説明

画像形成装置

【課題】構成部材と電装部材とを電気的に接続する配線間の干渉による不具合の発生を防止し、装置の複雑化や、作業の容易化や作業時間の短縮等、作業性を高めることが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100において、背面側板21には、作像駆動ユニット23b〜23dと配線27bにより電気的に接続された第1接続部76aを有する第1固定用部材76が設けられ、第1電装箱51には、高圧基板25b〜25d、電源基板31aと配線27bにより電気的に接続された第2接続部91aを有する電装箱固定部材87が設けられている。電装箱固定部材87を下方に摺動させることにより、第1接続部76aと第2接続部91aとが連結され、背面側板21と第1電装箱51とが固定されると共に第1接続部76aと第2接続部91aとが電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機、レーザプリンタ等の電子写真法を用いた画像形成装置に関し、特に、装置本体の作像駆動ユニットや電装基板の装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法を用いたカラー画像形成装置においては、例えば、画像形成装置本体内に異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及び黒色)の画像に対応して、4つの画像形成部が配設されている。これらの画像形成部に設けられた各感光体上に、それぞれ帯電、露光、現像の各工程によりシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色のトナー像が順次形成され、中間転写ベルト又は搬送ベルトが各感光体と接触することにより、感光体表面上に形成されたトナー像が順次転写される。
【0003】
各トナー像は、中間転写ベルト上に一次転写された後、搬送された用紙上に二次転写され、若しくは搬送ベルト上を搬送された用紙に直接転写された後、定着工程により永久像とされる。
【0004】
このような画像形成装置、特に高速機や大型機においては、図11に示すように、画像形成装置100の前面側板20と背面側板21の間に画像形成部Pa〜Pdが配設されており、背面側板21における画像形成部Pa〜Pdと反対側面には、背面側板21を挟んで画像形成部Pa〜Pdの各端部に接続し、これらを駆動するための作像駆動ユニット23a、23b、23c及び23dが配設され、作像駆動ユニット23a〜23dの更に背面側には、作像駆動ユニット23a〜23dに駆動電力を供給する高圧基板25a、25b、25c、及び25dが配設されている。
【0005】
また、高圧基板25a〜25dの更に背面側には、画像形成に必要な種々の電気回路を有する電装基板31が複数(ここでは電源基板31a、制御基板31b)備えられ、背面側に開口部を有する平たい箱状部材から成る電装箱33が、背面側板21の左側側面部を片側支点として開閉可能に配設されている。背面側板21の左側側面部の上下方向に沿って、第1ヒンジ部34が2箇所内側に突設され、電装箱33の左側側面部には、第1ヒンジ部34と連結される第2ヒンジ部35が外側に突設されている。
【0006】
また、図12に示すように、第1ヒンジ部34には、ピン34aが2つ垂直方向に沿って上方に突設され、第2ヒンジ部35には、ピン34aと係合可能な係合孔35aが設けられており、係合孔35aがピン34aと係合することにより、第1ヒンジ部34と第2ヒンジ部35とが連結され、図13に示すように電装箱33が開閉可能となっている。
【0007】
図14には、図11を左側から見た側面図を示し、図15には、図14に示された各部材の配設順序を示し、図16には配線27bの配設状態を示し、図17には図16を上から見た図を示すが、図14に示すように、背面側板21から装置本体背面側(図の右側)に向かって、高圧基板25a〜25d、電装箱33の順に配設され、これらは図15の矢印に示すように、高圧基板25a〜25d、電装箱33の順に取り付けられるようになっている。
【0008】
また、図15に示すように、高圧基板25a〜25dには、コネクタ27aや配線27b(太線)が配設されており、コネクタ27aは作像駆動ユニット23〜23dに接続され、図16及び図17に示すように、配線27bは電装箱33の側面に設けられた窓部28を通って電源用基板31aや制御基板31bと接続されるようになっている。また、電源用基板31aは、電源コンセント29(図11参照)に接続されている。
【0009】
そして、出荷後における定期点検や修理等において作像駆動ユニット23a〜23d等の構成部品の確認や交換をする際には、まず電装箱33を開け、次に高圧基板25a〜25dに接続しているコネクタ27aや配線27b等の接続部材27を取り外し、その後、さらに高圧基板25a〜25dを取り外した後、作像駆動ユニット23a〜23dにアクセス可能となる。
【0010】
このように、作像駆動ユニット23a〜23dにアクセスするためには、背面側に配置された電装箱33から順次開放若しくは取り外し、しかもこの際、配線27bを取り外す必要があり、作業が煩雑になって作業時間も長くなる、或いは取り外したコネクタや配線を再び取り付ける際に、誤って接続すると装置本体の破損につながるおそれもある。
【0011】
そこで、このような構成部材へのアクセスを容易にするための方法が提案されている。例えば、特許文献1には、装置本体に装着する本体電装基板及びオプション用電装基板のすべてを、装置本体とは別体で該装置本体に装着する一つの金属製の筐体に収容し、該金属製の筐体にパソコンと同等機能を有するオプション装置を備えた画像形成装置とすることにより、筐体内の電装基板に容易にアクセスし、電装基板のメンテナンス性を向上させる方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−249633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1の方法では、筐体の開閉ロックは固定ネジで行っており、筐体を開けた後、装置本体内部の構成部材との接続を外す必要がある。このため、作業が煩雑になって作業時間も長くなる、或いは取り外したコネクタや配線を再び取り付ける際に、誤って接続すると、装置本体の破損につながるおそれもある。
【0013】
