2の記憶値がONで現在のセンサ2の値がONの場合は、S311に進み、センサ1の記憶値がONで現在のセンサ1の値がOFFである場合は、S312に進む。センサ2の記憶値がONで現在のセンサ2の値がOFFの場合は、引き抜きが発生していないことを意味している。ここで、S308からS313までの処理は図4のBC間とCE間で行っているものとする。
【0043】
ここで、図6の正常時と引き抜き時のセンサ1とセンサ2の動作について説明する。
【0044】
図6の(a)は、用紙ピックアップまでにユーザによる引き抜きが発生しない場合のセンサ1とセンサ2の論理変化順序を示したものである。図中のT1〜T5の意味は以下の通りである。
【0045】
T1:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ1を通過するタイミング
T2:手差しトレイ上の用紙に印字命令が入るタイミング
T3:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ2を通過するタイミング
T4:手差しトレイ上の用紙後端がセンサ1を通過するタイミング
T5:手差しトレイ上の用紙後端がセンサ2を通過するタイミング
手差しトレイ上の用紙がユーザに引き抜かれることなく正常に印字が行われる場合は、T4でセンサ1がOFFになり、次にT5でセンサ2がOFFになる。
【0046】
図6の(b)は、用紙ピックアップまでにユーザによる用紙引き抜きが発生し、用紙が機外まで引き抜かれた場合のセンサ1とセンサ2の論理変化順序を示したものである。図中のT1´〜T5´の意味は以下の通り。
【0047】
T1´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ1を通過するタイミング
T2´:手差しトレイ上の用紙に印字命令が入るタイミング
T3´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ2を通過するタイミング
T4´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ2を通過するタイミング
T5´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ1を通過するタイミング
手差しトレイ上の用紙がユーザによって機外に引き抜かれ、給紙カセットの用紙に印字が行われる場合は、センサ2のON履歴情報がONの状態で、T4´でセンサ2がOFFになり、センサ1のON履歴情報がONの状態でT5´でセンサ1がOFFになる。
【0048】
この後、S313でピックアップタイミングになると、用紙ピックアップを行い、給紙カセットから用紙が給紙され、転写、定着を行う。次に、S316で用紙の排紙が終了すると、S317に進み、JAM発生判断を行う。JAMが発生していた場合は、S318でJAMを報知する。JAMが発生していなかった場合は、S319に進み、センサ2がONであるか、エラーフラグ1がONであるかを判断する。どれか一つでもONであった場合は、S320に進み、手差しトレイでJAMが発生していることを報知する。S319でエラーが発生していなかった場合は、S321に進み、エラーフラグ3がONであるかどうかを判断する。エラーフラグ3がONであった場合は、ユーザに用紙が引き抜かれたことを意味しているので、S322でミスプリントを報知する。
【0049】
以上、図4のように用紙のピックアップ時と排紙時に、センサ1とセンサ2の論理を参照し、プリント時にも各センサの論理を参照することで、手差し用紙のJAM、ミスプリントと、ユーザによる引き抜き検知を行うことができる。また、給紙カセットからの用紙で印字を行ったことをユーザに報知することが可能になる。
【実施例3】
【0050】
本実施例では、実施例1、2と同様の構成の画像形成装置において、ユーザに手差し用紙を引き止められた、若しくは、抜かれた場合に、画像形成と給紙を行わない場合ついて、図7と図8を用いて説明する。
【0051】
まず、S400で実施例1や実施例2に示すような方法で、手差しトレイにおける手差し用紙のエラー(異常)を検知した場合、S401に進み、前記エラー検知(用紙異常検知)タイミングが画像形成の途中かどうかの判断を行う。もし画像形成中であった場合は、S402で画像形成中止処理を行い、ベルト上にトナーを付着させないようにする。次に、S403で前記エラー検知タイミングがカセット給紙前かどうかの判断を行う。もしカセット給紙以前であった場合は、S404に進み、給紙停止処理を行う。
【0052】
このように、手差しトレイにおける手差し用紙のエラーを検知した場合、そのエラー検知タイミングによって画像形成中止処理とカセット給紙中止処理を行うことにより、余分な画像形成と余分な給紙を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図2】実施例1の画像形成装置を説明するためのフローチャート
