説明

画像形成装置

【課題】特定の機能に係るユーザの使用傾向に鑑みて、ユーザの利便性を追求し、その操作性を飛躍的に向上させる。
【解決手段】主制御部11は、第一の機能に係るキーがユーザによって操作されたとき、グループ機能記憶部73から当該第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を読み出すとともに、当該操作された第一の機能に係る設定画面に伴って、当該読み出した機能に係るショートカットキーをタッチパネル部53に表示させる制御を行う。これによって、例えば、ユーザが第一の機能に係るキーを操作すると、第一の機能に係る設定画面に伴って、第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能に係るショートカットキーが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機を含む画像形成装置に係り、特に、特定の機能に係るユーザの使用傾向に鑑みて、ユーザの利便性を追求し、その操作性を飛躍的に向上可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ又はこれらの複合機を含む画像形成装置では、ユーザの多種多様なニーズに応えるために、多機能化が進展している。また、かかる多機能化に伴って、多彩な機能を実現するための項目の数も増加の一途をたどっている。しかし、操作パネルの表示画面に係るスペースの拡充は、多機能化の進展に追従できていない。そのため、限られたスペースを効率的に活用するために、代表的な機能に係る項目のみがインデックス的に一覧表示され、その他の機能に係る項目は、各代表機能に係る項目の下位層に、複数段階にわたり階層化されて配置されるのが一般的である。この場合、例えば、ユーザの要求に係る機能項目が、階層構造のうち5段階目などの深い階層に存在する場合、ユーザの要求に係る機能項目に至るまで、複数段階の階層を辿って順次選択的に操作してゆく作業が煩わしいという問題が生じる。
【0003】
かかる問題を解消するためのアプローチのひとつとして、本願出願人は、複数の機能のうち任意の機能を割り付けることのできるショートカットキーを備えるショートカットキー表示画面を表示可能に構成するとともに、全ての機能設定画面に、ショートカットキーへの機能の割り付け指示を行うための割付指示キーを備え、割付指示キーが選択されると、その割付指示キーを備える機能設定画面が表示されるまでに設定された一連の機能をショートカットキーに割り付ける技術を提案している(特許文献1参照)。特許文献1の技術によれば、操作性の向上を期することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、特定の機能に係るユーザの使用傾向に鑑みて、ユーザの利便性を追求する旨の記載はない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−354170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、特定の機能に係るユーザの使用傾向に鑑みて、ユーザの利便性を追求し、その操作性を飛躍的に向上可能な画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明者は、ユーザの利便性向上を実現し得る画像形成装置を提供することを目的として、日夜研究活動に勤しんでいた。
【0008】
かかる研究活動を通じて、本願発明者は、一般に、特定の機能(これを便宜的に「第一の機能」という場合がある。)を使用するユーザは、第一の機能の使用に伴って、他の機能を同時に使用する傾向があるのではないか?、との着想を得た。同着想をヒントに、さらなる研究を鋭意推進したところ、第一の機能と同時に使用が想定される機能に係るショートカットキーを、第一の機能とともに提示することができれば、ユーザの操作性を飛躍的に向上することが可能であることを見いだし、遂に本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、特定の機能に係るユーザの使用傾向に鑑みて、ユーザの利便性を追求し、その操作性を飛躍的に向上可能な画像形成装置を提供することを目的として、画像形成処理に係る各種機能を選択する際に操作される複数の機能キーと、前記各種機能のうち、予め登録された機能を直に選択する際に操作されるショートカットキーと、少なくとも前記ショートカットキーを含む機能選択に係るキーを表示するための表示手段と、を備え、前記表示手段に表示された機能選択に係るキーのうち、いずれかのキーが操作されたとき、当該操作されたキーに対応する画像形成処理を実行する機能を有する画像形成装置であって、前記各種機能のうち、第一の機能に関連付けて、同第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を記憶するグループ機能記憶手段と、前記第一の機能に係るキーが操作されたとき、前記グループ機能記憶手段から当該第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を読み出すとともに、当該操作された第一の機能に係る設定画面に伴って、当該読み出した機能に係るショートカットキーを前記表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る画像形成装置では、前記各種機能のうち、第一の機能に関連付けて、同