画像形成装置
【課題】ユニットフレームに対するカートリッジの装着位置に誤りがある場合に、そのユニットフレームが本体ケーシングに収容されるのを防止することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】各現像カートリッジ22において、各色ごとにプロセスフレーム35のスライド方向と直交する方向に異なる位置に、識別部38を上方へ突出した状態に設ける。一方、本体ケーシング2内において、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態で、各現像カートリッジ22の識別部38に対してプロセスフレーム35の装着方向下流側から対向する対向部材39を設ける。現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、その誤った位置に装着された現像カートリッジ22の識別部38が対向部材39に当接する。
【解決手段】各現像カートリッジ22において、各色ごとにプロセスフレーム35のスライド方向と直交する方向に異なる位置に、識別部38を上方へ突出した状態に設ける。一方、本体ケーシング2内において、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態で、各現像カートリッジ22の識別部38に対してプロセスフレーム35の装着方向下流側から対向する対向部材39を設ける。現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、その誤った位置に装着された現像カートリッジ22の識別部38が対向部材39に当接する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナーに対応した像担持体が水平方向に並列に配置される、いわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。このタンデム型のカラーレーザプリンタでは、各感光ドラムに各色トナー像がほぼ同時に形成され、各感光ドラムを順次通過する用紙に、各感光ドラムから各色のトナー像を順次に色重ねして転写されるので、モノクロレーザプリンタとほぼ同じ速度でカラー画像を形成することができる。
【0003】
このようなタンデム型の画像形成装置として、各色の像担持体を一体に支持するフレームを備え、このフレームを装置本体に対してスライドにより装着および離脱可能に設けるとともに、各像担持体に形成される静電潜像を現像するための現像カートリッジをフレームに対して着脱可能に設けたものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−15378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような画像形成装置では、各色の現像カートリッジがフレームに対して正しい位置に装着されて、各色の現像カートリッジが正しい並び順で配列されなければならない。各色の現像カートリッジがフレームに誤った並び順で装着され、そのフレームが装置本体に装着されると、現像カートリッジと像担持体との対応関係に誤りが生じているために、その像担持体に形成される静電潜像が対応色以外の色のトナーで現像され、正常なカラー画像が形成されないという不具合を生じる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ユニットフレームに対するカートリッジの装着位置に誤りがある場合に、そのユニットフレームが本体ケーシングに収容されるのを防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、本体ケーシングと、前記本体ケーシングに収容された状態と前記本体ケーシングから引き出された状態とにスライド変位されるユニットフレームと、各色ごとに設けられ、現像剤を収容する現像剤収容部をそれぞれ備え、前記ユニットフレームに対して着脱可能に装着されるカートリッジと、各前記カートリッジにおいて当該カートリッジの外方へ突出した状態に設けられ、各色ごとに前記ユニットフレームのスライド方向と直交する方向に異なる位置に配置される識別部と、前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容される過程において、前記識別部の位置に基づいて、前記ユニットフレームに対する前記カートリッジの誤装着を検出する誤装着検出手段とを備え、前記誤装着検出手段は、前記本体ケーシング内に設けられ、前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジが正規の位置に装着されて、前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに装着された状態で、各前記識別部に対して前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容されるときの移動方向の下流側に対向する対向部材を含み、前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジのうちの1つでも正規の位置に装着されていないときには、前記ユニットフレームがスライドにより前記本体ケーシングに収容される途中で、当該正規の位置に装着されていない前記カートリッジの前記識別部と前記対向部材とが当接し、それ以上の前記ユニットフレームのスライドが阻止されるように、前記対向部材が配置されていることを特徴とする。
【0008】
このような構成によると、カートリッジがユニットフレームに正しい並び順で装着されている場合には、各カートリッジに設けられている識別部が本体ケーシング内の各対向部材と干渉することなく、ユニットフレームを本体ケーシングに収容することができ、その収容状態で、各カートリッジの識別部が対向部材とユニットフレームのスライド方向に対向する。一方、カートリッジがユニットフレームに誤った並び順で装着されていると、その誤った位置に装着されたカートリッジに設けられている識別部が、本来ならユニットフレームが本体ケーシングに完全に収容された状態で対向する対向部材に対して、ユニットフレームを本体ケーシングに収容される過程で対向して当接する。その結果、それ以上のユニットフレームのスライドが阻止される。これにより、ユニットフレームに対するカートリッジの誤装着の検出を達成することができ、各カートリッジがユニットフレームに対して正しい位置に装着されていない状態(カートリッジが誤った並び順でユニットフレームに装着されている状態)で、そのユニットフレームが本体ケーシングに収容されることを防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ユニットフレームに保持され、表面に静電潜像が形成される像担持体を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、像担持体がユニットフレームに保持されているので、カートリッジの現像剤収容部に収容されている現像剤がなくなった場合に、像担持体をユニットフレームに残したまま、カートリッジのみをユニットフレームから離脱させて交換することができる。そのため、カートリッジとともに像担持体まで交換されることを防止することができ、カートリッジの交換に伴う費用を低減することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記カートリッジは、前記像担持体に現像剤を供給して、前記静電潜像を可視像化する現像剤担持体を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、現像剤担持体がカートリッジに備えられているので、現像剤がなくなったときに、現像剤担持体ごと新品と交換することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、カートリッジがユニットフレームに誤った並び順で装着されている場合に、ユニットフレームが本体ケーシングに収容される過程で、誤った位置に装着されたカートリッジに設けられている識別部が対向部材に対向し、それ以上のユニットフレームのスライドが阻止される。これにより、ユニットフレームに対するカートリッジの誤装着の検出を達成することができ、各カートリッジがユニットフレームに対して正しい位置に装着されていない状態(カートリッジが誤った並び順でユニットフレームに装着されている状態)で、そのユニットフレームが本体ケーシングに収容されることを防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、カートリッジとともに像担持体まで交換されることを防止することができ、カートリッジの交換に伴う費用を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、現像剤担持体がカートリッジに備えられているので、現像剤がなくなったときに、現像剤担持体ごと新品と交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの第1の実施形態(識別部に対向する対向部材を設ける態様)を示す側断面図である。
【図2】図1のカラーレーザプリンタのフロントカバーが開かれた状態を示す側断面図である。
【図3】図1のカラーレーザプリンタの前面開口からプロセス部が引き出された状態を示す側断面図である。
【図4】図1のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図5】図1のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。
【図6】図5のプロセスフレームを本体ケーシングに収容する途中の状態を示す側断面図である。
【図7】図5のプロセスフレームを本体ケーシングに収容する途中の状態を示す図解的な平面図である。
【図8】第2の実施形態(各識別部の移動経路上にスイッチを設ける態様)に係るカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが正しい並び順で装着された状態を示している。
【図9】図8のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図10】図8のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図11】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが正しい並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの一例を示す図である。
【図12】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが正しい並び順で装着されているプロセスフレームが、本体ケーシングに途中まで押し込まれた後、本体ケーシングから一旦引き出され、その後に本体ケーシングに収容されたときの、各スイッチが検出タイミングを示す図である。
【図13】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時において、現像カートリッジが正しい並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの例を示す図であり、(a)は、イエロー現像カートリッジを新品と交換した場合の例を示し、(b)は、イエロー現像カートリッジおよびマゼンタ現像カートリッジをそれぞれ新品と交換した場合の例を示している。
【図14】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時における各スイッチの検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
【図15】図8のカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが誤った並び順で装着された状態を示している。
【図16】図8のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図17】図8のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図18】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが誤った並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの一例を示す図である。
【図19】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが誤った並び順で装着されているプロセスフレームが、本体ケーシングに途中まで押し込まれた後、本体ケーシングから一旦引き出され、その後に本体ケーシングに収容されたときの、各スイッチが検出タイミングを示す図である。
【図20】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時において、現像カートリッジが誤った並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの例を示す図であり、(a)は、イエロー現像カートリッジをマゼンタ現像カートリッジと誤交換した場合の例を示し、(b)は、イエロー現像カートリッジおよびマゼンタ現像カートリッジを取り違えて交換した場合の例を示している。
【図21】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時における各スイッチの検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
【図22】第3の実施形態(プロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態で、そのプロセスフレームに正しい並び順で装着された各現像カートリッジの識別部が対向する位置に、スイッチを設ける態様)に係るカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが正しい並び順で装着された状態を示している。
【図23】図22のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図24】図22のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図25】図22のカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが誤った並び順で装着された状態を示している。
【図26】図22のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図27】図22のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図28】第4の実施形態(各現像カートリッジの筐体の上面に溝を設ける態様)に係るカラーレーザプリンタにおいて、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが正しい並び順で装着された状態を示す側断面図および平面図である。
【図29】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その1)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図30】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その2)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図31】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その3)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図32】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その4)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図33】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに完全に収容した状態を示す側(a)断面図および(b)平面図である。
【図34】図28に示す現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着された状態を示す平面図であり、(a)は、プロセスフレームが本体ケーシングから引き出された状態を示し、(b)は、プロセスフレームが本体ケーシングに途中まで収容された状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、複数のプロセス部15が水平方向において並列的に配置される、横並びタイプのタンデム型のカラーレーザプリンタであって、ボックス形状の本体ケーシング2内に、転写媒体としての用紙3を給紙するための給紙部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6を備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2の上面には、画像が形成された用紙3を受けるための排紙トレイ7が形成されている。また、本体ケーシング2の上面において、排紙トレイ7の一方側には、操作キーやLED表示部を備える操作パネルが埋設されている。そして、本体ケーシング2において、その操作パネル側の側壁には、その上下方向中央部から上方にかけての部分に、本体ケーシング2の内外を連通する前面開口8が形成されている。前面開口8には、その前面開口8を開閉するためのフロントカバー9が設けられている。このフロントカバー9は、その下端部に挿通されたカバー軸(図示せず)に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー9をカバー軸を中心として閉じると、フロントカバー9によって前面開口8が閉鎖され、フロントカバー9をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、前面開口8が開放される。
【0015】
なお、以下の説明において、フロントカバー9が設けられる側をこのレーザプリンタ1の「前側」とし、その反対側を「後側」とする。また、前後方向に直交する水平方向を、このカラーレーザプリンタ1における幅方向とする。
(2)給紙部
給紙部4は、本体ケーシング2内の底部に設けられる用紙カセット10と、その用紙カセット10の前側上方に設けられる給紙ローラ11と、給紙ローラ11の前側上方に設けられる給紙パス12と、給紙パス12の下流側端部に設けられる1対のレジストローラ13とを備えている。
【0016】
用紙カセット10内には、用紙3がスタックされており、その最上位にある用紙3は、給紙ローラ11の回転によって給紙パス12に送り出される。そして、給紙パス12に送り出された用紙3は、給紙パス12上を搬送される過程で、その搬送方向が前後反転され、レジストローラ13によるレジスト後に、レジストローラ13によって、後方に向かって排紙される。
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナユニット14、プロセス部15、転写部16および定着部17を備えている。
<スキャナユニット>
スキャナユニット14は、本体ケーシング2内の上部において、後述する複数のプロセス部15の上方にわたって配置されている。このスキャナユニット14は、本体ケーシング2に固定されたスキャナフレーム18と、スキャナフレーム18に固定されるスキャナケーシング19とを備えている。スキャナケーシング19内には、4つの光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射鏡、面倒れ補正レンズなどの光学部材が配置されており、各光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向および走査されて、fθレンズおよび面倒れ補正レンズを通過し、また、反射鏡で反射された後、プロセス部15の後述する各色の感光ドラム20の表面上に高速走査にて照射される。
