画像形成装置
【課題】基準位置部材が位置決め部に衝突するのを防止することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】レバー101をもって、立ち上げ位置にまで引き上げると、係合部104aが退避当接部102と当接し、光書込装置70が、引っ掛け部52bを中心にして回動し、持ち上げられる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が、当接位置から退避位置へ切り替わる。
また、レバー101を立ち上げ位置から倒していくと、係合部104aが退避当接部102から離間し、光書込装置70が引っ掛け部52bを中心にして図中時計回りに回転する。これにより、基準位置部材の位置が、退避位置から当接位置に切り替わるり、基準位置部材が位置決め部80bと当接し、光書込装置70が装置本体内で位置決めされる。
【解決手段】レバー101をもって、立ち上げ位置にまで引き上げると、係合部104aが退避当接部102と当接し、光書込装置70が、引っ掛け部52bを中心にして回動し、持ち上げられる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が、当接位置から退避位置へ切り替わる。
また、レバー101を立ち上げ位置から倒していくと、係合部104aが退避当接部102から離間し、光書込装置70が引っ掛け部52bを中心にして図中時計回りに回転する。これにより、基準位置部材の位置が、退避位置から当接位置に切り替わるり、基準位置部材が位置決め部80bと当接し、光書込装置70が装置本体内で位置決めされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機及びファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、一様帯電せしめた感光体等の潜像担持体に対し、レーザー光を光走査するレーザー書込装置などの潜像書込手段によって潜像を書き込む構成が広く採用されている。このような画像形成装置では、装置内のレイアウトによっては、潜像書込手段が邪魔になって潜像担持体やこれの周囲に配設される現像装置などといった各種の周囲装置のメンテナンス性を悪化させてしまうことがある。
【0003】
特許文献1には、画像形成装置の筺体の一部である固定カバーに対して開閉可能な開閉カバーによって潜像書込手段を支持し、開閉カバーの開放に伴って潜像書込手段を潜像担持体から大きく離間させる画像形成装置が記載されている。かかる構成によれば、開閉カバーの開放に伴って潜像書込手段を潜像担持体との対向位置から待避させ、潜像担持体やその周囲装置を外部に露出させることで、それらのメンテナンス性を向上させることができる。
【0004】
【特許文献1】特許第2849978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような画像形成装置においては、開閉カバーが固定カバーに対してがたつくなどして、開閉カバーに支持される潜像書込手段と、固定カバーに支持される潜像担持体との相対位置に誤差が生じると、この誤差によって潜像書込手段の書込位置精度が低下してしまうといった不具合が生じる。
【0006】
そのため、本出願人は、特願2006−157380号(以下、「先願」という。)に記載の画像形成装置を提案した。この先願に記載された画像形成装置では、開閉カバーが閉じたときの閉位置で、開閉カバーに保持された潜像書込手段が有する基準位置部材を付勢手段によって付勢し、画像形成装置内の位置決め部に基準位置部材を当接させる。これにより、画像形成装置内で固定カバーに支持された潜像担持体に対し潜像書込手段を精度良く位置決めすることができ、潜像書込手段の書込位置精度が低下するのを抑制することができる。
【0007】
しかしながら、先願に記載の画像形成装置においては、次のような問題があることが判明した。すなわち、開閉カバーを開位置から閉位置へ移動させて、付勢手段によって付勢された潜像書込手段に設けられた基準位置部材を画像形成装置の位置決め部に当接させて位置決めする際に、基準位置部材が位置決め部に衝突する。このような衝突によって、潜像書込手段のケーシング内に位置決め固定されているレンズやミラーなどの位置がずれてしまい、潜像書込手段の書込位置精度が低下するという問題である。
【0008】
本発明は、前記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、基準位置部材が位置決め部に衝突するのを防止することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体上に潜像を書き込む潜像書込手段と、前記潜像書込手段を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に装置本体に対して開位置と閉位置との間を揺動可能な保持体とを備え、前記潜像書込手段の位置決め基準位置に基準位置部材を設け、前記閉位置に前記保持体があるときの前記潜像担持体に対する前記潜像書込手段を位置決めするための位置決め部を装置本体内に設け、前記基準位置部材を付勢手段によって付勢して前記位置決め部に当接させるように構成する画像形成装置において、前記保持体が閉位置にある状態において、前記位置決め部と前記基準位置部材とが当接する当接状態と、前記位置決め部と前記基準位置部材とが非当接の非当接状態との2つの状態を取りうるよう構成し、前記当接状態と前記非当接状態とを切替える切替手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記潜像書込手段が前記保持体に対して移動することで、前記基準位置部材が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記位置決め部が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、前記切替手段は、前記当接状態と前記非当接状態との切り替えを操作する切替操作部を有し、前記切替操作部が、前記保持体を前記閉位置と前記開位置との間の移動を操作する移動操作部として機能するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、前記切替操作部は、前記当接状態にする第1位置と、前記非当接状態にする第2の位置との間で変位可能な構成であって、前記切替操作部が前記第2の位置で係止するための係止機構を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、前記切替操作部の係止を解除する解除レバーを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、前記保持体が閉位置にあるとき、前記当接状態か否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、画像形成動作可能な状態と不能な状態とに切り替えるインターロックスイッチを設け、前記当接状態のとき、インターロックスイッチがONに切り替わり、画像形成動作可能となるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、前記切替手段は、駆動手段を有し、駆動手段の駆動によって、前記非当接状態と前記当接状態とを切り替えるよう構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1乃至9の発明によれば、切替手段によって、潜像書込手段を保持した保持体を開位置から閉位置へ移動させるときに、位置決め部と基準位置部材とが非当接となる非当接状態に切り替えておけば、潜像書込手段を保持した保持体を開位置から閉位置へ移動してきたときに、基準位置部材が位置決め部に衝突するのを防止することができる。これにより、潜像書込手段のケーシング内に位置決め固定されているレンズやミラーなどの位置がずれてしまうのを抑制することができる。
また、保持体が閉位置にあるとき、切替手段によって、位置決め部と基準位置部材とが当接する当接状態に切り替えれば、潜像書込手段を動作位置で画像形成装置内の潜像担持体に対して位置決めして、潜像書込手段の書込位置精度の低下を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック(以下、Y,M,C,Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。これらが一体的にプリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0012】
前記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。
【0013】
ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、前記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。
【0014】
前記現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。
【0015】
ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。このトナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
【0016】
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2K及びトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
【0017】
図2を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
【0018】
先に示した図1において、プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込装置70が配設されている。潜像書込手段たる光書込装置70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込装置70は、光源から発したレーザー光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
【0019】
プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段たる転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの1次転写ローラ19Y,M,C,K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22などを備えている。
【0020】
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ17、従動ローラ18、クリーニングバックアップローラ22及び4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ17の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0021】
4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0022】
1次転写ローラ19Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ19Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
【0023】
Y用のプロセスユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってM,C,K用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
【0024】
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されて、ループ内側の従動ローラ18との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ20には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。
【0025】
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
【0026】
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0027】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
【0028】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
【0029】
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0030】
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪42が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
【0031】
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の外面部であるシート載置部にスタックされる。
【0032】
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
【0033】
図1においては、本プリンタの一側端部は、揺動軸40aを中心に揺動することで筐体の本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
【0034】
反転ユニット40は、筺体の本体に対して揺動可能な外部カバー45と、これに対して更に揺動可能な第2揺動体46とを有している。具体的には、反転ユニット40の外部カバー45は、プリンタ本体の筺体に設けられた揺動軸40aを中心にして揺動するように支持されている。この揺動により、外部カバー45は、その内部に保持している第2揺動体46とともに筺体に対して開閉する。図中点線で示すように、外部カバー45がその内部の第2揺動体46とともに開かれると、反転ユニット40とプリンタ本体側との間に形成されていた給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36が縦に2分されて、外部に露出する。これにより、給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0035】
また、第2揺動体46は、外部カバー45が開かれた状態で、外部カバー45に設けられた図示しない揺動軸を中心にして揺動するように外部カバー45に支持されている。この揺動により、第2揺動体46が外部カバー45に対して開かれると、反転前搬送路41や反転搬送路44が縦に2分されて外部に露出する。これにより、反転前搬送路41内や反転搬送路44内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0036】
プリンタの筺体の上カバー50は、筺体の開閉扉になっている。そして、図中矢印で示すように、回動軸たる軸部材51を中心にして揺動自在に支持されており、図中反時計回り方向に所定角度回転することで、筺体に対して開いた状態になる。そして、筺体の保守点検開口を開く。
【0037】
各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kは、中間転写ベルト16の上方に配設されており、それらの更に上方には光書込装置70が配設されている。かかるレイアウトにおいて、各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kを上述の保守点検開口を通じて着脱するためには、光書込装置70を各プロセスユニットの真上から待避させる必要がある。本プリンタのように上カバー50を開放する方式では、光書込装置70を待避させる構成として、光書込装置70を鉛直方向にスライド移動可能に筺体内のフレームなどで支持させて、鉛直方向に着脱する構成が考えられる。また、筺体内のフレームなどによって光書込装置70の一端側を揺動可能に支持し、光書込装置70を揺動によって各プロセスユニットの真上から待避させたり、真上にセットしたりする構成でもよい。更には、光書込装置70を開閉可能な上カバー50の下面側に保持させて、上カバー50の開閉に伴って光書込装置70を各プロセスユニットの真上から待避させたり、真上にセットしたりする構成でもよい。
【0038】