第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を記憶するグループ機能記憶手段と、次述する表示制御手段と、を備え、表示制御手段は、第一の機能に係るキーが操作されたとき、前記グループ機能記憶手段から当該第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を読み出すとともに、当該操作された第一の機能に係る設定画面に伴って、当該読み出した機能に係るショートカットキーを前記表示手段に表示させる制御を行うので、これによって、例えば、ユーザが第一の機能に係るキーを操作すると、第一の機能に係る設定画面に伴って、第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能に係るショートカットキーが表示されることになる。従って、第一の機能に係る設定画面に伴って表示されてきたショートカットキーの恩恵をフルに受けたユーザは、従来と比べてきわめて短時間で所要の設定操作を完遂することが期待できる結果として、その操作性を飛躍的に向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
特定の機能に係るユーザの使用傾向に鑑みて、ユーザの利便性を追求し、その操作性を飛躍的に向上するといった目的を、第一の機能に係るキーが操作されたとき、グループ機能記憶手段から当該第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を読み出すとともに、当該操作された第一の機能に係る設定画面に伴って、当該読み出した機能に係るショートカットキーを前記表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段により実現した。
【実施例】
【0012】
以下、本発明に係る画像形成装置について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
[画像形成装置周辺の概略構成]
図1は、本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す機能ブロック図、図2は、同画像形成装置における操作パネル部の外観図である。
【0014】
本装置は、例えば、コピージョブ、Fax送信ジョブ、印刷ジョブ、又はネットワーク送信(メール送信やデータ送信)ジョブを含む諸機能が利用可能であり、マイクロコンピュータ及び専用のハードウェア回路等から構成される主制御部11によって制御される。この主制御部11に接続され諸機能を担う入出力機器として、本装置は、スキャナ部21、画像処理部31、エンジン部41、操作パネル部51、ファクシミリ通信部61、HDD(ハードディスクドライブ)63、並びに、ネットワークI/F(インタフェース)部65を備える。
【0015】
主制御部11は、スキャナ機能を実現するための動作制御を行うスキャナコントローラ13と、ファクシミリ機能を実現するための動作制御を行うファクシミリコントローラ15、プリンタ機能を実現するための動作制御を行うプリンタコントローラ17、並びに、コピー機能を実現するための動作制御を行うコピーコントローラ19を内蔵し、本装置全体の動作を統括制御する。
【0016】
スキャナ部21は、図示しないスキャナを構成する画像照射ランプ23及びCCD(電荷結合素子:Charge Coupled Device)センサー25を含む。スキャナ部21は、画像照射ランプ23により原稿を照射し、その反射光をCCDセンサー25で受光することにより、原稿から画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像データを画像処理部31へ出力する。
【0017】
画像処理部31は、補正部33、画像加工部35及び画像メモリ37を含む。画像処理部31は、スキャナ部21で読み取られた画像データを必要に応じて補正部33及び画像加工部35により処理し、処理された画像データを画像メモリ37に記憶したり、エンジン部41、ファクシミリ通信部61等へ出力する。補正部33は、スキャナ部21で読み取られた画像データに対してレベル補正、Y補正等の所定の補正処理を行う。画像加工部35は、画像データの圧縮又は伸張処理、及び拡大又は縮小処理等の種々の加工処理を行う。
【0018】
エンジン部41は、図示しない給紙カセットや給紙ローラ等から構成される用紙搬送部43、図示しない感光体ドラム、露光装置、現像装置等から構成される画像形成部45、図示しない転写ローラ等から構成される転写部47、及び図示しない定着ローラ等から構成される定着部49を含む。エンジン部41は、スキャナ部21で読み取られた画像データ、ネットワークI/F部65を介してLAN(Local Area Network)によりクライアントPC(パーソナルコンピュータ)等から送信された画像データ、ファクシミリ通信部61を用いて外部のファクシミリ装置等から受信したファクスデータ等の画像データを用いて画像を用紙に印刷する。具体的には、用紙搬送部43は用紙を画像形成部45へ搬送し、画像形成部45は上記の画像データに対応するトナー像を形成し、転写部47はトナー像を用紙に転写し、定着部49はトナー像を用紙に定着させて画像を形成する。
【0019】
操作パネル部51は、図1及び図2に示すように、タッチパネル部53及び機能キー部55を含む。操作パネル部51は、ユーザがスキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能、コピー機能等に関する操作を行うために使用され、ユーザによる操作指令等を主制御部11に与える。
