説明

画像形成装置

【課題】多種類の画像形成装置を有する事務所等において,色材の保管に要するスペースを小さくすることのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】本発明の画像形成装置は,収容している色材を用いて有形媒体上に画像を形成する画像形成装置であって,他の画像形成装置またはその色材容器を取り付ける取り付け部と,取り付け部に他の画像形成装置またはその色材容器が取り付けられているときにその画像形成装置または色材容器に連結する外部補給口とを有し,自身での画像形成のために収容している色材を,取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器に,外部補給口を介して補給するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,トナー等の色材を消費しつつ画像を形成する画像形成装置に関する。さらに詳細には,色材を外部に供給することのできる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば,電子写真方式の画像形成装置では,装置内部にトナー等の色材を収容しており,それを消費しつつ画像形成を行う。このように色材を消費しつつ画像形成する画像形成装置では,色材が枯渇すると画像形成ができなくなる。枯渇した色材は,その都度外部より補給する必要がある。そのため,大型の装置では一般に,色材の収容容積を大きく,一度に収容できる収容量を多くすることにより,補給の頻度を大きくしないようにしている。
【0003】
一方従来より,携行して使用することのできる程度に小型で軽量の画像形成装置がある。小型の画像形成装置では,その小型化のために,色材を収容するための容積も小さい。そのため,一度に収容できる色材の量はあまり多くはない。当然ながら,補給を受けずに連続して印刷できる枚数は,大型の装置と比較して少ない。また,携行できるように,電源はバッテリーとしたものが多い。
【0004】
このような小型の画像形成装置では,適宜バッテリーの充電が必要である。そこで,充電時に色材を補給できるようにした装置が提案されている(例えば,特許文献1参照。)。この文献に記載の装置では,専用の充電用スタンドに補充用のインクタンクが備えられている。これにより,バッテリーを充電すると同時に,インクの補給や廃インクの排出もできるとされている。
【特許文献1】特開2003−72107号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,前記した従来の装置では,専用の充電用スタンドを小型のものとすれば,それに備えられているインクタンクも小さく,このインクタンクへのインクの補充がさらに必要となる。一方,インクタンクを大きいものとすると,充電用スタンド自体が大型化するという問題点がある。
【0006】
また一般に,大きさの異なる画像形成装置では,それぞれ異なる大きさの色材容器が使用されている。そして,容器が異なると,たとえ収容されている色材の種類が同じでも,それぞれの容器への色材の補給手段は異なるものとなる。例えば大型の画像形成装置と小型の画像形成装置とをともに有している事務所等では,それぞれの装置ごとに色材の補給手段を用意する必要がある。カートリッジごと交換するタイプのものでは,それぞれの色材カートリッジを用意することが必要となる。そのため,それらの保管に場所をとられるという問題点があった。
【0007】
本発明は,前記した従来の画像形成装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,多種類の画像形成装置を有する事務所等において,色材の保管に要するスペースを小さくすることのできる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,収容している色材を用いて有形媒体上に画像を形成する画像形成装置であって,他の画像形成装置またはその色材容器を取り付ける取り付け部と,取り付け部に他の画像形成装置またはその色材容器が取り付けられているときにその画像形成装置または色材容器に連結する外部補給口とを有し,自身での画像形成のために収容している色材を,取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器に,外部補給口を介して補給するものである。
【0009】
本発明の画像形成装置によれば,収容している色材を用いて有形媒体上に画像を形成するのみでなく,取り付け部に取り付けられている他の画像形成装置または色材容器に,外部補給口を介して色材を補給する。従って,他の画像形成装置に対する色材の補給手段として機能する。これにより,他の画像形成装置に専用の色材補給手段を用意する必要が無く,色材の保管に要するスペースを小さくすることができる。