<プロセス部>
プロセス部15は、複数色のトナーに対応して複数設けられている。すなわち、プロセス部15は、イエロープロセス部15Y、マゼンタプロセス部15M、シアンプロセス部15Cおよびブラックプロセス部15Kの4つからなる。これらの4つのプロセス部15は、前方から後方に向かって互いに間隔を隔てて、水平方向において重なるように、順次、並列配置されている。
【0017】
各プロセス部15は、像担持体としての感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21およびカートリッジとしての現像カートリッジ22を備えている。
感光ドラム20は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体と、このドラム本体の軸心において、ドラム本体の軸方向に沿って延びるドラム軸とを備えている。ドラム本体は、ドラム軸に対して回転自在に設けられ、ドラム軸は、後述するプロセスフレーム35の幅方向両側壁に回転不能に支持されている。そして、感光ドラム20は、画像形成時において、後述する搬送ベルト29との接触位置における搬送ベルト29の移動方向と同方向(図中時計回り)に回転駆動される。
【0018】
スコロトロン型帯電器21は、ワイヤおよびグリッドを備え、帯電バイアスの印加により、コロナ放電を発生させる正帯電型のスコロトロン型帯電器であり、感光ドラム20の後方において、感光ドラム20と接触しないように間隔を隔てて対向配置されている。
現像カートリッジ22は、感光ドラム20の前方に配置されており、筐体23と、その筐体23内に、現像剤担持体としての現像ローラ24および供給ローラ25を備えている。
【0019】
筐体23は、後側下端部が開放されたボックス状に形成されている。筐体23内の上部は、トナー収容室26とされており、このトナー収容室26には、各色のトナーが収容されている。すなわち、イエロープロセス部15Yの現像カートリッジ22(以下、「イエロー現像カートリッジ22Y」という。)のトナー収容室26内には、イエローの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。マゼンタプロセス部15Mの現像カートリッジ22(以下、「マゼンタ現像カートリッジ22M」という。)のトナー収容室26内には、マゼンタの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。シアンプロセス部15Cの現像カートリッジ22(以下、「シアン現像カートリッジ22C」という。)のトナー収容室26内には、シアンの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。ブラックプロセス部15Kの現像カートリッジ22(以下、「ブラック現像カートリッジ22K」という。)のトナー収容室26内には、ブラックの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。
【0020】
より具体的には、各色のトナーは、重合法により得られた略球形の重合トナーが用いられている。重合トナーは、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる結着樹脂を主成分とし、これに、着色剤、荷電制御剤、ワックスなどが配合されることによりトナー母粒子が形成され、さらにこれに、流動性の向上を図るべく外添剤が添加されてなるものである。
【0021】
着色剤としては、上記した、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各着色剤が配合されている。また、荷電制御剤としては、たとえば、アンモニウム塩などのイオン性官能基を有するイオン性単量体と、スチレン系単量体やアクリル系単量体などのイオン性単量体と共重合可能な単量体との共重合によって得られる荷電制御樹脂が配合されている。また、外添剤としては、たとえば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物の粉末や、炭化物の粉末、金属塩の粉末などの無機粉末が配合されている。
【0022】
現像ローラ24は、感光ドラム20に対して前側から対向し、感光ドラム20と圧接されている。この現像ローラ24は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ部分が被覆されている。より具体的には、ローラ部分は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなる弾性体のローラ層と、そのローラ層の表面に被覆され、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などが主成分とされるコート層との2層構造によって形成されている。また、現像ローラ24のローラ軸は、筐体23の幅方向両側壁に回転可能に支持されており、画像形成時には、現像バイアスが印加される。
【0023】
供給ローラ25は、現像ローラ24に対して前側から対向し、現像ローラ24と圧接されている。この供給ローラ25は、金属製のローラ軸に、導電性のスポンジ部材からなるローラ部分が被覆されている。また、供給ローラ25のローラ軸は、筐体23の幅方向両側壁に回転自在に支持されている。
そして、各プロセス部15では、画像形成時には、各トナー収容室26に収容されている各色のトナーが、供給ローラ25に供給され、この供給ローラ25の回転により現像ローラ24に供給される。このとき、トナーは、供給ローラ25と、現像バイアスが印加されている現像ローラ24との間で正に摩擦帯電される。
【0024】
一方、スコロトロン型帯電器21は、帯電バイアスの印加により、コロナ放電を発生させて、感光ドラム20の表面を一様に正帯電させている。感光ドラム20の表面は、感光ドラム20の回転に伴って、スコロトロン型帯電器21により一様に正帯電された後、スキャナユニット14の出射窓から出射されたレーザ光の高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した各色の静電潜像が形成される。
【0025】
さらに感光ドラム20が回転すると、次いで、現像ローラ24の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ24の回転により、感光ドラム20に対向して接触するときに、感光ドラム20の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム20の表面のうち、レーザ光によって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム20の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム20の表面には、各色に対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
<転写部>
転写部16は、本体ケーシング2内において、用紙カセット10の上方であって、プロセス部15の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部16は、駆動ローラ27、従動ローラ28、搬送ベルト29および転写ローラ30を備えている。
【0026】
駆動ローラ27は、ブラックプロセス部15Kの感光ドラム20よりも後方下側に配置されている。この駆動ローラ27は、画像形成時において、感光ドラム20の回転方向と逆方向(図中反時計回り)に回転駆動される。
従動ローラ28は、イエロープロセス部15Yの感光ドラム20よりも前方下側であって、駆動ローラ27と前後方向において対向するように配置されている。この従動ローラ28は、駆動ローラ27の回転駆動時に、駆動ローラ27の回転方向と同方向(図中反時計回り)に従動回転する。
【0027】
搬送ベルト29は、エンドレスベルトからなり、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂によって形成されている。この搬送ベルト29は、駆動ローラ27と従動ローラ28との間に巻回されており、その巻回されている外側の接触面が、各プロセス部15の感光ドラム20のすべてと対向接触するように、配置されている。
【0028】
そして、駆動ローラ27の駆動により、従動ローラ28が従動され、搬送ベルト29が、これら駆動ローラ27および従動ローラ28の間を、各プロセス部15の感光ドラム20と対向接触する接触面において、感光ドラム20と同方向に移動するように、図中時計回りに周回走行する。
転写ローラ30は、駆動ローラ27および従動ローラ28の間に巻回されている搬送ベルト29内において、各プロセス部15の感光ドラム20と搬送ベルト29を挟んで対向配置されている。各転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ部分が被覆されている。そして、転写ローラ30のローラ軸は、幅方向に沿って延び、回転自在に支持されており、転写時には転写バイアスが印加される。各転写ローラ30は、搬送ベルト29と対向接触する接触面において、搬送ベルト29の周回移動方向と同方向(図中時計回り)に回転する。
【0029】
そして、給紙部4から給紙された用紙3は、駆動ローラ27の駆動および従動ローラ28の従動により周回移動される搬送ベルト29によって、前方から後方に向かって、搬送ベルト29と各プロセス部15の感光ドラム20との間の画像形成位置を、順次通過するように搬送される。そして、その搬送中に、各プロセス部15の感光ドラム20に担持されている各色に対応したトナー像が順次転写され、これによって、用紙3にカラー画像が形成される。
【0030】
すなわち、たとえば、イエロープロセス部15Yの感光ドラム20の表面に担持されたイエローのトナー像が、用紙3に転写されると、次いで、マゼンタプロセス部15Mの感光ドラム20の表面に担持されたマゼンタのトナー像が、既にイエローのトナー像が転写されている用紙3に重ねて転写され、同様の動作によって、シアンプロセス部15Cの感光ドラム20の表面に担持されたシアンのトナー像、ブラックプロセス部15Kの感光ドラム20の表面に担持されたブラックのトナー像が重ねて転写され、これによって、用紙3にカラー画像が形成される。
【0031】
このようなカラー画像の形成において、このカラーレーザプリンタ1は、各プロセス部15において、プロセス部15が各色に対応して複数設けられているタンデム型の装置構成であるため、モノクロ画像を形成する速度とほぼ同じ速度で、各色に対応したトナー像を形成して、迅速なカラー画像の形成を達成することができる。そのため、小型化を図りつつ、カラー画像を形成することができる。
<定着部>
定着部17は、転写部16の後方に配置されている。この定着部17は、加熱ローラ31および加圧ローラ32を備えている。加熱ローラ31は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。そして、ハロゲンランプにより、加熱ローラ31の表面が定着温度に加熱される。また、加圧ローラ32は、加熱ローラ31を押圧するように設けられている。
【0032】
用紙3上に転写されたカラー画像は、用紙3が定着部17に搬送され、加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙3に熱定着される。
(4)排紙部
排紙部6は、排紙パス33および排紙ローラ34を備えている。
【0033】
排紙パス33は、上流側端部が、下方において定着部17に隣接し、用紙3が後方に向かって給紙されるように、また、下流側端部が、上方において排紙ローラ34に隣接し、用紙3が前方に向かって排紙されるような、略U字形状の用紙3の搬送経路として形成されている。
排紙ローラ34は、排紙パス33の下流側端部に、1対のローラとして設けられている。
【0034】
定着部17においてカラー画像が熱定着された用紙3は、排紙パス33上を搬送される過程で、搬送方向が前後反転された後、排紙ローラ34によって、前方に向かって排紙される。排紙された用紙3は、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ7上に載置される。
2.プロセス部の支持構造
図2は、カラーレーザプリンタ1のフロントカバー9が開かれた状態を示す側断面図である。また、図3は、カラーレーザプリンタ1の前面開口8からプロセス部15が引き出された状態を示す側断面図である。
【0035】
4つのプロセス部15は、本体ケーシング2に対して前後方向にスライド可能に設けられたプロセスフレーム35に一体的に支持されている。また、各プロセス部15の現像カートリッジ22は、プロセスフレーム35に対して上方から着脱可能に装着されている。
3.プロセスフレームのスライド構造
プロセスフレーム35は、4つのプロセス部15の周囲を取り囲む略四角枠状に形成されており、幅方向両側外面に、前後方向に直線状に延びるガイド部36を備えている。
【0036】
一方、本体ケーシング2内には、プロセスフレーム35の両ガイド部36がそれぞれ摺動可能に嵌合されるガイドレール37が設けられている。このガイドレール37は、ガイド部36の上面、下面および幅方向側面に対向接触する凹状に形成されており、前面開口8の近傍から定着部17の近傍にかけて、前後方向に直線状に延びて設けられている。
そして、プロセスフレーム35は、両ガイド部36がそれぞれガイドレール37に前方から嵌め込まれることにより、両ガイドレール37間に、本体ケーシング2に対して前後方向にスライド可能に取り付けられる。また、その状態において、ガイド部36の上面、下面および幅方向側面がガイドレール37と対向接触し、これによって、プロセスフレーム35は、上下方向および幅方向においてがたつきなくガイドレール37に支持される。
【0037】
図2に示すように、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に対して最奥まで押し込むと、そのプロセスフレーム35に支持されたプロセス部15がスキャナユニット14と転写部16との間に配置される。また、図3に示すように、フロントカバー9を開いて、前面開口8からプロセスフレーム35を本体ケーシング2外に引き出すと、プロセスフレーム35に支持されたプロセス部15が露出する。
4.誤装着検出手段
プロセスフレーム35を本体ケーシング2外に引き出した状態では、現像カートリッジ22をプロセスフレーム35に対して上方から装着および離脱させることができる。
【0038】
各色の現像カートリッジ22は、前側からイエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22M、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kの順に配列されるように、プロセスフレーム35に装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されなければならない。たとえば、マゼンタ現像カートリッジ22Mとシアン現像カートリッジ22Cとを取り違えて、マゼンタ現像カートリッジ22Mをシアンプロセス部15Cに誤って装着し、シアン現像カートリッジ22Cをマゼンタプロセス部15Mに誤って装着すると、シアンプロセス部15Cの感光ドラム20に形成される静電潜像(シアンのトナー像に可視像化されるべき静電潜像)がマゼンタのトナーにより現像され、マゼンタプロセス部15Mの感光ドラム20に形成される静電潜像(マゼンタのトナー像に可視像化されるべき静電潜像)がシアンのトナーにより現像されるため、正常なカラー画像を用紙3に形成することができない。
【0039】
そのため、このカラーレーザプリンタ1には、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の装着位置の誤りを検出するための機構が設けられている。すなわち、各現像カートリッジ22の筐体23の上面には、各色ごとに幅方向(プロセスフレーム35のスライド方向と直交する方向)に異なる位置に、ブロック状の識別部38が上方へ突出した状態に設けられている。一方、本体ケーシング2内において、スキャナユニット14のスキャナフレーム18の下面には、プロセスフレーム35に対して各現像カートリッジ22が正規の位置に装着されて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態で、各現像カートリッジ22の識別部38に対して後側から対向する対向部材39が設けられている。各対向部材39は、スキャナフレーム18の下面から、スキャナフレーム18の下面と現像カートリッジ22の上面との間の間隔よりも小さい突出量で突出し、かつ、識別部38と比べて幅方向に幅狭に形成されている。
【0040】
図4は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。
現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着された状態では、プロセスフレーム35内において、イエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22M、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kが前側からこの順に並ぶ。このとき、プロセスフレーム35は、本体ケーシング2外に引き出した状態から後方に向けてスライドさせて、各現像カートリッジ22に設けられている識別部38が本体ケーシング2内の各対向部材39と干渉することなく、本体ケーシング2に対して最奥まで押し込むことができる。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2の最奥まで押し込まれた状態では、各現像カートリッジ22の識別部38が対向部材39と前後方向に対向する。
【0041】
図5は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。また、図6は、その現像カートリッジ22が誤った並び順で装着されたプロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容する途中の状態を示す側断面図であり、図7は、その図解的な平面図である。
図5に示す状態では、マゼンタ現像カートリッジ22Mとブラック現像カートリッジ22Kとが取り違えられて、現像カートリッジ22は、前側から、イエロー現像カートリッジ22Y、ブラック現像カートリッジ22K、シアン現像カートリッジ22Cおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mの順で配列されている。このとき、プロセスフレーム35を本体ケーシング2外に引き出した状態から後方に向けてスライドさせると、図6および図7に示すように、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別部38が、本来ならプロセスフレーム35が本体ケーシング2の最奥に押し込まれた状態で対向する対向部材39に対して、そのスライドの途中で対向して当接する。これにより、それ以上のプロセスフレーム35のスライドが阻止されて、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出が達成される。
【0042】