但し、何れの構成においても、スライド移動又は揺動可能な光書込装置70のガタツキや、上カバー50のガタツキにより、光書込装置70と、筺体内の各感光体2Y,M,C,Kとの相対位置に誤差が生ずる。そして、この誤差によって光書込装置70の書込位置精度を低下させてしまう。書込位置精度の低下は、画像ボケ、画像抜け、ケラレなどの原因となる。また、本プリンタのように複数のプロセスユニットを配設した構成では、色合わせずれを引き起こしてしまう。
【0039】
図3は、本プリンタにおける上カバー50とその周囲構成とを示す拡大構成図である。同図において、上カバー50の裏面には、保持体たるカバーフレーム52と光書込装置70が固定されている。カバーフレーム52は、図紙面に直交する方向に所定の距離をおいて対向する板状の第1フレーム及び第2フレームと、これらを連結する図示しない第3フレーム及び第4フレームとを有している。そして、第1フレーム、第2フレームには、それぞれ矩形状の保持開口52aが互いに対向するように設けられている。
【0040】
一方、光書込装置70は、そのケーシング71における一側面に突設せしめられた円柱状の第1基準位置部材71aを有している。また、同図では示されていないが、ケーシング71の他側面に突設せしめられた円柱状の第2基準位置部材も有している。これら基準位置部材は、同一軸線上で延在するように設けられている。光書込装置70は、カバーフレーム52の第1フレームと第2フレームとの間に位置している。そして、一側面に突設せしめられた突き当て箇所たる第1基準位置部材71aを、カバーフレーム52の第1フレームに設けられた保持開口52aに貫通させている。また、同図では示していないが、他側面に突設せしめられた第2基準位置部材を、カバーフレーム52の第2フレームに設けられた開口に貫通させている。更に、光書込装置70のケーシング71には、上部にフック部71cを有している。このフック部71cは、上カバー50の下面に固定されたコイルバネ53によって上カバー50から遠ざかる方向に付勢されて、カバーフレーム52の引っ掛け部52bに引っ掛かっている。このように、光書込装置70は、その一側面から突出する第1基準位置部材71aと、他側面から突出する第2基準位置部材とをカバーフレーム52の開口に貫通させながら、フック部71cをカバーフレーム52の引っ掛け部52bに引っ掛けるる姿勢で、カバーフレーム52に保持されている。なお、カバーフレーム52については、上カバー50の本体と一体成型したものを採用してもよい。
【0041】
カバーフレーム52の第1フレームに設けられた保持開口52aや、図示しない第2フレームに設けられた開口は、光書込装置70の第1基準位置部材71aや図示しない第2基準位置部材の径よりもかなり大きなサイズになっている。これにより、光書込装置70は、自らの第1基準位置部材71aと、第1フレームの保持開口52aとのクリアランスや、自らの第2基準位置部材と、第2フレームの開口とのクリアランスの範囲内で遊動するようにカバーフレーム52に保持されている。
【0042】
カバーフレーム52の第1フレームや第2フレームの一端部には、それぞれ軸穴52cが形成されている。一方、プリンタの筺体の本体側には、第1側板80が立設せしめられている。また、同図では示していないが、この第1側板80の図中奥側では、第1側板80と所定の距離をおいて対向している第2側板も立設せしめられている。そして、これら第1側板80、第2側板の一端部には、それぞれ軸穴(第1側板80の場合には80a)が設けられている。カバーフレーム52の一端部は、これら第1側板80と第2側板との間に挿入されており、この状態で図示しない軸部材(図1の51)が第1側板80の軸穴80a、カバーフレーム52の第1フレームの軸穴52c、カバーフレーム52の第2フレームの軸穴、第2側板の軸穴に順次貫通するようにセットされる。これにより、上カバー50と光書込装置70とは、図4に示すように、前述の軸部材51を中心にして揺動するように、書込装置支持手段たる筺体の第1側板(80)や第2側板に支持される。
【0043】
上カバーに保持される光書込装置70は、上カバー50の開閉動作に伴って、横並びのプロセスユニット1Y,M,C,Kの何れにも対面しない開位置と、それらユニットにそれぞれ対面する閉位置との間を移動することができる。
【0044】
なお、カバーフレーム52の第1フレームや第2フレームには、それぞれ図示しないフックを設けており、上カバー50を閉じた状態では、これらのフックを筺体内の第1側板80や第2側板に設けた図示しない伸縮ピンに係合させる。そして、この係合により、カバーフレーム52の揺動を係止するようになっている。
【0045】
先に示した図3において、カバーフレーム52の第1フレームには、カバーフレーム52の保持開口52aを貫通している第1基準位置部材71aを左上から右下に向けて斜め方向に付勢する付勢手段たる第1付勢コイルバネ54が固定されている。同図では、第1基準位置部材71aを保持開口52aの中心位置に示しているが、上カバー50を開いた状態では、第1付勢コイルバネ54によって付勢される第1基準位置部材71aが保持開口52a内壁の隅に押し当てられた状態で、光書込装置70がカバーフレーム52に保持される。なお、同図では示していないが、カバーフレーム52の第2フレームには、その開口を貫通している第2基準位置部材を開口内壁に向けて付勢する第2付勢手段たる第2付勢コイルバネが固定されている。
【0046】
一方、筺体内の第1側板80の上部には、図5及び図6に示すように、上カバーが閉じられるのに伴って閉位置に移動してくる光書込装置70を突き当たりによって位置決めするための被突き当たり箇所たる第1位置決め部80bが設けられている。この第1位置決め部80bは、第1付勢コイルバネ(図6の54)によって付勢されている第1基準位置部材71aに当接する2つの当接面を有している。1つ目の当接面は、図中矢印X方向への第1基準位置部材71aの移動を規制するX方向規制当接面S2である。図中矢印X方向は、光書込装置70の潜像書込方向(主走査方向)である図紙面に直交する方向に対して直交し、且つ筺体内の感光体の表面における潜像書込位置(光書込位置)での移動方向である左右方向(図中左右方向)と同方向である。2つ目の当接面は、図中矢印Z方向への第1基準位置部材71aの移動を規制するZ方向規制当接面S3である。
【0047】
第1基準位置部材71aを付勢する図示しない第1付勢コイルとしては、図中白抜き矢印で示すように、第1基準位置部材71aをX方向に付勢するものと、Z方向に付勢するものとを別々に設けてもよい。但し、この場合、コイル数の増加によってコストアップを引き起こしてしまうとともに、装置の大型化を引き起こしてしまう。図8に示す構成を備える本プリンタのように、第1付勢コイルバネ54により、X方向移動成分と、Z方向移動成分とをもたせた斜め方向に第1基準位置部材71aを移動させるように付勢することで、低コスト化と小型化とを図ることができる。図示しない第2基準位置部材を付勢する第2付勢コイルについても同様のことが言える。
【0048】
先に図3に示した第1付勢コイルバネ54は、上カバー50が閉じられて閉位置にある光書込装置70の第1基準位置部材71aを付勢して、図5に示した第1位置決め部80bのX方向規制当接面S2とZ方向規制当接面S3との両方に突き当てる。これにより、閉位置にある光書込装置の端部が、X方向に位置決めされるとともに、Z方向にも位置決めされる。
【0049】
図5において、筺体の第1側板80と所定の距離をおいて対向する第2後側板90の上部には、上カバーが閉じられるのに伴って閉位置にきた光書込装置70を位置決めするための被突き当たり箇所たる第2位置決め部90bが設けられている。この第2位置決め部90bは、図示しない第2付勢コイルバネによって付勢されてくる第2基準位置部材71bに当接する2つの当接面を有している。
【0050】
カバーフレーム52の図示しない第2フレームに固定された第2付勢コイルバネは、閉位置にある光書込ユニット70の第2基準位置部材71bを付勢して、第2位置決め部90bのX方向規制当接面とZ方向規制当接面との両方に突き当てる。これにより、閉位置にある光書込装置70の他端部が、X方向に位置決めされるとともに、Z方向にも位置決めされる。
【0051】
かかる構成の本プリンタでは、光書込装置70を必要に応じて上カバー50の開動作によって閉位置から開位置に移動させることで、感光体やその周囲装置を内包する各プロセスユニット1Y,M,C,Kから大きく離間させる。そして、この離間によって各プロセスユニット1Y,M,C,Kを露出させて、それらのメンテナンス性を向上させることができる。
【0052】
また、閉位置にある光書込装置70の基準位置部材を付勢コイルバネによる付勢で筺体内の位置決め部に当接させることで、光書込装置70を筺体内の各感光体に対して位置決めする。このため、光書込装置70を移動可能に保持ながら自らも移動する保持体たるカバーフレーム52がある程度のガタツキをもって移動したとしても、光書込装置70を閉位置で筺体内の各感光体に対して位置決めして、光書込装置70の書込位置精度の低下を抑えることができる。
【0053】
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図9に示すように上カバー50を開位置から移動させて図10に示す閉位置へ移動させると、光書込装置70の第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部90a、90bに衝突する。この衝突により光書込装置70のケーシング内に位置決め固定されているミラーやレンズなどがずれて、書込位置精度が低下するおそれがあった。しかも、本実施形態においては、図10に示す閉位置においては、付勢コイルバネ54は圧縮された状態であり、開位置においては、付勢コイルバネ54は、自由長にまで伸びる。このため、付勢コイルバネ54が伸びた状態、すなわち、基準位置部材が位置決め部側に寄った状態で、基準位置部材が位置決め部と突き当たるため、衝突には不利である。
【0054】
そこで、本実施形態においては、図11に示すように、光書込装置70が傾くように構成し、閉位置で基準位置部材71a、71bが位置決め部80b、90bとが非当接状態となる退避位置と、基準位置部材71a、71bと位置決め部80b、90bとが当接する当接状態となる当接位置とを基準位置部材71a、71bが取りうるよう構成する。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させるとき、基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させておくことで、基準位置部材71a、71bが、位置決め部80a、80bと衝突しなくなり、光書込装置70のケーシング内に位置決め固定されているミラーやレンズなどのズレを抑制することができる。そして、光書込装置70を閉位置まで移動させた後、光書込装置70を水平になるよう移動させることで、基準位置部材71a、71bを当接位置へ移動させて、基準位置部材71a、71bを位置決め部80b、90bに当接させて、光書込装置70を閉位置で筺体内の各感光体に対して位置決めする。
【0055】
また、図12に示すように、位置決め部80b、90bが退避位置に移動可能に構成し、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させるとき、位置決め部80b、90bを退避位置に位置させておくことでも、基準位置部材71a、71bが、位置決め部80b、90bと衝突しなくなり、光書込装置70のケーシング内に位置決め固定されているミラーやレンズなどのズレを抑制することができる。この場合は、光書込装置70を閉位置まで移動させた後、位置決め部80b、90bを当接位置へ移動させ、基準位置部材を位置決め部に当接させて、光書込装置70を閉位置で筺体内の各感光体に対して位置決めする。
【0056】
以下に、実施例に基づいて、具体的に説明する。
【0057】
[実施例1]
図13は、実施例1の概略構成図である。
図14は、実施例1の概略斜視図である。
この実施例1は、切替機構100によって、光書込装置70を傾かせることで、基準位置部材の位置を退避位置に切り替えるものである。
図に示すように、切替機構100は、切替操作部たるレバー101を有している。レバー101は、一側面側に設けられた第1アーム部101aと、他側面側に設けられた第2アーム部101cとを有しており、第1アーム部101aと第2アーム部101cは、連結部101bによって連結されている。第1アーム部101aの下端には、第1軸部材103aの一端が固定されており、第2アーム部101cの下端には、第2軸部材103bが固定されている。レバー101は、上カバー50の揺動側の端部付近に設けられており、第1軸部材103aは、レバー収容部50aの一側面から回動自在に貫通している。また、第2軸部材103bは、レバー収容部50aの他側面から回動自在に貫通している。第1軸部材103aの軸端部には、第1係合部104aが固定されており、第2軸部材103bには、第2係合部104bが固定されている。
光書込装置70のケーシングの一側面には、ケーシング一側面から突設せしめられた円柱状の第1退避当接部102を有している。また、光書込装置70のケーシングの他側面には、ケーシング他側面から突設せしめられた図示しない円柱状の第2退避当接部が設けられている。
【0058】
開位置へ光書込装置70を移動させるとき、ユーザーは、上カバーに設けられた不図示のレバー収容部に収容されたレバー101の連結部101bをもって、レバー101を第1の位置たるレバー収容位置から図中実線の第2の位置たる立ち上げ位置にまで引き上げる。すると、第1係合部104aが第1退避当接部102と当接し、第2係合部104bが不図示の第2退避当接部と当接し、光書込装置70が、引っ掛け部52bを中心にして回動し、持ち上げられる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が、当接位置から退避位置へ切り替わる。
【0059】
実施例1においては、レバー101を上カバー50に取り付けているので、レバー101を引き上げると、上カバー50が軸部材51を中心にして回動し、閉位置から開位置へ光書込装置70を移動せしめることができる。すなわち、切替操作部たるレバー101が、光書込装置70を閉位置と開位置との間の移動を操作する移動操作部としても機能している。このように、レバー101を移動操作部として機能させることにより、基準位置部材を退避位置と当接位置との間の移動を操作する操作部と、上述の移動操作部とを別々に備えるものに比べて、部品点数を削減することができる。これにより、装置の低コスト化、装置の小型化を図ることができる。
また、レバー101を引き上げるだけで、光書込装置70を開位置へ移動させるとともに、基準位置部材71a、71bの位置を当接位置から退避位置へ切り替えることができるので、基準位置部材71a、71bの位置を切り替え操作する切替操作部と、上述の移動操作部とを別々に備えるものに比べて、光書込装置70を開位置へ移動させるときの操作を簡略化することができる。
【0060】
レバー101を引き上げた状態で光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたとき、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあるので、第1、第2基準位置部材71a、71bが、第1、第2位置決め部80b、90bと衝突することがない。よって、光書込装置70のケーシング内のミラーなどの光学系部品の位置がずれることがない。
【0061】
光書込装置70を閉位置へ移動させたら、レバー101をレバー収容位置へ倒していくと、第1係合部104aが第1退避当接部102から離間し、第2係合部104bが不図示の第2退避当接部から離間する。すると、光書込装置70が引っ掛け部52bを中心にして図中時計回りに回転し、第1、第2基準位置部材71a、71b位置が、退避位置から当接位置に切り替わる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部80b、90bと当接し、光書込装置70が装置本体内で位置決めされる。
【0062】
実施例1においては、レバー101が光書込装置70を移動させる方向を付勢コイルバネ54が光書込装置70(基準位置部材)を付勢する方向と逆方向となるように構成している。これにより、第1、第2係合部104a、104bを光書込装置70(退避当接部)から離間させるだけで、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を退避位置から当接位置に切り替えることができる。よって、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を退避位置から当接位置へ切り替えるための機構を設ける必要がなくなり、部品点数を削減でき、装置のコストダウンを図ることができる。また、装置の小型化を図ることができる。
【0063】