【0010】
さらに本発明では,外部補給口に設けられたシャッタと,シャッタを開閉する開閉機構とを有し,開閉機構は,シャッタを開閉するときには,取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器のシャッタをも開閉することが望ましい。
このようなものであれば,開閉機構によって,外部補給口のシャッタが開閉されるので,色材の補給を行う時だけ開くようにできる。また,その開閉機構によって,取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器のシャッタも開閉されるので,必要なときのみ開くようにできる。従って,色材の補給を行わないときにはいずれの側も閉止することができるので,色材が漏れることはない。
【0011】
さらに本発明では,取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器の満タンを検知する満タン検知部と,満タン検知部が満タンを検知したときに色材の補給を停止する停止制御部とを有することが望ましい。
このようなものであれば,満タン検知部によって画像形成装置または色材容器の満タンが検知される。そのときさらに,停止制御部によって色材の補給が停止されるので,画像形成装置または色材容器から色材が溢れるおそれはない。なお,ここでの「満タン」とは,完全に隙間無く充填された状態とは限らない。例えば,溢れ防止のために少し前で止めるようにしている場合であっても,その充填状態は,本発明でいう「満タン」に含まれる。
【0012】
さらに本発明では,取り付け部は,他の画像形成装置またはその色材容器またはその廃色材容器を取り付けるものであり,取り付け部に画像形成装置または色材容器または廃色材容器が取り付けられているときにその画像形成装置または色材容器または廃色材容器に連結する回収口と,取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器または廃色材容器から,回収口を介して廃色材または残留色材を回収する回収容器とを有することが望ましい。
このようなものであれば,他の画像形成装置またはその色材容器またはその廃色材容器が取り付けられたときに,回収口を介して廃色材または残留色材を回収することができる。ここで,廃色材は画像形成に供されたものの有形媒体に転写されなかった色材であり,残留色材は画像形成に供されることなく色材容器中に残留している色材である。
【0013】
さらに本発明では,取り付け部に画像形成装置または色材容器または廃色材容器が取り付けられているときに,その画像形成装置または色材容器または廃色材容器に回収口を通して挿入され,廃色材または残留色材を掻き出すスクリューを有することが望ましい。
このようなものであれば,単に連結されるのみでなく,スクリューによって積極的に廃色材または残留色材が掻き出される。従って,廃色材または残留色材の回収はスムーズに行われる。
【0014】
さらに本発明では,取り付け部に取り付けられている画像形成装置を充電する充電部を有することが望ましい。
このようなものであれば,バッテリーを有している携帯用の画像形成装置を取り付けら場合には,バッテリーの充電をも行うことができる。
【0015】
さらに本発明では,取り付け部が,引き出し式のトレイを有することが望ましい。
このようになっていれば,他の画像形成装置またはその色材容器を取り付けるのは容易である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の画像形成装置によれば,多種類の画像形成装置を有する事務所等において,色材の保管に要するスペースを小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
「第1の形態」
以下,本発明を具体化した第1の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,色材を消費しつつ画像形成する画像形成装置に本発明を適用したものである。
【0018】
本形態の画像形成装置1の概略外観図を図1に示す。この画像形成装置1は,カラー画像の形成が可能な電子写真方式の画像形成装置であり,内部には各色のトナーを収容するトナータンクを備えている。本形態の画像形成装置1は,原稿の画像を読み取るスキャナ部1A,画像形成を行うプリンタ部1B,プリンタ部で画像形成される用紙を供給する給紙部1C,画像形成された用紙を排出する排紙部1D等を有している。これらの画像形成のための構成や手段は,一般的な公知のものであり,ここでは説明を省略する。なお,この画像形成装置1は,床面に据え付けて使用される比較的大型の装置であり,各色のトナータンクも大型のものを備えている。また,商用電源等に接続されて,駆動用の電力の供給を受ける。