【図3】実施例1の画像形成装置のシステム構成を説明するためのブロック図
【図4】実施例2の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図5】実施例2の画像形成装置を説明するためのフローチャート
【図6】実施例2の画像形成装置のセンサの論理変化を示す図
【図7】実施例3の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図8】実施例3の画像形成装置を説明するためのフローチャート
【図9】従来の画像形成装置の構成を示す図
【図10】従来の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図11】従来の画像形成装置の用紙の流れを示すフローチャート
【図12】従来の画像形成装置の給紙時に手差し用紙を引き抜いた状態を示す図
【符号の説明】
【0054】
16 給紙カセット(第1の給紙機構に対応)
17 ピックアップローラ(ピックアップ機構に対応)
29 ピックアップ板
30 手差しトレイ(第2の給紙機構に対応)
31 搬送ローラ1
32 搬送ローラ2
33 センサ1(第1のセンサに対応)
34 センサ2(第2のセンサに対応)
P カセット用紙
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に手差し給紙機構を有するカラー複写機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9で、画像形成装置としてのレーザープリンタ全体の構成について説明する。
【0003】
なお、以下の説明では、第1ステーション、第2ステーション、第3ステーション、第4ステーションをそれぞれ、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(K)色のトナー画像形成用のステーションとしている。
【0004】
(画像形成部)
第1ステーションでは、1aは像担持体としての有機光導電体層(以下、「OPC」という)感光体ドラムである。感光体ドラム1aは金属円筒上に感光して電荷を生成するキャリア生成層、発生した電荷を輸送する電荷輸送層などからなる機能性有機材料が複数層積層されたものであり、最外層は電気的導電性が低くほぼ絶縁である。帯電手段として帯電ローラ2aが感光体ドラムに当接され、感光体ドラムの回転にともない、従動回転しなから感光体ドラム表面を均一に帯電する。帯電ローラには直流電圧もしくは交流電圧を重畳した電圧が印加され、帯電ローラと感光体ドラム表面の当接ニップ部から上下流側の微小な空気ギャップで放電が発生することにより感光体ドラムは帯電される。クリーニングユニット3aは、感光体ドラム1a上の転写残トナーをクリーニングし、現像手段としての現像ユニット8aは、現像ローラ4a、非磁性一成分現像剤5a、現像剤塗布ブレード7aからなる。そして、上述の1a〜8aは、画像形成装置から着脱自在な一体型のプロセスカートリッジ9aとなっている。
【0005】
11aは露光手段であり、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニット又はLEDアレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光体ドラム1a上に照射する。
【0006】
また、帯電ローラ2a、現像ローラ4a、一次転写ローラ81aのそれぞれは、帯電バイアス電源20a、現像バイアス電源21a、一次転写バイアス電源84aに接続されている。
【0007】
以上が第1ステーションの構成であり、第2、第3、第4ステーションも同様の構成をしており、同一の番号の添え字がb、c、dとなっている。
【0008】
中間転写ベルト80は、その張架部材として二次転写対向ローラ86、駆動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラにより支持されており、適当なテンションが維持されるようになっている。駆動ローラ14を駆動させることにより中間転写ベルト80は感光体ドラム1a〜1dに対して順方向に略同速度で移動する。
【0009】
また、中間転写ベルト80は、矢印方向に回転し、一次転写ローラ81aは中間転写ベルト80をはさんで感光体ドラム1aと反対側に配置されている。
【0010】
また、一次転写ローラ81aの中間転写ベルト80回転方向の下流側には除電部材23aが配置されている。駆動ローラ14、テンションローラ15及び除電部材23a、二次転写対向ローラ86は電気的に接地されている。
【0011】