また、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、レバー101が倒れて、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置から当接位置へ移動して、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部に衝突するおそれがある。このため、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、第2の位置たる立ち上げ位置からレバーが倒れないように、レバー101を立ち上げ位置で係止する係止機構を設けても良い。
【0064】
図15は、係止機構160を設けた概略構成図である。なお、以下の説明では、第1アーム部101aについて説明するが、第2アーム部101cにも同様な係止機構が設けられている。
図に示すように、レバー101の第1アーム部101aの上カバー50の回動軸側(軸部材51)に切り欠き部163を設け、この切り欠き部163に係止部材161が設けられている。係止部材161の上端部には、不図示の貫通穴が設けられておりこの貫通穴に段付きネジ162が挿入され、第1アーム部101aにネジ止めされることで、係止部材161が回動自在に第1アーム部101aに固定されている。第1アーム部101aと不図示の第2アーム部101cの下端は、第1軸部材103aの軸中心を中心とする円形状に形成されており、上カバー50には、この第1アーム部101aと第2アーム部101cの下端に沿うようなR部50rが形成されている。係止部材161の下端部も第1軸部材103aの軸中心を中心に湾曲している。係止部材161の下端部のアーム部側の面と切り欠き部163の下端部との間にはコイルバネなどの付勢部材162が設けられており、係止部材161の下端を第1軸部材103aの軸中心から離れる方向へ付勢している。また、係止部材161の下端面は、上カバー50のレバー収容部50aの面に沿うようなテーパ面となっている。
【0065】
切替操作部たるレバー101がレバー収容部50aに収容されているとき、係止部材161は、上カバー50のR部50rによって、付勢部材162に抗って、第1軸部材103側に寄せられている。レバー収容部50aに収容された状態(レバー収容位置)から図15に示す第2位置たる立ち上げ位置まで立ち上げるとき、係止部材161の下端部が、上カバーのR部50rと摺動するため、操作者は、抵抗を感じながらレバー101を引き上げることとなる。そして、レバー101を立ち上げ位置まで引き上げると、係止部材161と上カバー50との当接が外れ、操作者は、今まで感じていた抵抗感を感じなくなり、所謂クリック感が生じる。これにより、操作者は、レバー101を立ち上げ位置まで引き上げたことを認識することができる。また、レバー101を立ち上げ位置まで引き上げると、係止部材161と上カバー50との当接が外れ、係止部材161の下端が上カバーのR部50rよりも突出する。これにより、レバー101が倒れようとしても、係止部材161の下端面が、上カバーのレバー収容部50aに突き当たり、レバー101が倒れるの防止することができる。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、第2の位置たる立ち上げ位置からレバー101が倒れることがなくなる。よって、光書込装置70が開位置から閉位置へ移動するときは、確実に第1、第2基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させることができ、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部に衝突するのを確実に防止することができる。
【0066】
レバー101を立ち上げ位置からレバー収容位置へ移動させるときは、レバー101を強く押し倒すことで、テーパ面となっている係止部材161の下端面によって、係止部材161が第1アーム部側へ押し込まれ、レバー101を立ち上げ位置からレバー収容位置へ移動させることができ、レバー101をレバー収容部50aに収容することができる。
【0067】
また、図16に示すように、レバー101に解除レバー171を設けて、解除レバー171をレバー101の連結部101b側へ引くことで、レバー101の係止を解除してもよい。
図17は、解除レバー171の操作によって、レバー101の係止が解除される解除機構を示す概略構成図である。なお、図17は、第1アーム部101aに設けられた解除機構を示す図であるが、第2アーム部101cも同様な解除機構を備えている。
図16に示すように、解除レバー171の両端には、それぞれアーム部101a、101cの内側面に沿うように、解除アーム172が設けられている。レバー101の各アーム部101a、101cには、上下方向に延びる長孔173が形成されており、この長孔173に解除アーム172の下端に設けられた突部174が貫通している。図17に示すように、突部174の先端には、線状部材175の一端が固定されており、他端は、係止部材161の下端部に固定されている。また、線状部材175は、軸部材103aに架け渡されている。
【0068】
解除レバー171をレバー101の連結部101b側へ引くと、線状部材175を介して、係止部材161がレバー101のアーム部側に押し込まれ、レバー101の係止が解除される。そして、解除レバー171を連結部101b側へ引いた状態で、レバー101を倒すことで、レバー101を立ち上げ位置からレバー収容位置へ移動させることができ、レバーをレバー収容部50aに収容することができる。このように、解除機構を設けることで、係止部材161の下端面を角形状とすることができ、係止部材161の下端面をテーパ面としたものに比べて、より確実にレバー101を係止することができる。
【0069】
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
図18は、実施例2の概略構成図である。
この実施例2においては、光書込装置70が閉位置にあるとき、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあるか否かを検知する検知手段110を設けたものである。
図に示すように、検知手段110は、揺動部材111と、光学センサ112とで構成されている。揺動部材111は、フィラー部111aとレバー当接部111bとで構成されており、上端部が装置本体の一側面側に揺動自在に固定されている。
光学センサ112は、発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とを備え、発光素子と受光素子とが所定の間隔をおいて対向配置されている。
【0070】
図中実線に示すようにレバー101を引き上げて、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にある状態で光書込装置70を閉位置に位置させた後、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を当接位置に切り替えるために、レバー101を倒すと、第1係合部104aの下端部が、揺動部材111のレバー当接部111bと当接する。さらに、レバー101を倒していくと、揺動部材111が図中反時計回りに回転して、フィラー部111aの下端部が、光学センサ112の不図示の発光素子と受光素子とが対向する対向領域に位置して、不図示の発光素子の光を遮断する。これにより、不図示の受光素子が、光が受光しなくなり、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあることが検知される。
【0071】
このように、実施例2においては、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあることを検知することによって、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていることを検知することができる。よって、検知手段110が、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあることを検知しているときのみ、画像形成動作が行われるように制御すれば、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていない状態で画像形成が行われるのを防止することができる。これにより、色ずれなどの異常画像が形成されるのを抑制することができる。
【0072】
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。
図19は、実施例3の概略構成図である。
この実施例3においては、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあるとき、インターロックスイッチ130がONになって、感光体、帯電装置4K、現像装置5K、光書込装置70などのプロセス手段が駆動可能な状態となるようにしたものである。
図に示すように、装置本体の一側面側には、略「く」の字形状の揺動アーム131が揺動自在に固定されており、揺動アーム131の上端部には、レバー当接部131aが設けられており、下端部には、スイッチ当接部131bが設けられている。
【0073】
図中実線で示すように、第1係合部104aの下端部が退避当接部を介して光書込装置を持ち上げて、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあるとき、インターロックスイッチ130は、OFFになっており、各プロセス手段と図示しない電源との接続が解除されている。これにより、光書込装置70装置本体に対して位置決めされていない状態のときに、画像が形成されることがない。
【0074】
レバーを図中点線に示す方に倒していくと、第1係合部104aが退避当接部から離間し、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が付勢コイルバネ54の付勢力によって当接位置へと切り替わり、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされる。さらに、レバー101を倒していくと、第1係合部104aの下端部が揺動アーム131のレバー当接部131aと当接する。さらにレバー101を倒していくと、揺動アーム131が回転して、揺動アーム131のスイッチ当接部131bが、インターロックスイッチ130のレバー部130aと当接する。この状態からさらにレバーを倒していくと、揺動アーム131がレバー部130aを押し込んで、インターロックスイッチ130の不図示のボタンが押され、インターロックスイッチ130が、OFFからONに切り替わり、各プロセス手段と図示しない電源とが接続されて、各プロセス手段が駆動可能な状態となる。これにより、画像形成を行えるようになる。
【0075】
この実施例3は、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていないときは、画像が形成されることがないので、色ずれなどの異常画像が形成されるのを抑制することができる。また、ハードウエア的に光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていないときは、画像形成動作を禁止するため、実施例2のように、ソフトウエア的に画像形成動作を禁止するもののように、ソフトウエアの暴走により画像形成動作が行われることがなく、より確実に画像形成動作を禁止することができる。また、複雑な制御が必要なくなり、単純な構成で画像形成動作を禁止することができるので、装置の抵コスト化を図ることができる。
【0076】
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。
図20は、実施例4の概略構成図である。
この実施例4においては、駆動手段たる切替モータ141を設けて、切替モータ141を駆動させることで、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を退避位置と当接位置とに切り替えるようにしたものである。
図に示すように、実施例4においては、切替モータ141が、装置本体の一側面側に設けられており、また、装置本体に回転自在に支持された不図示の回転軸に駆動ギアが固定されている。不図示のカバーフレームの第1フレームの光書込装置側の面には、従動ギヤ146が回転自在に取り付けられており、光書込装置70が閉位置にあるとき、駆動ギヤ142と噛み合っている。第1係合部104aには、扇状のレバーギヤ144が取り付けられており、このレバーギヤ144は、従動ギヤ146と噛み合っている。また、第1係合部104aには、第1バネ取付け部145aが設けられており、退避コイルバネ145の一端部が取り付けられている。また、不図示のカバーフレームの第1フレームの光書込装置70側の面には、第2バネ取付け部145bが設けられており、退避コイルバネ145の他端部が取り付けられている。レバー101が、図中実線の立ち上げ位置にあるとき、退避コイルバネ145は、自由長であり、レバー101が、図中点線のように立ち上げ位置から倒れた位置にあるとき、退避コイルバネ145は伸長せしめられ、第1係合部104aの下端部を図中X方向へ付勢する。
【0077】
光書込装置70を閉位置から開位置へ移動させるときは、切替モータ141を駆動させて、不図示の駆動伝機構を介して駆動ギヤ142に伝達され駆動ギヤ142から従動ギヤ146に伝達されて、レバーギヤ144が図中時計回りに回転し、レバー101が図中実線の立ち上げ位置まで立ち上がる。このとき、不図示の第2係合部が、不図示の第2退避当接部に当接して、光書込装置70を持ち上げて、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が当接位置から退避位置へと切り替わる。レバー101が図中実線の立ち上げ位置まで立ち上がったら、切替モータ141の駆動を停止する。そして、ユーザがレバー101の連結部101bを持ち上げて、光書込装置70を開位置まで移動させる。
【0078】
光書込装置70が開位置にあるときにレバー101が倒されても、退避コイルバネ145の付勢力によって立ち上げ位置へ戻される。よって、光書込装置70が開位置にあるときは、常に、第1、第2基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させることができる。よって、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたとき、第1、第2基準位置部材71a、71bが、第1、第2位置決め部80b、90bに衝突することがない。
【0079】
また、従動ギヤ146が駆動ギヤ142に衝突するおそれがあるが、駆動ギヤ142が固定されている回転軸を衝突方向へ移動可能にし、バネなどの付勢手段で衝突方向と反対側へ回転軸を付勢して、装置本体側で衝突力を受ける構成として、光書込装置に衝突の衝撃が伝わらないようにすればよい。
【0080】
光書込装置70が開位置から閉位置へ移動すると、図示しない上カバー開閉検知手段が、上カバー50が閉じられたことを検知し、光書込装置70を閉位置から開位置へ移動させるときと逆方向に切替モータ141を回転駆動させる。これにより、レバー101が倒れていき、不図示の第2係合部が、不図示の第2退避当接部から離間し、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が退避位置から当接位置へと切り替わる。これにより、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされる。
また、このとき、レバー101は、退避コイルバネ145によって、図中実線の立ち上げ位置側へ付勢されるが、切替モータ141によって、レバー101が立ち上げ位置側への移動が規制される。
【0081】
実施例4においては、切替モータ141で第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を、切替えるので、手動で切替えるように構成したもののように、画像形成装置の電源がOFFのときに、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が切り替えられることがない。よって、常に、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を把握することができる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあり、画像形成が可能な状態であるのか、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあり、画像形成ができない状態であるのかを装置の操作表示部や、パーソナルコンピュータの画面などに表示することができる。
【0082】
[実施例5]
次に、実施例5について説明する。
図21は、実施例5の概略構成図である。
この実施例5においては、第1、第2位置決め部80b、90bを当接位置と退避位置とに切り替え可能にしたものである。