【0020】
本発明において表示手段として機能するタッチパネル部53は、タッチパネルとカラーLCD(Liquid Crystal Display)とを組み合わせたタッチパネルユニット等から構成され、種々の設定画面、例えば、コピー機能実行時には、原稿サイズ、コピーサイズ、複写部数などを設定するための情報を表示するとともに、ユーザが該当部分をタッチすることにより種々の操作指令を入力するための操作ボタン類を表示する。また、タッチパネル部53は、各種機能に係る設定画面を表示する際、又は同機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能が存在するとき、これらの機能に係るショートカットキーを設定画面中に表示する際などに用いられる。なお、ショートカットキーとは、画像形成処理に係る各種機能のうち、予め登録された機能を直に選択する際に操作されるキーのことをいう。
【0021】
機能キー部55は、画像形成処理に係る各種機能を選択する際にユーザによって操作される複数の機能キー、並びに、ショートカットキーを備えており、例えば、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能など諸機能のなかから、所要機能のキー入力操作をユーザが選択的に実行する際に、又は、ユーザが複写部数やコピー実行指令などを操作入力する際に用いられる。
【0022】
ファクシミリ通信部61は、符号化/復号化部(図示省略)、変復調部(図示省略)及びNCU(Network Control Unit)(図示省略)を含む。ファクシミリ通信部61は、スキャナ部21によって読み取られた原稿の画像データを電話回線を介してファクシミリ装置等へ送信したり、ファクシミリ装置等から送信された画像データを受信する。
【0023】
HDD(ハードディスクドライブ)63は、スキャナ部21によって読み取られた画像データ及び同画像データに設定されている出力形式等の種々のデータ等を記憶する。HDDに記憶されている画像データは、画像形成装置、プログラム及び記録媒体内部で使用されるだけでなく、必要に応じて、ネットワークI/F部65を介してクライアントPC等から確認したり、クライアントPCやFTPサーバ等の所定のフォルダへ転送される。
【0024】
ネットワークI/F部65は、ネットワークインタフェース(10/100Base−TX)等を用い、LANを介して接続されたクライアントPC等のユーザ端末67に対する種々のデータの送受信を制御する。
【0025】
ところで、ユーザがある特定機能、すなわち第一の機能を選択したとき、この第一の機能と同時に使用が想定される機能に係るショートカットキーを、第一の機能とともに提示するために、主制御部11は、各種機能キーを含むキー操作情報を取得する操作情報取得部71と、前記各種機能のうち、一の機能に関連付けて、当該一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能をグループ機能として記憶するグループ機能記憶部(本発明の「グループ機能記憶手段」に相当する。)73と、ユーザが各種機能を利用する毎に、一の機能に関連付けて、これと同時に使用された機能の利用状況に係る履歴を記憶する利用状況履歴記憶部75と、次述する登録管理部(本発明の「グループ機能管理手段」に相当する。)77と、ユーザによってある特定機能、すなわち第一の機能が選択されたとき、グループ機能記憶部73から当該第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を読み出すとともに、当該操作された第一の機能に係る設定画面に伴って、当該読み出した機能に係るショートカットキーをタッチパネル部53に表示させる制御を行う表示制御部(本発明の「表示制御手段」に相当する。)79と、を備えて構成されている。なお、登録管理部77は、利用状況履歴記憶部75に記憶されているショートカットキーを含む機能選択に係るキーの利用状況履歴に基づいて、前記第一の機能に関連付けられる、同第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を適切に管理する役割を果たす。
【0026】
[本発明に係る画像形成装置の動作]
次に、本発明に係る画像形成装置の動作について、図3〜図6を参照して説明する。図3は、本画像形成装置に係る機能選択時の動作フローチャートを示し、図4乃至図6は、本画像形成装置においてある機能を選択する際における設定画面例を示す。
【0027】
あるユーザが、図4に示す「機能リスト」に属する各種機能のうち、ある機能を選択すると(ステップS11)、主制御部11は、グループ機能記憶部73の記憶内容を参照することで、ステップS11で選択された機能に関連付けられたグループ機能が存在するか否かに係る判定を行う(ステップS12)。ここで、グループ機能とは、ある特定機能、すなわち第一の機能に関連付けて、同第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を意味する。また、本明細書で「特定機能」という用語を使用する際には、その「特定機能」には、同機能に関連付けられたグループ機能が存在することを意味している。
【0028】
さて、ステップS12における判定の結果、ステップS11で選択された機能に関連付けられたグループ機能が存在しない旨の判定が下されたとき、主制御部11は、ステップS11で選択された機能に係る設定画面の表示を行わせる。