【0019】
画像形成装置1は,図1に示すように,その側面上部には図中右手前側へ突出した補給部11と充電部12とを有している。補給部11には,イエロートナーを補給する補給口11Y,マゼンタトナーを補給する補給口11M,シアントナーを補給する補給口11C,ブラックトナーを補給する補給口11Kがそれぞれ設けられている。これらの各補給口11Y,11M,11C,11Kの内部の構成については後述する。
【0020】
また,補給部11の図中下方には残留トナー回収部13が,充電部12の図中下方には廃トナー回収部14がそれぞれ設けられている。残留トナー回収部13には,各色ごとの回収口13Y,13M,13C,13Kが設けられているが,内部は共通の1つの回収容器となっている。廃トナー回収部14には回収口14Bが設けられている。廃トナー回収部14も残留トナー回収部13と共通の容器となっていても良い。
【0021】
さらに,補給部11と充電部12との上方には,図1に示すように,表示入力部15が設けられている。この表示入力部15には,各色ごとの補給口11Y,11M,11C,11Kにそれぞれ対応した位置に,ユーザによるトナー補給の指示を受ける指示ボタンが表示される。さらに,トナー補給状況や充電状況等が表示される。また,図中左手前面には表示入力部16が設けられている。この表示入力部16は,この画像形成装置1で画像形成する場合等のユーザによる指示入力等を受け付けるとともに,各種の情報を表示する操作パネルである。なお,ここでは表示入力部15と表示入力部16とを別に配置したが,共通の操作パネルに区画して表示することによって使い分けるようにしても良い。
【0022】
さらに画像形成装置1では,残留トナー回収部13と廃トナー回収部14は,引き出し式のトレイ17に載っている。そして,トレイ17と残留トナー回収部13と廃トナー回収部14とを含んだ部分が,図1中左右方向に進退可能となっている。従って,残留トナー回収部13あるいは廃トナー回収部14は容易に取り出すことができる。また,このトレイ17は,図中上下にも多少移動可能にされている。また,回収口13Y,13M,13C,13Kおよび回収口14Bには,開閉可能なシャッタ等が設けられ,画像形成装置1の制御によって開閉される。
【0023】
また,画像形成装置1の内部には,図1に示すように,補給部11から外部への色材の補給を停止させる停止制御部18が備えられている。これは,補給部11に取り付けられた補給先の容器からの色材の溢れを防止するためのものであり,そのために,後述するように,補給先の容器の満タン状態を検知する満タン検知機能をも有している。ここで,「満タン状態」とは,完全に補給口まで充填された状態を指すものではなく,溢れ防止のために定められた所定の充填量まで到達した状態を示している。
【0024】
次に,この画像形成装置1に取り付けられて,消耗品の補給を受けることのできる小型プリンタ2の概略外観図を図2に示す。この小型プリンタ2は,小型軽量で,携帯して使用される電子写真方式のカラー画像形成装置である。また,この小型プリンタ2では,画像形成装置1と同じ種類のトナーを使用する。
【0025】
小型プリンタ2の内部には,図2中上下方向に貫通して,筒状の各色のトナー容器21が設けられている。各色のトナー容器21は,図中左から順にイエロー用21Y,マゼンタ用21M,シアン用21C,ブラック用21Kであり,これは画像形成装置1の各補給口11Y,11M,11C,11Kと同じ色順となっている。なお,このトナー容器21は,画像形成装置1に内蔵されている各色のトナー用のタンクと比較して,かなり小型のものである。
【0026】
各トナー容器21は,小型プリンタ2の図2中上面に見える被補給口22(22Y,22M,22C,22K)および,図中下面の排出口23(23Y,23M,23C,23K)を有している。さらに,ブラック用トナー容器21Kの図中右側には,バッテリー24及び廃トナー容器25が設けられている。廃トナー容器25には,排出口26が設けられている。ここで,各被補給口22Y,22M,22C,22Kにはそれぞれ,開き戸式のシャッタ31が設けられ(図4参照),閉止する方向に付勢されている。また,各排出口23および排出口26もそれぞれシャッタ等によって通常は閉止されている。これらの被補給口22,排出口23等はいずれも,小型プリンタ2が単体の状態では閉止されており,トナーが外部へ漏れるおそれはない。
【0027】
また,小型プリンタ2の図2中左面には,表示入力部27と用紙挿入口28とが設けられている。表示入力部27は,単体時にユーザによる画像形成の指示入力を受けるとともに,各種の情報を表示する操作パネルである。表示入力部27には,例えば,各トナー容器21に残留するトナー量の目安やバッテリー残量の目安を表示させることができる。また,この小型プリンタ2によって画像形成する場合は,ユーザは用紙挿入口28から用紙を挿入する。小型プリンタ2の内部には,画像形成のための公知の構成が設けられており,ユーザの指示に基づいて,挿入された用紙に画像が形成される。