図に示すように、実施例5における切替機構150は、上端に略L字状の第1位置決め部80bを備えた第1位置決め部移動部材152と、不図示の第2位置決め部移動部材と、第1揺動部材151と、不図示の第2揺動部材と、レバー101とで構成されている。第1位置決め部移動部材152には、2箇所長穴が設けられており、この長穴に装置本体の一側面から突出する係合ピンが係合し、付勢コイルバネ54の付勢方向と同方向に移動可能に、装置本体の一側面に取り付けられている。第1揺動部材151は、略「く」の字状の形状をしており、装置本体の一側面に回転可能に取り付けられている。第1揺動部材151の下端には、第1コイルバネ153の一端が取り付けられており、第1位置決め部移動部材152の下端には、第1コイルバネ153の他端が取り付けられている。なお、同図では示していないが、装置本体の他側面から突出する係合ピンに第2位置決め揺動部材の長穴が係合し、付勢コイルバネの付勢方向と同方向に移動可能に装置本体の他側面に取り付けられている。また、第2揺動部材が装置本体の他側面に回転可能に取り付けられており、第2揺動部材の下端と第2位置決め部移動部材の下端に第2コイルバネが取り付けられている。レバー101は、上述した実施例と同様、第1アーム部101aと、不図示の第2アーム部と、不図示の連結部と、第1、第2軸部材と、第1、第2係合部とからなっている。第1係合部104aおよび不図示の第2係合部の下端部には、揺動部材151と当接する当接突起154が設けられている。
【0083】
レバー101は、第1、第2位置決め部80b、90bが、第1、第2基準位置部材71a、71bと当接位置に位置させるレバー収容位置にあるとき、上カバー50に設けられた不図示の係合部と係合する。
【0084】
レバー101が、上カバーの不図示のレバー収容部に収容されているレバー収容位置あるとき、第1揺動部材151および不図示の第2揺動部材が図中点線のような姿勢を取っている。このとき、第1揺動部材151は、第1コイルバネ153によって、第1揺動部材151が図中反時計回りに回動させる方向に付勢されている。同様に、不図示の第2揺動部材が、不図示の第2コイルバネによって、図中反時計回りに回動させる方向に付勢されている。
【0085】
光書込装置70を閉位置から開位置へ移動させるときは、上カバー50に設けられた不図示の係合部とレバー101との係合を不図示の解除手段で解除する。すると、第1、第2コイルバネによって、第1、第2揺動部材の下端が、図中実線の位置にとなるまで図中反時計回りに回動し、レバー101を図中実線の立ち上がり位置まで回動させる。また、第1位置決め部移動部材152および不図示の第2位置決め部移動部材が当接位置から付勢コイルバネ54の付勢方向側へ移動して、第1、第2位置決め部80b、90bの位置が当接位置から退避位置へと切り替わる。そして、レバー101の連結部を持って、レバー101を引き上げることで、光書込装置70が閉位置から開位置へ移動する。
【0086】
光書込装置70が開位置にあるとき、レバー101が倒れないように、図15に示した係止機構でレバー101を係止するのが好ましい。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたときに、レバー101のアーム部下端に設けた当接突起154を揺動部材よりも光書込装置側に位置させることができる。
【0087】
光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたとき、第1、第2位置決め部80b、90bは、退避位置に位置しているので、第1、第2基準位置部材71a、71bが、第1、第2位置決め部80b、90bと衝突することがない。
【0088】
光書込装置70が閉位置へ移動させたら、レバー101をレバー収容位置まで倒していく。すると、第1係合部104aの当接突起154が、第1揺動部材151の上端の光書込装置側の面と当接し、第1揺動部材151を図中時計回りに回動させる。同様に、不図示の第2係合部の当接突起が、不図示の第2揺動部材の上端の光書込装置側の面と当接し、第2揺動部材を図中時計回りに回動させる。これら揺動部材の回動によって、第1、第2位置決め部移動部材が付勢コイルバネ54の付勢方向と逆方向へ移動して、第1、第2位置決め部80b、90bの位置が、退避位置から当接位置へと切り替わる。そして、レバー101がレバー収容位置まで倒れて、上カバーに設けられた不図示のレバー収容部に収容されたら、上カバー50に設けられた不図示の係合部と係合させる。
【0089】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体たる感光体2と、感光体2上に潜像を書き込む潜像書込手段たる光書込装置70と、光書込装置を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に装置本体に対して開位置と閉位置との間を回動可能な保持体たるカバーフレーム52とを備えている。また、光書込装置70の位置決め基準位置に第1、第2基準位置部材を設け、閉位置にある光書込装置を位置決めするための第1、第2位置決め部を画像形成装置内に設け、第1、第2基準位置部材を付勢手段たる付勢コイルバネによって付勢して位置決め部に当接させるように構成している。また、光書込装置70が閉位置にあるときにおいて、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが当接する当接状態と、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが非当接の非当接状態との2つの状態を取りうるよう構成し、当接状態と非当接状態とを切替える切替手段たる切替機構100を備えている。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させるときに、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが非当接となる非当接状態に切り替えておけば、光書込装置を開位置から閉位置へ移動してきたときに、第1、第2基準位置部材が第1、第2位置決め部に衝突するのを防止することができる。これにより、光書込装置のケーシング内に位置決め固定されているレンズやミラーなどの位置がずれてしまうのを抑制することができる。
また、光書込装置が閉位置にあるとき、切替機構によって、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが当接する当接状態に切り替えれば、光書込装置を閉位置で画像形成装置内の感光体に対して位置決めすることができ、光書込装置の書込位置精度の低下を抑えることができる。
【0090】
また、実施例1によれば、少なくとも閉位置において、切替機構100の切り替えによって、光書込装置が移動することで、第1、第2基準位置部材が、当接状態となる当接位置と、非当接状態となる退避位置とを取りうるように構成する。これにより、切替機構100の切り替えによって、当接状態と非当接状態とに切り替えることができる。
【0091】
また、実施例5のように、少なくとも閉位置において、切替機構150の切り替えによって、第1、第2位置決め部が、当接状態となる当接位置と、非当接状態となる退避位置とを取りうるよう構成してもよい。このように構成しても、切替機構150の切り替えによって、当接状態と非当接状態とに切り替えることができる。
【0092】
また、当接状態と非当接状態との切り替えを操作する切替操作部たるレバー101を設け、レバー101が、光書込装置70を閉位置と開位置との間の移動を操作する移動操作部として機能するよう構成している。これにより、切替操作部と、移動操作部とを別々に設けるものに比べて、部品点数を削減することができ、装置の低コスト化、装置の小型化を図ることができる。
【0093】
また、レバー101が第2の位置たる立ち上げ位置で係止するための係止機構160を設けることで、レバー101が倒れようとしても、係止機構160によって倒れるの防止することができる。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、第2の位置たる立ち上げ位置から第1の位置たるレバー収容位置へレバーが変位することがなくなる。よって、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときは、確実に第1、第2基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させることができ、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部に衝突するのを確実に防止することができる。
【0094】
また、解除レバーによって、レバーの係止を解除するようにしたので、解除レバーを操作しなければ、レバーの係止が解除できなくすることができ、より確実にレバーの倒れを防止することができる。
【0095】
また、実施例2では、光書込装置が、閉位置にあるとき、当接状態か否かを検知する検知手段110を備えている。これにより、検知手段110の検知結果から、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされているか否かを検知することができる。
【0096】
また、実施例3では、画像形成動作可能な状態と不能な状態とに切り替えるインターロックスイッチを設け、当接状態のとき、インターロックスイッチがONに切り替わり、画像形成動作可能となるよう構成している。このように構成することで、第1、第2基準位置部材が第1、第2位置決め部に当接して、光書込装置が、装置本体に対して位置決めされているときのみ、画像形成動作を行うことができる。よって、色ずれなどの異常画像が形成されるのを抑制することができる。
【0097】
また、実施例4では、駆動手段たる切替モータを設け、切替モータの駆動によって、非当接状態と当接状態とを切り替えるよう構成している。これにより、手動で切替えるようにに構成したもののように、画像形成装置の電源がOFFのときに、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が切り替えられることがない。よって、常に、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を把握することができる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあり、画像形成が可能な状態であるのか、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあり、画像形成ができない状態であるのかを装置の操作表示部や、パーソナルコンピュータの画面などに表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのK用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタにおける上カバーとその周囲構成とを示す拡大構成図。
【図4】上カバーの開閉動作を示す模式図。
【図5】同プリンタの筺体内における右側端部を示す斜視図。
【図6】同プリンタの右側端部を示す分解斜視図。
【図7】同プロセスユニットの光書込装置の第1基準位置部材と、筺体内の第1位置決め部との当接状態を示す模式図。
【図8】第1付勢コイルバネによって付勢される同第1基準位置部材とその周囲構成とを示す模式図。
【図9】光書込装置を開位置から閉位置へ移動する様子を示す図。
【図10】第1基準位置部材が第1位置決め部に衝突する様子を説明する図。
【図11】第1基準位置部材を退避位置に位置させた状態を示す図。
【図12】第1位置決め部を退避位置に位置させた状態を示す図。
【図13】実施例1の概略構成図。
【図14】実施例1の概略斜視図。
【図15】係止機構を設けた概略構成図。
【図16】解除レバーを示す図。
【図17】解除機構を設けた概略構成図。
【図18】実施例2の概略構成図。
【図19】実施例3の概略構成図。
【図20】実施例4の概略構成図。
【図21】実施例4の概略構成図。
【符号の説明】
【0099】
2Y,M,C,K:感光体
5K:現像装置
15:転写ユニット
50:上カバー
52:カバーフレーム
70:光書込装置
71a:第1基準位置部材
71b:第2基準位置部材
80b:第1位置決め部
90b:第2位置決め部
100:切替機構
101:レバー
101a:アーム部
101b:連結部
102:退避当接部
103:回動軸
110:検知手段
112:光学センサ
130:インターロックスイッチ
141:切替モータ
142:駆動ギヤ
144:レバーギヤ
145:退避コイルバネ
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機及びファクシミリなどの画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、一様帯電せしめた感光体等の潜像担持体に対し、レーザー光を光走査するレーザー書込装置などの潜像書込手段によって潜像を書き込む構成が広く採用されている。このような画像形成装置では、装置内のレイアウトによっては、潜像書込手段が邪魔になって潜像担持体やこれの周囲に配設される現像装置などといった各種の周囲装置のメンテナンス性を悪化させてしまうことがある。
【0003】
特許文献1には、画像形成装置の筺体の一部である固定カバーに対して開閉可能な開閉カバーによって潜像書込手段を支持し、開閉カバーの開放に伴って潜像書込手段を潜像担持体から大きく離間させる画像形成装置が記載されている。かかる構成によれば、開閉カバーの開放に伴って潜像書込手段を潜像担持体との対向位置から待避させ、潜像担持体やその周囲装置を外部に露出させることで、それらのメンテナンス性を向上させることができる。
【0004】
【特許文献1】特許第2849978号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような画像形成装置においては、開閉カバーが固定カバーに対してがたつくなどして、開閉カバーに支持される潜像書込手段と、固定カバーに支持される潜像担持体との相対位置に誤差が生じると、この誤差によって潜像書込手段の書込位置精度が低下してしまうといった不具合が生じる。
【0006】
そのため、本出願人は、特願2006−157380号(以下、「先願」という。)に記載の画像形成装置を提案した。この先願に記載された画像形成装置では、開閉カバーが閉じたときの閉位置で、開閉カバーに保持された潜像書込手段が有する基準位置部材を付勢手段によって付勢し、画像形成装置内の位置決め部に基準位置部材を当接させる。これにより、画像形成装置内で固定カバーに支持された潜像担持体に対し潜像書込手段を精度良く位置決めすることができ、潜像書込手段の書込位置精度が低下するのを抑制することができる。
【0007】
しかしながら、先願に記載の画像形成装置においては、次のような問題があることが判明した。すなわち、開閉カバーを開位置から閉位置へ移動させて、付勢手段によって付勢された潜像書込手段に設けられた基準位置部材を画像形成装置の位置決め部に当接させて位置決めする際に、基準位置部材が位置決め部に衝突する。このような衝突によって、潜像書込手段のケーシング内に位置決め固定されているレンズやミラーなどの位置がずれてしまい、潜像書込手段の書込位置精度が低下するという問題である。
【0008】