像担持体としての感光体ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面にOPCを塗布して構成したものである。感光体ドラム1はその両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に図示しない駆動モータから駆動力を伝達することにより、図のように反時計回りに回転駆動される。
【0012】
各帯電手段2は、ローラ状に形成された導電性のローラで、これを感光体ドラム1表面に当接させると共に、図示しない電源によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1表面を一様に帯電させるものである。
【0013】
露光手段11はポリゴンミラーを有し、このポリゴンミラーには図示しないレーザーダイオードから画像信号に対応する画像光が照射される。
【0014】
現像手段4は、トナー収納部や感光体表面に隣接し、図示しない駆動部により回転駆動されると共に、図示しない現像バイアス電源により現像バイアス電圧を印可することにより現像を行う現像ローラ等から構成される。
【0015】
また、中間転写ベルト80の内側には、4個の感光体ドラム1a〜1dに対向して、中間転写ベルト80に当接する一次転写ローラ81a〜81dがそれぞれ併設されている。これら一次転写ローラ81a〜81dは一次転写バイアス電源84a〜84dに接続され、そのローラから正極性の電荷が感光体ドラム1に接触中の中間転写ベルト80に付加され、ドラム上の負極性の各色トナー像が順次転写され、多色画像が形成される。
【0016】
(給送部)
本体カセット16からの用紙に画像形成する際には、カセットピックアップローラ17を駆動させることによって、本体カセット底板29が上昇し、本体カセット16内に設置されたシートPを押し上げる。押し上げられたシートPの最上の一枚が、ピックアップローラ17と当接し、ローラの回転により、一枚ずつシートが分離給送され、レジストローラ18により、二次転写位置である二次転写対向ローラ82と中間転写ベルト80の当接部に搬送される。
【0017】
(シート搬送詳細)
給送部16、30より給送されたシートは、レジストローラ18によって二次転写部に搬送する。
【0018】
二次転写部を構成する用紙担持体としての中間転写ベルト80は、二次転写対向ローラ86、駆動ローラ14、テンションローラ15の3本のローラで張架支持され、すべての感光体ドラム1a〜1dに対向して配設されている。中間転写ベルト80は、感光体ドラム1に対向する外周面にトナーを静電吸着させるべく、駆動ローラ14によって循環移動する。これにより中間転写ベルト80の外周に多色画像が形成され、ベルト上に形成された画像は二次転写位置である二次転写ローラ82と中間転写ベルト80の当接部まで搬送される。
【0019】
シートの搬送に際しては、前記二次転写ローラ82に電圧を印加することで、対向している設置された二次転写対向ローラ86に電界を形成し、中間転写ベルト80及びシートの間に誘電分極を発生させて両者に静電吸着力を生じさせるようになっている。
【0020】
(定着部)
定着手段19は、シート上に形成した画像に熱及び圧力を加えてトナー像を定着させるものであり、図示しない定着ベルトと図示しない弾性加圧ローラとを有している。弾性加圧ローラは定着ベルトを挟み、図示しないベルトガイド部材と所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部を形成している。
【0021】
定着ニップ部が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートが定着ニップ部の定着ベルトと弾性加圧ローラとの間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入される。そして、定着ニップ部において画像面が定着ベルトの外面に密着して定着ベルトと一緒に定着ニップ部を挟持搬送されていく。
【0022】
この定着ニップ部を定着ベルトと一緒にシートが挟持搬送されていく過程において、定着ベルトで加熱され、シート上の未定着トナー画像が加熱定着される。
【0023】
この種の画像形成装置においては、カセット給紙機構上部に手差し給紙機構を備えるものが知られている。以下に手差し給紙機構から印字を行う場合について、図10と図11を用いて説明する。
【0024】