【0028】
この小型プリンタ2は,バッテリー24の電力を使用してトナー容器21に収容されているトナーを消費しつつ画像形成を行う。トナー容器21は小型のものであるので,収容量は多くなく,必要に応じて補給しなければならない。本形態では,小型プリンタ2を画像形成装置1に取り付けることにより,画像形成装置1のトナータンクに収容されているトナーを小型プリンタ2へ補給できる。
【0029】
小型プリンタ2が画像形成装置1に取り付けられると,小型プリンタ2の各被補給口22Y,22M,22C,22Kは,画像形成装置1の各補給口11Y,11M,11C,11Kと対面される。また,小型プリンタ2の各排出口23Y,23M,23C,23Kは,画像形成装置1の各回収口13Y,13M,13C,13Kと対面される。そして,小型プリンタ2の排出口26は,画像形成装置1の回収口14Bと対面される。さらに,小型プリンタ2のバッテリー24は,画像形成装置1の充電部12と対面される。これらが全て同時に対面されるように各部が配置されている。
【0030】
次に,小型プリンタ2と画像形成装置1との着脱手順について,図3を参照して説明する。まず,画像形成装置1のトレイ17を引き出す(a)。次に,このトレイ17上に小型プリンタ2を載せる(b)。そして,小型プリンタ2を載せたトレイ17を画像形成装置1に押し込む(c)。最後に,トレイ17をやや上方へ持ち上げる(d)。この位置で小型プリンタ2は,画像形成装置1に取り付けられるとともにロックが掛かるようになっている。この装着された状態では,たとえ小型プリンタ2をそのまま図中右手前に引いても,簡単に外れることはない。
【0031】
さらに,上記の図3(d)の段階において,小型プリンタ2の各被補給口22Y,22M,22C,22Kは,図4に示すように,各補給口11Y,11M,11C,11Kに連結される。なお,図4及び以下の説明では,各色ごとの区別はせず,添え字を省略したもので代表して示している。小型プリンタ2の被補給口22には,シャッタ31が設けられている。このシャッタ31は,小型プリンタ2が画像形成装置1に装着されていない状態では,図4(e)に示すように閉止されている。
【0032】
なお,画像形成装置1の補給口11の内部は,図4に示すように,2つの連通路に区画されている。一方は,画像形成装置1の内部に備えられている各色のトナータンクに連通されており,他方は,画像形成装置1内部あるいは外部に開放されている。ここでは,補給口11には2重の筒状に形成された流路32が連通されており,そのうち,中央流路33は,画像形成装置1内部の各トナータンクと連通されている。そして,中央流路33内には,トナータンクから補給口11へ向かってトナーを流すためのスクリュー34が設けられている。
【0033】
また,外部流路35は,中央流路33からトナーを充填している時に,充填先のトナー容器21から空気を逆流させるためのものである。この外部流路35の他端は,特にどこかへ連通されている必要はなく,空気を放出しても良い箇所に開放されていればよい。こうすることにより,トナー容器21内の圧力が上がらず,容易にトナーを充填させることができる。このように,補給口11には,トナー流路と空気逆送路とが設けられているのである。
【0034】
さらに,図4に示すように,流路32の外周には,パッキン36が取り付けられている。また,流路32の先端(図中下端)には,観音開き式のシャッタ37が設けられ,流路32を閉止する向きに付勢されている。さらに,シャッタ37の図中上方の中央流路33内には,1対のライトガイド38が挿入されている。1対のライトガイド38は,画像形成装置1に内蔵される光センサの発光部と受光部とにそれぞれ接続されており,先端部同士が所定の空隙をおいて向き合うように配置されている。なお,ライトガイド38は画像形成装置1によって,図4中上下方向に移動可能にされている。そして,ライトガイド38が図中下方に移動されたときには,図4(f)に示すように,シャッタ37が開放される。なお,シャッタ37は,観音開き式に代えてスライド式のものとしても良い。
【0035】
小型プリンタ2が画像形成装置1に装着されていない状態では,図4(e)に示すように,ライトガイド38は上方に位置し,シャッタ37は閉止されている。そして,シャッタ37によって,流路32の中央流路33および外部流路35は,ともに閉止されている。すなわち,装着工程中の図3(c)の段階では,各被補給口22と各補給口11とは,図4(e)に示すように対面されているのみであり,連通されてはいない。また,各被補給口22と各補給口11とはいずれも,それぞれのシャッタ31,37によって閉止されており,どちらからもトナーが漏れることはない。