本発明は、前記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、基準位置部材が位置決め部に衝突するのを防止することが可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、前記潜像担持体上に潜像を書き込む潜像書込手段と、前記潜像書込手段を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に装置本体に対して開位置と閉位置との間を揺動可能な保持体とを備え、前記潜像書込手段の位置決め基準位置に基準位置部材を設け、前記閉位置に前記保持体があるときの前記潜像担持体に対する前記潜像書込手段を位置決めするための位置決め部を装置本体内に設け、前記基準位置部材を付勢手段によって付勢して前記位置決め部に当接させるように構成する画像形成装置において、前記保持体が閉位置にある状態において、前記位置決め部と前記基準位置部材とが当接する当接状態と、前記位置決め部と前記基準位置部材とが非当接の非当接状態との2つの状態を取りうるよう構成し、前記当接状態と前記非当接状態とを切替える切替手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記潜像書込手段が前記保持体に対して移動することで、前記基準位置部材が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の画像形成装置において、少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記位置決め部が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、前記切替手段は、前記当接状態と前記非当接状態との切り替えを操作する切替操作部を有し、前記切替操作部が、前記保持体を前記閉位置と前記開位置との間の移動を操作する移動操作部として機能するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、前記切替操作部は、前記当接状態にする第1位置と、前記非当接状態にする第2の位置との間で変位可能な構成であって、前記切替操作部が前記第2の位置で係止するための係止機構を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、前記切替操作部の係止を解除する解除レバーを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、前記保持体が閉位置にあるとき、前記当接状態か否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、画像形成動作可能な状態と不能な状態とに切り替えるインターロックスイッチを設け、前記当接状態のとき、インターロックスイッチがONに切り替わり、画像形成動作可能となるよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、前記切替手段は、駆動手段を有し、駆動手段の駆動によって、前記非当接状態と前記当接状態とを切り替えるよう構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1乃至9の発明によれば、切替手段によって、潜像書込手段を保持した保持体を開位置から閉位置へ移動させるときに、位置決め部と基準位置部材とが非当接となる非当接状態に切り替えておけば、潜像書込手段を保持した保持体を開位置から閉位置へ移動してきたときに、基準位置部材が位置決め部に衝突するのを防止することができる。これにより、潜像書込手段のケーシング内に位置決め固定されているレンズやミラーなどの位置がずれてしまうのを抑制することができる。
また、保持体が閉位置にあるとき、切替手段によって、位置決め部と基準位置部材とが当接する当接状態に切り替えれば、潜像書込手段を動作位置で画像形成装置内の潜像担持体に対して位置決めして、潜像書込手段の書込位置精度の低下を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック(以下、Y,M,C,Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット1Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するためのプロセスユニット1Kを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置5K等を備えている。これらが一体的にプリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0012】
前記帯電装置4Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体2Kの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体2Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。このK用の静電潜像は、図示しないKトナーを用いる現像装置5KによってKトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。
【0013】
ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、前記除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(1Y,M,C)においても、同様にして感光体(2Y,M,C)上に(Y,M,C)トナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。
【0014】
前記現像装置5Kは、図示しないKトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、現像部7Kとを有している。ホッパ部6K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向下方で図示しない駆動手段によって回転駆動されるトナー供給ローラ10Kなどが配設されている。
【0015】
ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によってトナー供給ローラ10Kに向けて移動する。このトナー供給ローラ10Kは、金属製の芯金と、これの表面に被覆された発泡樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部6K内のKトナーをローラ部の表面に付着させながら回転する。
【0016】
現像装置5Kの現像部7K内には、感光体2K及びトナー供給ローラ10Kに当接しながら回転する現像ローラ11Kや、これの表面に先端を当接させる薄層化ブレード12Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のトナー供給ローラ10Kに付着したKトナーは、現像ローラ11Kとトナー供給ローラ10Kとの当接部で現像ローラ11Kの表面に供給される。供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ11Kと感光体2Kとの当接部である現像領域において、感光体2K表面のK用の静電潜像に付着する。この付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像される。
【0017】
図2を用いてK用のプロセスユニットについて説明したが、Y,M,C用のプロセスユニット1Y,M,Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y,M,C表面にY,M,Cトナー像が形成される。
【0018】
先に示した図1において、プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向上方には、光書込装置70が配設されている。潜像書込手段たる光書込装置70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける感光体2Y,M,C,Kを光走査する。この光走査により、感光体2Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込装置70は、光源から発したレーザー光(L)を、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
【0019】
プロセスユニット1Y,M,C,Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段たる転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの1次転写ローラ19Y,M,C,K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22などを備えている。
【0020】
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ17、従動ローラ18、クリーニングバックアップローラ22及び4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kによって張架されている。そして、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ17の回転力により、同方向に無端移動せしめられる。
【0021】
4つの1次転写ローラ19Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト16を感光体2Y,M,C,Kとの間に挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、感光体2Y,M,C,Kとが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0022】
1次転写ローラ19Y,M,C,Kには、図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、1次転写ローラ19Y,M,C,Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ19Y,M,C,Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
【0023】
Y用のプロセスユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写せしめられた中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってM,C,K用の1次転写ニップを通過する際に、感光体2M,C,K上のM,C,Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
【0024】
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されて、ループ内側の従動ローラ18との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16のおもて面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップが形成されている。2次転写ローラ20には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。
【0025】
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
【0026】
給紙路31の末端付近には、レジストローラ対32が配設されている。このレジストローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップに向けて送り出す。
【0027】
2次転写ニップで記録紙Pに密着せしめられた中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
【0028】
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、中間転写ベルト16のおもて面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
【0029】
定着装置34は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップを形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0030】
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、その回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪42が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
【0031】
図示しないテンキー等からなる操作部に対する入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の外面部であるシート載置部にスタックされる。
【0032】
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
【0033】
図1においては、本プリンタの一側端部は、揺動軸40aを中心に揺動することで筐体の本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。更に、その湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転せしめられながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップに再進入する。そして、もう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
【0034】
反転ユニット40は、筺体の本体に対して揺動可能な外部カバー45と、これに対して更に揺動可能な第2揺動体46とを有している。具体的には、反転ユニット40の外部カバー45は、プリンタ本体の筺体に設けられた揺動軸40aを中心にして揺動するように支持されている。この揺動により、外部カバー45は、その内部に保持している第2揺動体46とともに筺体に対して開閉する。図中点線で示すように、外部カバー45がその内部の第2揺動体46とともに開かれると、反転ユニット40とプリンタ本体側との間に形成されていた給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36が縦に2分されて、外部に露出する。これにより、給紙路31、2次転写ニップ、転写後搬送路33、定着ニップ、定着後搬送路35、排紙路36内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0035】
また、第2揺動体46は、外部カバー45が開かれた状態で、外部カバー45に設けられた図示しない揺動軸を中心にして揺動するように外部カバー45に支持されている。この揺動により、第2揺動体46が外部カバー45に対して開かれると、反転前搬送路41や反転搬送路44が縦に2分されて外部に露出する。これにより、反転前搬送路41内や反転搬送路44内のジャム紙を容易に取り除くことができる。
【0036】
プリンタの筺体の上カバー50は、筺体の開閉扉になっている。そして、図中矢印で示すように、回動軸たる軸部材51を中心にして揺動自在に支持されており、図中反時計回り方向に所定角度回転することで、筺体に対して開いた状態になる。そして、筺体の保守点検開口を開く。
【0037】
各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kは、中間転写ベルト16の上方に配設されており、それらの更に上方には光書込装置70が配設されている。かかるレイアウトにおいて、各色のプロセスユニット1Y,M,C,Kを上述の保守点検開口を通じて着脱するためには、光書込装置70を各プロセスユニットの真上から待避させる必要がある。本プリンタのように上カバー50を開放する方式では、光書込装置70を待避させる構成として、光書込装置70を鉛直方向にスライド移動可能に筺体内のフレームなどで支持させて、鉛直方向に着脱する構成が考えられる。また、筺体内のフレームなどによって光書込装置70の一端側を揺動可能に支持し、光書込装置70を揺動によって各プロセスユニットの真上から待避させたり、真上にセットしたりする構成でもよい。更には、光書込装置70を開閉可能な上カバー50の下面側に保持させて、上カバー50の開閉に伴って光書込装置70を各プロセスユニットの真上から待避させたり、真上にセットしたりする構成でもよい。
【0038】
但し、何れの構成においても、スライド移動又は揺動可能な光書込装置70のガタツキや、上カバー50のガタツキにより、光書込装置70と、筺体内の各感光体2Y,M,C,Kとの相対位置に誤差が生ずる。そして、この誤差によって光書込装置70の書込位置精度を低下させてしまう。書込位置精度の低下は、画像ボケ、画像抜け、ケラレなどの原因となる。また、本プリンタのように複数のプロセスユニットを配設した構成では、色合わせずれを引き起こしてしまう。
【0039】
図3は、本プリンタにおける上カバー50とその周囲構成とを示す拡大構成図である。同図において、上カバー50の裏面には、保持体たるカバーフレーム52と光書込装置70が固定されている。カバーフレーム52は、図紙面に直交する方向に所定の距離をおいて対向する板状の第1フレーム及び第2フレームと、これらを連結する図示しない第3フレーム及び第4フレームとを有している。そして、第1フレーム、第2フレームには、それぞれ矩形状の保持開口52aが互いに対向するように設けられている。
【0040】