また、装置本体内部の構成部材と電装基板とを配線で接続している場合には、複数の配線間の干渉による誤動作や、電磁ノイズの発生が生じるおそれがある。また、断線が生じるおそれもあり、断線を回避するための部材構成や配置構成が必要となり、装置が複雑になり、コストアップにつながるおそれもある。さらに、定期又は不定期に行うメンテナンス等において、上記のような作業性の低下や誤接続や配線不良が生じるおそれもある。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑み、構成部材と電装部材とを電気的に接続する配線間の干渉による不具合の発生を防止し、装置の複雑化や、作業の容易化や作業時間の短縮等、作業性を高めることが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために本発明は、構成部材が作動することにより画像形成を行う画像形成装置において、前記構成部材が配設された構成部材支持部材と、前記構成部材と電気的に接続される電装基板と、前記電装基板が配設された電装基板支持部材と、前記構成部材支持部材に配設され、前記構成部材と電気的に接続された第1固定手段と、前記電装基板支持部材に配設され、前記電装基板と電気的に接続されており、前記第1固定手段と連結可能な第2固定手段と、が設けられ、前記第1及び第2固定手段の一方は、前記構成部材支持部材若しくは前記電装基板支持部材に、他方に対して連結する位置と連結解除する位置とに移動可能に支持されており、前記第1及び第2固定手段が連結されることにより、前記構成部材支持部材と前記電装基板支持部材とが固定されると共に、前記第1固定手段と前記第2固定手段とが電気的に接続されることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、前記電装基板支持部材の一端が装置本体に開閉可能に軸支されており、前記第1及び第2固定手段は、前記電装基板支持部材の開閉をロック及びロック解除する開閉ロック機構として機能することを特徴としている。
【0017】
また、本発明は、前記第2固定手段が、前記電装基板支持部材に、前記第1固定手段に対して連結する位置と連結解除する位置とに摺動可能に支持されたことを特徴としている。
【0018】
また、本発明は、前記第2固定手段には、該第2固定手段が前記第1固定手段と連結したとき前記構成部材支持部材に設けられた第1係合部と係合可能な第2係合部が設けられたことを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、前前記第2固定手段には、該固定手段を移動させる取手部が設けられたことを特徴としている。
【0020】
また、本発明は、前記電装基板支持部材を覆うものであり、一端が装置本体に開閉可能に軸支されたカバー部材が設けられ、前記第2固定手段及び前記カバー部材に、該カバー部材の開閉をロックするカバー部材開閉ロック機構が設けられたことを特徴としている。
【0021】
また、本発明は、前記構成部材は、画像形成部であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1の構成によれば、構成部材が作動することにより画像形成を行う画像形成装置において、構成部材支持部材に、構成部材と電気的に接続された第1固定手段を設け、構成部材と電気的に接続される電装基板が配設された電装基板支持部材に、電装基板と電気的に接続されており、第1固定手段と連結可能な第2固定手段を設け、第1及び第2固定手段の一方を移動可能に上記支持部材に支持することとし、第1及び第2連結部材を上記支持部材とは別途移動させて連結することにより、構成部材支持部材と電装基板支持部材とを固定すると共に、第1接続部と第2接続部とを電気的に接続することとした。
【0023】
これにより、第1固定手段と第2固定手段とを連結するだけで、構成部材と電装基板支持部材とを固定すると共に、構成部材と電装基板とを電気的に接続することができる。従って、構成部材と電装部材とを電気的に接続する配線を短くすると共に配線間の干渉を防止し、かかる干渉による不具合を防止することができる。また、配線の配置や接続の複雑化を回避できるため、装置の複雑化を防止すると共に、作業の容易化や作業時間の短縮等、作業性を高めることができる。
【0024】
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、電装基板支持部材の一端を装置本体に開閉可能に軸支し、第1及び第2固定手段が、電装基板支持部材の開閉をロック及びロック解除する開閉ロック機構として機能することとした。これにより、第1固定手段と第2固定手段との連結及び連結解除を行うだけで、上記電気的な接続及び取り外しと、電装基板支持部材の開閉ロック及びロック解除と、が可能となる。
【0025】
従って、電装基板支持部材の開閉をロックしなければ、構成部材と電装基板が電気的に接続されず、両者が電気的に接続されたまま電装基板支持部材が開放することを防止することができる。また、電気的接続が解除されなければ電装基板支持部材を開けることができないため、より安全となる。
【0026】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第1または第2の構成の画像形成装置において、第2固定手段を、電装基板支持部材に、第1固定手段と連結及び連結解除される位置に摺動可能に支持することにより、第2固定手段を摺動させるだけで構成部材と電装基板との電気的な接続が可能になるため、簡単な構成で簡便に第1固定手段と第2固定手段とを連結することができる。
【0027】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1〜第3のいずれかの構成の画像形成装置において、第2固定手段に、前記構成部材支持部材に設けられた第1係合部と係合する第2係合部を設けることにより、連結された第1及び第2固定手段のガタツキを防止し、より確実に安定して第1固定手段と第2固定手段とを連結することができる。
【0028】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1〜第4のいずれかの構成の画像形成装置において、第2固定手段に取手部を設けることにより、容易に第2固定手段を移動させることができる。