以上のように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合には、各現像カートリッジ22に設けられている識別部38が本体ケーシング2内の各対向部材39と干渉することなく、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容することができ、その収容状態で、各現像カートリッジ22の識別部38が対向部材39と前後方向に対向する。一方、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、その誤った位置に装着された現像カートリッジ22に設けられている識別部38が、本来ならプロセスフレーム35が本体ケーシング2に完全に収容された状態で対向する対向部材39に対して、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容される過程で対向して当接する。これにより、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程において、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出が達成される。そのため、各現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい位置に装着されていない状態(現像カートリッジ22が誤った並び順でプロセスフレーム35に装着されている状態)で、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されることを防止することができる。その結果、各色のプロセス部15の感光ドラム20にそれぞれ対応する色のトナーを供給して、用紙3に正常なカラー画像を確実に形成することができる。
【0043】
また、識別部38が現像カートリッジ22の筐体23の上方へ突出しているので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されているときに、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される途中で、その誤った位置に装着された現像カートリッジ22に設けられている識別部38と対向部材39とを確実に当接させることができる。
【0044】
さらに、識別部38が各色ごとに幅方向に異なる位置に配置されるので、各識別部388を確実に各色ごとに異なる位置に配置することができる。
また、感光ドラム20がプロセスフレーム35に保持されているので、現像カートリッジ22のトナー収容室26に収容されているトナーがなくなった場合に、感光ドラム20をプロセスフレーム35に残したまま、その現像カートリッジ22のみをプロセスフレーム35から離脱させて交換することができる。そのため、現像カートリッジ22とともに感光ドラム20まで交換されることを防止することができ、現像カートリッジ22の交換に伴う費用を低減することができる。
【0045】
さらには、現像ローラ24が現像カートリッジ22に備えられているので、トナー収容室26内のトナーがなくなったときに、現像ローラ24ごと、現像カートリッジ22を新品と交換することができる。
5.第2の実施形態
図8および図9は、第2の実施形態に係るカラーレーザプリンタの側断面図である。また、図10は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図8〜図10の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0046】
この第2の実施形態に係るカラーレーザプリンタ1では、対向部材39に代えて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、各識別部38の通過を検出するスイッチ40が備えられている。
スイッチ40は、スキャナユニット14のスキャナフレーム18の下面の前端部に沿って並べて配置されている。具体的には、スイッチ40は、スキャナフレーム18の下面の前端部において、図10に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに各識別部38が通過する経路上にそれぞれ1つずつ配置されて、プロセスフレーム35のスライド方向と直交する幅方向に1列に整列している。
【0047】
各現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に装着されて、このプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されると、その収容の過程において、各現像カートリッジ22の識別部38がスイッチ40の位置を通過する。識別部38がスイッチ40の位置を通過すると、スイッチ40のアクチュエータに識別部38が当接し、そのアクチュエータを識別部38が上方に押し上げる。これにより、スイッチ40による識別部38の通過が達成される。スイッチ40は幅方向に整列しているので、各スイッチ40が識別部38の通過を検出する順序は、プロセスフレーム35における現像カートリッジ22の並び順に対応する。
【0048】
このように現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合において、そのプロセスフレーム35が現像カートリッジ22に収容されるときの各スイッチ40の検出タイミングの例を図11〜図14に示す。
図11は、初期設定時(プロセスフレーム35に各現像カートリッジ22が初めて装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるとき)における各スイッチ40の検出タイミングの一例を示す図である。
【0049】
本体ケーシング2から空の状態のプロセスフレーム35が引き出され、図8に示すように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されて、図9に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図11に示すように、ブラック現像カートリッジ22Kの識別部38(識別部「1」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「A」)、シアン現像カートリッジ22Cの識別部38(識別部「2」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「B」)、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別部38(識別部「3」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「C」)およびイエロー現像カートリッジ22Yの識別部38(識別部「4」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「D」)が、この順で、それぞれ識別部38の通過を検出する。
【0050】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合には、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
なお、以下の説明では、簡便のために、ブラック現像カートリッジ22Kの識別部38を識別部「1」といい、シアン現像カートリッジ22Cの識別部38を識別部「2」といい、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別部38を識別部「3」といい、イエロー現像カートリッジ22Yの識別部38を識別部「4」という。また、識別部「1」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「A」といい、識別部「2」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「B」といい、識別部「3」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「C」といい、識別部「4」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「D」という。
【0051】
図12は、初期設定時における各スイッチ40の検出タイミングの他の例を示す図である。
本体ケーシング2から引き出された空の状態のプロセスフレーム35に現像カートリッジ22に正しい並び順で装着され、そのプロセスフレーム35が、識別部「2」が通過する経路上に配置されているスイッチ「B」がその通過を検出する位置まで、本体ケーシング2に押し込まれた後、本体ケーシング2から一旦引き出され、その後に本体ケーシング2に収容される場合を考える。
【0052】
この場合、図12に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に途中まで押し込まれる過程で、スイッチ「A」およびスイッチ「B」が、この順で、それぞれ識別部「1」および識別部「2」の通過を検出する。その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から一旦引き出されると、図示しないが、その引き出される過程で、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に完全に収容されると、図12に示すように、その収容される過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B]、スイッチ「C]およびスイッチ「D]が、この順で、それぞれ識別部38の通過を検出する。
【0053】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
図13は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングの例を示す図である。
【0054】
たとえば、イエロー現像カートリッジ22Yが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、そのイエロー現像カートリッジ22Yが新品と交換された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図13(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」が識別部「4」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容する過程で、スイッチ「D」が識別部「4」の通過を再び検出する。
【0055】
このようにスイッチ「D」が識別部「4」の通過を2回連続で検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
また、マゼンタ現像カートリッジ22Mが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mがそれぞれ新品と交換された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図13(b)に示すように、プロセスフレーム35を本体ケーシング2から引き出す過程で、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「4」および識別部「3」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容する過程で、スイッチ「C」およびスイッチ「D」が、この順で、それぞれ識別部「3」および「4」の通過を検出する。
【0056】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
図14は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
【0057】
ブラック現像カートリッジ22Kが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、各現像カートリッジ22がそれぞれ新品と交換された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図14に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」、スイッチ「C」、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「4」、識別部「3」、識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B」、スイッチ「C」およびスイッチ「D」が、この順で、それぞれ識別部「1」、識別部「2」、識別部「3」および識別部「4」の通過を検出する。
【0058】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
図15および図16は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。また、図17は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図15〜図17の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0059】
図15〜図17に示す状態では、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとが取り違えられて、現像カートリッジ22は、前側から、マゼンタ現像カートリッジ22M、イエロー現像カートリッジ22Y、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kの順で配列されている。
このように現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されている場合において、そのプロセスフレーム35が現像カートリッジ22に収容されるときの各スイッチ40の検出タイミングの例を図18〜図21に示す。
【0060】
図18は、初期設定時における各スイッチ40の検出タイミングの一例を示す図である。
本体ケーシング2から空の状態のプロセスフレーム35が引き出され、図15に示すように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されて、図16に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図18に示すように、その過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B」、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「1」、識別部「2」、識別部「4」および識別部「3」の通過を検出する。
【0061】
このような検出順序は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図11に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
図19は、初期設定時における各スイッチ40の検出タイミングの他の例を示す図である。
【0062】
本体ケーシング2から引き出された空の状態のプロセスフレーム35に対して、図15に示すように、現像カートリッジ22に誤った並び順で装着され、そのプロセスフレーム35が、識別部「2」が通過する経路上に配置されているスイッチ「B」がその通過を検出する位置まで、本体ケーシング2に押し込まれた後、本体ケーシング2から一旦引き出され、その後に本体ケーシング2に収容される場合を考える。
【0063】
この場合、図19に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に途中まで押し込まれる過程で、スイッチ「A」およびスイッチ「B」が、この順で、それぞれ識別部「1」および識別部「2」の通過を検出する。その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から一旦引き出されると、図示しないが、その引き出される過程で、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に完全に収容されると、図19に示すように、その収容される過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B]、スイッチ「D]およびスイッチ「C]が、この順で、それぞれ識別部38の通過を検出する。
【0064】
このようなプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときの検出順序は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図12に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
図20は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングの例を示す図である。
【0065】
たとえば、イエロー現像カートリッジ22Yが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、そのイエロー現像カートリッジ22Yがプロセスフレーム35から離脱され、誤って、マゼンタ現像カートリッジ22Mがイエロープロセス部15Yに装着された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図20(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」が識別部「4」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「C」が識別部「3」の通過を検出する。
【0066】
このような検出順序は、イエロー現像カートリッジ22Yが正しく交換されて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図13(a)に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
また、マゼンタ現像カートリッジ22Mが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mがそれぞれプロセスフレーム35から離脱された後、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとを取り違えて、これらがそれぞれマゼンタプロセス部15Mおよびイエロープロセス部15Yに装着され、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図20(b)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「4」および識別部「3」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「4」および「3」の通過を検出する。
【0067】
このような検出順序は、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mが正しく交換されて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図13(b)に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
【0068】
図21は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