【0029】
一方、ステップS12における判定の結果、ステップS11で選択された機能に関連付けられたグループ機能が存在する旨の判定が下されたとき、主制御部11は、グループ機能記憶部73から選択された機能に係るグループ機能を読み出す(ステップS13)とともに、当該選択された機能に係る設定画面に伴って、当該読み出したグループ機能に係るショートカットキーをタッチパネル部53に表示させる制御を行う(ステップS14)。
【0030】
次に、ステップS11〜S14における処理の流れを、具体例をあげて説明する。ここでは、各種機能のうち、ユーザによって「集約」機能が選択され、また、「集約」機能に従属するグループ機能として、「画面/分割」及び「用紙選択」に係る機能が関連付けられているものとする。
【0031】
すなわち、あるユーザが、図4に示すタッチパネル部53の表示画面81に表示されている「機能リスト」に属する各種機能のうち、「集約」機能83を選択すると、主制御部11は、グループ機能記憶部73の記憶内容を参照することで、「集約」機能83に関連付けられたグループ機能が存在するか否かに係る判定を行う。本例では、「集約」機能83に従属するグループ機能として、「画面/分割」及び「用紙選択」に係る機能が関連付けられているので、主制御部11は、グループ機能記憶部73から「集約」機能83に係るグループ機能を読み出すとともに、「集約」機能83に係る設定画面85に伴って、当該読み出した「画面/分割」及び「用紙選択」機能に係るショートカットキー87,89を、タッチパネル部53に表示させる(図5参照)。
【0032】
従って、「集約」機能83に係る設定画面85に伴って表示されてきた、「画面/分割」及び「用紙選択」機能に係るショートカットキー87,89の恩恵をフルに受けたユーザは、従来と比べてきわめて短時間で所要の設定操作を完遂することが期待できる結果として、その操作性を飛躍的に向上することができる。
【0033】
次に、ステップS11〜S14における処理の流れを、ユーザによって「用紙選択」機能が選択され、また、「用紙選択」機能に従属するグループ機能として、「原稿サイズ選択」及び「画面/分割」に係る機能が関連付けられている例をあげて説明する。
【0034】
すなわち、あるユーザが、図4に示すタッチパネル部53の表示画面81に表示されている「機能リスト」に属する各種機能のうち、「用紙選択」機能を選択すると、主制御部11は、グループ機能記憶部73の記憶内容を参照することで、「用紙選択」機能に関連付けられたグループ機能が存在するか否かに係る判定を行う。本例では、「用紙選択」機能に従属するグループ機能として、「原稿サイズ選択」及び「画面/分割」に係る機能が関連付けられているので、主制御部11は、グループ機能記憶部73から「用紙選択」機能に係るグループ機能を読み出すとともに、「用紙選択」機能に係る設定画面91に伴って、当該読み出した「原稿サイズ選択」及び「画面/分割」機能に係る各ショートカットキー93,95を、タッチパネル部53に表示させる(図6参照)。
【0035】
従って、「用紙選択」機能に係る設定画面91に伴って表示されてきた、「原稿サイズ選択」及び「画面/分割」機能に係るショートカットキー93,95の恩恵をフルに受けたユーザは、従来と比べてきわめて短時間で所要の設定操作を完遂することが期待できる結果として、その操作性を飛躍的に向上することができることになる。
【0036】
ところで、グループ機能記憶部73の記憶内容は、ユーザの操作に基づく所要の機能が設定される構成を採用することができる。すなわち、例えば、「集約」機能に従属するグループ機能として、「画面/分割」及び「用紙選択」に係る機能を関連付ける設定や、「用紙選択」機能に従属するグループ機能として、「原稿サイズ選択」及び「画面/分割」に係る機能を関連付ける設定を、ユーザの設定操作に応じて任意に行う構成を採用することができる。
【0037】
また、特定機能に従属するグループ機能の設定を、ユーザの各種機能に係る利用履歴に基づいて、自動的に行うことができれば便利である。
【0038】
こうした観点から、ショートカットキーを含む機能選択に係るキーの利用状況履歴に基づいて、第一の機能に関連付けて、同第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を管理する機能を有する登録管理部77を導入するように構成してもよい。この場合、グループ機能記憶部73の記憶内容は、登録管理部77での管理内容に基づき変更されることになる。
【0039】
具体的には、例えば、ユーザが、「集約」機能の使用に伴って、「画面/分割」及び「用紙選択」に係る機能を同時に使用した場合に、(集約,画面分割)、(集約,用紙選択)(画面分割,用紙選択)の各組み合わせに係る共通使用度をインクリメント(+1)する。こうした利用履歴に係る統計作業を、例えば1ヶ月や半年単位等の適宜の周期で実施する。そして、こうして得られた、特定機能に従属するグループ機能に含まれる各機能の共通使用度を比較して、そのスコア値が高いものから一又は二以上の数(この数は、ユーザによって任意に設定される。)のグループ機能を、特定機能に従属するグループ機能として採用し、特定機能に係る設定画面に伴って、同グループ機能のショートカットとして同時表示させる。
【0040】