【0029】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第1〜第5のいずれかの構成の画像形成装置において、電装基板支持部材を覆うものであり、一端が装置本体に開閉可能に軸支されたカバー部材を設け、第2固定手段及びカバー部材に、第2固定手段が第1固定手段に連結されたときカバー部材の開閉をロックするカバー部材開閉ロック機構を設けることとした。これにより、構成部材と電装基板とが確実に電気的接続された後にのみ電装基板支持部材をカバーすることができるため、接続不良による誤作動を防止することができる。
【0030】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第1〜6の構成の画像形成装置において、構成部材を画像形成部とすることにより、より誤作動や不具合を防止した画像形成を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一例の画像形成装置を示す概略図である。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(マゼンタ、シアン、イエロー及び黒色)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりマゼンタ、シアン、イエロー及び黒色の画像を順次形成する。
【0032】
この画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1c及び1dが配設されており、これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、駆動手段(図示せず)により図1において反時計回り(矢印方向)に回転しながら各画像形成部に隣接して移動する搬送ベルト50によって搬送された用紙P上に順次転写され、さらに、定着部7において用紙P上に定着された後、装置本体より排出される構成となっている。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0033】
トナー像が転写される用紙Pは、装置下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラ12a、給紙ローラ対12b、12c及びレジストローラ対12dを介して各画像形成部Pa〜Pdへと搬送される。搬送ベルト50には誘電体樹脂製のシートが用いられ、そのフランジ部を互いに重ね合わせて接合しエンドレス形状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが用いられる。また、従動ローラ10の上流側には搬送ベルト50に付着したトナーを除去するためのクリーニングブレード19が配置されている。
【0034】
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び上方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を個別に露光するLEDヘッド4a〜4dと、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像ユニット3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)を除去するクリーニング部5a、5b、5c及び5dが設けられている。
【0035】
ユーザにより画像形成開始が入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いでLEDヘッド4a〜4dによって光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。現像ユニット3a〜3dは、感光体ドラム1a〜1dに対向配置された現像ローラ(現像剤担持体)を備え、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー及び黒色の各色のトナーが補給装置(図示せず)によって所定量充填されている。このトナーは、現像ユニット3a〜3dの現像ローラにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、LEDヘッド4a〜4dからの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0036】
そして、搬送ベルト50に所定の転写電圧で電界が付与された後、転写ローラ6a〜6dにより感光体ドラム1a〜1d上のマゼンタ、シアン、イエロー、及び黒色のトナー像が搬送ベルト50に搬送された用紙P上に転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング部5a〜5dにより除去される。
【0037】
搬送ベルト50は、従動ローラ10及び駆動ローラ11に掛け渡されており、駆動モータ(図示せず)による駆動ローラ11の回転に伴い搬送ベルト50が反時計回りに回転を開始すると、用紙Pがレジストローラ対12dから所定のタイミングで画像形成部Pa〜Pdへ搬送され、各画像形成部において搬送ベルトとのニップ部において用紙P上に順次画像が転写され、フルカラー画像が形成される。トナー像が転写された用紙Pは定着部7へと搬送される。
【0038】
定着部7に搬送された用紙Pは、定着ローラ対13のニップ部(定着ニップ部)を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が用紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Pは、排出ローラ15によって排出トレイ17に排出される。
【0039】
図2は、本実施形態の画像形成装置に用いられる電装箱を示す装置本体背面側から見た斜視図であり、図3は、図2において背面側板及び電装箱の配線の接続状態を示した平面図であり、図4は、図2において配線の表示を省略した図である。また、図5(a)は、第1電装箱と第2電装箱との係合部分を示す部分平面図であり、図5(b)は、図5(a)の左側から見た部分側面図である。図1、図11〜図16と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0040】
図2及び図3に示すように、電装箱50(電装基板支持部材)は、装置本体背面側(図の表面側)に開口する平たい矩形箱状からなり、上側に配置された第1電装箱51と下側に配置された第2電装箱52とから構成されている。第1電装箱51の底面部51aには、高圧基板25a〜25dが配設されており、第2電装箱52の底面部52aには、電源基板31a、制御基板31bが配設されており、電源基板31aには電源コンセント29が接続されている。