【0036】
そして,装着工程中の図3(d)の段階において,トレイ17をやや上方へ持ち上げることにより,被補給口22が上昇し,その中に補給口11が挿入される。そして,図4(f)に示すように,被補給口22がパッキン36に当接され,補給口11の外周と被補給口22との間の隙間からのトナーの漏れが防止される。また,被補給口22に補給口11が挿入されることにより,シャッタ31が開放される。
【0037】
この装着動作の後,ユーザによって表示入力部15(図1参照)から充填開始が指示されることにより,ライトガイド38が下降し,シャッタ37が開放される。この充填開始の指示は,色毎に行うことができる。これにより,図4(f)に示すように,被補給口22の内部と補給口11の流路32とが連通される。さらに,スクリュー34が駆動され,画像形成装置1のトナータンクから,小型プリンタ2のトナー容器21へとトナーが補給される。なお,画像形成装置1には,トナータンクが,同一色について2個以上設けられているものもある。その場合には,画像形成装置1自身での画像形成に使用される時の優先順序と,小型プリンタ2へのトナー補給に使用されるときの優先順序とが異なるものであっても良い。
【0038】
このとき,画像形成装置1は,ライトガイド38を介して,光センサによるトナー量の検出を行う。トナー容器21内にあるトナーの量が少ない場合は,図5(g)に白抜きの矢印で示すように,検出光が通過する。トナー量が多くなると,図5(h)に示すように,1対のライトガイド38同士の間の空隙にトナーが入り込み,検出光が受光部に到達できなくなる。これにより,画像形成装置1では,ライトガイド38の先端の高さまでトナーが充填されたことが分かる。
【0039】
そこで本形態では,ライトガイド38によって前述の満タン検知を行う。すなわち,ライトガイド38の先端部を,溢れ防止のために定められた所定の高さにセットし,検出光が検出されなくなったら満タン状態であると判断する。そして,満タン状態であると判断されたら,スクリュー34の駆動を停止して,ライトガイド38を上昇させ,シャッタ37を閉止する。このようにすれば,トナーを過剰に充填することがなく,溢れることは防止される。
【0040】
画像形成装置1の表示入力部15には,各色ごとにトナー充填状況が表示される。そして,トナーの充填が終了すると,その旨表示される。ユーザは全色のトナー充填状況が終了表示となったことを確認し,小型プリンタ2を画像形成装置1から取り外す。取り外し手順は,装着手順を逆順に行えばよい。すなわち,ロック解除ボタン等を操作しながら,トレイ17を押し下げ,トレイ17を手前に引き出して,小型プリンタ2を取り外す。最後に,トレイ17を元の位置に戻す。
【0041】
なお,小型プリンタ2の各排出口23および排出口26に設けられているシャッタ等は,小型プリンタ2が画像形成装置1に取り付けられた状態では,画像形成装置1の制御によって開閉される。この開閉動作は例えば,画像形成装置1の残留トナー回収部13の各回収口や廃トナー回収部14の回収口14Bに設けられているシャッタ等と連動されているものとしても良い。このようにすれば,残留トナーの回収または廃トナーの回収を行う場合には,小型プリンタ2側のシャッタと画像形成装置1側のシャッタとを同時に開放・閉止することができる。そして,小型プリンタ2のトナー容器21あるいは廃トナー容器25と,画像形成装置1の残留トナー回収部13あるいは廃トナー回収部14とが連通あるいは閉止される。
【0042】
なお,残留トナーや廃トナーの回収を行う場合には,重力によって行っても良いが,より積極的に排出するようにしても良い。例えば,図6に示すように,スクリュー41を使用することができる。ここでは,廃トナー回収部14について説明する。スクリュー41はバー42に取り付けられており,画像形成装置1によって上下駆動及び回転駆動される。小型プリンタ2が取り付けられていない状態では,スクリュー41はバー42によって下方に下げられ,廃トナー回収部14の内部に収納されている。廃トナー回収部41に廃トナー容器25が取り付けられ,ユーザによる回収指示を受けると,画像形成装置1は,上記のようにシャッタを開放してスクリュー41を上昇させる。そして,スクリュー41が廃トナー容器25内で回転される。あるいは,スクリュー41の上下と回転とを繰り返しても良い。
【0043】
さらに,廃トナー回収部14内には,回収された廃トナーのレベルを検知するためのレベル検知部材が備えられている。レベル検知部材としては,例えば,図6に示すように,廃トナー回収部14内の複数の深さ位置に配置されたライトガイド43としてもよい。このライトガイド43は,ライトガイド38と同様に,先端部の高さ位置でのトナーの有無を検知するものである。ここでは,各ライトガイド43はそれぞれ1対のものであり,光センサによってその位置のトナーの有無を検出できるようにされている。あるいは,一対のライトガイド43を上下に移動させて使用しても良い。特に,最上部のライトガイド43は,廃トナー回収部14からの廃トナーのあふれ出し防止用である。すなわち,回収されたトナーがこの位置まで到達したら,回収を一旦停止して,ユーザに廃トナーの処理を促す表示を行う。