一方、光書込装置70は、そのケーシング71における一側面に突設せしめられた円柱状の第1基準位置部材71aを有している。また、同図では示されていないが、ケーシング71の他側面に突設せしめられた円柱状の第2基準位置部材も有している。これら基準位置部材は、同一軸線上で延在するように設けられている。光書込装置70は、カバーフレーム52の第1フレームと第2フレームとの間に位置している。そして、一側面に突設せしめられた突き当て箇所たる第1基準位置部材71aを、カバーフレーム52の第1フレームに設けられた保持開口52aに貫通させている。また、同図では示していないが、他側面に突設せしめられた第2基準位置部材を、カバーフレーム52の第2フレームに設けられた開口に貫通させている。更に、光書込装置70のケーシング71には、上部にフック部71cを有している。このフック部71cは、上カバー50の下面に固定されたコイルバネ53によって上カバー50から遠ざかる方向に付勢されて、カバーフレーム52の引っ掛け部52bに引っ掛かっている。このように、光書込装置70は、その一側面から突出する第1基準位置部材71aと、他側面から突出する第2基準位置部材とをカバーフレーム52の開口に貫通させながら、フック部71cをカバーフレーム52の引っ掛け部52bに引っ掛けるる姿勢で、カバーフレーム52に保持されている。なお、カバーフレーム52については、上カバー50の本体と一体成型したものを採用してもよい。
【0041】
カバーフレーム52の第1フレームに設けられた保持開口52aや、図示しない第2フレームに設けられた開口は、光書込装置70の第1基準位置部材71aや図示しない第2基準位置部材の径よりもかなり大きなサイズになっている。これにより、光書込装置70は、自らの第1基準位置部材71aと、第1フレームの保持開口52aとのクリアランスや、自らの第2基準位置部材と、第2フレームの開口とのクリアランスの範囲内で遊動するようにカバーフレーム52に保持されている。
【0042】
カバーフレーム52の第1フレームや第2フレームの一端部には、それぞれ軸穴52cが形成されている。一方、プリンタの筺体の本体側には、第1側板80が立設せしめられている。また、同図では示していないが、この第1側板80の図中奥側では、第1側板80と所定の距離をおいて対向している第2側板も立設せしめられている。そして、これら第1側板80、第2側板の一端部には、それぞれ軸穴(第1側板80の場合には80a)が設けられている。カバーフレーム52の一端部は、これら第1側板80と第2側板との間に挿入されており、この状態で図示しない軸部材(図1の51)が第1側板80の軸穴80a、カバーフレーム52の第1フレームの軸穴52c、カバーフレーム52の第2フレームの軸穴、第2側板の軸穴に順次貫通するようにセットされる。これにより、上カバー50と光書込装置70とは、図4に示すように、前述の軸部材51を中心にして揺動するように、書込装置支持手段たる筺体の第1側板(80)や第2側板に支持される。
【0043】
上カバーに保持される光書込装置70は、上カバー50の開閉動作に伴って、横並びのプロセスユニット1Y,M,C,Kの何れにも対面しない開位置と、それらユニットにそれぞれ対面する閉位置との間を移動することができる。
【0044】
なお、カバーフレーム52の第1フレームや第2フレームには、それぞれ図示しないフックを設けており、上カバー50を閉じた状態では、これらのフックを筺体内の第1側板80や第2側板に設けた図示しない伸縮ピンに係合させる。そして、この係合により、カバーフレーム52の揺動を係止するようになっている。
【0045】
先に示した図3において、カバーフレーム52の第1フレームには、カバーフレーム52の保持開口52aを貫通している第1基準位置部材71aを左上から右下に向けて斜め方向に付勢する付勢手段たる第1付勢コイルバネ54が固定されている。同図では、第1基準位置部材71aを保持開口52aの中心位置に示しているが、上カバー50を開いた状態では、第1付勢コイルバネ54によって付勢される第1基準位置部材71aが保持開口52a内壁の隅に押し当てられた状態で、光書込装置70がカバーフレーム52に保持される。なお、同図では示していないが、カバーフレーム52の第2フレームには、その開口を貫通している第2基準位置部材を開口内壁に向けて付勢する第2付勢手段たる第2付勢コイルバネが固定されている。
【0046】
一方、筺体内の第1側板80の上部には、図5及び図6に示すように、上カバーが閉じられるのに伴って閉位置に移動してくる光書込装置70を突き当たりによって位置決めするための被突き当たり箇所たる第1位置決め部80bが設けられている。この第1位置決め部80bは、第1付勢コイルバネ(図6の54)によって付勢されている第1基準位置部材71aに当接する2つの当接面を有している。1つ目の当接面は、図中矢印X方向への第1基準位置部材71aの移動を規制するX方向規制当接面S2である。図中矢印X方向は、光書込装置70の潜像書込方向(主走査方向)である図紙面に直交する方向に対して直交し、且つ筺体内の感光体の表面における潜像書込位置(光書込位置)での移動方向である左右方向(図中左右方向)と同方向である。2つ目の当接面は、図中矢印Z方向への第1基準位置部材71aの移動を規制するZ方向規制当接面S3である。
【0047】
第1基準位置部材71aを付勢する図示しない第1付勢コイルとしては、図中白抜き矢印で示すように、第1基準位置部材71aをX方向に付勢するものと、Z方向に付勢するものとを別々に設けてもよい。但し、この場合、コイル数の増加によってコストアップを引き起こしてしまうとともに、装置の大型化を引き起こしてしまう。図8に示す構成を備える本プリンタのように、第1付勢コイルバネ54により、X方向移動成分と、Z方向移動成分とをもたせた斜め方向に第1基準位置部材71aを移動させるように付勢することで、低コスト化と小型化とを図ることができる。図示しない第2基準位置部材を付勢する第2付勢コイルについても同様のことが言える。
【0048】
先に図3に示した第1付勢コイルバネ54は、上カバー50が閉じられて閉位置にある光書込装置70の第1基準位置部材71aを付勢して、図5に示した第1位置決め部80bのX方向規制当接面S2とZ方向規制当接面S3との両方に突き当てる。これにより、閉位置にある光書込装置の端部が、X方向に位置決めされるとともに、Z方向にも位置決めされる。
【0049】
図5において、筺体の第1側板80と所定の距離をおいて対向する第2後側板90の上部には、上カバーが閉じられるのに伴って閉位置にきた光書込装置70を位置決めするための被突き当たり箇所たる第2位置決め部90bが設けられている。この第2位置決め部90bは、図示しない第2付勢コイルバネによって付勢されてくる第2基準位置部材71bに当接する2つの当接面を有している。
【0050】
カバーフレーム52の図示しない第2フレームに固定された第2付勢コイルバネは、閉位置にある光書込ユニット70の第2基準位置部材71bを付勢して、第2位置決め部90bのX方向規制当接面とZ方向規制当接面との両方に突き当てる。これにより、閉位置にある光書込装置70の他端部が、X方向に位置決めされるとともに、Z方向にも位置決めされる。
【0051】
かかる構成の本プリンタでは、光書込装置70を必要に応じて上カバー50の開動作によって閉位置から開位置に移動させることで、感光体やその周囲装置を内包する各プロセスユニット1Y,M,C,Kから大きく離間させる。そして、この離間によって各プロセスユニット1Y,M,C,Kを露出させて、それらのメンテナンス性を向上させることができる。
【0052】
また、閉位置にある光書込装置70の基準位置部材を付勢コイルバネによる付勢で筺体内の位置決め部に当接させることで、光書込装置70を筺体内の各感光体に対して位置決めする。このため、光書込装置70を移動可能に保持ながら自らも移動する保持体たるカバーフレーム52がある程度のガタツキをもって移動したとしても、光書込装置70を閉位置で筺体内の各感光体に対して位置決めして、光書込装置70の書込位置精度の低下を抑えることができる。
【0053】
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図9に示すように上カバー50を開位置から移動させて図10に示す閉位置へ移動させると、光書込装置70の第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部90a、90bに衝突する。この衝突により光書込装置70のケーシング内に位置決め固定されているミラーやレンズなどがずれて、書込位置精度が低下するおそれがあった。しかも、本実施形態においては、図10に示す閉位置においては、付勢コイルバネ54は圧縮された状態であり、開位置においては、付勢コイルバネ54は、自由長にまで伸びる。このため、付勢コイルバネ54が伸びた状態、すなわち、基準位置部材が位置決め部側に寄った状態で、基準位置部材が位置決め部と突き当たるため、衝突には不利である。
【0054】
そこで、本実施形態においては、図11に示すように、光書込装置70が傾くように構成し、閉位置で基準位置部材71a、71bが位置決め部80b、90bとが非当接状態となる退避位置と、基準位置部材71a、71bと位置決め部80b、90bとが当接する当接状態となる当接位置とを基準位置部材71a、71bが取りうるよう構成する。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させるとき、基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させておくことで、基準位置部材71a、71bが、位置決め部80a、80bと衝突しなくなり、光書込装置70のケーシング内に位置決め固定されているミラーやレンズなどのズレを抑制することができる。そして、光書込装置70を閉位置まで移動させた後、光書込装置70を水平になるよう移動させることで、基準位置部材71a、71bを当接位置へ移動させて、基準位置部材71a、71bを位置決め部80b、90bに当接させて、光書込装置70を閉位置で筺体内の各感光体に対して位置決めする。
【0055】
また、図12に示すように、位置決め部80b、90bが退避位置に移動可能に構成し、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させるとき、位置決め部80b、90bを退避位置に位置させておくことでも、基準位置部材71a、71bが、位置決め部80b、90bと衝突しなくなり、光書込装置70のケーシング内に位置決め固定されているミラーやレンズなどのズレを抑制することができる。この場合は、光書込装置70を閉位置まで移動させた後、位置決め部80b、90bを当接位置へ移動させ、基準位置部材を位置決め部に当接させて、光書込装置70を閉位置で筺体内の各感光体に対して位置決めする。
【0056】
以下に、実施例に基づいて、具体的に説明する。
【0057】
[実施例1]
図13は、実施例1の概略構成図である。
図14は、実施例1の概略斜視図である。
この実施例1は、切替機構100によって、光書込装置70を傾かせることで、基準位置部材の位置を退避位置に切り替えるものである。
図に示すように、切替機構100は、切替操作部たるレバー101を有している。レバー101は、一側面側に設けられた第1アーム部101aと、他側面側に設けられた第2アーム部101cとを有しており、第1アーム部101aと第2アーム部101cは、連結部101bによって連結されている。第1アーム部101aの下端には、第1軸部材103aの一端が固定されており、第2アーム部101cの下端には、第2軸部材103bが固定されている。レバー101は、上カバー50の揺動側の端部付近に設けられており、第1軸部材103aは、レバー収容部50aの一側面から回動自在に貫通している。また、第2軸部材103bは、レバー収容部50aの他側面から回動自在に貫通している。第1軸部材103aの軸端部には、第1係合部104aが固定されており、第2軸部材103bには、第2係合部104bが固定されている。
光書込装置70のケーシングの一側面には、ケーシング一側面から突設せしめられた円柱状の第1退避当接部102を有している。また、光書込装置70のケーシングの他側面には、ケーシング他側面から突設せしめられた図示しない円柱状の第2退避当接部が設けられている。
【0058】
開位置へ光書込装置70を移動させるとき、ユーザーは、上カバーに設けられた不図示のレバー収容部に収容されたレバー101の連結部101bをもって、レバー101を第1の位置たるレバー収容位置から図中実線の第2の位置たる立ち上げ位置にまで引き上げる。すると、第1係合部104aが第1退避当接部102と当接し、第2係合部104bが不図示の第2退避当接部と当接し、光書込装置70が、引っ掛け部52bを中心にして回動し、持ち上げられる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が、当接位置から退避位置へ切り替わる。
【0059】
実施例1においては、レバー101を上カバー50に取り付けているので、レバー101を引き上げると、上カバー50が軸部材51を中心にして回動し、閉位置から開位置へ光書込装置70を移動せしめることができる。すなわち、切替操作部たるレバー101が、光書込装置70を閉位置と開位置との間の移動を操作する移動操作部としても機能している。このように、レバー101を移動操作部として機能させることにより、基準位置部材を退避位置と当接位置との間の移動を操作する操作部と、上述の移動操作部とを別々に備えるものに比べて、部品点数を削減することができる。これにより、装置の低コスト化、装置の小型化を図ることができる。
また、レバー101を引き上げるだけで、光書込装置70を開位置へ移動させるとともに、基準位置部材71a、71bの位置を当接位置から退避位置へ切り替えることができるので、基準位置部材71a、71bの位置を切り替え操作する切替操作部と、上述の移動操作部とを別々に備えるものに比べて、光書込装置70を開位置へ移動させるときの操作を簡略化することができる。
【0060】
レバー101を引き上げた状態で光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたとき、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあるので、第1、第2基準位置部材71a、71bが、第1、第2位置決め部80b、90bと衝突することがない。よって、光書込装置70のケーシング内のミラーなどの光学系部品の位置がずれることがない。
【0061】
光書込装置70を閉位置へ移動させたら、レバー101をレバー収容位置へ倒していくと、第1係合部104aが第1退避当接部102から離間し、第2係合部104bが不図示の第2退避当接部から離間する。すると、光書込装置70が引っ掛け部52bを中心にして図中時計回りに回転し、第1、第2基準位置部材71a、71b位置が、退避位置から当接位置に切り替わる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部80b、90bと当接し、光書込装置70が装置本体内で位置決めされる。
【0062】
実施例1においては、レバー101が光書込装置70を移動させる方向を付勢コイルバネ54が光書込装置70(基準位置部材)を付勢する方向と逆方向となるように構成している。これにより、第1、第2係合部104a、104bを光書込装置70(退避当接部)から離間させるだけで、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を退避位置から当接位置に切り替えることができる。よって、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を退避位置から当接位置へ切り替えるための機構を設ける必要がなくなり、部品点数を削減でき、装置のコストダウンを図ることができる。また、装置の小型化を図ることができる。
【0063】
また、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、レバー101が倒れて、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置から当接位置へ移動して、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部に衝突するおそれがある。このため、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、第2の位置たる立ち上げ位置からレバーが倒れないように、レバー101を立ち上げ位置で係止する係止機構を設けても良い。
【0064】
図15は、係止機構160を設けた概略構成図である。なお、以下の説明では、第1アーム部101aについて説明するが、第2アーム部101cにも同様な係止機構が設けられている。
図に示すように、レバー101の第1アーム部101aの上カバー50の回動軸側(軸部材51)に切り欠き部163を設け、この切り欠き部163に係止部材161が設けられている。係止部材161の上端部には、不図示の貫通穴が設けられておりこの貫通穴に段付きネジ162が挿入され、第1アーム部101aにネジ止めされることで、係止部材161が回動自在に第1アーム部101aに固定されている。第1アーム部101aと不図示の第2アーム部101cの下端は、第1軸部材103aの軸中心を中心とする円形状に形成されており、上カバー50には、この第1アーム部101aと第2アーム部101cの下端に沿うようなR部50rが形成されている。係止部材161の下端部も第1軸部材103aの軸中心を中心に湾曲している。係止部材161の下端部のアーム部側の面と切り欠き部163の下端部との間にはコイルバネなどの付勢部材162が設けられており、係止部材161の下端を第1軸部材103aの軸中心から離れる方向へ付勢している。また、係止部材161の下端面は、上カバー50のレバー収容部50aの面に沿うようなテーパ面となっている。