【0041】
また、第1電装箱51の右上には、背面側板21に設けられた第1固定用部材(第1固定手段)76と連結可能な電装箱固定部材(第2固定手段)87が設けられている。なお、第1固定用部材76、電装箱固定部材87、作像ユニット23a〜23d、高圧基板25a〜25d、電源基板31a及び制御基板31b間の配線27bの接続に関しては後述する。
【0042】
第1電装箱51の上側側面部51bは、背面側板21の上側側面部21aから所定間隔だけ隔ててこれと略平行に配置されており、上側側面部51bの左側には、係合突起55が上方に突設されている。係合突起55は、後述する背面側板21に設けられた係合溝61と係合可能な位置及び長さに形成されている。
【0043】
また、図4及び図5に示すように、第1電装箱51の下側側面部51dの左右には、それぞれ底面部51aと垂直方向に沿って底面部51aと略同じ位置を一方の端部57aとし、反対側の端部57bが第1電装箱51の開口端より背面側(図5(b)の右側)に突出するよう摺動部材57が配設されている。摺動部材57は、図5(a)に示すように、断面略コの字状、且つコの字の両端が内側に折り曲げられおり、後述するガイド部材59と係合し、摺動可能となっている。
【0044】
一方、第2電装箱52の左側側面部52cには、背面側板21の第1ヒンジ部34のピン34aと係合可能な係合孔35aを有する第2ヒンジ部35が配設されている。また、第2電装箱52の上側側面部52bの上面には、第1電装箱51の摺動部材57と係合し、これを摺動可能に支持可能な、断面略T字状のガイド部材59が配設されている(図4、図5(a)参照)。ガイド部材59は、第2電装箱52の底面部52aと垂直方向に沿って背面側板21側の端部59aが底面部52aより背面側板21側(図5(b)の左側)に突出しており、反対側の端部59bが第2電装箱52の開口端と略同じ位置となるよう配設されている。
【0045】
また、ガイド部材59は、後述する図6及び図7に示すように、摺動部材57がガイド部材59の端部59a側に摺動したときには後述する電装箱固定部材87の第2固定用部材91が背面側板21の第1固定用部材76と対向し連結可能な位置に配置され、端部59b側に摺動したときには第2固定用部材91が第1固定用部材76と対向せず連結できない位置に配置されるよう形成されている。この際、上記のように、ガイド部材59の端部59aが第2電装箱52から突出していることにより、背面側板21と第2電装箱52との間隔が広い場合でも、第1電装箱51を第2固定用部材91が第1固定用部材76と対向し連結可能な位置までガイドすることができる。
【0046】
また、摺動部材57の端部57bが第1電装箱51から突出していることにより、第1電装箱51の底面部51aから開口端までの長さが、第2電装箱52の底面部52aから開口端までの長さより短い場合であっても、摺動部材57とガイド部材59との接触面積を大きくし、摺動及び係合を安定なものとすることができる。このように摺動部材57がガイド部材59に摺動可能に支持されることにより、第2電装箱52に伴って第1電装箱51を開閉することが可能となっている。
【0047】
また、図4に示すように、背面側板21の上側側面部21aの第1ヒンジ部34側には、開口端側から第1電装箱51の摺動方向に沿って切り欠かれた係合溝61が形成されている。係合溝61は、第1電装箱51の摺動部材57がガイド部材59の端部59a側に摺動したとき、係合突起55が嵌め込まれ(図6参照)、端部59b側に摺動したとき、係合突起55が係合溝61から離脱する(図7参照)ように形成されている。
【0048】
また、図4に示すように、第1電装箱51の上側側面部51bには、電装箱固定部材87が配設されており、後述するように、第1電装箱51と背面側板21とを固定すると共に、電装箱固定部材87の第2接続部91aを第1固定用部材76の第1接続部76aと電気的に接続することができる(図8参照)。
【0049】
次に、本発明の電装箱50の開閉動作について図6、図7に基づき説明する。図6(a)は、第1電装箱と背面側板とが係合されている状態を示す部分側面図であり、図6(b)は、図6(a)を上方から見た平面図である。また、図7(a)は、第1電装箱と背面側板との係合が解除された状態を示す部分側面図であり、図7(b)は、図7(a)を上方から見た平面図である。図1〜図5と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。なお、図6及び図7では、配線27bの表示を省略した。
【0050】
まず、電装箱50を開ける動作について説明する。電装箱固定部材87と背面側板21との固定は解除されているものとする。図6(a)及び図6(b)に示すように、電装箱50を閉じた状態では、第1電装箱51の摺動部材57が第2電装箱52のガイド部材59の端部59a側(第1の位置、図の左側)に配置しており、係合突起55と係合溝61とが係合し、電装箱50の開閉がロックされている。また、上記の通り、電装箱固定部材87の第2固定用部材91が背面側板21の第1固定用部材76と連結可能な位置に配置されている。
【0051】
この状態から、第1電装箱51の内側面を掴んで図の白抜き矢印方向に引っ張ると、摺動部材57が第2電装箱52のガイド部材59の端部59aから端部59b側(第2の位置)へ摺動し、電装箱固定部材87の第2固定用部材91が背面側板21の第1固定用部材と連結できない位置に配置させると共に、第1電装箱51の係合突起55を背面側板21の係合溝61から脱離させることができる。
【0052】
これにより、図7(a)及び図7(b)に示すように、第1電装箱51と背面側板21との係合が解除される。そして、第1電装箱51若しくは第2電装箱52を装置背面側に回動させると互いに連れ回り、第1電装箱51及び第2電装箱52を開く(ロック解除する)ことができる。
【0053】
次に、電装箱50を閉じる動作について説明する。上記のようにして第1電装箱51及び第2電装箱52を開けた状態から、第1電装箱51及び第2電装箱52を背面側板21側へ回動すると(図7(a)及び図7(b)参照)、第1電装箱51の係合突起55が背面側板21の係合溝61の開口部と対向する位置に配置される。
【0054】