ブラック現像カートリッジ22Kが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、各現像カートリッジ22がプロセスフレーム35から離脱された後、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとを取り違え、これらがそれぞれマゼンタプロセス部15Mおよびイエロープロセス部15Yに装着されて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図21に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」、スイッチ「C」、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「4」、識別部「3」、識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「B」、スイッチ「A」、スイッチ「C」およびスイッチ「D」が、この順で、それぞれ識別部「2」、識別部「1」、識別部「3」および識別部「4」の通過を検出する。
【0069】
このような検出順序は、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mが正しく交換されて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図14に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
【0070】
以上のように、各識別部38の通過を検出するスイッチ40が、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに各識別部38が通過する経路上にそれぞれ配置され、かつ、プロセスフレーム35のスライド方向と直交する幅方向に整列している。そのため、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、各スイッチ40が識別部の38通過を検出する順序は、そのプロセスフレーム35における現像カートリッジ22の並び順に対応している。これにより、各スイッチ40が識別部38の通過を検出した順序に基づいて、プロセスフレーム35における現像カートリッジ22の並び順を検出することができ、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出を達成することができる。
【0071】
また、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に押し込まれても、その過程で現像カートリッジ22の識別部38と干渉する部材が存在しないので、識別部38が破損されるおそれがない。
なお、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかの判断は、たとえば、CPU、RAMおよびROMを含む構成のマイクロコンピュータ(図示せず)により行うことができる。この場合、フロントカバー9の開閉を検出するカバー開閉検出スイッチ(図示せず)を設け、これをマイクロコンピュータに接続するとともに、各スイッチ40をマイクロコンピュータに接続する。そして、マイクロコンピュータにおいて、カバー開閉検出スイッチの出力に基づいて、フロントカバー9が開かれていると判断される期間にわたって、各スイッチ40の検出状態(オン/オフ状態)出力を監視し、各スイッチ40の検出タイミングと上述したような検出タイミングのパターンとを比較して、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかが判断されるとよい。
6.第3の実施形態
図22および図23は、第3の実施形態に係るカラーレーザプリンタの側断面図である。また、図24は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図22〜図24の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0072】
この第3の実施形態に係るカラーレーザプリンタ1では、対向部材39に代えて、スキャナユニット14のスキャナフレーム18の下面に、プロセスフレーム35に対して各現像カートリッジ22が正規の位置に装着されて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態で、各識別部38が当接する位置に、それぞれスイッチ41が配置されている。
【0073】
図22に示すように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されて、図23に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態では、図24に示すように、各現像カートリッジ22に設けられている識別部38が、各スイッチ41のアクチュエータに当接し、そのアクチュエータを上方に押し上げる。そのため、すべてのスイッチ41のアクチュエータが押し上げられ、それらのスイッチ41が識別部38を検出していれば、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
【0074】
図25および図26は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。また、図27は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図25〜図27の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0075】
図25に示す状態では、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとが取り違えられて、現像カートリッジ22は、前側から、マゼンタ現像カートリッジ22M、イエロー現像カートリッジ22Y、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kの順で配列されている。図26に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態では、図27に示すように、マゼンタ現像カートリッジ22Mおよびイエロー現像カートリッジ22Yの識別部38がスイッチ41に当接せず、マゼンタ現像カートリッジ22Mおよびイエロー現像カートリッジ22Yの正規の装着位置にそれぞれ対応づけて設けられたスイッチ41が識別部38を検出しない。そのため、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
【0076】
以上のように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合には、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されたときに、すべてのスイッチ41に識別部38が当接し、すべてのスイッチ41が識別部38を検出する。一方、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、誤った位置に装着された現像カートリッジ22の識別部38がスイッチ41に当接せず、その現像カートリッジ22の正規の装着位置に対応づけて設けられているスイッチ41が識別部38を検出しない。そのため、各スイッチ41の検出結果に基づいて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されているか否かを判断することができ、これにより、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出を達成することができる。
【0077】
また、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に押し込まれても、その過程で現像カートリッジ22の識別部38と干渉する部材が存在しないので、識別部38が破損されるおそれがない。
なお、この第3の実施形態においても、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかの判断は、たとえば、CPU、RAMおよびROMを含む構成のマイクロコンピュータ(図示せず)により行うことができる。この場合、第2の実施形態の場合と同様に、フロントカバー9の開閉を検出するカバー開閉検出スイッチ(図示せず)を設け、これをマイクロコンピュータに接続するとともに、各スイッチ41をマイクロコンピュータに接続する。そして、マイクロコンピュータにおいて、カバー開閉検出スイッチの出力に基づいて、フロントカバー9が開かれた後、そのフロントカバー9が閉じられたことに応答して、各スイッチ40の検出状態(オン/オフ状態)を取得し、その取得した各スイッチ41の検出状態に基づいて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかが判断されるとよい。
7.第4の実施形態
図28は、第4の実施形態に係るカラーレーザプリンタにおいて、本体ケーシング2から引き出されたプロセスフレーム35に現像カートリッジ22が正しい並び順で装着された状態を示す側断面図および平面図である。また、図29、図30、図31および図32は、図28に示すプロセスフレーム35を本体ケーシング2に途中まで収容した状態を示す側断面図および平面図である。さらに、図33は、図28に示すプロセスフレーム35を本体ケーシング2に完全に収容した状態を示す側断面図および平面図である。図28〜図33の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0078】
この第4の実施形態に係るカラーレーザプリンタ1には、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の装着位置の誤りを検出するための機構として、各現像カートリッジ22の筐体23の上面には、下方に向けて窪む識別用溝42が形成されている。そして、各現像カートリッジ22の識別用溝42は、図28(a)に示すように、プロセスフレーム35に対して、各現像カートリッジ22が正規の位置に装着され、現像カートリッジ22が正しい並び順で配列された状態で、図28(b)に示すように、同一円弧上に整列するように形成されている。また、プロセスフレーム35には、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容するときに、後述する回動軸45を後方へ移動させるための突起43が、幅方向一方側に突出して設けられている。
【0079】
一方、本体ケーシング2内には、スキャナフレーム18の下面の幅方向一方側の端縁に沿って前後方向に延びる回動軸レール44と、この回動軸レール44に沿って移動可能に設けられ、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、各識別用溝42が整列する円弧の中心に配置される回動軸45と、回動軸45を中心として揺動可能に設けられた揺動部材46と、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、その揺動部材46の遊端部47の移動を案内する案内溝48とが備えられている。
【0080】
遊端部47は、揺動部材46から下方に突出する突起状に形成されており、案内溝48を貫通し、各現像カートリッジ22が正規の位置に装着されている場合に、その下端が同一円弧上に整列する識別用溝42に嵌合する。
案内溝48は、幅方向に延び、回動軸レール44側の端部が後方に向かうように少し湾曲している。
【0081】
現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2内に収容される場合、図29(a)に示すように、まず、ブラック現像カートリッジ22Kのみが本体ケーシング2内に入った段階で、図29(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、ブラック現像カートリッジ22Kの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0082】
この状態から、プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内に押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45を後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、ブラック現像カートリッジ22Kの識別用溝42に沿って移動する。そして、図30(a)に示すように、シアン現像カートリッジ22Cが本体ケーシング2内に入った段階では、図30(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、シアン現像カートリッジ22Cの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0083】
プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内にさらに押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45をさらに後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、シアン現像カートリッジ22Cの識別用溝42に沿って移動する。そして、図31(a)に示すように、マゼンタ現像カートリッジ22Mが本体ケーシング2内に入った段階では、図31(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0084】
その状態から、プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内にさらに押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45をさらに後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別用溝42に沿って移動する。そして、図32(a)に示すように、ブラック現像カートリッジ22Kが本体ケーシング2内に入った段階では、図32(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、ブラック現像カートリッジ22Kの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0085】
そして、プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内にさらに押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45をさらに後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、イエロー現像カートリッジ22Yの識別用溝42に沿って移動する。そして、図33(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2の最奥に押し込まれた状態(本体ケーシング2に完全に収容された状態)では、図33(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48の回動軸レール44側の端部に到達するとともに、イエロー現像カートリッジ22Yの識別用溝22から幅方向外方に離脱する。
【0086】
図34は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す平面図であり、(a)は、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出された状態を示し、(b)は、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に途中まで収容された状態を示す。
この図34に示す状態では、シアン現像カートリッジ22Cとブラック現像カートリッジ22Kとが取り違えられて、プロセスフレーム35には、前側から、イエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22M、ブラック現像カートリッジ22Kおよびシアン現像カートリッジ22Cの順で配列されている。このとき、各現像カートリッジ22の識別用溝42は同一円弧上に整列しない。そのため、図34(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2外に引き出した状態から本体ケーシング2内に向けて押される、ブラック現像カートリッジ22Kのみが本体ケーシング2内に入った段階で、図34(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、シアン現像カートリッジ22Cの後面における識別用溝42が形成されていない位置に対向して当接する。これにより、それ以上にプロセスフレーム35が後方に押されても、プロセスフレーム35のスライドが阻止されて、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出が達成される。
【0087】
このように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合には、各現像カートリッジ22の筐体23の上面に形成された識別用溝42が同一円弧上に整列し、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に装着されるときに、揺動部材46の遊端部47が案内溝48の案内により円弧上に整列した識別用溝42に沿って移動する。一方、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、各現像カートリッジ22の識別用溝42が円弧上に整列せず、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に装着される途中で、揺動部材464の遊端部47の移動が阻止されることにより、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着を検出することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
20 感光ドラム
22 現像カートリッジ
22 識別用溝
24 現像ローラ
26 トナー収容室
35 プロセスフレーム
38 識別部
39 対向部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナーに対応した像担持体が水平方向に並列に配置される、いわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。このタンデム型のカラーレーザプリンタでは、各感光ドラムに各色トナー像がほぼ同時に形成され、各感光ドラムを順次通過する用紙に、各感光ドラムから各色のトナー像を順次に色重ねして転写されるので、モノクロレーザプリンタとほぼ同じ速度でカラー画像を形成することができる。
【0003】