【0065】
切替操作部たるレバー101がレバー収容部50aに収容されているとき、係止部材161は、上カバー50のR部50rによって、付勢部材162に抗って、第1軸部材103側に寄せられている。レバー収容部50aに収容された状態(レバー収容位置)から図15に示す第2位置たる立ち上げ位置まで立ち上げるとき、係止部材161の下端部が、上カバーのR部50rと摺動するため、操作者は、抵抗を感じながらレバー101を引き上げることとなる。そして、レバー101を立ち上げ位置まで引き上げると、係止部材161と上カバー50との当接が外れ、操作者は、今まで感じていた抵抗感を感じなくなり、所謂クリック感が生じる。これにより、操作者は、レバー101を立ち上げ位置まで引き上げたことを認識することができる。また、レバー101を立ち上げ位置まで引き上げると、係止部材161と上カバー50との当接が外れ、係止部材161の下端が上カバーのR部50rよりも突出する。これにより、レバー101が倒れようとしても、係止部材161の下端面が、上カバーのレバー収容部50aに突き当たり、レバー101が倒れるの防止することができる。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、第2の位置たる立ち上げ位置からレバー101が倒れることがなくなる。よって、光書込装置70が開位置から閉位置へ移動するときは、確実に第1、第2基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させることができ、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部に衝突するのを確実に防止することができる。
【0066】
レバー101を立ち上げ位置からレバー収容位置へ移動させるときは、レバー101を強く押し倒すことで、テーパ面となっている係止部材161の下端面によって、係止部材161が第1アーム部側へ押し込まれ、レバー101を立ち上げ位置からレバー収容位置へ移動させることができ、レバー101をレバー収容部50aに収容することができる。
【0067】
また、図16に示すように、レバー101に解除レバー171を設けて、解除レバー171をレバー101の連結部101b側へ引くことで、レバー101の係止を解除してもよい。
図17は、解除レバー171の操作によって、レバー101の係止が解除される解除機構を示す概略構成図である。なお、図17は、第1アーム部101aに設けられた解除機構を示す図であるが、第2アーム部101cも同様な解除機構を備えている。
図16に示すように、解除レバー171の両端には、それぞれアーム部101a、101cの内側面に沿うように、解除アーム172が設けられている。レバー101の各アーム部101a、101cには、上下方向に延びる長孔173が形成されており、この長孔173に解除アーム172の下端に設けられた突部174が貫通している。図17に示すように、突部174の先端には、線状部材175の一端が固定されており、他端は、係止部材161の下端部に固定されている。また、線状部材175は、軸部材103aに架け渡されている。
【0068】
解除レバー171をレバー101の連結部101b側へ引くと、線状部材175を介して、係止部材161がレバー101のアーム部側に押し込まれ、レバー101の係止が解除される。そして、解除レバー171を連結部101b側へ引いた状態で、レバー101を倒すことで、レバー101を立ち上げ位置からレバー収容位置へ移動させることができ、レバーをレバー収容部50aに収容することができる。このように、解除機構を設けることで、係止部材161の下端面を角形状とすることができ、係止部材161の下端面をテーパ面としたものに比べて、より確実にレバー101を係止することができる。
【0069】
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
図18は、実施例2の概略構成図である。
この実施例2においては、光書込装置70が閉位置にあるとき、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあるか否かを検知する検知手段110を設けたものである。
図に示すように、検知手段110は、揺動部材111と、光学センサ112とで構成されている。揺動部材111は、フィラー部111aとレバー当接部111bとで構成されており、上端部が装置本体の一側面側に揺動自在に固定されている。
光学センサ112は、発光素子(不図示)と受光素子(不図示)とを備え、発光素子と受光素子とが所定の間隔をおいて対向配置されている。
【0070】
図中実線に示すようにレバー101を引き上げて、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にある状態で光書込装置70を閉位置に位置させた後、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を当接位置に切り替えるために、レバー101を倒すと、第1係合部104aの下端部が、揺動部材111のレバー当接部111bと当接する。さらに、レバー101を倒していくと、揺動部材111が図中反時計回りに回転して、フィラー部111aの下端部が、光学センサ112の不図示の発光素子と受光素子とが対向する対向領域に位置して、不図示の発光素子の光を遮断する。これにより、不図示の受光素子が、光が受光しなくなり、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあることが検知される。
【0071】
このように、実施例2においては、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあることを検知することによって、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていることを検知することができる。よって、検知手段110が、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあることを検知しているときのみ、画像形成動作が行われるように制御すれば、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていない状態で画像形成が行われるのを防止することができる。これにより、色ずれなどの異常画像が形成されるのを抑制することができる。
【0072】
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。
図19は、実施例3の概略構成図である。
この実施例3においては、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあるとき、インターロックスイッチ130がONになって、感光体、帯電装置4K、現像装置5K、光書込装置70などのプロセス手段が駆動可能な状態となるようにしたものである。
図に示すように、装置本体の一側面側には、略「く」の字形状の揺動アーム131が揺動自在に固定されており、揺動アーム131の上端部には、レバー当接部131aが設けられており、下端部には、スイッチ当接部131bが設けられている。
【0073】
図中実線で示すように、第1係合部104aの下端部が退避当接部を介して光書込装置を持ち上げて、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあるとき、インターロックスイッチ130は、OFFになっており、各プロセス手段と図示しない電源との接続が解除されている。これにより、光書込装置70装置本体に対して位置決めされていない状態のときに、画像が形成されることがない。
【0074】
レバーを図中点線に示す方に倒していくと、第1係合部104aが退避当接部から離間し、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が付勢コイルバネ54の付勢力によって当接位置へと切り替わり、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされる。さらに、レバー101を倒していくと、第1係合部104aの下端部が揺動アーム131のレバー当接部131aと当接する。さらにレバー101を倒していくと、揺動アーム131が回転して、揺動アーム131のスイッチ当接部131bが、インターロックスイッチ130のレバー部130aと当接する。この状態からさらにレバーを倒していくと、揺動アーム131がレバー部130aを押し込んで、インターロックスイッチ130の不図示のボタンが押され、インターロックスイッチ130が、OFFからONに切り替わり、各プロセス手段と図示しない電源とが接続されて、各プロセス手段が駆動可能な状態となる。これにより、画像形成を行えるようになる。
【0075】
この実施例3は、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていないときは、画像が形成されることがないので、色ずれなどの異常画像が形成されるのを抑制することができる。また、ハードウエア的に光書込装置70が装置本体に対して位置決めされていないときは、画像形成動作を禁止するため、実施例2のように、ソフトウエア的に画像形成動作を禁止するもののように、ソフトウエアの暴走により画像形成動作が行われることがなく、より確実に画像形成動作を禁止することができる。また、複雑な制御が必要なくなり、単純な構成で画像形成動作を禁止することができるので、装置の抵コスト化を図ることができる。
【0076】
[実施例4]
次に、実施例4について説明する。
図20は、実施例4の概略構成図である。
この実施例4においては、駆動手段たる切替モータ141を設けて、切替モータ141を駆動させることで、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を退避位置と当接位置とに切り替えるようにしたものである。
図に示すように、実施例4においては、切替モータ141が、装置本体の一側面側に設けられており、また、装置本体に回転自在に支持された不図示の回転軸に駆動ギアが固定されている。不図示のカバーフレームの第1フレームの光書込装置側の面には、従動ギヤ146が回転自在に取り付けられており、光書込装置70が閉位置にあるとき、駆動ギヤ142と噛み合っている。第1係合部104aには、扇状のレバーギヤ144が取り付けられており、このレバーギヤ144は、従動ギヤ146と噛み合っている。また、第1係合部104aには、第1バネ取付け部145aが設けられており、退避コイルバネ145の一端部が取り付けられている。また、不図示のカバーフレームの第1フレームの光書込装置70側の面には、第2バネ取付け部145bが設けられており、退避コイルバネ145の他端部が取り付けられている。レバー101が、図中実線の立ち上げ位置にあるとき、退避コイルバネ145は、自由長であり、レバー101が、図中点線のように立ち上げ位置から倒れた位置にあるとき、退避コイルバネ145は伸長せしめられ、第1係合部104aの下端部を図中X方向へ付勢する。
【0077】
光書込装置70を閉位置から開位置へ移動させるときは、切替モータ141を駆動させて、不図示の駆動伝機構を介して駆動ギヤ142に伝達され駆動ギヤ142から従動ギヤ146に伝達されて、レバーギヤ144が図中時計回りに回転し、レバー101が図中実線の立ち上げ位置まで立ち上がる。このとき、不図示の第2係合部が、不図示の第2退避当接部に当接して、光書込装置70を持ち上げて、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が当接位置から退避位置へと切り替わる。レバー101が図中実線の立ち上げ位置まで立ち上がったら、切替モータ141の駆動を停止する。そして、ユーザがレバー101の連結部101bを持ち上げて、光書込装置70を開位置まで移動させる。
【0078】
光書込装置70が開位置にあるときにレバー101が倒されても、退避コイルバネ145の付勢力によって立ち上げ位置へ戻される。よって、光書込装置70が開位置にあるときは、常に、第1、第2基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させることができる。よって、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたとき、第1、第2基準位置部材71a、71bが、第1、第2位置決め部80b、90bに衝突することがない。
【0079】
また、従動ギヤ146が駆動ギヤ142に衝突するおそれがあるが、駆動ギヤ142が固定されている回転軸を衝突方向へ移動可能にし、バネなどの付勢手段で衝突方向と反対側へ回転軸を付勢して、装置本体側で衝突力を受ける構成として、光書込装置に衝突の衝撃が伝わらないようにすればよい。
【0080】
光書込装置70が開位置から閉位置へ移動すると、図示しない上カバー開閉検知手段が、上カバー50が閉じられたことを検知し、光書込装置70を閉位置から開位置へ移動させるときと逆方向に切替モータ141を回転駆動させる。これにより、レバー101が倒れていき、不図示の第2係合部が、不図示の第2退避当接部から離間し、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が退避位置から当接位置へと切り替わる。これにより、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされる。
また、このとき、レバー101は、退避コイルバネ145によって、図中実線の立ち上げ位置側へ付勢されるが、切替モータ141によって、レバー101が立ち上げ位置側への移動が規制される。
【0081】
実施例4においては、切替モータ141で第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を、切替えるので、手動で切替えるように構成したもののように、画像形成装置の電源がOFFのときに、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が切り替えられることがない。よって、常に、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を把握することができる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあり、画像形成が可能な状態であるのか、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあり、画像形成ができない状態であるのかを装置の操作表示部や、パーソナルコンピュータの画面などに表示することができる。
【0082】
[実施例5]
次に、実施例5について説明する。
図21は、実施例5の概略構成図である。
この実施例5においては、第1、第2位置決め部80b、90bを当接位置と退避位置とに切り替え可能にしたものである。
図に示すように、実施例5における切替機構150は、上端に略L字状の第1位置決め部80bを備えた第1位置決め部移動部材152と、不図示の第2位置決め部移動部材と、第1揺動部材151と、不図示の第2揺動部材と、レバー101とで構成されている。第1位置決め部移動部材152には、2箇所長穴が設けられており、この長穴に装置本体の一側面から突出する係合ピンが係合し、付勢コイルバネ54の付勢方向と同方向に移動可能に、装置本体の一側面に取り付けられている。第1揺動部材151は、略「く」の字状の形状をしており、装置本体の一側面に回転可能に取り付けられている。第1揺動部材151の下端には、第1コイルバネ153の一端が取り付けられており、第1位置決め部移動部材152の下端には、第1コイルバネ153の他端が取り付けられている。なお、同図では示していないが、装置本体の他側面から突出する係合ピンに第2位置決め揺動部材の長穴が係合し、付勢コイルバネの付勢方向と同方向に移動可能に装置本体の他側面に取り付けられている。また、第2揺動部材が装置本体の他側面に回転可能に取り付けられており、第2揺動部材の下端と第2位置決め部移動部材の下端に第2コイルバネが取り付けられている。レバー101は、上述した実施例と同様、第1アーム部101aと、不図示の第2アーム部と、不図示の連結部と、第1、第2軸部材と、第1、第2係合部とからなっている。第1係合部104aおよび不図示の第2係合部の下端部には、揺動部材151と当接する当接突起154が設けられている。
【0083】
レバー101は、第1、第2位置決め部80b、90bが、第1、第2基準位置部材71a、71bと当接位置に位置させるレバー収容位置にあるとき、上カバー50に設けられた不図示の係合部と係合する。
【0084】