この状態で、第1電装箱51を図7(a)及び図7(b)の白抜き矢印方向に押し込むと、第1電装箱51の摺動部材57が第2電装箱52のガイド部材59を端部59a側へ摺動する。その結果、図6(a)及び図6(b)に示すように、係合突起55と係合溝61とが係合すると共に、コネクタ27aが作像駆動ユニット23a〜23dと接続される。その後、電装箱固定部材87により第1電装箱51を背面側板21に固定することができる。
【0055】
次に電装箱固定部材87による電装箱50と背面側板21との固定方法について説明する。図4に示すように、第1電装箱51には上記した電装箱固定部材87が設けられており、第1電装箱51及び第2電装箱52を閉じた後、電装箱固定部材87により第1電装箱51が背面側板21と固定されるようになっている。図8(a)に電装箱固定部材により第1電装箱の背面側板に対する固定を解除したときの、図8(b)に第1電装箱を背面側板に対して固定したときの、電装箱固定部材周辺の拡大斜視図を示す。図8(a)及び図8(b)に示すように、第1電装箱51の底面部51a(図4参照)の上端部における右側側面部51e側に、折り曲がった矩形板状部材からなる電装箱固定部材87が設けられている。
【0056】
電装箱固定部材87は、第1電装箱51の底面部51a(図4参照)に沿って設けられた支持部87aと、支持部87aの上端から背面側板21側に向かって略水平に突設された固定部87bと、固定部87bの背面側板21側端部から略垂直に上方に向かって立設され、且つその先端が背面側板21側に突出する略L字状の引っ掛け部(第2係合部)87cと、から構成されている。
【0057】
支持部87aの下端部には、取手(取手部)88が背面側板21とは反対側に向かって突設されており、取手88の左側端部上側には垂直方向に沿って、背面側板21に設けられたガイド用突起75と係合して電装箱固定部材87を保持すると共に垂直方向の移動をガイドする案内溝89が設けられている。また、支持部87aの上端部側には、後述する背面カバー98(カバー部材、図9参照)に設けられた突出片(カバー部材ロック機構)98a(図9参照)と係合可能な切り抜き孔(カバー部材ロック機構)90が設けられている。
【0058】
また、固定部87bの引っ掛け部87c側の端部には、幅方向に沿って第2固定用部材91が配設されている。第2固定用部材91は、幅方向中央部に設けられた第2接続部91aと、両端部に設けられたビス91bとから構成されている。また、引っ掛け部87cの先端部の幅方向両端部の下面には、それぞれ背面側板21に設けられた貫通孔(第1係合部)77に嵌合可能な突出片93が設けられている。また、第2接続部91aには、高圧ユニット25b〜25dからの配線27bと、電源基板31aからの配線27bと、が接続されている(図2、図3参照)。
【0059】
一方、第1電装箱51を背面側板21側に摺動したとき(図6参照)、背面側板21の第1固定用部材91と下方から対向する位置には、第2固定用部材91と接続される第1固定用部材76が設けられている。第1固定用部材76は、第2固定用部材91の第2接続部91aが嵌め込まれる第1接続部76aと、ビス91bが固定されるビス孔76bとから構成されている。第1接続部76aには、作像駆動ユニット23b〜23dからの配線27bが電気的に接続されている(図3参照)。
【0060】
これにより、前述したように第1電装箱51及び第2電装箱52を閉じ(図6参照)、第1電装箱51の係合突起55を背面側板21の係合溝61に係合させた後、取手88を掴んで電装箱固定部材87を下げると、引っ掛け部87cの突出片93が背面側板21の貫通孔77と嵌合すると共に固定部87bの第2接続部91aが第1接続部76aと嵌合し、第2接続部91aと第1接続部76aとが電気的に接続する。また、第1電装箱51が背面側板21に固定される。
【0061】
その後、固定部87bのビス91bをビス孔76bに固定することにより、第1電装箱51をより確実に固定することができる。なお、第1接続部76aと第2接続部91aとが連結していればよく、ビス91b及びビス孔76bは必須ではない。また、ビス91b及びビス孔76a以外の固定部材を適宜用いても良い。
【0062】
なお、作像ユニット23aと高圧ユニット25a及び制御基板31bとは、窓部28を貫通する配線27bにより電気的に接続されている。また、かかる配線27bは、第1固定用部材76の第1接続部76aと電装箱固定部材87の第2接続部91aとが電気的に接続されなければ通電されないようになっている。また、かかる配線27bは、第1電装箱51及び第2電装箱52と共に連れ回って開閉可能であり、電装箱50の開閉時に接続及び取り外される必要がない。
【0063】
ここでは、作像ユニット23aと高圧基板27a及び制御基板31bとの配線27bを、電装箱固定部材87及び第1固定用部材76を介さずに接続したが、作像ユニット23a〜23dと電装基板との電気的な接続は、電装箱固定部材87と第1固定部材76との連結によってのみ行うこともできるし、他の接続方法を併用することもでき、特に限定されない。また、併用する方法は、電装箱固定部材87により背面側板21と電装箱51に配設された少なくともいずれか一つの電装基板とを電気的に接続可能であり、且つ背面側板21と電装箱51とを固定可能であればよく、特に限定されるものではない。なお、前述の図14、図15に示したコネクタ27aを併用することもできる。
【0064】
また、図9は、背面カバーと第1電装箱との係合状態を示す図であり、図9(a)は、背面カバーを開けた状態を示す部分斜視図であり、図9(b)、は背面カバーを閉めた状態を示す斜視図である。図2〜図8と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。
【0065】
背面カバー98は、第1電装箱51及び第2電装箱52側に開口部を有する平たい箱状部材から成り、背面側板21の左側側面部に回動可能に連結されている。背面カバー98は、これを閉じたとき第1電装箱51及び第2電装箱52の開口部を覆うことができるよう形成されている。また、背面カバー98の上側側面部における電装箱固定部材87の支持部87aの切り抜き孔90と対向する位置には、切り抜き孔90に嵌め込まれる突出片98aが設けられている。
【0066】
これにより、上記のようにして第1電装箱51を背面側板21に固定した後、第1突出片98aと切り抜き孔90とを係合させると、背面カバー98を閉じることができる。なお、背面カバー98と背面側板21との連結方法は、前述の背面側板21と第2電装箱52との連結方法のように、一方にピン、他方に係合孔を有するヒンジ部をそれぞれに設けて連結する方法を用いることができる。なお、背面カバー98の開閉方向はここでは第1電装箱51及び第2電装箱52と同じ方向としたが、かかる開閉方向は特に限定されるものではなく、背面側板21の右側面や上下側面に回動支点を設けて開閉することもできる。