手差しトレイから用紙を給紙して印字を行う場合には、図11のS100でセンサ1によって手差しトレイに手差し用紙がセットされていることを検知する。手差しトレイにシートがセットされていると、S101で搬送ローラ1によって手差し用紙を給送する(図10の(a))。次に、S102で手差しトレイからの印字命令があった場合、S103でセンサ2がONであれば、搬送ローラ1と搬送ローラ2によって手差し用紙を搬送する。次に、S104でセンサ2が手差し用紙の先端を検知してから所定時間又は所定ステップ搬送を行うことで、S105で手差し用紙をピックアップローラの直下まで搬送する(図10の(b))。そして、搬送されたシートの先端がそのローラの直下に到達したところで、ローラを駆動させることによって、給紙カセットの底板が上昇し、給紙カセット内にカセット用紙が設置されていれば、給紙カセット内に設置されたカセット用紙を押し上げる。押し上げられたカセット用紙の最上の一枚、又は給紙カセット底板が、搬送された手差し用紙を押し上げピックアップローラと当接し、ピックアップローラの回転により、用紙が分離給送される。そして、レジストローラにより二次転写位置である二次転写ローラと中間転写ベルトの当接部に搬送され、S106で転写、定着を行い、機外に用紙を排出する(図10の(c))。
【0025】
いくつかの文献に上述のような従来の技術に関連した技術内容が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開平9−86690号公報
【特許文献2】特開平11−165891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかし、上記のような、給紙カセット機構と手差し給紙機構が共通の用紙搬送路を有し、共通のピックアップローラで用紙を分離する機構で、ピックアップソレノイドを引いた時に給紙カセットの底板を上げる画像形成装置の場合、以下の問題が発生する。
【0027】
(手差し用紙の引き止め/引き抜き検知ができない)
図12の(b)に示すように、手差しトレイ上の手差し用紙に印字予約が入った際に、ユーザが手差し用紙を持ったままの場合、若しくは、ユーザが手差し用紙を引き抜いた場合、手差し用紙は搬送されないものの、給紙カセットの底板が上昇する。次に図12の(c)に示すように、押し上げられたカセット用紙の最上の一枚がピックアップローラと当接し、ピックアップローラの回転により、カセット用紙が給送され、転写、定着を経て何事もなかったかのように印字動作を終了してしまう。これはユーザが意図しない用紙に印字を行ったことになる。また、ユーザにエラーを通知する手段がないため、ユーザは給紙カセットの用紙で印字を行ってしまったことを知ることができない。
【0028】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、用紙搬送路上のセンサの検知結果で、手差しトレイから給紙された用紙の引き止め検知、引き抜き検知を行い、給紙カセットからの用紙で印字を行ったことを通知することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、上述の目的を達成するため以下の構成を備えるものである。
【0030】
第1の給紙機構と第2の給紙機構を有し、前記第2の給紙機構から給紙された用紙の搬送路に前記用紙の有無を検知する第1のセンサと、前記搬送路に前記用紙の有無を検知する第2のセンサを有し、前記第1の給紙機構と前記第2の給紙機構とから給紙される用紙を搬送する共通の搬送路を有し、前記共通の搬送路に前記用紙をピックアップするピックアップ機構を有する画像形成装置において、前記第1と第2のセンサの検知結果から、前記第2の給紙機構によって給紙された用紙が引き止められた、若しくは、引き抜かれたことを判断する用紙異常検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0031】
本出願の請求項1から3の発明によれば、手差しトレイからの印字開始後に用紙が引き止められ、引き抜かれて、給紙カセットの用紙で印字を行った場合、ユーザに給紙カセットの用紙で印字を行ったことを通知し、ユーザビリティを向上させることができる。
【0032】
また、本出願にかかる請求項1から5の発明によれば、無駄な画像形成、用紙への無駄な印字を防止することができ、ベルト汚れを防止し、無駄なトナー消費を防止することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0034】
図3は、画像形成装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。コントローラ部201は、ホストコンピュータ200、エンジン制御部203と相互に通信が可能となっている。コントローラ部は、ホストコンピュータから画像情報と印字命令を受け取り、その画像情報を解析してビットデータに変換し、ビデオインターフェイス部210を介して、転写材毎に印字予約コマンド、印字開始コマンド、ビデオ信号をエンジン制御部に送出する。またコントローラ部はエンジン制御部に対して、片面印字あるいは両面印字か、フルカラーモードかモノカラーモードかという情報、ノーマルやグロス,厚紙等の転写材種類の情報、転写材を給紙する給紙カセット口情報を送出する。そしてコントローラ部は、手紙やA3、A4等の転写材サイズをプリント開始時に送出し、その後前記情報を変更する場合に、再度新しい情報をエンジン制御部203に送出する。