【0044】
本形態の画像形成装置1と小型プリンタ2とをともに有しているユーザは,いずれの装置においても画像形成を行うことができる。画像形成装置1は,大型の装置であり,その消耗品の収容量も大きい。また一般に,高速処理が可能であり,種々の画像処理機能をも有している。一方,小型プリンタ2は,小型軽量で携帯可能である。従って,ユーザは状況に応じてこれらの装置を使い分けることができる。
【0045】
ここで,小型プリンタ2において,バッテリー切れやトナー不足が生じた場合,ユーザは上記の手順で小型プリンタ2を画像形成装置1に取り付ける。これにより,充電部12によって,自動的にバッテリー24の充電が開始される。小型プリンタ2の表示入力部27には充電中であることが表示され,バッテリー24の充電が完了したら充電終了が表示される。
【0046】
さらにユーザは,小型プリンタ2を画像形成装置1に取り付けた状態で,表示入力部15よりトナーの充填を行いたい色の充填開始ボタンを操作し,充填させることができる。このとき,充填に先立って,小型プリンタ2のトナー容器21内に残留する残留トナーを廃棄することもできる。すなわち,各色ごとに,残留トナーを廃棄して新トナーを充填する,あるいは,残留トナーを廃棄せず新トナーを追加する,あるいは,そのままでトナーの充填を行わない,のいずれかを選択できる。
【0047】
ここで例えば,表示入力部27に,トナー容器21内に残留するトナー量の目安が表示されれば,その残留トナーを廃棄するかどうかの判断の一助となる。残留トナー量の目安は,小型プリンタ2において,前回のトナー充填からの印字枚数をカウントすること等によって概算することができる。
【0048】
新トナーの充填が選択されたトナー容器21については,画像形成装置1は,シャッタ37を開放しつつライトガイド38を下降させる。このとき,残留トナーの廃棄が選択されていたら,廃棄処理をまず行う。すなわち,回収口を開けてスクリュー41を挿入し,残留トナーを残留トナー回収部13に回収する。ライトガイド38が回収口まで下降できるものであれば,ライトガイド38によって残留トナーの量を検出してもよい。そして,残留トナーが検出されなくなったら回収が終了したものと判断するようにしても良い。あるいは,所定時間の間だけ回収処理を行ったら,回収を終了するようにしても良い。回収が終了したら,画像形成装置1は,スクリュー41を戻して回収口を閉止する。
【0049】
次に,スクリュー34を駆動して,充填処理を開始する。このときには,ライトガイド38は充填完了が検出できる位置に配置される。そして,ライトガイド38によってトナーが十分充填されたことが検出されたら,ライトガイド38を上昇させ,シャッタ37を閉止する。そして,表示入力部15に充填終了を表示する。ユーザは,表示入力部15の表示によってその色のトナーの充填が完了したことを確認できる。そして,充填すべき全ての色のトナーについて充填終了したことを確認したら,小型プリンタ2を画像形成装置1から取り外す。
【0050】
これにより,画像形成装置1と小型プリンタ2とをともに有しているユーザは,小型プリンタ2専用の充電器やトナー補充手段を保有する必要はない。小型プリンタ2専用のトナーを保管するスペースも必要ない。画像形成装置1に収容されるトナー量は,小型プリンタ2に収容される量に比較して非常に多く,小型プリンタ2への充填を行っても画像形成装置1のトナーが急速に枯渇することはない。本形態によれば,小型プリンタ2を画像形成装置1に取り付けるだけでよいので,充電やトナー充填は容易である。
【0051】
以上詳細に説明したように,本形態の画像形成装置1によれば,その収容する色材を自身で消費するのみでなく,他の画像形成装置等へ供給することができる。従って,共通の色材を使用する小型プリンタ2をともに有しているユーザでは,小型プリンタ2専用の色材を保管する必要はない。従って,多種類の画像形成装置を有する事務所等において,色材の保管に要するスペースを小さくすることのできる画像形成装置1となっている。
【0052】
なお,上記の形態では,小型プリンタ2をそのまま画像形成装置1に取り付けるとしたが,図7に示すように,小型プリンタ2からトナー容器21,バッテリー24および廃トナー容器25をそれぞれ取り出して,画像形成装置1′に取り付けるようにしてもよい。ただしこの場合には,誤って異なる色のトナーの補給口への取り付けを行うことのないように,取り付け口の形状等をそれぞれやや異なるものとするとよい。また,2台以上の小型プリンタ2を有するユーザ向けとして,図8に示すように,同時に2台の小型プリンタ2を取り付けられる画像形成装置1″としても良い。