このようなタンデム型の画像形成装置として、各色の像担持体を一体に支持するフレームを備え、このフレームを装置本体に対してスライドにより装着および離脱可能に設けるとともに、各像担持体に形成される静電潜像を現像するための現像カートリッジをフレームに対して着脱可能に設けたものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−15378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような画像形成装置では、各色の現像カートリッジがフレームに対して正しい位置に装着されて、各色の現像カートリッジが正しい並び順で配列されなければならない。各色の現像カートリッジがフレームに誤った並び順で装着され、そのフレームが装置本体に装着されると、現像カートリッジと像担持体との対応関係に誤りが生じているために、その像担持体に形成される静電潜像が対応色以外の色のトナーで現像され、正常なカラー画像が形成されないという不具合を生じる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ユニットフレームに対するカートリッジの装着位置に誤りがある場合に、そのユニットフレームが本体ケーシングに収容されるのを防止することができる画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、画像形成装置において、本体ケーシングと、前記本体ケーシングに収容された状態と前記本体ケーシングから引き出された状態とにスライド変位されるユニットフレームと、各色ごとに設けられ、現像剤を収容する現像剤収容部をそれぞれ備え、前記ユニットフレームに対して着脱可能に装着されるカートリッジと、各前記カートリッジにおいて当該カートリッジの外方へ突出した状態に設けられ、各色ごとに前記ユニットフレームのスライド方向と直交する方向に異なる位置に配置される識別部と、前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容される過程において、前記識別部の位置に基づいて、前記ユニットフレームに対する前記カートリッジの誤装着を検出する誤装着検出手段とを備え、前記誤装着検出手段は、前記本体ケーシング内に設けられ、前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジが正規の位置に装着されて、前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに装着された状態で、各前記識別部に対して前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容されるときの移動方向の下流側に対向する対向部材を含み、前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジのうちの1つでも正規の位置に装着されていないときには、前記ユニットフレームがスライドにより前記本体ケーシングに収容される途中で、当該正規の位置に装着されていない前記カートリッジの前記識別部と前記対向部材とが当接し、それ以上の前記ユニットフレームのスライドが阻止されるように、前記対向部材が配置されていることを特徴とする。
【0008】
このような構成によると、カートリッジがユニットフレームに正しい並び順で装着されている場合には、各カートリッジに設けられている識別部が本体ケーシング内の各対向部材と干渉することなく、ユニットフレームを本体ケーシングに収容することができ、その収容状態で、各カートリッジの識別部が対向部材とユニットフレームのスライド方向に対向する。一方、カートリッジがユニットフレームに誤った並び順で装着されていると、その誤った位置に装着されたカートリッジに設けられている識別部が、本来ならユニットフレームが本体ケーシングに完全に収容された状態で対向する対向部材に対して、ユニットフレームを本体ケーシングに収容される過程で対向して当接する。その結果、それ以上のユニットフレームのスライドが阻止される。これにより、ユニットフレームに対するカートリッジの誤装着の検出を達成することができ、各カートリッジがユニットフレームに対して正しい位置に装着されていない状態(カートリッジが誤った並び順でユニットフレームに装着されている状態)で、そのユニットフレームが本体ケーシングに収容されることを防止することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記ユニットフレームに保持され、表面に静電潜像が形成される像担持体を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、像担持体がユニットフレームに保持されているので、カートリッジの現像剤収容部に収容されている現像剤がなくなった場合に、像担持体をユニットフレームに残したまま、カートリッジのみをユニットフレームから離脱させて交換することができる。そのため、カートリッジとともに像担持体まで交換されることを防止することができ、カートリッジの交換に伴う費用を低減することができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、前記カートリッジは、前記像担持体に現像剤を供給して、前記静電潜像を可視像化する現像剤担持体を備えていることを特徴とする。
このような構成によると、現像剤担持体がカートリッジに備えられているので、現像剤がなくなったときに、現像剤担持体ごと新品と交換することができる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、カートリッジがユニットフレームに誤った並び順で装着されている場合に、ユニットフレームが本体ケーシングに収容される過程で、誤った位置に装着されたカートリッジに設けられている識別部が対向部材に対向し、それ以上のユニットフレームのスライドが阻止される。これにより、ユニットフレームに対するカートリッジの誤装着の検出を達成することができ、各カートリッジがユニットフレームに対して正しい位置に装着されていない状態(カートリッジが誤った並び順でユニットフレームに装着されている状態)で、そのユニットフレームが本体ケーシングに収容されることを防止することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、カートリッジとともに像担持体まで交換されることを防止することができ、カートリッジの交換に伴う費用を低減することができる。
請求項3に記載の発明によれば、現像剤担持体がカートリッジに備えられているので、現像剤がなくなったときに、現像剤担持体ごと新品と交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの第1の実施形態(識別部に対向する対向部材を設ける態様)を示す側断面図である。
【図2】図1のカラーレーザプリンタのフロントカバーが開かれた状態を示す側断面図である。
【図3】図1のカラーレーザプリンタの前面開口からプロセス部が引き出された状態を示す側断面図である。
【図4】図1のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図5】図1のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。
【図6】図5のプロセスフレームを本体ケーシングに収容する途中の状態を示す側断面図である。
【図7】図5のプロセスフレームを本体ケーシングに収容する途中の状態を示す図解的な平面図である。
【図8】第2の実施形態(各識別部の移動経路上にスイッチを設ける態様)に係るカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが正しい並び順で装着された状態を示している。
【図9】図8のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図10】図8のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図11】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが正しい並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの一例を示す図である。
【図12】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが正しい並び順で装着されているプロセスフレームが、本体ケーシングに途中まで押し込まれた後、本体ケーシングから一旦引き出され、その後に本体ケーシングに収容されたときの、各スイッチが検出タイミングを示す図である。
【図13】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時において、現像カートリッジが正しい並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの例を示す図であり、(a)は、イエロー現像カートリッジを新品と交換した場合の例を示し、(b)は、イエロー現像カートリッジおよびマゼンタ現像カートリッジをそれぞれ新品と交換した場合の例を示している。
【図14】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時における各スイッチの検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
【図15】図8のカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが誤った並び順で装着された状態を示している。
【図16】図8のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図17】図8のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図18】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが誤った並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの一例を示す図である。
【図19】図8のカラーレーザプリンタの初期設定時において、現像カートリッジが誤った並び順で装着されているプロセスフレームが、本体ケーシングに途中まで押し込まれた後、本体ケーシングから一旦引き出され、その後に本体ケーシングに収容されたときの、各スイッチが検出タイミングを示す図である。
【図20】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時において、現像カートリッジが誤った並び順で装着されるときの、各スイッチの検出タイミングの例を示す図であり、(a)は、イエロー現像カートリッジをマゼンタ現像カートリッジと誤交換した場合の例を示し、(b)は、イエロー現像カートリッジおよびマゼンタ現像カートリッジを取り違えて交換した場合の例を示している。
【図21】図8のカラーレーザプリンタの現像カートリッジの交換時における各スイッチの検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
【図22】第3の実施形態(プロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態で、そのプロセスフレームに正しい並び順で装着された各現像カートリッジの識別部が対向する位置に、スイッチを設ける態様)に係るカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが正しい並び順で装着された状態を示している。
【図23】図22のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図24】図22のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図25】図22のカラーレーザプリンタの側断面図であり、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが誤った並び順で装着された状態を示している。
【図26】図22のカラーレーザプリンタの側断面図であり、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を示している。
【図27】図22のカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレームが本体ケーシングに収容された状態を図解的に示す平面図である。
【図28】第4の実施形態(各現像カートリッジの筐体の上面に溝を設ける態様)に係るカラーレーザプリンタにおいて、本体ケーシングから引き出されたプロセスフレームに現像カートリッジが正しい並び順で装着された状態を示す側断面図および平面図である。
【図29】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その1)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図30】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その2)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図31】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その3)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図32】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに途中まで収容した状態(その4)を示す(a)側断面図および(b)平面図である。
【図33】図28に示すプロセスフレームを本体ケーシングに完全に収容した状態を示す側(a)断面図および(b)平面図である。
【図34】図28に示す現像カートリッジがプロセスフレームに誤った並び順で装着された状態を示す平面図であり、(a)は、プロセスフレームが本体ケーシングから引き出された状態を示し、(b)は、プロセスフレームが本体ケーシングに途中まで収容された状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
このカラーレーザプリンタ1は、複数のプロセス部15が水平方向において並列的に配置される、横並びタイプのタンデム型のカラーレーザプリンタであって、ボックス形状の本体ケーシング2内に、転写媒体としての用紙3を給紙するための給紙部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6を備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2の上面には、画像が形成された用紙3を受けるための排紙トレイ7が形成されている。また、本体ケーシング2の上面において、排紙トレイ7の一方側には、操作キーやLED表示部を備える操作パネルが埋設されている。そして、本体ケーシング2において、その操作パネル側の側壁には、その上下方向中央部から上方にかけての部分に、本体ケーシング2の内外を連通する前面開口8が形成されている。前面開口8には、その前面開口8を開閉するためのフロントカバー9が設けられている。このフロントカバー9は、その下端部に挿通されたカバー軸(図示せず)に回動自在に支持されている。これによって、フロントカバー9をカバー軸を中心として閉じると、フロントカバー9によって前面開口8が閉鎖され、フロントカバー9をカバー軸を支点として開くと(傾倒させると)、前面開口8が開放される。
【0015】
なお、以下の説明において、フロントカバー9が設けられる側をこのレーザプリンタ1の「前側」とし、その反対側を「後側」とする。また、前後方向に直交する水平方向を、このカラーレーザプリンタ1における幅方向とする。
(2)給紙部
給紙部4は、本体ケーシング2内の底部に設けられる用紙カセット10と、その用紙カセット10の前側上方に設けられる給紙ローラ11と、給紙ローラ11の前側上方に設けられる給紙パス12と、給紙パス12の下流側端部に設けられる1対のレジストローラ13とを備えている。
【0016】
用紙カセット10内には、用紙3がスタックされており、その最上位にある用紙3は、給紙ローラ11の回転によって給紙パス12に送り出される。そして、給紙パス12に送り出された用紙3は、給紙パス12上を搬送される過程で、その搬送方向が前後反転され、レジストローラ13によるレジスト後に、レジストローラ13によって、後方に向かって排紙される。
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナユニット14、プロセス部15、転写部16および定着部17を備えている。
<スキャナユニット>
スキャナユニット14は、本体ケーシング2内の上部において、後述する複数のプロセス部15の上方にわたって配置されている。このスキャナユニット14は、本体ケーシング2に固定されたスキャナフレーム18と、スキャナフレーム18に固定されるスキャナケーシング19とを備えている。スキャナケーシング19内には、4つの光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射鏡、面倒れ補正レンズなどの光学部材が配置されており、各光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向および走査されて、fθレンズおよび面倒れ補正レンズを通過し、また、反射鏡で反射された後、プロセス部15の後述する各色の感光ドラム20の表面上に高速走査にて照射される。
<プロセス部>
プロセス部15は、複数色のトナーに対応して複数設けられている。すなわち、プロセス部15は、イエロープロセス部15Y、マゼンタプロセス部15M、シアンプロセス部15Cおよびブラックプロセス部15Kの4つからなる。これらの4つのプロセス部15は、前方から後方に向かって互いに間隔を隔てて、水平方向において重なるように、順次、並列配置されている。
【0017】
各プロセス部15は、像担持体としての感光ドラム20、スコロトロン型帯電器21およびカートリッジとしての現像カートリッジ22を備えている。
感光ドラム20は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体と、このドラム本体の軸心において、ドラム本体の軸方向に沿って延びるドラム軸とを備えている。ドラム本体は、ドラム軸に対して回転自在に設けられ、ドラム軸は、後述するプロセスフレーム35の幅方向両側壁に回転不能に支持されている。そして、感光ドラム20は、画像形成時において、後述する搬送ベルト29との接触位置における搬送ベルト29の移動方向と同方向(図中時計回り)に回転駆動される。
【0018】
スコロトロン型帯電器21は、ワイヤおよびグリッドを備え、帯電バイアスの印加により、コロナ放電を発生させる正帯電型のスコロトロン型帯電器であり、感光ドラム20の後方において、感光ドラム20と接触しないように間隔を隔てて対向配置されている。
現像カートリッジ22は、感光ドラム20の前方に配置されており、筐体23と、その筐体23内に、現像剤担持体としての現像ローラ24および供給ローラ25を備えている。
【0019】
筐体23は、後側下端部が開放されたボックス状に形成されている。筐体23内の上部は、トナー収容室26とされており、このトナー収容室26には、各色のトナーが収容されている。すなわち、イエロープロセス部15Yの現像カートリッジ22(以下、「イエロー現像カートリッジ22Y」という。)のトナー収容室26内には、イエローの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。マゼンタプロセス部15Mの現像カートリッジ22(以下、「マゼンタ現像カートリッジ22M」という。)のトナー収容室26内には、マゼンタの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。シアンプロセス部15Cの現像カートリッジ22(以下、「シアン現像カートリッジ22C」という。)のトナー収容室26内には、シアンの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。ブラックプロセス部15Kの現像カートリッジ22(以下、「ブラック現像カートリッジ22K」という。)のトナー収容室26内には、ブラックの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが収容されている。
【0020】
より具体的には、各色のトナーは、重合法により得られた略球形の重合トナーが用いられている。重合トナーは、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる結着樹脂を主成分とし、これに、着色剤、荷電制御剤、ワックスなどが配合されることによりトナー母粒子が形成され、さらにこれに、流動性の向上を図るべく外添剤が添加されてなるものである。