【0035】
コントローラ部201は、エンジン制御部203へ、ホストコンピュータ200からの印字命令に従って印字予約コマンドを送信し、印字可能な状態となったタイミングで、エンジン制御部203へ印字開始コマンドを送信する。また、この時、コントローラ部は、ホストコンピュータからの指示に基づいて、排紙オプション制御部202へ排紙制御オプションの使用に関する指示、給紙オプション制御部204へ給紙制御オプションの使用に関する指示を送出する。さらに、手差し制御部218の使用に関する指示も送出する。
【0036】
エンジン制御部203は、コントローラ部201からの印字予約コマンドの順に印字の実行準備を行い、コントローラ部201からの印字開始コマンドを待つ。エンジン制御部203は、印字指示を受信すると、コントローラ部201に、ビデオ信号の出力の基準タイミングとなる/TOP信号を出力し、印字予約コマンドに従って印字動作を開始する。また、エンジン制御部は、レジストローラで待機している用紙が再給紙されるタイミングとなる/TOPR信号を出力する。そして、コントローラ部は、/TOPR信号が”TRUE”になった時点で、給紙オプション制御部を介して給紙オプション入力装置に対して、再給紙指示を行う。
【0037】
エンジン制御部203のCPU211の用紙引き止め検知部300は、センサ情報記憶部302の情報を元に用紙引き止め検知を行う。同様に、用紙引き抜き検知部301も、前記センサ情報記憶部302の情報を元に用紙引き抜き検知を行う。前記センサ情報記憶部は、手差し用紙有無センサ101と手差し用紙先端検知センサ102の情報(検知結果)を記憶する。エラー報知処理部303は、前記用紙引き止め検知部300と前記用紙引き抜き検知部301の判断結果を元に、エラーを報知する。
【0038】
カセット/手差しの給紙機構が共通の用紙搬送路を有し、用紙を共通のピックアップローラ(給紙ローラ)で分離する分離機構を有する画像形成装置で、用紙の引き止め、引き抜き検知を用紙ピックアップ時と排紙時に行う場合について、図1、2により説明する。
【0039】
まず、手差しトレイに用紙を置く。次に、S200でセンサ1がONになったかどうかを判定する。センサ1は搬送路の上流側に設置されている。センサ1がONであるならば、S201に進み、センサ1が1度ONになったことを記憶し、搬送ローラ1を回し搬送可能な位置まで用紙を引き込む。次にS202に進み、手差し用紙に対する印字命令があるかどうかを判断する。もし手差し用紙に対する印字命令があれば、S203に進み、搬送ローラ2を回し、用紙を図1のBの位置まで引き込む。次にS204に進み、センサ2がONになったかどうかを判定する。センサ2がONにならない場合、S206に進み、ピックアップ開始タイミングになってもセンサ2がONにならない場合は、S209でエラーフラグ1立てる。(図1のBC間)。S204でセンサ2がONの場合は、S205に進み、センサ2が1度ONになったことを記憶する。S207でピックアップ開始タイミングになったら、用紙ピックアップを行い、給紙カセットから用紙が給紙され、転写、定着を行う。次にS210で排紙終了判断を行う。もし排紙終了ならばS211に進み、JAMが発生したかどうかを判断する。JAMが発生していた場合は、S212でJAM報知を行う。S211でJAMが発生していない場合は、S213に進み、センサ2がONであるか、エラーフラグ1が立っている場合は、手差しトレイの用紙搬送路上に手差し用紙が残っている(紙詰まり)と判断してS214に進み、手差しトレイ用紙のJAM報知を行う。
【0040】
以上、図1に示すように用紙のピックアップ時と用紙の排紙時に、センサ2の論理を参照することにより、ユーザによる手差し給紙口の用紙の引き止め、あるいは引き抜きの検出が可能となる。そして、この際、手差し用紙のJAM検知を報知することで、ユーザに給紙カセットからの用紙で印字を行ったことを報知することが可能になる。
【実施例2】
【0041】
本実施例では、実施例1と同様の構成の画像形成装置において、用紙の引き止め検知、引き抜き検知を用紙ピックアップ時と用紙排紙時に加え、プリント時にも行う場合について、図4と図5を用いて説明する。
【0042】