【0053】
また,上記の形態では,取り付け動作の最後にトレイ17を持ち上げるとしたが,スライドさせるのみで取り付け可能なトナー容器51とすることもできる。例えば,図9に示すように,その上部にもスライドシャッタ52を備えたものとしてもよい。この例では,画像形成装置の補給口11にもスライドシャッタ53を備えている。そして,トナー容器51をスライドさせることにより,スライドシャッタ52とスライドシャッタ53とが噛み合う((i)→(j))。さらに,スライドシャッタ52,53を重ねたまま,さらにトナー容器51をスライドさせると((j)→(k)),トナー容器51と補給口11とが連通される。
【0054】
また,図9に示すように,トナー容器51の一部分に透明窓54を形成しておき,画像形成装置に取り付けることによりその透明窓54に光反射センサ55が配置されるようにしても良い。この場合には,トナーの充填が進行し,光反射センサ55によってトナーが感知されたら((k)→(l)),充填を停止させる。このようにしても,トナー溢れを防止して適切に充填することができる。
【0055】
「第2の形態」
次に,本発明を具体化した第2の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態も,色材を消費しつつ画像形成する画像形成装置に本発明を適用したものである。
【0056】
本形態の画像形成装置3は,第1の形態の画像形成装置1に比較して,補給部や充電部等の配置がやや異なるものである。本形態の画像形成装置3は,図10に示すように,各色の補給口61が,縦に並べられている。これは,図11に示すような,横長に配置されたトナー容器を有する小型プリンタ4を,この向きに取り付けてトナーの充填を行うためのものである。この画像形成装置3では,各色のトナーは図10中右上から左下に向かって,ほぼ水平方向に供給される。さらに,画像形成装置3には,補給口61の図中左下側に,廃トナー回収部62と充電部63が設けられている。
【0057】
小型プリンタ4は,図11に示すように,内部に各色のトナー容器71を有している。また,各トナー容器71には,図中右奥面に被補給口72(72Y,72M,72C,72K)が設けられている。また,小型プリンタ4の図中左手前側には,廃トナー容器73及びバッテリー74が設けられている。この小型プリンタ4を画像形成装置3に取り付ける際には,図12に示すように,引き出したトレイに小型プリンタ4を載せ(m),トレイごと画像形成装置3に押し込む(n)ようにすればよい。
【0058】
本形態では,小型プリンタ4の各色のトナー容器71の内部には,図13に示すように,螺旋状のリブ75が設けられている。そして,トナーの充填時には,トナー容器71全体を回転させる。これにより,水平に配置されたトナー容器71であっても,その奥側(図中右側)へトナーを送ることができる。
【0059】
また,画像形成装置3の補給口61には,トナー容器71の被補給口72との間に,キャップ64が設けられており,トナーの漏れを防止している。さらに,画像形成装置3には,トナー容器71が配置される箇所に対面して,反射型センサ65が設けられており,トナーの充填量を感知するようになっている。本形態では,図13に示すように,トナー上面が斜面状となって充填されるので,その予想されるトナー面に合わせて反射型センサ65を配置する。例えば,図に示すように比較的上方に設ける場合では,反射型センタ65の位置は被補給口72よりやや奥側(図中右側)位置とすることが望ましい。反射型センサ65がトナーを感知したらトナーの充填を終了することにより,過剰充填によるトナーの溢れが防止される。
【0060】
以上詳細に説明したように,本形態の画像形成装置3によっても,第1の形態と同様に,小型プリンタ4に色材を供給することができる。従って,小型プリンタ4専用の色材を保管する必要が無く,色材の保管スペースを小さくすることができる。
【0061】
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,小型プリンタにおけるトナー容器の形状や配置は一例であり,これに限らない。また,画像形成装置における補給口や充電部の配置は,小型プリンタに合わせて適宜変更されればよい。また,補給口等の断面形状は円に限らない。さらに第1の形態では,トナー補給用の流路32を2重の筒状であるとしたが,この形状に限らず,トナー用の流路と空気の逆流用の流路とが単に併設されていても良い。また,廃色材または残留色材を掻き出す掻き出し部材として,スクリュー41に代えて,ヘラ状のものやブラシ状のものを用いることもできる。さらに,その移動方法も回転に限らず,上下往復移動や揺動運動としても良い。また,色材としては,トナーに限らずインクでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1の形態に係る画像形成装置を示す概略外観図である。