【0021】
着色剤としては、上記した、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各着色剤が配合されている。また、荷電制御剤としては、たとえば、アンモニウム塩などのイオン性官能基を有するイオン性単量体と、スチレン系単量体やアクリル系単量体などのイオン性単量体と共重合可能な単量体との共重合によって得られる荷電制御樹脂が配合されている。また、外添剤としては、たとえば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物の粉末や、炭化物の粉末、金属塩の粉末などの無機粉末が配合されている。
【0022】
現像ローラ24は、感光ドラム20に対して前側から対向し、感光ドラム20と圧接されている。この現像ローラ24は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ部分が被覆されている。より具体的には、ローラ部分は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなる弾性体のローラ層と、そのローラ層の表面に被覆され、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などが主成分とされるコート層との2層構造によって形成されている。また、現像ローラ24のローラ軸は、筐体23の幅方向両側壁に回転可能に支持されており、画像形成時には、現像バイアスが印加される。
【0023】
供給ローラ25は、現像ローラ24に対して前側から対向し、現像ローラ24と圧接されている。この供給ローラ25は、金属製のローラ軸に、導電性のスポンジ部材からなるローラ部分が被覆されている。また、供給ローラ25のローラ軸は、筐体23の幅方向両側壁に回転自在に支持されている。
そして、各プロセス部15では、画像形成時には、各トナー収容室26に収容されている各色のトナーが、供給ローラ25に供給され、この供給ローラ25の回転により現像ローラ24に供給される。このとき、トナーは、供給ローラ25と、現像バイアスが印加されている現像ローラ24との間で正に摩擦帯電される。
【0024】
一方、スコロトロン型帯電器21は、帯電バイアスの印加により、コロナ放電を発生させて、感光ドラム20の表面を一様に正帯電させている。感光ドラム20の表面は、感光ドラム20の回転に伴って、スコロトロン型帯電器21により一様に正帯電された後、スキャナユニット14の出射窓から出射されたレーザ光の高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した各色の静電潜像が形成される。
【0025】
さらに感光ドラム20が回転すると、次いで、現像ローラ24の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ24の回転により、感光ドラム20に対向して接触するときに、感光ドラム20の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム20の表面のうち、レーザ光によって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム20の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム20の表面には、各色に対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
<転写部>
転写部16は、本体ケーシング2内において、用紙カセット10の上方であって、プロセス部15の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部16は、駆動ローラ27、従動ローラ28、搬送ベルト29および転写ローラ30を備えている。
【0026】
駆動ローラ27は、ブラックプロセス部15Kの感光ドラム20よりも後方下側に配置されている。この駆動ローラ27は、画像形成時において、感光ドラム20の回転方向と逆方向(図中反時計回り)に回転駆動される。
従動ローラ28は、イエロープロセス部15Yの感光ドラム20よりも前方下側であって、駆動ローラ27と前後方向において対向するように配置されている。この従動ローラ28は、駆動ローラ27の回転駆動時に、駆動ローラ27の回転方向と同方向(図中反時計回り)に従動回転する。
【0027】
搬送ベルト29は、エンドレスベルトからなり、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂によって形成されている。この搬送ベルト29は、駆動ローラ27と従動ローラ28との間に巻回されており、その巻回されている外側の接触面が、各プロセス部15の感光ドラム20のすべてと対向接触するように、配置されている。
【0028】
そして、駆動ローラ27の駆動により、従動ローラ28が従動され、搬送ベルト29が、これら駆動ローラ27および従動ローラ28の間を、各プロセス部15の感光ドラム20と対向接触する接触面において、感光ドラム20と同方向に移動するように、図中時計回りに周回走行する。
転写ローラ30は、駆動ローラ27および従動ローラ28の間に巻回されている搬送ベルト29内において、各プロセス部15の感光ドラム20と搬送ベルト29を挟んで対向配置されている。各転写ローラ30は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ部分が被覆されている。そして、転写ローラ30のローラ軸は、幅方向に沿って延び、回転自在に支持されており、転写時には転写バイアスが印加される。各転写ローラ30は、搬送ベルト29と対向接触する接触面において、搬送ベルト29の周回移動方向と同方向(図中時計回り)に回転する。
【0029】
そして、給紙部4から給紙された用紙3は、駆動ローラ27の駆動および従動ローラ28の従動により周回移動される搬送ベルト29によって、前方から後方に向かって、搬送ベルト29と各プロセス部15の感光ドラム20との間の画像形成位置を、順次通過するように搬送される。そして、その搬送中に、各プロセス部15の感光ドラム20に担持されている各色に対応したトナー像が順次転写され、これによって、用紙3にカラー画像が形成される。
【0030】
すなわち、たとえば、イエロープロセス部15Yの感光ドラム20の表面に担持されたイエローのトナー像が、用紙3に転写されると、次いで、マゼンタプロセス部15Mの感光ドラム20の表面に担持されたマゼンタのトナー像が、既にイエローのトナー像が転写されている用紙3に重ねて転写され、同様の動作によって、シアンプロセス部15Cの感光ドラム20の表面に担持されたシアンのトナー像、ブラックプロセス部15Kの感光ドラム20の表面に担持されたブラックのトナー像が重ねて転写され、これによって、用紙3にカラー画像が形成される。
【0031】
このようなカラー画像の形成において、このカラーレーザプリンタ1は、各プロセス部15において、プロセス部15が各色に対応して複数設けられているタンデム型の装置構成であるため、モノクロ画像を形成する速度とほぼ同じ速度で、各色に対応したトナー像を形成して、迅速なカラー画像の形成を達成することができる。そのため、小型化を図りつつ、カラー画像を形成することができる。
<定着部>
定着部17は、転写部16の後方に配置されている。この定着部17は、加熱ローラ31および加圧ローラ32を備えている。加熱ローラ31は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。そして、ハロゲンランプにより、加熱ローラ31の表面が定着温度に加熱される。また、加圧ローラ32は、加熱ローラ31を押圧するように設けられている。
【0032】
用紙3上に転写されたカラー画像は、用紙3が定着部17に搬送され、加熱ローラ31と加圧ローラ32との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙3に熱定着される。
(4)排紙部
排紙部6は、排紙パス33および排紙ローラ34を備えている。
【0033】
排紙パス33は、上流側端部が、下方において定着部17に隣接し、用紙3が後方に向かって給紙されるように、また、下流側端部が、上方において排紙ローラ34に隣接し、用紙3が前方に向かって排紙されるような、略U字形状の用紙3の搬送経路として形成されている。
排紙ローラ34は、排紙パス33の下流側端部に、1対のローラとして設けられている。
【0034】
定着部17においてカラー画像が熱定着された用紙3は、排紙パス33上を搬送される過程で、搬送方向が前後反転された後、排紙ローラ34によって、前方に向かって排紙される。排紙された用紙3は、本体ケーシング2の上面の排紙トレイ7上に載置される。
2.プロセス部の支持構造
図2は、カラーレーザプリンタ1のフロントカバー9が開かれた状態を示す側断面図である。また、図3は、カラーレーザプリンタ1の前面開口8からプロセス部15が引き出された状態を示す側断面図である。
【0035】
4つのプロセス部15は、本体ケーシング2に対して前後方向にスライド可能に設けられたプロセスフレーム35に一体的に支持されている。また、各プロセス部15の現像カートリッジ22は、プロセスフレーム35に対して上方から着脱可能に装着されている。
3.プロセスフレームのスライド構造
プロセスフレーム35は、4つのプロセス部15の周囲を取り囲む略四角枠状に形成されており、幅方向両側外面に、前後方向に直線状に延びるガイド部36を備えている。
【0036】
一方、本体ケーシング2内には、プロセスフレーム35の両ガイド部36がそれぞれ摺動可能に嵌合されるガイドレール37が設けられている。このガイドレール37は、ガイド部36の上面、下面および幅方向側面に対向接触する凹状に形成されており、前面開口8の近傍から定着部17の近傍にかけて、前後方向に直線状に延びて設けられている。
そして、プロセスフレーム35は、両ガイド部36がそれぞれガイドレール37に前方から嵌め込まれることにより、両ガイドレール37間に、本体ケーシング2に対して前後方向にスライド可能に取り付けられる。また、その状態において、ガイド部36の上面、下面および幅方向側面がガイドレール37と対向接触し、これによって、プロセスフレーム35は、上下方向および幅方向においてがたつきなくガイドレール37に支持される。
【0037】
図2に示すように、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に対して最奥まで押し込むと、そのプロセスフレーム35に支持されたプロセス部15がスキャナユニット14と転写部16との間に配置される。また、図3に示すように、フロントカバー9を開いて、前面開口8からプロセスフレーム35を本体ケーシング2外に引き出すと、プロセスフレーム35に支持されたプロセス部15が露出する。
4.誤装着検出手段
プロセスフレーム35を本体ケーシング2外に引き出した状態では、現像カートリッジ22をプロセスフレーム35に対して上方から装着および離脱させることができる。
【0038】
各色の現像カートリッジ22は、前側からイエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22M、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kの順に配列されるように、プロセスフレーム35に装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されなければならない。たとえば、マゼンタ現像カートリッジ22Mとシアン現像カートリッジ22Cとを取り違えて、マゼンタ現像カートリッジ22Mをシアンプロセス部15Cに誤って装着し、シアン現像カートリッジ22Cをマゼンタプロセス部15Mに誤って装着すると、シアンプロセス部15Cの感光ドラム20に形成される静電潜像(シアンのトナー像に可視像化されるべき静電潜像)がマゼンタのトナーにより現像され、マゼンタプロセス部15Mの感光ドラム20に形成される静電潜像(マゼンタのトナー像に可視像化されるべき静電潜像)がシアンのトナーにより現像されるため、正常なカラー画像を用紙3に形成することができない。
【0039】
そのため、このカラーレーザプリンタ1には、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の装着位置の誤りを検出するための機構が設けられている。すなわち、各現像カートリッジ22の筐体23の上面には、各色ごとに幅方向(プロセスフレーム35のスライド方向と直交する方向)に異なる位置に、ブロック状の識別部38が上方へ突出した状態に設けられている。一方、本体ケーシング2内において、スキャナユニット14のスキャナフレーム18の下面には、プロセスフレーム35に対して各現像カートリッジ22が正規の位置に装着されて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態で、各現像カートリッジ22の識別部38に対して後側から対向する対向部材39が設けられている。各対向部材39は、スキャナフレーム18の下面から、スキャナフレーム18の下面と現像カートリッジ22の上面との間の間隔よりも小さい突出量で突出し、かつ、識別部38と比べて幅方向に幅狭に形成されている。
【0040】
図4は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。
現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着された状態では、プロセスフレーム35内において、イエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22M、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kが前側からこの順に並ぶ。このとき、プロセスフレーム35は、本体ケーシング2外に引き出した状態から後方に向けてスライドさせて、各現像カートリッジ22に設けられている識別部38が本体ケーシング2内の各対向部材39と干渉することなく、本体ケーシング2に対して最奥まで押し込むことができる。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2の最奥まで押し込まれた状態では、各現像カートリッジ22の識別部38が対向部材39と前後方向に対向する。
【0041】
図5は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。また、図6は、その現像カートリッジ22が誤った並び順で装着されたプロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容する途中の状態を示す側断面図であり、図7は、その図解的な平面図である。
図5に示す状態では、マゼンタ現像カートリッジ22Mとブラック現像カートリッジ22Kとが取り違えられて、現像カートリッジ22は、前側から、イエロー現像カートリッジ22Y、ブラック現像カートリッジ22K、シアン現像カートリッジ22Cおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mの順で配列されている。このとき、プロセスフレーム35を本体ケーシング2外に引き出した状態から後方に向けてスライドさせると、図6および図7に示すように、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別部38が、本来ならプロセスフレーム35が本体ケーシング2の最奥に押し込まれた状態で対向する対向部材39に対して、そのスライドの途中で対向して当接する。これにより、それ以上のプロセスフレーム35のスライドが阻止されて、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出が達成される。
【0042】
以上のように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合には、各現像カートリッジ22に設けられている識別部38が本体ケーシング2内の各対向部材39と干渉することなく、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容することができ、その収容状態で、各現像カートリッジ22の識別部38が対向部材39と前後方向に対向する。一方、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、その誤った位置に装着された現像カートリッジ22に設けられている識別部38が、本来ならプロセスフレーム35が本体ケーシング2に完全に収容された状態で対向する対向部材39に対して、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容される過程で対向して当接する。これにより、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程において、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出が達成される。そのため、各現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい位置に装着されていない状態(現像カートリッジ22が誤った並び順でプロセスフレーム35に装着されている状態)で、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されることを防止することができる。その結果、各色のプロセス部15の感光ドラム20にそれぞれ対応する色のトナーを供給して、用紙3に正常なカラー画像を確実に形成することができる。
【0043】
また、識別部38が現像カートリッジ22の筐体23の上方へ突出しているので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されているときに、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される途中で、その誤った位置に装着された現像カートリッジ22に設けられている識別部38と対向部材39とを確実に当接させることができる。
【0044】
さらに、識別部38が各色ごとに幅方向に異なる位置に配置されるので、各識別部388を確実に各色ごとに異なる位置に配置することができる。
また、感光ドラム20がプロセスフレーム35に保持されているので、現像カートリッジ22のトナー収容室26に収容されているトナーがなくなった場合に、感光ドラム20をプロセスフレーム35に残したまま、その現像カートリッジ22のみをプロセスフレーム35から離脱させて交換することができる。そのため、現像カートリッジ22とともに感光ドラム20まで交換されることを防止することができ、現像カートリッジ22の交換に伴う費用を低減することができる。
【0045】
さらには、現像ローラ24が現像カートリッジ22に備えられているので、トナー収容室26内のトナーがなくなったときに、現像ローラ24ごと、現像カートリッジ22を新品と交換することができる。
5.第2の実施形態
図8および図9は、第2の実施形態に係るカラーレーザプリンタの側断面図である。また、図10は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図8〜図10の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0046】
この第2の実施形態に係るカラーレーザプリンタ1では、対向部材39に代えて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、各識別部38の通過を検出するスイッチ40が備えられている。
スイッチ40は、スキャナユニット14のスキャナフレーム18の下面の前端部に沿って並べて配置されている。具体的には、スイッチ40は、スキャナフレーム18の下面の前端部において、図10に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに各識別部38が通過する経路上にそれぞれ1つずつ配置されて、プロセスフレーム35のスライド方向と直交する幅方向に1列に整列している。