まず、手差しトレイに用紙を置く。次に、S300でセンサ1がONになったかどうかを判定する。センサ1がONであるならば、S301に進み、センサ1が1度ONになったことを記憶し、搬送ローラ1を回し用紙を引き込む。次にS302に進み、手差し用紙に対する印字命令があるかどうかを判断する。もし手差し用紙に対する印字命令があれば、S303に進み、搬送ローラ2を回し、用紙を図4のBの位置まで引き込む。次にS304に進み、センサ2がONになったかどうかを判定する。センサ2がONにならない場合、S306に進み、ピックアップ開始タイミングになってもセンサ2がONにならない場合は、S307でエラーフラグ1立てる。(図4のBC間)。この後、給紙カセットから用紙が給紙され転写、定着を行う。S304でセンサ2がONになった場合は、S305に進み、センサ2がONになった履歴を残す。次にS308に進み、センサ2の記憶値がONで現在のセンサ2の値がOFF(オフ)であるかを判断し、その場合はS309に進み、センサ1の記憶値がONであるかを判断し、ONの場合はS310に進みエラーフラグ3をONにする(図4のCE間)。S308でセンサ2の記憶値がONで現在のセンサ2の値がONの場合は、S311に進み、センサ1の記憶値がONで現在のセンサ1の値がOFFである場合は、S312に進む。センサ2の記憶値がONで現在のセンサ2の値がOFFの場合は、引き抜きが発生していないことを意味している。ここで、S308からS313までの処理は図4のBC間とCE間で行っているものとする。
【0043】
ここで、図6の正常時と引き抜き時のセンサ1とセンサ2の動作について説明する。
【0044】
図6の(a)は、用紙ピックアップまでにユーザによる引き抜きが発生しない場合のセンサ1とセンサ2の論理変化順序を示したものである。図中のT1〜T5の意味は以下の通りである。
【0045】
T1:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ1を通過するタイミング
T2:手差しトレイ上の用紙に印字命令が入るタイミング
T3:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ2を通過するタイミング
T4:手差しトレイ上の用紙後端がセンサ1を通過するタイミング
T5:手差しトレイ上の用紙後端がセンサ2を通過するタイミング
手差しトレイ上の用紙がユーザに引き抜かれることなく正常に印字が行われる場合は、T4でセンサ1がOFFになり、次にT5でセンサ2がOFFになる。
【0046】
図6の(b)は、用紙ピックアップまでにユーザによる用紙引き抜きが発生し、用紙が機外まで引き抜かれた場合のセンサ1とセンサ2の論理変化順序を示したものである。図中のT1´〜T5´の意味は以下の通り。
【0047】
T1´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ1を通過するタイミング
T2´:手差しトレイ上の用紙に印字命令が入るタイミング
T3´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ2を通過するタイミング
T4´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ2を通過するタイミング
T5´:手差しトレイ上の用紙先端がセンサ1を通過するタイミング
手差しトレイ上の用紙がユーザによって機外に引き抜かれ、給紙カセットの用紙に印字が行われる場合は、センサ2のON履歴情報がONの状態で、T4´でセンサ2がOFFになり、センサ1のON履歴情報がONの状態でT5´でセンサ1がOFFになる。
【0048】
この後、S313でピックアップタイミングになると、用紙ピックアップを行い、給紙カセットから用紙が給紙され、転写、定着を行う。次に、S316で用紙の排紙が終了すると、S317に進み、JAM発生判断を行う。JAMが発生していた場合は、S318でJAMを報知する。JAMが発生していなかった場合は、S319に進み、センサ2がONであるか、エラーフラグ1がONであるかを判断する。どれか一つでもONであった場合は、S320に進み、手差しトレイでJAMが発生していることを報知する。S319でエラーが発生していなかった場合は、S321に進み、エラーフラグ3がONであるかどうかを判断する。エラーフラグ3がONであった場合は、ユーザに用紙が引き抜かれたことを意味しているので、S322でミスプリントを報知する。
【0049】
以上、図4のように用紙のピックアップ時と排紙時に、センサ1とセンサ2の論理を参照し、プリント時にも各センサの論理を参照することで、手差し用紙のJAM、ミスプリントと、ユーザによる引き抜き検知を行うことができる。また、給紙カセットからの用紙で印字を行ったことをユーザに報知することが可能になる。
【実施例3】
【0050】
本実施例では、実施例1、2と同様の構成の画像形成装置において、ユーザに手差し用紙を引き止められた、若しくは、抜かれた場合に、画像形成と給紙を行わない場合ついて、図7と図8を用いて説明する。
【0051】