【図2】第1の形態に係る小型プリンタを示す概略外観図である。
【図3】画像形成装置への小型プリンタの着脱動作を示す説明図である。
【図4】画像形成装置の補給口へのボトルの着脱動作を示す説明図である。
【図5】トナー充填の完了状態を示す説明図である。
【図6】廃トナーボトルからの廃トナー回収動作を示す説明図である。
【図7】他の例の画像形成装置を示す概略外観図である。
【図8】他の例の画像形成装置を示す概略外観図である。
【図9】画像形成装置へのトナー容器の着脱動作を示す説明図である。
【図10】第2の形態に係る画像形成装置を示す概略外観図である。
【図11】第2の形態に係る小型プリンタを示す概略外観図である。
【図12】画像形成装置への小型プリンタの着脱動作を示す説明図である。
【図13】トナーボトルへの充填方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1,1′,1″,3 画像形成装置
2,4 小型プリンタ
11 補給部
11Y,11M,11C,11K 補給口
12 充電部
13 残留トナー回収部
14 廃トナー回収部
13Y,13M,13C,13K,14B 回収口
17 トレイ
18 停止制御部
31,37 シャッタ
38 ライトガイド
41 スクリュー
52,53 スライドシャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容している色材を用いて有形媒体上に画像を形成する画像形成装置において,
他の画像形成装置またはその色材容器を取り付ける取り付け部と,
前記取り付け部に他の画像形成装置またはその色材容器が取り付けられているときにその画像形成装置または色材容器に連結する外部補給口とを有し,
自身での画像形成のために収容している色材を,前記取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器に,前記外部補給口を介して補給することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において,
前記外部補給口に設けられたシャッタと,
前記シャッタを開閉する開閉機構とを有し,
前記開閉機構は,前記シャッタを開閉するときには,前記取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器のシャッタをも開閉することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において,
前記取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器の満タンを検知する満タン検知部と,
前記満タン検知部が満タンを検知したときに色材の補給を停止する停止制御部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記取り付け部は,他の画像形成装置またはその色材容器またはその廃色材容器を取り付けるものであり,
前記取り付け部に画像形成装置または色材容器または廃色材容器が取り付けられているときにその画像形成装置または色材容器または廃色材容器に連結する回収口と,
前記取り付け部に取り付けられている画像形成装置または色材容器または廃色材容器から,前記回収口を介して廃色材または残留色材を回収する回収容器とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において,
前記取り付け部に画像形成装置または色材容器または廃色材容器が取り付けられているときに,その画像形成装置または色材容器または廃色材容器に前記回収口を通して挿入され,廃色材または残留色材を掻き出すスクリューを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記取り付け部に取り付けられている画像形成装置を充電する充電部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1つに記載の画像形成装置において,
前記取り付け部が,引き出し式のトレイを有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−310105(P2008−310105A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158415(P2007−158415)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】