【0047】
各現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に装着されて、このプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されると、その収容の過程において、各現像カートリッジ22の識別部38がスイッチ40の位置を通過する。識別部38がスイッチ40の位置を通過すると、スイッチ40のアクチュエータに識別部38が当接し、そのアクチュエータを識別部38が上方に押し上げる。これにより、スイッチ40による識別部38の通過が達成される。スイッチ40は幅方向に整列しているので、各スイッチ40が識別部38の通過を検出する順序は、プロセスフレーム35における現像カートリッジ22の並び順に対応する。
【0048】
このように現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合において、そのプロセスフレーム35が現像カートリッジ22に収容されるときの各スイッチ40の検出タイミングの例を図11〜図14に示す。
図11は、初期設定時(プロセスフレーム35に各現像カートリッジ22が初めて装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるとき)における各スイッチ40の検出タイミングの一例を示す図である。
【0049】
本体ケーシング2から空の状態のプロセスフレーム35が引き出され、図8に示すように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されて、図9に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図11に示すように、ブラック現像カートリッジ22Kの識別部38(識別部「1」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「A」)、シアン現像カートリッジ22Cの識別部38(識別部「2」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「B」)、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別部38(識別部「3」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「C」)およびイエロー現像カートリッジ22Yの識別部38(識別部「4」)が通過する経路上に配置されているスイッチ40(スイッチ「D」)が、この順で、それぞれ識別部38の通過を検出する。
【0050】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合には、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
なお、以下の説明では、簡便のために、ブラック現像カートリッジ22Kの識別部38を識別部「1」といい、シアン現像カートリッジ22Cの識別部38を識別部「2」といい、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別部38を識別部「3」といい、イエロー現像カートリッジ22Yの識別部38を識別部「4」という。また、識別部「1」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「A」といい、識別部「2」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「B」といい、識別部「3」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「C」といい、識別部「4」の通過経路上に配置されているスイッチ40をスイッチ「D」という。
【0051】
図12は、初期設定時における各スイッチ40の検出タイミングの他の例を示す図である。
本体ケーシング2から引き出された空の状態のプロセスフレーム35に現像カートリッジ22に正しい並び順で装着され、そのプロセスフレーム35が、識別部「2」が通過する経路上に配置されているスイッチ「B」がその通過を検出する位置まで、本体ケーシング2に押し込まれた後、本体ケーシング2から一旦引き出され、その後に本体ケーシング2に収容される場合を考える。
【0052】
この場合、図12に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に途中まで押し込まれる過程で、スイッチ「A」およびスイッチ「B」が、この順で、それぞれ識別部「1」および識別部「2」の通過を検出する。その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から一旦引き出されると、図示しないが、その引き出される過程で、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に完全に収容されると、図12に示すように、その収容される過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B]、スイッチ「C]およびスイッチ「D]が、この順で、それぞれ識別部38の通過を検出する。
【0053】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
図13は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングの例を示す図である。
【0054】
たとえば、イエロー現像カートリッジ22Yが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、そのイエロー現像カートリッジ22Yが新品と交換された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図13(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」が識別部「4」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容する過程で、スイッチ「D」が識別部「4」の通過を再び検出する。
【0055】
このようにスイッチ「D」が識別部「4」の通過を2回連続で検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
また、マゼンタ現像カートリッジ22Mが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mがそれぞれ新品と交換された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図13(b)に示すように、プロセスフレーム35を本体ケーシング2から引き出す過程で、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「4」および識別部「3」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容する過程で、スイッチ「C」およびスイッチ「D」が、この順で、それぞれ識別部「3」および「4」の通過を検出する。
【0056】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
図14は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
【0057】
ブラック現像カートリッジ22Kが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、各現像カートリッジ22がそれぞれ新品と交換された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図14に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」、スイッチ「C」、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「4」、識別部「3」、識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B」、スイッチ「C」およびスイッチ「D」が、この順で、それぞれ識別部「1」、識別部「2」、識別部「3」および識別部「4」の通過を検出する。
【0058】
このような順序でスイッチ40が識別部38の通過を検出した場合にも、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
図15および図16は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。また、図17は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図15〜図17の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0059】
図15〜図17に示す状態では、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとが取り違えられて、現像カートリッジ22は、前側から、マゼンタ現像カートリッジ22M、イエロー現像カートリッジ22Y、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kの順で配列されている。
このように現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されている場合において、そのプロセスフレーム35が現像カートリッジ22に収容されるときの各スイッチ40の検出タイミングの例を図18〜図21に示す。
【0060】
図18は、初期設定時における各スイッチ40の検出タイミングの一例を示す図である。
本体ケーシング2から空の状態のプロセスフレーム35が引き出され、図15に示すように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されて、図16に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図18に示すように、その過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B」、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「1」、識別部「2」、識別部「4」および識別部「3」の通過を検出する。
【0061】
このような検出順序は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図11に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
図19は、初期設定時における各スイッチ40の検出タイミングの他の例を示す図である。
【0062】
本体ケーシング2から引き出された空の状態のプロセスフレーム35に対して、図15に示すように、現像カートリッジ22に誤った並び順で装着され、そのプロセスフレーム35が、識別部「2」が通過する経路上に配置されているスイッチ「B」がその通過を検出する位置まで、本体ケーシング2に押し込まれた後、本体ケーシング2から一旦引き出され、その後に本体ケーシング2に収容される場合を考える。
【0063】
この場合、図19に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に途中まで押し込まれる過程で、スイッチ「A」およびスイッチ「B」が、この順で、それぞれ識別部「1」および識別部「2」の通過を検出する。その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から一旦引き出されると、図示しないが、その引き出される過程で、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に完全に収容されると、図19に示すように、その収容される過程で、スイッチ「A」、スイッチ「B]、スイッチ「D]およびスイッチ「C]が、この順で、それぞれ識別部38の通過を検出する。
【0064】
このようなプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときの検出順序は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図12に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
図20は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングの例を示す図である。
【0065】
たとえば、イエロー現像カートリッジ22Yが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、そのイエロー現像カートリッジ22Yがプロセスフレーム35から離脱され、誤って、マゼンタ現像カートリッジ22Mがイエロープロセス部15Yに装着された後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図20(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」が識別部「4」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「C」が識別部「3」の通過を検出する。
【0066】
このような検出順序は、イエロー現像カートリッジ22Yが正しく交換されて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図13(a)に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
また、マゼンタ現像カートリッジ22Mが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mがそれぞれプロセスフレーム35から離脱された後、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとを取り違えて、これらがそれぞれマゼンタプロセス部15Mおよびイエロープロセス部15Yに装着され、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図20(b)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「4」および識別部「3」の通過を検出し、その後、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「D」およびスイッチ「C」が、この順で、それぞれ識別部「4」および「3」の通過を検出する。
【0067】
このような検出順序は、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mが正しく交換されて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図13(b)に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
【0068】
図21は、現像カートリッジ22の交換時における各スイッチ40の検出タイミングのさらに他の例を示す図である。
ブラック現像カートリッジ22Kが露出するまで、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出されて、各現像カートリッジ22がプロセスフレーム35から離脱された後、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとを取り違え、これらがそれぞれマゼンタプロセス部15Mおよびイエロープロセス部15Yに装着されて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される場合、図21に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出される過程で、スイッチ「D」、スイッチ「C」、スイッチ「B」およびスイッチ「A」が、この順で、それぞれ識別部「4」、識別部「3」、識別部「2」および識別部「1」の通過を検出する。そして、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容される過程で、スイッチ「B」、スイッチ「A」、スイッチ「C」およびスイッチ「D」が、この順で、それぞれ識別部「2」、識別部「1」、識別部「3」および識別部「4」の通過を検出する。
【0069】
このような検出順序は、イエロー現像カートリッジ22Yおよびマゼンタ現像カートリッジ22Mが正しく交換されて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されているときにおける検出順序(図14に示す順序)とは異なるので、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
【0070】
以上のように、各識別部38の通過を検出するスイッチ40が、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに各識別部38が通過する経路上にそれぞれ配置され、かつ、プロセスフレーム35のスライド方向と直交する幅方向に整列している。そのため、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、各スイッチ40が識別部の38通過を検出する順序は、そのプロセスフレーム35における現像カートリッジ22の並び順に対応している。これにより、各スイッチ40が識別部38の通過を検出した順序に基づいて、プロセスフレーム35における現像カートリッジ22の並び順を検出することができ、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出を達成することができる。
【0071】
また、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に押し込まれても、その過程で現像カートリッジ22の識別部38と干渉する部材が存在しないので、識別部38が破損されるおそれがない。
なお、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかの判断は、たとえば、CPU、RAMおよびROMを含む構成のマイクロコンピュータ(図示せず)により行うことができる。この場合、フロントカバー9の開閉を検出するカバー開閉検出スイッチ(図示せず)を設け、これをマイクロコンピュータに接続するとともに、各スイッチ40をマイクロコンピュータに接続する。そして、マイクロコンピュータにおいて、カバー開閉検出スイッチの出力に基づいて、フロントカバー9が開かれていると判断される期間にわたって、各スイッチ40の検出状態(オン/オフ状態)出力を監視し、各スイッチ40の検出タイミングと上述したような検出タイミングのパターンとを比較して、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかが判断されるとよい。
6.第3の実施形態
図22および図23は、第3の実施形態に係るカラーレーザプリンタの側断面図である。また、図24は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図22〜図24の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0072】