レバー101が、上カバーの不図示のレバー収容部に収容されているレバー収容位置あるとき、第1揺動部材151および不図示の第2揺動部材が図中点線のような姿勢を取っている。このとき、第1揺動部材151は、第1コイルバネ153によって、第1揺動部材151が図中反時計回りに回動させる方向に付勢されている。同様に、不図示の第2揺動部材が、不図示の第2コイルバネによって、図中反時計回りに回動させる方向に付勢されている。
【0085】
光書込装置70を閉位置から開位置へ移動させるときは、上カバー50に設けられた不図示の係合部とレバー101との係合を不図示の解除手段で解除する。すると、第1、第2コイルバネによって、第1、第2揺動部材の下端が、図中実線の位置にとなるまで図中反時計回りに回動し、レバー101を図中実線の立ち上がり位置まで回動させる。また、第1位置決め部移動部材152および不図示の第2位置決め部移動部材が当接位置から付勢コイルバネ54の付勢方向側へ移動して、第1、第2位置決め部80b、90bの位置が当接位置から退避位置へと切り替わる。そして、レバー101の連結部を持って、レバー101を引き上げることで、光書込装置70が閉位置から開位置へ移動する。
【0086】
光書込装置70が開位置にあるとき、レバー101が倒れないように、図15に示した係止機構でレバー101を係止するのが好ましい。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたときに、レバー101のアーム部下端に設けた当接突起154を揺動部材よりも光書込装置側に位置させることができる。
【0087】
光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させたとき、第1、第2位置決め部80b、90bは、退避位置に位置しているので、第1、第2基準位置部材71a、71bが、第1、第2位置決め部80b、90bと衝突することがない。
【0088】
光書込装置70が閉位置へ移動させたら、レバー101をレバー収容位置まで倒していく。すると、第1係合部104aの当接突起154が、第1揺動部材151の上端の光書込装置側の面と当接し、第1揺動部材151を図中時計回りに回動させる。同様に、不図示の第2係合部の当接突起が、不図示の第2揺動部材の上端の光書込装置側の面と当接し、第2揺動部材を図中時計回りに回動させる。これら揺動部材の回動によって、第1、第2位置決め部移動部材が付勢コイルバネ54の付勢方向と逆方向へ移動して、第1、第2位置決め部80b、90bの位置が、退避位置から当接位置へと切り替わる。そして、レバー101がレバー収容位置まで倒れて、上カバーに設けられた不図示のレバー収容部に収容されたら、上カバー50に設けられた不図示の係合部と係合させる。
【0089】
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体たる感光体2と、感光体2上に潜像を書き込む潜像書込手段たる光書込装置70と、光書込装置を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に装置本体に対して開位置と閉位置との間を回動可能な保持体たるカバーフレーム52とを備えている。また、光書込装置70の位置決め基準位置に第1、第2基準位置部材を設け、閉位置にある光書込装置を位置決めするための第1、第2位置決め部を画像形成装置内に設け、第1、第2基準位置部材を付勢手段たる付勢コイルバネによって付勢して位置決め部に当接させるように構成している。また、光書込装置70が閉位置にあるときにおいて、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが当接する当接状態と、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが非当接の非当接状態との2つの状態を取りうるよう構成し、当接状態と非当接状態とを切替える切替手段たる切替機構100を備えている。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動させるときに、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが非当接となる非当接状態に切り替えておけば、光書込装置を開位置から閉位置へ移動してきたときに、第1、第2基準位置部材が第1、第2位置決め部に衝突するのを防止することができる。これにより、光書込装置のケーシング内に位置決め固定されているレンズやミラーなどの位置がずれてしまうのを抑制することができる。
また、光書込装置が閉位置にあるとき、切替機構によって、第1、第2位置決め部と第1、第2基準位置部材とが当接する当接状態に切り替えれば、光書込装置を閉位置で画像形成装置内の感光体に対して位置決めすることができ、光書込装置の書込位置精度の低下を抑えることができる。
【0090】
また、実施例1によれば、少なくとも閉位置において、切替機構100の切り替えによって、光書込装置が移動することで、第1、第2基準位置部材が、当接状態となる当接位置と、非当接状態となる退避位置とを取りうるように構成する。これにより、切替機構100の切り替えによって、当接状態と非当接状態とに切り替えることができる。
【0091】
また、実施例5のように、少なくとも閉位置において、切替機構150の切り替えによって、第1、第2位置決め部が、当接状態となる当接位置と、非当接状態となる退避位置とを取りうるよう構成してもよい。このように構成しても、切替機構150の切り替えによって、当接状態と非当接状態とに切り替えることができる。
【0092】
また、当接状態と非当接状態との切り替えを操作する切替操作部たるレバー101を設け、レバー101が、光書込装置70を閉位置と開位置との間の移動を操作する移動操作部として機能するよう構成している。これにより、切替操作部と、移動操作部とを別々に設けるものに比べて、部品点数を削減することができ、装置の低コスト化、装置の小型化を図ることができる。
【0093】
また、レバー101が第2の位置たる立ち上げ位置で係止するための係止機構160を設けることで、レバー101が倒れようとしても、係止機構160によって倒れるの防止することができる。これにより、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときに、第2の位置たる立ち上げ位置から第1の位置たるレバー収容位置へレバーが変位することがなくなる。よって、光書込装置70を開位置から閉位置へ移動しているときは、確実に第1、第2基準位置部材71a、71bを退避位置に位置させることができ、第1、第2基準位置部材71a、71bが第1、第2位置決め部に衝突するのを確実に防止することができる。
【0094】
また、解除レバーによって、レバーの係止を解除するようにしたので、解除レバーを操作しなければ、レバーの係止が解除できなくすることができ、より確実にレバーの倒れを防止することができる。
【0095】
また、実施例2では、光書込装置が、閉位置にあるとき、当接状態か否かを検知する検知手段110を備えている。これにより、検知手段110の検知結果から、光書込装置70が装置本体に対して位置決めされているか否かを検知することができる。
【0096】
また、実施例3では、画像形成動作可能な状態と不能な状態とに切り替えるインターロックスイッチを設け、当接状態のとき、インターロックスイッチがONに切り替わり、画像形成動作可能となるよう構成している。このように構成することで、第1、第2基準位置部材が第1、第2位置決め部に当接して、光書込装置が、装置本体に対して位置決めされているときのみ、画像形成動作を行うことができる。よって、色ずれなどの異常画像が形成されるのを抑制することができる。
【0097】
また、実施例4では、駆動手段たる切替モータを設け、切替モータの駆動によって、非当接状態と当接状態とを切り替えるよう構成している。これにより、手動で切替えるようにに構成したもののように、画像形成装置の電源がOFFのときに、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置が切り替えられることがない。よって、常に、第1、第2基準位置部材71a、71bの位置を把握することができる。これにより、第1、第2基準位置部材71a、71bが当接位置にあり、画像形成が可能な状態であるのか、第1、第2基準位置部材71a、71bが退避位置にあり、画像形成ができない状態であるのかを装置の操作表示部や、パーソナルコンピュータの画面などに表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのK用のプロセスユニットを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタにおける上カバーとその周囲構成とを示す拡大構成図。
【図4】上カバーの開閉動作を示す模式図。
【図5】同プリンタの筺体内における右側端部を示す斜視図。
【図6】同プリンタの右側端部を示す分解斜視図。
【図7】同プロセスユニットの光書込装置の第1基準位置部材と、筺体内の第1位置決め部との当接状態を示す模式図。
【図8】第1付勢コイルバネによって付勢される同第1基準位置部材とその周囲構成とを示す模式図。
【図9】光書込装置を開位置から閉位置へ移動する様子を示す図。
【図10】第1基準位置部材が第1位置決め部に衝突する様子を説明する図。
【図11】第1基準位置部材を退避位置に位置させた状態を示す図。
【図12】第1位置決め部を退避位置に位置させた状態を示す図。
【図13】実施例1の概略構成図。
【図14】実施例1の概略斜視図。
【図15】係止機構を設けた概略構成図。
【図16】解除レバーを示す図。
【図17】解除機構を設けた概略構成図。
【図18】実施例2の概略構成図。
【図19】実施例3の概略構成図。
【図20】実施例4の概略構成図。
【図21】実施例4の概略構成図。
【符号の説明】
【0099】
2Y,M,C,K:感光体
5K:現像装置
15:転写ユニット
50:上カバー
52:カバーフレーム
70:光書込装置
71a:第1基準位置部材
71b:第2基準位置部材
80b:第1位置決め部
90b:第2位置決め部
100:切替機構
101:レバー
101a:アーム部
101b:連結部
102:退避当接部
103:回動軸
110:検知手段
112:光学センサ
130:インターロックスイッチ
141:切替モータ
142:駆動ギヤ
144:レバーギヤ
145:退避コイルバネ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体上に潜像を書き込む潜像書込手段と、
前記潜像書込手段を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に装置本体に対して開位置と閉位置との間を揺動可能な保持体とを備え、
前記潜像書込手段の位置決め基準位置に基準位置部材を設け、前記閉位置に前記保持体があるときの前記潜像担持体に対する前記潜像書込手段を位置決めするための位置決め部を装置本体内に設け、前記基準位置部材を付勢手段によって付勢して前記位置決め部に当接させるように構成する画像形成装置において、
前記保持体が閉位置にある状態において、前記位置決め部と前記基準位置部材とが当接する当接状態と、前記位置決め部と前記基準位置部材とが非当接の非当接状態との2つの状態を取りうるよう構成し、
前記当接状態と前記非当接状態とを切替える切替手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記潜像書込手段が前記保持体に対して移動することで、前記基準位置部材が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記位置決め部が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
前記切替手段は、前記当接状態と前記非当接状態との切り替えを操作する切替操作部を有し、
前記切替操作部が、前記保持体を前記閉位置と前記開位置との間の移動を操作する移動操作部として機能するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
前記切替操作部は、前記当接状態にする第1位置と、前記非当接状態にする第2位置との間で変位可能な構成であって、
前記切替操作部が前記第2の位置で係止するための係止機構を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
前記切替操作部の係止を解除する解除レバーを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、
前記保持体が閉位置にあるとき、前記当接状態か否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、
画像形成動作可能な状態と不能な状態とに切り替えるインターロックスイッチを設け、
前記当接状態のとき、インターロックスイッチがONに切り替わり、画像形成動作可能となるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、
前記切替手段は、駆動手段を有し、駆動手段の駆動によって、前記非当接状態と前記当接状態とを切り替えるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
無端移動する表面に潜像を担持する潜像担持体と、
前記潜像担持体上に潜像を書き込む潜像書込手段と、
前記潜像書込手段を保持しながら装置本体に設けられた回動軸を中心に装置本体に対して開位置と閉位置との間を揺動可能な保持体とを備え、
前記潜像書込手段の位置決め基準位置に基準位置部材を設け、前記閉位置に前記保持体があるときの前記潜像担持体に対する前記潜像書込手段を位置決めするための位置決め部を装置本体内に設け、前記基準位置部材を付勢手段によって付勢して前記位置決め部に当接させるように構成する画像形成装置において、
前記保持体が閉位置にある状態において、前記位置決め部と前記基準位置部材とが当接する当接状態と、前記位置決め部と前記基準位置部材とが非当接の非当接状態との2つの状態を取りうるよう構成し、
前記当接状態と前記非当接状態とを切替える切替手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記潜像書込手段が前記保持体に対して移動することで、前記基準位置部材が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるように構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
少なくとも前記保持体が閉位置にある状態において、前記切替手段の切り替えによって、前記位置決め部が、前記当接状態となる当接位置と、前記非当接状態となる退避位置とを取りうるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
前記切替手段は、前記当接状態と前記非当接状態との切り替えを操作する切替操作部を有し、
前記切替操作部が、前記保持体を前記閉位置と前記開位置との間の移動を操作する移動操作部として機能するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の画像形成装置において、
前記切替操作部は、前記当接状態にする第1位置と、前記非当接状態にする第2位置との間で変位可能な構成であって、
前記切替操作部が前記第2の位置で係止するための係止機構を設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
前記切替操作部の係止を解除する解除レバーを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、
前記保持体が閉位置にあるとき、前記当接状態か否かを検知する検知手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、
画像形成動作可能な状態と不能な状態とに切り替えるインターロックスイッチを設け、
前記当接状態のとき、インターロックスイッチがONに切り替わり、画像形成動作可能となるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、
前記切替手段は、駆動手段を有し、駆動手段の駆動によって、前記非当接状態と前記当接状態とを切り替えるよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2009−109759(P2009−109759A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282219(P2007−282219)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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