【0067】
上記の通り、作像駆動ユニット23b〜23dを第1固定用部材76の第1接続部76aと配線27bにより電気的に接続し、電装箱50(第1電装箱51及び第2電装箱52)に配設された高圧基板25b〜25d、電源基板31aを、電装箱固定部材87の第2固定用部材91の第2接続部91aと配線27bにより電気的に接続することにより、電装箱固定用部材87を下方に摺動し、第1固定用部材76と連結するだけで、背面側板21と電装箱50とを固定すると共に、作像駆動ユニット23b〜23dと、高圧基板25b〜25d及び電源基板31aと、を電気的に接続することができる。
【0068】
従って、配線27bを短くすることができ、配線27b間の干渉を防止し、かかる干渉によって生じる、誤動作や、電磁ノイズの発生を防止することができる。また断線を防止することができ、断線を回避するための部材構成や配置構成が不要となり、装置が複雑化を防止し、コストアップを抑えることもできる。さらに、作業の容易化や作業時間の短縮等、作業性を高めることができる。また、定期又は不定期に行うメンテナンス等において、上記のような作業性の低下や誤接続や配線不良を防止することもでき、安全となる。
【0069】
また、上記実施形態では、第1電装箱51及び第2電装箱52を片側支点として開閉可能とすると共に、電装箱固定部材87と第1固定用部材76との固定及び固定解除により第1電装箱51及び第2電装箱52の開閉をロック及びロック解除したため、電装箱固定部材87を上下に移動させるだけで、作像ユニット23b〜23dと電装基板とを電気的に接続及び取り外し可能となる。
【0070】
これにより、第1電装箱51及び第2電装箱52の固定を解除しなければ作像ユニット23b〜23dと上記電装部材とが電気的に接続されず、両者が連結された状態で第1電装箱51及び第2電装箱52が開放することを防止することができる。加えて、上記電気的接続が外されないと第1電装箱51及び第2電装箱52を開けることができないため、より安全となる。
【0071】
しかし、かかる開閉ロックの方法は、本実施形態に特に限定されるものではなく、その他、別途ビス留めを行う等適宜設定することができる。また、上記したような第1電装箱51に設けた係合突起55と背面側板21に設けた係合溝61とを用いることもできる。なお、本実施形態では、電装箱固定部材87を用いた開閉ロックに加え、かかる係合突起55を用いた開閉ロックを行うことにより、二重にロックされている。
【0072】
これにより、電装箱固定部材87の連結の解除により電気的接続を解除した後、第1電装箱51を背面側に摺動させなければ第1電装箱51及び第2電装箱52を開けることができないため、より確実に電気的接続を取り外し後、第1電装箱51及び第2電装箱52を開けることができ、さらに安全となる。なお、係合突起55及び係合溝61の配置は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設定することができる。
【0073】
また、本実施形態では、電装箱固定部材87を、第1電装箱51に、背面側板21の第1固定用部材76と連結及び連結解除される位置に摺動可能に支持したため、電装箱固定部材87を背面側から上下に摺動させるだけで、簡単に第1電装箱51と背面側板21との固定及び固定解除と、作像ユニット23b〜23dと上記電装基板との電気的な接続及び取り外しと、が可能になる。従って、簡単な構成で簡便に電装箱固定用部材87の第2固定用部材と背面側板21の第1固定用部材とを連結及び連結解除することができる。
【0074】
しかし、第1電装箱51と背面側板21との固定方法は、本実施形態に特に限定されるものではなく、装置構成に応じて背面側板21に電装箱固定用部材87を設け、第1電装箱51に第2固定用部材76を設けることも可能である。また、電装箱固定部材87の移動方法も摺動に特に限られるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【0075】
また、本実施形態では、電装箱固定部材87に、背面側板21に設けられた貫通孔77と係合する引っ掛け部93を設けたため、背面側板21の第1固定用部材76、及び電装箱固定部材87の第2固定用部材91が連結されたとき、これらのガタツキを防止し、簡単な構成で、より確実に電装箱固定部材87と第1固定用部材とを連結することができる。また、両者が外れることをより防止することができるため、連結が安定なものとなる。
【0076】
しかし、両者の係合方法は本実施形態に特に限定されるものではなく、適宜設定することができ、例えば、背面側板に引っ掛け部93を設け、電装箱固定用部材87に貫通孔77を設けることもできる。また、本実施形態では、電装箱固定部材87に取手88を設けたため、容易に電装箱固定部材87を摺動させることができる。しかし、取手88の配設位置や形状、数量等は本実施形態に特に限定されるものではなく、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【0077】
また、本実施形態では、第1電装箱51及び第2電装箱52と同方向に開閉可能であり、これら電装箱を覆う背面カバー98を設けると共に、電装箱固定部材87に背面カバー98に設けられた突起片98aを係合可能な切り抜き穴90を設けたため、簡単な構成で、作像駆動ユニット23b〜23dが確実に電気的接続された後にのみ電装基板支持部材をカバーすることができ、接続不良による誤作動を防止することができる。しかし、背面カバーの開閉ロック機構は本実施形態に特に限定されるものではない。
【0078】
また、ここでは電装箱50を第1電装箱51と第2電装箱52とから構成したが、電装箱50は3つ以上の電装箱から構成することもできる。また、ここでは第1電装箱51を摺動させることにより、電装箱固定部材87の近傍のみを背面側板21に接近させることが可能となるが、このような構成は、装置構成等に応じて適宜設定することができる。例えば、電装箱50を一つとし、これに高圧基板25a〜25d、電源基板31a及び制御基板31bを配設することもできる。
【0079】