この第3の実施形態に係るカラーレーザプリンタ1では、対向部材39に代えて、スキャナユニット14のスキャナフレーム18の下面に、プロセスフレーム35に対して各現像カートリッジ22が正規の位置に装着されて、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態で、各識別部38が当接する位置に、それぞれスイッチ41が配置されている。
【0073】
図22に示すように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されて、図23に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態では、図24に示すように、各現像カートリッジ22に設けられている識別部38が、各スイッチ41のアクチュエータに当接し、そのアクチュエータを上方に押し上げる。そのため、すべてのスイッチ41のアクチュエータが押し上げられ、それらのスイッチ41が識別部38を検出していれば、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されていると判断することができる。
【0074】
図25および図26は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す側断面図である。また、図27は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態を図解的に示す平面図である。図25〜図27の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0075】
図25に示す状態では、イエロー現像カートリッジ22Yとマゼンタ現像カートリッジ22Mとが取り違えられて、現像カートリッジ22は、前側から、マゼンタ現像カートリッジ22M、イエロー現像カートリッジ22Y、シアン現像カートリッジ22Cおよびブラック現像カートリッジ22Kの順で配列されている。図26に示すように、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容された状態では、図27に示すように、マゼンタ現像カートリッジ22Mおよびイエロー現像カートリッジ22Yの識別部38がスイッチ41に当接せず、マゼンタ現像カートリッジ22Mおよびイエロー現像カートリッジ22Yの正規の装着位置にそれぞれ対応づけて設けられたスイッチ41が識別部38を検出しない。そのため、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されていると判断することができる。
【0076】
以上のように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合には、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されたときに、すべてのスイッチ41に識別部38が当接し、すべてのスイッチ41が識別部38を検出する。一方、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、誤った位置に装着された現像カートリッジ22の識別部38がスイッチ41に当接せず、その現像カートリッジ22の正規の装着位置に対応づけて設けられているスイッチ41が識別部38を検出しない。そのため、各スイッチ41の検出結果に基づいて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されているか否かを判断することができ、これにより、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出を達成することができる。
【0077】
また、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して誤った並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に押し込まれても、その過程で現像カートリッジ22の識別部38と干渉する部材が存在しないので、識別部38が破損されるおそれがない。
なお、この第3の実施形態においても、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかの判断は、たとえば、CPU、RAMおよびROMを含む構成のマイクロコンピュータ(図示せず)により行うことができる。この場合、第2の実施形態の場合と同様に、フロントカバー9の開閉を検出するカバー開閉検出スイッチ(図示せず)を設け、これをマイクロコンピュータに接続するとともに、各スイッチ41をマイクロコンピュータに接続する。そして、マイクロコンピュータにおいて、カバー開閉検出スイッチの出力に基づいて、フロントカバー9が開かれた後、そのフロントカバー9が閉じられたことに応答して、各スイッチ40の検出状態(オン/オフ状態)を取得し、その取得した各スイッチ41の検出状態に基づいて、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して、正しい並び順で装着されているか、誤った並び順で装着されているかが判断されるとよい。
7.第4の実施形態
図28は、第4の実施形態に係るカラーレーザプリンタにおいて、本体ケーシング2から引き出されたプロセスフレーム35に現像カートリッジ22が正しい並び順で装着された状態を示す側断面図および平面図である。また、図29、図30、図31および図32は、図28に示すプロセスフレーム35を本体ケーシング2に途中まで収容した状態を示す側断面図および平面図である。さらに、図33は、図28に示すプロセスフレーム35を本体ケーシング2に完全に収容した状態を示す側断面図および平面図である。図28〜図33の各図において、上述の各部に相当する部分には、それら各部と同一の参照符号が付されている。また、以下では、その同一の参照符号を付した各部についての詳細な説明を省略する。
【0078】
この第4の実施形態に係るカラーレーザプリンタ1には、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の装着位置の誤りを検出するための機構として、各現像カートリッジ22の筐体23の上面には、下方に向けて窪む識別用溝42が形成されている。そして、各現像カートリッジ22の識別用溝42は、図28(a)に示すように、プロセスフレーム35に対して、各現像カートリッジ22が正規の位置に装着され、現像カートリッジ22が正しい並び順で配列された状態で、図28(b)に示すように、同一円弧上に整列するように形成されている。また、プロセスフレーム35には、プロセスフレーム35を本体ケーシング2に収容するときに、後述する回動軸45を後方へ移動させるための突起43が、幅方向一方側に突出して設けられている。
【0079】
一方、本体ケーシング2内には、スキャナフレーム18の下面の幅方向一方側の端縁に沿って前後方向に延びる回動軸レール44と、この回動軸レール44に沿って移動可能に設けられ、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、各識別用溝42が整列する円弧の中心に配置される回動軸45と、回動軸45を中心として揺動可能に設けられた揺動部材46と、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に収容されるときに、その揺動部材46の遊端部47の移動を案内する案内溝48とが備えられている。
【0080】
遊端部47は、揺動部材46から下方に突出する突起状に形成されており、案内溝48を貫通し、各現像カートリッジ22が正規の位置に装着されている場合に、その下端が同一円弧上に整列する識別用溝42に嵌合する。
案内溝48は、幅方向に延び、回動軸レール44側の端部が後方に向かうように少し湾曲している。
【0081】
現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に対して正しい並び順で装着されて、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2内に収容される場合、図29(a)に示すように、まず、ブラック現像カートリッジ22Kのみが本体ケーシング2内に入った段階で、図29(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、ブラック現像カートリッジ22Kの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0082】
この状態から、プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内に押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45を後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、ブラック現像カートリッジ22Kの識別用溝42に沿って移動する。そして、図30(a)に示すように、シアン現像カートリッジ22Cが本体ケーシング2内に入った段階では、図30(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、シアン現像カートリッジ22Cの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0083】
プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内にさらに押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45をさらに後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、シアン現像カートリッジ22Cの識別用溝42に沿って移動する。そして、図31(a)に示すように、マゼンタ現像カートリッジ22Mが本体ケーシング2内に入った段階では、図31(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0084】
その状態から、プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内にさらに押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45をさらに後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、マゼンタ現像カートリッジ22Mの識別用溝42に沿って移動する。そして、図32(a)に示すように、ブラック現像カートリッジ22Kが本体ケーシング2内に入った段階では、図32(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、ブラック現像カートリッジ22Kの識別用溝42に対して前後方向に対向する。
【0085】
そして、プロセスフレーム35が、本体ケーシング2内にさらに押し込まれると、プロセスフレーム35の突起43が、回動軸45をさらに後方へ押して移動させ、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48に案内されつつ、イエロー現像カートリッジ22Yの識別用溝42に沿って移動する。そして、図33(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2の最奥に押し込まれた状態(本体ケーシング2に完全に収容された状態)では、図33(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、案内溝48の回動軸レール44側の端部に到達するとともに、イエロー現像カートリッジ22Yの識別用溝22から幅方向外方に離脱する。
【0086】
図34は、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着された状態を示す平面図であり、(a)は、プロセスフレーム35が本体ケーシング2から引き出された状態を示し、(b)は、プロセスフレーム35が本体ケーシング2に途中まで収容された状態を示す。
この図34に示す状態では、シアン現像カートリッジ22Cとブラック現像カートリッジ22Kとが取り違えられて、プロセスフレーム35には、前側から、イエロー現像カートリッジ22Y、マゼンタ現像カートリッジ22M、ブラック現像カートリッジ22Kおよびシアン現像カートリッジ22Cの順で配列されている。このとき、各現像カートリッジ22の識別用溝42は同一円弧上に整列しない。そのため、図34(a)に示すように、プロセスフレーム35が本体ケーシング2外に引き出した状態から本体ケーシング2内に向けて押される、ブラック現像カートリッジ22Kのみが本体ケーシング2内に入った段階で、図34(b)に示すように、揺動部材46の遊端部47が、シアン現像カートリッジ22Cの後面における識別用溝42が形成されていない位置に対向して当接する。これにより、それ以上にプロセスフレーム35が後方に押されても、プロセスフレーム35のスライドが阻止されて、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着の検出が達成される。
【0087】
このように、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に正しい並び順で装着されている場合には、各現像カートリッジ22の筐体23の上面に形成された識別用溝42が同一円弧上に整列し、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に装着されるときに、揺動部材46の遊端部47が案内溝48の案内により円弧上に整列した識別用溝42に沿って移動する。一方、現像カートリッジ22がプロセスフレーム35に誤った並び順で装着されていると、各現像カートリッジ22の識別用溝42が円弧上に整列せず、そのプロセスフレーム35が本体ケーシング2に装着される途中で、揺動部材464の遊端部47の移動が阻止されることにより、プロセスフレーム35に対する現像カートリッジ22の誤装着を検出することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 カラーレーザプリンタ
2 本体ケーシング
20 感光ドラム
22 現像カートリッジ
22 識別用溝
24 現像ローラ
26 トナー収容室
35 プロセスフレーム
38 識別部
39 対向部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケーシングと、
前記本体ケーシングに収容された状態と前記本体ケーシングから引き出された状態とにスライド変位されるユニットフレームと、
各色ごとに設けられ、現像剤を収容する現像剤収容部をそれぞれ備え、前記ユニットフレームに対して着脱可能に装着されるカートリッジと、
各前記カートリッジにおいて当該カートリッジの外方へ突出した状態に設けられ、各色ごとに前記ユニットフレームのスライド方向と直交する方向に異なる位置に配置される識別部と、
前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容される過程において、前記識別部の位置に基づいて、前記ユニットフレームに対する前記カートリッジの誤装着を検出する誤装着検出手段とを備え、
前記誤装着検出手段は、前記本体ケーシング内に設けられ、前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジが正規の位置に装着されて、前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに装着された状態で、各前記識別部に対して前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容されるときの移動方向の下流側に対向する対向部材を含み、
前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジのうちの1つでも正規の位置に装着されていないときには、前記ユニットフレームがスライドにより前記本体ケーシングに収容される途中で、当該正規の位置に装着されていない前記カートリッジの前記識別部と前記対向部材とが当接し、それ以上の前記ユニットフレームのスライドが阻止されるように、前記対向部材が配置されていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記ユニットフレームに保持され、表面に静電潜像が形成される像担持体を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カートリッジは、前記像担持体に現像剤を供給して、前記静電潜像を可視像化する現像剤担持体を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項1】
本体ケーシングと、
前記本体ケーシングに収容された状態と前記本体ケーシングから引き出された状態とにスライド変位されるユニットフレームと、
各色ごとに設けられ、現像剤を収容する現像剤収容部をそれぞれ備え、前記ユニットフレームに対して着脱可能に装着されるカートリッジと、
各前記カートリッジにおいて当該カートリッジの外方へ突出した状態に設けられ、各色ごとに前記ユニットフレームのスライド方向と直交する方向に異なる位置に配置される識別部と、
前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容される過程において、前記識別部の位置に基づいて、前記ユニットフレームに対する前記カートリッジの誤装着を検出する誤装着検出手段とを備え、
前記誤装着検出手段は、前記本体ケーシング内に設けられ、前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジが正規の位置に装着されて、前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに装着された状態で、各前記識別部に対して前記ユニットフレームが前記本体ケーシングに収容されるときの移動方向の下流側に対向する対向部材を含み、
前記ユニットフレームに対して各前記カートリッジのうちの1つでも正規の位置に装着されていないときには、前記ユニットフレームがスライドにより前記本体ケーシングに収容される途中で、当該正規の位置に装着されていない前記カートリッジの前記識別部と前記対向部材とが当接し、それ以上の前記ユニットフレームのスライドが阻止されるように、前記対向部材が配置されていることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記ユニットフレームに保持され、表面に静電潜像が形成される像担持体を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カートリッジは、前記像担持体に現像剤を供給して、前記静電潜像を可視像化する現像剤担持体を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2009−163274(P2009−163274A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−106400(P2009−106400)
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【分割の表示】特願2005−232563(P2005−232563)の分割
【原出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月24日(2009.4.24)
【分割の表示】特願2005−232563(P2005−232563)の分割
【原出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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