まず、S400で実施例1や実施例2に示すような方法で、手差しトレイにおける手差し用紙のエラー(異常)を検知した場合、S401に進み、前記エラー検知(用紙異常検知)タイミングが画像形成の途中かどうかの判断を行う。もし画像形成中であった場合は、S402で画像形成中止処理を行い、ベルト上にトナーを付着させないようにする。次に、S403で前記エラー検知タイミングがカセット給紙前かどうかの判断を行う。もしカセット給紙以前であった場合は、S404に進み、給紙停止処理を行う。
【0052】
このように、手差しトレイにおける手差し用紙のエラーを検知した場合、そのエラー検知タイミングによって画像形成中止処理とカセット給紙中止処理を行うことにより、余分な画像形成と余分な給紙を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図2】実施例1の画像形成装置を説明するためのフローチャート
【図3】実施例1の画像形成装置のシステム構成を説明するためのブロック図
【図4】実施例2の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図5】実施例2の画像形成装置を説明するためのフローチャート
【図6】実施例2の画像形成装置のセンサの論理変化を示す図
【図7】実施例3の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図8】実施例3の画像形成装置を説明するためのフローチャート
【図9】従来の画像形成装置の構成を示す図
【図10】従来の画像形成装置の給紙機構の状態を示す図
【図11】従来の画像形成装置の用紙の流れを示すフローチャート
【図12】従来の画像形成装置の給紙時に手差し用紙を引き抜いた状態を示す図
【符号の説明】
【0054】
16 給紙カセット(第1の給紙機構に対応)
17 ピックアップローラ(ピックアップ機構に対応)
29 ピックアップ板
30 手差しトレイ(第2の給紙機構に対応)
31 搬送ローラ1
32 搬送ローラ2
33 センサ1(第1のセンサに対応)
34 センサ2(第2のセンサに対応)
P カセット用紙
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の給紙機構と第2の給紙機構を有し、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙の搬送路に前記用紙の有無を検知する第1のセンサと、前記搬送路に前記用紙の有無を検知する第2のセンサを有し、
前記第1の給紙機構と前記第2の給紙機構とから給紙される用紙を搬送する共通の搬送路を有し、
前記共通の搬送路に前記用紙をピックアップするピックアップ機構を有する画像形成装置において、
前記第1と第2のセンサの検知結果から、
前記第2の給紙機構によって給紙された用紙が引き止められた、若しくは、引き抜かれたことを判断する用紙異常検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙異常検知手段は、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙の前記ピックアップ機構によるピックアップ時に、
前記第2のセンサで前記用紙が検知できない場合に、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙ではなく、前記第1の給紙機構から給紙された用紙が搬送され、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙は紙詰まりになったことを検知することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙異常検知手段は、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙の排紙時に、
前記第2のセンサで用紙を検知した場合に、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙ではなく、前記第1の給紙機構から給紙された用紙が搬送され、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙は紙詰まりになったことを検知することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙異常検知手段は、
前記第2の給紙機構に用紙を給紙した時から、前記用紙を前記ピックアップ機構によりピックアップするまでの間に、
前記第2のセンサがオフになった後に前記第1のセンサがオフになった場合に、
ユーザによって前記用紙が引き止められ、又は引き抜かれたと判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙異常検知手段の判断結果によって、前記第1の給紙機構から給紙された用紙で印字が行われたことをユーザに報知するエラー報知手段を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙異常検知手段によって異常を検知したときに、