また、上記実施形態では、作像ユニット23b〜23dと第1固定用部材76とを配線27bにより電気的に接続したため、上記配線27bの配置や配線不良等によって生じる誤作動や不具合を防止した画像形成を行うことが可能となる。しかし、第1固定用部材76と電気的に接続される構成部材は、画像形成に用いられるものであれば、特に限定されるものではない。また、電装箱固定部材87に電気的に接続された電装基板も、上記実施形態で用いたものに特に限定されるものではない。なお、本発明に係る構成部材には、電気回路が形成された電装基板も含まれるものとする。
【0080】
また、上記実施形態で示した配線27bの配置は一例に過ぎず、作像駆動ユニット23aを第1固定用部材76の第1接続部76aに、高圧基板25aや制御基板32bを第2固定用部材91の第2接続部91aに電気的に接続することもでき、その他装置構成等に応じて適宜設定することができる。
【0081】
図10は、本実施形態の画像形成装置に用いられる他の電装箱を示す装置本体背面側から見た斜視図である。図2〜図8と共通する部分には共通する符号を付して説明を省略する。開閉可能に背面側板21に軸支された電装箱50には、高圧ユニット25a〜25d、電源基板31a及び制御基板31bが配設されている。
【0082】
また、作像ユニット23b〜23dは配線27bにより第1固定用部材76の第1接続部76aと電気的に接続され、高圧基板25b〜25d及び電源基板31aは配線27bにより電装箱固定用部材87の第2接続部91aと電気的に接続されている。そして、電装箱50を閉じ、電装箱固定用部材87を下げて第2固定用部材91を背面側板21の第1固定用部材76と連結することにより、電装箱50を背面側板21に固定すると共に、作像駆動ユニット23b〜23dと高圧ユニット25b〜25d、及び電源基板31aとを電気的に接続することができる。また、電装箱50の開閉をロックすることができる。
【0083】
一方、電装箱50を開けるときは、電装箱固定部材87を上げて第2固定用部材91と第1固定用部材76との連結を解除することにより、電装箱50と背面側板21との固定を解除すると共に、作像駆動ユニット23b〜23dと高圧ユニット25b〜25d、電源基板31aとの電気的接続を解除し、これらを取り外すことができる。また、電装箱50の開閉ロックを解除することができる。
【0084】
これにより、電装箱固定部材87と第1固定用部材76との連結及び連結解除を行うことにより電装箱50の開閉をロックすると共に、作像ユニット23b〜23dと上記電装基板との電気的な接続及び取り外しを行うことができる。この他、背面カバー98を設ける等の構成は上記実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0085】
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、電装箱固定部材87を第1電装箱51及び電装箱50の上側面に一つ設けたが、右側面にも上下側面にも設けることができ、その数量も2つ以上設けることもできる。
【0086】
また、上記実施形態では、装置背面左側を回動支点として第1電装箱51及び第2電装箱52、及び電装箱50を水平方向に開閉可能としたが、かかる回動支点は特に限定されるものではなく、装置背面右側に設けてもよく、その他、上側若しくは下側に設け上下方向に開閉可能とすることも可能である。なお、上下方向に開閉可能とするときには、開けた状態のとき適宜支持部材等を用い、これら電装箱が開き過ぎないよう、若しくは閉じないよう支持することにより、作業性の向上を図ることもできる。
【0087】
また、本発明の画像形成装置として、ここでは直接転写方式のタンデム型画像形成装置についてのみ示したが、その他、中間転写方式のタンデム型画像形成装置や、モノクロ画像形成装置、複写機やプリンタ等の他のタイプの画像形成装置にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、構成部材が作動することにより画像形成を行う画像形成装置において、前記構成部材が配設された構成部材支持部材と、前記構成部材と電気的に接続される電装基板と、前記電装基板が配設された電装基板支持部材と、前記構成部材支持部材に配設され、前記構成部材と電気的に接続された第1固定手段と、前記電装基板支持部材に配設され、前記電装基板と電気的に接続されており、前記第1固定手段と連結可能な第2固定手段と、が設けられ、前記第1及び第2固定手段の一方は、前記構成部材支持部材若しくは前記電装基板支持部材に、他方に対して連結する位置と連結解除する位置とに移動可能に支持されており、前記第1及び第2固定手段が連結されることにより、前記構成部材支持部材と前記電装基板支持部材とが固定されると共に、前記第1固定手段と前記第2固定手段とが電気的に接続されるものである。
【0089】
これにより、第1固定手段と第2固定手段とを連結するだけで、構成部材と電装基板支持部材とを固定すると共に、構成部材と電装基板とを電気的に接続することができる。従って、構成部材と電装部材とを電気的に接続する配線間の干渉を防止し、かかる干渉による不具合を防止することができる。また、配線の配置や接続の複雑化を回避できるため、装置の複雑化を防止すると共に、作業の容易化や作業時間の短縮等、作業性を高めることができる。
【0090】
また、電装基板支持部材の一端を装置本体に開閉可能に軸支し、第1及び第2固定手段が、電装基板支持部材の開閉をロック及びロック解除する開閉ロック機構として機能することにより、第1固定手段と第2固定手段との連結及び連結解除を行うだけで、上記電気的に接続及び取り外しと、電装基板支持部材の開閉ロック及びロック解除と、が可能となり、安全となる。
【0091】
また、第2固定手段を、電装基板支持部材に、第1固定手段と連結及び連結解除される位置に摺動可能に支持することにより、第2固定手段を摺動させるだけで構成部材と電装基板との電気的な接続が可能になるため、簡単な構成で簡便に第1固定手段と第2固定手段とを連結することができる。
【0092】
また、第2固定手段に、前記構成部材支持部材に設けられた第1係合部と係合する第2係合部を設けることにより、連結された第1及び第2固定手段のガタツキを防止し、より確実に安定して第1固定手段と第2固定手段とを連結することができる。また、第2固定手段に取手部を設けることにより、容易に第2固定手段を移動させることができる。
【0093】