こうした構成を採用すれば、特定機能に従属するグループ機能を、ユーザの各種機能に係る利用履歴に基づいて、動的に変更しながら設定することが可能となる。すなわち、ユーザの機能利用状況が、その利用時期に応じて時々刻々と変化する場合であっても、かかる変化に柔軟に追従してグループ機能が設定されて、ユーザの機能利用状況を忠実に反映したグループ機能設定を実現することが可能となる結果として、ユーザに対して真の利便性向上をもたらすことができる。
【0041】
以上述べたように、本発明実施例に係る画像形成装置によれば、主制御部11は、第一の機能に係るキーがユーザによって操作されたとき、グループ機能記憶部73から当該第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を読み出すとともに、当該操作された第一の機能に係る設定画面に伴って、当該読み出した機能に係るショートカットキーをタッチパネル部53に表示させる制御を行う。これによって、例えば、ユーザが第一の機能に係るキーを操作すると、第一の機能に係る設定画面に伴って、第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能に係るショートカットキーが表示されることになる。従って、タッチパネル部53上に、第一の機能に係る設定画面に伴って表示されてきたショートカットキーの恩恵をフルに受けたユーザは、従来と比べてきわめて短時間で所要の設定操作を完遂することが期待できる結果として、その操作性を飛躍的に向上することができる。
【0042】
[その他]
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは技術思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う画像形成装置もまた、本発明における技術的範囲の射程に包含されるものである。
【0043】
すなわち、例えば、本発明実施例において、特定機能に係る設定画面に伴って、グループ機能に係る2つのショートカットキーを設ける例をあげて説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではなく、例えば、特定機能に係る設定画面に伴って、グループ機能に係る少なくともひとつ以上の任意の数のショートカットキーを設けた場合であっても、本発明をそのまま適用することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】同画像形成装置における操作パネル部の外観図である。
【図3】本画像形成装置に係る機能選択時の動作フローチャート図である。
【図4】本画像形成装置においてある機能を選択する際における設定画面例を示す図である。
【図5】本画像形成装置においてある機能を選択する際における設定画面例を示す図である。
【図6】本画像形成装置においてある機能を選択する際における設定画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
11 主制御部
53 タッチパネル部(表示手段)
71 操作情報取得部
73 グループ機能記憶部(グループ機能記憶手段)
75 利用状況履歴記憶部
77 登録管理部(グループ機能管理手段)
79 表示制御部(表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成処理に係る各種機能を選択する際に操作される複数の機能キーと、前記各種機能のうち、予め登録された機能を直に選択する際に操作されるショートカットキーと、少なくとも前記ショートカットキーを含む機能選択に係るキーを表示するための表示手段と、を備え、前記表示手段に表示された機能選択に係るキーのうち、いずれかのキーが操作されたとき、当該操作されたキーに対応する画像形成処理を実行する機能を有する画像形成装置であって、
前記各種機能のうち、第一の機能に関連付けて、同第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を記憶するグループ機能記憶手段と、
前記第一の機能に係るキーが操作されたとき、前記グループ機能記憶手段から当該第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を読み出すとともに、当該操作された第一の機能に係る設定画面に伴って、当該読み出した機能に係るショートカットキーを前記表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記グループ機能記憶手段の記憶内容は、ユーザの操作に基づく所要の機能が設定される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記ショートカットキーを含む機能選択に係るキーの利用状況履歴に基づいて、前記第一の機能に関連付けて、同第一の機能と同時に使用が想定される一又は二以上の機能を管理するグループ機能管理手段をさらに備え、この場合、
前記グループ機能記憶手段の記憶内容は、当該グループ機能管理手段での管理内容に基づき変更される
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−17507(P2009−17507A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−180228(P2007−180228)
【出願日】平成19年7月9日(2007.7.9)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】