検知したタイミングが画像形成の途中である場合は、画像形成を中止することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記用紙異常検知手段によって異常を検知したときに、
検知したタイミングが、用紙が前記ピックアップ機構に到達する以前の場合は、
給紙を中止することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の給紙機構とはカセット給紙機構であって、前記第2の給紙機構とは手差し給紙機構であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の画像形成装置。
【請求項1】
第1の給紙機構と第2の給紙機構を有し、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙の搬送路に前記用紙の有無を検知する第1のセンサと、前記搬送路に前記用紙の有無を検知する第2のセンサを有し、
前記第1の給紙機構と前記第2の給紙機構とから給紙される用紙を搬送する共通の搬送路を有し、
前記共通の搬送路に前記用紙をピックアップするピックアップ機構を有する画像形成装置において、
前記第1と第2のセンサの検知結果から、
前記第2の給紙機構によって給紙された用紙が引き止められた、若しくは、引き抜かれたことを判断する用紙異常検知手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙異常検知手段は、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙の前記ピックアップ機構によるピックアップ時に、
前記第2のセンサで前記用紙が検知できない場合に、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙ではなく、前記第1の給紙機構から給紙された用紙が搬送され、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙は紙詰まりになったことを検知することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙異常検知手段は、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙の排紙時に、
前記第2のセンサで用紙を検知した場合に、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙ではなく、前記第1の給紙機構から給紙された用紙が搬送され、
前記第2の給紙機構から給紙された用紙は紙詰まりになったことを検知することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙異常検知手段は、
前記第2の給紙機構に用紙を給紙した時から、前記用紙を前記ピックアップ機構によりピックアップするまでの間に、
前記第2のセンサがオフになった後に前記第1のセンサがオフになった場合に、
ユーザによって前記用紙が引き止められ、又は引き抜かれたと判断することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙異常検知手段の判断結果によって、前記第1の給紙機構から給紙された用紙で印字が行われたことをユーザに報知するエラー報知手段を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙異常検知手段によって異常を検知したときに、
検知したタイミングが画像形成の途中である場合は、画像形成を中止することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記用紙異常検知手段によって異常を検知したときに、
検知したタイミングが、用紙が前記ピックアップ機構に到達する以前の場合は、
給紙を中止することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第1の給紙機構とはカセット給紙機構であって、前記第2の給紙機構とは手差し給紙機構であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−222417(P2008−222417A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66793(P2007−66793)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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