また、電装基板支持部材を覆うものであり、一端が装置本体に開閉可能に軸支されたカバー部材を設け、第2固定手段及びカバー部材に、第2固定手段が第1固定手段に連結されたときカバー部材の開閉をロックするカバー部材開閉ロック機構を設けることにより、構成部材と電装基板とが確実に電気的接続された後にのみ電装基板支持部材をカバーすることができるため、接続不良による誤作動を防止することができる。また、構成部材を画像形成部とすることにより、配線の配置や配線不良による誤作動や不具合を防止した画像形成を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】は、本発明の一例である画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】は、本実施形態の画像形成装置に用いられる電装箱を示す装置本体背面側から見た平面図である。
【図3】は、背面側板及び電装箱における配線の配置状態を示す平面図である。
【図4】は、図2において配線の表示を省略した図である。
【図5】は、第1電装箱と第2電装箱との係合部分を示す図であって、図5(a)は、部分平面図であり、図5(b)は、図5(a)の左側から見た部分側面図である。
【図6】は、第1電装箱と背面側板とが係合している状態を示す図であって、図6(a)は、部分側面図であり、図6(b)は、図6(a)を上方から見た平面図である。
【図7】は、第1電装箱と背面側板との係合が解除された状態を示す図であって、図7(a)は、部分側面図であり、図7(b)は、図7(a)を上方から見た平面図である。
【図8】は、第1電装箱の背面側板に対する固定方法を示す図であり、図8(a)は、第1電装箱の固定が解除された状態を示す斜視図であり、図8(b)は、第1電装箱が固定された状態を示す斜視図である。
【図9】は、背面カバーを示す図であり、図9(a)は背面カバーを開けた状態を示す斜視図であり、図9(b)は背面カバーを閉めた状態を示す斜視図である。
【図10】は、本実施形態の画像形成装置に用いられる他の電装箱を示す装置本体背面側から見た斜視図である。
【図11】は、従来の画像形成装置の背面側に配設された作像駆動ユニット、高圧基板や電装箱周辺を示す斜視図である。
【図12】は、電装箱と背面側板との連結状態を示す平面図である。
【図13】は、電装箱が開いた状態を示す斜視図である。
【図14】は、作像駆動ユニット、高圧基板や電装箱の配設状態を示す側面図である。
【図15】は、作像駆動ユニット、高圧基板や電装箱の配設順序を示す側面図である。
【図16】は、作像駆動ユニット、高圧基板や電装箱の配線状態を示す斜視図である。
【図17】は、作像駆動ユニット、高圧基板や電装箱の配線状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0095】
1a〜1d 感光体ドラム
3a〜3d 現像ユニット
20 前面側板
21 背面側板
23a〜23d 作像駆動ユニット(構成部材)
25a〜25d 高圧基板(電装基板)
27b 配線
31a 電源用基板(電装基板)
31b 制御基板(電装基板)
33 電装箱
34 第1ヒンジ部
35 第2ヒンジ部
50 電装箱(電装基板支持部材)
51 第1電装箱
52 第2電装箱
55 係合突起
57 摺動部材
59 ガイド部材
61 係合溝
76 第1固定用部材(第1固定手段)
76a 第1接続部
77 貫通孔(第1係合部)
87 電装箱固定部材(第2固定手段)
88 取手(取手部)
90 切り抜き孔(カバー部材開閉ロック機構)
91 第2固定用部材
91a 第2接続部
93 引っ掛け部(第2係合部)
98 背面カバー
98a 突出片(カバー部材開閉ロック機構)
100 画像形成装置
Pa〜Pd 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成部材が作動することにより画像形成を行う画像形成装置において、
前記構成部材が配設された構成部材支持部材と、
前記構成部材と電気的に接続される電装基板と、
前記電装基板が配設された電装基板支持部材と、
前記構成部材支持部材に配設され、前記構成部材と電気的に接続された第1固定手段と、
前記電装基板支持部材に配設され、前記電装基板と電気的に接続されており、前記第1固定手段と連結可能な第2固定手段と、
が設けられ、
前記第1及び第2固定手段の一方は、前記構成部材支持部材若しくは前記電装基板支持部材に、他方に対して連結する位置と連結解除する位置とに移動可能に支持されており、前記第1及び第2固定手段が連結されることにより、前記構成部材支持部材と前記電装基板支持部材とが固定されると共に、前記第1固定手段と前記第2固定手段とが電気的に接続されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記電装基板支持部材の一端が装置本体に開閉可能に軸支されており、
前記第1及び第2固定手段は、前記電装基板支持部材の開閉をロック及びロック解除する開閉ロック機構として機能することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2固定手段が、前記電装基板支持部材に、前記第1固定手段に対して連結する位置と連結解除する位置とに摺動可能に支持されたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2固定手段には、該第2固定手段が前記第1固定手段と連結したとき前記構成部材支持部材に設けられた第1係合部と係合可能な第2係合部が設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第2固定手段には、該固定手段を移動させる取手部が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電装基板支持部材を覆うものであり、一端が装置本体に開閉可能に軸支されたカバー部材が設けられ、
前記第2固定手段及び前記カバー部材に、該カバー部材の開閉をロックするカバー部材開閉ロック機構が設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記構成部材は、画像形成部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−139514(P2009−139514A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314225(P2007−314225)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】